JPH0952948A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JPH0952948A
JPH0952948A JP7209502A JP20950295A JPH0952948A JP H0952948 A JPH0952948 A JP H0952948A JP 7209502 A JP7209502 A JP 7209502A JP 20950295 A JP20950295 A JP 20950295A JP H0952948 A JPH0952948 A JP H0952948A
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勝司 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、色調に優れるポリカーボネートを
安価に製造することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとを加熱溶融下、重縮合せしめて芳香族
ポリカーボネートを製造するに際して、大気中250℃
における溶融ハーゼン色数が20番以下であり、かつ2
50℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が4
0番以下の炭酸ジエステルを用いることを特徴とする芳
香族ポリカーボネートの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族ポリカーボネート
の製造方法に関するものであり、更に詳しくは色調の良
好な芳香族ポリカーボネートの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAとホスゲンとの界面重
縮合から得られるポリカーボネート樹脂は、その優れた
機械的特性、熱的特性から各種用途に幅広く用いられて
いるが、有毒であるホスゲンを利用することで安全性に
問題があり、また溶媒として塩化メチレンを使用するこ
とで環境破壊などの問題点が多い。そこで最近塩化メチ
レンやホスゲンを使用しないエステル交換法が脚光を浴
びているが、エステル交換法で得られるポリカーボネー
ト樹脂は通常250〜330℃の温度に加熱しながら重
縮合を行うため、高温で長時間の熱履歴を受け色調の悪
化など品質的に優れたものは得られず、この為上記の方
法により得られるポリカーボネートは色調が要求される
分野では用いることができなかった。
【0003】そこで、最近色調の優れるポリカーボネー
トを提供する方法が種々示されている。例えば特公平6
―18868号公報においては炭酸ジエステルに含まれ
る加水分解可能な塩素を3ppm以下、ナトリウムイオ
ンを1ppm以下、鉄イオンを1ppm以下にすること
でポリカーボネートの色調を向上させることを提案して
いる。しかしながら炭酸ジエステルの塩素分、ナトリウ
ムイオン、鉄イオンを上記特定値以下にした炭酸ジエス
テルを用いるだけでは色相に優れるポリカーボネートを
製造するには不十分である。
【0004】実際には炭酸ジエステルに含まれるその他
の微量不純物がポリカーボネートの色相悪化に大きく寄
与しているためであるが、これらの微量不純物は現状の
分析技術ではでは定性、定量が難しく、エステル交換法
で色調の優れるポリカーボネートを与える炭酸ジエステ
ルは通常の分析技術では規定できないという大きな問題
点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は安価に製造で
きかつ色調にも優れるエステル交換法ポリカーボネート
の製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】本発明者は、かかる目的を達成すべく鋭意
検討したところ、特定温度での溶融ハーゼン色数が特定
値以下であり、かつ特定時間保持後の溶融ハーゼン色数
が特定値以下とした炭酸ジエステルを用いることが有効
であることを見いだし、本発明を完成するにいたった。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱溶融
下、重縮合せしめて芳香族ポリカーボネートを製造する
に際して、大気中250℃における溶融ハーゼン色数が
20番以下であり、かつ250℃で5時間大気中で保持
後の溶融ハーゼン色数が40番以下の炭酸ジエステルを
用いることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造
方法である。
【0008】本発明では、芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとを加熱溶融下、重縮合させて芳香族ポ
リカーボネートを製造するに際して、炭酸ジエステルの
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が20番以
下、好ましくは15番以下、更に好ましくは10番以下
であり、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハ
ーゼン色数が40番以下、好ましくは30番以下更に好
ましくは20番以下である炭酸ジエステルを用いること
を特徴とする。
【0009】本発明において、溶融ハーゼン色数とはJ
IS K―4101に記載される方法によって測定さ
れ、炭酸ジエステルを特定温度で完全溶融後、溶液が特
定温度に到達したときの溶融ハーゼン色数をもって測定
される。また溶液が特定温度に到達し、特定時間保持後
の溶融ハーゼン色数をもって測定される。
【0010】250℃における溶融ハーゼン色数が20
番を越えると得られるポリカーボネートの色調が悪くな
るので好ましくなく、250℃における溶融ハーゼン色
数が20番以下であっても、250℃で5時間大気中保
持後の溶融ハーゼン色数40番を越えると得られるポリ
カーボネートの色調が悪くなるので好ましくなく、25
0℃で5時間大気中保持後の溶融ハーゼン色数が40番
以下でも250℃における溶融ハーゼン色数が20番を
越えると得られるポリカーボネートの色調が悪くなるの
で好ましくない。
【0011】このような溶融ハーゼン色数が特性値以下
である炭酸ジエステルを製造するには、ホスゲン法での
製造中間体としてクロロ蟻酸フェニル類、また水に溶解
する塩、金属塩等の不純物は日刊工業新聞社編 松金幹
夫著 ポリカーボネート樹脂P62に示されるように溶
融状態で熱水あるいは弱塩基性水溶液で洗浄し除去して
おくことが好ましく、炭酸ジエステルを上記のような精
製工程の後、さらに減圧蒸留して用いることが好まし
い。
【0012】熱水による洗浄後の炭酸ジエステルはその
まま減圧蒸留しても良いが、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩もしくは水酸化物のような塩基性物質を
炭酸ジエステルに対して10-10 〜10-1モル、好まし
くは10-8〜10-3モル添加して減圧蒸留しても良い。
【0013】塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど固体又は水溶液
が用いられる。
【0014】また、ホスゲン法によらない、例えばジア
ルキルカーボネートとフェノール類とのエステル交換反
応によって等により得られた芳香族炭酸ジエステルを用
いる場合、場合によっては減圧蒸留のみでも溶融ハーゼ
ン色数を特性値以下とすることができる。また芳香族あ
るいは脂肪族系の有機溶媒を用いて再結晶により精製す
ることもできる。
【0015】このように上記に示される精製法、またこ
れらを組み合わせることで本発明に示される溶融ハーゼ
ン色数を達成することができる。
【0016】本発明に使用される芳香族ジヒドロキシ化
合物としては特に制限はないが、例えば2,2―ビス
(4―ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2―ビス
(4―ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2―ビス(4
―ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)フェニルメタン、2,2―ビス(4―ヒド
ロキシ―3―メチルフェニル)プロパン、1,1―ビス
(4―ヒドロキシ―t―ブチルフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1―ビ
ス(4―ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1
―ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビ
ス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′
―ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのジヒドロキシ
アリールエーテル類、4,4′―ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド
類、4,4′―ジヒドロキシジフェニルスルホキシドな
どのジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′―
ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジヒドロキシア
リールスルホン類等が用いられる。特に2,2―ビス
(4―ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0017】本発明で使用される炭酸ジエステルとして
は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、
アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的にはジ
フェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート等が挙げられる。
【0018】本発明でポリカーボネートを製造するに際
して、上記のような芳香族炭酸ジエステル芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対して、1.00〜1.30モ
ル、好ましくは1.005〜1.10モルの量で用いら
れる。
【0019】本発明では、上記のような芳香族ジヒドロ
キシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとのエステル交換反
応によりポリカーボネートを製造するに際し、重合速度
を速めるために重合触媒を用いることができる。
【0020】この様な重合触媒は、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物を主成分として、必要に応
じ含窒素塩基性化合物を従成分として構成される。
【0021】アルカリ金属化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウ
ム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安
息香酸リチウムなどが挙げられる。
【0022】アルカリ土類金属化合物としては、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バ
リウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウ
ケ、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げら
れる。
【0023】含窒素塩基性化合物としては、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、トリフェニルアミン等が挙げられる。
【0024】上記の重合触媒は単独で使用しても良い
し、組み合わせて使用しても良い。
【0025】本発明に於けるこれらの重合触媒の使用量
はアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の場
合は芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10-7
〜1×10-4当量、好ましくは1×10-6〜5×10-5
当量の範囲で選ばれる。また、含窒素塩基性化合物を従
成分として使用する場合は芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対し1×10-5〜1×10-3当量、好ましくは1
×10-5〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0026】アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物と、含窒素塩基性化合物とを組み合わせて使用す
る場合は好ましい使用量は上記範囲の和に相当し、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10-7〜1×1
-3当量、好ましくは1×10-6〜5×10-4当量の範
囲で選ばれる。
【0027】本発明において、必要に応じその他の化合
物を補助触媒として用いることもできる。この様な化合
物としては、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカ
リ金属やアルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩
類、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド
類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜
鉛化合物類、ホウ素化合物類、珪素化合物類、ゲルマニ
ウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスニ
ウム化合物類、アンチモン化合物類、ジルコニウム化合
物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使
用される触媒を用いることができるがこれらに限定され
るものではない。補助触媒を用いる場合1種だけを用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】本発明の芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香
族炭酸ジエステルとのエステル交換反応は、従来知られ
ているように不活性ガス雰囲気下で加熱しながら攪拌し
て生成する芳香族モノヒドロキシ化合物を留出させるこ
とで行われる。反応温度は通常120〜350℃の範囲
であり、反応後期には系の減圧度を10〜0.1Tor
rに高めて生成する芳香族モノヒドロキシ化合物の留出
を容易にさせて反応を完結させる。
【0029】本発明においては、安定剤を用いることが
できる。
【0030】安定剤を重縮合生成物に添加する方法とし
ては特に限定されない。例えば、反応生成物であるポリ
カーボネートが溶融状態にある間にこれらを添加しても
よいし、一旦ポリカーボネートをペレタイズした後、再
溶融して添加してもよい。前者においては、重縮合反応
が終了して得られる溶融状態にある反応機内または押出
機内の反応生成物であるポリカーボネートが溶融状態に
ある間に、これらを添加してもよいし、また、重縮合反
応で得られたポリカーボネートが反応機から押出機を通
ってペレタイズされる間に、安定剤を添加して混練する
こともできる。以下各安定剤について説明する。
【0031】式(I)の安定剤
【0032】
【化1】
【0033】ここで、A1 は置換基を有していても良い
m価の炭化水素基であり、Y1 は単結合または酸素原子
であり、X1 は2級または3級の1価の炭化水素基、1
当量の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホス
ホニウムカチオンであり、mは1〜4の整数である、但
しY1 が単結合であるときm個のX1 の全てが1当量の
金属カチオンであることはない。
【0034】m価の炭化水素基としては、例えばm価の
飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または飽和脂
肪族―芳香族炭化水素基等を好ましいものとして挙げる
ことができる。
【0035】Y1 は単結合または酸素原子である。ま
た、X1 は2級または3級の1価の炭化水素基、1当量
の金属カチオン、アンモニウムカチオンまたはホスホニ
ウムカチオンである。2級または3級の1価の炭化水素
基としては、例えば下記式(I)−d
【0036】
【化2】
【0037】[ここで、R15は水素原子もしくは炭素数
1〜5のアルキル基であり、R16は水素原子、フェニル
基もしくは炭素数1〜5のアルキル基であり、そしてR
17はR 15と同一もしくは異なりR15の定義と同じであ
る。]で表わされる2級または3級のアルキル基が好ま
しい。これらのうち、特にR15およびR17が同一もしく
は異なり、水素原子、メチル基、エチル基またはプロピ
ル基でありそしてR16がメチル基またはフェニル基であ
るのがより好ましい。
【0038】一当量の金属カチオンとしては、例えばリ
チウム、ナトリウム、カリウムの如きアルカリ金属カチ
オン;カルシウム、バリウムの如きアルカリ土類金属カ
チオンの1/2あるいはアルミニウムの如き3価の金属
カチオンの1/3等を挙げることができる。
【0039】アンモニウムカチオンとしては、例えば下
記式(I)−a
【0040】
【化3】
【0041】[ここで、R1 、R2 、R3 およびR
4 は、互いに独立して水素原子または1価の炭化水素基
である。]で表わされるカチオンを挙げることができ
る。
【0042】式(I)−aにおいて、R1 等が表わす1
価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10
のアラルキル基等が好ましい。
【0043】また、ホスホニウムカチオンとしては、例
えば下記式(I)−b
【0044】
【化4】
【0045】[ここで、R5 、R6 、R7 およびR
8 は、互いに独立した水素原子または1価の炭化水素基
である。]で表わされるカチオンを挙げることができ
る。
【0046】式(I)−bにおいて、R5 等が表わす1
価の炭化水素基としては、式(I)−aについて例示し
た1価の炭素数基と同じものを挙げることができる。
【0047】これらのうち、X1 としては2級または3
級のアルキル基、アルカリ金属カチオン、上記式(I)
−aで表わされるカチオンおよび上記式(I)−bで表
わされるカチオンが好ましい。
【0048】また上記式(I)において、mは1〜4の
整数であり、好ましくは1又は2である。
【0049】上記式(I)で表わされる化合物は、Y1
の定義に従って便宜的に2群に分けられる。すなわち、
1 が単結合である化合物群とY1 が酸素原子である化
合物群である。Y1 が単結合である化合物群は、例えば
mが1である場合、下記式(I)−1
【0050】
【化5】A1 ―SO3 1 ……(I)−1 [ここで、A1 およびX1 の定義は上記式(I)に同じ
である。]で表わされる。
【0051】上記式(I)−1で表わされる化合物のう
ち、A1 が一価の飽和脂肪族炭化水素基または飽和脂肪
族―芳香族炭化水素基であるのが好ましく、とりわけ下
記式(I)−c
【0052】
【化6】
【0053】[ここで、A11は炭素数1〜18のアルキ
ル基であり、jは0または1の整数である。]で表わさ
れる基であるのが特に好ましい。
【0054】また、Y1 が酸素原子である化合物群は、
例えばmが1である場合、下記式(I)−2
【0055】
【化7】 A1 ―O―SO3 1 ……(I)−2 [ここで、A1 およびX1 の定義は上記式(I)に同じ
である。]で表わされる。
【0056】上記式(I)−2で表わされる化合物のう
ち、A1 が一価の飽和脂肪族炭化水素基であるのが好ま
しく、とりわけ炭素数1〜18のアルキル基であるのが
特に好ましい。
【0057】上記式(I)で表わされる化合物の具体例
としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
【0058】Y1 が単結合であり、X1 が2級または3
級の1価の炭化水素基でありそしてmが1である場合の
化合物として、ベンゼンスルホン酸ベンジル、ベンゼン
スルホン酸2―フェニル―2―プロピル、ベンゼンスル
ホン酸2―フェニル―2―ブチル、トルエンスルホン酸
ベンジル、トルエンスルホン酸2―フェニル―2―プロ
ピル、トルエンスルホン酸2―プロピル―2―ブチル、
オクチルベンゼンスルホン酸ベンジル、オクチルベンゼ
ンスルホン酸2―フェニル―2―プロピル、オクチルベ
ンゼンスルホン酸2―フェニル―2―ブチル、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ベンジル、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸2―フェニル―2―プロピル、ドデシルベンゼンス
ルホン酸2―フェニル―2―ブチルなどをあげることが
できる。
【0059】Y1 が単結合であり、X1 が上記式(I)
−bで表わされるホスホニウムカチオンでありそしてm
が1である場合の化合物として、ヘキシルスルホン酸テ
トラメチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラ
エチルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラヘキシル
ホスホニウム塩、ヘキシルスルホン酸テトラオクチルホ
スホニウム塩、オクチルスルホン酸テトラメチルホスホ
ニウム塩、オクチルスルホン酸テトラエチルホスホニウ
ム塩、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、オクチルスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム
塩、オクチルスルホン酸テトラオクチルホスホニウム
塩、デシルスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、デ
シルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、デシルス
ルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン
酸テトラヘキシルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テ
トラオクチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テト
ラメチルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラエ
チルホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラヘキシルホ
スホニウム塩、ドデシルスルホン酸テトラオクチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラメチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラエチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラヘキシルホ
スホニウム塩、ヘキサデシルスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラメチルホス
ホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニ
ウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム
塩、ベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム
塩、トルエンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、
トルエンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、トル
エンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、トルエン
スルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、トルエンス
ルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、ドデシルベン
ゼンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウ
ム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホス
ホニウム塩等が挙げられる。
【0060】Y1 が酸素原子であり、X1 が2級もしく
は3級の1価の炭化水素基でありそしてmが1である場
合の化合物としては、A1 とX1 の炭素数の合計が8〜
40であるのが好ましい。かかる具体例として、ジブチ
ルサルフェート、ジペンチルサルフェート、ジヘキシル
サルフェート、ジオクチルサルフェート、ジノニルサル
フェート、ジデシルサルフェート、ジトリデシルサルフ
ェート、ジテトラデシルサルフェート、ジヘキサデシル
サルフェート、ジシクロヘキシルサルフェート、ジベン
ジルサルフェート等が挙げられる。これらの具体例のア
ルキル基はいずれも2級もしくは3級であると理解され
るべきである。
【0061】Y1 が酸素原子であり、X1 が一当量の金
属カチオンでありそしてmが1である場合の化合物とし
て、ナトリウムオクチルサルフェート、カリウムオクチ
ルサルフェート、セシウムオクチルサルフェート、リチ
ウムデシルサルフェート、ナトリウムデシルサルフェー
ト、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、リチウムテトラデシルサルフェート、
ナトリウムテトラデシルサルフェート、カリウムデシル
サルフェート、リチウムヘキサデシルサルフェート、ナ
トリウムオレイルサルフェート、カリウムヘキサデシル
サルフェートが挙げられる。
【0062】Y1 が酸素原子であり、X1 が上記式
(I)−aで表わされるアンモニウムカチオンである場
合の化合物として、アンモニウムオクチルサルフェー
ト、アンモニウムデシルサルフェート、アンモニウムド
デシルサルフェート、アンモニウムヘキサデシルサルフ
ェートの如きアンモニウム塩があげられる。
【0063】また、メチルアンモニウムヘキシルサルフ
ェート、メチルアンモニウムオクチルサルフェート、メ
チルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、エチルア
ンモニウムヘキシルサルフェート、ブチルアンモニウム
ノナデシルサルフェート、ヘキシルアンモニウムオクタ
デシルサルフェート、デシルアンモニウムエチルサルフ
ェート、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシ
ルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニ
ウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチル
サルフェート、ドデシルアンモニウムオクチルサルフェ
ート、テトラデシルアンモニウムブチルサルフェート、
ペンタデシルアンモニウムメチルサルフェート、ヘキサ
デシルアンモニウムブチルサルフェート、ヘキサデシル
アンモニウムオクチルサルフェート、ヘキサデシルアン
モニウムデシルサルフェート、ヘキサデシルアンモニウ
ムドデシルサルフェートの如き1級アンモニウム塩があ
げられる。
【0064】またジメチルアンモニウムヘキシルサルフ
ェート、ジメチルアンモニウムオクチルサルフェート、
ジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、ジエ
チルアンモニウムオクタデシルサルフェート、ブチルメ
チルアンモニウムテトラデシルサルフェート、ヘキシル
メチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、デシル
メチルアンモニウムメチルサルフェート、デシルエチル
アンモニウムエチルサルフェート、デシルメチルアンモ
ニウムオクチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニ
ウムメチルサルフェート、テトラデシルメチルアンモニ
ウムメチルサルフェート、テトラデシルエチルアンモニ
ウムサルフェート、ペンタデシルメチルアンモニウムメ
チルサルフェート、ペンタデシルエチルアンモニウムエ
チルサルフェート、ヘキサデシルメチルアンモニウムメ
チルサルフェート、ヘキサデシルエチルアンモニウムエ
チルサルフェートの如き2級アンモニウム塩があげられ
る。
【0065】また、トリメチルアンモニウムオクチルサ
ルフェート、トリメチルアンモニウムデシルサルフェー
ト、ブチルジメチルアンモニウムデシルサルフェート、
ヘキシルジメチルアンモニウムドデシルサルフェート、
デシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、デシ
ルジメチルアンモニウムトリデシルサルフェート、ドデ
シルジエチルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシ
ルジブチルアンモニウムブチルサルフェート、ドデシル
ジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テト
ラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テ
トラデシルメチルエチルアンモニウムメチルサルフェー
ト、ペンタデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェ
ート、ヘキサデシルジメチルアンモニウムメチルサルフ
ェート、ヘキサデシルメチルエチルアンモニウムエチル
サルフェートの如き3級アンモニウム塩があげられる。
【0066】また、テトラメチルアンモニウムヘキシル
サルフェート、テトラエチルアンモニウムトリデシルサ
ルフェート、ブチルトリメチルアンモニウムオクチルサ
ルフェート、デシルトリメチルアンモニウムメチルサル
フェート、デシルトリエチルアンモニウムエチルサルフ
ェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサ
ルフェート、ペンタデシルトリメチルアンモニウムメチ
ルサルフェート、ペンタデシルジメチルエチルアンモニ
ウムエチルサルフェートの如き4級アンモニウム塩が挙
げられる。
【0067】この中で、リチウムデシルサルフェート、
ナトリウムデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサ
ルフェート、カリウムドデシルサルフェート、リチウム
テトラデシルサルフェート、ナトリウムテトラデシルサ
ルフェート、リチウムヘキサデシルサルフェート、ナト
リウムオレイルサルフェート、ドデシルアンモニウムエ
チルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチル
サルフェート、デシルメチルアンモニウムメチルサルフ
ェート、デシルエチルアンモニウムエチルサルフェー
ト、テトラデシルエチルアンモニウムエチルサルフェー
ト、テトラデシルメチルエチルアンモニウムメチルサル
フェート、ペンタデシルエチルアンモニウムエチルサル
フェート、ヘキサデシルメチルアンモニウムメチルサル
フェート、ヘキサデシルエチルアンモニウムエチルサル
フェート、デシルジメチルアンモニウムメチルサルフェ
ート、ヘキサデシルジメチルアンモニウムメチルサルフ
ェート、ペンタデシルジメチルアンモニウムメチルサル
フェート、ヘキサデシルメチルエチルアンモニウムエチ
ルサルフェート、ペンタデシルジメチルエチルアンモニ
ウムエチルサルフェート、デシルジメチルアンモニウム
トリデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモ
ニウムメチルサルフェート、ドデシルジエチルアンモニ
ウムエチルサルフェート、テトラデシルジエチルアンモ
ニウムエチルサルフェート、デシルトリメチルアンモニ
ウムメチルサルフェート、ペンタデシルトリメチルアン
モニウムメチルサルフェート、デシルトリエチルアンモ
ニウムエチルサルフェートがより好ましく用いられる。
【0068】式(II)の安定剤
【0069】
【化8】
【0070】ここで、A2 は2価の炭化水素基であり、
+2 は2〜4級のアンモニウムカチオンまたはホスホ
ニウムカチオンであり、そしてY1 の定義は上記に同じ
である。上記式(II)中、A2 の2価の炭化水素基とし
ては2価の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。この飽和
脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜20のものがより
好ましい。
【0071】+2 はアンモニウムカチオンもしくはホ
スホニウムカチオンである。アンモニウムカチオンとし
ては、下記式(II)−a
【0072】
【化9】
【0073】[ここで、R9 、R10、およびR11は、互
いに独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]
で表わされるカチオンが好ましい。
【0074】R9 等の1価の炭化水素基としては上記式
(I)−aについて例示したものと同じものをここでも
例示できる。
【0075】ホスホニウムカチオンとしては、下記式
(II)−b
【0076】
【化10】
【0077】[ここで、R12、R13およびR14は、互い
に独立に水素原子または1価の炭化水素基である。]で
表わされるカチオンが好ましい。R12等が表わす1価の
炭化水素基としては、上記式(I)−bについて例示し
たものと同じものを例示できる。
【0078】上記式(II)で表わされる化合物の具体例
としては下記の化合物を例示することができる。
【0079】
【化11】
【0080】式(III )の安定剤
【0081】
【化12】
【0082】ここで、A3 はn価の炭化水素基であり、
+3 はアンモニウムカチオンもしくはホスホニウムカ
チオンであり、Rは1価の炭化水素基でありnは2〜4
の整数でありそしてY1 の定義は上記に同じである。
【0083】A3 のn価の炭化水素基としては、例えば
n価の飽和脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または
飽和脂肪族―芳香族炭化水素基が好ましい。
【0084】また、 +3 はアンモニウムカチオンおよ
びホスホニウムカチオンとしてはそれぞれ例えば前記式
(II)−aおよび(II)−bで表わされるものを挙げる
ことができる。
【0085】Rは1価の炭化水素基であり、その例とし
てはアルキル基、アリール基およびアラルキル基が好ま
しい。アルキル基としては炭素数1〜20のものが好ま
しく、アリール基としては炭素数6〜20のものが好ま
しく、アラルキル基とは炭素数7〜20のものが好まし
い。
【0086】nは2、3または4であり、Y1 の定義は
前記と同じく、単結合もしくは酸素原子である。
【0087】上記式(III )で表わされる化合物の具体
例としては下記の化合物を例示することができる。Y1
が単結合であり、 +3 が前記式(II)−aで表わされ
るアンモニウムカチオンであり、そしてnが2である場
合の化合物として、
【0088】
【化13】
【0089】
【化14】
【0090】Y1 が酸素原子であり +3 が前記式(I
I)−aで表わされるアンモニウムカチオンであり、そ
してnが2である場合の化合物として、
【0091】
【化15】
【0092】Y1 が単結合であり +3 が前記式(II)
−bで表わされるホスホニウムカチオンであり、そして
nが2である場合の化合物として、
【0093】
【化16】
【0094】Y1 が酸素原子であり +3 が前記式(I
I)−bで表わされるホスホニウムカチオンであり、そ
してnが2である場合の化合物として、
【0095】
【化17】
【0096】式(IV)の安定剤
【0097】
【化18】
【0098】ここで、A5 は1または2価の炭化水素基
であり、A4 は2価の炭化水素基であり、Ad1 および
Ad2 は、同一もしくは異なり―SO2 ―O―SO
2 ―、―SO2 ―O―CO―または―CO―O―SO2
―から選ばれる酸無水物基であり、kは0または1であ
る。但し、kが0のとき、―(Ad2 ―A5 k は水素
原子を表わすかあるいはA4 とA5 とを結合する結合手
を表わす(この場合、A5は2価の炭化水素基又は単結
合である)。
【0099】上記式(IV)で表わされる化合物は、kの
定義に従って、便宜的に、下記式(IV)−1
【0100】
【化19】 A5 ―Ad1 ―A4 ―Ad2 ―A5 …(IV)−1 [ここで、A4 、Ad1 およびAd2 の定義は上記式
(IV)に同じであり、そしてA5 は1価の炭化水素基で
ある。]で表わされる化合物、下記式(IV)−2
【0101】
【化20】A5 ―Ad1 ―A4 ―H …(IV)−2 [ここで、Ad1 、A4 の定義は上記式(IV)に同じで
あり、そしてA5 は1価の炭化水素基である。]で表わ
される化合物および下記式(IV)−3
【0102】
【化21】
【0103】[ここでAd1 、A4 の定義は上記式(I
V)に同じでありそしてA5 は2価の炭化水素基又は単
結合である。]で表わされる化合物に分けて表示でき
る。
【0104】上記式(IV)、(IV)−1および(IV)−
2において、A5 が表わす1価の炭化水素基としては、
例えばアルキル基、アリール基またはアラルキル基を好
ましいものとして挙げることができる。アルキル基とし
ては炭素数1〜20のものが好ましく、アリール基とし
ては炭素数6〜20のものが好ましく、またアラルキル
基としては炭素数7〜20のものが好ましい。
【0105】また、上記式(IV)および(IV)−3にお
いて、A5 が表わす2価の炭化水素基としては、例えば
アルキレン基、アリーレン基およびアラルキレン基を挙
げることができる。アルキレン基は炭素数1〜20のも
のが好ましく、アリーレン基は炭素数6〜20のものが
好ましく、またアラルキル基としては炭素数7〜20の
ものが好ましい。
【0106】A4 は2価の炭化水素基であり、その例と
してはA5 の2価の炭化水素基と同じものを挙げること
ができる。
【0107】Ad1 およびAd2 は、同一もしくは異な
り、―SO2 ―O―SO2 ―、―SO2 ―O―CO―も
しくは―CO―O―SO2 ―のいずれかの酸無水物基で
ある。これらの酸無水物基は、スルホン酸とスルホン酸
の間の無水物基(―SO2 ―O―SO2 ―)であるかあ
るいはスルホン酸とカルボン酸の間の無水物基(―SO
2 ―O―CO―又は―CO―O―SO2 ―)である。
【0108】かかるスルホン酸化合物は、一価もしくは
二価のスルホン酸化合物であり、具体的には、メチルス
ルホン酸、エチルスルホン酸、プロピルスルホン酸、ブ
チルスルホン酸、ヘキシルスルホン酸、デシルスルホン
酸、ヘキサデシルスルホン酸、フェニルスルホン酸、p
―トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
オクタデシルベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン
酸、トルエンジスルホン酸などが用いられる。
【0109】同様に、カルボン酸化合物は一価もしくは
二価のカルボン酸化合物であり、具体的には、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、ミリスチン
酸、オレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、トルイル
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸などが用いられる。
【0110】上記式(IV)で表わされる化合物の具体例
としては下記の化合物を挙げることができる。
【0111】式(IV)−1で表わされる化合物として
【0112】
【化22】
【0113】
【化23】
【0114】式(IV)−2で表わされる化合物として
【0115】
【化24】
【0116】
【化25】
【0117】
【化26】
【0118】式(IV)−3で表わされる化合物として
【0119】
【化27】
【0120】上記式(I)〜(IV)の安定剤の中でホス
ホニウムもしくはアンモニウム塩型の安定剤はそれ自身
200℃以上でも安定であり、ポリマーに添加した場合
速やかに触媒を無毒化し、目的とするポリマーを得るこ
とが出来る。この様な安定剤の内でもスルホン酸のアン
モニウム塩、ホスホニウム塩が好ましく、更にドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のド
デシルベンゼンスルホン酸の上記塩類やパラトルエンス
ルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエン
スルホン酸の上記塩類が好ましい。
【0121】本発明方法では、上記式(I)〜(IV)で
表わされる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種の安定剤を、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物より選ばれた前記主重縮合触媒1モルあたり0.
5〜50モルの割合で、好ましくは0.5〜10モルの
割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用す
ることができる。これは通常、生成するポリカーボネー
トに対し0.01〜500ppmの割合で使用すること
に相当する。
【0122】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、上記安定剤とともにエポキシ化合物を添加するこ
とも好ましく実施しうる。このようなエポキシ化合物と
して、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が
用いられる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ
化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アクルグリ
シジルエーテル、t―ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、3,4―エポキシシクロヘキシルメチル―3,4′
―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4―
エポキシ―6―メチルシクロヘキシルメチル―3′,
4′―エポキシ―6′―メチルシクロヘキシルカルボキ
シレート、2,3―エポキシシクロヘキシルメチル―
3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレー
ト、4―(3,4―エポキシ―5―メチルシクロヘキシ
ル)ブチル―3′,4′―エポキシシクロヘキシルカル
ボキシレート、3,4―エポキシシクロヘキシルエチレ
ンオキシド、シクロヘキシルメチル―3,4―エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、3,4―エポキシ―
6―メチルシクロヘキシルメチル―6′―メチルシクロ
ヘキシルカルボキシレート、ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAグリシジ
ルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサ
ヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス―エポキ
シジシクロペンタジエニルエーテル、ビス―エポキシエ
チレングリコール、ビス―エポキシシクロヘキシルアジ
ペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチ
レネポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化
ポリブタジエン、3,4―ジメチル―1,2―エポキシ
シクロヘキサン、3,5―ジメチル―1,2―エポキシ
シクロヘキサン、3―メチル―5―t―ブチル―1,2
―エポキシシクロヘキサン、オクタデシル―2,2―ジ
メチル―3,4―エポキシシクロヘキシルカルボキシレ
ート、N―ブチル―2,2―ジメチル―3,4―エポキ
シシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル―
2―メチル―3,4―エポキシシクロヘキシルカルボキ
シレート、N―ブチル―2―イソプロピル―3,4―エ
ポキシ―5―メチルシクロヘキシルカルボキシレート、
オクタデシル―3,4―エポキシシクロヘキシルカルボ
キシレート、2―エチルヘキシル―3′,4′―エポキ
シシクロヘキシルカルボキシレート、4,6―ジメチル
―2,3―エポキシシクロヘキシル―3′,4′―エポ
キシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5―エポキ
シ無水テトラヒドロフタル酸、3―t―ブチル―4,5
―エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル―4,
5―エポキシ―シス―1,2―シクロヘキシルジカルボ
キシレート、ジ―n―ブチル―3―t―ブチル―4,5
―エポキシ―シス―1,2―シクロヘキシルジカルボキ
シレートなどを挙げることができる。
【0123】これらは単独で用いても2種以上混合して
用いてもよい。これらのうち、脂環族エポキシ化合物が
好ましく用いられ、特に3,4―エポキシシクロヘキシ
ルメチル―3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボ
キシレートが好ましく用いられる。
【0124】本発明では、このようなエポキシ化合物
を、ポリカーボネートに対して、1〜2000ppmの
量で、好ましくは1〜1000ppmの量で添加するこ
とが好ましい。
【0125】このようにエポキシ化合物を上記量で添加
すると、ポリカーボネート中に上記安定剤が過剰に残存
しても、これがエポキシ化合物と反応して無毒化され、
最終的に色相安定性に優れ、耐熱特性に優れるととも
に、特に耐水性が向上されたポリカーボネートが得られ
るようになる。
【0126】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、上記安定剤とともにリン化合物を添加してもよ
い。このようなリン化合物としては、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸エス
テルおよび亜リン酸エステルを用いることができる。
【0127】このようなリン酸エステルとしては、具体
的に、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホ
スフェート、トリデシルホスフェート、トリオクタデシ
ルホスフェート、ジステアリルペンタエリスリチルジホ
スフェート、トシル(2―クロロエチル)ホスフェー
ト、トリス(2,3―ジクロロプロピル)ホスフェート
などのトリアルキルホスフェート、トリシクロヘキシル
ホスフェートなどのトリシクロアルキルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、2―エチ
ルフェニルジフェニルホスフェートなどのトリアリール
ホスフェートなどを挙げることができる。
【0128】また、亜リン酸エステルとしては、下記一
般式で表わされる化合物を挙げることができる。
【0129】
【化28】P(OR)3 (式中、Rは脂環族炭化水素基、脂肪族炭化水素基また
は芳香族炭化水素基を表わす。これらは同一であっても
異なっていてもよい。) このような式で表わされる化合物として、例えば、トリ
メチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブ
チルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリス
(2―エチルヘキシル)ホスファイト、トリノニルホス
ファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシル
ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリス
(2―クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3―
ジクロロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホ
スファイト、トリシクロヘキシルホスファイトなどのト
リシクロアルキルホスファイト、トリフェニルホスファ
イト、トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2,4―ジ―t―ブチル
フェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホスファイ
トなどのトリアリールホスファイト、フェニルジデシル
ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェ
ニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオクチル
ホスファイト、2―エチルヘキシルジフェニルホスファ
イトなどのアリールアルキルホスファイトなどを挙げる
ことができる。
【0130】さらに亜リン酸エステルとして、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスファイト、ビス(2,4
―ジ―t―ブチルフェニル)ペンタエリスリチルジホス
ファイトなどである。この中で、特にトリス(2,4―
ジ―t―ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく用い
られる。
【0131】これらの化合物は、単独で、あるいは組合
せて用いることができる。これらは別々に添加してもよ
いし、あるいは同時に添加してもよい。本発明では、上
記の如きリン化合物を、ポリカーボネート樹脂に対して
10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppm
の量で添加することができる。
【0132】本発明では、上記のようなエポキシ化合物
およびリン化合物を、反応生成物であるポリカーボネー
トに添加する方法は特に限定されない。例えば、反応生
成物であるポリカーボネートが溶融状態にある間にこれ
らを添加してもよいし、一旦ポリカーボネートをペレタ
イズした後、再溶融して添加してもよい。前者において
は、重縮合反応が終了して得られる溶融状態にある反応
機内または押出機内の反応生成物であるポリカーボネー
トが溶融状態にある間に、これらを添加してもよいし、
また、重縮合反応で得られたポリカーボネートが反応機
から押出機を通ってペレタイズされる間に、安定剤を添
加して混練することもできる。
【0133】この際、これらの各化合物は同時に添加し
てもよいし、別々に添加してもよい。また、これらの各
化合物を組み合わせて添加する場合、これらの添加順序
は問わない。
【0134】本発明では、上記のようにして得られるポ
リカーボネートに、本発明の目的を損なわない範囲で、
耐熱安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチロッキング剤、滑剤、防曇剤、
天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填
剤などを添加してもよい。このような添加剤は、芳香族
ジヒドロキシ化合物と同時に添加してもよいし、別々に
添加してもよい。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネートを製
造するに際して、原料として使用する炭酸ジエステルの
特定温度における溶融ハーゼン色数を特定値以下として
いるため、黄色等に着色することがなく特に色調に優
れ、光学用途にも十分使用しうるポリカーボネートを得
ることができる。
【0136】
【実施例】以下実施例によって説明する。なお実施例中
の%及び部は特に断らない限り重量%または重量部であ
る。なお以下の実施例において得られたポリカーボネー
トの物性は以下のようにして測定した。
【0137】粘度平均分子量:0.7g/dlの塩化メ
チレン溶液をウベローデ粘度計を用い固有粘度を測定
し、次式により粘度平均分子量(M)を求めた。 [η]=1.23×10-40.83 色調(b値):ペレットのLab値を日本電色工業製N
D―1001DPを用い反射法で測定し黄色度の尺度と
してb値を用いた。 溶融ハーゼン色数(APHA):JIS K―4101
に示される色数試験方法に基づき、直径23mm肉厚
1.5mmの平底パイレックス比色管を用い、溶融状態
で液深140mmのハーゼン色数をハーゼン標準比色液
と比較して測定した。また溶融装置にもJIS K―4
101に示されるアルミニウムインゴットホットバスを
使用し、溶融状態保持にもこれを使用した。
【0138】[実施例1]大気中250℃における溶融
ハーゼン色数が30番であり、かつ250℃で5時間大
気中で保持後の溶融ハーゼン色数が55番であるジフェ
ニルカーボネート(バイエル社製ロットA)を85℃の
pH8.0の熱水で洗浄した後、導電率が10μs/c
m以下の85℃の熱水で3回洗浄し、ジフェニルカーボ
ネート1モルに対し5×10-8モルの水酸化ナトリウム
を加え減圧蒸留して70%収率で大気中250℃におけ
る溶融ハーゼン色数が10番であり、かつ250℃で5
時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が15番である
ジフェニルカーボネートを得た。攪拌機、蒸留塔を備え
た反応器に、調製した上記ジフェニルカーボネート4
9.2kg、ビスフェノールA(新日鐵化学製)50k
g、触媒として水酸化ナトリウム10mgとテトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド1.6gを仕込み窒素置換
を行った。
【0139】この混合物を150℃まで加熱して、攪拌
しながら溶解させた。次いで減圧度を30mmHgとし
て200℃まで加熱し1時間で大半のフェノールを留去
した。ついで270℃まで温度を上げ、減圧度1mmH
gとして3時間反応を行うと粘度平均分子量24700
のポリカーボネートが得られ、カッターで切断してペレ
ットとし色調を測定した。結果を表1に示す。
【0140】[実施例2]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で3回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し5×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して75%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が10番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が20番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを製造し、
実施例1と同様に粘度平均分子量および色調を測定し
た。結果を表1に示す。
【0141】[実施例3]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で3回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し5×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が10番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が30番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを製造し、
粘度平均分子量及び色調を測定した。結果を表1に示
す。
【0142】[実施例4]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で3回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し5×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して90%収率で大
気中175℃における溶融ハーゼン色数が10番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が40番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを製造し、
実施例1と同様に物性を測定した。結果を表1に示す。
【0143】[実施例5]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し3×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が15番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が20番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0144】[実施例6]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し3×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して85%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が15番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が25番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0145】[実施例7]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し3×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して95%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が15番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が40番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0146】[実施例8]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が40番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
60番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットB)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し1×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が20番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が25番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0147】[実施例9]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が40番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
60番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットB)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し1×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して90%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が20番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が30番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0148】[実施例10]実施例1において、大気中
250℃における溶融ハーゼン色数が40番であり、か
つ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数
が60番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製
ロットB)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、
導電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で2回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し1×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して90%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が20番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が40番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】[比較例1]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
90番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットC)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し1×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して90%収率で大
気中250℃における溶融ハーゼン色数が25番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が50番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0151】[比較例2]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し1×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で大
気中250℃における溶融ハーゼン色数が10番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が50番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0152】[比較例3]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
90番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットC)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し2×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して90%収率で大
気中250℃における溶融ハーゼン色数が30番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が40番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0153】[比較例4]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が50番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
100番であるジフェニルカーボネート(SNPE社製
ロットA)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、
導電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し3×10-8
ルの水酸化ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で
大気中250℃における溶融ハーゼン色数が25番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が35番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0154】[比較例5]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
90番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットC)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し2×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して80%収率で大
気中250℃における溶融ハーゼン色数が20番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が50番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0155】[比較例6]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
90番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットC)を85℃のpH8.0の熱水で洗浄した後、導
電率が10μs/cm以下の85℃の熱水で1回洗浄
し、ジフェニルカーボネート1モルに対し2×10-8
ルの炭酸ナトリウムを加え減圧蒸留して70%収率で大
気中250℃における溶融ハーゼン色数が25番であ
り、かつ250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼ
ン色数が40番となったジフェニルカーボネートを用い
ること以外は実施例1と同様にしてポリマーを得た。ポ
リマーの物性を測定した結果を表2に示す。
【0156】[比較例7]実施例1において、大気中2
50℃における溶融ハーゼン色数が30番であり、かつ
250℃で5時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が
55番であるジフェニルカーボネート(バイエル社製ロ
ットA)を用いること以外は実施例1と同様にしてポリ
マーを得た。ポリマーの物性を測定した結果を表2に示
す。
【0157】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを加熱溶融下、重縮合せしめて芳香族ポリカーボ
    ネートを製造するに際して、大気中250℃における溶
    融ハーゼン色数が20番以下であり、かつ250℃で5
    時間大気中で保持後の溶融ハーゼン色数が40番以下の
    炭酸ジエステルを用いることを特徴とする芳香族ポリカ
    ーボネートの製造方法。
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JPH02175722A (ja) * 1988-09-22 1990-07-09 Nippon G Ii Plast Kk ポリカーボネートの製造方法

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