JPH09504590A - ツイン円筒型インペラを有するポンプ - Google Patents

ツイン円筒型インペラを有するポンプ

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Abstract

(57)【要約】 製造容易でかつ高いポンプ効率が達成できる単純でかつ効率のよい構造のツイン円筒型インペラ(3,4)を有するポンプであって、このポンプはシヤフト(12,13)の囲りをその関連するシヤフトに関して同じ偏心率で反対方向にかつその間の距離を一定に保ちつつそれぞれ回転するように構成された一対の同一の円形インペラ(3,4);インペラ(3,4)がインペラ室(5,6)の内周表面のそれぞれに沿って周方向に摺動するようにインペラ(3,4)をそれぞれ受け入れるように構成された一対の同一円筒型インペラ室(5,6);およびインペラを互いに結合するように構成された接続プレート(10)を有しており、この単純な真円形あるいは円筒型インペラ(3,4)およびインペラ室(5,6)によって従来のポンプでは通常見受けられた可動ポンプ要素に生じた弱体部分が現われない。さらに、本ポンプはその製造を非常に容易にしかつその寿命を引き延ばす。さらにまた本ポンプはインペラ室(5,6)中でのインペラ(3,4)の調和のとれた摺動動作によって高いポンプ効率と望ましくない脈動作用、ノイズおよび振動の殆ど無いポンプ動作を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ツイン円筒型インペラを有するポンプ 発明の背景 発明の利用分野 本発明はポンプに関し、より具体的には一対の円筒型インペラを有し、それぞ れは一定の距離を保ちながら一対のシヤフトの囲りにその関連するシヤフトに関 して偏心してかつ反対方向に回転できるように構成されており、その結果静かで かつ強力な流体ポンピング作用を高効率で得ることができる新しいタイプのポン プに関する。 従来技術の説明 従来のポンプは一般的にポンプ本体中で固定軸の囲りをブレード型、ギヤー型 、スクロール型あるいはカム型のインペラを回転することによって流体のポンプ 作用を得るように構成されている。しかしながら、このような従来のポンプは吸 入/射出ストローク当りのインペラの大きな移動距離、排出される流体と接触状 態にあるインペラの非常に大きな面積およびインペラと流体間の強い乱流接触状 態のために大きな力が消費されると云う欠点がある。さらに、これらのポンプは 多量の摩擦熱および摩耗現象を伴っている。その結果、これらのポンプは高速で 運転することが困難であることおよび寿命が短いと云う問題点を抱えている。こ れら従来のポンプは複雑なインペラ構造および複雑なインペラ室構造を有してい るので、これらには設計および用途上の制限がある。例えば、ブレード型のポン プはそのインペラの製造が非常に困難でかつ高価である。特にこのタイプのポン プは流体中に含まれている物体がインペラのブレードと干渉し合い、そしてイン ペラのポンピング動作を阻害するので、人体からの排出物、種々の 異物を含む排水あるいはその他の固体物を含んでいるその他の流体のポンピング は不適切である。さらに、このポンプは乱流を回避しなくてはならない化学液体 の排出および真空ポンプへの適用については不適切な構造を有している。 逆止弁手段およびポンプ本体中で直線的に往復動するように構成されたピスト ンを有する円筒型ポンプ本体を有するタイプのポンプの場合には、それはポンプ 効率の点から不利な脈動ポンプ作用を伴い、かつ流体の吸入および射出に貢献し ないシリンダーヘツドとピストン間の比較的高い割合の無効ボリユームを有する のでそのポンプ効率は低い。またそのピストンのストロークは相対的に長いので 、このポンプはまたそのポンプ容量当りの寸法が極端に大きいと云う欠点を有し ている。 韓国特許公報第91−4769(日本国特許出願第昭63−126511に対 応)は、本発明のポンプのそれと類似な方式で動作する回転型のコンプレツサー を開示している。このコンプレツサーはシリンダー、そのシリンダー中に配置さ れ、そのシリンダーの内表面に沿って周方向に偏心回転を行う円形ローターおよ びそのシリンダーとローター間に画成される流体室を吸入側低圧空間および射出 側高圧空間に分割するように構成されている可動のブレード部材を含んでいる。 しかしながら、このポンピング動作がただ1つの円形ローターの偏心回転によっ て得られるので、この構成は1つの完全なポンピングサイクルを実行するために ローターの長いストロークを伴っている。その結果、そのポンプ効率は低い。さ らに、このコンプレツサーは主としてローターとシリンダー間に画成される流体 室を低圧側空間と高圧側空間に分割するための比較的薄い可動ブレード部材およ びローターの吸入ストローク中排出口からの流体の逆流を阻止するバルブ手段に よる多数の弱体部分を有する複雑な構成を有している。その結果、このコンプレ ツサーは高圧および高速下においてトラブルなしで運転を行うことが困難である ことおよび寿命が短いと云う欠点を有している。 また同様に偏心回転する円形部材、それらがその部材を半径方向に出し 入れできるようにその回転部材上に設けられたプレート状の複数個の羽根車およ びその中でその回転部材がハウジングの内側に沿って摺動するような円筒状のポ ンプハウジングを含むようなタイプの羽根車型ポンプが提案されている。このよ うな羽根車型ポンプは韓国特許公報第90−3682(日本国実用新案出願番号 第昭61−178289)に開示されている。しかし、このポンプはそのポンピ ング動作がただ1つの偏心回転部材によって達成され、かつそれはそのポンピン グ動作中その回転部材を出し入れするために設けられた多数のプレート状羽根車 を有するポンプ構成を含んでいるので、先に指摘したコンプレツサーのそれらと 同様な欠点を有している。 さらにまたスパイラル状に形成された固定のスクロールおよびその固定のスク ロールのそれと類似なスパイラル型に形成された可動のスクロールを含み、冷媒 のような流体について所望のポンピング動作を達成するように互いにその両スク ロールが共働するようなタイプのポンプも提案されている。このようなスクロー ル型ポンプは、例えば韓国特許公報第89−628(日本国特許出願第昭59− 222753および日本国特許出願第昭59−168236に対応)に開示され ている。しかし、このポンプはそのポンピング動作を実行するためのそのスクロ ール部材が複雑な内側に螺旋したかつ円形の湾曲面を有するように形成されねば ならない複雑なスパイラル構造を有しているので製造を困難にし、かつ製造コス トを引き上げる複雑な構成を有している。さらに、その流体の吸入および射出は 、そのポンピング動作中に可動スクロールおよび固定スクロール間に画成される 長くて狭い流体室を通して行われるので、可動スクロールの1ポンピングサイク ル当りの吸入/射出量は比較的小さい。その結果、このポンプは異物を含む流体 のあるいは濃度の濃い流体のポンピングへの用途あるいはその他の一般的な流体 を多量にポンピングするための用途には不適切である。 発明の概要 そこで、本発明の目的は従来のポンプの先に指摘した問題点および欠点を解消 することであり、従って製造容易、高いポンプ効率および種々の用途を達成でき る簡単でかつ効率のよい構成のポンプを提供することである。 本発明によれば、この目的は一定の距離を保ちつつそれらの軸の囲りをその関 連する軸に関して同じ偏心度で反対方向にそれぞれ回転できるように構成した一 対の同一の円筒型インペラ;そのインペラがそのインペラ室の内表面のそれぞれ に沿って摺動できるようにそのインペラをそれぞれ受け入れるように構成された 一対の同一の円筒型インペラ室;およびそれらのインペラを互いに結合するよう に構成された接続プレートを有するようなポンプを与えることによって達成され る。そのポンプの単純で真円の円筒型インペラおよびインペラ室によって本発明 のポンプは従来のポンプで通常遭遇した可動ポンプ要素から生じる弱体部分が無 くなった。さらに、本発明のポンプは製造を非常に容易にし、かつその寿命を延 ばすことができる。真円形のインペラは、それらの軸の囲りのインペラのそれぞ れ半回転によってかつそのインペラ室の各内表面に沿った滑らかな摺動によって 交互にかつ実質的にそれぞれのポンピングサイクルを実行するので、そのポンプ は望ましくない脈動作用、ノイズおよび振動のほとんど無いポンピング動作を達 成することができる。さらに1ポンピングサイクル中のインペラの短いストロー ク、インペラとポンピングされるべき流体間の最少の接触面積および縦方向の流 れあるいは乱流の発生をおさえたことによって力の無駄のない効率的でかつ静か なポンピング動作が達成できる。特に、高速でかつ高ポンピング圧力下での運転 に際してもそれは動作不能となることはない。 図面の簡単な説明 本発明のその他の目的および観点は、以下に添付した図面を参照した以 下の実施例の説明から明らかになるであろう: 図1Aから1Dは本発明のポンプの基本的な構成およびその動作を示すための 断面図である; 図2は図1に示したポンプ用のインペラの望ましい実施例を示している部分的 な断面図である; 図3Aおよび3Bは、インペラシヤフトの回転角速度およびそのインペラシヤ フトの囲りを回転するインペラの回転角速度が互いに同一に設定された場合のそ の2つのインペラの動作関係を説明するための概略図である; 図4は図2のIV−IV線に沿って取った概略的断面図である; 図5Aおよび5Bはインペラシヤフトの回転角速度およびそのインペラシヤフ トの囲りを回転するインペラの回転角速度が互いに同一に設定された場合のその 2つのインペラ間の接続プレートの1つの望まし実施例を示している概略図であ る; 図6Aおよび6Bは図5Aおよび5Bのそれらと類似の概略図であるが、それ らのもう1つの他の実施例を示している; 図7は図1、2および4に示した実施例に従って構成したポンプの分解組立て 斜視図である; 図8は図7に示したポンプの組立てた状態の断面図である; 図9はインペラをそれらのインペラシヤフトの囲りに偏心して回転させるため のもう1つの実施例を示している概略的断面図である; 図10はインペラをそれらのインペラシヤフトの囲りに偏心して回転させるた めのさらにもう1つの実施例を示している概略的断面図である;および 図11はインペラの外表面に形成されたコーテイングを有する本発明のさらに もう1つの実施例を示している部分断面図である。 望ましい実施例の詳細な説明 図1Aから1Dは本発明に従ったポンプの構成および動作の基本的な概念を説 明するための断面図である。 図1Aから1Dに示すように、本発明のポンプは真円形の(あるいは円筒状の )ボデイーを有する第1のインペラ3を含んでいる。この第1のインペラ3は軸 1の囲りをこの軸1に関して所定の偏心度で所定の方向に回転する。このポンプ はまた第1のインペラ3と同じ構成を持った、すなわち真円形ボデイーの第2の インペラ4を含んでいる。この第2のインペラ4は、軸1の近くで軸1に平行に 配置されたもう1つの軸2の囲りを軸1に対する第1のインペラのそれと同じよ うに軸2の囲りを軸1に対する第1のインペラのそれと同じように軸2に対して 同じ偏心度で第1のインペラの回転方向と反対の方向に回転する。このポンプは また一対のインペラ室、すなわち第1のものは参照符号5で示されており、一方 第2のものは参照符号6で示されている一対のインペラ室を含んでいる。この第 1のインペラ室5では、第1のインペラ3が所定の方式に従って周方向に摺動す る。第2のインペラ室6では、第2のインペラ4が同様に所定の方式に従って周 方向に摺動する。インペラ3および4のそれぞれの回転中心である軸1および2 は図示の便宜上点の形で示されているが、これらは実際には対応するインペラ室 5および6の中央にそれぞれ位置するシヤフトである。これらのシヤフトの1つ は電動モーターのような外部の駆動源によって所定の方向に回転される駆動軸で あり、一方他方のシヤフトはその駆動シヤフトの回転力によって駆動シヤフトの それとは反対の方向に回転される被駆動シヤフトである。 第1および第2のインペラ3および4は、それらが軸1および2の囲りを反対 方向にすなわちそれらが等距離に保持されていると云う条件下でそれらの回転中 心の囲りを反対方向に回転するようにそれぞれインペラ室5および6中に配置さ れている。その中で第1および第2のインペラ3、4が所定の方式に従って周方 向に摺動する第1および第2のインペラ室5および6は、互いに隣接する部分の 一側において吸入口7と共通に連通して いる。この第1および第2のインペラ室5および6はまたそれらの隣接する部分 の他側において排出口8と共通に連通している。第1および第2のインペラ室5 および6、吸入口7および排出口8は図示したように単一のケーシング9に設け ることができる。 接続プレート10は第1および第2のインペラ3および4間に配置されている 。この接続プレート10は第1および第2のインペラ室5および6の最も近接し た個所に形成されたスリツト11を通して延びている。この接続プレート10は その一端において第1のインペラ3に、またその他端において第2のインペラ4 にそれぞれ接続されている。例えば図1Dに示されているように、このプレート 10は第1および第2のインペラ3および4と共にケーシング9中に画成される 流体室をそのポンプの運転中に高圧側空間Hおよび低圧側空間Lに分割する働き をしている。ケーシング9のこの流体室は第1および第2のインペラ室5および 6、吸入口7、排出口8およびスリツト11によって画成されている。 図1Aは第1および第2のインペラ3および4がケーシング9中のそれらの底 部の死点に位置しており、かつ互いに垂直線方向に一直線に並んでいるポンプの 最初の状態を示している。この最初の状態から第1および第2のインペラ3およ び4が、それぞれそれらの回転軸1および2の囲りをそれぞれ反対方向に回転を 始めると、インペラ3および4およびプレート10はそのポンピング動作中図1 B、1Cおよび1Dに示すような逐次の状態を経て図1Aに示すような状態にも どる一連の動きを繰り返し行う。図1Aはインペラの1つ、例えば、インペラ3 がその回転軸1の囲りを図1Aの状態から図1Bの矢印に示した方向に90度の 角度回転した状態を示している。図1Cはインペラ3が図1Bの状態から図1B のそれと同じ方向に角度90°再び回転した状態を示している。図1Dはインペ ラ3が図1Cの状態から図1Cのそれと同じ方向に角度90°だけ再び回転した 状態を示している。換言すると、第1および第2のインペラ3および4およびこ れらのインペラ3および4を接続しているプレート10を含むポン プの可動要素はインペラ3および4のそれぞれがその一回の完全な回転を実行す る間に図1A、1B、1Cおよび1Dの順序の引き続く連続の状態を与える。こ の運転中に第1および第2のインペラ3および4はそれらの外側の円筒状表面が インペラ室5および6の内側表面とそれぞれ密に接触するように第1および第2 のインペラ室5および6の内側円筒表面に沿って所定の方式で周方向に摺動する 。 第1および第2のインペラ3および4およびこれらのインペラを接続している プレート10の総てが単一の一体の可動体を構成されているとみなされる場合に は、ケーシング9の内部空間は排出口8の側に連通している高圧側空間(例えば 空間H)および吸入口7側に連通している低圧側空間(例えば空間L)に分割さ れており、その結果、上で説明した動作中にこれらの空間中に流体の吸入および 排出作用が発生する。例えば、第1のインペラ3が第1のインペラ室5の内側表 面に沿って、例えば、図1Bの状態から図1Cの状態を介して図1Dの状態に摺 動すると、第1のインペラ室5中の第1のインペラ3およびプレート10の左側 に画成された空間が次第にそのボリユームを減少し、その結果その空間に含まれ ている流体を加圧して排出口8側に排出させる。それと同時に、この第1のイン ペラ室5中の第1のインペラ3およびプレート10の右側に画成される空間はそ のボリユームを次第に増加し、その結果その内圧は低下する。その結果、第1の インペラ室5の右側空間に真空が形成され、従って流体に対する吸引力が発生す る。第1のインペラ3の上で説明した動きに従って、第2のインペラ4は第2の インペラ室6の内側表面に沿って、例えば図1Dの状態から図1Aの状態を経て 図1Cの状態に摺動し、第2のインペラ室6中の第2のインペラ4およびプレー ト10の左側に画成された空間がそのボリユームを次第に減少し、従ってその空 間に含まれる流体を加圧して排出口8側に排出する。これと同時に第2のインペ ラ室6中の第2インペラ4およびプレート10の右側に画成される空間はそのボ リユームを次第に増加し、その結果その内圧は低下する。その結果、第2のイン ペラ室6の右 側の空間に真空が生成され、流体に対する吸引力を発生する。このようにして、 第1および第2のインペラ3および4の流体吸引および排出動作が繰り返し継続 して行われるにつれてポンプは実質的に連続して流体を射出することができる。 このポンプの動作中、インペラ3および4の1つ、例えばインペラ3は他方の インペラ、例えばインペラ4がその軸2の囲りを角度180°回転してその流体 吸引および排出ストロークを完了した直後にインペラ3がその流体吸引および排 出動作の実行を開始すると言うことに特に注目して欲しい。軸1が駆動シヤフト の場合には、1つの完全な流体吸引および排出作用は駆動シヤフトの半(1/2) 回転毎に達成される。従って、本発明のポンプは駆動シヤフトの1回転毎に1つ の完全な流体吸引および排出作用を得るように構成された単一の円筒状回転構造 体を有する従来のポンプ(韓国特許公報第91−4769)と同じ流体射出を、 従来のポンプで使用されたそれらの実質的に半分のポンプスピードおよび駆動エ ネルギーを使って与えることができる。換言すれば、本発明のポンプは従来のポ ンプで同じポンプスピードおよびポンプ容量下で得られるそれの2倍に相当する 流体射出を得ることができる。インペラ3および4の流体吸引および排出動作が 特定の移動位置で実行されるように説明したが、それらは実際には対称で互いに 補われ、かつ連続してインペラ3および4のほとんど総ての位置において発生さ れる。従って、流体の吸引および排出作用に関しては、本発明のポンプは従来の ポンプには期待できなかった高いポンプ効率のポンピング動作および対称で相い 補い合う関係を有するインペラ3および4の調和のとれたポンピング作用によっ て脈動現象、ノイズおよび振動のほとんど無いポンピング動作を与える。さらに 、本発明のポンプのポンピング動作はインペラ3および4がインペラ室5および 6の内表面と密に接触してそれぞれに沿って円滑にかつ静かに摺動するので非常 に静かでかつ強力である。従って、高速および高圧下における運転に際しても過 応力が加わると云うことはあり得ない。そのポンプに使用される機構部品の摩耗 お よび損傷の割合いが最小となるので長いポンプ寿命が得られる。さらに、このポ ンプはインペラ3および4およびインペラ室5および6について単純な構造を使 用しているので、種々の要求されるポンプ容量に自由に応えることができる。 本発明の望ましい実施例の1つによれば、それぞれの軸1および2の囲りのイ ンペラ3および4の偏心回転は図2に示した配置によって得られる。図2の配置 において、偏心シヤフト12および13をそれぞれ有しているデイスク14およ び15はシヤフトの形をした回転軸1および2のそれぞれの一端に結合している 。偏心シヤフト12および13のそれぞれの自由端には、インペラ3および4が 回転可能に装着されている。接続プレート10がその両端でインペラ3および4 のそれぞれの対応する部分に固定して結合されている。シヤフト1および2はそ れらが反対方向に回転するように伝達歯車16および17によって機能的に接続 されている。プレート10の結合はインペラ3および4と一体のプレート10を 形成することによってあるいはインペラ3および4に別体の接続プレート10を 溶接することによっても達成できる。インペラ3および4への接続プレート10 のこのような強固な結合によって、プレート10はインペラ3および4と一体に 動くことができその結果、このプレート10の結合領域には何ら摩耗および損傷 は生じない。その結果、ほとんど弱い個所の無い強固でかつ耐久性のあるポンプ を得ることができる。 本実施例においてシヤフト1および2が回転すると、これらのシヤフト1およ び2に偏心して結合しているインペラ3および4はその間の等しい距離を保ちな がらシヤフト1および2の囲りを反対方向に回転する。もしシヤフト1および2 の回転角速度に従ってシヤフト1、2の囲りを回転するインペラ3および4の回 転角速度が互いに同一に設定されると、インペラ3および4が図3Aの最初の状 態から図3Aに矢印に示されている反対の方向にそれぞれ90°回転した後に得 られる図3Bの状態におけるインペラ3および4の中心間の距離は図3Aの状態 におけるそれよりも大きく なる。その結果、運転中に構造部品に過応力が加わる恐れが生じる。 インペラ3および4間の距離を一定に保った状態でインペラ3および4の互い に反対方向の回転を可能にするために、インペラ3が図3Aの状態から図3Aの 矢印が示す方向に90°回転した後図3Bの状態に到達した時、インペラ4はイ ンペラ3のそれとは反対の方向に90°より少し大きい角度だけ回転した状態に 到達するようにインペラ3および4の回転角速度は互いに異なっていなくてはな らない。この目的のために、図2のIV−IV線に沿って取られた断面図である図4 に示すように互いに係合されかつ偏心してシヤフト1および2にそれぞれ結合し ている一対の同一の伝達歯車16および17を含む伝達歯車ユニツトによってこ れらのインペラ3および4が互いに結合されている。この構成においてシヤフト 1上に装着された歯車16がシヤフト1の回転によって図4の状態から90°回 転すると、その小径部分で歯車16の大径部分と結合して歯車17および従って その歯車17をしっかりと支持しているシヤフト2が図4の矢印によって示され た方向に90°より大きい角度回転する。 このような動作によって、シヤフト1および2の囲りをそれぞれ回転するイン ペラ3および4は互いにその回転速度が異なるので、インペラ3および4間の距 離が一定に保たれているという条件下でシヤフト1および2の囲りの反対方向の 回転を生じることができる。 本発明のもう1つの実施例によると、インペラのシヤフト1および2は互いに 結合し、かつそれぞれシヤフト1および2に偏心して、結合した一対の同一の伝 達歯車を含む伝達歯車ユニツトによって互いに結合されている。この場合には、 シヤフト1および2の回転角速度および従ってこれらのシヤフト1および2上に 同じ偏心率で偏心して装着されたインペラ3および4の回転角速度が互いに同一 に設定されているので、インペラ3および4の先に説明した動作中にはインペラ 3および4の中心間の距離は図3に関連して説明したように変化する。この構成 においては従って、インペラ3および4がプレート10によって互いに強固に結 合されている場合に は動作中に機構部に過応力が生じる恐れがある。このような問題を取り除くため に、吸収手段を使ってインペラ3および4の中心間の距離の変動を吸収すること が必要である。このような吸収手段は図5に示すようにインペラ3および4の一 方の部分に、例えばインペラ3にインペラ3とは切り離されたプレート10に結 合できるように形成された摺動溝3′を導入してもよい。この摺動溝3′中には インペラ3に結合されるプレート10の一端が摺動溝3′に沿ってインペラ3の 半径方向に摺動できるように受け入れられている。この構成においてはインペラ 3およびプレート10はそれらが互いに分離されているので、インペラ3および プレート10の摺動領域で機構部の摩耗および損傷が生じる可能性が高い。しか しこの場合には、シヤフト1および2を互いに結合するための伝達歯車は偏心歯 車ではなく単純な円形の同心の歯車で構成できるのでポンプの製造が容易である と云う利点がある。 図6Aおよび6Bは本発明のもう1つの実施例である図5の構成の変形例を示 している。この実施例によると、図5の場合のようにプレート10の一端をイン ペラ3および4の対応する一方に摺動可能に結合するのではなく、インペラ3お よび4の両方に固定して結合している。この場合には、インペラ3および4の中 心間の距離の変動を吸収するために一対の弾性部材18および19がインペラ3 およびインペラ3を支持している偏心シヤフト12間およびインペラ4およびイ ンペラ4を支持している偏心シヤフト13間にそれぞれ介装されている。弾性部 材18および19の一方だけが配設されてもよい。 図1、2および4に示した実施例のいずれかによる完全なポンプ構造が分解組 立て斜視図である図7および図7に対応する断面図である図8に示されている。 この構造は一対のインペラシヤフト1および2を含んでいる。シヤフト1は外部 の駆動源によって回転される駆動シヤフトとして働き、一方シヤフト2は伝達歯 車16および17を介して伝達される駆動シヤフト1の回転力によって回転され る被駆動シヤフトとして働いている。一 対のインペラ3および4は同じ偏心率でシヤフト1およびシヤフト2に偏心して 装着されている。インペラ3および4はそれらが互いに一体化されそしてその間 に一定の距離を保ちつつ上で説明したような回転を実行できるようにプレート1 0に結合されている。シヤフト1および2に互いに結合するように構成されてい る伝達歯車16および17は、先に説明したようにインペラ3および4がその間 の距離を一定に保ちつつ反対方向に回転できるように偏心歯車の形を有している 。端板20および中間板21がケーシング9の両方の横方向端部にそれぞれ結合 されている。端板20および中間板21間には一対のシールされたインペラ室5 および6がこのケーシング9中に画成されている。このインペラ室5および6中 で、インペラ3および4がそれぞれ回転する。中間板21もまたベアリング22 、23、24および25によってシヤフト1および2を回転可能に支持するのに 役立っている。中間板21のケーシング9とは反対の側には適切なカバー構造体 26が固定して装着されており、これはシヤフト1および2およびそれらの伝達 歯車16および17を保護するためにそれらをカバーするのに役立っている。イ ンペラ3および4はそれぞれ偏心シヤフト12および13に軸支されることが望 ましい。 図5あるいは6に示されているポンプは、インペラ3および4および伝達歯車 16および17の装着構造が図7および図8のそれとほんの少し違っている点を 除くと図7および図8に示されているそれと同じ構造を有している。 図9はインペラ3および4をそれらのシヤフト1および2の囲りに偏心的に回 転させるためのもう1つの実施例を示している。上の場合で説明したように、シ ヤフト1および2の端部にそれぞれ設けられそしてインペラ3および4を支持す るように構成されている偏心シヤフト12および13を使う代わりに、この構成 はシヤフト1および2の端部に形成された同心の延長部12′および13′の囲 りにそれぞれはめ込まれた一対の偏心リング27および28を使っている。偏心 リング27および28の囲りにイ ンペラ3および4がそれぞれはめ込まれている。 図10はインペラ3および4をそれらのシヤフト1および2の囲りに偏心して 回転させる本発明によるさらにもう1つの実施例を示している。本発明のこの実 施例によれば、一対のピボツトレバー29および30がそれぞれシヤフト1およ びインペラ3間およびシヤフト2およびインペラ4間に接続されている。 本発明の上で説明した総ての実施例において、インペラ3および4は図11に 示すように、ゴムのような弾性および耐久性を示す材料から成るコーテイング3 1および32によってそれらの外表面をそれぞれ塗布することができる。この場 合には、このコーテイング31および32はインペラ3および4のそれぞれと対 応するインペラ室5および6のそれぞれ間に生じるシーリング効果を高めるのに 役立ち、そしてその結果何ら障害無しに固体物を含む流体をポンピングすること ができる効果を得ることができる。 インペラ3および4がそれらのシヤフト1および2の囲りを回転する回転方向 が本発明の先に説明した実施例におけるそれとは反対に設定されると、吸入口7 は排出口として働き、一方排出口8は吸入口として働くことになる。この点に関 しては、本発明によって構成されたポンプは従来のポンプとは違って流体の吸入 および排出方向に関して制限を持たない双方向のポンプとして取り扱うことがで きる。本発明のポンプのこのような特徴は、対称で相い補う動きの関係を有する ツインの円筒型の形を取っているインペラ3および4の特徴のある構造および機 能から生じている。 本発明の望ましい実施例が例を使って開示されたが、当業者は以下の請求項で 規定される本発明の範囲および精神から逸脱すること無しに、種々の変形、追加 および置換が可能であることは十分に理解できるものと思う。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 動の殆ど無いポンプ動作を与えることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.それらの軸の囲りをそれぞれ関連する軸に対して同じ偏心率で反対方向に かつその間の距離を一定に保ちながら、それぞれ回転するように構成された一対 の同一円形のインペラ; インペラをそれぞれ受け入れかつインペラがそれらの内周面のそれぞれに沿っ て周方向に摺動するように構成された一対の同一円筒型インペラ室;および これらのインペラを互いに結合するように構成された接続プレートを有するポ ンプ。 2.互いに隣接しているインペラ室の反対側にそれぞれ設けられている吸入口 および排出口;および インペラ室の最も隣接した部分間に形成されかつ接続プレートを受け入れるよ うに構成されたスリツトをさらに有する請求項1に記載のポンプ。 3.上記接続プレートはインペラ間の距離を一定に保つのに役立ち、かつ上記 インペラのそれぞれ回転中心であるシヤフトは偏心してシヤフトにそれぞれ装着 されている一対の同一の偏心歯車を有する伝達歯車手段を通して係合されている 請求項1あるいは2に記載のポンプ。 4.インペラのそれぞれの回転中心であるシヤフトは、シヤフトに同心的にそ れぞれ装着された一対の同一の同心歯車を有する伝達歯車手段によって係合され ており、またインペラはインペラ間の距離が可変となるように互いに結合されて いる請求項1あるいは2に記載のポンプ。 5.インペラの少なくとも1つは接続プレートに分離可能に結合されておりか つその接続プレートに結合される部分に溝が設けられており、その溝は接続プレ ートの端部をその溝に沿ってインペラの半径方向に摺動できるようにそのインペ ラに結合される接続プレートの端部を受け入れている 請求項4に記載のポンプ。 6.上記両インペラは接続プレートに固定して結合されており、かつ少なくと もインペラの1つにはそのインペラとそのインペラの回転を支持するための支持 部材間に介装された弾性部材が設けられている請求項4に記載のポンプ。 7.同様な方式でインペラのそれぞれの回転中心であるシヤフトのそれぞれの 端部に固定された一対のデイスクをさらに有し、それぞれのデイスクは対応する インペラを支持するように構成された偏心シヤフトを有する請求項1あるいは2 に記載のポンプ。 8.同様な方式でインペラのそれぞれの回転中心であるシヤフトの端部に設け られたそれぞれの同心延長部の囲りにはめ込まれた一対の偏心リングをさらに有 し、偏心リングのそれぞれは対応する1つのインペラを受け入れその受け入れた インペラを支持するように構成されている請求項1あるいは2に記載のポンプ。 9.各々のシヤフトとそれに対応する各々のインペラ間に設けられかつ各々の インペラがシヤフトの回転力によって各々対応するシヤフトの囲りを回転できる ように構成された一対のビボツトレバーをさらに有する請求項1あるいは2に記 載のポンプ。 10.インペラの少なくとも1つの外表面にはコーテイングが施されており、 このコーテイングは弾性および耐久性を示す材料から構成されている請求項1あ るいは2に記載のポンプ。
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