JPH10121079A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

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JPH10121079A
JPH10121079A JP27812196A JP27812196A JPH10121079A JP H10121079 A JPH10121079 A JP H10121079A JP 27812196 A JP27812196 A JP 27812196A JP 27812196 A JP27812196 A JP 27812196A JP H10121079 A JPH10121079 A JP H10121079A
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JP
Japan
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hydrocarbon group
general formula
oil composition
molybdenum
compound
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Application number
JP27812196A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyoshi Tanaka
典義 田中
Yukio Tatsumi
幸男 巽
Mayumi Tomiyama
真由美 富山
Yoko Saito
陽子 斉藤
Norio Miyashita
功雄 宮下
Kazuhisa Morita
和寿 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、劣化後も良好な潤滑性を保
ち、特に、省燃費エンジン油として有用な潤滑油組成物
を提供することにある。 【解決手段】 本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油
に、(A)成分として、1種又は2種以上のモリブデン
化合物;及び(B)成分として、特定のチオカルバモイ
ル化合物を含有してなることを特徴とする。また、本発
明の潤滑油組成物は、必要に応じて(C)成分として、
特定のジンクジチオホスフェート、及び/又特定のジン
クジチオカーバメートを含有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モリブデン化合物
及びチオカルバモイル化合物を含有する潤滑油組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車を取り巻く状況は、燃費規
制、排ガス規制等厳しくなっている。この背景には地球
温暖化、大気汚染、酸性雨等の環境問題と有限である石
油エネルギ−の枯渇の懸念からの資源保護がある。これ
らの対策として、現在のところ燃費の向上が最も有効的
である。
【0003】自動車の省燃費化を進める上で、自動車の
軽量化、エンジンの改良等、自動車自体の改良と共にエ
ンジンでの摩擦ロスを防ぐ為のエンジン油の低粘度化、
良好な摩擦調整剤の添加等、エンジン油の改善も重要な
要素となっている。
【0004】エンジン油はピストン・ライナ間での潤滑
剤として作用するが、この部分では流体潤滑が多い為エ
ンジン油の低粘度化により摩擦ロスを低減する事ができ
る。この為、近年では油の低粘度化が進んでいるが、低
粘度化に伴うシ−ル性の悪化、摩耗量の増大という問題
が発生している。また、エンジン油は動弁系、ベアリン
グにおいても重要な役割を果たしているが、この部分で
は混合潤滑、境界潤滑が多い為、油の低粘度化は摩耗の
増大を引き起こす。そこで、油の低粘度化に伴う摩擦損
失の低減、摩耗防止の目的で摩擦調整剤、極圧剤等が添
加されている。
【0005】有機モリブデン化合物は優れた摩擦低減作
用を有しているため、種々の潤滑油に使用されている
が、特に、エンジン油においては省燃費に効果的であ
り、省燃費油には必須の添加剤となっている。省燃費油
とは新油の段階で優れた省燃費性能を有していてもその
性能が維持できなければ省燃費油として優れているとは
いえないため、劣化しても摩擦低減性能をどこまで維持
できるかが現在の重要なテーマとなっている。
【0006】有機モリブデン化合物は劣化により摩擦低
減性能が悪化するため、近年では有機モリブデン化合物
を添加した油の摩擦低減性能を持続させる配合の検討が
行われている。中でも、チオカルバモイル化合物(ジチ
オカーバメート化合物)は有機モリブデン化合物と併用
するには有力な添加剤である。
【0007】例えば、特開平6―184578号では、
基油に金属清浄剤、ジアルキルジチオリン酸亜鉛及びホ
ウ素含有無灰分散剤を配合し、また、脂肪族アミド化合
物及びジチオカーバメート化合物のうち少なくとも1種
の添加成分が溶解されてなるエンジン油組成物が提案さ
れている。
【0008】また、特公平3―31760号ではアルキ
ルチオカルバモイル化合物及びモリブデンジチオカーバ
メート或いはモリブデンジチオホスフェートを組み合わ
せることにより得られる疲労寿命改良潤滑剤組成物を提
案している。
【0009】更に、特公平4―32877号ではジチオ
カルバミン酸エステル及び/又はアルキルチオカルバモ
イル化合物と1,3,4―チアジアゾール化合物を配合
してなる疲労寿命改良潤滑剤組成物を提案している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平6
―184578号記載の組成物では新油での性能は優れ
ているが、劣化時における性能では未だ不十分であっ
た。
【0011】又、特公平3―31760号及び特公平4
―32877号記載の組成物では使用するアルキルチオ
カルバモイル化合物の炭素鎖が短いために溶解性の面で
問題があった。
【0012】従って、本発明の目的は、劣化後も良好な
潤滑性を保ち、特に、省燃費エンジン油として有用な潤
滑油組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討し、モリブデン化合物及び炭素数が6以上のチオカ
ルバモイル化合物を配合することにより、劣化後も安定
した潤滑性を提供する潤滑油組成物を発明した。
【0014】即ち、本発明は、潤滑油基油に、(A)成
分として、一般式(1)
【化7】 (式中、R1〜R4は、炭化水素基を表わし、X1〜X
4は、酸素原子又は硫黄原子を表わす)で表わされる硫
化オキシモリブデンジチオカーバメート(以下、「Mo
DTC」と記載する)、一般式(2)
【化8】 (式中、R5〜R8は、炭化水素基を表わし、X5〜X
8は、酸素原子又は硫黄原子を表わす)で表わされる硫
化オキシモリブデンジチオホスフェート(以下、「Mo
DTP」と記載する)、6価のモリブデン化合物を、下
記一般式(3)
【化9】R9−NH−R10 (3) (式中、R9及びR10は、水素原子及び/又は炭化水素
基を表わすが、同時に水素原子であることはない)で表
されるアミノ化合物と反応させて得られるモリブデンア
ミン化合物(以下、「MoAm」と記載する)からなる
群から選ばれる1種又は2種以上のモリブデン化合物;
及び(B)成分として、一般式(4)
【化10】 [式中、R11〜R14は、炭素数6以上の炭化水素基を表
わし、Yは―(S)n−(ただし、nは、1〜7の数を表
わす)を表す]で表わされるチオカルバモイル化合物を
含有してなることを特徴とする潤滑油組成物である。
【0015】また、本発明の潤滑油組成物は、必要に応
じて(C)成分として、一般式(5)
【化11】 (式中、aは、0〜1/3の数を表し、R15及びR
16は、炭化水素基を表す)で表わされるジンクジチオホ
スフェート(以下、「ZDTP」と記載する)、及び/
又は下記の一般式(6)
【化12】 (式中、R17〜R20は、炭化水素基を表わす)で表され
るジンクジチオカーバメート(以下、「ZDTC」と記
載する)を含有することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分であるモリブ
デン化合物は、一般式(1)で表わされるMoDTC、
一般式(2)で表わされるMoDTP、一般式(3)で
表わされるMoAmのうち、1種であっても、2種以上
を併用してもよい。
【0017】一般式(1)〜(3)で表わされるモリブ
デン化合物において、R1〜R10は、炭化水素基であ
り、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリ
ール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等であ
る。
【0018】アルキル基としては例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、タ
ーシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチ
ル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチ
ル、パルミチル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テ
トラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、
2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデ
シル、モノメチル分枝−イソステアリル等が挙げられ
る。
【0019】アルケニル基としては例えば、ビニル、ア
リル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブ
テニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘ
プテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセ
ニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げ
られる。
【0020】アルキルアリール基としては例えば、フェ
ニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベン
ジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒド
リル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、
ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニ
ル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェ
ニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシル
フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられ
る。
【0021】シクロアルキル基、シクロアルケニル基と
しては例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキ
シル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シク
ロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテ
ニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニ
ル基等が挙げられる。
【0022】尚、R9及びR10は、水素原子でもよい
が、同時に水素原子であることはない。
【0023】R1〜R10は、互いに同一でも異なっても
よい。すなわち、R1〜R4、R5〜R8、R9〜R10も、
互いに同一でも異なってもよい。R1〜R4が互いに異な
る場合は、潤滑油組成物のロングドレイン化(長寿命
化)を図る上では好ましいものである。
【0024】これらの中でも、MoDTCにおいては、
1〜R4は、炭素数8〜13のアルキル基が、MoDT
Pにおいては、R5〜R8は、炭素数6〜13のアルキル
基が、MoAmにおいては、R9〜R10は、炭素数6〜
18のアルキル基がそれぞれ好ましい。これは、あまり
に炭素数が少ないと油溶性に乏しくなるためであり、あ
まりに炭素数が多くなると融点が高くなりハンドリング
が悪くなるとともに活性が低くなるためである。
【0025】又、一般式(1)並びに一般式(2)にお
いて、X1〜X4並びにX5〜X8は、各々硫黄原子又は酸
素原子であり、X1〜X4並びにX5〜X8の全てが硫黄原
子あるいは酸素原子であってもよく、X1〜X4並びにX
5〜X8がそれぞれ硫黄原子あるいは酸素原子であっても
よいが、潤滑性及び腐食性を考慮した場合、硫黄原子/
酸素原子の比が1/3〜3/1であるのが特に好まし
い。
【0026】本発明に用いられるMoDTCの製造方法
は、例えば特公昭56−12638号に記載された方法
が好ましい。つまり、三酸化モリブデンもしくはモリブ
デン酸塩と、硫化アルカリあるいは水硫化アルカリを反
応させ、次いで二硫化炭素と二級アミンを加えて適当な
温度で反応させることにより得ることができる。
【0027】本発明に用いられるMoDTPは、例えば
特開昭61−87690号、特開昭61−106587
号に記載された方法が好ましい。つまり、三酸化モリブ
デンもしくはモリブデン酸塩と、硫化アルカリあるいは
水硫化アルカリを反応させ、次いでP25と二級アルコ
ールを加えて適当な温度で反応させることにより得るこ
とができる。
【0028】本発明に用いられるMoAmは、三酸化モ
リブデン、モリブデン酸(H2MoO4)、モリブデン酸
塩等の6価のモリブデン化合物と、1級あるいは2級の
アミンの塩であって、例えば特開昭61−285293
号に示された方法により製造されるのが好ましい。つま
り、三酸化モリブデンもしくはモリブデン酸塩と、1級
あるいは2級のアミンを室温から100℃の間で反応さ
せることにより得ることができる。
【0029】本発明の(A)成分たるモリブデン化合物
は、MoDTC、MoDTP、MoAmのうち、1種で
あっても、2種以上を併用してもよいが、少なくとも1
種はMoDTCを用いるのが好ましい。添加量は特に制
限されないが、添加量があまりに少ないと摩擦低減効果
が十分でなく、添加量があまりに多いとスラッジや腐蝕
の原因になる傾向があるため、潤滑油基油に対してモリ
ブデン量にして好ましくは0.005〜2重量%、より
好ましくは0.1〜1重量%、更に好ましくは0.2〜
0.9重量%である。
【0030】本発明の(B)成分である一般式(4)で表わ
されるチオカルバモイル化合物において、R11〜R
14は、炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよ
く、また前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アル
ケニル基、アルキルアリール基等が好ましいが、炭素数
は6以上でなければならない。炭素数が6未満である
と、潤滑油基油に対する溶解性が不足し、潤滑性に悪影
響を与えるためである。中でも、好ましい炭化水素基
は、炭素数8以上の炭化水素基、より好ましくは炭素数
8〜13のアルキル基である。又、直鎖であると(A)
成分であるモリブデン化合物と配位子交換を起こす可能
性があるため、2―エチルヘキシル基やイソトリデシル
基等の分枝鎖のある炭化水素基が好ましい。従って、最
も好ましい炭化水素基は、分岐鎖を有する炭素数8〜1
3のアルキル基である。
【0031】又、Yは、―(S)n−を表し、nは、1〜
7の数を表わす。なお、Yとして特に好ましいものはn
=1〜3の場合、更に好ましくはn=2、即ち、−S―
S−である。
【0032】(B)成分であるチオカルバモイル化合物の
添加量は特に制限されないが、添加量があまりに少ない
と劣化油における摩擦低減効果が十分でなく、添加量が
あまりに多いとスラッジや腐蝕の原因になる傾向がある
ため、好ましくは0.001〜3重量%、より好ましく
は0.05〜1重量%、更に好ましくは0.1〜0.8重
量%である。
【0033】また、更に優れた潤滑性を得るためには、
(A)、(B)成分に加えて更に(C)成分を添加する
ことが好ましい。本発明の(C)成分である一般式
(5)で表わされるZDTPにおいて、R15及びR16
炭化水素基であり、互いに同一でも異なってもよく、ま
た、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキルアリール基等が好ましい。これらの中で
も、炭素数3〜14のアルキル基が好ましい。
【0034】また、用いる1種または2種以上のZDT
P中のR15及びR16のうち、60%以上が1級アルキル
基であるのが好ましい。残る40%以下は2級及び/又
は3級アルキル基であってもよい。
【0035】更に、aは0〜1/3であり、a=0の場
合、中性ZDTPと呼ばれ、a=1/3の場合、塩基性
ZDTPと呼ばれる。
【0036】なお、本発明に用いられるZDTPは、例
えば特公昭48−37251号に示す方法で製造されう
る。すなわち、P25と所望のアルコールを反応させて
アルキル置換ジチオリン酸を生成し、それを酸化亜鉛で
中性化あるいは塩基性化し、亜鉛塩を形成させることに
より製造することができる。
【0037】又、本発明の(C)成分である一般式
(6)で表わされるZDTCにおいて、R17〜R20は炭
化水素であり、互いに同一でも異なっていてもよく、ま
た、前述のR1〜R10と同じく、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキルアリール基等が好ましい。これらの中で
も、炭素数3〜14のアルキル基が好ましい。
【0038】なお、本発明に用いられるZDTCは、例
えば特公平7―80833号公報記載の方法により製造
することができる。即ち、酸化亜鉛、アミン及び2硫化
炭素を加熱混合することにより製造することができる。
【0039】本発明の(C)成分であるZDTP及び/
又はZDTCは、1種であっても、2種以上を併用して
もよい。添加量は特に制限されないが、添加量があまり
に少ないと十分な極圧効果が得られず、添加量があまり
に多いとZDTPはリンを含有するため、排ガス処理装
置の触媒を被毒してしまう傾向があるので、潤滑油基油
に対して、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ま
しくは0.05〜5重量%がよい。
【0040】本発明に用いることができる潤滑油基油
は、鉱油、合成油のいずれであってもよい。動粘度は特
に限定されないが、好ましくは100℃で0.1〜50
cSt、40℃で1〜1,000cSt程度、粘度指数
(VI)は好ましくは70以上、より好ましくは100
以上である。
【0041】ここで、鉱油とは、天然の原油から分離、
蒸留、精製されるものをいい、パラフィン系、ナフテン
系、あるいはこれらを水素化処理、溶剤精製したもの、
水素化分解VHVI油などが挙げられる。また、合成油
とは、化学的に合成された潤滑油であって、ポリ−α−
オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエス
テル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エ
ステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエー
テル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン
等である。
【0042】又、本発明の目的の範囲内で必要に応じて
公知の各種添加剤、例えば、高級脂肪酸、高級アルコー
ル、アミン、アミド、エステル、ポリオールエーテル、
ポリエーテル等の摩擦緩和剤、硫黄系、塩素系、リン
系、有機金属系等の極圧剤、フェノール類、アミン類等
の酸化防止剤、金属スルホネート、金属サリシレート、
金属フェネート等の清浄剤、コハク酸誘導体、コハク酸
誘導体のホウ素化物、ベンジルアミンなどの分散剤、高
分子量のポリ(メタ)アクリレート、ポリイソブチレ
ン、ポリスチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ス
チレン−イソブチレン共重合体等の粘度指数向上剤、あ
るいはエステル類、シリコーン類等の消泡剤、その他の
防錆剤、流動点降下剤等を通常の使用量の範囲で加える
こともできる。
【0043】本発明の潤滑油組成物は全ての用途の潤滑
に使用できる。例えば、工業用潤滑油、タービン油、マ
シン油、軸受油、圧縮機油、油圧油、作動油、内燃機関
油、ギヤ油、自動変速機用油、トランスアクスル流体、
金属加工油等が挙げられる。中でも、車両用エンジン、
2サイクルエンジン、航空機用エンジン、船舶用エンジ
ン、機関車用エンジン等の内燃機関油に好適な組成であ
る。内燃機関としては例えば、ガソリンエンジン、ディ
ーゼルエンジン、ジェットエンジン、ガスタービンエン
ジン、アルコールエンジン等が挙げられる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明の潤滑油組成物を
更に詳細に説明する。 実施例 本発明品並びに比較品の潤滑油組成物に使用した各成分
は以下の通りである: 潤滑油基油:原油から得られた鉱油を水素化分解プロセ
ス法により得られた鉱油系高VI油。動粘度は100℃
で4.1cSt、40℃で18.3cSt、VI=12
6。
【0045】<(A)成分> Mo化合物1:一般式(2)において、R5〜R8=2−
エチルヘキシル基、X5〜X8=S/O=2.2であるM
oDTP。 Mo化合物2:一般式(1)において、R1〜R4=2−
エチルヘキシル基:イソトリデシル基=1:1、X1
4=S/O=2.2であるMoDTC。 Mo化合物3:一般式(1)において、R1〜R4=2−
エチルヘキシル基、X1〜X4=S/O=2.2であるM
oDTC。 Mo化合物4:下記の方法で合成される一般式(3)の
化合物。 窒素気流下で三酸化モリブデン1モルを水540mlに
分散させ、次いで2モルのジトリデシルアミン(R9
10=イソトリデシル基)を50〜60℃に保ちつつ、
1時間で滴下、さらに同温度で1時間熟成した。この
後、水層を分離除去し、淡青色オイル状のモリブデン酸
アミン化合物(MoAm)を合成した。
【0046】<(B)成分> チオカルバモイル化合物1:一般式(4)において、R11
〜R14=2―エチルヘキシル基、Y=−S―S−である
ビス(ジ2―エチルヘキシルカルバモイル)ジスルフィ
ド チオカルバモイル化合物2:一般式(4)において、R11
〜R14=イソトリデシル基、Y=−S―S−であるビス
(ジイソトリデシルカルバモイル)ジスルフィド チオカルバモイル化合物3:一般式(4)において、R11
〜R14=ブチル基、Y=−S―S−であるビス(ジブチ
ルカルバモイル)ジスルフィド チオカルバモイル化合物4:一般式(4)において、R11
〜R14=ブチル基、Y=−S―(CH2)―S−である
エチレンビス(ジブチルカルバモイル)ジスルフィド
【0047】<(C)成分> ZDTP1:一般式(5)において、R15、R16=2−
エチルヘキシル基(1級アルキル基)、中性塩(a=
0):塩基性塩(a=1/3)=55:45(モル比)
であるZDTP。 ZDTP2:一般式(5)において、R15、R16=2級
ヘキシル基:イソプロピル基=1:1、中性塩:塩基性
塩=62:38(モル比)であるZDTP。 ZDTC3:一般式(6)において、R17〜R20=2−
エチルヘキシル基であるZDTC。
【0048】<試験方法>上記各成分を表に示す割合に
て配合することにより本発明及び比較の潤滑油組成物を
得た。次いで、まず溶解性試験を行ない、沈殿の有無を
確認した。その後、劣化試験を行ない、劣化後の潤滑油
組成物の摩擦係数を測定した。試験条件は以下の通り。
尚、表中の数値のうち、(A)成分は潤滑油基油に対す
るモリブデン換算量の重量ppmを、(B)及び(C)
成分は重量%を表す。
【0049】<溶解性試験>各成分を潤滑油基油に80
℃にて加熱溶解させ、室温で30日間放置後の沈殿の有
無を確認した。 ○:沈殿なし ×:沈殿発生
【0050】<劣化試験>JIS−K−2514に準じ
て行なった。尚、恒温槽の温度は150℃、試料かき混
ぜ棒を毎分1300回転にて130時間攪拌し、各潤滑
油組成物を酸化劣化させた。
【0051】<摩擦係数測定方法>劣化試験を行った潤
滑油組成物についての摩擦係数測定試験は、SRV測定
試験機を用いて下記の条件にて行った。 <条件> 線接触:試験条件はシリンダ−オンプレ−トの線接触条
件で行った。即ち、上部シリンダ−(φ15×22m
m)をプレ−ト(φ24×6.85mm)上に摺動方向
に垂直にセットし、往復振動させ、7分後に摩擦係数を
測定した。尚、材質は両者共SUJ−2であった。 荷重:200N 温度:80℃ 測定時間:15分 振幅:1mm サイクル:50Hz 本発明品及び比較品の潤滑油組成物の配合、及び測定の
結果を以下の表に示した。
【0052】
【表1】
【0053】上記の実施例から、チオカルバモイル化合
物を添加した場合は、添加していない場合(比較品1及
び3)に比べて劣化後の摩擦係数が良好である。又、チ
オカルバモイル化合物でも、炭化水素鎖が短いものを含
む潤滑油組成物(比較品4)や、メチレン基を有するも
のを含む潤滑油組成物(比較品5)は、チオカルバモイル
化合物が潤滑油基油に充分溶解せず沈殿し、劣化後の摩
擦係数も良くないことが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明の効果は、モリブデン化合物及び
チオカルバモイル化合物を含む潤滑油組成物を提供した
ことにある。本発明の潤滑油組成物は、劣化後も良好な
潤滑性を保ち、特に省燃費エンジン油として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 139:04) C10N 10:04 10:12 30:06 40:25 (72)発明者 斉藤 陽子 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 宮下 功雄 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 森田 和寿 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油基油に、(A)成分として、一般
    式(1) 【化1】 (式中、R1〜R4は、炭化水素基を表わし、X1〜X
    4は、酸素原子又は硫黄原子を表わす)で表わされる硫
    化オキシモリブデンジチオカーバメート、一般式(2) 【化2】 (式中、R5〜R8は、炭化水素基を表わし、X5〜X
    8は、酸素原子又は硫黄原子を表わす)で表わされる硫
    化オキシモリブデンジチオホスフェート、6価のモリブ
    デン化合物を、下記一般式(3) 【化3】R9−NH−R10 (3) (式中、R9及びR10は、水素原子及び/又は炭化水素
    基を表わすが、同時に水素原子であることはない)で表
    されるアミノ化合物と反応させて得られるモリブデンア
    ミン化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の
    モリブデン化合物;及び(B)成分として、一般式
    (4) 【化4】 [式中、R11〜R14は、炭素数6以上の炭化水素基を表
    わし、Yは、―(S)n−(ただし、nは、1〜7の数を
    表わす)を表わす]で表わされるチオカルバモイル化合
    物を含有してなることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(2)において、R11〜R14が、分
    枝鎖を有する炭素数8以上のアルキル基である請求項1
    記載の潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 潤滑油基油に対して、(A)成分をモリ
    ブデン量にして0.005〜2重量%、及び(B)成分
    を0.001〜3重量%含有する請求項1又は2記載の
    潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】 更に、(C)成分として、一般式(5) 【化5】 (式中、aは、0〜1/3の数を表し、R15及びR
    16は、炭化水素基を表す)で表わされるジンクジチオホ
    スフェート、及び/又は下記の一般式(6) 【化6】 (式中、R17〜R20は、炭化水素基を表わす)で表され
    るジンクジチオカーバメートを含有する請求項1ないし
    3項のいずれか1項記載の潤滑油組成物。
  5. 【請求項5】 潤滑油基油に対して、(C)成分を0.
    01〜10重量%含有する請求項4記載の潤滑油組成
    物。
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