JPH095590A - 自己支持型光ケーブルおよびその製造方法 - Google Patents

自己支持型光ケーブルおよびその製造方法

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JPH095590A
JPH095590A JP7157617A JP15761795A JPH095590A JP H095590 A JPH095590 A JP H095590A JP 7157617 A JP7157617 A JP 7157617A JP 15761795 A JP15761795 A JP 15761795A JP H095590 A JPH095590 A JP H095590A
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JP
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optical cable
wire
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self
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Application number
JP7157617A
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English (en)
Inventor
Hiroki Ishikawa
弘樹 石川
Hiroaki Sano
裕昭 佐野
Shigeru Tanaka
茂 田中
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストを下げることができ、作業性,長
期信頼性等にすぐれた自己支持型光ケーブルを提供す
る。 【構成】支持線1は、被覆が施された抗張力線であり、
光ケーブル本体2は、長手方向に溝が刻まれたケーブル
コアに被覆が施されたものである。光ケーブル本体2
は、間欠的に設けられた複数の繋縛部3において、繋縛
用紐状体4により支持線1と一体化され、支持線1に懸
架されている。光ケーブル本体2は、支持線1に対して
余長を持たせて繋縛されているため、支持線1に張力が
加わっても光ケーブル本体2の中に収納された光ファイ
バに伸びが生じることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持線と光ケーブル本
体を一体化した自己支持型光ケーブルおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自己支持型光ケーブルは、支持線
と光ケーブル本体が一体化されており、これを架空に懸
架する際には、支持線の両端を電柱に固定することで、
光ケーブル本体部を保持する。このケーブルの利点は、
支持線と光ケーブル本体が一体化されているために支持
線を単独で架渉する必要がなく、架渉作業が1回で済む
という作業効率の良さにある。
【0003】かかる自己支持型光ケーブルの構造は、次
の2つに大別される。1つは、光ケーブル本体と鋼撚線
等の支持線とを別々に被覆し、第3の工程で両者を一体
化したものである。もう一つは、光ケーブル本体と支持
線とを一括して共通被覆したものである。前者の例とし
て、後述する第1〜第3の従来技術が知られており、後
者の例として、第4〜第6の従来技術が知られている。
【0004】図16は、第1の従来技術の斜視図であ
る。図中、71は支持線、72は光ケーブル本体、73
は共通シース、74は首部である。この従来技術は、実
公昭60−14243号公報により知られている。この
自己支持型光ケーブルは、支持線71と光ケーブル本体
72とが、共通シース73により、細い首部74で長手
方向に連続的につながる形で一括被覆されたものであ
る。製造時には、支持線71のみに懸架時と同等の張力
を加えて共通シース73を施す。したがって、張力が除
かれた状態では、光ケーブル本体72が実質的に圧縮さ
れている。
【0005】図17は、第2の従来技術の斜視図であ
り、図17(A)はその第1の例、図17(B)はその
第2の例の斜視図である。図中、図16と同様な部分に
は同じ符号を用いて説明を省略する。この従来技術は、
実開昭62−81913号公報により知られている。図
17(A)において、この自己支持型光ケーブルは、支
持線71と光ケーブル本体72とが、共通シース73に
より、細い首部74で長手方向に間欠的につながる形で
一括被覆されたものである。製造時には、支持線71に
懸架時と同等以上の張力を加えながら、支持線71に光
ケーブル本体72が間欠的に支持されるように共通シー
ス73を施している。したがって、張力が除かれた状態
では、光ケーブル本体72が長手方向に間欠的にたわみ
を有する。製造時に支持線71に加える張力が大きい場
合、張力が除かれた状態では、図7(B)に示されるよ
うに光ケーブル本体72が蛇行してたわむ。
【0006】図18は、第3の従来技術の説明図であ
り、図18(A)は底面図、図18(B)は拡大断面図
である。図中、図16と同様な部分には同じ符号を用い
て説明を省略する。この従来技術は、特開平5−203
849号公報により知られている。この自己支持型光ケ
ーブルは、支持線71と光ケーブル本体72とが、共通
シース73により、細い首部74で長手方向に連続的に
つながる形で一括被覆されたものである。製造時には、
光ケーブル本体を支持線に対して周期的に方向を変えて
捻回させながら共通シース73を施している。したがっ
て、支持線71に対して光ケーブル本体72が弛みを持
って一体化されている。
【0007】図19は、第4の従来技術の斜視図であ
る。図中、81は支持線、82は光ケーブル本体、83
は連結用金属帯である。この従来技術は、特開平5−2
74925号公報により知られている。この自己支持型
光ケーブルは、それぞれプラスチックで被覆された支持
線81と光ケーブル本体82とが、リング状の連結用金
属帯83で間欠的に一体化されたものである。
【0008】図20は、第5の従来技術の説明図であ
り、図20(A)は斜視図、図20(B)は断面図であ
る。図中、図19と同様な部分には同じ符号を用いて説
明を省略する。85は連結材である。上述した特開平5
−274925号公報中には、ケーブル本体と吊り線と
を一定間隔で同時にモールドして両者を一体化したもの
がある旨記載されている。図示の従来技術は、これを具
体化して示したものである。この自己支持型光ケーブル
は、それぞれプラスチックで被覆された支持線81と光
ケーブル本体82とが、プラスチックの連結材85でモ
ールドされ間欠的に一体化されたものである。
【0009】第6の従来技術としては、ケーブル本体と
吊り線とを平行に沿わせた状態でその上からバインド線
を巻き付けて一体化したものがある。この従来技術は、
上述した特開平5−274925号公報中に記載されて
いる。
【0010】次に、上述した各従来技術について検討す
る。図16を参照して説明した第1の従来技術において
は、支持線のサプライ張力を架渉時の張力に相当する数
百kgfまで上げる必要があり、サプライ設備の大型
化、設備費の増大を招き、さらに作業中の安全面からも
高度な注意、管理を必要とするために製造性を上げるこ
とができないという問題がある。また、光ケーブル本体
72の軸方向が固定されたままで圧縮応力が加わるため
に、光ファイバ心線が光ケーブル内で蛇行し、伝送損失
の増加の原因になるという問題がある。
【0011】第2の従来技術においては、図17におい
て、共通シース73を施す際に、首部に窓を開けるため
の設備の制約から、一括被覆工程の線速を上げることが
できないという問題がある。
【0012】第3の従来技術においては、図18におい
て、光ケーブル本体72を支持線71の周囲で捻回させ
るために、押し出し機のクロスヘッドを回転式とする必
要があるために、設備費の増大を招き、かつ回転速度と
捻回ピッチの関係から、一括被覆工程の線速を上げるこ
とができないという問題がある。
【0013】第4の従来技術においては、図19におい
て、連結用金属帯83を複雑な形状にあらかじめ整形し
ておく必要があり、製造コストの増大を招くという問題
がある。
【0014】第5の従来技術においては、図20におい
て、連結材85をプラスチック樹脂でモールド成型する
ために、製造線速が樹脂の冷却速度で制限され、製造性
が上がらないという問題がある。
【0015】第6の従来技術においては、1本のバイン
ド線を巻き付けて一体化するため、バインド線が1箇所
で断線すると、長いスパンにわたってケーブル本体が垂
れ下がってしまうという問題がある。
【0016】また、上述した第4〜第6の従来技術にお
いては、上述した他に、次のような問題もある。自己支
持型光ケーブルにおいては、光ケーブルを懸架した場合
に、支持線にかかる張力が数百kgfにもなり、その伸
び率が0.2%程度になって光ファイバ心線の長期信頼
性に悪影響を及ぼす。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、製造コストを下げることが
でき、作業性,長期信頼性等にすぐれた自己支持型光ケ
ーブルを提供し、かつ、設備費の増大,一括被覆工程の
線速低下等を招くことなく、この自己支持型光ケーブル
の製造性を上げることができる製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、自己支持型光ケーブルにおいて、
光ケーブルを架空に懸架するための支持線と、単心また
は複数心の光ファイバ心線が収納された光ケーブル本体
が一体化された自己支持型光ケーブルにおいて、前記支
持線と前記光ケーブル本体は、繋縛用紐状体により間欠
的に繋縛されて一体化されていることを特徴とするもの
である。
【0019】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の自己支持型光ケーブルにおいて、前記支持線
と前記光ケーブル本体を一体化する各繋縛部において、
前記繋縛用紐状体は、前記支持線と前記光ケーブル本体
の隙間を通過していることを特徴とするものである。
【0020】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載の自己支持型光ケーブルにおいて、前
記支持線と前記光ケーブル本体を一体化する各繋縛部に
おいて、前記繋縛用紐状体が複数本用いられていること
を特徴とするものである。
【0021】請求項4に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記支持線と前記光ケーブル本体を一体化
する各繋縛部は、ゴムまたはプラスチック等の合成樹脂
材料で一括して被覆されていることを特徴とするもので
ある。
【0022】請求項5に記載の発明においては、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記繋縛用紐状体は、直径が0.3mm以
上1.5mm以下の金属線であることを特徴とするもの
である。
【0023】請求項6に記載の発明においては、請求項
1ないし5のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記繋縛用紐状体は、ゴムまたはプラスチ
ック等の合成樹脂材料で被覆された金属線であることを
特徴とするものである。
【0024】請求項7に記載の発明においては、請求項
1ないし6のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記繋縛用紐状体は、外周面上に滑り止め
加工が施されていることを特徴とするものである。
【0025】請求項8に記載の発明においては、請求項
1ないし7のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記繋縛用紐状体は、外周面上に微小な突
起を有することを特徴とするものである。
【0026】請求項9に記載の発明においては、請求項
1ないし8のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブ
ルにおいて、前記繋縛用紐状体は、断面形状が楕円形ま
たは矩形であることを特徴とするものである。
【0027】請求項10に記載の発明においては、請求
項1ないし9のいずれか1項に記載の自己支持型光ケー
ブルにおいて、前記繋縛用紐状体と前記支持線が接する
面、および、前記繋縛用紐状体と前記光ケーブル本体が
接する面に、接着性を有する物質を有することを特徴と
するものである。
【0028】請求項11に記載の発明においては、請求
項1ないし10のいずれか1項に記載の自己支持型光ケ
ーブルにおいて、前記支持線と前記光ケーブル本体を一
体化する各繋縛部において、前記支持線および前記光ケ
ーブル本体の外被の表面に、円周方向の溝が形成されて
いることを特徴とするものである。
【0029】請求項12に記載の発明においては、請求
項1ないし11のいずれか1項に記載の自己支持型光ケ
ーブルにおいて、前記支持線に対し前記光ケーブル本体
が弛みをもって一体化されていることを特徴とするもの
である。
【0030】請求項13に記載の発明においては、請求
項1ないし12に記載の自己支持型光ケーブルの製造方
法において、光ケーブルを架空に懸架するための支持線
と、単心または複数心の光ファイバ心線が収納された光
ケーブル本体を、間欠的に繋縛用紐状体で繋縛し、前記
支持線と前記光ケーブル本体を一体化することを特徴と
するものである。
【0031】請求項14に記載の発明においては、請求
項13に記載の自己支持型光ケーブルの製造方法におい
て、前記繋縛用紐状体で繋縛した後、前記繋縛用紐状体
を加熱し、前記繋縛用紐状体の少なくとも一部を溶融さ
せることを特徴とするものである。
【0032】請求項15に記載の発明においては、請求
項13または14に記載の自己支持型光ケーブルの製造
方法において、前記繋縛用紐状体を、前記支持線および
前記光ケーブル本体の外被の軟化温度以上に加熱した
後、前記支持線および前記光ケーブル本体を繋縛するこ
とを特徴とするものである。
【0033】請求項16に記載の発明においては、請求
項13ないし15のいずれか1項に記載の自己支持型光
ケーブルの製造方法において、前記支持線と前記光ケー
ブル本体を繋縛する際、繋縛完了後の隣接する繋縛部と
の間における前記支持線と前記光ケーブル本体の間隙に
スペーサを挿入することを特徴とするものである。
【0034】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、支持線と光ケ
ーブル本体が一体化された自己支持型光ケーブルであっ
て、支持線と光ケーブル本体が、繋縛用紐状体により間
欠的に繋縛されて一体化されているから、支持線と光ケ
ーブル本体とを一体化する連結材が、繋縛用紐状体であ
り、かつ、両者を結ぶことで一体化するために、連結材
を事前に複雑な形状に加工する必要がなく、製造コスト
の上昇を最小限に抑えることができる。
【0035】請求項2に記載の発明によれば、支持線と
光ケーブル本体を一体化する各繋縛部において、前記繋
縛用紐状体は、前記支持線と前記光ケーブル本体の隙間
を通過しているから、支持線と光ケーブル本体との間隔
を強制的に空けることができるため、自己支持型光ケー
ブルの架渉、分岐のために繋縛部の分離作業を行なう際
に、支持線と光ケーブル本体の間に切断用工具を入れや
すく、作業性が良くなる。さらに、支持線と光ケーブル
本体の間を風が通り抜けることができるために、風圧荷
重によって自己支持型光ケーブルのダンシングが起こる
のを最小限に抑えることができる。
【0036】請求項3に記載の発明によれば、各繋縛部
において、繋縛用紐状体が複数本用いられているから、
繋縛作業を行なう際に、例えば、支持線と光ケーブル本
体を一体化するための紐状体と、支持線と光ケーブル本
体の間を通過させるための紐状体を個別に操作すること
が可能になるため、繋縛作業を短時間で行なうことがで
き、製造性を上げることができる。
【0037】請求項4に記載の発明によれば、各繋縛部
は、ゴムまたはプラスチック等の合成樹脂材料で一括し
て被覆されているから、繋縛用紐状体が長期間風雨に直
接暴露されるのを防ぐことができるため、繋縛部の長期
信頼性を向上させることができる。また、繋縛用紐状体
として金属線を使用した場合には、金属線の端末も樹脂
に覆われるため、この端末により光ケーブル本体や作業
者の手を傷つけるのを防ぐことができる。
【0038】請求項5に記載の発明によれば、繋縛用紐
状体は、直径が0.3mm以上1.5mm以下の金属線
であるから、繋縛用紐状体が適度な可撓性と可塑性を持
つために、繋縛と結索が容易になり、製造性を上げるこ
とができる。また、金属線の直径を0.3mm以上とす
ることで、金属線が光ケーブル本体の外被に必要以上に
食い込むのを防止できる。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、繋縛用紐
状体が、ゴムまたはプラスチック等の合成樹脂材料で被
覆された金属線であるから、この金属線が長期間直接風
雨にさらされるのを防ぐことができるため、錆や腐食に
よる金属線の破断を防ぐことができ、繋縛部の長期信頼
性を上げることができる。
【0040】請求項7ないし11に記載の発明によれ
ば、それぞれの具体的な構造により、支持線または光ケ
ーブル本体が繋縛用紐状体に対して長手方向に位置ずれ
することを防ぐという、滑り止め作用を実現する。一般
に、支持線を把持して自己支持型光ケーブルを架空に懸
架した状態で、長期的に光ケーブル本体が長手方向に移
動すると、端末部分において、これに接続されている光
ファイバに張力がかかり、接続損失の増大やファイバの
破断が発生する。滑り止め作用により、このような事態
を防ぐことができる。
【0041】請求項7に記載の発明によれば、繋縛用紐
状体の外周面上に滑り止め加工が施されているから、滑
り止め作用を得ることができる。
【0042】請求項8に記載の発明によれば、繋縛用紐
状体の外周面上に微小な突起を有するから、例えば繋縛
前に、目の粗いヤスリ等で紐状体を擦ることで実現可能
なものであるため、材料や工程の増加,設備の増大等を
招くことなく、滑り止め作用を得ることができる。
【0043】請求項9に記載の発明によれば、繋縛用紐
状体の断面形状が、楕円形または矩形であるから、紐状
体と支持線および光ケーブル本体との接触面積を大きく
することができるため、何らの付加的な工程,材料,設
備を必要とせず、製造コストの増大を招くことなく滑り
止め作用を得ることができる。
【0044】請求項10に記載の発明によれば、前記繋
縛用紐状体と前記支持線が接する面、および、前記繋縛
用紐状体と前記光ケーブル本体が接する面に、接着性を
有する物質を有するから、繋縛用紐状体,光ケーブル本
体と支持線の各外被の材料に応じて接着性を有する物質
を選択することができ、強固でかつ長期的に安定な滑り
止め作用が得られる。
【0045】請求項11に記載の発明によれば、前記支
持線と前記光ケーブル本体を一体化する各繋縛部におい
て、前記支持線および前記光ケーブル本体の外被の表面
に、円周方向の溝が形成されているから、繋縛用紐状体
が支持線および光ケーブル本体の外周から盛り上がる高
さを小さくすることができ、風圧荷重によって自己支持
型光ケーブルのダンシングが起こるのを最小限に抑える
ことができる。
【0046】請求項12に記載の発明によれば、支持線
に対し光ケーブル本体が弛みをもって一体化されている
から、自己支持型光ケーブルを架空に架渉する際、また
は、懸架した後に、支持線に数百kgfの張力がかかっ
ても光ケーブル本体および光ファイバに伸びが生じるこ
とがなく、長期信頼性の高い自己支持型光ケーブルを提
供することができる。
【0047】請求項13に記載の発明によれば、光ケー
ブルを架空に懸架するための支持線と、単心または複数
心の光ファイバ心線が収納された光ケーブル本体を、間
欠的に繋縛用紐状体で繋縛し、支持線と光ケーブル本体
を一体化するから、支持線と光ケーブル本体との一体化
工程は、繋縛用紐状体で繋縛するという簡単な作業で済
み、連結材をプラスチック樹脂モールドとする場合のよ
うに、プラスチック材料の冷却等が不要なため、線速上
昇に対する制限を最小限に抑えることができる。
【0048】請求項14に記載の発明によれば、前記繋
縛用紐状体で繋縛した後、前記繋縛用紐状体を加熱し、
前記繋縛用紐状体の少なくとも一部を溶融させるから、
繋縛用紐状体同士および、紐状体と支持線,光ケーブル
本体とが強固に一体化されるため、繋縛用紐状体がほど
けることや、支持線または光ケーブル本体が繋縛用紐状
体に対して長手方向に位置がずれるのを確実に防ぐこと
ができる。
【0049】請求項15に記載の発明によれば、前記繋
縛用紐状体を、前記支持線および前記光ケーブル本体の
外被の軟化温度以上に加熱した後、前記支持線および前
記光ケーブル本体を繋縛するから、この繋縛用紐状体を
適度な力で支持線および光ケーブル本体に押しつけるこ
とで、紐状体を支持線および光ケーブル本体の外被に食
い込ませることができ、滑り止め作用を得ることができ
る。したがって、付加的な材料を用いることなく、支持
線と光ケーブル本体の位置ずれが起こるのを防ぐことが
でき、経済的である。
【0050】請求項16に記載の発明によれば、前記支
持線と前記光ケーブル本体を繋縛する際、繋縛完了後の
隣接する繋縛部との間における前記支持線と前記光ケー
ブル本体の間隙にスペーサを挿入するから、光ケーブル
本体に確実に弛みを持たせて支持線と一体化することが
可能になるとともに、スペーサの直径を調整することで
弛みの大きさを容易に調整することが可能になり、制御
性が向上する。
【0051】
【実施例】まず、本発明の自己支持型光ケーブルの実施
例について説明するが、最初に繋縛方法に着目して説明
し、次に、繋縛部の被覆について説明し、最後に、滑り
止め効果を有する繋縛用紐状体および繋縛部の構造につ
いて説明する。
【0052】図1は、本発明の一実施例の斜視図であ
る。図2,図3,図4は、この実施例の繋縛部の第1,
第2,第3の部分拡大図である。図中、1は支持線、2
は光ケーブル本体、3は繋縛部、4は繋縛用紐状体、4
aは第1の繋縛用紐状体、4bは第2の繋縛用紐状体で
ある。
【0053】図1を参照して、自己支持型光ケーブルの
架設状態の概観を説明する。支持線1は、被覆が施され
た抗張力線であり、ほぼ水平方向に架設されている。光
ケーブル本体2は、例えば、長手方向に1または複数の
溝が刻まれたケーブルコアに被覆が施されたもので、溝
の中に1または複数の光ファイバが収納されているもの
である。この光ケーブル本体2は、間欠的に設けられた
複数の繋縛部3において、繋縛用紐状体4により支持線
1と一体化され、支持線1に懸架されている。光ケーブ
ル本体2は、支持線1に対して弛み、すなわち余長を持
たせて繋縛されているため、架設状態において支持線1
に張力が加わっても光ケーブル本体2およびこの中に収
納された光ファイバに伸びが生じることがない。
【0054】図2に示された繋縛部の部分拡大図は、図
1の繋縛部3の1つを部分的に拡大したものである。繋
縛部3において、支持線1と光ケーブル本体2を隣接さ
せ、繋縛用紐状体4を、両者の周囲に3回周回させた後
に結索をしている。
【0055】図3を参照して、繋縛方法の変形例を説明
する。繋縛用紐状体4は、各繋縛部3において複数本、
例えば、2本を使用する。第1の繋縛用紐状体4aを、
支持線1と光ケーブル本体2の周囲に一括して周回させ
て結索した後、第2の繋縛用紐状体4bを、支持線と光
ケーブル本体との間で、第1の繋縛用紐状体4a自身の
周りを周回させて結索している。その結果、自己支持型
光ケーブルの架渉、分岐のために繋縛部3の分離作業を
行なう際に、支持線1と光ケーブル本体2の間に切断用
工具を入れやすい。さらに、支持線1と光ケーブル本体
2の間を風が通り抜けることができるために、風圧荷重
による自己支持型光ケーブルのダンシングを最小限に抑
えることができる。また、製造時に繋縛作業を行なう
際、第1および第2の繋縛用紐状体4a,4bを個別に
操作すると、繋縛作業を短時間で行なうことができる。
【0056】なお、第1および第2の繋縛用紐状体4
a,4bを連続した1本のものとしてもよい。すなわ
ち、繋縛用紐状体を、支持線1と光ケーブル本体2の周
囲に一括して周回させた後、支持線と光ケーブル本体と
の間で、自身の周りを周回させて結索してもよい。
【0057】また、図4に示されるように、繋縛用紐状
体4を、支持線1と光ケーブル本体2の周囲に8の字状
に一括して数回、周回させて結索してもよい。繋縛方法
は上述したものに限られず、支持線1と光ケーブル本体
2を結合できるものであればよく、繋縛部3において両
者の間に若干の隙間をあけてもよい。また、各繋縛部3
において複数本の繋縛用紐状体4を使用してもよい。
【0058】次に、具体例について説明する。繋縛用紐
状体4として、直径0.6mmの軟鉄線を用い、50c
m間隔で間欠的に支持線1と光ケーブル本体2とを繋縛
した。実験により確認したところ、光ケーブル本体2の
外被への過度の食い込みを避け、かつ、繋縛時の張力に
耐えるためには、繋縛用紐状体4の直径は、0.3mm
以上が望ましい。逆に、容易に繋縛作業を行うために
は、繋縛用紐状体4の直径は、1.5mm以下が望まし
い。繋縛用紐状体4の材料については、容易に曲げるこ
とができる材料が望ましく、軟鉄線,軟銅線,真鍮線等
が好適である。さらに、これらの材料がゴム,プラスチ
ック等の合成樹脂材料で被覆されていてもよい。この場
合、金属線が長期間直接風雨にさらされることによる錆
や腐食による金属線の破断を防ぐことができる。また、
金属以外の材料、例えば、木綿等の紐等であってもよ
い。
【0059】図5は、繋縛部の被覆を説明するための斜
視図であり、図5(A)は被覆前の斜視図であり、図5
(B)は被覆後の斜視図である。図6は、被覆後の繋縛
部の断面図である。図中、図1,図2と同様な部分には
同じ符号を用いて説明を省略する。5は繋縛部被覆であ
る。図5(A)に示された被覆前のものは、第1の実施
例中、図3に示されたものと同一のものであり、この繋
縛部3の上に、繋縛部被覆5を一括して被覆し、図5
(B)に示された自己支持型光ケーブルを形成してい
る。
【0060】図6に示されるように、繋縛用紐状体4
は、繋縛部被覆5により全面的に覆われている。この結
果、繋縛用紐状体4が長期間、直接風雨に暴露されるの
を防ぐことができる。また、繋縛用紐状体4として金属
線を使用した場合には、この金属線の端末も樹脂に覆わ
れるため、光ケーブル本体や作業者の手を傷つけるのを
防ぐことができる。なお、上述した説明では、図3に示
された繋縛方法のものに、繋縛部被覆5を施したが、図
2,図4に示された他の繋縛方法のものに繋縛部被覆5
を施しても差し支えない。
【0061】次に、具体例について説明する。繋縛部被
覆5として、ポリエチレン樹脂被覆を施した。被覆の厚
さは最小で0.6mm、平均で1.0mmであった。そ
の他の部分は、第1の実施例と同様である。
【0062】上述した繋縛部3を被覆することは、必ず
しも必要ではない。しかし、繋縛部被覆5によって、自
己支持型光ケーブルをドラムに巻いた際に、繋縛用紐状
体4の端末が、光ケーブル本体2の外被に傷を付けた
り、布設作業時に作業者の手、衣類に引っかかるのを防
ぐことができる。ポリエチレン樹脂被覆の耐紫外線特
性、透過性の測定結果からみて、上述した被覆の厚さ
は、この場合の繋縛用紐状体4である軟鉄線が、長期間
風雨にさらされ腐食するのを防ぐのに十分である。
【0063】次に、滑り止め効果を有する繋縛用紐状体
4および繋縛部3の構造について説明する。支持線1を
把持して自己支持型光ケーブルを架空に懸架した状態
で、長期的に光ケーブル本体2が長手方向に移動する
と、その端末部分において、これに接続されている光フ
ァイバに張力がかかり、接続損失の増大や光ファイバの
破断が発生する。このような事態にならないよう、支持
線1および光ケーブル本体2が、繋縛用紐状体4に対
し、長手方向に滑って位置ずれするのを防ぐ必要があ
る。そこで、上述した繋縛に加えて、繋縛用紐状体4お
よび繋縛部3の構造により、滑り止め効果を持たせるこ
とが望ましい。
【0064】まず、滑り止め作用を実現する繋縛用紐状
体を説明する。図7は、繋縛用紐状体の第1の例の正面
図である。図8は、繋縛用紐状体の第2の例の説明図で
あり、図8(A)はその正面図、図8(B)は断面図で
ある。図9は、繋縛用紐状体の第3の例の断面図であ
り、図9(A)は断面が楕円形状のもの、図9(B)は
断面が矩形状のものである。図中、11,13は金属
線、12,14,15は繋縛用紐状体被覆である。
【0065】図7に示される第1の例においては、繋縛
用紐状体として、軟鉄線等の金属線11を用い、繋縛前
に、この金属線11の表面を目の粗いグラインダ,ヤス
リ等で擦って表面を荒くし、滑り止め加工を施してい
る。
【0066】図8に示される第2の例においては、繋縛
用紐状体として、ポリエチレン樹脂等の繋縛用紐状体被
覆12で被覆した金属線13を用いている。繋縛用紐状
体被覆12を施す際、その表面に故意に突起が生じるよ
うに滑り止め加工し、支持線1および光ケーブル本体2
と繋縛用紐状体との接触面積を大きくしている。
【0067】図9に示される第3の例においても、繋縛
用紐状体として、ポリエチレン樹脂等の繋縛用紐状体被
覆14,15で被覆された金属線13を用いるが、図9
(A)の例では、繋縛用紐状体被覆14の断面形状を楕
円形にしている。具体的には、直径0.6mmの軟鉄線
である金属線13の周囲に、断面の長径が1.5mm、
短径が1.0mmの楕円形となるようにポリエチレン樹
脂で被覆を行っている。図9(B)の例では、繋縛用紐
状体被覆15の断面形状を矩形にしている。具体的に
は、直径0.6mmの軟鉄線である金属線13の周囲
に、長辺が1.5mm、短辺が1.0mmの矩形となる
ようにポリエチレン樹脂で被覆を行っている。これら
は、円形断面の場合に比べ、繋縛用紐状体と、支持線お
よび光ケーブル本体との接触面積が大きくなり、滑り止
め効果が得られる。
【0068】次に、滑り止め効果を有する繋縛部の構造
について説明する。図10は、繋縛部の第1の例の断面
図である。図11は、繋縛部の第2の例の説明図であ
り、図11(A)は繋縛作業前の斜視図、図11(B)
は繋縛作業後の斜視図である。図12は、繋縛部の第3
の例の説明図であり、図12(A)は繋縛作業完了時の
斜視図、図12(B)は加熱溶融後の斜視図である。図
13は、図12の断面図であり、図13(A)は図12
(A)の、図13(B)は図12(B)の断面図であ
る。図中、図1,図2,図8と同様な部分には同じ符号
を用いて説明を省略する。21は接着性を有する物質、
31は溝、41aは第1の繋縛用紐状体、41bは第2
の繋縛用紐状体,41cは加熱溶融された繋縛用紐状体
である。
【0069】図10に示される第1の例では、繋縛部3
の支持線1および光ケーブル本体2の表面に、それぞ
れ、接着性を有する物質21として、自己融着テープを
巻き付ける。その後に、繋縛用紐状体4を、例えば、図
4に示された8の字状の繋縛方法で繋縛する。繋縛用紐
状体4としては、例えば、図8に示された繋縛用紐状体
12と同様の、ポリエチレン樹脂で被覆した金属線を用
いる。
【0070】接着性を有する物質21として、例えば、
液体状の接着剤を用いてもよいが、その代わりに自己融
着テープを用いることにより、支持線1および光ケーブ
ル本体2と繋縛用紐状体4の圧着部分のみで融着するこ
とになるから、製造時において、接着剤が他の部分に不
用意に付着するようなことがなく、製造性に優れ、か
つ、耐候性も良好である。接着性を有する物質21とし
ては、上述の自己融着テープに限らず、支持線1および
光ケーブル本体2の被覆と繋縛用紐状体4の材料に合わ
せて接着剤等の接着性を有する物質21を選択すること
ができる。
【0071】図11に示される第2の例では、図11
(A)のように、繋縛部3の支持線1および光ケーブル
本体2の各外被の表面に、溝31を、円周方向に、例え
ば4本ずつ彫っておく。各外被を被覆する時に同時に溝
31を成形したり、被覆後に加熱した型を押し付けて溝
31を形成してもよい。そして、図11(B)に示され
るように、溝31の上に繋縛用紐状体4を巻付け、繋縛
を行なう。具体例を示すと、溝31は、深さが0.2m
m、幅が0.6mmで円弧状の底面を有するものであ
る。
【0072】図12に示される第3の例では、繋縛用紐
状体41として、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性合成樹
脂被覆が施された金属線を用いる。図12(A)に示さ
れる例は、繋縛方法として図3と同様な方法を用い、第
1および第2の繋縛用紐状体41a,41bにより繋縛
するものである。繋縛作業終了後、繋縛部3に熱風を吹
き付けて繋縛用紐状体41の被覆を加熱し、その少なく
とも一部分を溶融させる。
【0073】繋縛用紐状体41の被覆材料、支持線1お
よび光ケーブル本体2の各外被の被覆材料を選ぶことに
より、繋縛用紐状体41の溶融部分は、支持線1および
光ケーブル本体2の各外被に融着し、滑り止め効果が得
られる。ほぼ完全に溶融させた場合には、図12(B)
に示されるように、加熱溶融された繋縛用紐状体41c
となり、隣り合う繋縛用紐状体の被覆同士は一体化され
る。この間、繋縛部3の断面は、繋縛作業完了時の図1
3(A)のような断面から、加熱溶融後の図13(B)
のような断面になる。
【0074】なお、繋縛部3の加熱温度を、支持線1と
光ケーブル本体2の各外被の軟化温度を超えないように
すれば、支持線1および光ケーブル本体2の各外被が不
用意に軟化して、支持線1および光ケーブル本体2の内
部が露出するおそれがない。逆に、繋縛作業終了後、十
分注意して、繋縛部3を支持線1および光ケーブル本体
2の外被の軟化温度以上に加熱した場合には、繋縛用紐
状体の被覆と同時に各外被も溶融し、繋縛用紐状体41
の被覆、支持線1および光ケーブル本体2の各外被は、
溶融により結合して一体化され、強固な滑り止め効果が
得られる。
【0075】また、繋縛作業前およびまたは繋縛作業中
において、繋縛用紐状体41を加熱し、繋縛用紐状体4
1を加熱した状態で繋縛作業を行なってもよい。この場
合には、溶融を早めることができる。加えて、支持線1
および光ケーブル本体2の外被の軟化温度以上に加熱し
た場合には、繋縛用紐状体の被覆と同時に、支持線1お
よび光ケーブル本体2の各外被も繋縛用紐状体41と接
する部分で局部的に溶融し、繋縛用紐状体41の被覆、
支持線1および光ケーブル本体2の各外被は、溶融によ
り結合して一体化されるとともに、繋縛用紐状体41を
両者の外被に食い込ませることができ、さらに強固な滑
り止め効果が得られる。
【0076】なお、支持線1と光ケーブル本体2の外被
の軟化温度以上に加熱する場合には、裸の金属線、支持
線1および光ケーブル本体2の外被よりも軟化温度の高
い合成樹脂製の紐状体、天然繊維等を繋縛用紐状体41
として用いても、繋縛用紐状体41と各外被を溶融によ
り結合して一体化させることができる。
【0077】上述した説明では、本発明の自己支持型光
ケーブルの実施例を、繋縛方法、繋縛用紐状体、繋縛部
の構造の各特徴部分に分けて説明したが、それぞれの特
徴を適宜組み合わせたものも本発明の実施例となる。
【0078】次に、本発明の自己支持型光ケーブルの製
造方法について説明する。図14は、本発明の製造方法
の一実施例の構成図である。図15は、繋縛機の動作を
説明する説明図であり、図15(A)は第1の動作状
態、図15(B)は第2の動作状態を示す説明図であ
る。図中、図1と同様な部分には同じ符号を用いて説明
を省略する。51は被覆前の支持線、52は被覆前の光
ケーブル本体、53は支持線のサプライボビン、54は
光ケーブル本体のサプライボビン、55はクロスヘッ
ド、56はローラ、57は冷却水槽、58は第1の繋縛
機、58aは曲げガイド、59は第2の繋縛機、59a
は曲げガイド、60は第1のスペーサ、61は第2のス
ペーサである。
【0079】図14を参照して全体構成を説明する。被
覆前の支持線51および被覆前の光ケーブル本体52の
両者は、それぞれ支持線のサプライボビン53、光ケー
ブル本体のサプライボビン54から、共通の被覆樹脂押
し出し用クロスヘッド55に供給される。途中、被覆前
の光ケーブル本体52は、ローラ56により方向を変え
られ、両者は、平行に整列されてクロスヘッド55に供
給される。クロスヘッド56において、両者は、個別に
被覆が施され、外被を有する支持線1および外被を有す
る光ケーブル本体2となり、冷却槽57を通って外被が
冷却固化される。その後、自動的に繋縛作業を行なう第
1の繋縛機58および第2の繋縛機59によって繋縛さ
れて一体化され、繋縛部3が間欠的に形成され、図示し
ない巻取ボビンに巻取られる。
【0080】この一実施例においては、ケーブルの長手
方向の左右に移動可能な同一の繋縛機を2台用いるとと
もに、同様に移動可能な同一の第1および第2のスペー
サ60,61を用いている。繋縛用紐状体4の繋縛方法
は図2に示された第1の実施例のものと同様とする。繋
縛用紐状体4の構造は、図7ないし図9に示された滑り
止め効果を有するものでも、また、特にそのための加工
等を施していないものでもよい。
【0081】図15を参照して、繋縛動作を説明する。
図15(A)に示される第1の動作状態において、冷却
水槽57から供給された支持線1と光ケーブル本体2と
の間隙には、2個のスペーサが所定間隔をあけて挿入さ
れている。これらのスペーサは、支持線1と光ケーブル
本体2の移動方向に沿って、図示左側の上流側から、第
1スペーサ60、第2のスペーサ61の順で並んでい
る。この第1および第2のスペーサ60,61は、例え
ば直径20mmの円筒形のものである。
【0082】また、第1の繋縛機58は、第1および第
2のスペーサ60,61の中間部に位置し、支持線1に
対して光ケーブル本体2が当接または接近するように光
ケーブル本体2の側から押さえ、ここを新たな繋縛部3
として繋縛作業を開始する状態にある。一方、第2の繋
縛機59は、第2のスペーサ61よりも図示右側の下流
側に位置し、繋縛作業を完了し、繋縛部3から離れた状
態にある。
【0083】上流側の第1の繋縛機58および第1のス
ペーサ60は、支持線1および光ケーブル本体2ととも
に、これらと同じ速度で下流側に移動する。同時に、第
1の繋縛機58は第1および第2のスペーサ60,61
に挟まれた区間で繋縛作業を行なう。一方、下流側の第
2の繋縛機59は、繋縛作業を完了すると上流側に移動
する。第2のスペーサ61は、上流側の第1の繋縛機5
8が繋縛作業を完了した後に、支持線1と光ケーブル本
体2の間隙から引き抜かれ、上流側へ移動し、再び、支
持線1と光ケーブル本体2の間隙に挿入される。この結
果、図15(B)に示される第2の動作状態となる。
【0084】図15(B)においては、第2のスペーサ
61が上流側に位置し、所定間隔をあけて下流側に第1
のスペーサ60が位置する。第2の繋縛機59は、第2
および第1のスペーサ61,60の中間部であって、支
持線1および光ケーブル本体2から下方に離れた場所に
位置する。一方、第1の繋縛機58は、第1のスペーサ
60よりも下流側に位置し、繋縛作業を完了した状態に
ある。このとき、第1の繋縛機58の位置と下流側に隣
接する繋縛部3との間では、支持線1に対して光ケーブ
ル本体2が弛みを持って繋縛されている。
【0085】続いて、第2の繋縛機59は、繋縛作業を
開始するために支持線1および光ケーブル本体2に接近
するように移動し、一方、第1の繋縛機58は、繋縛部
3から下に離れるように移動する。その結果、先の図1
5(A)における第1の繋縛機58の位置に第2の繋縛
機59が位置し、第2の繋縛機59の位置に第1の繋縛
機58が位置する。また、第1のスペーサ60の位置に
第2のスペーサ61が位置し、第2のスペーサ61の位
置に第1のスペーサ60が位置する。このように、第1
のものと第2のものとの位置が入れ替わり、以降、同様
の動作を交互に繰り返す。
【0086】光ケーブル本体2に余長を持たせるために
は、光ケーブル本体2を、例えば上下に蛇行させながら
支持線1と繋縛部3で一体化する必要がある。このため
に、スペーサを挿入し、繋縛機を光ケーブル本体2の側
から接近させるようにしている。
【0087】図15(A)に示されたように、第2のス
ペーサ61の挿入部では、支持線1と光ケーブル本体2
との間隔が、繋縛完了後の隣接する繋縛部3での間隔よ
りも大きくなっているから、第1の繋縛機58により、
支持線1に対して光ケーブル本体2が弛みを持って新た
に繋縛されることになる。その結果、支持線1に対して
光ケーブル本体2が余長を有することになる。第1およ
び第2のスペーサ60,61の直径を変えることにより
余長量を変えることができる。
【0088】また、第1のスペーサ60の挿入部でも、
支持線1と光ケーブル本体2との間隔は、第2のスペー
サ61の挿入部と同じ間隔である。したがって、光ケー
ブル本体2は、第1の繋縛機58よりも上流側において
も既に下に曲げられているから、繋縛作業終了後に、光
ケーブル本体2が下に曲がることがなく繋縛部3に新た
な締め付け力が発生しない。
【0089】光ケーブル本体2の急激な曲がりを防止す
るためには、光ケーブル本体2と接する部位に、曲げガ
イド58a,58bを具備した構造とすることが望まし
い。各曲げガイド58a,58bは、例えば半径600
mm以上の円筒面を有するものでり、この上面の中心で
繋縛作業が行なわれる。
【0090】上述した実施例では、2台の繋縛機および
スペーサが交代しながら間欠的に繋縛作業を行なうた
め、製造の高速化が実現できるが、繋縛作業は、第1の
繋縛機58と第2のスペーサ61のみによっても可能で
ある。
【0091】なお、繋縛作業完了後に図5に示した繋縛
部被覆5を施す手段を付加してもよい。また、繋縛部に
おいて、図12に示した、繋縛用紐状体41を加熱溶融
させる手段、繋縛用紐状体41を支持線1と光ケーブル
本体2の外被の軟化温度以上に加熱する手段を付加して
もよい。および、繋縛作業前に、図10に示した繋縛部
3の周囲に自己融着テープを巻付ける手段、または、支
持線31,光ケーブル本体2において、繋縛部3となる
位置の周囲に、図11に示した溝31を設ける手段を加
えてもよい。繋縛用紐状体として、図7ないし図9に示
したものを用いてもよい。
【0092】上述した製造方法による自己支持型光ケー
ブルを試験した。支持線1を把持して張力を印加し、張
力と光ケーブル本体2中の光ファイバ心線の伸びとの関
係を調べた。その結果、架渉時の張力に相当する800
kgfの張力まで、光ファイバ心線の伸びは誤差範囲内
であり認められなかった。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の自己支持型光ケーブルによれば、製造コストを下げる
ことができ、かつ、作業性、長期信頼性等にすぐれると
いう効果がある。また、本発明の自己支持型光ケーブル
の製造方法によれば、設備費の増大や一括被覆工程の線
速低下等を招くことなく、製造性を上げることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】この実施例の繋縛部の第1の部分拡大図であ
る。
【図3】この実施例の繋縛部の第2の部分拡大図であ
る。
【図4】この実施例の繋縛部の第3の部分拡大図であ
る。
【図5】繋縛部の被覆を説明するための斜視図であり、
図5(A)は被覆前の斜視図であり、図5(B)は被覆
後の斜視図である。
【図6】被覆後の繋縛部の断面図である。
【図7】繋縛用紐状体の第1の例の正面図である。
【図8】繋縛用紐状体の第2の例の説明図であり、図8
(A)はその正面図、図8(B)は断面図である。
【図9】繋縛用紐状体の第3の例の断面図であり、図9
(A)は断面が楕円形状のもの、図9(B)は断面が矩
形状のものである。
【図10】繋縛部の第1の例の断面図である。
【図11】繋縛部の第2の例の説明図であり、図11
(A)は繋縛作業前の斜視図、図11(B)は繋縛作業
後の斜視図である。
【図12】繋縛部の第3の例の説明図であり、図12
(A)は繋縛作業完了時の斜視図、図12(B)は加熱
溶融後の斜視図である。
【図13】図12の断面図であり、図13(A)は図1
2(A)の、図13(B)は図12(B)の断面図であ
る。
【図14】本発明の製造方法の一実施例の構成図であ
る。
【図15】繋縛機の動作を説明する説明図であり、図1
5(A)は第1の動作状態、図15(B)は第2の動作
状態を示す説明図である。
【図16】第1の従来技術の斜視図である。
【図17】第2の従来技術の斜視図であり、図17
(A)はその第1の例、図17(B)はその第2の例の
斜視図である。
【図18】第3の従来技術の説明図であり、図18
(A)は底面図、図18(B)は拡大断面図である。
【図19】第4の従来技術の斜視図である。
【図20】第5の従来技術の説明図であり、図20
(A)は斜視図、図20(B)は断面図である。
【符号の説明】
1…支持線、2…光ケーブル本体、3…繋縛部、4…繋
縛用紐状体、5…繋縛部被覆、11,13…金属線、1
2,14,15…繋縛用紐状体被覆、21…接着性を有
する物質、31…溝、51…被覆前の支持線、52…被
覆前の光ケーブル本体、55…クロスヘッド、57…冷
却水槽、58…第1の繋縛機、59…第2の繋縛機、6
0…第1のスペーサ、61…第2のスペーサ、71,8
1…支持線、72,82…光ケーブル本体、73…共通
シース、83…連結用金属帯、85…連結材。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ケーブルを架空に懸架するための支持
    線と、単心または複数心の光ファイバ心線が収納された
    光ケーブル本体が一体化された自己支持型光ケーブルに
    おいて、前記支持線と前記光ケーブル本体は、繋縛用紐
    状体により間欠的に繋縛されて一体化されていることを
    特徴とする自己支持型光ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記支持線と前記光ケーブル本体を一体
    化する各繋縛部において、前記繋縛用紐状体は、前記支
    持線と前記光ケーブル本体の隙間を通過していることを
    特徴とする請求項1に記載の自己支持型光ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記支持線と前記光ケーブル本体を一体
    化する各繋縛部において、前記繋縛用紐状体が複数本用
    いられていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の自己支持型光ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記支持線と前記光ケーブル本体を一体
    化する各繋縛部は、ゴムまたはプラスチック等の合成樹
    脂材料で一括して被覆されていることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の自己支持型光ケー
    ブル。
  5. 【請求項5】 前記繋縛用紐状体は、直径が0.3mm
    以上1.5mm以下の金属線であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の自己支持型光ケ
    ーブル。
  6. 【請求項6】 前記繋縛用紐状体は、ゴムまたはプラス
    チック等の合成樹脂材料で被覆された金属線であること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    自己支持型光ケーブル。
  7. 【請求項7】 前記繋縛用紐状体は、外周面上に滑り止
    め加工が施されていることを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載の自己支持型光ケーブル。
  8. 【請求項8】 前記繋縛用紐状体は、外周面上に微小な
    突起を有することを特徴とする請求項1ないし7のいず
    れか1項に記載の自己支持型光ケーブル。
  9. 【請求項9】 前記繋縛用紐状体は、断面形状が楕円形
    または矩形であることを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれか1項に記載の自己支持型光ケーブル。
  10. 【請求項10】 前記繋縛用紐状体と前記支持線が接す
    る面、および、前記繋縛用紐状体と前記光ケーブル本体
    が接する面に、接着性を有する物質を有することを特徴
    とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の自己支
    持型光ケーブル。
  11. 【請求項11】 前記支持線と前記光ケーブル本体を一
    体化する各繋縛部において、前記支持線および前記光ケ
    ーブル本体の外被の表面に、円周方向の溝が形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1
    項に記載の自己支持型光ケーブル。
  12. 【請求項12】 前記支持線に対し前記光ケーブル本体
    が弛みをもって一体化されていることを特徴とする請求
    項1ないし11のいずれか1項に記載の自己支持型光ケ
    ーブル。
  13. 【請求項13】 光ケーブルを架空に懸架するための支
    持線と、単心または複数心の光ファイバ心線が収納され
    た光ケーブル本体を、間欠的に繋縛用紐状体で繋縛し、
    前記支持線と前記光ケーブル本体を一体化することを特
    徴とする請求項1ないし12に記載の自己支持型光ケー
    ブルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記繋縛用紐状体で繋縛した後、前記
    繋縛用紐状体を加熱し、前記繋縛用紐状体の少なくとも
    一部を溶融させることを特徴とする請求項13に記載の
    自己支持型光ケーブルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記繋縛用紐状体を、前記支持線およ
    び前記光ケーブル本体の外被の軟化温度以上に加熱した
    後、前記支持線および前記光ケーブル本体を繋縛するこ
    とを特徴とする請求項13または14に記載の自己支持
    型光ケーブルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記支持線と前記光ケーブル本体を繋
    縛する際、繋縛完了後の隣接する繋縛部との間における
    前記支持線と前記光ケーブル本体の間隙にスペーサを挿
    入することを特徴とする請求項13ないし15のいずれ
    か1項に記載の自己支持型光ケーブルの製造方法。
JP7157617A 1995-06-23 1995-06-23 自己支持型光ケーブルおよびその製造方法 Pending JPH095590A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11287596B2 (en) * 2018-06-15 2022-03-29 Commscope Technologies Llc Methods, kits, and systems incorporating a self-amalgamating tape for clamping fiber optic cable

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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