JPH095312A - クロマトグラフ装置 - Google Patents

クロマトグラフ装置

Info

Publication number
JPH095312A
JPH095312A JP20806396A JP20806396A JPH095312A JP H095312 A JPH095312 A JP H095312A JP 20806396 A JP20806396 A JP 20806396A JP 20806396 A JP20806396 A JP 20806396A JP H095312 A JPH095312 A JP H095312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sub
time window
time
sample
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20806396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2901923B2 (ja
Inventor
Masato Ito
正人 伊藤
Junkichi Miura
順吉 三浦
Yoshio Fujii
芳雄 藤井
Hiroshi Satake
尋志 佐竹
Fujio Yamada
富士夫 山田
Koichi Tagami
孝一 田上
Fuminori Umesato
文則 梅里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Instruments Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Instruments Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Instruments Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Instruments Engineering Co Ltd
Priority to JP20806396A priority Critical patent/JP2901923B2/ja
Publication of JPH095312A publication Critical patent/JPH095312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2901923B2 publication Critical patent/JP2901923B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、分析条件を設定する必要のな
い分析装置を提供することにある。 【解決手段】本発明は、既知試料の測定結果に基づいて
分析条件を自動決定するクロマトグラフィに関する。本
発明では、標準試料の測定結果に基づく判断を定式化す
ることにより、分析条件を自動的に決定することができ
る。即ち、標準試料(11)の測定結果から定性,定量
分析のための情報を抽出する。まず、この情報が十分か
否か判断する。不十分の場合には、制御のための分析条
件を再検討し、十分となるまで標準試料の測定を続け
る。十分の場合には、定性,定量分析の基準を数値化
し、同定やデータ解析等の分析条件を決定する。 【効果】自動的に分析条件を決定されるため、分析者は
標準試料と未知試料を準備し、分析装置を運転すれば、
分析条件を検討することなく分析結果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロマトグラフ装
置に係り、特には、分析条件を自動決定するクロマトグ
ラフィ、及び、既知試料の測定結果に基づいて未知試料
の分析条件を自動的に決定に好適なクロマトグラフ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、分析装置を使用する際、分析者
が分析条件を決定し、キーボードから数値等を入力する
ことや可変抵抗器により分析条件を設定している。特に
複数の成分を分析する場合、まず各成分を同定するため
に分析条件を設定しなければならない。例えば、クロマ
トグラフィの成分同定における保持時間とその許容幅
は、操作者が準備試料の測定結果から判断し、データ処
理装置を入力している。ピーク追跡を目的とする特開昭
63−290958号も、基準となるクロマトグラム上のピーク
の保持時間は分析者が入力している。
【0003】さらに、特開昭60−239669号では、2つの
クロマトグラム間で主要ピークを基準として、一方から
他方への時間軸の変換を行っている。これは保持時間の
変化したクロマトグラム間でピーク同定方法としては有
効であるが、やはり基準となるクロマトグラム上のピー
クの保持時間は操作者が判断することになる。
【0004】ゲル浸透クロマトグラフィにおける保持時
間から分子量への対応や、マススペクトロメトリーにお
けるM/Z軸の設定も、最初に操作者が同定の分析条件
を決定しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭63−29
0958号および特開昭60−239669号などの先行技術では、
未知試料を分析する前に、操作者が必ず一度はタイムウ
インドウ等の分析条件を設定しなければならなかった。
【0006】本発明の目的は、正確なタイムウインドウ
を用いて、正確な分析が可能なクロマトグラフ装置を提
供することにある。さらには、分析装置の操作者が分析
条件を分析装置に対して設定する代りに、分析装置自体
が分析条件を自動決定し得るクロマトグラフ装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、主保持時間
に対する主タイムウインドウを設定する主タイムウイン
ドウ設定手段と、第1の副保持時間に対する第1副タイ
ムウインドウを設定する第1副タイムウインドウ設定手
段と、第2の副保持時間に対する第2副タイムウインド
ウを設定する第2副タイムウインドウ設定手段とを有
し、試料を分離したクロマトグラフについて、主タイム
ウインドウ,第1副タイムウインドウ及び第2副タイム
ウインドウそれぞれと比較して試料を同定するように構
成し、さらに、主タイムウインドウ,第1副タイムウイ
ンドウ及び第2副タイムウインドウのうちの少なくとも
2組の関係を互いの組の関係が異なるように規定する関
係規定手段を有し、主タイムウインドウ,第1副タイム
ウインドウ及び第2副タイムウインドウのうちの少なく
とも+1つから主タイムウインドウ、第1副タイムウイ
ンドウ及び第2副タイムウインドウのうちの少なくとも
2つを2組の関係に基づいて得るように構成した。
【0008】本発明の望ましい実施例では、複数の含有
成分が既知である試料を測定し、その測定結果に基づい
て、その後に分析される未知試料の分析条件を決定する
分析条件決定装置を備えている。また、本発明の望まし
い実施例では、既知試料を測定し、その成分の出現順序
を基に、未知試料の成分同定のための保持時間または保
持容量と、その同定許容幅を決定する装置を備えてい
る。さらに、複数種の既知試料が予め用意されていて、
操作者がその中より1種を選択し測定した時に、その測
定結果に基づいて、何れの既知試料であるのか判断し、
その既知試料に対応した分析条件を選択する。
【0009】上記のように構成したので、主保持時間に
対する主タイムウインドウを設定し、第1の副保持時間
に対する第1副タイムウインドウを設定し、第2の副保
持時間に対する第2副タイムウインドウを設定し、試料
を分離したクロマトグラフについて、主タイムウインド
ウ,第1副タイムウインドウ及び第2副タイムウインド
ウそれぞれと比較して試料を同定し、さらに、主タイム
ウインドウ,第1副タイムウインドウ及び第2副タイム
ウインドウのうちの少なくとも2組の関係を互いの組の
関係が異なるように規定し、主タイムウインドウ,第1
副タイムウインドウ及び第2副タイムウインドウのうち
の少なくとも1つから主タイムウインドウ,第1副タイ
ムウインドウ及び第2副タイムウインドウのうちの少な
くとも2つを2組の関係に基づいて得るよう。
【0010】さらに好適には、被検成分を含む既知試料
をクロマトグラフィ分離し、分離されたクロマトグラム
に基づいて上記成分に関するタイムウインドウの幅を決
定し、未知試料のクロマトグラムに対して上記タイムウ
インドウの幅で選ばれた成分ピークを測定することを特
徴とする。
【0011】さらに、好適には、分析装置自体が分析条
件を自動決定する。その決定の基準になるのは、既知試
料(標準試料)の測定結果、すなわちクロマトグラフィ
ではクロマトグラムである。
【0012】まず、標準試料の測定結果から定性,定量
分析のための情報を抽出する。次いで、この情報が十分
か否か判断する。不十分の場合には、制御のための分析
条件を再検討し、十分となるまで標準試料の測定を続け
る。十分の場合には、定性,定量分析の基準を数値化
し、同定やデータ解析等の分析条件を決定する。
【0013】本発明を実行するためには、分析装置を構
成する各部品及び各試薬は所定のものを使用する。例え
ば、クロマトグラフ装置の場合、カラム,溶離液及び標
準試料がそれに該当する。部品及び試薬は必ずしも1組
である必要はない。複数種の組合せがあっても、何れの
組であるかが分析装置に認識できれば構わない。認識手
段としては、スイッチ,キーボード,バーコードリーダ
ー,ICカード等からの入力と、標準試料の測定結果か
ら判断する方法がある。
【0014】次に、そのような分析装置を使用しても、
測定結果はいくつかの要因により、多少変動することが
ある。例えば、クロマトグラフ装置の結果、カラムと溶
離液のロット差や劣化,室温や流量の変化により、保持
時間が変動する。その場合でも、一般に操作者が標準試
料の測定結果に基づき判断し、同定や制御等の分析条件
を決定することにより、定性,定量条件が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に基づく一実施例を図1〜
図3を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明を適用したカテコールアミ
ン分析用液体クロマトグラフ分析装置のシステム構成図
である。この分析装置は、カテコールアミンを分離する
前に蛍光標識でプレラベルし、反応部に設けたプレカラ
ム内に一旦吸着して夾雑物を除去した後、分離カラムに
試料として導入する。制御部6にはスタートキーを備え
た入力部が接続されている。オートサンプラ5は、可動
のピペッティングニードルを備えており、収容されてい
る蛍光ラベル化剤溶液10,標準試料11,混合室1
2,未知試料9の列の各々にニードルを対応づけ得る。
【0017】分析装置の操作者が分析装置のスタートキ
ーを押すと、制御部6からの命令により、サンプラ5
が、標準試料11を400μl吸引し混合室12内に吐
出する。サンプラ5は、X,Y,Z軸方向にピペッティ
ングニードルを自在に運動できる。標準試料11には、
ノルエピネフリン(NE),エピネフリン(E),ドー
パミン(DA)の3種類のカテコールアミンが各100
0pg/ml含まれている。次に400μlの60mM
1,2−ジフェニルエチレンジアミン(DPE)蛍光ラ
ベル化剤溶液10を吸引し、混合室12に吐出し、標準
試料11と混合する。この混合液400μlは反応部2
に送りこまれ、蛍光ラベル化反応を起こす。3分後、ラ
ベル化カテコールアミンは一旦反応部2内のプレカラム
に吸着される。さらに3分後、ラベル化カテコールアミ
ンはバルブ切換により溶離液送液ポンプ1から送液され
た溶離液と共に分離カラム3に送り込まれ、逆相クロマ
トグラフィに分離展開され、最後に蛍光検出器4で検出
される。この検出データであるクロマトグラムはデータ
解析部7に記憶される。
【0018】図2を参照して、クロマトグラム20から
のピーク同定方法(縮小ウインドウ法)を説明する。こ
れは同定許容幅であるタイムウインドウを標準試料11
の測定結果に基づいて幅制限させる方法である。標準試
料11に含まれる3成分のピークは不純物のピークより
もかなり大きく検出されるため、この方法が有効であ
る。データ解析部7はクロマトグラム20から表1のタ
イムウインドウを用いて、3本のピークを保持時間の長
いほうから順にピーク23,22,21をそれぞれD
A,E,NEと同定する。ウインドウ内に複数のピーク
がある場合、保持時間の長いほうを同定する。
【0019】
【表1】
【0020】同定ピークの保持時間tR,ピーク面積
A,ピーク高さhを分析条件決定部14に転送する。分
析条件決定部14は測定結果を表2により診断し、合格
していれば、表3のようにタイムウインドウの中心は標
準試料11のピークの保持時間、許容幅は未知試料9の
同定誤りをなくするために縮小するようデータ解析部7
に命令する。ここではピーク高さにしきい値を設け、そ
のしきい値を越えるピークが3本でない場合はエラーと
している。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】次に、別のピーク同定方法を図3を参照し
て説明する。この同定法は、単一のタイムウインドウに
よって複数の被検成分ピークを同定する方法である。
【0024】データ解析部7はクロマトグラム20か
ら、タイムウインドウ内にあって、面積100,000μV・s
以上のピークを数える。3本のピークがあるときだけ、
保持時間tR,ピーク面積A,ピーク高さhを分析条件
決定部14に転送する。それ以外はエラーとなる。この
1つのタイムウインドウはクロマトグラムの全領域であ
っても構わない。分析条件決定部14は上述したのと同
様に測定結果を表2により診断し、合格していれば、表
3のタイムウインドウを用いるようデータ解析部7に命
令する。
【0025】図2又は図3の方法に基づいて自動的に決
定された表3のタイムウインドウは、プリンタ13によ
りクロマトグラム20上に重ね描きする。また、CRT
8上のクロマトグラムに表示することもできる。以降、
血しょう等の未知試料9の分析にはこのタイムウインド
ウを用いて、データ解析する。定量分析は標準試料11
のピーク面積を1000pg/mlとして比例計算す
る。
【0026】分析操作の途中では、エラーの発生する場
合がある。これはいくつか原因が考えられる。カラムや
試薬または部品の劣化がある場合には分析者に伝え、交
換を促す。それ以外に、分析装置が自ら制御条件を変更
することにより、分析を支障なく行える場合がある。例
えば、ピークが全体的に小さいときには、蛍光検出器4
の増幅倍率を大きくするとか、反応部2の反応温度を上
げることや反応時間を伸ばすことが実行可能である。ま
たピークの保持時間が短いときには、ポンプ1の流量を
減らすとか、カラム3の温度を下げることができる。エ
ラー発生時には、分析条件決定部14がクロマトグラム
20やセンサからのデータをもとに定式化されたルール
を用いて、制御部6に制御条件を変更するよう命令す
る。例えば、最終ピークの保持時間が基準より長い場
合、まず、各ピークの分離の余裕を、分解能RSや、保
持時間の間隔ΔTR及び理論段数Nにより評価する。分
離に余裕があり、圧力が基準値未満であれば、最終ピー
クの保持時間が基準値内に収まるように計算し、ポンプ
1の流量を増す。分離に余裕があっても、圧力が基準値
以上であれば、ルールに従い計算し、カラム3の温度を
上げることとポンプ1の流量を増すことを同時に命令す
る。制御部6は以上述べたように制御の条件を変更し、
再び標準試料11を測定する。
【0027】また反応の状態を計るために、含有濃度が
既知である2種の試料を用いる方法がある。前述の3成
分がそれぞれ1000pg/ml含まれている標準試料
11と、NE,E,DAがそれぞれ500,1000,
2000pg/ml含まれている参照のための試料を測
定する。反応の直線性が正常であれば、参照試料の測定
結果が含有濃度に比例した定量値になる。基準以下の直
線性である場合は、分析条件決定部14がルールに従い
計算し、反応部2の反応温度や反応時間の条件を再設定
するよう制御部6に命令する。
【0028】また血しょうと尿の分析のためにそれぞれ
含有濃度の異なる標準試料か、または含有濃度比率の異
なる標準試料を用意してあれば、分析条件決定部14が
ピーク面積のしきい値か、3成分の面積比率により判断
し、何れの分析をするのか、分析者の入力がなくても認
識することができる。分析条件決定部14は制御部6に
対し認識した分析方法を設定できる。
【0029】ここまでカテコールアミンをNE,E,D
Aの3成分として説明してきたが、DOPA,DOPA
C,DOPEGを含め6成分として分析することもでき
る。この場合、3成分分析のほうが6成分分析より短時
間で済む制御の分析条件が選べる。一般的には分析者が
どちらの分析方法にするか、分析装置に入力する。しか
し分析者が入力操作することなく、3成分か6成分の標
準試料を選択するだけで分析方法を決定できる方法があ
る。クロマトグラフ装置の準備運転中に、標準試料を測
定し、前述の単一ウインドウによる複数ピーク同定法を
応用する。分析条件決定部14は、面積が基準のしきい
値を越えるピークを数え、3本であれば3成分分析,6
本であれば6成分分析の分析方法を制御部6に命令す
る。以降、標準試料,未知試料と分析を進める。また準
備運転中に測定しなくても、分析時間の長い6成分分析
方法により標準試料を測定し、3本のピークを検出した
ときに、3成分分析方法に切り換えることもできる。
【0030】次に、図4を参照して本発明の他の実施例
を説明する。この実施例は、イオン交換クロマトグラフ
ィによってグリコヘモグロビンを分析する液体クロマト
グラフ装置システムである。
【0031】溶離液送液ポンプ40はステップワイズ溶
出を行うために溶離液A48,溶離液B49,溶離液C
50をそれぞれ1.9,1.0,0.4分間ずつ3.3分間
サイクルで切り換え送液する。可動ニードルを有するサ
ンプラ43はヘモグロビン(Hb)の標準試料52を5
μl吸引し、溶血希釈し、カラム41への流路に送り込
む。標準試料52は溶離液A48と共に分離カラム41
に送り込まれ、含有成分が分離展開され、可視吸光度検
出器42で検出される。この検出データであるクロマト
グラムはデータ解析部45に記憶される。
【0032】ここで、クロマトグラムからのピーク同定
方法を説明する。この同定法は、主要なピークの保持時
間から副のピークのタイムウインドウを即時計算する個
々のクロマトグラムのための可変ウインドウ法である。
まず、面積3,000μV・s以上のピークを選別し、表
4のタイムウインドウを用いて順次同定する。
【0033】
【表4】
【0034】ウインドウ内に複数のピークがあるとき
は、次の(1)〜(6)のルールに従う。
【0035】(1) A0 は面積の一番大きなピークと
する。
【0036】(2) A1cは面積の一番大きなピークと
する。
【0037】(3) 1−A1cは面積の一番大きなピー
クとする。
【0038】(4) Fは面積の一番大きなピークとす
る。
【0039】(5) A1bは保持時間の一番長いピーク
とする。
【0040】(6) A1aは保持時間の一番長いピーク
とする。
【0041】この方法は副なるピークがない場合でも、
支障なく同定できる特長がある。
【0042】Hb標準試料52からは副なるピークであ
る1−A1CまたはFが分離検出されないことがあるため
この方法が有効である。データ解析部45はクロマトグ
ラムから上述の手続きに従って同定を行う。まずピーク
面積のしきい値を越えるものを選別する。次にA0 とA
1cを前述の縮小するタイムウインドウ法により同定す
る。分析条件決定部53は血液の未知試料51のために
許容幅をどちらも±0.15に縮小させる。ここで残りのピ
ークのウインドウをA1Cの保持時間に基づき計算し、デ
ータ解析部45に同定するよう命令する。
【0043】この各ピークのウインドウはそれぞれA1C
の保持時間の固有の関数である。これは副なるピークの
保持時間が主要なピークの保持時間に比例するとする相
対的な保持時間による同定方法の発展したものであると
みなすことができる。つまり、比例計算を一般的な関数
に拡張し、またウインドウを各ピーク固有の関数にして
いる。この方法は単純に比例関係にならない溶出方法を
用いるクロマトグラフィに有効である。保持時間の長い
ものから順に1−A1C,F,A1b,A1aと同定する。各
成分の定量値はピーク面積の占める割合を百分率により
制御部44を介してCRT46に表示する。また同定さ
れたクロマトグラムはプリンタ47により図5のように
印刷される。計算されたウインドウ内にピークがないと
きには探索した時刻を印字し、定量値は0.0% とす
る。以降、未知試料51の分析の場合、A0 とA1Cは縮
小されたウインドウ法を、1−A1C,F,A1b,A1a
個々の可変ウインドウ法を用いて同定する。
【0044】もう1つのピーク同定方法について説明す
る。この同定法は、前述の1つのタイムウインドウで複
数のクロマト分離された被検成分ピークを同定する方法
を応用する。
【0045】この同定法では、まず標準試料を分離カラ
ムで成分分離した後、面積3,000 μV・s以上のピー
クを選別する。次に、表5のタイムウインドウを用い、
ウインドウ内に頂点のあるピークを検出する。
【0046】
【表5】
【0047】次いで、表5のウインドウAで、面積の大
きい順に2本のピークを選別する。この場合、(1)ピ
ークが2本ある場合は、保持時間の短い順にA1a,A1b
と同定し、(2)ピークが1本の場合は、A1bと同定す
る。
【0048】次に、表5のウインドウBで、面積の大き
い順に3本のピークを選別する。この場合、(1)ピー
クが3本ある場合は、保持時間の短い順にF,I−
1c,A1cと同定する。(2)ピークが2本の場合は、
保持時間の長い方のピークをA1cと同定する。もう1つ
のピークは、その保持時間がA1cから0.4 分以内に接
近していれば、l−A1cと同定し、それ以外はFと同定
する。(3)ピークが1本の場合は、それをA1cと同定
する。
【0049】さらに、表5のウインドウCで、面積の一
番大きいピークをA0 と同定する。この同定法を実行す
るため、まず図4のデータ解析部45は、図5の如きク
ロマトグラム60から、面積3,000μV・s以上のピ
ークを検知する。クロマトグラム60を3つのウインド
ウに分割し、それぞれのウインドウ内で面積の大きなピ
ークを選別し、ルールに従って同定する。分析条件決定
部53は同定結果を受け、A0 とA1cが同定されていな
いときエラーとする。同定されていれば、制御部44に
未知試料51へ分析を移行するよう命令する。
【0050】グリコヘモグロビン分析計もカテコールア
ミン分析計と同様に各ピークの保持時間が基準値を外れ
ることがある。前述したようなポンプ流量やカラム温度
の変更も有効な手段である。また、ステップワイズ溶出
を行っているため、分析条件決定部53はルールに従い
計算し、各溶離液の切り換え時間を変更するよう制御部
44に命令することもできる。制御部44は制御の条件
を変更し、再び標準試料52を測定する。
【0051】また、図4のグリコヘモグロビン分析計で
は、l−A1cをより良く分離するために高分離分析法と
いう分析方法も設定できる。これは35mmのカラムを用
いる前述の高速法に対して、80mmのカラムを使用す
る。分析者はどちらかの分析法を選択するか、入力し、
適切なカラムを取り付ける必要がある。準備運転中に、
流量1.0ml/minにより送液し、分析条件決定部53
は、ポンプ圧力が50bar 未満であれば35mmのカラ
ム、それ以上であれば80mmのカラムが取り付けられて
いるとし、選択された分析法と取り付けられたカラムが
一致しない場合、エラーとする。またはこのようなカラ
ム認識手段を用いれば、特に分析者が分析方法を入力設
定することなく、分析条件を決定することができる。
【0052】また以下に述べる標準試料を用いるカラム
認識手段も利用することができる。このほうが、カラム
の劣化による圧力上昇の影響を受けないため、圧力によ
る判断より有効である。何れのカラムが取り付けられて
いても、一旦高分離法により測定し、クロマトグラムの
パターンから、例えば、単一ウインドウによる複数ピー
ク同定法を用いて、A1cの保持時間が1.5 分未満であ
れば35mmのカラム、それ以上であれば80mmのカラム
が取り付けられていると認識する。
【0053】なお、本発明の具体例としてクロマトグラ
フ装置を用いて実施例を説明してきたが、一般の分析装
置に適用できることは自明である。例えば、マススペク
トロメトリーのように、ポリエチレングリコール(PE
G)の混合溶液を標準試料としてスキャンし、M/Z軸
を設定する場合にも利用できる。即ち、所定の標準試料
を用いて、検出されるピークの数を固定しておく。単一
ウインドウによる複数ピーク同定法を用いることによ
り、各PEGの検出位置と分子量を対応させることがで
きる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、分析装置の操作者は試
料をセットして運転開始するだけであり分析条件は分析
装置自体で自動決定されるので、分析操作者は分析条件
を検討するという煩わしさから開放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるカテコールアミン分析
計のシステム構成図である。
【図2】縮小ウインドウ同定法の説明図である。
【図3】単一ウインドウによる複数ピーク同定法の説明
図である。
【図4】本発明の他の実施例であるグリコヘモグロビン
分析計のシステム構成図である。
【図5】グリコヘモグロビンのクロマトグラム例を示す
図である。
【符号の説明】
1,40…送液ポンプ、2…反応部、3,41…分離カ
ラム、4,42…検出器、5,43…サンプラ、6,4
4…制御部、7,45…データ解析部、14,53…分
析条件決定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 順吉 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内 (72)発明者 藤井 芳雄 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内 (72)発明者 佐竹 尋志 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内 (72)発明者 山田 富士夫 茨城県勝田市市毛882番地 株式会社日立 製作所那珂工場内 (72)発明者 田上 孝一 茨城県勝田市市毛882番地 日立計測エン ジニアリング株式会社内 (72)発明者 梅里 文則 茨城県勝田市市毛882番地 日立計測エン ジニアリング株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主保持時間に対する主タイムウインドウを
    設定する主タイムウインドウ設定手段と、第1の副保持
    時間に対する第1副タイムウインドウを設定する第1副
    タイムウインドウ設定手段と、第2の副保持時間に対す
    る第2副タイムウインドウを設定する第2副タイムウイ
    ンドウ設定手段とを有し、試料を分離したクロマトグラ
    フについて、前記主タイムウインドウ、前記第1副タイ
    ムウインドウ及び前記第2副タイムウインドウそれぞれ
    と比較して試料を同定するように構成し、さらに、前記
    主タイムウインドウ、前記第1副タイムウインドウ及び
    前記第2副タイムウインドウのうちの少なくとも2組の
    関係を互いの組の関係が異なるように規定する関係規定
    手段を有し、前記主タイムウインドウ、前記第1副タイ
    ムウインドウ及び前記第2副タイムウインドウのうちの
    少なくとも1つから前記主タイムウインドウ、前記第1
    副タイムウインドウ及び前記第2副タイムウインドウの
    うちの少なくとも2つを前記2組の関係に基づいて得る
    ことを特徴とするクロマトグラフ装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のクロマトグラフ装置におい
    て、被検成分を含む既知試料をクロマトグラフィ分離
    し、分離されたクロマトグラムに基づいて上記成分に関
    するタイムウインドウの幅を設定し、未知試料のクロマ
    トグラムに対して上記タイムウインドウの幅で選ばれた
    成分ピークを測定することを特徴とする分析条件を自動
    決定するクロマトグラフ装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載のクロマトグラフ装置におい
    て、上記既知試料のクロマトグラムにおける成分の出現
    順序を基準として、上記未知試料の成分同定のための保
    持時間又は保持容量と、成分同定許容幅を決定すること
    を特徴とする分析条件を自動決定するクロマトグラフ装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2記載のクロマトグラフ装置におい
    て、自動的に設定されたタイムウインドウをクロマトグ
    ラムと共に表示することを特徴とする分析条件を自動決
    定するクロマトグラフ装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載のクロマトグラフ装置におい
    て、予め準備されている複数種の既知試料の中より1種
    が測定された時に、その測定結果に基づいて何れの既知
    試料であるか判断し、その測定された既知試料に対応し
    た分析条件を選択することを特徴とする分析条件を自動
    決定するクロマトグラフ装置。
  6. 【請求項6】主保持時間に対する主タイムウインドウを
    設定する主タイムウインドウ設定手段と、第1の副保持
    時間に対する第1副タイムウインドウを設定する第1副
    タイムウインドウ設定手段と、第2の副保持時間に対す
    る第2副タイムウインドウを設定する第2副タイムウイ
    ンドウ設定手段とを有し、試料を分離したクロマトグラ
    フについて、前記主タイムウインドウ、前記第1副タイ
    ムウインドウ及び前記第2副タイムウインドウそれぞれ
    と比較して試料を同定するように構成し、さらに、前記
    主保持時間,前記第1副保持時間、及び前記第2副保持
    時間うちの少なくとも2組の関係を互いの組の関係が異
    なるように規定する関係規定手段を有し、前記主保持時
    間,前記第1副保持時間及び前記第2副保持時間のうち
    の少なくとも1つから前記主保持時間,前記第1副保持
    時間及び前記第2副保持時間のうちの少なくとも2つを
    前記2組の関係に基づいて得るように構成し、前記主タ
    イムウインドウ,前記第1副タイムウインドウ及び前記
    第2副タイムウインドウはそれぞれ前記主保持時間,前
    記第1副保持時間及び前記第2副保持時間に基づいて設
    定されることを特徴とするクロマトグラフ装置。
JP20806396A 1996-08-07 1996-08-07 クロマトグラフ装置 Expired - Lifetime JP2901923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20806396A JP2901923B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 クロマトグラフ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20806396A JP2901923B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 クロマトグラフ装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3023127A Division JP2602366B2 (ja) 1991-02-18 1991-02-18 クロマトグラフ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH095312A true JPH095312A (ja) 1997-01-10
JP2901923B2 JP2901923B2 (ja) 1999-06-07

Family

ID=16550035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20806396A Expired - Lifetime JP2901923B2 (ja) 1996-08-07 1996-08-07 クロマトグラフ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2901923B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181291A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Tosoh Corp 液体クロマトグラフ装置
JP2012181023A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Shimadzu Corp 自動分析用制御装置及びプログラム
WO2020170378A1 (ja) * 2019-02-21 2020-08-27 株式会社島津製作所 液体クロマトグラフ
JP2021503599A (ja) * 2017-11-17 2021-02-12 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 血液検査評価用のスマートアドバイザ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010181291A (ja) * 2009-02-05 2010-08-19 Tosoh Corp 液体クロマトグラフ装置
JP2012181023A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Shimadzu Corp 自動分析用制御装置及びプログラム
JP2021503599A (ja) * 2017-11-17 2021-02-12 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 血液検査評価用のスマートアドバイザ
WO2020170378A1 (ja) * 2019-02-21 2020-08-27 株式会社島津製作所 液体クロマトグラフ
JPWO2020170378A1 (ja) * 2019-02-21 2021-11-04 株式会社島津製作所 液体クロマトグラフ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2901923B2 (ja) 1999-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2602366B2 (ja) クロマトグラフ装置
JP3131439B2 (ja) 液体クロマトグラフ装置
US5531959A (en) Automated liquid handling and computer controlled system and method for solid phase chromatographic extractions
EP1544612A1 (en) Chromatography system and method for operating the same
CA1245073A (en) Apparatus and method for optimizing separation of an unknown sample by liquid chromatography
Takahashi Reversed-phase high-performance liquid chromatographic analytical system for aflatoxins in wines with fluorescence detection
US5492831A (en) Shared peripheral analytical system
EP0610297A1 (en) Protein chromatography system
CN111948404B (zh) 用于筛查地中海贫血的特征蛋白标记组合物、质谱模型及其应用
US6635488B1 (en) Automated analyzer and automated analysis
JP2901923B2 (ja) クロマトグラフ装置
JP3012685B2 (ja) 生体液中のアミノ酸分析方法および装置
Wahlich et al. Chromatographic system suitability tests—What should we be using?
Tong et al. Mass profile monitoring in trace analysis by gas chromatography/mass spectrometry
JPH0627117A (ja) 自動分析装置
JP2518256B2 (ja) バニリルマンデル酸、ホモバニリン酸およびクレアチニンの同時分析方法およびその装置
JP3648902B2 (ja) ガスクロマトグラフ質量分析装置
Riou et al. Evaluation of the Bio-Rad VARIANT™ II HbA 2/HbA 1C Dual Program for measurement of hemoglobin concentrations and detection of variants
Gunnar et al. Pressure-adjusted continual flow heart-cutting for the high throughput determination of amphetamine-type stimulant drugs in whole blood by fast multidimensional gas chromatography–mass spectrometry
JPH08211039A (ja) 試料分析装置
US20230384269A1 (en) Column device
Ramsteiner HPLC column switching, a step toward the automation of sample cleanup
JP3180010B2 (ja) クロマトグラフ分析装置
JPH0365648A (ja) 多波長検出器のデータ処理装置
Pfeffer et al. Automatization for development of HPLC methods

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term