JPH0953088A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

Info

Publication number
JPH0953088A
JPH0953088A JP20362595A JP20362595A JPH0953088A JP H0953088 A JPH0953088 A JP H0953088A JP 20362595 A JP20362595 A JP 20362595A JP 20362595 A JP20362595 A JP 20362595A JP H0953088 A JPH0953088 A JP H0953088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
represented
oil
group
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20362595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3554087B2 (ja
Inventor
Noriyoshi Tanaka
典義 田中
Aritoshi Fukushima
有年 福島
幸夫 ▲巽▼
Yukio Tatsumi
Kazuhisa Morita
和寿 森田
Yoko Saito
陽子 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP20362595A priority Critical patent/JP3554087B2/ja
Priority to US08/692,462 priority patent/US5858931A/en
Priority to EP96305807A priority patent/EP0761804B1/en
Priority to DE69635258T priority patent/DE69635258T2/de
Priority to CA002182916A priority patent/CA2182916C/en
Publication of JPH0953088A publication Critical patent/JPH0953088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3554087B2 publication Critical patent/JP3554087B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、加水分解を受けず、水分存
在時においても良好な摩擦低減作用を示す潤滑油組成物
を提供することにある。 【解決手段】 本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油
に、(A)成分として、特定の硫化オキシモリブデンジチ
オカーバメート、特定の硫化オキシモリブデンジチオホ
スフェート、特定のモリブデン酸アミンからなる群から
選択される1種または2種以上の油溶性モリブデン化合
物と、(B)成分として、特定の(ポリ)グリセリンエーテ
ルを配合してなることを特徴とし、更に、(C)成分とし
て、特定のジンクジチオホスフェートを含有することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関
し、更に詳しくはモリブデンジチオカルバメ−ト、及び
/またはモリブデンジチオフォスフェ−ト及び/または
モリブデン−アミン化合物並びに(ポリ)グリセリンのエ
−テル化合物、及び必要に応じてジンクジチオフォスフ
ェ−トを潤滑油基油に配合することにより得られる、加
水分解安定性に優れ、水混入時にも低摩擦を与える潤滑
油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車を取り巻く状況は、燃費規
制、排ガス規制等厳しくなっている。この背景には地球
温暖化、大気汚染、酸性雨等の環境問題と、有限である
石油エネルギ−の枯渇の懸念からの資源保護がある。こ
れらの対策として、現在のところ燃費の向上が最も有効
的である。
【0003】自動車の省燃費化を進める上で、自動車の
軽量化、エンジンの改良等、自動車自体の改良と共にエ
ンジンでの摩擦ロスを防ぐ為のエンジン油の低粘度化、
良好な摩擦調整剤の添加等、エンジン油の改善も重要な
要素となっている。エンジン油はピストン・ライナ間で
の潤滑剤として作用するが、この部分では流体潤滑が多
い為エンジン油の低粘度化により摩擦ロスを低減するこ
とができる。この為近年では油の低粘度化が進んでいる
が、低粘度化に伴うシ−ル性の悪化、摩耗量の増大とい
う問題が発生している。また、エンジン油は動弁系、ベ
アリングにおいても重要な役割を果たしているが、この
部分では混合潤滑、境界潤滑が多い為、油の低粘度化は
摩耗の増大を引き起こす。そこで、油の低粘度化に伴う
摩擦損失の低減、摩耗防止の目的で摩擦調整剤、極圧剤
等が添加されている。
【0004】摩擦調整剤としては、一般にオレイン酸、
ステアリン酸などの高級脂肪酸、オレイルアルコ−ル等
の高級アルコ−ル、エステル、アミン、硫化油脂、塩素
化油脂、有機モリブデン化合物などが用いられている。
また、極圧剤としては、硫化油脂類、スルフィド類など
の硫黄系、りん系、ジンクジチオホスフェート(ZnD
TP)などの有機金属化合物系などが用いられている。
【0005】例えば、特開昭59−25890号公報では摩擦
調整剤として、グリセリンモノアルキルエ−テルあるい
はグリセリンモノアルケニルエ−テルを提案しており、
またZnDTP、及び無灰型清浄分散剤を組み合わせる
ことにより製造される共通潤滑油組成物を提案してい
る。
【0006】しかし、現在の油の低粘度化に伴う諸問題
を解決する為には、混合・境界潤滑下において低摩擦を
与える摩擦調整剤である有機モリブデン化合物の使用が
必須となりつつある。特開平5−279686号公報には有機
モリブデン化合物、脂肪酸エステル、金属清浄剤(カル
シウムスルホネ−ト、マグネシウムスルホネ−ト、カル
シウムフェネ−ト及びマグネシウムフェネ−ト)、無灰
清浄分散剤(ベンジルアミン、ベンジルアミンのホウ素
誘導体、アルケニルこはく酸イミド及びアルケニルこは
く酸イミドのホウ素誘導体)、耐摩耗剤[ZnDTP、
ジンクジチオカーバメート(ZnDTC)]を配合するこ
とにより耐摩耗やその他の特性を損なうことなく、摩擦
特性を改善できることが提案されている。
【0007】また、特開平5−311186号公報では平均炭
素原子数4以下のジチオカルバミン酸金属塩と油溶性ア
ミン化合物との併用系、硫化オキシモリブデンジチオカ
ルバメ−ト及び/または硫化オキシモリブデンオルガノ
ホスホロジチオエ−ト、脂肪酸エステル及び/または有
機アミド化合物を特定量比で含有せしめることにより、
潤滑油の摩擦係数を大幅に低下させ得ることが提案され
ている。
【0008】しかしながら、特開平5−279686号及び特
開平5−311186号公報に開示されている組成物では、水
分存在時にはモリブデン化合物が存在しているにも関わ
らず摩擦低減作用がみられない等の問題点があった。
【0009】エンジン油には燃料燃焼時に発生する水分
が混入する。特にエンジン油が温まらない状況下、すな
わち近距離運転の多発時には水分が蒸発しない為水分増
加を引き起こす。この水分は添加剤の劣化を引き起こす
だけでなく、ブロ−バイガスの活性化をも引き起こしエ
ンジン油に大きな悪影響を与える。したがって、水分混
入時にも劣化が少なく優れた摩擦低減作用を持続させ、
省燃費の性能が持続できる油の開発が必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】現在、メンテナンスフ
リ−を目標とした油のロングドレイン化が望まれている
が、それに加えて初期からの性能である省燃費性を持続
させるということも重要な課題の一つとなっている。エ
ンジン油は潤滑油の中でも酸化劣化条件が最も厳しいも
のであり、自動車走行と共に劣化がはじまる。この時、
潤滑油基油とともに添加剤も劣化する。そこで省燃費油
の性能を持続させていく為には添加剤の長寿命化も必要
である。つまり、現在の目標である省燃費化を実現して
いくには油溶性モリブデン化合物の使用が必須であるこ
とから、油溶性モリブデン化合物の性能をいかに発揮さ
せ、更に持続させるかが重要なのである。
【0011】従って、本発明の目的は、加水分解を受け
ず、水分存在時においても良好な摩擦低減作用を示す潤
滑油組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多数存在
する潤滑油添加剤について鋭意検討した結果、油溶性モ
リブデン化合物と、(ポリ)グリセリンエ−テルとを組み
合わせることにより水分存在時においても劣化が少なく
良好な摩擦低減作用を示すことを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0013】即ち、本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基
油に、(A)成分として、一般式
【化6】 (式中、R1〜R4は、炭化水素基を表し、X1は、酸素原
子または硫黄原子を表す)で表わされる硫化オキシモリ
ブデンジチオカーバメート(MoDTC)、一般式
【化7】 (式中、R5〜R8は、炭化水素基を表し、X2は、酸素原
子または硫黄原子を表す)で表わされる硫化オキシモリ
ブデンジチオホスフェート(MoDTP)、一般式
【化8】 (式中、R9及びR10は、水素原子または炭化水素基を表
し、bは0.95≦b≦1.05、cは0≦c≦1)で表
わされるモリブデン酸アミン(MoAm)からなる群から
選択される1種または2種以上の油溶性モリブデン化合
物と、(B)成分として、一般式
【化9】 (式中、R11及びR12は、水素原子または炭化水素基で
あるが、R11とR12が共に水素原子であることはなく、
nは1〜10の範囲の数である)で表わされる(ポリ)グ
リセリンエーテルを配合してなることを特徴とする。
【0014】また、本発明の潤滑油組成物は、更に、
(C)成分として、一般式
【化10】 (式中、aは0または1/3の値であり、R13及びR14
は、炭化水素基を表す)で表わされるジンクジチオホス
フェート(ZnDTP)を含有することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑油組成物必須の成分
である(A)成分たる油溶性モリブデン化合物は、一般式
(1)で表わされるMoDTC、一般式(2)で表わされる
MoDTP、一般式(3)で表わされるMoAmのうち、
1種であっても、2種以上を併用してもよい。
【0016】一般式(1)〜(3)で表される油溶性モリブ
デン化合物において、R1〜R10は炭化水素基であり、
例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
【0017】ここで、アルキル基としては例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、
ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコ
シル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルド
デシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシル
オクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙
げられる。
【0018】また、アルケニル基としては例えば、ビニ
ル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、
イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等
が挙げられる。
【0019】更に、アルキルアリール基としては例え
ば、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチ
ル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベ
ンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフ
ェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシル
フェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニ
ルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げら
れる。
【0020】また、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基としては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシ
クロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニ
ル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシク
ロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロ
ヘプテニル基等が挙げられる。
【0021】なお、一般式(3)で表されるMoAmにお
いては、R9及びR10は水素原子であってもよい。
【0022】R1〜R10は互いに同一であっても異なっ
てもよい。即ち、R1〜R4、R5〜R8、R9〜R10も、
互いに同一であっても異なってもよい。R1〜R4が互い
に異なる場合は、潤滑油組成物のロングドレイン化(長
寿命化)を図る上では好ましいものである。
【0023】これらの中でも、一般式(1)で表されるM
oDTCにおいては、R1〜R4は、炭素原子数8〜13
のアルキル基、一般式(2)で表されるMoDTPにおい
ては、R5〜R8は、炭素原子数6〜13のアルキル基、
一般式(3)で表されるMoAmにおいては、R9〜R10
は、炭素原子数1〜16のアルキル基が好ましい。
【0024】また、一般式(1)で表されるMoDTC及
び一般式(2)で表されるMoDTPにおいては、X1
びにX2は硫黄原子または酸素原子であり、X1並びにX
2の全てが硫黄原子あるいは酸素原子であってもよい
が、潤滑性及び腐食性を考慮した場合、硫黄原子/酸素
原子の比が1/3〜3/1であるのが特に好ましい。
【0025】本発明に用いられる一般式(1)で表される
MoDTCの製造方法は、例えば特公昭56−12638号公
報に記載された方法によることが好ましい。つまり、三
酸化モリブデンもしくはモリブデン酸塩と、硫化アルカ
リあるいは水硫化アルカリを反応させ、次いで二硫化炭
素と二級アミンを加えて適当な温度で反応させることに
より得ることができる。
【0026】また、本発明に用いられる一般式(2)で表
されるMoDTPの製造方法は、例えば特開昭61−8769
0号公報、特開昭61−106587号公報に記載された方法に
よることが好ましい。つまり、三酸化モリブデンもしく
はモリブデン酸塩と、硫化アルカリあるいは水硫化アル
カリを反応させ、次いでP25と二級アルコールを加え
て適当な温度で反応させることにより得ることができ
る。
【0027】更に、本発明に用いられる一般式(3)で表
されるMoAmは、モリブデン酸(HMoO4)と、1級
あるいは2級のアミンの塩であって、例えば特開昭61−
285293号公報に示された方法により製造することが好ま
しい。つまり、三酸化モリブデンもしくはモリブデン酸
塩と、1級あるいは2級のアミンを室温から100℃の
間で反応させることにより得ることができる。ここで、
bの値は製造の際の反応条件によって異なり、0.95
≦b≦1.05なる範囲のものが本発明において油溶性
モリブデン化合物として使用できる。MoAmは、水和
型と非水和型の混合物であるので、cは0≦c≦1なる
数である。
【0028】本発明の潤滑油組成物において、(A)成分
たる油溶性モリブデン化合物は、MoDTC、MoDT
P、MoAmのうち、1種であっても、2種以上を併用
してもよいが、少なくとも1種はMoDTCを用いるの
が好ましい。添加量は特に制限されないが、添加量があ
まりに少ないと摩擦低減効果が十分でなく、添加量があ
まりに多いとスラッジや腐蝕の原因になる傾向があるた
め、潤滑油基油に対して、好ましくはモリブデン量にし
て0.001〜1重量%、なお好ましくは0.005〜
0.5重量%、最も好ましくは0.01〜0.1重量%が
よい。
【0029】本発明の潤滑油組成物において、(B)成分
である一般式(4)で表わされる化合物は、(ポリ)グリセ
リンエーテルである。一般式(4)で表される(ポリ)グリ
セリンエーテルにおいて、R11及びR12は水素原子また
は炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっても
よく、また、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、
アルケニル基、アルキルアリール基等が好ましい。ただ
し、R11及びR12が共に水素原子であることはない。R
11及びR12は炭素原子数1〜20の直鎖または分岐鎖の
アルキル基、アルケニル基が好ましく、炭素原子数12
〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アルケニル基
がさらに好ましい。また、これらの中でも直鎖のアルキ
ル基、アルケニル基が好ましく、ラウリル基、オレイル
基、ステアリル基が最も好ましい。
【0030】また、nは1〜10であり、モノグリセリ
ンのエーテルでもポリグリセリンのエーテルであっても
よい。但し、nが大きなものは合成が難しくなるので、
nは1〜3が好ましい。
【0031】本発明の潤滑油組成物において、(B)成分
たる(ポリ)グリセリンエーテルは、1種であっても、2
種以上を併用してもよい。添加量は特に制限されない
が、添加量があまりに少ないと摩擦低減効果が十分でな
く、添加量があまりに多いとスラッジの原因になる傾向
があるため、潤滑油基油に対して、好ましくは0.01
〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%がよ
い。
【0032】一般式(4)で表される(ポリ)グリセリンエ
ーテルは、潤滑油中に混入する水による加水分解を受け
ない。従って、常に加水分解の問題を抱える(ポリ)グリ
セリンエステル系の添加剤と比べて優れたものであり、
特に、油溶性モリブデン化合物との組み合わせにおい
て、優れた潤滑性を示す。
【0033】また、モリブデン化合物と、(ポリ)グリセ
リンエーテルに、一般式(5)で表されるZnDTPを加
えた潤滑油組成物は、さらに優れた潤滑性を示す。
【0034】本発明の潤滑油組成物において、(C)成分
たる一般式(5)で表わされるZnDTPにおいて、R13
及びR14は炭化水素基であり、互いに同一であっても異
なってもよく、また、前述のR1〜R10と同じく、アル
キル基、アルケニル基、アルキルアリール基等が好まし
い。これらの中でも、炭素原子数3〜14のアルキル基
が好ましい。
【0035】また、用いる1種または2種以上のZnD
TPのR13及びR14のうち、60%以上が1級アルキル
基であるのが好ましい。残る40%以下は2級及び/ま
たは3級アルキル基であってもよい。
【0036】aは0もしくは1/3であり、a=0の場
合、中性ZnDTPと呼ばれ、a=1/3の場合、塩基
性ZnDTPと呼ばれる。
【0037】本発明に用いられる一般式(5)で表される
ZnDTPは、例えば特公昭48−37251号公報に示す方
法で製造されうる。すなわち、P25と所望のアルコー
ルを反応させてアルキル置換ジチオリン酸を生成し、そ
れを酸化亜鉛で中性化あるいは塩基性化し、亜鉛塩を形
成させることにより製造される。
【0038】本発明の潤滑油組成物において、(C)成分
たるZnDTPは、1種であっても、2種以上を併用し
てもよい。添加量は特に制限されないが、添加量があま
りに少ないと十分な極圧効果が得られず、添加量があま
りに多いとZnDTPはリンを含有するため、排ガス処
理装置の触媒を被毒してしまう傾向があるので、潤滑油
基油に対して、好ましくはリン量にして0.001〜1
重量%、なお好ましくは0.005〜0.5重量%、最も
好ましくは0.01〜0.15重量%がよい。
【0039】本発明の潤滑油組成物に用いることができ
る潤滑油基油は、鉱油、合成油のいずれであってもよ
い。ここで、鉱油とは、天然の原油から分離、蒸留、精
製されるものをいい、パラフィン系、ナフテン系、ある
いはこれらを水素化処理、溶剤精製したもの、水素化分
解VHVI油などが挙げられる。また合成油とは、化学
的に合成された潤滑油であって、ポリ−α−オレフィ
ン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステル、ポリ
オールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル、ポ
リアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリ
コーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン等である。
【0040】また、本発明の目的の範囲内で必要に応じ
て公知の各種添加剤、例えば、高級脂肪酸、高級アルコ
ール、アミン、エステル等の摩擦緩和剤、硫黄系、塩素
系、リン系、有機金属系等の極圧剤、フェノール類、ア
ミン類等の酸化防止剤、中性または高塩基性のアルカリ
土類金属スルフォネ−ト、フェネ−ト、カルボキシレー
ト等の清浄剤、コハク酸イミド、ベンジルアミン等の分
散剤、高分子量のポリ(メタ)アクリレート、ポリイソブ
チレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−イソブチレン共重合体等の粘度指数向上
剤、あるいはエステル類、シリコーン類等の消泡剤、そ
の他の防錆剤、流動点降下剤等を通常の使用量の範囲で
加えることもできる。
【0041】本発明の潤滑油組成物は、自動車を含む車
両用エンジン、2サイクルエンジン、航空機用エンジ
ン、船舶用エンジン、機関車用エンジン(これらのエン
ジンはガソリン、ディーゼル、ガス、タービンを問わな
い)等を含む内燃機関用潤滑油、自動トランスミッショ
ン液体、トランスアクスル潤滑剤、ギヤ潤滑剤、金属加
工潤滑剤等に用いることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明の潤滑油組成物を
詳細に説明する。なお、以下の本発明品及び比較品に使
用した各成分は次の通りである。潤滑油基油:原油から
得られた鉱油を水素化分解プロセス法により得られた鉱
油系高VI油。動粘度は100℃で4.1cst、VI
=126。
【0043】(A)成分 Mo化合物1:一般式(2)において、R5〜R8=2−エ
チルヘキシル基、X2=S/O=2.2であるMoDT
P。 Mo化合物2:一般式(1)において、R1〜R4=2−エ
チルヘキシル基、X1=S/O=2.2であるMoDT
C。 Mo化合物3:一般式(1)において、R1〜R4=2−エ
チルヘキシル基:イソトリデシル基=1:1、X1 =S
/O=2.2であるMoDTC。 Mo化合物4:下記の方法で合成される一般式(3)の化
合物。窒素気流下で三酸化モリブデン1モルを水540
mlに分散させ、次いで2モルのジトリデシルアミンを
50〜60℃に保ちつつ、1時間で滴下し、更に同温度
で1時間熟成した。この後、水層を分離除去し、淡青色
オイル状のモリブデン酸アミン化合物(MoAm)を合成
した。(R9及びR10=イソトリデシル基、b=0.95
〜1.05、c=0〜1の混合物)
【0044】(B)成分 グリセリンエーテル1:グリセリンモノオレイルエ−テ
ル[一般式(4)において、R11=オレイル基、R12
H、n=1]。 グリセリンエーテル2:グリセリンジオレイルエ−テル
(R11及びR12=オレイル基、n=1)。 グリセリンエーテル3:グリセリンモノステアリルエ−
テル(R11=ステアリル基、R12=H、n=1)。 グリセリンエーテル4:トリグリセリンモノオレイルエ
−テル(R11=オレイル基、R12=H、n=3)。 グリセリンエーテル5:グリセリンモノラウリルエ−テ
ル(R11=ラウリル基、R12=H、n=1)。 グリセリンエーテル6:ジグリセリンモノミリスチルエ
−テル(R11=ミリスチル基、R12=H、n=2)。
【0045】グリセリンエステル1:グリセリンモノオ
レ−ト。 グリセリンエステル2:ジグリセリンモノオレ−ト。 グリセリンエステル3:グリセリンジステアレート。 グリセリンエステル4:グリセリンモノラウレート。
【0046】(C)成分 ZnDTP1:一般式(5)において、R13及びR14=2
−エチルヘキシル基(1級アルキル基)、中性塩(a=
0):塩基性塩(a=1/3)=55:45(モル比)で
あるZnDTP。 ZnDTP2:一般式(5)において、R13及びR14=ド
デシル基(1級アルキル基)、中性塩:塩基性塩=62:
38(モル比)であるZnDTP。 ZnDTP3:一般式(5)において、R13及びR14=2
級ヘキシル基:イソプロピル基=1:1、中性塩:塩基
性塩=62:38(モル比)であるZnDTP。
【0047】上記で各成分を下記の表に示す配合割合に
て配合することにより本発明品並びに比較品の潤滑油組
成物を得た。なお、表中の数値のうち、Mo化合物は潤
滑油基油に対するモリブデン重量%、グリセリンエーテ
ル、グリセリンエステルは重量%、ZnDTPはリン重
量%である。
【0048】得られた本発明品並びに比較品の潤滑油組
成物について、下記の方法により加水分解安定性試験を
行った: 加水分解安定試験 本発明品並びに比較品の潤滑油組成物に対し、水を0.
2重量%添加し、93℃にて1週間保存し、下記の摩擦
係数測定試験を行った。 摩擦係数測定試験 摩擦係数測定試験はSRV測定試験機を用いて下記の条
件にて行った。 <条件> 線接触:試験条件はシリンダ−オンプレ−トの線接触条
件で行った。即ち、上部シリンダ−(φ15×22mm)
をプレ−ト(φ24×7.85mm)上に摺動方向に垂直
にセットし、往復振動させ、15分後に摩擦係数を測定
した。なお、材質は両者共SUJ−2であった。 荷重:200N 温度:80℃ 測定時間:15分 振幅:1mm サイクル:50Hz 測定の結果を以下の表に併記する。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】本発明の効果は、モリブデン化合物と、
(ポリ)グリセリンエ−テル、更に所望により、ZnDT
Pを組み合わせることにより水分存在時においても低摩
擦を与える潤滑油組成物を提供したことにある。
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】本発明の潤滑油組成物において、(B)成分
である一般式(4)で表わされる化合物は、(ポリ)グリセ
リンエーテルである。一般式(4)で表される(ポリ)グリ
セリンエーテルにおいて、R11及びR12は水素原子また
は炭化水素基であり、互いに同一であっても異なっても
よく、また、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、
アルケニル基、アルキルアリール基等が好ましい。ただ
し、R11及びR12が共に水素原子であることはない。R
11及びR12水素原子または炭素原子数1〜20の直鎖
または分岐鎖のアルキル基、アルケニル基が好ましく、
炭素原子数12〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル
基、アルケニル基がさらに好ましい。また、これらの中
でも直鎖のアルキル基、アルケニル基が好ましく、ラウ
リル基、オレイル基、ステアリル基が最も好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:16) C10N 10:04 10:12 30:00 30:04 30:06 40:25 (72)発明者 森田 和寿 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 陽子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に、(A)成分として、一般
    式 【化1】 (式中、R1〜R4は、炭化水素基を表し、X1は、酸素原
    子または硫黄原子を表す)で表わされる硫化オキシモリ
    ブデンジチオカーバメート、一般式 【化2】 (式中、R5〜R8は、炭化水素基を表し、X2は、酸素原
    子または硫黄原子を表す)で表わされる硫化オキシモリ
    ブデンジチオホスフェート、一般式 【化3】 (式中、R9及びR10は、水素原子または炭化水素基を表
    し、bは0.95≦b≦1.05、cは0≦c≦1)で表
    わされるモリブデン酸アミンからなる群から選択される
    1種または2種以上の油溶性モリブデン化合物と、 (B)成分として、一般式 【化4】 (式中、R11及びR12は、水素原子または炭化水素基で
    あるが、R11とR12が共に水素原子であることはなく、
    nは1〜10の範囲の数である)で表わされる(ポリ)グ
    リセリンエーテルを配合してなることを特徴とする潤滑
    油組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の配合量はモリブデン量にして
    0.001〜1重量%、(B)成分の配合量は0.01〜5
    重量%である請求項1記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(4)において、R11及びR12が炭
    素原子数1〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基およ
    び/またはアルケニル基であり、nは1〜3である請求
    項1または2記載の潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 潤滑油組成物が、(C)成分として、一般
    式 【化5】 (式中、aは0または1/3の値であり、R13及びR14
    は、炭化水素基を表す)で表わされるジンクジチオホス
    フェートを含有する請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分の配合量はリン量にして0.0
    01〜1重量%である請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載の潤滑油組成物。
JP20362595A 1995-08-09 1995-08-09 潤滑油組成物 Expired - Lifetime JP3554087B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20362595A JP3554087B2 (ja) 1995-08-09 1995-08-09 潤滑油組成物
US08/692,462 US5858931A (en) 1995-08-09 1996-08-05 Lubricating composition
EP96305807A EP0761804B1 (en) 1995-08-09 1996-08-07 Lubricating composition
DE69635258T DE69635258T2 (de) 1995-08-09 1996-08-07 Schmiermittelzusammensetzung
CA002182916A CA2182916C (en) 1995-08-09 1996-08-08 Lubricating composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20362595A JP3554087B2 (ja) 1995-08-09 1995-08-09 潤滑油組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0953088A true JPH0953088A (ja) 1997-02-25
JP3554087B2 JP3554087B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=16477148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20362595A Expired - Lifetime JP3554087B2 (ja) 1995-08-09 1995-08-09 潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3554087B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009012A1 (ja) * 2004-07-23 2006-01-26 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 潤滑油組成物
JP2006131766A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Asahi Denka Kogyo Kk エンジン油組成物
WO2013008836A1 (ja) * 2011-07-11 2013-01-17 出光興産株式会社 潤滑油組成物および機械装置
CN109652171A (zh) * 2017-10-12 2019-04-19 中国石油化工股份有限公司 一种工业机器人关节rv减速机专用油组合物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3925953B2 (ja) * 1995-12-04 2007-06-06 株式会社Adeka 潤滑油組成物

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009012A1 (ja) * 2004-07-23 2006-01-26 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 潤滑油組成物
JP2006036850A (ja) * 2004-07-23 2006-02-09 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物
US7803745B2 (en) 2004-07-23 2010-09-28 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Lubricant composition
JP2006131766A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Asahi Denka Kogyo Kk エンジン油組成物
JP4718159B2 (ja) * 2004-11-05 2011-07-06 株式会社Adeka エンジン油組成物
WO2013008836A1 (ja) * 2011-07-11 2013-01-17 出光興産株式会社 潤滑油組成物および機械装置
JP2013018872A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油組成物および機械装置
CN109652171A (zh) * 2017-10-12 2019-04-19 中国石油化工股份有限公司 一种工业机器人关节rv减速机专用油组合物
CN109652171B (zh) * 2017-10-12 2021-12-14 中国石油化工股份有限公司 一种工业机器人关节rv减速机专用油组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3554087B2 (ja) 2004-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5858931A (en) Lubricating composition
CA2292988C (en) Lubricating compositions comprising molybdenum dithiocarbamates
US6329328B1 (en) Lubricant oil composition for internal combustion engines
JP2000273480A (ja) 潤滑性組成物
JP3556355B2 (ja) 潤滑油組成物
JPH06336592A (ja) 潤滑油組成物
JPH11315297A (ja) 内燃機関用潤滑油組成物
EP0699739B1 (en) Engine oil composition
JP3554757B2 (ja) エンジン油組成物
JPH0693281A (ja) エンジン油組成物
US6063741A (en) Engine oil composition
JP3556348B2 (ja) 潤滑油組成物
JPH06100880A (ja) 潤滑組成物
CN1990840B (zh) 润滑油组合物
JP3719534B2 (ja) 潤滑油組成物
JP3554087B2 (ja) 潤滑油組成物
JP2000290677A (ja) ディーゼルエンジン用潤滑油組成物
JPH10130680A (ja) 潤滑油組成物
JPH1192778A (ja) 潤滑油組成物
EP0803566B1 (en) Lubricating oil for internal combustion engine
JPH10121079A (ja) 潤滑油組成物
JPH09194866A (ja) アルコール系燃料用エンジン油組成物
JPH09104886A (ja) 低アルカリ金属潤滑油組成物
US20210371767A1 (en) Lubricant oil composition for internal combustion engines and method for producing same, and method for preventing pre-ignition
JPH1150079A (ja) 潤滑油組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040427

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040506

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080514

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120514

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term