JPH0953998A - ブリルアン散乱現象を利用したセンシングシステム - Google Patents
ブリルアン散乱現象を利用したセンシングシステムInfo
- Publication number
- JPH0953998A JPH0953998A JP7227377A JP22737795A JPH0953998A JP H0953998 A JPH0953998 A JP H0953998A JP 7227377 A JP7227377 A JP 7227377A JP 22737795 A JP22737795 A JP 22737795A JP H0953998 A JPH0953998 A JP H0953998A
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- Japan
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- signal light
- frequency
- signal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 パルス光用の光源と同パルス光により発生し
た後方ブリルアン散乱光の増幅用の光源とを必要とする
が、2つの光源は測定系の不安定さ及びシステム価格上
昇の要因となり、好ましくない。 【解決手段】 パルス光用の光源1の第1信号光CW1
を第1光カプラ2により分岐し、この分岐した第3信号
光CW3 をブリルアン散乱周波数変換器4で所望周波数
の第4信号光CW4 に変換し、さらに第4信号光CW4
を周波数コントローラ5で所望周波数に変換して得た第
5信号光CW5 を後方ブリルアン散乱光の増幅用の光と
してセンサファイバ6に入射する。
た後方ブリルアン散乱光の増幅用の光源とを必要とする
が、2つの光源は測定系の不安定さ及びシステム価格上
昇の要因となり、好ましくない。 【解決手段】 パルス光用の光源1の第1信号光CW1
を第1光カプラ2により分岐し、この分岐した第3信号
光CW3 をブリルアン散乱周波数変換器4で所望周波数
の第4信号光CW4 に変換し、さらに第4信号光CW4
を周波数コントローラ5で所望周波数に変換して得た第
5信号光CW5 を後方ブリルアン散乱光の増幅用の光と
してセンサファイバ6に入射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のブリルアン散乱現象
を利用したセンシングシステムは、光ファイバを用いて
その歪み(歪みの原因となる外力)や光ファイバが設置
されている環境の温度等の物理量を計測するのに利用で
きるものであり、また光ファイバ自体を検査対象品とし
てそれ自体の歪み分布を測定するのにも利用できるもの
である。
を利用したセンシングシステムは、光ファイバを用いて
その歪み(歪みの原因となる外力)や光ファイバが設置
されている環境の温度等の物理量を計測するのに利用で
きるものであり、また光ファイバ自体を検査対象品とし
てそれ自体の歪み分布を測定するのにも利用できるもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ブリルアン散乱光を利用して歪み
や温度等の物理量を計測するセンシングシステムが開発
されている。
や温度等の物理量を計測するセンシングシステムが開発
されている。
【0003】ブリルアン散乱は、光ファイバ内を通過す
る光と音波との非線形相互作用によって光が自己散乱す
る非線形光学現象であり、音波によって光の周波数がわ
ずかにシフトして起きる。ブリルアン散乱光の周波数シ
フト量νBT(入射光の周波数とブリルアン散乱光スペク
トルの中心周波数との差)は、光ファイバの歪み(同フ
ァイバに付加される外力)や光ファイバがおかれた環境
温度の変化に対応しているため、同シフト量νBTを測定
することにより、光ファイバの歪みや光ファイバの環境
温度を求めることができる。しかしながら後方ブリルア
ン散乱光の強度は微弱であるため、ブリルアン散乱光を
利用して物理量を計測するシステムとしては、その受光
効率を高めるべく図2に示す計測システムが提案されて
いる。
る光と音波との非線形相互作用によって光が自己散乱す
る非線形光学現象であり、音波によって光の周波数がわ
ずかにシフトして起きる。ブリルアン散乱光の周波数シ
フト量νBT(入射光の周波数とブリルアン散乱光スペク
トルの中心周波数との差)は、光ファイバの歪み(同フ
ァイバに付加される外力)や光ファイバがおかれた環境
温度の変化に対応しているため、同シフト量νBTを測定
することにより、光ファイバの歪みや光ファイバの環境
温度を求めることができる。しかしながら後方ブリルア
ン散乱光の強度は微弱であるため、ブリルアン散乱光を
利用して物理量を計測するシステムとしては、その受光
効率を高めるべく図2に示す計測システムが提案されて
いる。
【0004】図2の計測システムは、第1光源Aから出
射された第1信号光(この場合はCW光:連続発振ガス
レーザ)CW1 を音響光学光変調器からなる光スイッチ
Bでパルス変調して作り出したパルス光と、第2光源C
から出射された第2信号光CW2 とをセンサファイバD
に反対方向から入射させる。このときセンサファイバD
において発生する後方ブリルアン散乱光で第2信号光C
W2 を誘導ブリルアン増幅し、この増幅された第3信号
光CW3 を光カプラEにより分岐して光検出器Fで検出
するものである。この場合の光増幅度は、後方ブリルア
ン散乱光の周波数と第2信号光CW2 の周波数が一致し
たときに最大となる。このとき第2信号光CW2 とパル
ス光の周波数差がブリルアン周波数シフト量νBTとな
る。図2の計測システムは、この周波数差を測定するこ
とによりセンサファイバの歪み、環境温度等を観測する
ものである。また、この計測システムでは、パルス光の
出射から第2信号光CW2 が誘導ブリルアン光増幅され
た第3信号光CW3 が光検出器Fに到達するまでの時間
を測定することにより、センサファイバDの歪み分布や
温度分布を測定することもできる。
射された第1信号光(この場合はCW光:連続発振ガス
レーザ)CW1 を音響光学光変調器からなる光スイッチ
Bでパルス変調して作り出したパルス光と、第2光源C
から出射された第2信号光CW2 とをセンサファイバD
に反対方向から入射させる。このときセンサファイバD
において発生する後方ブリルアン散乱光で第2信号光C
W2 を誘導ブリルアン増幅し、この増幅された第3信号
光CW3 を光カプラEにより分岐して光検出器Fで検出
するものである。この場合の光増幅度は、後方ブリルア
ン散乱光の周波数と第2信号光CW2 の周波数が一致し
たときに最大となる。このとき第2信号光CW2 とパル
ス光の周波数差がブリルアン周波数シフト量νBTとな
る。図2の計測システムは、この周波数差を測定するこ
とによりセンサファイバの歪み、環境温度等を観測する
ものである。また、この計測システムでは、パルス光の
出射から第2信号光CW2 が誘導ブリルアン光増幅され
た第3信号光CW3 が光検出器Fに到達するまでの時間
を測定することにより、センサファイバDの歪み分布や
温度分布を測定することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記図2の計測システ
ムでは、第1光源Aからのパルス光と第2光源Cからの
第2信号光CW2 を反対方向から対向させてセンサファ
イバDに入射する構成上、2つの光源A、Cを必要とす
る。また、独立した2つの光源A、Cの動作安定性が歪
みや温度の測定精度に影響を及ぼす。具体的には1%の
歪みが約500MHzに相当するので、実用的な測定精
度を得るためには両光源A、Cの相対周波数の安定度を
5MHz以下にする必要がある。両光源A、Cの相対周
波数の安定度を高めるために、従来は、第1光源Aと光
スイッチB及びセンサファイバDと第2光源Cの間の夫
々にアイソレータを挿入することも検討されている。し
かしながらどのようにしても2つの光源A、Cは必要で
あり、その場合は測定系の不安定さ及びシステム価格上
昇の要因となり、好ましくない。
ムでは、第1光源Aからのパルス光と第2光源Cからの
第2信号光CW2 を反対方向から対向させてセンサファ
イバDに入射する構成上、2つの光源A、Cを必要とす
る。また、独立した2つの光源A、Cの動作安定性が歪
みや温度の測定精度に影響を及ぼす。具体的には1%の
歪みが約500MHzに相当するので、実用的な測定精
度を得るためには両光源A、Cの相対周波数の安定度を
5MHz以下にする必要がある。両光源A、Cの相対周
波数の安定度を高めるために、従来は、第1光源Aと光
スイッチB及びセンサファイバDと第2光源Cの間の夫
々にアイソレータを挿入することも検討されている。し
かしながらどのようにしても2つの光源A、Cは必要で
あり、その場合は測定系の不安定さ及びシステム価格上
昇の要因となり、好ましくない。
【0006】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決するため、2つの光源を使用しなくとも歪み及び温度
分布測定を可能とした。ブリルアン散乱現象を利用した
センシングシステムを提供することにある。
決するため、2つの光源を使用しなくとも歪み及び温度
分布測定を可能とした。ブリルアン散乱現象を利用した
センシングシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のブリルアン散乱
現象を利用したセンシングシステムは、所定周波数ν0
の第1信号光CW1 を出力する光源1と、この第1信号
光CW1 を第2、3信号光CW2 、CW3 に分ける第1
光カプラ2と、第2信号光CW2 を変調してパルス光を
出力する光スイッチ3と、第3信号光CW3 を所望周波
数の第4信号光CW4 に変換するブリルアン散乱周波数
変換器4と、第4信号光CW4 を所望周波数に調整して
第5信号光CW5 を出力する周波数コントローラ5と、
光スイッチ3からのパルス光と周波数コントローラ5か
らの第5信号光CW5 を対向させて伝播することによ
り、両光の相互作用により誘導ブリルアン増幅された第
6信号光CW6 が発生するセンサファイバ6と、その第
6信号光CW6 を受光する光検出器7と、前記光スイッ
チ3とセンサファイバ6との間に設けられてパルス光を
センサファイバ6へ伝播し、且つセンサファイバ6から
の第6信号光CW6 を光検出器7へ伝播する第2光カプ
ラ8とを具備してなるものである。
現象を利用したセンシングシステムは、所定周波数ν0
の第1信号光CW1 を出力する光源1と、この第1信号
光CW1 を第2、3信号光CW2 、CW3 に分ける第1
光カプラ2と、第2信号光CW2 を変調してパルス光を
出力する光スイッチ3と、第3信号光CW3 を所望周波
数の第4信号光CW4 に変換するブリルアン散乱周波数
変換器4と、第4信号光CW4 を所望周波数に調整して
第5信号光CW5 を出力する周波数コントローラ5と、
光スイッチ3からのパルス光と周波数コントローラ5か
らの第5信号光CW5 を対向させて伝播することによ
り、両光の相互作用により誘導ブリルアン増幅された第
6信号光CW6 が発生するセンサファイバ6と、その第
6信号光CW6 を受光する光検出器7と、前記光スイッ
チ3とセンサファイバ6との間に設けられてパルス光を
センサファイバ6へ伝播し、且つセンサファイバ6から
の第6信号光CW6 を光検出器7へ伝播する第2光カプ
ラ8とを具備してなるものである。
【0008】
【作用】本発明のブリルアン散乱現象を利用したセンシ
ングシステムでは、所定周波数ν0 の第1信号光CW1
を出力する光源1と、この第1信号光CW1 光を第2、
3信号光CW2 、CW3 に分ける第1光カプラ2と、第
2信号光CW2 を変調してパルス光を出力する光スイッ
チ3と、第3信号光CW3 を所望の周波数に変換しての
第4信号光CW4 を出力するブリルアン散乱周波数変換
器4と、第4信号光CW4 を所望の周波数に可変調整し
て第5信号光CW5 を出力する周波数コントローラ5
と、光スイッチ3からのパルス光と周波数コントローラ
5からの第5信号光CW5 を対向させて伝播することに
より、両光の相互作用により誘導ブリルアン増幅された
第6信号光CW6 が発生するセンサファイバ6と、その
第6信号光CW6 を受光する光検出器7と、光スイッチ
3とセンサファイバ6の間に設けられてパルス光をセン
サファイバ6へ伝播し、且つセンサファイバ6からの第
6信号光CW6 を光検出器7へ伝播する第2光カプラ8
とを具備してなるため、1つの光源1で、センサファイ
バ6に入力するパルス光と、同じくセンサファイバ6に
入力してパルス光の後方ブリルアン散乱光を観測できる
ようにするための第5信号光CW5 とを作り出すことが
できる。
ングシステムでは、所定周波数ν0 の第1信号光CW1
を出力する光源1と、この第1信号光CW1 光を第2、
3信号光CW2 、CW3 に分ける第1光カプラ2と、第
2信号光CW2 を変調してパルス光を出力する光スイッ
チ3と、第3信号光CW3 を所望の周波数に変換しての
第4信号光CW4 を出力するブリルアン散乱周波数変換
器4と、第4信号光CW4 を所望の周波数に可変調整し
て第5信号光CW5 を出力する周波数コントローラ5
と、光スイッチ3からのパルス光と周波数コントローラ
5からの第5信号光CW5 を対向させて伝播することに
より、両光の相互作用により誘導ブリルアン増幅された
第6信号光CW6 が発生するセンサファイバ6と、その
第6信号光CW6 を受光する光検出器7と、光スイッチ
3とセンサファイバ6の間に設けられてパルス光をセン
サファイバ6へ伝播し、且つセンサファイバ6からの第
6信号光CW6 を光検出器7へ伝播する第2光カプラ8
とを具備してなるため、1つの光源1で、センサファイ
バ6に入力するパルス光と、同じくセンサファイバ6に
入力してパルス光の後方ブリルアン散乱光を観測できる
ようにするための第5信号光CW5 とを作り出すことが
できる。
【0009】さらにこのセンシングシステムでは、光源
1の周波数ν0 の第1信号光CW1光を周波数変換する
ためのデバイスとしてブリルアン散乱周波数変換器4を
使用するが、このブリルアン散乱周波数変換器4は、光
源1から分岐した第3信号光CW3 を、同周波数変換器
4内の光ファイバ9に印加される一定歪み又は温度に対
応するブリルアン周波数シフト量νBTの周波数変換を行
って周波数(ν0 −νBT)の第4信号光CW4 を作り出
すため、光源1の周波数が不安定でΔν0 だけの偏差を
持っていたとしても、第3信号光CW3 と第4信号光C
W4 の周波数差=(ν0 ±Δν0 )−(ν0 ±Δν0 −
νBT)=νBTとなり、光源1の持つ周波数変動Δν0 が
影響されない。従って、システムの測定精度が高くな
る。
1の周波数ν0 の第1信号光CW1光を周波数変換する
ためのデバイスとしてブリルアン散乱周波数変換器4を
使用するが、このブリルアン散乱周波数変換器4は、光
源1から分岐した第3信号光CW3 を、同周波数変換器
4内の光ファイバ9に印加される一定歪み又は温度に対
応するブリルアン周波数シフト量νBTの周波数変換を行
って周波数(ν0 −νBT)の第4信号光CW4 を作り出
すため、光源1の周波数が不安定でΔν0 だけの偏差を
持っていたとしても、第3信号光CW3 と第4信号光C
W4 の周波数差=(ν0 ±Δν0 )−(ν0 ±Δν0 −
νBT)=νBTとなり、光源1の持つ周波数変動Δν0 が
影響されない。従って、システムの測定精度が高くな
る。
【0010】またこのセンシングシステムでは、前記ブ
リルアン散乱周波数変換器4により大まかな周波数変換
を行なってから、その後に周波数コントローラ5で周波
数の微調整や連続的な可変調整を行なうようにしてある
ため、周波数変換に伴う変動を抑さえながら広い範囲で
周波数を走査することもできる。
リルアン散乱周波数変換器4により大まかな周波数変換
を行なってから、その後に周波数コントローラ5で周波
数の微調整や連続的な可変調整を行なうようにしてある
ため、周波数変換に伴う変動を抑さえながら広い範囲で
周波数を走査することもできる。
【0011】これらの結果として、測定精度を高めるた
めの繰り返し測定も必要なくなり、また測定時間の短縮
化を図ることができる。
めの繰り返し測定も必要なくなり、また測定時間の短縮
化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明のブリルアン散乱現
象を利用したセンシングシステムの実施形態の第1例を
図1に基づいて説明する。
象を利用したセンシングシステムの実施形態の第1例を
図1に基づいて説明する。
【0013】図1における符号1は第1信号光CW1 を
出射する光源であり、例えばYAGレーザ、DFBレー
ザ等のスペクトル線幅の狭い光源である。なお、ここで
光源1が出射する第1信号光CW1 の周波数をν0 とす
る。
出射する光源であり、例えばYAGレーザ、DFBレー
ザ等のスペクトル線幅の狭い光源である。なお、ここで
光源1が出射する第1信号光CW1 の周波数をν0 とす
る。
【0014】図1における符号2は第1光カプラであ
り、光源1から出射された第1信号光CW1 を第2信号
光CW2 と第3信号光CW3 とに分けるものである。
り、光源1から出射された第1信号光CW1 を第2信号
光CW2 と第3信号光CW3 とに分けるものである。
【0015】図1における符号3は光スイッチである。
この光スイッチ3は、第1光カプラ2により分岐された
第2信号光CW2 を外部パルス信号によりパルス変調し
てパルス光を作り出すものであり、これには音響光学型
光変調器或は電界効果型光変調器等を用いる。
この光スイッチ3は、第1光カプラ2により分岐された
第2信号光CW2 を外部パルス信号によりパルス変調し
てパルス光を作り出すものであり、これには音響光学型
光変調器或は電界効果型光変調器等を用いる。
【0016】図1における符号4は第1光カプラ2によ
り分岐された第3信号光CW3 の周波数を変換して第4
信号光CW4 を作り出すブリルアン散乱周波数変換器で
ある。このブリルアン散乱周波数変換器4は、一定長の
光ファイバ9と、この光ファイバ9に一定量の歪みを付
加する歪み付加装置(図示されていない)と、或いは歪
み付加装置に代わる光ファイバ9の雰囲気温度を所望温
度に保持する温度調節装置(図示されていない)から構
成する。このブリルアン散乱周波数変換器4では、前記
歪み付加装置、或いは温度調節装置によって光ファイバ
9に一定量の歪み或いは一定温度を作用させ、その結果
として同光ファイバ9内に伝播される第3信号光CW3
からブリルアン周波数シフト量νBTだけシフトした周波
数(ν0−νBT)の第4信号光CW4 を作り出す。
り分岐された第3信号光CW3 の周波数を変換して第4
信号光CW4 を作り出すブリルアン散乱周波数変換器で
ある。このブリルアン散乱周波数変換器4は、一定長の
光ファイバ9と、この光ファイバ9に一定量の歪みを付
加する歪み付加装置(図示されていない)と、或いは歪
み付加装置に代わる光ファイバ9の雰囲気温度を所望温
度に保持する温度調節装置(図示されていない)から構
成する。このブリルアン散乱周波数変換器4では、前記
歪み付加装置、或いは温度調節装置によって光ファイバ
9に一定量の歪み或いは一定温度を作用させ、その結果
として同光ファイバ9内に伝播される第3信号光CW3
からブリルアン周波数シフト量νBTだけシフトした周波
数(ν0−νBT)の第4信号光CW4 を作り出す。
【0017】このブリルアン散乱周波数変換器4におい
ては、光源1の周波数が不安定で第3信号光CW3 がΔ
ν0 だけの周波数変動を持っていたとしても、この第3
信号光CW3 と周波数変換された後の第4信号光CW4
の周波数差は =(ν0 ±Δν0 )−(ν0 ±Δν0 −
νBT)=νBTとなり、光源1の持つ周波数変動Δν0の
影響が解消される。このブリルアン散乱周波数変換器4
は第3信号光CW3 の周波数を大きく変化させるのに使
用する。
ては、光源1の周波数が不安定で第3信号光CW3 がΔ
ν0 だけの周波数変動を持っていたとしても、この第3
信号光CW3 と周波数変換された後の第4信号光CW4
の周波数差は =(ν0 ±Δν0 )−(ν0 ±Δν0 −
νBT)=νBTとなり、光源1の持つ周波数変動Δν0の
影響が解消される。このブリルアン散乱周波数変換器4
は第3信号光CW3 の周波数を大きく変化させるのに使
用する。
【0018】図1における符号5は周波数コントローラ
である。この周波数コントロ−ラ5は音響光学型変調器
を用いてなり、音響光学型変調器に印加した駆動周波数
fsにより同周波数fs に対応した周波数νBSだけ第4
信号光CW4 の周波数をシフトし、周波数コントローラ
5通過後の第5信号光CW5 の周波数を(ν0 −νBT−
νBS)とする。この周波数コントローラ5は、第4信号
光CW4 の周波数を連続的に可変したり、第4信号光C
W4 の周波数を微調整したりするのに使用する。
である。この周波数コントロ−ラ5は音響光学型変調器
を用いてなり、音響光学型変調器に印加した駆動周波数
fsにより同周波数fs に対応した周波数νBSだけ第4
信号光CW4 の周波数をシフトし、周波数コントローラ
5通過後の第5信号光CW5 の周波数を(ν0 −νBT−
νBS)とする。この周波数コントローラ5は、第4信号
光CW4 の周波数を連続的に可変したり、第4信号光C
W4 の周波数を微調整したりするのに使用する。
【0019】図1における符号6はセンサファイバ(光
ファイバ)であり、センサファイバ6に作用された外力
(外力により光ファイバに発生した歪み)や温度等の物
理量を検出する。このセンサファイバ6の一端には光ス
イッチ3からのパルス光を入射し、他端には周波数コン
トローラ5の第5信号光CW5 を入射してあり、両光が
センサファイバ6内において対向して伝播するようにし
てある。このセンサファイバ6内においては、同ファイ
バ6に付加された外力や温度に応じて多数のブリルアン
散乱光が発生するが、これらブリルアン散乱光のうち第
5信号光CW5の周波数と一致するものがあると、その
ブリルアン散乱光が第5信号光CW5 を誘導ブリルアン
ゲインして第6信号光CW6 を発生する。即ち、センサ
ファイバ6内において発生したブリルアン散乱光のう
ち、周波数コントローラ5から出力される第5信号光C
W5 の周波数と一致したものだけが誘導ブリルアンゲイ
ンされて図1に符号7として示す光検出器7において検
出される。
ファイバ)であり、センサファイバ6に作用された外力
(外力により光ファイバに発生した歪み)や温度等の物
理量を検出する。このセンサファイバ6の一端には光ス
イッチ3からのパルス光を入射し、他端には周波数コン
トローラ5の第5信号光CW5 を入射してあり、両光が
センサファイバ6内において対向して伝播するようにし
てある。このセンサファイバ6内においては、同ファイ
バ6に付加された外力や温度に応じて多数のブリルアン
散乱光が発生するが、これらブリルアン散乱光のうち第
5信号光CW5の周波数と一致するものがあると、その
ブリルアン散乱光が第5信号光CW5 を誘導ブリルアン
ゲインして第6信号光CW6 を発生する。即ち、センサ
ファイバ6内において発生したブリルアン散乱光のう
ち、周波数コントローラ5から出力される第5信号光C
W5 の周波数と一致したものだけが誘導ブリルアンゲイ
ンされて図1に符号7として示す光検出器7において検
出される。
【0020】図1における符号8は光カプラである。こ
の光カプラ8は光スイッチ3から出力されるパルス光を
センシング用のセンサファイバ6に送り、またセンサフ
ァイバ6において発生したブリルアン増幅された第6信
号光CW6 を光検出器7に送るため、光スイッチ3とセ
ンサファイバ6との間に挿入してある。
の光カプラ8は光スイッチ3から出力されるパルス光を
センシング用のセンサファイバ6に送り、またセンサフ
ァイバ6において発生したブリルアン増幅された第6信
号光CW6 を光検出器7に送るため、光スイッチ3とセ
ンサファイバ6との間に挿入してある。
【0021】
【本発明のセンシングシステムにおける動作例】以上説
明したセンシングシステムにおける動作例を説明する。
光源1から出射された周波数ν0 の第1信号光CW1 は
第1光カプラ2により第2信号光CW2 と第3信号光C
W3 とに分岐され、第2信号光CW2 は光スイッチ3
へ、第3信号光CW3 はブリルアン散乱周波数変換器4
へと送られる。
明したセンシングシステムにおける動作例を説明する。
光源1から出射された周波数ν0 の第1信号光CW1 は
第1光カプラ2により第2信号光CW2 と第3信号光C
W3 とに分岐され、第2信号光CW2 は光スイッチ3
へ、第3信号光CW3 はブリルアン散乱周波数変換器4
へと送られる。
【0022】前記第2信号光CW2 は光スイッチ3でパ
ルス変調されてパルス光に変換され、同パルス光は第2
光カプラ8を通りセンサファイバ6へ入射される。但
し、光スイッチ3では周波数変換は行われない。
ルス変調されてパルス光に変換され、同パルス光は第2
光カプラ8を通りセンサファイバ6へ入射される。但
し、光スイッチ3では周波数変換は行われない。
【0023】前記第3信号光CW3 はブリルアン散乱周
波数変換器4によって任意の周波数νBTの第4信号光C
W4 に変換される。この第4信号光CW4 は、周波数を
細かく且つ連続的に可変調整することができる音響光学
型光変調器からなる周波数コントローラ5を通って第5
信号光CW5 となった後、センサファイバ6へ前記パル
ス光の入射端と反対側の端から入射される。
波数変換器4によって任意の周波数νBTの第4信号光C
W4 に変換される。この第4信号光CW4 は、周波数を
細かく且つ連続的に可変調整することができる音響光学
型光変調器からなる周波数コントローラ5を通って第5
信号光CW5 となった後、センサファイバ6へ前記パル
ス光の入射端と反対側の端から入射される。
【0024】前記センサファイバ6に入射された光は図
3のようになり、センサファイバ6の各位置(Z1 、Z
2 、・・・・Zn )において、一定以上の光電力を持っ
た周波数ν0 のパルス光1が入射された場合、その位置
(Z1 、Z2 、・・・・Zn)に印加されている歪み
量、温度に対応し、周波数(ν0 −νB1、ν0 −νB2、
・・・・、ν0 −νBn)の後方ブリルアン散乱光を発生
させる。この各位置における後方ブリルアン散乱光の光
電力は微弱であるが、パルス光1に対向する方向からセ
ンサファイバ6中に入射される周波数(ν0 −νBT−ν
BS)の第5信号光CW5 と周波数が一致した位置では、
後方ブリルアン散乱光(パルス光)が第5信号光CW5
の光電力を誘導ブリルアンゲインするため、この第5信
号光CW5が第6信号光CW6 として光検出器7で受光
される。また、パルス光の出射から第6信号光CW6 の
光検出器7での受光までの時間を測定することで誘導ブ
リルアンゲインが生じた位置を特定することができる。
3のようになり、センサファイバ6の各位置(Z1 、Z
2 、・・・・Zn )において、一定以上の光電力を持っ
た周波数ν0 のパルス光1が入射された場合、その位置
(Z1 、Z2 、・・・・Zn)に印加されている歪み
量、温度に対応し、周波数(ν0 −νB1、ν0 −νB2、
・・・・、ν0 −νBn)の後方ブリルアン散乱光を発生
させる。この各位置における後方ブリルアン散乱光の光
電力は微弱であるが、パルス光1に対向する方向からセ
ンサファイバ6中に入射される周波数(ν0 −νBT−ν
BS)の第5信号光CW5 と周波数が一致した位置では、
後方ブリルアン散乱光(パルス光)が第5信号光CW5
の光電力を誘導ブリルアンゲインするため、この第5信
号光CW5が第6信号光CW6 として光検出器7で受光
される。また、パルス光の出射から第6信号光CW6 の
光検出器7での受光までの時間を測定することで誘導ブ
リルアンゲインが生じた位置を特定することができる。
【0025】前記センサファイバ6の各位置における付
加歪み量や雰囲気温度は、ブリルアン散乱周波数変換器
4や周波数コントローラ5により第5信号光CW5 の周
波数シフト量(νBT、νBS)を適宜可変調整し、各周波
数シフト量(νBT+νBS)に対応する第6信号光CW6
を受光すると共に、その夫々においてパルス光の出射か
ら第6信号光CW6 の光検出器7での受光までの時間を
測定することで評価することができる。
加歪み量や雰囲気温度は、ブリルアン散乱周波数変換器
4や周波数コントローラ5により第5信号光CW5 の周
波数シフト量(νBT、νBS)を適宜可変調整し、各周波
数シフト量(νBT+νBS)に対応する第6信号光CW6
を受光すると共に、その夫々においてパルス光の出射か
ら第6信号光CW6 の光検出器7での受光までの時間を
測定することで評価することができる。
【0026】以上は光ファイバ6をセンサファイバとし
て利用して歪みや温度などの物理量を測定する場合の例
であるが、光ファイバ6自体を検査対象として同光ファ
イバ6の物性(歪み分布)を測定することも可能であ
る。
て利用して歪みや温度などの物理量を測定する場合の例
であるが、光ファイバ6自体を検査対象として同光ファ
イバ6の物性(歪み分布)を測定することも可能であ
る。
【0027】
【発明の効果】本発明のブリルアン散乱現象を利用した
センシングシステムによれば次のような効果がある。 .2つの光源を使用することなく、1つの光源でセン
サファイバ内の歪み分布やセンサファイバがおかれた環
境の温度分布を高精度かつ容易に測定することができ
る。 .測定精度の向上に従い、従来必要であった測定精度
を高めるための繰り返し測定を必要としなくなるので測
定時間の短縮化をはかることができる。
センシングシステムによれば次のような効果がある。 .2つの光源を使用することなく、1つの光源でセン
サファイバ内の歪み分布やセンサファイバがおかれた環
境の温度分布を高精度かつ容易に測定することができ
る。 .測定精度の向上に従い、従来必要であった測定精度
を高めるための繰り返し測定を必要としなくなるので測
定時間の短縮化をはかることができる。
【図1】本発明のブリルアン散乱現象を利用したセンシ
ングシステムの構成図。
ングシステムの構成図。
【図2】従来のブリルアン散乱現象を利用したセンシン
グシステムの構成図。
グシステムの構成図。
【図3】センサファイバ内の光の挙動を示した模式図。
1 光源 2 第1光カプラ 3 光スイッチ 4 ブリルアン散乱周波数変換器 5 周波数コントロ−ラ 6 センサファイバ 7 光検出器 8 第2光カプラ
Claims (1)
- 【請求項1】所定周波数(ν0 )の第1信号光(CW
1 )を出力する光源(1)と、この第1信号光(CW
1 )を第2、3信号光(CW2 、CW3 )に分ける第1
光カプラ(2)と、第2信号光(CW2 )を変調してパ
ルス光を出力する光スイッチ(3)と、第3信号光(C
W3 )を所望周波数の第4信号光(CW4 )に変換する
ブリルアン散乱周波数変換器(4)と、第4信号光(C
W4 )を所望周波数に調整して第5信号光(CW5 )を
出力する周波数コントローラ(5)と、光スイッチ
(3)からのパルス光と周波数コントローラ(5)から
の第5信号光(CW5 )を対向させて伝播することによ
り、両光の相互作用により誘導ブリルアン増幅された第
6信号光(CW6 )が発生するセンサファイバ(6)
と、その第6信号光(CW6 )を受光する光検出器
(7)と、前記光スイッチ(3)とセンサファイバ
(6)との間に設けられてパルス光をセンサファイバ
(6)へ伝播し、且つセンサファイバ(6)からの第6
信号光(CW6 )を光検出器(7)へ伝播する第2光カ
プラ(8)とを具備してなることを特徴とするブリルア
ン散乱現象を利用したセンシングシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227377A JPH0953998A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | ブリルアン散乱現象を利用したセンシングシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7227377A JPH0953998A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | ブリルアン散乱現象を利用したセンシングシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0953998A true JPH0953998A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16859863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7227377A Pending JPH0953998A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | ブリルアン散乱現象を利用したセンシングシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0953998A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6621619B2 (en) * | 2001-07-30 | 2003-09-16 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Hybrid brillouin/erbium doped fiber amplifier apparatus and method |
US6813403B2 (en) | 2002-03-14 | 2004-11-02 | Fiber Optic Systems Technology, Inc. | Monitoring of large structures using brillouin spectrum analysis |
CN103575664A (zh) * | 2013-10-08 | 2014-02-12 | 南京航空航天大学 | 基于新型集成式复合传感器的结构多尺度健康监测装置与方法 |
CN106525092A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-03-22 | 华南理工大学 | 高空间分辨率长距离分布式光纤温度应变传感系统 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP7227377A patent/JPH0953998A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6621619B2 (en) * | 2001-07-30 | 2003-09-16 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Hybrid brillouin/erbium doped fiber amplifier apparatus and method |
US6813403B2 (en) | 2002-03-14 | 2004-11-02 | Fiber Optic Systems Technology, Inc. | Monitoring of large structures using brillouin spectrum analysis |
CN103575664A (zh) * | 2013-10-08 | 2014-02-12 | 南京航空航天大学 | 基于新型集成式复合传感器的结构多尺度健康监测装置与方法 |
CN106525092A (zh) * | 2016-11-03 | 2017-03-22 | 华南理工大学 | 高空间分辨率长距离分布式光纤温度应变传感系统 |
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