JPH0952978A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0952978A
JPH0952978A JP20367295A JP20367295A JPH0952978A JP H0952978 A JPH0952978 A JP H0952978A JP 20367295 A JP20367295 A JP 20367295A JP 20367295 A JP20367295 A JP 20367295A JP H0952978 A JPH0952978 A JP H0952978A
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JP
Japan
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weight
thermoplastic resin
inorganic filler
coated
resin composition
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JP20367295A
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Takumi Tanaka
巧 田中
Akio Hamamoto
秋雄 浜元
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Daito Kasei Kogyo Co Ltd
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Daito Kasei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加される無機充填材が凝集しない熱可塑性
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹
脂,ナイロン樹脂,ポリオキシメチレン樹脂のようなエ
ンジニアリング樹脂,ポリエチレン樹脂,ポリプロピレ
ン樹脂,ABS樹脂のようなオレフィン系汎用樹脂等
に、パーフルオロポリエーテルまたはフルオロアルキル
リン酸エステル塩0.1〜30重量%で表面被覆してい
る無機充填材を1〜30重量%添加する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物に関し、より詳しくは無機充填材が添加されている熱
可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂に機械的強度,耐熱
性,電気特性,表面外観,光遮蔽性等の特性を付与また
は向上させるためにその熱可塑性樹脂に無機充填材を配
合することが広く行われている。この配合方法として
は、この熱可塑性樹脂の重合時または重合後に溶融混練
により前記無機充填材をその熱可塑性樹脂に分散させる
方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
方法においては、溶融混練中に前記無機充填材が凝集す
るために前記熱可塑性樹脂について所望の特性が得られ
ない、または溶融混練中には良好に分散されても、その
後の繊維化,フィルム化等の2次加工の際にその無機充
填材が凝集し、繊維化,フィルム化が良好に行われない
もしくは成形加工物が所望の特性を備えることができな
いという問題点があった。
【0004】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたものであり、無機充填材が均一に分散する
ことによりその無機充填材に起因する特性が充分に備わ
っているとともに、2次加工を行ってもその無機充填材
が凝集することのない熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
による熱可塑性樹脂組成物は、前記目的を達成するため
に、熱可塑性樹脂材料に、フルオロアルキル基を有する
化合物で表面被覆している無機充填材が0.001〜7
0重量%添加されてなることを特徴とするものである。
【0006】本発明による熱可塑性樹脂組成物において
は、添加される無機充填材がフルオロアルキル基を有す
る化合物で表面被覆されておりその無機充填材の表面活
性が低下しているので、この無機充填材同士が凝集する
傾向がなく通常の混練操作により充分に分散する。ま
た、2次加工において再度無機充填材同士が接触しても
その低い表面活性故に凝集が生じることはない。したが
って、本発明による熱可塑性樹脂組成物は添加される無
機充填材による特性を充分に備えており、2次加工にお
いても無機充填材の凝集による弊害が生じず、所望の特
性を有する2次加工品を得ることができる。この無機充
填材の添加量が熱可塑性樹脂組成物全体の重量に対して
0.001〜70重量%とされるのは、0.001重量
%より少なくなると無機充填材による特性が得られず、
70重量%を越えると2次加工性が低下するからであ
る。この添加量は、好ましくは0.1〜50重量%、よ
り好ましくは1〜30重量%である。
【0007】本発明による熱可塑性樹脂組成物におい
て、前記フルオロアルキル基を有する化合物としては、
例えば、パーフルオロポリエーテルまたはフルオロアル
キルリン酸エステル塩が用いられる。
【0008】また、前記無機充填材を表面被覆している
前記フルオロアルキル基を有する化合物の被覆量が0.
1〜30重量%であることが好ましい。この重量%は無
機充填材とフルオロアルキル基を有する化合物との合計
量を基準としているものである。なお、0.1重量%よ
り少ないと凝集防止効果が得られなくなり、30重量%
を越えるとそのフルオロアルキル基を有する化合物が析
出して無機充填材の特性が現れなくなるといった問題が
生じるからである。
【0009】本発明の他の目的は、後述される詳細な説
明から明らかにされる。しかしながら、詳細な説明およ
び具体的実施例は最も好ましい実施態様について説明す
るが、本発明の精神および範囲内の種々の変更および変
形はその詳細な説明から当業者にとって明らかであるこ
とから、具体的例として述べるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明による熱可塑性樹脂組成物
において用いられるフルオロアルキル基を有する化合物
は、有機溶媒に可溶で経時的に溶出しないもの、または
水性媒体中でエマルジョンを形成するものであれば特に
限定されないが、好ましくはパーフルオロポリエーテ
ル,フルオロアルキルリン酸エステル塩が用いられる。
【0011】このパーフルオロポリエーテルとしては、
特に次の一般式:
【0012】
【化1】
【0013】(式中、lおよびmは平均分子量を100
0〜7000とする数を表す。)で示されるパーフルオ
ロポリメチルイソプロピルエーテルが挙げられ、例えば
モンテフルオス社からフォンブリン(FOMBLIN)
HC/04,フォンブリン(FOMBLIN) HC
/25,フォンブリン(FOMBLIN) HC/Rの
名称で市販されている。
【0014】また、前記フルアロアルキルリン酸エステ
ル塩としては、特に次の一般式:
【0015】
【化2】
【0016】(式中、nは6〜18の整数を表す。)ま
たは、
【0017】
【化3】
【0018】(式中、nは6〜18の整数を表す。)で
示されるフルアロアルキルリン酸エステルジエタノール
アミン塩が挙げられ、例えば旭硝子(株)からアサヒガ
ードAG−530の名称で市販されている。
【0019】前記フルオロアルキル基を有する化合物に
より無機充填材を表面被覆するためには、パーフルオロ
ポリエーテルを用いる場合、表面被覆すべき無機充填材
をヘンシェルミキサー,V型ブラベンダー等の混合機で
混合攪拌中に、パーフルオロポリエーテルをそこに滴下
またはスプレー噴霧して前記無機充填材の表面にパーフ
ルオロポリエーテルを吸着させる。また、フルオロアル
キルリン酸エステル塩を用いる場合、特公平5−869
84号公報に記載されているように表面被覆すべき無機
充填材を反応槽で水に分散させスラリーとしておき、こ
の水分散スラリーにフルオロアルキルリン酸エステル塩
またはフルオロアルキルリン酸エステル塩の水性エマル
ジョンを添加し、高温処理または酸処理することにより
無機充填材の表面にフルオロアルキルリン酸エステル塩
を吸着させる。または、前記パーフルオロポリエーテル
の場合と同様に、処理すべき無機充填材の混合攪拌中
に、フルオロアルキルリン酸エステル塩の水性エマルジ
ョンを滴下またはスプレー噴霧して前記無機充填材の表
面にフルオロアルキルリン酸エステル塩を吸着させ、そ
の後混合攪拌中に混合機の温度を100℃にして余分の
水を蒸発させる、もしくは混合機から取り出し乾燥機に
投入して余分の水を蒸発させる。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前
記無機充填材を表面被覆している前記フルオロアルキル
基を有する化合物の被覆量は0.1〜30重量%である
ことが好ましい。この表面被覆量は、使用される無機充
填材の比表面積によって決められ、この無機充填材の粒
子が小さく比表面積が大きい場合は表面被覆量が多く、
粒子が大きく比表面積が小さい場合は表面被覆量が少な
くなる。一般的に、表面被覆量が0.1重量%より少な
いと表面被覆が充分でないので、無機充填材の表面活性
を抑制することができず活性無機充填材の分散が不均一
となり凝集を起こすといった問題が生じる。一方、表面
被覆量が30重量%を越えるとフルオロアルキル基を有
する化合物が析出し、得られる熱可塑性樹脂組成物の特
性を損なう可能性がある。また、表面被覆量を30重量
%以上にしようとすると、製造工程で使用する溶媒中に
溶けたまま溶液として残存する可能性が高い。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物において用い
られる無機充填材としては、酸化チタン,酸化亜鉛,酸
化アルミニウム,シリカ,炭酸カルシウム,硫酸バリウ
ム,マイカ,タルク,カオリン,酸化鉄,窒化ホウ素,
酸化ジルコニウム,ガラスファイバー,炭素ファイバ
ー,カーボン等が挙げられる。これら無機充填材は表面
被覆されたものが2種類以上組み合わされて用いられて
もよい。
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物において用い
られる熱可塑性樹脂材料としては、ポリカーボネート樹
脂,ポリエステル樹脂,ナイロン樹脂,ポリオキシメチ
レン樹脂のようないわゆるエンジニアリング樹脂もしく
はそのエンジニアリング樹脂を主体とするアロイ樹脂、
またはポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹脂,ABS
樹脂のようなオレフィン系汎用樹脂もしくはそのオレフ
ィン系汎用樹脂を主体とするアロイ樹脂等が用いられ
る。
【0023】前記ポリカーボネート樹脂は、通常のポリ
カーボネート樹脂と同様に芳香族2価フェノール系化合
物とホスゲンまたは炭酸ジエステルとを反応させてなる
ものである。なお、本発明において用いられるポリカー
ボネート樹脂は、ホモポリマーでもコポリマーでもよ
く、塩化メチレン溶媒を用いて測定される粘度平均分子
量が13000〜30000のものが好ましい。
【0024】前記ポリエステエル樹脂は、通常のポリエ
ステル樹脂と同様に芳香族または脂肪族ジオールと芳香
族または脂肪族二塩基酸とを重縮合させてなる、あるい
はヒドロキシル化芳香族または脂肪族カルボン酸を重縮
合または共重縮合させてなるものである。なお、本発明
において用いられるポリエステル樹脂には、液晶性ポリ
エステルも含まれる。また、本発明において用いられる
ポリエステル樹脂は、フェノール/テトラクロロエタン
(容量6/4)混合溶媒を用いて測定される極限粘度が
0.3〜10.0のものが好ましい。
【0025】前記ナイロン樹脂は、通常のナイロン樹脂
と同様に環状カプロラクタムを開環重合したもの、ある
いは芳香族または脂肪族アミンと芳香族または脂肪族二
塩基酸とを重縮合させてなるものである。これらのう
ち、濃硫酸溶媒を用いて測定される極限粘度が0.3〜
10.0のものが好ましい。
【0026】前記ポリオキシメチレン樹脂は、通常のポ
リオキシメチレン樹脂と同様にトリオキサンまたは高純
度ホルムアルデヒドを単独重合または共重合させてなる
ものである。なお、単独重合体としてはその分子鎖末端
がアセチル化のような処理により安定化されたものを用
いることができる。
【0027】前記ポリエチレン樹脂,ポリプロピレン樹
脂,ABS樹脂等のオレフィン系汎用樹脂は、従来のオ
レフィン系汎用樹脂と同様に不飽和炭化水素系モノマー
の付加重合反応によって得られるものである。なお、本
発明において用いられるオレフィン系汎用樹脂は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー法により測定され
る数平均分子量が10000〜500000のものが好
ましい。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じてエラストマー,強化材,充填材,酸化防止剤,紫
外線防止剤,難燃剤,帯電防止剤,離型剤,無機着色
剤,有機着色剤等の添加剤が配合される。
【0029】本発明による熱可塑性樹脂組成物の調製方
法は特に限定されず、通常の調製方法が用いられる。典
型的な調製方法としては、一般的な工業的方法として前
記熱可塑性樹脂材料,前記フルオロアルキル基を有する
化合物で表面被覆された無機充填材および要すれば前記
添加剤をV型ブレンダー,タンブラー等の混合手段によ
り充分に混合した後、ベント式一軸押出機でペレット化
する方法、前記熱可塑性樹脂材料および強化材以外の前
記添加剤をスーパーミキサーのような強力な混合手段を
用いて予め混合しておき、この混合物をベント式2軸押
出機に投入し、このベント式2軸押出機の中途または原
料投入トップ部から前記フルオロアルキル基を有する化
合物で表面被覆された無機充填材を強化材とともに添加
混合しペレット化する方法、前記熱可塑性樹脂材料,前
記フルオロアルキル基を有する化合物で表面被覆された
無機充填材および要すれば前記添加剤をそのままベント
式2軸押出機の原料投入トップ部より投入して混合しペ
レット化する方法などが用いられる。
【0030】
【実施例】次に、本発明による熱可塑性樹脂組成物の具
体的実施例につき説明する。
【0031】(実施例1)酸化チタンをヘンシェルミキ
サーで混合攪拌中に、前記パーフルオロポリエーテル
(1)(式中、l,mがそれぞれ3のもの)を滴下して
前記酸化チタンの表面にその酸化チタンに対して3重量
%のパーフルオロポリエーテルを吸着させる。このパー
フルオロポリエーテルが3重量%表面被覆された酸化チ
タン(PPE−3 酸化チタンと略称する)10重量%
を、ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂粉末(P
C)(粘度平均分子量24000)90重量%とともに
65mmφベント式2軸押出機の原料投入トップ部より
投入し、230〜250℃で押出し、ペレット化する。
【0032】このようにして得られるペレットを340
℃,1時間の条件で窒素気流中にて加熱処理し、この処
理前後の粘度平均分子量を測定する。
【0033】また、このペレットを120℃の熱風循環
式乾燥機で5時間乾燥後、射出成形して板状成形品を得
る。この得られる板状成形品の表面でのPPE−3 酸
化チタンの分散状態を目視観察するとともに、曲げ強
度,IZOD衝撃強度を測定する。これらの結果を表1
に示す。
【0034】(実施例2)酸化チタンを水に分散させて
水分散スラリーを調製し、そこに前記フルオロアルキル
リン酸エステルジエタノールアミン塩(3)(式中、n
が9のもの)の15重量%水性エマルジョンを添加し、
酸性条件下に反応させその水性エマルジョンを破壊する
ことにより酸化チタンの表面に前記フルオロアルキルリ
ン酸エステルジエタノールアミン塩を被覆させる。この
反応後、3回の水洗,濾過,乾燥,粉砕工程を経て前記
フルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩
が5重量%表面被覆された酸化チタン(PF−5 酸化
チタンと略称する)10重量%と、実施例1と同様のビ
スフェノールA系ポリカーボネート樹脂粉末90重量%
とを用いて実施例1と同様にペレットを得、実施例1と
同様の評価,試験を行う。この結果を表1に示す。
【0035】(比較例1)未処理の酸化チタン10重量
%と、実施例1と同様のビスフェノールA系ポリカーボ
ネート樹脂粉末90重量%とを用いて実施例1と同様に
ペレットを得、実施例1と同様の評価,試験を行う。こ
の結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例3)実施例1と同様の手順により
得られるパーフルオロポリエーテルが5重量%表面被覆
された酸化亜鉛(PPE−5 酸化亜鉛と略称する)2
5重量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PE
T)(溶媒をフェノール/テトラクロロエタン=6/4
として測定される極限粘度が0.8のもの)75重量%
とを用いて実施例1と同様にペレットを得る。
【0038】このようにして得られるペレットを前記フ
ェノール/テトラクロロエタン溶媒に溶解し、不溶の酸
化亜鉛を濾別し、極限粘度を測定する。また、このペレ
ットをマスターペレットとし、PPE−5 酸化亜鉛の
含量が3重量%となるように前記ポリエチレンテレフタ
レート樹脂とそのPPE−5酸化亜鉛とを配合し、通常
の溶融押出法によりフィルムを作製する。このフィルム
の溶融押出加工性を評価するとともに、このフィルムに
ついて前述の方法により極限粘度を測定する。これらの
結果を表2に示す。
【0039】(実施例4)実施例2と同様の手順により
得られる前記フルオロアルキルリン酸エステルジエタノ
ールアミン塩が10重量%表面被覆された酸化亜鉛(P
F−10 酸化亜鉛と略称する)25重量%と、実施例
3と同様のポリエチレンテレフタレート樹脂75重量%
とを用いて実施例3と同様にペレットを得、極限粘度を
測定後、フィルム化し実施例3と同様の評価を行う。こ
の結果を表2に示す。
【0040】(比較例2)未処理の酸化亜鉛25重量%
と、実施例3と同様のポリエチレンテレフタレート樹脂
75重量%とを用いて実施例3と同様にペレットを得、
極限粘度を測定後、フィルム化を試みる。この結果を表
2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例5)実施例1と同様の手順により
得られるパーフルオロポリエーテルが7重量%表面被覆
された炭酸カルシウム(PPE−7 炭酸カルシウム略
称する)35重量%と、ナイロン6樹脂(溶媒を濃硫酸
として測定される極限粘度が2.7のもの)65重量%
とを用いて実施例1と同様にペレットを得る。
【0043】このようにして得られるペレットを前記濃
硫酸溶媒に溶解し、極限粘度を測定する。また、このペ
レットをマスターペレットとし、PPE−7 炭酸カル
シウムの含量が5重量%となるように前記ナイロン6樹
脂とそのPPE−7 炭酸カルシウムとを配合し、通常
の溶融紡糸法により繊維を作製する。この繊維の溶融紡
糸加工性を評価するとともに、この繊維について前述の
方法により極限粘度を測定する。これらの結果を表3に
示す。
【0044】(実施例6)実施例2と同様の手順により
得られる前記フルオロアルキルリン酸エステルジエタノ
ールアミン塩が15重量%表面被覆された炭酸カルシウ
ム(PF−15炭酸カルシウムと略称する)35重量%
と、実施例5と同様のナイロン6樹脂65重量%とを用
いて実施例5と同様にペレットを得、極限粘度を測定
後、繊維化し実施例5と同様の評価を行う。この結果を
表3に示す。
【0045】(比較例3)未処理の炭酸カルシウム35
重量%と、実施例5と同様のナイロン6樹脂65重量%
とを用いて実施例5と同様にペレットを得、極限粘度を
測定後、繊維化を試みる。この結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】(実施例7)実施例1と同様の手順により
得られるパーフルオロポリエーテルが10重量%表面被
覆された窒化ホウ素(PPE−10 窒化ホウ素と略称
する)40重量%と、高密度ポリエチレン樹脂(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定される数平均
分子量が150000のもの)60重量%とをタンブラ
ーにて配合し、65mmφベント式2軸押出機にて16
0〜180℃でペレット化する。
【0048】このようにして得られるペレットをマスタ
ーペレットとし、このマスターペレット表面におけるP
PE−10 窒化ホウ素の分散性を評価するとともに、
PPE−10 窒化ホウ素の含量が1.5重量%となる
ように前記高密度ポリエチレン樹脂とそのPPE−10
窒化ホウ素とを配合し、通常の溶融押出法により電線
を被覆する。この溶融押出法による電線被覆加工性を評
価する。これらの結果を表4に示す。
【0049】(実施例8)実施例2と同様の手順により
得られる前記フルオロアルキルリン酸エステルジエタノ
ールアミン塩が20重量%表面被覆された窒化ホウ素
(PF−20 窒化ホウ素と略称する)40重量%と、
実施例7と同様の高密度ポリエチレン樹脂60重量%と
を用いて実施例7と同様にペレットを得、PPE−10
窒化ホウ素の分散性を評価後、実施例7と同様に電線
被覆を行い加工性を評価する。この結果を表4に示す。
【0050】(比較例4)未処理の窒化ホウ素40重量
%と、実施例7と同様の高密度ポリエチレン樹脂60重
量%とを用いて実施例7と同様にペレットを得、窒化ホ
ウ素の分散性を評価後、実施例7と同様に電線被覆を試
みる。この結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】前述の結果から、本実施例の熱可塑性樹脂
組成物は無機充填材の分散性が優れているとともに、2
次加工性に問題がなく、添加される無機充填材に起因す
る優れた機械的強度等を備えている。
【0053】前述のように、本発明は、種々に変更可能
なことは明らかである。このような変更は本発明の精神
および範囲に反することなく、また当業者にとって明瞭
な全てのそのような変形、変更は請求の範囲に含まれる
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂材料に、フルオロアルキル
    基を有する化合物で表面被覆している無機充填材が0.
    001〜70重量%添加されてなることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記添加量が好ましくは0.1〜50重
    量%、より好ましくは1〜30重量%であることを特徴
    とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記フルオロアルキル基を有する化合物
    が、パーフルオロポリエーテルまたはフルオロアルキル
    リン酸エステル塩であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記無機充填材を表面被覆している前記
    フルオロアルキル基を有する化合物の被覆量が0.1〜
    30重量%であることを特徴とする請求項1乃至3のう
    ちのいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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