JPH09511406A - 異化代謝産物非抑制性の基質限定性酵母菌株 - Google Patents
異化代謝産物非抑制性の基質限定性酵母菌株Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明はグルコースの存在下で炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用することができる属種がサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)である酵母細胞を包含する。
Description
【発明の詳細な説明】
異化代謝産物非抑制性の基質限定性酵母菌株
本出願は、係属している米国特許出願第07/829453号の一部継続出願
である1993年10月27日に出願された係属している米国特許出願第08/
144236号の一部継続出願である。本出願はまた、係属している米国特許出
願第08/026927号の一部継続出願である1993年7月2日に出願され
た係属している米国特許出願第08/087616号の一部継続出願である。出
願番号07/829453号および08/026977号は米国特許出願第07
/732081号の一部継続出願であり、今は放棄されている。
発明の背景
本発明はグルコースの存在下で炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用
する酵母細胞に関する。
慣用の酵母細胞は該酵母細胞が種々の糖を代謝可能であるようにする活性化し
得る酵素を有する。糖はグルコース、マルトースおよびガラクトースを包含する
。酵素の活性の制御は酵素活性の選択的活性化および抑圧に基づいている。グル
コース以外の糖の代謝を補助する酵素の活性は、酵母細胞のための炭水化物供給
源としてグルコースを含有する培地中で酵母細胞を増殖させる場合に抑制される
。
酵素活性の抑圧は2つのメカニズムのうちの1つにより生じる。第1のメカニ
ズム、グルコース不活性化はタ
ンパク質の修飾および/または変性によりいくつかの酵素およびその他のタンパ
ク質の機能を迅速に阻害する。第2のメカニズム、グルコース抑制は、酵素を作
ったり、また転写レベルで酵素活性を制御する多くの遺伝子の発現を低下させる
。
酵母細胞におけるグルコース抑制は大腸菌において「異化(代謝)産物抑制」
と命名される代謝プロセスに類似している。「異化(代謝)産物抑制」という用
語は、Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.26: 249(1962)所収の“Catabol
ite repression”にB.Magasanicにより記載されるように遺伝子転写の抑制がグ
ルコース自体によりそれほど引き起こされないが、グルコース異化代謝産物によ
り引き起こされるという確信を反映している。本願において、「グルコース抑制
」という用語は「異化産物抑制」と互いに同じ意味で使用される。
非常に多くの酵母細胞遺伝子の発現はグルコース抑制に晒される。しかしなが
ら、グルコース抑制の程度は遺伝子毎に異なる。例えば、ガラクトース利用に包
含される遺伝子、ガラクトース遺伝子(GAL遺伝子)の発現はグルコースによ
り少なくとも1000倍抑制される。マルトース代謝に包含される遺伝子、マル
トース遺伝子の発現はM.Johnston 等によりThe Molecular and Cellular Biolo
gy of the Yeast Saccharomyces(1992)の 226頁に記載されるように約15倍
抑制される。
グルコースはGAL遺伝子の発現に2つの作用を有す
ると考えられる。第1の作用はガラクトースをベースとする基質培地へのグルコ
ースの添加がガラクトース富化培地で増殖する酵母培養体にほぼ完全ではあるが
一時的なGAL遺伝子発現の抑制を引き起こすというものである。第2の作用は
、文献“Identification of glucokinase in Saccharomyces cerevisiae: Kinet
ics of induction and glucose effects”,J.Bacteriol III: 308(1972)にAda
ms により記載されるように、GAL酵素合成が低下した速度で実質的に再開す
るものである。
グルコース抑制のために、The Molecular and Cellular Biology of the Yeas
t Saccharomyces(1992)にE.Jones等により記載されるように、慣用の酵母培養
体はバッチ培養液中、3相でグルコース上に増殖する。増殖の第1または急速相
において、グルコースは遺伝子発現の同時に起こるグルコース抑制を伴って発酵
される。グルコースが消尽される直前に、培養体は第2の増殖相に入り、その相
の間、グルコース抑制遺伝子が抑制解除(脱抑制)になり、グルコース利用の間
に蓄積するエタノール異化産物の引き続く酸化に培養体を適合させる。いくつか
の酵素の合成の脱抑制はグルコース消尽の十分前に開始し、そしてエタノール上
での増殖の間に最大レベルに達する。第3または最終相での増殖は遅く、そして
利用可能なエタノールの消尽と共に終了する。
通常、酵母菌株の幅広い適合性および有用性の故に、酵母菌株が複雑な栄養基
質に暴露される場合、特定の酵
母菌株の挙動を予測することはかなり困難であった。一方、酵母菌株が炭水化物
、例えばガラクトースに対する嗜好を有するかもしれないけれども、ガラクトー
スに対する酵母菌株の嗜好は、酵母がある濃度のグルコースを有する基質に暴露
された時、漸減する。グルコースの単なる存在はガラクトース代謝を抑制する傾
向がある。酵母菌株はあらゆる炭水化物の利用が全く防止され得る。また、酵母
菌株はグルコース代謝に復帰し得る。
発明の要約
本発明はグルコースの存在下で炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用
することができる属種サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisi
ae)の酵母細胞を包含する。本発明はまた、栄養マトリックス中に少なくとも約
6重量%の濃度のエタノールに対する許容性を有する酵母細胞を包含する。本発
明はさらに、プロテイナーゼAおよびプロテイナーゼBおよびカルボキシペプチ
ダーゼYの酵素活性が実質的にない酵母細胞を包含する。
図面の説明
図1は候補体である異化代謝産物非抑制性CAT−半数体酵母菌株に対するパ
ン生地(ドウ,dough)の膨化(プルーフ,proof)時間を示すグラフである。
図2はCAT−グルコース基質限定性GSL菌株1、2、3および4および非
CAT制御菌株に対する、各酵母菌株の培養物の600ナノメーター(nm)で
の吸光
度により測定される増殖速度を示すグラフである。
図3はCAT−GSL菌株6、7、8および9および対照菌株に対する、各酵
母菌株の培養物の600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示すグラフ
である。
図4はCAT−GSL菌株10、12、15および16および対照菌株に対す
る、各酵母菌株の培養物の600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示
すグラフである。
図5はCAT−GSL菌株17、18、19および20および対照菌株に対す
る、各酵母菌株の培養物の600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示
すグラフである。
図6はCAT−GSL菌株24、23、27および35および対照菌株に対す
る、各酵母菌株の培養物の600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示
すグラフである。
図7はCAT−GSL菌株36、37、40および41および対照菌株に対す
る、各酵母菌株の培養物の600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示
すグラフである。
図8は二倍体10×54酵母の3種の増殖培地上での、各酵母菌株の培養物の
600nmでの吸光度により測定される増殖速度を示すグラフである。
好ましい態様の詳細な説明
本発明はグルコースの存在下で炭水化物供給源とし
てガラクトースのみを利用する属種サッカロミセス・セレビシアエの二倍体酵母
細胞を包含する。本発明の酵母菌株を用いて製造された栄養マトリックス、例え
ばパン生地は唯一の炭水化物供給源としてガラクトースを利用する慣用の酵母、
GAL+酵母を用いて製造されたパン生地に対する約2分の1である時間以内に
制御可能に膨化され得る。生地を制御可能に膨化する能力は生地が密閉容器、例
えばボール紙カン内に充填される場合に特に重要である。1つの態様において、
本発明のガラクトース利用性酵母菌株はまた、慣用のパン酵母またはGAL+酵
母のいずれかのエタノール許容性に比べ、より大きいエタノールに対する許容性
を有する。
ガラクトース利用性酵母細胞はパン生地、特に冷蔵可能なパン生地の膨張(発
酵,leavening)および膨化(proofing)における用途を有する。酵母のエタノ
ール許容性はまた、酵母で製造されたパン生地の膨化時間を短縮する。
ガラクトース利用性酵母細胞はまた、食品廃棄物加工における用途を有する。
チーズ製造は、実質的にラクトースと水である大量のホエー(乳漿,乳清)を生
じる。慣用のプロセスは酵母を用いラクトースをグルコースとガラクトースに加
水分解し、さらにそれらはエタノールに加水分解される。慣用の酵母細胞はガラ
クトースよりグルコースを優先的に発酵する。結果的にガラクトースはプロセス
の2次的最終製品である。本発明の酵母細胞
は、グルコースをそのまま残し、ガラクトースをエタノールに選択的に変換する
ために使用され得、また、慣用の細菌株と組み合わせてグルコースとガラクトー
スを同時にエタノールに変換するために使用され得る。
1つのその他の態様において、本発明の酵母細胞は慣用の酵母細胞と比較して
減少されているプロテイナーゼ活性をさらに包含する。酵母細胞はプロテイナー
ゼA、プロテイナーゼBおよびカルボキシペプチダーゼYの活性が実質的にない
ので、プロテイナーゼ活性が低下されている。これらの酵素活性の消失は慣用の
酵母細胞に比し後溶菌タンパク質分解活性の90%低下を結果として生じた。酵
母細胞のこの性質は該酵母細胞を例えば冷蔵可能な生地の膨張および膨化におけ
る用途により適するものとする。
プロテイナーゼはパン生地構造におけるグルテンマトリックスを分解し、液体
のシロップ状物への生地の全体的分解を引き起こす。酵母細胞中のプロテイナー
ゼ活性を低下させることにより、細胞溶菌の際に生地中に放出される酵素を減少
させるだけでなく、生地膨化時間がGAL+酵母を有する生地に比べ約50%短
縮される。発酵に包含されるタンパク質は通常の細胞制御の間のように分解され
ないと考えられている。
「慣用の酵母」とはグルコース、ガラクトース、マルトースおよびフルクトー
スを包含する炭水化物を代謝し得る属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細
胞を意
味する。グルコース以外の炭水化物の代謝を行う酵素の活性は、慣用の酵素がグ
ルコースを含有する培地中で増殖される場合に低下される。1つの慣用の酵母は
パン酵母である。
慣用のガラクトース基質限定性(GSL)酵母は、グルコースの存在下でガラ
クトースを実質的に発酵できないガラクトース基質限定性酵母を意味する。
本発明の酵母細胞は純粋なガラクトースならびに加水分解されたラクトースの
基質を利用することができる。上記したように、本発明の酵母細胞の前に、ガラ
クトース基質限定性(GSL)酵母菌株等を包含する多くの酵母は大量のグルコ
ースに暴露されると代謝的に損なわれた。結果として、酵母菌株はラクトース誘
導基質、例えば加水分解ラクトースシロップ中に存在するガラクトースを有効に
代謝することができなかった。この欠点はグルコース誘導異化産物抑制に起因す
ると考えられている。
GAL基質限定性酵母菌株の代謝損傷はいくつかの因子によっていた。第1の
因子は異化産物酵素の合成の抑制および/または異化産物酵素のタンパク質分解
である。代謝損傷に対する第2の因子はミトコンドリア構造の分解に起因してい
た。第3の因子は第1の因子と第2の因子との組合せである。代謝損傷の全体の
作用は酵母細胞が、グルコース濃度がある重要なレベルより下に下降するように
十分なグルコースが代謝されるまで、グルコース以外の糖を二酸化炭素に有効に
変換できなかったこと
である。
ガラクトース基質限定性酵母菌株はグルコースを代謝することができない。従
って、グルコースおよびグルコース異化産物の存在下で、GAL基質限定性酵母
菌株は代謝を停止する。ここで、本発明のGAL基質限定性酵母菌株がグルコー
スの存在下で異化代謝産物抑制を示さないということは、慣用のGAL基質限定
性酵母に比べ大きな改良である。
本発明の二倍体酵母細胞は、選択された半数体(単相体)酵母細胞の交雑、酵
母コロニー中で酵母細胞の胞子形成を促進する条件の作成、酵母コロニーの単離
、所望の特徴に対する酵母コロニーから酵母試料のスクリーニングおよび選択さ
れたコロニーの増殖による酵母菌株の作成、該菌株から二倍体酵母細胞の作成お
よび栄養マトリックス、例えばパン生地中での二倍体酵母細胞の評価の工程を包
含する方法により創製される。典型的には、700種の半数体酵母の候補体から
2種の酵母菌株が栄養マトリックス中での評価のために最終的に選択される。本
願の場合、3種の酵母菌株がガラクトース基質限定的特異性および非復帰の優れ
た保存を有することが見出されている。
二倍体菌株が遺伝物質の量の倍化のために、より強靭であるので、本発明にお
いて二倍体酵母菌株が半数体菌株より好ましい。二倍体酵母菌株は一般に半数体
酵母菌株に比べより迅速に増殖し、そして二酸化炭素を発生す
る。相補性が二倍体菌株における遺伝子発現の保存を高め、そしてそれらを強靭
にする。二倍体菌株はまた、半数体酵母菌株に比べ、より有効に商業的に製造さ
れ、そしてより迅速にパン生地を膨化する。
本発明の二倍体酵母菌株は以下の実施例に記載されるように創製される。これ
らの実施例は本発明の種々の態様を例示するために提示されるものであり、そし
て本発明を限定することを意図するものではない。
本明細書で使用されるように、D308.3菌株は色がピンクのコロニーであ
り、アデニン突然変異を有するサッカロミセス・セレビシアエの半数体ガラクト
ース基質限定性(GSL)菌株を意味する。菌株MSL.1はD308.3の非
アデニン要求復帰変異体である。この菌株のコロニーはピンクではない。菌株a
/αGSL♯33は二倍体GSL菌株である。菌株GSL♯33はGSLである
半数体菌株である。菌株CAT−15は異化産物非抑制性である半数体GSL菌
株であり、そして加水分解されたラクトースシロップを発酵することができる。
菌株10×54は異化産物非抑制性である二倍体GSL菌株である。菌株CAT
−15および10×54は加水分解されたラクトース基質を含有する生地を膨化
する能力を有する。菌株MSL.1およびa/αGSL♯33は加水分解された
ラクトースシロップ上で有効に発酵および増殖することができない。
菌株D308.3は米国メリーランド20852,ロ
ックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に19
93年3月5日に寄託され、そして受託番号74211を有する。この寄託は特
許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って行われた
。
実施例I
半数体菌株MSL.1およびGSL♯33を、グルコースおよびガラクトース
を含有する培地上で増殖させた。上記のようにMSL.1およびGSL♯33の
野生型酵母菌株はラクトースを代謝することができなかった。異化産物非抑制性
半数体酵母菌株を上記したようにこれらの菌株から培養した。
要求される材料は対応する遺伝子型を有する以下の酵母菌株を包含する:酵母菌株
遺伝子型
MSL.1 hxk1 hxk2 glk1 trp1 his2 met14
a GSL♯33 hxk1 hxk2 glk1 met14 his2 lys2* *
種々の欠落培地プレートでの増殖性に基づいた遺伝子型および親菌株の遺伝子
型。
酵母抽出ペプトン培地(YEP)およびガラクトースの50mlsの量が2つ
のオートクレーブされた培養フラスコに注がれた。1つのフラスコに単離された
酵母菌株MSL.1のコロニーが接種され、他方のフラスコに単離された酵母菌
株「a」GSL♯33のコロニーが接種された。
接種後の培養液は30℃シェーカーインキュベーター内に置かれ、そして震盪
させながら保温された。MSL.1培養液は48時間保温され、活性に欠ける「
a」GSL♯33試料は72時間保温された。
保温期間に引続き、上記酵母培養液の10ー1、10ー2、10-3および10-4希
釈物100マイクロリットルの量が以下のアガー組成を有する60%グルコース
/40%ガラクトースYEPプレート上に広げてプレーティングされた:60%グルコース/40%ガラクトースYEPアガー
バクト−イースト(1%) 10グラム
バクト−ペプトン(2%) 20グラム
グルコース(1.2%) 12グラム
ガラクトース(0.8%) 8グラム
バクト−アガー(2%) 20グラム
蒸留水 1000ml
さらに、各培養液の10ー5ないし10ー8希釈物がYEP培地およびガラクトー
ス含有培地上にそれぞれ広げてプレーティングされた。全てのプレートが30℃
で保温された。酵母コロニーが数えられた。滴定結果は、MSL.1培養液が約
1.3×108 CFU/mlの細胞密度を有し、そして「a」GSL♯33の密
度が約6×107 CFU/mlに等しいことを示した。
候補体異化産物非抑制性(CAT−)復帰変異コロニ
ーは60%グルコース/40%ガラクトースプレート上で活発に増殖し、代謝的
に損傷のある「野生」型対照コロニーは判然としない薄いフィルムとして現れた
。
30℃での約5日間の保温の後、全体で82の可能性のあるMSL.1および
68の「a」GSL♯33CAT−コロニーが60%グルコース/40%ガラク
トースYEP選択プレートから単離された。ガラクトース基質限定性であるが、
異化産物抑制性ではないコロニーから、もはやガラクトース基質限定性ではない
復帰変異コロニーを分離するために、全ての候補体CAT−GSL菌株がデキス
トロースを有する酵母抽出ペプトン培地(YEPD培地)および60%グルコー
ス/40%ガラクトースYEP培地を含有するプレート上で格子状にプレーティ
ングされた。プレートは30℃で約1週間保存された。
プレーティングされた68の「a」GSL♯33CAT−候補体のうち、43
が60%グルコース/40%ガラクトースYEPプレート上で増殖したが、YE
PDプレート上では増殖し得なかった。これらの酵母コロニーはCAT−GSL
酵母菌株であると考えられた。残りの24のコロニーはYEPD上で容易に増殖
し、そしてもはやガラクトース基質限定性であるとは考えられなかった。
候補体MSL.1CAT−コロニーの中でCAT−であると明らかにされたも
のはなかった。試験された全ての候補体は60%グルコース/40%ガラクトー
スおよ
びYEPD培地上で同様に十分に増殖した。
43のCAT−GSL候補体が液体培地炭水化物利用性に対して試験された。
単離された推定上のCAT−GSLコロニーの非抑制の程度、コロニーが無糖液
体YEP、YEPD培地、YEPDおよびガラクトース培地、そしてYEPおよ
び50%グルコース/50%ガラクトース液体培地中で増殖する能力もまた評価
された。
YEPおよびガラクトース10mlsを含有する試験管試料に候補体のCAT
−GSL酵母ペーストの単離コロニーが接種された。試料は次にシェーカーイン
キュベーター中30℃で震盪させながら約24時間保温された。対照「GSL♯
33およびGSL♯33」α/A試料もまたYEPおよびガラクトース培地中で
調製された。
保温期間に引続き、無糖YEP培地、YEPD培地、YEPおよびガラクトー
ス培地、およびYEPおよび50%グルコース/50%ガラクトース培地10m
lsを含有する試験管試料に評価される各菌株の対数期出発物(スターター)1
00マイクロリットルが接種された。接種に引続き、吸光度測定が各試料に対し
600ナノメーター(nm)で分光計により、30℃インキュベーター中に試料
を入れる前に行われた。吸光度測定は酵母増殖の定量のために9日間にわたって
記録された。
評価された43のCAT−GSL候補体のうち約24が、二倍体対照a GS
L♯33または半数体MSL.1親GSL菌株のいずれよりも、50%グルコー
ス/5
0%ガラクトース液体培地上で急速かつ活発に増殖することが明らかだった。2
4の候補体は以下のように命名された:CAT−GSL♯1,2,3,4,6,
7,8,9,10,12,15,16,17,18,19,20,24,26,
27,35,36,37,40および41。別の2つの候補体23および25は
また、より高い増殖能を示した。これらの菌株の増殖速度は図2−7に示されて
いる。速度は分あたりのガス発生0.025mlsの最も近い値に対して概数で
示されている。プロットは図2ないし7に示されている。
これらの候補体はパン生地における挙動がスクリーニングされた。スクリーニ
ング試験は、各酵母菌株がパン生地を膨張および膨化させる能力を評価するため
のリソグラフガス発生試験を包含していた。候補体の酵母菌株で膨張および膨化
させたパン生地からのリソグラフガス発生および生地生成物膨化時間試験は、C
AT−GSL酵母菌株の多くが二倍体対照酵母または親の半数体GSL酵母菌株
のいずれよりも、より高い速度での二酸化炭素を発生し、そして顕著に多い全二
酸化炭素を製造することを示した。CAT−GSL酵母菌株がグルコースの存在
下に有効にガラクトースを代謝したことは、食品規格の加水分解ラクトースシロ
ップを用いるGSL酵母混合生地製品の膨化において特に重要である。
上で命名された26の酵母コロニーはパン生地の膨張および膨化における挙動
がスクリーニングされた。下の
表1には候補体酵母菌株を用いて製造されたパン生地の膨化時間、ガス発生速度
、全ガス発生量および細胞収量をまとめて示す。表1はスクリーニング試験にお
いてその他の候補体よりすぐれ、そして対照a/αGSL♯33よりすぐれてい
た5−7菌株を各カテゴリーに示す。
表2は各候補体菌株が表1に記載されるような最も好ましい性能範囲を示した
頻度を示す。記号は膨化時間(P)、ガス発生速度(R)、全ガス発生量(T)
および収量(Y)を示す。
表1および2に示されるように、いくつかの菌株が1より多い基準においてす
ぐれていた。CAT−37が4種全ての基準を満たし、そしてCAT−2および
CAT−15が3種の基準において成功した。これらの基準のうち、膨化時間は
パン生地の性能を決定するのに最も重要だった。CAT−10は膨化時間におい
てのみすぐれていた。この表の菌株のいくつかは異化産物非抑制性のGSL二倍
体酵母菌株を創製するための交雑プロトコルにおいて後に用いられた。
図1は試験された全ての菌株の生地膨化時間を示す棒グラフである。対照菌株
a/αGSL♯33が6.6時間という最長の膨化時間を有していた。全ての候
補体が対照菌株よりすぐれていたということは、これらの候補体が実際に異化産
物非抑制性であったことを示す。最短の膨化時間を有する候補体はCAT−10
、CAT−15、CAT−1、CAT−37およびCAT−40であった。CA
T−10およびCAT−15は膨化時間が対照酵母の約半分だった。
候補体はまた二酸化炭素産生に対して試験された。候補体は粉(小麦粉)およ
び水と混合されパン生地が製造された。CAT−15およびCAT−37は考慮
された全ての菌株の中で最大の二酸化炭素産生速度を有していた。菌株CAT−
25、CAT−24、CAT−23、CAT−2およびCAT−12は菌株CA
T−15およびCAT−37の速度よりわずかに低い二酸化炭素産生
速度を有していた。
パン生地中の全ガス発生量における最も好ましい候補体は最良の二酸化炭素発
生速度を有する候補体と常に一致するわけではなかった。上位6種の全CO2発
生体のうち、CAT−37、CAT−2およびCAT−15のみがすぐれたCO2
発生速度を有していた。
パン生地におけるCAT−菌株のガス発生量は慣用のパン酵母により生じる全
ガス量および速度に比べ実質的に低かった。このことは冷蔵可能なパン生地の製
造に使用される酵母菌株の望ましい性質である。それは酵母菌株が生地を貯蔵す
る容器を破壊することなしに容器内で生地を膨張および膨化させるために使用さ
れることを可能にする。
細胞収量に関し、全てのCAT−候補体はa/αGSL♯33対照菌株に比べ
より低い収量だった。これはa/αGSL♯33が二倍体菌株であり、試験され
た全てのその他の菌株が半数体菌株であることによると考えられる。二倍体菌株
が1つではなく2コピーの遺伝情報を有するので、a/αGSL♯33酵母細胞
はより迅速に増殖することができた。相補性および栄養要求変異性マーカーの存
在が半数体菌株に対して二倍体対照の増殖速度を高めた。半数体菌株の中には、
リットルあたりほぼ20グラムであるいくつかの菌株があった。これは一般に高
い収量だった。
実施例II
プロテイナーゼ欠損突然変異がガラクトース基質限定性(GSL)酵母菌株に
導入された。プロテイナーゼ欠損酵母菌株、α pep♯4−3が実施例1に記
載された半数体GSL酵母菌株a GSL♯33CAT−10に成功裏に交雑さ
れた。この交雑から得られたヘテロ接合性倍数体コロニーが胞子形成培地上にプ
レーティングされた。半数体胞子生成コロニーが単離された。半数体コロニーは
ガラクトース基質限定、すなわちグルコースではなくガラクトース上での増殖、
および異化産物非抑制、すなわちグルコースの存在下で増殖する能力がスクリー
ニングされた。
全部で73の半数体GSL異化産物非抑制性(CAT−)候補体が単離された
。この半数体候補体はPEP♯4−3突然変異がスクリーニングされた。プロテ
イナーゼA活性に対するアッセイおよびプロテイナーゼB活性に対する第2のア
ッセイが半数体候補体のスクリーニングのために使用された。
半数体菌株は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約
に従い、米国メリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(ATCC)に1994年11月7日に寄託され、そして受託番号7
4306、74307および74309を有する。
実施例III
倍数体GSL/CAT−酵母菌株の創製のためのGS
L/CAT−半数体酵母候補体の単離において、低温感受性突然変異を有する酵
母菌株1ts♯8がGSL半数性候補体プールの中にα交雑型遺伝子を導入する
ために使用された。全部で36の半数体GSL/CAT−候補体菌株が単離され
た。10の半数体菌株が十分に低温感受性であることが判明した。これらの菌株
は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従い、米国
メリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(
ATCC)に寄託された。上記菌株は以下のようなATCC受託番号およびかっ
こ内の同定番号を有し、1992年1月31日に寄託された:74213(cd
c19),74124(XA6−9C−lts1),74125(AXC−94
B−lts2),74126(XA77−34B−lts3),74127(X
A99−13C−lts4),74128(XA98−3D−lts5),74
129(XA88−3A−lts6),74130(XA89−2A−lts7
)および74131(XA33−5A−lts8)。
実施例IV
慣用のパン酵母培養物を用いて製造されたパン生地は典型的には、乳酸菌増殖
を阻害し、生地カン圧を安定化し、そして生地内の流動学的な保存寿命変化を最
低限に抑えるために生地に少なくとも2%のエタノールが添加されている。不都
合なことに、エタノールはまた酵母の
増殖およびガス産生を阻害する。GSL菌株がエタノール許容性を示す冷蔵可能
な生地用に単離された。
この単離は6%エタノールの存在下に増殖した安定期培養物から得られる生酵
母コロニーの連続的な単離および再接種により行われた。上記単離は単離された
コロニーがより高いエタノール許容性であればあるほど、そのコロニーがエタノ
ールの存在下でより速く増殖するであろうという前提に基づいている。
2つの可能性のあるエタノール許容性候補体が単離され、そして冷蔵生地系に
おいて試験された。結果はエタノール許容性コロニーが実施例5に記載される親
の10×54酵母菌株に比べより迅速に生地試料を膨化することができることを
示した。膨化時間は2分の1の1時間まで短縮された。エタノール許容性コロニ
ーの1つE35♯1は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペス
ト条約に従い、米国メリーランド州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャ
ー・コレクションに寄託された。この寄託は1994年11月7日に行われ、そ
して受託番号74310を有する。
実施例V
可能な最も代謝的に強靭なGSL/CAT−倍数体酵母菌株を創製するために
、YEP(無糖)培地、YEPD培地、YEP+ガラクトース培地、および50
/50モル%ガラクトース/グルコースYEP液体培地上での増殖に対する推定
上の半数体GSL/CAT−酵母菌株
のスクリーニングが行われた。50/50ガラクトース/グルコース培地上で最
も容易に増殖することが見出された半数体酵母菌株が倍数体GSL/CAT−酵
母菌株を創製するために交雑された。候補体の倍数体GSL/CAT−菌株の二
酸化炭素を発生する能力および冷蔵可能生地を膨化させる能力が評価された。最
も有効な菌株がさらに分析された。
有効な半数体菌株には以下のものが包含される:
a GSL33CAT−(a.k.a.33)♯:1,2,3,4,6,7,8
,9,10,12,15,16,17,18,19,20,24,25,27,
29,31,32,33,35,36,39,40,41
a GSL33CAT−15×alts8(a.k.a 15×8)♯:1,2
,3,4,7,8,9,10,12,15,16,17,18,19,22,2
3
a GSL33CAT−10×pep4−3(a.k.a.10×4−3)♯:
1−74
評価された酵母菌株の中で、13のみがGSL/CAT−表現型を保有し、そ
して相補性を介する交雑に適する栄養要求変異マーカーを有することが見出され
た。スクリーニングされた表現型はこれらの特徴を包含していた:i.酵母は、
YEP+Gal培地中で容易に増殖した;ii.YEP+50%gal/50%グ
ルコース培地中で容易に増殖した;iii.YEP+デキストロース培地中で容易
に増殖しなかった(YEP(無糖)対照培地に
おいて観察された増殖速度と比較した場合)。
適合し得る交雑タイプおよび相補性栄養要求変異マーカーの組合せに基づいて
、表3に挙げた以下の酵母菌株交雑対が同定された。酵母菌株の栄養要求変異マ
ーカーに基づいた最小選択培地も挙げられている。
表3に挙げた半数体交雑酵母菌株対はYEP+Gal培地上に線状にプレーテ
ィングが行われ、そして30℃で24時間保温された。線状プレートは次に、Y
EP+Gal上に垂直な方向で直交レプリカプレーティングが行われ、そして3
0℃で24時間保温された。直交レプ
リカプレートは次にリジン補足をした、またはしない合成ガラクトース最小培地
上にレプリカプレーティングが行われた。プレートは次に30℃で1−4日間保
温された。二倍体酵母コロニー増殖は「+」として挙げた交雑対組合せに対して
明らかだった。
表4に挙げた推定上の二倍体GSL/CAT−コロニーがリジンを含むか、ま
たは含まない新たな合成ガラクトース最小培地上にプレーティングすることによ
り単離され、次に単離されたコロニーを新たなYEP+ガラクトースプレート上
にプレーティングした。
推定上の二倍体GSL/CAT−酵母菌株がガラクトースおよび/またはグル
コースを利用する能力はYEP培地、およびガラクトースおよびYEPD培地プ
レート上に希釈緩衝液3ミリリットル(mls)中の1ループの酵母ペースト1
00マイクロリットルのヘビー接種を広げてプレーティングすることにより評価
された。半数体GSL/CAT−酵母菌株試料CAT−15が対照として調製さ
れた。プレートが30℃で約4日間保存された。評価された全ての候補体である
2倍体酵母菌株はYEPおよびガラクトース培地上で容易に増殖し、そしてYE
PD培地プレート上では増殖を徴候を示さなかったか、またはわずかの復帰変異
コロニーを示した。
上記の観察に基づいて、単離された二倍体GSL/CAT−酵母菌株はガラク
トース基質限定されていることが結論づけられた。菌株はまた、その他の炭水化
物を代謝する能力、液体YEP培地、YEPD培地、YEP+ガラクトース培地
およびYEP+50%グルコース/50%ガラクトース培地中での増殖、および
8時間以内にパン生地試料が膨張および膨化する能力がスクリーニングされた。
3種の推定上の二倍体菌株5×54、59×58および10×54がスクリーニ
ング試験の全てに関して適合可能性を示した。10×54に対する増殖が図8に
グラフで示されている。
菌株10×54は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト
条約に従い、米国メリーランド
州ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに1994年1
1月7日に寄託され、そして受託番号74308を有する。
これら3種の菌株は酵母菌株をYEP+ガラクトースの培地上に接種すること
によりグルコース利用性への復帰が試験された。結果は表5に示されている。
上に計算されたような観察された復帰頻度は点突然変異に対して観察された復
帰頻度の代表例である。
3種の二倍体菌株はまた栄養要求変異性の栄養要求がスクリーニングされた。
菌株は合成ガラクトース最小増殖培地上にプレーティングされた。全ての菌株が
最小培地上で増殖することができた。
本発明の酵母菌株は、パン生地中に混入された場合、酵母混入(発酵)および
酵母膨化された冷蔵可能な生地を製造することが見出された。本発明の生地から
焼かれたパンは慣用のパン酵母から製造されたパンに十分に匹敵するものである
。
本発明は好ましい態様について記載されているけれども、当業者は本発明の
精神および範囲から逸脱することなしに変更が形式的かつ詳細になされ得ること
を認識するであろう。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
(C12P 7/08
C12R 1:865)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),BR,CA,CN,JP,M
X
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.グルコースの存在下で炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用するこ とができる属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細胞。 2.酵母細胞が二倍体である請求項1記載の酵母細胞。 3.少なくとも約6重量%のエタノール濃度を有する混合物中で増殖することが できる請求項1記載の酵母細胞。 4.酵母細胞のための栄養物を有するマトリックスをさらに含有し、酵母細胞が 該マトリックス内に散在されている請求項1記載の酵母細胞。 5.マトリックスがパン生地であり、そして酵母は該パン生地を膨張および膨化 させる請求項4記載の酵母細胞。 6.酵母が、慣用のガラクトース基質限定された酵母を用いて製造されたパン生 地に対する時間の約2分の1である時間内に生地を膨化させる請求項5記載の酵 母細胞。 7.マトリックスがホエーである請求項4記載の酵母細胞。 8.マトリックスが炭水化物供給源としてグルコースを利用することができる酵 母細胞をさらに含有する請求項7記載の酵母細胞。 9.酵母細胞がプロテイナーゼA、BおよびカルボキシペプチダーゼYの活性を 実質的にもたない請求項1記載の酵母細胞。 10.唯一の炭素供給源として加水分解されたラクトースをさらに利用すること ができる請求項1記載の酵母細 胞。 11.摂氏約10度未満の温度で実質的に停止する増殖能をさらに有する請求項 1記載の酵母細胞。 12.少なくとも6重量%のエタノール濃度を有する混合物中で増殖することが できる属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細胞。 13.プロテイナーゼA、プロテイナーゼBおよびカルボキシペプチダーゼYの 活性が実質的にない属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細胞。 14.混合物がパン生地である請求項12記載の酵母細胞。 15.酵母細胞が散在されているパン生地をさらに含有する請求項11記載の酵 母細胞。 16.グルコースの存在下で炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用する ことができる属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細胞を準備し、 該酵母細胞をホエー中に散在させ、そして ホエーに対する酵母細胞の作用により産生されたグルコースおよびエタノール を抽出する、 ことからなるホエーをグルコースおよびエタノールに変換する方法。 17.炭水化物供給源としてガラクトースのみを利用することができる属種サッ カロミセス・セレビシアエの酵母細胞および慣用のパン酵母細胞を準備し、 該酵母細胞をホエー中に散在させ、そして ホエー上の酵母細胞の作用により産生されたエタノールを抽出する、 ことからなるホエーをエタノールに変換する方法。 18.グルコースの存在下で唯一の炭水化物供給源としてガラクトースを利用す ることができ、そして少なくとも約6重量%のエタノール濃度を有する混合物中 で増殖することができる属種サッカロミセス・セレビシアエの酵母細胞を準備し 、 該酵母を生地マトリックス中に散在させ、そして 酵母を有する生地を該生地が膨化される容器に移す、 ことからなるパン生地の膨化時間を短縮する方法。
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