JPH09507054A - 新規な酵素阻害剤、その合成及び使用方法 - Google Patents

新規な酵素阻害剤、その合成及び使用方法

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Abstract

(57)【要約】 DHUDアーゼ又はUrdPアーゼの活性を阻害するのに有効な新規な化合物を提供する。このような化合物は、一般式(I)又は(II) {ここで、XはO又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式(III) (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はOCOCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である)を有するアシクロ末端である}を有する。これらの化合物は治療の効能を増大させるため種々の化学療法剤と共に製薬組成物に使用することができる。また、これらの化合物は、酵素阻害化合物を癌やウイルス性、真菌性、細菌性又は寄生性感染症を治療するのに有効な化学療法剤と同時に投与し又は続けて投与することによって患者を治療する方法に使用することができる。さらに、これらの化合物は、画像化を高めるのに有効である。また、それらは、ピリミジン異化作用の障害及びその他の生理学的障害を防止し及び(又は)治療するために単独で投与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な酵素阻害剤、その合成及び使用方法発明の背景 本発明は、新規な酵素阻害化合物、それらの合成並びに病理学的及び生理学的 状態の治療への用途に関する。 ピリミジン類似体及びピリミジンヌクレオシドは、癌やウイルス、菌類、細菌 及び寄生生物感染症の化学療法剤として広く使用されている。癌の化学療法に使 用される大部分のピリミジン類似体は、何らかの抗癌活性が発現される前にヌク レオシド5’−モノホスフェートのレベルまで転化さなければならない。しかし 、それらのほとんど全ては、細胞内への移送を容易にさせるためにヌクレオシド 又は塩基として投与される。投与された化合物は、患者の体内の種々の酵素によ って異化作用及び不活性化作用を受ける。例えば、ピリミジンは、酵素のウリジ ンホスホリラーゼ(UrdPアーゼ)及びジヒドロウラシルデヒドロゲナーゼ( DHUDアーゼ)によって分解される。その結果、種々の悪性疾患を治療し又は ウイルス、菌類、細菌及び寄生生物感染症を治療するための化学療法を規制する プログラム(以下、化学療法プログラムという)を設計し又は選択するときには 、同化(活性化)の経路と異化(不活性化)の経路との間のバラ ンスを考慮しなければならない。 最近までは、ピリミジン類似体についての代謝の研究の大部分は同化について 集中しており、異化についてはほとんど注意が向けられていなかった。ピリミジ ン塩基及びヌクレオシド類似体は、患者の体内においてヌクレオシド5−モノホ スフェートに同化されるか又はβ−アミノ酸に異化され得る。ヌクレオシドから 塩基への異化は、ヌクレオシドホスホリラーゼによって進行する。次いで、得ら れた塩基は、DHUDアーゼ、ジヒドロピリミジナーゼ及びβ−ウレイドプロピ オナーゼによって接触される一連の三つの反応によってそれぞれのβ−アミノ酸 に転化され得る。ウオスターナック、Pharmac.Ther.,8:629-651(1981);ナギュイ ブ他、Cancer Res.,45:5405-5412(1985)。シチジン、シトシン及びそれらの類似 体は、それらが異化され得る前に脱アミンされなければならない。 化学療法のためのターゲットとしてDHUDアーゼが重要であることは、いく つかの最近の研究によって立証された。例えば、一定速度で5−フルオルウラシ ル(5−FUra)の連続輸液を受ける患者は治療中に有意に変動する5−FU raの血漿中濃度を有することがわかった。この変動に続いて、DHUDアーゼ の活性について観察されるものとは逆である日周期リズムが生じた。ハリス他、 Biochem.Pharmac.,37:4759-4762(1988);ハリス他、Cancer Res.,49:6610-6614 (1989);E.プチ他 、Cancer Res.,48:1676-1679(1988);ナギュイブ他、Biochem.Pharmac.,45:667 -673(1993)。即ち、5−FUraの高い血漿中濃度は低いDHUDアーゼの活性 と関連しており、またその逆も同様であった。また、DHUDアーゼ活性の日周 期リズムと5−FUra及び5−フルオル−2’-デオキシウリジン(5−Fd Urd)の効能日周期リズムとの間の有意の相関関係も報告された。E.プチ他 、Cancer Res.,48:1676-1679(1988);ホンレメリング他、Advances in Chronobi ology,Part B,357-373(1987)。従って、化学療法に対してはDHUDアーゼ活 性のレベルとフルオルピリミジン類のバイオアベイラビリテイ及び効能との間に は強い関連性が存在することは明らかである。 癌の化学療法におけるDHUDアーゼの重要性は、DHUDアーゼの阻害剤に ついての研究によてさらに強調される。この研究では、阻害剤は血漿中の5−F Uraの濃度及び半減期を増大させ且つ5−FUraのインビトロ及びインビボ での化学療法的効能を劇的に高めることがわかった。それにもかかわらず、DH UDアーゼの既知の阻害剤と5−FUraとの同時投与は、このような既知の阻 害剤と関連するいくつかの欠点のために一般的ではなかった。この既知の阻害剤 は5−FUraの抗腫瘍活性を高めたが、代替基質としても働き、相当な宿主毒 性を生じた。クーパー他、Cancer Res.,32:390-397(1972);ジェントリー他、Ca ncer Res.,31:909-912(197 1)。また、DHUDアーゼの阻害は、神経学的障害を伴うことが知られているこ の酵素の遺伝子欠損を模擬するであろうと思われた。バッケレン他、Clinica Ch imica Acta,140:246-247(1984);タッチマン他、N.Engl.J.Med.,313:245-249 (1985);ディアシオ他、J.Clin.Invest.,81:47-51(1988);ワドマン他、Adv.E xp.Med.,165A:109-114(1984)。最後に、腫瘍はDHUDアーゼ活性を欠いてい るか又はこの活性を非常にわずかしか有していないことが一般的に信じられてい た。シャウドリー他、Cancer Res.,18:318-328(1958);ハイデルベルガー他、Ca ncer Res.,30:1549-1569(1970);ムッケルジェー他、J.Biol.Chem.,235:433-4 37(1960)。 従って、現在知られている阻害剤は、化学療法プログラムのためにDHUDア ーゼ阻害剤の見込みがあり得るにもかかわらず、それらをこのような治療に使用 することを思い止まらせるいくつかの欠点を証明した。 また、UrdPアーゼ阻害剤は、臨床的に有用な属性を持っていることが知ら れている。例えば、UrdPアーゼ阻害剤は、癌の化学療法における種々のウラ シル及びウリジン誘導体の選択性及び効能を増大させることが提案された。米国 特許第5,077,280号(ソマンドッシ他)は、UrdPアーゼ阻害剤が3’−アジ ド−3’−デオキシチミジン(AZT)のような抗ウイルス剤の毒性を減少させ るための救済剤として使用できることを開示している。理想的なUrdPアーゼ 阻害剤は、効能があ り、特異的であり且つ毒性がないものである。さらに、有用なUrdPアーゼ阻 害剤は、生理学的pH範囲内に緩衝された水溶液に容易に溶解できるものでなけ ればならない。 前述のように、5−FUraのようなハロゲン化ピリミジン塩基及び5−Fd Urdのようなハロゲン化ピリミジンヌクレオシドは、癌の治療における化学療 法剤として使用された。これらの化合物は迅速な分解を受けるために、化合物の 効能は低下する。また、これらの化学療法剤の異化代謝産物(例えば、2−フル オル−β−アラニン)は患者の健康な細胞に対して毒性であると思われる。 例えば、ハロゲン化ピリミジンヌクレオシドは、ウリジンと同じ異化の経路を 共有することが知られている。多くの腫瘍細胞には官能性チミジンホスホリラー ゼはほとんど存在しないので、腫瘍細胞における異化の経路の第一段階は主とし てUrdPアーゼに頼っている。腫瘍細胞におけるこの酵素の阻害は、腫瘍組織 における化学療法剤の異化作用を阻害し、これによってその有効性を増大させる ように働く。健康な宿主組織においては、ハロゲン化ピリミジンヌクレオシドは 、依然として、チミジンホスホリラーゼの作用によってそれらのピリミジン対応 物に異化され得る。 同様に、5−FUraのようなハロゲン化ピリミジン塩基は、RNA及びDN A中に取り込むために細胞のピ リミジン類及びそれらのヌクレオチドと競争することができる。しかし、Urd Pアーゼ阻害剤は、宿主の健康な細胞を救済するために血漿中ウリジン濃度(モ ンクス他、Biochem.Pharmac.,32:2003-2009(1983);ダルノウスキー他、Cancer Res.,45:5364-5368(1985))及びウリジンのアベラビリティを増大させる。また 、血漿中ウリジン濃度の増大は組織内にウラシルヌクレオチドが溜まるのを高め る。しかして、増大した細胞内ウリジン濃度は、宿主細胞内のハロゲン化化合物 の毒性を減少せることができる。さらに、ホスホリラーゼ阻害剤の添加が宿主細 胞がウリジンを救済する能力を選択的に増大させることが示された。ダルノウス キー他、Cancer Res.,45:5364-5368(1985)。この組織によるウリジン利用の特異 的な向上は、5−フルオルウラシルを使用する化学療法プログラムにとって特に 重要である。 UrdPアーゼ阻害剤の別の利用は、それを種々の抗ウイルス剤の宿主毒性に 対する保護に使用することにある。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に 感染している患者及び(又は)後天性免疫不全症候群(AIDS)に感染してい る患者の抗ウイルス療法は、典型的に、AZTのような抗ウイルス性ピリミジン ヌクレオシドの投与を伴っていた。このような抗ウイルス剤は、HIVの逆トラ ンスクリプターセ酵素を阻害させてウイルスの細胞障害作用を減少させるように 機能する。 AZTのような抗ウイルス性ピリミジンヌクレオシド の有用性は、未感染の細胞に対するAZT又はその異化代謝産物、例えば3’− アミノ−3’−デオキシチミジン(AMT)の毒性作用によって制限されていた 。クレトン他、Molec.Pharmac.,39:258-266(1991)。このような化合物の持続し た投与は、骨髄の生長抑制や重い貧血を含めて重大な副作用をを生じさせる。し かして、AZTの薬量及び療法の期間はこのような合併症のために制限される。 現在、ウリジン及び若干の程度までであるがシチジンが、感染細胞におけるA ZTの抗ウイルス活性に影響を及ぼすことなく、ヒト骨髄原種細胞におけるAZ Tの毒性作用を一変させ得ることが知られている。ソマドッシ他、Antimicrob. Agents Chemothr.,32:997-1000(1988)。ウリジンのこの救済作用は、一般的に は有益であるが、体の迅速なウリジン異化作用のためにいくつかの欠点を有する 。従って、高い薬量が要求され、しかしてウリジンの高い薬量は静脈災や発熱反 応を含めてひどい毒性副作用を生じさせる恐れがある。 AZT又は類似の化合物とUrdPアーゼ阻害剤を併用する抗ウイルス療法が 米国特許第5,077,280号(ソマドッシ他)に示唆された。このような治療 は、有害になるような高い薬量のウリジンの投与を要求することなく未感染の細 胞を救済するのに十分に有効なレベルのウリジンを血漿中に保持させるためにU rdPアーゼ阻害剤を利用する。 さらに、多くの合成UrdPアーゼ阻害剤が報告された。ニエズウイスキー他 、Biochem.Pharmac.,31:1857(1982);ナギュイブ他、Biochem.Pharmac.,36:21 95(1987);ナギュイブ他、Biochem.Pharmac.,46:1273-1283(1993);米国特許第 4,613,604号(シュー他)及び米国特許第5,141,943号(ナギュイブ他) を参照。このようなUrdPアーゼ阻害剤には各種の置換アシクロウリジン及び 5−ベンジルバルビツレート誘導体が含まれる。 置換アシクロウリジンはUrdPアーゼの良好な阻害剤であるが、水溶解度が 制限される傾向があり、合成するのが困難であり、高価である。水溶解度は、実 際の化学療法及び感染の治療にとっては、生理学的pH範囲で静脈内投与を可能 にさせ且つ投与すべき理想の容積の処方を可能にさせるために必須である。不幸 にして、いくつかのアシクロウリジン、例えばベンジルアシクロウリジン及びそ の誘導体は、室温で水に約1mMまでしか可溶ではない。しかして、生理学的に 有用な薬量を投与するには、これらの化合物を過大な容積に希釈する必要がある 。また、5−ベンジルバルビツレート誘導体は有用なUrdPアーゼ阻害剤であ るが、ベンジルアシクロウリジン誘導体よりも可溶性であって望ましいことがわ かった。 また、血漿中ウリジンレベルを維持し又は増大させることはいくつかの病理学 的及び生理学的な状態を治療す るのに有用である。例えば、ウリジンは、ウサギの心臓組織において心筋の動作 、グルコースの取り込み、グリコーゲンの合成及びATPの分解を増大させるこ とがわかった。また、血漿中ウリジンレベルの変動は、筋肉の動作及び心筋の収 縮性に重要な関係を有する。さらに、ウリジンレベルは、中枢神経系の機能にお いて重要である。例えば、細胞内及び血漿中ウリジンレベルの抑制は、脳血管性 障害や痙攣、癲癇、パーキンソン氏病、アルツハイマー病及び老人性痴呆症を含 めてCNS障害の治療に重要な関係を有するものと思われる。また、ウリジンは 、肝臓の損傷や肝炎の治療に非常に有用である(ナギュイブ他、Biochem.Pharm ac.,46:1273-1283(1993)及び前述した文献を参照)。 従って、ある種の化学療法剤を迅速に分解させる酵素或いは過剰のウラシル又 はウリジン異化作用の一因となる酵素を阻害させることが望ましいことは明らか である。特に、DHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害剤は、癌やウイルス、 菌類、細菌及び寄生生物感染症に対する治療プログラムと大きな関連性がある。 さらに、血漿中ウリジンレベルの抑制及び維持は、多くの疾病及び病理学的状態 を治療しかつ防止するにあたって重要である。また、UrdPアーゼ阻害剤は、 有効血漿中ウリジン濃度を増大させるのに使用することができる。その結果、新 規で改良された酵素阻害化合物、特にDHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害 剤に対する要望が存在する 。 従って、本発明の目的は、DHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害剤として 有用な新規な化合物を提供することである。本発明の他の目的は、正常な細胞及 び未感染の細胞に対する化学療法剤の毒性を減少させるために化学療法プログラ ムによって使用することができるDHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害剤を 提供することである。本発明のさらに他の目的は、癌やウイルス、菌類、細菌及 び寄生生物感染症の治療において化学療法プログラムの効能を増大させる方法を 提供することである。さらに他の目的は、このような治療と関連する不都合な患 者の情動を減少させながらある種の化学療法プログラムの効能を増大させること である。本発明のさらに他の目的は、このようなDHUDアーゼ及びUrdPア ーゼの新規な阻害剤を合成する方法を提供することである。また、本発明の目的 は、血漿中ウリジン濃度を増大させるのに有用であり且つ種々の生理学的及び病 理学的状態を治療するのに有効である方法及び組成物を提供することである。本 発明のさらに他の目的は、ピリミジン異化作用の固有の障害の症状を治療し及び (又は)予防するための方法を提供することである。これらの目的及びその他の 目的は、以下の説明から明らかとなろう。発明の概要 本発明は、DHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害剤として有効な新規な化 合物に関する。これらの新規な 化合物は、一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる。 DHUDアーゼを阻害する本発明の新規な化合物としては、5−(フェニルセ レニル)ウラシル(PSU)、5−(フェニルチオ)ウラシル(PTU)、5− (フェニルセレニル)バルビツル酸及び5−(フェニルチオ)バルビツル酸が含 まれる。 UrdPアーゼを阻害する本発明の好ましい化合物としては、アシクロ末端を 有する前記の一般式の化合物が含まれる。このような化合物として、1−[(2 −ヒド ロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシル(PSAU)、 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラシル( PTAU)、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレ ニル)バルビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フ ェニルチオ)バルビツル酸が挙げられる。 別の具体例として、本発明は、癌やウイルス、菌類、細菌及び寄生生物感染症 を治療するのに有効な量の化学療法剤、例えばピリミジン類と、有効な量の本発 明の新規なDHUDアーゼ又はUrdPアーゼの阻害剤と、製薬上許容できるキ ャリアーを含む製薬組成物に関する。ここで、化学療法剤は、癌やウイルス、菌 類、細菌及び寄生生物感染症を治療するのに普通に使用されており且つ患者の体 内においてDHUDアーゼ又はUrdPアーゼによって分解を受ける任意のもの であってよい。このような化学療法剤の例としては、ピリミジン化合物、例えば 3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオル−3’−デオキシチミ ジン、2’,3’−ジデオキシシチジン−2’−エン、3’−デオキシチミジン −2’−エン、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウリジン、2’,3’− ジデオキシ−5−フルオル−3’−チアシチジン、2’,3’−ジデオキシ−3 ’−チアシチジン、5−フルオル−2’,3’−ジデオキシシチジン、5−フル オルウラシル、5−フルオル−2’−デ オキシウリジン並びにこれらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーが挙げ られる。また、化学療法剤は、ピリミジン核塩基類似体のプロドラッグであって よく、1−(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル(TEGAFU R)、5−フルオルシトシン、5’−デオキシ−5−フルオルウリジン及び1− エトキシメチル−5−フルオルウラシルが含まれる。また、化学療法剤は、大阪 の大鵬薬品(株)から商品名UFTとして市販されているプロドラッグでってよ い。これは、1−(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシルとウラシ ルの混合物である。 さらに他の具体例では、本発明は、化学療法剤の投与から生じ得るいかなる毒 性からも正常な又は未感染の細胞を保護し及び(又は)救済しながら化学療法剤 を投与する方法を包含する。さらに、化学療法剤の効能を向上させるための方法 が提供される。本発明の方法は、化学療法剤を投与し、前記のタイプのDHUD アーゼ又はUrdPアーゼ阻害化合物を同時に投与し又は逐次的に投与すること からなる。DHUDアーゼ又はUrdPアーゼの活性の阻害によってこれらの酵 素による化学療法剤の分解が防止され又は遅延される。この化学療法剤の分解の 防止又は遅延は、化学療法剤の毒性となり得る異化代謝産物のレベルを低下させ ることになる。しかして、これらの方法は、化学療法剤の高い濃度及び(又は) 長い半減期を助成し、従って治療プログラムの効能を増大 させる。また、追加の利益は、化学療法剤のどんな毒性副作用も最少限になると いうことである。 また、本発明の酵素阻害化合物の使用は、化学療法剤により誘発される毒性か ら健康な細胞を保護し及び(又は)救済するように助成できる天然ピリミジン類 、例えばウリジンの血漿中レベルを増大させるのに有効である。また、これらの 化合物を投与して天然ピリミジン類の血漿中濃度を増大させることは、このよう なピリミジン類の投与に応答する病理学的及び生理学的状態を治療するのに有効 であろう。これらの治療に応答するこの種の障害には、CNS障害、パーキンソ ン氏病、アルツハインマー病、老人性痴呆症、睡眠障害、筋肉機能障害、肺障害 、糖尿病、心不全及び心筋梗塞、肝臓病及び肝臓損傷などが含まれる。 本発明で開示する新規な化合物に他に、いくつかの既知の化合物がUrdPア ーゼ阻害剤として有効であることが発見された。このような化合物のUrdPア ーゼ阻害活性はこれまで知られていなかった。 また、本発明は、新規な酵素阻害化合物、例えば5−(フェニルセレニル)ウ ラシル及び5−(フェニルチオ)ウラシルの合成を意図する。発明の詳細な説明 本発明は、酵素のジヒドロウラシルデヒドロゲナーゼ(DHUDアーゼ)又は ウリジンホスホリラーゼ(UrdPアーゼ)の活性を阻害させるのに有効な新規 な化合 物に関する。これらの化合物は、癌やウイルス、菌類、細菌及び寄生生物感染症 を治療するために、DHUDアーゼ又はUrdPアーゼにより分解される化学療 法剤の投与を伴う化学療法プログラムと併用して使用することができる。本発明 の化合物は、DHUDアーゼ又はUrdPアーゼの活性を阻害させることによっ て、DHUDアーゼ又はUrdPアーゼによる化学療法剤の分解を遅延させ又は 防止させるのに有効である。このために化学療法剤の濃度及び半減期が増大し、 しかして化学療法剤の効能が増大することになる。さらに、化学療法剤の分解を 遅延させ又は防止させることによって、化学療法剤の毒性の恐れが高い異化代謝 産物のレベルが相当に低下し、多くの化学療法剤と関連する毒性副作用が低下さ れる。また、本発明のDHUDアーゼ及びUrdPアーゼの阻害剤は、天然ピリ ミジン類(例えば、ウリジン、シチジン、ウラシル及びチミジン)の細胞内レベ ルを増大させることができ、ピリミジン類及びそれらのヌクレオチドの投与が有 効であることが知られている病理学的及び生理学的障害を治療するのに使用する ことができる。 本発明の新規な化合物は、一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる。 DHUDアーゼを阻害するのに有効である上記の一般式を有する好ましい化合 物の例としては、5−(フェニルセレニル)ウラシル(PSU)、5−(フェニ ルチオ)ウラシル(PTU)、5−(フェニルセレニル)バルビツル酸及び5− (フェニルチオ)バルビツル酸が含まれる。 UrdPアーゼの阻害剤として有効である上記の一般式を有する好ましい化合 物の例としては、5−(フェニルセレニル)アシクロウリジン類及び5−(フェ ニルチオ)アシクロウリジン類、例えばそれぞれ1−[(2−ヒドロキシエトキ シ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシル(PSAU)及び1−[(2 −ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラシル( PTAU)が含まれる。上記の一般式を有するその他の好ましいUrdPアーゼ の阻害剤の例としては、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フ ェニルセレニル)バルビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル] −5−(フェニルチオ)バルビツル酸が挙げられる。 上記の一般式によって表される新規な化合物の他に、以前から知られた化合物 がUrdPアーゼを阻害することが発見された。このような化合物として、5− (フェニルセレニル)ウリジン、5−(フェニルセレニル)−−2’−デオキシ ウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6−(フェニルセレニ ル)ウリジン、5−(フェニルチオ)ウリジン、5−(フェニルチオ−2’−デ オキシウリジン及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6−(フェニ ルチオ)ウリジンが含まれる。 上記したように、多くの有用な化学療法剤は、DHUDアーゼ及びUrdPア ーゼのような酵素によって迅速に異化される。こららの化学療法剤の迅速な分解 は、このような療法剤の半減期が短くなるのでそれらの使用を伴う治療の効能を 明らかに低下させる。また、これらの化合物の迅速な分解は、多くの場合に宿主 組織に対して毒性となり得る異化代謝産物を生じさせる。本発明は、本発明の新 規な化合物及びその他の酵素阻害化合物を種々の化学療法剤と同時に投与し又は 逐次的に投与するこ とによって化学療法プログラムの有効性を高め得ることを認識するものである。 本発明の化合物は、酵素であるDHUDアーゼ又はUrdPアーゼを阻害させる ことによって、化学療法剤を長期間にわたって患者に利用できるようにし且つ毒 性の可能性のある異化代謝産物の生成を最少限にし又は防止させるのに有効であ る。 本発明の酵素阻害化合物は、癌やウイルス、菌類、細菌及び寄生生物感染症を 治療するのに有効な広範な種類の化学療法剤と併用することができる。これらの 化合物は、一般に、ピリミジン化合物、例えばピリミジン核塩基、ピリミジンヌ クレオシド及びこのような化合物のプロドラッグである。当業者ならば、その効 能を本発明の酵素阻害化合物によって高めることができる多くの化学療法剤を容 易に認識できるであろう。 その有効性を本発明の酵素阻害剤によって高めることができるピリミジン塩基 及びピリミジンヌクレオシドの例としては、3’−アジド−3’−デオキシチミ ジン、3’−フルオル−3’−デオキシチミジン、2’,3’−ジデオキシシチ ジン−2’−エン、3’−デオキシチミジン−2’−エン、3’−アジド−2’ ,3’−ジデオキシウリジン、2’,3’−ジデオキシ−5−フルオル−3’− チアシチジン、2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン、5−フルオル− 2’,3’−ジデオキシシチジン、5−フルオルウラシル、5−フルオル−2’ −デオキシウリジン並びにこれらのヘテロ二量体 及びこれらのエナンチオマーが挙げられる。また、本発明の酵素阻害剤によって 高めることができるその他のピリミジン塩基及びピリミジンヌクレオシドには、 ピリミジン核塩基類似体のプロドラッグがある。このようなプロドラッグの例は 、1−(2−テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル、5−フルオルシト シン、5’−デオキシ−5−フルオルウリジン及び1−エトキシメチル−5−フ ルオルウラシルである。その他の好適なプロドラッグは、大阪の大鵬薬品(株) から商品名UFTとして市販されているものである。これは、1−(2−テトラ ヒドロフリル)−5−フルオルウラシルとウラシルの混合物である。 また、本発明の酵素阻害化合物は患者に投与され且つ移植された細菌又は菌類 遺伝子を介して細胞内で利用できる細菌又は菌類酵素によって有用な化学療法剤 (例えば、5−フルオルウラシル)に脱アミンすることができる5−フルオルシ トシンのようなプロドラッグと共に使用できることが注目される。 特に、DHUDアーゼ阻害剤は、種々のピリミジン核塩基類似体(例えば、5 −FUra)又はピリミジン核塩基類似体のプロドラッグ(例えば、1−(2− テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル、5−フルオルシトシン、5’− デオキシ−5−フルオルウリジン及び1−エトキシメチル−5−フルオルウラシ ル)の異化作用を防止し又は遅延させるのに有効である。また、この ような阻害剤は、5−FUra及びそのプロドラッグ(例えば、フルオル−β− アラニン及びその胆汁酸抱合体)の毒性異化代謝産物から生じる毒性(心臓毒、 神経毒、肝臓毒及び胆汁鬱滞)を予防し又は最少限にさせる。また、DHUDア ーゼ阻害剤は、β−アラニン及びその異化代謝産物の産生の増大により生じるピ リミジン塩基異化作用の遺伝した障害の症状を予防し治療するのに有効であろう 。このような障害には、高β−アラニン血症、高カルノシン尿症及びβ−アラニ ン尿症がある。 また、UrdPアーゼ阻害剤は、特に、癌を治療するのに又はウイルス、菌類 、細菌及び寄生生物感染症を治療するのに使用される化学療法剤の毒性を防止し 又は最少限にさせるため血漿中ウリジンレベルを増大させるのに有用である。こ の血漿中ウリジンレベルの増大は有用である。何故ならば、ピリミジン核塩基及 びピリミジンヌクレオシドのような多くの化学療法剤の投与と関連する毒性から 正常な又は未感染の宿主細胞を予防し又は救済するためには適当な血漿中ウリジ ンレベルが有効であるからである。また、UrdPアーゼ阻害剤は、血漿中ウリ ジンレベル及び(又は)その他の天然ピリミジンの血漿中レベルを増大させるた めに単独で使用することができる。或いは、それらは、ウリジンのような天然ピ リミジン類の血漿中レベルを増大させるために、ウリジン、シチジン、ウリジン 又はシチジンのプロドラッグ、ウリジン又はシチジンヌクレオシドのプロドラッ グと併用 することができる。さらに、UrdPアーゼ阻害剤は、種々の抗癌化学療法剤並 びにウイルス、菌類、細菌及び寄生生物感染症を治療するのに使用される化学療 法剤のUrdPアーゼによる分解を防止し又は遅延させる。さらに、UrdPア ーゼ阻害剤は、画像化能力を高めるための放射線感受性薬の分解を防止し又は遅 延させることができる。 本発明の他の観点からみれば、前記したタイプのDHUDアーゼ及びUrdP アーゼの阻害剤は、それ自体で、ウリジン、シチジン、ウラシル及びチミジンの ような天然ピリミジンのレベルを増大させるのに有用である。このような処置は 、ピリミジン類(例えば、シチジン、ウリジン及びそれらのヌクレオチド)の投 与が有用である病理学的及び生理学的障害を治療するのに有効である。このよう な障害には、CNS障害、パーキンソン氏病、アルツハインマー病、老人性痴呆 症、睡眠障害、筋肉機能障害、肺障害、糖尿病、心不全及び心筋梗塞、肝臓病及 び肝臓損傷などが含まれる。このような障害を治療するための血漿中ウリジンレ ベルの増大に関するさらなる詳細は、同時継続中の米国特許出願第106,22 5号(1993年8月13日)に包含されている。その内容をここで引用するこ とにより本明細書に含めるものとする。 米国特許第5,077,280号及び同5,141,943号(その内容をここで 引用することにより本明細書に含め るものとする)は、その他のUrdPアーゼ阻害剤の種々の用途を記載している 。これらの特許に記載されたUrdPアーゼ阻害剤の用途は、本明細書に記載す るUrdPアーゼ阻害剤にも適用することができる。 本発明の酵素阻害化合物は、アシクロウリジン及びベンジルバルビツレートの ような既知の酵素阻害剤よりも脂肪親和性であることがわかった。その結果、こ れらの化合物の有益な酵素阻害効果は、体内のピリミジン異化作用の主要部位で ある肝臓に一層迅速に向けることができる。また、これらの化合物の脂肪親和性 はそれらを患者の体内に長時間にわたって活性のまま留めさせることができる。 化学療法剤の好ましい薬量は、当業者には周知である。好ましい薬量は、患者 の年齢、体重及び健康並びに治療すべき疾病を含めて多くの因子に依存して変わ る。化学療法剤の効力とその潜在的な毒性が、特定の化学療法剤の薬量に影響す る別の因子である。例えば、AZTはAIDSを治療するのに使用される。この 薬剤は、1日当たり体重1kg当たり約10mg〜約100mgの間の量で投与 したときにウイルスの複製を阻害させるのに有効である。このような薬量単位は 、合計で約0.7〜約7gの化合物が体重約70kgの患者に24時間投与され るように使用されるものである。例えば、ピリミジンヌクレオシドAZTを投与 するための現在認めれているプロトコルの一つは、1日当たり3回200mgの AZ Tを投与することを要求する。その他のピリミジン核塩基及びピリミジンヌクレ オシドの好ましい治療用薬量は、当業者には周知である。 上記したタイプの化学療法剤は、本発明の酵素阻害化合物と同時に投与し又は 逐次的に投与することができる。本発明の好ましい酵素阻害化合物の好ましい薬 量は、約5〜500mg/kg/日の範囲内にある。好ましい薬量は約200m g/kg/日である。当業者ならば、所定の患者に投与すべき化学療法剤の薬量 がその患者に投与される酵素阻害化合物の効能によって影響され得ることを十分 に理解するであろう。 上記した併用療法の薬量プログラムは、明らかに、最適な治療応答を提供する ように調節することができる。例えば、いくつかに分けた薬量を毎日投与し或い は薬量を治療状況の緊急性により指示されたときに相応的に減少させることがで きる。 本発明により提供される決定的な実際の利点は、活性化合物が任意の便利な方 法で、例えば経口、静脈内、筋肉内、皮下経路で又は局所輸液によって投与でき ることである。 製薬組成物は、所望の化学療法剤を上で開示したタイプの所望のDHUDアー ゼ又はUrdPアーゼの阻害剤と混合することにより調製することができる。 上で開示した活性化合物は、例えば、不活性希釈剤又は同化性可食性キャリア ーと共に経口投与することがで きる。また、それは硬質又は軟質外殻のゼラチンカプセル内に封入することがで き、又は錠剤に圧縮し、又は食品中に直接配合することができる。経口投与によ る治療のためには、活性化合物は補助剤と混合し、摂取可能な錠剤、口内錠剤、 トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で 使用することができる。このような製薬上有用な組成物中の活性化合物の量は、 好適な薬量が得られるようなものである。 錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどの形態の製薬組成物は、下記の物質も含 有することができる。例えば、トラガントゴム、アカシアゴム、コーンスターチ 又はゼラチンのような結合剤、例えばりん酸カルシウムのような補助剤、例えば コーンスターチ、ジャガイモ殿粉、アルギン酸などのような崩壊剤、例えばステ アリン酸マグネシウムのような滑剤、例えば蔗糖、ラクトース又はサッカリンの ような甘味剤、例えばペパーミントオイル、ウインターグリーンオイルのような 香料又はチェリーフレーバーなどである。薬量単位の形態がカプセルであるとき は、そらは、上記のタイプの物質の他に、液状キャリアーを含有することができ る。種々のその他の物質も被覆として又は薬量単位の物理的形態を変えるために 存在できる。例えば、錠剤、ピル又はカプセルは、シェラック、糖又はその両方 で被覆することができる。シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味剤とし ての蔗糖、保存剤としてのメチル及びプロピルパラベン、染料及 びチェリー又はオレンジフレーバーのような香料を含有することができる。もち ろん、任意の薬量単位の形態を調製するのに使用されるどんな物質も、使用され る量において製薬上純粋であり且つ実質上非毒性であるべきである。さらに、活 性化合物は、除放性の製剤及び処方物に配合することができる。 また、活性化合物は、非経口的に又は腹腔内経路で投与される製薬組成物の形 態で調製することができる。遊離の塩基又は製薬上許容できる塩類としての化合 物の溶液は、界面活性剤、例えばヒドロキシプロピルセルロースを適当に混合し た水中で調製することができる。また、分散液は、グリセリン、液状ポリエチレ ングリコール、これらの混合物中で、さらにオイル中で調製することができる。 通常の貯蔵及び使用条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を抑制するため に保存剤を含有する。 注射用に好適な製薬形態には、無菌の水溶液又は分散液並びに無菌の水溶液又 は分散液を即座に調製するための無菌の粉末が含まれる。好適な注射用製薬形態 は無菌でなければならず、また易注射性が存在する程度に流体状でなければなら ない。さらに、これらは、調製及び貯蔵条件下で安定でなければならないし、ま た細菌や菌類のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キ ャリアーは、例えば、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポ リエチレングリコー ルや植物油を含有する溶媒又は分散媒であってよい。適切な流動性は、例えば、 分散液の場合には所要の粒度を維持することによって、また界面活性剤を使用す ることによって保持することができる。微生物の作用を防止するために種々の抗 細菌剤及び抗菌剤(例えば、パラベン、クロルブタノール、ソルビン酸、チメロ サールなど)を使用することができる。多くの場合に、等張剤、例えば糖類又は 塩化ナトリウムを含有することが好ましい。注射用組成物の持続した吸収は、吸 収を遅延させる薬剤、例えばアルミニウムモノステアレート及びゼラチンを組成 物中に使用することによってもたらすことができる。 無菌の注射用溶液は、活性化合物を所要量で適当な溶媒中に上で列挙した種々 のその他の成分と共に配合し、要すれば次いで濾過滅菌を行うことにより調製す ることができる。分散液は、一般に、基本分散媒及び前記したタイプの所要の追 加成分を含有する無菌のビヒクルに種々の無菌の活性成分を配合することによっ て調製することができる。無菌の注射用溶液を調製するのに使用される無菌の粉 末は、真空乾燥及び凍結乾燥によって調製することができる。 用語“製薬上許容できるキャリアー”とは、本明細書で使用するときは、任意 の全ての溶媒、分散媒、被覆、抗細菌剤、抗菌剤、等張剤、吸収遅延剤などを包 含するものとする。製薬上許容できる製剤のためにこれらの媒 体及び剤を使用することは当業者には周知のことである。 5−(フェニルセレニル)ウラシル(PSU)、5−(フェニルチオ)ウラシ ル(PTU)及びそれらの誘導体は、多段合成方法に従って製造することができ る。好ましい出発化合物は5−ブロムウラシルであって、これを過剰のPOCl3 と反応させて2,4−ジクロル−5−ブロムピリジンを生成させる。この化合 物を好ましくはトルエン中で室温でナトリウムベンジレラートで処理すると、5 −ブロム−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンが生成する。この5−ピ リミジン誘導体を乾燥THF中で−80℃以下でn−BuLi(1.1当量)に よりリチウム化するとC−5リチウム化化合物が得られる。この化合物は、ジフ ェニルジセレニド(PSUを得るため)又はジフェニルジスルフィド(PTUを 得るため)とほぼ−75℃で約1/2時間反応させることができる。反応混合物 を氷酢酸AcOHにより急冷し、次いでシリカゲルでクロマトグラフィーすると 、相当する5−ヘテラフェニル−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンが 70〜75%の収率で得られる。保護基のベンジル基は乾燥CH2Cl2中で室温 で沃化トリメチルシリル(2,4当量)に暴露すると容易に解裂され、所望の5 −(ヘテラフェニル)ウラシル、PSU又はPTUを78〜80%の収率で与え る。 5−フェニルセレニル非環式ヌクレオシドは、乾燥ピ リジン中で室温以上の温度で、好ましくは約60℃で塩化フェニルセレニルを非 環式ヌクレオシドに直接親電子付加させることによって具合よく製造することが できる。このような合成法は、シナジ他によりJ.Med.Chem.,29:1293-1295(198 6)に記載されている。その開示はここで引用することにより本明細書に含めるも のとする。白色結晶化合物として得られる親電子付加の生成物は、クロマトグラ フィーによって容易に精製される。実施例 これらの化合物の合成並びにそれらの酵素阻害剤としての有用性を以下の実施 例において詳細に説明する。例1 5−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンの合成 5−ブロム−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジン(742mg、2ミ リモル)を乾燥THF(10mL)に溶解してなる溶液に−80℃でn−BuL i(1.6M、1.5mL、2.4ミリモル)を窒素雰囲気下に攪拌しながら滴下 した。混合物を15分間攪拌した後、THF(10mL)に溶解したジフェニル ジセレニド(1.25g、4ミリモル)を添加し、温度を−70℃以下に保持し た。その温度で1時間後に、反応混合物を氷酢酸AcOH(0.5mL)により 急冷し、溶液を室温まで加温した。溶液を真空乾燥により濃縮し、残留物を、溶 離剤としてヘキサン:CH2Cl2(6:4)を使用するシリカゲルカラムクロマ トグラフィーによって精製して白色固体を得た。これをEtOHから結晶化して 5−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンの白色 針状物(778mg、87%)を得た。Mp=66〜68℃。1 H−NMR(CDCl3):δ5.38及び5.42(2s,4H,CH2);7. 23−7.49(m,15H,2Ph及びSePh);8.26(s,1H,6− H) 分析(C242022Se):C、H及びNの存在例2 5−フェニルセレニルウラシル(PSU)の合成 5−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジン(4 47mg、1ミリモル)を乾燥CH2Cl2(10mL)に溶解してなる溶液に室 温で無水条件下で沃化トリメチルシリル(520mg、2.6ミリモル)を添加 した。黄色溶液を1時間攪拌した。過剰の沃化トリメチルシリルを分解し、反応 中に生成した中間体トリメチルシリルエーテルをMeOHを添加して加水分解し た。沈殿を濾過し、固体をEtOHから結晶化して純PSU(210mg、78 %)を得た。Mp=249〜251℃。1 H−NMR(DMSO−d6):δ7.16−7.37(m,5H,SePh); 7.93(s,1H,6−H);11.28及び11.39(2s,2H,2NH ,D2O交換可能) 分析(C10822Se):C、H及びNの存在例3 5−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンの合成 例2に記載のようにして5−ブロム−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミ ジン(742mg、2ミリモル)を順次にn−BuLi(1.6M、15mL、 2.4ミリモル)及びジフェニルジスルフィド(872mg、4ミ リモル)と反応させて標記の化合物(630mg、79%)を得た。Mp=61 〜63℃。1 H−NMR(CDCl3):δ5.41及び5.45(2s,4H,CH2);7. 06−7.48(m,15H,2Ph及びSPh);8.37(s,1H,6−H ) 分析(C242022S):C、H及びNの存在例4 5−(フェニルチオ)ウラシル(PTU)の合成 例2に記載のようにして5−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキ シ)ピリミジン(400mg、1ミリモル)をCH2Cl2(15mL)中で沃化 トリメチルシリル(520mg、2.6ミリモル)と反応させて5−フェニルチ オウラシル(160mg、72%)を得た。Mp=269〜271℃(文献37、 Mp=272℃)。1 H−NMR(DMSO−d6):δ7.04−7.25(m,5H,SPh);7 .86(s,1H,6−H);11.32及び11.41(2s,2H,2NH, D2O交換可能)例5 6−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンの合成 例3に記載のようにして6−ブロム−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミ ジン(742mg、2ミリモル)を順次にn−BuLi(1.6M、15mL、 2.4ミリ モル)及びジフェニルジセレニド(1.25g、4ミリモル)と反応させて標記 の化合物(590mg、66%)を得た。Mp=97〜99℃。1 H−NMR(CDCl3):δ5.28及び5.39(2s,4H,CH2);6. 00(s,1H,5−H);7.26−7.74(m,15H,2Ph及びSeP h) 分析(C242022Se):C、H及びNの存在例6 6−(フェニルセレニル)ウラシルの合成 例2に記載のようにして6−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジル オキシ)ピリミジン(447mg、1ミリモル)をCH2Cl2(15mL)中で 沃化トリメチルシリル(520mg、2.6ミリモル)と反応させて所望の化合 物(215mg、80%)を得た。Mp=238〜240℃。1 H−NMR(DMSO−d6):δ4.66(s,1H,5−H);7.43−7 .70(m,5H,SePh);11.16及び11.28(2s,2H,2NH ,D2O交換可能) 分析(C10822Se):C、H及びNの存在例7 6−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンの合成 例3に記載のようにして6−ブロム−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミ ジン(742mg、2ミリモル )を順次にn−BuLi(1.6M、15mL、2.4ミリモル)及びジフェニル ジスルフィド(872mg、4ミリモル)と反応させて標記の化合物(610m g、76%)を得た。Mp=102〜104℃。1 H−NMR(CDCl3):δ5.32及び5.40(2s,4H,CH2);5. 83(s,1H,5−H);7.28−7.60(m,15H,2Ph及びSPh ) 分析(C242022S):C、H及びNの存在例8 6−(フェニルチオ)ウラシルの合成 例2に記載のようにして6−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキ シ)ピリミジン(400mg、1ミリモル)をCH2Cl2(15mL)中で沃化 トリメチルシリル(520mg、2.6ミリモル)と反応させて6−(フェニル チオ)ウラシル(190mg、86%)を得た。Mp=266〜267℃。1 H−NMR(DMSO−d6):δ7.04−7.25(m,5H,SPh);7 .86(s,1H,6−H);11.32及び11.41(2s,2H,2NH, D2O交換可能) 分析(C10822S):C、H及びNの存在例9 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシ ル(PSAU)の合成 塩化フェニルセレニル(1.14g、6ミリモル)を乾 燥ピリジン(15mL)に溶解し、次いで1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メ チル]ウラシル(1.0g、5.37ミリモル)を添加した。反応混合物を60℃ で24時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、次いで真空下に濃縮してピリジ ンを除去した。残留物をベンゼン(2×10mL)、次いで無水EtOH(10 mL)と共沸させた。残留物をシリカゲルカラムに吸着させ、まずCHCl3に より溶離して残留ジフェニルジセレニドを除去した。次いで、CHCl3:Me OH(95:5)により溶離して生成物を得た。TLC純画分を集め、濃縮した 。固体残留物を無水EtOHから再結晶して所望の化合物を白色結晶固体(1. 4g、76%)として得た。Mp=118〜120℃。1 H−NMR(DMSO−d6):δ1.60(s,1H,OH,D2O交換可能) ;3.68−3.74(m,4H,OCH2CH2O);5.17(s,2H,NC H2O);7.26−7.57(m,6H,SePh及びC−6H);8.37(s ,1H,NH,D2O交換可能) 分析(C131424Se):C、H及びNの存在例10 1−(エトキシメチル)−5−(フェニルセレニル)ウラシルの合成 例9に記載のように、ピリジン(25mL)中で塩化フェニルセレニル(1. 15g、6ミリモル)を1−(エトキシメチル)ウラシル(850mg、5ミリ モル)と 反応させて標記の化合物(1.20g、74%)を得た。Mp=143〜145 ℃。1 H−NMR(CDCl3):δ1.20(t,3H,CH3CH2O);3.57( q,2H,CH3CH2O);5.08(s,2H,NCH2O);7.22−7.5 3(m,5H,SePh及びC−6H);8.94(s,1H,NH,D2O交換 可能) 分析(C131423Se):C、H及びNの存在 本発明の新規な酵素阻害化合物並びにその他の有用な酵素阻害化合物をこれら がDHUDアーゼ及びUrdPアーゼを阻害する能力について評価した。さらに 、これら化合物の宿主組織に対する毒性も評価した。行った試験並びに得られた データを以下の例において検討し、表に示す。例11 マウスの肝臓を体重が20〜24gの雌のスイスアルビノ(CD−1)マウス (チャールズ・リバー・ラボラトリーズ社、ボストン、MA)から得た。マウス を頚部脱臼によって犠牲にし、肝臓を切除し、秤量し、細断し、氷冷(3:1、 v/w)緩衝液[20mMの燐酸カリウム、pH8.0、1mMのジチオトレイ ット(DTT)、1mMのEDTA]中でポリトロンホモジナイザー(ブリンク マン・インスツルメント社、ウエストバリー、NJ)を使用してホモジネートし た。ホモジネート物を 105,000×Gで4℃で1時間遠心分離した。上層液(シトゾル)を集め、 酵素源として使用した。 以下に記載の全ての試験は、酵素活性が時間及び酵素濃度に関して比例するよ うな条件で37℃で実施した。各阻害剤について、5個の濃度を8〜900μM の範囲で使用した。反応は抽出物を添加して開始させ、水浴内で2分間沸騰させ 、次いで冷蔵することにより停止させた。沈殿したたんぱく質を遠心分離によっ て除去した。基質をTLCによって上層液中の生成物から分離し、スポットの放 射能をベルトホールドLB−2821自動TLC−線形分析器を使用して%基準 で決定した。ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(dThdPアーゼ及びUrdPアーゼ 前記したようにそれぞれのヌクレオシドからの核塩基の生成を追跡することに よってヌクレオシドの解裂を同位体を使用して測定した。反応混合物は、50μ Lの最終容積中に20mMの燐酸カリウム(pH8)、1mMのEDTA、1m MのDTT、1mMの[2−14C]ウリジン又は[2−14C]チミジン(56C i/モル)及び25μLのシトゾルを含有した。インキュベーションは30分間 後に停止した。ウリジン及びチミジンを、CHCl3:MeOH:AcOH(9 0:5:5 v/v/v)により展開させるシリカゲルTLCプレート上でそれ ぞれの核塩基から分離した。Rf値はウリジンで0.07、ウラシルで0.43、 チミジンで0.14、チミン で0.62であった。DHUDアーゼ この酵素の活性を前記のように[6−14C]ウラシルからのジヒドロウラシル 、カルバミル−β−アラニン及びβ−アラニンの生成を追跡することによって測 定した。反応混合物は、50μLの最終容積中に20mMの燐酸カリウム(pH 8)、1.0mMのEDTA、2mMのDTT、5mMのMgCl2、25μMの [6−14C]ウラシル(56Ci/モル)、100μMのNADPH及び25μ Lのシトゾルを含有した。インキュベーションは15分間後に停止した。ウラシ ル、ジヒドロウラシル、カルバミル−β−アラニン及びβ−アラニンを、n−B uOH:H2O:アンモニア(90:45:15 v/v/v)混合物の上部相 に展開させるセルロースTLCプレート上で分離した。Rf値は、ジヒドロウラ シルで0.46、ウラシルで0.23、β−アラニン及びカルバミル−β−アラニ ンで0.09であった。DHUDアーゼ活性は、生成物のジヒドロウラシル、カ ルバミル−β−アラニン及びβ−アラニンの合計として決定された。速度論的研究 ウリジン(1mM)及び50〜900nMの範囲の5個の異なった阻害剤濃度 を使用して見掛Ki値の決定及びその有意差検定を行った。見掛Ki値は、最小二 乗法による当てはめを用いるコンピュータープログラムによ ってデータのディクソンのプロット(1/v対[I])から評価した。見掛Ki 値は、次の方程式 見掛Ki=Kis(1+[S]/Km)/1+([S]/Km)(Kis/Kii) (ここで、Kis及びKiiは、ラインウイーバー・バークのプロット対[I]のそ れぞれの勾配及びインターセプトの再プロットから概算される阻害定数である) によってKi値と関係する。ある化合物がウリジンに関して競争的阻害剤である ならば、Kii=∞及びKis=Kiである。従って、見掛Ki=Ki(1+[S]/Km )である。しかして、ウリジンについて66μMのKm値を有するマウスの肝臓 からのUrdPアーゼについては、1mMのウリジン濃度で測定される競争的阻 害剤の見掛Ki値はそれぞれのKi値よりもほぼ16倍高い。しかし、本発明者は この研究で使用した化合物について阻害のタイプ(競争的か、非競争的か又は競 争的でないか)を特定しなかったし、またそれらが酵素に対して基質であるかど うかについては特定しなかったことを付言する。 たんぱく質の濃度は、標準物質としてウシγ−グロブリンを使用するブラッド フォードの方法により分光学的に決定した。 得られたデータを下記の表1及び2に示す。 is(nMで表わす)±概算の標準誤差は、20mMの無機燐酸塩、30〜7 00μのウリジン及び50〜900nMの範囲の阻害剤濃度で測定した。例12 CD−1マウスにおける1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フ ェニルセレニル)ウラシル(PSAU)の薬理学的速度 PSAUを雌のCD−1マウスに腹腔内注射した。種々の時間間隔で250μ Lの全血を3匹のマウスの眼窩洞からヘパリン処理ナテルソンピペットによって 集め、氷の上に置いた。次いで、全血を5分間遠心分離して血漿を分離し、これ をHPLCによる分析のための準備まで−20℃の冷蔵庫に保持した。 薬理学的速度パラメーターは、SIPHAR/ベースプログラムを使用して分 画モデルに独立の方法によって評価した。AUCは、データの指数関数当てはめ のウェイト付けした非線形最小二乗法回帰によって生じる終端配置の勾配(K) を使用して時間の無限大に外挿し、二乗した計算濃度の逆数として設定したウェ イト付けした二乗係数を用いて、台形則によって決定した。0.693/Kから ウリジンの除去半減期を計算した。全血漿クリアランス値(CL)は、薬量をA UC及びマウスの体重で割って計算された。ピーク血漿濃度(Cmax)値及びピ ーク血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)値を実験値から求めた。ウリジンの 肝臓クリアランス値(CLR)は薬量をAUCで割って計算された。得られたデ ータを下記の表3に示す。 maxはピーク血漿濃度(μM)であり、AUCは曲線下の面積(μmol× hr/ml)であり、CLは全血漿クリアランス値(ml/hr/kg)であり 、Apt1/2は除去半減期(hr)であり、Vdは分配容積(L/kg)であり、 MRTは平均滞留時間(hr)である。例13 CD−1マウスにおける血漿ウリジンの薬理学的速度に対するPSAUの効果 PSAUを雌のCD−1マウスに腹腔内注射した。種々の時間間隔で250μ Lの全血を3匹のマウスの眼窩洞からヘパリン処理ナテルソンピペットによって 集め、氷の上に置いた。次いで、全血を5分間遠心分離して血漿を分離し、これ をHPLCによる分析のための準備まで−20℃の冷蔵庫に保持した。例12に 記載の操作に従って薬理学的速度を分析し、得られたデータを下記の表4に示す 。 材料 融点は、エレクトロサーマルIA8100デジタル融点測定装置で決定したが 、補正しなかった。1N−NMRスペクトルは、ジェネラル・エレクトリックQ E−300(300MHz)分光計上に記録した。実験は、シリカゲルと蛍光指 示薬を予備被覆したコダッククロマトグラムシート上で行うTLC分析を使用し てモニターしたが、シリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィー(60〜2 00メッシュ、フィシャー・サイエンテフィック社、フェアローン、NJ)を生 成物の精製のために使用した。テトラヒドロフラン(THF)はナトリウムベン ゾフェノン塩から新たに蒸留した。LDA(2.0M)、n−BuLi(1.6M )、ジフェニルジセレニド、ジフェニルジスルフィド及び沃化トリメチルシリル 並びにその他の化学薬品は、アルドリッチ・ケミカル社(ミルウオーキー、WI )から購入した。微量分析は、アトランチック・ミクロラブズ社(アトランタ、 GA)において行った。[2−14C]ウリジン(56Ci/モル)、[2−14C ]チミジン(56Ci/モル)及び[6−14C]ウラシル(56Ci/モル)は モラベク・バイオケミカルズ社(ブレア、CA)から、[6−14C]オロテート (46.9Ci/モル)はニューイングランド・ヌクッレアー・リサーチ・プロ ダクツ、ジュポン社(ボス トン、MA)から、シリカゲルG/W254ポリグラム、ポリエチレンイミンセル ロース300PEI/UV254及びセルロースCEL300UVポリグラム薄層 クロマトグラフィープレートはブリックマン社(ウエストバリー、NJ)から、 たんぱく質検定キットはバイオラッド・ラボラトリーズ社(リッチモンド、CA )から得た。その他の化学薬品の全部は、シグマ社(セントルイス、MO)から 得た。 種々の変更、付加及び置換が本発明の範囲から出ることなく可能であることは 明らかである。例えば、本発明はその他の化学療法剤又は生物学的応答を変更さ せる薬剤と組合せて使用できることが認めれられる。例えば、本発明の併用療法 は、骨髄刺激因子、例えば顆粒球マクロファージュコロニー刺激因子(GM−C FSs)、その他のコロニー刺激因子、エリスロポイエチン(EPO)及び造血 活性を刺激するその他の化合物の投与と組合せて使用することができる。(GM −CFSs活性の詳細な検討については、ハンマー他、Antimicrobial Agents a nd Chemotherapy 31:1046-1050(1987)を参照されたい。同様に、本発明の併用 療法は、免疫系を刺激する努力と、例えばインターフェロン(例えば、α−Aイ ンターフェロン)又はその他のリンホカインの投与と組合せて実施することがで きる。 前記した参照文献の全ては、ここで引用することによって本明細書に含めるも のとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/505 AEA A61K 31/505 AEA AED 9454−4C AED (72)発明者 エル クーニ,マームード エイチ. アメリカ合衆国 35213―1832 アラバマ, マウント ブルック,ラウンド フォレス ト ドライブ 4632 (72)発明者 ナーギーブ,ファードス エヌ.エム. アメリカ合衆国 35213―1832 アラバマ, マウント ブルック,ラウンド フォレス ト ドライブ 4632 (72)発明者 シナージ,レイモンド エフ. アメリカ合衆国 30033 ジョージア,ア トランタ,リージェンシー ウォーク ド ライブ 1524

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる化合物。 2. 5−(フェニルセレニル)ウラシル(PSU)である請求の範囲1記載の 化合物。 3. 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル) ウラシル(PSAU)である請求の範囲1記載の化合物。 4. 5−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベン ジルオキシ)ピリミジンである請求の範囲1記載の化合物。 5. 1−(エトキシメチル)−5−(フェニルセレニル)ウラシルである請求 の範囲1記載の化合物。 6. 5−(フェニルチオ)ウラシル(PTU)である請求の範囲1記載の化合 物。 7. 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラ シル(PTAU)である請求の範囲1記載の化合物。 8. 5−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)ピリミジンであ る請求の範囲1記載の化合物。 9. 5−(フェニルセレニル)バルビツル酸である請求の範囲1記載の化合物 。 10. 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル )バルビツル酸である請求の範囲1記載の化合物。 11. 5−(フェニルセレニル)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)バルビツ ル酸である請求の範囲1記載の化合物。 12. 1−(エトキシメチル)−5−(フェニルセレニル)バルビツル酸であ る請求の範囲1記載の化合物。 13. 5−(フェニルチオ)バルビツル酸である請求の範囲1記載の化合物。 14. 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)バ ルビツル酸である請求の範囲1記載の化合物。 15. 5−(フェニルチオ)−2,4−ビス(ベンジルオキシ)バルビツル酸 である請求の範囲1記載の化合物。 16. 下記の成分 (a)ウイルス、癌、菌類、寄生生物又は細菌の複製を破壊させるのに有効な量 のピリミジン化合物、 (b)一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる化合物、及び (c)製薬上許容できるキャリアー を含む製薬組成物。 17. ピリミジン化合物がピリミジン核塩基類似体、ピリミジン核塩基類似体 のプロドラッグ、ピリミジンヌクレオシド類似体、ピリミジンヌクレオシド類似 体のプロドラッグ、これらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよりなる 群から選択される請求の範囲16記載の組成物。 18. ピリミジン化合物が3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フ ルオル−3’−デオキシチミジン、2’,3’−ジデオキシシチジン−2’−エ ン、3’−デオキシチミジン−2’−エン、3’−アジド−2’,3’−ジデオ キシウリジン、2’,3’−ジデオキシ−5−フルオル−3’−チアシチジン、 2’,3’−ジデオキシ−3’−チアシチジン、5−フルオル−2’,3’−ジ デオキシシチジン、5−フルオルウラシル、5−フルオル−2’−デオキシウリ ジン、1−(テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル、5−フルオルシト シン、5’−デオキシ−5−フルオルウリジン、1−エトキシメチル−5−フル オルウラシル、これらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよりなる群か ら選択される請求の範囲17記載の組成物。 19. 酵素阻害化合物がDHUDアーゼを阻害するものであって、5−(フェ ニルセレニル)ウラシル、5− (フェニルチオ)ウラシル、5−(フェニルセレニル)バルビツル酸及び5−( フェニルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択される請求の範囲16記載の組 成物。 20. 酵素阻害化合物がUrdPアーゼを阻害するものであって、1−[(2 −ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシル、1−[ (2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラシル、1−[ (2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)バルビツル酸 及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)バルビ ツル酸よりなる群から選択される請求の範囲16記載の組成物。 21. 化学療法剤の投与により生じる毒性から正常な又は未感染の細胞を保護 し及び(又は)救済する方法であって、 ウイルス、癌、菌類、細菌又は寄生生物の複製を破壊させるのに有効な化学療 法剤を投与し、 DHUDアーゼ又はUrdPアーゼを阻害させるのに有効な量の、一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる酵素阻害化合物を同時に投与し又は逐次的に投与する ことからなる前記の方法。 22. 化学療法剤がピリミジン核塩基類似体、ピリミジン核塩基類似体のプロ ドラッグ、ピリミジンヌクレオシド類似体、ピリミジンヌクレオシド類似体のプ ロドラッグ、これらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよりなる群から 選択される請求の範囲21記載の方法。 23. 化学療法剤が3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオル −3’−デオキシチミジン、2’,3’−ジデオキシシチジン−2’−エン、3 ’−デオキシチミジン−2’−エン、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウ リジン、2’,3’−ジデオキシ−5−フルオル−3’−チアシチジン、2’, 3’−ジデ オキシ−3’−チアシチジン、5−フルオル−2’,3’−ジデオキシシチジン 、5−フルオルウラシル、5−フルオル−2’−デオキシウリジン、1−(テト ラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル、5−フルオルシトシン、5’−デオ キシ−5−フルオルウリジン、1−エトキシメチル−5−フルオルウラシル、こ れらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよりなる群から選択される請求 の範囲22記載の方法。 24. 酵素阻害化合物がDHUDアーゼを阻害するものであって、5−(フェ ニルセレニル)ウラシル、5−(フェニルチオ)ウラシル、5−(フェニルセレ ニル)バルビツル酸及び5−(フェニルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択 される請求の範囲21記載の方法。 25. 酵素阻害化合物がウリジンホスホリラーゼを阻害するものであって、1 −[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシル 、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラシル 、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)バル ビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ )バルビツル酸よりなる群から選択される請求の範囲21記載の方法。 26. 酵素阻害化合物が約5〜約500mg/kg/日の薬量で投与される請 求の範囲21記載の方法。 27. 化学療法剤の投与により生じる毒性から正常な 又は未感染の細胞を保護し及び(又は)救済する方法であって、 ウイルス、癌、菌類、細菌又は寄生生物の複製を破壊させるのに有効な量の化 学療法剤を投与し、 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラ シル、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラ シル、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル) バルビツル酸、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチ オ)バルビツル酸、5−(フェニルセレニル)ウリジン、5−(フェニルセレニ ル)−2’−デオキシウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]− 6−(フェニルセレニル)ウリジン、5−(フェニルチオ)ウリジン、5−(フ ェニルチオ)−2’−デオキシウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メ チル]−6−(フェニルチオ)ウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メ チル]−6−(フェニルセレニル)バルビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエ トキシ)メチル]−6−(フェニルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択され るUrdPアーゼ阻害化合物を約5〜200mg/kg/日の薬量で同時に投与 し又は逐次的に投与する ことからなる前記の方法。 28. ピリミジン塩基又はピリミジンヌクレオシド治療剤の効能を向上させる 方法であって、 ピリミジン塩基又はピリミジンヌクレオシド治療剤を投与し、 一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる酵素阻害化合物を同時に投与し又は逐次的に投与する ことからなる前記の方法。 29. 治療剤がピリミジン核塩基類似体、ピリミジン核塩基類似体のプロドラ ッグ、ピリミジンヌクレオシド類似体、ピリミジンヌクレオシド類似体のプロド ラッグ、これらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよ りなる群から選択される請求の範囲28記載の方法。 30. 治療剤が3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオル−3 ’−デオキシチミジン、2’,3’−ジデオキシシチジン−2’−エン、3’− デオキシチミジン−2’−エン、3’−アジド−2’,3’ジデオキシウリジン 、2’,3’−ジデオキシ−5−フルオル−3’−チアシチジン、2’,3’− ジデオキシ−3’−チアシチジン、5−フルオル−2’,3’−ジデオキシシチ ジン、5−フルオルウラシル、5−フルオル−2’−デオキシウリジン、1−( テトラヒドロフリル)−5−フルオルウラシル、5−フルオルシトシン、5’− デオキシ−5−フルオルウリジン、1−エトキシメチル−5−フルオルウラシル 、これらのヘテロ二量体及びこれらのエナンチオマーよりなる群から選択される 請求の範囲29記載の方法。 31. 酵素阻害化合物がDHUDアーゼを阻害するものであって、5−(フェ ニルセレニル)ウラシル、5−(フェニルチオ)ウラシル、5−(フェニルセレ ニル)バルビツル酸及び5−(フェニルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択 される請求の範囲28記載の方法。 32. 酵素阻害化合物がUrdPアーゼを阻害するものであって、1−[(2 −ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラシル、1−[ (2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラシル、1−[ (2−ヒドロキシエトキシ)メチル] −5−(フェニルセレニル)バルビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエトキシ )メチル]−5−(フェニルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択される請求 の範囲28記載の方法。 33. 酵素阻害化合物が約5〜約500mg/kg/日の薬量で投与される請 求の範囲28記載の方法。 34. ピリミジン塩基又はピリミジンヌクレオシド治療剤の効能を向上させる 方法であって、 ピリミジン塩基又はピリミジンヌクレオシド治療剤を投与し、 1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル)ウラ シル、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチオ)ウラ シル、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルセレニル) バルビツル酸、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(フェニルチ オ)バルビツル酸、5−(フェニルセレニル)ウリジン、5−(フェニルセレニ ル)−2’−デオキシウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]− 6−(フェニルセレニル)ウリジン、5−(フェニルチオ)ウリジン、5−(フ ェニルチオ)−2’−デオキシウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メ チル]−6−(フェニルチオ)ウリジン、1−[(2−ヒドロキシエトキシ)メ チル]−6−(フェニルセレニル)バルビツル酸及び1−[(2−ヒドロキシエ トキシ)メチル]−6−(フェニ ルチオ)バルビツル酸よりなる群から選択されるUrdPアーゼ阻害化合物を約 5〜500mg/kg/日の薬量で同時に投与し又は逐次的に投与する ことからなる前記の方法。 35. 増大したピリミジンレベルに有利に応答する病理学的又は生理学的な状 態を処置するためにピリミジンの細胞内レベルを増大させるにあたり、患者に一 般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる化合物を、患者の細胞内ピリミジンレベルを増大させるのに 有効な量で投与することからなる、ピリミジンの細胞内レベルを増大させる方法 。 36. 5−ブロムウラシル出発化合物を用意し、 この出発化合物を化学量論的に過剰量のPOCl3と反応させて塩素化ブロム ピリミジン化合物を得、 塩素化ブロムピリミジン化合物をナトリウムベンジラートで処理してベンジル オキシ化合物を得、 ベンジルオキシ化合物をリチウム化してリチウム化生成物となし、 リチウム化生成物をジフェニルジセレニド又はジフェニルジスルフィドと反応 させて2及び4位にベンジルオキシ保護基を有するヘテラフェニルピリミジンを 得、 このベンジル基を解裂させて5−ヘテラフェニルウラシル目的生成物を得る ことからなる5−ヘテラフェニルウラシル化合物を合成する方法。 37. リチウム化生成物をジフェニルジセレニドと反応させ、それによって得 られる目的生成物が5−(フェニルセレニル)ウラシルである請求の範囲36記 載の方法。 38. リチウム化生成物をジフェニルジスルフィドと反応させ、それによって 得られる目的生成物が5−(フェニルチオ)ウラシルである請求の範囲36記載 の方法。 39. 一般式 {ここで、XはS又はSeであり、YはI、F、Cl、Br、メトキシ、ベンジ ル、セレニルフェニル又はチオフェニルであり、R1は一般式 (ここで、R2はH、CH2OH又はCH2NH2であり、R3はOH、NH2又はO COCH2CH2CO2Hであり、R4はO、S又はCH2である) を有するアシクロ末端である} によって表わされる化合物、及び 製薬上許容できるキャリアー を含む製薬組成物。
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