JPH09508899A - 生物学的防除剤としてのトリコデルマおよび代謝生成物 - Google Patents
生物学的防除剤としてのトリコデルマおよび代謝生成物Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は(i)Trichoderma 科の生物、および(ii)代謝生成物、例えば6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクトン、ならびにそのコンビネーションを、例えばボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病を含めてある範囲の植物病害の防除に使用する方法に関する。種々な具体例にはある範囲の病害の防止法、ならびに病害の処置および防除の方法がある。植物の生育媒質の処理法も論議されている。
Description
【発明の詳細な説明】
生物学的防除剤としてのトリコデルマおよび代謝生成物技術分野
本発明は、真菌および微生物の活動を防除するために、生物学的防除剤ならび
にそれから得られる代謝生成物を使用する方法に関する。本発明は主としてTric
hoderma 属の生物、とりわけ6−ペンチル−α−ピロン(6−アミル−α−ピロ
ンとしても知られる)、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクトンの少
なくとも一つを代謝生成物として産生する生物の使用法に向けられる。背景技術
作物上の真菌を防除するには主として合成殺真菌剤が使用される。しかし、多
くは他の毒性効果を示し、農業用化学剤を支配する管理と規制が厳しくなるにつ
れて、将来市場からの撤退に直面するであろう。他の例としては、天然物を指向
する国民の傾向からすれば、合成物質および非天然物質であることを悟った物質
に対する消費者の抵抗が起こるかもしれない。
この分野のもう一つの問題は、標的とされる多くの生物が普通に使用される防
除剤に対して耐性を増大しつつあることである。従って現在使用されている防除
剤の後に続く代替物質に対する要望、理想的には現存する防除剤に取って代わり
真菌および(または)微生物により殆ど耐性を示さない物質に対する要望がある
。
森林樹木の真菌病原体であるArmillariaは115年以前に初めて同定され、現
在は世界中の種々な木質植物種における大きい問題として認識されている。50
0種以上の異なる植物種がこの生物の害を蒙り易いことは公知である。乱されて
いない自然のままの森林においては、この生物が厳しい損害を与えることは滅多
にないが、木が伐採されると腐りつつある切り株や根は豊富な栄養源となり、従
ってArmillariaは残存する灌木および樹木に対して破壊的に感染するようになる
かもしれない。
Armillariaは森林産業を荒廃させることもありうる。侵された森林地のため年
間数10億ドルが失なわれる。最悪の損失は自然の樹木のおおいを一掃した後の森
林再生の結果として起こる。ニュージーランドにおいて、地域市場および輸出市
場に対する主要な材木用作物であるPinus radiata の最初の損失5%未満から9
0%を超す損失はArmillariaに帰因するとされた。
Armillariaにより侵されるもう一つの主要作物は、一般に開墾された土地に植
樹された果樹園におけるキウイフルーツである。Armillariaは1955年にニュ
ージーランドのキウイフルーツに対する新しい病気として記載された。しかし、
キウイフルーツのArmillaria感染の最初の詳細な報告は、カリホルニアにおける
US Department of Agriculture果樹園であり、それによると1967年から19
71年にかけてこのつる植物の衰えと枯死が記述された。
1980年以前には、ニュージーランドのキウイフルーツにおけるArmillaria
の発生は時折であり、余り重要でない植物病原体であると考えられた。1980
年から1990年に感染果樹園の数に劇的な増加が起こり、その結果産業が打撃
を受けた。もしこの病害が広がり続けたならば重大な意味をもつ程の産業の損害
が予想される。
キウイフルーツおよびPinus radiata は両方ともニュージーランドにとって主
要な輸出作物であり、合成有害生成防除剤によるこれら商品の処理は多くの輸出
市場および一般国民消費者に受け入れられない。Armillariaの防除に関する限り
、Leach は1936年に森林樹木の樹皮を環状にはぎ取ることから生ずる何らか
の効果を報告したが、これはニュージーランドでは推奨できない。それはこの方
法で処理されたヤナギの木がArmillariaの高い発生率を示すようであり、そして
ヤナギはキウイフルーツ果樹園で使用される防風樹の一つだからである。
他の植物病原体も商業的に損害を与えている。例えば、Botrytis cinereaはブ
ドウに及ぼすその影響およびキウイフルーツの貯蔵腐敗ならびにブドウやイチゴ
などの果粒のカビのような病害の原因としてよく知られている。Botrytis病は全
世界を通じて野菜、装飾植物、果実および温室作物の最も普通のそして最も広く
分布した病気である。ニュージーランドにおいて、Botrytis cinereaは経済的に
重要な多くの園芸用作物、例えばキウイフルーツ、ソラマメおよびイチゴを攻撃
し、とりわけ重要な二つの病気、即ちトマト灰色カビ病およびブドウのふさ腐れ
の病原体である。過去においては、これら病気の防除は殺真菌剤のベンゾイミダ
ゾールおよびジカルボキシイミド群の使用に広く頼っていた。しかし、殺真菌剤
に対する耐性の出現によってこれら薬剤の有効性が減じ、従って別の防除法が要
求されている。
Phytophthoraも商業上重要な作物に影響を及ぼし、とりわけリンゴの裾腐病(
クラウンロット)の原因となる。この場合にも、Phytophthoraに関連した問題と
取り組むために市販化学薬剤が使用されて来たが、この生物に対して一般にごく
部分的にしか有効でない現行の薬剤に対する改良代替品が要望される。
銀皮病(silver-leaf)はもう一つの植物病で、これに対して現在適用できる方
法は部分的に有効であるに過ぎない。これら一般的な四つの病気(Botrytis,Ar
millaria、銀皮病およびPhytophthora)はこれらすべてが商業的に重要な作物を
襲い、一般に化学薬剤に基づく殺真菌剤である市販薬剤の使用による防除が困難
である点に特徴がある。
本発明の一つの目的は上記の諸問題と取り組むこと、あるいは少なくとも一般
国民に有用な選択を提供することにある。
本発明のさらなる態様および利点は例示としてのみ示した次の説明から明らか
となるであろう。発明の開示
本発明の一つの態様は、ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフィ
トフトラ病からなる一群の標的病害の少なくとも一つの防除法あるいは防止法を
提供することである。前記方法は6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラ
クトン、およびマソイアラクトンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群中
の少なくとも一つの生成物の投与からなる。
本発明の更に一つの態様は、ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、および
フィトフトラ病からなる一群の標的病害の少なくとも一つを防除あるいは防止す
る方法を提供することにあり、そして前記方法は6−ペンチル−α−ピロン、マ
ソイアラクトン、およびデルタ−デカノラクトンからなる群の少なくとも一種の
「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTrichoderma 科中の少なくとも1種
の活性生物を投与することからなる。
本発明のもう一つの態様は実質的に前述した方法を提供することにあり、投与
される物は、
デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラク
トンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群中の少なくとも一つの生成物、
および
6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラク
トンからなる群の「活性Trichoderma 代謝生成物」の少なくとも一つを産生するTrichoderma
科に属する少なくとも1種の活性生物
の両方を包含する。
本発明の更にもう一つの態様は、ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、お
よびフィトフトラ病からなる一群の標的病害の少なくとも一つに対する抵抗性を
植物に与える方法を提供することからなり、前記方法はマソイアラクトン、6−
ペンチル−α−ピロン、およびデルタ−デカノラクトンからなる一群のTrichode rma
代謝生成物の中の少なくとも一つを産生するTrichoderma 科の少なくとも1
種の活性集団を植物体あるいはその根域のいずれかまたは両方に定着させること
からなる。
本発明の更にもう一つの態様は、ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、お
よびフィトフトラ病からなる一群の標的病害の少なくとも一つと取り組むために
、植物生育媒質を処理する方法を提供することにあり、前記方法は
デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラク
トンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも一つの生成物、お
よび
6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラク
トンからなる群中の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生す
るTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物
のいずれかまたは両方を、生育媒質中に導入することからなる。
本発明の更にもう一つの態様は、ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、お
よびフィトフトラ病からなる群の標的病害の少なくとも一つを防除するための組
成物を提供することにあり、前記組成物は1種以上の「活性Trichoderma 代謝生
成物」を産生しうるTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物と組み合わせた
デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラクトン
からなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種からなる。
本発明の更にもう一つの態様は、
デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラク
トンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種、および
6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラク
トンからなる群の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTrichoderma
科の少なくとも1種の活性生物
のいずれかまたは両方を導入した、植物の生育を支えることのできる媒質からな
る処理植物生育媒質を提供することにある。
本発明の更にもう一つの態様は、植物の病気から実生を保護する方法を提供す
ることにあり、前記方法は、前記実生の根に
デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラク
トンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種、および
6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラク
トンからなる群中の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生す
るTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物
のいずれかまたは両方を、散布、噴霧、浸漬、または他の手段により施用するこ
とからなる。
本明細書中で用いた「活性Trichoderma 代謝生成物」という用語は、Trichode rma
科に属する生物の代謝生成物を指し、そしてそれは標的病原体の発育、定着
および(または)生存を抑制あるいは悪影響を与えることに活性を発揮するもの
である。更に詳しく言えば、該群は6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノ
ラクトン、およびマソイアラクトンからなる。「標的病原体」という用語は「Bo
trytis,Armillaria、銀皮病、およびPhytophthora」からなる群の一つを指すの
がよい。本明細書中に記載された代謝生成物の多くは、他の病気および真菌によ
る不利益に対して有用な活性を示すので、本発明に係る使用法を標的とする病原
体に制限する必要はない。例えば、他の作物病原体、例えば
Nectria galligena,Sclerotium rolfsii,Rhizoctonia solani,Sclerotium
cepivorum,Macrophomina phoseolina,Fusarium oxysporum,Verticillium alb
ostrum,Chondrostereum purpureum,Scleratinia sclerotiorum,Pythium ultim
um およびCorticumrolfsii
の問題にも取り組むことができる。
本出願者等による創意に富んだ研究は、幾つかのTrichoderma 代謝生成物が上
記「標的病原体」に対して特に有効であることを確定した。少なくともBotrytis
cinereaに対する「活性Trichoderma 代謝生成物」の有効性が試行により示され
た。さらなる試行および先行技術の追試によれば、多くの場合これらの結果は標
的病原体群の他の生物の防除に対して、また上に挙げた他の植物の病気および真
菌による不利益にも推し進めることができることが示された。
特に適当な代謝物化合物は6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクト
ン、およびマソイアラクトンである。これらは実質的に純粋な化合物を植物およ
び植物体に適用することにより効果的に使用できる。これは状況により左右され
、例えば組成物の辺材中への注入が特に適当であることもあれば、他方キウイフ
ルーツの摘み取り傷に対しては、その摘み取り傷の部分に組成物を噴霧するか軽
く塗りつけるのがよいであろう。本発明に係る組成物は一種以上の活性Trichode rma
代謝生成物を含むことができる。これらは幾つかの給源から誘導できる。例
えば、6−ペンチル−α−ピロンは種々なTrichoderma 生物から単離でき、ある
いは合成的につくられた6−アミル−α−ピロンを代用できる。同様に、他の「
活性Trichoderma 代謝生成物」も合成的につくるか、あるいは天然の給源から抽
出でき、種々な生合成および他の技術にも頼ることができる。
活性代謝生成物は防除に対して信頼できるが、代謝物産生生物も供給系の一部
として使用できる。Trichoderma 科の生物を植物および作物に導入することはも
う一つの別法であり、代謝物産生生物と補助的代謝物との組合せも同様である。
しかし、「生きている」防除組成物の使用は収穫後の作物ではなく、植物に対し
て主として使用する(例外があるかもしれないが)ことが考えられる。研究の間
に本出願者等が観察したことは、容器内で発育させた微生物は求める代謝物をか
なりせまい時間帯(2日か3日と短かいことがある)で産生し、その後は見られ
ないことである。しかし、栄養物が豊富にある自然の状態においては、微生物は
しばしば数週間あるいはもっと長く持続する連続体として二次的な代謝物を産生
する。ある生物制御の状況ではこれがそれに相当する。
従って、代謝生成物を産生するTrichoderma からなる防除剤を植物あるいはそ
の生育媒質に適用する場合には、上記の拡張された代謝物産生時間帯を期待する
ことができる。ある場合には、いったん適用されたTrichoderma 生物の定着を助
長するために、防除組成物と共に栄養物を含めることが一層有利である。防除剤
の施用時に栄養物を導入するか、同時施用することが好ましい。
もう一つの観察事項は、活性生物がそれらのすぐ周囲へ比較的容易に望む代謝
生成物を速やかに分泌し、その上これらは代謝生成物を重要な活性部位および組
織導管へ供給しうることである。従って、活性代謝物産生生物を含む組成物は多
くの応用に対して能率的な供給方式を提供しうる。適用された代謝生成物は多く
の状況に対して、例えば果実の摘取り傷に対して、十分ではあるが、常に、「生
きている」組成物が与えうる活性期間を提供するわけではない。それ故活性微生
物を含有する具体例の継続的かつ残留する活性は、多くの状況において用途を見
出し、常用される技術および物質を超える多大の利点を提供することができる。
ある場合には、代謝生成物と活性代謝物産生生物との組合せが信頼できること
も明らかであろう。活性代謝生成物を、多分比較的高濃度で植物または他の基質
に直ちに供給する組成物がある状況においては要求されるかもしれない。しかし
、単離された代謝生成物が一般にその場に留まるあるいは利用できる筈の期間を
超える期間代謝生成物の継続する存在を求める要望もありうる。
多くのTrichoderma 科の生物が野外試験で種々な作物病原体の防除に順調に使
用された。例として、Nectria gallingena(リンゴ),Sclerotium rolfsii(タバ
コ、ソラマメ、イリス);Rhizoctonia solani(ラディッシュ、イチゴ、キウリ、
バレイショ、およびトマト);Sclerotium cepivorum(タマネギ);Macrophomina ph
aseolina(トウモロコシ、メロン、ソラマメ、および他の経済的に重要な作物),F
usarium oxysporum(トマト)およびChrysanthemum およびVerticillium albo-s
trum(トマト);Chondrostereum purpureum(ピップフルーツ、石果および他の作物
);およびBotrytis cincrea(リンゴ、キウイフルーツ)がある。Armillaria防除
ニュージーランドにおいて、Armillariaに対する一層効果的な生物学的防除剤
は、Trichoderma hamatum,T.harzianum,T.viride、および他のTrichoderma 種
の分離株、とりわけベイ・オブ・プレンティ(Bay of plenty)でArmillaria感染
果樹園および森林部位から集収されたもの、であることが試験により示された。
あるTrichoderma 株はArmillariaの菌糸体および菌糸束上で発育しかつこれを消
費しつつあった。実験室に移したとき、容器内試験でArmillariaに対するTricho derma
分離株の活性が確認され、多くの試験の結果として、優れた株が野外用に
選ばれ、異なる発酵技術および製剤技術が現行進行中である。
二重プレート技術、および光による可視化処理および走査型電子顕微鏡を使用
するTrichoderma 分離株とArmillaria novaezelandiae との間の容器内相互作用
の研究において、11個の潜在的に勝れたTrichoderma 分離株が評価された。こ
れらにはT.hamatum,T.harzianumおよびT.viride株が含まれ、その評価は主要な
二点をカバーした:即ちArmillariaに対する拮抗能力およびTrichoderma 分離株
相互の融和性の二点である。従ってこれらは接種材配合物として使用できるであ
ろう。すべてのTrichoderma 分離株は二重の培養でArmillariaと拮抗した。この
拮抗はArmillaria菌糸体表面の褐色残留物の形成、Armillaria菌糸体の黄変、Tr ichoderma
によるArmillariaの異常発育、およびArmillariaコロニーの広汎な菌
糸体束開始により表示された。重要なことに、Armillariaに接近したTrichoderm a
分離株の拮抗応答に差があり、T.harzianum の容器内培養は対にした検定法で
T.hamatum およびT.virideにより容易に異常増殖した。
上記観察事項に加えて、Trichoderma とArmillariaとの間の拮抗に及ぼす温度
効果も認められた。20から25℃でT.hamatum およびT.vivideにより最大の拮
抗が示されたのに対し、T.harzianum 分離株は25℃で支配的に有効であった。
またTrichoderma とArmillariaとの間の拮抗に及ぼすpH効果もあった。これは
麦芽エキス寒天上では塩基性でpHで最大であったが、水道水寒天上では酸性条
件が一般に都合がよかった。更にまた、低栄養培地上でのTrichoderma 胞子の発
芽は酸性条件下で促進された。二重培養においてTrichoderma とArmillariaとの
間の相対的発育速度の違いにより栄養物に対する競合があった。Trichoderma と
Armillaria菌糸体束との間の相互作用は、重寄生が防除機構の一部かもしれない
ことを間接的に示した。
活性Trichoderma 代謝生成物
ニュージーランドの実験で、Trichoderma 分離株の若干により容器内で抗生物
質が産生され、液体培養とスプリットプレート技術を用いることにより抗生作用
が検出された。しかし、Trichoderma 分離株が揮発性および不揮発性抗生物質を
産生する能力は、種内でまた種間で異なることが分かった。分離株のあるものの
培養濾液もArmillariaの発育に対し阻止作用があることが分かった。
構造1。6−ペンチル−α−ピロン(=6−アミル−α−ピロン)の構造
種々なTrichoderma 種が幾つかの抗生物質を産生することが研究により証明さ
れた。それらの中最も普通のものは6−ペンチル−α−ピロン(構造1)で、強
力な抗真菌活性をもつ。そのココナツ/セロリ様の臭気が単離したとき大気中に
広がり、においを嗅ぐことによりTrichoderma 培養から容易に検知できる。6−
ペンチル−α−ピロンの容器内検定は、例えば15μl/4mmディスクの割合
で適用したこの代謝物の1:40希釈液が、アフラトキシン産生株であるAspevg
illus flavusの発育を阻止することを示した。
T.lignorumおよびT.virideは両者ともトリコデルミン(4β−アセトキシ−1
2−13−エポキシトリコテセ−9−エン)を産生し、このものは多くの真菌、
例えばCondida albicans、に対し顕著な抗生物質効果をもつが、細菌に対しては
比較的不活性な天然物(構造2)である。都合の悪いことに、このものは植物成
長調節性を有し、ある種の草様植物に対し選択的に有毒である。しかし、このも
のはその同種のものと比較してマウスで比較的低毒性(LD50 1g/kg経口
)であり、一時は医薬品取引により候補の抗生物質であると考えられた。その後
生物活性をもつ他の種々なTrichoderma 代謝生成物が発見されたが、これについ
ては後で議論する(下を見よ)。
これ以外のTrichoderma 代謝生成物はマソイアラクトン(マソイラクトンとし
ても知られる)および±デルタ−デカノラクトンである。本出願者等による予備
試験は、標的病原体に対しマソイアラクトンに有用な活性があることを示した。
6−ペンチル−α−ピロンの場合と同様に、マソニアラクトンのような代謝生成
物はTrichoderma 種の定着により、即ちTrichoderma のマソイアラクトン産生種
集団の定着により導入できる。マソイアラクトン、デルタ−デカノラクトンおよ
び他の「活性Trichoderma 代謝生成物」の多くの使用法は、6−ペンチル−α−
ピロン産生Trichoderma 種の使用法と類似していることは明らかであり、後者に
ついて多くの例を本明細書中に示した。また種々な「活性Trichoderma 代謝生成
物」および(または)活性代謝物産生Trichoderma 種を含む組成物は本発明に従
ってすべて調製でき、かつ使用できることも明白である。
構造2。トリコデルミン(4β−アセトキシ−12−13−エポキシトリコテセ
−9−エン)の構造
Pinus Radiata のArmillaria病に及ぼすTrichoderma および6−ペンチル−α
−ピロンの観察された効果
6−ペンチル−α−ピロンを含むTrichoderma から得た粗製抽出物および合成
6−ペンチル−α−ピロン(以後は「天然」物と天然物の「合成によるコピー」
とを区別するため6−アミル−α−ピロンと呼ぶ)を容器内検定でArmillaria n
ovae zelandiae に対し評価した。強力な抗微生物活性が6−アミル−α−ピロ
ンについて4μl/ディスクといった少量で見られ、同時に粗製抽出物も活性で
あった。他の微生物も強く阻止されたが、それらにはBotrytis cinerea、
Scletotinia sclerotiorum,Chondrostereum purpureum,Phytophthora fraga
riae,Fythium ultimum.およびCorticium rolfsii
が包含され、これらはすべて重要な植物病原体である。これらの結果から重要な
それぞれの作物での野外試験へと進んだ。
最初の段階として、Trichoderma 処理は必要な部位へ6−ペンチル−α−ピロ
ンを供給する能率的方法であると思われるので、選ばれたTrichoderma 種分離株
をPinus radiata 組織培養苗木を用いて実験室検定で試験した。栄養物が使い尽
された非常に古い培養を除き、病原性あるいは毒性は見られなかった。この実験
に続いて、ニュージーランドにおいて夏季に私的な森林試験を開始し、Trichode rma
で処理した後では、対照処理と比較して処理植物は枯死数が少なく、より元
気であった。処理樹木のうちArmillariaによって感染し、枯死した木(5.9%
)は対照(22%)と比べてずっと少なかった(P<0.019)。処理樹木は
未処理の木よりも丈が高く、樹幹が太く、天蓋が広かった。結局、他の50ha
のP.radiata をTrichoderma およびTrichoderma と6−アミル−α−ピロンとの
種々な組合せで処理し、Armillariaに対する効果および活気の増進を測定した。
キウイフルーツのArmillaria病に及ぼすTrichoderma および6−ペンチル−α−
ピロン/6−アミル−α−ピロンの効果
切り倒されArmillariaの可能な感染源となった防風樹木の切り株をTrichoderm a
製剤で処置した。土壌の改良はキウイフルーツ果樹園内の生物の広がりを抑制
あるいは防止した。更に感染性Armillaria部位とキウイ植栽との間の障壁溝の土
壌処理も非常に効果的であった。土壌ドレンチも有効であった。キウイの木の樹
幹中に直接Trichoderma の製剤を注入すると感染した植え付けが回復することが
ある。維管束形成層の五分の四といった多くが破壊された感染域へ、Trichoderm a
からつくったペーストを直接適用したところそのつる植物は完全に治った。維
管束形成層が育つにつれて、つる植物はその失なわれた活気を再び取り戻し生産
的になった。Trichoderma による根の処置は、病害部位のキウイ移植における枯
死率を、未処置植物の約50%から処置植物の5%へと減らした。選ばれたTric hoderma
分離株も貯蔵キウイフルーツに対する抗真菌剤としての使用法について
評価された。Botrytis cinereaは完全に抑制された。Sclerotinia sclerotiorum
を含めて他の貯蔵生物をTrichoderma およびGliocladium 種で処理
したところ先ずキウイフルーツで順調に防除された。
ベイ・オブ・プレンティにおいてArmillariaが感染したキウイフルーツつる植
物に10から100μl/つる植物の6−アミル−α−ピロン、10から50μ
l/つる植物の6−ペンチル−α−ピロン(天然物は合成物と比べて多量に手に
入れることは困難である)、および300μlの粗製抽出物(6−ペンチル−α
−ピロンを含むことが判っているもの。T.hamarum の高産生分離株から得た)に
わたる処置剤を2月に注入した。他の感染つる植物にはArmillariaに対して効力
が証明された混合株Trichoderma 製剤を注入した。Armillariaに感染したすべて
の未処置つる植物は6ヶ月以内に枯死した。6−アミル−α−ピロンおよび6−
ペンチル−α−ピロン両方による処置は感染つる植物の生存率を増加させた(−
50%まで)。しかし、Trichoderma 製剤は更に一層効果的であり、感染つる植
物の80%以上が生存した。粗製抽出物は6−アミル−α−ピロンおよび6−ペ
ンチル−α−ピロンとほぼ同じ位活性があった。
銀皮病の防除に及ぼすTrichoderma の観察効果
Trichoderma の高6−ペンチル−α−ピロン産生株、とりわけT.hamatum,を用
いる効果的な病害防除が銀皮病(Chondrostereum)に対してニュージーランドの
ノースアイランドで達成された。この生物は実験室検定でTrichoderma 分離株に
より容器内で抑制されたものである。Trichoderma の液体製剤による注入はPyru
s serorinia(ナシ、エイシャンピアー)の銀皮病を迅速に防除し、重度に侵さ
れた木でも完全に回復した。処置された殆どの木が処置後2年間病気に罹らない
ままであった。更に、Trichoderma を含むプルーニング・ペースト(pruning pas
te)は感染梨園の銀皮病の広がりを著しく減少させた。
ポストハーべスト処理
園芸生産物は貯蔵寿命を増すため収穫後すぐに殺菌剤で処理することがある。
これは処理が残留するかもしれないので重要な段階である。殺菌剤の性質によっ
ては、消費者に関する限り、その含まれる意味は長く未解決となる結果かもしれ
い。合成殺菌剤に代る幾つかの生物抑制剤が評価され、その化学がある程度詳し
く研究された。図面の簡単な説明
本発明の更に幾つかの態様が、例示としてのみ図に関して提出した記述から明
らかになるであろう。図において、図1
はBotrytis試験第一評価−一週間目のグラフであり、図2
はBotrytis試験第一評価−二週間目のグラフであり、図3
はBotrytis試験第二評価−一週間目のグラフであり、図4
はBotrytis試験第二評価−二週間目のグラフであり、図5
はBotrytis試験第三評価−一週間目のグラフであり、図6
はBotrytis試験第一評価−二週間目のグラフであり、図7
冷所貯蔵3ケ月後のキウイフルーツ上のBotrytis貯蔵腐れの発生−試験一図8
冷所貯蔵3ケ月後のキウイフルーツ上のBotrytis貯蔵腐れの発生−試験二図9
種々なTrichoderma 代謝生成物の異なる濃度による種々な真菌の抑制表本発明の最良の実施法
6AAP(6−アミル−α−ピロン)の使用法を他の物質と比較しながらBotr ytis cinerea
の防除に向けた試験を行なった。この試験の中に、ある種の真菌に
対してある程度効果を示したタイム油の使用を含めた。またRONILANTMの
名で市場に出ている商業用殺真菌剤も含めた。第一、第二、および第三評価とし
て示した3通りの試験を行い、それらの結果を表2〜表4に要約する。図1から
図8は試験の間に蓄積されたデータのグラフによる表示である。
これら試験は、キウイフルーツの摘み取り傷に対して種々な割合で適用した6
−ペンチル−α−ピロン(6PAP)およびその合成等価物6−アミル−α−ピ
ロン(6AAP)の飛沫の機械施用である。
実験はTrichoderma 試料中の6−ペンチル−α−ピロンの量を定量するのに適
した抽出試験も生み出した。この実験手順の概略を下に示すが、これには種々なTrichoderma
試料中の典型的な6−ペンチル−α−ピロン含量の詳細も含まれる
。高濃度の6−ペンチル−α−ピロン産生を示す株が本発明に係る組成物および
方法に特に好ましいことは言うまでもない。表1を参照すると、メタノール−水
抽出溶媒に対して7.5mg/kgの6PAPを示す株が一般に最も適している
。はるかに高濃度、典型的には25mg/kg以上を示す株は本発明の殆どの具
体
例において一般に好ましいであろう。しかし、注意すべきことは、ある特定の株
が6−ペンチル−α−ピロンを産生する期間も考慮に入れなければならないこと
である。
この実験操作手順の目的のために下記の符号を用いる;
実験
抽出法の試験
方法PAP−1は次のように要約される:
1.固体の副試料、典型的には10g、を採る。
2.試料を水+メタノールの混合物と混合する。
3.濾過。
4.緩衝食塩溶液で希釈後、抽出液の一部をシクロヘキサン中に分配する。
5.遠心して相を分離する。
6.上澄有機層を無水硫酸ナトリウム中に通して濾過し、集める。
7.GC/FICにより分析。
この手順の諸点を試験する。
抽出溶媒試験
各試料の10g副試料を2種類の異なる溶媒系、即ち水(17ml)+メタノー
ル(50ml)(PAP−1に対する溶媒と同じ)および80:5:15アセト
ニトリル−メタノール−水(50ml)、で抽出することにより11本の試料の
最初のふるい分けを行なった。配合後、各混合物を真空下で濾過した。
アセトニトリル−メタノール−水の抽出剤は放置すると迅速に清澄し、速く濾
過されるが、水−メタノール抽出混合物は容易には清澄せず、濾過がおそく(典
型的には20〜30分)、混濁した濾液を生ずることが分かった。濾過助剤(セ
ライト)を使用するとこれら水−メタノール抽出液を1〜2分で濾過することが
できた。
分配溶媒試験
試料の水−メタノール抽出液を使用して、3種類の異なる分配溶媒、即ちシク
ロヘキサン、酢酸エチルおよびトルエンを試験した。
抽出溶媒対分配希釈剤試験
緩衝食塩溶液の代りに分配希釈剤として水による幾つかの予備試験は、アセト
ニトリル−メタノール−水抽出液の場合相分離がしばしば困難かまたは分離が得
られないことを示した。二つのT.koningii抽出液はゲルを生じ、このものは遠心
によりこわれなかった。
方法と6PAP分析結果に及ぼす抽出溶媒および食塩濃度の影響についての詳
細な調査をT.koningii培養NZ164/USの副試料を用いて行った。試験した
溶媒はメタノール、水およびアセトニトリルの種々な混合物であり、用いた食塩
濃度は10%、5%および2.5%であった。各試験は二重に行なった。新しい
抽出溶媒および方法による再現性試験
これら研究の進行中に新しい抽出溶媒85:15メタノール−水が開発され、
PAP−1で推奨された溶媒と交替した。その抽出混合物は最早濾過の必要がな
く、放置中に清澄させることができた。分配工程はPAP−1で述べた通りであ
り、相の分離後シクロヘキサン層を乾燥し、PAP−1の場合のように分析した
。
試料TBHPP7およびNZ164/USを用いてこの新しい方法の再現性を
試験した。それぞれの5本ずつの複製副試料を抽出し、各抽出溶液を仕上げ処理
し、二重に分析した。
抽出物のシリカ上での分別
NZ164/USの85:15メタノール−水による抽出から得られた20m
l試料を方法に従いシクロヘキサン中に分配した(4.1参照)。全シクロヘキ
サンフラクションを集め、蒸発させ、秤量し、次にシクロヘキサン(4ml)に
再溶解し、乾燥シリカ(Dabisil)のカラム(内径8mmのカラム中に2g)に適
用した。このカラム中に更に6mlのシクロヘキサンを通過させ、溶離液をF1
として集めた。カラムを各50mlの10:90,20:80,50:50,7
5:25,酢酸エチル−シクロヘキサン、酢酸エチル、および90:10酢酸
エチル−メタノールで溶離して更に6フラクション(F2〜F7)を集めた。す
べてのフラクションを蒸発させ、残留物を秤量した後2mlのシクロヘキサンに
再び溶かして分析に供した。
結果
抽出溶媒試験
初期試験
二つの抽出溶媒系を比較した結果を表1に示す。試料中の6PAP濃度に対す
る算定値はこれら二つの系で同様であったが、Klaffenbach により述べられたメ
タノール−水抽出系(PAP−1)を用いるとより高い値が得られた。
アセトニトリルをベースとする溶媒系は迅速に清澄し、濾過を必要としない抽
出液を与えるが、分配工程で問題があることが分かった。幾つかの試料に対して
乳濁系を形成し、遠心によってもこれをこわすことは困難であった。6PAPに
対する算定値が低いのはこれが原因かもしれない。他方、メタノールを基本とす
る系は清澄が遅く、濾過助剤無しで濾過することは困難であった。
分配溶媒試験
酢酸エチルおよびトルエンを用いた結果はシクロヘキサンを用いた結果と同様
であった。シクロヘキサンはえり抜きの溶媒の位置を保っている。
別の抽出溶媒および分配希釈剤の試験
初期の試験(3.1.1)は試験した両方の溶媒系について、とりわけNZ16
4/USのようなT.koningiiの培養に適用した場合に実際上の問題を示した。更
に一連の試験を行なってより良い抽出/分配系を確立した。結果を表2に示す。
注目すべき点は、
a)抽出液の清澄速度は5>>4>3>2>1であった。
b)アセトニトリルを50%以上の濃度で使用すると、食塩水分配に関して問題
を起こし、しばしば2相でなく3相を生じた。50%アセトニトリルに対して
は10%食塩水でこれが起こったが、84%アセトニトリルの場合には10%お
よび5%食塩溶液についてこれが起こった。
c)抽出溶媒がアセトニトリルを含むとき、得られる6PAP濃度は低濃度の食
塩溶液で増加した。
d)85:15メタノール−水抽出剤は最も一貫した6PAP値を与えた。
これら試験の結果、85:15メタノール−水の抽出溶媒を再現性試験に使
用した。
6PAPに対する分析法の再現性
二試料の各々の5本の複製副試料を85:15メタノール−水で抽出し、6P
AP濃度を二重に分析した。結果を表3に提出する。この結果は本法が良い再現
性を与えることを示している。
シリカ分別
NZ164/USから得た20ml量の抽出液(表3,抽出液3)をこの実験
に使用した。3.1.4の結果に基づくと、この抽出液から0.8mgの6PA
Pが生ずるに違いなかった。シクロヘキサン中に分配された抽出残留物の全重量
は17.5mgであった。シリカ分別後回収された全重量は13.8mgで、こ
れは主にF2(39%)、F3(29%)、F4(7%)およびF7(14%)
に見出された。回収された全6PAPは0.54mgで、これはF2(87%)
とF3(13%)に見出された。最初の抽出液に観察されたすべての他のGC/
FIDピークもF2とF3中に溶離された。
6PAP分析に推奨される方法
抽出とワークショップ
a)試料(10g)を85:15メタノール−水(50ml)と高速度で2分間
配合し、混合物を沸騰管中にデカンテーションする。
b)試料を1時間、あるいは透明な上澄が生ずるまで放置する。
c)抽出溶液の一部(4ml)を10%緩衝食塩溶液(10ml)に加え、次に
シクロヘキサン(2ml)を加え、混合物を振りまぜ、沈降させた。
d)シクロヘキサン層の一部を無水硫酸ナトリウムに通して濾過し、次にGC/
FIDにより分析する。
e)6PAPだけを分析するときは下のプログラムAを使用し、他のピークをス
クリーニングするときはプログラムBを使用する。
GC条件
カラム:25mHP−5,内径0.2mm,フィルム0.33μm
検知器:FID 280℃
インジェクター:280℃,スプリット1:20,注入量1μl
プログラムA:160℃5分、次に30℃/分で230℃に上げ、10分保ち、
リセット。
6PAPの保持時間は3−4分。
B:120℃12分、次に30℃/分で230℃に上げ、10分保ち
、リセット。
6PAPの保持時間は11−12分。
本発明は多くの方法で実施できる。幾つかの具体例を挙げると、本発明は既に
標的病原体に感染した植物と取り組むための治療手段として使用できる。他の場
合に、本発明は予防の役割を見出すことができ、標的病原体がそれ自身種々な植
物や生産品中に定着するのを防止するよう作用する。本発明が使用さるべき役割
は、大抵の場合、使用者が頼ることのできる特別な具体例の上に意味をもつであ
ろう。
例えば、治療型の役割においては、例えば6−ペンチル−α−ピロン、デルタ
−デカノラクトンおよびマソイアクラトンのような「活性Trichoderma 代謝生成
物」を含有する組成物は、植物に存在する標的病原体と取り組むにはそれ自身で
十分であるかもしれない。しかし、大抵の場合、このような製剤は、植物の必要
な部分に十分な濃度の活性代謝生成物の存在を維持するための手段を講じない限
り、その効果は比較的短命となる(例えば、それが葉から洗い落される)。組成
物に非水性成分を使用し、また活性成分の希釈あるいは除去を遅らせる多くの他
の公知の手段に訴えることができる。もう一つの選択として、治療の役割ではあ
るが、組成物に「活性Trichoderma 代謝生成物」産生生物の集団を定着させるよ
う求めることができる。このような組成物を活性代謝生成物(その給源に関係な
く)の添加で補充することも更にもう一つの選択である。この方法は活性成分が
植物にすぐに利用されるのを確実にする。6−ペンチル−α−ピロンおよび(ま
たは)他の代謝生成物の比較的高い初期濃度は植物病害の原因となる生物の濃度
を管理可能なレベルにまで減少させる上で一層有効かも知れず、その後該生物は
「活性Trichoderma 代謝生成物」産生生物の集団の定着により防除することがで
きる。
本発明を予防の役割で使用する場合、活性代謝生成物、例えば6−ペンチル−
α−ピロンの高い初期濃度は必要でなく、従って、活性代謝物産生生物の集団の
定着は、標的病害の長期に及ぶ持続的防除を提供するのに十分かもしれない。使
用者の要望により、「活性Trichoderma 代謝生成物」産生生物の使用、および二
者のコンビネーションの使用に頼ることができるのは明らかである。
本発明の幾つかの具体例においては、前記説明に基づく組成物を植物組織中に
直接導入でき、そして木質植物においてはこれは典型的には辺材である。実生に
対して、あるいは植物組織中への直接注入が実際的でない場合には、根の区域へ
の導入が満足できる。多くの場合、植物の根の区域に効果的な「活性Trichoderm a
代謝生成物」産生集団を定着させることは容易に達成できる。これは、例えば
土壌あるいは生育媒質への適当な生物の導入、鉢植えおよび実生ミックスの処理
、種子の被覆、および処理組成物中での実生の根の処理などにより成し遂げるこ
とができる。多くの他の方法、例えば植物の外面に種々な組成物を適用すること
も利用できる。若干の種々な例を次に示す。例1
「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生する。
Trichoderma 種の生きている集団を含む組成物を植物の辺材あるいはそれと等
価な部分に導入する。典型的には、これは注射によるが、切り込み中への導入も
多くの可能な技術のうちの一つである。この導入量と性質はTrichoderma 種の生
育しつつある集団が植物内に定着するようにすべきである。
組成物は1種より多くのTrichoderma 種を含有することができ、そして種々なTrichoderma
種は同じ代謝生成物を産生する必要はないし、同じ代謝生成物を同
じ割合で産生する必要もない。
変法として、「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生することができるもので
、かつ植物に対し病原性の傾向を示さない非Trichoderma 種を含むことができる
。例2
例1の組成物へ少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を含める。
興味ある特別な代謝生成物には6−ペンチル−α−ピロン、マソイアラクトン、
およびデルタ−デカノラクトンがある。例3
本例には1種以上の「活性Trichoderma 代謝生成物」を含有してなる組成物を
使用する。典型的には、このような組成物は生きているTrichoderma 材料が組成
物中に実質的に殆ど、あるいは全く、存在しないという点で例2の組成物とは異
なる。一般にこれら組成物は予防あるいは長期防除の役割よりもむしろ主として
治療あるいは防除の役割で使用される。使用法は例1および例2について、ある
いは本明細中の他の例で述べている通りでよい。例4
例1、例2または例3の組成物を植物の葉および(または)生殖に関する部分
に施用する。この場合、生殖に関する部分は果実あるいは種子を生ずる部分を含
むことが多い。人工的な環境では、あるいは人間が介入する場所では、生殖に関
する部分は挿し木、および繁殖に使用される種々な部分を含むであろう。典型的
には、施用は噴霧、浸漬、散布あるいは何らかの他の被覆法による。例5
この方法は一般に例1および例2の組成物を使用するが、長期の効果あるいは
持続する効果を望まない、または必要でない、場合には例3の組成物を使用する
。この方法によると、標的植物の隣接した相互作用環境中へ組成物を導入するが
、これは一般に土壌および根の区域を意味する。
施用法には植物生育媒質のドレンチがあり、この方法は定着した植物に適して
いる。本発明組成物を含有するマルチおよび肥料組成物も、活性代謝生成物およ
び(または)Trichoderma 種を植物の環境中に導入するために信頼できる。
種々な本発明組成物により燻蒸しそして(または)接種した鉢植えミクスおよ
び他の生育媒質の調製は、適当な薬剤を植物環境に導入する他の手段である。Tr ichoderma
種の集団を実生の根の区域に定着させた場合、移植したときの実生は
生きている十分量の生物を運ぶことになり新しい場所に新しい集団を定着させる
であろう。
例えば、Pinus radiata の実生に対しては、Trichoderma 集団を含む生育媒質
中でのこれらの繁殖に期待をかけることになろう。この実生をそれらの最後の生
育場所に移植した場合、生きているTrichoderma もそれらと一緒に運ばれる筈で
ある。実生をそれらの新しい場所に植えたとき、実生の生育媒質の若干が沈積す
るとそれが新しいTrichoderma 集団の定着を助けるであろう。植え直しの直前に
Trichoderma 含有組成物を施用すると更にその効果を高めることができるであろ
う。活性代謝生成物含有組成物の施用も有用であろう。例6
例1から例3に実質的に記載された組成物を用いて植物の傷を処置する。典型
的にはこのような組成物は流体またはペースト様であり、従ってそれらを例えば
刈込みによって起こるような傷に適用できる。非水性あるいは疎水性の成分は、
施用領域から活性代謝生成物および(または)生きている生物が洗い去られにく
くすることに期待をかけることができる。
傷に適用するための組成物はまたTrichoderma 種の集団を定着させるために適
当な生育媒質も提供できる。栄養物および適当な支持材(例えば、ペーストを用
いると、それが乾いて、あるいは固まって、傷のためのキャップあるいは覆いを
与える)は種々な組成物で処理する考慮すべき事柄である。例7
植物障害から実生を保護する方法は、実生の根に「活性Trichoderma 代謝生成
物」およびTrichoderma 科の代謝物産生生物のいずれかまたは両方を導入するこ
とからなる。この場合、代謝生成物および(または)代謝物産生生物を含む液体
組成物中に挿し木、実生などを浸すことができる。別法として、実生または挿し
木などの根あるいは適当な部分へ種々な組成物を散布あるいは噴霧することがで
きる。例8
もう一つの具体例によると、使用すべき環境中で徐々に壊れることのできる実
質的に固体のペレットを調製することができる。種々な徐壊性組成物および技術
がこの分野で公知かつ記録されており、これらに期待をかけることができる。
ペレットは典型的には「活性Trichoderma 代謝生成物」および活性代謝物を産
生するTrichoderma 生物のいずれかまたは両方を含むであろう。植物のための栄
養物および(または)Trichoderma 種をペレット中に含めることができる。他の
物質、例えば有害生物防除剤、殺真菌剤、植物ホルモンなどもペレット中に含め
ることができる。これらの他の物質も本発明の種々な他の具体例の中に包含され
るものとする。例9
「活性Trichoderma 代謝生成物」を含有してなる組成物は収穫された生産物へ
、典型的には摘み取り傷の区域に適用することができる。「生きている」Tricho derma
集団も期待をかけることができるが、これらは一般に必要ではない。一般
に代謝生成物は十分な保護を与える程長く生産物上に留まるであろう(その
取り扱いによる)。
botrytis cinereaを処理する上で種々な「活性Trichoderma 代謝生成物」の相
対的有効性を決定するため、出願者により試験を行なった。この試験はキウイフ
ルーツの摘み取り傷へ各試験物質4mgを適用するものである。結果を表8〜1
1に要約する。
この試験に用いた他の物質には RonilanTMがあり、このものはこの型の施用に
対しその使用が広く行きわたっている専売殺真菌剤である。ベーターイオノンお
よび塩化カルシウムもこの試験に含まれている。AANB,CAH,CALおよ
びBNBはキウイフルーツから抽出された種々な実験化合物である。6AAPは
6−ペンチル−α−ピロンを表す。
6−ペンチル−α−ピロンがBotrytis cinereaに対し極めて効果的であること
がこのデータから明らかである。選ばれた物質を摘み取り傷上にハンドピペット
操作する技術は常に正確とは限らず、ある場合には選ばれた物質を摘み取り傷の
上でなく傷と隣接する部位へ供給したことも注目される。この試験から観察され
たことは、摘み取り傷の隣へ施された6−ペンチル−α−ピロンが依然としてこ
の場合にはBotrytis cinereaに対し比較的有効な防除を与えたことである。
「活性Trichoderma 代謝生成物」の一つであるマソイラクトンも非常に有効で
あったが、デルタ−デカノラクトン(もう一つの「活性Trichoderma 代謝生成物
」)の効果はより小さかった。この化合物はそれが有効である植物病原体に対し
ては一層選択的であるようだが、Botrytis cinereaに対しては依然良い結果を与
え、ある場合には、商業的に使用されている殺真菌剤、RONILANTMより
も有効であった。例10
図9は種々な真菌に対する各種Trichoderma 代謝生成物の有効性について、ペ
トリ皿試験から得たデータの表である。これらの試験で処理1は6−ペンチル−
α−ピロンを表わし、他方処理2は6−ペンチル−α−ピロン、マソイアラクト
ン、およびデルタ−デカノラクトンの混合物についてである。処理3はデルタ−
デカノラクトンを包含し、一方処理4はを包含する。
実験手順は処理の一部をペトリ皿の中央に置いているか、表のmmで表わした
数字はペトリ皿上で発育を誘発させた真菌の最も近い近接距離を表す。
結果は種々なTrichoderma 代謝生成物がある範囲の異なる真菌に対して有効で
あることを示し、またデルタ−デカノラクトンの方が他よりも幾つかの真菌に対
し有効であるが、それでもこの試験に含まれるすべての真菌に対し活性を留めて
いることを示す。
この試験でfkの接頭辞を付した真菌はサプステイン(sapstain)と関連する
すべての真菌であり、次のものを包含する:
fk 150
fk 36 Ceratocystis種
fk 64 Ceratocystis種
fk 304
各種の「活性Trichoderma 代謝生成物」ならびに他の物質を用いて、Botrytis
cinereaの防除について更に試験を行なった。これらの結果を表12以降に掲げ
る。それらは6−ペンチル−α−ピロン(6AAP)の実際の活性を示している
。ある条件下では、デルタ−デカノラクトンが高い活性を示し、そして最悪の場
合でも他の先行技術による処理と同程度の活性を示した。
本発明の幾つかの面を例により説明したが、これに対する変法や追加を請求の
範囲に定義さた発明の範囲から離れることなくなしうることは明らかであるに違
いない。
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(31)優先権主張番号 264171
(32)優先日 1994年8月4日
(33)優先権主張国 ニュー・ジーランド(NZ)
(31)優先権主張番号 270249
(32)優先日 1994年12月21日
(33)優先権主張国 ニュー・ジーランド(NZ)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M
X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,
VN
(72)発明者 ヒル,ロバート,アンソニー
ニュージーランド国2171 タウピリ,ゴー
ドントン ロード 54
(72)発明者 カットラー,ホーレス,ジー.
アメリカ合衆国30677 ジョージア州 ワ
トキンスビル,クリーク ホウロウ ラン
1050
(72)発明者 パーカー,スチーブン,ロバート
イギリス国エム32 9エイチジェイ マン
チェスター,ストレトフォード,アーリン
トン ロード 39
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病からなる 一群の標的病害の少なくとも一つの防除または防止法において、6−ペンチル− α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクトンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも一つを投与することからなる上記方法 。 2.ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病からなる 一群の標的病害の少なくとも一つの防除または防止法において、マソイアラクト ン、6−ペンチル−α−ピロン、およびデルタ−デカノラクトンからなる群中の 少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTrichoderma 科の 少なくとも1種の活性生物を投与することからなる上記方法。 3.活性Trichoderma 科の生物はTrichoderma hamatum, Trichoderma harzianum, Trichoderma lignorum, Tri choderma koningii, または Trichoderma virideからなる、請求項2記載の方 法。 4.投与される物質を植物の露出面に適用する、請求項1または請求項2記載 の方法。 5.投与される物質を植物の根の区域の生育媒質へ適用する、請求項1または 請求項2記載の方法。 6.投与される物質を植物の辺材またはそれと同等の部分、の中に注入する、 請求項1または請求項2記載の方法。 7.投与される物質を収穫された果実の摘み取り傷へ適用する、請求項1また は請求項2記載の方法。 8.投与される物は、 デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラク トンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群中の少なくとも1種の生成物、 および 6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる群中の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生す るTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物 の両方を含む、請求項1または請求項2記載の方法。 9.標的病原体群は Nectria galligena,Sclerotium rolfsii,Rhizoctonia solani,Sclerotium ce pivorum,Macrophomina phaseolina,Fusarium oxysporum,Verticillium albos trum,Chondrostereum purpureum,Scletotinia sclerotiorum,Pythium ultimu m および Corticum rolfsii も包含する、請求項1または請求項2記載の方法。 10.「活性Trichoderma 代謝生成物」の少なくとも2種類を投与する、請求 項1記載の方法。 11.植物ヘボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病 からなる一群の標的病害の少なくとも一つに対する抵抗力を与える方法において 、6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる一群のTrichoderma 代謝生成物の少なくとも1種を産生するTrichode rma 科の少なくとも1種の生物の活性集団を植物またはその根の区域のいずれか あるいは両方に定着させることからなる上記方法。 12.標的病原体群は Nectria galligena,Sclerotium rolfsii,Rhizoctonia solani,Sclerotium ce pivorum,Macrophomina phaseolina,Fusarium oxysporum,Verticillium albos trum,Chondrostereum purpureum,Scletotinia sclerotiorum,Pythium ultimu m および Corticum rolfsii も包含する、請求項11記載の方法。 13.植物の辺材またはそれと等価の部分の中へ、活性Trichoderma 生物を導 入することにより集団を定着させる、請求項11または請求項12記載の方法。 13.活性Trichoderma 科の生物を植物の生育媒質中に導入する、請求項11 または請求項12記載の方法。 14.ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病からな る一群の標的病害の少なくとも一つと取り組むために植物生育媒質を処置する方 法において、 デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラクト ンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも一種の生成物、およ び 6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる群の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTr ichoderma 科の少なくとも1種の活性生物 のいずれかまたは両方を生育媒質中に導入することからなる上記方法。 15.請求項14記載の処理された生育媒質中で植栽することからなる、ボト リチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病から種子および実生 を保護する方法。 16.ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病からな る一群の標的病害の少なくとも一つの防除または防止用の組成物において、デル タ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラクトンから なる「活性Trichoderma 代謝生成物」群中の、Trichoderma 科の1種以上の生物 から抽出された、少なくとも1種の生成物を含有してなる上記組成物。 17.ボトリチス病、アルミラリア病、銀皮病、およびフイトフトラ病からな る一群の標的病害の少なくとも一つの防除用組成物において、1種以上の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生しうるTrichoderma 科の少なくとも1種の活性 生物と組合わせた、デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およ びマソイアラクトンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1 種の生成物を含有してなる上記組成物。 18.植物の生物学的障害を防除するための組成物において、農耕学上容認し うる担体、1種以上の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生することのできるTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物、および任意に、デルタ−デカノラ クトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラクトンからなる「活性Tr ichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種の生成物を含有してなる上記組成物 。 19.噴霧施用に適した流体の剤形にある、請求項16から請求項18のいず れか1項に記載の組成物。 20.ペースト様の剤形にある、請求項16から請求項18のいずれか1項に 記載の組成物。 21.障壁層形成成分を含む、請求項20記載の組成物。 22.散布用の実質的に乾燥した粉末形にある、請求項16から請求項18の いずれか1項に記載の組成物。 23.植物の生育を支えることのできる媒質からなる処理植物生育媒質におい て、 デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイアラクト ンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種の生成物、およ び 6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる群中の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」の産生するTrichoderma 科の少なくとも1種の活性生物 のいずれかまたは両方を導入した上記媒質。 24.植物の障害から実生を保護する方法において、前記実生の根へ散布、噴 霧、浸漬、または他の手段により、 デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、マソイアラクトンから なる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種の生成物、および 6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる群の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTr ichoderma の少なくとも1種の活性生物 のいずれかまたは両方を施用することからなる上記方法。 25.デルタ−デカノラクトン、6−ペンチル−α−ピロン、およびマソイア ラクトンからなる「活性Trichoderma 代謝生成物」群の少なくとも1種の生成物 、および 6−ペンチル−α−ピロン、デルタ−デカノラクトン、およびマソイアラクト ンからなる群の少なくとも1種の「活性Trichoderma 代謝生成物」を産生するTr ichoderma 科の少なくとも1種の活性生物 のいずれかまたは両方で被覆された種子。
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