JPH09508380A - エーテル類及びチオエーテル類のカルボニル化によるカルボン酸類の製造法 - Google Patents

エーテル類及びチオエーテル類のカルボニル化によるカルボン酸類の製造法

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JPH09508380A
JPH09508380A JP7520043A JP52004395A JPH09508380A JP H09508380 A JPH09508380 A JP H09508380A JP 7520043 A JP7520043 A JP 7520043A JP 52004395 A JP52004395 A JP 52004395A JP H09508380 A JPH09508380 A JP H09508380A
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チヨカリンガム,カナツパン
ウ,ツエ−チヨング
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アルベマール・コーポレーシヨン
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Abstract

(57)【要約】 アリール−置換脂肪族カルボン酸の製造のための新規な方法を提供する。アリール−置換脂肪族エーテル又はチオエーテル化合物を水性条件下で、25℃〜200℃の温度において一酸化炭素と反応させる。塩酸などの酸を加えることができる。触媒として、パラジウム又はパラジウム化合物及び銅化合物の混合物が少なくとも1種の酸−安定リガンドと共に存在する。

Description

【発明の詳細な説明】 エーテル類及びチオエーテル類のカルボニル化による カルボン酸類の製造法 本発明はアリール−置換脂肪族カルボン酸類又はそれらのエステル類の製造法 に関する。 イブプロフェンの製造のための既知の方法の中にヨーロッパ特許出願番号28 4,310(Hoechst Celanese,1988年9月公開)の方法 があり、それは酸性水性媒体中で、ならびにパラジウム化合物/ホスフィン錯体 、及び好ましくはハロゲン化水素から誘導される解離水素及びハライドイオンの 存在下で1−(4−イソブチルフェニル)エタノールを一酸化炭素でカルボキシ ル化することによりイブプロフェンが製造できることを記載している。この方法 は、既知の方法により製造するのに経済的でない化合物である1−(4−イソブ チルフェニル)エタノールを用いて出発するという欠点を有する。 Gardano et al.(米国特許第4,536,595号、1985 年8月発行)は、実質的に周囲温度及び周囲圧力条件下で、無水アルコール性溶 媒中において、水酸化アルカリ(alkaline hydroxides)及 び触媒としてのコバルトヒドロカルボニルの塩類の存在下に、対応するアリール エチル第2ハライドを一酸化炭素と反応させることによる、ある種のアルファー アリールプロピオン酸類のアルカリ塩類の製造を記載している。 Alper et al.はJ.Chem.Soc.Comm,19 83,1270−1271において、アルケン類を一酸化炭素、水、塩酸、なら びにパラジウムと銅の混合物と反応させ、ヒドロカルボキシル化化合物、分枝鎖 カルボン酸を製造することができることを開示している。反応に成功するには酸 素が必要である。続いてAlper et al.は不整ヒドロカルボキシル化 反応に成功するとして、キラルリガンドを用いる以外は類似の触媒系を開示した 。Alper et al.,PCT出願、WO91 03,452及びJ.A m.Chem.Soc.,112,2803−2804(1990)を参照され たい。 以下の明細書において、置換基の意味は以下の通りである:「アルキル」は炭 素数が1〜20の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを意味し、例えばメチル、エ チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第2ブチル、第3ブチル 、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2 −エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、ド デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル及びエイコシルを含む(本 定義の目的の場合、「アルキル」は「脂肪族」でもある); 「シクロアルキル」は炭素数が3〜7の環状アルキルを意味し、シクロプロピ ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む ; 「置換アリール」はハロゲン(塩素、臭素、フッ素又はヨウ素)、アミノ、ニ トロ、ヒドロキシ、アルキル、炭素数が1〜10の直鎖状もしくは分枝鎖状アル コキシを意味し、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ トキシ、イソブトキシ、第2ブトキシ、第3ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ ンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘ プチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ及びデシルオキシを含むアルコキ シ、フェノキシ及びハロ、アルキル、アルコキシなどで置換されたフェノキシを 含むアリールオキシ、少なくとも1つのハロゲンにより置換された炭素数が1〜 8の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキルを意味し、例えばクロロメチル、ブロモメ チル、フルオロメチル、ヨードメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、 2−フルオロエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、3−フルオロ プロピル、4−クロロブチル、4−フルオロブチル、ジクロロメチル、ジブロモ メチル、ジフルオロメチル、ジヨードメチル、2,2−ジクロロエチル、2,2 −ジブロモエチル、2,2−ジフルオロエチル、3,3−ジクロロプロピル、3 ,3−ジフルオロプロピル、4,4−ジクロロブチル、4,4−ジフルオロブチ ル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル 、2,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル 及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピルを含むハロアルキルから成る群よ り選ばれる少なくとも1つの置換基により置換されたフェニル又はナフチルを意 味する; 「アルキル−置換シクロアルキル」は、シクロアルキル部分が炭素数が3〜7 の環状アルキルであり、アルキル部分が炭素数が1〜8の直鎖状もしくは分枝鎖 状アルキルであることを意味し、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメ チル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、 2−シクロプロピルエチル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロヘキシルエ チル、3−シクロプロピルプロピル、3−シクロペンチルプロピル、3−シクロ ヘキシルプロピル、4−シクロプロピルブチル、4−シクロペンチルブチル、4 −シクロヘ キシルブチル、6−シクロプロピルヘキシル及び6−シクロヘキシルヘキシルを 含む; 「アルキルチオ」は、原子価の1つを占有するアルキルを有する2価の硫黄を 意味し、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、 ヘキシルチオ及びオクチルチオの基を含む; 「ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄から成る群より選ばれる少なくと も1つのヘテロ原子を有する5〜10員モノ−もしくは縮合−ヘテロ芳香環を意 味し、例えば2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリ ジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル 、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、オキサゾリル、 チアゾリル及びインドリルを含む; 「置換ヘテロアリール」は、窒素、酸素及び硫黄から成る群より選ばれる少な くとも1つのヘテロ原子を有し、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、アル キル、アルコキシ及びハロアルキルから成る群より選ばれる少なくとも1つの置 換基によりヘテロ芳香核上で置換されている少なくとも1つのヘテロ芳香環を有 する5〜10員モノ−もしくは縮合−ヘテロ芳香環を意味する; 「アルカノイル」は、炭素数が2〜18のアルカノイルを意味し、例えばアセ チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、ヘキサ ノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイルを含む; 「アロイル」は、ベンゾイル又はナフトイルを意味する; 「置換アロイル」は、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、アル キル、アルコキシ及びハロアルキルから成る群より選ばれる少なくとも1つの置 換基によりベンゼン又はナフタレン環上において置換されているベンゾイル又は ナフトイルを意味する; 「ヘテロアリールカルボニル」は、ヘテロアリール部分が上記の通り窒素、酸 素及び硫黄から成る群より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を有する5〜1 0員モノ−もしくは縮合−ヘテロ芳香環であることを意味し、例えばフロイル、 チノイル、ニコチノイル、イソニコチノイル、ピラゾリルカルボニル、イミダゾ リルカルボニル、ピリミジニルカルボニル、ベンズイミダゾリルカルボニルを含 む; 「置換ヘテロアリールカルボニル」は、ハロゲン、アミノ、ニトロ、ヒドロキ シ、アルコキシ及びハロアルキルから成る群より選ばれる少なくとも1つの置換 基によりヘテロアリール核上において置換されている上記のヘテロアリールカル ボニルを意味し;例えば2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル、 2−オキソ−1,3−オキソラン−5−イルを含む。 本発明はキラル炭素原子を有する次式(I)の化合物のいずれのラセミ体及び その各光学異性体をも含む。 式中、Ar、R1、R2、R3、R4及びR5は下記で定義される。 本発明に従えば、アリール−置換脂肪族カルボン酸類又はそれらのエステル類 は、アリール−置換脂肪族エーテル又はチオエーテルをエーテル又はチオエーテ ルの1モル当たり少なくとも1モルの水を含む中性又 は酸性媒体中で、25℃〜200℃の温度において、及び少なくとも1気圧の一 酸化炭素圧において、a)パラジウム金属又はパラジウムが1もしくは2価の原 子価を有するパラジウムの化合物、あるいはb)(i)パラジウム(0)又はパ ラジウムが1もしくは2価の原子価を有するパラジウムの化合物及び(ii)1 もしくは2価の原子価を有する銅化合物の混合物、ならびにc)少なくとも1種 の酸−安定リガンドの存在下に、一酸化炭素を用いてカルボニル化することによ り製造される。 本発明の実行において接触カルボニル化されるエーテル又はチオエーテルは式 : [式中、Xは酸素又は硫黄であり、Rはアルキル又は置換もしくは非置換アリー ルであり、Arは非置換もしくは置換アリールであり、R2、R3、R4及びR5は 水素、アルキル、シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、アルコキシ、 アルキルチオ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、アルカノイル、置換もしく は非置換アロイル、置換もしくは非置換ヘテロアリールカルボニル、トリフルオ ロメチル又はハロである] を有する。 式IIの化合物において、Xは酸素であり、Rはアルキルであり、Arは非置 換もしくは置換アリールであり、R2、R3、R4及びR5は水素、メチル又はエチ ル、置換もしくは非置換フェニルあるいはトリフルオロメチルであるのが好まし い。 X及びRは組み合わされてメトキシであり、Arはアルキルで置換さ れたフェニル又はアルコキシで置換されたナフチルであり、R2、R3、R4及び R5は水素、メチル又はトリフルオロメチルであるのが最も好ましい。 式IIの化合物の接触カルボニル化は25℃〜200℃、好ましくは50〜1 50℃、最も好ましくは80〜130℃の温度で行われる。もっと高い温度を用 いることもできる。反応の経過の間に好ましい範囲内で温度を徐々に上げるのが 収率において少し有利であることが見いだされた。 反応容器中の一酸化炭素の分圧は、周囲温度(又は容器が装填される温度)に おいて少なくとも1気圧(14.7psig)である。反応装置の圧力限界まで 、一酸化炭素のいかに高い圧力を用いることもできる。本方法においては最高3 000psigの圧力が便利である。より好ましいのは反応温度において300 〜3000psigの圧力であり、最も好ましいのは500〜1,500psi gである。本発明のカルボニル化反応において酸素の存在は望ましくないことに 注意しなければならない。従って、100%の一酸化炭素の雰囲気が本発明を行 うのに最も好ましい。しかし種々の不活性気体を反応塊(reaction m ass)中に導入することができ(窒素又はアルゴン)、唯一の基準は、反応の 完了に格別な長時間を必要とする点まで反応が遅くされてはならないことである 。 カルボニル化は式IIの化合物の1モル当たり少なくとも1モルの水の存在下 で行われる;しかし反応を完了に促進するのを助けるために過剰が好ましい。実 用性から課せられる限界(例えば反応容器の寸法)以外に水の量に本当の上限は ないが、式IIの化合物の1モル当たり最高 100モルの量が本方法において有用である。さらに、最高収率を得る点で、本 発明の方法で用いられる水又はアルコールの量を制御するのが有利である。従っ て式IIの化合物の1モル当たり1〜50モルの量の水が好ましく、エーテル又 はチオエーテルの1モル当たり1〜約10モルの量の水が最も好ましい。反応の 生成物はカルボン酸(式中、R1がH)である。これらの化合物は次式: [式中、R1は水素又はアルキルであり、Ar、R2、R3、R4及びR5は前に定 義された通りである] を有する。 本発明の好ましい実施態様の場合、カルボニル化反応は中性条件下で、すなわ ち酸を加えずに開始される。添加される酸の存在下で反応を行うこともできる。 酸類が加えられる場合、そのような酸類には硫酸、リン酸、スルホン酸又は酢酸 もしくはハロ−置換酢酸類が含まれる。塩酸又は臭化水素酸などのハロゲン化水 素酸が好ましい。ハロゲン化水素は気相として、又は液相として(例えばアルコ ール溶液の形態で)加えることができる。いずれの濃度も用いることができる。 最高10%における塩酸が特に好ましく、より好ましいのは10%〜30%の濃 度である。 本発明の接触カルボニル化法は反応−促進量のa)パラジウム金属又はパラジ ウムが1もしくは2価の原子価を有するパラジウムの化合物、あるいはb)(i )パラジウム(0)又はパラジウムが1もしくは2価の原子価を有するパラジウ ムの化合物及び(ii)1もしくは2価の原 子価を有する銅化合物の混合物、ならびにc)少なくとも1種の酸−安定リガン ドの存在下で行われる。用いることができるリガンド類には、単座もしくは多座 電子−供与性物質、例えば元素P、N、Oなどを含む物質、ならびに多重結合を 含む物質、例えばオレフィン性化合物が含まれる。そのような酸−安定リガンド 類の例はトリアルキル−及びトリアリールホスフィン類を含むトリヒドロカルビ ルホスフィン類、例えばトリ−n−ブチル−、トリシクロヘキシル−及びトリフ ェニルホスフィン;低級アルキル及びアリールニトリル類、例えばベンゾニトリ ル及びn−プロピオニトリル;パイ−電子を含むリガンド類、例えばアリル化合 物又は1,5−シクロオクタジエン;ピペリジン、ピペラジン、トリクロロスタ ネート(II)及びアセチルアセトネートなどである。1つの実施態様の場合、 パラジウム及び銅は、塩化もしくは臭化パラジウム(II)、塩化もしくは臭化 銅(II)及び一酸化炭素の予備形成錯体、あるいは他のいずれかの類似の錯体 として加えられる。好ましい実施態様の場合、活性触媒種は、反応混合物に各成 分、すなわちリガンド、銅化合物及びパラジウム化合物、例えば塩化物、臭化物 、硝酸塩、硫酸塩又は酢酸塩などのパラジウム(II)及び銅(II)の無機塩 類を加えることによりその場で形成される(均一触媒系)。最も好ましい実施態 様の場合、トリフェニルホスフィン及び塩化パラジウム(II)、あるいはトリ フェニルホスフィン、塩化銅(II)及び塩化パラジウム(II)が用いられ、 個別に又は一緒に、同時に又は順に加えられる。 パラジウム及び/又は銅化合物を炭素、シリカ、アルミナ、ゼオライト、クレ ー及び他のポリマー材料上に担持し、不均一触媒系として用いることができる( 担体は溶媒に不溶性の材料である)。本発明の方法で 用いられるパラジウム及び/又は銅担体材料、ならびに触媒の例は、パラジウム カーボン、炭素担持Pd(OH)2、Pd(II)交換ゼオライトLZ−Y62 、Pd(II)及びCu(II)交換クレーモントモリロナイトKSFである。 用いられるのが好ましい銅及びパラジウム混合物(塩類)の混合物中のパラジ ウム化合物(塩)の量は、塩又は金属塩類の混合物の1モル当たりに4〜800 0モルの式IIの化合物を与えるような量であり;より好ましいのは塩又は塩類 混合物の1モル当たりに10〜4000モルの式IIの化合物を与える量であり ;最も好ましい量は金属塩又は金属塩混合物の1モル当たりに20〜2000モ ルの式IIの化合物を与える。本発明の方法は塩又は金属塩類の混合物の1モル 当たり少なくとも1モルのリガンドの存在下で行われる。より好ましくは塩又は 混合塩類の1モル当たり2〜40モルのリガンドが存在し、最も好ましくは塩又 は混合塩類の1モル当たり2〜20モルのリガンドが用いられる。 本発明の方法において溶媒の存在は必要でないが、いくつかの状況下ではそれ が望ましいこともあり得る。用いることができる溶媒は以下の1つ又はそれ以上 を含む:ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メ チル−n−プロピルケトン、アセトフェノンなど;直鎖状、ポリ及び環状エーテ ル類、例えばジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエ ーテル、エチル−n−プロピルエーテル、グライム(エチレングリコールのジメ チルエーテル)、ジグライム(ジエチレングリコールのジメチルエーテル)、テ トラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン及び類似化合物;脂肪族 又は芳香族カルボン酸エステル類、例えば蟻酸メチル、酢酸メチル、酢 酸エチル、安息香酸メチル及び類似化合物;ならびに芳香族炭化水素、例えばイ ソブチルベンゼン(IBB)、トルエン、エチルベンゼン、キシレン類及び類似 化合物。アルコール類、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2 −プロパノール、ブタノールの異性体又はペンタノールの異性体も溶媒として適 している。酸類及びエステル類、例えば蟻酸又は酢酸、あるいは酢酸エチルも用 いることができる。 溶媒としてエステル又はアルコールが用いられる場合、生成物はカルボン酸の 対応するエステルである。最も好ましいのはケトン類、特にメチルエチルケトン である。溶媒が用いられる場合、量は式IIの化合物の1グラム当たり最高10 0mLであることができるが、式IIの化合物の1グラム当たり1〜30mLの 存在下で方法は最も有利に行われる。 以下の実施例は本発明の方法の例示のために示され、その制限として意図され てはいない。 実施例 MEBB=1−メトキシ−1−(4’−イソブチルフェニル)エタン IBP=2−(4’−イソブチルフェニル)プロピオン酸(イブプロフェン) LA=3−(4’−イソブチルフェニル)プロピオン酸 CEBB=1−クロロ−1−(4’−イソブチルフェニル)エタン PME=2−(4’−イソブチルフェニル)プロパン酸メチル LME=3−(4’−イソブチルフェニル)プロパン酸メチル HEBB=1−ヒドロキシ−1−(4’−イソブチルフェニル)エタン EIBB=1−(4’−イソブチルフェニル)エタン IBS=4−イソブチルスチレン 実施例1 メチルエチルケトン(25mL)中のMEBB(0.96g、5ミリモル)、 PdCl2(18mg、0.10ミリモル)、CuCl2(50mg、0.370 ミリモル)、Ph3P(130mg、0.50ミリモル)及び10重量%塩酸水 溶液の混合物を900PsigのCO下において、109〜112℃で4.5時 間カルボニル化した。 GC分析:IBP(80.8%)、LA(9.8%)、PME(6.6%)、 LME(0.8%)、MEBB(0.2%)、EIBB(0.7%)、HEBB (0.5%)。 実施例2 5mLの代わりに2mLの10重量%塩酸水溶液を用い、実施例1に記載の通 りにカルボニル化を行った。 GC分析(4時間後):IBP(65.6%)、LA(5.6%)、PME( 12%)、LME(0.4%)、MEBB(1.3%)、EIBB(5.2%) 、HEBB(0.3%)、CEBB(8.4%)及び重質物(heavies) (1.2%)。 実施例3 10重量%の酸の代わりに5mLの20重量%塩酸水溶液を用い、実施例1に 記載の通りにカルボニル化を行った。 GC分析(3時間後):IBP(84.3%)、LA(3.9%)、PME( 4.0%)、LME(0.7%)、MEBB(0.5%)、EIBB(0.9% )、HEBB(1.3%)、CEBB(1.4%)及び他(3.0%)。 実施例4 メチルエチルケトン(30mL)中のMEBB(0.96g、5ミリモル)、 PdCl2(18mg、0.10ミリモル)、CuCl2(50mg、0.37ミ リモル)、Ph3P(130mg、0.50ミリモル)及び硼酸飽和水溶液(5 mL)の混合物を900PSigのCO下において、109〜112℃で24時 間カルボニル化した。 GC分析:IBP(67.4%)、LA(10.2%)、PME(6.1%) 、LME(2.0%)、MEBB(0.3%)、HEBB(2.2%)、IBS (8.6%)及び重質物(1.1%)。 本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記に示されている生成物及び 方法における多くの変更を行うことができることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07C 69/612 9279−4H C07C 69/612 319/20 7419−4H 319/20 323/51 7419−4H 323/51 // C07B 61/00 300 7419−4H C07B 61/00 300

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、Xは酸素又は硫黄であり、Rはアルキル又は置換もしくは非置換アリー ルであり、Arは非置換もしくは置換アリールであり、R2、R3、R4及びR5は 同一又は異なり、水素、アルキル、シクロアルキル、アルキル−置換シクロアル キル、置換もしくは非置換アリール、アルコキシ、アルキルチオ、置換もしくは 非置換ヘテロアリール、アルカノイル、置換もしくは非置換アロイル、置換もし くは非置換ヘテロアリールカルボニル、トリフルオロメチル又はハロである] の化合物及び水を、少なくとも1気圧の圧力及び25℃〜200℃の温度におい て一酸化炭素を用い、a)パラジウム(0)又はパラジウムが1もしくは2価の 原子価を有するパラジウムの化合物、あるいはb)パラジウム(0)又はパラジ ウムが1もしくは2価の原子価を有するパラジウムの化合物と1もしくは2価の 原子価を有する銅化合物の混合物、ならびにc)少なくとも1種の酸−安定リガ ンドの存在下において処理することを含む、式: [式中、R1は水素又はアルキルであり、Ar、R2、R3、R4及びR5は前に定 義された通りである] を有するアリール−置換脂肪族カルボン酸の製造法。 2.パラジウム化合物が塩化もしくは臭化パラジウム(II)であり、銅化合 物が塩化銅(I)もしくは塩化銅(II)である請求の範囲第1項の方法。 3.パラジウム化合物又はパラジウム化合物と銅化合物の混合物の使用量が、 パラジウム化合物又はパラジウム化合物と銅化合物の混合物の1モル当たりに4 〜8000モルの式IIの化合物を与える量である請求の範囲第1項の方法。 4.Xが酸素である請求の範囲第1項の方法。 5.Rがアルキルである請求の範囲第4項の方法。 6.X及びRが組み合わされてメトキシである請求の範囲第5項の方法。 7.溶媒としてメチルエチルケトンを含む水性酸性媒体中で、50〜150℃ の範囲内の温度及び500〜1500psigの範囲内の一酸化炭素圧において 、(a)パラジウム(II)化合物又はb)パラジウム(II)化合物と銅(I I)化合物の混合物、ならびに(c)少なくとも1種の酸−安定単座ホスフィン リガンドの存在下に、ならびに1−メトキシ−1−(4’−イソブチルフェニル )エタンの1モル当たり最高10モルの量の塩化水素を与えるような量の塩化水 素の存在下で、1−メトキシ−1−(4’−イソブチルフェニル)エタンを一酸 化炭素を用いてカルボニル化することを含むイブプロフェンの製造法。 8.パラジウム(II)化合物が塩化パラジウム(II)であり、銅(II) 化合物が塩化銅(II)であり、リガンドがトリフェニルホスフィンである請求 の範囲第7項の方法。 9.パラジウム化合物又はパラジウム、銅化合物、及びリガンドが、パラジウ ム化合物又はパラジウム及び銅化合物の混合物の1モル当たり20〜2000モ ルの該1−メトキシ−1−(4’−イソブチルフェニル)エタン、ならびにパラ ジウム化合物又はパラジウム及び銅化合物の混合物の1モル当たり2〜20モル のリガンドを与えるような量で存在する請求の範囲第7項の方法。 10.塩化水素が10(重量)%〜30(重量)%HClの形態である請求の 範囲第7項の方法。
JP7520043A 1994-01-27 1994-12-20 エーテル類及びチオエーテル類のカルボニル化によるカルボン酸類の製造法 Pending JPH09508380A (ja)

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