JPH09508286A - 抗体の安定性を改良するための方法 - Google Patents

抗体の安定性を改良するための方法

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JPH09508286A JP8504645A JP50464596A JPH09508286A JP H09508286 A JPH09508286 A JP H09508286A JP 8504645 A JP8504645 A JP 8504645A JP 50464596 A JP50464596 A JP 50464596A JP H09508286 A JPH09508286 A JP H09508286A
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Abstract

(57)【要約】 機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントをコードする組換遺伝子を含む発現べクターによる形質転換を介して真核系又は原核系生物において向上した安定性を有する前記機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントを製造する方法であって、改変遺伝子であって改変されていない遺伝子と比較して置換されており、且つより頻度の高いアミノ酸をコードする少なくとも一のコドンを含む遺伝子を使用することを特徴とする方法。これにより、ジスルフィド結合のない活性抗体を製造することも可能となる。この方法の改良において、抗体を選択的に不活性化することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 抗体の安定性を改良するための方法 本発明は抗体(AB)の安定性を改良するための方法、並びに特に診断及び治療 における抗体の利用に関する。 抗体バイオテクノロジーは、治療における診断(in vivo :例えば抗原検査; in vitro:例えばイメージング)(この場合、特に長期化した血清半減期及び軽 減した免疫原性を有するヒト化抗体)及び毒素学(例えば強心薬グリコシドの過 剰投与)における診断を焦点とする急速に発展している分野である。更なる適用 領域は、移植寛容の誘導に関して(例えば、抗−CD4AB を介する)、免疫療法( 例えば非Hodgkin リンパ腫におけるCAMPATH)に関して、並びに特に立体選択性及 び部位特異性触媒可能な触媒性抗体に関して発展中である。 天然抗体配列は安定性に関しては適正化されておらず、遺伝子操作されたハイ ブリド配列(例えばヒト化抗体又は一本鎖Fvフラグメント)は往々にしてかな り不安定である。その結果は例えば以下の通りでありうる。 − めんどうなリフォルディング; − 変性:37℃ in vivoにおいてさえもの(I)分解及び(II)免疫原性; − 損われた親和力; −貯蔵の際の凝集及び失活。 溶液中の抗体を安定化するため、例えばDNAJタンパク質族由来のタンパク質( EP−A 0,556,726)又はHSP90 タンパク質族由来のタンパク質(EP−A 0,551,9 16)を添加することがよいことが知られ ている。一方、アミノ酸配列の特異的な突然変異によって抗体を安定化する方法 は今までに知られていない。抗体の中に数多くの点突然変異を導入し、そしてそ のような突然変異体を安定性に関してスクリーニングすることは事実理論上可能 である。しかしながら、他のタンパク質の場合、103〜104分の1の突然変異体し か改善された安定性を有さないことが明らかとされている。かかるスクリーニン グ法は従って非常にめんどうであり、そして更に酵素活性の如き同定可能な機能 を有するタンパク質に制約される(Rollence,1988;Chen,1989;Turner,1992 ;Risse,1992;Arase,1993)。 イムノグロブリンの可変ドメインの遺伝子はその開発の際の多重遺伝子重複及 び突然変異に基づいて多採な変化を受ける。これらは抗体の選択性及び高い親和 力をもって結合する能力に関して最適化されている(Tonegawa,1983;BereK,19 88;French,1989)。この過程において、このドメインをコードする配列はラン ダムに突然変異され、そして改良された抗原結合能を示すB細胞が選択及び増殖 される(Berek,1993)。抗原結合能の最適化は主要な役割を果たすが、抗体の質 は抗原親和性、ドメイン安定性、重鎖、軽鎖、可変ドメイン及び定常ドメイン間 での相互作用、プロテアーゼ感受性、並びに細胞から抗体を輸送及び分泌する能 力の如き数多くの要因の総合に応じるものである。従って、天然抗体は安定性に 関しては必ずしも最適化されていない。 Frisch(1994)より、ヒトVKタンパク質はシステイン23/システイン88ジス ルフィド結合の形成を妨げるシステイン23の置換を経て不安定となることで知ら れる。この不安定化はトリプトファン32をヒスチジンに置換することにより一部 復帰できうる。しかしながら、これは単に偶然な結果にすぎず、更に本発明の教 示とも一致しない。 その理由は、Frischにより述べられているVKタンパク質REI は天然抗体のVK ドメインフラグメントではなく、ミエローマ細胞系の如きにおいて過剰発現する タンパク質であるからである。REI はその組成が、天然抗体のフラグメントであ るVKドメインと実質的に異なるタンパク質である。REI は例えば50位(E)及 び93位(Q)において異常なアミノ酸を有している。アミノ酸の立体的な配置に 基づき、E50とH32との間で塩結合が、そしてQ92とH32との間で水素結合が形 成される可能性がある。天然抗体にはないかかる水素結果がこのVKタンパク質 を安定化せしめる。 本発明の目的は抗体の安定性を改良する方法を提供することにあり、この方法 はこれらの抗体を特異的に安定化させる、不安定化させる、又は例えばジスルフ ィド結合の除去の如き不安定化手段の後に再安定化させることができる。 本発明の目的は、真核系又は原核系生物において改良された安定性をもつ機能 性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントの製造のための方法であって、 前記イムノグロブリン、誘導体又はフラグメントをコードする組換遺伝子を含む 発現ベクターによる形質転換を介する方法にあり、ここでこの方法は: a)このイムノグロブリンの可変ドメインの少なくとも一の遺伝子を共通表1− 6と対比し、そしてこのドメインと最大の相同性をもつ表を選定する; b)この可変ドメインの遺伝子の中の少なくとも一のアミノ酸コドンを、 aa)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において示されていない場合、 記述されているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又 は bb)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において示されて いる場合、より高い頻度を有する記述されているアミノ酸のいづれかについての コドンにより置換する; c)このようにして改変した遺伝子により原核系又は真核系生物を形質転換し、 そして所望の活性を有する抗体、フラグメント又は誘導体を発現させる; ことを特徴とする。 必要ならば、当業者に練れ親しまれた方法に従い、この抗体をこの生物から単 離し、そして任意的に精製することができる。 本発明の好適な態様において、この方法は以下のようにして実施する: a)ヒトの重鎖の可変ドメインの遺伝子における少なくとも一のアミノ酸コドン を、 aa)このアミノ酸が表1の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又は ab)このアミノ酸が表1の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 b)マウスの重鎖の可変ドメインの遺伝子における少なくとも一のアミノ酸コド ンを、 ba)このアミノ酸が表2の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又は bb)このアミノ酸が表2の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 c)ヒトのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子における少 なくとも一のアミノ酸コドンを、 ca)このアミノ酸が表3の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又は cb)このアミノ酸が表3の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 d)マウスのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子における少なくとも一 のアミノ酸コドンを、 da)このアミノ酸が表4の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又は db)このアミノ酸が表4の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 e)ヒトのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子における少なくとも一のアミノ 酸コドンを、 ea)このアミノ酸が表5の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び/又は eb)このアミノ酸が表5の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 f)マウスのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子における少なくとも一のアミ ノ酸コドンを、 fa)このアミノ酸が表6の中のその位置に示されていない場合、記述されたア ミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 及び/又は fb)このアミノ酸が表6の中のその位置に示されている場合、より高い頻度を もつ記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、 g)そして原核系又は真核系生物を形質転換し、そして所望の活性を有する抗体 、フラグメント又は誘導体を発現させる。 本発明に係る方法は、安定化せしめることを意図する抗体をまず配列決定し、 そしてそのドメインの配列を表1〜6に記述された共通配列又はKabat(1991)の 配列と対比させるように利用する。そのアミノ酸の位置を配列の最大相同性にお いて規定する。次に、1又は複数のコドンを本発明に従い、好都合には突然変異 誘発により改変してよい。一のコドンの特異的な置換で抗体の安定性において著 しい変化を既にもたらすことができることが明らかである。しかしながら、2, 3又はそれより多くのコドン改変することが好ましい。置換の数の最上限には所 望の適用用途にとって重要である抗体のその他の性質(例えばアフィニティー、 プロテアーゼ安定性、選択性)が損われるときに到達したといえる。 本手順を例示に基づいて明らかにする: アミノ酸の位置はまず表1〜6又はKabat の表(1991)との配列対比により決 定する。 安定性が最適化されていないヒト抗体の場合、アミノ酸Hが重鎖の15位に存在 していることが見い出された。表1はG又はSが15位にあるのが好ましいことを 示す。従って、HをS、又は特に好ましくはGにより置換することが好都合であ る。アミノ酸Aがこの抗体の16位にあることが見い出されたら、AをQ,R又は Gと置換することが好ましい。明らかに、AをGにより置換することが特に好ま しい。 例えば、もし抗体が35位の後方に1又は2個のアミノ酸の挿入が施されている なら、これらのアミノ酸のうちの少なくとも1個を欠失させることが好ましい( 35a/35bを「−」と置換する)。これはその他の任意的な挿入に適用される。 即ち、これらの表は、a,b等と記述する位置にあるアミノ酸(例えば35a,35 b)が抗体の安定化のために好適に欠失される(即ち、アミノ酸「−」により置 換される)ものと解されるべきである。表1の中の100b位の場合、これは例えば 表示していないアミノ酸が安定化のためにG又はSにより置換されうることを意 味している。しかしながら、このアミノ酸は欠失させるのが好ましい。尚、この 位置においてG又はSを欠失させることが同等に好都合である。 本発明に係る方法により抗体を安定化させ、しかも抗原に対する特別な親和力 の如きその他の性質を保持させるため、これらの性質を損わない限りアミノ酸を 置換することが好ましい。この理由のため、抗原結合性ループ又はCDR において は置換を全く施さないことが好ましい。 抗体誘導体及びフラグメントは当業者に練れ親しまれた方法に従って製造され うる。かかる方法は例えばEP−B 0,125,023及びEP−B 0,120,694、並びにS.L .Morrisonら(1984)に記載されている。 本発明に従って改良された抗体を製造するため、例えば可変ドメインの完全DN A を合成することが可能である(例えばSinha ら、NAR 12(1984),4539-4557 に記載のオリゴヌクレオチド合成の手段を介する)。これらのオリゴヌクレオチ ドはInnis 編PCR protocols,Academic Press(1990)及びBetterらJ.Biol.Ch em.267(1992),16712-16118に記載のPCR によりカップリングされうる。クロー ニング及び発現は例えばAusubel ら編Current protocols in Mole cular Biology,John Wiley and Sons,New York(1989)及びRobinsonら、Hum .Antibod.Hybridomas 2(1991)84-93に記載の標準的な方法により実施する。 特異的な抗原結合活性は例えばHarlowら編 Antibodies:A Laboratory Manual 第14章、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor(1988)及びMunso nら、Anal.Biochem.407(1990),220-239に記載の競合試験により調べられうる 。 適当な宿主生物は例えばCHO 細胞、イムノグロブリンを産生しないリンパ細胞 系、酵母、昆虫細胞及び原核細胞、例えばE.コリ(E.coli)である。 本発明の更なる課題は、タンパク質を変性された封入体として原核系生物(例 えばE.コリ)において単離し、そして当業者に練れ親しまれた方法(例えば、 EP−A 0,364,926を参照のこと)により活性化させる方法にある。この方法にお いては、驚くべきことに活性化は還元条件下でも実施してよい。 本発明の更なる課題は、抗体を、所望の活性を伴って細胞質ゾルの中で生物活 性的に形成され、且つこれらより直接活性形態で単離されうるように本発明に従 って安定化せしめる方法にある。 本発明に係る方法は、前述の全ての適用分野にとっての抗体及び抗体フラグメ ントの安定性を改良する。更に、新規の安定抗体変異体、例えば非生理学的条件 下での使用に適するようなジスルフィド結合のない抗体又は触媒性抗体であって 従来安定形態では得られなかったものが本発明に従って製造されうる。触媒性抗 体及びその利用は例えばCIBA Foundation Symposium on Catalytic antibodies ,London,1990 編 Chadwick D.J.,Marsh J.,第 159巻、Wiley and Sons,Chi chesterに記載されている。 ジスルフィド結合のない安定化抗体は、ジスルフィド架橋を形成 するシステインを別のアミノ酸に置換し、そして少なくとも1個、そして好まし くは2個以上のアミノ酸を安定性媒介アミノ酸に置き換えることにより得られる 。 かかる抗体は好ましくはキメラ、ヒト化、非ヒト又はヒト抗体であってβリン パ球発現型(REIタンパク質でない)に割り当てられうるものである。 本発明の更なる課題は、例えば即効的な薬物速度が必要とされるときに好適に 利用されうる非崩壊性不安定化抗体を製造するための方法にある。かかる抗体を 得るには、上述に反する態様で少なくとも一のアミノ酸置換を実施しなくてはな らない。これは、高度な頻度を有するアミノ酸を低度な頻度を有するアミノ酸に より置き換えることを意味する。 適当な抗体フラグメントは例えばFab,Fab’,F(ab')2、一本鎖抗体、FV又 は個々の可変ドメインである。これらのフラグメントは免疫毒素の如き別の物質 にカップリングしてもよい。 本発明に係る方法は抗体の一本鎖FV領域の安定性を改良するために、特に一 本鎖免疫毒素の安定性を改良するために極めて有利である。かかる一本鎖抗原結 合性タンパク質において、軽鎖と重鎖とは様々な態様で連結されている。この連 結は例えばジスルフィド結合を介して、共有結合を介して、又は亜鉛錯体結合を 介して達せられる。かかる一本鎖抗体及びその連結は例えばBrinkmann ら、P.N .A.S.89(1992),3075-3079(ペプチドリンカーを介する連結)、Brinkmanら 、P.N.A.S.90(1993),7536-7542(追加のジスルフィド結合)に記載されて いる。更なる免疫毒素及び連結の可能性はWO91/09871,WO91/12820及びWO91/160 69に記載されている。 本発明の更なる利点は、scFV(統一されていないオリゴペプチドにより連結 されたVH及びVLドメイン由来の一本鎖FVハイブ リドタンパク質)が安定且つ低免疫原性形態で本発明に従って製造できうること にある。通常利用されているscFVのリンガペプチド(S.H.Jung(1994),R.Gl ockshuber(1990))は往々にして凝集の問題を招き、そして潜在的な免疫原であ る。VHとVLドメインの共有連結は反対に分子間システイン結合によっても成し 遂げられうるが、しかしかかる追加のシステインは従来誤まったジスルフィド結 合を形成する可能性に基づき生じる有意なフォルディング不良を招いてしまう。 本発明に係る方法は23/88位(軽鎖)、22/99(重鎖)にある保存型システイン を突然変異誘発により交換すること、そして本発明に係る方法により抗体の安定 性を復帰又は向上させることを可能にする。この態様において、誤まったジスル フィド結合の形成は排除される。本発明に係る方法は従って組換抗体ハイブリド の治療的用途にとって非常に重要である。 更に、抗体は免疫系における選択により、多数のエフェクター機能に適合する ようにテーラーメードされうる。この天然タンパク質エンジニアリングシステム は無類の有効性を有する。特製の機能性抗体ドメインの細胞質発現は、かかるエ フェクター機能が細胞に導入されることを可能にする。細胞性タンパク質の活性 の調節をもたらしめる用途が有利である。これは例えばタンパク質−抗体の複合 形成により標的タンパク質を安定化させることによって達せられうる。これは分 解速度の変化をもたらしめうる。アロステリズムエフェクター機能も可能である 。第三の複合体の形成及び安定化による2つのエフェクターの接近は、例えば人 工多重酵素複合体により又は誘導性オペレーターの代謝濃度の局部的な増大によ り代謝経路に影響を及ぼす更なる可能性をもたらしめる。しかしながら、触媒性 抗体の細胞質発現が極めて有利であり、そして触媒効率に関する選択の可能性。 機能性抗体の細胞質発現は本発明に従って安定化され た抗体に関する単純な態様で達せられうる。 本発明に係る方法の更なる利点は、発現の後に不活性形態で産生される抗体が 還元条件(例えばDTE, DTT、グルタチオン)下で活性化されうることにある。 本発明に係る安定化抗体は抗体用途の全分野、例えば癌及び感染症の治療にお いて(免疫毒素として)、薬剤ターゲッティングのため、及び遺伝子治療のため に有利に利用されうる。イメージング及び診断における利用は、例えば抗原−結 合性物質を分析するために、同等に有利である。 本発明に係る方法は、その他の理由のために既に改変されている例えばヒト化 又はキメラ抗体の如き抗体の安定化にとって極めて有利である。アミノ酸のかか る修飾は不安定化をもたらし得、従って本発明に係る方法はこれらの抗体のCDR 領域の外部の追加の修飾により抗体の本来の安定性を復帰又は向上さえもせしめ うる。 配列データーベースの分析方法及び表1〜6の探索方法 (標準配列近似) 本発明は、天然イムノグロブリン配列が標準の配列集団であると仮定する。そ の標準の配列集団の総計は抗体機能の全ての観点に関して同等であるべきである 。 ある位置において天然で最も頻繁に見い出されるアミノ酸はタンパク質を最も 安定化するものであろう。これは特に特定の機能ではなく、安定性に関して自然 に選択されたタンパク質に適用される。 ヒトの重鎖の 35,37,39,44,45,47,50,91,95,100j,100k,101 及び103位、並びに 軽鎖の 1,32,34,36,38,43,44,46,49,50,87,95,96及び98位に おいて、 アミノ酸はヘテロダイマーFVフラグメントの形成における重要な相互作用に関 与する。ここで、選択は安定性についての主たるものではない。狙いが二量化特 性を向上せしめることにあるなら、これらの位置において最も頻繁なアミノ酸を 選択すべきであり、狙いが安定性を向上せしめることにあるなら、2番目又は3 番目に頻繁なアミノ酸を選択することも可能である。 アミノ酸の自然頻度はイムノグロブリンデーターベース由来のランダムサンプ ルから決定される(Kabat,1991)。このランダムサンプルは実際の率の良好な代 表であることが重要である。このため、更なる追加のデーターが入手されたとき 、表1〜6は一定の条件下で若干変更されうることも明らかである。理論的には 、種内(例えばヒト又はマウス)及びサブタイプ内(例えばカッパー又はラムダ )での分布に関して推定を行うことができる。 いくつかの近縁の配列を組織的な理由のためにデーターベースにおいて重ねて 示す。その結果、データーベースは更なる修飾抜きでは適当なランダムサンプル を代表しない。この理由のため、断片のみしかわかっていない配列の間の配列距 離の決定に関する問題を避けるために実質的に完璧な配列のみをデーターベース から選択する。配列であって、その位置の75%以下がわかっている配列を選ぶ。 軽鎖に関しては30以下の欠失位置、そして重鎖に関しては33以下の欠失位置に相 当する。従って、Kabat データーベースの以下の配列を更なる分析において利用 する: タンパク質 数 VL−カッパー、マウス 1068配列のうちの731 VL−カッパー、ヒト 319 配列のうちの127 VL−ラムダ、ヒト 148 配列のうちの82 VL−ラムダ、マウス 74配列のうちの63 VH、ヒト 325 配列のうちの178 VH、マウス 1620配列のうちの883 これらの配列において、対合させた配列全ての間隔を計算及び分析する。これ は一般に二項分布をもたらし、最大値はこのサブタイプの全ての配列の平均間隔 の前後にある。この配列間隔分布はランダムサンプルエラーの効果を下げるため に利用されうる。自然分布の配列が特定の平均間隔及び特定の間隔分布を有する なら、ランダムサンプルをデーターベースから同一の間隔分布の境界条件下で取 ったとき、ランダムサンプルエラーは少なくなる。利用する境界条件は以下の通 りとする: これらの配列はデーターベースからランダムに選択され、そしてそれらが予め 選択しておいた配列に対しての最小及び最大距離を満足せしめるかどうか調べる 。そのような場合、それらは新たなランダムサンプルに分類される。これを、ラ ンダムサンプルのメンバーとしてのその適合性について全ての配列が調べ上げら れるまで繰り返す。一般にデーターベースの配列のうちの5〜20%がこの工程で 選択される。この選択を何回も繰り返すと(本ケースの場合、500回)、個々の 配列はランダムサンプルを表わすようになるが、ただし他の配列との距離に応じ て異なる頻度を有するものとなるであろ う。最後に、この新たなランダムサンプルを個々の位置に関するアミノ酸頻度を 決定するために用いる。 ここで決定する頻度の場合、上記の再サンプリング工程を利用し、これによる アミノ酸であってその頻度が0.1(=10%)未満のものは表の中に示していない。 本発明を以下の実施例、図面、表及び配列プロトコールにより一層詳細に説明 する。 図面の説明図1: 発現プラスミドpVL5(lacp/o:lac 遺伝子のプロモーター/オペレー ター領域;ompA−VL5:外膜プロテインAのシグナル配列をもつVLドメイン に関するコード領域;tIpp:ターミネーター;f1−IG:F1ファージ複製起点;b la:bラクタマーゼ遺伝子;ori:プラスミド複製起点;lacI:lac リプレッサ ー遺伝子)。この図は実寸大ではない。 (このプラスミドはEP−B 0,324,162に記載のプラスミドに本質的に相当する 。この特許にはこのプラスミドを利用する抗体の発現も記載されている)。図2:Lタンパク質の励起スペクトル。発光はIEm=360mm として測定。タン パク質濃度:PBS 中2mM。強度は任意単位で記載。図3: フォルディングした(1)及びほどいた(3)VLタンパク質の蛍光スペ クトル並びにスペクトル差(2)。励起波長IEX=284nm。タンパク質濃度:PBS 中2mM。強度は任意単位で記載。 実施例E.コリK12株 CJ236 Bio-Rad Laboratories GmbH,Munich 由来の dutl,ungl,thi-1,relAl[pCJ105(Camr),F'] (Geisselsoder ら、1987) JM83 ara,D(lac-pro AB).strA,thi-1[F801acZM15] (Yanisch-Perron ら1985] JM109 recAl,supE44,endAl,hsd R17.gyrA96, relAl,thi (lac-pro AB) (Yanisch-Perron ら1985)バクテリオファージ M13K07 Deutsche Pharmacia GmbH,Freiburg由来の ヘルパーファージ(Vieira & Messing,1987)プラスミド プラスミドpVLH5はlac プロモーター/オペレーターのコントロール下で抗体M cPC603 のVLドメインをコードする。固定化亜鉛イオンに基づくクロマトグラフ ィーにより一段階でタンパク質を均質となるまで精製するため、2個のC末端ア ミノ酸アルギニン(108)及びアラニン(109)を5個のヒスチジン残基と交換する。 野生型配列と異なり、106位にはイソロイシン残基の代わりにロイシン残基があ る。 ペリプラズマへの分泌のため、外膜プロテインAのシグナル配列 )。オリゴデオキシヌクレオチド 利用するオリゴデオキシヌクレオチドはApplied Biosystems GmbH,Weitersta dt由来のDNA シンセサイザー380Aでホスホラミジット法により合成した。 E.コリ培養物の増殖(Maniatisら、1982) 37℃で 180〜200rpmでの振盪による14〜20時間のインキュベーションを経て密 な一夜培養物が得られる。細胞密度はOD600の測定により決定する。プラスミド を担持している株を選定するため、適当な抗生物質を培地に加える。 LB培地:10g/1の Bacto− トリプトン 5g/1の Bacto−酵母抽出物 5g/1のNaCl 2.5ml/1の1MのNaOHプラスミド−DNA によるE.コリの形質転換(Hanahan,1983) コンピテント細胞 E.コリを形質転換のためにコンピテントにする。 250ml のエーレンマイヤーフラスコ中の20mlのTYM 培地に0.5ml のE.コリ株 の定常期一夜培養物を利用して接種し、そして 0.2〜0.8 のOD600に至るまで37 ℃でインキュベートする。0.5〜0.9 のOD600に至るまで増殖させた後、それを全 容量500ml のTYM 培地で満たし、そして更にインキュベートする。0.6 のOD600 に達したとき、細菌懸濁物を冷却する。 細菌を4200rpm で4℃で15分遠心し、上清液をデカンテーションし、そしてペ レットを全部で80mlのTfB Iバッファーに再懸濁し、 その上清液をデカンテーションし、そしてペレットを全部で16mlの氷冷TfB IIバ ッファーに再懸濁する。 TYM :20g/1の Bacto− トリプトン 5g/1の Bacto−酵母抽出物 100mM のNaCl 10mMのMgSO4 TfB I:30mMのKOAc TfB II:75mMのCaCl2 50mMのMnCl2 10mMのKCl 100mM のKCl 10mMのNaMOPS pH 7.0 10mMのCaCl2 15%(v/v)のグリセロール 15%(v/v)のグリセロール形質転換 プラスミドDNA を30μlの容量の水に加え、そしてこの細菌懸濁物とよく混合 する。氷上で60分後、それを37℃で 115秒間ヒートショックにかける。氷上で1 分後、800μlのLB培地を加え、細菌懸濁物を10mlの培養チューブに移し、そし て約180rpm及び37℃で60分インキュベートする。全形質転換混合物を抗生物質含 有LBプレート上に注ぎ、そして37℃で12〜16時間インキュベートする。突然変異誘発 突然変異誘発はin vitro突然変異誘発キットMuta−Gene(商標)(Bio Rad La boratories GmbH,GER)のバッファーを利用し、Kunkel 1985,Geisseloderら、 1987,Vieira and Messing,1987に従って実施する。DNA フラグメントの再クローニングによる二重突然変異体の作製 個々の突然変異体(2.3)のコンホメーション安定性を決定する最中、Ala 15 Le u,Asn 90 Gln及びPhe 32 Tyrがとりわけ安定効果を有することが示された。安 定効果の増強を調べるため、二重突然変 異体Ala 15 Leu/Asn 90 Gln及びAla 15 Leu/Phe 32 Tyrを作製する。 これらの二重突然変異体は既に作製されている個々の突然変異体のDNA フラグ メントを再クローニングすることにより調製される。制限消化の後、これらのフ ラグメントをアガロースゲル電気泳動により分け、所望のフラグメントをアガロ ースから切り出し、それよりDNA を単離し、そして適当な態様でライゲーション させる。Ala 15 Leu/Phe 32 Tyr: 制限エンドヌクレアーゼBstEIIによる突然変異体Ala 15 Leu及びPhe 32 Tyrの プラスミドDNA の消化は各ケースにおいて2種類のフラグメントをもたらしめた 。3232bpのフラグメントはアミノ酸32の塩基を含み、そして870bp のフラグメン トはアミノ酸15の塩基を含む。未修飾抗体に比してのほどけた抗体の自由エンタ ルピーの差は22.6KJ/mol(理論上は20.8)であることが見い出された。Ala 15 Leu/Asn 90 Gln: 制限エンドヌクレアーゼ XmnIによる突然変異体Ala 15 Leu及びAsn 90 Glnの プラスミドDNA の消化は各ケースにおいて2種類のフラグメントをもたらしめた 。2991bpのフラグメントはアミノ酸15の塩基を含み、そして1110bpのフラグメン トはアミノ酸90の塩基を含む。非修飾抗体に比してのほどけた抗体の自由エンタ ルピーの差は23.9KJ/mol(理論上は23.6)であることが見い出された。組換VLドメインの発現及びプロセシングLタンパク質をエッシェリヒア・コリ(E.コリ)中でlac オペレーター/ リプレッサーのコントロール下で発現させ(Skerra a コード領域には外膜プロテインA(ompA)のシグナル配列が先行し、それはタン パク質が内性E.コリシグナルペプチダーゼにより切 断される際にそれのペリプラズマへの分泌を及ぼしめる。ペリプラズマへの分泌 は、そこに存在する高い(酸化性)レドックス電位の結果としての中枢ジスルフ ィド結合の形成を可能にし、それ故低い(還元性)レドックス電位では細胞質内 で不可能であるVLタンパク質の適正なフォルディングを可能にする(Gilbert 1 990)。 タンパク質は、ペリプラズマの選択的溶解によりその他のペリプラズマ系タン パク質との混合物の中から容易に単離される(1MのNaCl/1mMのEDTA/50mMの トリス/HCl pH8.0)。アミノ酸108 及び109 の代わりに存在する5個のC末端ヒ スチジン残基は、固定化亜鉛イオンに基づくクロマトグラフィーによる一段階で の均質に至るまでのタンパク質の簡単な精製を可能にする(Hochuli ら、1988) 。 10リットルのLB培地に200ml のE.コリ JM 83/p VL5の定常期一夜培養物 を接種し、そして10mlのAMP ストック溶液と混合する。その培養物に通気を施し 、そして室温において0.7 のOD600に至るまでインキュベートする(約4時間) 。 lac オペレーター/リプレッサーのコントロール下でのVL5発現を誘導する ため、5mlの1MのIPTG溶液を5mlのAMP ストック溶液と共に加える。このAMP ストック溶液は選択抗生物質の損失を補充し、その損失は溶解した細菌がペリプ ラズマから培地にβラクタマーゼを放出することにより生ずる。 これを更に3時間インキュベートする。細菌を回収するため、約430ml の部を Beckmann遠心機のローターJA−10用の500ml の遠心カップに満たし、そしてそれ ぞれ6000rpm で10分遠心する。6本の遠心カップを用い、4回の遠心が必要とな る。 上清液をデカンテーション後、約30gの細菌ペレットが一般に得られる。ペリプラズマの溶解 細胞のグラム当り2mlのペリプラズマ溶解バッファーを加え、細菌を撹拌しな から4℃で再懸濁し、そして少なくとも更に1時間強く撹拌する。その後、乳状 の薄茶色の懸濁物をBeckmann遠心機のローターJA−20用遠心カップに移し、そし て20,000rpm で4℃での20分の遠心によりスフェロプラストを分離させる。組換 VLタンパク質を含む透明な薄黄色上清液を50mlのFalcon槽に移し、そして4℃ にて使用時まで保存する。固定化亜鉛イオンでのクロマトグラフィー(Hochuli ら、1988,Linderら、1992 Lドメインの5個のC末端システイン残基は固定化亜鉛イオンに対するタン パク質の結合性を、それが一段階で均質となるまで精製されうる程に高める。本 ケースにおいては、亜鉛をイミノジアセテートキレートリガンドに複合させ、そ のリガンドをSepharose にカップリングさせる。これにより、タンパク質のヒス チジン残基は亜鉛上の錯体リガンドとして働き、従ってカラム材料に結合する。 溶出はイミダゾールにより成し遂げられ、それは亜鉛上のヒスチジン残基を追い 出す。カラムの準備 カラム(German Pharmacia GmbH,Freiburg 由来の約5mlの錯形成性Sepharose Fast Flow)を再生するため、まずそれを50mlの再生バッファーですすぎ、次い で20mlの水ですすいで錯形成亜鉛を除去し、これによってもタンパク質はまだ結 合している。次にカラムを15mlの塩化亜鉛溶液(1mg/ml)、15mlの水及び50ml のカラム平衡バッファーですすぐ。クロマトグラフィー クロマトグラフィーは約 0.7〜1ml/min の流速で行い、そして 各ケースにつき10分のフラクションを集める。 ペリプラズマリゼート(約70ml)を適用後、OD280がO値に戻るまでカラム平 衡バッファーですすぐ。弱く結合したタンパク質をカラム平衡バッファー中の10 mMのイミダゾールですすぐことにより溶出させる。VL5ドメインはカラム平衡 バッファー中の10から300mM に至るイミダゾールの直線勾配において、約70mMの イミダゾールにおいて全容量200ml にて溶出する。タンパク質の純度はSDS ポリ アクリルアミドゲル電気泳動によりチェックする。 ペリプラズマ溶解バッファー: 1MのNaCl 1mMのEDTA 50mMのTris/HCl pH 8.0 カラム平衡バッファー: 1MのNaCl 50mMのTris/HCl pH 8.0 再生バッファー: 1MのNaCl 50mMのEDTA 50mMのTris/HCl pH 8.0 次に所望の量のVLタンパク質(約1〜2mg)を含むタンパク質溶液を 100倍 容量の対応のバッファーに対して2回透析する。変性曲線の決定 変性曲線を決定するため、VLタンパク質をPBS に対して透析し、そして0.2mM の濃度(2.5mg/ml;M=12.4KDa)に調整する。タンパク質溶液から沈殿物及び その他の粒子を除くため、使用前にこれを冷蔵式Sigma 2K15遠心機で10分遠心し 、そしてその上清液を新しい1.5ml のエッペンドルフ反応槽の中に移し入れる。 このタンパク質溶液の5μlのアリコートを10μlのHamiltonピペットを用いて 5mlの試験管に入れ、そして500μlの変性バッファーと混合し、その試験管を シリコーン栓で閉じ、そして20℃で一夜インキュベー ションする。 0から5Mに至る濃度域のPBS 中の塩化グアニジニウムが変性バッファーを担 う。2M以上では濃度を 0.1Mの段階で上げ、そしてそれより低い濃度で 0.2M の段階で下げる。 装置の設定: 励起波長 :1EX=284nm 発光波長 :1Em=360nm 励起スリット幅:2nm 発光スリット幅:10nm 2.3 ほどけ状態の自由エンタルピーを決定するための変性曲線 の分析 変性化合物の存在下で、タンパク質はその自然コンホメーションを失い、それ 故その生物学的機能を失う。尿素及び塩化グアニジニウムがこのために極めて有 効である。数多くの球状タンパク質がこれらの化合物により可逆式にほどけ、そ して簡単な二状態挙動を示す。これは、熱量データー(DHcal)を平衡定数の温 度−依存性から決定されうる対応のバン・ホッフ・エンタルピー(DHvant'Hoff )と対比することにより示されうる。2者の比は1であるべきである。多くの単 独ドメインタンパク質の場合、これからの逸脱は非常に小さいことが示された。 このことは、生じうる中間体が熱動力学的に不安定であることを示す。従ってそ れらは無視でき、その結果変性はフォルディングされた(F)及びほどけた(U )2通りの巨視的状態間での協奏的転移であると考えられる(Privalov 1979)。 本ケースにおいては、ほどけたタンパク質は同一又は非常に近いエネルギーを 有する互いへと迅速に変換しうる順応体(コンフォーマー)のアンサンブルを表 わす。理想的なケースでは、変性状態はランダムコイルを形成するであろう。即 ち、結合のまわりの回転は 完璧に自由であり、且つ全ての隣接の回転と独立しているべきである。溶媒、タ ンパク質の主鎖原子及びアミノ酸の20種類の側鎖間での相互作用は理想的な同一 の状態とはならないため、理想的なランダムコイルから逸脱する挙動が予測され るであろう(Tanford 1970)。実際の鎖の立体的な要件も短い域の相互作用の維 持に貢献する(Flory 1969)。 ところで、濃厚な塩化グアニジニウム溶液中では、その他の変性剤により生ず るものに相当する「完璧」なほどけが達成される(Pr rich 1986)を利用すると、変性状態における個々の集団の構造及び動力学を調べ ることも可能である。これは急平衡における数多くの有意に異なる「多形態」順 応体と認められる(Dobsonら、1985)。タンパク質突然変異体の調査は、変性状 態のコンパクトさ及びそのエネルギーが個々の突然変異により強力に影響を受け ることを強く示唆する(Shortle 1992)。 2通りの状態を利用し、熱動力学的平衡定数Kは以下の通りに定義されうる: ほどけの自由エンタルピーはそれらより以下の通りに誘導できうる: 〔U〕/〔F〕比は、円二色性、UV吸収又は蛍光スペクトルの如 き天然及びほどけ状態の特性の相違を検出する多くの吸光測定法により決定され うる。最後の方法が最も高感度であり、そして最低量のタンパク質を必要とする 。測定されたシグナルIは従ってフォルディング(If)とほどけ(Iu)との成 分の和より成る: これらは対応の平衡濃度〔F〕及び〔U〕に比例する。2通りの状態の物質− 特異性吸光特性により得られる比例定数としてCf及びCuを利用することにより 、以下が得られる: 物質量の残高(〔P〕:タンパク質濃度)を利用し 変換、並びに完全にフォルディングした及びほどけた状態のシグナル強度を表 わすcf〔P〕=if0及びcu〔P〕=Iu0を考慮して(4)及び(5)を除する ことにより以下が得られる: 完全にフォルディングした及びほどけた状態のシグナル強度は変性剤の濃度に 依存しうる。これは、線形依存性による良好な近似式と考慮することができる。 本明細書のVLドメインの場合、これはほどけた状態にのみ適用され、そして( 7)を利用して考慮される。 タンパク質を塩化グアニジニウムの如き変性剤によりほどいた場合、タンパク 質の安定性は変性剤の濃度の上昇と共に低下し、換言すればΔGuは小さくなる 。2通りの状態の挙動を示すタンパク質についての変性曲線を分析するうえで、 変性剤の濃度とΔGuと間に直線関係があるとみなされる(Pace 1986,Alonso an d Dill 1991)。 (3)及び(6)を利用し、フォルディング形態及びほどけた形態が検出可能 な濃度において存在しているような変性剤濃度域内でΔGuが計算できる。変性 剤非存在下でのほどけ状態の自由エンタルピーは、ゼロモラーの変性剤に対する 直線外挿により得られ、ここで(8)の適応性が基礎として考慮される。 第2の分析方法は(2),(3),(6),(7)及び(8)を利用してパラ メーター(9)に関するシグナル強度についての式を誘導し、次いで最少二乗誤 差の原理に従って曲線の理論形態を実測値に適合させることによる。 以下の数量がパラメーターとしてある: L突然変異体の変性曲線を確立するため、測定パラメーターとして蛍光を利 用する。VLタンパク質の蛍光は主に1個のトリプトファン残基35に起因し、そ れは中枢のジスルフィド結合に対しタン パク質の内側にパッキングされている。ほどけの際、トリプトファン残基はより 親水性の環境に出ていき、そしてジスルフィド結合との相互作用は失われる。フ ォルディングしたタンパク質の非常に低い蛍光はジスルフィド結合の蛍光消失効 果に基づく(Cowgill 1967)。 図2はフォルディングした及びほどけた状態の蛍光スペクトル(0M及び5M のGdm HCl を伴うPBS 中で2mMのタンパク質;20℃)並びに両者のスペクトル差 を示す。ほどけの際、350nm にて最大値を有するタンパク質蛍光は約16倍上昇す る。従って、本ケースにおいては、蛍光は理想的な測定パラメーターであると証 明され、なぜならこれはタンパク質がほどけるときに有意に変化するからである 。図3は励起スペクトルを示し、350 での蛍光は励起波長に対して決定される。 280nm において際立った最大値が認められうる。PBS 4mMのKH2PO4 16mMのNa2HPO4 115mMのNaCl pH値は7.4 通常何回かの測定を行い、データーは(10)に従って標準化した値((5), (6)及び(7)由来)を平均化することにより得られる。 得られるパラメーターから、タンパク質の半分がほどけた状態にある濃度、即 ち変性中点〔Gdm HCl〕1/2を計算することが可能である。本ケースでは、DGu= 0である。(8)より、(11)が得られる。 個々の測定値のパラメーターを表7にまとめる。 タンパク質の発現において、野生型と比べ、より安定な突然変異体の場合、収 量は約9〜26mgに上昇することが驚くべきことに観察もされた。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年7月19日 【補正内容】 請求の範囲 1.機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントをコードする組換遺 伝子を含む発現ベクターによる真核系又は原核系生物の形質転換を介して前記生 物において改良された安定性を有する前記機能性抗体、機能性誘導体又はそれら のフラグメントを製造する方法であって、 a)前記抗体、誘導又はフラグメントの少なくとも一の可変ドメインの遺伝子 を共通表1〜6と対比させ、そしてこのドメインと最大の相同性を有する表を選 定し、 b)この可変ドメインの遺伝子の少なくとも一のアミノ酸コドンを、 aa)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されていない場 合、記述されているアミノ酸のいづれについてのコドンにより置換する、及び/ 又は bb)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されている場合 、より高い頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより 置換する、 c)そして前記原核系又は真核系生物をこのようにして改変した遺伝子により 形質転換し、そして所望の活性を有する抗体、フラグメント又は誘導体を発現さ せる、 方法。 2.改変された遺伝子であって、アミノ酸についての少なくとも一のコドンが 、 a)ヒトの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 aa)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置 換されている、及び/又は ab)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; b)マウスの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ba)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は bb)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; c)ヒトのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ca)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は cb)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; d)マウスのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 da)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は db)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; e)ヒトのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ea)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は eb)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; f)マウスのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 fa)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は fb)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; ような遺伝子を使用する、請求項1記載の方法。 3.前記抗体、フラグメント又は誘導体を前記生物から単離し、そして精製す る、請求項1又は2記載の方法。 4.前記発現を原核系又は真核系生物において実施し、そして前記抗体、フラ グメント又は誘導体が細胞質ゾルの中で機能的に形成される、請求項1〜3記載 の方法。 5.少なくとも2組のコドンを置換する、請求項1〜4記載の方法。 6.更に、前記抗体、フラグメント又は誘導体の中の少なくとも一のジスルフ ィド結合形成システインを別のアミノ酸により置換する、請求項1〜5記載の方 法。 7.全てのジスルフィド結合形成システインを置換する、請求項6記載の方法 。 8.抗体、機能性フラグメント又は誘導体の標的式不安定化のために頻度の高 いアミノ酸を頻度の低いアミノ酸と交換する、請求項1〜5記載の方法を改良し た方法。 9.抗体のVH及びVLドメイン由来のハイブリドタンパク質であって、分子間 システイン結合を介して連結され、且つそれらにおける重鎖の22及び/99位、軽 鎖の23及び/又は88位にあるシステインが別のアミノ酸により置換され、そして 少なくとも1個の更なるアミノ酸、好ましくはCDR 領域の外側にあるアミノ酸が 請求項1〜5の方法に従って置換されている、ハイブリドタンパク質。 10.前記抗体、フラグメント又は誘導体を機能性タンパク質を形成するために in vitroで還元条件下でフォルディングせしめる、請求項3記載の方法。 【手続補正書】 【提出日】1997年2月13日 【補正内容】 請求の範囲 1.機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントをコードする組換遺 伝子を含む発現ベクターによる真核系又は原核系生物の形質転換を介して前記生 物において改良された安定性を有する前記機能性抗体、機能性誘導体又はそれら のフラグメントを製造する方法であって、 a)前記抗体、誘導体又はフラグメントの少なくとも一の可変ドメインの遺伝 子を下記の表1〜6と対比させ、そしてこのドメインと最大の相同性を有する表 を選定し、 b)この可変ドメインの遺伝子の少なくとも一のアミノ酸コドンを、 aa)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されていない場 合、記述されているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換する、及び /又は bb)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されている場合 、より高い頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより 置換する、 c)そして前記原核系又は真核系生物をこのようにして改変した遺伝子により 形質転換し、そして所望の活性を有する抗体、フラグメント又は誘導体を発現さ せる、 方法。 2.改変された遺伝子であって、アミノ酸についての少なくとも一のコドンが 、 a)ヒトの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 aa)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は ab)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; b)マウスの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ba)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は bb)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; c)ヒトのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ca)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は cb)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; d)マウスのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 da)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は db)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; e)ヒトのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ea)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は eb)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; f)マウスのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 fa)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は fb)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; ような遺伝子を使用する、請求項1記載の方法。 3.前記抗体、フラグメント又は誘導体を前記生物から単離し、そして精製す る、請求項1又は2記載の方法。 4.前記発現を原核系又は真核系生物において実施し、そして前記抗体、フラ グメント又は誘導体が細胞質ゾルの中で機能的に形成される、請求項1〜3記載 の方法。 5.少なくとも2組のコドンを置換する、請求項1〜4記載の方法。 6.更に、前記抗体、フラグメント又は誘導体の中の少なくとも一のジスルフ ィド結合形成システインを別のアミノ酸により置換する、請求項1〜5記載の方 法。 7.全てのジスルフィド結合形成システインを置換する、請求項6記載の方法 。 8.抗体、機能性フラグメント又は誘導体の標的式不安定化のために頻度の高 いアミノ酸を頻度の低いアミノ酸と交換する、請求項1〜5記載の方法を改良し た方法。 9.抗体のVH及びVLドメイン由来のハイブリドタンパク質であって、分子間 システイン結合を介して連結され、且つそれらにおける重鎖の22及び/99位、軽 鎖の23及び/又は88位にあるシステインが別のアミノ酸により置換され、そして 少なくとも1個の更なるアミノ酸が請求項1〜5の方法に従って置換されている 、ハイブリドタンパク質。 10.前記少なくとも1個の更なるアミノ酸がCDR 領域の外側にある、請求項9 記載のハイブリドタンパク質。 11.前記抗体、フラグメント又は誘導体を機能性タンパク質を形成するために in vitroで還元条件下でフォルディングせしめる、請求項3記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 19/00 ZNA 9356−4H C07K 19/00 ZNA C12N 1/21 9282−4B C12N 1/21 C12P 21/08 9637−4B C12P 21/08 // G01N 33/531 0276−2J G01N 33/531 A (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 スタインバッハー,ステファン ドイツ連邦共和国,デー−82661 レンク リース,トゥルツェルシュトラーセ 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメントをコードする組換遺 伝子を含む発現ベクターによる形質転換を介して真核系又は原核系生物において 改良された安定性を有する前記機能性抗体、機能性誘導体又はそれらのフラグメ ントを製造する方法であって、 a)前記抗体、誘導又はフラグメントの少なくとも一の可変ドメインの遺伝子 を共通表1〜6と対比させ、そしてこのドメインと最大の相同性を有する表を選 定し、 b)この可変ドメインの遺伝子の少なくとも一のアミノ酸コドンを、 aa)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されていない場 合、記述されているアミノ酸のいづれについてのコドンにより置換する、及び/ 又は bb)このアミノ酸が選定した表の中のその位置において表示されている場合 、より高い頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより 置換する、 c)そして前記原核系又は真核系生物をこのようにして改変した遺伝子により 形質転換し、そして所望の活性を有する抗体、フラグメント又は誘導体を発現さ せる、 方法。 2.改変された遺伝子であって、アミノ酸についての少なくとも一のコドンが 、 a)ヒトの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 aa)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置 換されている、及び/又は ab)このアミノ酸が表1におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; b)マウスの重鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ba)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は bb)このアミノ酸が表2におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; c)ヒトのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ca)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されていない場合、記述され ているアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は cb)このアミノ酸が表3におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; d)マウスのカッパータイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 da)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は db)このアミノ酸が表4におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; e)ヒトのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 ea)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は eb)このアミノ酸が表5におけるその位置に示されていない場合、より高い 頻度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されて いる; f)マウスのλタイプ軽鎖の可変ドメインの遺伝子においては、 fa)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、記述されて いるアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されている、及び/又は fb)このアミノ酸が表6におけるその位置に示されている場合、より高い頻 度を有する記述されたアミノ酸のいづれかについてのコドンにより置換されてい る; のような遺伝子を使用する、請求項1記載の方法。 3.前記抗体、フラグメント又は誘導体を前記生物から単離し、そして精製す る、請求項1又は2記載の方法。 4.前記発現を原核系又は真核系生物において実施し、そして前記抗体、フラ グメント又は誘導体が細胞質ゾルの中で機能的に形成される、請求項1〜3記載 の方法。 5.少なくとも2組のコドンを置換する、請求項1〜4記載の方法。 6.更に、前記抗体、フラグメント又は誘導体の中の少なくとも一のジスルフ ィド結合形成システインを別のアミノ酸により置換する、請求項1〜5記載の方 法。 7.全てのジスルフィド結合形成システインを置換する、請求項6記載の方法 。 8.抗体、機能性フラグメント又は誘導体の標的式不安定化のために頻度の高 いアミノ酸を頻度の低いアミノ酸と交換する、請求項1〜5記載の方法を改良し た方法。 9.請求項1〜7記載の方法に従って得られる改変され、安定性の改良された 機能性抗体、機能性誘導体又はフラグメント。 10.請求項1〜7記載の方法に従って得られる抗体のVH及びVLドメイン由来 の安定性改良型ハイブリドタンパク質。 11.βリンパ球発現型に相当しうる組換、ジスルフィド結合非含有、機能性、 ヒト化、キメラ、非ヒト、又はヒト抗体、誘導体又はフラグメント。 12.抗体のVH及びVLドメイン由来のハイブリドタンパク質であって、分子間 システイン結合を介して連結され、且つそれらにおける重鎖の22及び/99位、軽 鎖の23及び/又は88位にあるシステインが別のアミノ酸により置換され、そして 少なくとも1個の更なるアミノ酸、好ましくはCDR 領域の外側にあるアミノ酸が 請求項1〜5の方法に従って置換されている、ハイブリドタンパク質。 13.癌、自己免疫疾患及び感染症疾患の如きのための薬剤を製造するための請 求項1〜8の記載に従って得られる抗体の利用。 14.抗体に結合する物質の免疫分析の如きのための診断試薬における請求項1 〜7に従って得られる抗体の利用。 15.前記抗体、フラグメント又は誘導体を機能性タンパク質を形成するために in vitroで還元条件下でフォルディングせしめる、請求項3記載の方法。 16.触媒抗体としての請求項1〜7記載に従って得られる抗体の利用。
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