JPH09505564A - 動物のための経口投与される投与形態、その調製方法およびその使用 - Google Patents
動物のための経口投与される投与形態、その調製方法およびその使用Info
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- JPH09505564A JPH09505564A JP7512457A JP51245795A JPH09505564A JP H09505564 A JPH09505564 A JP H09505564A JP 7512457 A JP7512457 A JP 7512457A JP 51245795 A JP51245795 A JP 51245795A JP H09505564 A JPH09505564 A JP H09505564A
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- A23K40/30—Shaping or working-up of animal feeding-stuffs by encapsulating; by coating
Abstract
(57)【要約】
家畜もしくは野生動物に、ビタミン、微量元素、アミノ酸、栄養物質、ワクチン等のような化学的もしくは医薬的物質を経口的に投与するための投与形態、及びそれを調製する方法が開示されている。当該投与形態は、ポリペプチド、多糖類、ポリマー及びコロイドから選択される結合剤、及び/又はポリオール、金属酸化物、カーボネート、ホスフェート及び微結晶セルロースから選択される希釈剤、及び少なくとも一種の生物活性物質を含有する多孔性の水溶性中心コア;及び脂肪族アルコール、脂肪酸、グリセリンエステル、水素添加油、ろう、パラフィン、ラノリン、やし油及び脂肪酸塩から選択される少なくとも一種の脂質物質を含有する味のよい疎水性の外側層(outer layer);該外側層の崩壊及び接着を調節するためのポリマー剤、および天然もしくは合成の味の良い物質を含む。
Description
【発明の詳細な説明】
動物のための経口投与される投与形態、
その調製方法およびその使用
本発明は、家畜または野生の動物に、ビタミン、微量元素、アミノ酸、栄養物
質、ワクチンなどのような化学的または医薬的物質の経口投与を可能にするよう
デザインされた投与形態に関する。
本発明は、該投与形態を作製する方法にも関する。
拘束するのが困難かまたは危険な、家畜動物または集約的に飼われている動物
、或いは野生動物に対して、医薬を経口投与させるシステムは、既に知られてい
る。
そのようなシステムは、特許出願または特許(特許EP0240826、特許
EP0208528および特許出願EP0421863)の主題である。
特許EP0240826に記載される餌は、型の底部で支持体の1回目のキャ
スティングをすること、該支持体は、脂質化合物(20°〜60℃の融点を有す
る)、餌の形を安定化するようデザインされた化合物、および動物を引き付ける
味の良い化合物を含んでいる、固体化した支持体層上で作用物質を導入すること
、続いて、該作用物質を完全にカバーするために該支持体の2回目のキャスティ
ングをすること、によって得られる。
このシステムは、2つのキャスティングの接合部付近で、低い機械的強度と壊
れ易さ(brittleness)を示すという不利を有し、大がかりな規模の散布法(例え
ば、多数の野生動物を広い区域で処理するための空中放出)には不向きである。
特許EP208528は、110℃未満の融点を有する水に不溶性のポリマー
(ポリアミドまたはエチレンコポリマー、特にEVA)、興味を引く物質および
食用油もしくは糖蜜(0〜20%)から本質的に構成される、魚および甲殻類の
ための餌を記載している。
この特許EP208528による餌は、ポリマー、興味を引く物質および必要
に応じて食用油、の乾燥混合物を90〜110℃で押出しすることによって得ら
れる。
国際出願WO89/12393は、EVA、生物活性物質、タンパク質/糖/
脂質の源となるもの、および必要に応じて0〜20%の食用油、興味を引く物質
、着色剤、保存剤、忌避剤(repelling agent)および生物学的マーカーを含む、
殺虫剤組成物を記載している。
国際出願PCT WO89/12393による組成物は、ブロックまたは錠剤
の形態であって良く、また、ポリマーを融解させ(<110℃の温度で融解し得
る)、その後それを他の成分と混合する、或いは、乾燥形態に
ある全ての成分の混合物をポリマーの融点まで加熱する、のいずれかによる、上
述の組成物の押出しによって調製される。
特許出願EP421863は、2つの部分:押出しによって得られ、少なくと
も1種の興味を引く物質、少なくとも1種の凝集物質(多糖、スターチまたはE
VAのようなポリマー)および必要に応じて、疎水性物質(油)を含んでいる管
状形態の外被(envelope)、並びに外被のくぼみの内側に、有効成分を含む結合物
質(高すぎない融点を有する脂肪物質の混合物)、該結合物質は外被の内部の形
をなす、からなるシステムを記載している。そのような外被は、高い機械的強度
と熱的強度を有し、特に空中放出による散布を可能にする。
従来技術の組成物またはシステムは、一般に、取り扱いやショックに対する優
れた耐性および/または、これらのシステムに含まれる有効成分(1種または複
数)の効果的な消費を促進する、動物に対する優れた誘引性を有するよう、デザ
インされている。
しかしながら、一般に、これらの文献に記載されている組成物は、幾つかの薬
剤の効果を確実にするための、または特に特定の治療のために特定の接触時間を
得ることが必須であるときに、有効成分の口腔内での、十分な
滞留時間を与えない。さらに、それらは、特に生物学的起源の有効成分に関して
は、十分な安定性を保証しない。
出願EP458751は、環状アミノ酸を含有する中心コアを含むシステムを
記載しており、第1コーティングは、薄膜(コアの5〜100重量%)を形成し
得るポリマーから構成され、疎水性の第2コーティングは、脂質(コア+第1コ
ーティングの組合せの20〜400重量%)からなり、顆粒の製造を可能とし、
本質的に更なるプロセッシングに供されることが意図されている;さらに、その
ようなシステムは、有効成分の徐放を誘導し、生物学的起源の産物の水溶液また
は懸濁液中での処理または安定化を不可能とする。
その結果として、本発明の目的は、特定の状態の治療における、特定の治療剤
の投与における、例えば、経口的予防接種または口腔の治療のような動物に対す
る特定の医療行為の実行における、従来技術の組成物およびシステムよりも遭遇
する要請事項により相応しい、新規な投与形態を提供することである。
本発明の主題は、化学的または医薬的物質を経口的に投与するための、固体中
心コアおよび外側の層またはコーティングを含むタイプの投与形態であり、該中
心コアは1種以上の生物活性物質を含み、以下の事項を特徴と
する:
−多孔性の水に可溶な中心コア、該中心コアは以下を含む:
・ポリペプチド、高分子量の多糖、コロイド溶液およびコロイドを生じ得るポ
リマーから選ばれる結合剤、およびポリオール、金属酸化物、カーボネート、ホ
スフェートまたは微結晶セルロースから選ばれる希釈剤からなる群から選択され
る少なくとも1種の物質、結合剤および希釈剤の全体量は、該中心コアに対して
、50〜98重量%である、および
・有効量の少なくとも1種の生物活性物質、並びに
−味の良い疎水性の外側層、該層は以下を含む:
・脂肪族アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール)、脂肪酸(
ステアリン酸、パルミチン酸)、グリセリンパルミトステアラート、グリセリン
ステアラート(商標 PRECIROL で販売されている)、グリセリンベヘナート(gly
cerol behenate)(商標 COMPRITOL で販売されている)のようなグリセリンエス
テル、水素添加ヒマシ油(商標 CUTINA HR で販売されている)のような水素添
加油、カルナウバろう、みつろう、パラフィン、ラノリン、やし油のような、ろ
うまたは脂肪物質、並びにステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシ
ウムのような脂肪酸の塩から選ばれる少なくとも1種の脂質物質;
・脂質の塊(mass)中に可溶性または分散性の、該外側層の崩壊と中心コアの崩
壊に由来する微粒子フラグメントの接着を調節する薬剤、該薬剤は、アクリル樹
脂(商標 EUDRAGIT で販売されている)、ポリ酢酸ビニル(商標 RHODOPAS で販
売されている)、ポリアルキレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリ
マー、スターチ、デキストラン、イヌリンまたはビニルピロリドンの架橋ポリマ
ー、およびヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースから選ばれたセルロース誘
導体からなる群から選択されるポリマーから選ばれる;並びに
・純粋に植物起源の、または肉もしくは魚肉、ゆでた牛肉の香味(flavour)、
ローストした豚肉の香味、白魚の香味、落花生(groundnut)の香味、ベーコンの
香味、レバーの香味のような香味から選ばれる、動物起源の産物を含む、天然ま
たは合成の味の良い物質。
そのため、この投与形態は、二重のコンパートメントから構成されている。中
央部にある第一のコンパートメントは、水性媒質もしくは唾液中で速やかに溶解
もしく
は崩壊する特徴を有する多孔性固体の中心コアである。この崩壊により生じた微
粒子砕片もしくは集塊(aggregates)は、本発明による形態の特有な組成のために
、口腔組織に付着するようである。
第二のコンパートメントは、事実上、脂質とポリマーの性質、疎水性、嗜好性
(味の良さ、palatable)を有し、また制御された厚さからなるフィルムまたはエ
ンベロープ(envelope)であり:
−多孔性構造からなる水溶性の中心コンパートメントの一貫性を変更すること
なく、本発明の投与形態の取り扱いの簡易性、
−湿気に対する中心コアの保護
−特に経口予防接種(oral vaccination)のため、製品投与の責を負う者の汚染
からの保護
−標的動物の誘引
−テクスチュアー(texture)の変更または脂質の滲出を伴うことなく、−30
℃から+45℃の間の温度での優れた耐熱性
−固体で且つ乾燥した中心コアの至適な安定性、それゆえ、感受性の高い生物
活性分子の至適な安定性
−より詳細には動物を集約的に飼育するために、分配媒質中に存在する期間中
、物理学的特徴が変わらない経
時的安定性、及び
−従来技術による錠剤または他の餌(bait)は、口腔内で持続性を与えるには、
小型すぎるか又は流動性がありすぎる内容物を有しているのに対して、最適なバ
イオアベイラビリティをもたらす口腔粘膜への生物学的付着、及びそれを介する
有効成分の即効性:
を確保する。
活性成分は、任意の生物学的活性物質、より詳細には、味、低溶解性もしくは
非溶解性、不安定性の問題または低いバイオアベイラビリティと関連する製剤の
困難性を示すかもしれない任意の分子を意味するものとして理解される。
本発明の投与形態は、あらゆる種類の物質(通常、獣医学において用いられる
ものであり、より詳細には経口ワクチン、栄養剤(nutritional agents)、代謝制
御剤、避妊薬、植物抽出物、食品補助剤、衛生及びダイエット品(dietetic agen
ts)、および化粧用剤)の投与に用いられる。さらに、この新しい形態は、液体
有効成分の固型製剤(solid presentation)を可能にする。
例として、この投与形態で投与され得る活性物質としては、以下のものが挙げ
られるであろう:
−ベータラクタミン系(アモキシシリン、アンピシリ
ン、セファレキシン)、クロラムフェニコール、マクロライド系(ジョサマイシ
ン、エリスロマイシン、スピラマイシン、チロシン(tylosin))、テトラサイク
リン系といった抗生物質、
−フラン類、キノロン類、サルファミド類、スルフォン類、トリメトプリムと
いった抗生物質以外の抗感染剤、
−コルチコイド類、ピラゾール類、サリチレート類、非ステロイド類といった
抗炎症剤
−グリセオフルビン、ケトナゾール(ketonazole)といった抗真菌剤
−オキシベンダゾール(oxybendazole)、ピランテル、メベンダゾール(mebenda
zole)、オキシフェンダゾール(oxfendazole)、フェンベンダゾール、ネトビミン
(netobimin)といった駆虫剤、
−経口再水和剤(oral rehydrating agents)、アミノ酸(メチオニン、リジン
)、エネルギー補給品、ミネラルもしくはビタミンといった栄養剤
−局所歯肉・歯科製品(local gingivodental product)、防腐剤、ヘキサミジ
ン、クロロヘキシジン(chlorohexidine)、ヘキシチジン(hexitidlne)といった抗
菌剤、及び呼吸調節剤(breath modifiers)、
−下記の形態をした抗ウイルス・抗菌・抗寄生体ワク
チン:
・不活性化されたもの:完全な抗原
・生の、弱毒化されたもの
・生の、突然変異された無毒性のもの
・生の、遺伝子組換え由来のもの(ウイルス性、微生物性、プラスミドベクタ
ー)
・サブユニット:(糖タンパク質;核タンパク質)
・精製された組換え体:純粋な抗原分子
・ペプチド
・核酸化合物
・種々のサイトカイン(IL2、IL6、IL12、インターフェロン)、T
NFと関連する生物学的分子の化合物
・アンチセンスヌクレオシド
・モノクローナル抗体、抗−イディオタイプもしくはそうでないもの
・特異細胞レセプター
−サイトカイン類
−抗癌剤
−成長因子
−避妊用ワクチン、ホルモン性のもの又はそうでないもの
−生物学的殺虫剤
−補助剤(アジュバンド)
・免疫に非特異的なもの
・TH1(細胞性免疫)に特異的なもの
・TH2(体液性免疫)に特異的なもの
−形質転換支持因子
(transgenics-supporting factors)
−局所付着もしくは抗付着因子
(粘膜、腸管絨毛・・・)
結合剤は、水中で溶解性もしくは分散性の支持体として役立つ濃稠化及び構造
化物質(structuring substance)を意味するものとして理解される。それは、塊
の凝集力を確実にすることができ、有効成分との関係では不活性であり、そして
当該投与形態が動物によって効果的に消費された後、口腔粘膜へ中心コアの微粒
子砕片の付着を高める能力を有する。
これらの結合剤は、特に、ゼラチンもしくは部分的に加水分解されたゼラチン
といったポリペプチド、高分子量の多糖類、コロイド溶液及びコロイドを生じる
ことのできるポリマー、天然または合成のゴム〔アラビアゴム、カラヤガム(kar
aya gum)、キサンタンガム(xanthan gum)、グアーガム(guar gum)、カロブガム(
carob gum)〕といっ
たもの、アルギネート、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ペクチネート、カラギナン類、デキストランといっ
たセルロース誘導体、アクリル酸のホモ−もしくはコポリマー、水分散性のデン
プン誘導体、コロイドシリカ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレングリコール(特にPEG6000及び8000)、またはこれらの
結合剤の混合物から二者択一的に選択される。
有利には、これらの結合剤は、より詳細には、口腔粘膜への生物学的付着を高
めるために、錠剤やチューイングガムの調製に際し通常使用されるアラビアゴム
、キサンタンガム、ペクチン、天然のバイオポリマーの中から選択される。
希釈剤は、中心コアの物理的性質を高める薬学的に許容される基質、好ましく
は水溶性のものを示す。これらの物質は、とりわけマンニトール、キシリトール
、ラクトース、グリシン、ソルビトール、グルコース、マルトデキストリン類、
シクロデキストリン類の中から、または酸化物(酸化マグネシウム)、カーボネ
ート(炭酸カルシウム)、ホスフェート(リン酸カルシウム)、微結晶セルロー
スの中から二者択一的に選ぶことができる。
当該投与形態の好ましい実施の形態によれば、中心コ
アは、更に、サッカリン、サッカリネート、サイクラミン酸塩類、アスパルテー
ムといった味を変更もしくはマスキングする物質、シリカのような崩壊調節剤、
サイクロデキストリンもしくはグリチルリチン酸塩といった吸収促進剤、ソルビ
タンエステル、プロピレン及びエチレンオキサイド・コポリマー、脂肪族アルコ
ール及びポリオキシエチレンエーテルといった非イオン性もしくはカチオン性の
界面活性剤から選択される表面活性剤、着色料及び保存剤の中から選択される一
もしくはそれ以上の添加剤を含む。
それ故に、中心コアは、上記の結合剤および希釈剤から選ばれる少なくとも一
つの物質を含むが、一もしくはそれ以上の結合剤及び/又は一またはそれ以上の
希釈剤を含んでいても良い。
当該投与形態の他の有利な実施の形態によれば、外側層(outer layer)の脂質
物質は、パラフィン、やし油、パルミチン酸及びグリセリンエステルから選択さ
れ、また外側層の崩壊調節剤は、エチレン/酢酸ビニルコポリマー及び架橋多糖
類から選ばれる。
本発明によれば、本発明の投与形態の外側層または疎水性バリアは、また以下
のものを含むこともできる:
−チタン及び鉄の酸化物から選ばれる無機酸化物、ホ
スフェート、カーボネート、クレイ及びタルクからなる群から選択される無機物
質(これらの物質は、該外側層の崩壊速度にも作用する)、及び/又は
−中心コアのフィルム−コーティング(被覆)の操作中、疎水性バリアが懸濁
状態で存在する時、それを構成している混合物の均質性及び加工を確実にするた
めの、例えば、ソルビトールエステル、ポリオキシエチレン・ポリソルベート(
商標TWEENとして販売される)、レシチン、ソルビタンエステルから選択さ
れる界面活性剤。
この疎水性物質は、有利に、脂質層と中心コアの間の親和性を高め、本発明の
投与形態の二つのコンパートメント間の接着を高めることを主作用とする、脂肪
酸及びモノ−及び(又は)ジ−グリセリドといったグリセロールエステルを含ん
でいてもよい。これによって、フィルム形成物質の可撓性及び相対的弾性が増す
。
本発明によれば、該投与形態は有利には下記のものを含む:
−中心コア:
希釈剤及び/または結合剤・・・・50 -98 %
生物活性物質・・・・・・・・・・ 0.25-50 %
他の添加剤・・・・・・・・・・・ 0 - 1.75%
−外側層:
脂質物質・・・・・・・・・・・・40 -93 %
ポリマー・・・・・・・・・・・・ 4 -30 %
味の良い物質
及び他の添加剤・・・・・・・・ 3 -30 %
本発明の主題は、本発明の投与形態の製造方法にも係り、以下の操作を行うこ
とを特徴とする:
a)中心のコアの種々の成分、即ち、生物活性物質、希釈剤、結合剤及び必
要に応じて1種又は2種以上の添加剤及び得られる懸濁液の均質性及び粘度を調
整するのに適当な量の水を含むペーストの調製、
b)a)で得られた生成物の固形化(solidification)、
c)b)で得られた生成物の、少なくとも1種の液体物質、外層の崩壊を調
節するための1種の薬剤及び1種の嗜好性物質を含有する溶液又は懸濁液中の混
合物でのコーティング。
より、正確には、中心のコアの製造は、以下の操作に従って行われる:
a)更に上記に挙げた種々の成分、及び得られる懸濁液に最適の加工ができ
る流動学的特性を与える、
適当な量の水を含むペーストの製造;
b)特に有効成分がワクチン又は同等の作用の時、a)で得られる生成物の
、特に凍結及び昇華による(凍結乾燥)固形化。
該方法の有利な態様としては、該固形化は、例えば、蒸発、乾燥、又は凍結乾
燥のような物理的な操作によって行われる。
該固形化を蒸発によって行うときは、後者(蒸発)は、減圧下、好ましくは、
超高周波(ultrahigh frequency)の照射と共に行われる。例えば、ブリエコ−
ノウタ(VRIECO-NAUTA)又はバクトロンミキサー−ドライヤー(VACTRON mixer-
dryer)(マチネス コレッテ(MACHINES COLETTE))等で成されるこの加工は、球
面の形又は全体的に球面の形を有するユニットを得ることが望ましいときに好ま
しく、使用の条件によって、本発明の中心のコアの平均サイズを制御することが
可能となる。
該固形化を、凍結乾燥によって行うときには、a)で得られるペーストを、好
ましくは、凍結及び昇華の前に決定される形及び容量を有するユニットの量に分
配するのが好ましい。
生成物の分配を、また、凍結乾燥後機械的に行うことも可能であると理解され
るが、凍結乾燥操作の前に、決
められた形及び大きさを有するセルにペーストを分配するのが有利である。
本発明によれば、有効成分は、遊離の形態又はマイクロ粒子(microparticles
)又はナノ粒子(nanoparticles)の形態で、分配されるペースト中に可溶又は
懸濁液中に存在する。より詳しくは、凍結乾燥による固形化に適応した後者の形
態は、水性媒体及び唾液の流れと接触される時、有効成分の完全で即時の放出を
避けることができる。生体再吸収可能な(bioresorbable)ポリマー又は巨大分
子の物質はマイクロ−又はナノ粒子の成分の一部となる。
前記記載された中心のコアのコーティングは、製薬及び食品産業において一般
に使用されている慣用的な技術に従って行われる。中心のコアの形及び大きさに
依存して、溶媒の蒸発によるコーティング、コアセルベーションによるコーティ
ング、タービンフィルム−コーティング(turbine film-coating)、流動床(fl
uidized bed)コーティング又は食品産業、より具体的には菓子製造産業におい
て広く使用されている浸漬によるコーティングを、特に使用する。
本発明の投与形態は、特に下記のために指示される:
−生物活性物質の味覚をマスクするのが望ましい経口の
薬学的製剤に、
−例えば、呼気をさわやかにするシステム(breath freshening systems)のよ
うな、口内の生物学的接着(bioadhesion)製剤に、
−消化の機構に感受性があり、口腔の粘膜を通しての通過が刺激される有効成分
を含む製剤。
前述の特徴に加えて、本発明は更に、本発明の主題である方法を実施している
実施例に言及する、以下の記載から明らかになるであろう他の特徴をも包含する
ものである。
しかしながら、これら実施例は本発明の主題の例示によって純粋に与えられる
ものであり、いかなる場合もここへの限定を構成するものではないことを明確に
理解されるべきである。
実施例I:歯科衛生のためのユニット形態
有効成分及び賦形剤を含み、以下の組成物:
クロルヘキシジンジアセテート
(chlorhexidine diacetate)・・・・・・ 0.25%
メチオニン・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 %
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・ 80 %
β−シクロデキストリン・・・・・・・・・・ 13 %
デキストラン70・・・・・・・・・・・・・ 2 %
微粉状シリカ・・・・・・・・・・・・・・・ 0.25%
アスパルテーム(Aspartame) ・・・・・・・ 0.8 %
ソルビタンモノパルミテート・・・・・・・・ 0.7 %
を有するプレミックスを、オルサタイプ(OLSA-type)遊星型ミキサー(planeta
ry mixer)中で製造した。
微粉の集まりを30分間乾式混合し、その後、乾燥質量100gあたり38g
の量で水を追加し、室温で1時間混和する。その結果得られた均質な懸濁液を、
1.5cm3ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)セルに分配する。懸濁液を
含有する多孔性(cellular)のシートを、分配後直ちに凍結乾燥器に入れ、大気
圧下、−45℃の温度で、約3時間凍結させる。負の温度で減圧下12時間の乾
燥後、温度を5℃ごとに30℃に上げる。凍結乾燥したユニットを、セルから抽
出し、流動床(グラット(GLATT) GPC−15)中空気の注入(30−5℃で
100リットル/分)とともに、水素添加ひまし油(hydrogenated castor oil
)(1部)、エチルセルロース(2.5部)、みつろう(3部)、セチルアルコ
ール(1部)、ピーナッツ香味料(groundnut flavour)(0.15部)を含む
塩化メチレン(80部)の溶液と共に25〜30℃で維持しながら処理を行う。
実施例II:イヌの狂犬病に対する経目の予防接種のため
のユニット形態
上記実施例Iに記載の手法を行って、以下の組成物:
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・・・28%
マンニトール・・・・・・・・・・・・・・・・・70%
アラビアゴム・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2%
を有する乾燥混合物を使用する。
予防接種した動物の免疫性を保証するのに充分な力価のSAG−2株のワクチ
ンの懸濁液を乾燥質量100gあたり40gの割合で添加し、上記に記載の方法
を行う。凍結乾燥されたユニットを、セルから抽出し、56〜60℃に維持され
た以下の組成:パラフィン50−2℃(52%)、28%ビニルアセテートとの
エチレンビニルアセテートコポリマー(6%)、ミートミール(meat meal)(
23%)、牛脂(17%)、ロバーティット(ROBERTET)ベーコン香味料(2%)
の均一混合物中に浸すことによって被膜する。経口予防接種に適した本発明の投
与形態は、この様にして得られる。
実施例III:
以下の組成:
乾燥物100gあたり
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・・・20%
マンニトール・・・・・・・・・・・・・・・・・45%
ポリビニルピロリドン K30・・・・・・・・・ 6%
リン酸二カルシウム・・・・・・・・・・・・・・ 5%
スルファメトキシピリダジン
(sulphamethoxypyridazine) ・・・・・・・・・20%
トリメトプリム(trimethoprim)・・・・・・・・ 4%
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45%
を有する混合物を、減圧に耐えうる、超高周波の発電機(generator)を備え付
けた遊星型ミキサードライヤー中で製造する。
混合物を1時間混合し、その後、マイクロ波を使って(電力が1〜4KWの間
で変化する発電機での不連続な励起)、40℃を超えないで減圧下、水を除去す
る。
得られる顆粒を、5%オイドラジット(Eudragit)RL100を含有し、塩化
メチレン及びイソプロパノールの1/1混合物中、少量の脂肪酸モノグリセリド
及び無水ケイ酸無水物(anhydrous silicic anhydride)を含む溶液を、30m
l/分の速度でスプレーすることによって流動床中でコートする。
実施例IV:実施例I及びIIに従って得られる本発明の投与形態のインビトロ及び
インビボでの試験
a)温度挙動
試験は、−30℃から+45℃の間の温度において、
外観及び構造の変更がないことを示した。投与形態を吸収紙に置き45℃で保存
した時、ごくわずかに柔らかくなるがなんら滲出も、なんら該紙上に脂肪のスポ
ットも示さず、加えて、凍結乾燥した中心のコアの物理的特性を変化させない。
b)誘引性、嗜好性及び生物学的接着性
誘引性の試験を、0.2%(w/w)の量のマーカーとして使用されるローダ
ミン(Rhodamine)Bを導入するように取り計られた、実施例Iの投与形態(群
A)、実施例1の中心のコア(群B)をそれぞれ与えることによって、9匹の犬
(3匹の小型、3匹の中型、3匹の大型)の2群に対して行った。結果は、群A
及びBにおいてそれぞれ、100%及び80%の即座の消費を伴う、非常に有利
なものである。群Bにおいて、消費は、提示に続く10分の間残りの20%にお
いて有効であることが判る。嗜好性及び生物学的接着性の試験を、群A及びB並
びに、実施例Iの投与形態に類似の組成の慣用されている錠剤を与えた比較群C
において行う。結果は、本発明の投与形態においては、非常に有利なものであり
、群A、B及びCにおいてそれぞれ、頬咽頭の空洞の色の強度の平均(0〜4の
増大する目盛り)が4、4および2である。
c)安定性:
b)において行われた試験を、4℃で6ヶ月保存した以外は同一の形態で、繰
り返した。結果は、非常に比較できるものである。
実施例IIの投与形態の安定性の研究を、ワクチンの懸濁液の力価を、時間及び
貯蔵温度の関数として、モニターすることによって行った。液体の形態で保存さ
れブリスター(blister)中にパッケージされたワクチンの懸濁液のコントロー
ルバッチとの比較についても、並行してこの試験を行った。懸濁液及び対応する
投与形態の調製後7、14及び28日、3及び6ヶ月以内でコントロールを行っ
た。細胞の50%を破壊する細胞変性性の感染量(CPID50)の毎週の減退
を2種の調製物に関して表す。結果は、表I中に整理され、慣用されている調製
物と比較して本投与形態の特有の利点を示している。
d)有効性
ブリスター中液体形態の予防接種量を有する慣用されているイヌの餌と比較し
て、実施例IIの投与形態での研究を行った。選択された14匹のイヌを、4つの
群A、B、C及びDに分ける。群A(4匹のイヌ)は、本発明の投与形態を受け
、群B(4匹のイヌ)は、(保護コンパートメントのない)凍結乾燥した中心の
コアを与え、
群C(4匹のイヌ)は、慣用されている餌を与え、及び群D(2匹のイヌ)は、
処置を受けていない。抗狂犬病抗体のレベルにおける変化を検査しながら、イヌ
を30日間モニターする。30日目にセロコンバージョン・レベルは、群A、B
及びCにおいて、それぞれ4、3及び3匹が、0.5IUより大きい。
これらの結果は、本発明の投与形態の安定性及び有効性を示すものである。
上記の結果から明らかなように、本発明は、より明確に記載されたその手段、
態様及び応用に限定されるものでは全くなく、むしろ、この分野の専門家が本発
明の枠組み及び範囲を逸脱することなく、想起し得る全ての変更を包含する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 レイニエ ベルナール
フランス国 エフ―06200 ニース コル
ニッシュ フルーリ 98 アジュール シ
ー
(72)発明者 シューマッハー カロリン エル.
フランス国 エフ―06140 バンス シュ
マン クレールフォンテーヌ レスコンド
ウ セ (番地なし)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 化学的または医薬的物質を経口的に投与するための、1種以上の生物活性 物質を含有する固体中心コアおよび外側の層またはコーティングを含むタイプの 投与形態であって、以下の事項を特徴とする: −多孔性の水に可溶な中心コア、該中心コアは以下を含む: ・ポリペプチド、高分子量の多糖、コロイド溶液およびコロイドを生じ得るポ リマーから選ばれる結合剤、およびポリオール、金属酸化物、カーボネート、ホ スフェートまたは微結晶セルロースから選ばれる希釈剤からなる群から選択され る少なくとも1種の物質、結合剤および希釈剤の全体量は該中心コアに対して5 0〜98重量%である、および ・有効量の少なくとも1種の生物活性物質、並びに −味の良い疎水性の外側層、該層は以下を含む: ・脂肪族アルコール、脂肪酸、グリセリンエステル、水素添加油、ろう、パラ フィン、ラノリン、やし油、脂肪酸塩から選ばれる少なくとも1種の脂質物質; ・脂質の塊(mass)中に可溶性または分散性の、該外側層の崩壊と接着を調節す る薬剤、該薬剤は、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレン樹脂、エチ レン/ 酢酸ビニル(EVA)コポリマー、スターチ、デキストラン、イヌリンまたはビ ニルピロリドンの架橋ポリマーおよびヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース から選ばれるセルロース誘導体からなる群から選択されるポリマーから選ばれる ;並びに ・天然または合成の味の良い物質。 2. 中心コアがさらに味覚修飾またはマスキング物質、崩壊調節剤、吸収促進 剤、ノニオンまたはカチオン界面活性剤から選ばれる界面活性剤、着色剤および 保存剤から選択される1種以上の添加剤を含むことを特徴とする請求項1に記載 の投与形態。 3. 外側層がさらに無機の酸化物、ホスフェート、カーボネート、クレイおよ びタルクおよび/またはソルビトールエステル、ポリオキシエチレンポリソルベ ート、レシチンおよびソルビタンエステルから選ばれる界面活性剤からなる群か ら選択される無機物質を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の 投与形態。 4. 内側コアの希釈剤および結合剤がアラビアゴム、キサンタンガム(xanthan gum)、ペクチン、ソルビトール、キシリトールおよびマンニトールタイプのポ リオール並びにそれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求 項1〜3のいずれか1つに記載の投与形態。 5. 前記外側層の脂質物質がパラフィン、やし油、パルミチン酸およびグリセ リンエステルから選ばれることをことを特徴とし、前記外側層の崩壊調節剤がエ チレン/酢酸ビニルコポリマーおよび架橋多糖から選ばれることを特徴とする請 求項1〜4のいずれか1つに記載の投与形態。 6. 内側コアの生物活性物質がワクチン、サイトカイン、抗癌剤、増殖因子、 免疫アジュバント、形質転換(transgenics)支持因子、局所付着または抗付着因 子から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の投与形態 。 7. 内側コアが生物活性物質として抗ウイルスワクチン、抗寄生体ワクチン、 抗菌ワクチンおよび避妊用ワクチンから選ばれるワクチンを含むことを特徴とす る請求項6に記載の投与形態。 8. 内側コアが生物学的活性物質としてSAG−2株の抗狂犬病ワクチン用懸 濁液を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の投与形態。 9.下記の式を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の投与 形態: −中心コア: 希釈剤及び/又は結合剤・・・・ 50 -98 % 生物活性物質・・・・・・・・・ 0.25-50 % 他の添加剤・・・・・・・・・・ 0 -1.75% −外側層: 脂質物質・・・・・・・・・・・ 40 -93 % ポリマー・・・・・・・・・・・ 4 -30 % 味の良い物質 及び他の添加剤・・・・・・・ 3 -30 % 10.下記の操作を行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の投 与形態を調製する方法: a)中心コアの種々の構成成分、即ち生物活性物質、希釈剤、結合剤及び必 要により一もしくはそれ以上の添加剤、及び得られる懸濁物の均一性および粘度 を調整するための適当量の水を含むペーストを調製する、 b)a)で得られた生成物を固化する、 c)b)で得られた生成物を、少なくとも一種の脂質物質、一種の外側層崩 壊調節剤及び一種の味の良い物質を有する液体状もしくは懸濁状の混合物を用い て被覆する。 11.該固化が、蒸発(evaporation)、乾燥もしくは凍結乾燥といった物理的操 作によって行われることを特徴とする、請求項10記載の調製方法。 12.凍結乾燥によって固化が行われる場合に、その操作が下記の2段階で実施 されることを特徴とする、請求項10又は11記載の調製方法。 (i)ペーストを所望の形および容量の単位量に分配し、そして (ii)凍結乾燥する。 工程(i)及び(ii)は任意の順番で行われるものと理解される。 13.固化が蒸発によって行われる場合に、その操作がミキサー・ドライヤーの 中で、減圧及び断続的な超高周波曝露の下で行われることを特徴とする、請求項 10又は11記載の調製方法。 14.請求項1〜9のいずれかに記載の投与形態からなることを特徴とする医薬 品。 15.請求項1〜9のいずれかに記載の投与形態からなることを特徴とする免疫 学的ベクター。 16.請求項1〜5のいずれかに記載の投与形態を有することを特徴とするダイ エット品(dietetic product)。 17.請求項1〜5のいずれかに記載の投与形態を有することを特徴とする食品 。
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