JPH09508267A - 自然抵抗性結合マクロファージタンパク質およびその使用法 - Google Patents

自然抵抗性結合マクロファージタンパク質およびその使用法

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JPH09508267A JP7519407A JP51940795A JPH09508267A JP H09508267 A JPH09508267 A JP H09508267A JP 7519407 A JP7519407 A JP 7519407A JP 51940795 A JP51940795 A JP 51940795A JP H09508267 A JPH09508267 A JP H09508267A
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Abstract

(57)【要約】 動物の主要な食細胞であるマクロファージは微生物を結合し摂取する。自然抵抗性結合マクロファージタンパク質がN−末端領域にSrcホモロジ−3結合ドメインを含むように提供される。マクロファージにこのタンパク質が存在する場合、このタンパク質は微生物に対する耐性を調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 自然抵抗性結合マクロファージタンパク質およびその使用法 発明の分野 本発明は、自然抵抗性結合マクロファージタンパク質をコード化するヌクレオ チド配列と、そのタンパク質生成物と、それに対するヌクレオチドのプローブお よびヌクレオチドプライマーと、タンパク質のポリペプチドフラグメントと、関 連抗体とに関する。 発明の背景 マクロファージは、動植物の主要な食細胞であり、免疫系に重要な役割を果た す。マクロファージは、免疫系によって外来物質と認識された粒子と結合し摂取 する。このような粒子には、微生物を含む。 3種類の微生物Salmonella typhimurium、Leishmania donovani、Mycrobacter ium bovis(BCG)はすべて、マクロファージの細胞内病原体である。3つの科学者 のグループは個別に、これらマクロファージ各々に対する耐性と感受性を調節す ることができる遺伝子を以前に同定していた。この遺伝子は、それぞれIty、Lsh 、Bcgと称された。後の研究によって、科学者はIty/Lsh/Bcgは単一の遺伝子で あり、マクロファージレベルで発現すると結論するに至った(参考文献1)。 最近、Vidalら(参考文献2)は、Lsh/Ity/Bcgの最も候補になりそうなマウ ス遺伝子をクローン化した。この遺伝子は、自然抵抗 性結合マクロファージタンパク質(Nramp)遺伝子と呼ばれている。NrampのcDNA は、プレB細胞cDNAライブラリーから単離され、配列決定された。タンパク質生 成物のアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から導出されたものであり、53kDaタ ンパク質を予測するものである。この導出されたアミノ酸配列に基づき、Vidal らは、Nrampには微生物を含むマクロファージの細胞内液胞膜を通過して硝酸塩 を輸送する作用があると提唱した。この液胞の酸環境では、硝酸塩は亜硝酸塩か ら毒性の酸化窒素に変換されるため、微生物の殺傷を促進することができる。 本発明者らは、マクロファージ発現Nramp cDNAを単離し、配列決定をした。Vi dalらの説に反し、本発明者らはN-末端の付加的なアミノ酸配列をコード化する 領域を含む異なるヌクレオチド配列を発見した。驚くべきことに、その付加的な アミノ酸配列には、信号伝達経路に不可欠なタンパク質−タンパク質反応に応答 するため、Nrampが耐病性マクロファージに信号を送出する膜内外の初期増幅を 、チロシンキナーゼのSH3ドメインまたはその他の分子に結合することによって 調節するよう動機をつくる構造的特徴が含まれている。 発明の大要 本発明は、ある態様では、N-末端領域にSH3ドメインを含む自然抵抗性結合マ クロファージタンパク質を提供する。マクロファージにこのタンパク質が存在す る場合、病原性微生物に対する耐性を調節することができる。 SH3(Src相同体3)ドメインは、信号伝達に必要な特異的タンパク質−タンパ ク質相互作用を仲介すると考えられており、種々のタンパク質の関連配列として 同定されている(参考文献4および5)。本発明に係る一態様では、SH3結合ド メインは、SH3結合モチーフPGPAPQPXPXR,特に、PGPAPQPAPCRを含む。このモチ ーフは、マウスから獲得可能なタンパク質に含まれるている。本発明に係る別の 態様では、SH3結合ドメインは、SH3結合モチーフPXSPTSPXPXXAPPRXT,特に、PTS PTSPGPQQAPPRET.を含む。このモチーフは、ヒトから獲得可能なタンパク質に含 まれている。一般に、SH3結合ドメインはプロリンに富んでおり、セリンが豊富 なこともある。 さらに、マウスから獲得可能なSH3結合ドメインは、ポリペプチドセグメント( S,A)PP(R,K)XSRPXXXS(I,V)XSXをSH3結合モチーフのN-末端終端に含むことが好ま しい。 特に、このポリペプチドセグメントは、SPPRLSRPSYGSISSL.である。さらに、 ヒトから獲得可能なSH3結合ドメインは、ポリペプチドセグメントGPQRLSGSSYGSI SS.を含むことが好ましい。 N-末端領域のさらに好ましい特徴は、タンパク質キナーゼC(PKC)をリン酸化 するために1つ以上の共通配列が存在することである。N-末端領域は、SH3結合 ドメインに隣接する2つのタンパク質キナーゼC部位を有することが好ましい。 一般に、N-末端領域は、64個のアミノ酸を含む。 マウスタンパク質およびヒトタンパク質の完全なアミノ酸配列は、図9に示し た。突然変異または欠失は、タンパク質の活性に実質的に影響しないことを条件 に、各配列に存在すると考えられる。 別の態様では、本発明は、上述の自然抵抗性結合マクロファージタンパク質を コード化するヌクレオチド配列を提供する。ヌクレオチド配列がDNA配列である 場合、これは、イントロンと、エキソンまたはmRNAから逆転写によって得られた cDNAとを含むゲノム配列であり得る。マウスから獲得可能なタンパク質のSH3結 合ドメインは、好ましくは、CCTGGCCCAGCACCTCAGCCAGCGCCTTGCCGGを含むDNA配列 によってコード化され、さらに、上流領域AGCCCCCCGAGGCTGAGCAGGCCCAGTTATGGCT CCATTTCCAGCCTG.を含んでいても良い。特にゲノムDNA配列の5’末端は図4に示 し、以下で詳細に説明する。cDNA配列も、図2に示したように提供される。ヒト から獲得可能なタンパク質のSH3結合ドメインは、CCG ACC AGC CCG ACC AGC CCA GGG CCA CAG CAA GCA CCT CCC AGA GAG ACCを含むDNA配列によってコード化さ れることが好ましく、上流領域GGT CCC CAA AGG CTA AGC GGG TCC AGC TAT GGT TCC ATC TCC AGC.を含んでいても良い。 当業者には、上述の具体的なヌクレオチド配列の種々の修飾およ び欠失によっても、機能的タンパク質生成物が生じることは容易に理解できよう 。遺伝子コードの縮重のために、特定の配列内の大多数のサイレント突然変異に よって、同一のアミノ酸配列が生じることは明白であろう。 cDNA配列は、英国ロンドンのCentral Public Health LaboratoryのNational C ollection of Type Culturesの登録番号NTC 12855pに基づくプラスミドBabeλ8. 1の一部として、析出している。このプラスミドを用いて形質転換されたE.Coli DH5αの培養から構成される析出物は、1994年1月14日が析出日として定められた 。 一般に、レトロウイルスベクターを使用することは、造血細胞への遺伝子導入 には良い方法であり、他の方法よりも、遺伝子の単コピーを受容細胞に安定して 導入したり、標的細胞への遺伝子導入を効率よくできるなどの利益がある。ベク ター構成物は、標準的な分子生物学的技術を非複製コンピテントウイルスのゲノ ムに用いて、問題の遺伝子を結合することによって生成さられる。生成ベクター 構成物は、ウイルスのゲノムを複製しそれを感染性偽ウイルス粒子に充填するこ とができる細胞系(充填細胞系)に導入される。この充填細胞系によってコード 化されるウイルスエンベロープタンパク質によって、結果として生じる偽ウイル ス粒子は、広範な宿主域に感染することができる(両栄養的)か、または、齧歯 類細胞に限り感染することができる(環境栄養的)。 本発明では、pBabeプラスミドを適切なレトロウイルスベクターとして用いた 。このプラスミドについて、さらに詳細に説明する(参考文献6)。プラスミド pBabeλ8.1は、GP+86環境栄養的充填細胞(参考文献7)や抗生物質抵抗性を付 与する連鎖標識遺伝子に選択された組換えクローンなどの適切な充填細胞に導入 することができる。次に、抗生物質抵抗性クローンが機能的疑似ウイルス粒子を 分泌し受容細胞に感染する能力を試験することができる。 発現の欠如が観察されるか、非機能的コピーが存在する場合には、Nrampを伝 達する遺伝子の選択レトロウイルス構成物を遺伝子療法の基剤として使用し、遺 伝子の機能的コピーを作成することができる。遺伝子導入の最も適当な方法は、 循環から単離された骨髄細胞または始原細胞を使用することによるものである。 遺伝子は、患者から除去されたこれらの幹細胞にレトロウイルス的に導入するこ とができる。次に幹細胞は、骨髄/リンパ細胞系を遺伝子の機能的コピーを含む 細胞と再共生させるために、患者に再導入する。 別の態様では、本発明は、上述のヌクレオチド配列の一部をハイブリッド形成 することができるヌクレオチドのプローブまたはプライマー、好ましくはSH3結 合ドメインまたはその上流を含むN-末端領域コード化する上述の配列の少なくと も一部を提供する。プローブは一本鎖または二本鎖であり得、遺伝子のコピーま たはその一部から組換えDNA技術によって、あるいは、オリゴヌクレオチドプ ローブに至るような合成経路によって作成することができる。ポリメ ラーゼ連鎖反応の作用に対するものなどのプライマーは、一本鎖であり、好まし くは、少なくとも18ヌクレオチド分の長さがある。この配列に基づくプローブと プライマーは、DNAレベルとRNAレベルの両方で診断に用いることができ、こうし たプローブやプライマーは本文で提供される配列情報を用いて容易に作成するこ とができる。上述のcDNAは、それ自体遺伝子にとって有用なプローブである。本 発明者らは、上述のマウス遺伝子のcDNA配列を対応するヒト遺伝子のプローブと して首尾良く使用できることを発見した。 プローブまたはプライマーは、遺伝子欠失または骨髄系もしくはリンパ系の細 胞の遺伝子発現を検出するなど診断的な利用が考えられる。また、発現してはい るが結果的には二次機能的または非機能的なタンパク質であると考えられる遺伝 子座の多形を検出することもできる。診断すべき遺伝的欠失は、コード配列すな わち遺伝子のプロモーターまたは3'未翻訳調節領域に見られるので、ゲノム配列 およびcDNA配列に作用する遺伝子が有用であると思われる。 ヒトNRAMP遺伝子の5'領域の特異配列とハイブリッド形成し、そのヒト遺伝子 のプロモーター領域の一部を増幅させることができるプライマー対も提供する。 プロモーター領域は、ポリgt部位をt(gt)5ac(gt)5ac(gt)ngの立体配置で、ただ しn=0または整数として、含むことが好ましい。プロモーター領域は、さらに転 写部位に加えて、任意に、インターフェロンY応答要素、NFKB部位、AP-1部位、 W要素、PV.1コアモチーフおよびPEA3部位の一つ以上を含むこともでき る。各々の部位、要素またはモチーフは、図11で指定された順番で存在するこ とが好ましい。ポリgt部位の多形が、特にgt繰返し体の第3のクラスターに位置 し、nが繰返し体の数と等しい場合、一般には4から12の場合には、そのヒト遺 伝子の発現が低減または欠損しているとする診断材料になり得るので、この領域 のPCRを増幅することができるプライマーは、特に重要である。プロモーター領 域に作用するプロモーター、好ましくはプロモーター領域に作用する対立遺伝子 特異プローブ、例えば、対立遺伝子特異オリゴヌクレオチドなども提供する。 好ましい態様では、ヒトタンパク質は各々がイントロン境界領域に隣接する15 エキソンによってコード化される。これらのエキソンは表3に示したものが好ま しい。個々のエキソンおよび/またはその隣接イントロン境界領域の一部とハイ ブリッド形成することができるプローブまたはプライマーも提供する。好ましく は、プライマー対は、各エキソンのイントロン境界とハイブリッド形成し、各々 のエキソンを増幅できるものが提供される。特に、プライマー対は、表3に示す イントロン領域のいずれかで、とりわけ、下線をつけた領域とハイブリッド形成 することがきる。ヒト遺伝子のエキソンのいずれかの多形は、欠損遺伝子生成物 の診断材料となるので、エキソンをPCR増幅させ電気泳動的技法を用いて多形な どを同定するプライマーは、特に重要である。より具体的には、ヒトエキソン2 をPCR増幅することができるヒトエキソン2のイントロン境界領域5'および3'は 、このエキソン内でコード化された推定SH3結合領域の3アミ ノ酸に関与する多形を検出する場合に極めて重要である。NRAMP遺伝子の機能に 対するこの領域の重要性は、本発明に関わる重要な構成要素の一つである。 アンチセンスオリゴヌクレオチドを上述のヌクレオチド配列を用いて生成する こともできる。アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、遺伝子の発現を妨害 することができ、これによって潜在的に重要な局所療法を自己免疫不全またはが んに行うことができる。 以下に詳細に説明するように、この遺伝子からのタンパク質生成物は、ポリト ピックな膜タンパク質であると予測される。このタンパク質に対する抗体が種々 の細胞母集団中のタンパク質生成物の発現の診断レベルでは重要な材料であるが 、膜に遮断されないタンパク質のそうした部分しか完全なまたは天然のタンパク 質配座の抗体に接近できそうにない。従って、本発明に係る別の態様では、少な くとも膜によって隠蔽されない構造ドメインの少なくとも一部を含むタンパク質 のポリペプチドフラグメントを提供する。好ましくは、ポリペプチドは、少なく とも一部のN-末端領域を含む。潜在的に重要な2つの構造ドメインは、第1の膜 に架かるドメインに近位でアミノ酸1-82を含むN-末端細胞質ドメインと、最後の 膜に架かるドメインに遠位でアミノ酸414-415を含むC-末端細胞質ドメインであ る。 実際には、それらの細胞質領域を含む融合タンパク質は、PCRによって、例え ば、Nrampから得られた適切な配列を結合するグルタチオ ン-S-トランスフェラーゼ遺伝子下流を用いて、処理することができる。pGEX系 の原核発現ベクターは、Nramp配列を結合することができる特に有用なタイプの ベクターである。これは標準的な手続であり、より詳しい情報は文献8に見られ る。 別の態様では、本発明は自然抵抗性結合マクロファージタンパク質に対する抗 体、またはそれから得られたポリペプチドフラグメントに対する抗体、特に、上 述の接近可能なポリペプチドドメインの1つに対する抗体を提供する。このため 、Nramp融合タンパク質を抗原として使用し、ウサギまたはラットに接種し、ポ リクローナル抗体およびモノクローナル抗体を産生させることができる。 特に、タンパク質のN-末端領域(DKSPPRLSRPSYGSISS;,PQPAPCRETYLSEKIPIP およびGTFSLRKLWAFTGPGFLMSIAFL,DPGNIESDLQ)とC-末端領域(WTCCIAHGATFLTHS SHKHFLYGL)内に含まれる特異的アミノ酸配列中のエピトープを認識する抗体は 、マウスとヒトの両方のタンパク質を認識するので、研究目的にもヒトの診断用 材料としても利用することができる。上述の診断に加え、モノクローナル抗体を 中和することで、遺伝子の発現から生じる自己免疫やがんなどの副作用が認めら れた場合に、遺伝子の機能を阻止することができる。 遺伝子生成物の存在不在を問わず、病気の状態によっては利益的な効果も有害 な効果ももたらす。感染症では、特に骨髄細胞系の細 胞内病原体に関係する場合、機能的遺伝子生成物がなければ、その疾患に対し慢 性感受性になる。骨髄細胞系またはリンパ細胞系の自己免疫不全またはがんの場 合、機能的遺伝子生成物の過剰な発現とその結果としておこるマクロファージの 活動亢進は、疾患の表現型の一因となり得る。本文に述べる診断方法と治療剤は 、感染、特定の自己免疫不全、骨髄系または細胞系のがんに異型反応を呈する患 者に有用であると考えられる。 NRAMP遺伝子の欠失ががんに関連する別の状況は、他の細胞系のがんが活性化 したマクロファージによって、呼吸バースト反応で生成される過酸化水素、TNF- αまたは酸化窒素に対して感受性があるために、破壊される場合である。こうし たマクロファージの機能すべては、NRAMPによって調節される。この場合、幹細 胞遺伝子導入による矯正的な遺伝子療法が適切であろう。 図面の簡単な説明 本発明を添付の図面を参考にのみ用いて、例を挙げて詳細に説明する。 図1は、本発明に係るNrampλ8.1cDNAクローンの制限地図をVidalらの制限地 図と比較した図である。 図2は、本発明に係るマクロファージ-λ8.1Nrampの配列を示す図 である。 図3は、λ8.1のヌクレオチド配列31-456に対応するゲノム遺伝子をVidalらの 対応するDNAと比較した図である。 図4は、ヌクレオチド1911までのゲノムDNAの5'配列を示す図である。 図5(a)は、ノーザンプロットハイブリッド形成の結果を示す図である。図 5(b)は、B10.L-Lshマクロファージから全RNA上にプライマーを伸長した結果 を示す図である。 図6は、マクロファージ発現NrampのN-末端終端の64アミノ酸配列を用いたア ミノ酸データベースサーチ(29)の結果である。 図7は、ヒトNrampのエキソン2のヌクレオチドおよび誘導アミノ酸配列を示 す図である。 図8は、ヒトNRAMPのN-末端配列を用いたアミノ酸データベースサーチの結果 を示す図である。 図9は、ヒトNRAMPの誘導アミノ酸配列と、マウスNrampクローンλ8.1[55] と、酵母ミトコンドリアタンパク質に対するClustal V多重配列アラインメント の結果を示す図である。 図10(a)は、ヒトNRAMPエキソン2に対するアミノ酸データベースサーチ の結果を示す図である。 図10(b)は、ヒトNRAMP、マウスNramp、SMF1およびSMF2に対するClustal V多重配列アラインメントと、Oryza sativa(イネ、登録番号d15268)遺伝子お よびArabidopsis thaliana(登録番号z30530)遺伝子の発現配列標識[60]を示 す図であるが、各々の読み枠は1と2である。 図11は、転写開始部位の440bpの推定プロモーター領域のヒトNRAMP5'末端を 示す図である。 図12は、5'ジヌクレオチド繰返し体多形の(a)対立遺伝子2および3また は(b)対立遺伝子1、2、3で2家族を区分し、変性ポリアシルアミドゲル電 気泳動によって分離された多形性PCR生成物のオートラジオグラフを示す図であ る。 好ましい態様の説明 実験および結果の詳細マクロファージcDNAライブラリから得たNrampクローンの配列分析 マクロファージNrampクローンをλUniZap(Stratagene)で調製した活性化(4 時間刺激、25U/mlインターフェロン-γ、10ng/ml Salm onera typhimurium LPS)マウス(B10,L-Lshr)マクロファージcDNAライブラリ から単離した。クローンは公表された(参考文献2)配列のヌクレオチド1410-1 812bpに対応するRTPCRによって生成されたプローブをもちいてフィルタープラー クハイブリッド形成によって単離した。プラーク精製に続き、106組換え体をセ ンスNrampプライマーおよびアンチセンスNrampプライマーとT3ベクターアームプ ライマーおよびT4ベクターアームプライマーを組み合わせたPCRによって分析し た。これによって、公表された配列に関するクローンのマッピングができた。20 /35は、1.0-1.5kbであることがわかったので、それ以上は分析しなかった。残り は、2.1-2.3kbであり、完全な長さのNrampコード配列をコード化した。クローン は、最初に制限地図を作成し、4つを選択し最も長いクローンλ8.1を含む配列 を決定した(シークエナーゼII)。ゲノム配列決定 マクロファージDNA配列から、PCRプライマーを生成し酵母人工染色体(YACク ローンC9C28、Princetonライブラリー)とマウスゲノムcDNAの両方から2kb領域 のDNAを増幅した。生成物をpCRベクター(Invitrogen)でクローン化し、cDNA配 列に相補的なオリゴヌクレオチドを用いて少なくとも各々の2つのクローンから 得た二本鎖プラスミドDNAに基づいて配列(シークエナーゼII)を決定した。ス プライシング部位をゲノムDNA配列とcDNA配列を比較して同定した。Nramp発現のノーザンブロットおよびプライマー伸長分析。 バナジルリボヌクレオシド錯体の存在下単離された細胞質の全RNAを利用し、 グリオキサールを用いた変性ゲル電気泳動とノーザンブロッティングを行うか直 接プライマー伸長分析のためにRT反応を行った。ハイブリッド形成は、エキソン 3(結果を参照)のゲノムフラグメント(bp1-1482)5から単離されたプローブ を用いて行った。BamHIを用いた制限消化によって、公表された(参考文献2)c DNAのλ8.1特異(=ゲノム配列のbp1-587、図2b)領域または推定5'未翻訳配 列(=ゲノム配列のbp588-1482、図2b)を覆う2つのプローブが生成した。プ ライマー伸長法の場合、λ8.1様RNAに特異的であるよう設計されたオリゴヌクレ オチド(TCT GCG CTG GGA ATG GGG;ゲノム配列のbp538-521)または推定5'の場 合は公表された配列のUTR(TGC AAG CAG ATC GGG TCA;、ゲノム配列のbp1482-14 65)をポリヌクレオチドキナーゼで標識した。伸長反応は、25単位のAMV逆転者 酵素を用いて42℃で行い、ゲル充填緩衝剤を添加することによって終結し、変性 ポリアクリルアミドゲル電気泳動に続き、配列ラダーに対してサイズを計測した 。 図1については、マウスNrampの耐性対立遺伝子を含む活性マクロファージラ イブラリから単離されたcDNAクローンを制限地図化し、配列決定をしたところ、 2つのサイレント突然変異(359bp、C:965bp、T)を除き、公表された(参考文 献2)配列のコード領域と一致することがわかった。公表されたクローンとマク ロファージクローンλ8.1の配列一致領域は、ATG(d)コドンと公表されたクロー ンの主要ORF(黒色バー)を含むが、これは波線内に示されている。Sma l(S)とPvull(P)の切除部位の位置は、5'末端のクローン間のダイバージェン スを示す。λ8.1の5'領域に同定された新規の配列には、より近位のATG(P)コ ドンと公表されたNrampと比較して付加的な64個のN-末端残基をコード化する伸 長ORF(白色バー)を含んでいた。 図2は、マクロファージλ8.1の配列を示す図である。λ8.1に特異的なヌクレ オチド配列には下線が引かれている。λ8.1によってコード化された64個のN-末 端残基は、Vidalらによって同定された5'の遠位開始コドン(=65の位置のMet) に存在する。この付加的な64アミノ酸配列は、耐性で感受性のあるマウスにおい て一致(データは示さず)し、Ser10/64、Pro10/64、塩基7/64残基に富んでおり 、Ser3、37、52上に3つの共通PKCリン酸化部位(S/T-X-R/k)を含む。上述し たように(参考文献2)、推定N-結合グリコシル化部位は、残基311と325の位置 に存在する。疎水性の潜在的な膜に架かる領域には下線が引かれている。データ ベースサーチによって3'UTRのB-2 alu様反復要素(枠内)が明らかになったが、 これは完全な長さのλ8.1クローンがマウスゲノムDNAとハイブリッド形成した場 合には複雑な信号を出す。 図3から、マクロファージNrampのN-末端細胞質ドメインは、2つのユニーク なエキソンと2つの共通エキソンによってコード化されることは明らかであろう 。λ8.1のヌクレオチド31-456に対応し公表された(参考文献2)クローンとの ダイバージェンスポイントに架かるゲノムDNA領域を単離し、配列決定し2つの クローンを生成する 機構を明らかにした。マクロファージNrampの付加的な配列は、cDNA配列(図1 )に隣接する2つのユニークなエキソン(1および2、黒色バー)と、λ8.1と 公表されたクローンに共通なエキソン(3および4、白色バー)によってコード 化される。第3のエキソンに隣接する5'は、公表されたクローンに見られる推定 5'UTR(白色バー)である。予測スプライシングパターン(点線)は地図の上( λ8.1)と下(公表されたプレB細胞クローン)に示されている。配列決定用ゲ ルの読み(矢印)は、cDNA配列から得た特異的Nrampプライマーの他、ゲノム配 列に特異的な新しいプライマーを用いて決定されたことも示す。 図4は、λ8.1のダイバージェンスポイントと公表された(参考文献2)配列 に架かるゲノムDNA配列を示す。エキソンのヌクレオチド配列は大文字で示し、 上述に示された予測アミノ酸配列は一文字で記した。イントロン配列は小文字で 示した。公表された配列から得られた5'UTRは、第3のエキソンに隣接している が、上線で協調した。コドン(ATG=Met)は、これが終点に位置する場合、公表 された配列の開始コドンを示す。マウスゲノム配列の5'領域(bp1-587)にユニ ークな配列を含むプローブも、ヒト2q35の相同領域とハイブリッド形成すること が知られるサブクローン化ヒトYAC(クローンAM11/D3/14、ICRFライブラリー) から単離したゲノムλクローンにハイブリッドとハイブリッド形成する。 図5は、付加的な64アミノ酸をコード化するNramp転写物はマクロ ファージに発現されるNrampの唯一の形態であることを示す。 図5(a)は、マクロファージ内で発現されるNrampの本質を同定するために 、ノーザンプロットハイブリッド形成を残りのマクロファージから単離された全 RNAか、インターフェロン-γ(レーン2、6、10、14)、LPS(レーン3、7、11、1 5)もしくはインターフェロンとLPSの組合せ(4、8、12、16)を用いて活性化さ れたマクロファージを用いて行ったことを示す。λ8.1の5'配列(レーン1-4)に ユニークな特異的プローブまたは公表された(参考文献2)の配列(レーン5-8 )のより遠位の推定5'UTRに特異的なプローブを使用し、構成性発現GAPDH(レー ン9-16)を用いて再度探査された同じプロットについて比較した。ハイブリッド 形成するRNAは、より遠位のプローブをハイブリッド形成されたプロット上にRNA の2倍ほど充填したにも関わらず、λ8.1特異配列を用いてしか検出することが できなかった。結果は、C57BL/10ScSnマウスから得られた骨髄誘導マクロファー ジから抽出されたRNAについて示す。スロットプロット分析(図示せず)によっ て、λ8.1特異プローブは感受性マクロファージと耐性マクロファージの両方か ら得られたRNAとハイブリッド形成したことが確認された。サザンプロット分析 (図示せず)によって、両方のプローブがC57/10ScSh(LshS)とB10.L-LShrの両方 から得られたマウスゲノムDNAのEcoRlフラグメントの3500bpおよび500bpとハイ ブリッド形成することが確認された。 図5(b)は、マクロファージRNAで発現されたNramp転写物の5' 末端を識別するために、プライマー伸長法をB10.L-Lshrマクロファージから得ら れた10μgの全RNAを用いて、公表された(参考文献2)配列(レーン1)の推定 未翻訳領域またはλ8.1(レーン2)にユニークな5'配列に特異的なオリゴヌク レオチドを用いて行ったことを示す図である。プライマーの5'端からのヌクレオ チドの数を示した。tRNAとの対照反応では、どちらかのプライマーを有する生成 物は得られなかった。これらの実験により、公表されたcDNAcの推定5'未翻訳領 域を維持するRNA転写物は、残りのマクロファージや活性化マクロファージには 存在しないが、λ8.1配列に対応する転写物は近位ATGコドンの5'に21bpと22bp( ダブレット)をマッピングする転写開始部位と一致していたことが確認された。 同様の結果は、C57BL/10Scsh(Lshs)から得られたRNAを鋳型として使用して得 られた。 図6は,マクロファージNrampがN-末端SH3結合ドメイン構造をコード化するこ とを示す。 マクロファージ発現Nrampにユニークな64アミノ酸配列を用いたアミノ酸デー タベースサーチ(参考文献29)によって、特にプロリンに富んだ配列と配列適 合数が一致した。多重配列アラインメントによって、この領域上の共通モチーフ すなわちPGPAPQPXPXR(黒色垂直バー)を生成することができた。信号伝達に関 与する3分子について適合することがわかった。すなわち、その3分子とは、病 巣付着キナーゼ(参考文献20)(26残基中50%の一致)、Drosphila dynamine shibireタンパク質(参考文献17)(20残基中55%の一 致)、アデニル酸シクラーゼ刺激β-1-アドレナリン性受容体(参考文献19) (21残基中57%)である。プロリン、セリンに富んだドメインは、dynamineの機 能的SH3結合ドメインとして同定された(参考文献17、3)。9つの最も適合 したものを各々整列し、4つ以上が一致した場合には残基を枠に囲んだ。また、 配列一致を示す領域に隣接するS3およびS37上の2つのPKC部位(あやめをつけた 垂直バー)も示す。チロシン残基(星印)は配列のこの部分の保存を示す共通モ チーフのいずれかの側に見られる。 図7は、ゲノム配列分析から得られたヒトNRAMPのエキソン2のヌクレオチド および推定アミノ酸配列を示す図である。 マウスNrampのエキソン2は、推定SH3結合ドメインを信号伝達分子の数にアミ ノ酸を一致させてコード化する。ヒトNRAMP遺伝子の同じ領域の構造を特徴づけ るために、2q35とハイブリッド形成する酵母人工染色体をEMBL3にサブクローン 化し、結果として生じるライブラリーをマウスプローブを用いてこのエキソンを 含むクローンを同定して交差種ハイブリッド形成によってスクリーニングした。 エキソン2を横断するゲノム配列が得られ(図7)、マウス配列で同定されたよ うにGT AG境界と同じスプライス供与部位とスプライス受容部位を持っていた。 図8は、ヒトNRAMPに対するN-末端配列がSH3結合ドメイン構造をコード化する ことを示す図である。 推定アミノ酸配列の分析によって、ヒトり遺伝子のこのエキソンは、マウスの 45コドンと比較して、48コドンをコード化し、マウス推定アミノ酸配列の多くの 特徴を持っていた(図8)。これらには、PKCによってリン酸化するための遠位 共通配列を含む。両方のチロシン(Y)残基は維持され、マウスNrampとして同 じ位置を共有し、ヒトエキソン2配列はセリン(Sマウスの9/45と比較して9/48 )、プロリン(マウスの10/45に比較して10/48)、塩基(マウスの5/45に比較し て5/48)残基に富んでいる。これらの重要な残基の中で、6/9 S、6/10 P、4/5塩 基残基は、マウスとヒトのエキソン2内で位置が一致してい。プロリンの間隔は ヒト遺伝子のSH3結合ドメインに対する共通配列では、マウスの13579の位 置に比較して、1479 13 14の位置であり、微妙に異なる。この領域上のヒト 共通モチーフは、PXSPTSPXPXXAPPRXT.である。ヒトエキソン2の3コドン挿入 によって、このプロリンに富んだドメインの5'セグメントが形成される。この挿 入領域には、ほぼ完全な3倍の9ヌクレオチド繰返し体から構成される異常なヌ クレオチド配列があり、幾分不安定であり機能に影響し得るヒトの多形原(参考 文献32)の典型を示す。ヒト遺伝子配列内の余分な3コドンセグメントの存在 によって、データベースをスクリーニングしているときに、複数の付加的なアミ ノ酸配列が一致した。これらには、細胞骨格相互作用または信号伝達経路に関与 する複数のタンパク質すなわち、微小管結合タンパク質、アデニリル結合タンパ ク質、ホスホリパーゼC β3、ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ調節サ ブユニットp85α (Pl3キナーゼ p85α、アンキリン、zyxinが含まれる。コンピュータ支援分析 マクロファージ発現NRAMPの予測されたN-末端アミノ酸配列の水治療法プロフ ィールを、KyteおよびDoolittleのアルゴリズムおよび水治療法値を用いてコン ピュータ支援分析によって得た。アミノ酸配列の比較は、CRC Resource Centre にオンラインのFASTAプログラムを用いて行った。結果および論点 マクロファージ誘導Nramp cDNAクローンの配列分析。 活性化マクロファージライブラリーをスクリーニングし、15の完全な長さのNr amp cDNAを生成したが、そのうち14は5'末端配列の公表された(参考文献2)Nr ampとは異なっていた。最も長いマクロファージ誘導cDNA(図1、λ8.1)は、Nr ampよりも186bp短かった。以前に予測されたタンパク質に対して完全な長さのコ ード領域を含んでおり、公表された開始コドンの5'に隣接した未翻訳配列の領域 (bp 209-263)については枠内に停止コドンはなく、100%一致した。ただし、 λ8.1のヌクレオチド1-208は、公表された配列とは一致しなかった。より近位の ATGコドンは、λ8.1の72bpで同定されたが、36bpの枠内停止コドンだけ先行して いた。この近位翻訳開始コドンに続くのは、192bpのORF(64アミノ酸)であり、 以前に報告されたORFに至る。以前の試験は、近位開始コドンは分析されるすべ ての遺伝子の90%で利用されることを示している(参考文献15)。また、 近位開始コドンと遠位開始コドンおよび隣接配列は一致(TCCTCATGA)し、最適 な(参考文献16)(CCA/G CCATGG)共通配列を有しての一致はわずか2つしか 示されていないので、遠位開始コドンが好ましいという証拠は全くまい。このた め、なぜ遠位開始コドンを使用するのかに答える理論的な理由はない。 Nrampの5'領域に対するゲノム配列。2つのRNA遺伝子を生成し、その結果2つの タイプのNrampクローンを生成することができる機構が存在するか否かを判定す るため、ダイバージェンスポイントに架かるゲノムDNA領域をλ8.1のヌクレオチ ド31-456bpに対応して特徴付けた(図2)。この領域は、395、900、241bpの3 つのイントロンによって点在させた4エキソンによって、GTおよびAG境界に一致 するスプライス供給部位とスプライス受容部位すべてを用いてコード化する。λ 8.1のN-末端ドメインの64アミノ酸の最初の47アミノ酸は、このクローンにユニ ークな2つの近位エキソンによってコード化される。残りの17アミノ酸は、エキ ソン3によってコード化されるが、エキソン3、4はλ8.1と公表された(参考 文献2)Nramp cDNAの両方に共通である。公表されたクローンから得られた5'UT R配列は、第3のエキソンに隣接し第3のエキソンの一部を含む900bpイントロン に見られ、単一の遺伝子が両方の形態をコード化することを示していた。この第 3のエキソンは、特にそれがλ8.1のタンパク質配列をコード化するが、公表さ れたNramp配列の場合にはコード配列と非コード配列の両方を含む点で特に異常 である。内部スプライス受容部位と二重プロモーター制御に関連した選択的スプ ライシングに関与 する複雑な機構を考案し両形態についての起源を説明することもできるが、公表 された(参考文献2)cDNAクローンのほうが近位端に900bpのフラグメントを含 んでいるように思われる。これは、ここで単離されたマクロファージ誘導Nramp クローンは、ゲノムDNA(図示せず)で同定された第1のNrampイントロンと一致 することを示した配列を含むことが発見されたという観察結果に一致する。 一種類のNrampだけしかマクロファージには発現しない。最も長いポリペプチ ドをコード化するRNAがマクロファージで発現される形態であるとの仮定を確認 するために、複数の異なる実験方法を採用した(図3)。鋳型としてマクロファ ージRNAを利用し、λ8.1の5'領域にユニークなオリゴヌクレオチドを用いてプラ イマー伸長をしたところ、感受性マウスと耐性マウスの両方に生成物が生じた。 全く対照的に、公表された(参考文献2)Nrampの推定5'UTR内でオリゴヌクレオ チドを用いた場合には、何も生成物は生じなかった。λ8.1にユニークな5'領域 を対象とするプローブも、感受性マウスおよび耐性マウスから得られたマクロフ ァージのノーザンプロットとスロットプロットと十分にハイブリッド形成したが 、公表されたクローンの推定5'UTRを対象とするプローブはハイブリッド形成を 示さなかった。このため、マクロファージに存在するRNA転写物は1種類しかな いことは、λ8.1の予測されたポリペプチド配列に一致するということであり、 この種のNramp遺伝子は宿主耐性に応答することを示唆する。 マクロファージ発現NrampのN-末端で予測される構造および配列一致性。どのよ うにマクロファージ発現NrampがLsh/Ity/Bcg遺伝子機能に関係し得るかを判断す るために、水治療法(参考文献14)プロットとアミノ酸データベースサーチを 新たに同定された64アミノ酸ドメインについて行った。前者(図示せず)は、新 しい配列が親水性であり、N-末端の細胞質ドメインまで延長することを示した。 このプロリン、セリンおよび塩基に富んだアミノ酸ドメインに関するアミノ酸デ ータベースサーチによって、(公表されたNrampで同定された2つに加えて)3 つのPKC部位が同定され、複数の関係しないタンパク質との適合数も確認された (図4)。最も興味深い適合は、(i)ほ乳類のdynamin(dephosphin)に関連 し、ラット脳のシナプスホスホプロテインとして作用する(参考文献18)Dros ophiliaのdynamin shibireタンパク質(参考文献17)、(ii)アデニル酸シク ラーゼ刺激物質およびGタンパク質結合β-1-アドレナリン受容体のプロリンに 富んだ第3の細胞質ドメイン(参考文献19)、および(iii)インテグリン依 存リン酸化(参考文献21)によって修飾することができる病巣付着キナーゼ( 参考文献20)を用いた場合であった。dyanminのC-末端ドメインと一致する領 域は、陰イオン性リン脂質、微小管およびSrc相同(SH3)ドメインを結合する場 合に関与していた(参考文献22)。SH3ドメイン(参考文献3、4)は、異な るチロシンキナーシゼ(TK)内ではあるが触媒ドメインの外側にある関連配列と して確認され、非受容体TK、ホスホリパーゼC-γやその他の細胞骨格の構造的タ ンパク質などの複数のタンパク質に認められる。SH3ドメインの機能(参考文献 4)は、SH2の機能ほど 十分に特徴づけられていないが、信号伝達(参考文献3)に必須の特異的なタン パク質−タンパク質相互作用を仲介すると思われる。IL-2Rβ(参考文献25) 受容体とエリトロポイエチン(参考文献26)受容体は、例えば、受容体機能に 欠かせないリン酸化を仲介するTkと結合するセリンとプロリンに富んだ細胞内ド メインを示す。膜結合TkのSrc系統の仲間には、Hck、Fgrなどが挙げられ、マク ロファージにも含まれている(参考文献27)。どちらも、開始/活性信号に反 応する分化速度を示し、Nramp仲介信号伝達経路に関与し得る。特に、Hckは最近 マウスマクロファージ(参考文献28)のTNF-α生成のために信号伝達に関与す ることが示され、発明者らが証明したステップ(参考文献11)は、酸化窒素生 成促進とLsh耐性マクロファージの抗微生物活性の過程として極めて重要である 。 最近の試験では、発明者らはインテグリン、細胞外マトリックスタンパク質へ の結合を仲介する細胞表面の分子、および、TKを介する信号と耐性マクロファー ジの相互作用は、耐性ではあるが感受性はないマクロファージ(参考文献9)の TNF-α生成促進を十分刺激することも証明した。一般に、Nrampの複数のPKCリン 酸化部位は、本文で確認された新しいSH3結合ドメインと一緒になって、Nrampは マクロファージ開始/活性のための伝達信号を制御することによって耐性を仲介 するという注目せざるを得ない証拠を提示する。 ヒトNRAMPのN-末端配列分析は、マウスNrampを用いて、推定SH3タンパク質に ついての一連のタンパク質との配列一致は、細胞骨格相 互作用または信号伝達経路に関与したことを示す所見を裏付けるものであった。 これらの中でP13キナーゼp85α(参考文献10)は特に興味深いが、この理由は 、それがリン酸化タンパク質チロシンキナーゼにSH2ドメイン(参考文献12) に結合することによって機能し、原形質膜へのp110触媒単位の結合を仲介するア ダプターとして作用するからである。P13-キナーゼp85αもSH3ドメインを有する 。アンキリンB(参考文献13)は、内在性膜タンパク質を細胞骨格要素、zyxi n(参考文献23)、付着性プラークタンパク質および付着関連遺伝子発現を仲 介する信号伝達経路に可能な成分に連結する分子である。全般的に、この証拠は 、マウス遺伝子の推定SH3結合ドメインに基づき、このドメインが信号伝達に重 要なタンパク質−タンパク質相互作用および/または分子の輸送機能を調節する タンパク質相互作用(例、チロシン上のリン酸化を仲介するチロシンキナーゼの 結合)に重要であるとの発明者らの初期の結論を支持するものである。Nramp遺伝子導入試験 複数のNrampレトロウイルスベクター構成物を作成したが、これらはすべてpBa beプラスミドに基づくものであった。これらには、上述で予測されたタンパク質 をコード化するDNAとともに、N-末端の近位72アミノ酸をコード化するC-末端欠 失構成物を含む。前者の構成物は、リン酸カルシウムを媒介とし、gp+86環境栄 養性充填細胞およびピユーロマイシンに抵抗する結合標識遺伝子に選択された組 換えクローンに共沈させて導入した。これらの抵抗性クローンのいくつか について、(i)RNAスロットプロッティングおよびNrampプローブを用いたハイ ブリッド形成によって機能的な偽ウイルス粒子を分泌できるかについて、また、 (ii)受容細胞に感染し抗生物質的耐性を付与することができるかについて試験 した。最も高い滴定ラインから得られた感染性粒子は、in vivoの遺伝子導入に 使うことができる。これと同じ構成物をマウス細胞形系(RAW 264)に導入した ところ、ベクター由来Nramp遺伝子のものとは異なる対立遺伝子変異型(「Lsh感 受性」)を発現した。 複数のクローンは、PCRによってモニタリングした後、対立遺伝子特異オリゴ ヌクレオチドハイブリッド形成を行ったように、Nrampの両方の形態を発現する ことが確認された。機能的実験を行い、Nrampが疾患耐性遺伝子Ity/Lsh/Bcgであ ることを、Ity/Lsh/Bcg遺伝子と以前に結合させた耐性対立遺伝子がマクロファ ージ活性表現型を付与することを証明することによって証明した。以下に具体的 に説明する。 表1は、Nramp耐性対立遺伝子が、対照の感受性トランスフェクションクロー ンと比較し、基線PMA-誘導呼吸バースト反応を促進することを示す。休止中のPM A-誘導呼吸バーストは、マクロファージを細菌性リポ多糖(LPS)で処理したと ころ、感受性トランスフェクタントでは完全に消滅したが、耐性トランスフェク タントでは消滅しなかった。呼吸バースト生成物は、抗微生物的で腫瘍破壊性の 活性を仲介する。 表2は、Nramp耐性対立遺伝子が、LPSおよびインターフェロンによる開始/活性 化後に、亜硝酸塩の放出を促進することを示すものである。亜硝酸塩は、耐性マ クロファージの誘導可能な酸化窒素シンターゼ遺伝子の上流を調節した発現によ って生成された酸化窒素の安定した最終生成物である。酸化窒素は、抗微生物的 で腫瘍破壊性の活性も仲介し、マウス耐性マクロファージの抗リーシュマニア性 で抗マイコバクテリア性の活性のための最終的なエフェクター機構であることは 特に知られている。 表3は、Nramp対立遺伝子がLPSおよびIFNγを用いた開始/活性後、L-アルギニ ン摂取を促進したことを示す。L-アルギニンは、耐性マクロファージのKCの上流 調節発現のための信号伝達に関与する酸化窒索を生成するために、また、マクロ ファージの殺菌作用のための最終エフェクター機構に基質を提供する。 NrampがIty/Lsh/Bcgの機能に予め関係する遺伝子の3つの個別の多相遺伝的な 効果に影響することを示すことで、NrampがIty/Lsh/Bcgである明確な証拠となる 。 マウス/ヒトのNramp/NRAMPと酵母ミトコンドリアタンパク質SM F1とSMF2の間に観察される類似性については、別の実験を行って、これらのNram p調節多相遺伝的効果がミトコンドリア誘導反応酸素中間体(ROI)の生成によっ て仲介される細胞内の信号伝達に依存するか否かを決定した。 表4は、呼吸バーストおよびL-アルギニン摂取がミトコンドリア電子輸送阻害 剤ロテノン(0-40μM、錯体I→ユビキノンを阻害)またはテノイルトリフルオ ロアセトン(TTFA、0-400μM、錯体II→ユビキノンを阻害)の存在下では阻害さ れる。阻害剤の濃度は、従来の試験に基づき(参考文献61)、アポトーシスに 関するミトコンドリア誘導ROIの役割と繊維芽細胞のTNFaの遺伝子誘導効果を試 験したが、RAW264.7-誘導トランスフェクタントには毒性効果が観察されなかっ た。 これらの所見は、ミトコンドリアの機能を調節する際のNrampの役割と信号伝 達のための反応性酸素中間体の生成を示唆する。このため、Nrampがマクロファ ージ活性化のために細胞内の信号送出に影響を与えるには、(i)ミトコンドリ アからの反応性酸素中間体の生成に影響することによって、また、(ii)酸化窒 素の生成を促進することによっての2つの方法がある。Nramp遺伝子機能のこう した試験は、Nrampが抗微生物のためのマクロファージ開始/活性を調節するこ とを証明する10年間の機能的研究と、細胞信号送出現象におけるその役割による 遺伝子の多数の多面的効果とをまとめるものであ る。Nramp遺伝子の機能として推定SH3結合ドメインで最も重要なことは、開始/ 活性化信号に反応してその機能を調節することである。Nrampタンパク質および抗体産生 水治療法プロットに基づき、発明者らは膜に隠蔽されてないために完全な/自 然のタンパク質配座内に到達できそうな2つの構造的ドメインを選択した。これ ら2つのドメイン(N-末端アミノ酸1-82、C-末端アミノ酸514-548)に対するオ リゴヌクレオチドプライマーは、pGEX系の原核発現ベクターの適切な読み枠にク ローン化すべき生成物を増幅することができる制限部位を用いて生成した。Nram p配列は、グルタチオンアガロースを用いてアフィニティークロクトグラフィー によって細菌ライゼートから容易に精製することができる融合タンパク質の高レ ベルの発現を誘導することができる誘導tacプロモーターの制御下で、Scistosom a Japonicumからグルタチオン-S-トランスフェラーゼ遺伝子の下流に結合される 。結合タンパク質は、自然配座を維持し抗原性を改善するような穏やかな状況下 でマトリックスから放出され得る。この方式を利用し、N-末端領域とC-末端領域 からそれぞれ適切に8.2kdおよび3.4kdのNrampタンパク質を生成し、RIBIアジュ バントを有する抗原として使用し、ポリクローナル抗体の産生のためにウサギに 、モノクローナル抗体の産生のためにラットに接種した。産生抗体がマウスおよ びヒトのNramp/NRAMPタンパク質の両方に特異的であることを確認するため、こ うした抗体は、融合タンパク質の産生に使用されるこれらのN-末端領域およびC- 末端領域に及ぶ配列情報に基づいて調製されたペプチドに対してスクリ ーニングまたはアフィニティー精製をすることが望ましい。特に、ペブチドDKSP PRLSRPSYGSISS;と、PQPAPCRETYLSEKIPIP;と、N-末端領域内のGTFSLRKLWAFTGPG FLMSIAFLDPGNIESDLQと、C-末端領域のWTCCIAHGATFLTHSSHKHFLYGLについてすべき である。ヒトNRAMP遺伝子(参考文献62)の ゲノム体制および配列 NRAMPOのゲノム配列。ヒト酵母人工染色体(YAC)AM11/D3/14(参考文献30) は、ICRFライブラリーから(UK Human Gene Mapping Project HGMP Resource Ce ntre,Huxton Hill,Cambridge CB10 1RQ,UKから入手できる)VILIプローブ( 参考文献31)を用いてスクリーニングし完全なヒトNRAMP配列(参考文献32 )を含有ことによって得られる物であるが、これをλEMBL3(Stratagene Ltd,C ambridge,UK)にサブクローン化し完全な長さのマウスNramp cDNAλ8.1(参考 文献55)を用いてスクリーニングした。2つの重複クローンλ3とλ3.1は、完 全な長さのNRAMP配列をふくんでおり、これをPstIを用いて消化し、pBluescript II SK(Stratagene Ltd)にサブクローン化し、完全な長さのマウスcDNAプロー ブ(参考文献55)を用いて再度スクリーニングした。エキソンの正のクローン は、配列分析用に選択されたが、同定されたエキソンの間のPCRによって調製さ れたフラグメントを配列決定することによって充填されたギャップを含んでいた 。エキソンはマウスのcDNA配列(参考文献2、55)またはヒトcDNA配列を用い てヒトのゲノム配列を比較するこ とによって同定された。ヒトcDNA配列は、逆転写(RT)と、ヒト単球由来THP1細 胞系(参考文献33)から調製されたRNAのPCR増幅によって得られた。適切な場 合には、PCR生成物を少なくとも2つの独立クローンから得た配列分析用のpCRベ クター(Invitrogen Corporation,Abingdon UK)にクローン化した。3'領域に 対応するクローンは、マウスcDNAを用いるスクリーニングによっては当初単離さ れていなかった。フラグメントは、ポリdTアダプター感作THP1 cDNAから得られ たcDNA(RACE、(参考文献34))の3'急速増幅によって精製された。cDNAは、 エキソン13(GTGCTGCCCATCCTCACG、GAGTTTGCCAATGGCCTG)から選択された2つ の巣化したプライマーと組み合わせたアダプタープライマーを用いて増幅した。 適切なゲノムクローンをエキソン13とRACE生成物の3'末端から設計されたプラ イマー(GGACGAGAAGGGAACTAG)を用いて、λ3とYAC AM11/D3/14の両方から得た フラグメントを増幅させて調製した。RNAの5'末端は、遮断アンカープライマー を任意の六量体感作逆転写THP RNAの3'末端にRNAのリガーゼ依存結合することに 関与する5'RACEによってマッピングされた。アンカープライマーと2つのNRAMP 特異巣化アンチセンスプライマー(AAGAAGGTGTCCACAATGGTG,CGGTTTTGTGTCTGGGA T)を用いる増幅によって、単一のNRAMP生成物が生じた。この生成物は、クロー ン化されたTAと3クローンを配列分析し、転写開始部位とマウスcDNAプローブと ハイブリッド形成できなかった最も近位の配列とを決定した。これによって、5' の隣接領域の分析はさらに容易になったが、その配列は5'RACE生成物と相同の配 列を含む1.6kb PstIフラグメントから得られた。 配列データの分析。ヌクレオチドとアミノ酸配列の比較は、CRC Resource Centr e,UKにオンラインのBESTFITプログラムを使用して行った。マウスおよびヒトNR AMPのアミノ酸配列を、多重配列アラインメントプログラムClustal V(参考文献 36)を用いて、酵母SMF1およびSMF2(参考文献35)を用いて整列させた。 ヒトNRAMPのエキソン4−6に渡る定方向周期配列決定 プライマー(GACAGGCAAGGACTTGGGTとAAGAAGGTGTCCACAATGGTG)を、末梢血単核細 胞から精製したRNAを用いて、ヒトNRAMPのエキソン4とエキソン6の間の200bp 生成物をRT/PCR増幅するために設計した。この生成物は、感受性突然変異を伝達 するマウスNrampの領域に架かる。PCR生成物をQiagen PCR精製キット(Hybaid L td,Teddington.UK)を用いて精製し、内部配列決定プライマー(CATCTCTACTAC CCCAAGGTGC)を併用しCircumVent Thermal Cycle Dideoxy DNA配列決定キット( New England Biolabs,CP Laboratoriesm Bisop's Stortford,UK)を用いて定 方向周期配列決定による分析を行った。定方向周期配列分析は19名に行い、その 内訳は、内蔵リーシュマニア症8例と、同じ家族から選んだ未感染9例と、非風 土病の英国人対照2例であった。風土病の試料はブラジル(感染4例、未感染5 例)とスーダン(感染4例、未感染4例)から得た。 ヒトゲノムDNAを用いての5'gt繰返し体のプライマー設計およびPCR分析。780 -794bpのPCR生成物を転写開始部位(GAGGGGTCTTG GAACTCCA)の-365bp5'およびイントロン1(CACCTTCTCCGGCAGCCC)プライマー内 に位置するプライマーを使用してゲノムDNAから増幅した。この生成物を再増 幅し、5'プライマーと末端標識(γ32PdATR、ICN Biomedicals Ltd,Thame,UK )内部逆プライマーTACCCCATGACCACACCCを用いて108-122bp生成物を作成した。 この生成物は、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分解し、配列決定 ラダーを用いてサイズを計測した。異なる対立遺伝子形態に対するPCR生成物は 、上述のように直接配列決定した。 家族連鎖試験。ブラジルで発明者らの研究部位から得た(参考文献37)らい病 、結核、内蔵リーシュマニア症の一連の複数症例の36家族によって、ヒトNRAMP の5'プロモーター領域の多形性gt繰返し体と以前にマッピングした2q34-q35標識 (参考文献32、37)の間の連鎖を求めた。2点連鎖分析をNRAMPと標識(TNP 1,IL8RB,VIL1、DES)について、CRC Resource CentreへのオンラインLINKAGE を用いて行った。NRAMP対立遺伝子の頻度は、ブラジル人の研究部位から得た遺 伝的に独立した72個体の試料から算出した。 結果 図9は、Clustal V多重配列アラインメントはヒトNRAMP、マウスクローンλ8. 1(参考文献55)、酵母ミトコンドリアタンパク質SMF1およびSMF2(参考文献 35)に対して予想されるアミノ酸配列について示す図である。4つのタンパク 質について3/4または4/4の一致率を示す残基は太く示す。NRAMP配列の場合、エ キソン境界は配列の上に示し、PKCはタンパク質キナーゼCリン酸化に対する共 通部位(S/T-X-R/K)を示し、===N-結合グリコシル化に対する共通部位を示 し、予測的な膜に架かるドメイン(参考文献2)は上線を引き、配列に番号を付 した。★は4つのタンパク質すでに渡って保存されるシステイン残基であり、. は同類置換を示す。 図10(a)は、エキソン2に対するアミノ酸データベースサーチの結果であ り、配列適合数がNRAMPのPro/Serに豊富な推定SH3結合ドメインと一致すること を示し、+は保存アミノ酸を示す図である。4つ以上の一致を示す残基は、太字 で示されている。多重配列アラインメントによって、二重下線で示されたように 、この領域上に共通モチーフを生成することができた。S40上のPKCと、共通モチ ーフのいずれかの側のチロシン残基(★)も示す。図10(b)では、ヒトNRAM P、マウスNramp、SMF1およびSMF2に対するClustal V多重配列アラインメントと 、Oryza sativa(イネ、登録番号d15268)遺伝子とArabidoposis thaliana(登 録番号z30530)遺伝子の発現配列標識(参考文献)と、それぞれの読み枠1およ び2を示す。6つのタ ンパク質に渡って4/6以上の一致率を示す残基は、太字で示した。NRAMPに対して 膜に架かるドメイン6および7には上線を引き、配列に番号を付した。20アミノ 酸が保存された輸送モチーフ(参考文献2)は、二重上線で示した。6つのタン パク質はすべて、輸送モチーフ全体の7/20(11/20)の一致率(類似性)を示し た。★は、6つのタンパク質すべてに渡って保存されたシステイン残基を示す。 .は、同類置換を示す。 図11は、転写開始部位のNRAMP配列5'の440bpの推定プロモーター領域を示す 図である。転写開始部位は、図示のように、148bp5'のATG開始コドンに位置する 。検査によって同定された推定プロモーター領域の要素(配列上方に示した)に は、ジヌクレオチド繰返し体t(gt)5ac(gt)5ac(gt)5gを形成する可能なZ-DNAと、 6つのインターフェロン-γ応答要素と、3つのW-要素と、3つのNFκB部位と、 骨髄特異PU.1転写因子に対する9つのプリンに富んだGGAAコアモチーフ(アンチ センス鎖上に2つ)が挙げられ、そのコアモチーフのうち2つは不完全にAPI様 部位に結合し、PEA-3共通モチーフを形成している。熱ショック転写因子(HSTF )モチーフ(NGAANまたはNTTCN)の列も440bp配列(標識せず)に渡って見られ る。 図12は、2家族が5'ジヌクレオチド繰返し体多形の(a)対立遺伝子2およ び3または(b)対立遺伝子1、2および3について分類した図である。2家族 の下の写真は、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離された多形性 PCR生成物(それぞれの対立 遺伝子1乃至3について122bp、120bp、118bp)のオートラジオグラフである。 各写真の左から右へのレーンは、家系図に示されたように個体(a)I-2、II-1 ,II-2、II-3、II-4、II-5、II-6、III-1、III-1、III-2、III-3と、(b)I-1 ,I-2、II-2、III-1、III-3、III-4、III-5、III-6を示す。個体I-1は家族(a )については示されていない。 ヒトNRAMP遺伝子の配列とゲノム体制。 完全な長さのcDNAを用いるハイブリッド形成によって単離されたエキソン陽性 クローンの配列決定によって、マウス1誘導Nramp遺伝子のヒト2q相同体(NRAMP )の完全な配列(登録番号X82105およびX82016に基づくEMBLを用いて析出)を識 別することができた。領域440bp5'の転写開始部位から終始コドンまでのエキソ ン配列分析によって、完全なエキソン−イントロン体制を解明することができた (表5および表6)。ヒトNRAMPは、15エキソンによってコード化され、548アミ ノ酸マウスマクロファージイソ型(参考文献55)と対照的に、550アミノ酸を 含む(図9)。この550アミノ酸ポリペプチドは、弱い(1/6)Kozak(参考文献 16)共通に関連し、エキソン1内の翻訳コドンから開始する。次に、M68に見 られるより遠位のコドンは、2/6のKozakが共通している。ただし、発明者らは、 マウスマクロファージ形態のように(参考文献55)、より近位の開始コドンを 使用を使用することを提案する。これは、残基51-67に対して直接作用する(100 %)配列保存によって強化されるので、機能に対する配列の維持が必要であるこ とが示唆される。マウス遺伝子(54 8)とヒト遺伝子(550)遺伝子のサイズの不一致は、PTS重複を引き起こすエキ ソン2内に、ブラジル人家系(参考文献32)および英国人家系(データ未公表 )の変異型を表す非重複形態を有する3つの付加的な残基を含むことに原因があ る。さらに、ヒトの遺伝子は保存が悪い最後のエキソン内にマウス遺伝子に比較 して一個のアミノ酸が欠失している。マウスNrampと一致するアミノ酸は全体で8 6%(同類置換は92%)だった。最高(100%)の配列一致を示すエキソンには 、エキソン4、6、7が挙げられ、エキソン11は98%の一致率を示す。これら のエキソンはTM1すなわち最初の細胞外ドメインと、TM2およびTM3と、保存され た輸送モチーフをコード化する。TM2は、マウス感受性関連突然変異(参考文献 2、56)を含み、十分に保存され、このドメインがアミノ酸置換を許容するこ とができない重要な機能的役割を果たすことが示唆されることは、興味深いこと である。NRAMPは、マウスNrampと、2つの酵母ミトコンドリア膜タンパク質すな わちSMF1およびSMF2と一緒に、多重配列アラインメントプログラムClustal Vを 用いて整列させた(図9)。SMF1とSMF2は、相互に49%の一致率(70%の類似率 )、ヒトNRAMPとの一致率(類似率)はそれぞれ30%(57%)と29%(53%)で ある。これは発明者らがマウスNrampについて報告した(参考文献57)の30% (58%)と30%(57%)の一致率(類似率)に匹敵する。4つのタンパク質のな かで最も注目すべき配列一致領域は、疎水領域内で著明に見られるが、高い一致 率はエキソン3、4、5、6にも見られ、エキソン11から得た保存輸送モチー フについても認められた。エキソン6内では、YAC由来アミノ酸のヒトの配列は 、残基172の位置 でGlyを示し、これはマウス配列のコドン169のGly→Asp感受性突然変異の部分に 対応した。2つのSMF遺伝子は、同様のGlyをコード化しないが、マウスの感受性 対立遺伝子に見られる負に帯電した残基を導入しない残基をコード化する。以前 と同様に(参考文献55,32)、配列データベースのその他のタンパク質(図 10)との適合は、推定SH3結合ドメインを含むエキソン2上に観察され、さら に、保存された結合タンパク質依存モチーフ(参考文献2)を含むエキソン11 の領域についても観察された。後者は、マウス/ヒトNRAMP、酵母タンパク質と 、Oryza Sativa(イネ)およびAravidopsis thalianaから得られた2つの発現配 列標識とにおいて、高度に保存された。SMF1とSMF2は、エキソン2のプロリン/ セリンに富んだ配列については高い一致率を示さなかったが、PKC依存リン酸化 に対する共通(S/T-X-R/K)配列(SMF1では1、SMF2では2)を有していた。ヒトN RAMPは、マウス遺伝子の3つに比較して、2つの共通部位(エキソン2および3 の場合、図9)をこの領域に含む。SMF2の遠位部位の位置は、ヒトNRAMP部位2 /マウスNramp部位3と精確に一致するが、SMF1の部位は、8残基上流に位置す る。一対のシステイン残基は、4つの遺伝子すべてに保存される。すなわち、( i)第1の細胞外ループドメインと、(2)ヒト遺伝子とマウス遺伝子のN-結合 グリコシル化のための2つの部位も含む第3の細胞外ドメインとに保存される。 荷電残基は、SMF1の第1の貫膜ドメインのLys→Ser置換を除き、貫膜に架かるド メイン1、2、3、4および7(図9)内の4タンパク質すべてに渡って保存さ れる。 内蔵リーシュマニア症患者および対照のマウス突然変異の分析。 マウス疾患感受性Gly→Asp突然変異に相同な突然変異がヒトに起こるか否かを 決定するために、PT/PCRと定方向周期配列決定を内蔵リーシュマニア症患者から 得たRNAとブラジルおよびスーダン人から得た対照について行った。すべての19 のヒトの試料は、個体の感染の有無に関わらず、この位置でGlyをコード化した 。 ヒトNrampの5'プロモーター領域の分析 λ8.1からサブクローン化された1654bpのPstIは、エキソン1および2を含み 、転写開始部位(図11)の440bpの配列5'も含んでいた。転写開始部位は、ATG 開始コドンの148bp5'に位置した。一連の予測されるプロモーター領域にも、5' の転写開始部位が存在し、そこには-317乃至-274bpの5'の転写開始部位に位置す るジヌクレオチド繰返し体t(gt)5ac(gt)5ac(gt)9gを形成する可能なZ-DNAを含む 。ジヌクレオチドの繰返し体を形成するいずれかの側には、誘導可能なプロモー ター要素共通配列に一連の適合が見られる。これらには、以下を含む。すなわち 、6つのインターフェロンγ反応要素、共通配列CTG/T G/TANNC/T(参考文献41 、42)に対して8/8の適合を示す1×3'→5'、7/8の適合を示す3×5'→3'、7/8 の適合を示す2×3'→5'と、3つのW-要素(H-、E-、W-、S-またはZ-ボックスと しても知られる)、共通配列A/TGNAC/ACC/T G/T(参考文献41)に対して8/8の 適合を示す1×3'→5'、7/8の適合をする2×3'→5'、共通配列TGACTCA(参考文献 43)に6/7適合するAP1部位と、3つのNFκB結合部位、2×5'→3'および1×3' →5'、各々は共通配列GGGG/A C/A/TTC/T C/TCC (参考文献44)に7/10適合している。骨髄特異PU.1転写因子(参考文献45、 46)に対する9つのプリンに富んだGGAAコアモチーフ(アンチセンス鎖上に2 つ)も、この領域に架かっているのが見られ、そのうち2つは不完全なAP1様部 位と結合しPEA3モチーフを作成し、別の2つは並列している。熱ショック転写因 子(HSTF)モチーフNGAANまたはNTTTCNの列も存在するが、それらの順序および 相は現在の機能的要素とは一致しない。TATA、GC、およびCCAATのボックスは、4 40bp5'隣接配列内には見られなかった。 5'プロモータ領域の多形性繰返し体のマッピング。 YAC-誘導NRAMP配列の5'のgt繰返し体の存在は、多形がヒトの母集団サンプル に存在するか否かを判定するために、この領域の分析をさらに勧める刺激となっ た。4つの対立遺伝子がブラジル人家族(図12)に存在した。4つの対立遺伝 子とは、対立遺伝子1=122bp、対立遺伝子2=120bp、対立遺伝子3=118bp、 対立遺伝子4=108bpである。定方向配列分析によって、多形はgt繰返し体の最 も大きなクラスターに位置することが確認された。このため、対立遺伝子1=t( gt)5ac(gt)5ac(gt)11g、対立遺伝子2=t(gt)5ac(gt)5ac(gt)10g、対立遺伝子3 =t(gt)5ac(gt)5ac(gt)9gと対立遺伝子4=t(gt)5ac(gt)5ac(gt)4である。72名 の遺伝的に独立したブラジル人に対して求められた遺伝子頻度は、0.021(対立 遺伝子1)、0.326(対立遺伝子2)、0.646(対立遺伝子3)、0.007(対立遺 伝子4)であり、全体の異型接合スコアは0.476である。連鎖分析の結果、nRAMP と4つの標識TNP1(近位)、IL8RB,VIL1、DES(遠位)との連 鎖に対するLODスコア(表7)は正(>3)であり、IL8RBに近位のNRAMP130kbに 定める物理的マッピングデータ(参考文献32)に一致し、この特定の多形は、 ヒトの6q27に相同なマウスの領域にマッピングする関連配列(参考文献49)よ りはむしろNRAMPの2q35コピーに存在することが確認された。 論点 本文に提示されたゲノム配列分析結果は、染色体2q35に位置するヒトNRAMP遺 伝子は、12kbのゲノム配列を有し、15エキソンを含むことを証明するものである 。15のエキソンのヌクレオチド配列決定から推定されるアミノ酸配列は、マウス Nrampのように、Nrampが保存輸送モチーフ(参考文献2)と推定SH3結合ドメイ ン(参考文献55)を含むポリトピックな細胞膜内タンパク質をコード化するこ とを示す。20アミノ酸輸送モチーフについて、高い配列識別率(7/20残基、同類 置換の場合11/20)は、NRAMP(Nramp)、2つの酵母タンパク質SMF1/2、イネお よびArabisopsisから得られた発現配列標識の間で観察され、これは系統発生的 に異なる生物の間で機能的に重要である。興味深いことに、これらの一致率は、 マウスNrampとAspergillus nidulansの硝酸塩輸送体の間で報告されたもの(4/2 0一致率、6/20の類似率)よりも高く、このため、Vidalら(参考文献2)はNram pは硝酸塩を感染マクロファージのファゴリソームに直接誘導する機能があると の仮説を導いた。NRAMPの輸送モチーフと酵母ミトコンドリアタンパク質の間で 本文に観察される高い一致率は、酵母とヒト/マウス遺伝子の間の注目すべき全 般的な類似性とともに、Nrampは酵 母ミトコンドリア遺伝子に機能的に相同であり得ることが示唆される。この酵母 遺伝子は、ミトコンドリアへのタンパク質依存のタンパク質移入を、恐らくは転 移(参考文献35)のレベルで促進するプロセッシングに影響する疎水性分子を コード化する。従って、酵母突然変異体を用いた相補的実験は、Nramp機能の分 子機構についてさらに明らかにすることができるかも知れない。NRAMP(Nramp) とSMF1/2との配列類似性は、プロリン/セリンに富んだ推定SH3結合ドメインに 関しては乏しい。これは、恐らく、これらが信号伝達および/または細胞骨格付 着(参考文献55)に関与するがそれ以外では関連しない種々のタンパク質に存 在するモジュール構造であるとは思われない。このため、このモジュールモチー フは、マクロファージ制限機能に関連したNRAMP分子に対する新たな添加である と考えられるので、我々はその他のより遍在的に発現されるNRAMP様分子が存在 するであろうことを期待することができる。別のNramp-関連配列は、すでにマウ ス(参考文献49)にマッピングされているが、他にも発見することができるで あろう。 ヒトNRAMP遺伝子を分析する場合の発明者らの主要な興味は、マイコバクテリ ア感染(結核とらい病)およびリーシュマニア感染に対してマルチケースの家族 をスクリーニングする基礎を提供することであった。第1のステップでは、発明 者らは小グループの内蔵リーシュマニア症患者とその子孫について調査し、マウ スの感受性関連突然変異(参考文献2、56)に類似する突然変異を発見するこ とができるか否かを判定した。予測していたとおりに、第2の膜に架 かるドメインをコード化するエキソン6は、マウスとヒトの配列の間で、酵母遺 伝子を用いた場合と同様に、高度に保存されており、これは機能的に重要なドメ インであることが示唆される。定方向周期配列決定によって試験された19のヒト の試料におけるこの領域内には、突然変異は見つからなかった。同様に、推定SH 3結合ドメインにおいて発明者らに同定された多形変異型は、非常に低い頻度で 存在するので、これも、最近進化論の用語に取り入れられてはいるが、その機能 に極めて重要であり、非同類置換には許容されないと思われるマクロファージ発 現NRAMP分子の領域である可能性が示唆される。 本文で同定される440bpのプロモーター領域は、NRAMP遺伝子のマクロファージ 制限発現に関連して特に興味深く、分子に対する構造的変化を生じるというより は、発現に影響すると思われる多形を分析する異なる方法を提供する。PU.1およ びPEA3/AP1様反応要素の同定は、造血制限遺伝子の発現に一致する(参考文献4 7、50、51)。初期の試験(参考文献2、55)は、マウスNrampは、マク ロファージに構造的に発現すると提案したが、ヒトの配列に同定された誘導プロ モーター領域の要素からは、発現はマクロファージ開始/活性化刺激物によって 調節できることが示された。特に、インターフェロンγおよびW-要素は、他の遺 伝子(MHCクラスII、(参考文献41)、FcγRI(参考文献42)、マクロファ ージに誘導可能なiNOS(参考文献52))に共通する。Ap1とNFκBの部位も他の マクロファージ発現タンパク質(組織因子(参考文献43)、iNOS(参考文献5 2))のプロモーター領域に存在し、LPSおよびTNSの誘導 性に必要であり、NFκBの活性(参考文献43)を安定化させ維持する作用をす るAp1にも必要である。多くの機能的な観察結果(参考文献1、57-59に検討され ている)を想定し、Ity/Lsh/Bcg(候補的Nramp)表現型がインターフェロンγ/Lp sマクロファージ活性化経路に非常に緊密に組み入れられることを示すと、異な るマクロファージ副次集団のNRAMPの組織特異発現に対するこれらの要素の機能 的関連性を決定することが重要になってくる。これは、特に、Lsh遺伝子表現型 、異なるマクロファージ副次集団(参考文献53および54)に示差的に発現す ること、細胞外マトリックスとの相互作用は共通遺伝子的な耐性マウスおよび感 受性マウス(参考文献9)から得た骨髄誘導マクロファージのTNFαの異なるレ ベルを顕在化することを示す従来の観察結果に特に関連する。それらの順序およ び相は、問題の機能的要素とは一致しなかったが、HSTF要素がヒトNRAMP要素の プロモーター領域で発見されたことは興味深いことであった。これらは、酵母SM F1遺伝子およびSMF2遺伝子のミトコンドリア的活性/発現に関連する先祖の要素 を示すのかも知れない。 ヒトNrampの5'フランク領域の別の興味深い特徴は、ジヌクレオチド繰返し体t (gt)5ac(gt)5ac(gt)ngを形成する推定Z-DNAの存在であった。異なるクラスの結 合タンパク質は、Z-配座で排他的にDNAと反応する真核に存在し、正および負の 信号送信を調節する役割はDNAのこの形態の特徴であった(参考文献39で検討 )。この繰返し体単位の多形がヒトゲノムDNA試料で観察されたことは特に興味 をそそるものであった。繰返し体を形成する推定Z-DNAがその他の領域反応要 素がいずれかの側に隣接するという事実は、転写調節物質としての役割に基づか ない場合でも、少なくとも反応要素の近位に影響をするので、この多形は遺伝子 発現に機能的に重要であることが示唆される。本文で試験したブラジル系母集団 のヘテロ接合レベル(0.476)によって、これはNRAMPとその他の2qマーカーの遺 伝連鎖分析に有用なマーカーとなった。ただし、対立遺伝子の数はその他の繰返 し体(マイクロサテライトなど)多形と比較し、この繰返し体の多形変異型をさ らに生成することは、進化的な面から許容できないことが示唆された。従って、 この多形は、NRAMPと疾患との関係をさらに分析することで機能的に関連してく るものと思われる。表5および表6 YAC誘導クローンのゲノム配列分析によって同定されたヒトNRAMPの15エキソンに 関するイントロン(4つの隣接するヌクレオチド)/エキソン(アミノ酸)境界 とサイズ(bp)。マウスNrampとのアミノ酸配列の一致率を各エキソンについて 示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN (72)発明者 ホワイト,ジャックリーン ケイティ アメリカ合衆国,マサチューセッツ州 ケ ンブリッジ,#1 エクセター パーク 1 (72)発明者 ブラックウェル,ジェニファー メアリー イギリス国,ロンドン イーエヌ6 1ア ールエル,ポッターズバー,クエーカーズ レーン 19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.N-末端領域にSH3結合ドメインを含む自然抵抗性結合マクロファージタンパ ク質。 2.N-末端領域にさらに1つ以上のタンパク質キナーゼC部位を含むことを特徴 とする請求の範囲第1項記載のタンパク質。 3.N-末端領域が前記SH3結合ドメインに隣接する2つのタンパク質キナーゼC 部位を有することを特徴とする請求の範囲第1項記載のタンパク質。 4.前記SH3結合ドメインは、SH3結合ドメインモチーフPGPAPQPXPXRを含むこと を特徴とする請求の範囲第1乃至3項のいずれか記載のタンパク質。 5.前記SH3結合モチーフがPGPAPQPAPCRであることを特徴とする請求の範囲第4 項記載のタンパク質。 6.前記SH3結合ドメインが、SH3結合モチーフのN-末端終端にポリペプチドセグ メント(S,A)PP(R,K)XSRPXXXS(I,V)XSXをさらに含むことを特徴とする請求の範囲 第4項または第5項いずれか記載のタンパク質。 7.前記ポリペプチドセグメントがSPPRLSRPSYGSISSLで あることを特徴とする請求の範囲第6項記載のタンパク質。 8.図9に示すマウスアミノ酸配列を含み、実質的には自己の活性に影響しない 突然変異または欠失を任意に有することを特徴とする自然抵抗性結合マクロファ ージタンパク質。 9.前記SH3結合ドメインは、SH3結合モチーフPXSPTSPXPXXAPPRXTを含むことを 特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか記載のタンパク質。 10.前記SH3結合モチーフがPTSPTSPGPQQAPPRETであることを特徴とする請求の 範囲第9項記載のタンパク質。 11.前記SH3結合ドメインは、前記SH3モチーフのN-末端終端にさらにポリペプ チドセグメントGPQRLSGSSYGSISSを含むことを特徴とする請求の範囲第12項ま たは第10項記載のタンパク質。 12.図9に示されるヒトアミノ酸配列を含み、自己の活性に実質的に影響しな い突然変異または欠失を任意に有する自然抵抗性結合マクロファージタンパク質 。 13.タンパク質をコード化する請求の範囲第1項乃至第13項のいずれか1つ に記載のヌクレオチド配列。 14.前記タンパク質の前記SH3結合ドメインがCCTGGCCCAGCACCTCAGCCAGCGCCTTG CCGGを含む配列によってコード化されることを特徴とする請求の範囲第1項乃至 第8項のいずれか1つに記載のタンパク質をコード化するヌクレオチド配列。 15.前記SH3結合ドメインをコード化する前記配列はさらに上流領域AGCCCCCCG AGGCTGAGCAGGCCCAGTTATGGCTCCATTTCCAGCCTGをさらに含むことを特徴とする請求 の範囲第14項記載のタンパク質をコード化するヌクレオチド配列。 16.前記タンパク質の前記SH3結合ドメインがCCG ACC AGC CCG ACC AGC CCA G GG CCA CAG CAA GCA CCT CCC AGA GAG ACCを含む配列によってコード化されるこ とを特徴とする請求の範囲第1項から第3項または第9項から第12項のいずれ か1つに記載のタンパク質をコード化するヌクレオチド配列。 17.前記SH3結合ドメインをコード化する前記配列は、さらに上流領域GGT CCC CAA AGG CTA AGC GGG TCC AGC TAT GGT TCC ATC TCC AGCを含むことを特徴とす る請求の範囲第16項記載のヌクレオチド配列。 18.DNA配列であることを特徴とする請求の範囲第13項から第17項までの いずれか1つに記載のヌクレオチド配列。 19.cDNA配列であることを特徴とする請求の範囲第18項記載のヌクレオチド 配列。 20.自然抵抗性結合マクロファージタンパク質をコード化し、図2に示された ヌクレオチド配列を含み、任意に該タンパク質の活性に影響を与えない突然変異 または欠失を任意に含むことを特徴とするcDNA。 21.自然抵抗性結合マクロファージタンパク質をコード化し、該タンパク質の 活性に実質的に影響しない突然変異または欠失を任意に有し、以下の配列すなわ ち、 を含むことを特徴とするDNA。 22.表3に示す1つ以上のエキソンを含み、各エキソンはイントロン境界領域 に隣接し、請求の範囲第1項乃至第3項または第9項乃至第12項記載のタンパ ク質をコード化するDNA配列。 23.プロモーター領域がポリgt部位を含む請求の範囲第13項乃至第22項い ずれか1つに記載のヌクレオチド配列のプロモーター領域を含むヌクレオチド配 列。 24.前記ポリgt部位は、一般式t(gt)5ac(gt)5ac(gt)ngであり、式中n=0ま たは整数であることを特徴とする請求の範囲第23項記載のヌクレオチド配列。 25.RNAであることを特徴とするヌクレオチド配列。 26.請求の範囲第20項に記載のcDNAを取り込むプラスミドpBabeλ8.1。 27.請求の範囲第20項または第19項に記載のヌクレオチド配列を取り込む ウイルスベクター構成物。 28.請求の範囲第23項または第24項に記載のヌクレオチド配列の5’領域 に特異的な配列とハイブリッド形成することができ、少なくともその一部を増幅 させることができるヌクレオチドプライマー対。 29.増幅すべきヌクレオチド配列の一部がポリgt部位であることを特徴とする 請求の範囲第28項記載のヌクレオチドプライマー対。 30.請求の範囲第13項乃至第24項のいずれか1つに巨細のヌクレオチド配 列の一部とハイブリッド形成することができ、ヌクレオチド配列は、前記SH3結 合ドメインを含むかその上流であるタンパク質のN-末端領域をコード化すること を特徴とするヌクレオチドプライマー対。 31.請求の範囲第22項で定義したエキソンまたはそのイントロン境界とハイ ブリッド形成することができ、少なくとも前記エキソ ンの一部を増幅することができるヌクレオチドプライマー対。 32.前記エキソンがヒトNRAMP遺伝子のエキソン2であることを特徴とする請 求の範囲第31項記載のヌクレオチドプライマー対。 33.増幅すべき前記エキソンの一部がSH3結合ドメインをコード化する配列を 含むことを特徴とする請求の範囲第32項記載のヌクレオチドプライマー対。 34.請求の範囲第13項から第24項記載のいずれか1つのヌクレオチド配列 のすくなくとも一部とハイブリッド形成し、ヌクレオチド配列は前記SH3結合ド メインを含むかその上流であるタンパク質のN-末端領域をコード化することを特 徴とするヌクレオチドプローブ。 35.cDNA配列を含むことを特徴とする請求の範囲第34項記載のヌクレオチド プローブ。 36.請求の範囲第23項または第24項記載のヌクレオチド配列とハイブリッ ド形成するか、請求の範囲第22項記載のDNA配列の少なくとも一部とハイブリ ッド形成することができることを特徴とするヌクレオチドプローブ。 37.対立遺伝子特異プローブまたはオリゴヌクレオチドを含むこ とを特徴とする請求の範囲第34項または第36項記載のヌクレオチドプローブ 。 38.N-末端領域の少なくとも一部を含む請求の範囲第1項乃至第12項のいず れか1つに記載のタンパク質のポリペプチドフラグメント。 39. から選択されたアミノ酸配列を含む請求の範囲第1項から第12項までのいずれ か1つに記載のタンパク質のポリペプチドフラグメント。 40.請求の範囲第1項乃至第12項までのいずれか1つに記載のタンパク質に 対する抗体。 41.請求の範囲第38項または第39項までのポリペプチドフラグメントに対 する抗体。 42.モノクローナル抗体である請求の範囲第40項または第41項に記載の抗 体。 43.診断試験においてNRAMP遺伝子の多形を検出するために、請求の範囲第2 8項乃至第33項のいずれか1つに記載のプライマー対 を使用する方法。 44.診断試験においてNRAMP遺伝子の多形を検出するために請求の範囲第34 項乃至第37項のいずれか1つに記載のプローブを使用する方法。
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