JP2002511749A - 9q32−33での腫瘍サプレッサー遺伝子DBCCR1 - Google Patents

9q32−33での腫瘍サプレッサー遺伝子DBCCR1

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ノールズ,マーガレット
友則 羽淵
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Abstract

(57)【要約】 本出願は9q32−33で腫瘍サプレッサー座の同定に関し、且つこの領域内の遺伝子が開示される。該遺伝子は、欠失した膀胱癌染色体領域候補1として「DBCCR1」と称される。本出願は更に、これらの知見の、特に癌、とりわけ膀胱癌の診断、予防及び治療的な処置への使用に関する。特に、癌の幾つかの形はDBCCR1プロモーター又は遺伝子の無症候化に基づく高度メチル化に結び付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】 9q32−33での腫瘍サプレッサー遺伝子DBCCR1 発明の分野 本発明は、9q32−33での腫瘍サプレッサー遺伝子座、及びこの領域内の 遺伝子の同定に関連付けられる材料と方法に関する。本発明はさらに、これらの 知見の適用、特に癌、とりわけ膀胱癌の診断、予防及び治療的な処置に関する。 発明の背景 分子遺伝学的及び細胞遺伝学的分析は、複数の遺伝的変性が、膀胱及び上部尿 路の悪性上皮腫瘍の大部分の形態(ほぼ90%)である、移行細胞癌(TCCs)の発生 と進展に含まれることを示している。これらの変性の中で、ヘテロ接合性の欠如 (LOH)又は染色体9q及び/又は9pの欠失は、浅い乳頭及び浸潤性TCCの両 方における最も頻度のある遺伝的変性(>50%)である(Smeets等,1987;Olumi等,1 990;Dalbagni等,1993;Habuchi等,1993;Knowles等,1994)。LOH研究は、染 色体9の両方のアーム上の全ての位置でLOHの頻発する発生が示されており、 かつ細胞遺伝学研究はTCCにおいて頻発するモノソミーを同定している(Smeet s等,1987;Vanni等,1988)。ミクロサテライト標識を用いた欠失マッピング研究 は、染色体9の短アームと長アーム上に位置した欠失を定義している(Ruppert等 ,1993;KeenとKnowles,1994)。 9pについて、9p21で同定された腫瘍サプレッサー遺伝子候補、p16/CDKN 2/NTS1及びp15/MTS2は、TCCを含む多くのタイプのヒト悪性腫瘍において欠失 したホモ接合性として見出されている(Cairns等,1995;Williamson等,1995)。 9qについては、少なくとも2つの共通の欠失領域、9q13−31で第1の、 及び第2の9q34があることが示されており、従って9q上に複数の腫瘍サプ レッサー座の存在が示されている(Habuchi等,1995;Simoneau等,1996)。その 知見は、9q近接に位置した欠失を示している細胞遺伝的研究により裏付けられ る(Bernues等,1993)。さらに、膀胱癌細胞内への通常のヒト遺伝 子9の移入のミクロ細胞融合研究もまた、1以上の腫瘍サプレッサー座の存在を 示す(Wu等,1996)。今日までにLOH分析によって定義されている9q34と9 q13−31上の共通に欠失された領域は比較的大きい(Habuchi等,1995;Simo neau等,1996)。 発明の開示 本発明は、非常に多数のミクロサテライト標識を用いる詳細な欠失マッピング 分析によってD9S1848とAFMA239XA9の間の9q32−33で共 通欠失領域の限局化と、この領域をカバーしている一重鎖840kbYAC内に 位置した腫瘍サプレッサー遺伝子TB3089Aの同定に関する。9q32−3 3とIB3089A遺伝子での腫瘍サプレッサー座(tumour suppressor locus) はまた、欠失した膀胱癌染色体領域候補1を表す「DBCCR1」とここでは呼ぶ 。その遺伝子は、「欠失した膀胱癌1」を表す「DBC1」と先に称され、その 2つの用語はここでは相互交換可能に用いられる。 さらに、9q上のLOH又は9q32−33を含む一部のLOHは、多くのヒ トの癌におけるこの位置で腫瘍サプレッサーの不活性化の可能性を包含する、扁 平上皮癌、非-メラノーマ皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌及び卵巣癌のよ うな散在性ヒト悪性腫瘍の他のタイプにおいて報告されている(Ah-See等,1994; Quinn等,1994;Cairns等,1995;Miura等,1995;Devlin等,1996)。 その遺伝子が、正常の尿路上皮を含む複数のヒトの組織中で発現しても、その 遺伝子の発現の欠如は、幾つかの膀胱癌細胞において見出される。その5’末端 でCpG島のメチル化分析及び膀胱癌細胞における脱メチル化剤による新たな発 現は、遺伝子の無症候化に基づく高度メチル化の包含を示す。いずれかの特別な 説明による結び付けが望まれていない一方、散在性の癌、例えば、2つの体性の 事象のいずれか一方又は両方、即ち、その遺伝子の1の対立遺伝子の欠失及びそ の遺伝子の発現を減じることに至る残余の対立遺伝子の高度メチル化を含む、膀 胱癌の進展においてDBCCR1遺伝子の役割が明らかとなった。 従って、一つの態様において、本発明は、図6中に記載したDBCCR1遺伝 子、又はその対立遺伝子のヌクレオチドを含む単離した核酸分子を提供する。本 発明はまた、図6の核酸配列の多型性、例えば、T1036C、C2044A及 びT2642C(後記を参照)からなる群から選択される無症候多型性を含む核酸 分子を提供する。本発明はまた、表2中のイントロン/エキソン情報に見られる DBCCR1遺伝子のゲノム構造の最初の特徴付け、同じく図6中に示したコー ド化領域のシークエンシングもまた含む。DBCCR1プロモーター領域の配列 は図11中に記載される。 更なる態様において、本発明は、図6中に記載したアミノ酸配列を有するDB CCR1ポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離した核酸分 子を提供する。 本発明はさらに、図6中に記載したアミノ酸配列を含むDBCCR1ポリペプ チドの変異体、誘導体をコードしている核酸配列又は対立遺伝子を有する単離し た核酸分子を含む。本発明はまた、その遺伝子の同定において使用した又はその 場所の後のサーチにおいて見出したESTsを除いたDBCCR1遺伝子のフラ グメントをも含む。好ましくは、そのフラグメントは完全長DBCCR1ポリペ プチドの生物学的特性を残しており、且つ約350ヌクレオチドよりも大きな長 さを、より好ましくは450ヌクレオチドよりも大きな、さらにより好ましくは 長さにおいて600ヌクレオチドより大きなポリペプチドをコードする。 更なる態様において、本発明は、図6中に記載したアミノ酸配列を含んでいる DBCCR1ポリペプチドに対し80%の配列同一性を有するポリペプチドをコ ードしている単離した核酸分子を提供する。 更なる態様において、本発明は、その発現を導く制御配列に操作可能に結合す る上記核酸分子のいずれか1つを含む発現ベクターを提供する。更なる態様にお いて、本発明は上記ベクターによって形質転換した宿主細胞を提供する。以下に 論じたように、DBCCR1核酸を含むベクター(例えばウイルスベクター)は、 遺伝子治療の方法において、例えば細胞の集団において活性DBCCR1ポリペ プチドを生産するために使用され得る。 更なる態様において、本発明は、上記宿主細胞を培養すること及びかくて生産 されたDBCCR1ポリペプチドを回収することを含むDBCCR1ポリペプチ ドを生産する方法を提供する。好ましくは、該方法はさらに、DBCCR1ポリ ペプチドを回収するための工程を含む。 更なる態様において、本発明は、上記核酸分子のいずれか1つによってコード されたDBCCR1ポリペプチドである物質を提供する。 一つの実施態様において、本発明は、図6中に記載したアミノ酸配列を含むD BCCR1ポリペプチドである物質を提供する。本発明はまた、図6中に記載し たアミノ酸配列を含むDBCCR1ポリペプチドに、配列同一性を、例えば80 %より大きなアミノ酸同一性を有するポリペプチドである物質を含む。本発明は さらに、図6中に記載した配列を有するDBCCR1ポリペプチドの変異体、誘 導体又は対立遺伝子であるポリペプチドを含む。 更なる態様において、本発明は、図6のアミノ酸配列を含むDBCCR1ポリ ペプチドのフラグメント又は活性部分又は機能的な模倣物である物質を含む。 更なる態様において、本発明は医療的治療における使用のために上記物質を提 供する。 好ましくは、該DBCCR1ポリペプチドと核酸分子は、癌、膀胱癌、扁平上 皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌及び卵巣癌の治療において使用され る。 更なる態様において、本発明は、上記DBCCR1核酸分子又はDBCCR1 ポリペプチドのいずれか1つに特異的に結合できる抗体を提供する。DBCCR 1ポリペプチドに特異的に結合できる抗体は、DBCCR1ポリペプチドが周知 の他のタンパク質との有意の相同性を有していないとして特に有用であり、その 抗体はそれの検出及び/又は特徴付けにおいて使用され得る。 更なる態様において、本発明は、上記核酸分子、物質又は抗体の1又はそれ以 上を含む製薬組成物を提供する。その組成物は、製薬上許容される担体(carricr )をも典型的に含むであろう。 更なる態様において、本発明は、医療的治療の方法において使用するために上 記DBCCR1ポリペプチドを提供する。 更なる態様において、本発明は、癌、特に膀胱癌を治療するための医薬の製造 において上記物質の使用を提供する。 更なる態様において、本発明は分子量標識として、例えばゲル上(SDS-PA GE等)での標準として、上記定義した通りのDBCCR1ポリペプチドの使用 を提供する。 更なる態様において、本発明は、9q32-33位置内の、より詳細にはD9 S1848とAFMA239XA9の間の間隔内の遺伝的標識としてDBCCR 1核酸配列において多型性の使用を提供する。遺伝的標識の使用は当該分野で周 知であり且つそれらは遺伝子の同定とマッピングのための価値のあるツールであ る。多型性の実例は、後述するT1036C、C2044A及びT2642C多 型性を含む。例として、本発明のこの態様において、該遺伝的標識の一つを含む 核酸は、該多型性の1又はそれ以上を含む核酸配列、又はその相補的配列にハイ ブリダイズが可能な核酸プローブを用いて、ハイブリダイズ条件下に該プローブ を試験核酸にさらすこと及びハイブリダイゼーションが起こるかどうか観測する ことによって、試験サンプル中で検出され得る。勿論、このアプローチは、図6 中に示したDBCCR1核酸配列又はそれの相補的配列に基づいたプローブを用 いることによって、DBCCR1核酸の存在を検出するためにも使用され得る。 更なる態様において、本発明は、DBCCR1遺伝子の不活性化の程度を測定 する方法を提供し、該方法は: (a)患者からのサンプルにおいて、DBCCR1遺伝子によってコードされ 且つ図6中に記載されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドの発現のレベル を測定すること;及び/又は; (b)患者からのサンプルにおいて、DBCCR1遺伝子のプロモーター領域 又は5’末端が高度メチル化されているかどうかを測定すること;及び/又は、 (c)患者からの核酸サンプルにおいて、少なくとも1のDBCCR1対立遺 伝子の全部又は一部が欠失されているかどうかを測定すること; ここで、DBCCR1遺伝子の不活性化は癌に対しての患者の腫瘍又は疾病 素因の存在を示す、を含む。 好ましい態様において、本発明は、DBCCR1遺伝子の不活性化を測定する ための方法を提供し、該方法は、DBCCR1プロモーター領域又は遺伝子中の メチル化を測定することを含む。核酸配列の間のメチル化の相違を定量化するた めの方法(即ち、患者が不活性化DBCCR1遺伝子を有するかどうかを測定す ること)が以下に論じられる。これらが含まれる: (a)メチル化感受性一本鎖ヌクレオチドプライマー延長(Ms-SNuPE) の使用。 (b)サザン分析に続くメチル化感受性制限酵素によるゲノムDNAの消化。 (c)PCR増幅の前にメチル化-感受性制限酵素によってゲノムDNAの消 化を利用するPCR-ベースメチル化アッセイ。 上記の方法は、重亜硫酸塩-変換DNAの消化に続いて実行され得る。 上記測定は、癌の診断又は予後、例えば9q32-33領域中での欠失に結び 付けられる上述した癌の形成において臨床医の助けとなることにおいて有用とさ れ得る。好ましい実施態様において、該方法は膀胱癌の診断と予後において使用 される。上記測定を実施するための方法は、当該分野で周知であり且つ以下に論 じられる。 更なる態様において、本発明は、DBCCR1遺伝子又は該遺伝子によってコ ードされたポリペプチド中の変異を測定するための方法を提供し、該方法は: (a)患者からのサンプルが変異体を含むかどうかを測定するために、DBC CR1核酸配列とサンプル中の核酸の配列とを比較すること;又は、 (b)DBCCR1遺伝子によってコードされたポリペプチドの患者からのサ ンプル中の存在を測定すること及び、もし存在するなら、そのポリペプチドが間 全長であるか、及び/又は変異しているか、及び/又は通常レベルで発現される かどうかを測定すること;又は、 (c)制限酵素が通常のDBCCR1遺伝子又はそれの周知の変異体から得ら れる制限パターンを持った患者からの核酸サンプルを切断する場合、生成した制 限パターンを比較するためにDNAフィンガープリンティングを用いること;又 は、 (d)DBCCR1核酸配列(通常の配列か又は周知の変異した配列のいずれ か一方)に結合することができる特異的結合メンバーを用いること、該特異的結 合メンバーは、DBCCR1配列とハイブリダイズ可能な核酸、又は自然又は変 異したDBCCR1核酸配列又はそれによってコードされたポリペプチドに特異 性を有する抗体領域を含む物質を含み、該特異的結合メンバーは、その結合パー トナーへの該特異的結合メンバーの結合が検出可能となるように標識されている ;又は、 (e)患者からのサンプル中の通常の又は変異したDBCCR1遺伝子をスク リーンするために、通常の又は変異したDBCCR1遺伝子配列に基づいた1又 はそれ以上のプライマーを含んでいるPCRを用いること、を含む。 上記の方法は、DBCCR1遺伝子のコード化及び非-コード化配列(エキソン /イントロン)中の変異を測定することを含み、且つDBCCR1遺伝子と無症 候である変異のアミノ酸配列中の変化の結果となる変異に及ぶ。 更なる態様において、本発明は、癌、特に膀胱癌を治療するための医薬の製造 においてメチル化インヒビターの使用を提供し、ここでメチル化インヒビターは 、該DBCCR1遺伝子の腫瘍サプレッサー活性の活性化を、例えば活性DBC CR1ポリペプチドの生産を与えることによってもたらす。メチル化インヒビタ ーの実例は、メチル化インヒビタ−5-アザ-2’-デオキシシチジンである。発癌 におけるメチル化の役割とメチル化インヒビターの更なる実例は、ZinggとJones ,1997中に論じられる。 更なる態様において、本発明は、DBCCR1核酸配列の全て又は一部を増幅 するためのポリメラーゼ連鎖反応における使用のためのプライマーを設計するこ とにおいて上記DBCCR1核酸の使用を提供する。該DBCCR1遺伝子のコ ード化領域を増幅するために使用したプライマーの実例は、表3中に記載される 。 図面の簡単な説明 本発明の態様は、実施例のために添付した且つ制限するものでない図面を参照 することでさらに記載されるであろう。本発明の更なる態様は、当業者に明らか となるであろう。 図1: 9q32-33で配置された欠失が、5のTCCs中に見られる。図示した5 の腫瘍は9qと9p上の他の情報を与える座の全てでヘテロ接合性の保持を示し た。他の調査した座は、材料と方法のセクション中に記載される。D9S103 からD9S195まで及びD9S258の標識の順番は明確に表されていない。 D9S275は、GenethonによってD9S195とD9S258に1cM近接し て地図化されている。 図2: 9q32-33で配置した欠失のパターンを示しているオートラジオグラフの 表示。N=正常DNA。T=腫瘍DNA。欠失した対立遺伝子は、パネルA,B とC中にくさびにより示される。(A)腫瘍#35において、LOHは他の標識で ヘテロ接合性の保持と共にD9S195で見られる。(B)腫瘍#68において、 LOHは、D9S195とAFMA239ZE1で観測される。(C)腫瘍#12 1において、配置されたLOHがD9S1848,AFMA239ZE1とAF MA239XA9でヘテロ接合性の保持と共にD9S195で見られる。ミクロ サテライト標識D9S195,AFMA239ZE1とD9S1848用の表示 パターン。D9S195中、スクッター(ゴースト)バンドは、それぞれの対立遺 伝子を表している主要バンドの上と下の両方と一致して観測された。この標識に 関し、それぞれの対立遺伝子間の強度における有意の差が、対立遺伝子サイズに おける大きな差がある場合に通常的に(A中のケース#51,#84,#93と #35)観測される。ケース#131と#135は、この位置で構造的なホモ接 合性(情報を与えない)であり、且つ示された他の腫瘍の全てはLOHを有する。 標識AFMA239ZE1とD9S1848は、主バンド上にスクッターバンド の無いことを示す。腫瘍#23は、情報対立遺伝子の欠損を示し、腫瘍#29と #30は、AFMA239ZE1で下方対立遺伝子の欠損を示す。AFMA23 9ZE1のヘテロ接合性は、ケース#68(B)において見られるように一つのC Aレセプター単位によってのみ相違しているそれぞれの対立遺伝子間の強度にお ける有意の差を示すことが注目される。D9S1848で、腫瘍#43,#44 ,#53,#65,及び#128は、ヘテロ接合性の保持を示し、且つ他のケー スの全ては構造的なホモ接合である。 図3: 9q32-33で欠失した領域を包含しているYACコンティーグ地図。3E G8,21GH3,36GD9,15HD3,12IB1,28BB3,9EE 5,9DC8と21GH3は、ICI YACライブラリーからのものであり、 且つ他のYACsはCEPH YACライブラリーからのものである。黒い四角 と白い四角は各YAC中の特有のSTSの存在又は不在をそれぞれ示す。ハッチ 入り四角はYAC末端STSsを示す。-Rと-Lは、右の及び左のYAC-末端 をそれぞれ示す。それぞれのYACのサイズは、全ヒトDNAとのサザンハイブ リダイゼーションに続き、CHEF-ゲル電気泳動によって決定した。示された CEPH YACsの全てのサイズは、CEPHデータと一致した。 図4: 9q32-33で位置した欠失を持つ5の腫瘍中の臨界的に欠失した領域にお ける更なる欠失マッピング。ミクロサテライト標識の順番は、構築したYACコ ンティーグ地図から決定した。白い四角、黒い四角、及びハッチ入り四角はそれ ぞれ、ヘテロ接合性、LOH、及び構造的ホモ接合(情報を与えない)を示す。 図5: YACコンティーグ地図に基づいたTCC中の9q32-33で欠失した領域 の概略図。LOH分析により、共通の欠失領域はAFMA239ZE1とD9S 1848間に配置される。-Lと-Rは、それぞれのYACの左と右のアーム末端 から誘導した配列標識化サイト(STSs)を示す(Habuchi等,1997)。EST I B3089は、9DC8-Rと814c5-L間に配された。IB3089A c DNAのcDNAプローブの5’末端は、YACs 852e11,15HD3 と9DC8とハイブリダイズした。しかしながら、IB3089Aの5’末端の 正確な位置は定義されていない。全てのYACクローンは、CEPH又はICI からのものである。 図6: cDNA配列、IB3089Aの予測したアミノ酸配列とエキソン-イントロ ン境界。提案した終結サイトポリアデニル化シグナル(sheets等,1990;WahleとK eller,1992)及び開始コドンの前のフレーム内終止コドンは下線を付した。それ それのエキソン境界は、>><<により示される。最初の10ヌクレオチド配列は、 5’RACE実験により得られた。配列の最後の4ヌクレオチドは、クローンI B1708と28122からのものである。残りの配列はクローンICRFp5 07K12270から得られた。 図7: 成人組織におけるIB3089AmRNA発現。各種の成人組織からのポリ( A)+RNA(Clontech)の2μgのノーザンブロットは、クローンICRFp50 7K12270(A)とβ-アクチンプローブ(B)の挿入によってプローブした。 そのフィルターは、補強スクリーンによって−70℃で10日間さらした。脳に おける主なバンドは、48時間暴露後に見ることができる。そのフィルターは、 β-アクチンプローブ(Clontech)によって再プローブした。sk.筋肉=骨格筋 。血液=末梢血液。 図8: 膀胱ガン細胞系におけるIB3089A mRNAのRT-PCR分析。RT- PCR生産物は電気泳動し、且つナイロン膜上にブロットした。32P-標識した 内部特異的プライマーでハイブリダイズしたブロットは、0.5から2時間暴露 した。バンド無しが、より長い暴露後でさえ、細胞系609CR,5637,R T4,T24とSCaBerにおいて同定された。GAPDH RT-PCRは、 RNA無欠性と逆転写反応用のコントロールとして使用した。 図9: IB3089ACpG島BssHIIサイトのメチル化状態。(A)エキソン 1の周囲の領域、使用したプローブ及び予測したBamHIとBssHII消化 のサイトの概略地図。(B)正常組織、膀胱癌細胞系、及び膀胱の最初のTCCs からのDNAは、BamHI単独(-)で消化し、又はBamHIとBssHII( +)で共消化した。PL=正常胎盤組織、PB=末梢血液、T=膀胱の最初のTC Cs。DNA標識のバンドサイズはキロベースで示される。 図10: 脱メチル化剤による膀胱癌細胞系におけるIB3089A mRNA発現の誘 導。IB3089A mRNAを発現しない3つの細胞系(T24,609CRと 5637)は、1μMの最終濃度で5-アザ-2'-デオキシシチジンによって4日間 処理した。コントロールは媒体によって模擬処理した。GAPDH RT-PCR はRNA無欠性と逆転写反応用のコントロールとして使用した。 図11: この図はDBCCR1プロモーターを含む領域の核酸配列を示し、該配列は図 6中に示した核酸配列の直接上流から始まる。 詳細な説明 DBCCR1核酸、及び該核酸を組み込んだベクターと宿主細胞の調製。 DBCCR1コード化配列は、図6中に示されたものとして良く、又はそれは この配列の変異体、誘導体、又は対立遺伝子、又はこれらの配列の何れかの補体 とされ得る。該配列は、示された該配列の1又はそれ以上のヌクレオチドの付加 、挿入、欠失及び置換の1又はそれ以上である変更によって示したものと相違し 得る。ヌクレオチド配列に対する変更は、遺伝的コードによって決定したとして 、タンパク質レベルでのアミノ酸変更となり得るか、又はなり得ない。 かくして、本発明に従う核酸は、同じアミノ酸配列を持つポリペプチドをさら にコードする図6中に示した配列と異なる配列を含み得る。図6中に示した完全 なDBCCR1ポリペプチドのアミノ酸配列は、761残基からなる。DBCC R1プロモーター領域は図11中に記載される。 一方、そのコードしたポリペプチドは、図6中に示すアミノ酸配列と1又はそ れ以上のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み得る。アミノ酸配列変異体、 誘導体であるポリペプチドをコードしている核酸又は図6中に示した配列の対立 遺伝子が、本発明によりさらに提供される。そのようなポリペプチドは後述され る。そのようなポリペプチドをコードしている核酸は、図6中に示したコード化 配列と約60%よりも大きな相同性を、約70%より大きな相同性を、約80% より大きな相同性を、約90%より大きな相同性を、又は約95%より大きな相 同性を示し得る。 一般に、本発明に従う核酸は、単離された及び/又は精製された形態で、又は 発現のために可能性のある1又はそれ以上の制御配列を除き、ヒトゲノムにおい てその遺伝子に側面を接する核酸の無い又は実質的に無いような、自然に結合さ れるそれを持った材料の無い又は実質的に無い、単離物として提供される。核酸 は、完全に又は部分的に合成でき、且つゲノムのDNA、cDNA又はRNAを 含み得る。本発明に従う核酸がRNAを含む場合、示される配列の参照符号はT に代えてUを持ったRNA同等物の参照符号として構成されるであろう。 DBCCR1遺伝子及び/又はその制御エレメンツの全部又は一部をコードし ている核酸配列は、その情報とここに含まれている参考文献及び当該分野におけ る周知の技術(例えば、Sambrook,FritschとManiatis,"Molecular Cloning,A Lab oratory Manual",Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989,及びAusubel等, "Short Protocols in Molecular Biology",John Wiley and Sons,1992)を用いて 当業者により容易に製造され得る。これらの技術は、(i)そのような核酸のサ ンプル、例えばゲノムのソースからの、を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)に使用、(ii)化学合成、又は(iii)cDNA配列を作製することを含む 。DBCCR1配列に対する修飾は、例えば、修飾したDBCCR1ポリペプチ ドの発現に至るような又は該核酸を発現するために使用した宿主細胞中でのコド ン優先を考慮するために、部位特異的変異誘発を用いて作製できる。 DBCCR1核酸配列の発現を得るために、DBCCR1配列は、その発現を 制御するためDBCCR1核酸に操作可能に結合した制御配列を有するベクター 中に組み込むことができる。そのベクターは、該DBCCR1ポリペプチドが融 合及び/又は宿主細胞中に生産されたポリペプチドがその細胞から排出されるよ うな分泌シグナルをコードしている核酸として生産されるように挿入した核酸、 核酸配列の発現を導くためのプロモーター又はエンハンサーのような他の配列を 含み得る。DBCCR1ポリペプチドは、該ベクターが機能化される宿主中に該 ベクターを形質転換すること、該DBCCR1ポリペプチドが生産されるように 該宿主細胞を培養すること及び該宿主細胞から又は周囲の培地からDBCCR1 を回収することによって得ることができる。原核生物と真核生物細胞が当該分野 においてこの目的のために使用され、大腸菌(E.coli)、酵母及びCOS又はC HO細胞のような真核生物細胞の株が含まれる。宿主細胞の選択は、例えば該ポ リペプチドが該宿主細胞内に導入される場合に制御されるように又はそのグリコ シル化のような特性に影響を及ぼすように、その細胞中で発現したDBCCR1 ポリペプチドの特性を制御するために用いることができる。 核酸の増幅のためのPCR技術は、米国特許第4,683,195号中に記載される。 一般に、その技術は、標的配列の末端からの配列情報が該増幅のための標的であ るポリヌクレオチド配列と同じか又は類似となるように設計される適当な前進及 び逆転オリゴヌクレオチドプライマーを与えることが知られることが要求される 。PCRは、鋳型核酸の分解(もし二本鎖なら)、標的へのプライマーのアニーリ ング、及び重合の工程を含む。該増幅反応で鋳型としてプローブ化又は使用され る核酸は、ゲノムDNA,cDNA又はRNAとされ得る。PCRは、mRNA 、バクテリオファージ又はプラスミド配列から特異的配列を増幅するために使用 できる。ここで提供されるDBCCR1核酸配列は、PCRプライマーを設計す ることを当業者に容易に許す、例えば表2を参照。PCR技術の一般的な使用の ための参考文献は、Mullis等,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263, (1987),Ehrlich(cd),PCR technology,Stockton Press,NY,1989,Ehrlich等,Scien ce,252:1643-1650,(1991),"PCR protocols;A Guide to Methods and Applicatio ns",Eds.Innis等,Academic Press,New York,(1990)を含む。 図6又は11中に提供した核酸配列は、試験サンプル中の重要な核酸の同定( 及び本発明に従ってなされ得る)のために有用である。本発明は、興味のある核 酸を得る方法を提供し、該方法は、標的核酸に、図6又は11中に示した配列、 又は相補の配列を有するプローブのハイブリダイゼーションを含む。このアプロ ーチは、例えば、該ゲノムの9q32-33領域中の標識として使用できる図6 の配列における多型性に延長することができる。 ハイブリダイゼーションは一般に、PCRの1又はそれ以上を含み得る、成功 裏のハイブリダイゼーションの同定とそのプローブにハイブリダイズしている核 酸の単離に続く。 本発明に従う核酸は、1又はそれ以上のオリゴヌクレオチドプローブ又は図6 又は11中に示した核酸配列の1又はそれ以上のフラグメントとハイブリダイズ するように設計したプライマー、コドン利用又は統計学的分析に基づいた、相対 的にまれな配列の特有のフラグメント、を用いて獲得可能である。上記の図中に 示した核酸配列のフラグメントとハイブリダイズするように設計したプライマー は、クローン化されている標的核酸内のクローン化ベクター中の配列にハイブリ ダイズするように設計した1又はそれ以上のオリゴヌクレオチドとの接合におい て、又はオリゴヌクレオチドリンカーに結紮されるライブラリー中のDNAの中 の「RACE」(cDNA末端の急速な増幅)と称される中で、及び図6又は11 中に示した配列によってハイブリダイズするプライマー及び該オリゴヌクレオチ ドリンカーにハイブリダイズするプライマーを用いて実行されるPCRで使用さ れ得る。 そのようなオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマー、同じく完全長配列( 及び対立遺伝子、突然変異体、変異体及び誘導体)はまた、多型性の存在のため の核酸を含有している試験サンプルをスクリーニングすることにおいても有用と され、サンプルからの標的配列によりハイブリダイズするプローブは試験されて いる個人から得られる。ハイブリダイゼーションの条件は、非-特異性結合を最 小化するように制御することができ、且つ穏やかなストリンジェントなハイブリ ダイゼーション条件とする適度なストリンジェントが好ましい。当業者はSambro ok等(1989)とAusubel等(1992)のようなテキストブックの補助によってそのハイ ブリダイゼーション反応のためのそのようなプローブ、それの標識及び適当な条 件の装置を容易に設計できる。 DBCCR1配列における多型性又は変異の存在を測定することと同じく、該 プローブは、DBCCR1をコードしているmRNAが細胞又は組織中に存在す るかどうかを測定するためにも使用され得る。 DBCCR1遺伝子の5’末端で及び該プロモーター領域中でCpG島が幾つ かのタイプの癌において高度メチル化されるという知見は、DBCCR1遺伝子 のこの部分又はプロモーター領域を含むDBCCR1核酸のサンプルが、高度メ チル化の程度を測定するようにスクリーンされ得る、及びそれによって患者にお いて膀胱癌のような癌の予後又は診断を援助することができることを意味する。 高度メチル化の程度を測定するためのプロトコルが、以下に記載される。 1又はそれ以上の細胞(例えばヒト)から単離し及び/又は精製した核酸又は細 胞から単離及び/又は精製した核酸から得られた核酸ライブラリー(例えば細胞 から単離したmRNAから得たcDNAライブラリー)は、選択的ハイブリダイ ゼーション用の条件下でプローブ化でき及び/又はポリメラーゼ連鎖反応(PC R)のような特異的な核酸増幅反応を受けさせ得る。 クローン化の状況において、完全長コード化配列を精製するために結紮される 1又はそれ以上の遺伝子フラグメントが必要となる。また、完全長コード化核酸 分子が得なれなかった場合、その完全分子の一部を表しているより小さい分子が 完全長クローンを得るために使用され得る。挿入物は一部のcDNAクローンか ら製造でき、且つcDNAライブラリーをスクリーンするために使用できる。単 離した完全長クローンは、発現ベクター中にサブクローンでき且つ活性は適当な 、例えばリポータープラスミドを持った宿主細胞への移入によって測定され得る 。 方法は標的核酸への1又はそれ以上の(例えば2つ)プローブ又はプライマーの ハイブリダイゼーションを含む。該核酸が二本鎖DNAである場合、ハイブリダ イゼーションは一般に、一本鎖DNAを生産するための分解により先行される。 ハイブリダイゼーションは、PCR方法の一部として、又はPCRを含まないプ ローブ化方法の一部としてなされ得る。実際の方法は、PCRと低いストリンジ ェンシーのハイブリダイゼーションの組合せとされるであろう。当業者に利用可 能な多くのものから選択されるスクリーニング方法が、成功裏のハイブリダイゼ ーション事象及び単離したハイブリダイズ核酸を同定するために使用される。 標的核酸(例えばDNA)へのプローブの結合は、当業者の自由裁量で各種の技 術のいずれかを用いて測定され得る。例えば、プローブは、放射能的に、蛍光的 に又は酵素的に標識され得る。プローブの標識化を用いない他の方法は、制限フ ラグメント長多型性の調査、PCRを用いた増幅、RNAアーゼ切断及び対立遺 伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ化を含む。 プローブ化は、標準的なサザンブロッティング技術を利用し得る。例えばDN Aは、細胞から抽出され且つ異なる制限酵素により消化される。制限フラグメン トは、分解の前に、アガロースゲル上での電気泳動によって単離され、ニトロセ ルロースフィルターに転移され得る。標識したプローブは、フィルター上のDN Aフラグメントにハイブリダイズされ且つ結合が測定され得る。プローブ化のた めのDNAは、細胞からのRNA作製物から作製され得る。 最初の実験は、制限酵素によって消化したDNAのサザンブロットへの各種プ ローブの低ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイズによって実行され得る 。好適な条件は、多数のハイブリダイズ化フラグメントがバックグラウンドハ イブリダイゼーションが低くした間に得られた場合に達成されるであろう。これ らの条件を用いて、核酸ライブラリー、例えば発現した配列のcDNAライブラ リーの典型がサーチされ得る。 当業者は、オリゴヌクレオチド長及び塩基組成、温度などのようなファクター を考慮に入れて、選択的ハイブリダイゼーションのための望ましいストリンジェ ンシーの適切な条件を良好に利用できる。 アミノ酸配列情報に基づいて、オリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーは 、遺伝コードの縮重、及び適切な場合、誘導される候補の核酸からの該生体のコ ドン処理を考慮に入れて設計され得る。核酸増幅化において使用するためのオリ ゴヌクレオチドは、約10又はより少数のコドン(例えば6,7又は8)を、即ち 長さにおいて30又はより少数のヌクレオチド(例えば18,21又は24)を有 し得る。一般に特異的プライマーは、長さにおいて14ヌクレオチド以上である が、しかし18−20以上ではない。当業者はPCRのような方法の使用のため プライマーの設計に熟達している。 本発明の更なる態様は、特に核酸を得る及び/又はスクリーニングの方法にお いて使用するための、図6又は11中に示したヌクレオチド配列のオリゴヌクレ オチド又はポリヌクレオチドフラグメント、又は相補の配列を提供する。上記に 係る配列は、1又はそれ以上のヌクレオチドの付加、置換、挿入又は欠失によっ て修飾し得るが、しかし図6中に示した配列を持った核酸によって選択的にハイ ブリダイズするための能力を廃止することのない、すなわち与えられる配列の一 つとオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの相同性の度合が十分に高いこと が好ましい。 本発明に従う核酸は、遺伝子治療の方法において、例えば癌の予防又は治療( 全て又は部分的な)を目指す個人の処置において使用され得る。これはまた以下 に論じられる。 完全長コード化配列又はオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーのような 本発明に従う核酸は、キットの一部として、例えばその内容物が外部環境から保 護されるバイアルのような適当な容器中に提供され得る。該キットは、例えばP CR及び/又は試験サンプル中の興味のある核酸の存在を測定するための方法に おいて、該核酸の使用のための指示を含む。核酸がPCRにおいて使用すること を意図した場合にキットは、ポリメラーゼ、ヌクレオシド、緩衝溶液等のような 、該反応のために要求される1又はそれ以上の他の試薬を含み得る。該核酸は標 識し得る。興味ある核酸の存在又は不在を測定することにおいて使用するための キットは、試験サンプルそれ自身を用意するための手段、例えば、口腔前庭から 細胞を取り出すためのスワブ又は血液サンプルを取り出すためのシリンジ又は尿 サンプルを採取するための容器(そのような要素は一般に滅菌されている)のよう な、該方法の実施のための1又はそれ以上の器具及び/又は試薬を含み得る。 本発明のポリペプチドを生産するための便利な手法は、発現系における核酸の 使用によってそれをコードしている核酸を発現することである。発現系の使用は 、今日の高度な知識の進歩的な域に達している。 従って、本発明はまた、ポリペプチド(開示した通りの)を作製する方法をも包 含し、該方法は、ポリペプチドをコードしている核酸(一般に本発明に従う核酸) からの発現を含む。これは、該ポリペプチドの発現をもたらす又は与える適切な 条件下で、そのようなベクターを含んでいる宿主細胞を培養基中で増殖すること により達成される。ポリペプチドはまた、網状赤血球溶解物のようなインビトロ 系内で発現することもできる。 各種の異なる宿主細胞中のポリペプチドのクローン化と発現のためのシステム は、良く知られている。適当な宿主細胞は、細菌、哺乳動物及び酵母のような真 核生物細胞、及びバキュウロウイルス系を含む。非相同のポリペプチドの発現の ために当該分野で利用可能な哺乳動物細胞系は、チャイニーズハムスクー卵巣細 胞、HeLa細胞、幼ハムスクー腎細胞、COS細胞及び他の多くのものを含む 。通常の、好ましい細菌宿主は大腸菌である。 適当なベクターは、プロモーター配列、ターミネーターフラグメント、ポリア デニル化配列、エンハンサー配列、標識遺伝子及び妥当な他の配列を含む、適切 な制御配列を含んでいるものから選択又は構築され得る。ベクターは、妥当なも のとして、プラスミド、ウイルス、例えば「ファージ」、又はファージミドとされ 得る。更なる詳細のためには、例えば、Molecular Cloning:Laboratory Manual: 2nd Edition,Sambrook等,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照。 核酸操作 のための多くの周知の技術及びプロトコル、例えば核酸構造の作製における、変 異誘発、シークエンシング、細胞への遺伝子の挿入と遺伝子発現、及びタンパク 質の分析は、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubel等eds.,John Wi ley & Sons,1992中に詳細に記載される。 かくして、本発明の更なる態様は、ここに記載したような核酸を含んでいる宿 主細胞を提供する。本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば染色体)中に組込 みできる。組込みは、標準的な技術に従って、ゲノムによる組換えを促進する配 列の包含によって促進され得る。該核酸は、その細胞内部の染色体外ベクター上 に存在させ得る。 更なる態様は、宿主細胞中に該核酸を導入することを含む方法を提供する。「 形質転換」として制限されること無しに一般的に言及され得るその導入(特にイ ンビトロ導入)は、あらゆる利用可能な技術を利用し得る。真核細胞のために、 好適な技術は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラ ン、エレクトロポレーション、リポソーム仲介トランスフェクション及びレトロ ウイルス又A他のウイルス、例えばワクシニア又は、昆虫細胞用に、バキュウロ ウイルスを用いる形質導入を含み得る。細菌細胞のために、適当な技術は、塩化 カルシウム形質転換法、エレクトロポレーション及びバクテリオファージを用い たトランスフェクションを含み得る。代替として、核酸の直接注入が利用され得 る。 抗生物質耐性又は感受性遺伝子のような標識遺伝子は当該分野で良く知られる 通り、興味のある核酸を含んでいるクローンを同定することにおいて使用され得 る。 該導入は、核酸からの発現を生起する又は許すこと、例えば宿主細胞をそのコ ードしたポリペプチドが生産されるような、該遺伝子の発現のための条件下に培 養すること(たとえ該細胞が形質転換した細胞の子孫であることがより確実であ ろうとも、現実に形質転換した細胞を含み得る)を続けて良い。もし該ポリペプ チドが妥当なシグナルリーダーペプチドに対合して発現されるなら、それは細胞 から培地中に分泌され得る。発現による生産に続いて、ポリペプチドは宿主細胞 から及び/又は該ケースとされ得るように、培地から単離され及び/又は精製で き、且つ望まれた通り、例えば1又はそれ以上の製薬上許容される賦形剤、ビヒ クル又は担体(例えば後述参照)を含む製薬組成物のような、1又はそれ以上の添 加成分を含み得る組成物の調製において、続いて使用される。 核酸の導入は、以下に記載した通り、遺伝子治療の手法によってインビボで行 い得る。 本発明に従う核酸を含んでいる宿主細胞、例えば細胞への又は該細胞の祖先へ の核酸の導入の及び/又は細胞又は祖先の内因性配列の遺伝的置換の結果(導入 又は置換はインビボ又はエクスビボで実行し得る)は、ウサギ、モルモット、ラ ット、マウス又は他の齧歯類、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ又はウマ 、又はニワトリのような鳥類のような動物、特にヒト又は非-ヒトとされ得る哺 乳動物である生体中に含め得る(例えば体質内に)。そのような細胞を含んでいる 遺伝的に修正した又はトランスジェニック動物又は鳥類もまた、本発明の更なる 態様として提供され、DBCCR1遺伝子の全て又は一部が欠失され又は非官能 化されたノックアウト動物を含む。 これは治療目的を有し得る。(遺伝子治療は以下に述べられる。)生体の細胞内 の対立遺伝子又は変異体配列、特に相同内因性配列に代わる場合の存在は、治療 能力が他に示される、インビトロでコードしたポリペプチド又は図11中に示し たプロモーター配列の活性を調節するDBCCR1遺伝子又は物質の役割を試験 する及び/又は研究することにおけるモデルとして使用することを生体で与え得 る。 導入遺伝子によってコードしたポリペプチドの生産のための使用に代えて又は 同様に、宿主細胞は、それの大量を精製するために興味ある核酸を複製するため の核酸工場として使用され得る。興味ある核酸の複数コピーは、DHFRのよう な増幅可能な遺伝子に対合した場合細胞内に作製され得る。宿主細胞は、興味あ る核酸によって形質転換され、又は宿主細胞から導入された核酸に伝えられ、適 当な条件下、例えば発酵槽中で培養でき、培養物から取り出され且つ核酸を精製 するための処理にかけられる。精製に続いて、該核酸又は1又はそれ以上のフラ グメントは、例えばここの他の場所に論じたように診断又は予後のアッセイにお いて望まれる通り使用され得る。 DBCCR1ポリペプチドの製造 当業者は、製薬として使用するため、薬剤の開発において及びその特性及びイ ンビボでの役割の更なる研究のため、大量のDBCCR1又はそれの活性フラグ メント又は活性部分を製造するために、ここに記載された技術及び当該分野で良 く知られた他の技術を使用できる。 かくして、本発明の更なる態様は、単離され及び/又は精製された形態で、他 のポリペプチドのような又はDBCCR1ポリペプチド以外のヒトのポリペプチ ドのような又は(例えばもし原核細胞中での発現によって製造されるなら)固有の グリコシル化における欠如、例えば非グリコシル化のような、自然に結合される ための物質の無い、又は実質的に無い、図6中に示したアミノ酸配列を有するポ リペプチドを提供する。 アミノ酸配列変異体、対立遺伝子又は誘導体であるポリペプチドは又、本発明 によって提供される。変異体、対立遺伝子又は誘導体であるポリペプチドは、1 又はそれ以上のアミノ酸の付加、置換、欠失及び挿入によって図6中に与えられ るものと異なるアミノ酸配列を有し得る。好ましいそのようなポリペプチドはD BCCR1機能を有する、即ち、以下の特性の1又はそれ以上を有する:該配列 が図6において与えられるポリペプチドの抗体反応による免疫学的な交差-反応 性;図6中に示されるアミノ酸配列とそのポリペプチドの持つエピトープを共有 している(例えば2つのポリペプチド間の免疫学的交差反応性によって測定され るような);完全長DBCCR1の腫瘍抑制又は成長抑制活性を有している。こ の後者の活性は、DBCCR1ポリペプチドをコードしている核酸によって分析 することができ且つ腫瘍抑制又は増殖抑制において何れかの変化を観測すること が行われる。好ましくは、適当なコントロール細胞タイプに関して使用できたと しても、例えば後述する実施例中で使用した「5637」細胞系のような細胞は、 内因性DBCCR1ポリペプチドを発現しない。 図6中に示したアミノ酸配列の変異体、対立遺伝子又は誘導体であるポリペプ チドは、示された配列との約35%より大きい、約40%より大きい、約50% より大きい、約60%より大きい、約70%より大きい、約80%より大きい、 約90%より大きい又は約95%より大きい配列同一性を共有するアミノ酸配列 を含み得る。その配列は、図6のいずれか1つにおいて示したアミノ酸配列との 約60%より大きな類似性、約70%より大きな類似性、約80%より大きな類 似性又は約90%より大きな類似性を共有し得る。特有のアミノ酸配列変異体は 、1アミノ酸、2,3,4,5−10,10−20 10−30,30−50, 50−100,100−150又は150以上のアミノ酸の挿入、付加、置換又 は欠失によって図6中に示したそれと相違し得る。配列比較は、Genetics Compu ter Group,Oxford Molecular Group,Madison,Wisconsin,USA,Version 9.1から利 用可能であるGCGプログラムを用いて作製され得る。 本発明はまた、本発明のDBCCR1ポリペプチドの活性部分、フラグメント 、誘導体及び機能的模擬物をも含む。 DBCCR1ポリペプチドの「活性部分」とは、完全長DBCCR1よりも小 さいが、しかしその必須の生物学的活性、即ち細胞増殖を抑制する又は腫瘍抑制 剤として作用することを保有しているペプチドを意味する。 DBCCR1ポリペプチドの「フラグメント」とは、少なくとも約5から7の 隣接アミノ酸、しばしば少なくとも約7から9の隣接アミノ酸、典型的には少な くとも約9から13の隣接アミノ酸及び、最も好ましくは少なくとも約20から 30又はそれ以上の隣接アミノ酸のアミノ酸残基の延長を意味する。DBCCR 1ポリペプチド配列抗原決定基又はエピトープのフラグメントは、DBCCR1 アミノ酸配列の部分に抗体をもたらすために有用である。 DBCCR1ポリペプチド又はそれのフラグメントの「誘導体」とは、例えば タンパク質をコードしている核酸の操作によって、又はタンパク質それ自身の変 更によってタンパク質のアミノ酸配列を変えることによって修飾したポリペプチ ドを意味する。自然アミノ酸配列のそのような誘導体は、野生型DBCCR1ポ リペプチドの付与された生物学的活性を根本的に変えることなしに、1アミノ酸 、2,3,4,5−10,10−20 20−30,30−50,50−100 ,100−150、又は150以上のアミノ酸の挿入、付加、欠失又は置換を含 み得る。 「機能的模擬物」は、DBCCR1アミノ酸配列の活性部分を含まない、且つ 大抵はペプチド全てではないが、しかし自然DBCCR1ポリペプチドの必須の 生物学的活性を保有する物質を意味する。候補模擬物の設計とスクリーニングは 以下に詳細に記載される。 本発明に従うポリペプチドは、例えばコードしている核酸からの発現(後述を 参照)によって生産後に単離及び/又は精製(例えば抗体を用いて)され得る。本 発明に従うポリペプチドはまた、化学合成により完全に又は部分的に生成され得 る。その単離及び/又は精製したポリペプチドは、少なくとも1の添加成分、例 えば製薬上許容される賦形剤、ビヒクル又は担体を含む製薬組成物を含み得る組 成物の調合において使用され得る。本発明に従うポリペプチドを含んでいる組成 物は、後述するような予防的及び/又は治療的処置において使用され得る。 DBCCR1ポリペプチドは、カップリングパートナー、例えばエフェクター 分子、標識、医薬、毒物及び/又は担体又は移入分子と結合することもできる。 ペプチドの及び非-ペプチドのカップリングパートナーの両方への本発明のペプ チドのカップリングのための技術は、当該分野において良く知られる。一つの実 施態様において、その担体分子は、末端Cys残基を経てペプチドに結合できる Antennapediaのホメオドメインから得られる16aaペプチド配列(例えば「Pen etratin」の名称の下に販売されるような)である。該「Penetratin」分子及びそ れの特性は、WO 91/18981中に記載される。 本発明に従うポリペプチド、ペプチドフラグメント、対立遺伝子又は変異体は 、イムノゲン又は特異的抗体を得ることにおける他のものとして使用され得る。 抗体はポリペプチド及びペプチドの精製及び他の操作、診断的なスクリーニング 及び治療的背景において有用である。これは以下にさらに論じられる。 本発明に従うポリペプチドは、その活性又は機能に影響を及ぼす又は調節する 分子のスクリーニングにおいて使用され得る。そのような分子は、治療的(予防 を含む可能性がある)背景において有用となり得る。 DBCCR1抗体の製造。 DBCCR1ポリペプチドの更なる重要な使用は、DBCCR1ポリペプチド 、又はそれのフラグメント又は活性部分に特異的に結合する特性を有する抗体を もたらすことにおけるものである。図6のDBCCR1ポリペプチドが周知のポ リ ペプチドと有意の相同性を有していないように、このポリペプチドに対して生じ た抗体は新規であろう。 モノクローナル抗体の製造は当該分野において良く確立している。モノクロー ナル抗体は、元の抗体の特異性を保有する他の抗体又はキメラの分子を製造する 組換えDNA技術の技法を受けることができる。そのような技術は、免疫グロブ リン可変領域、又は定常領域への抗体の、異なる免疫グロブリンの、相補決定領 域(CDRs)をコードしているDNAを導入することを含み得る。例えば、EP-A -184187,GB-A-2188638又はEP-A-239400を参照。モノクローナル抗体を製造する ハイブリドーマは、製造した抗体の結合特異性を換え得る又は変えない、遺伝的 変異又は他の変更を受けさせ得る。 新規DBCCR1ポリペプチドの提供は、特異的にそれに結合することができ る抗体の生産を初めて可能にする。従って、本発明の更なる態様は、配列が図6 中に与えられるポリペプチドに特異的に結合することができる抗体を提供する。 そのような抗体は、それが結合できるポリペプチドと、結合親和性を有さない又 は実質的に有さない(例えば約1000x悪い結合親和性)他のポリペプチドとの間の 区別ができているその意味において特異性とされ得る。特異的抗体は、他の分子 上に提供されないか又はアクセス可能でない、いずれか一方である分子上のエピ トープに結合する。本発明に従う抗体は、野生型ポリペプチドに特異的とされ得 る。本発明に従う抗体は、後述したような診断及び予後の方法において有用とな るように、その分子と野生型DBCCR1ポリペプチドとの間でのポリペプチド の個々の変異体、対立遺伝子、突然変異体又は誘導体に特異的とされ得る。抗体 はまた、その結合による、例えばコードしている核酸から組換え体発現による生 産に続き、ポリペプチドを生成することにおいても有用である。 本発明に従う好ましい抗体は、他のポリペプチドに結合することができる抗体 のような不純物の無い及び/又は血清成分の無い意味において単離される。モノ クローナル抗体は、ポリクローナル抗体が本発明の範囲内であるにもかかわらず 、何れかの目的のために好適である。 抗体は、当該分野で標準化される技術を用いて得ることができる。抗体の製造 方法は、タンパク質又はそれのフラグメントによって哺乳動物(例えば、マウス 、 ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ又はサル)を免疫化することを含む。抗体 は、当該分野で周知の各種の技術のいずれかを用いて免疫化した動物から得るこ とができ、且つ好ましくは、興味のある抗原に対する抗体の結合を用いてスクリ ーンされる。例えば、ウェスクンブロッティング技術又は免疫沈降法が使用され 得る(Armitage等,Nature,357:80-82,1992)。動物からの抗体及び/又は抗体-生 産細胞の単離は、その動物を犠牲にすることの工程によって達成され得る。 ペプチドによって動物を免疫化する代替又は補充として、タンパク質に特異的 な抗体が、例えばそれの表面上に機能免疫グロブリン結合ドメインを表示するラ ムダバクテリオファージ又は線状バクテリオファージを用いて、発現した免疫グ ロブリン可変ドメインの組換え的に製造したライブラリーから得ることができる ;例えばWO 92/01047参照。そのライブラリーは、無経験とされ得る、即ち、何 れかのタンパク質(又はフラグメント)によって免疫化されていない生体から得た 配列から構築され、又は興味ある抗原にさらされている生体から得られる配列を 用いて構築される一つとされ得る。 本発明に従う抗体は、多くの手法において修正され得る。実際は、用語「抗体」 は、要求される特異性を持った結合ドメインを有する何れかの結合物質に及ぶよ うに解釈されるであろう。かくして本発明は、合成分子および抗原又はエピトー プの結合を可能とする抗体のそれに模した形状とする分子を含む、抗体の抗体フ ラグメント、誘導体、機能的同等物及び相同性に及ぶ。 抗原又は他の結合パートナーを結合することができる抗体フラグメントの実例 は、VL,VH,ClとCHIドメインからなっているFabフラグメント;V HとCH1ドメインからなっているFdフラグメント;抗体の単一アームのVL とVHドメインからなっているFvフラグメント;VHドメインからなるdAb フラグメント;単離したCDR領域及びF(ab')2フラグメント、ヒンジ領域 でジスルフィドブリッジによって結合した2つのFabフラグメントを含む二価 フラグメントである。一本鎖Fvフラグメントもまた含まれる。 親の非-ヒト抗体よりも免疫原性の劣った抗体を提供するために、典型的には 、フレームワークアミノ酸残基の幾つかの変更によって、ヒト化フレームワーク 領域上にグラフト化される非-ヒト供給源からのCDRsにおけるヒト化した抗 体 もまた、本発明の範囲内に含まれる。 本発明に従うモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマは、遺伝的変異又 は他の変更を受けさせ得る。モノクローナル抗体が元の抗体の特異性を維持する 他の抗体又はキメラ分子を生産するように組換えDNA技術の技法を受けさせ得 ることが当業者によってさらに理解されるであろう。そのような技法は、免疫ク ロブリン可変領域、又は定常領域への抗体の相補決定領域(CDRs)、又は異な る免疫グロブリンの定常領域プラスフレームワーク領域、をコードしているDN Aを導入することを含み得る。例えば、EP-A-184187,GB-A-2188638又はEP-A-023 9400を参照。キメラ抗体のクローン化と発現は、EP-A-0120694とEP-A-0125023中 に記載される。 望ましい結合特性を持った抗体を生産できるハイブリドーマは、抗体をコード している核酸(抗体フラグメントを含む)を含み且つそれを発現できる真核生物又 は原核生物の宿主細胞として、本発明の範囲内にある。本発明はまた、該抗体が 生産され、好ましくは分泌される条件下で該抗体を生産することができる細胞を 増殖することを含む抗体の生産方法をも提供する。 サンプルについての抗体の反応性はいずれかの適切な手段によって測定され得 る。個々のリポーター分子による標識化は、一つの可能性である。そのリポータ ー分子は、検出可能な、及び好ましくは測定可能なシグナルを直接、又は間接的 に生成し得る。リポーター分子の結合は、直接的に又は間接的に、共有的に例え ばペプチド結合を経て、又は非共有的になすことができる。ペプチド結合を経る 結合は、抗体とリポーター分子をコードしている遺伝子融合の組換え発現の結果 となり得る。 一つの好ましい形態は、分光的に単離された吸収又は放出特性を持った個々の 蛍光色素、リン光体又はレーザー染料と、それぞれの抗体の共有結合によるもの である。適当な蛍光色素は、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリスリンと テキサスレッドを含む。適当な色素の染料はジアミノベンジジンを含む。 他のリポーターは、視覚的に観測される、電気的に検出される又はその他によ って記録される検出可能なシグナルを直接又は間接的に生起できる、着色した、 磁性又はパラ磁性の、及び生物学的又は化学的な活性剤であるラテックスビーズ のようなマクロ分子コロイド状粒子又は粒子材料を含む。これらの分子は、例え は、発色又は色の変化の反応を触媒する又は電気特性における変化を生じる酵素 とされ得る。それは、エネルギー状態間の電子転移が分光的な吸収又は放出の特 徴をもたらすように、励起可能な分子とされ得る。それは、バイオセンサーとの 関連において用いられる化学物質を含み得る。ビオチン/アビジン又はビオチン /ストレプタビジン及びアルカリホスファターゼ検出系を利用し得る。 結合を検出する形態は本発明の特徴ではなく、当業者はその嗜好と一般的な知 識に従って適当な形態を選択できる。 本発明に従う抗体は、ポリペプチドの存在のためのスクリーニングにおいて、 例えば、論じたような細胞又は細胞溶解物を含む試験サンプルにおいて、使用で き、且つ本発明に従うポリペプチドを精製及び/又は単離することにおいて、例 えば、核酸をコードしているそれからの発現によってポリペプチドの生産に続き 、使用され得る。抗体は、それに結合するポリペプチドの活性を調節でき、且つ もしそのポリペプチドが個人において有害な作用を有しているならば、治療的な 状況(予防法を含み得る)において使用され得る。 抗体は、例えば試験サンプル中の特有の物質の存在を測定することにおいて、 抗体の使用のための指示書を含み得るキットを提供し得る。1又はそれ以上の他 の試薬、例えば標識分子、緩衝溶液、溶離剤などを包含させ得る。試薬は、密封 したバイアルのような、外的環境からそれらを保護する容器内に提供し得る。 診断方法 患者からの生物学的サンプル中のDBCCR1遺伝子の不活性化の程度を測定 するため個人からの生物学的サンプルを分析するための多くの方法が、当該分野 において知られる。そのような分析の提案は、診断又は予後のために使用でき、 且つ現存する癌の存在を検出すること、癌のタイプの同定に役立てること、癌の 重篤度又は可能性のある進行の測定において医師の助けとなること及び/又はそ れの治療を最適化することに役立つ。 本発明の一つの態様は: (a)患者からのサンプル中の、DBCCR1遺伝子によりコードされた及び 図6中に記載されるアミノ酸配列を有しているポリペプチドの発現のレベルを測 定すること;及び/又は; (b)DBCCR1遺伝子のプロモーター又は5’末端が患者からのサンプル 中で高度メチル化されているかどうかを測定すること;及び/又は; (c)DBCCR1対立遺伝子の少なくとも1の全部又は一部が患者からの核 酸サンプル中で欠失されているかどうかを測定すること、 の方法を含む。 (a)から(c)に記載した方法の実例は、たとえ当業者が代替のプロトコルを気 付いている又は工夫することができるであろうとも、以下の実施例中に与えられ る。(b)に関して、メチル化の存在によってそれをなすことがら予防されるCp Gで切断する幾つかの制限酵素のように、DBCCR1遺伝子の5’末端を含む 核酸サンプルは、そのような酵素にさらすことができ、且つ得られるフラグメン トは、サザンブロッティング又はPCRのような周知の方法を用いて生産された フラグメントを視覚化すること及びゲル上のフラグメントをサイジングすること で、このサイトでメチル化の存在及び/又は量を測定するため分析される。 DBCCR1プロモーター領域又は遺伝子中のメチル化を測定することによっ てDBCCR1遺伝子の不活性化を測定するための好ましい方法は、Gonzalgo等 ,Nucleic Acids Research,25(12):2529-2531,1997中に全般的に記載される。核 酸配列間のメチル化の相違を測定するための方法(即ち、患者が不活性なDBC CR1遺伝子を有するかどうか測定すること)が以下に論じられる。これらは: (a)メチル化感受性シングルヌクレオチドプライマー延長(Ms-SNuPE) の使用。 (b)サザン分析に続くメチル化感受性制限酵素によるゲノムDNAの消化。 (c)PCR増幅の前にメチル化-感受性制限酵素によってゲノムのDNAの消 化を利用するPCR-ベースのメチル化アッセイ(Singer-Sam等、Nucleic Acids Research,18:687,1990を参照)を含む。 上記の方法は、ウラシルに変換されるように非メチル化シトシンを変換する重 亜硫酸変換DNAの消化に続いて実施できる。該DNAを処理するための重亜硫 酸の使用は、非メチル化シトシンからウラシルが連続するPCRの間にチミンに 置換されることを意味する。しかしながら、メチルシトシンは脱アミノ化に耐性 であり、従って増幅の間にシトシンと置換される。かくして、メチル化:非メチ ル化シトシン(C:T)の比率の定量化は、例えば腫瘍の存在又は癌の進行の傾向 を与える尿路上皮の状態を診断する、測定され且つ標準と相互に関係される核酸 配列中のメチル化の程度を与える。例えば、該C:T比は、ゲル電気泳動とホス ホイメージ分析での変性に続き[32P]dCTP又は[32P]dTTPのいずれか一 方と単離したPCR生産物、プライマー及びTaqポリメラーゼをインキュベー ションすることにより測定され得る。 代替的に、該PCR生産物は、取り込んだC:Tの比率を測定するための[32 P]dCTP又は[32P]dTTPの存在中でのプライマー延長、ゲル電気泳動及 びホスホイメージ分析に続き、評価されるべきヌクレオチドの5’を直接終結さ せる特異的プライマーのアニール化によって特異的サイトで又はMs-SNuP E中でメチル化を評価するように制限分析を受けさせ得る。 本発明はまた、DBCCR1核酸又はポリペプチド、特に、癌に関連したDB CCR1核酸又はポリペプチド中の変異を測定するための方法を包含し、該方法 は: (a)患者からのサンプルが変異を含むかどうかを測定するためにDBCCR 1核酸配列とサンプル中の核酸の配列とを比べること;又は (b)DBCCR1遺伝子によってコードされたポリペプチドの患者からのサ ンプル中の存在を測定すること及び、もし存在するなら、そのポリペプチドが完 全長であるか、及び/又は変異しているか、及び/又は通常レベルで発現される かどうかを測定すること;又は、 (c)制限酵素が正常のDBCCR1遺伝子又はそれの周知の変異体から得ら れる制限パターンを持った患者からの核酸サンプルを切断する場合、生成した制 限パターンを比較するためにDNAフィンガープリンティングを用いること;又 は、 (d)DBCCR1核酸配列(正常の配列か又は周知の変異した配列のいずれ か一方)に結合することができる特異的結合メンバーを用いること、該特異的結 合メンバーは、DBCCR1配列とハイブリダイズ可能な核酸、又は自然又は変 異したDBCCR1核酸配列又はそれによってコードされたポリペプチドに特異 性を有する抗体領域を含む物質を含み、該特異的結合メンバーは、その結合パー トナーへの該特異的結合メンバーの結合が検出可能となるように標識されている ;又は、 (e)患者からのサンプル中の通常の又は変異したDBCCR1遺伝子をスク リーンするために、通常の又は変異したDBCCR1遺伝子配列に基づいた1又 はそれ以上のプライマーを含んでいるPCRを用いること、を含む。 上記方法は、DBCCR1遺伝子のコード化又は非コード化配列中の変異を検 出すること、及びDBCCR1ポリペプチドのアミノ酸配列を変更する変異と同 様に無症候変異を検出するために等しく適用可能とされる。 「特異的結合ペア」は、互いに独特の特異性を有する且つ通常の条件で別な分 子との関係において互いに結合する特異的結合メンバー(sbm)と結合パートナー( bp)を含む。特異的結合ペアの実例は、抗原と抗体、分子とレセプター及び相補 のヌクレオチド配列である。当業者であれば、多くの他の実例を想到することが できるであろうし、それらをここにリスト化する必要はない。さらに、該用語「 特異的結合ペア」はまた、特異的結合メンバーと結合パートナーの一方又は両方 がより大きな分子の一部を含む場合にも適用可能である。その特異的結合ペアが 核酸配列である実施態様において、それらは好ましくは10ヌクレオチド長より も大きな、より好ましくは15又は20ヌクレオチド長よりも大きな、該アッセ イの条件下で互いにハイブリダイズする長さとされるであろう。 該方法は、血液、漿液、血清、組織サンプル、腫瘍サンプル、唾液及び尿を含 む生物学的サンプルを用いて実行され得る。膀胱癌び診断又は予後のための方法 における尿サンプルの使用は、特に利便的である。 図6又は11に示した配列又は変異体、変異型又はそれの対立遺伝子のような 特有の核酸配列の試験サンプル中の存在又は不在を測定するための各種の方法が ある。例示的な試験は、ヌクレオチドシークエンシング、チップ上に固定化した 核酸を用いたハイブリダイゼーション、分子表現型試験、タンパク質切断試験( PTT)、一本鎖コンホメーション多型性(SSCP)試験、ミスマッチ切断検出 及び変性密度勾配ゲル電気泳動(DGGE)を含む。これらの技術及びそれの効果 と 欠点は、Nature Biotechnology,15:422-426,1997中に概説される。DBCCR1 遺伝子の全部又は一部のホモ接合欠失は、サザンブロッティング又は二重PCR 定量を用いて評価され得る。 試験は、ゲノムDNA、cDNA及び/又はmRNAを含んでいる調製物につ いて実行され得る。試験するcDNAとmRNAは、核酸の複雑性がイントロン 配列の不在によって減じられる有効性を有するが、しかし該調製物を作製するこ とに余分な時間と努力を要する欠点の可能性があり得る。RNAは、RNアーゼ の広範な発生のためにDNAよりも操作することがより困難である。 試験サンプル中の核酸は、相違があるかどうかを決定するために、シークエン シングされ、さらに図6又は11中に示した配列と比べられる。その核酸配列は また、通常の遺伝子と、癌患者中に見出されるそれとの間の他の相違を決定する ために、例えば、該遺伝子の5’末端でCpG島の又は図11中に示したプロモ ーター領域中のメチル化の程度を見ることによっても分析され得る。 試験サンプル中の全ての核酸又は一様に完全なDBCCR1遺伝子をシークエ ンシングすることが一般に時間的又は労力的に能率が良くないであろうことがら 、プライマーの1又はそれ以上のペアを用いたPCRのような特異的増幅反応が 、例えば癌に関連して変異するDBCCR1遺伝子又は特有の領域の核酸の興味 ある領域を増幅するために使用され得る。この目的のための例示的プライマーは 、表2中に示される。増幅された核酸は、ついで上記の通りシークエンシングさ れ、及び/又は個々の特徴の存在又は不在を測定するための他の何れかの手法で 試験される。試験するための核酸は、細胞から取り出した核酸から又は制限酵素 消化と電気泳動のような他の各種の技術を用いてライブラリーにおいて調製され 得る。 核酸は、変異型-又は対立遺伝子特異性プローブを用いてスクリーンされ得る 。そのようなプローブは、癌に関連することが知られる配列の変更を含んでいる DBCCR1遺伝子、又はその相補体の領域に対する配列に一致する。好ましい ストリンジェント条件下に、試験核酸へのそのようなプローブのハイブリダイゼ ーションは、試験核酸中の配列の変更の存在を示す。十分なスクリーニングを意 図して、1以上のプローブが同じ試験サンプルについて使用され得る。 対立遺伝子-又は変異型-特異性オリゴヌクレオチドは、もし試験サンプル中に 存在するなら、個々の配列を特異的に増幅するためPCRにおいて同様に使用さ れ得る。PCRバンドが遺伝子変異型を含むかどうかの評価は、当業者に良く知 られている多数の手法において実行され得る。PCR生産物は、選択される遺伝 子変異型に結合される特異的バンドに関し、変性ポリアクリルアミドDNAシー クエンシングゲル上で変異又は多型性をディスプレーできる手法において、例え ば処理され得る。 試験サンプル中の変異型配列の存在を探すための代替又は補充は、正常の配列 を、例えば適切な特異的オリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーを用いて探 すことである。 プローブと試験核酸の間のハイブリダイゼーションおよび引き続くミスマッチ の検出に頼るアプローチが使用され得る。適切な条件下に(温度、pHなど)、該 オリゴヌクレオチドプローブは完全に相補ではない配列とハイブリダイズするで あろう。2つの分子の間の塩基対合の度合は、ミスマッチにもかかわらずアニー リングすることでそのために十分となるであろう。各種のアプローチは、2つの アニーリング核酸分子間のミスマッチの存在を検出するために当該分野で周知で ある。 例えば、RNアーゼAはミスマッチのサイトで切断する。切断は、相当するプ ローブ又はアニールされているプローブに対する試験核酸を電気泳動すること及 び完全長プローブ/試験ハイブリッドよりもより小さい分子(即ち、より大きい 電気泳動移動性を持つ分子)を探すことによって検出できる。他のアプローチは 、リゾルベース又はエンドヌクレアーゼのような酵素の使用に頼る。 核酸分子の配列における相違の存在は、核酸のサンプルを切断するために使用 される1又はそれ以上の制限酵素が、正常遺伝子又は変異型又は対立遺伝子を含 むサンプルが同じ酵素によって消化される場合に得られるパターンと比較される 場合に生産される該制限パターンのDNAフィンガープリンティングの方法での ように制限酵素消化によって検出され得る。 プロモーター又は他の制御配列中の障害の不在の存在は、転写によるmRNA 生産物のレベル又はmRNAからの翻訳によるポリペプチド生産のレベルを測定 することによっても評価され得る。 核酸の試験サンプルは、例えば細胞、例えば唾液又は好ましくは血液中から核 酸を抽出するため、又は羊膜、胎盤又は胎児自身から誕生前に試験するために、 用意される。 図6中に示したアミノ酸配列又はアミノ酸配列変異型又はそれの対立遺伝子を 持つポリペプチドのような特有のポリペプチドの試験サンプル中の存在又は不在 を測定するための各種の方法がある。 サンプルは、図6中に示したポリペプチドの1又はそれ以上の個々の変異型に 特異的な、抗体(又は抗体混合物)のような特異的結合メンバーの結合パートナー の存在を試験され得る。 サンプルは、図6中に示したポリペプチドに特異的な、抗体(又は抗体混合物) のような特異的結合メンバーの結合パートナーの存在を試験され得る。 そのようなケースにおいて、該サンプルは、結合が測定される前に、例えば論 じたようなリポーター系を用いて、特異的結合のために適切な条件下で抗体のよ うな特異的結合メンバーと接触することによって試験され得る。抗体のパネルが 用いられる場合、異なるリポーティング標識がそれぞれの結合が測定できるよう にそれぞれの抗体のために使用され得る。 抗体のような特異的結合メンバーは、それが図6中に示される配列のポリペプ チドの配列及び/又は特性を有するかどうかを測定するために、又はもしそれが 変異体又は変異型であるなら、ポリペプチドの配列及び/又は生化学的分析を与 えるために、試験サンプルからそれの結合パートナーポリペプチドの単離及び/ 又は精製のために使用され得る。アミノ酸配列は、自動化シークエンシング機器 を用いる当該分野においてルーチンである。 治療。 本発明のDBCCR1ポリペプチド、抗体、ペプチド及び核酸は、製薬組成物 中に調合され得る。これらの組成物は、上記の物質の一つに加えて、製薬上許容 される賦形剤、担体、緩衝剤、安定化剤又は当業者に良く知られる他の材料を含 み得る。そのような材料は、非毒性とすべきであり且つ有効成分の効力を妨げる べきでない。担体又は他の材料の正確な性質は、投与のルート、例えば経口、静 脈内、皮膚又は皮下、経鼻、筋肉内、腹腔内ルートに基づき得る。 経口投与用の製薬組成物は、錠剤、カプセル又は液状形態とされ得る。錠剤は 、ゼラチン又はアジュバントのような固体担体を含み得る。液状製薬組成物は一 般に、水、石油、動物又は植物油、鉱油又は合成油のような液状担体を含み得る 。生理食塩水、ブドウ糖又は他のサッカリド溶液又はエチレングリコール、プロ ピレングリコール又はポリエチレングリコールのようなグリコールが含有され得 る。 静脈内、皮膚又は皮下注射、又は苦痛のサイトでの注入のため、該有効成分は 、発熱物質無しの及び適当なpH、等張及び安定性を有する非経口的に許容され る水性溶液の形態とされるであろう。当業者であれば、例えば、塩化ナトリウム 液、リンゲル液、乳酸加リンゲル液のような等張ビヒクルを用いて、適当な溶液 を容易に調製できる。保存料、安定化剤、緩衝化剤、抗酸化剤及び/又は他の添 加剤が求められるなら含め得る。 それが本発明に従うポリペプチド、抗体、ペプチド、核酸分子、小さい分子又 は個人に与えるべきである他の製薬上有用な化合物であろうとなかろうと、投与 は「予防的有効量」又は「治療的有効量」(たとえ予防が治療を考慮され得ると しても、該ケースがなされ得るであろうように)において好適とされ、これは個 人に有効性を示すのに十分なものとされる。投与される実際の量、及び投与の速 度と時間経過は、治療されるべきそれの本質と重篤度に基づくであろう。治療の 処方箋、例えば投薬量などについての決定は、一般開業医及び医師の責務の範囲 内であり、且つ典型的には、治療すべき疾患、個々の患者の状態、デリバリーの 部位、投与の方法及び開業医に周知の他の要因が考慮される。上述した技術とプ ロトコルは、Remington's Pharmaceutical Scienecs,16th edition,Osol,A.(ed) ,1980中に見出すことができる。 代替的に、標的化治療(targeting therapies)は活性剤を誘導するために、と りわけ抗体又は細胞特異的リガンドのような標的化系の使用によって、細胞のあ る種のタイプに使用され得る。標的化は、各種の理由のために;例えば、もしそ の剤が許容できない毒性であるならば、又はもしそれが過度に高い投薬量がその 他に 要求されるであろうならば、又はそれが標的細胞に入り込むことがその他にでき ないであろうならば、望まれ得る。 直接的なこれらの剤の投与に代えて、それは、例えばベクターにおいて、該細 胞内に取り込まれるコード化遺伝子からの発現によって標的細胞中で生産させる ことができる(VDEPT技術の変形−後記参照)。該ベクターは処理されるべき 特異的細胞を標的化することができ、又は該標的細胞によって多少選択的に入れ 替えされる制御エレメンツを含むことができる。 代替的に、該剤は、処置すべき細胞中で生産された、又は標的化した活性化剤 によって活性化形態への変換のために、前駆体形態において投与され得る。この タイプのアプローチは、ADEPT又はVDEPTとしてかつては知られた;そ の前者は細胞-特異的抗体への接合により該細胞に活性化剤を標的化することを 含み、一方後者は、ウイルスベクター中のコード化DNAからの発現によってベ クター中に、活性化剤、例えば酵素を生産することを含む(例えば、EP-A-415731 とWO 90/07936を参照)。 組成物は、単独で投与され又は、治療すべき状態に基づいて同時に又は連続的 ないずれか一方で、他の治療薬との組合せにおいて投与され得る。 遺伝子治療方法 更なる代替として、真正の生物学的に活性なDBCCR1ポリペプチドをコー ドした核酸は、該活性ポリペプチドを合成することが不可能な又は通常レベルで それを合成できない患者を治療するために、遺伝子治療の方法において使用でき 、それによって野生型DBCCR1によって提供される腫瘍抑制又は成長抑制効 果を提供し、且つそれによって、癌の発生を抑制し及び/又は標的細胞中に存在 している癌の大きさ又は程度を減じる。 ウイルスベクターのようなベクターは、相違する広範な標的細胞中に遺伝子を 導入するために従来技術において使用されている。典型的にそのベクターは、望 まれるポリペプチドの発現から有用な治療的又は予防的効果を提供するために十 分な割合において移入(transfection)が実行できるように標的細胞にさらされる 。移入された核酸は、標的化した標的細胞のそれぞれのゲノム中に恒久的に取り 込 まれ、長期の耐久性効果を提供し、又は代替的にその治療は定期的に繰り返しな され得る。 各種のベクター、ウイルスベクターとプラスミドベクターの両者は、当該分野 において知られており、米国特許第5,252,479号とWO 93/07282を参照。特に、多 くのウイルスは、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、HS VとEBVを含むヘルペスウイルス、およびレトロウイルスを含む、遺伝子転移 ベクターとして使用されている。従来技術における多くの遺伝子治療プロトコル は、無能化ネズミレトロウイルスを用いている。 ウイルスベクターの使用の代替として、細胞中に核酸を導入する他の周知の方 法は、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム共沈降、ミクロインジェクシ ョンのような機械的技術、リポソームにより媒介した転移および直接DNA取込 みおよびレセプターを介在したDNA転移を含む。 上述した通り、DBCCR1ポリペプチド又はそれの活性部分をコードしてい る核酸を用いる遺伝子治療の目的は、野生型DBCCR1ポリペプチドが存在し ないか又は減じられたレベルでのみ存在することで該核酸の発現生産物の量を増 加することである。そのような治療は、既に癌である細胞の治療における治療法 となり得る。 膀胱癌に対しDBCCR1を選択的に標的とする遺伝子転移技術が好適である 。この実例は、該核酸が標的細胞の表面上に存在するレセプターに特異的である リガンドとともに、ポリリシンを経てタンパク質リガンドに結合されるレセプタ ー介在遺伝子転移を含む。 医薬のためのスクリーニンダの方法 本発明に従うポリペプチドは、それの活性又は機能に影響を及ぼす又は調節す る分子のためのスクリーニングにおいて使用され得る。そのような分子は、治療 の(予防を含む可能性がある)状況において有用とされ得る。 新たな医薬の同定に至る製薬リサーチが、先導化合物が見出されている以前お よび直後の両方で、非常に多数の候補物質のスクリーニングを含み得る。これは 、非常に不経済且つ時間浪費な製薬上のリサーチとなる一つの要因である。該ス ク リーニング方法における補助の手段は、相当な商業的重要性且つ有用性を有し得 る。癌の治療又は子防において潜在的に有用な物質をスクリーニングするための そのような手段は、本発明に従うポリペプチドによって提供される。ポリペプチ ドのモデュレーターとして同定した物質は、それらがインビボでの使用の治療の 設計および研究のための基礎を提供することがら、癌に対する闘いの前進を表す 。 ポリペプチドの活性を調節する物質のためのスクリーニング方法は、適当な反 応媒体中で該ポリペプチドと1又はそれ以上の試験物質とを接触させること、該 処理したポリペプチドの活性を試験すること及び試験物質によって処理していな い比較反応媒体中のポリペプチドの活性とその活性を比較することを含み得る。 処理した及び処理しないポリペプチド間の活性の相違は、相対的な試験物質の調 節効果の指標である。 順列組合せ的なライブラリー技術は、ポリペプチドの活性を調節する能力につ いての潜在的に非常に多数の異なる物質を試験するための効率的な手法を提供す る。そのようなライブラリーとその使用は当該分野で周知である。ペプチドライ ブラリーの使用が好適である。活性の調節の前又は同様にスクリーンされている 間、試験物質は、例えば酵母2-ハイブリッド系(そのペプチドとその試験物質の 両者がコード化核酸から酵母中で発現され得ることが要求される)中で、該ポリ ペプチドと相互作用する能力をスクリーンされ得る。これは、ポリペプチドの活 性を調節するための実際の能力について物質を試験する前の粗いスクリーンとし て使用され得る。代替的に、そのスクリーンは、例えば癌の治療用として試験す るために、DBCCR1ポリペプチドの模擬物を見出すために、DBCCR1特 異的結合パートナーへの結合によって試験物質をスクリーンするために用いるこ とができる。 ポリペプチド活性を調節する又は影響を与える物質の同定に続き、その物質は さらに調査がなされ得る。さらに、それは調製物、即ち医薬品、製薬組成物又は 薬剤のような組成物の製造又は処方において作製及び/又は使用され得る。 かくして、本発明は、ここに記載されたいずれかに従うポリペプチド活性のモ デュレーターとしての核酸分子を用いて同定した物質のみではなく、そのような 物質を含む製薬組成物、医薬、薬剤又は他の組成物、例えば癌の治療(予防的な 治療を含み得る)のために、患者にそのような組成物を投与することを含む方法 、例えば癌の治療用の、投与のための組成物の製造においてそのような物質の使 用、及び製薬上許容される賦形剤、ビヒクル又は担体とそのような物質とを、及 び任意に他の成分とを混合することを含む製薬組成物の作製方法の各種の態様に 広がる。 ポリペプチド機能のモデュレーターとして用いる同定した物質は、天然のペプ チド又は非ペプチドとされ得る。非ペプチド「小分子」は、多くのインビボでの 薬学的使用のためにしばしば好適である。従って、該物質の模擬物又は疑似物( 特に、もしペプチドならば)は、薬学的使用のために設計され得る。 周知の製薬的活性化合物に模した設計は、「先導」化合物に基づいた製薬の開 発への周知のアプローチである。これは、その活性化合物が合成することが困難 又は不経済である場合又はそれが投与の特有の方法に適当でない場合、例えばペ プチドは消化管内のプロテアーゼによって急速に分解される傾向があるように経 口用組成物のためには望ましくない活性剤である場合に好ましいであろう。模擬 設計、合成及び試験は、標的の特性により膨大な数の分子の無作為スクリーニン クを避けるために一般に使用される。 与えられた標的特性を有している化合物からの模擬物の設計を一般的に考慮に 入れる幾つかの工程がある。第1に、標的の特性を決定するために重大な及び/ 又は重要な化合物の特有な部分が決定される。ペプチドのケースにおいて、これ は、例えばそれぞれの残基を交換で置換することによって、該ペプチド中のアミ ノ酸残基を系統的に変更することによって成すことができる。ペプチドのアラニ ンスキャンは、そのようなペプチドモチーフを精製するために一般的に使用され る。該化合物の活性領域を構成しているこれらの部分又は残基は、その「ファー マコフォア(pharmacophore)」として知られる。 ファーマコフォアが一度見出されると、その構造は、例えば分光学的技法、X 線回折データ及びNMRのようなソースの範囲からのデータを用い、その物理的 特性、例えば立体化学、結合、サイズ及び/又は電荷に従ってモデル化される。 コンピュータ解析、類似マッピング(原子間の結合というよりはむしろ、ファー マコフォアの電荷及び/又は容量をモデル化する)及び他の技術をこのモデル化 プロセスにおいて用いることができる。 このアプローチの変形において、そのリガンドとそれの結合パートナーの三次 元構造がモデル化される。これは、そのリガンド及び/又は結合パートナーが、 模擬物の設計においてこれを考慮したモデルを与えるよう、結合上の構造を変化 する場合、特に有効となり得る。 鋳型分子は、次いで模擬のファーマコフォアがグラフトできる化学基上に選択 される。その鋳型分子とその模擬物が容易に合成されるように利便的に選択され 得るそれにグラフトした化学基は、製薬学的に許容されるものと思われ、且つイ ンビボで劣化しない一方、先導化合物の生物学的活性を保持している。代替的に 、その模擬物がペプチドベースである場合、更なる安定性は、その剛性を増加す る、ペプチドの環化により達成され得る。このアプローチにより見出された模擬 物は、それが標的特性を有しているかどうかを見るために、又はそれがどの程度 それを示すかを次いでスクリーンし得る。さらなる至適化又は修飾が、インビボ で又は臨床試験で1又はそれ以上の最終模擬物で完成するために実行され得る。 DBCCR1発現に影響する物質のスクリーニング。 本発明はまた、プロモーターの活性を調節する及びDBCCR1発現のレベル を増加又は減じる物質のためのスクリーニングの方法において図11中に記載し たDBCCR1プロモーター領域の核酸配列の全部又は一部の使用もまた提供す る。 「プロモーター活性」は、転写を開始する能力に関して使用される。プロモー ター活性のレベルは、例えばプロモーターからの転写によって生産されたmRN Aの量の評価によって、又はプロモーターからの転写によって生産されたmRN Aの翻訳によって生産されたタンパク質生産物の量の評価によって定量できる。 発現系中に存在する特異的なmRNAの量は、例えばそのmRNAとハイブリダ イズできる及び標識され又はポリメラーゼ連鎖反応のような特異的増幅反応にお いて使用され得る特異的なオリゴヌクレオチドを用いて測定され得る。リポータ ー遺伝子の使用は、タンパク質生産への関連によってプロモーター活性の測定を 容易にする。 本発明によりさらに提供されるのは、異種遺伝子、例えばコード化配列に任意 に結合する、図11中に記載したDBCCR1プロモーター領域又は転写を促進 できるそれのフラグメントを含む核酸構築物である。「異種」又は「外因性」遺 伝子は、一般にDBCCR1の修正された形態ではない一般に、該遺伝子は、続 く発現を検出し及び好ましくは定量化し得るペプチド又はポリペプチド生産物に 翻訳され得るmRNA中に転写され得る。コードした生産物が発現の後で測定さ れ得る遺伝子は、「リポーター遺伝子」、即ちプロモーター活性について「リポー ト」する遺伝子と呼ばれる。 該リポーター遺伝子は、検出可能なシグナル、好ましくは着色した生産物のよ うな視覚的に検出可能なシグナルを生産する反応を触媒する酵素をコードする。 β-ガラクトシダーゼ及びルシフェラーゼを含む多くの実例が知られる。β-ガラ クトシダーゼ活性は、基質上の青色の生成によりアッセイでき、そのアッセイは 目視又は吸収を測定するための分光光度計の使用によってなされる。蛍光、例え ばルシフェラーゼ活性の結果として生産された蛍光は、分光光度計を用いて定量 化され得る。放射能アッセイは、例えば、非放射能アッセイにおいてもまた、使 用され得る、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼを用い、使用さ れ得る。リポーター遺伝子からの発現から得られる遺伝子生産物の存在及び/又 は量は、抗体又はそれのフラグメントのような、該生産物に結合できる分子を用 いて測定され得る。該結合分子は、何れかの標準的な技法を用いて直接又は間接 的に標識され得る。 当業者であれば、可能性のある多数のリポーター遺伝子及び遺伝子活性を測定 するために使用され得るアッセイ技術を十分に承知している。何れかの適当なリ ポーター/アッセイが使用され得るし、それは本発明に必須の特別な選択又は制 限なしに理解されるであろう。 プロモーター(ここに記載したような)及び異種遺伝子(リポーター)を含んでい る核酸構築物は、プロモーターの活性を調節することができる物質のスクリーニ ングにおいて利用され得る。治療の目的のため、例えば癌の治療のために、DB CCR1の発現を導くプロモーターのアップレギュレート発現ができる物質を求 め得る。プロモーターの活性を調節する物質の能力によるスクリーニング方法は 、 宿主細胞のような発現系を接触させること、試験又は候補物質とここに開示した ような核酸構築物を接触させること及び異種遺伝子の発現を測定することを含み 得る。 試験物質の存在における発現レベルは、該試験物質の不在における発現レベル と比較され得る。試験物質の存在における発現中の相違は、遺伝子発現を調節す る該物質の能力を示す。ここに開示したようなプロモーターに結合しない別な遺 伝子の発現と比較して発現又は異種遺伝子の増加は、プロモーターの調節のため の物質の特異性を示す。 プロモーター構造は、ゲノム中に統合したリポーター構造を含んでいる安定な 細胞系を生産するために予め記載された何れかの技術を用いて細胞系内に導入さ れ得る。該細胞は増殖され、各種の時間で試験化合物とインキキュベートされる 。その細胞は、多数の化合物の分析を容易にするため96ウェル板中で増殖させ 得る。該細胞は次いで洗浄され、且つそのリポーター遺伝子発現が分析される。 ルシフェラーゼのような幾つかのリポーターのために、該細胞は溶解され次いで 分析されるであろう。 プロモーター活性を調節する又は影響を与える物質の同定に続いて、該物質は さらに研究される。さらに、それは医薬、製薬組成物又は薬剤のような組成物の 調製、即ち製造又は処方において生産され及び/又は使用され得る。これらは、 個人に投与され得る。 材料と方法 ミクロサテライト分析によるヘテロ接合性の欠如の検出。 膀胱の145TCCs及ひ尿管又は腎盤の9TCCsの試験品は、本質的な正 常DNAのソースとして対合した血液又は正常な腎臓サンプルから得た。腫瘍試 験品及び一致する製造な組織(末梢血液又は正常な腎臓)からのDNAは、フェノ ール/クロロホルム抽出に続きプロテイナーゼK消化によって得られた。それぞ れの腫瘍試験品の近傍部分は、組織病理学的検査にかけた。腫瘍段階及びクルー ドは、それぞれ、TNM系とWHO診断基準に従って分類した。我々は、9qに マップ化した31ミクロサテライト標識を最初に用いた。99q32-33上の 9つの標識は図1中に示される。9q上の他の22標識は、D9S15、D9S 153、D9S167、D9S152、D9S201、D9S283、D9S1 19、D9S12、D9S176、D9S109、D9S127、D9S53、 D9S58、D9S105、D9S59、D9S123、D9S282、D9S 60、D9S61、ABL、D9S66、及びD9S67を用いた。99q32 -33で局在した欠失を伴う5腫瘍中の9p状態を評価するため、我々は、多様 なPCR(Williamson等,1995)によってD9S199、D9S200、IFNA 、D9S1749、D9S126及びD9S171を試験した。プライマー配列 は、Genome Databaseから得た。PCR反応は、鋳型としてのゲノムDNAの5 から10ng、1.0から1.5mM MgCl2、それぞれのデオキシヌクレオチド三リン酸 の200μM、各プライマーの2pmol、Taq DNAポリメラーゼの1U及び製造者 (Life Tcchnologies)により供給される緩衝液とともに12.5μl反応容量において 実行した。それぞれのプライマーペアの一つは、32Pによって末端標識した。P CR反応は、最終の伸長に続く95℃で1分、55℃で1分及び72℃で1.5 分の26−27サイクルからなった。反応生産物は、ホルムアミド染料で希釈し 、加熱変性し、そして6%変性ポリアクリルアミドゲル中を泳動した。ゲルは乾 燥し、フジXRフィルム及び連続的にPhosphorlmagerスクリーン(Molecular Dyn amics)に曝した。初めに、LOHが1の対立遺伝子の欠如のために視覚的にスク リーンされ、且つ「部分的欠如」又は「対立遺伝子インバランス」を持つケース では、Imagc Quantソフトウエア(Molecular Dynamics)を用いたPhosphorImager によってさらに分析した。40%よりも多くの1つの腫瘍対立遺伝子からのシグ ナルの強度における相対的な減少は、LOHとしてスコアした。新規の対立遺伝 子が検出された(ミクロサテライト変更)Loci等は、「情報を与えない」ものであ ると見なした。 YACクローンの単離と特徴付け。 2つのYACライブラリーは、YACクローン単離及びYACコンティーグの 構築のために用いた。ICI YACライブラリー(Anand等,1990)は、D9S2 58、D9S275、D9S195及びD9S302のために公開されたプライ マー配列を用いたPCRによってスクリーンした。CEPH YACライブラリ ー(Alberstson等,1990)から、我々は3のミクロサテライト標識D9S195、 D9S258及びD9S275のために陽性であることが示されている又は陽性 YACsに隣接していることを示した10YACクローンを得て且つ分析した。 それぞれのYACクローンからの高分子量DNAは、Chaplin等,1995中に記載 された通りアガロースブロック中で調製し、且つ輪郭-固定化均質電場(CHEF )装置(Bio-Rad-CHEF DRTM II system)を用いる1%アガロースゲル中でパルス- フィールド電気泳動にかけた。典型的な走行状態は次の通り:14℃で、0.5 TBE緩衝液中200Vで9時間、90秒パルス時間に続き15時間60秒パルス 時間。臭化エチジウム染色の後、ゲルは転移緩衝液として0.4N NaOHを用い 、ナイロン膜(Hybond N+,Amersham)上にブロットし、それぞれのブロットは、無 作為プライミングによって32P-標識した全ヒトDNAとハイブリダイズした。 それぞれのYACのサイズは、サッカロミセスセレビシエ(YNN295株,BioRad)染 色体及びサイズ標識としてラムダ-ファージ(BioRad)のミューチマー(mutimers) を用いることによって評価した。図2中に示した全てのCEPH YACsのサ イズは、CEPHデータと一致した(http://www.ceph.fr/)。 YAC-末端からの配列-標識化サイト(STSs)の生成。 YAC挿入末端(YAC-末端)からのSTSsは、Riley等によって記載された 通り変更したベクトレット-PCR生産物を用いて生成し、PCRフラグメント の直接DNAシークエンシングをした。概略的には、YAC DNAsは、Chapl in等(1995)に記載の通り調製し、3つのベクトレットライブラリーをそれぞれの YACのために調製した。YAC DNAは、RsaI、AluI、又はPvu IIによって消化し、次いでRiley等(1990)中に記載した通り、ブラント-エンド ベクトレットカセットと結紮した。鋳型としてこれら3つのベクトレットライブ ラリーを用い、PCRを、224プライマーとそれぞれのYACの左側アームを 単離するためのプライマー5'-CTACTTGGAGCCACTATCGACTACGCGATCによって及び2 24プライマーと右側アームを単離するためのプライマー5'-CTTGCAAGTCTGGGAAG TGAATGGAGACATによって実行した。得られたPCR生産物 は、アガロースゲル中で電気泳動し、適切なサイズの増幅したフラグメントを回 収し、シークエンシング鋳型として用いた。直接シークエンシングは、cycle se quencing kit(fmol sequencing system,Promega)を用い、左側YAC末端配列の ための内部プライマー1207と368(Riley等,1990)及び右側YAC末端フラ グメントのための1208と368を用い実行した。それぞれのYAC末端配列 からの81から190bpPCRフラグメントを増幅できるオリゴヌクレオチド が生成された(表1)。それぞれのYACクローン中のこれらSTSs存在又は不 在は、少なくとも2度のPCR増幅とアガロースゲル電気泳動で試験した。チャ イニーズハムスターバックグラウンド中に完全なヒト染色体9及び元のYACク ローンDNAsを含んでいるハイブリッド細胞系GM10611からのDNAを 陽性コントロール鋳型として用い、陰性コントロール鋳型として正常なハムスタ ー線維芽細胞DNAを用いた。 YACコンティーグマップの構築。 ミクロサテライト標識と10の新規YAC末端STSsを用いて、YACコン ティーグマップをPCRベースの分析によって構築した。PCR反応は、200μM 濃度の各dNTPと1.0から1.5mMのMgCl2とともに1単位のTaqポリメラ ーゼを用いて25μl反応容量において1xTEで洗浄したYAC DNA又は酵素 細胞ペレットの20ngによって実行した。PCR反応は、Taqポリメラーゼが95 ℃で5分間の変性工程の後、該反応に加えた「ホットスタート」を用いて定型的 に実行した。60秒間95℃、60秒間55から55℃、及び90秒間72℃に よる30から35増幅サイクルを実施した。 公表ゲノムデータ用ユニフォームリソースロケーター(URLS)。 我々は、参考によりここに組み入れたワールドワイドウェブを用い以下の利用 可能なデータを用いた。 Thc Centre d'Etudes du Polymorphisme Humain(CEPH):http://www.ceph.fr/G enethon:http://www.genethon.fr/ ゲノムデータベース:http://gdb.org/gdb Whitehcad Institute for Biomcdical Research/MIT Center for Genome Rese arch:http://www.genome.wi.mit.edu cDNAクローン化、5'RACEとシークエンシング分析 最初に、我々は、UK Human Genome Mapping Resource Centreからの、3I .M.A.G.E.consortium(Lennon等,1996)cDNAクローン(28122,32205,360922 )及びEST IB3089に同一又は高い相同性配列を含むことが示されている、J.M.Si kela博士(University of Colorado Health Science Center)によって寄贈された 2のcDNAクローン(IB1328とTB1708)を得た。我々は最初に、こ れら5つのクローンの中の最も長い挿入物(2241bp)を有したクローン360922をシ ークエンシングし、且つこれら全てのクローンの3’末端をシークエンシングし た。その読み枠がクローン360922の5’末端で開かれたことがら、我々は 付加の上流配列を得るために胎児脳cDNAライブラリーをスクリーンした。Ge rman Human Genome Project(Berlin-Charlottenburg,Germany,Reference Library Databaseと公称)のResource Center/Primary Databaseにより提供され る一連の固定化ヒト胎児脳cDNAライブラリーは、合併方法によって32P-d CTPで標識した235bp PCR生成したIB3089プローブによりスクリーン した。5つの陽性クローン(ICRF:p507K1716、p507I201 6、p507L24121、p507F03114、及びp507K12270 )は、同定され且つResource Centerから得た。最も長いクローン、ICRFp 507K12270は、完全DNA配列分析にかけた。全てのcDNAヌクレオ チド配列は、二本鎖プラスミド鋳型についてfmol DNAシークエンシング キット(Promega)を用いたプライマーワーキングストラトジーによって測定した 。センスと抗センスストランドの両方をシークエンシングした。 5’RACEは、製造者のプロトコル(Clontech)に従いヒト胎児脳Clontech M arathon cDNA増幅キットを用いてIB3089Aの5’配列を特徴付けする ため実行した。RACE-PCRは、プライマー5'-CTTCTCTTGCAGATACTGAGGA(nt 1141-1119)と、該キット中に用意されたプライマーAP1によって実行した。P CR生産物の特異性を試験するために、該生産物は、アガロースゲル上 で電気泳動し、ナイロン膜上でアルカリ-ブロッティングし、さらに32Pで末端 標識したオリゴヌクレオチドプローブ5'-GGTAGGTCTCCTGCCAAGCAによりプローブ 化した。相当する陽性PCRバンドは、アガロースゲルから切り出し、pGEM -Tキット(Promega)を用いたpGEM-Tベクター中にクローン化した。8つの クローンの5’末端は、AP1プライマー又はpGEM-Tベクター特異的プラ イマーを用いてシークエンシングした。データーベースサーチはGCGソフトウ ェアパッケージ及びUK Human Genome Mapping Project Resource Centreからの BRASTサーチサービスを用いて実行した。 エキソン-イントロン境界の測定とシークエンシング。 エキソン-イントロン境界とその配列は、記述(Riley等,1990)の通りベクトレ ット-PCR法により測定した。概略的には、YACクローン9DC8の高分子 量DNAをAluI、HpaII、RsaI、PvuII、又はEcoRVで消 化し、記述(Riley等,1990)の通りブラントエンドベクトレットカセットと結紮し た。鋳型としてこれら5つのベクトレットライブラリーを用い、PCRsを、ベ クトレット-カセット特異的プライマー「224」(Riley等,1990)とcDNAシ ークエンシング用に用いたプライマーとによって実行した。適切なサイズを持っ た増幅PCRフラグメントは、低温溶融アガロースゲルからゲル精製し、内部ベ クトレット-カセット特異的プライマー「368」(Riley等,1990)と使用した各 cDNAシークエンシングプライマーによって直接シークエンシングした。得ら れた配列は、該cDNA配列と比較し、そしてプライマーは各エキソン含有ゲノ ムフラグメントを増幅するために作製した。幾つかのエキソン-イントロン境界 のために、ベクトレット-PCRの別のラウンドをこれら新規プライマーを用い て実行した。 SSCP分析とシークエンシング 9q32-33を含む、9q上のヘテロ接合性の欠如を示した、膀胱の40の プライマリーTCCsが、変異によりスクリーンされた。これらの腫瘍は、9q 32-33で配置されたLOHを持つ5腫瘍を含んだ。これら全ての腫瘍DNA 試験品は、対立遺伝子の一つの明瞭な欠如が先のLOH分析で検出されたために 、実質的に正常な細胞汚染を有することなしにプローブされた(Habuchi等,1995) 。腫瘍DNAと相当する正常な末梢血液又は腎臓DNAは、標準的な方法によっ て抽出した(Sambrook等,1989)。プライマーのペアは、ゲノムDNAからIB3 089Aの全部のコード化領域を増幅するように設計した(表3)。エキソン8分 析のために、プライマーの4ペアを該コード化領域をカバーするために用いた。 PCR増幅のために、腫瘍DNAの20ngが、dATP、dGTPとdTTPの20 0μM、dCTPの4μM、Taqポリメラーゼ(Life Technologies)の1単位、[ アルファ-32P]dCTPの0.1μl及び1.2-1.5mM MgCl2を含む12.5μl中未 標識プライマー(10μM)を用いて増幅した。PCR条件は、60秒間95℃、6 0秒間55℃、及び90秒間72℃の25サイクルに続く、4分間95℃、5サ イクルの60秒間95℃、60秒間60℃、及び90秒間72℃とした。エキソ ン2,エキソン8c及びエキソン8dのために、PCR生産物は、SSCP分析 のために適当なサイズを与えるような制限酵素で処理した(表3)。PCR生産物 は、3分間90℃で変性したホルムアミドを含む変性染料と1:1で希釈し、且 つそれぞれのサンプルはゲル上にロードした。異なる条件を持った3つのゲルは 、3−10W定常力で16時間室温で移動させた。その3つのゲル調製物は以下 のものとした:0.5xTBE緩衝液中5%グリセリン及び0.6xTBE緩衝液中0.5 xMDETM(FMC)を含有する又はしない6%アクリルアミド(ビス-クリアミド へのアクリルアミドの29:1架橋)。該ゲルは乾燥し且つ1−16時間X線フ ィルムに曝した。 変化を示すサンプルからの腫瘍と正常DNAsは、相当するPCRプライマー によって再増幅した。PCR生産物は、低融点アガロースゲルを用いてゲル精製 し、fmolシークエンシングシステム(Promega)を用いてPCRプライマーと鎖の 両方についてシークエンシングした。 サザン及びノーザン分析。 サザン分析のために、対合した正常DNAと腫瘍(全てTCC)の46サンプル を分析した。これら46サンプルの22サンプルは、上述した通り微妙な変異の ためのSSCP分析によっても試験した。対合した正常のDNAと腫瘍DNAの 10μgは、TaqI又はBamHI(New England Biolab)によって一晩消化し、 転写緩衝液として0.4N NaOHを用いてナイロン膜(Hybond-N+,Amersham)に転 写した。クローンICRFp507K12270の約3.1kb挿入物は、Eco RIとNotI二重消化によって切開し、得られる2フラグメントをプローブと して用いた。そのフィルターは、5xSSPE(Sambrook等,1989)を含む緩衝液 中、65℃でランダムプライマー法によって32Pにより標識したプローブと一 晩ハイブリダイズした。最終洗浄条件は、65℃で0.2xSSC、0.2%SDSと した。それぞれのブロットは、それぞれのサンプルのローディングコントロール 用にβ-アクチンプローブ又はD9S7プローブと再プローブ化した。ノーザン 分析のため、ヒト多種組織ノーザンブロットを購入し(Clontech)、製造者が椎奨 したプロトコルを用いて、上述した通りの32P標識プローブとハイブリダイズし た。膀胱癌細胞系のノーザン分析のため、5の膀胱癌細胞系からのトータルRN Aは、「Total RNA Isolation Reagenu(Advanced Biotechnologies)を用いて抽 出し、且つポリ(A)+RNAは、origo-dT Dynabeads(DYNAL)を用いて精製した 。ポリ(A)+RNAの2μgは、標準的な方法(Sambrook等,1989)によってナイ ロン膜(Hybond-N,Amersham)上にブロットした。ノーザン分析用の最終洗浄条件 は、60℃で0.2X SSC、0.2%SDSとした。 細胞系及び逆転写(RT)-PCR分析。 9つのトランジション細胞癌細胞系(T24、SW1710、5637、RT 4、RT112、253J、J82、UM-UC-3、609CR)と1の膀胱扁 平上皮細胞癌細胞系(SCaBER)は、RPMI1640培地又は10%胎児ウシ 血清と抗生物質を補充したDMEM培地中で培養した。膀胱と尿管からの組織学 的に正常な尿路上皮組織は、2名の非膀胱癌患者から得て、顕微鏡下で解剖した 。10細胞系及び膀胱又は尿管の正常な尿路上皮からのトータルのRNAは、「 Total RNA Isolation Reagenu(Advanced Biotechnologies)を用いて調製した。 そのGAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素)RT-PCRは、RN A特性と逆転写酵素反応用のコントロールとして用いた。約2μgのトータルR N Aは、製造者のプロトコルに従いキット(SuperScript Preamplificaion System, Life Technologies)を用いてorigo-dTプライマーによって逆転写した。精製した cDNAは、TE(pH8.0)によって希釈し、且つトータルRNAの100ng又は25ng と同等のcDNAは、25μlの反応容量においてIB3089A又はGAPDH のための鋳型として用いた。IB3089A用のプライマーは、cDNA鋳型か らの232bpフラグメントを与えるエキソン7とエキソン8において設計した 。その配列は、5'-CAACGCACTGCCCGCAAGCTT(センス、nt 1487-1508)と5'-TGTTCC CGCCTATCACGCAGG(アンチセンス、nt 1718-1698)とした。これらのプライマーに 関して、以下のPCR条件下でゲノムDNAから得られたPCR生産物はない。 IB3089ART-PCR用の条件は、1.2mM MgCl2、200μM dNTPs 及び2単位Taqポリメラーゼ(Life Technologies)と共に1x Taqポリメラ ーゼ緩衝液(Life Technologies)中で5分間72℃でのインキュベーションに続 き、4分間95℃、10サイクルの60秒間95℃、60秒間60℃及び90秒 間72℃、次いで25サイクルの60秒間95℃、60秒間55℃及び90秒間 72℃とした。GAPDH遺伝子用のプライマーはまた、455bpフラグメントを 与える多重イントロンに隣接するように設計した。その配列は、5'-CGAGCCACATC GCTCAGACA(センス)及び5'-TGAGGCTGTTGTCATACTTCTC(アンチセンス)とした。GA PDH増幅用の条件は、1.0mM MgCl2、200μM dNTPs及び1単位Taq ポリメラーゼと共に1x Taqポリメラーゼ緩衝液中で5分間72℃でのインキ ュベーションに続き、4分間95℃、30サイクルの60秒間95℃、60秒間 55℃及び120秒間72℃とした。PCR生産物は、2%アガロースゲル中で 電気泳動し、転写緩衝液として0.4N NaOHを用いてナイロン膜(Hybond N+,Am ersham)に転移した。それぞれのブロットは、予期した増幅PCRフラグメント 中に配された、32P-末端標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズし た。内部オリゴヌクレオチドプローブの配列は、5'-CTCTAGGCAGCTGGTGGTTG(IB 3089A,nt 1559-1539)及び5'-GGCTGAGAACGGGAAGCTTG(GAPDH)とした。そのブ ロットは、X線フィルムに曝し、次いでRT-PCR生産物の半定量のためPhosp horImager分析(Molecular Dynamics)にかけた。IB3089AとGAPDH間 の比率を、それぞれのサン プルについて得た。逆転写反応を含む、全ての反応は、少なくとも2度なされ、 且つ全ては、利用可能なRNAの制限された量のみがあり且つ両方の予期したR T-PCRフラグメントがゲノムDNAから増幅されないようにプローブされた ことから、正常な膀胱と尿管RNAサンプルを除いて逆転写酵素の省略によりモ ニターされた。 脱メチル化薬剤処理及びメチル化分析。 5-アザ-2'-デオキシシチジン処理のため、2-5x105細胞を100mm直径の皿上に配 し、18時間1μMの最終濃度で5-アザ-2'-デオキシシチジンに曝した。新鮮な 薬剤と媒体を、42時間後に加えた。トータルRNAは、薬剤処理した及び模擬 処理した細胞サンプルから5-アザ-2'-デオキシシチジンに4日曝した後、抽出し た。IB3089Aの5’領域のメチル化状態のサザン分析のために、ゲノムD NAを、標準方法(Sambrook等,1989)によってTCC細胞(609CR、563 7、353J、SW1710及びT24)及び10の一次TCC試験品から単離 した。10μgのトータルゲノムDNAは、製造者(New England Biolabs)によ って指定された条件下で、BamHI(100単位)又はPvuII(100単位)に続き 、BssHII(100単位)による制限酵素消化を受けさせた。消化物は、1.2%ア ガロースゲル上でサイズ分画し、0.4N NaOHを用いナイロン膜(Hybond-N+,A mersham)上に転移した。膜は、ランダムプライマー法によって32P-dCTP で標識したIB3089 A5’領域プローブによって、5x SSPEを含む緩衝 液中65℃でハイブリダイズした。該5’プローブは、鋳型としてクローンIC RFp507K12270を用いて、312bp cDNAフラグメント(nt57-368)の PCR増幅によって調製した。該プローブは、鋳型として精製した312bp PCR フラグメントを用いた「冷」dCTPなしでの第2PCRの間に、32P-dCT Pの取込みによって標識した。該濾過の最終洗浄条件は、65℃で0.2x SCC) 0.2%SDSとした。 トランスフェクション実験。 DBCCR1遺伝子は、抗体検出を容易にするために小さいエピトープTag HAに結合した該遺伝子により、強力な異種プロモーターの制御下に発現ベクタ ー内に挿入した。この構築は、マウス3T3細胞と内因性DBCCR1(細胞系 5637とEJ)を発現しない2のヒト膀胱腫瘍細胞系を移入するために用いた 。DBCCR1遺伝子の発現とDBCCR1ポリペプチドの免疫組織化学を検査 した。 結果 候補領域の配置 我々は9q上の31ミクロサテライト標識を用いて膀胱と尿管上部の156の TCCsを分析した。これらの腫瘍は、以前の研究(Keen等,1994)において調査 された全ての有益な座でヘテロ接合性の保持を示した26のTCCsを含んだ。 9q上の少なくとも1のLOHは、69(49%)が全ての座でヘテロ接合性の保持 を示したのに対して、156のTCCsの87(56%)中で検出された。77(49 %)の腫瘍は9q上の全ての有益な座でLOHを示した。9q上のLOHのこの 頻度は、この研究が、以前に検査された(Keen等,1994)全ての有益な9q座でヘ テロ接合性の保持を示した26の腫瘍の選択された群を含んでいたことがら、T CCにおける全般的な頻度の過小評価である。もしこれらのケースが含まれない ならば、130のTCCsの86(66%)が9q上の少なくとも1の座でLOHを 示した。10(6%)の腫瘍は9q上で部分的な欠失を示し、その10の腫瘍の5( 3%)は、9q32-33で地図化されるD9S195でLOHを、且つ9q上の 全ての他の有益な座でヘテロ接合性の保持を有した(図1と2)。これら5の腫瘍 はまた、全ての有益な9p21標識でのヘテロ接合性の保持を示し、多重PCR 分析(Williamson等,1995)によって9p21上でホモ接合欠失はない。9q上の 他の5の部分的欠失の結果は、以前に記載されており(Habuchi等,1995)、これ ら5の腫瘍中に標された更なる欠失地図は、欠失した領域の局在化を顕著に狭く しない(データは示さず)。以前の研究に従って、9q上のLOHの存在は、腫瘍 グレードと段階とに有意に関連していなかった。9q上の少なくとも1つの座で のLOHは、21のクレード1TCCsの14(67%)で、56のグレード2TC Csの38(68%)で、及び38のグレード3TCCsの23(61%)で観測された (p> 0.1,カイ-二乗)。段階については、9q上のLOHは、36のTa TCCsの 26(72%)、31のT1 TCCsの16(52%)、及び39のT2又はより高い 段階のTCCsの27(69%)で見出された(p>0.1,カイ-二乗)。おもしろいこと には、D9S195で局在化下LOHを持った5の腫瘍は、低いグレード(グレ ード1又は2)表面的な(Ta又はT1)TCCsとして全てが分類された(図1) 。 この座での腫瘍サプレッサー遺伝子候補の同定のために、我々は欠失した領域 の酵母人工染色体(YAC)コンティーグを構築した。Genethon linkage map(htt p://www.genethon.fr/,1996年3月)は、染色体9の頂部から135cMでD9 S195とD9S2581cM末端からD9S275の両方を配し、且つ他の結合 データはGSN(27,28)に近接するD9S195に配されている。しかしながら 、標識D9S103、D9S258、D9S275、D9S195、D9S30 2及びGSNの正確な順序は、明確に定義していない。我々は、D9S195、 D9S258、及びD9S275に陽性であることが知られるCentre d'Etudes du Polymorphisme Humain(CEPH)(Albertson等,1990)からの10のYACクロー ンを得て、そして分析した。我々はまた、PCRによってD9S195、D9S 258、D9S275、及びD9S302と共にICI YACライブラリー(An and等,1990)をスクリーンし、且つ我々は、D9S195、D9S258、及び D9S275のそれぞれに付いて11,7,及び3の陽性クローンを同定した( 図3)。3つのCEPH YACsは、D9S103とGSNを含んだ他のCEP HYACsを含むことが見出された(図3)。我々は、ICIライブラリーにおい てD9S302を含んでいるYACを見出すことはできなかった。我々は、5の 標識(D9S103、D9S195、D9S258、D9S275、及びGSN) を用いたPCR分析によってYACコンティーグを最初に構築した。YACコン ティーグマップをさらに洗練するため、我々はベクトレット法によって5のクロ ーンから10のYAC-末端フラグメントを単離し、且つ10の配列標識化サイ ト(STSs)を確立した(表1)。これらの新たなSTSsは、チャイニーズハム スターバックグラウンド及び他のYACsにおける完全なヒト染色体9を含む、 ヒト-チャイニーズハムスター卵巣ハイブリッド細胞系GM10611を用いた PCRによって染色体9に地図化した。我々はまた、CEPH YAC 7 65B11中の標識D9S123を同定した。 YACs 755g12、798e3、767h1及び765b11が互いに オーバーラップすることを示す結合データとCEPH YACデータ(http://www .ceph.fr/)を考慮し、得られたYACコンティーグ地図が図3中に示される。我 々のデータは、(セントロメア)-D9S275-D9S195-D9S258-D9 S103-GSN-(テロメア)のようなこれら標識の順であろうことを示し、且つ YAC 908c11は大きな内部欠失を含み得る。しかしながら、もし我々が 内部欠失を有するYACがないと過程すれば、D9S275からD9S103ま での標識の定位(図3)は逆転され得るし、可能性のある順序は(セントロメア)- D9S103-D9S258-D9S195-D9S275-GSN-(テロメア)で ある。何れかのケースにおいて、選択的欠失を持った5つの腫瘍において欠失し た領域のための隣接標識は、D9S258とD9S275である(図3)。たとえ D9S302が結合分析によってD9S195に予め密接に結合したとしても、 この標識は、分析した全てのYACクローンから不在であった。 欠失した領域をさらに明らかにするために、我々は、このYACコンティーグ 地図上の他の公表されたミクロサテライト標識を試みた。Genethon結合データ及 びWhitehead Institute-MIT Genome Center(http://www-genome.wi.mit.edu/,R elease II,1996年10月)からのデータに従って、4のミクロサテライト標識D9 S1841、GGAA-P17524、AFMA239XA9、AFMA239 ZE1は、D9S195に密接して地図化されている。そのYACコンティーグ マップを用い、我々は852e11-Rと9DC8-Rの間にD9S1848を、 814c5-Lと12IBI-Rの間にAFMA239ZE1を、12IBI-L と852e11-Lの間にAFMA239XA9を、及び15HD3-Rと814 c5-Rの間にGGAA-P17524を配した(図3)。これら標識の可能性のあ る順序は、それ故に、(セントロメア)-D9S275-D9S1848-AFMA 239ZE1-D9S195-AFMA239XA9-GGAA-P17524-D 9S258-D9S103-GSN-(テロメア)である(図3)。これらの標識を用 いて、我々は9q32-33で局在した欠失を持った5の腫瘍中の欠失の程度を 分析した(図2と4)。3つの腫瘍(#35,#68,及び#121)は、AFMA 239X A9でヘテロ接合性を保持し、且つ5の腫瘍全てはD9S1848でヘテロ接合 性を保持した。D9S195に加え、LOHは、腫瘍#68と#102中のAF MA239ZEIで検出された。腫瘍#121のみがAFMA239ZE1でヘ テロ接合性の保持を示したことがら、腫瘍サプレッサー遺伝子のためのコンセン サス候補領域は、D9S1848とAFMA239XA9の間である(図4)。こ の領域は単独のYAC(852e11)によって含まれ、且つもしYACが欠失も 再配列もいずれも有していないならば、840kbより小さいであろうと考察さ れる(図3)。 9q32-33での新規遺伝子の同定とcDNA配列。 上記の結果は、9q上の腫瘍サプレッサー座候補の一つが9q32-33で局 在されること及びその臨界的な候補領域は、D9S1848とAFMA239X A9の間であることを示した(図5)。該候補領域は、サイズが840kbである と見積もられる単独のCEPH YAC 852e11に含まれる。この座での腫 瘍サプレッサー遺伝子候補を同定するための最初の試みとして、我々は、YAC コンティーダ地図を用いて領域内に又は近傍に配置した発現した配列標識(ESTs) の存在に付いて探求した。Whitehead Institute/MIT center for Genome Resear chデータベースは、IB3089(GeneBank:T16063)と命名した1のESTが、 YAC 852e11中で陽性であることを示唆する。我々は、EST IB30 89用のプライマーを作製し、PCR分析によってこのESTを9DC8-Rと 814c5-Lの間に配した(図5)。このサイトが腫瘍サプレッサー領域候補内 であることから、IB3089は、良好な候補遺伝子を表す。IB3089のD NA配列(317ヌクレオチド)は、BLASTサーチプログラム(Altschul等,19 90)を用いてGeneBankとdbESTデータベースをサーチするために用いた。該サーチ は、幾つかのESTs(GeneBank:R42707(345nts),T15661(375nts),T15475(35 9nts),AA011030(442nts),Z41452(312nts),F08986(309nts),R40799(214nts) は、このESTとほぼ同一の配列を含むことを示した。我々は、UK Human Genom e Mapping Project Resource Centreからの3のオリジナルcDNA I.M.A.G.E. 共同体(Lennon等,1996)クローン(28122,32205,360922)及びJ.M. Sikela博士からの別な2のオリジナルcDNAクローン(T15475用のIB1328、T15 661用のIB1708)を得た。我々は、これら5のクローンの中の最も長いクローン3 60922の挿入体及びこれらクローン全ての3’末端をシークエンシングした 。そのクローン360922の予備配列分析がこのクローンの5’末端が完全で ないことを示したことから、我々は次いで、PCR-生成プローブIB3089 によって、Resource Center/Primary Database of the German Human Genome Pr oject(Berlin-Charlottenburg,ドイツ)により提供された固定化胎児脳cDNA ライブラリーをスクリーンした。5つの陽性クローンが同定され、且つその最も 長いクローン(ICRFp507K12270)は約3.1kbの挿入物を有した 。このクローンの完全な配列を示した(図6)。この遺伝子の5’末端をさらに特 徴付けするために、胎児脳cDNA(Marathon-Ready cDNA,Clontech)を用いて、 5’cDNA末端の急速増幅(RACE)を実行した。多重5'-RACEクローン の配列分析は、クローンICRFp507K12270の5’への付加の配列情 報の10塩基対のみを与えた(図6)。3'末端で、その最長配列は、クローン2 8122とIB1708から得られ、且つこれらのクローンは、クローンICR Fp507K12270への付加3'cDNA配列の4bpを有した(図6)。そ の全般のcDNA配列は、その後IB3089A(IB3089誘導遺伝子,A) と命名した新規遺伝子を表した。IB3089A遺伝子のcDNA配列は、3,15 8塩基対からなり、88,689の計算された分子量を持った761-アミノ酸の単一長2,2 83ヌクレオチドオープンリーディングフレームを表す。推定上の翻訳開始サイト は、ヌクレオチド419でコザック則(Kozak,1987;Kozak,1991)に従う該サイト周辺 の配列である。意図された開始メチオニンまでの配列5’には3つ全てのオープ ンリーディングフレーム中に停止コドンを有する。BLASTアルゴリズムを用いたG eneBank配列とdbESTと完全なTB3089AcDNAヌクレオチド配列の比較は 、EST IB3089又は相当するクローンの5’末端配列からのESTsと 常に同一となることが示された幾つかのESTsと顕著な相同性を示した。加え て、該サーチは、2の他の3’末端ESTs(H10959とR42933)が領 域スパンニングnt 2330-2790と常に同一であることを示した。これらのEST sは、代替のポリアデニル化サイトを用いてmRNAから誘導され、又 はcDNAライブラリーを構成している人工物によって生成し得る。さらに、該 BLASTサーチは、該nt 1-400と2580-2720は、マウス脳ESTs(GB:W502 33,W64061)と相同性であった(p=3.3e-114及び1.6e-39)。その結果は、 IB3089A遺伝子が、ヒトと齧歯類との間に保存されることを示す。しかし ながら、SwissProtによって予言されたIB3089Aタンパク質のサーチ、Pro Dom(リリースProDom 33)(SonnhammerとKahn,1994)及びBLASTアルゴリズムを用 いたSBASE(Pongor等,1994)データベースは、周知のアミノ酸配列又はドメイン と顕著な相同性はないことを示した。IB3089Aタンパク質配列についての PROSITEデータベース(リリース12.2)(Bairoch,1992)は、7の推定上のN-グリコ シル化サイト4の推定上のN-ミリストイル化サイト及び30の推定上のホスホリ ル化サイトを幾つかのプロテインキナーゼによって同定した。これは、該タンパ ク質が分泌された又は原形質膜タンパク質をコードし得ることを示した。 IB3089Aのゲノム構造と一次TCCs中の変異分析。 クローンTCRFp507K12270のほぼ完全長挿入物は、BamHIで 消化したブロット化YAC(852e11、9DC8及び15HD1)DNAsと ハイブリダイズした。この配列は852e11、9DC8及び15HD1とハイ ブリダイズした。IB3089Aの3’末端を表すESTIB3089が、9D C8-Rと814c5-Lの間に配置されることから、該遺伝子の5’末端は3’ 末端にテロメアを局在化することを考慮される(図5)。この結果は、メチル化分 析用に後で用いた特異的5’プローブ(nt 56-368)とのハイブリダイゼーション によって確認した。このプローブが同一のバンドサイズを持つYACs 852 e11、9DC8及び15HD3とハイブリダイズしたことがら、IB3089 Aの5’末端はSTSs 15HD3-Lと9DC8-L間に配されると考察した 図5)。5の9DC8 YACベクトレットライブラリーからのベクトレット法を 用いたPCR増幅及び配列分析は、長さにおいて106bpから1595bpま での8のエキソンを同定した(表3)。開始コドンはエキソン2中に配される。次 に我々は、ゲノムDNAからIB3089Aのコード化配列の全てを増幅するた めのプライマーペアの10のセットを作製した(表3)。これらのプライマーを用 い、我々は一本鎖コンホメーション多型性(SSCP)分析を用いて変異のために 9q32-33でLOHを示した膀胱の40の一次TCCsをスクリーンした。 これらの腫瘍は、上述した9q32-33で局在した欠失を伴う5の腫瘍を含ん だ。たとえ幾つかの変異体バンドが検出されたとしても、これら全ての変異体バ ンドは、正常な(末梢血液)DNAと腫瘍DNAの両方の続く配列分析によって正 常な配列多型性となると見なされる。同定した多型性は、9/40(22.5%)ケー スでのT1036C(Ser対Ser)、1/40(2.5%)ケースでのC2044A (Ile対Ile)及び1/40(2.5%)ケースでのT2642C(Leu対Leu) であった。一次膀胱癌において存在する何れかのゲノム構造的改変又はホモ接合 欠失かどうかを調べるために、我々は、TaqI又はBamHIのいずれか一方 で消化した46の対合した正常な及び腫瘍DNAにおいてサザンブロット分析を 実行した。46サンプルの22はまた、記載した通りSSCPによって変異につ いても分析した。プローブとしてクローンICRFp507K12270の挿入 フラグメントを用いたサザンブロット分析は、これら46の腫瘍中に変異体バン ドもホモ接合欠失も無いことを示した(データは示さず)。 膀胱癌中のDBCCR1遺伝子のホモ接合欠失 より最近、我々は、DBCCR1の領域中の両方の対立遺伝子の欠失を示す膀 胱癌を同定している。ホモ接合欠失を検出するため、我々は、欠失の臨界領域中 に配するためのプライマーと、関係のある該腫瘍中にLOHを示さない8p上の 座用のプライマーを用いて二重PCRを実行した。制限した数のPCRサイクル を用いて、ホモ接合欠失は、制御プライマーから及び一つの対立遺伝子を保持し た領域中の標識からの強いシグナルと比較してヘテロ接合性の明確な保持を示し ている弱いシグナルとして同定した。このアプローチ(Williamson等,1995)を用 いて、我々はD9S275とD9S258間の間隔までのホモ接合欠失の領域を 地図化した。ホモ接合欠失は、腫瘍サプレッサー遺伝子が直ぐ近くにあることを 強く示し、且つ我々の作業がホモ接合欠失のこの領域内にDBCCR1以外の遺 伝子のないことを示していることがら、これはDBCCR1が臨界的な遺伝子で あることの付加の証拠を提供した。 正常組織と膀胱癌細胞中のIB3089Aの発現。 我々は、正常な組織と膀胱癌細胞における1B3089A遺伝子の発現を調査 した。各種の異なるヒト組織からのmRNAsを用いたノーザンブロット分析は 、複数の組織(心臓、脳、肺、骨格筋、腎臓、胸腺、前立腺、精巣、小腸)におい てサイズで3.0-3.5kbに一致する単独の主バンドを検出した(図7)。顕著に高い 発現は、脳組織において検出され、且つマイナーな8.5kbバンドが優勢な3.0-3.5 kbバンドと一緒に観測された(図7)。主バンドのサイズがここに表した3.2kb I B3089A cDNA配列に一致することから(図6)、該cDNA配列は完全 長であると見なされる。脳におけるマイナー8.5kbシグナルは、類似の配列又は 副次的にスプライスされたmRNA又は代替プロモーターの使用又は代替のポリ アデニル化サイトを持った異なる遺伝子に由来し得る。 我々は次に、ノーザン分析により5の膀胱癌細胞系(253J、5637、R T4、UMUC-3、609CR)におけるmRNA発現を評価した。それぞれの サンプル中ポリ(A)+mRNAの2μgローディングによって、我々は、IB3 089Aが膀胱癌細胞において発現しないか又は非常に低いレベルで発現するこ とを示すことで、これらの細胞系において何れかの予期されるバンドを検出でき なかった(データは示さず)。mRNA発現分析の感度を増すために、我々は10 の膀胱癌細胞系と膀胱及び尿管からの正常な尿路上皮中のTB3089AのRT -PCR分析を実行した。予備のRT-PCR分析が、その発現レベルが電気泳動 したPCR生産物の臭化エチジウムによって評価するのに不十分であったことか ら、我々はPCR生産物のサザンブロットハイブリダイゼーションを実行した。 RT-PCR生産物と32P-標識内部特異的オリゴヌクレオチドプローブのサザン ハイブリダイゼーションは、IB3089Aが、正常な尿路上皮、膀胱癌細胞系 253J、SW1710、J82、UM-UC-3及びRT112(図8)において 発現することを明らかにした。たとえ厳密な定量でなくとも、SW1710と2 53J中の発現は、正常な尿路上皮におけるよりもより高く、且つRT112に おいて低かった。発現は、該ブロットがより長い間曝された場合、又はPCRの 40サイクルを用いた場合ですら、5の膀胱癌細胞系(5637、T24、RT 4、SCaBERと609CR)中で検出されなかった(図8)。これらの結果は 、IB3089Aの発現が膀胱癌細胞中で度々ダウンレギュレーションされ又は 無徴候化されることを示した。 IB3089Aのメチル化及び脱メチル化剤によるIB3089A発現の誘導。 幾つかの腫瘍サプレッサー遺伝子の5’末端に近いCpG島の異常な高度メチ ル化がそれの不活性化のためのメカニズムの一つであることが提案されている( 再考のためにJones,1996)。IB3089Aの5’領域の広範なゲノム配列デー タが得られていないとしても、少なくとも368bp第1エキソンは、エキソン1が6 6.6%G+C含量(>50%)を有し且つ観測した/予期したCpGジヌクレオチド比 が0.91(>0.6)であることから、Gardiner-GardenとFrommer(Gardiner-Garden とFrommer,1987)により定義されたCpG島のための基準に従う。それ故に、我 々は、1B3089Aの減じられた発現がこのCpG島の高度メチル化によりも たらされた可能性を研究した。膀胱癌細胞系と膀胱の10の一次TCCsを調査 した。エキソン1は、CpG島の特徴でもある単一BssHIIサイト(nt 37-4 2,図6)を含む(LindsayとBird,1987)。我々は、この酵素がCpGメチル化感受 性であることがら、BssHIIサイトのメチル化状態を試験した。我々は、該 BssHIIサイトの3’側にハイブリダイズする312bpエキソン1特異的プロ ーブ(nt 57-368)を調製した(図9)。YACsを用いた制限地図分析は、エキソ ン1中のBssHIIサイトから0.6kbでイントロン1中に別なBssHIIサ イトがあること、及びこれら2のBssHIIサイトは、1.7kb BamHIフラ グメントの中に両方とも配されることを示した(図9A)。正常な組織におけるB amHIとBssHIIによる共-消化は、1.7kbバンドの完全な消失を伴う主0. 6kbバンドを与えた(図9)。しかしながら、該0.6kbバンドは5の膀胱癌細胞系の 3つで検出されず、且つ付加の2のバンド(1.0kbと1.3kb)は、全ての細胞系にお いて1.7kbバンドの保持の度合いを変えることで視覚化された。(図9B)。2の BssHIIサイトのメチル化状態は、該サイトが常にメチル化されない非発現 細胞系5637であり且つ両方のサイトが発現細胞系253J中でメ チル化されたことから、IB3089Aの発現レベルと完全に相関していない、 10の一次TCCsのうち3(30%)は、1.7kbバンドの保持及び1.0kbと1.3kbバ ンドの存在を伴うこれらのサイトの明白な高度メチル化を示し、別の腫瘍はサイ ズにおいて1.0kbと1.3kbを持つ弱いバンドを示した(図9B)。その結果は、これ ら2のBssHIIサイトが、膀胱細胞系及び一次TCCsにおいて度々高度メ チル化されることを示した。さらに、該1.0kbと1.3kbバンドは、これらのBss HIIサイトが正常細胞の小フラクションにおいてメチル化され得ることを示す ように、全ての正常細胞において微かに視覚化された(図9B)。これらのバンド が過負荷量のDNAを持った幾つかの一次TCCサンプルにおいて視覚化されな いことから、これらのバンドは、BssHIIによる部分消化に由来するとは思 えない(図9B、レーン6を参照)。それ故に、例えば結腸粘膜中のエストロケン レセプター遺伝子において、観測された老化-関連高度メチル化があり得るであ ろう(Issa等,1994)。これらの結果はまた、負荷のBssHII消化をした又は しない正常な組織と膀胱癌細胞系においてPvuII消化により確認された。 我々は次いで、1B3089A新規発現が、メチル化インヒビタ-5-アザ-2'- デオキシシチジンの存在において、非発現化細胞系を培養することにより得るこ とができるかどうかを試験した。IB3089A発現の誘導は、該薬剤に4日間 曝した後、3つ全ての細胞系において観測された(図10)。かくして、脱メチル 化は、IB3089A発現の無症候化を緩めるために十分であると見なした。こ の結果は、該遺伝子の高度メチル化-関連無症候化の関わり合いをさらに裏付け る。 DBCCR1のプロモーター配列 DBCCR1を含んでいるコスミドクローン50A8は、YAC 9DC8の 左腕から得られたプローブにより染色体9コスミドライブラリーLL09NCO 1Pをスクリーニングすることによって同定した。DBCCR1のプロモーター 配列は、転写開始サイトの直ぐ上流のコスミドをシークエンシングすること、c DNA配列から得られたアンチセンスプライマーを初めに用いること及び新たな 配列から得たプライマーを続いて用いることによって決定した。1632bpのこのプ ロモーター配列は、図11中に示される。 移入実験。 DBCCR1遺伝子を含んでいる哺乳動物発現構築物によるSwiss CT3細胞及 びヒト膀胱腫瘍細胞系5637及びEJの移入は、ベクター単独で移入した細胞 に対する比較として、安定な移入体コロニーの数とサイズにおける顕著な減少に 至った。DBCCR1によって移入した後に得られた該コロニーは、過剰発現、 例えば増殖抑制の原因となる場合、DBCCR1が負の調節機能を有することを 示すように、非常に制限された増殖能力を示した。検出抗体についての免疫組織 化学は、該遺伝子生産物の細胞質局在化を示した。 考察 TCC中の全ての有益な座でモノソミー又はLOHの頻繁な発生は、染色体9 上の複数の腫瘍サプレッサーの不活性化が、TCCsの発生と進行の間に生じ得 ることを示す。この理論の裏付けにおいて、本発明者らによる及び少なくとも2 の腫瘍サプレッサー座、9q13-31での一方と9q34での他方が示されて いるSimoneau等の新しい研究は、9p21でのそれに加えて染色体9上に存在す る。上記の結果は、この領域においてTCCのための別な腫瘍サプレッサー座候 補の存在を示すように、9q32-33で局在した欠失を持った5の腫瘍を示す 。たとえこの位置で局在した欠失の頻度が高くない(3%)としても、この領域中 に重要な腫瘍サプレッサー遺伝子の存在を予測するための幾つかの理由かある。 第1に、TCCにおける幾つかの欠失地図研究からの蓄積されたデータは、た とえ9q34又は9q13-31で局在化した欠失が低頻度で見出されるとして も、9q上の部分欠失がこの領域を大部分包含することを示している。これまで に、我々は9q上に部分的欠失を持つ13のTCCsを見出しており、且つ単一 の腫瘍のみにおいて該欠失がこの研究において定義した領域に含まない。 第2に、染色体9の長い腕を含んでいるLOHがTCCsの50%以上で見出 されることから、9q32-33での腫瘍サプレッサー及び/又は9q上の他の 腫瘍サプレッサーの不活性化は、9qの全体におけるLOHを持つTCCsの実 際の部分において発生し得る。さらに、膀胱癌細胞への正常な染色体9のミクロ 細胞-介在転移のこれまでの研究もまた、9q上に1以上の腫瘍サプレッサー座 の存在を、且つ候補領域の一つがこの研究において定義した領域を包含すること をも示す。おもしろいことには、9q32-33で局在した欠失を持った5の全 てのTCCsは、外見上低いグレードの腫瘍であった(図1)。我々がこれらの腫 瘍においてp16とp15を配列化していないとしても、これらの腫瘍の全ては 、9p21でヘテロ接合性の保持を及び多重PCR分析によってホモ接合欠失の ないことを示した。従って、9q32-33上に位置した腫瘍サプレッサーの不 活性化が染色体9上の他の腫瘍サプレッサーの不活性化なしにこれらの外見上低 グレード腫瘍において時折発生することがあり得る。しかしながら、遺伝子9又 はモノソミー9上の全ての座でLOHが低グレード低段階TCCsで一様に度々 見出されることから、これはまれな出来事であると思える。本出願において同定 した遺伝子を含む、染色体9上の全ての関連のある腫瘍サプレッサーの同定は、 TCCの発生と進行において染色体9の部分的な又は全てのヘミ接合の欠如の役 割を明らかにするために要求されるであろう。 LOH包含9qは、頭部と首の扁平上皮癌(Ah-See等,1994)、皮膚の扁平上皮 癌(Quinn等,1994)、卵巣癌(Schultz等,1995,Devlin等,1996)、腎細胞癌(Cairns 等,1995)及び食道癌(Miura等,1995)を含む他のタイプのヒトの癌において報告 されている。これらの他の癌において報告された局在して欠失した領域が、ここ に記載した9q32-33での領域を包含する。卵巣癌における腫瘍サプレッサ ー座候補の一つは、この領域を包含する、9q32でのHXBと9q34.1で のASS1の間に配置されている(Schultz等,Devlin等)。HXBに対するテロ メア及び9q22.1−32でのD9S127に対するテロメアの部分欠失は、 腎細胞癌及び頭部と首の扁平上皮癌においてそれぞれ報告されている(Ah-See等 、Cairns等)。食道癌における腫瘍サプレッサー座候補が、ここに報告された領 域と別個であることが報告される9q32-33で地図化していたとしても、食 道癌中の多くの部分欠失もまた、9q32-33でその領域を含む。 本発明はまた、先に定義した9q32-33で腫瘍サプレッサー領域候補内に 配置された、新規遺伝子、IB3089Aを同定している。9q32-33で包 含されているLOHがTCCのほぼ60%で検出されることから、遺伝子生産物 の不活性化に至る体細胞変化又は変異は、もし該遺伝子がこの座でLOHのため の標的であるならば、TCCsのかなりの割合で予期され得る。今日まで、幾つ かの腫瘍サプレッサー遺伝子が位置クローン化によって同定されており、且つ各 種の腫瘍の一定のパーセンテージで変異したこと又はホモ接合性の欠失したこと が示されている。しかしながら、我々は、9q32-33でLOHを持った40 の一次TCCsにおけるSSCP分析によって何れかの体細胞変異を検出できな かった。我々は、我々の変異スクリーニングにおいて幾つかの多型性を同定でき たことから、我々が40のTCCsにおいてかなりの数の体細胞変異を損なった とは思われない。46のTCCsのサザーン分析において異常な知見の無いこと を示しているさらなる結果を考慮すれば、我々はXB3089AがTCC中の両 方の対立遺伝子への体細胞変異又は全体の遺伝的変化の標的でない又は希である と推論する。 DNAメチル化のパターンの変化は、広範なヒトの癌における一貫した分子変 化として認識されている(再考のためJoncs,1996)。最近、蓄積している証拠は、 遺伝子の5’調節エリア内又は周囲のCpG島の異常な高度メチル化が、腫瘍サ プレッサー遺伝子の不活性化メカニズムの一つであることを示唆する。p15(H erman等,1996)、エストロゲンレセプター(Issa等,1994)及びE-cadherin(Yoshi ura等,1995)のような論争上の腫瘍サプレッサー遺伝子、同じく定義の明確な腫 瘍サプレッサー遺伝子、Rb(Greger等,1989;Sakai等,1991)、VHL(Herman 等,1994)及びp16(Merlo等,1995;Herman等,1995;Gonzalez-Zulueta等,1995 )の異常なメチル化と無症候化が報告されている。 CpG島は一般に、不活性なX-染色体遺伝子又は刻印した遺伝子がなければ 、体細胞中でメチル化無しを保持する(CrossとBird,1995;Jones,1996)。この 役割の了解において、TB3089Aのエキソン1及びイントロン1中のBss HIIサイトは、IB3089AのCpG島が正常な尿路上皮トランジション細 胞を含んでいる正常な体細胞においてメチル化されていないことを指示する、正 常 なヒト胎盤と末梢血液においてほぼ全体的にメチル化されていなかった。エキソ ン1とイントロン1中のBssH11サイトの部分的な又は完全な高度メチル化 は、試験した5の膀胱細胞系及びIB3089Aの発現段階の無関係な変化の度 合いを持つ10の一次TCCsの4(40%)で観測された。これらの結果は、IB 3089Aの5’領域が膀胱癌における異常な高度メチル化用の頻発標的である ことを示唆する。 癌におけるLOH用の幾つかのホットスポットもまた、異常な高度メチル化用 の頻発標的であるとの記録に興味が持たれる(de Bustros等,1988;Nagatake等 ,1996;MacGrogan等,1996)。その会合は、それぞれの腫瘍サプレッサー領域候 補における標的腫瘍サプレッサー遺伝子の無症候化する遺伝子を表示し得る。そ の他に、その結果は、CpG島の高度メチル化が、その領域に含まれているLO Hを誘導するであろう該領域の局在したゲノム不安定性を誘導し得る可能性を生 じさせる。エキソン1とイントロン1中のBssHIIのメチル化状態がIB3 089A mRNAの発現と完全に相関しないとしても、それは、mRNA再発 現が非発現化膀胱癌細胞系における5-アザ-2'-デオキシシチジン処理によって誘 発されたことから、IB3089A調節領域の幾つかのCpGサイトの高度メチ ル化によってもたらされたことを示唆する。イントロン1中のBssHIIサイ トの存在は、IB3089Aのエキソン1のCpG島がエキソン1に3’延長し たことを示す。膀胱癌細胞系においてIB3089A発現状態と2のBssHI Iメチル化状態の間の不一致は、これら2つのBssHII以外のCpGサイト の高度メチル化が、発現の抑圧のために臨界となり得ることを示す。ここに決定 したプロモーター配列は、メチル化され得る且つ発現との関係のより明確な切断 を示し得る多くのCpGジヌクレオチドを含む。 IB3089Aが成人の脳において優先的に発現され且つIB3089Aの一 致するESTs又はcDNAクローンの全てが胎児又は乳児脳又は成人網膜cD NAライブラリーから生じたように、その主フラクションの一つは、ニューロン の活性において重要となり得る。軸索ガイダンスに要求されるnetrinレセプター をコードする(Keino-Masu等,1997)、結腸直腸の腫瘍サプレッサーDCC(Hedrie k等,1994)に似ている、IB3089Aタンパク質は、神経細胞と非神経細胞の 両方において重要な機能を有し得る。 要するに、我々は、9q32-33で膀胱癌-腫痘サプレッサー領域において、 新規遺伝子、IB3089Aを同定している。IB3089Aの発現は、インビ トロでの膀胱癌細胞中で度々ダウンレギュレーションし、かくして脱メチル化剤 による処理によって逆転できる。我々の結果は、膀胱癌細胞系及び膀胱腫瘍にお けるIB3089A発現のダウンレギュレーションが該遺伝子の5’領域の高度 メチル化のためであることを示す。これらの知見は、この領域中の欠失及び/又 は高度メチル化と関連したヒトの癌の他のタイプに適用され得る。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年7月27日(1999.7.27) 【補正内容】 請求の範囲 1. 図6中に記載されたヌクレオチド配列、又はそれの対立遺伝子を含む単離 した核酸分子。 2. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている ヌクレオチド配列を含む単離した核酸分子。 3. T1036C,C2044A及びT2642Cからなる群から選択される 1又はそれ以上の多型性を含む請求項1又は2記載の核酸分子。 4. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドと80%配列同一 性を有するポリペプチドをコードしている単離した核酸分子。 5. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドの活性部分又は誘 導体であるポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離した核酸 分子。 6. 図6中に記載したヌクレオチド配列のフラグメント、染色体9ライブラリ −LL09NC01Pからのコスミドクローン50A8で定義したDBCCR1 遺伝子の転写開始サイトの直接上流の1632bpプロモーターのフラグメント 、該フラグメントは、全てがGeneBankから利用可能なIB3089,R 42707,T15661,T15474,AA011030,Z41452, F08986,R40799,H10959,R42933,W50233,W 65061,AA319716,AA326334,AA011152,HI1 0958,又はG23433からなる群から選択されるESTでないという条件 で、長さにおいて20ヌクレオチドより大きい、を含む単離した核酸分子。 7. 請求項6に記載したDBCCR1プロモーター領域のヌクレオチド配列を 含む単離した核酸配列。 8. DBCCR1プロモーター領域が、リポーター遺伝子に操作可能に結合さ れる請求項7記載の核酸分子。 9. DBCCR1プロモーター領域が、請求項1から5のいずれか1項記載の 核酸配列に操作可能に結合される請求項7記載の核酸。 10. 請求項1から9のいずれか1項記載の核酸分子を含む発現ベクター。 11. 請求項10記載のベクターによって形質転換した宿主細胞。 12. 請求項1から5のいずれか1項記載の核酸を含んでいる発現ベクターに よって形質転換した宿主細胞を培養することを含むDBCCR1ポリペプチドの 製造方法。 13. DBCCR1ポリペプチドを回収する工程を更に含む請求項12記載の 方法。 14. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドを含む単離 したポリペプチドである物質。 15. 図6中に記載されたアミノ酸配列と80%以上の同一性を有している単 離したポリペプチドである物質。 16. 図6中に記載された配列を有しているDBCCR1ポリペプチドの誘導 体又は対立遺伝子であるポリペプチドである物質。 17. 図6中に記載されたアミノ酸配列との配列同一性を有している7以上の 近接アミノ酸を有するDBCCR1ポリペプチドのフラグメントである物質。 18. 図6のアミノ酸配列を有しているDBCCR1ポリペプチドの活性部分 である物質。 19. カップリングパートナーに結合される請求項14から18のいずれか1 項記載の物質。 20. カップリングパートナーが、エフェクター分子、標識、薬剤、毒素、担 体又は搬送分子である請求項19記載の分子。 21. 内科療法の方法において使用するための請求項1から9のいずれか1項 記載の核酸分子。 22. 癌の治療のための医薬の調製のための請求項1から5のいずれか1項記 載の核酸分子の使用。 23. 核酸分子が、生物学的に活性なDBCCR1ポリペプチドを生産する細 胞の集団において発現される請求項22記載の使用。 24. ウイルスベクターが、細胞の集団に核酸を届けるために使用される請求 項22記載の使用。 25. DBCCR1ポリペプチドが、細胞増殖を抑制する生物学的活性を有す る請求項22又は23記載の使用。 26. 細胞の集団が、腫瘍細胞である請求項22から25のいずれか1項記載 の使用。 27. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌又は 卵巣癌である請求項22から26のいずれか1項記載の使用。 28. 内科療法の方法において使用するための請求項14から20のいずれか 1項記載のポリペプチド。 29. 癌の治療のための医薬の調製における使用のための請求項14から20 のいずれか1項記載のポリペプチドの使用。 30. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌又は 卵巣癌である請求項29記載の使用。 31. 請求項14から20のいずれか1項記載のDBCCR1ポリペプチドに 特異的に結合することができる抗体。 32. ポリペプチドに特異的に結合することができる抗体の調製において請求 項14から20のいずれか1項記載のポリペプチドの使用。 33. 製薬的に許容される担体と結合して請求項1から9のいずれか1項記載 の核酸分子を含む製薬組成物。 34. 製薬的に許容される担体と結合して請求項14から20のいずれか1項 記載のDBCCR1ポリペプチドを含む製薬組成物。 35. 膀胱癌に罹った患者において図6中に記載された核酸配列を有している DBCCR1遺伝子の発現を増加するための医薬の調製のためのメチル化インヒ ビターの使用。 36. メチル化インヒビターが、メチル化インヒビタ-5-アザ-2'-デオキシ シチジンである請求項36記載の使用。 37. 患者におけるDBCCR1遺伝子の不活性化を測定する方法であり: 請求項6中に定義したDBCCR1プロモーター領域及び/又は図6中に記載 された配列を有しているDBCCR1核酸を含む核酸サンプルを患者から得るこ と;及び その核酸のメチル化の程度を測定すること、ここで該核酸の高度メチル化はD BCCR1遺伝子の不活性化を示す、 を含む方法。 38. その方法が、癌に対する患者の腫瘍又は疾病素質の存在についてDBC CR1遺伝子の不活性化を相互に関係付ける更なる工程を含む請求項37記載の 方法。 39. 核酸のメチル化が、メチル化感受性シングルヌクレオチドプライマー延 長(Ms-SNuPE)を用いて測定される請求項37または38記載の方法。 40. 核酸のメチル化が、サザン分析に続いて、メチル化感受性制限酵素によ る消化によって測定される請求項37又は38記載の方法。 41. 核酸のメチル化が、核酸のPCR増幅に続いてメチル化感受性制限酵素 による消化によって測定される請求項37又は38記載の方法。 42. 核酸が、ウラシルに変換される核酸サンプル中の非メチル化シトシンを 生じるように亜硫酸水素塩によって処理され、且つ亜硫酸水素塩処理した核酸が PCRによって増幅される請求項37又は38記載の方法。 43. 増幅した核酸のメチル化の程度が、制限酵素消化によって又はPCR生 産物のシークエンシングによって測定される請求項42記載の方法。 44. 癌が、9q32-33を含んでいるヘテロ接合性の欠如と関係している 請求項37から42のいずれか1項記載の方法。 45. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道癌及び/又は卵巣 癌である請求項44記載の方法。 46. DBCCR1遺伝子の不活性化の程度を測定する方法であり、患者から の生物学的サンプルを使い、かつ: (a)患者からのサンプルにおいて、DBCCR1遺伝子によってコードされ 且つ図6中に記載されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドの発現のレベル を測定すること;及び/又は; (b)患者からのサンプルにおいて、図6中に記載された核酸配列を有してい るDBCCR1核酸又は図6中に定義したDBCCR1プロモーター領域の5’ 末端が高度メチル化されているかどうかを測定すること;及び/又は、 (c)患者からの核酸サンプルにおいて、少なくとも1のDBCCR1対立遺 伝子の全部又は一部が欠失されているかどうかを測定すること; ここで、DBCCR1遺伝子の不活性化は癌に対しての患者の腫瘍又は疾病 素因の存在を示す、 を含む方法。 47. (c)に基づく測定がサザンブロッティング又は定量的二重PCRを用 いて評価される請求項46記載の方法。 48. 生物学的サンプルが、血液、血漿、血清、組織サンプル、腫瘍サンプル 、唾液又は尿である請求項46又は47記載の方法。 49. DBCCR1遺伝子又は図6中に記載した遺伝子によってコードされた ポリペプチド中の変異体を検出するための方法であり: (a)患者からのサンプルが変異体を含むかどうかを測定するために、DBC CR1核酸配列とサンプル中の核酸の配列とを比較すること;又は、 (b)DBCCR1遺伝子によってコードされたポリペプチドの患者からのサ ンプル中の存在を測定すること及び、もし存在するなら、そのポリペプチドが完 全長であるか、及び/又は変異しているか、及び/又は通常レベルで発現される かどうかを測定すること;又は、 (c)制限酵素が通常のDBCCR1遺伝子又はそれの周知の変異体から得ら れる制限パターンを持った患者からの核酸サンプルを切断する場合、生成した制 限パターンを比較するためにDNAフィンガープリンティングを用いること;又 は、 (d)DBCCR1核酸配列(通常の配列か又は周知の変異した配列のいずれ か一方)に結合することができる特異的結合メンバーを用いること、該特異的結 合メンバーは、DBCCR1配列とハイブリダイズ可能な核酸、又は自然又は変 異したDBCCR1核酸配列又はそれによってコードされたポリペプチドに特異 性を有する抗体領域を含む物質を含み、該特異的結合メンバーは、その結合パー トナーへの該特異的結合メンバーの結合が検出可能となるように標識されている ;又は、 (e)患者からのサンプル中の通常の又は変異したDBCCR1遺伝子をスク リーンするために、通常の又は変異したDBCCR1遺伝子配列に基づいた1又 はそれ以上のプライマーを含んでいるPCRを用いること、 を含む方法。 50. DBCCR1ポリペプチドの生産を活性化することができる化合物をス クリーニングする方法であり、該方法は請求項6に記載したプロモーターの官能 部を含む核酸構築物を用い、そのプロモーターは検出可能なシグナルを生産する ことができるリポーター遺伝子に操作可能に結合され、候補の化合物に該構造物 をさらすこと、及びリポーター遺伝子によって生産されたシグナルを検出するこ とを含む方法。 51. DBCCR1核酸配列の全部又は一部を増幅するためのポリメラーゼ連 鎖反応において使用するためのプライマーの設計において図6中に記載した核酸 配列又は請求項6記載のプロモーター配列の使用。 52. 表3中に記載したプライマーを利用する請求項51記載の使用。 53. 癌の発生を抑制する及び/又は患者中に存在している癌のサイズ又は程 度を減じる方法であり、請求項1から9のいずれか1項記載の核酸分子又は請求 項10記載の発現ベクターの治療的有効量を患者に投与することを含む方法。 54. 癌が膀胱癌である請求項53記載の方法。 55. 発現ベクターがウイルスベクターである請求項52記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/12 A61P 17/00 15/00 35/00 17/00 C07K 14/47 35/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/53 M C12P 21/02 A61K 35/76 C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/53 5/00 A // A61K 35/76 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 羽淵 友則 京都府京都市左京区聖護院川原町54 京都 大学医学部泌尿器科

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 図6中に記載されたヌクレオチド配列、又はそれの対立遺伝子を含む単離 した核酸分子。 2. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードしている ヌクレオチド配列を含む単離した核酸分子。 3. T1036C,C2044A及びT2642Cからなる群から選択される 1又はそれ以上の多型性を含む請求項1又は2記載の核酸分子。 4. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドと80%配列同一 性を有するポリペプチドをコードしている単離した核酸分子。 5. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有するポリペプチドの活性部分又は誘 導体であるポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離した核酸 分子。 6. 核酸分子が、全てがGeneBankから利用可能なIB3089,R4 2707,T15661,T15474,AA011030,Z41452,F 08986,R40799,H10959,R42933,W50233又はW 65061からなる群から選択されるESTでないという条件で、長さにおいて 20ヌクレオチドより大きい図6又は図11中に記載したヌクレオチド配列のフ ラグメントを含む単離した核酸分子。 7. 図11中に記載されたDBCCR1プロモーター領域のヌクレオチド配列 を含む単離した核酸配列。 8. DBCCR1プロモーター領域が、リポーター遺伝子に操作可能に結合さ れる請求項7記載の核酸分子。 9. DBCCR1プロモーター領域が、請求項1から5のいずれか1項記載の 核酸配列に操作可能に結合される請求項7記載の核酸。 10. 請求項1から9のいずれか1項記載の核酸分子を含む発現ベクター。 11. 請求項10記載のベクターによって形質転換した宿主細胞。 12. 請求項1から5のいずれか1項記載の核酸を含んでいる発現ベクターに よって形質転換した宿主細胞を培養することを含むDBCCR1ポリペプチドの 製造方法。 13. DBCCR1ポリペプチドを回収する工程を更に含む請求項12記載の 方法。 14. 図6中に記載されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドを含む単離 したポリペプチドである物質。 15. 図6中に記載されたアミノ酸配列と80%以上の同一性を有している単 離したポリペプチドである物質。 16. 図6中に記載された配列を有しているDBCCR1ポリペプチドの誘導 体又は対立遺伝子であるポリペプチドである物質。 17. 図6中に記載されたアミノ酸配列との配列同一性を有している7以上の 近接アミノ酸を有するDBCCR1ポリペプチドのフラグメントである物質。 18. 図6のアミノ酸配列を有しているDBCCR1ポリペプチドの活性部分 である物質。 19. カップリングパートナーに結合される請求項14から18のいずれか1 項記載の物質。 20. カップリングパートナーが、エフェクター分子、標識、薬剤、毒素、担 体又は搬送分子である請求項19記載の分子。 21. 内科療法の方法において使用するための請求項1から9のいずれか1項 記載の核酸分子。 22. 癌の治療のための医薬の調製のための請求項1から5のいずれか1項記 載の核酸分子の使用。 23. 核酸分子が、生物学的に活性なDBCCR1ポリペプチドを生産する細 胞の集団において発現される請求項22記載の使用。 24. ウイルスベクターが、細胞の集団に核酸を届けるために使用される請求 項22記載の使用。 25. DBCCR1ポリペプチドが、細胞増殖を抑制する生物学的活性を有す る請求項22又は23記載の使用。 26. 細胞の集団が、腫瘍細胞である請求項22から25のいずれか1項記載 の使用。 27. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌又は 卵巣癌である請求項22から26のいずれか1項記載の使用。 28. 内科療法の方法において使用するための請求項14から20のいずれか 1項記載のポリペプチド。 29. 癌の治療のための医薬の調製で使用するための請求項14から20のい ずれか1項記載のポリペプチドの使用。 30. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道の扁平上皮癌又は 卵巣癌である請求項29記載の使用。 31. 請求項14から20のいずれか1項記載のDBCCR1ポリペプチドに 特異的に結合することができる抗体。 32. ポリペプチドに特異的に結合することができる抗体の調製において請求 項14から20のいずれか1項記載のポリペプチドの使用。 33. 製薬的に許容される担体と結合して請求項1から9のいずれか1項記載 の核酸分子を含む製薬組成物。 34. 製薬的に許容される担体と結合して請求項14から20のいずれか1項 記載のDBCCR1ポリペプチドを含む製薬組成物。 35. 図6中に記載された核酸配列を有しているDBCCR1遺伝子の発現を 増加するための医薬の調製のためのメチル化インヒビターの使用。 36. メチル化インヒビターが、メチル化インヒビター5-アザ-2'-デオキシシ チジンである請求項36記載の使用。 35. 患者におけるDBCCR1遺伝子の不活性化を測定する方法であり: 図11中に記載された配列を有しているDBCCR1プロモーター領域及び/ 又は図6中に記載された配列を有しているDBCCR1核酸を含む核酸サンプル を患者から得ること;及び その核酸のメチル化の程度を測定すること、ここで該核酸の高度メチル化はD BCCR1遺伝子の不活性化を示す、 を含む方法。 36. その方法が、癌に対する患者の腫瘍又は疾病素質の存在についてDBC CR1遺伝子の不活性化を相互に関係付ける更なる工程を含む請求項35記載の 方法。 37. 核酸のメチル化が、メチル化感受性シングルヌクレオチドプライマー延 長(Ms-SNuPE)を用いて測定される請求項35または36記載の方法。 38. 核酸のメチル化が、サザン分析に続いて、メチル化感受性制限酵素によ る消化によって測定される請求項35又は36記載の方法。 39. 核酸のメチル化が、核酸のPCR増幅に続いてメチル化感受性制限酵素 による消化によって測定される請求項35又は36記載の方法。 40. 核酸が、ウラシルに変換される核酸サンプル中の非メチル化シトシンを 生じるように亜硫酸水素塩によって処理され、且つ亜硫酸水素塩処理した核酸が PCRによって増幅される請求項35又は36記載の方法。 41. 増幅した核酸のメチル化の程度が、制限酵素消化によって又はPCR生 産物のシークエンシングによって測定される請求項40記載の方法。 42. 癌が、9q32-33を含んでいるヘテロ接合性の欠如と関係している 請求項35から40のいずれか1項記載の方法。 43. 癌が、膀胱癌、扁平上皮癌、皮膚癌、腎細胞癌、食道癌及び/又は卵巣 癌である請求項42記載の方法。 44. DBCCR1遺伝子の不活性化の程度を測定する方法であり、患者から の生物学的サンプルを使い、かつ: (a)患者からのサンプルにおいて、DBCCR1遺伝子によってコードされ 且つ図6中に記載されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドの発現のレベル を測定すること;及び/又は; (b)患者からのサンプルにおいて、図6中に記載された核酸配列を有してい るDBCCR1核酸又は図11中に記載された核酸配列を有しているDBCCR 1プロモーター領域の5’末端が高度メチル化されているかどうかを測定するこ と;及び/又は、 (c)患者からの核酸サンプルにおいて、少なくとも1のDBCCR1対立遺 伝子の全部又は一部が欠失されているかどうかを測定すること; ここで、DBCCR1遺伝子の不活性化は癌に対しての患者の腫瘍又は疾病 素因の存在を示す、 を含む方法。 45. (c)に基づく測定がサザンブロッティング又は定量的二重PCRを用 いて評価される請求項44記載の方法。 46. 生物学的サンプルが、血液、血漿、血清、組織サンプル、腫瘍サンプル 、唾液又は尿である請求項44又は45記載の方法。 47. DBCCR1遺伝子又は図6中に記載した遺伝子によってコードされた ポリペプチド中の変異体を検出するための方法であり: (a)患者からのサンプルが変異体を含むかどうかを測定するために、DBC CR1核酸配列とサンプル中の核酸の配列とを比較すること;又は、 (b)DBCCR1遺伝子によってコードされたポリペプチドの患者からのサ ンプル中の存在を測定すること及び、もし存在するなら、そのポリペプチドが完 全長であるか、及び/又は変異しているか、及び/又は通常レベルで発現される かどうかを測定すること;又は、 (c)制限酵素が通常のDBCCR1遺伝子又はそれの周知の変異体から得ら れる制限パターンを持った患者からの核酸サンプルを切断する場合、生成した制 限パターンを比較するためにDNAフィンガープリンティングを用いること;又 は、 (d)DBCCR1核酸配列(通常の配列か又は周知の変異した配列のいずれ か一方)に結合することができる特異的結合メンバーを用いること、該特異的結 合メンバーは、DBCCR1配列とハイブリダイズ可能な核酸、又は自然又は変 異したDBCCR1核酸配列又はそれによってコードされたポリペプチドに特異 性を有する抗体領域を含む物質を含み、該特異的結合メンバーは、その結合パー トナーへの該特異的結合メンバーの結合が検出可能となるように標識されている ;又は、 (e)患者からのサンプル中の通常の又は変異したDBCCR1遺伝子をスク リーンするために、通常の又は変異したDBCCR1遺伝子配列に基づいた1又 はそれ以上のプライマーを含んでいるPCRを用いること、 を含む方法。 48. DBCCR1ポリペプチドの生産を活性化することができる化合物をス クリーニングする方法であり、該方法は図11中に記載されたヌクレオチド配列 を有しているプロモーターの官能部を含む核酸構造物を用い、そのプロモーター は検出可能なシグナルを生産することができるリポーター遺伝子に操作可能に結 合され、候補の化合物に該構造物をさらすこと、及びリポーター遺伝子によって 生産されたシグナルを検出することを含む方法。 49. DBCCR1核酸配列の全部又は一部を増幅するためのポリメラーゼ連 鎖反応において使用するためのプライマーの設計において図6又は図11中に記 載した核酸配列の使用。 50. 表3中に記載したプライマーを利用する請求項49記載の使用。
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