JPH0953559A - 往復動型圧縮機における吐出弁機構 - Google Patents
往復動型圧縮機における吐出弁機構Info
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- JPH0953559A JPH0953559A JP7206220A JP20622095A JPH0953559A JP H0953559 A JPH0953559 A JP H0953559A JP 7206220 A JP7206220 A JP 7206220A JP 20622095 A JP20622095 A JP 20622095A JP H0953559 A JPH0953559 A JP H0953559A
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- JP
- Japan
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- discharge
- valve
- chamber
- differential pressure
- discharge valve
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- Reciprocating Pumps (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 吐出室内の圧力が変動しても最適なタイミン
グで吐出ポートが開放されるとともに、高速回転時にも
吐出弁機構が破損しにくい圧縮機を提供する。 【解決手段】 回転吐出弁37は、切欠部43とその切
欠部43の内周側底部から回転方向前側の略円周方向に
延びる切欠溝44とを有する。切欠溝44の外周側はシ
リンダボアと吐出室との差圧によって開閉するフラッパ
弁部45、そして切欠部43の回転方向後側は弾性変形
しない閉止部46となっている。この回転吐出弁37
は、吐出ポートを備えた弁板の外端面に接するように、
かつシリンダボア内の両頭ピストンの吐出行程の完了直
前に切欠部43が該吐出ポートを通過するように配置し
て、一体回転可能に駆動シャフトに嵌挿される。
グで吐出ポートが開放されるとともに、高速回転時にも
吐出弁機構が破損しにくい圧縮機を提供する。 【解決手段】 回転吐出弁37は、切欠部43とその切
欠部43の内周側底部から回転方向前側の略円周方向に
延びる切欠溝44とを有する。切欠溝44の外周側はシ
リンダボアと吐出室との差圧によって開閉するフラッパ
弁部45、そして切欠部43の回転方向後側は弾性変形
しない閉止部46となっている。この回転吐出弁37
は、吐出ポートを備えた弁板の外端面に接するように、
かつシリンダボア内の両頭ピストンの吐出行程の完了直
前に切欠部43が該吐出ポートを通過するように配置し
て、一体回転可能に駆動シャフトに嵌挿される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両空調
装置に使用される圧縮機に関するものである。
装置に使用される圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の圧縮機において、その吐出弁機
構としては、図7に示すように、シリンダボア61と吐
出室62とが弁板63上に形成された吐出ポート64に
より連通され、この吐出ポート64をフラッパ弁により
なる吐出弁65により開閉する構成が知られている。つ
まり、ピストンの下死点から上死点に向かう圧縮行程に
おいて、シリンダボア61内の冷媒ガスが圧縮されてそ
の圧力が吐出室62内の圧力を少し越えると、圧縮冷媒
ガスは吐出弁65を押し退けて吐出室62へ吐出され
る。そして、ピストンが上死点から下死点に向かう再膨
張行程への移行に伴って、吐出弁65が弁板63に密着
して吐出ポート64が閉じられる。
構としては、図7に示すように、シリンダボア61と吐
出室62とが弁板63上に形成された吐出ポート64に
より連通され、この吐出ポート64をフラッパ弁により
なる吐出弁65により開閉する構成が知られている。つ
まり、ピストンの下死点から上死点に向かう圧縮行程に
おいて、シリンダボア61内の冷媒ガスが圧縮されてそ
の圧力が吐出室62内の圧力を少し越えると、圧縮冷媒
ガスは吐出弁65を押し退けて吐出室62へ吐出され
る。そして、ピストンが上死点から下死点に向かう再膨
張行程への移行に伴って、吐出弁65が弁板63に密着
して吐出ポート64が閉じられる。
【0003】又、実開平4−119370号公報に記載
の圧縮機は、駆動シャフトに一体回転可能に嵌着された
円板体により、吐出ポートが開閉される構成となってい
る。この圧縮機においては、長孔状の孔部を有する円板
体が、駆動シャフトの軸線に対して直交方向に延びると
ともに、孔部がピストンの吐出行程において吐出ポート
を開放するように配設されている。
の圧縮機は、駆動シャフトに一体回転可能に嵌着された
円板体により、吐出ポートが開閉される構成となってい
る。この圧縮機においては、長孔状の孔部を有する円板
体が、駆動シャフトの軸線に対して直交方向に延びると
ともに、孔部がピストンの吐出行程において吐出ポート
を開放するように配設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記前者の
圧縮機では、吐出開始時において吐出弁65がその開度
を規制するためのリテーナ66と衝突する。又、同吐出
弁65は、ピストンの吐出行程から再膨張行程への移行
に伴って、吐出室62とシリンダボア61との差圧によ
って弁板63に衝突する。このような衝突が繰り返され
ると、前記吐出弁65は衝撃疲労によってやがてその先
端が欠けることがあるという問題があった。特に、近
年、外部駆動源である車両エンジンの高性能化に伴っ
て、圧縮機のさらなる高速回転への適応性が要求されて
いる。高速回転時においては、当然のことながら、前記
吐出弁65とリテーナ66あるいは弁板63との衝突回
数が増して、前記吐出弁65がより衝突疲労を受け易い
ものとなる。
圧縮機では、吐出開始時において吐出弁65がその開度
を規制するためのリテーナ66と衝突する。又、同吐出
弁65は、ピストンの吐出行程から再膨張行程への移行
に伴って、吐出室62とシリンダボア61との差圧によ
って弁板63に衝突する。このような衝突が繰り返され
ると、前記吐出弁65は衝撃疲労によってやがてその先
端が欠けることがあるという問題があった。特に、近
年、外部駆動源である車両エンジンの高性能化に伴っ
て、圧縮機のさらなる高速回転への適応性が要求されて
いる。高速回転時においては、当然のことながら、前記
吐出弁65とリテーナ66あるいは弁板63との衝突回
数が増して、前記吐出弁65がより衝突疲労を受け易い
ものとなる。
【0005】又、一般に車載用の圧縮機においては、吐
出室内の圧力は各時点における外部冷房回路中の凝縮器
の熱交換容量に大きく左右される。その凝縮器の熱交換
容量は、各時点の車両の速度と周囲の外気温によって決
定される。即ち、例えば真夏の渋滞中等においては、凝
縮器の熱交換容量が極めて小さく、吐出室内が高圧とな
る。逆に、比較的外気温が低くかつ高速走行している場
合には、凝縮器の熱交換容量が大きく、吐出室内が低圧
となる。
出室内の圧力は各時点における外部冷房回路中の凝縮器
の熱交換容量に大きく左右される。その凝縮器の熱交換
容量は、各時点の車両の速度と周囲の外気温によって決
定される。即ち、例えば真夏の渋滞中等においては、凝
縮器の熱交換容量が極めて小さく、吐出室内が高圧とな
る。逆に、比較的外気温が低くかつ高速走行している場
合には、凝縮器の熱交換容量が大きく、吐出室内が低圧
となる。
【0006】ところが、上記後者の圧縮機では、前記吐
出ポートの開放タイミングは、孔部の位置によって決ま
り、常に一定となる。ここで、吐出室が高圧である場合
に、シリンダボア内の圧力が吐出室の圧力に達しない状
態で前記吐出ポートが開放されると、吐出室内の高圧の
冷媒ガスがシリンダボア内に逆流することがある。この
場合、シリンダボア内で、高圧の冷媒ガスが一旦膨張さ
れた後、再度圧縮されることとなる。一方、吐出室が低
圧である場合には、シリンダボア内の冷媒ガスはシリン
ダボア内で必要以上に圧縮されるまで、前記吐出ポート
が開放されないことがある。この場合、冷媒ガスは、過
圧縮された状態でシリンダボアから吐出室に吐出され
て、吐出室内で再膨張される。このように、吐出室の圧
力が外部冷房回路の周囲の環境等によって大きく変動す
る場合、吐出ポートが常に一定のタイミングで開放され
る圧縮機では、無駄な仕事がなされることになる。従っ
て、前記圧縮機は、動力損失が大きく適用しづらいとい
う問題があった。
出ポートの開放タイミングは、孔部の位置によって決ま
り、常に一定となる。ここで、吐出室が高圧である場合
に、シリンダボア内の圧力が吐出室の圧力に達しない状
態で前記吐出ポートが開放されると、吐出室内の高圧の
冷媒ガスがシリンダボア内に逆流することがある。この
場合、シリンダボア内で、高圧の冷媒ガスが一旦膨張さ
れた後、再度圧縮されることとなる。一方、吐出室が低
圧である場合には、シリンダボア内の冷媒ガスはシリン
ダボア内で必要以上に圧縮されるまで、前記吐出ポート
が開放されないことがある。この場合、冷媒ガスは、過
圧縮された状態でシリンダボアから吐出室に吐出され
て、吐出室内で再膨張される。このように、吐出室の圧
力が外部冷房回路の周囲の環境等によって大きく変動す
る場合、吐出ポートが常に一定のタイミングで開放され
る圧縮機では、無駄な仕事がなされることになる。従っ
て、前記圧縮機は、動力損失が大きく適用しづらいとい
う問題があった。
【0007】本発明の目的は、吐出室内の圧力が変動し
ても最適なタイミングで吐出ポートが開放されるととも
に、高速回転時にも吐出弁機構の破損がほとんどない圧
縮機を提供することにある。
ても最適なタイミングで吐出ポートが開放されるととも
に、高速回転時にも吐出弁機構の破損がほとんどない圧
縮機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、複数のシリンダボアを
有するシリンダブロックと、該シリンダブロックの外端
を閉塞するハウジングと、駆動シャフトの回転により前
記ボア内で往復動するピストンと、前記ボアに連通する
各ポートを順次開閉する吐出弁とを備え、吸入路から前
記ボア内に区画される圧縮室に冷媒ガスを吸入し、圧縮
された冷媒ガスを前記吐出弁の開弁により前記ハウジン
グ内に形成された吐出室吐出するように構成した往復動
型圧縮機において、前記吐出弁は、前記駆動シャフトに
同期回転可能に挿着されるとともに、前記圧縮室と吐出
室とを所定の時間間隔をおいて連通させる開放部と、該
開放部に隣接配置され、前記圧縮室と吐出室との間の差
圧により開弁される差圧弁部とを備えた回転板であるこ
とをその要旨とする。
に、請求項1に記載の発明では、複数のシリンダボアを
有するシリンダブロックと、該シリンダブロックの外端
を閉塞するハウジングと、駆動シャフトの回転により前
記ボア内で往復動するピストンと、前記ボアに連通する
各ポートを順次開閉する吐出弁とを備え、吸入路から前
記ボア内に区画される圧縮室に冷媒ガスを吸入し、圧縮
された冷媒ガスを前記吐出弁の開弁により前記ハウジン
グ内に形成された吐出室吐出するように構成した往復動
型圧縮機において、前記吐出弁は、前記駆動シャフトに
同期回転可能に挿着されるとともに、前記圧縮室と吐出
室とを所定の時間間隔をおいて連通させる開放部と、該
開放部に隣接配置され、前記圧縮室と吐出室との間の差
圧により開弁される差圧弁部とを備えた回転板であるこ
とをその要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記差圧弁部は、前記開放部の回転
前方向側で隣接配置されていることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発
明において、前記開放部は、回転板の外周縁から内周側
に向かうに従って幅狭に形成された切欠であることをそ
の要旨とする。
載の発明において、前記差圧弁部は、前記開放部の回転
前方向側で隣接配置されていることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発
明において、前記開放部は、回転板の外周縁から内周側
に向かうに従って幅狭に形成された切欠であることをそ
の要旨とする。
【0010】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記差圧弁部は、前記切欠に連なる
切欠溝を設けることによって前記回転板に一体形成され
たフラッパ弁であることをその要旨とする。
載の発明において、前記差圧弁部は、前記切欠に連なる
切欠溝を設けることによって前記回転板に一体形成され
たフラッパ弁であることをその要旨とする。
【0011】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記切欠溝を前記回転板の略円周方
向に延びるように形成したことをその要旨とする。請求
項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載
の発明において、前記ハウジング内の吐出室に、前記回
転板の差圧弁部の開弁量を制限するリテーナを配設し、
該リテーナの該回転板に対向する表面に磨耗防止層を形
成したことをその要旨とする。
載の発明において、前記切欠溝を前記回転板の略円周方
向に延びるように形成したことをその要旨とする。請求
項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載
の発明において、前記ハウジング内の吐出室に、前記回
転板の差圧弁部の開弁量を制限するリテーナを配設し、
該リテーナの該回転板に対向する表面に磨耗防止層を形
成したことをその要旨とする。
【0012】従って、請求項1に記載の発明によれば、
圧縮室と吐出室とを連通する各吐出ポートを順次開閉す
る吐出弁機構として、回転板が駆動シャフトと同期回転
可能に摺接されている。そして、その回転板には、吐出
ポートを完全に開放する開放部と、その開放部に隣接配
置された差圧弁部とが形成されている。このため、ピス
トンの圧縮行程において圧縮室内と吐出室内とに差圧が
生じると、圧縮室内の圧縮冷媒ガスが差圧弁部を押し退
けて吐出室に吐出される。つまり、前記吐出ポートの開
放が吐出室の圧力に応じて最適なタイミングでなされ
て、冷媒ガスが圧縮室内で過圧縮されたり、高圧の冷媒
ガスが吐出室内から圧縮室内へ逆流したりすることがな
い。
圧縮室と吐出室とを連通する各吐出ポートを順次開閉す
る吐出弁機構として、回転板が駆動シャフトと同期回転
可能に摺接されている。そして、その回転板には、吐出
ポートを完全に開放する開放部と、その開放部に隣接配
置された差圧弁部とが形成されている。このため、ピス
トンの圧縮行程において圧縮室内と吐出室内とに差圧が
生じると、圧縮室内の圧縮冷媒ガスが差圧弁部を押し退
けて吐出室に吐出される。つまり、前記吐出ポートの開
放が吐出室の圧力に応じて最適なタイミングでなされ
て、冷媒ガスが圧縮室内で過圧縮されたり、高圧の冷媒
ガスが吐出室内から圧縮室内へ逆流したりすることがな
い。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、前記差圧
弁部は前記開放部の回転前方向側で隣接配置されてお
り、吐出ポートの閉弁は開放部の回転後方向側の板面に
よって行われる。このため、前記差圧弁部は吐出ポート
上を通過すると、その差圧弁部は自身の弾性のみによっ
て弁板に摺接するようになり、差圧弁部の先端が吐出室
と圧縮室との差圧によって弁板に衝突することがない。
そして、高速回転時のみならず低速回転時においても、
差圧弁部の先端の衝突疲労を低減することができる。
弁部は前記開放部の回転前方向側で隣接配置されてお
り、吐出ポートの閉弁は開放部の回転後方向側の板面に
よって行われる。このため、前記差圧弁部は吐出ポート
上を通過すると、その差圧弁部は自身の弾性のみによっ
て弁板に摺接するようになり、差圧弁部の先端が吐出室
と圧縮室との差圧によって弁板に衝突することがない。
そして、高速回転時のみならず低速回転時においても、
差圧弁部の先端の衝突疲労を低減することができる。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、開放部の
構成を簡素なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、回転板において、切欠溝より外側の該
板体にフラッパ弁としての作用を持たせることができ
て、簡単な構成で差圧弁部を形成するとともに、吐出弁
を構成することができる。
構成を簡素なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、回転板において、切欠溝より外側の該
板体にフラッパ弁としての作用を持たせることができ
て、簡単な構成で差圧弁部を形成するとともに、吐出弁
を構成することができる。
【0015】請求項5に記載の発明によれば、差圧弁部
の半径方向の幅がほぼ一定となって、差圧弁部のフラッ
プ動作を安定したものとすることができる。請求項6に
記載の発明によれば、差圧弁部の開弁時において、その
差圧弁部が高速で回転しながら摺接するリテーナ表面の
磨耗を簡単な構成で防止することができる。又、差圧弁
部とリテーナ表面との間の摺動性も向上される。
の半径方向の幅がほぼ一定となって、差圧弁部のフラッ
プ動作を安定したものとすることができる。請求項6に
記載の発明によれば、差圧弁部の開弁時において、その
差圧弁部が高速で回転しながら摺接するリテーナ表面の
磨耗を簡単な構成で防止することができる。又、差圧弁
部とリテーナ表面との間の摺動性も向上される。
【0016】
(第1の実施の形態)以下に、本発明を斜板式圧縮機に
具体化した第1の実施の形態について図1〜図3に基づ
いて説明する。
具体化した第1の実施の形態について図1〜図3に基づ
いて説明する。
【0017】図1に示すように、駆動シャフト11は、
ラジアルベアリング12を介してシリンダブロック1
3、14に回転可能に支持されている。この駆動シャフ
ト11は、図示しない外部駆動源に接続されて回転され
る。圧縮室を形成するシリンダボア13a、14aは、
駆動シャフト11を中心としてシリンダブロック13、
14に等間隔角度を置いて複数形成されている。両頭ピ
ストン15は、シリンダボア13a、14a内に往復動
可能に収容されている。両シリンダブロック13、14
の外端面には、吸入弁形成板16、17及び弁板18、
19を介してフロントハウジング20及びリアハウジン
グ21がボルト22により締付固定されている。
ラジアルベアリング12を介してシリンダブロック1
3、14に回転可能に支持されている。この駆動シャフ
ト11は、図示しない外部駆動源に接続されて回転され
る。圧縮室を形成するシリンダボア13a、14aは、
駆動シャフト11を中心としてシリンダブロック13、
14に等間隔角度を置いて複数形成されている。両頭ピ
ストン15は、シリンダボア13a、14a内に往復動
可能に収容されている。両シリンダブロック13、14
の外端面には、吸入弁形成板16、17及び弁板18、
19を介してフロントハウジング20及びリアハウジン
グ21がボルト22により締付固定されている。
【0018】フロントハウジング20及びリヤハウジン
グ21内の外周側には吸入室23、24が、中心側には
吐出室25、26がそれぞれ区画形成されている。駆動
シャフト11とフロントハウジング20との間には、フ
ロント側の吐出室25の圧力を保持するためのリップシ
ール27が介在されている。
グ21内の外周側には吸入室23、24が、中心側には
吐出室25、26がそれぞれ区画形成されている。駆動
シャフト11とフロントハウジング20との間には、フ
ロント側の吐出室25の圧力を保持するためのリップシ
ール27が介在されている。
【0019】前記シリンダブロック13、14の中央部
には、クランク室28が形成されている。前記駆動シャ
フト11の中間外周部には、カム板としての斜板29が
嵌合固定されている。該斜板29には前記両頭ピストン
15がシュー30、31を介して係留され、斜板29の
回転により両頭ピストン15が前記シリンダボア13
a、14a内で往復動される。シリンダブロック13、
14の前後両側壁面と斜板29のボス部29aの端面と
の間には、スラストベアリング32、33が介在されて
いる。
には、クランク室28が形成されている。前記駆動シャ
フト11の中間外周部には、カム板としての斜板29が
嵌合固定されている。該斜板29には前記両頭ピストン
15がシュー30、31を介して係留され、斜板29の
回転により両頭ピストン15が前記シリンダボア13
a、14a内で往復動される。シリンダブロック13、
14の前後両側壁面と斜板29のボス部29aの端面と
の間には、スラストベアリング32、33が介在されて
いる。
【0020】吸入ポート34は、弁板18、19に形成
され、前記シリンダボア13a、14aと吸入室23、
24とを連通する。この吸入ポート34は、前記吸入弁
形成板16、17上のフラッパ弁によりなる吸入弁35
により開閉される。吐出ポート36は、前記シリンダボ
ア13a、14aと吐出室25、26とを連通するよう
に弁板18、19及び吸入弁形成板16、17に形成さ
れている。この吐出ポート36のハウジング20、21
側は、弁板18、19の環状突部18a、19aに開口
している。弁板18、19の環状突部18a、19aに
は、前記吐出ポート36を開閉するための回転板として
の回転吐出弁37(円板形状)が摺接されている。この
回転吐出弁37は、前記駆動シャフト11に一体回転可
能に嵌挿されているとともに、サークリップ38により
抜け止めされている。弁板18、19の前記環状突部1
8a、19aより中心側は、凹部18b、19bとなっ
ている。この凹部18b、19bには、前記クランク室
28からスラストベアリング32、33の間隙、シリン
ダブロック13、14の軸孔13b、14b、ラジアル
ベアリング12の間隙を給油通路として、冷媒ガスとと
もに潤滑油が供給される。
され、前記シリンダボア13a、14aと吸入室23、
24とを連通する。この吸入ポート34は、前記吸入弁
形成板16、17上のフラッパ弁によりなる吸入弁35
により開閉される。吐出ポート36は、前記シリンダボ
ア13a、14aと吐出室25、26とを連通するよう
に弁板18、19及び吸入弁形成板16、17に形成さ
れている。この吐出ポート36のハウジング20、21
側は、弁板18、19の環状突部18a、19aに開口
している。弁板18、19の環状突部18a、19aに
は、前記吐出ポート36を開閉するための回転板として
の回転吐出弁37(円板形状)が摺接されている。この
回転吐出弁37は、前記駆動シャフト11に一体回転可
能に嵌挿されているとともに、サークリップ38により
抜け止めされている。弁板18、19の前記環状突部1
8a、19aより中心側は、凹部18b、19bとなっ
ている。この凹部18b、19bには、前記クランク室
28からスラストベアリング32、33の間隙、シリン
ダブロック13、14の軸孔13b、14b、ラジアル
ベアリング12の間隙を給油通路として、冷媒ガスとと
もに潤滑油が供給される。
【0021】前記クランク室28は、シリンダブロック
13、14に形成した吸入通路39、40により吸入室
23、24と連通されている。クランク室28は、シリ
ンダブロック13、14に形成した図示しない吸入フラ
ンジを介して外部冷房回路に接続されている。さらに、
前記吐出室25、26は、駆動シャフト11内に形成さ
れた吐出通路41及び図示しない吐出フランジを介して
外部冷房回路に接続されている。
13、14に形成した吸入通路39、40により吸入室
23、24と連通されている。クランク室28は、シリ
ンダブロック13、14に形成した図示しない吸入フラ
ンジを介して外部冷房回路に接続されている。さらに、
前記吐出室25、26は、駆動シャフト11内に形成さ
れた吐出通路41及び図示しない吐出フランジを介して
外部冷房回路に接続されている。
【0022】図2に示すように、平円板状をなす前記回
転吐出弁37の中心には、前記駆動シャフト11を挿通
するための孔42が設けられている。そして、その孔4
2には、駆動シャフト11の図示しない切欠部と係合す
るための相対回転規制部42aが形成されている。この
ため、回転吐出弁37は、駆動シャフト11に対する相
対回転が規制されて、駆動シャフト11と一体回転され
る。又、回転吐出弁37には、その外周縁から内周側に
向かうに従って幅狭となるように開放部としての切欠部
43が形成されている。その切欠部43の内周側底部か
らは、回転吐出弁37の回転方向前側の略円周方向に延
びるように約2分の1円弧状の切欠溝44が形成されて
いる。回転吐出弁37の切欠溝44より外周側は、弾性
変形(フラッパ動作)可能な差圧弁部としてのフラッパ
弁部45となっている。切欠部43の回転方向後側は、
弾性変形(フラッパ動作)しない閉止部46となってい
る。従って、切欠部43とフラッパ弁部45とは隣接配
置されることとなり、吐出ポート36の開放を抵抗なく
行うことになる。前記回転吐出弁37は、各シリンダボ
ア13a、14a内の両頭ピストン15の吐出行程の完
了直前に切欠部43が吐出ポート36を通過するように
配置されている。
転吐出弁37の中心には、前記駆動シャフト11を挿通
するための孔42が設けられている。そして、その孔4
2には、駆動シャフト11の図示しない切欠部と係合す
るための相対回転規制部42aが形成されている。この
ため、回転吐出弁37は、駆動シャフト11に対する相
対回転が規制されて、駆動シャフト11と一体回転され
る。又、回転吐出弁37には、その外周縁から内周側に
向かうに従って幅狭となるように開放部としての切欠部
43が形成されている。その切欠部43の内周側底部か
らは、回転吐出弁37の回転方向前側の略円周方向に延
びるように約2分の1円弧状の切欠溝44が形成されて
いる。回転吐出弁37の切欠溝44より外周側は、弾性
変形(フラッパ動作)可能な差圧弁部としてのフラッパ
弁部45となっている。切欠部43の回転方向後側は、
弾性変形(フラッパ動作)しない閉止部46となってい
る。従って、切欠部43とフラッパ弁部45とは隣接配
置されることとなり、吐出ポート36の開放を抵抗なく
行うことになる。前記回転吐出弁37は、各シリンダボ
ア13a、14a内の両頭ピストン15の吐出行程の完
了直前に切欠部43が吐出ポート36を通過するように
配置されている。
【0023】又、図1に示すように、フロントハウジン
グ20及びリヤハウジング21には、その回転吐出弁3
7のフラッパ弁部45と対向する位置において、該フラ
ッパ弁部45の開度規制のためのリテーナ47が突設さ
れている。このリテーナ47の表面には、磨耗防止層4
8を形成するために、例えばフッ素樹脂プレート、ステ
ンレスプレートの冠着、貼着等の表面加工、あるいは、
例えばフッ素樹脂コーティング、表面焼き入れ、耐磨耗
性分散めっき、二硫化モリブデン皮膜の形成、イオン窒
化等の表面処理がなされている。
グ20及びリヤハウジング21には、その回転吐出弁3
7のフラッパ弁部45と対向する位置において、該フラ
ッパ弁部45の開度規制のためのリテーナ47が突設さ
れている。このリテーナ47の表面には、磨耗防止層4
8を形成するために、例えばフッ素樹脂プレート、ステ
ンレスプレートの冠着、貼着等の表面加工、あるいは、
例えばフッ素樹脂コーティング、表面焼き入れ、耐磨耗
性分散めっき、二硫化モリブデン皮膜の形成、イオン窒
化等の表面処理がなされている。
【0024】次に、前記のように構成した斜板式圧縮機
について、その作用を説明する。自動車のエンジン等の
外部駆動源により駆動シャフト11が回転されると、ク
ランク室28内の斜板29が回転される。この斜板29
の回転運動は、シュー30、31を介して複数の両頭ピ
ストン15のシリンダボア13a、14a内での往復運
動に変換される。この両頭ピストン15の往復運動によ
り図示しない吸入フランジからクランク室28に導かれ
た冷媒ガスは、該クランク室28から吸入通路39、4
0を経て吸入室23、24に導かれる。吸入室23、2
4内の冷媒ガスは、両頭ピストン15の吸入行程におけ
る上死点から下死点への復動動作によって、吸入弁35
を押し退けて吸入ポート34からシリンダボア13a、
14a内に導かれる。そして、該シリンダボア13a、
14a内に吸入された冷媒ガスは、両頭ピストン15の
圧縮行程における下死点から上死点への往動動作によっ
て圧縮される。この両頭ピストン15の圧縮行程におい
て、シリンダボア13a、14a内の圧力と吐出室2
5、26内の圧力とに差圧が生じると、シリンダボア1
3a、14a内の圧縮冷媒ガスは、吐出ポート36を介
して回転吐出弁37のフラッパ弁部45を押し退けて吐
出室25、26内に吐出される。シリンダボア13a、
14a内に残留する圧縮冷媒ガスは、両頭ピストン15
の吐出行程における往動動作によって、吐出ポート3
6、回転吐出弁37の切欠部43を介してほぼ完全に吐
出室25、26に吐出される。吐出室25、26内の圧
縮冷媒ガスは、吐出通路41及び図示しない吐出フラン
ジを経て外部冷房回路の凝縮器、膨張弁、蒸発器に供給
され、車両室内の空調に供される。
について、その作用を説明する。自動車のエンジン等の
外部駆動源により駆動シャフト11が回転されると、ク
ランク室28内の斜板29が回転される。この斜板29
の回転運動は、シュー30、31を介して複数の両頭ピ
ストン15のシリンダボア13a、14a内での往復運
動に変換される。この両頭ピストン15の往復運動によ
り図示しない吸入フランジからクランク室28に導かれ
た冷媒ガスは、該クランク室28から吸入通路39、4
0を経て吸入室23、24に導かれる。吸入室23、2
4内の冷媒ガスは、両頭ピストン15の吸入行程におけ
る上死点から下死点への復動動作によって、吸入弁35
を押し退けて吸入ポート34からシリンダボア13a、
14a内に導かれる。そして、該シリンダボア13a、
14a内に吸入された冷媒ガスは、両頭ピストン15の
圧縮行程における下死点から上死点への往動動作によっ
て圧縮される。この両頭ピストン15の圧縮行程におい
て、シリンダボア13a、14a内の圧力と吐出室2
5、26内の圧力とに差圧が生じると、シリンダボア1
3a、14a内の圧縮冷媒ガスは、吐出ポート36を介
して回転吐出弁37のフラッパ弁部45を押し退けて吐
出室25、26内に吐出される。シリンダボア13a、
14a内に残留する圧縮冷媒ガスは、両頭ピストン15
の吐出行程における往動動作によって、吐出ポート3
6、回転吐出弁37の切欠部43を介してほぼ完全に吐
出室25、26に吐出される。吐出室25、26内の圧
縮冷媒ガスは、吐出通路41及び図示しない吐出フラン
ジを経て外部冷房回路の凝縮器、膨張弁、蒸発器に供給
され、車両室内の空調に供される。
【0025】次に、回転吐出弁37の動作について説明
する。図3は、任意のシリンダボア13a、14a内の
圧力Pbと回転吐出弁37の回転角との関係を示してい
る。尚、図2に示すように、該回転吐出弁37の回転角
は、前記シリンダボア13a、14aに収容されたピス
トン15の吐出行程完了時、即ち該ピストン15の上死
点到達時を0゜としたものである。
する。図3は、任意のシリンダボア13a、14a内の
圧力Pbと回転吐出弁37の回転角との関係を示してい
る。尚、図2に示すように、該回転吐出弁37の回転角
は、前記シリンダボア13a、14aに収容されたピス
トン15の吐出行程完了時、即ち該ピストン15の上死
点到達時を0゜としたものである。
【0026】一般に、車載用の圧縮機においては、吐出
室25、26内の圧力は、各時点における外部冷房回路
中の凝縮器の熱交換容量に大きく左右される。その凝縮
器の熱交換容量は、各時点の車両の速度と周囲の外気温
によって決定される。即ち、例えば真夏の渋滞中等にお
いては、凝縮器の熱交換容量が極めて小さく、吐出室2
5、26内の圧力は図3においてPhで示すような高圧
となる。以下、この状態で圧縮機を運転することを「高
圧運転」状態とする。この高圧運転時の任意のシリンダ
ボア13a、14a内における最適な圧力曲線は、例え
ば図3の実線で示したものとなる。ここでは、ピストン
15の圧縮行程において、シリンダボア13a、14a
内の圧力Pbが吐出室25、26内の圧力Phを越える
と、回転吐出弁37のフラッパ弁部45が圧力Pbと圧
力Phとの差圧によってフラップ動作を行う。そして、
圧縮冷媒ガスのシリンダボア13a、14a内から吐出
室25、26内への吐出が開始される。
室25、26内の圧力は、各時点における外部冷房回路
中の凝縮器の熱交換容量に大きく左右される。その凝縮
器の熱交換容量は、各時点の車両の速度と周囲の外気温
によって決定される。即ち、例えば真夏の渋滞中等にお
いては、凝縮器の熱交換容量が極めて小さく、吐出室2
5、26内の圧力は図3においてPhで示すような高圧
となる。以下、この状態で圧縮機を運転することを「高
圧運転」状態とする。この高圧運転時の任意のシリンダ
ボア13a、14a内における最適な圧力曲線は、例え
ば図3の実線で示したものとなる。ここでは、ピストン
15の圧縮行程において、シリンダボア13a、14a
内の圧力Pbが吐出室25、26内の圧力Phを越える
と、回転吐出弁37のフラッパ弁部45が圧力Pbと圧
力Phとの差圧によってフラップ動作を行う。そして、
圧縮冷媒ガスのシリンダボア13a、14a内から吐出
室25、26内への吐出が開始される。
【0027】前記とは逆に、比較的外気温が低く、高速
走行している場合には、凝縮器の熱交換容量が大きく、
吐出室25、26内の圧力は図3においてPlで示すよ
うな低圧となる。以下、この状態で圧縮機を運転するこ
とを「低圧運転」状態とする。この低圧運転時の任意の
シリンダボア13a、14a内における最適な圧力曲線
は、例えば図3の一点鎖線で示したものとなる。ここで
は、ピストン15の圧縮行程において、シリンダボア1
3a、14a内の圧力Pbが吐出室25、26内の圧力
Plを越えると、回転吐出弁37のフラッパ弁部45が
圧力Pbと圧力Plとの差圧によってフラップ動作を行
う。
走行している場合には、凝縮器の熱交換容量が大きく、
吐出室25、26内の圧力は図3においてPlで示すよ
うな低圧となる。以下、この状態で圧縮機を運転するこ
とを「低圧運転」状態とする。この低圧運転時の任意の
シリンダボア13a、14a内における最適な圧力曲線
は、例えば図3の一点鎖線で示したものとなる。ここで
は、ピストン15の圧縮行程において、シリンダボア1
3a、14a内の圧力Pbが吐出室25、26内の圧力
Plを越えると、回転吐出弁37のフラッパ弁部45が
圧力Pbと圧力Plとの差圧によってフラップ動作を行
う。
【0028】このように、回転吐出弁37のフラッパ弁
部45のフラップ動作開始位置が、図2(a)に示すよ
うに高圧運転時には該フラッパ弁部45の先端部の近傍
となり、図2(b)に示すように低圧運転時には該フラ
ッパ弁部45の基端部の近傍となる。即ち、フラッパ弁
部45のフラップ動作開始のタイミングを、吐出室2
5、26の圧力に応じて可変とすることができる。
部45のフラップ動作開始位置が、図2(a)に示すよ
うに高圧運転時には該フラッパ弁部45の先端部の近傍
となり、図2(b)に示すように低圧運転時には該フラ
ッパ弁部45の基端部の近傍となる。即ち、フラッパ弁
部45のフラップ動作開始のタイミングを、吐出室2
5、26の圧力に応じて可変とすることができる。
【0029】又、ピストン15が吐出行程から再膨張行
程及び吸入行程に移行した際の吐出ポート36の閉止
は、回転吐出弁37の回転方向に対して切欠部43の後
側の閉止部46によって行われる。このため、フラッパ
弁部45は、吐出ポート36上を通過すると、そのフラ
ッパ弁部45は自身の弾性のみによって弁板18、19
に摺接する。
程及び吸入行程に移行した際の吐出ポート36の閉止
は、回転吐出弁37の回転方向に対して切欠部43の後
側の閉止部46によって行われる。このため、フラッパ
弁部45は、吐出ポート36上を通過すると、そのフラ
ッパ弁部45は自身の弾性のみによって弁板18、19
に摺接する。
【0030】以上のように構成された本実施形態によれ
ば、回転吐出弁37のフラッパ弁部45のフラップ動作
開始のタイミングを、吐出室25、26の圧力に応じて
可変とすることができる。従って、吐出室25、26か
らシリンダボア13a、14aへ冷媒ガスが逆流した
り、シリンダボア13a、14a内で冷媒ガスが過圧縮
されたりすることがない。従って、外気温、車両の速度
等の種々の要因が複雑に絡み合って吐出室25、26内
の圧力が変動しても、動力損失等を生じることなく、圧
縮冷媒ガスの吐出が常に最適なタイミングで行われる。
ば、回転吐出弁37のフラッパ弁部45のフラップ動作
開始のタイミングを、吐出室25、26の圧力に応じて
可変とすることができる。従って、吐出室25、26か
らシリンダボア13a、14aへ冷媒ガスが逆流した
り、シリンダボア13a、14a内で冷媒ガスが過圧縮
されたりすることがない。従って、外気温、車両の速度
等の種々の要因が複雑に絡み合って吐出室25、26内
の圧力が変動しても、動力損失等を生じることなく、圧
縮冷媒ガスの吐出が常に最適なタイミングで行われる。
【0031】又、フラッパ弁部45の先端が、吐出室2
5、26とシリンダボア13a、14aとの差圧によっ
て弁板18、19に激しく衝突することがない。従っ
て、高速回転時のみならず低速回転時においても、フラ
ッパ弁部45の先端の衝突疲労を低減することができ
て、フラッパ弁部45の先端欠け等が起こりにくくな
る。そして、圧縮機の高速回転への対応性とともに、耐
久性が向上される。
5、26とシリンダボア13a、14aとの差圧によっ
て弁板18、19に激しく衝突することがない。従っ
て、高速回転時のみならず低速回転時においても、フラ
ッパ弁部45の先端の衝突疲労を低減することができ
て、フラッパ弁部45の先端欠け等が起こりにくくな
る。そして、圧縮機の高速回転への対応性とともに、耐
久性が向上される。
【0032】さらに、弁板18、19の凹部18b、1
9bには、クランク室28から前記の給油通路を介し
て、冷媒ガスとともに潤滑油が供給される。このため、
前記弁板18、19の環状突部18a、19aと回転吐
出弁37との摺動が滑らかなものとなるとともに、該環
状突部18a、19a及び回転吐出弁37が磨耗しにく
いものとなる。従って、圧縮機の高速回転への対応性と
ともに、耐久性がさらに向上される。
9bには、クランク室28から前記の給油通路を介し
て、冷媒ガスとともに潤滑油が供給される。このため、
前記弁板18、19の環状突部18a、19aと回転吐
出弁37との摺動が滑らかなものとなるとともに、該環
状突部18a、19a及び回転吐出弁37が磨耗しにく
いものとなる。従って、圧縮機の高速回転への対応性と
ともに、耐久性がさらに向上される。
【0033】しかも、回転吐出弁37は、平円板に開放
部としての切欠部43と、フラッパ弁部45を形成する
ための切欠溝44とを設けて、駆動シャフト11に同期
回転可能に嵌挿されたものとなっている。このようなシ
リンダボア13a、14a内の圧縮冷媒ガスを吐出する
ための吐出弁機構は、簡素なものであると同時に、圧縮
機本体の大型化を招くことがない。又、回転吐出弁37
は平円板状をなし、かつ弁板18、19の吐出室25、
26側の端面に配置されている。このため、回転吐出弁
37の背面全体に吐出室25、26内の圧力がかかるた
め、弁板18、19の環状突部18a、19aに均等に
密着される。従って、該回転吐出弁37を駆動シャフト
11に支持する際に、例えばサークリップ38等を用い
た簡単な抜け止め対策を行うのみでよく、特別な固定部
材を必要としない。又、簡単な構成でクランク室28と
吐出室25、26とのシール性を確保することができ
る。しかも、切欠溝44は、切欠部43の内周側底部か
ら略円周方向に延びているため、フラッパ弁部45の半
径方向の幅がほぼ一定となって、該フラッパ弁部45の
フラップ動作を安定したものとすることができる。
部としての切欠部43と、フラッパ弁部45を形成する
ための切欠溝44とを設けて、駆動シャフト11に同期
回転可能に嵌挿されたものとなっている。このようなシ
リンダボア13a、14a内の圧縮冷媒ガスを吐出する
ための吐出弁機構は、簡素なものであると同時に、圧縮
機本体の大型化を招くことがない。又、回転吐出弁37
は平円板状をなし、かつ弁板18、19の吐出室25、
26側の端面に配置されている。このため、回転吐出弁
37の背面全体に吐出室25、26内の圧力がかかるた
め、弁板18、19の環状突部18a、19aに均等に
密着される。従って、該回転吐出弁37を駆動シャフト
11に支持する際に、例えばサークリップ38等を用い
た簡単な抜け止め対策を行うのみでよく、特別な固定部
材を必要としない。又、簡単な構成でクランク室28と
吐出室25、26とのシール性を確保することができ
る。しかも、切欠溝44は、切欠部43の内周側底部か
ら略円周方向に延びているため、フラッパ弁部45の半
径方向の幅がほぼ一定となって、該フラッパ弁部45の
フラップ動作を安定したものとすることができる。
【0034】加えて、フロントハウジング20及びリヤ
ハウジング21において、回転吐出弁37のフラッパ弁
部45が摺接するリテーナ47の表面には、前述のよう
な表面加工あるいは表面処理により磨耗防止層48が形
成されている。従って、リテーナ47の磨耗を簡単な構
成で防止することができる。又、フラッパ弁部45とリ
テーナ47との摺動性も向上される。 (第2の実施の形態)次に、本発明をウェーブカム式圧
縮機に具体化した第2の実施形態について、前記第1の
実施形態と異なる部分を中心に図4〜図6に基づいて説
明する。
ハウジング21において、回転吐出弁37のフラッパ弁
部45が摺接するリテーナ47の表面には、前述のよう
な表面加工あるいは表面処理により磨耗防止層48が形
成されている。従って、リテーナ47の磨耗を簡単な構
成で防止することができる。又、フラッパ弁部45とリ
テーナ47との摺動性も向上される。 (第2の実施の形態)次に、本発明をウェーブカム式圧
縮機に具体化した第2の実施形態について、前記第1の
実施形態と異なる部分を中心に図4〜図6に基づいて説
明する。
【0035】この第2の実施形態においては、カム板と
して前記第1の実施形態の斜板29に代えて、図4に示
すように、ウェーブカムプレート51が駆動シャフト1
1の中間外周部に嵌合固定されている。図5に示すよう
に、このウェーブカムプレート51は、放物線を導線と
する放物柱面の一部を円形に切り取った形状を前後(表
裏)面に組み合わせることによって形成されている。こ
のウェーブカムプレート51の前カム面52の各最上位
52a及び各最下位52b、さらに、後カム面53の各
最上位53a及び各最下位53bはそれぞれ180゜の
角度間隔を以て設定される。また、前カム面52の最上
位52aと最下位52b、さらに後カム面53の最上位
53aと最下位53bは90°の角度間隔をもって設定
される。前カム面52の各最下位52bは、後カム面5
3の各最上位53aと背中合わせであり、前カム面52
の各最上位52aは後カム面53の各最下位53bと背
中合わせになる。図4に示すように、前後カム面52、
53の最下位52b、53bはシリンダボア13a、1
4a内における両頭ピストン15の下死点位置に対応す
る下死点対応部位置となり、最上位52a、53aはシ
リンダボア13a、14a内における両頭ピストン15
の上死点位置に対応する上死点対応部位置となる。従っ
て、後カム面53は前カム面52に対して90゜位相を
ずらせた状態に配置されることになる。
して前記第1の実施形態の斜板29に代えて、図4に示
すように、ウェーブカムプレート51が駆動シャフト1
1の中間外周部に嵌合固定されている。図5に示すよう
に、このウェーブカムプレート51は、放物線を導線と
する放物柱面の一部を円形に切り取った形状を前後(表
裏)面に組み合わせることによって形成されている。こ
のウェーブカムプレート51の前カム面52の各最上位
52a及び各最下位52b、さらに、後カム面53の各
最上位53a及び各最下位53bはそれぞれ180゜の
角度間隔を以て設定される。また、前カム面52の最上
位52aと最下位52b、さらに後カム面53の最上位
53aと最下位53bは90°の角度間隔をもって設定
される。前カム面52の各最下位52bは、後カム面5
3の各最上位53aと背中合わせであり、前カム面52
の各最上位52aは後カム面53の各最下位53bと背
中合わせになる。図4に示すように、前後カム面52、
53の最下位52b、53bはシリンダボア13a、1
4a内における両頭ピストン15の下死点位置に対応す
る下死点対応部位置となり、最上位52a、53aはシ
リンダボア13a、14a内における両頭ピストン15
の上死点位置に対応する上死点対応部位置となる。従っ
て、後カム面53は前カム面52に対して90゜位相を
ずらせた状態に配置されることになる。
【0036】本実施形態の圧縮機では、ウェーブカムプ
レート51が1回転すると両頭ピストン15は2往復す
ることとなる。即ち、駆動シャフト11が1回転する間
に、冷媒ガスの吸入及び吐出動作がそれぞれ2回ずつ行
われる。このため、図6に示すように、回転吐出弁54
には、切欠部43及びその切欠部43の内周側底部に開
口する約4分の1円弧状の切欠溝55が回転吐出弁54
の中心に対して対称となるようにそれぞれ2箇所設けら
れている。
レート51が1回転すると両頭ピストン15は2往復す
ることとなる。即ち、駆動シャフト11が1回転する間
に、冷媒ガスの吸入及び吐出動作がそれぞれ2回ずつ行
われる。このため、図6に示すように、回転吐出弁54
には、切欠部43及びその切欠部43の内周側底部に開
口する約4分の1円弧状の切欠溝55が回転吐出弁54
の中心に対して対称となるようにそれぞれ2箇所設けら
れている。
【0037】このように構成しても、吐出室25、26
内の圧力が変動しても最適なタイミングで吐出ポート3
6が開放されるとともに、高速回転時にも回転吐出弁5
4のフラッパ弁部45が破損しにくい圧縮機とすること
ができる。
内の圧力が変動しても最適なタイミングで吐出ポート3
6が開放されるとともに、高速回転時にも回転吐出弁5
4のフラッパ弁部45が破損しにくい圧縮機とすること
ができる。
【0038】なお、本発明は以下のように変更して具体
化することもできる。 (1) フロントハウジング20及びリヤハウジング2
1のリテーナ47を省略すること。
化することもできる。 (1) フロントハウジング20及びリヤハウジング2
1のリテーナ47を省略すること。
【0039】(2) 回転吐出弁37、54のフラッパ
弁部45をその板厚が外周側に行くにしたがって若干厚
くなるように形成すること。このように構成した場合、
該フラッパ弁部45のフラップ動作がより安定したもの
となる。また、回転吐出弁37の板厚を不均等にするこ
とも可能である。
弁部45をその板厚が外周側に行くにしたがって若干厚
くなるように形成すること。このように構成した場合、
該フラッパ弁部45のフラップ動作がより安定したもの
となる。また、回転吐出弁37の板厚を不均等にするこ
とも可能である。
【0040】(3) フロントハウジング20及びリヤ
ハウジング21のリテーナ47に代えて、その回転吐出
弁37、54と一体回転するようにリテーナプレートを
駆動シャフト11に嵌挿すること。
ハウジング21のリテーナ47に代えて、その回転吐出
弁37、54と一体回転するようにリテーナプレートを
駆動シャフト11に嵌挿すること。
【0041】(4) 本発明の回転吐出弁37を主体と
する吐出弁機構を、斜板式片頭ピストン圧縮機、ワブル
式片頭ピストン圧縮機等において具体化すること。 (5) 弁板18、19の環状突部18a、19aの表
面に耐磨耗性を有する例えばフッ素樹脂プレート、ステ
ンレスプレートの冠着、貼着等の表面加工、あるいは、
例えばフッ素樹脂コーティング、表面焼き入れ、耐磨耗
性分散めっき、二硫化モリブデン皮膜の形成、イオン窒
化等の表面処理を施すこと。
する吐出弁機構を、斜板式片頭ピストン圧縮機、ワブル
式片頭ピストン圧縮機等において具体化すること。 (5) 弁板18、19の環状突部18a、19aの表
面に耐磨耗性を有する例えばフッ素樹脂プレート、ステ
ンレスプレートの冠着、貼着等の表面加工、あるいは、
例えばフッ素樹脂コーティング、表面焼き入れ、耐磨耗
性分散めっき、二硫化モリブデン皮膜の形成、イオン窒
化等の表面処理を施すこと。
【0042】このように構成した場合、弁板18、19
の環状突部18a、19aの耐磨耗性とともに、該弁板
18、19の環状突部18a、19aと回転吐出弁3
7、54との間の摺動性が向上する。そして、弁板1
8、19に対する回転吐出弁37、54の相対回転を、
より安定したものとすることができる。
の環状突部18a、19aの耐磨耗性とともに、該弁板
18、19の環状突部18a、19aと回転吐出弁3
7、54との間の摺動性が向上する。そして、弁板1
8、19に対する回転吐出弁37、54の相対回転を、
より安定したものとすることができる。
【0043】(6) 回転吐出弁37、54の少なくと
も一方の表面に耐磨耗性を有する、例えばフッ素樹脂コ
ーティング、表面焼き入れ、耐磨耗性分散めっき、二硫
化モリブデン皮膜の形成、イオン窒化等の表面処理を施
すこと。
も一方の表面に耐磨耗性を有する、例えばフッ素樹脂コ
ーティング、表面焼き入れ、耐磨耗性分散めっき、二硫
化モリブデン皮膜の形成、イオン窒化等の表面処理を施
すこと。
【0044】ここで、回転吐出弁37、54の弁板1
8、19側に該表面処理を施した場合、回転吐出弁3
7、54の耐磨耗性とともに、該回転吐出弁37、54
と弁板18、19の環状突部18a、19aとの摺動性
が向上する。そして、弁板18、19に対する回転吐出
弁37、54の相対回転を、より安定したものとするこ
とができる。
8、19側に該表面処理を施した場合、回転吐出弁3
7、54の耐磨耗性とともに、該回転吐出弁37、54
と弁板18、19の環状突部18a、19aとの摺動性
が向上する。そして、弁板18、19に対する回転吐出
弁37、54の相対回転を、より安定したものとするこ
とができる。
【0045】一方、回転吐出弁37、54のリテーナ4
7側に該表面処理を施した場合、回転吐出弁37、54
の耐磨耗性が向上するとともに、該回転吐出弁37、5
4とリテーナ47との摺動性がさらに向上する。
7側に該表面処理を施した場合、回転吐出弁37、54
の耐磨耗性が向上するとともに、該回転吐出弁37、5
4とリテーナ47との摺動性がさらに向上する。
【0046】次に、上記実施形態によって把握される技
術的思想を述べる。 (1) 回転板を弁板の吐出室側の端面に配置した請求
項1〜6のいずれかに記載の圧縮機。
術的思想を述べる。 (1) 回転板を弁板の吐出室側の端面に配置した請求
項1〜6のいずれかに記載の圧縮機。
【0047】このように構成した場合、回転板の背面全
体に吐出室内の圧力がかかるため、回転板が弁板に均等
に密着される。このため、該回転板を駆動シャフトに支
持する際に、例えばサークリップ等を用いた簡単な抜け
止め対策を行うのみでよく、特別な固定部材を必要とし
ない。又、簡単な構成でクランク室と吐出室とのシール
性を確保することができる。
体に吐出室内の圧力がかかるため、回転板が弁板に均等
に密着される。このため、該回転板を駆動シャフトに支
持する際に、例えばサークリップ等を用いた簡単な抜け
止め対策を行うのみでよく、特別な固定部材を必要とし
ない。又、簡単な構成でクランク室と吐出室とのシール
性を確保することができる。
【0048】(2) 回転板と摺接する弁板の環状突部
の内側に凹部を形成した請求項1〜6のいずれかに記載
の圧縮機。 このように構成した場合、クランク室からスラストベア
リングの間隙、シリンダブロックの軸孔、ラジアルベア
リングの間隙を介して、冷媒ガスとともに潤滑油が供給
される。このため、弁板の環状突部と回転板の摺動が滑
らかなものとなるとともに、該環状突部及び回転板が磨
耗しにくいものとなる。従って、圧縮機の高速回転への
対応性とともに、耐久性がさらに向上される。
の内側に凹部を形成した請求項1〜6のいずれかに記載
の圧縮機。 このように構成した場合、クランク室からスラストベア
リングの間隙、シリンダブロックの軸孔、ラジアルベア
リングの間隙を介して、冷媒ガスとともに潤滑油が供給
される。このため、弁板の環状突部と回転板の摺動が滑
らかなものとなるとともに、該環状突部及び回転板が磨
耗しにくいものとなる。従って、圧縮機の高速回転への
対応性とともに、耐久性がさらに向上される。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば以
下の優れた効果を奏する。請求項1に記載の発明によれ
ば、回転板の開放部によるスムーズ且つ確実な吐出作用
を確保しつつ、差圧弁部のフラップ動作によって吐出ポ
ートの開放のタイミングを、吐出室の圧力に応じて可変
とすることができる。このため、冷媒ガスが圧縮室内で
過圧縮されたり、吐出室内の圧縮冷媒ガスが圧縮室内へ
逆流したりすることがない。従って、外気温、車両の速
度等の種々の要因が複雑に絡み合って吐出室内の圧力が
変動しても、動力損失等を生じることなく、圧縮冷媒ガ
スの吐出が常に最適なタイミングで行われる。
下の優れた効果を奏する。請求項1に記載の発明によれ
ば、回転板の開放部によるスムーズ且つ確実な吐出作用
を確保しつつ、差圧弁部のフラップ動作によって吐出ポ
ートの開放のタイミングを、吐出室の圧力に応じて可変
とすることができる。このため、冷媒ガスが圧縮室内で
過圧縮されたり、吐出室内の圧縮冷媒ガスが圧縮室内へ
逆流したりすることがない。従って、外気温、車両の速
度等の種々の要因が複雑に絡み合って吐出室内の圧力が
変動しても、動力損失等を生じることなく、圧縮冷媒ガ
スの吐出が常に最適なタイミングで行われる。
【0050】請求項2に記載の発明によれば、差圧弁部
は吐出ポート上を通過すると、その差圧弁部は自身の弾
性のみによって弁板に摺接するようになり、差圧弁部の
先端が吐出室と圧縮室との差圧によって弁板に激しく衝
突することがない。そして、高速回転時のみならず低速
回転時においても、差圧弁部の先端の衝突疲労を低減す
ることができて、差圧弁部の先端欠け等が起こりにくい
ものとなる。従って、圧縮機の高速回転への適応性とと
もに、耐久性が向上される。
は吐出ポート上を通過すると、その差圧弁部は自身の弾
性のみによって弁板に摺接するようになり、差圧弁部の
先端が吐出室と圧縮室との差圧によって弁板に激しく衝
突することがない。そして、高速回転時のみならず低速
回転時においても、差圧弁部の先端の衝突疲労を低減す
ることができて、差圧弁部の先端欠け等が起こりにくい
ものとなる。従って、圧縮機の高速回転への適応性とと
もに、耐久性が向上される。
【0051】請求項3に記載の発明によれば、開放部の
構成を簡素なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、回転板において、切欠溝より外周側の
該板体にフラッパ弁としての作用を持たせることができ
て、簡単な構成で差圧弁部を形成するとともに、吐出弁
を構成することができる。
構成を簡素なものとすることができる。請求項4に記載
の発明によれば、回転板において、切欠溝より外周側の
該板体にフラッパ弁としての作用を持たせることができ
て、簡単な構成で差圧弁部を形成するとともに、吐出弁
を構成することができる。
【0052】請求項5に記載の発明によれば、差圧弁部
のフラップ動作を安定したものとすることができる。請
求項6に記載の発明によれば、差圧弁部の開弁時におい
て、その差圧弁部が高速で回転しながら摺接するリテー
ナの磨耗を簡単な構成で防止することができる。又、差
圧弁部とリテーナとの間の摺動性も向上される。
のフラップ動作を安定したものとすることができる。請
求項6に記載の発明によれば、差圧弁部の開弁時におい
て、その差圧弁部が高速で回転しながら摺接するリテー
ナの磨耗を簡単な構成で防止することができる。又、差
圧弁部とリテーナとの間の摺動性も向上される。
【図1】 第1の実施形態の圧縮機を示す断面図。
【図2】 回転吐出弁と、その回転吐出弁の(a)は高
圧運転時の、(b)は低圧運転時の吐出タイミングを示
す説明図。
圧運転時の、(b)は低圧運転時の吐出タイミングを示
す説明図。
【図3】 冷媒ガスの圧縮曲線と吐出タイミングとの関
係を示す説明図。
係を示す説明図。
【図4】 第2の実施形態の圧縮機を示す断面図。
【図5】 放物柱面によるウェーブカムプレートを示す
斜視図。
斜視図。
【図6】 第2の実施形態の回転吐出弁を示す説明図。
【図7】 従来の吐出弁機構を示す部分断面図。
11…駆動シャフト、13、14…シリンダブロック、
13a、14a…シリンダボア、15…ピストンとして
の両頭ピストン、20…ハウジングとしてのフロントハ
ウジング、21…ハウジングとしてのリヤハウジング、
25、26…吐出室、28…クランク室、29…カム板
としての斜板、37、54…回転板としての回転吐出
弁、43…開放部としての切欠部、44、55…切欠
溝、45…差圧弁部としてのフラッパ弁部、47…リテ
ーナ、48…磨耗防止層、51…カム板としてのウェー
ブカムプレート。
13a、14a…シリンダボア、15…ピストンとして
の両頭ピストン、20…ハウジングとしてのフロントハ
ウジング、21…ハウジングとしてのリヤハウジング、
25、26…吐出室、28…クランク室、29…カム板
としての斜板、37、54…回転板としての回転吐出
弁、43…開放部としての切欠部、44、55…切欠
溝、45…差圧弁部としてのフラッパ弁部、47…リテ
ーナ、48…磨耗防止層、51…カム板としてのウェー
ブカムプレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三山 勝 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 岩間 和明 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 久保 裕司 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (6)
- 【請求項1】 複数のシリンダボアを有するシリンダブ
ロックと、該シリンダブロックの外端を閉塞するハウジ
ングと、駆動シャフトの回転により前記ボア内で往復動
するピストンと、前記ボアに連通する各ポートを順次開
閉する吐出弁とを備え、吸入路から前記ボア内に区画さ
れる圧縮室に冷媒ガスを吸入し、圧縮された冷媒ガスを
前記吐出弁の開弁により前記ハウジング内に形成された
吐出室吐出するように構成した往復動型圧縮機におい
て、 前記吐出弁は、前記駆動シャフトに同期回転可能に挿着
されるとともに、前記圧縮室と吐出室とを所定の時間間
隔をおいて連通させる開放部と、該開放部に隣接配置さ
れ、前記圧縮室と吐出室との間の差圧により開弁される
差圧弁部とを備えた回転板であることを特徴とする往復
動型圧縮機における吐出弁機構。 - 【請求項2】 前記差圧弁部は、前記開放部の回転前方
向側で隣接配置されていることを特徴とする請求項1に
記載の往復動型圧縮機における吐出弁機構。 - 【請求項3】 前記開放部は、回転板の外周縁から内周
側に向かうに従って幅狭に形成された切欠であることを
特徴とする請求項1又は2に記載の往復動型圧縮機にお
ける吐出弁機構。 - 【請求項4】 前記差圧弁部は、前記切欠に連なる切欠
溝を設けることによって前記回転板に一体形成されたフ
ラッパ弁であることを特徴とする請求項3に記載の往復
動型圧縮機における吐出弁機構。 - 【請求項5】 前記切欠溝を前記回転板の略円周方向に
延びるように形成したことを特徴とする請求項4に記載
の往復動型圧縮機における吐出弁機構。 - 【請求項6】 前記ハウジング内の吐出室に、前記回転
板の差圧弁部の開弁量を制限するリテーナを配設し、該
リテーナの該回転板に対向する表面に磨耗防止層を形成
したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
往復動型圧縮機における吐出弁機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7206220A JPH0953559A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 往復動型圧縮機における吐出弁機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7206220A JPH0953559A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 往復動型圧縮機における吐出弁機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0953559A true JPH0953559A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16519760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7206220A Pending JPH0953559A (ja) | 1995-08-11 | 1995-08-11 | 往復動型圧縮機における吐出弁機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0953559A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105889029A (zh) * | 2016-05-30 | 2016-08-24 | 安徽美芝精密制造有限公司 | 压缩机的排气阀片和具有其的压缩机 |
JP2017082601A (ja) * | 2015-10-23 | 2017-05-18 | 住友重機械工業株式会社 | 弁構造、無潤滑リニア圧縮機、および極低温冷凍機 |
-
1995
- 1995-08-11 JP JP7206220A patent/JPH0953559A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017082601A (ja) * | 2015-10-23 | 2017-05-18 | 住友重機械工業株式会社 | 弁構造、無潤滑リニア圧縮機、および極低温冷凍機 |
CN105889029A (zh) * | 2016-05-30 | 2016-08-24 | 安徽美芝精密制造有限公司 | 压缩机的排气阀片和具有其的压缩机 |
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