JPH09507830A - ニューロン喪失からの保護方法 - Google Patents

ニューロン喪失からの保護方法

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JPH09507830A JP7504720A JP50472095A JPH09507830A JP H09507830 A JPH09507830 A JP H09507830A JP 7504720 A JP7504720 A JP 7504720A JP 50472095 A JP50472095 A JP 50472095A JP H09507830 A JPH09507830 A JP H09507830A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者に、ビタミンD受容体を介して作用してニューロン喪失から保護するような化合物を投与することによって、患者を、ニューロン喪失から保護するための方法に関する。これらの化合物のいくつかは、ニューロン内、及び/又は、末梢のカルシウム、又は、リン酸レベルを調節することによって、ニューロン喪失を予防、又は、遅らせる。本発明のその他の化合物は、ビタミンD受容体を介して作用して、カルシウム、又は、リン酸調節が関与しない機構を介して、ニューロン喪失から保護する。好ましい化合物は、生物活性型のビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログである。好ましい型のビタミンDは、カルシトリオールである。別の実施態様においては、化合物は、ビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログの生物活性を変化させることによって作用する化合物である。例えば、そのような化合物は、ニューロン喪失からの保護に関与しうるビタミンD化合物の量を調節することによって、ビタミンD化合物の生物活性を変化させたり、又は、ビタミンD化合物のニューロン喪失保護能を変化させることによって作用する。別の実施態様においては、化合物は、ビタミンDと同様の機構であるが、ビタミンD受容体が関与しない機構を介して、ニューロン喪失から保護する化合物である。化合物は、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、期間にわたって、患者に投与される。

Description

【発明の詳細な説明】 ニューロン喪失からの保護方法 政府援助 ここで説明する研究の一部は、アメリカ合衆国政府の援助をうけて行った。 発明の背景 成人の脳の細胞は、その他多くのタイプの細胞とは異なり、取り替えることが できない。つまり、成人の脳の中でニューロンが喪失すると、それが、年齢、疾 患、外傷、又は、それらの組み合わせなどの、どのような原因で起こったもので あれ、一般的に、不可逆的に能力が失われることとなる。 老化に伴うニューロン喪失の原因は不明である。しかし、十分に長く生きてい る人のほとんどが、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、及び 、卒中などの、老化に伴う疾患に倒れる可能性があることを示唆する証拠が多く 得られつつある。これらの疾患では、一般に、脳の異なる領域のニューロンが喪 失する。多くの神経変性疾患の発症率は、老化と共に急激に増大する。例えば、 65歳未満では、アルツハイマー病を患う人のパーセントは5パーセント未満で あるが、65歳以上では、この発症率はほぼ指数関数的に増大し、85歳以上で は、47パーセントもの人が、何らかのタイプのADを患っている。Katzm an,R.とSaitoh,T.(1991)FASEB J.5:278−2 86;Evans,D.A.ら(1989)JAMA 262:2551−25 56。また、80歳以上の人を調べたところ、全員の脳の中に、老化、及び/又 は、疾患に伴うニューロンの喪失が、少なくとも数カ所ふくまれていた。Mat suyama,H.ら(1966)Proceedings of the F ifth International Congress of Neuro pathology(Experpta Medical Internati onal Congress Series No.100,Luthy,F. ら編) 979−980。このように、いくつかのタイプの神経変性疾患にとっては、老 化自体が主たるリスクファクターであり、また、老化によって、ニューロンが喪 失されやすくなることが示唆されている。実際に、疾患が存在しない場合であっ ても、老化が、ニューロンの喪失と記憶障害に関係する、という多くの証拠が得 られている。Crook,T.ら(1986)Devel.Neuropsyc h.2(4):261−276。 老化と神経変性疾患におけるニューロン喪失の原因は未だ明らかになっていな いが、”カルシウムホメオスタシス変化仮説”と呼ばれるモデルが考えられてい る。この仮説は、細胞内カルシウムレベルの調節不全、又は、細胞内カルシウム レベルの上昇が、最終的にニューロンの死をもたらすような多くの神経変性状態 、及び、神経変性疾患への”最終的な共通経路”である、というものである。こ の仮説は、主に、老化の動物モデルで、老化に伴う神経系の変質において、カル シウムの調節不全が見られる、という事実に基づいている。Khachatur ian,Z.S.(1984)Handbook of Studies on Psychiatry and Old Age(Kay,D.とBuarr ows,G.D.編,Elsevier,アムステルダム)7−30;Khac haturian,Z.S.(1989)Aging 1:17−34;Gib son,G.E.とPeterson,C.(1987)Neurobiol. Aging 8:329−344;Landfield,P.W.(1987) Neurobiol.Aging 8:346−347。細胞内カルシウムの調 節不全、又は、上昇によって、カルシウム依存性のプロテアーゼ、及び、エンド ヌクレアーゼなどの酵素が過剰に活性化され、細胞に対して毒性を示し得ること も示されている。Siesjo,B.K.(1981)J.Cereb.Blo od Flow Metab.1:155−185;Choi,D.W.(19 87)J.Neurosci.7:369−379。 脳内のカルシウム調節は、老化の影響を受けるようである。それに対して、末 梢でのカルシウム調節を、例えば、特に海馬において著しいニューロン喪失を伴 う疾患であるADなどの状態や疾患との関係において調べたところ、矛盾した結 果が得られた。多くの研究で、疾患を患う患者と同年齢のコントロールとのあい だでは、副甲状腺ホルモン、ビタミンD、及び、血清カルシウムの何れについて も、系統的な差は見られない、ということが発見されている。(Shore,D .ら(1980)J.Gerontol.35:656−662;Singh, S.(1988)Age Ageing 17:21−28;Ferrier, I.N.ら(1990)Age Ageing 19:368−375。)一方 、疾患を患う患者で、カルシウム調節が何らかの変化を起こしていることを発見 した研究もある。Martyn,C.N.ら(1989)Gerontolog y 35:153−157;Ferrier,I.N.ら(1990)Age Ageing 19:368−375;Ogihara,T.ら(1990)G erontology 36(Supp.1):25−30。 通常の老化において、末梢のカルシウム調節ホルモンの変化を発見する試みも なされている。そのような研究の中には、カルシウム調節、及び、ビタミンDな どのカルシウム調節ホルモンの変化を発見しているものもある。Orwoll, E.S.とMeier,D.E.(1986)J.Clin.Endocrin ol.Metab.63:1262−1269。しかし、老化における、さらに はADにおける末梢のカルシウム調節を調べたこれらの研究は、全て相関的なも のであり、末梢カルシウム調節ホルモンとニューロン喪失とのあいだの因果関係 を明らかにした研究はない。実際に、これらの研究は、ビタミンDが、脳内のカ ルシウム調節、又は、脳のニューロン喪失に影響を及ぼしうる、ということを、 示唆すらしていない。これは、おそらく、末梢のホルモンは、脳のカルシウム調 節を制御しない、と一般に考えられているためであろう。このように、ビタミン Dによるカルシウム調節の概念は、脳の老化に関するカルシウムホメオスタシス 変化仮説と関連づけられていなかった。 このように、脳の老化、又は、脳のニューロンの死を引き起こす遺伝的、又は 、環境的原因は、未だに大部分が不明である。原因が何であれ、長期間にわたる ニューロンの死の進行性で蓄積的な効果の結果、生理的変化が生じることは明ら かである。長期的な研究から、ADによる認知症状の進行は、1ヶ月から1年未 満 の間隔で検出されることが明らかとなった。Morris,J.C.ら(198 9)Neurology 39:1159−1165(表3及び6)。脳の正常 な老化における海馬のニューロン喪失は、もっとゆっくりしたものである。Ba ll,M.J.(1977)Acta Neuropathol.(Berl. )37:111−118;Coleman,P.D.とFlood,D.G.( 1987)Neurobiol.of Aging 8:521−545。つま り、老化や疾患に伴う神経変性の治療に有用であるといわれている薬剤で患者を 治療することによって、ニューロン喪失が減少することの証拠を示すためには、 1ヶ月以上の期間、おそらく数年間にわたって試験を行うことが必要である。 1988年12月出願の特許出願に対して1990年に発行されたアメリカ合 衆国特許第4,897,388号は、アルツハイマー病患者に、生物活性を有す るビタミンD3、又は、D2剤を、安全かつ効果的な量で投与することにより、患 者を治療する方法を開示している。アルツハイマー病を患うある患者を、7日間 にわたって、カルシトリオールで治療した。患者の症状は明らかにされていない が、患者の状態は改善した、と伝えられている。しかし、上記の理由から、この 試験を行った期間は、ニューロン喪失が減少したことの証拠を示すためには、全 く不十分である。また、改善が客観的に判断されていたとしても、患者一人のサ ンプルでは、結論を引き出すには小さすぎる。さらに、観察された改善の種類に ついても説明されていないが、おそらく、末梢におけるビタミンD剤の効果によ るAD症状の緩和だけであると考えられる。 脳からのニューロン喪失は、老化の一般的特徴であり、全ての人を襲うもので あると考えられている。進行性のニューロン喪失は、多くの場合、虚弱化させる ような神経変性疾患の発症と進行を引き起こし、健康管理上の重荷となる。例え ば、1991年には、アルツハイマー病患者の治療だけのために、約$900億 が費やされた。(アルツハイマー協会、シカゴ、イリノイ州)これは、ニューロ ンの喪失に起因する多くの疾患の一例にすぎない。ニューロンの喪失を予防する ことによって、老化に伴う神経疾患を治療できる、又は、好ましくは発症を予防 できるような治療法が確立されれば、多くの人々の健康上の見通しが著しく改 善されるだけでなく、莫大な健康管理費を節約することができる。そのため、ニ ューロンの喪失を停止できる、又は、遅らせることができるような治療法の開発 が緊急に求められているのである。ニューロン喪失は長期間にわたっておこるの で、そのような治療法も長期間にわたって作用することが好ましく、かつ、効果 的な用量で、そのような時間枠内において、安全であることが好ましい。以上の ような理由から、患者のニューロン喪失を予防、又は、遅らせるような、長期的 な治療法が必要とされている。 発明の要旨 本発明は、ニューロン喪失を予防、又は、遅らせるために、患者に、ビタミン D受容体を介して作用してニューロン喪失から保護するような化合物を投与する ことによって、患者を、ニューロン喪失から保護するための方法を提供する。化 合物は、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、効果的な期間にわた って、投与される。好ましい実施態様においては、投与期間は、例えば、2週間 以上、好ましくは、1ヶ月以上の長期間である。 本発明の化合物は、ビタミンD受容体を介して作用することによって、ニュー ロン喪失から保護するものである。これらの化合物の中には、ニューロン内、及 び/又は、末梢のカルシウム、及び、リン酸レベルを調節することによって、ニ ューロン喪失を予防、又は、遅らせるものがある。本発明のその他の化合物は、 ビタミンD受容体を介して作用して、カルシウム、又は、リン酸の調節が関与し ない機構を介して、ニューロン喪失から保護するものである。好ましい化合物は 、カルシウム、及び/又は、リン酸レベルを調節する、又は、調節しないような 、生物活性型のビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログであ る(以下では、簡便のために、”ビタミンD化合物”と、”ビタミンD、ビタミ ンDの前駆体、代謝物、又は、アナログ”いう用語を交互に使用する。)。好ま しい型のビタミンDは、カルシトリオールである。 別の実施態様においては、患者に投与する化合物は、ビタミンD化合物の生物 活性を変化させるような化合物である。この化合物は、例えば、ニューロン喪失 からの保護に関与しうる内因性ビタミンD化合物の量を調節することによって、 又は、ビタミンD化合物のニューロン喪失保護能を変化させることによって、ビ タミンDの生物活性を変化させる化合物である。別の実施態様においては、その 化合物は、ビタミンD化合物と同様の機構であるが、ビタミンD受容体が関与し ない機構を介して(例えば、ニューロン内のカルシウムレベルをビタミンDと同 じ方向に変化させるような受容体後のプロセス)、ニューロン内のカルシウムレ ベルを調節する化合物である。 図面の簡単な説明 図1A、1B、及び、1Cは、カルシトリオール、カルシトニン、又は、コン トロール物質で処理したラットにおいてCA1ニューロンを計測するための、海 馬切片の作成方法を図示したものである。長くのびた海馬を摘出した。海馬のブ ロックを常法で加工して、プラスチック中に包埋した。ブロックの面から薄い切 片(厚さ1μm)を切り出し(図1B)、各動物由来の切片6枚について、CA 1ニューロン数を計測した(図1C)。 図2A、及び、2Bは、老化ラット(26−27ヶ月齢)の海馬切片中におけ るCA1ニューロンの密度を示す写真である。図2Aは、老化したコントロール ラットのCA1を示す代表的な海馬切片の写真である。図2Bは、カルシトリオ ールを8ヶ月間注射した後の老化ラットのCA1を示す代表的な海馬切片の写真 である。 図3A、及び、3Bは、カルシトリオール、カルシトニン、又は、コントロー ル物質の注射を、8ヶ月間(図3A−−処理開始時の月齢は19−20ヶ月齢で ある)、又は、12ヶ月間(図3B−−処理開始時の月齢は9−11ヶ月齢であ る)受けた老化ラットについて、海馬のCA1領域内の長さ100μmのCA1 細胞層内に存在するニューロンの数の平均値を示す棒グラフである。 発明の詳細な説明 本発明は、ニューロン喪失を予防、及び/又は、遅らせるために、ビタミンD 受容体を介して作用する化合物を患者に投与することによって、患者をニューロ ン喪失から保護することができる、という発見を利用したものである。カルシウ ムレベルの調節不全は、神経組織の損傷に関係しているので、本発明の化合物の うちのいくつかは、カルシウムのホメオスタシスを修復することによって、ニュ ーロン喪失から保護するものである。本発明のその他の化合物は、カルシウムレ ベルの調節ではなく、ビタミンD受容体を介して作用して、ニューロン喪失から 保護するものである。典型的には、これらの化合物は、ニューロン喪失から保護 するために十分に長期間にわたって、かつ、十分な量で投与される。 ”から保護する”という用語は、患者のニューロンの変質、機能障害、又は、 死を、予防、遅延、及び/又は、停止すること、を含むものとする。ここで説明 する化合物は、ニューロン喪失からの保護を提供するものである。 ニューロンの喪失は、ニューロンの正常な機能が損なわれるような、あらゆる 状態の結果として起こりうる。ニューロンの変質は、ニューロン喪失を引き起こ すような、あらゆるニューロン機能の損傷の結果として起こりうる。ニューロン の機能は、例えば、ニューロンの生化学的、物理学的、又は、解剖学的構造の変 化によって損なわれる。ニューロンの変質には、正常なニューロンの機能に有害 であるような膜、樹状突起、又は、シナプスの変化が含まれる。ニューロンの変 質、機能障害、及び/又は、死の原因は、明らかではない。あるいは、患者の神 経系で起こった老化、及び/又は、疾患に伴う変化の結果である。 ここでニューロン喪失が”老化に伴う”ものと説明された場合には、患者の老 化に伴う既知、又は、未知の肉体的変化の結果として生じたニューロン喪失を含 むものとする。ここでニューロン喪失が”疾患に伴う”ものと説明された場合に は、患者の疾患に伴う既知、又は、未知の肉体的変化の結果として生じたニュー ロン喪失を含むものとする。しかし、これらの用語は、互いを排除するものでは なく、実際には、ニューロン喪失を引き起こす多くの状況は、老化と疾患の両方 に関係している。 老化に伴う一般的な疾患のうちで、ニューロンの喪失、及び、ニューロンの形 態変化と関係するものとしては、例えば、アルツハイマー病、ピック病、パーキ ンソン病、血管病、ハンティングトン病、及び、老化に伴う記憶障害が挙げられ る。アルツハイマー病患者では、海馬、前頭皮質、頭頂皮質、及び、前側頭皮質 、扁桃体、及び、嗅覚系において、ニューロン喪失が著しい。海馬の中で最もひ どく変質する領域には、CA1領域、鉤状回、及び、内側嗅皮質が含まれる。海 馬は、記憶において重大な役割を果たしていることが知られているので、最も速 く現れ、かつ、最も代表的な認識変化は、記憶障害であると考えられている。ピ ック病の特徴は、前頭葉、及び、前側頭葉の新皮質のニューロンが著しく変質す ることであり、場合によっては、線状のニューロンの死を伴う。パーキンソン病 は、黒質、及び、青斑のニューロン喪失によって同定できる。ハンティングトン 病は、線状内と皮質のコリン作用性ニューロン、及び、GABA作用性ニューロ ンの変質によって特徴づけられる。パーキンソン病、及び、ハンティングトン病 は、一般に運動障害を伴うが、しばしば、認識機能不全(記憶障害)も伴う。 老化に伴う記憶障害(AAMI)も、老化に伴う疾患の一つであり、人生の後 半に達した健康な高齢者における特徴的な記憶障害である。Crook,T.ら (1986)Devel.Neuropsych.2(4):261−276。 AAMIのもととなる神経面については、現在のところ、明らかになっていない 。しかし、多くの種において、皮質、海馬、扁桃体、基底核、コリン作用性の基 底前脳、青斑、縫線核、及び、小脳などの記憶に関わる脳領域内で、老化に伴っ てニューロンの死が起こることが報告されている。Crook,T.ら(198 6)Devel.Neuropsych.2(4):261−276。 本発明の方法で治療できる患者としては、老化、及び/又は、疾患に伴ってニ ューロン喪失を患う生物、例えば、哺乳類、が含まれる。患者の例としては、ヒ ト、イヌ、ネコ、ラット、及び、マウスが含まれる。例えば、ラットやマウスな どの下等哺乳類のモデルを使用して、ヒトなどの高等哺乳類における一般的な脳 の老化、及び、それに伴うニューロン喪失の過程を推定することができる。 老化した齧歯類の脳では、老人斑や神経原繊維の塊は見られない。しかし、最 近の多くの研究から、老人斑や塊よりも、ニューロン、樹状突起、及び/又は、 シナプスの喪失、又は、収縮の方が、痴呆や老化とより密接に相関することが示 唆されている。Terry,R.D.ら(1987)Ann.Neurol.2 1:530−539;Terry,R.D.ら(1990)J.Neuropa thol.Exp.Neurol.49:335;Buell,S.J.とCo leman,P.D.(1981)Brain Res.214:23−41; Scheff,S.W.ら(1990)Neurobiol.Aging 11 :29−37。老化したラットでは、その他の脳領域における細胞の喪失や樹状 突起/シナプスの変化だけでなく、海馬、特にCA1領域の錘体細胞において、 ニューロン喪失が観察される(Landfield,P.W.ら(1981)S cience 214:581−584;Landfield,P.W.(19 87)Prog.Brain Res.72:279−300;Kerr,D. S.ら(1991)J.Neurosci.11:1316−1324)。Co leman,P.D.とFlood,D.G.(1987)Neurobiol .Aging 8:521−545;Geinisman,Y.ら(1986) Brain Res.398:266−275。さらに、老化した齧歯類では、 老化したヒトと同様に、海馬の正常細胞の著しい肥厚が観察される(Landf ield,P.W.ら(1977)j.Gerontol.32:3−12;L andfield,P.W.ら(1978)Science 202:1098 −1102;Geinisman,Y.ら(1978)Am.J.Anat.1 53:537−544)。Wisniewski,H.M.とTerry,R. D.(1973)Progress in Brain Research(F ord,D.M.編、Elsevier、アムステルダム)40:167−18 6;Hansen,L.A.ら(1987)Neurobiol.Aging 8:1−6。さらに、海馬のCA1領域のニューロン喪失と老化とは、種にまた がって相関しており、ADなどのヒトの神経変性疾患においても著しい。これら の理由から、例えば、老化したラットのニューロン喪失を研究することによって 、ヒトにおける脳の老化、及び、それに伴うニューロン喪失の一般的機構を推定 できると考えられる。 生きているヒトで脳のニューロン喪失を測定することは非常に困難である。ま た、検死サンプルは、非常に変化しやすく、また、死後、固定するまでの間に著 しく変化するために、検死サンプルについてでさえ、ニューロン喪失を測定する ことは困難である。そのために、齧歯類の胎児(例えば、アメリカ合衆国特許第 5,179,109号−ラット胎児の組織培養を参照)、又は、その他の哺乳類 (例えば、アメリカ合衆国特許第5,089,517号−マウス胎児の組織培養 )、又は、非哺乳動物モデル由来のニューロンのインビトロにおける組織培養に 基づいて、神経を保護するための様々な発明が行われている。これらの発明は、 虚血、卒中、外傷、神経挫傷、AD、及び、PDなどの動物モデル、又は、組織 培養モデルにおいて、末梢、及び、中枢神経系のニューロンを保護するためのも のである。これらのモデル系におけるニューロンの変質は、実験的な外傷、又は 、介入(例えば、毒素の投与、神経挫傷、酸素供給の遮断)によって、証明され る。例えば、アメリカ合衆国特許第4,957,909号の発明者らは、興奮性 アミノ酸神経伝達物質であるN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)の受 容体アンタゴニストが、抗痙攣薬、及び、神経保護薬として有用であることを示 すために、スイス−アルビノ系マウスとラットの海馬ニューロンを、NMDAア ンタゴニストで処理した後、興奮性アミノ酸受容体を過剰刺激した。アメリカ合 衆国特許第5,168,103号。別の実験モデルでは、発明者らは、インドラ クタムV化合物が、新皮質のニューロンの破壊を予防できることを示すために、 マウス胎児のニューロンとグリア細胞のインビトロ培養を、例えば、カイニン酸 、NMDA、α−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸( AMPA)などの様々なグルタミン酸アゴニストで処理した。アメリカ合衆国特 許第5,089,517号。アメリカ合衆国特許第5,170,109号(ラッ トの皮質/海馬のニューロン培養を、神経保護化合物で処理する前に、グルタミ ン酸で処理する);アメリカ合衆国特許第5,163,196号、及び、第5, 196,421号(ラットにおいて、神経保護作用を持つ興奮性アミノ酸受容体 アンタゴニストが、グリシン、カイニン酸、AMPAの受容体結合を阻害する) も参照のこと。 しかし、本動物モデルは、老化に関係する神経保護のモデルを改善するもので ある。なぜならば、本動物モデルは、一般に組織培養モデルよりも好ましい完全 な状態の動物を使用しており、さらに、国立老化研究所において哺乳類の老化に 関する最初のモデルとして開発された系統のラットを使用しているからである。 この系統のラット(Brown Norway系/Fischer 344系の 掛け合わせF1世代のラット)をモデルとして選んだのは、この系統のラットが 、異常な病理状態をほとんど示さずに、正常な老化パターンを示すためである。 また、この系統では、老化に伴って、海馬のCA1領域のニューロンが喪失し、 記憶障害を示す。この系では、ニューロンが徐々に喪失するので、この系は、ニ ューロンの変性、及び/又は、変質の動物モデルとして、最も自然なモデルの一 つであるといえる。また、この系でのニューロン喪失は、実験的介入、又は、異 常な病理状態によっては引き起こされない。さらに、この系におけるの脳の老化 パターンは、ヒトや、その他の哺乳類の脳の老化パターンと非常に類似している 。 化合物は、患者内でその化合物がニューロン喪失から保護する機能を果たすこ とができるような経路を介して、投与される。この方法で使用できる投与経路の 例としては、非経口(皮下、静脈内、筋内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心臓内、 及び、胸骨内)、腸内投与(つまり、消化管を介した投与)、粘膜投与、及び、 経皮投与が含まれる。投与経路によっては、化合物の機能発揮能力に悪影響を及 ぼしうる自然条件から化合物を保護するような材質で、化合物をコートする、又 は、そのような材質の中に化合物を包んでもよい。本発明の化合物、例えば、ビ タミンDを投与するために特に便利な方法は、経皮投与である。 化合物の投与は、本発明に従って、患者をニューロン喪失から保護するために 十分な用量で、十分な期間にわたって実施される。化合物に対する治療反応を改 善するために、用量を調節してもよい。例えば、いくつかに小分けした用量を毎 日投与してもよいし、又は、治療状態の事情に応じて、用量を比例的に減らして もよい。 本発明の化合物は、ビタミンD受容体を介して作用することによって、ニュー ロン喪失から保護するものである。ビタミンD受容体が末梢に存在することはよ く知られているが、ビタミンD受容体は、脳、特に、海馬と新皮質においても発 見されている。これらの化合物のなかのいくつかは、ニューロン内、及び/又は 、末梢のカルシウムレベル、及び、リン酸レベルを調節することによって、ニュ ーロン喪失を予防、又は、遅らせると考えられる。本発明のその他の化合物は、 ビタミンD受容体を介して作用して、カルシウム、又は、リン酸の調節が関与し ない機能を通して、ニューロン喪失から保護するものである。カルシウム、及び /又は、リン酸レベルの調節によって作用する化合物は、末梢又はニューロン内 のカルシウム、及び/又は、リン酸に関するカルシウム、及び/又は、リン酸の ホメオスタシスを変化させる、又は、カルシウムの調節不全を正常レベルへ戻し 、そうすることによって、ニューロン喪失からの保護を提供する。 ビタミンD受容体を介して作用する化合物によって、ニューロン喪失から保護 する方法としては、ビタミンD化合物の生物活性を変化させる方法がある。これ は、ニューロン喪失からの保護に関与しうるビタミンD化合物の量を変化させる ことによって、達成できる。一般に、この化合物は、ビタミンD化合物の合成、 又は、発現を増加させることによって、ニューロン喪失からの保護に関与しうる ビタミンD化合物の量を増加させる。例えば、バイホスホン酸塩であるYM17 5(メチレン−1,1−バイホスホン酸塩)は、ラット腎臓の1−ヒドロキラー ゼ活性を刺激することによって、腎臓における1,25−ジヒドロキシ−ビタミ ンDの生産を刺激することが発見されている。Nagao,Y.ら(Nov.1 991)Biochem.Biophys.Res.Comm.180(3): 1172−1178。腎臓の1−ヒドロキシラーゼは、25ジヒドロキシビタミ ンDを加水分解して、1,25ジヒドロキシビタミンD、又は、最も活性が高い ビタミンD代謝物の一つと考えられているカルシトリオールを生ずる酵素である 。別のバイホスホン酸塩であるHPeBP(1−ヒドロキシペンタン−1,1− バイホスホン酸塩)は、1,25ヒドロキシ−ビタミンDの刺激を誘導すること が示されている。Bonjour,J−P.ら(1988)Am.J.Phys iol.254:E26−E264。ビタミンD受容体アゴニストも、ニューロ ン喪失からの保護に関与しうるビタミンD化合物の量の調節に寄与する。 本発明の化合物がビタミンD受容体を介して作用することによって、ニューロ ン喪失から保護する別の方法としては、ビタミンD化合物のニューロン喪失保護 能を変化させる方法がある。そのような化合物としては、ビタミンD結合タンパ ク質などの結合タンパク質が含まれる。これらのタンパク質は、ビタミンD化合 物の安定性を増大させることによって、作用することもできる。さらに、その他 のステロイドやその関連化合物など、その他の神経保護化合物が存在する。それ らは、ビタミンD受容体を介しては作用しないが、ビタミンDと同様にして、カ ルシウム、及び/又は、リン酸レベルを、直接的、又は、間接的に調節すると考 えられる(例えば、ニューロン内のカルシウムレベルを、ビタミンDと同じ方向 に変化させるような、受容体後のプロセスによって)。そのような化合物として は、例えば、ミフェプリストン、ミフェプリストン誘導体(アメリカ合衆国特許 第4,386,085号を参照)、及び、デヒドロエピアンドロステロン(DH EA)などのグルココルチコイド受容体アンタゴニストが含まれる。 好ましい実施態様においては、化合物は、生物活性型のビタミンD、又は、ビ タミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログである。ビタミンDは、一般に、ス テロイドホルモンとして分類される。これは、ビタミンDとカルシウム及びリン 酸の代謝とのあいだのホルモン様の関係、活性型代謝物を生ずるときのビタミン Dの分子修飾過程、及び、ビタミンDの作用機構とその他のステロイドホルモン との類似のためである。”ビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、ア ナログ”という用語は、ビタミンD、又は、あらゆる代謝段階におけるそのアナ ログを含むものとする。また、この用語は、ビタミンD、又は、ビタミンDアナ ログの様々な代謝型の混合物も含むものとする。ビタミンD化合物は、カルシウ ム、及び/又は、リン酸レベルを神経に毒性を示すようなレベルにするような機 構に干渉することによって、カルシウムのホメオスタシスを維持、又は、修復す ると考えられる。あるいは、ビタミンD化合物は、カルシウム調節が関与しない 機構を介して、ニューロン喪失から保護する場合もある。一般に、哺乳類には、 2種類のビタミンD源が存在する。第一の源は、紫外線照射によって皮膚におい て生産されるビタミンDである(D3、又は、コレカルシフェロール)。第二の源 は、食事中から摂取されるビタミンDである(D2、又は、エルゴカルシフェロー ル)。D2、及び、D3は、同じ生物活性を有する。ビタミンD2、及び、D3化合物 には、例えば、ジヒドロタキステロール2、ジヒドロタキステロール3、5,6−ト ランス−コレカルシフェロール、25−ヒドロキシ−5,6−トランスコレカル シフェロール、1α−ヒドロキシエルゴカルシフェロール(1α−OHD2)、2 5−ヒドロキシエルゴカルシフェロール(25−OHD2)、1α,25−ジヒド ロキエルゴカルシフェロール(1α,25−(OH)22)、1α,25−ジヒド ロキシコレカルシフェロール(1α,25−(OH)23)、1α,24,25− トリヒドロキシコレカルシフェロール(1α,24,25−(OH)33)、24 ,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール(24,25−(OH)23)、1α ,24−ジヒドロキシ−25−フルオロコレカルシフェロール(1α,24−( OH)225−FD3)、25−ヒドロキシコレカルシフェロール(25−OHD3) 、及び、1α−ヒドロキシコレカルシフェロール(1α−OHD3)が含まれる。 ビタミンD2、及び、D3の前駆体も、生物活性を有する。ビタミンD2、又は、 D3の前駆体、及び、代謝物には、例えば、1α,25−ジヒドロキシ−B7− デヒドロコレステロール(1α,25−(OH)2プロD3)、1α,24,25− トリヒドロキシ−7−デヒドロコレステロール(1α,24,25−(OH)3プ ロD3)、24,25−ジヒドロキシ−7−デヒドロコレステロール(24,25 −(OH)2プロD3)、1α−ヒドロキシ−7−デヒドロコレステロール(1α− OHプロD3)、1α,24−ジヒドロキシ−25−フルオロ−7−デヒドロコレ ステロール(1α,24−(OH)2−25F−プロD3)、25,26−ジヒドロ キシ−7−デヒドロコレステロール(25,26−(OH)2プロD3)、25−ヒ ドロキシ−7−デヒドロコレステロール(25−OHプロD3)、25−ヒドロキ シエルゴステロール(25−OHプロD2)、1α,25−ジヒドロキシエルゴス テロール(1α、25−(OH)2プロD2)、1α,25−ジヒドロキシプレコレ カルシフェロール(1α,25−(OH)2プレD3)、1α,24,25−トリヒ ドロキシプレコレカルシフェロール(1α,24,25−(OH)3プレD3)、2 4,25−ジヒドロキシプレコレカルシフェロール(24, 25−(OH)2−プレD3)、1α−ヒドロキシプレコレカルシフェロール(1α −OHプレD3)、1α,24−ジヒドロキシ−25−フルオロ−プレコレカルシ フェロール(1α,24−(OH)2−25FプレD3)、25−ヒドロキシ−プレ コレカルシフェロール(25−OHプレD3)、1α−ヒドロキシ−プレビタミン D2(1α−OHプレD2)、25−ヒドロキシ−プレビタミンD2(25−OHプレ D2)、及び、1α,25−ジヒドロキシ−プレビタミンD2(1α,25−(OH )2プレD2)が含まれる。 本発明の方法において特に有用なビタミンD3代謝物は、1,25−ジヒドロ キシコレカルシフェロール(1,25(OH)2−D3、又は、カルシトリオール )である。これは、現在、カプセルの形状(ロカルトロールR、ロッシュラボラト リース)、又は、注射用の形状(カルシジェックスR、アボットラボラトリーズ、 インク.)で市販されている。 ”生物活性”という用語は、ビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は 、アナログがその機能を果たす活性を含むものとする。本分野においては、ビタ ミンD化合物が、様々な程度の活性を示すことが知られており、本発明の方法で は、生物活性を有するあらゆる型のビタミンDを使用することができる。化合物 は、患者をニューロン喪失から保護するために効果的な期間にわたって投与され る。典型的には、治療期間は、長期間にわたる。ここで使用する”長期間”とい う用語は、化合物で治療した患者を、そのように治療していない患者と比較する と、治療した患者がニューロン喪失から保護されるような長さの期間である。一 般に、治療を少なくとも約2週間行わないと、ニューロン数の変化は明らかにな らない。このように、化合物の”長期間”投与とは、2週間以上の投与期間を指 し、一般には、約1ヶ月、又は、それ以上を指す。約6ヶ月から1年、又は、そ れ以上の期間にわたって、投与することが好ましい。 患者をニューロン喪失から保護するために効果的な化合物の量とは、ニューロ ンの変性、機能不全、及び/又は、死を、予防、遅延、及び/又は、終了させる ために十分な化合物量である。ニューロン喪失から保護するために十分な化合物 用量は、化合物の比活性、及び、濃度の両方に依存する。適切な用量は、個人に 応じて選択され、少なくとも部分的には、治療する症状の重症度、及び、使用す る特定の化合物の活性を考慮して決定される。また、効果的な化合物の量は、治 療する患者の年齢、性別、及び、体重によって変化しうる。このように、当業者 は、以上で説明したようなファクターを考慮し、通常の実験方法を用いて、効果 的な化合物の量を決定できる。 以下の非限定的な実施例を用いて、本発明をさらに説明する。本出願を通じて 引用した全ての参考文献と特許の内容は、本出願の中に引用されている。 実施例 動物 この実験で用いたラットは、国立毒物学研究センター(ジェファーソン、アー カンソー州)から入手したBrown Norway系×Fischer344 系の掛け合わせF1世代の雄のハイブリッドラットである。これらのF1世代の 掛け合わせハイブリッドラットを、微生物フリー(特定病原体感染防止条件)の 環境下で飼育した。このような制御された環境下で飼育すると、平均寿命は、約 29−30ヶ月齢である。動物は、注射期間を通じて、動物施設内の空気フィル ターバリア内で飼育し、齧歯類用試料と水を自由摂取させた。体重と健康に対す る薬剤の影響をモニターするために、動物の体重を1週間毎に測定した。食物摂 取に対する薬剤の効果をモニターするために、最初の1ヶ月間について、食物と 水を調査した。何らかの健康上の問題を示した動物を全て検死し、分析のために 血液を採取した。検死にあたっては、器官の状態と病理について記録した。 動物は、6フットの動物用ラックで飼育し、研究の開始時には、各薬剤群につ いて、各位置に同数の動物がいるようにした。血清中のビタミンDレベルは、ラ ットが受ける光の量によって影響を受けるため、ラットにあたる光の量が等しく なるようにラットを配置することが重要であった。 8〜13匹のラットを含む3つの群を注意深く選択し、各研究の開始時に、月 齢と体重が一致するようにした。第一の研究では、18〜19ヶ月齢のラットに 、8ヶ月間にわたって、薬剤を注射した。注射期間の終了時には、ラットは26 〜 27ヶ月齢であった。第二の研究では、9〜11ヶ月齢のラットに、12ヶ月間 にわたって、薬剤を注射した。注射期間の終了時には、ラットは、21〜23ヶ 月齢であった。 薬剤 アボットラボラトリーズ、インク.(アボットパーク、イリノイ州)から、2 mg/mlバイアル入りのカルシトリオール(カルシジェックスR)を入手した。 試験群のラットには、毎日、20ng/ラット/日の速度で、1週間あたり5日 間連続して、カルシトリオールを皮下注射した。18−19ヶ月齢のラットには 、8ヶ月間注射を行った。9−11ヶ月齢のラットには、12ヶ月間注射を行っ た。 バッケム(トランス、カリフォルニア州)、又は、カルバイオケム(サンディ エゴ、カリフォルニア州)から、1mgバイアル入りのサケカルシトニンを入手 した。このペプチドは、−40℃の冷凍庫内で遮光条件下で小分けして保管し、 毎日、注射用に希釈した。希釈液は、以下の組成の溶液を、フィルターし、オー トクレーブしたものである:20mgポリソルベート、45mgNaCl、30 0mgアスコルビン酸、228mg二塩基性リン酸緩衝液、54mgモノホスフ ェート緩衝液、及び、30mgEDTA。この希釈液は、市販のカルシトリオー ルの溶剤に合わせた。第二群のラットには、2IU/ラット/日の用量(5日間 /週)のカルシトニンを皮下注射した。コントロール群のラットには、カルシジ ェックスR溶液と同成分のコントロール溶液を、カルシトリオール、又は、カル シトニン抜きで、同量、同じ速度で皮下注射した。18−19ヶ月齢のラットに は、カルシトニン、及び、コントロール物質を、8ヶ月間注射した。9−11ヶ 月齢のラットには、カルシトニン、及び、コントロール物質を、12ヶ月間注射 した。 薬剤が生物活性を有することを確認するために、また、薬剤によって毒性の副 作用がないことを確認するために、8ヶ月間の注射実験において海馬の細胞密度 測定に用いた動物について、血液分析試験も行った。(表1)ペントバルビター ルナトリウムを注射した後、心臓内潅流の直前に、血液採取用の吸引器を用いて 、血液を採取した。 組織の調製 8ヶ月間、及び、12ヶ月間の注射期間の完了後、カルシトリオール処理、カ ルシトニン処理、及び、コントロール処理群の動物に、致死用量のペントバルビ タールナトリウムを注射した。潅流開始前に、動物を深い麻酔レベルに到達させ た。固定剤で潅流する直前に、左心室から血液を採取した。表1は、注射開始時 に18−19ヶ月齢であったラットに注射を8ヶ月間行った後に、カルシトリオ ール、及び、カルシトニンが、血液中のカルシウムレベルに対して及ぼした効果 を示したものである。予想通りに、カルシトリオール処理によって、血液中のカ ルシウム、及び、リン酸のレベルが、コントロールの血液と比較して、有意に上 昇した。カルシトニン処理の血液中のカルシウムレベルは、コントロールの血液 と比較して、若干高かったが、有意ではなかった。データは、平均値±S.E. M.で示す。 続いて、動物に、2%グルタルアルデヒド−2%パラホルムアルデヒド固定溶 液を、4℃で30分間潅流した。潅流終了後、各動物の脳を摘出し、2%グルタ ルアルデヒド−2%パラホルムアルデヒド固定剤の中に、4℃で一晩静置した。 前頭葉と小脳を切除し、残った海馬と皮質を、海馬の最も前の部分から、厚さ 250μmの切片に切断した。得られた切片を順番にカコジル酸ナトリウム緩衝 液に入れた。第一の実験では、2250μm分後方の切片を、及び、第二の実験 では、1750μm分後方の切片を用いて、3群の動物のあいだで比較を行った 。 光学顕微鏡検査 厚さ250μmの切片を、電子顕微鏡用、又は、光学顕微鏡で用いられる”半 薄”切片用の標準的な包埋法を用いて加工した。Peters,A.とPala y,S.L.,The Fine Structure of the Ner vous System(Harper & Row、ニューヨーク、1970 );Landfield,P.W.ら(1981)Neurobiol.Agi ng 2:265−275。ブロックに、テッド・ペラ(レッディング、カリフ ォルニア州)から入手したエポン812を浸潤させた。 包理後、厚さ250μmの切片の面から、CA1ニューロン層を少なくとも数 百μm含むような厚さ1μmの半薄切片を切り出した。(図1A、1B、及び、 1Cを参照)スライドガラスの最初の5カ所のウェルに、隣接する半薄切片を入 れ、切片ブロックの次の50μm分を廃棄した。次に、さらに5枚の半薄切片を 連続的に切り出して、別の5カ所のウェルに入れた。あいだの50μmを廃棄す ることによって、海馬の広い領域からサンプリングすることができた。次に、半 薄切片をトルイジンブルーで染色し、分析のためにカバーガラスをかぶせた。 各動物について、隣接する3対の切片の写真を撮った。各動物について、ニュ ーロンの始まりの”先端部”が一方の写真には写っているが、その対の隣接する 写真には写っていないような細胞の数を計測した。この方法は、切片内のニュー ロン数を示す信頼性の高い指標を提供する新しい立体解析法であり、ニューロン の形状や大きさによる偏りを受けない方法である。Pakkenberg,B. とGundersen,H.J.G.(1989)APMIS 97:677− 381;West,M.とGundersen,H.(1990)J.Comp .Neurol.296:1−22。各切片の細胞層の長さは、目盛り付き画像 システム(シグマスキャン)を用いて測定し、CA1細胞層の長さ100μm分 あたりのCA1ニューロン数の平均値を得た。図2A、及び、2Bは、コントロ ール物質(図2A)、又は、カルシトリオール(図2B)の注射を8ヶ月間受け た後の26−27ヶ月齢のラットについて、海馬内のCA1ニューロンを示す写 真である。注射期間の終了後、海馬を包埋し、切片(1μm)にして、トルイジ ンブルーで染色した。カルシトリオール処理後には(図2B)、海馬の切片中で 、より高密度のニューロンが観察される。コントロール物質での処理後には(図 2A)、海馬ニューロンが死んだギャップや空白領域が存在する。 CA1細胞層の長さ100μm分あたりのCA1ニューロン数の平均値を、両 方の実験におけるカルシトリオール、カルシトニン、及び、コントロール群につ いて、図3A、及び、3Bに示す。図3A、及び、3Bは、カルシトリオール処 理、カルシトニン処理、及び、コントロール処理ラットの海馬切片中のCA1ニ ューロン数/CA1領域100μmの値を、8ヶ月間、及び、12ヶ月間注射し た後について示した棒グラフである。2つの異なる月齢群のラットを使用し、実 験開始時の月齢は、1年間処理した群(9−11ヶ月齢)よりも、8ヶ月間処理 した群(18−19ヶ月齢)の方が、高かった。コントロール注射の処理を受け たラットと比較して、カルシトリオールで処理したラットでは、ニューロンの喪 失が予防、阻害、及び/又は、遅延された。カルシトリオールで12ヶ月間処理 した群では(図3A)、海馬切片中のCA1細胞層100μm分あたりのCA1 ニューロン数の平均値は、約1.65であった。一方、コントロール群のCA1 ニューロン数/100μmの平均値は、約1.4であった。カルシトニン処理群 のラットでは、CA1ニューロン数/100μmの平均値が最も低く、CA1ニ ューロン数/100μmは約1.3であった。 カルシトリオールで8ヶ月間処置した群では(図3B)、海馬切片中のCA1 細胞層100μm分あたりのCA1ニューロン数の平均値は、約1.4であった 。 一方、コントロール群のCA1ニューロン数/100μmは、約1.2であった 。カルシトニン処理群のラットでは、CA1ニューロン数/100μmの平均値 が最も低く、CA1ニューロン数/100μmは約1.1であった。これらの結 果から、カルシトリオールで長期間処理することにより、老化ラットにおいて、 ニューロンの喪失が予防、及び/又は、遅延されることがはっきりと示される。 同等の発明 当業者は、通常の実験によって、ここで説明した本発明の特定の実施例と同等 の発明を考えつくであろう。そのような同等の発明は、以下の請求の範囲に含ま れるものとする。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者をニューロン喪失から保護するための方法であって: (a)ビタミンD受容体を介して作用することによって、ニューロン喪失から保 護する化合物を提供し;及び、 (b)前記化合物を、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、 期間にわたって、患者に投与する、 ことから成る方法。 2.前記化合物が、長期間にわたって投与される、ことを特徴とする、請求項1 記載の方法。 3.前記投与期間が、約2週間、又は、それ以上である、ことを特徴とする、請 求項2記載の方法。 4.前記投与期間が、約1ヶ月間、又は、それ以上である、ことを特徴とする、 請求項2記載の方法。 5.前記投与期間が、約6ヶ月間、又は、それ以上である、ことを特徴とする、 請求項2記載の方法。 6.前記化合物が、ニューロン内のカルシウムレベルを調節する、ことを特徴と する、請求項1記載の方法。 7.前記化合物が、末梢のカルシウムレベルを調節する、ことを特徴とする、請 求項1記載の方法。 8.前記化合物が、末梢のリン酸レベルを調節する、ことを特徴とする、請求項 1記載の方法。 9.前記化合物が、ニューロン内のリン酸レベルを調節する、ことを特徴とする 、請求項1記載の方法。 10.前記ニューロン喪失が、老化に伴うものである、ことを特徴とする、請求 項1記載の方法。 11.前記ニューロン喪失が、疾患に伴うものである、ことを特徴とする、請求 項1記載の方法。 12.前記ニューロン喪失が、老化、及び、疾患に伴うものである、ことを特徴 とする、請求項1記載の方法。 13.前記患者が、アルツハイマー病、ピック病、パーキンソン病、血管病、老 化に伴う記憶障害、及び、ハンティングトン病、から構成される群より選択され る疾患を患っている、ことを特徴とする、請求項1記載の方法。14.前記患者 が、哺乳類である、ことを特徴とする、請求項1記載の方法。 15.前記哺乳類が、ヒトである、ことを特徴とする、請求項14記載の方法。 16.前記化合物が、非経口的に投与される、ことを特徴とする、請求項1記載 の方法。 17.前記化合物が、腸内投与される、ことを特徴とする、請求項1記載の方法 。 18.前記化合物が、生物活性型のビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、 又は、アナログである、ことを特徴とする、請求項1記載の方法。 19.前記ビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログが、ジヒ ドロタキステロール2、ジヒドロタキステロール3、5,6−トランス−コレカル シフェロール、25−ヒドロキシ−5,6−トランスコレカルシフェロール、1 α−ヒドロキシエルゴカルシフェロール、25−ヒドロキシエルゴカルシフェロ ール、1α,25−ジヒドロキエルゴカルシフェロール、1α,25−ジヒドロ キシコレカルシフェロール、1α,24,25−トリヒドロキシコレカルシフェ ロール、24,25−ジヒドロキシコレカルシフェロール、1α,24−ジヒド ロキシ−25−フルオロコレカルシフェロール、25−ヒドロキシコレカルシフ ェロール、1α−ヒドロキシコレカルシフェロール、1α,25−ジヒドロキシ −B7−デヒドロコレステロール、1α,24,25−トリヒドロキシ−7−デ ヒドロコレステロール、24,25−ジヒドロキシ−7−デヒドロコレステロー ル、1α−ヒドロキシ−7−デヒドロコレステロール、1α,24−ジヒドロキ シ−25−フルオロ−7−デヒドロコレステロール、25,26−ジヒドロキシ −7−デヒドロコレステロール、25−ヒドロキシ−7−デヒドロコレステロー ル、25−ヒドロキシエルゴステロール、1α,25−ジヒドロキシエルゴステ ロール、1α,25−ジヒドロキシプレコレカルシフェロール、1α,24, 25−トリヒドロキシプレコレカルシフェロール、24,25−ジヒドロキシプ レコレカルシフェロール、1α−ヒドロキシプレコレカルシフェロール、1α, 24−ジヒドロキシ−25−フルオロ−プレコレカルシフェロール、25−ヒド ロキシ−プレコレカルシフェロール、1α−ヒドロキシ−プレビタミンD2、25 −ヒドロキシ−プレビタミンD2、及び、1α,25−ジヒドロキシ−プレビタミ ンD2から成る群より選択される、ことを特徴とする、請求項18記載の方法。 20.前記ビタミンD代謝物が、カルシトリオールである、ことを特徴とする、 請求項19記載の方法。 21.前記化合物が、ビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナロ グの生物活性を、ニューロン喪失からの保護に効果的なように変化させる、こと を特徴とする、請求項1記載の方法。 22.前記化合物が、ニューロン喪失からの保護に関与しうるビタミンD、ビタ ミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログの量を調節する、ことを特徴とする、 請求項21記載の方法。 23.前記化合物が、ビタミンD、又は、ビタミンDの前駆体、又は、代謝物の ニューロン喪失保護能を変化させる、ことを特徴とする請求項21記載の方法。 24.患者をニューロン喪失から保護するための方法であって: (a)生物活性型のビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナログ を提供し;及び、 (b)前記生物活性型のビタミンD、ビタミンDの前駆体、代謝物、又は、アナ ログを、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、期間にわたっ て、患者に投与する、 ことから成る方法。 25.前記患者が、哺乳類である、ことを特徴とする、請求項24記載の方法。 26.前記哺乳類が、ヒトである、ことを特徴とする、請求項25記載の方法。 27.前記ビタミンD代謝物が、カルシトリオールである、ことを特徴とする、 請求項24記載の方法。 28.前記化合物が、長期間にわたって投与される、ことを特徴とする、請求項 24記載の方法。 29.前記投与期間が、約2週間、又は、それ以上である、ことを特徴とする、 請求項28記載の方法。 30.前記投与期間が、約1ヶ月間、又は、それ以上である、ことを特徴とする 、請求項28記載の方法。 31.前記投与期間が、約6ヶ月間、又は、それ以上である、ことを特徴とする 、請求項28記載の方法。 32.患者をニューロン喪失から保護するための方法であって: (a)ビタミンDと同様な機構を介してニューロン喪失から保護するが、ビタミ ンD受容体を介しては作用しないような、生物活性型のステロイド、又は、ステ ロイドの代謝物、又は、アナログを提供し;及び、 (b)前記生物活性型のステロイド、又は、ステロイドの代謝物、又は、アナロ グを、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、期間にわたって 、患者に投与する、 ことから成る方法。 33.ビタミンD受容体を介して作用することによってニューロン喪失から保護 する治療用の化合物であって、例えば、ニューロン喪失から保護するために効果 的な量で、及び、期間にわたって、患者に投与することによって、患者をニュー ロン喪失から保護するために用いられる化合物。 34.ビタミンD受容体を介して作用することによってニューロン喪失から保護 する化合物を用いて治療用薬剤を調製する使用方法であって、例えば、前記化合 物を、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、期間にわたって 、患者に投与することによって、患者をニューロン喪失から保護するために用い られる使用方法。 35.ビタミンDと同様な機構を介してニューロン喪失から保護するが、ビタミ ンD受容体を介しては作用しないような、治療用のステロイド、又は、ステロイ ドの代謝物、又は、ステロイドのアナログであって、例えば、ニューロン喪失か ら保護するために効果的な量で、及び、期間にわたって、患者に投与することに よって、患者をニューロン喪失から保護するために用いられるステロイド、又は 、ステロイドの代謝物、又は、ステロイドのアナログ。 36.ビタミンDと同様な機構を介してニューロン喪失から保護するが、ビタミ ンD受容体を介しては作用しないようなステロイド、又は、ステロイドの代謝物 、又は、ステロイドのアナログを用いて、治療用の薬剤を調製する使用方法であ って、例えば、前記ステロイド、又は、ステロイドの代謝物、又は、ステロイド のアナログを、ニューロン喪失から保護するために効果的な量で、及び、期間に わたって、患者に投与することによって、患者をニューロン喪失から保護するた めに用いられる使用方法。
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