JPH09506764A - 修飾短縮型補体系レギュレーター - Google Patents

修飾短縮型補体系レギュレーター

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JPH09506764A
JPH09506764A JP7509968A JP50996895A JPH09506764A JP H09506764 A JPH09506764 A JP H09506764A JP 7509968 A JP7509968 A JP 7509968A JP 50996895 A JP50996895 A JP 50996895A JP H09506764 A JPH09506764 A JP H09506764A
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JP7509968A
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ピー. アトキンソン,ジョン
アワーケイド,デニス
クリチ,マルガーザタ
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Abstract

(57)【要約】 標的C3bおよび/またはC4bに対する特異性および親和性を変化させる補体活性化タンパク質のレギュレーター(RCA)のアナログが記載される。これらのアナログは、これらのタンパク質の補体阻害的活性に影響を与えるアミノ酸を置換することにより、複数もしくは単数のSCR領域をタンパク質に置換、再配列、または付加することにより、アミノ酸配列を欠失させることにより、およびそれらを組み合わせることにより、得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 修飾短縮型補体系レギュレーター 発明の背景 本発明は、補体活性化の調節タンパク質(RCA)に由来する補体レギュレータ ーの修飾および/または短縮された形態に関し、特にCR1に関する。 補体系は、動物宿主からの外来物質および免疫複合体の除去において援助する ために作用する。この系およびその調節はHourcade,D.ら、Advances in Immuno l. (1989)45:381-416により概説される。要約すると、補体系は「古典経路」ま たは「第二経路」のいずれかによりC3bを生成させ、このC3bは標的免疫複合体ま たは外来物質に結合して、破壊または排除のためにそれらに目印をつける。C3b はその前駆体であるC3から「C3転換酵素」と集合的に名づけられたタンパク質分 解酵素により生成される。C3転換酵素の1つの形態は、「古典経路」においてタ ンパク質C4bおよびC2aが会合することにより生成される。他の形態は、第二経路 においてタンパク質C3bおよびBbが会合することにより生成される。両方のC3転 換酵素はさらなるC3bサブユニットと会合して、C5転換酵素であるC3bBbC3bおよ びC4bC2aC3bを形成し、これらの両方は細胞溶解を生じさせるC5-C9膜侵襲複合体 の産生、ならびに主要な前炎症薬剤(pro-inflammatory agent)であるC5aの産 生において活性である。 C3bおよび(それほど直接的ではないが)C4bのいずれもが補体系においてアゴ ニストである。これを図1の概略図に示す。 補体系は多数の相関する機構により調節される。補体系の破壊的な構成成分の 阻害のためには2つの一般的な経路が存在する。第1の機構は一般に可逆的であ り、C3転換酵素の解離(すなわち、BbからC3bおよびC2aからC4b)を助長する。 解離の助長はしばしば崩壊促進として知られる。解離はまた、アンタゴニストタ ンパク質がC3bまたはC4b成分に可逆的に結合し、それによってこれらの再会合を 妨げることにも関与し得る。他の機構は(不可逆的な不活性化プロセスであるが )、セリンプロテアーゼI因子による、C3転換酵素の構成成分であるC3bまた はC4bの、タンパク質分解的切断から生じる。このタンパク質分解的切断はコフ ァクターの存在下でのみ起こる。一般的な調節機構の両方、すなわちC3bおよびC 4bの解離の助長ならびにI因子による切断を通したC3bおよびC4bの不活性化はま た、第二経路のC5転換酵素(C3bBbC3b)および古典経路のC5転換酵素(C4bC2aC3 b)の阻害にも適用される。 「補体活性化レギュレーター」(RCA)遺伝子クラスターと名づけられたゲノ ムの領域によってコードされるタンパク質は前記の機構の両方に関与する。現在 、少なくとも6つの補体タンパク質がこの領域によってコードされることが知ら れている。これらを表1に要約する。 これらのタンパク質はある種の構造的な類似性を共有し、それはさらに以下に 記載される。 C3転換酵素を解離させるためのC4bまたはC3bへの可逆的な結合は、C4結合タン パク質(C4bp)およびH因子と名づけられた2つの血漿タンパク質、ならびに崩 壊促進因子(DAF)および補体レセプター1(CR1)と名づけられた2つの膜タン パク質によりもたらされる。C4bへの可逆的な結合はC4bp、DAF、およびCR1によ りもたらされ、一方C3bへの可逆的な結合はH因子、DAF、およびCR1によりもた らされる。 酵素I因子による転換酵素の構成成分C3bまたはC4bのタンパク質分解的切断に 起因するC3転換酵素の不可逆的不活性化は、上記の、血漿中のH因子およびC4 bpならびに細胞表面のCR1およびメンブランコファクタープロテイン(MCP)によ りもたらされるコファクター活性のために生じ得る。C3bを切断するためのコフ ァクター活性は、H因子、CR1、およびMCPによりもたらされ、一方C4bを切断す るためのコファクター活性は、C4bp、CR1、およびMCPによりもたらされる。第6 のタンパク質である補体レセプター2(CR2)がこのコファクター活性を細胞表 面において有する可能性もまた存在する。 要約すると、RCA遺伝子クラスターによってコードされる6つのタンパク質、 H因子、C4bp、およびCR1は、可逆的な解離活性と不可逆的なコファクター活性 の両方を有する;DAFは可逆的な解離活性のみを有し、MCPおよび、おそらくCR2 は不可逆的なコファクター活性のみを有する。CR1、DAF、およびMCPはC3bおよび C4bの両方と相互作用し;C4bpは主としてC4bと相互作用し、そしてH因子は主と してC3bと相互作用する。 CR1、CR2、DAF、MCP、C4bp、およびH因子に対応するcDNAはすべて得られ配列 決定されている。これらの比較される配列を評価することにより、図2Aに示す アラインメント(alignment)が導かれ、これは左のN末端でのショートコンセ ンサスリピート(short consensus repeat)(「SCR」)含有、および非-SCR含 有領域へのRCAタンパク質の構成を示す。この図において、TMは膜貫通ドメイン を示し、Cは細胞質ドメインを示し、OはO結合型グリコシル化ドメインを示し 、Gは糖脂質アンカー(anchor)を示し、Uは意義が未知であるドメインを示し 、そしてDはジスルフィド架橋含有ドメインを示す。 RCAファミリータンパク質の間にはかなりの一様性が存在する。これらのすべ ては、通常「ショートコンセンサスリピート」(SCR)と名づけられる60〜70ア ミノ酸の反復ユニットで構成されている。それぞれのSCRは、多数の不変アミノ 酸残基または高度に保存されたアミノ酸残基を、同一タンパク質内の他のSCRま たは他のファミリーメンバー内のSCRと共有する。膜結合型であるファミリーの それらのメンバーはまた、それらのC末端に、膜貫通領域と細胞内領域、あるい は糖脂質アンカーのいずれかを有する。 SCRは、膜結合型であるファミリーのメンバーの細胞外部分、および分泌型の メンバーにおけるタンパク質構造の大部分を形成する。2つの共有的に架橋した システイン対が各SCR内の2つのループを確立する。最小のファミリーメンバー はDAFとMCPである;各々は4つのSCRおよびそれに続くO結合型グリコシル化領 域を含む。DAFは糖脂質アンカーで終結し、一方MCPは意義が未知である細胞質外 セグメント、膜貫通領域、および細胞内ドメインで終了する。ファミリーの分泌 型メンバーの中で、H因子は20のSCRを含み、一方C4bpのネイティブな形態は8 つのSCRの7サブユニット(C4bpα鎖)と3つのSCRの1サブユニット(C4bpβ鎖 )との会合である。C4bpの両方の鎖は、ジスルフィド結合により鎖を相互連結す る非SCRドメインで終結する。CR2は16のSCR、膜貫通領域、および細胞内ドメイ ンを含む。最も一般的なCR1の多型形態は、1〜28の番号付けがなされている7 つの類似SCRの4反復ユニット(ロングホモロガスリピート(long homologous r epeats)あるいはLHRS)、それに続くさらに2つの29および30と名付けられたSC R、膜貫通領域、および細胞内ドメインを含む。 Klickstein,L.B.ら、J.Exp.Med.(1988)168:1699-1717は、欠失変異導入 を用いたCR1における明確なC3bおよびC4b認識部位の同定について記載した。彼 らは、単一の本来のC4b結合部位がSCR1-2に位置し(配列番号1および3)、 一方2つの本来のC3b結合部位がSCR8-9(配列番号2および4)ならびにSCR15 -16に位置すると結論した。C3bコファクター活性はSCR8-9およびSCR15-16に位 置づけられた。より最近になって、SCR8-9を含むCR1活性部位はSCR10まで広が り、(類推により)SCR15-16を含むCR1活性部位(これはSCR8-9と1アミノ酸 のみの違いである)はSCR17まで広がるに相違ないことが示された。(Kalliら、J.Exp.Med. 174,1451-1460(1991); Makridesら、J.Biol.Chem. 267,24754- 24761(1992))。SCR1-2を含むCR1活性部位がSCR3および/または4まで広がる ことは、Makridesら、(1992)により報告された。 マウスC4bp結合部位、ならびにおそらくC4bコファクターおよびC4bC2a崩壊促 進活性部位はα鎖のSCR1-3に広がることがOgataら、J.Immunology 150,2273- 2280(1993)により報告された。 H因子結合部位、ならびにおそらくC3bコファクターおよびC3bBb崩壊促進活性 部位は最初の5つのSCR内にある。C3bタンパク質分解産物についてのCR2結合部 位は最初の2つのSCRに広がる、Kalliら、J.Immunology 147:509-594(1991); Carelら、J.Biol.Chem. 265:12293-12299(1990)。 MCP活性部位は4つすべてのSCRに広がる:SCR2-4はC3bおよびC4bコファクタ ー活性に要求される。SCR1はC3bコファクター活性および結合に不要であるよう だが、効率的なC4bコファクター活性および結合に必要であるようであることは 、Adamsら、J.Immunology 147:3005-3011(1991)により報告された。DAF活性部 位がSCR2-4に広がることは、Coyneら、J.Immunology 149:2906-2913(1992)に より報告された。 Hourcade,D.ら、J.Exp.Med. 168:1255-1270(1988)は、CR1の最初の8つと1 /2のアミノ末端SCRをコードするCR1-4と名付けられたcDNAクローンを記載した。 このcDNAはCOS細胞内にトランスフェクトされ分子量78 kdを有するCR1の分泌さ れる短縮(truncated)形態の合成を生じた(Krych,M.ら、Proc.Natl.Acad. Sci.USA 88:4353-4357(1991))。このタンパク質の短縮形態は、本明細書中で 以下に示すように、主にC4bに結合する。本明細書に記載されるように、この短 縮形態がC4bコファクター活性を有することが、今や確定された。 CR1の複数の結合部位はそれらのC3b含有標的との相互作用において協同し得る 。インビトロにおいて、CR1はC3bモノマーよりもC3b-C3bダイマーにはるかに強 固に結合する。なぜなら、ダイマーに対する結合は、同一のCR1分子内の2つの 部位に同時に起こるからであり、このことはWongおよびFarrell、J.Immunol.( 1991)146:656; RossおよびMedof、Adv.Immunol.(1985)37:217により報告さ れた。2つの本来のC3b結合部位の1つを欠失させることにより、CR1のC3b-C3b への結合が10倍(by a factor of ten)減少し得ることは、WongおよびFarrell 、J.Immunol.(1991)146:656により報告された。C3bとC4bCの両方を含む標的 との相互作用においては本来のC4b結合部位は本来のC3b結合部位と協同すること もあり得る。これらの効果はインビボにおける重要な帰結を有する:CR1は、C3b で密におおわれた標的およびC3bとC4bで密におおわれた標的に対してより高い親 和性を有する。 C5転換酵素(これは炎症の刺激およびある種の標的細胞の溶解において重要で ある)は、複数のCR1リガンドで構成されている:古典経路のC5転換酵素はC3bお よびC4bを含み(C4bC3bC2a)、一方第二経路のC5転換酵素は2つのC3bタンパク 質を含む(C3bC3bCBb)。CR1によるC5転換酵素の不活性化はまた、1つ以上のCR 1結合部位の間の協同に関与し得る。WongおよびFarrell、J.Immunol.(1991)1 46:656は、1つ以上のCR1 C3結合部位が第二経路C3およびC5転換酵素を有効に阻 害するために不可欠であり得ることを示した。 RCA遺伝子クラスターにコードされるタンパク質は組換えで調製され、補体系 の調節に関する診断および治療において使用され得る。異種移植物の移植の問題 はPlatt,J.L.らにより、Immunology Today(1990)11:450-457で概説されてい る。不一致異種移植物の超急性(hyperacute)拒絶が受容者の補体活性により引 き起こされるという証拠が蓄積されている。細胞表面に(DAFまたはMCPのような )ヒト補体レギュレーターを発現するトランスジェニック動物は、ヒト受容者に おける超急性拒絶から保護される器官の豊富な供給源となり得る。可溶性の補体 インヒビターはまた、補体介在性の拒絶から異種移植物を保護する役割を担い得 る。 CR1の組換え可溶性形態がラットにおける逆受身アルサス反応を阻害する能力 は、Yeh,C.G.ら、J.Immunol.(1991)146:250-256に記載された。この可溶性C R1はCR1遺伝子構築物を発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から得 られ、このCR1遺伝子構築物は変異を導入して膜貫通ドメインおよび細胞質ドメ インを除去してあった。同様な可溶性CR1(CHO細胞で組換えで産生された)のラ ットにおける虚血性心筋炎症および壊死を阻害する能力はWeissman,H.F.ら、Sc ience (1990)249:146-151により報告された。 RCAタンパク質に関連したタンパク質がウィルスにより産生されることもまた 示されており、おそらくこれによりウィルスによる感染が促進され得る機構とし て産生されることがKotwaal,J.ら、Noture(1988)335:176-178; McNearney,T .A.、J Exp Med(1987)166:1525-1535に報告されている。 長期間原則での補体系の完全な阻害はほとんどの個人において所望されないで あろう。自己免疫疾患のある種の場合では、古典経路の阻害のみで十分であり得 る。しかし、異種移植物移植の場合では、両方の経路の厳密な阻害が重要であり 得る。他の適用にも同様な厳密性が要求され得る。従って、調節可能な結合活性 を有する補体系の別の調整因子が望まれる。 そこで本発明の目的は、炎症疾患の治療のため、可溶性形態で投与し得る修飾 された補体レギュレーターを提供すること、または個人の外来物質を拒絶する能 力を減少させることにある。 本発明のさらなる目的は、より複雑な天然に生じるタンパク質よりも、より短 くて、より容易にかつより安価に産生される修飾された補体レギュレーターを提 供することにある。 本発明の別の目的は、古典経路と第二経路の両方において特異的かつ全身的に 補体タンパク質を阻害する増強された能力を提供する異なる補体レギュレーター の活性を合わせ持った補体レギュレーターを提供することにある。 発明の要旨 RCAにコードされるタンパク質のアナログ(これらの調節タンパク質の修飾さ れた完全長の形態または短縮された形態である)が、記載され、補体を阻害する ことが示される。これらのアナログは、部位特異的変異を有するRCAタンパク質 、1つ以上のRCAタンパク質由来の1つまたはそれ以上のSCRを含むRCAタンパク 質ハイブリッド、その中でSCRが異なる順序で配置されるRCA組換え体の修飾、お よびSCRを3つ以上含むRCAタンパク質の短縮バージョンを包含する。修飾された タンパク質は補体阻害活性を保持するが、その特異性、親和性、または機構にお いて改変され得る。 修飾されたタンパク質は以下に挙げるタンパク質により示される:CR1-4(8,9) のΔSCR11,subst1変異、これは3つの完全なSCR(アミノ酸1〜194、SCR1-3 )のみを含みC3b活性を有する;CR1-4(8,9)のlar,5r,8br変異、これは強調され たC3bおよびC4b活性を有する;lar,5r,8brの最初の194アミノ酸で構成される3S CR形態;10、10、10,11、11c、8a、6b、14、および15変異体、これらは増強され た活性を有するCR1-4の変異である;ならびにCR1-4 stop7、CR1-4(8,9)stop7、 およびlar,5r,8br stop7、これらはすべてそれら各自の親タンパク質(それぞれ CR1-4、CR1-4(8,9)、およびlar,5r,8br)のより短い(7SCR)形態である。 これらのアナログは補体系を制御することにおいて有用であり、それゆえ自己 免疫疾患の治療、移植物の拒絶の抑制、診断、ならびに心筋梗塞および発作(ce rebral vascular accidents)に関連する組織損傷の軽減において有用であり得 る。これらはまた、補体活性化および免疫複合体形成に関連した状態を診断する ことにおいて役割を担い得る。 図面の簡単な説明 図1は、古典補体経路および第二補体経路の概略図である。 図2Aおよび2BはRCAにコードされるタンパク質の構造および関連を図式的 に示す。図2Aは高度に保存された残基とともに示されるショートコンセンサス リピートである。 図2BはRCAタンパク質のSCR構成の概略図である:CR1、CR2、DAF、MCP、C4結 合タンパク質、およびH因子。 図3Aおよび3Bは、完全長CR1の、SCR-1およびSCR-8(それぞれ、配列番号 1および2)(図3A)、ならびにSCR-2およびSCR-9(それぞれ、配列番号3お よび4)(図3B)のアミノ酸配列を比較する。SCR15-16のアミノ酸配列はSCR 8-9のそれと、110位のTを除いて同一である。番号付けはHourcadeら、J.Exp .Med. (1988)168:1255-1270のそれと一致しており、成熟レセプターの第1アミ ノ酸(Q)をアミノ酸1と名付けた。CR1 SCR-8の対応する位置を同様に名付け た。 発明の詳細な説明 本明細書中には、補体系を調整するために用いられ得るRCAタンパク質アナロ グのファミリーが記載されている。このアナログを用いて、膜結合形態と可溶性 形態の両方のこのタンパク質のメンバーの結合特異性を改変し得る。 本明細書で用いられる用語「RCAタンパク質」は、遺伝子領域1q32の遺伝子ク ラスターによりコードされるタンパク質を示し、この遺伝子クラスターは補体調 節において有効な6つの既知のタンパク質をコードする:H因子、C4bp、CR1、C R2、DAF、およびMCP。さらに、CR1遺伝子およびMCP遺伝子のアミノ末端コード領 域に類似した見かけ上のコード領域がこのクラスター内に位置づけられているが 、これらの配列が発現されているかは不明である(Hourcade,D.ら、J.Biol.C he m. 265:974-980(1990); Hourcade,D.ら、Genomics 12:289-300(1992))。用語 「RCAタンパク質」はまたショートコンセンサスリピート(SCR)を含むタンパク 質の群を示し、これらのSCRはCR1、CR2、MCP、DAF、H因子、およびC4bp内のSCR に相同である。 本明細書中に記載される修飾されたタンパク質は、集合的に「修飾されたRCA タンパク質」を示す。これらは、RCAタンパク質の短縮形態、ハイブリッド形態 、および再結合(recombined)形態を包含する。「短縮」タンパク質はRCAタン パク質のより短いバージョンであり、これらは典型的には膜結合または分泌をも たらすC末端領域を除くように修飾され、しばしば1つまたはそれ以上のSCRを 欠失することにより修飾される。「ハイブリッド」タンパク質は、1つのRCAタ ンパク質の部分(すなわちSCR)とそれに組み合わされた1つまたはそれ以上のR CAタンパク質のSCRで構成されるRCAタンパク質である。「再結合」形態はRCAタ ンパク質のSCRが新たな順序で配置し直される形態である。1つまたはそれ以上 のアミノ酸の部位特異的な置換および欠失を有するタンパク質もまた含まれる。 「修飾されたRCAタンパク質」はこれらの変化の組み合わせから生じるタンパク 質を含む。 ショートコンセンサスリピートの配列を図2Aに示す。図2Bに図式的に示す ように、CR1は30のSCR、それに続く膜貫通領域、および細胞質領域を含む。CR2 は16のSCR、それに続く膜貫通領域、および細胞質領域を含む。DAFおよびMCPは それぞれ4つのSCRと、それに続く糖脂質アンカー領域を含む。C4結合タンパク 質はより複雑なタンパク質であり、7つのαサブユニットおよび1つのβサブユ ニットを有する。αサブユニットは8つのSCRからなり、βサブユニットは3つ のSCRからなる。H因子は20のSCRからなる。 ある実施態様では、タンパク質の対応するSCRを修飾の部位として用いること により修飾が作製される。「対応するSCR」は、タンパク質のアミノ酸配列から 判断される最も高度に相同なSCRを意味する。エキソン構造はある場合において この課題を容易にし得る。上記のように、CR1のSCR1-3はDAFのSCR2-4に対応 する。H因子、CR1、C4bp、およびMCPのSCRはこれらのタンパク質の間で対応し ている。CR1は7つのSCRを含む一連のロングホモロガスリピート(long homolog ous repeat)(LHRS)にまとめられ、その結果CR1 SCR1-7はCR1 SCRの8-14; 15-21;および22-28に対応する。CR2は長さが4SCRの一連のロングホモロガスリ ピートにまとめられる。CR1のSCR1−2は、CR2のSCR3-4、SCR7-8、SCR1I-1 2、およびSCR15-16に対応する。 これらのタンパク質は、C4b結合活性、C3b結合活性、C4bコファクター活性、 およびC3bコファクター活性により特徴付けられる。一般に、各々の活性には2 〜3個のSCRを要する。生物学的に重要な活性は崩壊促進または解離、C3bコファ クター活性、およびC4bコファクター活性を包含する。コファクター活性には結 合が要求されるが、結合のみではコファクター活性に十分ではない。 CR1のC4b結合およびコファクター活性にはSCR1、2、および3、SCR8、9、 および10、またはSCR15、16、および17が要求されることが受け入れられており 、これらはこのタンパク質の対応する領域である。C3b結合およびコファクター 活性にはSCR8、9、および10またはSCR15、16、および17が要求され、これらは このタンパク質の対応する領域である。MCPのC4b結合およびコファクター活性に はSCR1、2、3、および4が要求される。MCPのC3b結合にはSCR3および4が要 求される;コファクター活性にはSCR2、3、および4が要求される。C4bpのC4b 結合およびコファクター活性にはSCR1、2、および3が要求される。DAFの崩壊 促進活性にはSCR2、3、および4が要求される。H因子のC3b結合活性は最初の 5つのSCRにより媒介される。 これらの発見に基づいて、対応する領域を修飾してC4bおよびC3bに対する親和 性を増加することによってより強力な可溶性補体インヒビターを設計すること、 または補体系の一部分を特異的に阻害する可溶性補体インヒビターを設計するこ とが可能である。これらの修飾は、CR1または他のRCAタンパク質の対応するSCR 内のC3bまたはC4b結合を改変するアミノ酸の特異的な置換、あるいは1つのタン パク質から他のタンパク質へのSCRの置換の形態であり得る。 1つの調節タンパク質から第2の調節タンパク質へのSCR領域の置換。 C4bおよびC3bへの結合ならびにC4bおよびC3bコファクター活性に必須な(また は変え難い)アミノ酸配列を同定することにより、類似の配列の同一のタンパク 質の対応する領域へのまたは他のファミリーメンバーの対応する領域への配置転 換、あるいはC3bおよびC4bに結合する配列のそれらの親和性を改変するための改 変が可能になる。対応する領域はアミノ酸配列相同性の程度で同定されている。 CR1の場合、問題となる4つの対応する領域は、SCR1-3、SCR8-10、SCR15-1 7、およびSCR22-24である。DAFについて図2B中で2-4と表示したSCR部分は、 図2B中でCR1について1-3、8-10、15-17、および22-24と表示したSCR部分に 対応する。DAFの部分を相同なCR1配列に置換することにより、コファクター活性 および/または結合活性(CR1が示すような)を有するDAFの形態が提供される。 同様に、MCPの部分を相同な配列に置換することにより、増加した結合親和性お よびコファクター活性および/または増加した解離活性を有するMCPの形態が提供 される。 特定アミノ酸置換 結合部位の付加 特定のアミノ酸が、特定の活性部位での補体調節におけるそれらの役割を解明 する研究に基づいて、置換のために選択された。置換は、同一のまたは他のタン パク質内の追加されたRCA活性部位の活性を改変するために用いられ得る。この 様式において、結合およびコファクター部位は普通は直接的に結合能力に寄与し ていないSCRに付加され得る。 本明細書中ではアミノ酸の標準的な1文字略号を用いる。 例えば、CR1内のC3bおよびC4b結合ならびにコファクター配列、N-A-A-H-W-S-T -K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸49〜61)、は対応する位置または別のSCR 内の保存されたアミノ酸を参考にした位置に移動され、C3b結合を与える。逆に 、CR1のSCR-2内の相同配列(すなわち、D-T-V-I-W-D-N-E-T-P-I-C-D(配列番号 3のアミノ酸49-61))は、C3bおよびC4b結合ならびにコファクター活性を減少 させるために、C3b結合SCR内他の位置への置換により移動され得る。C4b結合領 域は、アミノ酸35、64〜65、および92〜94の付近のCR1のSCR-1およびSCR-2内の 3つの分離した重要な位置と会合することが示されている。CR1または追加され るRCAファミリーメンバーあるいはこれらの位置におけるこれらの短縮、ハイブ リッド、または再結合形態は、C4b結合およびコファクター活性を改変し、少な くとも1つの場合ではC3b結合およびコファクター活性を改変する。 類似アミノ酸の置換 構造的に類似するアミノ酸をこのような移動において、いくつかの特定のアミ ノ酸に置換し得る。構造的に類似するアミノ酸は以下を含む:(I、L、V);(F 、Y);(K、R);(Q、N);(D、E);および(G、A)。 アミノ酸の欠失 補体調節活性を改変または増強するために特定の活性部位からアミノ酸を欠失 させることも有利であり得る。 短縮形態の構築 いくつかの実施態様において、特定の活性を有することが既知である領域を欠 失させることによって特定の活性を欠失させることは有利となる。天然に生じる タンパク質を細胞表面に固定するタンパク質の領域(例えば、膜貫通および細胞 質領域または糖脂質アンカー領域)を欠失させることも所望され得る。 コファクター活性を増強させる修飾 一般に、C3bまたはC4bコファクター活性のいずれかを、他の因子の結合活性を 増加させる置換によって増強し得る。すなわち、C4bコファクター活性を増加さ せるために、アミノ酸を置換して修飾されたタンパク質にC3b結合を増加させる (またはその逆)。これを実施例に例示し、特に表2に示す変異体で例示する。 C4bコファクター活性およびC3bコファクター活性の両方を増強する1アミノ酸置 換の例はCR1変異体6bである:79位のGのDへの変更はC4bコファクターならびに C3b結合およびコファクター活性を増加する。 アナログの調製 本明細書中に記載される修飾されたタンパク質は組換え技術を用いることによ り最も便利に調製されるが、いくつかの場合では(例えば、天然に生じるタンパ ク質の短縮または可溶性形態)、これらは酵素的切断により調製され得る。RCA タンパク質ファミリーの種々のメンバーをコードする遺伝子は配列が既知であり 発表されている。 CR1をコードするcDNAは、Klickstein,L.B.ら、J.Exp.Med.(1987)165:109 5、Klickstein,L.B.ら、J.Exp.Med.(1988)168:1699、Hourcade,D.ら、J. Exp.Med. (1988)168:1255、に記載され、これらの教示を参考として援用する 。 CR2をコードするcDNAは、Moore,M.D.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987 )84:9194、およびWeiss,J.J.ら、J.Exp.Med.(1988)167:1047、に記載され 、これらの教示を参考として援用する。 DAFをコードするcDNAは、Caras,I.W.ら、Nature(1987)325:545、およびMed of,M.E.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:2007、に記載され、これ らの教示を参考として援用する。 MCPをコードするcDNAは、Lublin,D.M.ら、J.Exp.Med.(1988)168:181、に 記載され、これらの教示を参考として援用する:。 C4bpα鎖をコードするcDNAは、Chung,L.P.ら、Biochem.J.(1985)230:133 に記載され、C4bpβ鎖をコードするcDNAは、Hillarp,A.およびDahlback,B.、P roc.Natl.Acad.Sci.USA (1990)87:1183に記載され、これらの教示を参考と して援用する。 H因子をコードするcDNAは、Ripoche,J.ら、Biochem.J.(1988)249:593、 に記載され、これらの教示を参考として援用する。 これらのタンパク質をコードするタンパク質が既知であり、アミノ酸配列が推 定されているので、メンバーファミリーの種々のタンパク質の対応する領域の比 較が可能である。さらに、cDNA配列が入手可能なので、タンパク質の短縮形態お よび他の修飾形態をコードする遺伝子構築物を標準的な部位特異的変異導入技術 を用いて調製し得る。この部位特異的変異導入技術は例えば、Kunkel,T.A.ら、Methods Enzymol. (1987)154:367-382に記載される。 従って、アナログの調製における第1のステップには、配列相同性による標的 タンパク質の対応する領域の同定およびC4bまたはC3b結合特性を改変するために 遺伝子のこの領域での部位特異的変異導入が要求される。 アナログをコードする遺伝子を調製した後、修飾した遺伝子を標準的な組換え 技術を用いて発現させる。遺伝子配列を、所望の宿主に適切であることが知られ ている配列の制御下で、適切な発現ベクターに連結する。組換えタンパク質の、 E.coli、B.subtilis、酵母の種々の株、およびAspergillusのような他の菌類 などの微生物系での産生が周知である。高等生物の細胞において所望のアナログ を産生することもまた有利であり得、この細胞は、標準的なBPV/C127系、バキュ ロウィルス/昆虫細胞系、CHO細胞、COS細胞、および他の哺乳類細胞、またはト ランスジェニック動物の細胞などである。種々の細胞系列における標準的な発現 系は当該分野に周知であり標準的である。 トランスジェニック動物はいくつかの種で構築され得る。遺伝子を適切なプロ モーター(例えば、メタロチオネインプロモーターまたは組織特異的プロモータ ー)の制御下に置き、そして遺伝子を胚にマイクロインジェクションし、これを 代理母に移植する。トランスジェニック動物での産生は他の種で使用するための 移植物を調製する場合において重要である。 トランスジェニック動物の構築 動物供給源 トランスジェニック実験に適切な動物は、標準的な市販の供給源から入手し得 る。これらは遺伝子操作手法を試験するためのマウスおよびラットなどの動物、 ならびに当業者に公知の技術を用いて遺伝子操作されたブタ、ウシ、ヒツジ、ヤ ギおよび他のより大型の動物である。これらの技術を、主としてマウスおよびラ ットの操作に基づいて以下で簡単に要約する。 マイクロインジェクション手法 胚の操作およびDNAのマイクロインジェクション手法は、Hoganら、Manipulati ng the mouse embryo,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor, NY(1986)、に詳細に記載され、この教示は本明細書中に援用される。これらの技 術は、他の動物種の胚に容易に適用される。成功率はより低いが、当業者には日 常的に実施されていると考えられる。 トランスジェニック動物 雌性動物に、マウスで用いられる標準的な技術から適用した方法論を用いて、 過剰排卵を誘導する。すなわち、妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMSG; Sigma) の注射と、その48時間後のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG; Sigma)の注射で 誘導する。雌をhCG注射後直ちに雄とともに置く。hCGの約1日後交尾した雌を屠 殺し、切開した卵管から胚を回収して0.5%ウシ血清アルブミン(BSA; Sigma)を 含むDulbeccoリン酸緩衝生理食塩水中に置く。周囲細胞塊(cumulus cells)を ヒアルロニダーゼ(1mg/ml)で除く。次に前核胚を洗浄し、0.5%BSAを含むEarl e平衡塩溶液中(EBSS)、37.5℃インキュベーター内、加湿雰囲気下、5%CO2、9 5%空気で注射時まで置いた。 無作為に循環させた成熟した雌を精管切除した雄と交尾させて疑似妊娠を、ド ナーの雌と同時に、誘導する。胚移行時に、受容体の雌を麻酔し、卵管の直接上 の体壁を切開することにより、卵管を露出させる。卵巣嚢を開き、移行される胚 を卵管漏斗に挿入する。移行の後、切開を縫合により閉じる。 胚性幹(ES)細胞方法 ES細胞へのcDNAの導入 ES細胞の培養および続くトランスジェニック動物の作成、エレクトロポレーシ ョン、リン酸カルシウム/DNA沈澱、および直接注入などの種々の方法によるDNA のES細胞への導入の方法は、Teratocarcinomas and embryonic stem cells,a p ractical approach 、E.J.Robertson編、(IRL Press 1987)に詳細に記載され 、この教示は本明細書中に援用される。トランスジーン含有ES細胞の所望のクロ ーンの選択はいくつかの方法の1つにより達成される。配列特異的遺伝子組み込 みを含む場合は、目的の遺伝子との組換えのための核酸配列またはその発現を制 御するための配列を、ネオマイシン耐性のようなマーカーをコードする遺伝子と ともに共沈澱させる。トランスフェクションを、Lovell-Badge,Teratocarcinom as and embryonic stem cells,a practical approach 、E.J.Robertson編、(I RL Press 1987)またはPotterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:7161(1984) に詳細に記載されるいくつかの方法の1つにより実施する。リン酸カルシウム/D NA沈澱、直接注入、およびエレクトロポレーションは好ましい方法である。これ らの手法において、多数のES細胞(例えば、0.5×106)を組織培養皿にプレート し、最終容量100μl中の50 mgのlipofectin存在下で沈澱させた、線状化した核 酸配列と1mgのpSV2neo DNA(SouthernおよびBerg、J.Mol.App1.Gen. 1:327- 341(1982))との混合物でトランスフェクトする。細胞にG418(200と500μg/ml の間)などの抗生物質を添加したDMEM中に10%ウシ胎児血清を含む培地を与える 。G418に耐性なコロニーをクローニングリング(cloning ring)を用いて単離し 、広げる。DNAを薬剤耐性コロニーから抽出し、核酸配列をプローブとして用い たサザンブロッティング実験を所望の核酸配列を有するクローンを同定するため に 用いる。いくつかの実験において、PCR方法を目的のクローンを同定するために 用いる。 ES細胞に導入されたDNA分子はまた、相同組換えのプロセスで染色体へ組み込 まれ得ることが、Capecchi、(1989)により記載された。直接注入により組み込み が高効率に生じる。所望のクローンを、注入されたES細胞のプールから調製した DNAのPCRにより同定する。プール内の陽性クローンを細胞クローニング後のPCR により同定する(ZimmerおよびGruss、Nature 338:150-153(1989))。エレクト ロポレーションによるDNA導入は、より効率が低く選択工程を要する。組換え事 象の陽性選択(すなわち、ネオマイシン(neo)耐性)および二重陽性−陰性選 択(すなわち、ネオマイシン耐性およびガンシクロビル耐性)の方法ならびにそ の後のPCRによる所望のクローンの同定は、Joynerら、Nature 338:153-156(1989 )およびCapecchi、(1989)により記載され、この教示は本明細書中に援用される 。 胚の回収およびES細胞注入 雄と交尾させた自然に循環させた雌または過剰排卵させた雌を用いて、ES細胞 の注入のための胚を回収する。適切な齢の胚を交尾の成功の後に回収する。胚を 交尾させた雌の子宮角から流し出し、10%仔ウシ血清を含むDulbecco改変必須培 地中にES細胞による注入のために入れる。約10〜20のES細胞を、内径約20μmの ガラス性顕微針を用いて胚盤胞に注入する。 胚の疑似妊娠雌への移行 無作為に循環させた成熟雌を精管切除した雄とつがいにする。受容体の雌を、 ES細胞を含む胚盤胞の移植に必要とされる時に、交尾後2.5〜3.5日(マウスの場 合、より大型の動物の場合はより遅い)となるように交尾させる。胚移行時、受 容体の雌を麻酔する。卵巣を、卵管の直接上の体壁の切開により露出させ、子宮 を外に出す。子宮角に針で穴を開けそれを通して胚盤胞を移行する。移行後、卵 巣および子宮を体内に押し戻し、切開を縫合により閉じる。さらなる移行を実施 する場合はこの工程を反対側で繰り返す。 トランスジェニック動物の同定 試料(1〜2cmのマウス尾)を若齢動物から取り除く。より大型の動物につい ては、血液または他の組織を使用し得る。相同組換え実験におけるキメラを試験 する(すなわち、ターゲットしたES細胞の動物への寄与を探す)ために、毛色( coat color)がマウスにおいて使用されているが、より大型の動物では血液を使 用し得る。DNAを調製し、サザンブロットおよびPCRの両方で分析して、トランス ジェニックファウンダー(founder)(F0)動物およびその子孫(F1およびF2) を検出する。 一旦トランスジェニック動物を同定すると、通常の飼育で系列を確立し、その 系列を、組織を取り出して、ヒトへの移植のための標準的な技術を用いて移植す るために使用し得る。 アナログの精製 培養または動物において組換えで産生されたアナログは、クロマトグラフィー (例えば、免疫アフィニティーまたはイオン交換クロマトグラフィー)、および 電気泳動などの標準的な精製技術を用いて細胞培養から精製し得、一般には天然 に生じる物質の精製に使用される公開されているのと同じ工程を使用する。 アナログの組換え産生が、タンパク質を調製するにあたって最も便利で実際的 な方法である一方、アナログを、タンパク質合成技術(標準的な固相ペプチド合 成技術など)を用いて合成することも望まれる。このアプローチは、修飾したア ミノ酸配列を有するRCAタンパク質ファミリーの短縮形態の場合において、特に 適切となり得、特に3つ以上のSCRを含むタンパク質が有用な生物学的活性を有 するという発見の観点において適切である。 アッセイ系 アナログを、RCAファミリーの特徴のなかから所望の生物学的活性について、 インビトロまたはインビボアッセイを用いて試験する。WongおよびFarrell(J. Immuno. (1991)146:656)により記載されるようなインビトロ系を補体経路に対 する効果を測定するために使用し得る。インビボおよび一般の生物学的効果をWe ismanら(Science(1990)249:146);またはYehら(J.Immunol.(1991)146:2 50)に記載のとおり評価し得、この教示は参考として援用される。 結合アッセイ アフィニティークロマトグラフィーカラムを、Krychら、Proc.Natl.Acad.S ci.USA 88:4353-4357に記載のとおり調製した。結合アッセイを、100 mlのiC3- セファロース(iC3-S)またはC4b-セファロース(C4b-S)および変異体タンパク 質を含有する1.8 mlの培地を用いて実施した。培地を所望のNaCl濃度まで希釈し た。回転体上での室温1時間の後、試料を遠心分離し、培地を除去して、結合し たタンパク質をセファロースから1% NP-40を含む400 mM NaClを用いて溶出した 。溶出したタンパク質をELISAにより定量し、これには2つの抗CR1モノクローナ ル抗体、3D9およびE11を用いた(Hoggら、Eur.J.Immunol. 14:236-240(1984) 、O'Sheaら、J.Immunol. 134:2580-2587(1985))。いずれのモノクローナル抗 体もCR1のSCR1、2、8、または9と反応しないので、CR1-4またはCR1-4(8,9) のいずれにか由来する全ての変異体は、このアッセイを用いて定量し得た。それ ぞれの変異体タンパク質について、異なるトランスフェクションに由来する少な くとも3回の結合アッセイを実施した。 コファクター活性のためのアッセイ C3およびC4を、Dykmanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:1698-1702(1983) 、Dykmanら、J.Exp.Med. 157:2160-2165(1983)の方法に従って精製するかまた は購入し(Quidel,San Diego,CA)、C3bおよびC4bに転換してIodogenコートし たビーズ(Pierce)を用いて125Iで標識した。コファクターアッセイを、200 ng の標識したC3bまたはC4b、60 ngのI因子(Quidel)および変異体タンパク質を 含む培地を用いて実施した。コファクタータンパク質の量を、分泌されたCR1(s CR1、Weismanら、Science 249:146-151(1990))の標準曲線に基づいたELISAアッ セイで概算した。C3bの切断を試験するために、約6pgの変異体タンパク質を含 有する試料を37℃で1時間インキュベートした。C4bの切断を試験するために、 試料を37℃で最高16時間までインキュベートした。インキュベーションの後、試 料を0.25% TRIS,pH 6.8中に2% SDSおよび5%βメルカプトエタノールを含む緩 衝液中で煮沸することにより還元し、4〜20% SDS-PAGE(Integrated Separatio ns)または自分で作成した10%のゲル中で電気泳動した。乾燥後、ゲルを-70℃で 増感スクリーンを使用してオートラジオグラフした。 薬学的組成物の調製および投与 インビトロアッセイに基づく最も強力なアナログをインビボで試験する。一般 に、インビトロアッセイは対応するインビボアッセイに高度に相関すると認めら れている。適切な容量を、天然に生じるタンパク質のインビトロ活性とアナログ のインビトロ活性を比較し、天然に生じるタンパク質のインビトロ活性と天然に 生じるタンパク質のインビボ活性を比較し、そしてアナログの予想されるインビ ボ活性を算出し、半減期におけるいかなる測定された差異を調製して決定する。 補体活性化で、全身性エリトマトーデス、リューマチ、溶血性貧血、重症筋無 力症などの多様な自己免疫/免疫複合体介在性の症候群における実質的な組織損 傷を説明し得る。これらの場合において、補体系の阻害が望ましい治療的緩衝で ある。いくつかの場合では、RCAアナログによる古典経路のみの特異的阻害が好 ましくあり得る。なぜなら長期間の第二経路の阻害は副作用を導き得るからであ る。 補体活性化の阻害はまた、心筋梗塞、脳血管偶発症候(cerebral vascular ac cidents)または急性ショック肺症候群(acute shock lung syndrome)などの血 管外傷により引き起こされる組織損傷を含む場合において望ましくあり得る。こ れらの場合で、補体系は、再潅流傷害におけるような部分的に損傷された組織の 破壊に寄与し得る。比較的短期間の高度に厳密な補体の阻害がこれらの場合にお いて好ましくあり得、より高い効力のために設計された可溶性RCAアナログが特 に有用であると判明し得る。 補体阻害はまた異種移植物拒絶の防止において重要であると判明し得る。ヒト DAFまたはMCPについてトランスジェニックな動物に由来する器官は、異種移植物 の細胞表面のトランスジェニックなDAFまたはMCPの発現により、補体介在性の超 急性拒絶から少なくとも部分的に保護され得る。より高い効力のために設計され たRCAアナログについてトランスジェニックな動物は、より好結果を得られる異 種移植物を提供し得る。可溶性RCAアナログは受容者中の移植物を保護すること において有用であると判明し得る。 減少した活性を有する可溶性アナログもまた天然のインヒビターの競合的イン ンヒビターとして有用であり得る。これは、補体介在性の応答の増加が望ましい 場合または個人が天然のインヒビターの過剰産生によりその免疫性が弱められる 不全を有する場合である。 アナログは、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、または制御放出処方物のよ うな薬学的に受容可能なキャリアー中で局所または全身に投与され得る。アナロ グの用量レベルおよび投与の様式は、アナログの性質、治療される状態の特徴、 および個々の患者の経歴に依存する。全身投与が一般に必要とされ、これは注射 あるいは経粘膜(transmucosal)または経皮送達により行われる。注射による投 与は、静脈内、筋肉内、腹腔内、または皮下であり得る。注射のための処方物は 、一般に活性成分の生体適合性溶液(ハンクス液またはリンガー液など)である 。経皮または経粘膜投与のための処方物は、一般にフシジン酸または胆汁塩を界 面活性剤または表面活性剤と組み合わせて含有する。そしてこの処方物は、エア ロゾル、坐剤、または膏薬として製造され得る。経口投与は一般にタンパク質性 またはペプチド性の活性成分のためには好まれない;しかし、消化酵素から保護 されるように適切に製剤される場合は、経口投与も使用され得る。 投与の望ましい様式のための適切な処方物は、Remington's Pharmaceutical S ciences 、最新版、Mack Publishing Co.,Easton,PAに見出され得る。用量レベ ルおよび正確な処方は当該分野に一般的に知られる慣習的な至適化手法により得 ることが可能である。 診断適用 C3bおよび/またはC4bに結合し得るアナログは、生物学的液体中のC3b、または C4b、またはC3b/C4bを有する免疫複合体の存在、非存在、または量を評価するた めの診断的道具として有用である。このようなアッセイは、C3bおよび/またはC4 bに特異的に結合するアナログの能力を利用し、一般に知られる種々の形式で実 施し得る。特異的結合パートナーアッセイのための形式は、直接または競合的形 式、サンドウィッチアッセイ、および凝集アッセイを含む。特異的結合対のメン バー間の複合体化は、溶液内または固相上でおこなわれ得、蛍光、放射性同位元 素、発色団、および可視粒子を含む種々の標識技術を用いて検出し得る。 C3bおよび/またはC4bおよび/またはC3b/C4bを有する免疫複合体のアッセイに おいて有用な典型的な試薬キットは、検出体(analyte)に特異的に結合するア ナログ(これは任意に固体支持体と結合されている)およびアッセイに有用なさ らなる標識試薬を含む。例えば、アッセイの多くの形式の1つは、試験される試 料を、特異的結合パートナーとしてのアナログを結合させた固体支持体で処理す る工程、検出体を含有すると考えられる試料で処理された支持体を洗浄する工程 、および洗浄された支持体を西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素で標識し た抗C3b抗体または抗C4b抗体で処理する工程を含む。そして支持体上の標識され た酵素の存在が基質溶液の添加(これは酵素の存在下での呈色を生じさせる)に より検出される。 本発明は、以下の限定されない実施例を参考にしてさらに理解され得る。 実施例1:短縮CR1の結合特異性。 成熟CR1の最初の543アミノ酸(SCR1-8およびSCR-9の1/2)をコードするcDNA をCOS細胞中にトランスフェクトしてCR1-4と名付けられた分泌タンパク質を得た 。 2つのマウスモノクローナル抗CR1抗体を,CR1-4の免疫反応性を決定するため に、そしてこのタンパク質をアッセイする方法として用いた。抗体E11(Hogg,N .ら、Eur.J.Immunol.(1984)14:236-243)、および3D9(O'Shea,J.J.ら、J .Immunol. (1985)134:2580-2587)はCR1を認識し、組換えで産生したCR1-4に 結合した。 C4bまたはC3bへの結合を、SepharoseTM支持体に結合したC4bまたはiC3(破壊 されたチオエステル結合を含むC3で、反応性および機能においてC3bに類似して いる)のいずれかを用いて、Dykman,T.ら、Proc.Natl.Acad.Sci USA(1983 )80:1698-1702、およびCole,J.L.ら、Proc.Natl.Acad.Sci USA(1985)82: 859-863に記載の通り試験した。これらの固体支持体化基質への結合を、CR1につ いてのELISAを用いた試験によって確かめた。 C4b誘導化支持体は、CR1-4に結合し得た。最も効率的な結合は12.5と25 mMと の間の塩で生じた。 可溶化したC4bはCR1-4タンパク質のC4b誘導化支持体への結合を阻害したが、 可溶性iC3はこの結合を阻害しなかった。これはCR1-4が本来C4bに結合しiC3(C3 b)には結合しないことを追認する。 実施例2:CR1-4アナログの構築。 CR1-4の種々の変異形態を構築し、上の実施例1に記載のようにC4bおよびiC3 への結合活性について試験した。表2は構築したアナログならびにアナログの結 合およびコファクター活性を示す。表2中で、修飾を、アミノ酸番号および生じ た変換により示す。番号は、CR1におけるSCR-1(配列番号1)、SCR-2(配列番 号3)、SCR-8(配列番号2)、およびSCR-9(配列番号4)のアミノ酸配列を記 載する図3Aおよび3Bに記載される番号に対応する。 短縮形態において示された組み合わされた変化は、修飾された完全長タンパク 質の活性を予言するに相違ない。CR1の主要な多型形態(30のSCR)における3つ の本来の結合およびコファクター部位を確立する得られる強力な証拠が存在する 。1つの部位はほぼ排他的にC4bと相互作用し(SCR1-4)、一方他の2つの部 位は、アミノ酸配列においてほぼ同一であり、C4bおよびC3bの両方と相互作用す る(SCR8-11およびSCR15-18)[Klickstein,L.B.ら、J.Exp.Med. 168:1699- 1717(1988); Kalliら、J.Exp.Med. 174:1451-1460(1991); Makrides,S.C.ら 、J.Biol.Chem. 267:24754-24761(1992)]。 CR1の電子顕微鏡分析は、独立した球状ドメイン(SCR)で構成される厳密では ない桿状体(semi-rigid rod)であることを示唆する。それゆえ、CR1は良好に 分離された活性部位を有する伸長型のタンパク質として描写される。これらの部 位は共同的には作用しない。種々の多型形態(第1の部位(SCR1-4)および1 、2、および3コピーの第2の部位を含む)の比較によっては、コファクターお よび崩壊促進アッセイにおけるこれらの間での差異がほとんど示されなかった。 これは、Seya,T.ら、J.Immunology 135:2661(1985)により報告された。実際、 本発明が優先権主張する出願の登録後、単一の活性部位のみ(SCR1-4またはSC R15-18)を有するCR1の修飾された膜形態が、CHO細胞をヒト補体介在性溶解から 保護し得ることが示された(Makrides,S.C.ら、J.Biol.Chem. 267:24754-247 61(1992))。このことは、1つの活性部位を有する単純なCR1の形態が生物学的 に活性であり、構築物内のそれぞれの本来の部位の活性を改善する修飾が共に複 数部位CR1形態に組み込まれ、改善されたレギュレーターを生じるという支持的 な証拠を提供する。 表2に示されるように、SCR-1またはSCR-2のいずれかの欠失の結果、C4b結合 活性の損失が起こる;従って、どちらの領域もC4bへの結合には必要である。C3b への結合は、SCR-9配列S-T-K-P-(P-I-C)-Q(配列番号4のアミノ酸54〜61)をSC R-2(配列番号3)に挿入することによって与えられる;しかし、SCR-1(配列番 号1)の欠失は、このアナログにおけるC3bへの結合を部分的に排除する。従っ て、C3bへの効率的な結合は、SCR-2(配列番号3)における関連した配列だけで なく、SCR-1(配列番号1)の追加部分を必要とする。SCR-2(配列番号3)内の 配列を変更することによって与えられるC3bへの結合能力は、C4bへの結合に影響 しない。 表2にさらに示されるように、アミノ酸35、64〜65または94を変更することに よりC4bへの結合を弱めるかまたは破壊することが可能である。アミノ酸92を変 更することによりC4b結合を強くすることが可能である。 これらの結果は、CR1中のC3bおよびC4b結合部位を操作することにより、CR1-4 の親和性および特異性を変更し得ることを示す。RCAタンパク質ファミリーの更 なるメンバーにおける対応する領域に同様の変更を行い得る。 実施例3:より強力な可溶性CR1アナログの構築 より高い能力が必要とされる場合には補体系の厳密なインヒビターを適用する 。本実施例では、sCR1配列を、古典経路および第二経路に対してより高い阻害能 力を持つアナログのファミリーの出発材料として用いた。他の短縮された、全長 の、再結合された、またはハイブリッド形態のCR1あるいはCR1もまた用い得る。 上記のように、sCR1タンパク質は、4つの対応する領域:SCR1-2(それぞれ配 列番号1および3)、SCR8-9(それぞれ配列番号2および4)、SCR15-16および SCR22-23、を含む。本来のC4b結合部位はSCR1-2(それぞれ配列番号1および3 )内にあり、そして2つの本来のC3b結合部位はSCR8-9(それぞれ配列番号2お よび4)およびSCR15-16にある。SCR22-23には、結合活性は報告されていないが 、SCR22-23は他の3つの対応する領域とアミノ酸配列に高い相同性を有する。 可溶性CR1の対応する領域であるSCRの1-2、8-9、15-16、および22-23に1つ以 上の置換が導入される。C3bおよびC4bコファクターの活性を増加させるように特 定の置換を設計し、そして結合活性は、以下から選択される:位置 置換 35 G(配列番号1のアミノ酸35) 64-65 R-N(配列番号3のアミノ酸4〜5) 94 Y(配列番号3のアミノ酸34) 109-112 N-A-A-H(配列番号4のアミノ酸49〜52) 114-121 S-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸54〜61) 109-121 N-A-A-H-W-S-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸49〜61) 92 T(配列番号4のアミノ酸32) 79 D(配列番号4のアミノ酸19) 12-16 K-L-K-T-Q(配列番号2のアミノ酸12〜16) 18-21 N-A-S-D(配列番号2のアミノ酸18〜21) 12-21 K-L-K-T-Q-T-N-A-S-D(配列番号2のアミノ酸12〜21) 27-29 S-L-K(配列番号2のアミノ酸27〜29) ある場合には、これらのアミノ酸のいくつかは、対応する位置にすでに存在し 得る。ある場合には、構造的に類似のアミノ酸が上記の置換の代わりに置換され 得る。 いくつかのまたは4つの全ての対応する位置にこれらの置換を用いることによ り、より強い活性部位を有し、そしてSCR22-24にさらなる活性部位を有する完全 長の可溶性CR1形態を生じる。 sCR1のC3bおよびC4b含有標的に対する親和性を増加させるために、上記の置換 を目的の対応する領域に導入した。これらの修飾を設計して存在するコエンザイ ムの使用および解離機能を増加させ、そして新規なコエンザイムおよび解離機能 を潜在的に確立した。C3b結合に重要なアミノ酸配列をC4b結合領域に導入するこ とはおそらくC4b活性を実質的に妨害しないであろう。なぜなら、CR1-4における そのような置換は、CR1-4のC4b結合特性を検出可能なほどに変更しないからであ る。C4b結合に重要なアミノ酸をC3b結合領域に導入することは、おそらくC3b結 合活性を実質的に妨害しないであろう。なぜなら、実質的なC3b結合は、CR1-4変 異体11で生じ、そこでは、SCR1-2に特異的な多くのアミノ酸(C4b結合に重要な アミノ酸を含む)が既に存在するからである。 C4bに対する親和性を増加させるために設計された特別な置換を実施例3に示 した:SCR1-2(配列番号1および3)はCR1の本来のC4b結合部位であり、92位の I(配列番号3のアミノ酸32)をT(配列番号4のアミノ酸32)で置換すること により修飾されている;SCR8-9(配列番号2および4)および同一のSCR15-16は 、対応する位置35のE(配列番号2のアミノ酸35)をG(配列番号1のアミノ酸 35)(またはA)で置換することにより、対応する位置94のH(配列番号4のア ミノ酸34)をY(配列番号3のアミノ酸34)(またはF)で置換することにより 、対応する位置64のK(配列番号4のアミノ酸4)をR(配列番号3のアミノ酸 4)で置換することにより、対応する位置65のT(配列番号4のアミノ酸5)を N(配列番号3のアミノ酸5)(またはQ)で置換することにより修飾されてい る。SCR22-23もまた、対応する位置64のGをR(配列番号3のアミノ酸4)(ま たはK(配列番号4のアミノ酸4))で置換することにより、対応する位置65の PをN(配列番号3のアミノ酸5)(またはQ)で置換することにより、対応す る位置92のEをT(配列番号4のアミノ酸32)で置換することにより、対応する 位置94のFをY(配列番号3のアミノ酸34)で置換することにより修飾されてい る。 まとめると、これらの修飾の結果、C4bへの親和性は高くなり、そして新規な コエンザイムまたは解離機能の確立、またはsCR1出発物質に存在するコエンザイ ムおよび解離機能の能力の改善につながる。 先の実施例で記載したように、短い長さのアミノ酸を、対応するSCR8-9のアミ ノ酸(配列番号2および4)によって置き換えてCR1-4のSCR-1-2へ入れることに より、CR1-4にC3b結合能力を与える。sCR1のSCR1-2の位置114-121のD-N-E-T-P-I -C-D(配列番号3のアミノ酸54-61)をS-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸 54-61)で置換することはsCR1のC3bへの親和性を増加させる。さらに、SCR22-23 の位置114-121のD-K-K-A-P-I-C-D(配列番号5)をS-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号 4のアミノ酸54-61)で置換することはsCR1のC3bへの親和性を増加させる。いく つかの構造的に類似のアミノ酸もまたS-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸5 4-61)配列において置換され得る。 一般に、より強力な補体インヒビターは、増加したC4b結合および増加したC3b 結合を与える。これは、上記の全ての修飾を導入することにより達成される。 実施例4:増加した活性を有する短縮されたCR1変異体の構築 いくつかの異なる塩濃度でのコファクター活性について25以上の変異体をアッ セイした。このアッセイは、Adams,E.M.、Brown,M.C.、Nunge,M.、Krych,M.、お よびAtkinson,J.P.(1991)J.Immunology、147:3005-3011に記載されたように行っ た。 SCR1-3の活性部位(この部位は、通常、C4bとは相互作用するがC3bとはしない )の多くの変異は、C4bおよびC3bの両方のコファクター活性に関するこの部位の 元々の活性を改善する。SCR8-11の活性部位(明らかに、より強力な天然の活性 部位)におけるこの部位のC3bおよびC4bのどちらに対するコファクター活性も改 善する少なくとも1つの変異が検出された。 まとめると、C3bおよびC4bの両方のコファクター活性を有し、そしていくつか の方法で全長の可溶性CR1に改善を加えた特異的CR1タンパク質が、今、同定され た。これらの構築物は、可溶性CR1(sCR1)のサイズの1/4(7個のSCRの構築物) から1/3より少なく、そしてC4b結合およびコファクター活性、ならびにC3b結合 およびコファクター活性のどちらも有する。3個のSCRしか含まない構築物は、C 3bコファクター活性を有するようであり、C3b結合活性を示す。いくつかの場合 、データは修飾された活性部位が天然の活性部位より強力であるようであること をしめす。 これらの形態およびその活性を表3に示す。 実施例5:DAFアナログ 膜結合補体レギュレーターDAFは、C3bおよびC4b含有転換酵素の解離を容易に するが、C3bまたはC4bには結合せず、またC3bまたはC4bのI因子介在性のタンパ ク分解性不活性化のためのコファクターとしても作用しない。特定の状況の下で は、DAF、または短縮形態、再結合形態、もしくはハイブリッド形態のDAFの補体 調節活性を増加させることが所望され得る。 アミノ酸配列の相同性に基づくと、DAF SCR2-3は、CR1活性領域に対応する。D AFのSCR2-3とCR1のSCR1-2との間の相同性が40%であるのに対し、DAFのSCR2-3と CR1のSCR8-9との間の相同性は39%であった。これらアラインメントの中にはい くつかのマッチしていないアミノ酸があるので、DAFの位置番号は、CR1の位置番 号と正確には一致していない。 DAFのSCR2-3に1以上の置換を導入する。C3bおよびC4bコファクター活性およ び結合活性を与えるために設計された特別な置換を以下から選択する: DAFの位置はLublinおよびAtkinson、Ann.Rev.Immunol.9:431(1991)のように番号 付けした: DAFの位置180-187の(LubinおよびAtkinson、Ann.Rev.Immunol.(1989)7:35-58 の番号付けを用いて)S-D-P-L-P-E-C-R(配列番号6)をS-T-K-P-P-I-C-Q(配列 番号4のアミノ酸54-61)で置換することは、DAFのC3bへの親和性を増加させる 。S-D-P-L-P-E-C(配列番号6のアミノ酸1-7)をS-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4 のアミノ酸54-61)で置換することは、このセグメントの末端にRを残す。なぜ なら、Rは、CR1のSCR1-2(配列番号1および3)およびCR1のSCR8-9(配列番号 2および4)の対応する位置に見出されるからである。いくつかの構造的に類似 したアミノ酸が、S-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸54-61)配列内で置換 され得る。 DAFの位置130のPをRに置換することは、DAFのC4bへの親和性を増加させる。 CR1内のC4b相互作用に重要であることが見出された他の全てのアミノ酸は、DAF のSCR2-3に既に存在している。 DAFのC3b(およびおそらくC4bも)への親和性の増加により、これらの置換はD AFの補体活性化への5つそれぞれの阻害効果を高める。 実施例6:H因子のアナログ H因子は、20のSCRのみからなる血漿タンパク質である。H因子は、C3b結合、 およびC3bコファクターおよび解離能力を示すが、C4bを不活性化するかまたはC4 bに結合する明らかな能力は示していない。H因子は既に血漿タンパク質として 進化しているので、可溶性RCAアナログへの出発材料としてそれを用いることに は利点がある。H因子の活性部位は正確には知られていないが、H因子の始めの 5.5のSCRからなるタンパク質分解性フラグメントは、C3b結合およびコファクタ ー活性を示す(Alsenzら、Biochem.J.(1984)389)。 H因子のC3b結合の親和性を増加させるために、N-A-A-H-W-S-T-K-P-P-I-C-Q( 配列番号4のアミノ酸49-61)をいくつかのSCR(CR1のSCR 8-9に近い類似がない )に導入する。1つの実施態様では、始めの6のSCRを修飾せずにおき、したが って、元の活性部位(1つまたは複数)を保持し、残りの14のSCRを、N-A-A-H-W -S-T-K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸49-61)でCR1に相同な位置に置換する ことにより修飾する。いくつかの構造的に類似したアミノ酸は、N-A-A-H-W-S-T- K-P-P-I-C-Q(配列番号4のアミノ酸49-61)配列において置換し得る。相同な 位置は、容易に同定され得る。なぜなら、WはこのC3b結合セグメントの前にあ り、ほとんどのSCR(SCR10およびSCR20以外の全てのH因子のSCRにおいて)で見 られるからである。一方C3b結合セグメント内のCは、全ての既知のSCRで見られ る。全ての置換が必ずしも結合活性の付加を与えるわけではない。なぜなら、こ れらのH因子のSCRは、CR1のSCR 1-2およびCR1のSCR 8-9領域への相同性が低い からである。しかし、少なくともいくつかの修飾されたHのSCRは、C3b結合能を 取得し、その結果、C3bに対して非常に高い親和性を有するH因子アナログが得 られる。上記で考察したように、高い親和性は、始めの6つのHのSCRに既に存 在している活性部位のより多くの使用につながる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 9637−4B C12P 21/02 C // A61K 38/00 ABA 0276−2J G01N 33/53 R ABG 0276−2J 33/566 ABN 9051−4C A61K 37/02 AED ABS ABA ACD ABG AED 9051−4C ABS G01N 33/53 9051−4C ABN 33/566 9051−4C ACD (72)発明者 クリチ,マルガーザタ アメリカ合衆国 ミズーリ 63108,セン ト ルイス,ナンバー 9,ウェスト パ イン 4225

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.補体の活性化を調節するタンパク質のアナログであって、補体レセプター2 、崩壊促進因子、メンブランコファクタープロテイン、C4結合タンパク質、およ びH因子からなる群より選択されるアミノ酸配列のショートコンセンサスリピー トを有し、そしてこれら補体調節タンパク質において、カルボキシ末端が除去さ れて該タンパク質が分泌され、ここで、該タンパク質のアナログが第2の、異な る補体調節タンパク質に由来するショートコンセンサスリピートを含む補体調節 タンパク質からなる群より選択され、補体調節タンパク質において該ショートコ ンセンサスリピートが再配置され、補体調節タンパク質は、結合活性、コファク ター活性、および崩壊促進活性を有する反復からなる群より選択される該ショー トコンセンサスリピート内に定義されたアミノ酸置換を有し、ここで、該置換は 天然に生じる補体調節タンパク質の活性を変化させ、そして補体調節タンパク質 は、3つ以上のショートコンセンサスリピートからなり、ここで、該タンパク質 は補体調節活性を有する。 2.前記補体調節活性が、C3b結合活性、C3bコファクター活性、C4b結合活性、C 4bコファクター活性、および崩壊促進活性からなる群より選択される、請求項1 に記載のアナログ。 3.前記タンパク質が崩壊促進因子である、請求項2に記載のアナログ。 4.前記タンパク質がH因子である、請求項2に記載のアナログ。 5.前記タンパク質のC3b結合およびコファクター活性が、該タンパク質のC4b結 合を増加させる置換によって高められる、請求項2に記載のアナログ。 6.前記タンパク質のC4b結合およびコファクター活性が、該タンパク質のC3b結 合を増加させる置換によって高められる、請求項2に記載のアナログ。 7.CR1アナログ、または前記カルボキシ末端が除去されて前記タンパク質の分 泌を可能にするCR1アナログであって、該アナログが、ショートコンセンサスリ ピート内に、以下からなる群より選択される変化に対応する変化を有する、CR1 アナログ:最初の122アミノ酸(SCR1-2)がCR1アミノ酸497-618(SCR8-9)で置換さ れているCR1-4、および194-253を欠失し、アミノ酸271-543をT-R-T-T-F-H-L-G-R -K-C-S-T-A-V-S-P-A-T-T-S-E-G-L-R-L-C-A-A-H-P-R-E-T-G-A-L-Q-P-P-H-V-Kまた は構造的に類似したアミノ酸で置換したCR1-4(8,9); および、第2の異なる補体調節タンパク質に由来するショートコンセンサスリピ ートを含むCR1アナログからなる群より選択されるCR1アナログ、定義されたアミ ノ酸置換を、CR1のC3b結合リピート以外の結合活性、コファクター活性、および 崩壊促進活性を有するリピートからなる群より選択されるショートコンセンサス リピート内に有するCR1アナログ、ならびに3つ以上のショートコンセンサスリ ピートからなるCR1アナログ、ここで該タンパク質が補体調節活性を有する、CR1 アナログ。 8.補体レセプター1のタンパク質アナログであって、該タンパク質がショート コンセンサスリピート内に、以下からなる群より選択される補体レセプター反復 への変化に対応する変化を有する、アナログ:79:D;37,39:Y,D;92:T;109-112 :N-A-A-H;109-112,114-117,121:N-A-A-H,S-T-K-P...Q;114-117,121; N-A- A-H,S-T-K-P...Q;116:K;116,117:K-P;92-94:K...Y;99,103,106:S...T.. .I;109-112:P-T-V-I;110:T;111:V;112:I;114:D;115:N;121:D;117:T;1, 3:Q...N;6-9:E-W-L-P;12-16,18-21:K-L-K-T-Q...N-A-S-D;27,29:S...K;37: S;44,47,49:I...K...S;52-54,57,59:T-G-A...R...R;78-79,82:K-G...F;85,8 7:Q...K;12-16,18-21:R-P-T-N-L...D-E-R-E;27,29:Y...N;35,64-65,94:G...R -N...Y、構造的に類似したアミノ酸による置換、およびそれらの組み合わせ。 9.前記補体調節タンパク質が崩壊促進因子であり、ここで、以下からなる群よ り選択される崩壊促進因子のショートコンセンサスリピートSCR2-3に対応するタ ンパク質領域に1以上の置換が導入される、請求項2に記載のアナログ:180-18 7:S-T-K-P-P-I-C-Q;175-178:N-A-A-H;175-187:S-T-K-P-P-I-C-Q-N-A-A-H;130 :R;145:D;77-84:K-L-K-T-Q-T-N-A-S-D;90-92:S-L-K、構造的に類似したアミ ノ酸による置換、およびそれらの組み合わせ。 10.前記補体調節タンパク質が、該タンパク質に、C3b結合活性、C3bコファク ター活性、C4b結合活性、C4bコファクター活性からなる群より選択される活性を 与える配列を含むH因子であり、該配列が補体レセプター1、メンブランコファ クタープロテイン、C4結合タンパク質、およびH因子からなる群より選択される タンパク質に由来する、請求項1に記載のアナログ。 11.前記タンパク質が、実質的に3つのショートコンセンサス領域からなり、 そして2つの補体調節活性を有する、請求項1に記載のアナログ。 12.投与を必要とする患者に投与するために、さらに薬学的に受容可能なキャ リアを含む、請求項1に記載のアナログ。 13.補体の活性化を調節するタンパク質のアナログを作成する方法であって、 補体レセプター2、崩壊促進因子、メンブランコファクタープロテイン、C4結合 タンパク質、およびH因子からなる群より選択されるアミノ酸配列のショートコ ンセンサスリピートを有し、そしてこれら補体調節タンパク質において、カルボ キシ末端が除去されて該タンパク質を分泌させ、ここで、該タンパク質のアナロ グが第2の、異なる補体調節タンパク質に由来するショートコンセンサスリピー トを含む補体調節タンパク質からなる群より選択され、補体調節タンパク質にお いて該ショートコンセンサスリピートが再配置され、補体調節タンパク質は、結 合活性、コファクター活性、および崩壊促進活性を有する反復からなる群より選 択される該ショートコンセンサスリピート内に定義されたアミノ酸置換を有し、 ここで、該置換は天然に生じる補体調節タンパク質の活性を変化させ、そして補 体調節タンパク質は、3つ以上のショートコンセンサスリピートからなり、ここ で、該タンパク質は補体調節活性を有する。 14.前記補体調節活性が、C3b結合活性、C3bコファクター活性、C4b結合活性 、C4bコファクター活性、および崩壊促進活性からなる群より選択される、請求 項13に記載の方法。 15.前記タンパク質が崩壊促進因子である、請求項13に記載の方法。 16.前記タンパク質がH因子である、請求項13に記載の方法。 17.前記タンパク質のC3b結合およびコファクター活性が、該タンパク質のC4b 結合を増加させる置換によって高められる、請求項13に記載の方法。 18.前記タンパク質のC4b結合およびコファクター活性が、該タンパク質のC3b 結合を増加させる置換によって高められる、請求項14に記載の方法。 19.請求項7に記載の補体レセプター1のタンパク質アナログを作成する方法 であって、前記適切な変化を該アナログをコードする前記DNAに起こす工程、お よび該アナログを適切な発現宿主において発現させる工程を包含する方法。 20.請求項8に記載の補体レセプター1のタンパク質アナログを作成する方法 であって、前記適切な変化を該アナログをコードする前記DNAに起こす工程、お よび該アナログを適切な発現宿主において発現させる工程を包含する方法。 21.前記補体調節タンパク質が崩壊促進因子であり、ここで、以下からなる群 より選択される崩壊促進因子のショートコンセンサスリピートSCR2-3に対応する タンパク質領域に1以上の置換が誘導される、請求項14に記載の方法:180-18 7:S-T-K-P-P-I-C-Q;175-178:N-A-A-H;175-187:S-T-K-P-P-I-C-Q-N-A-A-H;130 :R;145:D;77-84:K-L-K-T-Q-T-N-A-S-D;90-92:S-L-K、構造的に類似したアミ ノ酸による置換、およびそれらの組み合わせ。 22.前記補体調節タンパク質が、該タンパク質に、C3b結合活性、C3bコファク ター活性、C4b結合活性、C4bコファクター活性からなる群より選択される活性を 与える配列を含むH因子であり、該配列が補体レセプター1、メンブランコファ クタープロテイン、C4結合タンパク質、およびH因子からなる群より選択される タンパク質に由来する、請求項13に記載の方法。 23.補体レセプター1、補体レセプター2、崩壊促進因子、メンブランコファ クタープロテイン、C4結合タンパク質、およびH因子からなる群より選択される 異なるタンパク質に由来する少なくとも1つのショートコンセンサスリピートを 含む、請求項13に記載の方法。 24.前記タンパク質が、C3bコファクター活性、C4bコファクター活性、および 崩壊促進活性を含む、請求項13に記載の方法。 25.前記タンパク質が、実質的に3つのショートコンセンサス領域からなり、 そして2つの補体調節活性を有する、請求項13に記載の方法。 26.投与を必要とする患者に投与するために、さらに薬学的に受容可能なキャ リアを前記アナログと混合する工程を包含する、請求項13に記載の方法。 27.請求項1、7、または8のアナログをコードするDNA配列。 28.適合し得る組換え宿主細胞に形質転換された場合に、請求項1のアナログ を発現し得る発現系中の請求項27のDNA配列であって、該発現系は、該宿主 と適合する制御配列に作動可能に連結された該アナログをコードするDNAを含 む。 29.トランスジェニック動物のゲノムに安定に組み込まれた請求項27に記載 のDNA配列。 30.前記補体調節タンパク質のC4bコファクター活性またはC3bコファクター活 性を高める方法であって、該タンパク質がC4bコファクター活性またはC3bコファ クターのいずれかを有し、該タンパク質に配列を付加して、他のリガンド、C4b またはC3bのいずれか、の結合を与える工程を包含する、方法。
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