JPH09511534A - 親水性被覆剤組成物及びその被覆剤組成物で凝縮熱交換器の熱伝達面を被覆する方法及びその凝縮熱交換器 - Google Patents

親水性被覆剤組成物及びその被覆剤組成物で凝縮熱交換器の熱伝達面を被覆する方法及びその凝縮熱交換器

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JPH09511534A JP7524201A JP52420195A JPH09511534A JP H09511534 A JPH09511534 A JP H09511534A JP 7524201 A JP7524201 A JP 7524201A JP 52420195 A JP52420195 A JP 52420195A JP H09511534 A JPH09511534 A JP H09511534A
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Abstract

(57)【要約】 所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない、或いは固体分を低減させた親水性被覆剤が提供される。この被覆剤は被覆特性が改善されており、また硬化時に割れや剥離が生じて、粒子が発生することが少なくなっている。このため、この被覆剤は凝縮熱交換器の熱伝達面の被膜用として非常に優れており、熱伝達面に塗布することにより、そこに湿潤及び吸上を起こさせ、更に所望に応じて細菌の繁殖を抑制する作用をなす。

Description

【発明の詳細な説明】 親水性被覆剤組成物及びその被覆剤組成物で凝縮熱交 換器の熱伝達面を被覆する方法及びその凝縮熱交換器発明の背景 1.発明の分野 本発明は一般に親水性被覆剤に関し、特に、所望に応じて抗菌性を有する、固 体分の少ない、或いは固体分を低減させた親水性被覆剤に関する。 2.関連技術の説明 微小重力の下、若しくはゼロ重力下で使用される凝縮熱交換器(condensing h eat exchanger)では、凝縮された水を次の集水のために“浸出(wet out)”さ せるのに物質の親水性を利用しており、抗菌性、親水性被膜システムを用いてい る。特に、抗菌性、親水性被膜システムは、細菌の繁殖を抑制すると共に、湿潤 (wetting)や吸上(wicking)を起こさせて、凝縮器に導かれた凝縮水が、捕集 の容易な、被膜において薄く拡がった液膜を形成するようにする。この液膜は“ 吸い込み”孔を通して気相−液相分離器内に捕集され、水分が除去された気体流 に、捕集された水滴が再び捕捉されないようにされる。(米国特許第3,868 ,830号明細書を参照されたい) ポール(Paul)等に付与された米国特許第3,658,581号明細書には、 熱伝達面上での湿潤や吸上を促進する、固体分の多い親水性バッシブ被覆剤が開 示されており、ここではこれを参照されたい。この被覆剤の親水性は、非結晶質 結合剤に分散している被覆されていないシリカまたは珪酸カルシウムの化学的極 性と、水分子同士の毛管引力とによ り生じている。シリカ及び珪酸カルシウムの粒子は、凝縮水におけるヒドロキシ ルイオンとの間で極性引力を有し、湿潤として知られているように水分子を被覆 剤に引き込む。次に吸上若しくは毛管引力の作用により、更に水分が被覆剤に引 き込まれる。 ポール等の親水性被覆剤では固体分が多いために、実際にこの被覆剤を塗布す るのは困難が伴い、時間がかかることがある。更にこの被覆剤は、熱硬化した後 、割れや剥離が生じて、粒子が発生してしまうことが多い。ポール等の被覆剤で 、好適なスラリー形態の被覆剤は、125重量部のシリカ、12重量部の酸化亜 鉛、222重量部の珪酸カリウム、及び500重量部の水を含む。(明細書の第 1段第52行〜第57行参照。)ポール等の被覆剤の別の好適なスラリー形態の 被覆剤は、100重量部のシリカ、100重量部の鉛ほう珪酸ガラスフリット、 5.8重量部のほう酸、5.2重量部の水酸化カリウム、3.9重量部の珪酸ナ トリウム、及び150重量部の水を含む。(明細書の第2段第24行〜第40行 参照。)このようなスラリーは“水溜り状に溜まる(pool)”傾向があって、比 較的厚い(1〜10ミル)被膜を形成し、浸漬塗布処理及び硬化処理によって( 後に説明する)被着された被膜は、硬化の後、被覆若しくは浸漬被覆された材料 の1平方インチ当たり概ね23〜28mgとなる。幾何学的形状に制約のある被 覆装置を用いた場合、これらのスラリーの水溜り状に溜まる傾向は一層高まる。 この結果、ポール等の被覆剤では、熱硬化を行った後、割れや剥離及び粒子の発 生が起こりがちとなる。一例として、従来のスペースシャトルの温度湿度制御用 ファン式分離器の故障原因の分析によれば、上流の凝縮熱交換器で発生した親水 性被覆剤の粒子で水分離器のピトー管が詰まることが、水分離器から水が溢れた り、水に異物が混じる原因であった。近く実現するであろう長期間の宇宙飛行で は、システムのメンテナンスを不要若しくは少 なくすることが必要である。下流にある水分離器から水が溢れたり、水に異物が 混じることを回避するための主な方法は定例的なメンテナンスであることから、 長期間の飛行においては、温度湿度制御システムの下流における汚染は非常に問 題となる。 上述の点に加えて、このような固体分の多いスラリーを用いる実施例では、ス ラリーの固体分の過剰な集塊化及び固化を回避するために、スラリーの塗布は非 常に短時間(約15分)の内に行わなければならない。以前に宇宙ステーション 用として開発された凝縮熱交換器の被覆剤に関する最近のエピソードによれば、 前述の時間内に被覆処理を完了することができなかったために、親水性被覆剤の 固体分による詰まりが生じて熱交換器を通る空気の流れが妨げられ、コストや時 間のかかる再加工が必要になったことがある。 更に、ポール等の被覆剤においては、その多孔性のために有機物、無機物、及 び細菌性の汚れが捕捉されることがある。この結果、被覆された熱伝達面は、動 作時間が長引いたときに細菌が繁殖するための理想的な場所となり、これにより 被膜の親水性が低減したり、吸い込み孔が詰まったり、熱伝達面が腐食すること がある。これは凝縮器の熱伝達効率を低下させるばかりでなく、これらの細菌が 空気で運ばれる場合、人間の肺に吸い込まれて健康上の悪影響を及ぼしたり、凝 縮器から排出される気流に臭気が混じったりすることになり得る。従って、細菌 の繁殖により、特に閉鎖環境内で凝縮器が使用される場合、健康及び快適さに対 する懸念が生ずると共に、熱伝達効率が低下することになり得るのである。 ポール等の被覆剤は、一般に連続して7日から10日間しか使用できなかった ため、細菌の繁殖は大きな関心事とはならなかった。また、使用後にこれらの凝 縮器及び熱伝達面は乾燥され、細菌の繁殖が阻止され ていた。しかし、凝縮器が長期間に亘って使用されるような用途、例えば宇宙ス テーションにおいて10年以上の間使用される場合は、細菌の繁殖は大きな問題 になる。 スティール(Steele)等に付与された米国特許第5,264,250号明細書 には、ポール等の被覆剤に関連する問題点について部分的に記されており、ここ ではこれを参照されたい。特に、スティール等の特許明細書には、親水性ととも に殺菌性を有する被覆剤が開示されている。しかし、スティール等の被覆剤は、 ポール等による被覆剤と同様に、固体分を多く含む。特に前述にように、スティ ール等の被覆剤で好適なスラリー形態の被覆剤では、浸漬塗布及び硬化処理によ って被着された被膜は、硬化の後、被覆若しくは浸漬被覆された材料の1平方イ ンチ当たり概ね23〜28mgとなる。 従って、本発明の目的は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない改善 された被覆特性を有する親水性被覆剤を提供することである。 本発明の別の目的は、所望に応じて抗菌性を有し、固体分が少なく、硬化時に 割れ、剥離、及び粒子の発生する傾向の小さい親水性被覆剤を提供することであ る。 本発明の更に別の目的は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水 性被覆剤によって、その熱伝達面を被覆された凝縮熱交換器を提供することであ る。 本発明の更に別の目的は、凝縮熱交換器の熱伝達面を、所望に応じて抗菌性を 有する、固体分の少ない親水性被覆剤によって被覆する方法を提供することであ る。発明の要約 従って、本発明は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆 剤に関する。(後述する調合物の段階である)スラリー形態の この被覆剤は、粘着剤と、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、シリカ、珪酸 カルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された無機化合物と 、所望に応じて添加される抗菌剤と、水または水性溶媒とを含み、浸漬塗布及び 硬化処理によって被着された被膜は、硬化の後、被覆若しくは浸漬被覆された材 料の1平方インチ当たり約8mg未満となる。 本発明は、上述の所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤 によってその熱伝達面が被覆された凝縮熱交換器にも関する。 本発明は更に、上述の被覆剤を凝縮熱交換器の熱伝達面に被覆する方法に関す る。この方法は、凝縮熱交換器を通してスラリー形態の被覆剤を流し、若しくは 噴霧して、前記スラリーが前記熱伝達面に直に接触して被覆をなすようにする過 程と、被覆された前記熱伝達面を加熱して前記スラリーを乾燥し硬化させる過程 とを有する。 本発明の上述した特徴及び利点、及び他の特徴及び利点は以下の記述により一 層明らかとなろう。発明の詳細な説明 本発明の、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤につい て、凝縮器の熱伝達面の被覆に関連づけて以下説明するが、本発明の応用例は、 これに限られるものではない。この被覆剤は、湿潤や吸上を起こすことや、所望 に応じて細菌の繁殖の抑制が必要となるいかなる面にも利用することができる。 本発明の被覆剤の無機化合物は、凝縮器における熱伝達面の表面エネルギーを 増加させて、被膜に親水性をもたらす。特に、この無機化合物は、被覆剤に非常 に高い表面エネルギー若しくは極性を与え、ヒドロキシルイオンのような陰イオ ンに対する“引力”をもたらす。この結果、この極性表面における、凝縮水と熱 伝達面との間の界面エネルギーが低 く抑えられ、所望の湿潤が起こることになる。表面が湿潤化された後、この水分 は、もともと多孔性の被膜を通して毛管現象により浸出する。被膜の孔を通して 引き込まれた水分は、分子間引力によって他の水分子を被覆剤に引き込む。 この無機化合物は、被覆剤に親水性を与えるのでなく湿潤を促進するものでな ければならず、被覆剤の他の成分と類似した平衡溶解率を有し、かつ、水に対す る溶解度が低いものでなければならない。このような無機化合物のなかには、被 覆されていないシリカ、珪酸カルシウム粒子、及びこれらの混合物を含むものが ある。 このような無機化合物は、典型的には構造的な結合性を欠いているため、結合 剤によって結合される。従って、このような無機化合物の濃度は、被覆剤の構造 的な結合性と要求される湿潤及び吸上の特性との間の釣り合いで決まる。無機化 合物の濃度は、無機化合物、結合剤、所望に応じて抗菌剤、及び水若しくは水性 溶媒を含むスラリー形態の被覆剤の総重量に基づき、約10.0重量%〜約20 .0重量%の範囲内であり得る。好適にはこの無機化合物の濃度は約13.0重 量%〜約17.0重量%の範囲内であり、更に好適には約15.0重量%〜約1 6.0重量%の範囲内である。 無機化合物の平均粒子サイズは、約6ミクロン〜約14ミクロンであることが 好ましく、更に好適には約8ミクロン〜約10ミクロンの範囲である。粒子サイ ズがこの範囲内にあると、スラリーの寿命が延び、スラリー成分の分離が少なく なり、かつスラリーの混合が簡単になる。 結合剤は、粘着剤と不溶化剤を組み合わせて作られる。この結合剤が被覆剤を 互いに結合することにより被覆剤に構造的な結合性が与えられ、被覆剤の熱伝達 面への粘着性が高められ、かつ熱伝達面上の被膜の均一性が高められる。 結合剤において使用される粘着剤は、被覆剤を結合し割れや剥離が起こらない ようにすることにより、被覆剤に実際に構造的な結合性を与える。粘着剤は被覆 剤に構造的な結合性を与えるが、このとき被覆剤の親水性を損なうことはない。 粘着剤は、典型的には、珪酸カリウム、鉛ほう珪酸ガラスフリット、若しくはこ れらの混合物である。このような粘着剤の一例は、米国ペンシルバニア州フィラ デルフィアのフィラデルフィアクォーツ社(Philadelphia Quartz Co.)製のK asil(登録商標)#1である。Kasil#1の組成は、シリカが20.8 重量%、酸化カリウムが8.3重量%、残りは水分である。スティール(Steele )等に付与された米国特許第5,264,250号明細書の第3段の第50行目 には、粘着剤の濃度は、スラリーの総重量に基づき約20重力%〜約30重量% の範囲内であるべきである、との記述があり、スティール等は、約40重量%以 上の粘着剤は被覆剤の親水性に対して悪影響を与え、濃度を約15重量%未満に すると構造的な結合性が劣化する、としている。しかしながら、粘着剤の量が1 0重量%程度の被覆剤でも構造的な結合性は劣化しないことが実証された。従っ て、本発明において粘着剤の好適な濃度は、スラリーの総重量に基づき約10重 量%〜約30重量%の範囲内であり、更に好適な濃度は、約18重量%〜約27 重量%の範囲内である。 本発明の被覆剤の配合時には、粘着剤は一般的に水溶性物質の形態である。従 って、被覆剤の配合においては、被覆剤に悪影響を与えない不溶化剤を用いて、 粘着剤を水溶性物質から非水溶性物質に転化する必要がある。この無機化合物に おいて、不溶化剤の平均粒子サイズは、好ましくは約6ミクロン〜約14ミクロ ンであって、スラリーの寿命を延ばしスラリーの調合を簡単にするために特に好 適には約8ミクロン〜約10ミクロンの範囲である。 使用可能な不溶化剤には、ナトリウム、カリウム、バリウム、及びマンガンの 珪ふっ化物(SiF6)、及びこれらの混合物、この他に酸化亜鉛等の無機酸化 物が含まれる。このような無機酸化物の例としては、米国ニュージャージー州O gdensborgのニュージャージージンク社(New Jersey Zinc Co.)製の 純度99%酸化亜鉛であるKadox(登録商標)15がある。特に珪ふっ化物 不溶化剤の場合は、水酸化ナトリウムがコロイド分散剤として使用され得る。ス ティール等に付与された米国特許第5,264,250号明細書には、不溶化剤 濃度がスラリーの総重量に基づき10重量%未満になると、不溶化剤として十分 に機能しない、との記述がある。しかしながら、本発明の被覆剤においては、不 溶化剤濃度は3重量%程度であっても効果的に粘着剤を水溶性物質から非水溶性 物質に転化することが実証された。従って本発明の不溶化剤の好適な濃度は、ス ラリーの総重量に基づき約3重量%〜約10重量%の範囲内であって、より好適 な濃度は、約4重量%〜約8重量%の範囲である。 本発明の被覆剤の配合時に前述の無機化合物は、典型的には、最終的に調合さ れる被覆剤に悪影響を与えないような溶媒における結合剤を用いて結合され、ス ラリーが形成される。この溶媒は、典型的には水または水性溶媒である。溶媒の 濃度は、一般にスラリーの総重量に基づき約30重量%〜約70重量%であって 、好適には約40重量%〜約60重量%である。 上述の内容に基づき、本発明の固体分の少ない水溶性被覆剤のためのスラリー の好適な配合は、 a.約10重量%〜約30重量%の粘着剤と、 b.約3重量%〜約10重量%の、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 c.約10重量%〜約20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの 混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.約30重量%〜約70重量%の水または水性溶剤とを含み、成分の合計が スラリーの総重量に基づき100重量%となるようにされる。 本発明の固体分の少ない水溶性被覆剤は、更に、被覆剤に殺菌性を与える抗菌 剤を含んでいてもよい。特に長期間の宇宙飛行において細菌の繁殖を防止するた めに、抗菌剤は、好ましくは、凝縮水にゆっくりと溶解して微生物の細胞のDN Aを攻撃することにより細菌の増殖を抑えるような物質である。例えば抗菌剤と して酸化銀を使用する場合、酸化銀は銀イオンの形態で凝縮水にゆっくりと溶解 する。銀イオンは細菌の細胞壁を通して拡散し、その中の細胞DNAと錯体を形 成する。この錯生成によりDNAの通常の機能が阻害されて、菌の繁殖が阻止さ れる。殺菌剤には、被覆剤の親水性に干渉せず、無機化合物及び結合剤に類似し た平衡溶解率を有するような従来の殺菌剤が用いられ得る。抗菌剤が、無機化合 物や結合剤よりも速く凝縮水に溶解する場合は、被覆剤に点蝕が発生しその親水 性や構造的な結合性が低下し、かつ凝縮器の熱伝達効率が低下することになり得 る。 使用可能な抗菌剤は、砒素の塩、沃素の塩、鉄の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の 塩、及びこれらの混合物のような塩を含み、好適には水銀の塩及び銀の塩である 。適切な平衡溶解率を有する抗菌剤として特に有用であることが分かっている銀 の塩は酸化銀であって、これは精製された粉末の形態で、米国ケンタッキー州P arisのMallinckrodt社より購入可能である。 酸化銀が、被覆剤の親水性を抑制しない抗菌剤として作用するのみならず、被 覆剤の熱伝達面に対する粘着特性も改善することが観察されている。また、約1 .0重量%以上の酸化銀は被覆剤の親水性に悪影響を 与えることがあり、約0.1重量%未満の酸化銀は僅かな殺菌性しか示さないと いうことも観察されている。(スティール等の明細書の第4段、第64行〜第6 8行を参照。)しかし、1.5重量%の濃度の抗菌剤は被覆剤の親水性を抑制し ないことが実証されている。従って、好適な抗菌剤の濃度は、本発明のスラリー の総重量に基づき約0.3重量%〜約1.5重量%の範囲であり、特に好ましい 濃度は、約0.8重量%〜約1.2重量%である。 好適な抗菌剤の平均粒子サイズは、無機化合物と不溶化剤と合わせて用いられ る場合は、約6ミクロン〜約14ミクロンの範囲であって、特に好ましいのは約 8ミクロン〜約10ミクロンの範囲である。粒子サイズがこの範囲内にあると、 上述のようにスラリーの寿命が延び、成分が速やかに分離することがなく、かつ スラリーの混合が容易となる。 上述の内容に基づき、本発明の固体分の少ない、抗菌性及び親水性を有する被 覆剤のスラリーの好適な配合は、 a.約10重量%〜約30重量%の粘着剤と、 b.約3重量%〜約10重量%の、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 c.約10重量%〜約20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの 混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.約0.3重量%〜約1.5重量%の抗菌剤と、 e.約30重量%〜約70重量%の水または水性溶媒とを含み、ここで成分の 合計はスラリーの総重量に基づき100重量%である。 本発明の被覆剤を調合する場合、スラリーの成分は事実上均質となるまで混合 され、成分が凝結若しくは凝集して沈降し、被覆剤内に成分の濃度の高い部分と 成分の少ない部分とが生ずる前に使用されるのが好ましい。従来の被覆剤とは異 なり、スラリー形態の本発明の被覆剤が塗布 され得るのは約30分以内である。スティール等はその発明の明細書の第5段、 第20行〜第25行において、スラリーを混合から約15分以内に使用すべきで あると注意を促している。 スラリー形態の被覆剤を熱伝達面に塗布する方法には、従来の様々な方法が用 いられ得る。これらの従来の方法には、浸漬、噴霧、及び熱伝達面へのスラリー の塗装、凝縮器を通してスラリーを流して熱伝達面に被膜を形成するのに十分な 時間そこに残しておく方法、及び他の一般的な被覆技術が含まれ得る。本発明の 被覆剤は、スラリー形態において固体分の総量を低減、或いは少なくしており、 流し込むのが困難な幾何学的形状のものにたやすく流し込んだり流し出したりす ることができ、流し込みの処理の失敗によってハードウェアを破壊してしまうこ とが非常に少なくなる。さらに、固体分の少ないスラリーでは、従来の被覆剤と 比較して被着する固体の量は約1/4である。この結果、硬化された被覆剤は一 般により薄くなるとともに、割れ及び剥離を起こしにくくなって、粒子の発生が 少なくなり、完成した被覆面がより軽くなる。一般に、被膜の厚みが薄くなるこ とにより、そこを伝わる熱に対する影響が少なくなるため、この被膜は熱交換器 における熱伝達を改善し得る。 被膜の厚みが、被覆剤の親水性及び抗菌性に影響を与えないことは立証されて いる。しかし、凝縮器内においては、約500ミクロン以上の厚みの被膜は目詰 まりにより水の流れを阻害するため、熱伝達能力、若しくは熱伝達面に対して悪 影響をもたらし得る。約100ミクロン未満の厚みの被膜では、被覆剤がゆっく りと水に溶解することから、その寿命が短くなることがある。従って、被覆剤を 流し込む方法を用いて形成された熱伝達面上の被膜については、典型的な被膜の 厚みは約100ミクロン〜500ミクロンの範囲である。 ひとたび塗布された被覆剤は、乾燥し硬化する必要がある。最終的に は、水分若しくは水性溶媒が完全に除去され、被覆剤が完全に硬化されることが 望まれる。水分若しくは水性溶媒の除去及び硬化を行うための様々な方法の中に は、真空状態を利用する方法や、乾燥した空気を被膜上に流す方法、焼結を引き 起こすことなく硬化が生ずるような温度に被覆剤を加熱する方法があるが、従来 の水分若しくは水性溶媒の除去及び硬化処理技術が用いられてもよい。水は10 0℃で蒸発するので、被覆剤の温度が約110℃以上に急激に上げられた場合は 、水分が急速に気化して被膜の割れや剥離が生ずる原因となる。従って、被覆剤 の温度は約260℃まで段階的に、若しくは約1時間〜約6時間の時間をかけて 非常にゆっくりと上昇させることが好ましい。続けて行われる硬化処理は、段階 的な温度維持ステップを2ステップから8ステップ、或いはそれ以上のステップ 数をふんで実施されるが、第1ステップでは、約1.0〜約3.0時間、約10 0℃以下に維持し、最終ステップでは、約1.0〜約4.0時間、約260℃に 維持し、かつ、その間に幾つかのステップが挟まれる処理が行われる。 利用可能な硬化処理過程の1つは、約0.25〜約1.0時間、約79℃〜約 85℃の範囲に被覆剤を加熱する過程と、約0.5〜約1.5時間、約91℃〜 約96℃の範囲に被覆剤を加熱する過程と、約0.25〜約1.0時間、約10 2℃の〜約107℃の範囲に被覆剤を加熱する過程と、約0.25〜1.0時間 、約118℃〜約124℃の範囲被覆剤を加熱する過程と、約0.5〜約1.5 時間の間約146℃〜約125℃の範囲内に被覆剤を加熱する過程と、約1.5 〜約2.5時間の間約260℃に被覆剤を加熱する過程とを有する。別の硬化処 理過程は、約2.0時間以上の時間をかけて、被覆剤の温度を約93℃から約1 02℃にゆっくりと上昇させる過程と、約2.0時間以上の時間をかけて、約2 60℃まで温度を上昇させる過程と、約2.0時間、温度を約26 0℃に維持する過程とを含む。 「浸漬被覆及び硬化処理」という言葉は、ここでは以下のような過程を含む材 料の被覆方法を意味するものとする。即ち、 1.スラリー形態の(従来のスラリーの調合は15分以内で、本発明のスラリ ーの調合は30分以内に行う)被覆剤に材料を3秒間浸漬し、この浸漬処理を均 一な被膜が形成されるまで少なくとも5回反復する過程と、 2.被覆された材料を、温度は室温で湿度が100%である閉鎖された容器内 に少なくとも16時間入れて乾燥させる過程と、 3.約1〜約6時間かけて被覆された材料の上の被覆剤を、少なくとも約25 5℃の温度に達するまでゆっくりと若しくは段階的に上昇させて、乾燥した被覆 剤を硬化させる過程とを含む材料の被覆方法である。 本発明の内容は、以下の実施例を参照することにより一層明らかとなろう。し かし、この実施例は本発明の一般的な広い範囲を限定することを意図するもので はない。実施例 後述する実施例において、以下のような成分が用いられる。 粘着剤−20.8重量%のシリカ、8.3重量%の酸化カリウム、残りが水で ある混合物であって、来国ペンシルバニア州フィラデルフィアのフィラデルフィ アクォーツ社から市販されている製品名Kasil(登録商標)#1。 不溶化剤−純度99%の酸化亜鉛であって、米国ニュージャージー州Ogde nsborgのニュージャージージンク社から市販されている製品名Kadox (登録商標)911。 無機化合物−等級A−45のアモルファスシリカの粉末であって、米国イリノ イ州Cairoのイリノイミネラル社(Illinois Mineral Co.) から市販されている製品名Silica Amorphous Grade 1 160。 抗菌剤−純度99.0%の酸化銀粉末(平均粒子サイズ=3ミクロン)であっ て、米国ケンタッキー州ParisのMallinckrodt Co.から市 販されている製品名Purified Silver Oxide Powde r。 水−蒸留水。試料の配合 1.スラリーの調合 3つのタイプのスラリー配合物が調合された。以下に使用されるスラリー配合 物タイプAは、スティール等の米国特許第5,264,250号に記載されてい る従来の配合物を同定する。以下に使用されるスラリー配合物タイプBは、本発 明の抗菌性及び親水性を備えた被覆剤を同定する。以下に使用されるスラリー調 合物タイプCは、本発明の親水性被覆剤を同定する。前述した被覆剤の成分が、 以下のような比率で、Waring Model CB−56という1ガロンサ イズの3速式市販型混合器において低速で20秒間混合された。 調合されたスラリー配合物の各タイプについて、初めに水の中に粘着剤が添加 され、次に無機化合物及び不溶化剤が添加された。スラリー配合物タイプA及び タイプBでは、不溶化剤が添加された後、混合する前に抗菌剤が添加された。 2.テストパネル及び熱交換器モジュールの準備 347ステンレス鋼からなる2×2×1/16インチのサイズの6枚のテスト パネルの重量が計量され、次に2枚のパネルの組のそれぞれが、異なるタイプの スラリー配合物で被覆された。アルミニウム製の6×1.5×1.5インチのサ イズの4つの熱交換器モジュールの重量も計量され、次に2つのモジュールの組 のそれぞれが、タイプAのスラリー配合物若しくはタイプBのスラリー配合物で 被覆された。テストパネル及びモジュール(テスト用見本)は、見本を3秒間ス ラリー配合物に浸漬し、均一な被膜が形成されるまで6回この浸漬処理を反復す ることによって被覆される。スラリー配合物タイプAは、時間制限15分以内で 混合が行われたが、スラリー調合物タイプB及びタイプCは時間制限20分以内 で混合が行われた。次に、各テスト用見本の底部をきれいな紙タオル上に押し当 てることにより、各テストパネル及びモジュールから過剰な被覆剤が除去された 。 次に、被覆のなされたテスト用見本のそれぞれは、きれいな封止された容器内 に置かれ、温度が室温、湿度が100%の条件の下で、16時間かけて乾燥処理 または硬化処理された。次に、このパネル及びモジュールは容器から取り出され 、B級対流式オーブンの中に置かれて、以下の処理工程に従って硬化処理された 。 82±5℃で、0.5時間±5分 93±5℃で、1.0時間±5分 104±5℃で、0.5時間±5分 121±5℃で、0.5時間±5分 149±5℃で、1.0時間±5分 260±5℃で、2.0時間±5分 次に、テストパネル及びモジュールは60℃まで冷却され、その重量が計量され た。次に、各テストパネルにおける単位面積当たりの硬化された被覆剤の重量を 、被覆される前のパネルの重量と、硬化された後のパネルの重量との差を8(各 2インチ×2インチのバネルの両面の面積)で割ることによって求めた。テスト方法 次に、準備されたテストパネルが以下のようなテストを受けた。 湿潤性チェック−各被覆されたテストパネル上に直径0.5±0.05インチ の円を鉛筆で軽く描いた。次に、10μlシリンジを用いて、各円の中心に5± 0.2μlの脱イオン水の液滴をのせ、円の中全体に拡がるまでの時間を記録し た。 湿潤領域の拡がり−今述べた湿潤性チェックを受けた各被覆されたテストパネ ルに対して、5±0.2μlの脱イオン水の液滴によって湿潤化した領域が変化 しなくなって30秒間たった時に、その領域の最大直径を測定し記録した。 粘着性チェック−上述のように、±0.0001gまで被覆される前に各テス トパネルの重量は計量され(計量値=X)、被覆処理及び硬化処理の後再び重量 が計量された(計量値=Y)。次に幅広のテープ(スコッチブランド(Scotch B rand)のマジックテープ、3Mカタログ番号102)が0.5インチの長さだけ 、通常の指に圧力を用いて各テストパネルの長さ方向全体に亘って貼りつけられ た。テープは各パネル上に60秒間残され、次にテープの一端をパネルに対し約 90度の角度で引き上げることによって除去された。次に、各パネルは±0.0 001g の精度で再び重量が計量された(計量値=Z)。ここで失われた重量は以下の式 で計算された。 重量の損失率(%)=(Y−Z)/(Y−X))×100 次に準備された熱交換モジュールが以下のようなテストを受けた。 振動テスト−各モジュールは、生成した粒子を捕捉するプラスチック製の袋の 中に入れられることにより、粒子の生成に関するテストをなされた。次に、各モ ジュールは、アルミニウムパッドを用いて振動スリップテーブル上に個別に堅く 取り付けられた。次に、各モジュールは始めに適当な方向へ回転させることによ り、直交する3つの軸(Z,Y,X)の方向にテストを受けた。次に、各モジュ ールは以下のようなプロフィール(profile)の振動の入力を受けた。 このパワースペクトル密度レベルは、各モジュールが振動スリップテーブルを 通して、スペースシャトルの発射をエミュレートするカーブの振動を受けるよう な、コンピュータ制御された検査プロフィールを構成する。テスト時間は20分 +1%/軸であった。 振動数誤差若しくは入力振動数の偏差は、±10%である。この振動カーブの もとでの全体のレベル若しくは積分は、9.59g平方二乗平均(grms)± 10%である。パワースペクトル密度(PSB)振動 カーブ誤差は±3.0dBであった。 各軸に対するテストの後、各袋に集められた粒子があれば、その重量が計量さ れ、記録された。次に、振動テストが3つの全ての軸がテストされるまで反復さ れた。実施例1〜3 これらの実施例においては、それぞれスラリー配合物タイプA、B、若しくは Cで被覆された各テストパネルが、湿潤性及び粘着性に関してテストされ、各テ ストパネルの単位面積当たりの硬化された被覆剤の重量が求められた。この結果 を以下の表1に示す。 実施例1〜3は、本発明の“固体分の少ない”被覆剤で、抗菌剤としての酸化 銀を含んでいるもの、または含んでいないものが、従来の“固体分の多い”調合 物に遜色のない粘着性及び湿潤性を示すことを実証している。実施例4〜7 これらの実施例では、スラリー配合物タイプA若しくはタイプBによって被覆 された熱交換器モジュールに対して、それぞれ上述のような振動テストを施すこ とにより、粒子の生成がテストされた。この結果を表2に示す。 実施例6及び7は、本発明の被覆剤で、被着された固体分の総量が実施例4及 び5と比較して少ないものについて、観察可能若しくは測定可能な粒子が振動に よって生成しないことを実証している。 前述のテストに加えて、各テストパネルは、硬化処理の2時間以内の表面の異 常若しくは欠陥に関する視覚的な検査も実質的になされた。視覚的検査により、 スラリー配合物タイプB若しくはタイプCで被覆をなされたテストパネルが、ス ラリー配合物タイプAで被覆をなされたテストパネルと比較して割れや剥離が生 ずる傾向が少ないということが立証された。 本発明の実施例に関して詳細に説明してきたが、当業者は、請求の範囲に記載 の本発明の精神を逸脱することなく、様々な細部の変更をなし得るということを 理解されたい。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年2月2日 【補正内容】 明細書 親水性被覆剤組成物及びその被覆剤組成物で凝縮熱交 換器の熱伝達面を被覆する方法及びその凝縮熱交換器 本発明は、所望に応じて抗菌性を有する、スラリー形態の親水性被覆剤組成物 、所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物によって被覆をなされた熱伝 達面を有する凝縮熱交換器、及び凝縮熱交換器の熱伝達面を所望に応じて抗菌性 を有する親水性被覆剤組成物で被覆する方法に関する。本発明の被覆剤組成物は 、固体分が低減、若しくは少なくされている。 微小重力の下、若しくはゼロ重力下で使用される凝縮熱交換器(condensing h eat exchanger)では、凝縮された水を次の集水のために“浸出(wet out)”さ せるのに物質の親水性を利用しており、抗菌性、親水性被膜システムを用いてい る。特に、抗菌性、親水性被膜システムは、細菌の繁殖を抑制すると共に、湿潤 (wetting)や吸上(wicking)を起こさせて、凝縮器に導かれた凝縮水が、捕集 の容易な、被膜において薄く拡がった液膜を形成するようにする。この液膜は“ 吸い込み”孔を通して気相−液相分離器内に捕集され、水分が除去された気体流 に、捕集された水滴が再び捕捉されないようにされる。(米国特許第A−3,8 68,830号明細書を参照されたい) ポール(Paul)等に付与された米国特許第A−3,658,581号明細書に は、熱伝達面上での湿潤や吸上を促進する、固体分の多い親水性バッシブ被覆剤 が開示されている。この被覆剤の親水性は、非結晶質結合剤に分散している被覆 されていないシリカまたは珪酸カルシウムの化学的極性と、水分子同士の毛管引 力とにより生じている。シリカ及び 珪酸カルシウムの粒子は、凝縮水におけるヒドロキシルイオンとの間で極性引力 を有し、湿潤として知られているように水分子を被覆剤に引き込む。次に吸上若 しくは毛管引力の作用により、更に水分が被覆剤に引き込まれる。 ポール等の親水性被覆剤では固体分が多いために、実際にこの被覆剤を塗布す るのは困難が伴い、時間がかかることがある。更にこの被覆剤は、熱硬化した後 、割れや剥離が生じて、粒子が発生してしまうことが多い。ポール等の被覆剤で 、好適なスラリー形態の被覆剤は、125重量部のシリカ、12重量部の酸化亜 鉛、222重量部の珪酸カリウム、及び500重量部の水を含む。(明細書の第 1段第52行〜第57行参照。)ポール等の被覆剤の別の好適なスラリー形態の 被覆剤は、100重量部のシリカ、100重量部の鉛ほう珪酸ガラスフリット、 5.8重量部のほう酸、5.2重量部の水酸化カリウム、3.9重量部の珪酸ナ トリウム、及び150重量部の水を含む。(明細書の第2段第24行〜第40行 参照。)このようなスラリーは“水溜り状に溜まる(pool)”傾向があって、比 較的厚い25.4〜254μmの(1〜10ミル)被膜を形成し、浸漬塗布処理 及び硬化処理によって(後に説明する)被着された被膜は、硬化の後、被覆若し くは浸漬被覆された材料の6.45cm2(1平方インチ)当たり概ね23〜2 8mgとなる。幾何学的形状に制約のある被覆装置を用いた場合、これらのスラ リーの水溜り状に溜まる傾向は一層高まる。この結果、ポール等の被覆剤では、 熱硬化を行った後、割れや剥離及び粒予の発生が起こりがちとなる。一例として 、従来のスペースシャトルの温度湿度制御用ファン式分離器の故障原因の分析に よれば、上流の凝縮熱交換器で発生した親水性被覆剤の粒子で水分離器のピトー 管が詰まることが、水分離器から水が溢れたり、水に異物が混じる原因であった 。近く実現するであろう長期間の宇宙飛行では、 システムのメンテナンスを不要若しくは少なくすることが必要である。下流にあ る水分離器から水が溢れたり、水に異物が混じることを回避するための主な方法 は定例的なメンテナンスであることから、長期間の飛行においては、温度湿度制 御システムの下流における汚染は非常に問題となる。 上述の点に加えて、このような固体分の多いスラリーを用いる実施例では、ス ラリーの固体分の過剰な集塊化及び固化を回避するために、スラリーの塗布は非 常に短時間(約15分)の内に行わなければならない。以前に宇宙ステーション 用として開発された凝縮熱交換器の被覆剤に関する最近のエピソードによれば、 前述の時間内に被覆処理を完了することができなかったために、親水性被覆剤の 固体分による詰まりが生じて熱交換器を通る空気の流れが妨げられ、コストや時 間のかかる再加工が必要になったことがある。 更に、ポール等の被覆剤においては、その多孔性のために有機物、無機物、及 び細菌性の汚れが捕捉されることがある。この結果、被覆された熱伝達面は、動 作時間が長引いたときに細菌が繁殖するための理想的な場所となり、これにより 被膜の親水性が低減したり、吸い込み孔が詰まったり、熱伝達面が腐食すること がある。これは凝縮器の熱伝達効率を低下させるばかりでなく、これらの細菌が 空気で運ばれる場合、人間の肺に吸い込まれて健康上の悪影響を及ぼしたり、凝 縮器から排出される気流に臭気が混じったりすることになり得る。従って、細菌 の繁殖により、特に閉鎖環境内で凝縮器が使用される場合、健康及び快適さに対 する懸念が生ずると共に、熱伝達効率が低下することになり得るのである。 ポール等の被覆剤は、一般に連続して7日から10日間しか使用できなかった ため、細菌の繁殖は大きな関心事とはならなかった。また、使 用後にこれらの凝縮器及び熱伝達面は乾燥され、細菌の繁殖が阻止されていた。 しかし、凝縮器が長期間に亘って使用されるような用途、例えば宇宙ステーショ ンにおいて10年以上の間使用される場合は、細菌の繁殖は大きな問題になる。 スティール(Steele)等に付与された米国特許第A−5,264,250号明 細書には、ポール等の被覆剤に関連する問題点について部分的に記されている。 特に、スティール等の特許明細書には、親水性とともに殺菌性を有する被覆剤が 開示されている。しかし、スティール等の被覆剤は、ポール等による被覆剤と同 様に、固体分を多く含む。特に前述にように、スティール等の被覆剤で好適なス ラリー形態の被覆剤では、浸漬塗布及び硬化処理によって被着された被膜は、硬 化の後、被覆若しくは浸漬被覆された材料の6.45cm2(1平方インチ)当 たり概ね23〜28mgとなる。 従って、本発明の目的は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない改善 された被覆特性を有する親水性被覆剤を提供することである。 本発明の別の目的は、所望に応じて抗菌性を有し、固体分が少なく、硬化時に 割れ、剥離、及び粒子の発生する傾向の小さい親水性被覆剤を提供することであ る。 本発明の更に別の目的は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水 性被覆剤によって、その熱伝達面を被覆された凝縮熱交換器を提供することであ る。 本発明の更に別の目的は、凝縮熱交換器の熱伝達面を、所望に応じて抗菌性を 有する、固体分の少ない親水性被覆剤によって被覆する方法を提供することであ る。 本発明の、所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物は、請求項1に記 載されている。所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成 物によって被覆をなされた熱伝達面を有する凝縮熱交換器は、請求項6に記載さ れており、凝縮熱交換器の熱伝達面を所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤 組成物で被覆する方法は、請求項11に記載されている。 従って、本発明は、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆 剤に関する。(後述する調合物の段階である)スラリー形態のこの被覆剤は、粘 着剤と、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、シリカ、珪酸カルシウム、及び これらの混合物からなるグループから選択された無機化合物と、所望に応じて添 加される抗菌剤と、水または水性溶媒とを含み、浸漬塗布及び硬化処理によって 被着された被膜は、硬化の後、被覆若しくは浸漬被覆された材料の1平方インチ 当たり約8mg未満となる。 本発明は、上述の所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤 によってその熱伝達面が被覆された凝縮熱交換器にも関する。 本発明は更に、上述の被覆剤を凝縮熱交換器の熱伝達面に被覆する方法に関す る。この方法は、凝縮熱交換器を通してスラリー形態の被覆剤を流し、若しくは 噴霧して、前記スラリーが前記熱伝達面に直に接触して被覆をなすようにする過 程と、被覆された前記熱伝達面を加熱して前記スラリーを乾燥し硬化させる過程 とを有する。 本発明の上述した特徴及び利点、及び他の特徴及び利点は以下の記述により一 層明らかとなろう。 本発明の、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤につい て、凝縮器の熱伝達面の被覆に関連づけて以下説明するが、本発明の応用例は、 これに限られるものではない。この被覆剤は、湿潤や吸上を起こすことや、所望 に応じて細菌の繁殖の抑制が必要となるいかなる面にも利用することができる。 本発明の被覆剤の無機化合物は、凝縮器における熱伝達面の表面エネルギーを 増加させて、被膜に親水性をもたらす。特に、この無機化合物は、被覆剤に非常 に高い表面エネルギー若しくは極性を与え、ヒドロキシルイオンのような陰イオ ンに対する“引力”をもたらす。この結果、この極性表面における、凝縮水と熱 伝達面との間の界面エネルギーが低く抑えられ、所望の湿潤が起こることになる 。表面が湿潤化された後、この水分は、もともと多孔性の被膜を通して毛管現象 により浸出する。被膜の孔を通して引き込まれた水分は、分子間引力によって他 の水分子を被覆剤に引き込む。 この無機化合物は、被覆剤に親水性を与えるのでなく湿潤を促進するものでな ければならず、被覆剤の他の成分と類似した平衡溶解率を有し、かつ、水に対す る溶解度が低いものでなければならない。このような無機化合物のなかには、被 覆されていないシリカ、珪酸カルシウム粒子、及びこれらの混合物を含むものが ある。 このような無機化合物は、典型的には構造的な結合性を欠いているため、結合 剤によって結合される。従って、このような無機化合物の濃度は、被覆剤の構造 的な結合性と要求される湿潤及び吸上の特性との間の釣り合いで決まる。無機化 合物の濃度は、無機化合物、結合剤、所望に応じて抗菌剤、及び水若しくは水性 溶媒を含むスラリー形態の被覆剤の総重量に基づき、10.0重量%〜20.0 重量%の範囲内であり得る。好適にはこの無機化合物の濃度は13.0重量%〜 17.0重量%の範囲内であり、更に好適には15.0重量%〜16.0重量% の範囲内である。 無機化合物の平均粒子サイズは、6μm(ミクロン)〜14μm(ミクロン) であることが好ましく、更に好適には8μm(ミクロン)〜10μm(ミクロン )の範囲である。粒子サイズがこの範囲内にあると、 スラリーの寿命が延び、スラリー成分の分離が少なくなり、かつスラリーの混合 が簡単になる。 結合剤は、粘着剤と不溶化剤を組み合わせて作られる。この結合剤が被覆剤を 互いに結合することにより被覆剤に構造的な結合性が与えられ、被覆剤の熱伝達 面への粘着性が高められ、かつ熱伝達面上の被膜の均一性が高められる。 結合剤において使用される粘着剤は、被覆剤を結合し割れや剥離が起こらない ようにすることにより、被覆剤に実際に構造的な結合性を与える。粘着剤は被覆 剤に構造的な結合性を与えるが、このとき被覆剤の親水性を損なうことはない。 粘着剤は、典型的には、珪酸カリウム、鉛ほう珪酸ガラスフリット、若しくはこ れらの混合物である。このような粘着剤の一例は、米国ペンシルバニア州フィラ デルフィアのフィラデルフィアクォーツ社(Philadelphia Quartz Co.)製のK asil(登録商標)#1である。Kasil#1の組成は、シリカが20.8 重量%、酸化カリウムが8.3重量%、残りは水分である。スティール(Steele )等に付与された米国特許第A−5,264,250号明細書の第3段の第50 行目には、粘着剤の濃度は、スラリーの総重量に基づき20重力%〜30重量% の範囲内であるべきである、との記述があり、スティール等は、40重量%以上 の粘着剤は被覆剤の親水性に対して悪影響を与え、濃度を15重量%未満にする と構造的な結合性が劣化する、としている。しかしながら、粘着剤の量が10重 量%程度の被覆剤でも構造的な結合性は劣化しないことが実証された。従って、 本発明において粘着剤の好適な濃度は、スラリーの総重量に基づき10重量%〜 30重量%の範囲内であり、更に好適な濃度は、18重量%〜27重量%の範囲 内である。 本発明の被覆剤の配合時には、粘着剤は一般的に水溶性物質の形態である。従 って、被覆剤の配合においては、被覆剤に悪影響を与えない不 溶化剤を用いて、粘着剤を水溶性物質から非水溶性物質に転化する必要がある。 この無機化合物において、不溶化剤の平均粒子サイズは、好ましくは6μm(ミ クロン)〜14μm(ミクロン)であって、スラリーの寿命を延ばしスラリーの 調合を簡単にするために特に好適には8μm(ミクロン)〜10μm(ミクロン )の範囲である。 使用可能な不溶化剤には、ナトリウム、カリウム、バリウム、及びマンガンの 珪ふっ化物(SiF6)、及びこれらの混合物、この他に酸化亜鉛等の無機酸化 物が含まれる。このような無機酸化物の例としては、米国ニュージャージー州O gdensborgのニュージャージージンク社(New Jersey Zinc Co.)製の 純度99%酸化亜鉛であるKadox(登録商標)15がある。特に珪ふっ化物 不溶化剤の場合は、水酸化ナトリウムがコロイド分散剤として使用され得る。ス ティール等に付与された米国特許第A−5,264,250号明細書には、不溶 化剤濃度がスラリーの総重量に基づき10重量%未満になると、不溶化剤として 十分に機能しない、との記述がある。しかしながら、本発明の被覆剤においては 、不溶化剤濃度は3重量%程度であっても効果的に粘着剤を水溶性物質から非水 溶性物質に転化することが実証された。従って本発明の不溶化剤の好適な濃度は 、スラリーの総重量に基づき3重量%〜10重量%の範囲内であって、より好適 な濃度は、4重量%〜8重量%の範囲である。 本発明の被覆剤の配合時に前述の無機化合物は、典型的には、最終的に調合さ れる被覆剤に悪影響を与えないような溶媒における結合剤を用いて結合され、ス ラリーが形成される。この溶媒は、典型的には水または水性溶媒である。溶媒の 濃度は、一般にスラリーの総重量に基づき30重量%〜70重量%であって、好 適には40重量%〜60重量%である。 上述の内容に基づき、本発明の固体分の少ない水溶性被覆剤のためのスラリー の好適な配合は、 a.10重量%〜30重量%の粘着剤と、 b.3重量%〜10重量%の、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 c.10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの混合 物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.30重量%〜70重量%の水または水性溶剤とを含み、成分の合計がスラ リーの総重量に基づき100重量%となるようにされる。 本発明の固体分の少ない水溶性被覆剤は、更に、被覆剤に殺菌性を与える抗菌 剤を含んでいてもよい。特に長期間の宇宙飛行において細菌の繁殖を防止するた めに、抗菌剤は、好ましくは、凝縮水にゆっくりと溶解して微生物の細胞のDN Aを攻撃することにより細菌の増殖を抑えるような物質である。例えば抗菌剤と して酸化銀を使用する場合、酸化銀は銀イオンの形態で凝縮水にゆっくりと溶解 する。銀イオンは細菌の細胞壁を通して拡散し、その中の細胞DNAと錯体を形 成する。この錯生成によりDNAの通常の機能が阻害されて、菌の繁殖が阻止さ れる。殺菌剤には、被覆剤の親水性に干渉せず、無機化合物及び結合剤に類似し た平衡溶解率を有するような従来の殺菌剤が用いられ得る。抗菌剤が、無機化合 物や結合剤よりも速く凝縮水に溶解する場合は、被覆剤に点蝕が発生しその親水 性や構造的な結合性が低下し、かつ凝縮器の熱伝達効率が低下することになり得 る。 使用可能な抗菌剤は、砒素の塩、沃素の塩、鉄の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の 塩、及びこれらの混合物のような塩を含み、好適には水銀の塩及び銀の塩である 。適切な平衡溶解率を有する抗菌剤として特に有用であることが分かっている銀 の塩は酸化銀であって、これは精製された粉末の形態で、米国ケンタッキー州P arisのMallinckrod t社より購入可能である。 酸化銀が、被覆剤の親水性を抑制しない抗菌剤として作用するのみならず、被 覆剤の熱伝達面に対する粘着特性も改善することが観察されている。また、1. 0重量%以上の酸化銀は被覆剤の親水性に悪影響を与えることがあり、0.1重 量%未満の酸化銀は僅かな殺菌性しか示さないということも観察されている。( スティール等の明細書の第4段、第64行〜第68行を参照。)しかし、1.5 重量%の濃度の抗菌剤は被覆剤の親水性を抑制しないことが実証されている。従 って、好適な抗菌剤の濃度は、本発明のスラリーの総重量に基づき0.3重量% 〜1.5重量%の範囲であり、特に好ましい濃度は、0.8重量%〜1.2重量 %である。 好適な抗菌剤の平均粒子サイズは、無機化合物と不溶化剤と合わせて用いられ る場合は、6μm(ミクロン)〜14μm(ミクロン)の範囲であって、特に好 ましいのは8μm(ミクロン)〜10μm(ミクロン)の範囲である。粒子サイ ズがこの範囲内にあると、上述のようにスラリーの寿命が延び、成分が速やかに 分離することがなく、かつスラリーの混合が容易となる。 上述の内容に基づき、本発明の固体分の少ない、抗菌性及び親水性を有する被 覆剤のスラリーの好適な配合は、 a.10重量%〜30重量%の粘着剤と、 b.3重量%〜10重量%の、粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 c.10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの混合 物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.0.3重量%〜1.5重量%の抗菌剤と、 e.30重量%〜70重量%の水または水性溶媒とを含み、ここで成分の合計 はスラリーの総重量に基づき100重量%である。 本発明の被覆剤を調合する場合、スラリーの成分は事実上均質となるまで混合 され、成分が凝結若しくは凝集して沈降し、被覆剤内に成分の濃度の高い部分と 成分の少ない部分とが生ずる前に使用されるのが好ましい。従来の被覆剤とは異 なり、スラリー形態の本発明の被覆剤は混合から約15分以内に使用すべきであ る。 スラリー形態の被覆剤を熱伝達面に塗布する方法には、従来の様々な方法が用 いられ得る。これらの従来の方法には、浸漬、噴霧、及び熱伝達面へのスラリー の塗装、凝縮器を通してスラリーを流して熱伝達面に被膜を形成するのに十分な 時間そこに残しておく方法、及び他の一般的な被覆技術が含まれ得る。本発明の 被覆剤は、スラリー形態において固体分の総量を低減、或いは少なくしており、 流し込むのが困難な幾何学的形状のものにたやすく流し込んだり流し出したりす ることができ、流し込みの処理の失敗によってハードウェアを破壊してしまうこ とが非常に少なくなる。さらに、固体分の少ないスラリーでは、従来の被覆剤と 比較して被着する固体の量は約1/4である。この結果、硬化された被覆剤は一 般により薄くなるとともに、割れ及び剥離を起こしにくくなって、粒子の発生が 少なくなり、完成した被覆面がより軽くなる。一般に、被膜の厚みが薄くなるこ とにより、そこを伝わる熱に対する影響が少なくなるため、この被膜は熱交換器 における熱伝達を改善し得る。 被膜の厚みが、被覆剤の親水性及び抗菌性に影響を与えないことは立証されて いる。しかし、凝縮器内においては、500μm(ミクロン)以上の厚みの被膜 は目詰まりにより水の流れを阻害するため、熱伝達能力、若しくは熱伝達面に対 して悪影響をもたらし得る。100μm(ミクロン)未満の厚みの被膜では、被 覆剤がゆっくりと水に溶解することから、その寿命が短くなることがある。従っ て、被覆剤を流し込む方法を用いて形成された熱伝達面上の被膜については、典 型的な被膜の厚み は100μm(ミクロン)〜500μm(ミクロン)の範囲である。 ひとたび塗布された被覆剤は、乾燥し硬化する必要がある。最終的には、水分 若しくは水性溶媒が完全に除去され、被覆剤が完全に硬化されることが望まれる 。水分若しくは水性溶媒の除去及び硬化を行うための様々な方法の中には、真空 状態を利用する方法や、乾燥した空気を被膜上に流す方法、焼結を引き起こすこ となく硬化が生ずるような温度に被覆剤を加熱する方法があるが、従来の水分若 しくは水性溶媒の除去及び硬化処理技術が用いられてもよい。水は100℃で蒸 発するので、被覆剤の温度が110℃以上に急激に上げられた場合は、水分が急 速に気化して被膜の割れや剥離が生ずる原因となる。従って、被覆剤の温度は2 60℃まで段階的に、若しくは1時間〜6時間の時間をかけて非常にゆっくりと 上昇させることが好ましい。続けて行われる硬化処理は、段階的な温度維持ステ ップを2ステップから8ステップ、或いはそれ以上のステップ数をふんで実施さ れるが、第1ステップでは、1.0〜3.0時間、100℃以下に維持し、最終 ステップでは、1.0〜4.0時間、260℃に維持し、かつ、その間に幾つか のステップが挟まれる処理が行われる。 利用可能な硬化処理過程の1つは、0.25〜1.0時間、79℃〜85℃の 範囲に被覆剤を加熱する過程と、0.5〜1.5時間、91℃〜96℃の範囲に 被覆剤を加熱する過程と、0.25〜1.0時間、102℃の〜107℃の範囲 に被覆剤を加熱する過程と、0.25〜1.0時間、118℃〜124℃の範囲 被覆剤を加熱する過程と、0.5〜1.5時間の間146℃〜125℃の範囲内 に被覆剤を加熱する過程と、1.5〜2.5時間の間260℃に被覆剤を加熱す る過程とを有する。別の硬化処理過程は、2.0時間以上の時間をかけて、被覆 剤の温度を93℃から102℃にゆっくりと上昇させる過程と、2.0時間以上 の 時間をかけて、260℃まで温度を上昇させる過程と、2.0時間、温度を26 0℃に維持する過程とを含む。 「浸漬被覆及び硬化処理」という言葉は、ここでは以下のような過程を含む材 料の被覆方法を意味するものとする。即ち、 1.スラリー形態の(従来のスラリーの調合は15分以内で、本発明のスラリ ーの調合は30分以内に行う)被覆剤に材料を3秒間浸漬し、この浸漬処理を均 一な被膜が形成されるまで少なくとも5回反復する過程と、 2.被覆された材料を、温度は室温で湿度が100%である閉鎖された容器内 に少なくとも16時間入れて乾燥させる過程と、 3.1〜6時間かけて被覆された材料の上の被覆剤を、少なくとも255℃の 温度に達するまでゆっくりと若しくは段階的に上昇させて、乾燥した被覆剤を硬 化させる過程とを含む材料の被覆方法である。 本発明の内容は、以下の実施例を参照することにより一層明らかとなろう。し かし、この実施例は本発明の一般的な広い範囲を限定することを意図するもので はない。実施例 後述する実施例において、以下のような成分が用いられる。 粘着剤−20.8重量%のシリカ、8.3重量%の酸化カリウム、残りが水で ある混合物であって、米国ペンシルバニア州フィラデルフィアのフィラデルフィ アクォーツ社から市販されている製品名Kasil(登録商標)#1。 不溶化剤−純度99%の酸化亜鉛であって、米国ニュージャージー州Ogde nsborgのニュージャージージンク社から市販されている製品名Kadox (登録商標)911。 無機化合物−等級A−45のアモルファスシリカの粉末であって、米 国イリノイ州Cairoのイリノイミネラル社(Illinois Mineral Co.)から市 販されている製品名Silica Amorphous Grade 1160 。 抗菌剤−純度99.0%の酸化銀粉末(平均粒子サイズ=3μm(ミクロン) )であって、米国ケンタッキー州ParisのMallinckrodt Co .から市販されている製品名Purified Silver Oxide P owder。 水−蒸留水。試料の配合 1.スラリーの調合 3つのタイプのスラリー配合物が調合された。以下に使用されるスラリー配合 物タイプAは、スティール等の米国特許第A−5,264,250号に記載され ている従来の配合物を同定する。以下に使用されるスラリー配合物タイプBは、 本発明の抗菌性及び親水性を備えた被覆剤を同定する。以下に使用されるスラリ ー調合物タイプCは、本発明の親水性被覆剤を同定する。前述した被覆剤の成分 が、以下のような比率で、Waring Model CB−56という3.8 リッター(1ガロン)サイズの3速式市販型混合器において低速で20秒間混合 された。 調合されたスラリー配合物の各タイプについて、初めに水の中に粘着剤が添加 され、次に無機化合物及び不溶化剤が添加された。スラリー配合物タイプA及び タイプBでは、不溶化剤が添加された後、混合する前に抗菌剤が添加された。 2.テストパネル及び熱交換器モジュールの準備 347ステンレス鋼からなる5.0×5.0×0.19cm(2×2×1/1 6インチ)のサイズの6枚のテストパネルの重量が計量され、次に2枚のパネル の組のそれぞれが、異なるタイプのスラリー配合物で被覆された。アルミニウム 製の15.2×3.8×3.8cm(6×1.5×1.5インチ)のサイズの4 つの熱交換器モジュールの重量も計量され、次に2つのモジュールの組のそれぞ れが、タイプAのスラリー配合物若しくはタイプBのスラリー配合物で被覆され た。テストパネル及びモジュール(テスト用見本)は、見本を3秒間スラリー配 合物に浸漬し、均一な被膜が形成されるまで6回この浸漬処理を反復することに よって被覆される。スラリー配合物タイプAは、時間制限15分以内で混合が行 われたが、スラリー調合物タイプB及びタイプCは時間制限20分以内で混合が 行われた。次に、各テスト用見本の底部をきれいな紙タオル上に押し当てること により、各テストパネル及びモジュールから過剰な被覆剤が除去された。 次に、被覆のなされたテスト用見本のそれぞれは、きれいな封止された容器内 に置かれ、温度が室温、湿度が100%の条件の下で、16時間かけて乾燥処理 または硬化処理された。次に、このパネル及びモジュールは容器から取り出され 、B級対流式オーブンの中に置かれて、以下の処理工程に従って硬化処理された 。 82±5℃で、0.5時間±5分 93±5℃で、1.0時間±5分 104±5℃で、0.5時間±5分 121±5℃で、0.5時間±5分 149±5℃で、1.0時間±5分 260±5℃で、2.0時間±5分 次に、テストパネル及びモジュールは60℃まで冷却され、その重量が計量され た。次に、各テストパネルにおける単位面積当たりの硬化された被覆剤の重量を 、被覆される前のパネルの重量と、硬化された後のパネルの重量との差を8(各 2インチ×2インチのバネルの両面の面積)で割ることによって求めた。テスト方法 次に、準備されたテストパネルが以下のようなテストを受けた。 湿潤性チェック−各被覆されたテストパネル上に直径1.27±0.12cm (0.5±0.05インチ)の円を鉛筆で軽く描いた。次に、10μlシリンジ を用いて、各円の中心に5±0.2μlの脱イオン水の液滴をのせ、円の中全体 に拡がるまでの時間を記録した。 湿潤領域の拡がり−今述べた湿潤性チェックを受けた各被覆されたテストパネ ルに対して、5±0.2μlの脱イオン水の液滴によって湿潤化した領域が変化 しなくなって30秒間たった時に、その領域の最大直径を測定し記録した。 粘着性チェック−上述のように、±0.0001gまで被覆される前に各テス トパネルの重量は計量され(計量値=X)、被覆処理及び硬化処理の後再び重量 が計量された(計量値=Y)。次に幅広のテープ(スコッチブランド(Scotch B rand)のマジックテープ、3Mカタログ番号102)が1.27cm(0.5イ ンチ)の長さだけ、通常の指に圧力を用いて各テストパネルの長さ方向全体に亘 って貼りつけられた。テープは各パネル上に60秒間残され、次にテープの一端 をパネルに対し約 90度の角度で引き上げることによって除去された。次に、各パネルは±0.0 001gの精度で再び重量が計量された(計量値=Z)。ここで失われた重量は 以下の式で計算された。 重量の損失率(%)=(Y−Z)/(Y−X))×100 次に準備された熱交換モジュールが以下のようなテストを受けた。 振動テスト−各モジュールは、生成した粒子を捕捉するプラスチック製の袋の 中に入れられることにより、粒子の生成に関するテストをなされた。次に、各モ ジュールは、アルミニウムパッドを用いて振動スリップテーブル上に個別に堅く 取り付けられた。次に、各モジュールは始めに適当な方向へ回転させることによ り、直交する3つの軸(Z,Y,X)の方向にテストを受けた。次に、各モジュ ールは以下のようなプロフィール(profile)の振動の入力を受けた。 このパワースペクトル密度レベルは、各モジュールが振動スリップテーブルを 通して、スペースシャトルの発射をエミュレートするカーブの振動を受けるよう な、コンピュータ制御された検査プロフィールを構成する。テスト時間は20分 +1%/軸であった。 振動数誤差若しくは入力振動数の偏差は、±10%である。この振動カーブの もとでの全体のレベル若しくは積分は、9.59g平方二乗平 均(grms)±10%である。パワースペクトル密度(PSB)振動カーブ誤 差は±3.0dBであった。 各軸に対するテストの後、各袋に集められた粒子があれば、その重量が計量さ れ、記録された。次に、振動テストが3つの全ての軸がテストされるまで反復さ れた。実施例1〜3 これらの実施例においては、それぞれスラリー配合物タイプA、B、若しくは Cで被覆された各テストパネルが、湿潤性及び粘着性に関してテストされ、各テ ストパネルの単位面積当たりの硬化された被覆剤の重量が求められた。この結果 を以下の表1に示す。 実施例1〜3は、本発明の“固体分の少ない”被覆剤で、抗菌剤としての酸化 銀を含んでいるもの、または含んでいないものが、従来の“固体分の多い”調合 物に遜色のない粘着性及び湿潤性を示すことを実証している。実施例4〜7 これらの実施例では、スラリー配合物タイプA若しくはタイプBによって被覆 された熱交換器モジュールに対して、それぞれ上述のような振動テストを施すこ とにより、粒子の生成がテストされた。この結果を表2に示す。 実施例6及び7は、本発明の被覆剤で、被着された固体分の総量が実施例4及 び5と比較して少ないものについて、観察可能若しくは測定可能な粒子が振動に よって生成しないことを実証している。 前述のテストに加えて、各テストパネルは、硬化処理の2時間以内の表面の異 常若しくは欠陥に関する視覚的な検査も実質的になされた。視覚的検査により、 スラリー配合物タイプB若しくはタイプCで被覆をなされたテストパネルが、ス ラリー配合物タイプAで被覆をなされたテストパネルと比較して割れや剥離が生 ずる傾向が少ないということが立証された。 本発明の実施例に関して詳細に説明してきたが、当業者は、請求の範囲に記載 の本発明の精神を逸脱することなく、様々な細部の変更をなし得るということを 理解されたい。請求の範囲 1.所望に応じて抗菌性を有するスラリー形態の親水性被覆剤組成物であって、 前記スラリーが、 前記被覆剤組成物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する、 効果的な量の粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化する、効果的な量の不溶化剤と、 前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カル シウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された、前記被覆剤組成 物に親水性を与える無機化合物と、 所望に応じて添加される、前記被覆剤組成物に抗菌性を与える、効果的な量 の抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが、浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2 (1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴と する所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物。 2.所望に応じて抗菌性を有するスラリー形態の親水性被覆剤組成物であって、 前記スラリーが、 a.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜30重量%の、前記被覆剤組成 物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する粘着剤と、 b.前記スラリーの総量に基づき3重量%〜10重量%の、前記粘着剤を不溶 化する不溶化剤と、 c.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カ ルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された 無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、前記スラリーの総量に基づき0.3重量%〜1 .5重量%の抗菌剤と、 e.前記スラリーの総量に基づき30重量%〜70重量%の水または水性溶媒 とからなることを特徴とし、 前記スラリーが浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2( 1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴とす る所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物。 3.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合物からなる グループから選択されることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の所望に応 じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物。 4.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふっ 化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物とか らなるグループから選択されることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の所 望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物。 5.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこれ らの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項1 若しくは2に記載の所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物。 6.所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物によって被覆をなされた熱 伝達面を有する凝縮熱交換器であって、 スラリー形態の前記親水性被覆剤組成物が、 前記被覆剤組成物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する、 効果的な量の粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化する、効果的な量の不溶化剤と、 前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カル シウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された、前記被覆剤組成 物に親水性を与える無機化合物と、 所望に応じて添加される、前記被覆剤組成物に抗菌性を与える、効果的な量 の抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが、浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2 (1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴と する凝縮熱交換器。 7.所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物によって被覆をなされた熱 伝達面を有する凝縮熱交換器であって、 前記スラリーが、 a.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜30重量%の、前記被覆剤組成 物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する粘着剤と、 b.前記スラリーの総量に基づき3重量%〜10重量%の、前記粘着剤を不溶 化する不溶化剤と、 c.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カ ルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、前記スラリーの総量に基づき0.3重量%〜1 .5重量%の抗菌剤と、 e.前記スラリーの総量に基づき30重量%〜70重量%の水または水性溶媒 とからなることを特徴とし、 前記スラリーが浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2( 1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着する ことを特徴とする凝縮熱交換器。 8.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合物からなる グループから選択されることを特徴とする請求項6若しくは7に記載の凝縮熱交 換器。 9.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふっ 化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物とか らなるグループから選択されることを特徴とする請求項6若しくは7に記載の凝 縮熱交換器。 10.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこ れらの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項 6若しくは7に記載の凝縮熱交換器。 11.凝縮熱交換器の熱伝達面を、所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組 成物で被覆する方法であって、 a.前記凝縮熱交換器を通してスラリー形態の前記被覆剤組成物を流し若しく は噴霧する過程であって、前記スラリーが前記熱伝達面に直に接触し被覆をなす 、該過程と、 b.被覆をなされた前記熱伝達面を加熱して、前記スラリーを乾燥及び硬化さ せて、前記熱伝達面上に被膜を形成する過程とを有し、 前記スラリーが、 前記被覆剤組成物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する、 効果的な量の粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化する、効果的な量の不溶化剤と、 前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カル シウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された、前記被覆剤組成 物に親水性を与える無機化合物と、 所望に応じて添加される、前記被覆剤組成物に抗菌性を与える、効 果的な量の抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが、浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2 (1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴と する凝縮熱交換器の熱伝達面を所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物 で被覆する方法。 12.凝縮熱交換器の熱伝達面を所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成 物で被覆する方法であって、 スラリー形態の前記親水性被覆剤組成物が、 a.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜30重量%の、前記被覆剤組成 物の親水性を損なうことなく前記被覆剤組成物を結合する粘着剤と、 b.前記スラリーの総量に基づき3重量%〜10重量%の、前記粘着剤を不溶 化する不溶化剤と、 c.前記スラリーの総量に基づき10重量%〜20重量%の、シリカ、珪酸カ ルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、前記スラリーの総量に基づき0.3重量%〜1 .5重量%の抗菌剤と、 e.前記スラリーの総量に基づき30重量%〜70重量%の水または水性溶媒 とからなることを特徴とし、 前記スラリーが浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の6.45cm2( 1平方インチ)当たり8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴とす る凝縮熱交換器の熱伝達面を、所望に応じて抗菌性を有する親水性被覆剤組成物 で被覆する方法。 13.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合 物からなるグループから選択されることを特徴とする請求項11若しくは12に 記載の方法。 14.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふ っ化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物と からなるグループから選択されることを特徴とする請求項11若しくは12に記 載の方法。 15.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこ れらの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項 11若しくは12に記載の方法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ないスラリー形態の親水性被覆剤 であって、 前記スラリーが、 粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択さ れた無機化合物と、 所望に応じて添加される抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが、浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の1平方インチ当 たり約8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴とする所望に応じて 抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤。 2.所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ないスラリー形態の親水性被覆剤 であって、 前記スラリーが、 a.約10重量%〜約30重量%の粘着剤と、 b.約3重量%〜約10重量%の、前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と 、 c.約10重量%〜約20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの 混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、約0.3重量%〜約1.5重量%の抗菌剤と、 e.約30重量%〜約70重量%の水または水性溶媒とを含むことを特徴とし 、 成分の合計が100重量%となることを特徴とする所望に応じて抗菌 性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤。 3.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合物からなる グループから選択されることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の所望に応 じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤。 4.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふっ 化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物とか らなるグループから選択されることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の所 望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤。 5.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこれ らの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項1 若しくは2に記載の所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤 。 6.所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤によって被覆を なされた熱伝達面を有する凝縮熱交換器であって、 スラリー形態の前記親水性被覆剤が、 粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択され た無機化合物と、 所望に応じて添加される抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の1平方インチ当た り約8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴とする凝縮熱交換器。 7.所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤によっ て被覆をなされた熱伝達面を有する凝縮熱交換器であって、 スラリー形態の前記親水性被覆剤が、 a.約10重量%〜約30重量%の粘着剤と、 b.約3重量%〜約10重量%の、前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と 、 c.約10重量%〜約20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの 混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、約0.3重量%〜約1.5重量%の抗菌剤と、 e.約30重量%〜約70重量%の水または水性溶媒とを含むことを特徴とし 、 成分の合計が100重量%となることを特徴とする凝縮熱交換器。 8.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合物からなる グループから選択されることを特徴とする請求項6若しくは7に記載の凝縮熱交 換器。 9.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふっ 化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物とか らなるグループから選択されることを特徴とする請求項6若しくは7に記載の凝 縮熱交換器。 10.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこ れらの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項 6若しくは7に記載の凝縮熱交換器。 11.凝縮熱交換器の熱伝達面を、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少な い親水性被覆剤で被覆する方法であって、 a.前記凝縮熱交換器を通してスラリー形態の前記被覆剤を流し若しくは噴霧 する過程であって、前記スラリーが前記熱伝達面に直に接触し 被膜をなす、該過程と、 b.被覆をなされた前記熱伝達面を加熱して、前記スラリーを乾燥及び硬化さ せて、前記熱伝達面上に被膜を形成する過程とを有し、 前記スラリーが、 粘着剤と、 前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と、 シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの混合物からなるグループから選択さ れた無機化合物と、 所望に応じて添加される抗菌剤と、 水若しくは水性溶媒とを有することを特徴とし、 前記スラリーが、浸漬被覆処理及び硬化処理によって、材料の1平方インチ当 たり約8mg未満の硬化された被覆剤を取着することを特徴とする凝縮熱交換器 の熱伝達面を所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤で被覆 する方法。 12.凝縮熱交換器の熱伝達面を所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない 親水性被覆剤で被覆する方法であって、 スラリー形態の前記親水性被覆剤組成物が、 a.約10重量%〜約30重量%の粘着剤と、 b.約3重量%〜約10重量%の、前記粘着剤を不溶化するための不溶化剤と 、 c.約10重量%〜約20重量%の、シリカ、珪酸カルシウム、及びこれらの 混合物からなるグループから選択された無機化合物と、 d.所望に応じて添加される、約0.3重量%〜約1.5重量%の抗菌剤と、 e.約30重量%〜約70重量%の水または水性溶媒とを含むことを特徴とし 、 成分の合計が100重量%となることを特徴とする凝縮熱交換器の熱伝達面を 、所望に応じて抗菌性を有する、固体分の少ない親水性被覆剤で被覆する方法。 13.前記粘着剤が、珪酸カリウム、ほう珪酸ガラス及びこれらの混合物からな るグループから選択されることを特徴とする請求項11若しくは12に記載の方 法。 14.前記不溶化剤が、酸化亜鉛と、ナトリウムの珪ふっ化物、カリウムの珪ふ っ化物、バリウムの珪ふっ化物、マンガンの珪ふっ化物、及びこれらの混合物と からなるグループから選択されることを特徴とする請求項11若しくは12に記 載の方法。 15.前記抗菌剤が、砒素の塩、沃素の塩、水銀の塩、銀の塩、錫の塩、及びこ れらの混合物からなるグループから選択された塩であることを特徴とする請求項 11若しくは12に記載の方法。
JP7524201A 1994-03-16 1995-03-16 親水性被覆剤組成物及びその被覆剤組成物で凝縮熱交換器の熱伝達面を被覆する方法及びその凝縮熱交換器 Ceased JPH09511534A (ja)

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