JPH09508357A - 抗真菌方法及び材料 - Google Patents

抗真菌方法及び材料

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JPH09508357A JP7519144A JP51914495A JPH09508357A JP H09508357 A JPH09508357 A JP H09508357A JP 7519144 A JP7519144 A JP 7519144A JP 51914495 A JP51914495 A JP 51914495A JP H09508357 A JPH09508357 A JP H09508357A
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ロジャー, ジー. リトル,
エドワード リン,
パトリック, ジェイ. スキャノン,
ルイス, エイチ. ランバート,
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ゾーマ コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、真菌感染に罹患している被験者に殺菌性/透過性誘導(BPI)タンパク質産物を投与することを含む、真菌感染を治療するための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗真菌方法及び材料 本出願は、1994年1月14日出願の米国特許出願第08/183,222号の一部継続出願 である、1994年3月11日出願の米国特許出願第08/209,762号の一部継続出願であ る、1994年7月11日出願の米国特許出願第08/273,540号の一部継続出願であり、 これらの米国出願における開示は、参照することによりすべて本明細書に含まれ る。 発明の背景 本発明は一般に、殺菌/浸透性増強タンパク質(BPI)産物の投与によって、 真菌感染症を治療する方法に関する。 BPIは、微生物による侵入に対する防御に必須の血液細胞である哺乳動物の多 形核白血球(PMNまたは好中球)の顆粒から単離されたタンパク質である。ヒトB PIタンパク質は、イオン交換クロマトグラフィー[Elsbachら、J.Biol.Chem.、2 54巻、11000頁(1979)]または大腸菌アフィニティークロマトグラフィー[Weiss ら、Blood、69巻、652頁(1987)]のいずれかと、酸抽出とを併用して、PMNから 単離されている。このようにして得られたBPIを本明細書中、天然型BPIと称する が、これは、広範なグラム陰性細菌に対する強力な殺菌活性を有することが示さ れている。ヒトBPIの分子量はおよそ55,000ダルトン(55 kD)である。ヒトBPI タンパク質全体のアミノ酸配列、及び該タンパク質をコードするDNAの核酸配列 は、Glayら、J.Biol.Chem.、264巻、9505頁(1989)の図1に報告されており、か かる文献を引用することにより、それら配列を本明細書に含むものとする。Gray ら のアミノ酸配列は、本明細書において、配列番号:69に示される。 BPIは、強い陽イオン性を有するタンパク質である。BPIのN末端半分は、高い 実効電荷の原因となり、一方、分子のC末端半分は、-3の実効電荷を有する。[ Elsbach及びWeiss(1981)、前出]。約25 kDの分子量を有するBPIのタンパク質分 解によるN末端断片は、疎水性領域と親水性領域とを交互に含み、両親媒性の特 徴を有する。ヒトBPIのこのN末端断片は、天然に由来する55 kDのヒトBPIホロ タンパク質の抗細菌効果を保有している。[Ooiら、J.Biol.Chem.、262巻、1489 1〜14894頁(1987)]。N末端部分とは対照的に、単離されたヒトBPIタンパク質 のC末端領域は、グラム陰性生物に対してほんのわずかに検出可能な抗細菌活性 を呈するに過ぎない。[Ooiら、J.Exp.Med.、174巻、649頁(1991)]。「rBPI23 」と称される、およそ23 kDのN末端BPI断片が、組換え法により製造されており 、これもグラム陰性生物に対して抗細菌活性を保持するものである。Gazzano-Sa ntoroら、Infect.Immun.、60巻、4754〜4761頁(1992) BPIの殺菌効果は、例えばElsbach及びWeiss、Inflammation: Basic Principl es and Clinical Correlates、Gallinら編、30章、Raven Press,Ltd.(1992)に おけるごとく、グラム陰性の種に特異性が高いとの報告がなされている。BPIは 、酵母を包含する他の微生物や、さらに高等な真核細胞に対して、通常非毒性で あると考えられている。Elsbach及びWeiss、(1992)、前出は、10-8から10-9M程 度の低濃度で、BPIが広範囲のグラム陰性細菌に対して抗細菌活性を呈するもの の、それより100から1,000倍高い濃度のBPIが、同時に調べたグラム陽性細菌種 、酵母、及びさらに高等な真核細胞のすべてに対して、非毒性であったことを報 告している。グラム陽性生物である黄色ブドウ球 菌(Staphylococcus aureus、4つの株)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus ep idermidis)、スタフィロコッカス・ファエカリス(Streptococcus faecalis) 、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ミクロコッカス・リソデイク チカス(Micrococcus lysodeikticus)、及びリステリア・モノサイトゲンス(L isteria monocytogenes)に対して、pH7.0または5.5のいずれかで調べた場合、1 0-6Mまたは160μg/mlの濃度で、BPIは毒性効果を有しないことが報告された。 報告によれば、pH7.0または5.5において、BPIは10-6Mにて真菌であるカンジダ ・アルビカンス(Candida albicans)及びカンジダ・パラシロシス(Candida pa rasilosis)に対する毒性効果を有さず、ヒト、ウサギ及びヒツジ赤血球細胞な らびに種々のヒト腫瘍細胞系に対して非毒性であった。やはりElsbach及びWeiss の、Advancesin Inflammation Research、G.Weissmann編、2巻、95〜113頁、Ra ven Press(1981)を参照されたい。このように報告された標的細胞の特異性は、 リポ多糖(LPS)に対するBPIの強い誘引力の結果であると考えられていた。LPS は、グラム陰性生物の外膜(あるいはエンベロープ)に独特のものである。 BPIのグラム陰性細菌殺傷における正確な機構はいまだ完全には解明されてい ないが、まず、陽イオン性BPIタンパク質とLPS上の陰性に荷電した部位との間の 静電気的相互作用及び疎水性相互作用を通して、細菌の表面にBPIが結合しなけ ればならないと考えられている。LPSは、それが刺激する強い炎症応答(すなわ ち、回復不能の内毒性ショックを最終的には惹起こしうる宿主炎症細胞によるメ ディエータの放出)のゆえに、「内毒素」と称されている。BPIはリピドAに結 合するのであるが、これはLPSの最も毒性が強く最も生物学的活性を有する成分 であると報告されている。 感受性のグラム陰性細菌において、BPIの結合はLPS構造を崩壊させ、リン脂質 及びペプチドグリカンを分解する細菌酵素の活性化を惹起こし、細胞外膜の透過 性を変化せしめ、最終的には細胞死へと導く事象を開始させると考えられる。[ Elsbach及びWeiss(1992)、前出]。BPIは2段階にて作用すると考えられる。第 一は、即b時的生育停止、外膜の透過性亢進(permeabilization)ならびにリン 脂質及びペプチドグリカンを加水分解する細菌酵素の選択的な活性化によって特 徴付けられる亜致死的段階である。この段階での細菌は、血清アルブミンを追加 した培地中で生育させることにより救助できる[Mannionら、J.Clin.Invest.、8 5巻、853〜860頁(1990)]。第二段階は、血清アルブミンで回復しえない生長阻 害により規定されるものであるが、細菌をさらに長い間BPIに曝した後に起こる ものであり、細胞質内膜への明白な損傷を含む、広範囲の生理学的及び構造的変 化により特徴付けられる。 BPIがLPSにまず結合して、正常時においてMg++及びCa++の結合を通して外 膜を安定化させる、LPSのKDO領域中の陰イオン性の基への結合におそらくは起因 した、組織的な変化が惹起こされる。グラム陰性細菌の外膜へのBPIの付着によ りアクチノマシンDなどの疎水性物質への外膜の迅速な透過性亢進がなされる。 BPIの結合及びそれに続くグラム陰性細菌殺傷は、少なくとも部分的にLPS多糖の 鎖長に依存するものであり、長いO-鎖を持っている「スムーズ」生物は、短いO- 鎖を持っている「ラフ」生物よりもBPIの殺菌効果に対して耐性である[Weissら 、J.Clin.Invest.、65巻、619〜628頁(1980)]。このBPIの作用の第一段階であ るグラム陰性外側エンベロープの透過性亢進は、BPIの解離に際しては可逆性で あり、これは、二価陽イオンの存在及び新規LPSの合成を必要とするプロセスで ある[Weissら、 J.Immunol.、132巻、3109〜3115貞(1984)]。しかしながら、グラム陰性細菌の 生育力喪失は、エンベロープの完全性を修復するプロセスによっては回復せず、 従って殺菌作用は標的生物に誘導される付加的な障害により媒介されるのであり 、それは細胞質膜に位置するかもしれないことが示唆される[Mannionら、J.Cli n.Invest.、86巻、631〜641頁(1990)]。この可能性を特に精査して、モルベー スで、BPIは少なくともポリミキシンBと同等に細胞質膜小胞機能を阻害するこ とが示されている[In't Veldら、Infection and Immunity、56巻、1203〜1208 頁(1988)]ものの、正確な機構ならびに、このような小胞と無傷の生物の研究と の関連は、いまだ解明されていない。 真菌は有性生殖または無性生殖可能な真核細胞であり、二相性でありえ、一つ の型は天然型であり、感染した宿主において異なる型をなす。真菌性の疾患は真 菌症と称される。ある真菌症は地方病性、すなわちその真菌の天然の生息地であ る地球上の区域において感染がもたらされる。これらの地方病性の真菌症は、通 常自己限定性であり、症候性は極微である。ある真菌症は、主に日和見的であっ て、臓器移植患者、化学療法を施されているガン患者、火傷患者、AIDS患者、ま たは糖尿病ケトアシドーシスを持つ患者などの、免疫力が低下した(immuno-com promised)患者に発症する。 多くの理由により、真菌の感染は主要な健康上の関心事となってきており、そ の理由には利用可能な抗真菌剤の数が限定されていること、古い抗真菌剤に耐性 を有する種の発生率の増大、ならびに日和見真菌感染に対する危険性のある免疫 力が低下した患者数の増加が包含される。全身性の真菌感染症の発生率は、1980 年代のあいだに、教育研究病院において600%、教育研究病院以外の病院におい て220%増大している。最も一般的な臨床分 離菌は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)であり、これはすべての 臨床分離菌の約19%を占める。ある研究では、病院でもたらされた感染による全 死亡数のほぼ40%が真菌に起因している。[Sternberg、Science、266巻、1632 〜1634頁(1994)]。 抗真菌剤には3つの主な群が包含される。主要群にはポリエン誘導体が含まれ 、これにはアンフォテリシンBならびに構造的に関連する化合物であるナイスタ チン及びピマリシンが包含される。これらは真菌細胞膜の成分であるエルゴステ ロールに結合して、それにより膜を崩壊せしめる、適用範囲の広い抗真菌剤であ る。アンフォテリシンBは通常、全身性の真菌症に対して有効であるが、発熱、 腎障害、ならびに貧血、低血圧、頭痛、悪心、嘔吐及び静脈炎などの他の併発す る副作用を包含する毒性作用により、その投与は限定される。類縁性のない抗真 菌剤であるフルシトシン(5-フルオロシトシン)は、経口的に吸収される薬剤で あるが、ある型のカンジダ症及びクリプトコッカス性髄膜炎(cryptococcal men ingitis)に対するアンフォテリシンB処置の佐剤としてしばしば使用される。 その副作用には、白血球減少症及び血小板減少症を伴う骨髄抑制が包含される。 抗真菌剤の第2の主要群には、エルゴステロールの合成の損傷を起こし、真菌 の膜結合性酵素系(例えばシトクロムP450)の機能を破壊する代謝物の蓄積を導 き、そして真菌の生長を阻害するアゾール誘導体が包含される。哺乳動物のP450 を有意に阻害すると、有意な薬剤の相互作用が惹起こされる。この群の抗真菌剤 には、ケトコナゾール、クロトリマゾール、ミコナゾール、エコナゾール、ブト コナゾール、オキシコナゾール、サルコナゾール、ターコナゾール、フルコナゾ ール及びイトラコ ナゾールが包含される。これらの薬品は、全身性の真菌症を治療するために投与 することができる。経口投与されるイミダゾールであるケトコナゾールは、免疫 力が低下していない患者における非髄膜性のブラストミセス症、ヒストプラスマ 症、コクシジオイデス症及びパラコクシジオイデス症を治療するために使用され 、また、口腔及び食道のカンジダ症に対しても有用である。副作用には、まれに 起こる薬剤誘導性肝炎があり、ケトコナゾールは、妊娠に禁忌でもある。イトラ コナゾールは、ケトコナゾールよりは副作用が少ないようであり、前記と同様の 症候ほとんどに対して用いられる。フルコナゾールもまた、ケトコナゾールより も副作用が少なく、口腔及び食道のカンジダ症及びクリプトコッカス性髄膜炎に 対して使用される。ミコナゾールは、コクシジウム症及び種々の他の真菌症にお いて有効性を持つ腸管外用のイミダゾールであるが、高脂血症及び低ナトリウム 血症を含む副作用を有する。 抗真菌剤の第3の主要群には、皮膚の感染を治療するために通常使用されるア リルアミン−チオカーバメート類が包含される。この群には、トルナフテート( tolnaftate)及びナフチフィン(naftifine)が包含される。 他の抗真菌剤としては、局所的な処置に呼応しない皮膚、毛髪または爪の真菌 感染のために経口的に投与される静真菌剤である、グリセオフルビンがある。 大抵の地方病性真菌症は、呼吸経路によりもたらされ、症候性は極微であり、 咳、発熱、頭痛、及び胸膜痛が認められるかもしれない。場合によっては、地方 病性の真菌症は進行性の肺疾患または全身性の感染を惹起こすかもしれない。ヒ ストプラスマ(Histoplasma)により惹起こされるヒストプラスマ症は、米国に おいて最も一般的な地方病性の呼吸器系真菌症であり、 4000万人を越える人々が感染している。かかる疾患は非伝染性であり、大抵は自 己限定性であるが、慢性の肺感染及び播種性(disseminated)感染が生じる可能 性がある。肺感染は滅多に治療を要しないが、播種性の感染は、アンフォテリシ ンBを用いて治療されうる。コクシジオイデス(Coccidioides)によって惹起こ されるコクシジオイデス症は、南西部において広く普及した非伝染性の呼吸器系 真菌症である。これもやはり、通常は自己限定性であるものの、慢性の肺感染ま たは播種性の感染を惹起こすかもしれない。治療のために、アンフォテリシンB またはミコナゾールが投与されうる。ブラストミセス(Blastomyces)によって 惹起こされるブラストミセス症は、非伝染性、亜急性または慢性の地方病性真菌 症であり、南東部において最も広く認められる。大抵の肺感染は、おそらくは自 己限定性である。進行性の肺疾患または播種性の疾患を持つ患者、及び免疫力が 低下した患者は、アンフォテリシンBを用いて全身性の治療が行われるとよい。 パラコクシジオイデス(Paracoccidioides)によって惹起こされるパラコクシジ オイデス症は、非伝染性の呼吸器系真菌症であり、南米において最も一般的な全 身性の真菌症である。これは急性且つ自己限定性でありえ、あるいは、進行性の 肺疾患または肺外の播種を生じるかもしれない。播種性の疾患は、概して、治療 を施さなければ命に関わるものである。スルホンアミド類が使用されうるが、成 功率は低い。アンフォテリシンBが応答の率は高いが、それでも再発が起こるか もしれない。 クリプトコッカス症は、非伝染性で、しばしば日和見性の真菌症である。これ は、しばしば髄膜炎を伴う、呼吸困難(involvement)または血行性の播種によ り特徴付けられる。主たる病因学的物質は、クリプトコッカス・ネオフォーマン ス (C.neoformans)である。大抵の肺感染はおそらく見落とされているが、クリ プトコッカス性髄膜炎は、報告されている疾患のうち90%に相当し、劇的であり 滅多に見落とされることはない。クリプトコッカス症は免疫力が低下した患者に おいて特に問題であって、AIDS患者の7〜10%にクリプトコッカス性髄膜炎が発 症している。髄膜炎の主な症候は頭痛であり、付随する所見には、精神的な変化 、眼の症候、聴覚減退、悪心、嘔吐、及び急発作が包含される。治療しなければ 、2年以内に80%の患者が死亡する。髄膜炎において、脳脊髄液沈渣のインディ アインク調製物中にクリプトコッカスを観察することができ、脳脊髄液から培養 できる。通常、治療にはフルコナゾールまたは、アンフォテリシンBとフルシト シンの組合せが用いられるが、アンフォテリシンBは血液−脳関門を通過しない 。 アスペルギルス症は、アスペルギルス(Aspergillus、コウジカビ)種によっ て惹起こされる多様な疾患プロセスを網羅する語である。アスペルギルス種は遍 在性であり、その胞子は定常的に吸入されている。既知の300を越える種のうち 、以下のわずか数種のみが通常ヒトに対して病原となる:アスペルギルス・フミ ガタス(A.fumigatus)、アスペルギルス・フラバス(A.flavus)、アスペルギル ス・ニガー(A.niger)、アスペルギルス・ニドウランス(A.nidulans)、アスペ ルギルス・テレウス(A.terreus)、アスペルギルス・シドウィ(A.sydowi)、ア スペルギルス・フラバタス(A.flavatus)、及びアスペルギルス・グラウカス(A .glaucus)。アスペルギルス症の罹患率は上昇しており、特に慢性の呼吸器疾患 を持つ患者または免疫力が低下した患者の間で問題になっている。免疫力が低下 した患者の間において、アスペルギルス症は、最も一般的に日和見性の真菌症と してカンジダ症に次ぐものであり、この群の全身性真菌症の 約15%に相当する。日和見性の肺アスペルギルス症は、広範な気管支びらん及び 潰瘍形成、それに続く、血栓症、閉塞及び梗塞形成を伴う、肺血管の浸潤により その特徴が示される。臨床的には、感染により壊死性の斑状気管支肺炎が現れ、 時に出血性の肺梗塞を伴う。症例のうち40%で、他の部位への血行性の伝播があ る。アスペルギルス症も稀少ではあるが、火傷創の悪化を圧倒的なものにし、療 治のためにしばしば切断を施す必要がある。侵入性のアスペルギルス症は、一般 に致命的であり、しかして果敢なる診断及び治療が必要である。血液、尿及び脳 脊髄液の培養では滅多に陽性にならないが、塗沫標本及び生検において、真菌を 認めることができる。治療のためにアンフォテリシンBが投与可能である。 ムコール症は、急性であり化膿性の日和見性真菌症で、免疫力が低下した患者 に鼻脳、肺または播種性の疾患を起こし、火傷または開放創を持った患者に局所 性または播種性の疾患を起こす。この感染は、接合菌類のクラスの真菌によって 惹起こされ該真菌には、バシジオボラス(Basidiobolus)、コニジオボラス(Co nidiobolus)、リゾプス(Rhizopus、クモノスカビ)、ムコール(Mucor、ケカ ビ)、アブシジア(Absidia)、モーチエレラ(Mortierella)、クニンガメラ( Cunninghamella、クスダマカビ)、及びサクセナエ(Saksenaea)が包含される 。鼻脳ムコール症は、ムコール症の全症例のうち約半分に相当する。これは最も 速やかなる致死性を持つ真菌性疾患のひとつであり、治療されない患者は2〜1 0日以内で死に至る。初期の臨床的所見には、鼻詰まり、鼻からの血液分泌、顔 面膨化及び顔面痛が挙げられる。次いで、感染は眼、頭蓋神経及び脳に伝藩する 。肺のムコール症は鼻脳疾患とほぼ同様に一般的なものであり、アスペルギルス 症と同様の壊死及び梗塞形成を惹起こす。真菌 は事実上決して見出されず、あるいは血液、痰または脳脊髄液から培養もされな い。播種性のムコール症は、肺または火傷創の感染を伴う。治療にはアンフォテ リシンBが用いられる。 カンジダ症は、酵母であるカンジダの種による宿主における転移増殖または感 染によって惹起こされる局所または全身性の多様なプロセスを称する概括的な用 語である。カンジダ症は全世界において広く発生しており、皮膚、口腔及び他の 粘膜の表面感染が一般的である。例えばガン治療に際して、正常な細菌性フロー ラを破壊する抗生物質、免疫抑制剤、及び骨髄に対して毒性を有する薬剤を高い 投与量にて使用することに起因して、侵入性の全身性疾患が問題になってきてい る。カンジダの播種については、好中球減少が主たる危険因子である。カンジダ 症はまた、AIDS患者、臓器移植患者、腸管外栄養を摂取している患者、ならびに 放射線治療及び化学療法を行っているガン患者などといった免疫力が低下してい る個体のあいだにも見出される。カンジダ症は、世界中で最も一般的な日和見性 の真菌症である。最も一般的な病原学的物質は、カンジダ・アルビカンスである 。他の感染性を持つ種には、カンジダ・トロピカリス(C.tropicalis)、カン ジダ・パラシロシス(C.parapsilosis)、カンジダ・ステラトイデア(C.stel latoidea)、カンジダ・クルセイ(C.krusei)、カンジダ・パラクルセイ(C. parakrusei)、カンジダ・ルシタナエ(C.lusitanae)、カンジダ・シュードト ロピカリス(C.pseudotropicalis)、カンジダ・ギリエルモンディ(C.guilli ermondi)及びカンジダ・グラブラータ(C.glabrata)が包含される。カンジダ ・アルビカンスは、普通に、ヒトの口腔、咽喉、胃腸管及び膣に見出される。ア ルビカンス以外の種は、よく皮膚にコロニー形成している。カンジダ種は、温度 または宿主に依存せず、2つの型で存在する。通常のコロ ニー形成型は、特に組織侵入に際して偽菌糸体の形態に見せかけた酵母類である 。偽菌糸体は、伸長した生物体の分岐鎖の中に酵母が連続的に出芽して生じる。 カンジダ・アルビカンスは、酵母細胞の特定の宿主組織に対する接着を担うと 考えられる、細胞壁マンノタンパク質を含んでいる。かかるマンノタンパク質の タンパク質部分よりもむしろマンナン部分が、マウスにおける脾臓及びリンパ節 への真菌細胞の接着に寄与しているとの報告がなされている。[Kanbeら、Infec tion Immunity、61巻、2578〜2584頁(1993)]。 カンジダ・アルビカンスは、フィブロネクチン、ラミニン、ならびにI型及び IV型コラーケンなどの細胞外マトリックス(ECM)タンパク質(これらはすべて 、ヘパリン結合ドメインを含んでいる)にも強固に結合する。このことは、カン ジダ・アルビカンスがヘパリン様表面分子を発現しているかもしれないことを示 唆している。播種性のカンジダ症の病原論において、カンジダ・アルビカンスの ECMへの接着が重要であるかもしれない。ヘパリン、ヘパラン硫酸及びデキスト ラン硫酸グリコサミノグリカン(GAG)は、おそらくはGAGのECMタンパク質への 結合が関与する機構によって、カンジダ・アルビカンスのECM及びECMタンパク質 に対する接着を阻害し、しかしてこれらの選択的なリガンドをマスキングしてい ることが立証されている。[Klotzら、FEMS Microbiology Letters、78巻、205 〜208頁(1992)。] 臨床的には、カンジダは、表在性の粘膜皮膚感染、慢性の粘膜皮膚カンジダ症 、または全身性感染として現れる。表在性の粘膜皮膚感染は、皮膚または粘膜の いかなる領域にも生じうる。AIDS患者において一般に認められる口瘡は、舌、口 腔、または他の中咽頭表面を覆う斑状または連続的な、クリーム色から灰 色の偽膜により特徴付けられ、潰瘍または壊死を伴う可能性がある。喉頭が冒さ れると、嗄声が惹起こされる。時として、中咽頭の疾患が拡張して食道炎になる 場合があり、胸骨後痛及び嚥下困難の症候を示すかもしれない。腸管のカンジダ 症は、通常は非症候性であるものの、免疫力が低下した個体における血液原性の 侵入の主因となる。間擦疹は、腋窩、そ径部、乳腺下の襞、及びその他の暖かく 湿った領域を冒し、また、赤く侵出性の、または乾燥して鱗状の障害として現れ るかもしれない。感染は他の領域で生じる可能性もあり、それら領域には、肛門 周囲や生殖器の領域が含まれる。爪の感染である爪囲炎は、手または足が湿気に 慢性的に曝されることに伴うことが多い。限定的なT−細胞免疫免疫不全を持つ いくらかの患者は、慢性的な粘膜皮膚のカンジダ症を併発する。これらの患者は 、皮膚、頭皮、爪及び粘膜の、頑固な表面性カンジダ感染に罹患する。 全身性カンジダ症のほとんどの症例は、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・ トロピカリス、及び増加傾向にあるカンジダ・グラバラータによって惹起こされ る。カンジダの感染による臨床的な明示は、眼、腎臓及び皮膚に、主として現れ る。眼では、単一または複数の、白い綿毛状の脈絡膜と網膜の障害が生じるかも しれない。これらの障害は、視覚消失の潜在的な原因である。腎臓が冒されると 、瀰漫性膿瘍、毛細管壊死及び尿管の閉塞が発症する。感染によって、進行性の 腎不全が惹起こされることがある。全身性のカンジダ感染はまた、赤変部分で取 り囲まれた斑小結節性の皮膚障害としても現れ、これら障害は、ざ瘡に類似した 外観を有するが潜在的致死性を呈する疾患の主な端緒となる。全身性のカンジダ 症において他に明示されるものに、骨髄炎、関節炎、髄膜炎、及び脳、心臓、肝 臓、脾臓及び甲状腺における膿瘍が包含される。肺が冒されることも一般 的であるが、肺障害は、通常小さいので、胸部X線では認められない。最後に、 カンジダ心内膜炎は、長期にわたる静脈内治療または心臓弁インプラントを受け ている患者において、または静脈内薬剤の乱用者において発症する可能性がある 。真菌による障害は、弁に現れ、大血管に梗塞を形成したり閉塞を起こしうる。 表面感染は、10%の水酸化カリウムの存在下で、感染した障害の切屑またはス ワブを顕微鏡で調べることによって診断される。カンジダ生物は、グラム染色で も見ることができる。心内膜炎は、血液培養または超音波心臓動態診断で肥厚し た弁の障害を証明することによって診断される。全身性カンジダ症は、感染の通 常部位での移しいコロニー形成の存在により、播種の発症が示唆されるものの、 その立証はなされないので、診断が困難であるかもしれない。全身性カンジダ症 の最も信頼のおける証拠は、組織侵入のバイオプシーによる立証、または脳脊髄 液、肋膜もしくは腹膜液などの閉鎖系の体腔中の液体からの酵母の回収である。 同様に、陽性の血液または尿または痰培養により、侵入性の疾患であるか、また は、内在するデバイス、例えばカテーテルまたは静脈内ラインの周囲に単に局在 するだけの疾患であるかが示されるかもしれない。 粘膜皮膚の感染は、ナイスタチン、アンフォテリシンB、クロトリマゾール、 ミコナゾール、ハロプロジンまたはゲンチアンバイオレットの局所用製剤で治療 されうる。口腔咽頭または食道のカンジダ症は、ケトコナゾールまたはフルコナ ゾールなどの全身用薬剤を用いて治療することができる。慢性的な粘膜皮膚カン ジダ症症候群は、アンフォテリシンBまたはケトコナゾールなどの、局所または 全身用治療薬に感応するかもしれないが、薬物投与が中断されると、しばしば再 発する。膀胱炎は、 アンフォテリシンBを用いた膀胱洗浄、またはフルシトシンを経口投与しつつも しくはこの経口投与をせずに、短期間少量のアンフォテリシンBを静脈内経路で 投与することにより治療されうる。心内膜炎は、6から10週間アンフォテリシン B及びフルシトシンを併用して、弁の取替を行わなければ、本質的には治癒不能 である。しかしながら、療法を用いても、心内膜炎の完全な治癒は必ずしも可能 でない。 全身性カンジダ症の死亡率は、約50%である。全身性カンジダ症は、フルコナ ゾール(静真菌剤)、またはアンフォテリシンB(殺真菌剤)を用いて治療する ことができるが、アンフォテリシンBを全身に用いることは、その毒性により制 限がある。双方の薬剤とも、シクロスポリンA(それ自体腎毒性を有する)と併 用して用いる場合、実質的な副作用を有する。感染を制御するために、静脈内ラ インまたはカテーテルなどの促進的(precipitating)因子を除去することも重 要である。特に免疫力が低下していない患者において、全身性カンジダ症を治療 するために、フルシトシン療法をアンフォテリシンB療法に追加することができ る。しかしながら、免疫力が低下した患者では、これらの感染は問題を孕んでお り、有効な治療に抗するものである。かかる患者では、全身性カンジダ症の死亡 率は90%を越える。さらに、慢性の粘膜皮膚カンジダ症及びカンジダ性心内膜炎 は、治癒したと言明された後に疾患の証拠が示されることがしばしばある。 当該技術分野において、新しい抗真菌方法及び材料に対する要求は現存し続け ている。特に、全身性の真菌症のために有効な抗真菌療法は限られている。この 要求に応じる産物及び方法には、理想的には、合成法または組換え法により大量 に入手可能な、実質的に非毒性の化合物が包含されよう。理想的な化合 物は、唯一の抗真菌剤として投与または適用した場合に種々の異なる真菌種に対 して迅速な作用、ならびに広範なる殺真菌または静真菌活性を有するものであろ う。理想的な化合物は、他の抗真菌剤との併用療法においても、特に、療法が有 効であるために必要とされる抗真菌剤の量をこれらの活性が低減させ、かかる薬 剤の効果を増強し、もしくは潜在的な毒性の応答及び治療における価格の高騰を 限度あるものにする場合に、有用であろう。 発明の要約 本発明は、BPIタンパク質産物の治療的有効量を投与することとにより、真菌 感染に罹患している被験者を治療する方法を提供する。本発明は、BPIタンパク 質産物が殺真菌/静真菌作用を有するという、驚くべき発見に基づくものである 。BPIタンパク質産物は、単独でまたは既知の抗真菌剤と組み合わせて投与する とよい。被験者に補助的な療法がなされる場合、BPIタンパク質産物の投与によ り有効な治療のために必要とされる抗真菌剤の量を減じることができ、しかして 、潜在的な毒性応答及び/または治療に要する価格の高騰が限度あるものになる 。BPIタンパク質産物の投与はまた、かかる薬剤の作用を増強し、かかる薬剤の 作用を促進し、あるいは、このような薬剤に対する真菌の耐性を無効にするかも しれない。 加えて、本発明は、真菌をBPIタンパク質産物に接触させることを含む、殺真 菌または真菌生長阻害の方法を提供する。この方法は、in vivo、または液体及 び表面の浄化のため、ならびに、補綴用の関節及び内在する侵入デバイスを包含 する、外科用及び他の医療用装置及び埋込可能なデバイスを滅菌するための多岐 にわたるin vitro用途などで、実施することができる。 本発明のさらなる特徴には、真菌感染の治療のための医薬製造のためのBPIタ ンパク質産物の使用が包含される。医薬には、BPIタンパク質産物に加えて、抗 真菌剤などの他の化学療法剤が含有されうる。 当業者には、本発明の現在好ましい実施態様を記載した、以下の発明の詳細な 説明を考慮すれば、本発明の多くの付加的な特徴や利点が明らかになるであろう 。 図面の簡単な説明 図1は、種々のBPIタンパク質産物のカンジダ・アルビカンスに対するブロス アッセイ試験の結果を示す。 図2及び3は、カンジダ・アルビカンスによる攻撃、ならびにBPI由来ペプチ ドまたは緩衝液を用いた処置後のマウスにおける生存データをグラフにより表す 。 図4は、カンジダ・アルビカンスによる感染、ならびにrBPI23またはタウマチ ンを用いた処置後のラットにおける呼吸数をグラフにより表す。 図5は、カンジダ・アルビカンスによる感染、ならびにrBPI23またはタウマチ ンを用いた処置後のラットにおける動脈の血圧をグラフにより表す。 図6は、感染、ならびにrBPI23またはタウマチンを用いた処置後のラットにお ける、循環系でのカンジダ・アルビカンスのコロニー形成単位数をグラフにより 表す。 図7は、カンジダ・アルビカンスによる感染、ならびにrBPI23またはタウマチ ンを用いた処置後のラットにおける動脈のpHをグラフにより表す。 図8は、カンジダ・アルビカンスによる感染、ならびにrBPI23またはタウマチ ンを用いた処置後のラットにおける動脈 のPO2をグラフにより表す。 発明の詳細な説明 本発明は、真菌感染に罹患した被験者を治療するためにBPIタンパク質産物を 投与することができるという驚くべき発見に関連し、かかる感染を治療する方法 を提供するものである。予期せざることに、BPIタンパク質産物は、in vitro殺 菌活性ならびに、真菌感染のin vivoモデルにおいて、例えば真菌による攻撃後 の生存が向上することもしくは循環系でのコロニー形成単位が減少することなど によって判定して、双方で抗真菌活性を有することが立証された。アスペルギル スによって惹起こされる感染、クリプトコッカス性髄膜炎などのクリプトコッカ スにより惹起こされる感染、ならびにカンジダ種によって惹起こされる粘膜皮膚 及び全身性カンジダ症を包含する種々の真菌感染を、本発明によって治療するこ とができる。 BPIタンパク質産物は全身に、あるいは局所に投与することができる。全身投 与の経路には、経口、静脈内、筋肉もしくは皮下注射(長時間放出用のデポ剤に 含有せしめられる)、眼内または眼球後部、鞘内、腹膜組織内(例えば腹腔組織 内灌流による)、エアゾル化または霧状にした薬物を用いた経肺、または経皮経 路が包含される。局所経路には、軟膏、眼用滴剤、耳用滴剤、または潅注液(例 えば傷の潅注用)剤形での投与が包含される。 BPIタンパク質産物は、現在のところ有効であることが知られている他の抗真 菌剤と併用して投与してもよい。この目的のために好ましい抗真菌剤は、アンフ ォテリシンB及びフルコナゾールである。抗真菌剤と共にBPIタンパク質産物を 同時に投与することで、抗真菌剤の治療効果の向上が期待される。このよう な向上は、例えば複製などの真菌の生長を根絶または阻害するに要する抗真菌剤 の濃度を低減することを通して起こるのかもしれない。いくらかの薬剤の使用は 、全身性の毒性のためまたはひどく高価格となるために限度があるので、治療効 果のために必要な抗真菌剤の濃度を下げることで毒性及び/または治療価格が低 減され、しかして、その薬剤をより広範に用いることが許容される。BPIタンパ ク質産物と他の抗真菌剤とを同時に投与することで、いずれかの薬剤を単独で用 いた場合に達成しうるよりも迅速または完全な殺真菌/静真菌効果が得られるか もしれない。BPIタンパク質産物の投与は、抗真菌剤に対する真菌の耐性を無効 にするかもしれない。BPIタンパク質産物の投与はまた、静真菌剤を殺真菌剤に 変換させるかもしれない。 本発明により提供される利点は、現在のところ不治であると考えられている真 菌感染、特にカンジダ感染を治療することができることにある。別の利点は、既 知の抗真菌剤への後得した耐性を有する真菌を処置できることにある。例えばア ンフォテリシンBなどの望ましくない副作用を有する抗真菌剤と共にBPIを同時 に投与することのさらなる利点は、有効な治療のために必要な抗真菌剤の量を減 じうることにある。本発明は、さらには、例えば治療期間が短縮され、集中医療 ユニットにおける滞在が短縮されまたは、病院全体での滞在が短縮されるために 、患者の生活の質における恩典をも提供し、付随的に重大な院内(病院でもたら される)感染の危険性を減じるものである。 本明細書中における「同時投与」には、薬剤を一緒に、または互いに先にもし くは後で投与することが包含される。BPIタンパク質産物及び抗真菌剤は、異な る経路によって投与されてもよい。例えば、BPIタンパク質産物を静脈内投与し 、一方抗真菌剤を筋肉、静脈内、皮下、経口または腹膜組織内に投与しても よい。あるいは、BPIタンパク質産物を腹腔組織内に投与し、一方抗真菌剤を腹 腔組織内もしくは静脈内に投与したり、またはBPIタンパク質産物をエアゾルも しくは霧状の剤形にて投与し、一方抗真菌剤を例えば静脈内投与してもよい。BP Iタンパク質産物及び抗真菌剤を、双方とも静脈内投与してもよい。BPIタンパク 質産物及び抗真菌剤は、同じ静脈内ラインを介して(間に水洗をした後)引き続 き与えるか、または異なる静脈内ラインを介して与えてもよい。BPIタンパク質 産物及び抗真菌剤は、双方の薬剤とも感染の部位において有効濃度に達すること を許容するに充分なように与えられる限りにおいて、同時にまたは引き続き投与 することができる。 BPIタンパク質産物及び抗生物質の同時投与によって、真菌感染のさらに効果 的な治療が提供されると予測される。2つの薬剤の同時投与で、どちらかの薬剤 を単独で投与した場合よりも、in vivoにおいて大きな治療効果が提供されるか もしれない。例えば、同時投与によって、同等の治療効果を達成しつつ、一方ま たは双方の薬剤の投与量を低減させることができるかもしれない。あるいは、同 時投与によって、いずれかの薬剤を単独で用いた場合に達成可能な効果よりも迅 速または完全な殺真菌/静真菌効果が生み出されるかもしれない。 治療上の有効性は、首尾良い臨床上の成果に基づくものであり、感染に関わる 生物の100%を抗真菌剤または薬剤が死滅させることが必要なわけではない。成 功は、宿主にとって利となるようにバランスを傾けるよう、真菌を阻害するに充 分な、感染部位における抗真菌活性のレベルを達成することに依存している。宿 主の防御が高度に効果的である場合には、必要な抗真菌作用は、低くてもよい。 1の(常用)対数(指数10)にまで生物への負荷量を減じてでさえも、感染を制 御するための宿主自 身の防御が許容されるかもしれない。加えて、初期の殺真菌/静真菌作用を増加 させることが、長期間の殺真菌/静真菌作用よりも重要でありうる。これらの初 期の成果によって、宿主の防御機構を活性化する時間が与えられるので、かかる 成果は重要であり、治療の成功に決定的な部分である。 BPIタンパク質産物は、補体、p15及びLBPを含む全血または血清、ならびに他 の細胞及び免疫系の成分に存在する種々の宿主防御要素と相互作用すると考えら れる。このような相互作用は、BPIタンパク質産物の活性の強化を生じさせるの かもしれない。これらの相互作用のために、BPIタンパク質産物はin vitroより もin vivoでさらに大きな活性を発揮することが期待できる。しかして、in vitr o試験でin vivoにおける実用が予示はされるが、in vitroで活性がないことが必 ずしもin vivoにおいて活性がないことを示唆するものではない。例えば、BPIは 、旧来の培地を用いたアッセイにおけるよりも、全血または血漿アッセイで、グ ラム陰性細菌に対してより大きな殺菌効果を呈することが観察されている。[We issら、J.Clin.Invest.90巻、1122〜1130頁(1992)]。これは、旧来のin vitro 系が、in vivoにおけるBPIの機能を助長するかもしくは強化する血液成分を欠く ためか、または、旧来の培地がBPIタンパク質産物の典型的な活性阻害剤である マグネシウム及びカルシウムを生理学的濃度よりも多量に含有しているからかも しれない。さらに、宿主において、BPIタンパク質産物はグラム陰性細菌の転位 を中庸化し、付随する菌体内毒素の放出を無効にするのに役立ち、抗真菌活性の in vitro試験によって認められないまたは予測されないさらなる臨床上の利益を 提供する。 BPIタンパク質産物が、BPIタンパク質産物の抗真菌活性を包含するBPIタンパ ク質産物の活性を強化する他の産物と共に投与 することも意図される。例えば、血清補体は、BPIタンパク質産物の殺グラム陰 性細菌活性を強化し、BPIタンパク質産物と血清補体との組合せによって、相乗 的な殺細菌/生長阻害効果が提供される。例えば、Ooiら、J.Biol.Chem.、265巻 、15956頁(1990)、及びBPI殺細菌活性を強化する、天然に存在する15 kDタンパ ク質について述べられている、 Levyら、J.Biol.Chem.、268巻、6038〜6083頁( 1993)を参照されたい。また、1993年7月14日出願の米国特許出願第08/093,201号 の一部継続出願である、1994年7月11日出願の米国特許出願第08/274,303号に対 応する、1994年7月13日出願の共有で係属中であるPCT出願第US94/07834号も参照 されたい。これらの出願は、すべて引用することによりその開示が本明細書に含 まれるものであり、リポ多糖結合タンパク質(LBP)及びLBPタンパク質産物を投 与することによってBPIタンパク質産物の殺グラム陰性細菌活性を強化する方法 が記載されているものである。CD-14免疫促進特性を欠くLBPタンパク質誘導体及 び誘導体ハイブリッドが、1993年6月17日出願の米国特許出願第08/079,510号の 一部継続出願である、1994年6月17日出願の、共有で係属中である米国特許出願 第08/261,660号に対応する、1994年6月17日出願のPCT出願第US94/06931号に記載 されており、これらの出願は、すべて引用することによってその開示が本明細書 に含まれるものである。1995年1月13日出願の、Lambert、米国出願第 号[代理人整理番号第27129/32424号]に記載されているように、ポロキサマー 界面活性剤がBPIタンパク質産物の抗細菌活性を増強させることも観察されてお り、ポロキサマー界面活性剤は、抗真菌剤の活性をも増強するのかもしれない。 本発明の理論に拘束されず、BPIタンパク質産物が種々の作用の態様を有する かもしれないと考えられる。BPIタンパク質産物 はそのヘパリン結合能を通して、細胞外マトリックスへの真菌の結合を妨害する のかもしれない。例えば、カンジダのヘパリン様表面分子が、細胞外マトリック ス及び宿主組織への酵母の接着を媒介すると考えられている。BPIタンパク質産 物は、真菌の細胞質膜上への直接的な作用もしているかもしれない。加えて、BP Iはグラム陰性生物のLPSに構造的に類似している、または標的宿主組織への接着 の原因である、真菌細胞壁マンノタンパク質に結合し、しかして宿主組織との真 菌の相互作用が干渉されるかもしれない。真菌のマンナンへの結合は、BPIタン パク質産物の細胞質内膜への接近も促進するかもしれない。最後に、真菌感染は 腸菌叢(flora)及び/またはLPSのストレス誘導性転位を惹起こすかもしれない ので、BPIはグラム陰性細菌を殺傷し、LPSを中和することによって有益に作用す るかもしれない。 加えて、本発明は、真菌をBPIタンパク質産物に接触させることを含む、真菌 の殺傷または生長阻害の方法を提供する。この方法は、in vivoまたは、食物の 調製における用途、もしくは液体及び表面の浄化のため、もしくは、補綴用の関 節を包含する、外科用及び他の医療用装置及び埋込可能なデバイスを滅菌するた めの用途など、種々のin vitro用途において、実施することができる。これらの 方法は、しばしば感染の病巣である、静脈内ライン及びカテーテルなどの内在す る侵入デバイスのin situ滅菌のためにも用いることができる。 本発明のさらなる特徴には、真菌感染の治療用医薬の製造のためのBPIタンパ ク質産物の使用が包含される。医薬には、BPIタンパク質産物に加えて、抗真菌 剤などの他の化学療法剤が含まれる。医薬は、製薬的に容認されうる希釈剤、佐 剤または担体を随意に含むことができる。 本明細書において用いられる「BPIタンパク質産物」なる語に は、天然に及び組換えにより製造されたBPIタンパク質;天然、合成、及び組換 えの、BPIタンパク質の生物学的に活性を有するポリペプチド断片;ハイブリッ ド融合タンパク質及びダイマーを含む、BPIタンパク質の生物学的に活性を有す るポリペプチド変異体またはその断片;システインで置換された類似体を含む、 BPIタンパク質の生物学的に活性を有するポリペプチド類似体またはその断片ま たは変異体;ならびにBPI由来ペプチドが包含される。本発明に従って投与され るBPIタンパク質産物は、当該技術分野において知られているいかなる手段によ って生産及び/または単離してもよい。引用することによりその開示が本明細書 に含まれるものである、米国特許第5,198,541号に、rBPI50と称される組換えBPI ホロタンパク質及びBPIの組換え断片を含むBPIタンパク質をコードする組換え遺 伝子、及びその発現のための方法が開示されている。共有であり係属中の米国特 許出願第07/885,501号及びその一部継続出願である1993年5月19日出願の米国特 許出願第08/072,063号及び対応する1993年5月19日出願のPCT出願第93/04752号は 、すべて引用することによりその開示が本明細書に含まれるものであるが、培養 において遺伝的に形質転換した哺乳動物宿主細胞において発現し及び該細胞から 分泌される組換えBPIタンパク質産物の新規精製方法を開示しており、また、安 定で均質な製薬調剤に配合するのに好適な、大量の組換えBPI産物をどのように 製造するかを開示している。 BPIの生物学的に活性を有する断片(BPI断片)には、その断片分子が、ホロタ ンパク質のアミノ末端アミノ酸、内部アミノ酸、及び/またはカルボキシ末端ア ミノ酸タンパク質産物を欠くことを除いては、天然のヒトBPIホロタンパク質と 同じまたは類似のアミノ酸配列を有する、生物学的に活性を有する分子が包含さ れる。このような断片の例に、Ooiら、J.Exp.Med.、174 巻、649貞(1991)に記載されるおよそ25 kDの天然ヒトBPIのN-末端断片及びGazz ano-Santoroら、Infect.Immun.60巻、4754〜4761頁(1992)に記載され、rBPI23と 称されている天然ヒトBPIの1位よりおよそ第193から199位までのN-末端アミノ 酸をコードするDNAの組換え発現産物が包含されるが、これらに限定されるもの ではない。かかる出版物において、Grayら、前出の図1に示されると同様の、31 残基のシグナル配列及び成熟ヒトBPIのN-末端の最初の199アミノ酸を有する組 換え発現産物(rBPI23)をコードするDNA(第151位のバリンがGTCでなくGT Gで特定され、第185位の残基がリジン(AAGで特定される)でなくグルタミ ン酸(GAGで特定される)であるという例外を含む)のソースとして、発現ベ クターが用いられた。Grayら、前出の図1に示される配列(配列番号:145及 び146)を有する組換えホロタンパク質(rBPI)も製造されている(rBPI23に ついて注解した例外、及び第417位の残基がバリン(GTTで特定される)でな くアラニン(GCTで特定される)であるという点は異なる)。他の例には、共 有であり係属中の、1994年3月11日出願の米国特許出願第08/212,132号及び対応 するPCT出願第 号(引用することによりそれらの開示が本明細書に含 まれるものである)に記載されるごとき、BPI断片のダイマー型が包含される。 好ましいダイマー産物には、モノマーが、BPIホロタンパク質のおよそ第1〜175 から、およそ第1〜199までのN-末端残基を有するアミノ末端BPI断片である、ダ イマーBPIタンパク質産物が包含される。特に好ましいダイマー産物は、rBPI42 ダイマーと名付けられた、N-末端残基第1から193までを有するBPI断片のダイマ ー型である。 BPIの生物学的に活性を有する変異体(BPI変異体)には、BPIホロタンパク質 またはその生物学的に活性を有する断片及び 他のポリペプチドの少なくとも一部を含む組換えハイブリッド融合タンパク質、 ならびにBPI変異体のダイマー型が包含されるが、これらに限定されない。この ようなハイブリッド融合タンパク質及びダイマー型の例は、共有であり係属中の 米国特許出願第07/885,501号(Theofanらによる)及びその一部継続出願である1 993年5月19日出願の米国特許出願第08/064,693号及び対応する1993年5月19日出 願のPCT出願第US93/04754号(すべて引用することによりその開示が本明細書に 含まれるものである)に記載されており、アミノ末端端部でBPIタンパク質また はその生物学的活性を有する断片、及びカルボキシ末端端部で少なくとも1つの 免疫グロブリン重鎖の定常ドメインまたはその対立変異体を含む、ハイブリッド 融合タンパク質を包含する。 BPIの生物学的に活性を有する類似体(BPI類似体)には、1以上のアミノ酸残 基が異なるアミノ酸に置換されているBPIタンパク質産物が包含されるが、これ らに限定されない。例えば、共有であり係属中の1993年2月2日出願の米国特許出 願第08/013,801号及び対応する1994年2月2日出願のPCT出願第US94/01235号(す べて引用することによりその開示が本明細書に含まれるものである)に、システ イン残基が異なるアミノ酸で置換されたBPI及びBPI断片のポリペプチド類似体が 開示されている。この出願に記載された安定なBPIタンパク質産物は、BPIホロタ ンパク質のN-末端アミノ酸の第1アミノ酸からおよそ第193または199までのア ミノ酸をコードするDNAの発現産物(但し、第132番目のシステイン残基がアラニ ンで置換されており、rBPI21ΔcysまたはrBPI21と名付けられている)である。 他の例としては、例えば、共有であり係属中の1994年3月11日出願の米国特許出 願第08/212,132号及び対応するPCT出願第 号(引用することによりそ の開示が本明細書に含まれるものである)の、 BPI類似体のダイマー型が包含される。 本発明の方法に有用な他のBPIタンパク質産物は、1994年9月15日出願の米国特 許出願第08/306,473号に対応する、共有であり係属中の1994年9月15日出願のPCT 出願第US94/010427号、及び、1993年7月15日出願の米国特許出願第08/093,202号 (これに対応する国際出願は、1994年3月11日出願のPCT出願第US94/02401号であ る)の一部継続出願である、1994年1月14日出願の米国特許出願第08/183,222号 の一部継続出願である、1994年3月11日出願の米国特許出願第08/209,762号に対 応する、1994年3月11日出願のPCT出願第US94/02465号(これらはすべて引用する ことによりその開示が本明細書に含まれるものである)に記載されるものなどの 、組換えまたは合成手段により生産されるBPI由来のまたはそれらBPIに基づくペ プチド(BPI由来ペプチド)である。 現在のところ好ましいBPIタンパク質産物には、組換えによって生産されたBPI のN-末端断片、特にrBPI23またはrBPI21などの、およそ21から25 kDのあいだの 分子量を有するもの、もしくは、これらN-末端断片のダイマー型(例えばrBPI4 2 ダイマー)が包含される。加うるに、好ましいBPIタンパク質産物には、rBPI50 及びBPI由来ペプチドが包含される。現在のところ好ましいBPI由来ペプチドには 、約第142位から約第169位までのBPIタンパク質のアミノ酸配列、そのサブ配列 ならびに、その配列またはそのサブ配列の変異配列を有するもので、BPI抗真菌 生物学的活性を有するものが包含される。 BPIタンパク質産物の投与は、好ましくはBPIタンパク質産物及び製薬的に容認 されうる希釈剤、佐剤または担体を含む、医薬組成物を用いて成し遂げられる。 BPIタンパク質産物は、既知の界面活性剤、他の化学療法剤または付加的な既知 の抗真菌剤と併用してまたは併用せずに投与することができる。BPIタンパ ク質産物(例えば、rBPI50、rBPI23)を含有する安定な医薬組成物は、0.1重量 %のポロキサマー188(Pluronic F-68、BASF Wyandotte、Parsippany、ニュージ ャージー州)及び0.002重量%のポリソルベート80(Tween 80、ICI Americans I nc.、Wilmington、デラウェア州)を含むクエン酸緩衝性生理食塩水(5または20 mMクエン酸塩、150 mM NaCl、pH 5.0)中に、1 mg/mlの濃度でBPIタンパク質産 物を含むものである。BPIタンパク質産物(例えばrBPI21)を含有する他の安定 な医薬組成物は、5 mMクエン酸塩、150 mM NaCl、0.2%ポロキサマー188及び0.0 02%ポリソルベート80中に2 mg/mlの濃度でBPIタンパク質産物を含むものである 。このような好ましい組合せが、1994年2月2日出願の米国特許出願第08/190,896 号及び1993年2月2日出願の米国特許出願第08/012,360号に対応する、共有で係属 中の、1994年2月2日出願のPCT出願第US94/01239号に記載されており、これらは すべて引用することによりその開示が本明細書に含まれるものである。 以下の例示的な実施例を考慮して、本発明の他の特徴及び利点が理解されるで あろう。実施例1は、BPIタンパク質産物の調製及びin vitro抗真菌性試験を示 し、実施例2は、カンジダで攻撃されたマウスの生存率に対するBPIタンパク質 産物のin vivo効果を示し、実施例3は、多岐にわたる真菌種に対するBPIタンパ ク質産物の抗真菌効果の、追加のin vitro及びin vivo試験を示し、実施例4は 、ラットにおけるBPIタンパク質産物のin vivo抗真菌効果を示し、実施例5は、 さらなる抗真菌効果のin vivo試験を示す。 実施例1 IN VITRO 抗真菌効果 本実施例では、BPIタンパク質産物のin vitroスクリーニング、及び特に、BPI 由来ペプチドのブロスアッセイ及び/または放射拡散アッセイにおける抗真菌活 性について示す。 試験に供したBPI由来ペプチドはすべて、親出願の米国特許出願第08/209,762 号及び第08/183,222号に記載される方法に従って、調製した。手短に要約すると 、ペプチドは、Applied Biosystems,Inc.Model 432ペプチド合成機を用いて、 Merrifield、J.Am.Chem.Soc.、85巻、2149頁(1963)及びMerrifieldら、Anal.Che m.、38巻、1905〜1914頁(1966)の方法に従って、固相ペプチド合成によって調製 した。あるいは、ペプチドは、以下の実施例2に記載する方法によって合成して もよい。ペプチドのデザインは、部分的に、BPIホロタンパク質のNH2末端領域 に存在する3つの機能性ドメインの発見に基づき、そのドメインとは、約第17位 から約第45位までのBPIアミノ酸を含むドメインI(配列番号:1)、約第65位 から約第99位までのBPIアミノ酸を含むドメインII(配列番号:6)、及び約第1 42位から約第169位までのBPIアミノ酸を含むドメインIII(配列番号:12)で ある。ペプチドには、ドメイン配列及びそのドメイン配列のサブ配列ならびにそ の変異体が包含され、単一または複数のアミノ酸(典型的でないアミノ酸を含む )で置換されたかまたは置換されていない、直鎖状及び分岐鎖が組合わさったペ プチドを包含し、それらのみならず、環状ペプチド及びドメイン間配列ペプチド が含まれる。以下の表1に、BPI配列より由来するまたはBPI配列に基づいたペプ チドが示され、これらは接頭のXMPまたはBPIに伴うペプチド番号(例えば、XMP. 1またはBPI.1、XMP.2またはBPI.2)、配列番号:、BPIの中での参照位置に基づ いたアミノ酸配列ならびにアミノ酸置換及び付加 の標記によって識別される。さらに表1に示されるのは、それらペプチドのマス スペクトル及びHPLCによる純度の評価である。 各ブロスアッセイスクリーニング法において、CA-1と名付けたカンジダ・アル ビカンス、SLU#1株(株が維持されていた、St.Louis University Hospital、St. Louis、ミズーリー州のG.Matuschak及びA.Lechnerの研究室から受領した)のコ ロニーを、5 mlのサブローデキストロースブロス(2%デキストロース、1%ネオ ペプトン)を含有するチューブに接種し、振盪しつつ37℃にて一晩インキュベー トした。一晩培養した培養物を5 mlの新鮮なブロスにて1:50に希釈し、37℃に て3時間インキュベートした。生物をBeckman J-6M遠心機において3000 rpm(15 00× g)にて5分間遠心することによりペレットとし、そのペレットは5 mlのリ ン酸緩衝性生理食塩水(PBS)中に再懸濁して、570 nmにおける吸光度を測定し た。1 OD単位は3 × 107コロニー形成単位/mlに等しいという測定結果に基づい て、酵母細胞をサブローデキストロースブロス中、2 × 106細胞/mlに希釈した 。 スクリーニングすべきBPI由来のペプチドまたはBPIに基づくペプチドは、元は ダルベッコ−PBSにおいて構成されていたが、ブロス中100μg/mlに希釈し、そし て、96ウェルの滅菌した、平底の発熱物質不含の組織培養プレート(Costar、Ca mbridge、マサチューセッツ州)のウェルの中へ連続的に2倍希釈していった。 すべてのアッセイは、3重検定で実施した。2 × 105の生物をウェル当たり100 μlにて添加して、プレートを37℃にて18時間振盪機でインキュベートし、そし て各ウェルについての吸光度を、590 nmにて読み取った。本明細書に添付した図 1に、5つのペプチド(XMP.13、XMP.138、XMP.139、XMP.142及びXMP.143)に対 する用量曲線をグラフで示す。示した全ペプチドが、培養物の吸光度を約50μg/ mlを下回る用量において0.1を越えな い数値にまで減じさせたが、XMP.138が、示したペプチドのうち低用量で最も良 い結果を呈した。表1に、最小阻害濃度(MIC)(すなわち、590 nmにおける吸 光度を0.1を越えない数値に減じさせるに要する最低濃度)によって、ブロスア ッセイのデータを表す。 放射拡散アッセイ法において、酵母CA-1培養物及びペプチド溶液を、前記のブ ロスアッセイ法におけると同様に調製した。3%サブローデキストロースブロス 、1%アガロース(Pharmacia、Piscataway、ニュージャージー州)、0.02%Twee n 20、及び10 mMリン酸ナトリウム、pH 7.4を含む、10 mLの融解した下層アガロ ースをポリスチレンチューブに加え、酵母を添加するまで、56℃の水浴中に保持 した。チューブをおよそ45℃にまで冷却し、酵母を添加して1 × 106CFU/mlの最 終濃度となるようにし、チューブを反転させることにより再度混合した。内容物 を平坦な四角形のペトリ皿に注加し、平均に分布させた。アガロースは30秒経た ないうちに固化し、約1 mmの均一の厚みを有していた。固まったアガロースに、 真空装置が装着された滅菌した3 mmの穿孔器を用いて、一連のウェルを穿孔した 。 アッセイすべきペプチドは、およそ1 mg/mLの濃度から始めて、ダルベッコPBS (D-PBS)で連続的に2倍に希釈していった。各希釈液のうち5μLを、各々のウ ェルに加えて、プレートを37℃にて3時間インキュベートした。次いで、6%サ ブローデキストロースブロス、1%アガロース、及び10 mMリン酸ナトリウム、pH 7.4(およそ45℃)を含む、10 mLの融解したアガロース上層を加え、プレート を37℃にて一晩インキュベートした。この一晩にわたるインキュベーションに続 き、希釈したクーマシー溶液をプレートに注加し、24時間染色させた。 各ウェルを取り囲む生長阻害の清澄域を、カリパスを用いて測定した。実際の 生長阻害面積(mm2)は、ウェルの面積を引くことで算出した。以下の表1に、3 0 mm2の生長阻害面積をなすために必要なペプチドのピコモル数(pmol)によっ て、調べたペプチドについての放射拡散アッセイの結果を表す。 ペプチドXMP.221からXMP.281まで(配列番号:166から226)を調製し、 前記のごとくに抗真菌活性について試験した。 他の抗真菌剤に対して耐性であると考えられるカンジダの株:ポリエン耐性の カンジダ・アルビカンス(ATCC受託番号第38247号)、5-フルオロシトシン 耐性のカンジダ・アルビカンス(ATCC第44373号)、アゾール耐性のカンジ ダ・アルビカンス(ATCC第62342号)及びケトコナゾール耐性のカンジダ・ アルビカンス(ATCC第64124号)へのBPIタンパク質産物の抗真菌活性を調べ るために、さらなる実験を行なった。 実施例2 全身性のカンジダ感染を有するマウスにおける BPIタンパク質産物のIN VIVO 抗真菌効果 本実施例では、カンジダ・アルビカンスを全身に感染させたマスの総死亡数ま たは死亡率の軽減において、BPIタンパク質産物、特にBPI由来ペプチドのin viv o抗真菌効果を示す。実施例1に記載した放射拡散及びブロスアッセイで抗真菌 活性についてスクリーニングしたBPI由来ペプチドを、実施例1に記載の通りに 調製して、以下のごとく精製した。 さらなる研究のために選択された殺真菌性ペプチドを、大容量で合成した。ペ プチドは、Advanced Chemtech(ACT-Model 357 MPS)合成機での固相ペプチド合 成を使用し、N,N-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)/1-ヒドロキシベン ゾトリアゾール(HOBt)及び2-(1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3,-テ トラメチルウロニウムヘキサ-フルオロフォスフェート(HBTU)/HOBt/ジイソプ ロピルエチルアミン(DIEA)を使用する二重カップリング法を採用し、1-フルオ レニルメチル-オキシカルボニル(Fmoc)保護ストラテジーを利用して製造した 。 固体支持体として、1%ジビニルベンゼン(DVB)架橋剤及び0.44 mmol/グラム の置換率を有する4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキ シ(Fmoc-Rinkアミド)リンカーと共にポリスチレン樹脂を使用した。用いたス ケールは、開始時樹脂量で0.5グラムから5グラムの間であった。ペプチドは、40 × 10 mmのガードカートリッジ及び40 × 100 mmのPrep Pakカートリッジから なる、Delta Pak C-18、15 um、300 Aカートリッジカラムを装着したWaters Pre p LC 2000 Preparative Chromatography System(Water Corp.、Milford、マサ チューセ ッツ州)を用いて、HPLCによって精製した。カラムは、25%の緩衝液Bで平衡化 し、Aはアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸であり、そしてBは80%アセト ニトリル/0.065%トリフルオロ酢酸であった。ペプチドは緩衝液A中に20mg/mL 以下に溶解し、そして8 mL/分の流速にて、LCポンプ操作を通して200〜800 mgを カラムに付した。結合した物質を、30分にわたって 8mL/分にて付される25〜35 %の緩衝液Bの濃度勾配を用いて溶出した。(あるペプチドは、30分で23〜33% のBの濃度勾配にて精製した)。溶出液は、Waters 490E Programmable Multiwa velength Detectorで、220及び280 nmにてモニターした。画分を集め、そして、 40℃に保持したZorbax C-8、150 × 1 mm、5 um、300 Aを装着したUltrafast Mi croprotein Analyzer(Michrom BioResources,Inc.、Pleasanton、カリフォル ニア州)で、興味あるペプチドについてアッセイした。95%を越える純度の、興 味あるペプチドを含有する画分を集めて、凍結乾燥処理により乾燥した。 6〜8週齢の雄性DBA/2Jマウス(Jackson Laboratory、Bar Harbor、メイン州 )15匹の5つの群に、尾静脈への静脈注射により1.24 × 105のカンジダ・アル ビカンス(St.Louis University Medical Center、ミズーリー州からの、バッチ SLU-1)を接種した。このモデルでは、1 × 105のカンジダ接種の結果、28日で8 0%致死量(LD80)に至った。真菌で攻撃した直後に、尾静脈を介して10 mg/kg のXMP.36、5 mg/kgのXMP.97、10 mg/kgのXMP.102、1 mg/kgのアンフォテリシン B(Sigma、St.Louis、ミズーリー州)、または対照として0.1 mLのリン酸緩衝 性生理食塩水(PBS)をマウスに静脈注射した。2日目及び4日目に同量のBPIタ ンパク質産物(例外として、XMP.36は第2回目に5 mg/kgの投与量にて与えた)を 用いた処置を繰り返した。 28日目に試験を終了するまで、死亡率につき、1日2回マウスを監視した。図 2に表す死亡率のデータで、28日目までに、アンフォテリシンBで処置したマ ウスの100%が生存し、XMP.97で処置したマウスの53%が生存し(対照に比較し てp<0.05)、XMP.36で処置したマウスの33%が生存し、XMP.102で処置したマウ スの27%が生存し、そしてPBSで処置したマウスの20%が生存することが示され る。図2において、「×」の記号は、アンフォテリシンBでの処置、白抜きの四 角はXMP.97での処置、白抜きの円形はXMP.36での処置、白抜きの菱形はXMP.102 での処置、及び白抜きの三角は緩衝液での処置後の生存を表す。Lifetest Survi val Curve分析を用いて統計的有意性を評価した。[Lawless、Statistical Mode ls and Methods for Lifetime Data、John Wiley & Sons、New York(1982)。] 生存における期間及びほぼ直線的な減衰はヒトの日和見性のカンジダ症に類似し ている。 15匹のマウス5群について、0.5 × 105のカンジダ・アルビカンスによる真 菌での攻撃に続き、0日、2日及び5日目に10 mg/kgのXMP.127、5 mg/kgのXMP. 13、5 mg/kgのXMP.37、1 mg/kgのアンフォテリシンB、または対照として0.1mL のPBSを用いて処置して、第2の実験を行なった。図3に表す死亡率のデータに より、28日目までに、アンフォテリシンBで処置したマウスの100%が生存し 、XMP.127で処置したマウスの67%が生存し(対照に比較してp<0.05)、XMP.37 で処置したマウスの33%が生存し、XMP.13で処置したマウスの20%が生存し、そ してPBSで処置したマウスの33%が生存することが示される。図3において、「 ×」の記号はアンフォテリシンBでの処置、白抜きの円形はXMP.127での処置、 黒塗りの三角は緩衝液での処置、白抜きの四角はXMP.37での処置、白抜きの三角 はXMP.13での処 置後の生存を表す。 これらの試験において、予期されるとおりアンフォテリシンBには完全に保護 能があった。抗真菌活性を有しない対照のペプチドであるXMP.102の効果は、PBS となんら異なることはなかった。このデータにより、全身をカンジダ・アルビカ ンスで攻撃したマウスへのBPI由来ペプチドXMP.97及びXMP.127の投与によって、 予期せざることに、緩衝液で処置した対照に比較して死亡率の有意な低下が提供 されることが立証される。 他の抗真菌剤に対して耐性であると考えられるカンジダの株:ポリエン耐性の カンジダ・アルビカンス(ATCC受託番号第38247号)、5-フルオロシトシン 耐性のカンジダ・アルビカンス(ATCC第44373号)、アゾール耐性のカンジ ダ・アルビカンス(ATCC第62342号)及びケトコナゾール耐性のカンジダ・ アルビカンス(ATCC第64124号)へのBPIタンパク質産物の抗真菌活性を確か めるために、さらなる実験を行なった。 実施例3 種々の真菌種に対するBPIタンパク質産物の IN VITRO 及びIN VIVOの効果 BPIタンパク質産物の抗真菌活性を、例えばブロスアッセイなどにおけるin vi tro、及びクリプトスポリジアム・パルバム(Cryptosporidium parvum)、クリ プトコッカス・ネオフォーマンス及びヒストプラスマ・カプスラタム(capsulat um)を包含する種々の真菌種に対する動物モデルにおいてのin vivo評価を行な う。クリプトスポリジアム・パルバムに対する動物モデルには、重篤な複合免疫 不全(SCID)マウスモデル及び初乳が剥奪されたSPF小豚モデルが含まれる。 実施例4 カンジダに感染した、好中球減少症ラットにおける BPIタンパク質産物のIN VIVO抗真菌効果 本実施例は、抗真菌活性についてのBPIタンパク質産物のin vivo試験、特に、 カンジダ・アルビカンスの臨床分離株の酵母相の懸濁液を大量且つ致死量、好中 球減少症ラットに感染させた後の敗血性ショックの進行を包含する、感染の症候 及びその続発症を鈍化または防止するうえでの、BPIタンパク質産物であるrBPI2 3 の効力を示す。rBPI23を用いたラットの処置(n=6のラット)を、類似の分 子量及び電荷を有するが、rBPI23の殺微生物効果を有しない対照タンパク質であ るタウマチンによる処置(n=5のラット)と比較した。免疫力が低下した宿主 動物におけるカンジダ生物を用いた圧倒的な感染の、初期実験のあいだ、感染後 24時間にわたる生存、全身の動脈圧、脈拍、呼吸数及びコア(core)体温、血液 細胞数及び血液ガス、循環系のカンジダのコロニー形成単位(CFU)、ならびに 肺、肝臓、心臓、及び腎臓の微少血管透過性及び組織病理学を包含する複数の指 標について動物を監視した。圧倒的な感染によるかかる条件のもとで、BPIタン パク質を用いた処置は、生存にはほとんどまたは全く効果を有しないことが予測 されるかもしれないが、感染の際に監視される他の指標に対して効果を有するか もしれないと考えられる。 詳細には、以下の方法に従った。雄性Sprague-Dawleyラット(初期体重=280 〜300 g、特に病原体は有しない、Harlan、Indianapolis、インディアナ州)を 孤立させてケージに入れ、実験前及び実験中、食餌及び水を自由に摂取できるよ うにした。カンジダで感染する4日前に、100 mg/kgのシクロホスファミド (滅菌したリン酸緩衝性生理食塩水、pH 7.4中で結晶から再構成した、20 mg/ml 溶液を使用、Sigma、St.Louis、ミズーリー州)を腹腔内注射して、これらの動 物に、4〜7日間継続する、絶対的好中球減少症を誘導した。感染の前日に、ケ タミン:キシラジン(2:1、0.9 ml/kg、筋肉注射)で麻酔をかけて、左頚動脈 及び右頚静脈に無菌的にカテーテル挿入した。カテーテル挿入の術後直ちに、動 物に2.5 mgのアミカシン硫酸及び300 mgのペニシリンを静脈内投与した。 CA-1株のカンジダ・アルビカンス(CA)の培養は、28℃にてペニシリン/スト レプトマイシンを含有するサブローデキストロースアガー斜面に毎週移植するこ とにより維持し、これらをサブローブロスに移し、48〜72時間振盪水浴中で37℃ にてインキュベートし、そして使用前の24時間、新鮮なサブローブロスに再懸濁 した。注入用の酵母相CA(分生胞子芽(blasto-conidia))を、4℃にて10分間 、400 × gで沈殿させ、生理食塩水で2度洗浄し、連続的な希釈及び血球計を用 いて1 × 109生物/mlになるように生理食塩水中に再懸濁し、そして、使用時ま で4℃に保った。CA注入物中の内毒素レベルは、定量的色素産生リムラス変形細 胞(Limulus amebocyte)溶解液アッセイ(Whittaker M.A.Bioproducts、Walk ersville、メリーランド州)によってアッセイしたところ、30 pg/ml以下であっ た。CA接種材料の生存度は、トリパンブルー排斥によって99%を上回ることが確 認され、使用前の顕微鏡試験で、発芽は示されていなかった。1 × 109/mlと算 定されたCA接種材料について、サブローデキストロースアガー上に37℃にて24時 間、線条播種した連続希釈によると、実際のコロニー形成単位(CFU)は5.7 ±0 .2 × 108CFU/ml(平均±標準誤差)であると判定された。 CA感染前及び感染後に、動物をrBPI23または対照タンパク質 のタウマチンの2 mg/ml溶液(双方とも、150 mM NaCl、5 mM クエン酸ナトリウ ム、pH 5.0)で処置した。CA注入開始の5分前に、rBPI23またはタウマチンを6. 6 mg/kgの静脈内丸塊の形態にて投与した。次いでラットを、30分間にわたって 生物の大量注入で感染させた。(Sage Pump、Cambridge、マサチューセッツ州) [12時間未満でLD100に至る、1 ml中1 × 109のCA]T=0は、CA注入が完了し た時間と考えた。感染後直ちに、6.6 mg/kg/時の継続的な静脈内注入にて、4時 間にわたってラットにrBPI23またはタウマチンを投与し、続いて次の4時間に1 ml/時で、生理食塩水を注入した。感染した動物に、T=30分に追加の抗生物質 (2.5 mgのアミカシン硫酸及び300 mgのペニシリン、静脈内)を与えた。6匹の 白血球減少症の対照ラットは、生理食塩水で擬感染し、そしてrBPI23処置もタウ マチンン処置も施さなかった。 血行動態及び生命兆候を、30分毎に記録した。動脈圧(mm Hg)及び脈拍数( 拍動数/分)を、マルチチャンネルフィジオグラフ(MK-III-S;Narco Bio-Syst ems、Houston、テキサス州)に継続的に記録した。呼吸頻度(呼吸数/分)は、 直接観察により評価し、直腸温度(℃)は、ミニプローブ(Diatek、San Diego 、カリフォルニア州)によって測定した。基線となる動脈血試料(1.5 ml)は、 30分の平衡化の後に採集し、追加の動脈血試料は、T=1.5及び4.5時間にて(ま たは、それより早く死亡例が生じれば、死亡時に)採取した。各血液試料の後に 、同容積に測定した生理食塩水を、頚静脈カテーテルを介して与えた。これらの 血液試料について、ミクロヘマトクリット、IL-1306機(Instrumentation Labor atory、Lexington、マサチューセッツ州)を用いた血液ガス、総白血球及び血小 板計数(相顕微鏡法による)、分別白血球計数(Diff-Quik; Baxter、 Miami、フロリダ州)、ならびに定量的血液培養の2重検定分析を行った(結果 を図6に示す)。 痙攣または加速度的に重篤になる呼吸困難を呈したいずれの動物も、慈悲をも って屠殺し、その時点まで生存していたものとして計数した。死亡時に、微小血 管の透過性の変化及び浮腫の指標である、湿潤/乾燥重量比(W/D)を70℃で 一定の重量にまで乾燥することによって測定するために、気管支を結紮した後、 右肺の頭葉を切除した。左肺は、20〜22 cm H2Oの経肺膨満圧にてカコジル酸 塩緩衝性グルタルアルデヒドを用いて30分間in situ固定し、続いて、脱水及び パラフィンへの埋設の前に5℃にて一晩、新鮮なグルタルアルデヒド中で2〜3 mm の中葉スライスを固定した。6μmの肺の連続切片を、慣例の組織病理学用のヘマ トキシリン及びエオシン、酵母を同定するための過ヨウ素酸シッフ(PAS)、な らびに好中球顆粒を染色するためのクロロアセテートエステラーゼ(CAE)を用 いて染色した。肝臓、心臓、及び腎臓を切除し、これらの器官からの標準化組織 切片も、W/D測定のために単離し、または緩衝性ホルマリンに浸漬固定して肺 について前記したと同様の工程を実施した。 反復測定ANOVA及びNewman-Keuls試験を用いたポスト−ホック(post-hoc)比 較によって分析した群内及び群間の変数に対する逐次変化と共に、平均±標準誤 差としてデータを表している。統計的有意性は、P-値<0.05に対して認定した。 この初期実験において、1 × 109CAの大量投与量に応答して、好中球減少症ラ ットは致死的な真菌原性感染に罹り、この感染で6時間以内にショックが進行し 、この条件下ではrBPI23を用いた処置によってショックが遅延されたり妨げられ たりしなかった。多くの動物において致死性ショックが迅速に開始される結果、 後になって試料を採取する時点でのn-値が小さくなって しまうことは、注意すべきである。この1 × 109CAの投与量での生存に対する効 果は立証されなかったが、これらのBPI23処置ラットにおいて、タウマチンを与 えた動物に比して、1.5及び4.5時間で循環系におけるCAの静脈内クリアランスが 統計的に有意に増強されることが示された(p<0.05、図6の定量的血液培養の結 果を参照されたい)。循環系におけるカンジダレベルの減少は、因数10でも治療 上の成功において重要な因子となりうるので、このような抗真菌効果は特筆すべ きであり、また極めて意義深い。 この1 × 109CA生物の投与量において、rBPI23を用いた処置(対照のタンパク 質に対して)が、CA感染に続く全身性低血圧及び呼吸困難を伴う頻呼吸の開始を 一貫して遅延させることはなかった。タウマチン-及びrBPI23-処置ラットの双方 における真菌原性の循環系不全症に先がけて、顕著に急激に始まる徐脈及び低血 圧が発症し、1 × 109のCAで感染した動物は、安定な血行動態から15〜30分以内 に死に至った。rBPI23はこのようなカンジダ血症の動物で生存時間を延長させな かったが、対照タンパク質のみで処置した1 × 109のCAで感染したラットにおい て4.5時間までに(または、それより早く死亡例が生じれば、死亡時に)認めら れた、重篤な頻呼吸(図4)及び低血圧(図5)を軽減した。しかして、rBPI23 は、上記図6において示されるように循環している生物の静脈内クリアランスを 劇的に増加させることにより、また図4及び5に示すようにCAで誘導された敗血 症の際の心肺指標及び生命兆候の双方を安定化することによって、この圧倒的な CA感染のモデルにおける予測されなかった有益な効果を有していた。BPIタンパ ク質産物をより多くの量、もしくはより持続的に投与することで、このモデルで さらに優れた有益な効果が達成されることが予期される。また、関連す る臨床上のCA感染の際に認められるごとき、より低レベルのCA感染では、BPIタ ンパク質産物がさらに優れた効果を提供することが予期される。 タウマチン処置ラットにおける致死性カンジダ血症は、3〜6時間で死亡するま での、有意なる動脈酸血症、低酸素血症、及び炭酸過剰症を伴う。rBPI23を用い た処置で、カンジダ血漿のショックの際の動脈酸血症(図7)及び低酸素血症( 図8)の双方が軽減された。試験したラットのすべてで、動脈ヘマトクリット、 総白血球数、及び血小板数の、基線となる血液動態指標は、この動物モデルにお いてシクロホスファミドにより誘導されるわずかな、甚だしい、及び中庸の増加 を各々反映していた。カンジダ血症のラットの間でヘマトクリットが高値である のは、血漿の溢出に起因する血液濃縮を反映しており、この結果は対照のタンパ ク質であるタウマチンを与えたカンジダ血症の動物に対する結果と比較して、rB PI23処置によってわずかに軽減されていた。動脈の総白血球数は、シクロフォス ファミドを用いた前処置のゆえに基線において低値であるが、カンジダ血症のラ ットの間では白血球減少が徐々に始まり、そしてrBPI23とタウマチン処置群との 間に白血球数の有意差はなかった。最後に、すべての感染ラットが有意な動脈血 小板減少症に罹り、これはカンジダ血症の動物の間で4.5時間までに(または、 それより早く死亡例が生じれば、死亡時に)明瞭に現れ、いずれのCA感染群につ いても、タウマチンに比較して、rBPI23を用いた処置が末梢の血小板損失の程度 または動力学を変化させることはなかった。 生理食塩水で擬感染させた好中球減少症の対照ラットに比較して、前記のごと く1 × 109の生物を注射して対照のタンパク質(タウマチン)またはBPIタンパ ク質産物(rBPI23)を用いて 処置したカンジダ血症のラットは、肺の湿潤/乾燥重量比(W/D)が有意に高 められていたが、肝W/D及び腎W/Dにおける増加程度はそれよりも少なかっ た。1 × 109のCAにより感染して死亡するこれらの動物からの肺の組織学的実験 によって、重篤な血管周囲及び気管支周囲の袖口様縁形成ならびにフィブリン沈 着を伴う拡張性肺胞内破(flooding)で特徴付けられる出血起因性の肺浮腫の迅 速な発症をrBPI23が改変することはないことが明らかになった。発芽菌糸として の静脈内酵母凝集物から肺胞空間内に直接噴出しているカンジダ分生胞子芽が観 察された。肝臓における組織学的変化もまた重篤であって、完全なグリコーゲン の枯渇及び門脈三分岐から漸進的な隔たりをもって、且つシヌソイドの星細胞に より貧食されるが殺傷はされなかった発芽CAの近傍での帯性の空胞化を示す肝細 胞が認められた。他の組織も発芽酵母を含んでいた(心臓及び腎臓で顕著)が、 これらの器官の全体としての様相は、CAの菌糸の病巣塊(focal mass)を除けば 著しいものではなかった。 実施例5 カンジダに感染した好中球減少症ラットにおける BPIタンパク質産物のIN VIVO抗真菌効果 本実施例には、特にBPIタンパク質産物投与によってもたらされる循環系中の カンジダ・アルビカンスのコロニー形成単位の有意な低下を包含する、圧倒的な カンジダ感染(すなわち、実施例2に記載した1 × 109CAの生物量)に対するBP Iタンパク質産物処置の有益な効果に鑑みた、追加のin vivo実験を示す。追加の 実験は、実施例2に記載したカンジダ感染の好中球減少症ラットモデルを用いて 行うが、より低量のCA生物を動物モデルに投与し、且つ/またはBPIタンパク質 産物量を増加して投与 し、同じかまたはより長期間、単独でまたは既知の抗真菌剤と併用して行なう。 かかる実験は、不意のCA感染への典型的な応答により密接に近似するようデザイ ンされたモデル系において、例えば死亡及び真菌原性ショックから保護すること を含む、真菌感染治療におけるBPIタンパク質産物の効力を試験をするためにデ ザインされる。 当業者であれば、本明細書における本発明の好ましい実施態様の前記記載を考 慮して、本発明を実施する上での多くの修正や変更を想起することが予測される 。よって、本発明の範囲は、添付の請求の範囲に登載される限定によってしか、 限定を受けるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 8615−4C C07H 21/04 B // C07K 14/47 9356−4H C07K 14/47 C12N 15/09 ZNA 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9282−4B C12N 15/00 ZNAA (31)優先権主張番号 08/273,540 (32)優先日 1994年7月11日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 スキャノン, パトリック, ジェイ. アメリカ合衆国 94117 カリフォルニア サン フランシスコ エッジウッド 176 (72)発明者 ランバート, ルイス, エイチ. アメリカ合衆国 94539 カリフォルニア フレモント オメガ ドライブ 45928

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.真菌感染に罹患している被験者に、治療的に有効量のBPIタンパク質産物 を投与することを含む、真菌感染症の治療方法。 2.前記BPIタンパク質産物が、BPIのN-末端断片またはそのダイマー型であ る請求の範囲第1項記載の方法。 3.前記N-末端断片がおよそ21 kDから25 kDのあいだの分子量を有する、請 求の範囲第3項記載の方法。 4.前記BPIタンパク質産物が、BPIホロタンパク質、rBPI23、またはrBPI21で ある、請求の範囲第1項記載の方法。 5.前記BPIタンパク質産物が、抗真菌活性を保有する、約第142位から約第16 9位までのBPIタンパク質のアミノ酸配列、そのサブ配列及びその配列の変異体ま たはそのサブ配列を有する、BPI由来ペプチドである請求の範囲第1項記載の方 法。 6.前記真菌感染が、カンジダ、アスペルギロシス、及びクリプトコッカス種 よりなる群から選択される真菌種が関与するものである請求の範囲第1項記載の 方法。 7.前記真菌種がカンジダ・アルビカンスである請求の範囲第6項記載の方法 。 8.前記BPIタンパク質産物が、静脈内投与される請求の範囲 第1項記載の方法。 9.前記BPIタンパク質産物が、エアゾルとして投与される請求の範囲第1項 記載の方法。 10.BPIではない抗真菌剤を投与する追加の工程を含む、請求の範囲第1項記 載の方法。 11.真菌感染の治療用医薬の製造のための、BPIタンパク質産物の使用。 12.真菌感染の治療用医薬の製造のための、他の抗真菌剤と組み合わせたBPI タンパク質産物の使用。 13.真菌をBPIタンパク質産物に接触せしめる工程を含む、真菌の殺傷または 複製阻害方法。 14.真菌種を抗真菌剤に接触せしめる工程をさらに含む、請求の範囲第13項 記載の方法。 15.BPIタンパク質産物が、XMP.97(配列番号:92)及びXMP.127(配列番号 :123)よりなる群から選択されるBPI由来ペプチドである、請求の範囲第5 項記載の方法。
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