JPH0952781A - シラスバルーンを用いた陶磁器用原料およびその製造方法 - Google Patents

シラスバルーンを用いた陶磁器用原料およびその製造方法

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JPH0952781A
JPH0952781A JP24868492A JP24868492A JPH0952781A JP H0952781 A JPH0952781 A JP H0952781A JP 24868492 A JP24868492 A JP 24868492A JP 24868492 A JP24868492 A JP 24868492A JP H0952781 A JPH0952781 A JP H0952781A
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Ryojiro Taniguchi
良治郎 谷口
Takao Yamaguchi
孝雄 山口
Osamu Saito
攻 斎藤
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Iwaki Glass Co Ltd
Tokai Kogyo Co Ltd
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SETO SEIDO KK
Iwaki Glass Co Ltd
Tokai Kogyo Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/08Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding porous substances

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シラスバルーンを原料に採用した陶磁器おい
て、軽量であって白色性にすぐれ、荷重が平均化し、更
に強度にすぐれた陶磁器を得ることにある。 【構成】 不純物を除いたシラスバルーンを坏土とアル
ミナなどの強化材中に均一に分散させることより陶磁器
用原料を得てその原料により陶磁器を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、天然に産出される火
山噴出物の一種で白色または灰白色の堆積物を焼成し、
加熱膨張したシラスバルーンと称される微細な発泡体を
原料とする陶磁器用原料とその製造方法に関する。
【0002】更に詳しくいえば、白色陶磁器用の原料と
非白色陶磁器用の原料に関するものである。とりわけ、
色彩が白色の陶磁器用の原料と異なり、非白色陶磁器用
の原料とその製造方法に関する。換言するならば、白色
陶磁器用の釉薬は透明であるが、不透明の釉薬を採用す
る陶磁器用の原料に関するものであるといえる。
【0003】
【従来の技術】微細な発泡体に加工する前のシラスは日
本で広く知られている。用語「シラス(SHIRASU) 」は既
に技術用語として広く定着している。
【0004】シラスの化学組成と組成比は、その採取場
所により多少の相違があるものの、一般的には、SiO
2 (65〜73)、Al2 3 (12〜16)、Fe2
3 (1〜3)、CaO(2〜4)、Na2 O(3〜
4)、K2 O(2〜4)、Ti02 (0.2〜0.
7)、MgO(0.4〜1)、であることも知られてい
る。したがって、前記した組成と組成比から明らかなよ
うに、軽量であることのほか耐火、断熱性にすぐれ、吸
水率が少ないなどの利点があり、廉価に得られるため経
済的にもすぐれているので、各種の産業分野に対する新
素材として注目されている。
【0005】そこで、近年シラスが産業界で着目され、
更にシラス粉砕物を焼成し、加熱膨張させて独立気泡を
有するものが「シラスバルーン」と称され、市場に出荷
されている。
【0006】各種の産業界では、軽量化を図るためシラ
スバルーンをコンクリート用、モルタル上塗り用、プラ
スター上塗り用、吹付剤などの建築材用、また苗床用、
土壌改良剤用などの農業用に採用している。
【0007】また、最近の特開昭55ー116651号
公報、同62ー98592号公報、同63ー20355
5号公報を見るとタイルや電子レンジ用トレイ、食器な
どの原料としてこれらの製品の軽量化を図ることが研究
されている。
【0008】そこで、発明者らはそのシラスバルーンの
有する有利性に着目し、軽量な陶磁器製品を得ることを
試みた。ところが、シラスバルーンは天然物であるか
ら、鉄分やチタンなどの不純物を含んでいるため、その
物性から陶磁器の軽量化に寄与できる有利性を有するも
のの、施釉後の焼成時に鉄分が酸化する結果、製品にし
みが発生したり、白色性に欠けるという問題点のあるこ
とが判明した。
【0009】したがって、非白色性陶磁器については不
純物の除去を必要としないものの、白色陶磁器について
は不純物の除去を欠くことができないことが判明した。
【0010】更に、シラスバルーンは発泡性に富み軽量
であるという有利な特徴を有するが、坏土などの他の陶
磁器用原料と混合混練する場合、シラスバルーンは坏土
などと比較してかさ比重の大小に差があるため、均一に
混合分散させることが困難であるという問題のあること
も明らかになった。
【0011】シラスバルーンの軽量性を利用すると、陶
磁器の強度を損なうことも発明者の実験により判明し
た。
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、シラスバルーンを陶磁器用原料として効果的に活
用できるようにするため、鉄分やチタンなどの不純物が
残留している点である。
【0012】更に、シラスバルーンと坏土などの他の原
料との混合に際して均一に分散させることが容易でない
点である。シラスバルーンの有利性を損なうことなく、
陶磁器の強度を図ることが困難である点である。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の基本的構成
は、
【0014】シラスバルーンを使用した陶磁器用原料に
おいて、シラスバルーンを坏土およびアルミナ、ジルコ
ン、クリストバライト、マグネシア、マグネシアを含有
するタルクから選択された1種類または2種類以上の強
化材中に均一に分散させてなることを特徴とするシラス
バルーンを用いた非白色陶磁器用原料の発明と、
【0015】シラスバルーンを使用して陶磁器用原料を
製造する方法において、シラスバルーンを最初に水中へ
入れて攪拌しつつ、爾後、坏土とアルミナ、ジルコン、
クリストバライト、マグネシア、マグネシアを含有する
タルクから選択した1種類または2種類以上の強化材を
混合させて再び攪拌させ、その後脱水処理することを特
徴とするシラスバルーンを用いた非白色陶磁器用原料の
製造方法の発明と、
【0016】シラスバルーンを使用して陶磁器用原料を
製造する方法において、シラスバルーン、坏土およびア
ルミナ、ジルコン、クリストバライト、マグネシア、マ
グネシアを含有するタルクから選択した1種類または2
種類以上の強化材に一定の割合による水を加えて混合
し、ついでこれらを混練することによりシラスバルーン
を均一に分散させることを特徴とするシラスバルーンを
用いた非白色陶磁器用原料の製造方法の発明と、
【0017】シラスバルーンを使用して陶磁器用原料を
製造する方法において、シラスバルーン、坏土およびア
ルミナ、ジルコン、クリストバライト、マグネシア、マ
グネシアを含有するタルクから選択した1種類または2
種類以上の強化材に対して比較的少量の水とグリセリン
などの水と親和性を有する潤滑剤を加えて混練すること
を特徴とするシラスバルーンを用いた非白色陶磁器用原
料の製造方法の発明である。
【0018】
【実施例1】この発明の実施例の詳細を説明するに先立
ってシラスバルーンを原料とする陶磁器製品の基本的な
製造工程の概略を以下に説明する。この実施例は白色陶
磁器用の原料を得る方法とその構成である。
【0019】その1 シラス岩石を粉砕し、シラス粉砕物を得る。 シラス粉砕物を篩に掛けて粒度を調整する。 粒度調整されたシラス粉砕物を加熱膨張させてシラス
バルーンを得る。 加熱膨張して得たシラスバルーンから規格外のシラス
バルーンを除去させる。 規格外のシラスバルーンを除去させたシラスバルーン
中に混在する鉄分、チタンなどの不純物を除去させて精
選シラスバルーンを得る。 精選シラスバルーンと水とを攪拌混合する。 精選シラスバルーンと水との混合物に坏土と強化材を
攪拌混合する。 のものを均一に攪拌混合混練した後に脱水処理し、
白色陶磁器用原料を得る。 以下、成型、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て陶磁器
製品を得る。
【0020】その2 シラス岩石を粉砕し、シラス粉砕物を得る。 シラス粉砕物を篩に掛けて粒度を調整する。 シラス粉砕物中に混在する鉄分、チタンなどの不純物
を除去させる。 不純物を除去させたシラス粉砕物を加熱膨張させてシ
ラスバルーンを得る。 のシラスバルーンから規格外のシラスバルーンを除
去させて精選シラスバルーンを得る。 精選シラスバルーンと水とを攪拌混合する。 精選シラスバルーンと水との混合物に坏土と強化材を
攪拌混合する。 のものを均一に攪拌混合混練した後に脱水処理し、
白色陶磁器用原料を得る。 以下、成型、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て陶磁器
製品を得る。
【0021】その3 シラス岩石を粉砕し、シラス粉砕物を得る。 シラス粉砕物を篩に掛けて粒度を調整する。 .粒度調整されたシラス粉砕物を加熱膨張させてシラ
スバルーンを得る。 シラスバルーン中に混在する鉄分、チタンなどの不純
物を除去させる。 不純物を除去させたシラスバルーンから規格外のシラ
スバルーンを除去させて精選シラスバルーンを得る。 精選シラスバルーンと水とを攪拌混合する。 精選シラスバルーンと水との混合物に坏土と強化材を
攪拌混合する。 のものを均一に攪拌混合混練した後に脱水処理し、
白色陶磁器用原料を得る。 以下、成型、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て陶磁器
製品を得る。
【0022】その他に一般的ではないが、その4とし
て、 シラス岩石を粉砕し、シラス粉砕物を得る。 シラス粉砕物中に混在する鉄分、チタンなどの不純物
を除去する。 篩に掛けてシラス粉砕物の粒度調整を行う。 粒度調整させたシラス粉砕物を加熱膨張させてシラス
バルーンを得る。 不純物を除去させたシラスバルーンから規格外のシラ
スバルーンを除去させて精選スバルーンを得る。 精選シラスバルーンと水とを攪拌混合する。 精選シラスバルーンと水との混合物に坏土と強化材を
攪拌混合する。 のものを均一に攪拌混合混練した後に脱水処理し、
白色陶磁器用原料を得る。 以下、成型、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て陶磁器
製品を得る。
【0023】上記の4通りの方法のうち、その1ないし
その3では、第1工程、第2工程と第6工程以下が一致
しており、第3工程ないし第5工程の順序が変化してい
る。その4では、他の例と比較し、第1工程と第6工程
以下が一致しており、第2工程ないし第5工程が変化し
ている。しかし、いずれも精選されたシラスバルーンを
得ることについて本質的差異はない。
【0024】そこで、その1の例について詳細を図面を
参照して説明する。図1は実施例の工程の概要図であ
る。図2は製品(茶碗)の略示的一部拡大断面図であ
り、図3は要部拡大図である。
【0025】天然に産出するシラス岩石10を粉砕す
る。
【0026】次にシラス粉砕物12を篩に掛けて一定の
粒度のものに選鉱する。粒度は14〜90ミクロン程度
のものが爾後の工程上都合がよい。このようにして粒度
調整されたシラス粉砕物12を得る。
【0027】次に前記の工程により得たシラス粉砕物1
2を焼成し、加熱膨張させてバルーン化させる。シラス
をバルーン化するための焼成温度は概ねシラスの軟化温
度である900〜1,000℃程度であることが好まし
い。バルーン化されたこの段階のシラスバルーン13は
未だ鉄分などの不純物を含んだものであり、この発明の
実施例ではこのままでは使用されないが、一般的にこの
まま建築材などに使用されている。シラスバルーン13
は、シラス粉砕物12がバルーン化されることにより約
2倍の大きさに膨張するから、その大部分は約25〜1
80ミクロンの大きさに変化する。
【0028】しかし、一部にはバルーン化したものが互
いに結合して過度の大きさになったものなどがあり、規
格外のものが混在している。つまり25〜180ミクロ
ンの大きさの範囲外のものが混在する。
【0029】そこで、規格外のものを除く作業が必要で
ある。この選別作業は80〜120メッシュ程度の網目
機構を備えたいわゆる振動式網篩機14を採用し、予め
水中に投入されたシラスバルーン13をポンプで汲んで
処理し、前記したように25〜180ミクロンの大きさ
のものに精選した。
【0030】シラスバルーン13の粒径が25〜180
ミクロン程度のものが適当であることを説明したが、実
験例において好ましい例であり、用途により25ミクロ
ン以下の大きさのものや180ミクロン以上の大きさの
ものが一般的ではないものの採用されることも発明者は
予定している。
【0031】粒径が25ミクロン以下のものの場合で
は、シラスバルーン13の粒径が小さすぎでいわゆる
「嵩」が小さく、シラスバルーン13が有する本来の機
能(軽量)を発揮しないという問題がある。他方、18
0ミクロン以上のものの場合、問題は少ないものの、好
ましくはシラスバルーン13の選別工程上、180ミク
ロン以上のものを採用すること回避することが希望され
る。何故ならシラスバルーン13中にはピンホール現象
に影響を及ぼす180ミクロン以上の大きさの木屑が混
入していることが少なくないので、選別作業の際に網目
を通過してシラスバルーン13中に木屑などが混入し、
爾後の焼成工程時に木屑が燃えていわゆるピンホールを
製品に生ずる原因となるからである。
【0032】つまり、製品中に小さな空洞を発生するこ
とにより、製品の軽量化を図ることが目的の一つである
が、シラスバルーン13の粒径が小さすぎる場合、実質
上製品中に気泡が発生しないことになるし、耐火度を降
下させる原因にもなり、前記した粒径が下限であること
が実験的に明らかとなった。
【0033】他方、180ミクロン以下の木屑の場合で
は、木屑が焼成時に完全に燃え尽きるためピンホールの
原因にならないから、180ミクロン以下の木屑は無視
できる。以上の理由により、シラスバルーン13を先ず
25〜180ミクロンの範囲の粒径のものに選別する。
もっとも数字的に厳格に制限する趣旨ではなく目安と理
解すべきである。したがって、バルーン化前のシラス粉
砕物12として14〜90ミクロン程度の大きさの粉砕
物を採用した理由が理解できるであろう。
【0034】次に前記した工程により粒径を選別したシ
ラスバルーン13中には前記したように未だ鉄分やチタ
ンなどの不純物が比較的少量ながら混在している。この
不純物は施釉工程後の焼成工程において酸化することに
より、「しみ」を陶磁器の表面に露呈することになり、
非白色陶磁器製品については問題がないものの、白色陶
磁器製品を製造する場合に悪影響を及ぼすから、これら
を除去する必要のあることが判明した。非白色陶磁器製
品について不純物の混入が問題ないことについては後述
する。
【0035】そこで、発明者らはこれらの磁気性のある
不純物18を除去させるため、シラスバルーン13をマ
グネットフィルター16(別名「フェローフィルタ
ー」)で処理した。
【0036】かくしてシラスバルーン13中の不純物1
8が分離された純度の高い精製された精選シラスバルー
ン20が得られた。この明細書中用語「精選シラスバル
ーン」とは、不純物18が除去し、更に規格外のシラス
バールを取り除いたシラスバルーンをいう。
【0037】なお、前記した用語「不純物の除去若しく
は減少」とは、不純物18を完全に除去する場合を除去
といい、減少とは大幅に不純物18を少なくすることで
あって、製品に悪影響を及ばさない程度に減少している
ことを意味する。
【0038】このようにして不純物18を除去若しくは
減少させることにより、シラスバルーン13と比較して
組成と組成比の異なる前処理された精選シラスバルーン
20が得られた。
【0039】つまり、鉄分やチタンなどの不純物18が
除去若しくは減少され、更に規格外のシラスバルーンが
除かれたものである。
【0040】なお、前記したように、精選シラスバルー
ン20を得るについて、シラスバルーン13を得た後に
不純物18を除去若しくは減少させることを説明した
(その1およびその3を参照)。しかし、この方法に代
えてシラスバルーン13を得る前に不純物を除去させて
もよい(その2およびその4を参照)。
【0041】次に、前処理された精選シラスバルーン2
0と他の原料例えば坏土26との混合は、坏土26に水
22を加えて同時に混合することが普通に予定される
(特開昭62ー98592号公報参照)。ところが、精
選シラスバルーン20のかさ比重は、粒径によって異な
るが、一般的には0.1〜0.3gという極めて軽量な
ものである。
【0042】従って、前記の手段による混合では混練中
に精選シラスバルーン20が他の原料例えば坏土層内に
偏在して坏土層内に均一に分散しないという決定的な問
題のあることが判明した。
【0043】そこで、発明者らは実験の結果、水22を
収容した水槽24内に10〜15重量%の精選シラスバ
ルーン20を投入させて水22とこれらの精選シラスバ
ルーン20を攪拌混合したところ、偏在することなく精
選シラスバルーン20を水中22にほどよく均一に分散
できた。
【0044】他方、予め通常使用される陶磁器用の長
石、陶石、珪石、蛙目粘土などからなる坏土26の60
重量%と強度の増加を図るため1〜10ミクロン程度の
アルミナ、ジルコン、クリストバライト、マグネシア、
マグネシアを含有するタルクから選択した1種類又は2
種類以上の微粉末による強化材28の25〜30重量%
とを乾式法により混合させたものを一括し、精選シラス
バルーン20を攪拌中の水中へ投入させ、再度、水2
2、精選シラスバルーン20、坏土26および強化材2
8の微粉末を攪拌させたところ、精選シラスバルーン2
0が上層に偏って浮上するようなことがなく、均一に分
散できた。
【0045】この実施例では坏土26と強化材28の混
合したものを水22中に入れることを説明したが、両者
を分離して坏土26、強化材28の順序により混合攪拌
することも予定される。
【0046】水槽24内に精選シラスバルーン20のみ
を単独により投入させて水22と攪拌混合させることが
好ましいが、用途により多少の坏土26と精選シラスバ
ルーン20とを同時に攪拌混合することも考慮される。
【0047】なお、水22と精選シラスバルーン20、
坏土26および強化材28の微粉末との混合比は概略
1:1程度によることが好ましいことも実験的に明らか
になった。
【0048】精選シラスバルーン20と坏土26および
と強化材28との均一な分散化については、前記した方
法以外に次の手段を発明者は予定している。精選シラス
バルーン20、坏土26およびアルミナ、ジルコン、ク
リストバライト、マグネシア、マグネシアを含有するタ
ルクなどの強化材28に20〜30重量%程度の割合に
よる水を加えて乾式方法により混合し、ついでこれらを
混練することにより精選シラスバルーン20を均一に分
散させる。
【0049】精選シラスバルーン20、坏土26および
アルミナ、ジルコン、クリストバライト、マグネシア、
マグネシアを含有するタルクなどの強化材28に対して
比較的少量の水とグリセリンなどの水と親和性を有する
潤滑剤(1〜5%程度)を加えて混練することにより精
選シラスバルーン20を分散させる。
【0050】用語「強化材」は、この明細書においてア
ルミナ、ジルコン、クリストバライト、マグネシア、マ
グネシアを含有するタルクなどの微粉末であって、施釉
後、焼成したときに結晶化するものであることを意味し
ている。強化材28が結晶化することにより、強化材2
8を中心にしてその周囲に存在する坏土26と組織が緻
密な状態に結合される利益を図るものである。
【0051】このようにして混合された精選シラスバル
ーン20、坏土26および強化材28の微粉末はもちろ
ん、多量な水分を含有しているから、普通に処理される
ように脱水機29によって脱水処理を施すことにより粘
土状の陶磁器用原料が得られる。
【0052】脱水処理後の精選シラスバルーン20を混
合させた陶磁器用原料は保管と輸送の便宜から一定の形
状を保つ程度にケーキ30として成型することがよい。
この場合は、普通に実施されるように真空土練機32が
使用される。
【0053】特に陶磁器用原料を不安定な状態におくこ
とにより、輸送中や取扱中に精選シラスバルーン20が
不均一化するおそれがあるから、ケーキ32として固体
化して保管することが有利である。
【0054】以後の工程は特に通常実施される陶磁器の
一般的製造プロセスと比較して相違はない。成型、乾
燥、施釉、焼成の各工程を経て製品の製造が行われる
が、焼成温度は1,000〜1,300℃程度が適当で
ある。
【0055】これらの各工程は一般的に知られているよ
うに、成型機34によって成型し、乾燥炉34を介して
乾燥が行われる。そして、施釉装置38により釉薬処理
がなされ、焼成炉40により焼成が実施され、製品42
が製造される。しかし、この場合、白色陶磁器の製造の
ためには、透明体による釉薬が採用されることはいうま
でもない。
【0056】なお、焼成時に原料中の精選シラスバルー
ン20は溶融し、その精選シラスバルーン20が分散し
た無数の箇所が小さいが空洞44として構成されること
になる(図2および図3を参照)。
【0057】この場合、精選シラスバルーン20は焼成
されて空洞44の外壁に半溶融化した層46ができ(図
3を参照)、この層46は空洞44の周囲に存する他の
原料である坏土26や強化材28と固く結合する。
【0058】従って、半溶融化した層46が残存してい
る構成になるが、製品焼成時の温度が前記したようにバ
ルーン化時の焼成温度より高いため、残存している前記
の層46はガラス化し製品の強度に寄与することにな
る。
【0059】精選シラスバルーン20の焼成時の残存物
つまり半溶融化した層46は溶融して空洞44の外側面
に球状にガラス化して溶着するものの、ガラス化したも
のは中空体であるから、製品中には多数の空隙を構成す
ることになり、従来品と比較して約20〜30%程度軽
量化され、白色性に富んだ製品が得られるし、精選シラ
スバルーン20が陶磁器原料中に均一に分散するため、
焼成時に空洞の分散も均一化して形成されることになる
結果、製品の荷重が平均化される。
【0060】
【実施例2】この実施例は、非白色陶磁器用の原料の構
成とその製造方法の構成である。先の説明から理解でき
るように、白色陶磁器用の原料としては、前記した不純
物18がシラスバルーン13中に混在していることによ
り、製品にしみが発生するという決定的な問題があるた
め、鉄分などの不純物18を除去若しくは減少させる必
要のあること説明した。
【0061】ところが、発明者らの研究により、非白色
陶磁器の生産については、シラスバルーン中に混在して
いる鉄分などの不純物を除去したり、減少させる必要の
ないことを実験的に明らかにした。
【0062】周知のとおり、非白色陶磁器の生産では、
工程上、不透明な釉薬が使用される。したがって、シラ
スバルーン13中に混在している不純物18が陶磁器素
地の表面に露呈しても、その不純物18は不透明な釉薬
により一切隠蔽されることが明らかとなった。
【0063】以上の次第で、この実施例は基本的に不純
物18の混在したまま、シラスバルーン13が原料とし
て使用されること、そして工程については不純物18の
除去工程を省略していることである。
【0064】つまり、具体的な方法の1例を挙げれば、 シラス岩石を粉砕し、シラス粉砕物を得る。 シラス粉砕物を篩に掛けて粒度を調整する。 粒度調整されたシラス粉砕物を加熱膨張させてシラス
バルーンを得る。 シラスバルーンから規格外のシラスバルーンを除去さ
せる。 そのシラスバルーンと水とを攪拌混合する。 更にシラスバルーンと水との混合物に坏土と強化材を
攪拌混合する。 のものを均一に攪拌混合混練した後に脱水処理し、
非白色陶磁器用原料を得る。 以下、成型、乾燥、施釉、焼成の各工程を経て製品を
得る。
【0065】前記した白色陶磁器のための工程と比較し
て、不純物18の除去工程が省略されているほかはそっ
くり、白色陶磁器の製造工程と同じである。
【0066】
【発明の効果】この発明は、上記の構成であるから、以
下の利点を有する。シラスバルーンを水中で攪拌混合さ
せ、その後坏土や強化材を混合させて再度攪拌させるか
ら、シラスバルーンを均一に分散して混合できる。従っ
て、荷重の平均化した製品を得ることができる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例による工程の概略図である。
【図2】製品の一部拡大断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【0068】
【符号の説明】
10・・・シラス岩石 12・・シラス粉砕物 13・・シラスバルーン 14・・振動式網篩機 16・・マグネットフィルター 18・・不純物 20・・精選シラスバルーン 22・・水 24・・水槽 26・・坏土 28・・強化材 29・・脱水機 30・・ケーキ 32・・真空土練機 34・・成型機 36・・乾燥炉 38・・施釉装置 40・・焼成炉 42・・製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 良治郎 愛知県瀬戸市はぎの台1丁目21番地 (72)発明者 山口 孝雄 神奈川県鎌倉市台1540番地 (72)発明者 斎藤 攻 神奈川県厚木市温水99の8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラスバルーンを使用した陶磁器用原料
    において、 シラスバルーンを坏土およびアルミナ、ジルコン、クリ
    ストバライト、マグネシア、マグネシアを含有するタル
    クから選択された1種類または2種類以上の強化材中に
    均一に分散させてなることを特徴とするシラスバルーン
    を用いた非白色陶磁器用原料。
  2. 【請求項2】 シラスバルーンを使用して陶磁器用原料
    を製造する方法において、 シラスバルーンを最初に水中へ入れて攪拌しつつ、爾
    後、坏土とアルミナ、ジルコン、クリストバライト、マ
    グネシア、マグネシアを含有するタルクから選択した1
    種類または2種類以上の強化材を混合させて再び攪拌さ
    せ、 その後脱水処理することを特徴とするシラスバルーンを
    用いた非白色陶磁器用原料の製造方法。
  3. 【請求項3】 シラスバルーンを使用して陶磁器用原料
    を製造する方法において、 シラスバルーン、坏土およびアルミナ、ジルコン、クリ
    ストバライト、マグネシア、マグネシアを含有するタル
    クから選択した1種類または2種類以上の強化材に一定
    の割合による水を加えて混合し、ついでこれらを混練す
    ることによりシラスバルーンを均一に分散させることを
    特徴とするシラスバルーンを用いた非白色陶磁器用原料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 シラスバルーンを使用して陶磁器用原料
    を製造する方法において、 シラスバルーン、坏土およびアルミナ、ジルコン、クリ
    ストバライト、マグネシア、マグネシアを含有するタル
    クから選択した1種類または2種類以上の強化材に対し
    て比較的少量の水とグリセリンなどの水と親和性を有す
    る潤滑剤を加えて混練することを特徴とするシラスバル
    ーンを用いた非白色陶磁器用原料の製造方法。
JP24868492A 1991-09-30 1992-08-25 シラスバルーンを用いた陶磁器用原料およびその製造方法 Pending JPH0952781A (ja)

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