JPH09504470A - ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料またはその除去方法 - Google Patents
ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料またはその除去方法Info
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Abstract
(57)【要約】
ガスまたは液体物から、窒素酸化物(NOx)を除去するフィルター用材料において、次式の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、−O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリデン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを特徴とするフィルター用材料。また、ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去方法に関し、窒素酸化物(NOx)を含むガスまたは液体物の流れを、上述のフィルター材料に接触させ、化学反応を生じさせることを特徴とする、前記方法である。さらに、一酸化窒素もまた、フィルター材料に、電子電位が0.96v以上の酸化能力を有する無機物または有機物を添加することにより除去可能である。
Description
【発明の詳細な説明】
ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料またはその除去
方法
本発明は、ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料また
はその除去方法に関し、ガスまたは液体物の流れを接触させる、ポリアリーレン
チオエーテルあるいはポリアリーレンチオエーテルの混合物と酸化剤を含むフィ
ルター材料である。
例えば、化石燃料を使用して稼働させる発電所あるいは、自動車のエンジンに
おける、すべての燃焼プロセスにおいて、いわゆる窒素酸化物(NOx)の生成
が伴い、それらが環境に排出されていることは良く知られている。
これらの窒素酸化物には、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)および
/またはこれらのアダクト品が含まれている。
一酸化窒素は、酸素と容易に結び付き酸化するため、大気中では、二酸化窒素
として存在することになる。
環境状況において、窒素酸化物は、本質的に二つの問題を生じせしめる。一つ
は、かかる窒素酸化物は、オゾン発生層において前駆体として存在するというこ
とであり、もう一方は、かかる窒素酸化物は、低濃度であっても、かなりの健康
障害を示すということである。(ロンプ ケミ レキシコン,9版,vol.5,
4314〜6)
上述の装置から排出される空気流れから窒素酸化物を除去して、これらの問題
を改善するために、種々のプロセス、例えば内燃機関などが開発されてきた。こ
れらのプロセスにおいては、窒素酸化物は、破壊されるかあるいは化学又は物理
手段により閉じ込められるかのどちらかになる。
ガスの流れをフィルターを通過させて、窒素酸化物を触媒的に分解するか、お
よび/又は高温にして、フリーラジカルを発生させる化合物を添加することによ
り低減させることは知られていた(WO92/04962)。
すなわち、かかるフィルターの基本材料に一つまたはそれ以上の金属化合物、
金属あるいは合金が充填されており、例えば、鉄、クロム、あるいはニッケルで
あって、さらには、いわゆる貴金属から選ばれた化合物や金属も付加的に添加さ
れており、例えば、パラジウム、プラチナが該等する。
これらの触媒は大変高価であり、また、かかる不均一触媒は、種々の触媒毒に
より急速にその効果が劣化するため、一般に使用期間が限られているという問題
があった。さらに、必要とされるエネルギーの供給も大変な問題であった。
活性炭もまた、窒素酸化物の吸収除去に使用されてきた(参照、ローム ケミ
レキシコン、9版、vol.2,1181,テーブル;ウルマンのエンサイクル
、インダ.ケミ、5版、vol.A17,328)。
しかしながら、活性炭のフィルターは、蒸気や水分を吸収して、活性表面積が
減少するために老化されることになる。さらに、カーク−オスマー、3版、4,
565(保管)を参照していただきたい。特に、活性炭のフィルターは、例えば
自動車のガソリン蒸気の除去のために使用され、あるいは、他の炭化水素化合物
の除去に使用されるのである。そして、かかるフィルターは、これらの化合物を
空気中から大変効率的に吸収するものの、結果的にNOxガスの付加的な吸収能
力を減少させるのである。さらに言えば、フィルター重量のほんのわずかな部分
のみが使用されるのである。
EP−A−0 405 265には、さらにイオウ酸化物あるいは窒素酸化物
を含むガスについて、特別に準備されたポリフェニレンサルファイド(PPS)
フィルムが透過効果を有することについて記載している。
この場合の効果としては、一つ程度の完全な物理分離である。廃棄ガスの分離
に関して使用されるメディアは、分離されるガスに対して、不活性でなければな
らず、そしてこの相について、良好な透過性を有していなければならない。従っ
て、この場合、イオウ酸化物あるいは窒素酸化物に対して、完全なフィルター効
果も、これらについての吸収効果も観察されなかった。
本発明の目的は、すなわち、上述の問題なしに、ガスまたは液体物からの窒素
酸化物の除去用フィルターおよびその除去方法の提供にある。
すなわち、本発明は、ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間
の化学反応を利用して窒素酸化物を除去する、ポリマーを用いたフィルターであ
って、当該フィルターは、大気温度においても優れた効果を示し、次式の反復ユ
ニッ
トを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ
デン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを
特徴とするフィルター用材料である。ここで、好適なアリール系は、フェニレン
、ビフェニールシル、あるいはナフタレンジルである。また、好適なW、X、Y
、Zは、それぞれ、−SO2−、−S−、−SO−、−S−である。
一酸化窒素とフィルター材料との反応速度は遅いものである。しかしながら、
少なくとも一つの無機系あるいは有機系の化合物であって、電子電位(酸化電位
ともいう)が0.96v以上のものが添加されれば、一酸化窒素をより効率的に
除去することができるものである。具体的には、クロリネートライム、ソジウム
ヒポクロライト、バナジウムペンタオキサイドおよびシアノキノンである。これ
らの化合物は、NOをNO2に変換し、それからポリマーによってより急速に除
去されるものである。
さらに、本発明は、ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間の
化学反応を利用して窒素酸化物を除去する方法に関し、窒素酸化物を除去する化
合物として、次式の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含むポリ
マーを用いたフィルターであって、プロセス過程において、ガスまたは液体物の
流れをフィルター材料と接触させて、化学反応を起こさせ、窒素酸化物を除去す
る方法である。
さらに、少なくとも一つの上述の無機系あるいは有機系の化合物が、本発明の
方法に用いられるフィルター材料に添加されれば、一酸化窒素をより効率的に除
去することができるものである。
好適なポリアリーレンチオエーテルは、ポリフェニレンサルファイド(PPS
)であって、式(II)に示される繰り返し単位を含むものであり、製造方法とし
ては、例えば、USP3354129、3919177、4038262および
4282347に記載されている。
式(II)のPPSの50mol%までは、芳香族環の1,4および/または1
,3結合を有するものを含んでも良い。また、“PPS”という言葉は、直線状
のものと、三次元架橋されたものとの両方を意味している。
使用できる他の出発ポリマーの例としては、式(III)〜(VII)に示される繰
り返し単位を含むポリアリーレンチオエーテルである。これらの合成方法は、例
えば、チミア 28(9),567に記載されている。
また同様に、式(VIII)に示される繰り返し単位を含むポリアリーレンチオエ
ーテルが使用可能であり、US−A−4016145に記載されている。
本発明に好適なポリアリーレンチオエーテルは、一般に、平均分子量Mwとし
て4000〜200000を有しており、より好適には10000〜15000
0であり、特別的には、25000〜100000g/molである。
使用できるポリマーにおいては、パウダー状、繊維状あるいは一定形状を有す
るものがフィルターの製造に使用可能である。適当なプロセスによって、ラッタ
ーは、極めて大表面積のもの、例えば、ラチスやハニカム構造を製造することが
可能である。
ポリマーがパウダー状の場合には、一般的な市場から入手可能な粒子サイズを
有し、それに対して、グラニュー状のものも使用可能である。
ここで重要なことは、処理されるガスまたは液体物が、ポリマー材料内を通過
できることであり、例えば、ポリマー材料は、境界のない、固定パウダー床の形
態である。ポリマーが繊維状の場合には、ステープルファイバー、ニードルフェ
ルト、不織布、カードシルバーあるいは織布材料である。さらに、フィルム状、
適当な形状のフィルムかす等もまた使用可能である。
窒素酸化物を含むガスまたは液体物の流れは、本発明のフィルター材料を使用
して、ポリマーの軟化温度未満の温度で処理することができる。適応温度は、一
般的には、−10〜240℃の範囲であり、より好適には、0〜220℃の範囲
である。
二酸化窒素の除去は、一般的には定量的に可能であり、反応時間は、流速、フ
ィ
ルター材料の表面積、あるいは、それぞれパウダーのケースの充填高さに依存し
ているものである。
フィルター内の滞留時間は、一般的には、0.1秒〜20分の間であり、より
好適には0.5秒〜1分である。しかしながら、制限値を超えることも可能であ
る。
二酸化窒素の除去に対して、一酸化窒素の除去は、ポリアリーレンチオエーテ
ルによっては、少量のみ可能である。しかしながら、上述した酸化剤を添加する
ことにより、一酸化窒素の除去に関してもほぼ定量的に可能となるものである。
但し、かかる場合に、反応時間は、流速、フィルター材料の表面積、あるいは
、それぞれパウダーのケースの充填高さに極めて強く依存しているものである。
窒素酸化物を含む媒体とともに用いられるポリアリーレンチオエーテルの処理
において、二酸化窒素は減少され、ポリマーのチオエーテル基が酸化されるもの
である。
本発明のフィルターの吸収能力は、硫化物架橋反応を完全ならしめるほどのも
のである。排気フィルター材料は、例えば、酸化ポリアリーレンサルファイドで
あるが、発生物質とは異なった特性を有する新しく生成されたものである。
この新しいポリマーは、それから、他のプロセスにも再び使用可能であり、例
えば、一定形状を有する物品の製造に使用可能である。その結果、排気フィルタ
ー材料は、完全にリサイクルされることとなり、環境破壊にはつながらないので
ある。
ガスまたは液体物の流れから窒素酸化物を除去しても、ポリマーから、何ら揮
発性物質の生成は伴わないものである。
ポリアリーレンチオエーテルに基づくフィルター材料は、一般に、添加剤を使
用することなく、使用可能である。しかしながら、一般的なフィラー、例えば、
チョーク、タルク、クレー、マイカおよび/又は繊維状の補強材、例えば、ガラ
スファイバー、カーボンファイバー、ウイスカー、および他の一般的添加剤やプ
ロセス添加剤(auxiliaries)、例えば、潤滑剤、剥離剤、酸化防止
剤、UV安定剤等を添加することも可能である。
本発明に基づくフィルターは、全てのNOx含有のガスあるいは液体物の流れ
に使用可能である。例えば、フィルターマスク、エアコンディショナーシステム
、自動車系(すなわち、エアフィルター、排気フィルター)において、燃焼(す
な
わち、フルーガスの清純化)の結果生じる窒素酸化物を除去したり、あるいは、
液体物の中の窒素酸化物を除去したり、無害化することが可能である。
使用用途のほとんどは、化石燃料を用いて稼働している発電所におけるフィル
ター材料である。このプロセスで製造されるフルーガスは、かなりの比率量のN
Oxを含んでおり、以前は、最大NOx濃度を200mg/m3以下にするため
に、複雑な方法により除去しなければならなかった。なお、かかる数値は、大規
模熱プラントにおいて、現行のドイツ政府が一般的に定めたものである。
触媒の存在下、以前使用されていた測定では、使用されるプロセスによるが、
350℃以上の温度が必要とされる。
ところが、本発明のフィルター材料を使用することにより、かなり低い温度で
NOxを除去することができるものであり、言い換えれば、一般に必要なディダ
スティング(dedusting)操作によって、プロセスを、プレシード(p
receded)することが可能であり、その後、冷却されたフルーガスが、N
Oxから供給されるのである。
従って、以前は必要とされた、フルーガスを再び加熱する操作はもはや必要と
されなくなったのである。そして、さらには、触媒なしに方法を使用することが
可能となったため、触媒の失活という問題もなくなったのである。
実施例1
MCZ社製(ロブバック(Robback)、ドイツ連邦共和国)のタイプM
CZ3010装置である、オゾン発生機を用いて、ガス混合をするシステムにお
いて、、活性炭を通して乾燥され、清澄されたいわゆるゼロエアあるいはノーマ
ルエアが、窒素中においてあらかじめプレミックスされたNOと混合され、装置
出口のNO2濃度が0.8ppmに調整された。
粉体状のポリフェニレンサルファイド (Mw=30,000、Tm=288℃
)が充填されたフィルターカートリッジ内に、ガス混合物を通過させた。
フィルターカートリッジの内径は20mm、充填高さは50mm、内容量は1
5.7cm3、流速は0.51/min=2.65cm3/sec.であった。
実施例2
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が25ppmで、NO濃
度が50ppmの混合ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
で、NO濃度が500ppmであった。希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッ
サー グリエシュム社から入手されたものであった。そして、混合ガスの流速は
、95l/hであった。
それから、混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,
000、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜1mmのものと
、粉体状のCa(OCl)2を混合したものが充填されたガラスフィルターチュ
ーブ内に、通過させた。なお、カートリッジに混合物を充填する前に、均一とな
るように混合撹拌した。また、ガラスフィルターチューブの内径は、4cm、全
充填高さは、15cmであり、結果として内容量は、188.4cm3、フィル
ター温度は22℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO、NO2およびNOxで、0〜10
0ppmであった。5時間の測定時間において、NO量は、2ppm未満であり
、NO2量は5ppm未満であった。すなわち、全フィルター効率は、90%を
超えるものであった。
実施例3
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が25ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、95l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。なお、ガラスフィルターチ
ューブの内径は、4cm、全充填高さは、10cmであり、結果として内容量は
、125.6cm3、フィルター温度は80℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、50時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例4
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置
(MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘ
ン、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガ
ス混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が500ppmの混合
ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、95l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは10cmであ
り、結果として内容量は125.6cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。そして、2時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり、
装置精度は0.2ppmであった。
実施例5
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が10ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。
混合ガスの流速は、200l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは8cmであり
、結果として内容量は、100.5cm3、フィルター温度は22℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、10時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例6
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合ガ
スを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、100l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは21cmであ
り、結果として内容量は、263.8cm3、フィルター温度は25℃であった
。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、15時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例7
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合ガ
スを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、25l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=40,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.02mmのものを充填
したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は2cm、全充填高さは9cmであり
、結果として内容量は、28.3cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、12時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例8
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘ
ン、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガ
ス混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合
ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、25l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=40,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜0.8mmのもの
を充填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は2cm、全充填高さは13cmであ
り、結果として内容量は、40.8cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、12時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例9
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が50ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、12l/hであった。
それから混合ガスを、パドル型の撹拌機のついた反応容器を通過させたが、当
該容器内には、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,000、T
m=288℃)であって、平均粒子直径が、200×10-6mのもの20gを7
5mlのジクロロメタンに懸濁させたものを充填しておいた。すなわち、混合ガ
スを懸濁液の中を通過させたのであった。また、そのときの反応温度は25℃で
あった。
そして、懸濁液を通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス社製
(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモルミネ
ッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、30分間の測定時間において、NO2量は、4ppm未満であり、装
置精度は0.2ppmであった。
実施例10
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が10ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、12l/hであった。
それから混合ガスを、パドル型の撹拌機のついた反応容器を通過させたが、当
該容器内には、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,000、T
m=288℃)であって、平均粒子直径が、200×10-6mのもの20gを7
5mlのジクロロメタンに懸濁させたものを充填しておいた。すなわち、混合ガ
スを懸濁液の中を通過させたのであった。また、そのときの反応温度は25℃で
あった。
そして、懸濁液を通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス社製
(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモルミネ
ッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、30分間の測定時間において、NO2量は、1ppm未満であり、装
置精度は0.2ppmであった。
それから、ガス流をNO/NO2アナライザーの、ツェルウェーガー テイキ
ャン システム社製(ミュンヘン、ドイツ連邦共和国)のテイキャン モデル C
DL700を通過させたが、測定可能範囲は0〜10ppmであった。
すなわち、フィルターカートリッジ通過後の混合ガスを、48時間以上測定し
た。その結果、この期間以上においても、残留しているガス中のNOx割合を完
全に吸収することができた。すなわち、分析装置により測定された値は、装置の
測定限界以下であった。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年8月14日
【補正内容】
184条の8の補正
請求の範囲
1. ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間の化学反応を利用
して窒素酸化物を除去する、ポリマーを用いたフィルター用材料において、次式
の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ
デン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを
特徴とするフィルター用材料。
2. 窒素酸化物を除去する化合物として、次式の反復ユニットを有すポリアリ
ーレンチオエーテルを含むフィルターを使用してガスまたは液体物から窒素酸化
物を除去する方法であって、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、
−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリデン、及
び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含んており、プロセ
ス過程において、ガスまたは液体物の流れをフィルター材料と接触させて、化学
反応を起こさせ、窒素酸化物を除去する方法。
3. 請求項1に記載のフィルター用材料において、さらに、電子電位が0.9
6v以上の少なくとも一つの酸化剤を含むことを特徴とするフィルター用材料。
4. 請求項1に記載のフィルター用材料において、ポリフェニレンサルファイ
ドが、反復ユニット、
を含むことを特徴とするフィルター用材料。
5. 請求項1に記載のフィルター用材料において、平均分子量が、4,000
〜200,000g/molであることを特徴とするフィルター用材料。
6. 前記窒素酸化物の除去を、10〜240℃の範囲で行うことを特徴とする
請求項2に記載の窒素酸化物を除去する方法。
7. 前記窒素酸化物の除去を、フィルター材料中の窒素酸化物を含むガスの滞
留時間が0.1〜20分の範囲で行うことを特徴とする請求項2に記載の窒素酸
化物を除去する方法。
8. ガスおよび液状物から窒素酸化物(NOx)を除去するフィルターの製造
方法において、請求項1に記載のフィルター材料を使用する方法。
9. 請求項8に記載の方法において、前記フィルター材料が、パウダー状、繊
維状、フィルム状、あるいは一定形状を有することを特徴とする、前記フィルタ
ー材料を使用する方法。
10. 付加的に、電子電位が0.96v以上の少なくとも一つの酸化剤を加え
ることを特徴とする請求項2に記載の方法。
11. 請求項2に記載の方法において、ポリフェニレンサルファイドが、反復
ユニット、
を含むことを特徴とする前記方法。
12. 請求項2に記載の方法において、平均分子量が、4,000〜200,
000g/molであることを特徴とする前記方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 クルペ,ユルゲン
ドイツ連邦共和国デー―65929 フランク
フルト・アム・マイン,インゼルスベルク
シュトラーセ 9
(72)発明者 フランク,ゲオルク
ドイツ連邦共和国デー―72074 テュービ
ンゲン,シュトイダッハ 164
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間の化学反応を利用 して窒素酸化物を除去する、ポリマーを用いたフィルター用材料において、次式 の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、 前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、 Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i 、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は 異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、 −O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ デン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを 特徴とするフィルター用材料。 2. 窒素酸化物を除去する化合物として、次式の反復ユニットを有すポリアリ ーレンチオエーテルを含むフィルターを使用してガスまたは液体物から窒素酸化 物を除去する方法であって、 前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、 Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i 、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は 異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ ール系 であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、−O− 、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリデン、 及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含んでおり、プロ セス過程において、ガスまたは液体物の流れをフィルター材料と接触させて、化 学反応を起こさせ、窒素酸化物を除去する方法。 3. 請求項1に記載のフィルター用材料において、さらに、電子電位が0.9 6v以上の少なくとも一つの酸化剤を含むことを特徴とするフィルター用材料。 4. 請求項1に記載のフィルター用材料において、ポリフェニレンサルファイ ドが、反復ユニット、 を含むことを特徴とするフィルター用材料。 5. 請求項1に記載のフィルター用材料において、平均分子量が、4,000 〜200,000g/molであることを特徴とするフィルター用材料。 6. 前記窒素酸化物の除去を、10〜240℃の範囲で行うことを特徴とする 請求項2〜5に記載の窒素酸化物を除去する方法。 7. 前記窒素酸化物の除去を、フィルター材料中の窒素酸化物を含むガスの滞 留時間が0.1〜20分の範囲で行うことを特徴とする請求項2〜6に記載の窒 素酸化物を除去する方法。 8. ガスおよび液状物から窒素酸化物(NOx)を除去するフィルターの製造 方法において、請求項1に記載のフィルター材料を使用する方法。 9. 請求項8に記載の方法において、前記フィルター材料が、パウダー状、繊 維状、フィルム状、あるいは一定形状を有することを特徴とする、前記フィルタ ー材料を使用する方法。 10. 付加的に、電子電位が0.96v以上の少なくとも一つの酸化剤を加え ることを特徴とする請求項2に記載の方法。 11. 請求項3あるいは4に記載の方法において、ポリフェニレンサルファイ ドが、反復ユニット、 を含むことを特徴とする前記方法。 12. 請求項2〜4に記載の方法において、平均分子量が、4,000〜20 0,000g/molであることを特徴とする前記方法。
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