JPH09509653A - キレート基を有するセリンプロテアーゼ阻害剤 - Google Patents

キレート基を有するセリンプロテアーゼ阻害剤

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JPH09509653A JP7519884A JP51988495A JPH09509653A JP H09509653 A JPH09509653 A JP H09509653A JP 7519884 A JP7519884 A JP 7519884A JP 51988495 A JP51988495 A JP 51988495A JP H09509653 A JPH09509653 A JP H09509653A
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Abstract

(57)【要約】 検出可能因子と錯体生成可能なキレート基を有し、キレート基はペプチドまたは疑似ペプチドと、キレート基がペプチドまたは疑似ペプチドのトロンビンへの結合能を阻害または妨害しないように結合している、トリプシン様セリンプロテアーゼ阻害ペプチドまたは疑似ペプチド、好ましくは遊離形または塩形または錯体形、例えば検出可能因子との錯体である、式IまたはIIで示される化合物、その製造、その医薬としての使用、または例えば血栓造影のための放射性医薬としてのγ−放出放射性核種との錯体およびこのような化合物を含む医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 キレート基を有するセリンプロテアーゼ阻害剤 本発明はセリンプロテアーゼ、例えばトロンビンの阻害剤および血栓造影剤と して使用するこのような阻害剤の共役体に関する。 トロンビンおよび他のセリンプロテアーゼおよびそれらの阻害剤は、その内容 を本明細書に引用して包含するWO94/20526に記載されている。 本発明により、遷移状態アナログであり、トロンビンへの結合能を阻害または 妨害せずにキレート基で修飾され得るアミノ基を含むペプチドーおよび疑似ペプ チド性トリプシン様セリンプロテアーゼ阻害剤が、興味深い特性を有する新規化 合物を提供することが判明した。 遷移状態アナログとは、Proteinase Inhibitors,Ed.Elsevier Amsterdam,1 986,p.57中でA.J.Barrett et al.により定義されている化合物を意味する。 本明細書で使用の用語“疑似ペプチド”または“疑似ペプチド性”は、2つの アミノ酸残基間のペプチド結合が、天然であれ非天然であれ、任意のイソステリ ック基、例えば−CH2−NH−で置換されているペプチドイソステレを意味す る。疑似ペプチドは、1個またはそれ以上のこのようなイソステリック結合を有 し得る。 本発明により、検出可能因子と錯体生成可能なキレート基を有し、キレート基 はペプチドまたは疑似ペプチドと、キレート基がペプチドまたは疑似ペプチドの トロンビンへの結合能を阻害または妨害しないように結合しているトリプシン様 セリンプロテアーゼ阻害ペプチドまたは疑似ペプチドが提供される。 これらの化合物は、以後本発明の化合物と称する。 キレート基は、共有結合でペプチドまたは疑似ペプチドのアミノ基と結合して いる。キレート基は好ましくはペプチドまたは疑似ペプチドのN−末端アミノ基 に結合している。 キレート基は、直接または間接的に、例えばスペーサー基の手段によりペプチ ドまたは疑似ペプチドのアミノ基と結合し得る。好ましくはキレート基はペプチ ドまたは疑似ペプチドまたはペプチド−スペーサーまたは(疑似ペプチド)−スペ ーサー分子にアミド結合により結合している。 好ましい本発明の化合物は、C−末端ホウ酸誘導体残基、特にリジン、オルニ チン、アルギニンまたは脂肪族アミノアルコールのC−末端ホウ酸誘導体を含む ものである。更に好ましくは、疎水性側鎖を有する非天然α−アミノ酸を更に少 なくとも一つ含むものである。 一つの態様において、本発明は、遊離形または塩形の式I 〔式中、 Y1およびY2は独立してOHまたはFもしくは一緒になって、少なくとも2つの 原子が結合する鎖または環で分けられ、上記鎖または環が1から約20の炭素原 子および所望によりN、SまたはOであるヘテロ原子を有する、少なくとも二つ のヒドロキシ基を有するジヒドロキシ化合物から由来する分子を形成する; R1は−(CH2)z−X、−CH(CH3)−(CH2)2−X、−CH2−CH(CH3)− CH2−X、−(CH2)2−CH(CH3)−Xおよび−(CH2)2−C(CH3)2−X( ここでXは−NH2、−NH−C(NH)−NH2または−S−C(NH)−NH2お よびzは3から5)からなる群から選択される置換アルキル; mは1または2; r、o、pおよびqは独立してそれぞれ1または0; A1、A2およびA3は独立して、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、 Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrお よびValからなる群から選択されたL−またはD−配置のアミノ酸; Wは化合物のN−末端アミノ基に結合しているキレート基、および Zは直接結合またはスペーサー〕 で示される化合物を提供する。 A1、A2、A3、R、Y1、Y2、p、q、rおよびoの好ましい意味は、その 内容を本明細書に引用して包含する、欧州特許EP−A2−293,881号に 記載されている。 特に好ましい式Iで示される化合物は である。 更なるまたは別の態様において、本発明は式II 〔式中、W、Zおよびmは上記で定義の意味、 Yはn+1アミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアー ゼ活性部位に対する親和性を有するように選択されたnアミノ酸の配列(ここで 、nは1から10、好ましくは1から4の整数であり、この中で少なくとも一つ のアミノ酸が疎水性側鎖を有する非天然アミノ酸である); Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR2、−CONR23、− NR23および−OR6、またはQ1およびQ2は一緒になってジオール残基を形 成し、R2、R3およびR6は同一または異なってC1-10アルキル、C6-10アリー ル、C6-10アラルキルまたはC1-4アルキル、ハロゲンおよびC1-4アルコキシか らなる群から選ばれた3個までの基で置換されているフェニル; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−Z1−X1、 (ここで、Z1は−(CH2)s−;−CH(CH3)−(CH2)2−、−CH2−CH( CH3)−CH2−、−(CH2)2−CH(CH3)−、−(CH2)2−C(CH3)2−、− CH(CH3)−(CH2)3−、−CH2−CH(CH3)−(CH2)2−、−(CH2)2− CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−C(CH3)2−、−(CH2)2−C(CH3)2− CH2−、(CH2)3−CH(CH3)−、−(CH2)3−CH(CH3)−CH2−、C6- 10 アリールまたはC6-10アラルキル、 sは2、3、4または5 およびX1は−NH2、−NH−C(NH)−NH2、−S−C(NH)−NH2、− N3、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−Si(CH3)3、OH、SH、N R78または所望によりハロゲン、OHおよびC1-4アルコキシからなる群から 選ばれた3個までの基で置換されていてもよいフェニルまたはC(NH)R10、 R7はHまたはC1-10アルキル;R8はC1-10アルキル、−CO−R9または CS−R9;R10はC1-3アルキルまたはN(CH3)2、またはNR1112; R9はHまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6 -10 アラルキルおよびR11およびR12は(同一または異なって)HまたはC1-10ア ルキル) またはR4およびR5が共にトリメチレン基を形成し、 *印の不斉炭素はD−またはL−配置を有し得るかまたはこれらの任意の混合物 を示す〕 で示される化合物を提供する。 好ましいY、R4、R5、Q1およびQ2の意味は、下記に示し、その内容を本明 細書に引用して包含するEP−A−471,651およびWO94/20526 にまた記載されている。 非天然アミノ酸は、D−またはL−Ala、Arg、Asp、Cys、Gln、Glu、G ly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrまた はVal以外の任意のアミノ酸を意味する。 好ましい非天然アミノ酸は式III (式中、R18は疎水性基)で示されるものである。好ましい疎水性基は、所望によ り極性基により置換されていてもよい芳香族、少なくとも2個の環および非極性 置換基を有するアリサイクリック基または第3級ブチルまたはトリメチルシリル 基に結合したメチレン基からなる。好ましいR18は、R18'であり、R18'は式c )、d)、e)、f)、g)、h)またはi)である。 式IIIで示される非天然アミノ酸は、D−またはL−形であり得、またはこれ らの任意の混合物であるが、好ましくはD−形である。 特に好ましい式IIで示される化合物は、Q1およびQ2が一緒になって式a)の OPin基を示すものである。 Yを構成するアミノ酸は、タンパク質中に天然に発生するL−アミノ酸から選 択され得るα−アミノ酸、その対応する光学異性体D−アミノ酸またはグルタミ ン酸ガンマーピペリジド: のような化学的修飾アルファ−アミノ酸またはピペコル酸(Pip)であるが、ただ し少なくとも一つのアミノ酸が疎水性基側鎖を有する非天然アミノ酸である。 更に好ましい式IIで示される化合物は、Yが2個のアミノ酸配列であり、その N−末端アミノ酸が非天然アミノ酸および他方がL−プロリン(Pro)であるもの 、例えば式IIa 〔式中、W、Z、R4およびR18は上記で定義の意味およびR'5は−(CH2)5・− X'1、 (ここでX'1は−NH2、−NH−C(NH)−NH2、−N3、OH、−Si(C H3)3、フェニル、モノクロロ−フェニル、ジメチルアミノ−フェニル、−NH −C(O)−CH3、−NHC(O)H、−NHC(S)−NHCH3、−NH−C(O) −CH(CH3)2、−NH−C(O)−CH2−CH3、−NH−C(O)−CH2−C lまたは−NH−C(O)−OCH3およびs'は2、3または4)〕 示される化合物である。 例えば、Wとしての好適なキレート基は、検出可能因子と錯体生成可能な生理 学的に許容可能なキレート基である。 好ましくは、キレート基は実質的に疎水性特性を有する。キレート基の例は、 イミノジカルボキシル基またはポリアミノポリカルボキシル基、例えばエチレン ジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、 エチレングリコール−O,O'−ビス(2−アミノエチル)−N,N,N',N'−テト ラ酢酸(EGTA)、N,N'−ビス(ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N, N'−ジ酢酸(HBED)およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(TTHA)の ような非環状配位子に由来するもの;p−イソチオシアナート−ベンジル−ED TAまたは−DPTA、P−アミノ−ベンジル−DTPAまたはω−アミノ−C1-4 アルキレン−DTPAのような置換EDTAまたは−DPTAに由来するも の;巨大環状配位子、例えば1,4,7,10−テトラアザシクロードデカン−N, N',N",N'"−テトラ酢酸(DOTA)、1,4,7,10−テトラ−アザシクロト リデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(TITRA)および1,4,8,11−テト ラアザシクロテトラデカン−N,N',N",N"'−テトラ酢酸(TETA)由来のも の;シクラメスを含む、上記のようなN−置換またはC−置換巨大環状アミン、 例えば1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(TETRA)由来のもの およびEP304,780A1およびWO89/01476−Aに記載のものを 含む。 Tc標識に特に好適なキレート基は、99mTcと錯体生成できる、例えばその 内容を本明細書に引用して包含するEP−A−279,417、DOS4128 183またはWO92/05154に記載のような任意のキレート基であり得る 。これらの錯体生成基は、式−(R20)n・−R21(式中、n'は0または1、R20は C1-6アルキレン、−O−C1-6アルキレンまたは−NH−C1-6アルキレンおよ びR21は−NCS、カルボキシ基またはそれらの官能的誘導体、例えば酸ハライ ド、無水物またはヒドラジド)を経由して、所望によりスペーサー基を介してペ プチドまたは疑似ペプチドに結合し得る。 好ましいキレート基は、式(j) W'−CH2−Xa−NH− (j) 〔式中、W'は非環状または環状ポリアミノ−ポリ酢酸または無水物由来のキレ ート基および XaはフェニレンまたはC1-3アルキレン〕 で示される基である。 DTPAまたは置換DTPA、例えば 由来の基は、キレート基として好ましい。 例えばZとして好適なスペーサー基は、式(k) −R22−R23−CO− (k) 〔式中、R22はキレート化剤と共有結合反応できる官能的分子由来の二価残基、 および R23はO、S、CO、−NH−、−NHCO−、N(C1-4アルキル)−CO− および−N(C1-4アルキル)−から選べれた1個またはそれ以上のヘテロ原子ま たは残基が任意に介在していてもよいC1-11アルキレン、C2-11アルケニレンま たは−CH(R24)−(ここで、R24は天然または非天然α−アミノ酸に結合した 残基、例えば水素、C1-11アルキル、ベンジル、所望により置換されていてもよ いベンジル、ナフチルーメチル、ピリジル−メチル)〕 で示される基を含む。 式IおよびIIで示される化合物において、mは好ましくは1である。 本発明の化合物は、遊離形または塩形で存在し得る。塩は酸付加塩、例えば有 機酸、重合酸または無機酸;例えば塩酸塩および酢酸塩およびキレート基に存在 するカルボン酸基と共に得られる塩形、例えばナトリウムまたはカリウムのよう なアルカリ金属塩もしくは置換または非置換アンモニウム塩を含む。 本発明は、本発明の化合物の製造法もまた提供する。それらは既知の方法と同 様にして製造され得る。 本発明の化合物は、例えば下記のようにして製造し得る: a)保護基を有する本発明のトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害ペプチドに存 在する少なくとも一つの保護基を除去する; b)それぞれ少なくとも一つの保護または非保護形のアミノ酸を含み、一方がキ レート基を含む二つのペプチドフラグメントをアミド結合により結合させ、アミ ド結合は所望のアミノ酸配列が得られるようなものであり、次いで所望により上 記工程a)を行う; c)キレート化剤と保護または非保護形の所望のペプチドを、キレート基がペプ チドの所望のアミノ基に結合するような方法で結合させ、所望により上記工程a )を行う;または d)キレート基を有する非保護または保護ペプチドの官能基を、キレート基を有 する所望の非保護または保護ペプチドが得られるように除去または変換し、適切 であれば上記工程a)を行う、 およびこのようにして得た本発明の化合物を遊離形または塩形で回収する。 上記の反応は、例えば、特に上記工程a)およびc)に関して以下の実施例に記 載してあるように、既知の方法と同様にして行い得る。キレート基をアミド結合 により結合する場合、アミド形成で使用する方法と同様にして行い得る。所望に より、これらの反応において、ペプチドにおいて使用するのが好適なまたは所望 のキレート基のために使用するのが好適な保護基を、反応に関係ない官能基のた めに使用し得る。保護基の用語は、また官能基を有するポリマー樹脂を含み得る 。 キレート基を、出発物質として使用する1個またはそれ以上の側鎖アミノ基を 含むペプチドまたはペプチドフラグメントのN−末端アミノ酸に結合させるのが 望ましい場合、これらの側鎖アミノ基は簡便には、例えばペプチド化学で使用す るような保護基により保護する。 キレート基を有し、上記工程b)で使用するペプチドフラグメントは、保護ま たは非保護形の少なくとも一つのアミノ酸を含むペプチドフラグメントをキレー ト化剤と反応させることにより製造し得る。反応は、工程c)と同様にして行い 得る。 工程c)で使用するキレート化剤は、既知であるか、既知の工程と同様にして 製造し得る。使用する化合物は、所望のキレート基をペプチドに導入させるよう なもの、例えば記載のポリアミノポリカルボン酸、その塩または無水物である。 上記工程において、出発物質として使用する、スペーサー基を経由してペプチ ドに結合したキレート化剤、例えば上記で定義の式(j)で示される基を有するア ミノ酸、ペプチドフラグメントまたはペプチドは、対応するスペーサー基から遊 離したアミノ酸またはペプチドを既知の方法で、スペーサー基を含む酸または酸 反応性誘導体のような対応するスペーサー産生化合物と反応させることにより製 造し得る。例えば、式R'22−R23−COOH(式中、R'22はキレート化剤と共 有反応できる官能性分子)で示される酸または活性エステルのようなその反応性 酸誘導体を使用し得る。活性エステル基またはカルボキシ活性化基の例は、例え ば4−ニトロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、サク シンイミジルまたは1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾリルである。 別法として、キレート化剤は、最初にスペーサー基産生化合物と反応させ、ス ペーサー基を有するようにし、次いで既知の方法でペプチド、ペプチドフラグメ ントまたはアミノ酸と反応させ得る。 工程b)、c)およびd)で使用するペプチドまたはペプチドフラグメントは 、例えば、EP−A2−293,881、EP−A2−471,561またはW O94/20526に記載のように製造し得る。 本発明の化合物は、例えばクロマトグラフィーのような既知の方法で精製し得 る。好ましくは本発明の化合物は、キレート基から遊離したペプチドを5重量% 以下含む。 本発明により、本発明の化合物が薬理活性を示し、したがって薬学的に有用で あることが判明した。 本発明の化合物は、WO94/20526に記載の試験方法で示唆されるよう なトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害特性を有する。 本発明の化合物は、トリプシン様セリンプロテアーゼの阻害剤として有用であ り、WO94/2O526に記載のように使用し投与し得る。 本発明の化合物は、遊離形または製薬上許容可能な塩形で投与し得る。このよ うな塩は既知の方法で製造し得、遊離化合物と同程度の活性を示す。 前記に従い、本発明は更に: a)医薬として使用する本発明の化合物または製薬上許容可能なその塩; b)1種またはそれ以上のトリプシン様セリンプロテアーゼ過剰が原因である疾 患の、処置を必要とする患者における、予防または処置法であり、患者に有効量 の本発明の化合物または薬学上許容可能なその塩を投与することを含む方法; c)薬学上許容可能な希釈剤または担体と共に、遊離形または薬学上許容可能な 塩形の本発明の化合物を含む、医薬組成物 を提供する。 本発明の更なる態様により、本発明の化合物は検出可能因子と共に錯体化でき る。 従って、本発明は、検出可能因子と錯体化している、上記で定義の遊離形また は塩形の本発明の化合物(以後、本発明のキレートと称する)、その製造法および 診断薬としてのその使用もまた提供する。 用語、検出可能因子は、診断技術により検出可能な特性を示す任意の因子、好 ましくは金属イオンを意味し、例えば金属イオンは、検出可能放射能を発する金 属イオンまたはNMR弛緩特性に影響を及ぼすことが可能な金属イオンである。 好適な検出可能金属イオンは、例えば常磁性イオン、例えばGd3+、Fe3+、 Mn2+およびCr2+、蛍光金属イオン、例えばEu3+、および放射性核種、例え ばγ−放出放射性核種、ポジトロン放出放射性核種、例えば68Gaを含む。 好適なγ−放出放射性核種は、診断技術に有用なものを含む。γ−放出放射性 核種は、有利には、1時間から40日、好ましくは5時間から4日、更に好まし くは5時間から3日の半減期を有し、好ましくは100−200KeVの好まし くは単一γ−放出を示すべきである。例は、ガリウム、インジウム、テクネチウ ム、イッテルビウム、レニウムおよびタリウム由来の放射性核種、例えば67Ga 、111In、99mTc、169Ybである。 本発明のキレートは、化合物を対応する検出可能因子産生化合物、例えば金属 塩、好ましくは水溶性塩と反応させることにより製造し得る。反応は、例えばPe rrin,Organic Ligand,Chemical Data Series 22,NY Pergamon Press(1982); KrejcaritおよびTucker,Biophys.Biochem.Res.Com.77:51(1977);およびWa gnerおよびWelch,J.Nucl.Med.20:428(1979)に記載のような既知の方法と同 様にして行い得る。 好ましくは本発明の化合物の錯化は、それが安定なpHで行う。 別法として、検出可能因子は、中間体キレート化剤、例えば生理学的pHで可 溶性の因子を放出するが、キレートより温度力学的に安定ではないキレート錯体 を形成するキレート化剤との錯体として溶液に提供し得る。このような中間体キ レート化剤の例は、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼン−ジスルホン酸(Ti ron)である。このような工程において、検出可能因子は配位子を交換する。 上記反応は、既知の方法と同様にして行い得る。上記反応は、簡便には微量金 属汚染を避ける条件下で行う。好ましくは蒸溜脱イオン水、超濾過試薬、担体非 添加放射活性等を微量元素の作用を減少させるために使用する。 本発明のキレートは、例えば遊離形または塩形で存在し得る。塩は、例えば有 機酸、重合酸または無機酸との酸付加塩、例えば塩酸塩および酢酸塩ならびにキ レート形成に無関係の分子に存在するカルボン酸基と共に得られる塩形を含む。 本発明のキレートおよびそれらの製薬上許容可能な塩は診断活性を有し、従っ て造影剤、例えば血栓の可視化に有用である。標準インビトロ試験で示されるよ うな明白な血清安定性および血栓に対する結合親和性を示す。実施例4の化合物 はヒト血清中で、インビトロ試験した場合、210時間の半減期を有する。 従って、本発明はまた患者における血栓のインビボ検出法を提供し、a)本発 明のキレートを患者に投与し、b)キレートにより標的にされた血栓の位置を記 録することを含む。 上記方法により造影剤として使用する本発明のキレートは、非経口的、好まし くは静脈内に、例えば、注射可能溶液または懸濁液の形で、好ましくは一回注射 で投与し得る。好適な用量は、例えば使用する化合物および検出可能因子の型に 依存してもちろん変化する。注射すべき好適な投与量は当分野で既知の光走査方 法により造影可能な範囲である。本発明のキレートは、有利には、安定なキレー ト放射性核種0.1−10mCiを含む用量で投与し得る。 動物において、示唆される用量範囲は、γ−放出放射性核種0.02−0.5mC iで標識された本発明の化合物0.1−1μg/kgであり得る。大型動物、例えば ヒトにおいて、示唆される用量範囲は、例えばγ−放出放射性核種3−10mCi 、好ましくは2−5mCiで標識された本発明の化合物1−20μgであり得る。 キレートによる血栓の局在化は、対応する造影技術に従い、例えば核医薬造影 装置、例えばスキャナー、平面映像を得るための既知のガンマカメラ、シングル ・フォトン・エミッション・コンピューター・テクノグラフィー(SPECT)を 行うための回転γ−カメラの使用またはフォトン・エミッション・トモグラフィ ー(PET)を行うための好適な装置を使用し得、それぞれ好ましくはコンピュー ターが補助している。 本発明のキレートは、遊離形または製薬上許容可能な塩形で投与し得る。この ような塩は、既知の方法で製造し得、遊離化合物と同程度の活性を示す。 本発明のキレートは、心筋炎症、動脈硬化症、発作、播種血管内凝集、手術前 −および後、血管再管形成、固定化、心房細動および心不全による血管血栓疾患 により導かれる血栓形成の検出に特に有用である。 本発明の方法に使用するための本発明のキレートは、好ましくは患者への投与 直前に製造する、即ち、所望の検出可能金属イオンによる放射性標識は、投与直 前に行う。 本発明の更なる態様により、遊離形または製薬上許容可能な塩形の本発明のキ レートを、1個またはそれ以上の製薬上許容可能な担体または希釈剤と共に含む 医薬組成物を提供する。 このような組成物は既知の方法で製造し得る。 本発明の組成物は、別々のパッケージで、化合物と金属イオンを混合するため のおよび得られるキレートを投与するための説明書付きで提供し得る。2成分形 、即ち、これらの化合物および検出可能金属イオンを別々の単位用量で含む一つ のパッケージの形で、化合物と金属イオンを混合するためのおよび得られるキレ ートを投与するための説明書付きでまた提供し得る。 以下の実施例において、全ての温度は℃であり、[α]D 20値は未補正である。 以下の略語を使用する: Bzl=ベンジル Z=ベンジルオキシカルボニル Boc=t−ブチルオキシカルボニル Ac=アセチル MeOH=メチルアルコール EtOH=エチルアルコール EtOAc=酢酸エチル DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド HONSu=N−ヒドロキシ−サクシンイミド OPin=ピナンジオール TFA=トリフルオロ酢酸 THF=テトラヒドロフラン DMF=ジメチルホルムアミド Np=p−ニトロフェニル TLC=薄層クロマトグラフィー Baa=−NH−CH−(CH2CH2CH2Br)B− TMSal=トリメチルシリルアラニン BoroLys=−NH−CH−(CH2−CH2−CH2−CH2−NH2)B− DTPA−(p−NH−Bzl)= (t−Bu)−DTPA−(p−NH Bzl)=DTPA−(p−NH Bzl)のt− ブチルエステル(4×) 実施例1 DTPA−(D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin)2 a)DTPA−(D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin)2 H−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin(トリフルオロ 酢酸)(428.4mg、0.5mMol)をジオキサンに溶解し、飽和水性NaHCO3 5.0mlおよびDTPA−無水物(0.268g、0.75mMol)で処理する。混合 物を0.5時間、室温で撹拌する。酢酸(35.0ml)を添加し、混合物を真空、4 0°で濃縮する。得られる残渣をEtOAcおよびH2O50mlで処理する。水 性相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をH2Oで洗浄する。Na2So4で 乾燥し、真空で濃縮した後、残渣を4.0×25cmHPLC−カラムRP18(1 0μm)、H2O/MeOH/酢酸でクロマトグラフィーに付す。所望の産物が白 色泡状物として得られる、MS:1842(M+H)+。 b)DTPA−(D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin)2 工程a)のDTPA−(D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−O Pin)2(1.92g、1.042mMol)をDMF中のピペリジン(20%溶液)5.0 mlで、室温で15分処理する。得られる懸濁液をエーテル50mlで希釈し、所望 の産物が、粗物質として沈澱する。この材料をDowex(1−×4、200−40 0メッシュ)、EtOH/H2O(1:1)および10%AcOHで精製する。溶媒 を除去後、所望の生産物が白色泡状物として得られ、EtOH/エーテルから結 晶化し、無定形白色固体としての標題化合物を得る。MS:1398(M+H)+ ;[α]D=−72.0°(MeOH中c=0.35)。 出発物質として使用するH−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys −OPin(トリフルオロ酢酸)は、下記のように製造し得る: A)Boc−D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin はEP−A−471,651の実施例5の記載のように製造し得る。 B)Boc−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin ジオキサン中のBoc−D−TMSal−Pro−BoroLys−OPin(620.7mg 、1.0mMol)およびFmoc−OSu(337.3mg、1.0mMol)を室温で飽和水性 NaHCO3溶液で処理する。45分後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水 および食塩水で洗浄する。Na2SO4で乾燥し、真空濃縮した後、標題化合物を 更に精製することなく次工程に使用する。 C)H−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin(トリフルオ ロ酢酸) 工程B)の生産物(2.36g、2.8mMol)をTFA/H2O(95:5)8.5m lおよびアニソール0.85mlで処理する。室温1時間後、反応混合物を真空濃縮 し、得られる油状物を3.2×25cmHPLCカラムRP18(10μm)、H2O /MeOH/TFAでクロマトグラフィーに付する。所望の生産物が白色泡状物 として得られる、MS:743(M+H)+実施例2:実施例1の化合物の111In標識 実施例1の化合物1mgを0.01M酢酸5mlに溶解する。得られる溶液を0.2 2μ Millex−GVフィルターを通し、0.1mlに分配し、−20℃で保存する 。111InCl3(Amersham、1mCi/100μl)を等量の0.5M酢酸ナトリウム に予備希釈し、標識を、配位子をInCl3溶液と混合し、室温で穏やかに均質 化することにより行う。 次いで、HEPES緩衝液、pH7.4を添加し、10-6M溶液を作る。実施例3: DTPA−(p−NH−Bzl)−CO(CH2)2CO−D−TMSal−Pro−Boro Lys−OPin a)HOOC(CH2)2CO−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys− OPin H−D−TMSal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin(実施例1のト リフルオロ酢酸、工程C)(0.857g、1.0mMol)をジオキサンに溶解し、室 温で飽和水性NaHCO3溶液および無水コハク酸(0.11g、1.10mMol)で 処理する。45分後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水性NaHSO4溶液( 1M)および食塩水で洗浄する。有機相をNa2SO4で乾燥し、真空濃縮する。 得られる粗生産物を3.2×25cmHPLC−カラムRP18(10μm)H2O/ MeOHのクロマトグラフィーに付する。所望の生産物が白色泡状物として得ら れ る、MS:843(M+H)+。 b)(t.Bu)−DTPA−(p−NH−Bzl)−CO−(CH2)2CO−D−TM Sal−Pro−Boro(ε−N−Fmoc)−Lys−OPin THF中の工程a)の生産物(623mg、0.739mMol)を0°に冷却し、N −メチルモルホリン(0.081ml、0.739mMol)およびピバロイルクロリド( 0.095ml、0.776mMol)で処理し、混合無水物を形成する。1時間0°で 撹拌した後、反応混合物を(t.Bu)−DTPA−(p−NH2−Bzl)(575mg 、0.739mMol)(Bioconjugate Chem.1991,2(3),180-186に記載のように) および更なるN−メチルモルホリン(0.081ml、0.739mMol)で処理する 。反応混合物を15時間室温で撹拌し、次いでEtOAcで希釈し、水性クエン 酸溶液(1M)、水性飽和NaHCO3溶液および食塩水で洗浄する。有機相をN a2SO4で乾燥し、真空濃縮する。得られる油状物を3.2×25cmHPLC− カラムRP18(10μm)、H2O/MeOH/TFAのクロマトグラフィーに付 する。所望の生産物が白色泡状物として得られる、MS:1603(M+H)+。 c)DTPA−(p−NH−Bzl)−CO(CH2)2CO−D−TMSal−Pro−B oro(ε−N−Fmoc)Lys−OPin 工程b)の生産物(576mg、0.296mMol)を、アニソール/エタンジチオ ール(1:1)の存在下で、7時間室温でのTFA/H2O(95:5)の処理によ り鹸化する。過剰のTFAを真空で除去し、得られる残渣をエーテルで処理し、 所望の生産物を沈殿させる。濾過および減圧下乾燥後、標題化合物が、トリフル オロ酢酸塩の無定形固体泡状物として得られる、MS:1323(M+H)+。 d)DTPA−(p−NH−Bzl)−CO(CH2)2CO−D−TMSal−Pro−B oroLys−OPin 工程c)の生産物(326mg、0.2463mMol)をDMF中のピペリジン(2 0%溶液)2.0mlで室温で15分処理する。得られる混合物をエーテルで希釈し 、所望の生産物が白色固体として沈殿する。この物質をDowex(1−×4、20 0−400メッシュ)、EtOH/H2O(1:1)および10%AcOHで精製す る。溶媒除去後、標題化合物が白色凍結乾燥物(H2Oから)として得られる、M S: 1101(M+H)+、[α]D=−31.8°(MeOH中c=0.27)。実施例4:実施例3の化合物の111In標識 111In標識化合物は、実施例2の記載と同じ方法を使用して製造する。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年1月24日 【補正内容】 請求の範囲 1.遊離形または塩形の式II 〔式中、 Wは化合物のN−末端アミノ基に結合しているキレート基、および Zは直接結合またはスペーサー; Yは2個のアミノ酸の配列であり、そのN−末端アミノ酸が、式III (式中、R18は式c)、d)、e)、f)、g)、h)またはi) である)の非天然アミノ酸であり、他方のアミノ酸はL−プロリンである; Q1およびQ2はいずれも−OHであるか、または一緒になって式a) を示す; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−Z1−X1、 (ここで、Z1は−(CH2)s−;−CH(CH3)−(CH2)2−、−CH2−CH( CH3)−CH2−、−(CH2)2−CH(CH3)−、−(CH2)2−C(CH3)2−、− CH(CH3)−(CH2)3−、−CH2−CH(CH3)−(CH2)2−、−(CH2)2− CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−C(CH3)2−、−(CH2)2−C(CH3)2− CH2−、(CH2)3−CH(CH3)−、−(CH2)3−CH(CH3)−CH2−、C6- 10 アリールまたはC6-10アラルキル、 sは2、3、4または5 およびX1は−NH2、−NH−C(NH)−NH2、−S−C(NH)−NH2、− N3、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−Si(CH3)3、OH、SH、N R78または所望によりハロゲン、OHおよびC1-4アルコキシからなる群から 選ばれた3個までの基で置換されていてもよいフェニルまたはC(NH)R10、 R7はHまたはC1-10アルキル;R8はC1-10アルキル、−CO−R9または CS−R9;R10はC1-3アルキルまたはN(CH3)2、またはNR1112; R9はHまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6 -10 アラルキルおよびR11およびR12は(同一または異なって)HまたはC1-10ア ルキル) またはR4およびR5が共にトリメチレン基を形成し、 mは1または2、 *印の不斉炭素はD−またはL−配置を有し得るかまたはこれらの任意の混合物 を示す〕 で示される化合物。 2.X1が−NH2、−NH−C(NH)−NH2、−N3、−OH、−Si(CH3 )3、フェニル、モノクロロフェニル、ジメチルアミノフェニル、−NH−C(O) −CH3、−NH−C(O)H、−NHC(S)−NHCH3、−NHC(O)−CH( CH3)2、−NH−C(O)−CH2−CH3、−NH−C(O)−CH2−Clまたは −NH−C(O)−OCH3である、請求項1記載の化合物。 3.キレート基がイミノジカルボン酸基またはポリアミノポリカルボン酸基で ある、請求項1または2記載の化合物。 4.キレート基が式(j) W'−CH2−Xa−NH− (j) 〔式中、W'は非環状または環状ポリアミノ−ポリ酢酸または無水物由来のキレ ート基および XaはフェニレンまたはC1-3アルキレン〕 で示される基である、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。 5.式(d) −R22−R23−CO− (d) 〔式中、R22はキレート化剤と共有結合反応できる官能的分子由来の二価残基、 および R23はO、S、CO、−NH−、−NHCO−、N(C1-4アルキル)−CO− および−N(C1-4アルキル)−から選ばれた1個またはそれ以上のヘテロ原子ま たは残基が任意に介在していてもよいC1-11アルキレン、C2-11アルケニレンま たは−CH(R24)−(ここで、R24は天然または非天然α−アミノ酸、に結合し た残基、例えば水素、C1-11アルキル、ベンジル、所望により置換されていても よいベンジル、ナフチル−メチル、ピリジル−メチル)〕 で示されるスペーサー基を含む、請求項1−4のいずれかに記載の化合物。 6.遊離形または塩形のDTPA−(p−NH−Bzl)−CO(CH2)3CO−T MSal−Pro−BoroLys−OPin。 7.検出可能因子と錯体化している請求項1−6のいずれかに記載の化合物を 含むキレート。 8.請求項7に記載のキレートの診断的使用。 9.請求項7記載のキレートを、製薬上許容可能な担体または希釈剤と共に含 む診断用組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,F I,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LT,LV,MD,MG,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,RO,RU,SD,SI,SK,T J,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.検出可能因子と錯体生成可能なキレート基を有し、キレート基はペプチド または疑似ペプチドと、キレート基がペプチドまたは疑似ペプチドのトロンビン への結合能を阻害または妨害しないように結合している、トリプシン様セリンプ ロテアーゼ阻害ペプチドまたは疑似ペプチドである化合物。 2.キレート基がペプチドまたは疑似ペプチドのN−末端アミノ基に結合して いる、請求項1記載のペプチドまたは疑似ペプチドである化合物。 3.キレート基がスペーサー基によりペプチドまたは疑似ペプチドのアミノ基 に結合している、請求項1または2記載のペプチドまたは疑似ペプチドである化 合物。 4.遊離形または塩形の式I 〔式中、 Y1およびY2は独立してOHまたはFもしくは一緒になって、少なくとも2つの 原子が結合する鎖または環で分けられ、上記鎖または環が1から約20の炭素原 子および所望によりN、SまたはOであるヘテロ原子を有する、少なくとも二つ のヒドロキシ基を有するジヒドロキシ化合物から由来する分子を形成する; R1は−(CH2)z−X、−CH(CH3)−(CH2)2−X、−CH2−CH(CH3)− CH2−X、−(CH2)2−CH(CH3)−Xおよび−(CH2)2−C(CH3)2−X( ここでXは−NH2、−NH−C(NH)−NH2または−S−C(NH)−NH2お よびzは3から5、からなる群から選択される置換アルキル; mは1または2; r、o、pおよびqは独立してそれぞれ1または0; A1、A2およびA3は独立して、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、 Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyrお よびValからなる群から選択されたL−またはD−配置のアミノ酸; Wは化合物のN−末端アミノ基に結合しているキレート基、および zは直接結合またはスペーサー〕 で示される化合物。 5.式II 〔式中、W、Zおよびmは上記で定義の意味、 Yはn+1アミノ酸ペプチドY−LysまたはY−Argがトリプシン様プロテアー ゼ活性部位に対する親和性を有するように選択されたnアミノ酸の配列(ここで 、nは1から10、好ましくは1から4の整数であり、この中で少なくとも一つ のアミノ酸が疎水性側鎖を有する非天然アミノ酸である); Q1およびQ2は、同一または異なって−OH、−COR2、−CONR23、− NR23および−OR6またはQ1およびQ2は一緒になってジオール残基を形成 し、R2、R3およびR6は同一または異なってC1-10アルキル、C6-10アリール 、C6-10アラルキルまたはC1-4アルキル、ハロゲンおよびC1-4アルコキシから なる群から選ばれた3個までの基で置換されているフェニル; R4は水素またはC1-10アルキル; R5は−Z1−X1、 (ここで、Z1は−(CH2)5−;−CH(CH3)−(CH2)2−、−CH2−CH( CH3)−CH2−、−(CH2)2−CH(CH3)−、−(CH2)2−C(CH3)2−、− CH(CH3)−(CH2)3−、−CH2−CH(CH3)−(CH2)2−、−(CH2)2− CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−C(CH3)2−、−(CH2)2−C(CH3)2− CH2−、(CH2)3−CH(CH3)−、−(CH2)3−CH(CH3)−CH2−、C6- 10 アリールまたはC6-10アラルキル、 sは2、3、4または5 およびX1は−NH2、−NH−C(NH)−NH2、−S−C(NH)−NH2、− N3、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、−Si(CH3)3、OH、SH、 NR78または所望によりハロゲン、OHおよびC1-4アルコキシからなる群か ら選ばれた3個までの基で置換されていてもよいフェニルまたはC(NH)R10、 R7はHまたはC1-10アルキル;R8はC1-10アルキル、−CO−R9または CS−R9;R10はC1-3アルキルまたはN(CH3)2、またはNR1112; R9はHまたはC1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリール、C6 -10 アラルキルおよびR11およびR12は(同一または異なって)HまたはC1-10ア ルキル) またはR4およびR5が共にトリメチレン基を形成し、 *印の不斉炭素はD−またはL−配置を有し得るかまたはこれらの任意の混合物 を示す〕 で示される化合物。 6.キレート基がイミノジカルボン酸基またはポリアミノポリカルボン酸基で ある、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。 7.キレート基が式(c) W'−CH2−Xa−NH− (c) 〔式中、W'は非環状または環状ポリアミノ−ポリ酢酸または無水物由来のキレ ート基および XaはフェニレンまたはC1-3アルキレン〕 で示される基である、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。 8.スペーサー基が式(d) −R22−R23−CO− (d) 〔式中、R22はキレート化剤と共有結合反応できる官能的分子由来の二価残基、 および R23はO、S、CO、−NH−、−NHCO−、N(C1-4アルキル)−CO− および−N(C1-4アルキル)−から選ばれた1個またはそれ以上のヘテロ原子ま たは残基が任意に介在していてもよいC1-11アルキレン、C2-11アルケニレンま たは−CH(R24)−(ここで、R24は天然または非天然α−アミノ酸に結合した 残基、例えば水素、C1-11アルキル、ベンジル、所望により置換されていてもよ いベンジル、ナフチル−メチル、ピリジル−メチル)〕 で示される基である、請求項3−8のいずれかに記載の化合物。 9.a)保護基を有する本発明のトリプシン様セリンプロテアーゼ阻害ペプチ ドに存在する少なくとも一つの保護基を除去する; b)それぞれ少なくとも一つの保護または非保護形のアミノ酸を含み、一方がキ レート基を含む二つのペプチドフラグメントをアミド結合により結合させ、アミ ド結合は所望のアミノ酸配列が得られるようなものであり、次いで所望により上 記工程a)を行う; c)キレート化剤と保護または非保護形の所望のペプチドを、キレート基がペプ チドの所望のアミノ基に結合するような方法で結合させ、所望により上記工程a )を行う;または d)キレート基を有する非保護または保護ペプチドの官能基を、キレート基を有 する所望の非保護または保護ペプチドが得られるように除去または変換し、適切 であれば上記工程a)を行う、 およびこのようにして得た本発明の化合物を遊離形または塩形で回収することを 含む、請求項1から8のいずれかに記載の化合物の製造法。 10.請求項1−8のいずれかに記載の化合物の臨床的使用。 11.検出可能因子と錯体化している請求項1−8のいずれかの化合物を含む キレート。 12.請求項11記載のキレートの診断的使用。 13.請求項1−8のいずれかに記載の化合物、または請求項11記載のキレ ートを、製薬上許容可能な担体または希釈剤と共に含む医薬組成物。
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