【発明の詳細な説明】
ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料またはその除去
方法
本発明は、ガスまたは液体物からの窒素酸化物の除去用フィルター用材料また
はその除去方法に関し、ガスまたは液体物の流れを接触させる、ポリアリーレン
チオエーテルあるいはポリアリーレンチオエーテルの混合物と酸化剤を含むフィ
ルター材料である。
例えば、化石燃料を使用して稼働させる発電所あるいは、自動車のエンジンに
おける、すべての燃焼プロセスにおいて、いわゆる窒素酸化物(NOx)の生成
が伴い、それらが環境に排出されていることは良く知られている。
これらの窒素酸化物には、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)および
/またはこれらのアダクト品が含まれている。
一酸化窒素は、酸素と容易に結び付き酸化するため、大気中では、二酸化窒素
として存在することになる。
環境状況において、窒素酸化物は、本質的に二つの問題を生じせしめる。一つ
は、かかる窒素酸化物は、オゾン発生層において前駆体として存在するというこ
とであり、もう一方は、かかる窒素酸化物は、低濃度であっても、かなりの健康
障害を示すということである。(ロンプ ケミ レキシコン,9版,vol.5,
4314〜6)
上述の装置から排出される空気流れから窒素酸化物を除去して、これらの問題
を改善するために、種々のプロセス、例えば内燃機関などが開発されてきた。こ
れらのプロセスにおいては、窒素酸化物は、破壊されるかあるいは化学又は物理
手段により閉じ込められるかのどちらかになる。
ガスの流れをフィルターを通過させて、窒素酸化物を触媒的に分解するか、お
よび/又は高温にして、フリーラジカルを発生させる化合物を添加することによ
り低減させることは知られていた(WO92/04962)。
すなわち、かかるフィルターの基本材料に一つまたはそれ以上の金属化合物、
金属あるいは合金が充填されており、例えば、鉄、クロム、あるいはニッケルで
あって、さらには、いわゆる貴金属から選ばれた化合物や金属も付加的に添加さ
れており、例えば、パラジウム、プラチナが該等する。
これらの触媒は大変高価であり、また、かかる不均一触媒は、種々の触媒毒に
より急速にその効果が劣化するため、一般に使用期間が限られているという問題
があった。さらに、必要とされるエネルギーの供給も大変な問題であった。
活性炭もまた、窒素酸化物の吸収除去に使用されてきた(参照、ローム ケミ
レキシコン、9版、vol.2,1181,テーブル;ウルマンのエンサイクル
、インダ.ケミ、5版、vol.A17,328)。
しかしながら、活性炭のフィルターは、蒸気や水分を吸収して、活性表面積が
減少するために老化されることになる。さらに、カーク−オスマー、3版、4,
565(保管)を参照していただきたい。特に、活性炭のフィルターは、例えば
自動車のガソリン蒸気の除去のために使用され、あるいは、他の炭化水素化合物
の除去に使用されるのである。そして、かかるフィルターは、これらの化合物を
空気中から大変効率的に吸収するものの、結果的にNOxガスの付加的な吸収能
力を減少させるのである。さらに言えば、フィルター重量のほんのわずかな部分
のみが使用されるのである。
EP−A−0 405 265には、さらにイオウ酸化物あるいは窒素酸化物
を含むガスについて、特別に準備されたポリフェニレンサルファイド(PPS)
フィルムが透過効果を有することについて記載している。
この場合の効果としては、一つ程度の完全な物理分離である。廃棄ガスの分離
に関して使用されるメディアは、分離されるガスに対して、不活性でなければな
らず、そしてこの相について、良好な透過性を有していなければならない。従っ
て、この場合、イオウ酸化物あるいは窒素酸化物に対して、完全なフィルター効
果も、これらについての吸収効果も観察されなかった。
本発明の目的は、すなわち、上述の問題なしに、ガスまたは液体物からの窒素
酸化物の除去用フィルターおよびその除去方法の提供にある。
すなわち、本発明は、ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間
の化学反応を利用して窒素酸化物を除去する、ポリマーを用いたフィルターであ
って、当該フィルターは、大気温度においても優れた効果を示し、次式の反復ユ
ニッ
トを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ
デン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを
特徴とするフィルター用材料である。ここで、好適なアリール系は、フェニレン
、ビフェニールシル、あるいはナフタレンジルである。また、好適なW、X、Y
、Zは、それぞれ、−SO2−、−S−、−SO−、−S−である。
一酸化窒素とフィルター材料との反応速度は遅いものである。しかしながら、
少なくとも一つの無機系あるいは有機系の化合物であって、電子電位(酸化電位
ともいう)が0.96v以上のものが添加されれば、一酸化窒素をより効率的に
除去することができるものである。具体的には、クロリネートライム、ソジウム
ヒポクロライト、バナジウムペンタオキサイドおよびシアノキノンである。これ
らの化合物は、NOをNO2に変換し、それからポリマーによってより急速に除
去されるものである。
さらに、本発明は、ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間の
化学反応を利用して窒素酸化物を除去する方法に関し、窒素酸化物を除去する化
合物として、次式の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含むポリ
マーを用いたフィルターであって、プロセス過程において、ガスまたは液体物の
流れをフィルター材料と接触させて、化学反応を起こさせ、窒素酸化物を除去す
る方法である。
さらに、少なくとも一つの上述の無機系あるいは有機系の化合物が、本発明の
方法に用いられるフィルター材料に添加されれば、一酸化窒素をより効率的に除
去することができるものである。
好適なポリアリーレンチオエーテルは、ポリフェニレンサルファイド(PPS
)であって、式(II)に示される繰り返し単位を含むものであり、製造方法とし
ては、例えば、USP3354129、3919177、4038262および
4282347に記載されている。
式(II)のPPSの50mol%までは、芳香族環の1,4および/または1
,3結合を有するものを含んでも良い。また、“PPS”という言葉は、直線状
のものと、三次元架橋されたものとの両方を意味している。
使用できる他の出発ポリマーの例としては、式(III)〜(VII)に示される繰
り返し単位を含むポリアリーレンチオエーテルである。これらの合成方法は、例
えば、チミア 28(9),567に記載されている。
また同様に、式(VIII)に示される繰り返し単位を含むポリアリーレンチオエ
ーテルが使用可能であり、US−A−4016145に記載されている。
本発明に好適なポリアリーレンチオエーテルは、一般に、平均分子量Mwとし
て4000〜200000を有しており、より好適には10000〜15000
0であり、特別的には、25000〜100000g/molである。
使用できるポリマーにおいては、パウダー状、繊維状あるいは一定形状を有す
るものがフィルターの製造に使用可能である。適当なプロセスによって、ラッタ
ーは、極めて大表面積のもの、例えば、ラチスやハニカム構造を製造することが
可能である。
ポリマーがパウダー状の場合には、一般的な市場から入手可能な粒子サイズを
有し、それに対して、グラニュー状のものも使用可能である。
ここで重要なことは、処理されるガスまたは液体物が、ポリマー材料内を通過
できることであり、例えば、ポリマー材料は、境界のない、固定パウダー床の形
態である。ポリマーが繊維状の場合には、ステープルファイバー、ニードルフェ
ルト、不織布、カードシルバーあるいは織布材料である。さらに、フィルム状、
適当な形状のフィルムかす等もまた使用可能である。
窒素酸化物を含むガスまたは液体物の流れは、本発明のフィルター材料を使用
して、ポリマーの軟化温度未満の温度で処理することができる。適応温度は、一
般的には、−10〜240℃の範囲であり、より好適には、0〜220℃の範囲
である。
二酸化窒素の除去は、一般的には定量的に可能であり、反応時間は、流速、フ
ィ
ルター材料の表面積、あるいは、それぞれパウダーのケースの充填高さに依存し
ているものである。
フィルター内の滞留時間は、一般的には、0.1秒〜20分の間であり、より
好適には0.5秒〜1分である。しかしながら、制限値を超えることも可能であ
る。
二酸化窒素の除去に対して、一酸化窒素の除去は、ポリアリーレンチオエーテ
ルによっては、少量のみ可能である。しかしながら、上述した酸化剤を添加する
ことにより、一酸化窒素の除去に関してもほぼ定量的に可能となるものである。
但し、かかる場合に、反応時間は、流速、フィルター材料の表面積、あるいは
、それぞれパウダーのケースの充填高さに極めて強く依存しているものである。
窒素酸化物を含む媒体とともに用いられるポリアリーレンチオエーテルの処理
において、二酸化窒素は減少され、ポリマーのチオエーテル基が酸化されるもの
である。
本発明のフィルターの吸収能力は、硫化物架橋反応を完全ならしめるほどのも
のである。排気フィルター材料は、例えば、酸化ポリアリーレンサルファイドで
あるが、発生物質とは異なった特性を有する新しく生成されたものである。
この新しいポリマーは、それから、他のプロセスにも再び使用可能であり、例
えば、一定形状を有する物品の製造に使用可能である。その結果、排気フィルタ
ー材料は、完全にリサイクルされることとなり、環境破壊にはつながらないので
ある。
ガスまたは液体物の流れから窒素酸化物を除去しても、ポリマーから、何ら揮
発性物質の生成は伴わないものである。
ポリアリーレンチオエーテルに基づくフィルター材料は、一般に、添加剤を使
用することなく、使用可能である。しかしながら、一般的なフィラー、例えば、
チョーク、タルク、クレー、マイカおよび/又は繊維状の補強材、例えば、ガラ
スファイバー、カーボンファイバー、ウイスカー、および他の一般的添加剤やプ
ロセス添加剤(auxiliaries)、例えば、潤滑剤、剥離剤、酸化防止
剤、UV安定剤等を添加することも可能である。
本発明に基づくフィルターは、全てのNOx含有のガスあるいは液体物の流れ
に使用可能である。例えば、フィルターマスク、エアコンディショナーシステム
、自動車系(すなわち、エアフィルター、排気フィルター)において、燃焼(す
な
わち、フルーガスの清純化)の結果生じる窒素酸化物を除去したり、あるいは、
液体物の中の窒素酸化物を除去したり、無害化することが可能である。
使用用途のほとんどは、化石燃料を用いて稼働している発電所におけるフィル
ター材料である。このプロセスで製造されるフルーガスは、かなりの比率量のN
Oxを含んでおり、以前は、最大NOx濃度を200mg/m3以下にするため
に、複雑な方法により除去しなければならなかった。なお、かかる数値は、大規
模熱プラントにおいて、現行のドイツ政府が一般的に定めたものである。
触媒の存在下、以前使用されていた測定では、使用されるプロセスによるが、
350℃以上の温度が必要とされる。
ところが、本発明のフィルター材料を使用することにより、かなり低い温度で
NOxを除去することができるものであり、言い換えれば、一般に必要なディダ
スティング(dedusting)操作によって、プロセスを、プレシード(p
receded)することが可能であり、その後、冷却されたフルーガスが、N
Oxから供給されるのである。
従って、以前は必要とされた、フルーガスを再び加熱する操作はもはや必要と
されなくなったのである。そして、さらには、触媒なしに方法を使用することが
可能となったため、触媒の失活という問題もなくなったのである。
実施例1
MCZ社製(ロブバック(Robback)、ドイツ連邦共和国)のタイプM
CZ3010装置である、オゾン発生機を用いて、ガス混合をするシステムにお
いて、、活性炭を通して乾燥され、清澄されたいわゆるゼロエアあるいはノーマ
ルエアが、窒素中においてあらかじめプレミックスされたNOと混合され、装置
出口のNO2濃度が0.8ppmに調整された。
粉体状のポリフェニレンサルファイド (Mw=30,000、Tm=288℃
)が充填されたフィルターカートリッジ内に、ガス混合物を通過させた。
フィルターカートリッジの内径は20mm、充填高さは50mm、内容量は1
5.7cm3、流速は0.51/min=2.65cm3/sec.であった。
実施例2
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が25ppmで、NO濃
度が50ppmの混合ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
で、NO濃度が500ppmであった。希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッ
サー グリエシュム社から入手されたものであった。そして、混合ガスの流速は
、95l/hであった。
それから、混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,
000、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜1mmのものと
、粉体状のCa(OCl)2を混合したものが充填されたガラスフィルターチュ
ーブ内に、通過させた。なお、カートリッジに混合物を充填する前に、均一とな
るように混合撹拌した。また、ガラスフィルターチューブの内径は、4cm、全
充填高さは、15cmであり、結果として内容量は、188.4cm3、フィル
ター温度は22℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO、NO2およびNOxで、0〜10
0ppmであった。5時間の測定時間において、NO量は、2ppm未満であり
、NO2量は5ppm未満であった。すなわち、全フィルター効率は、90%を
超えるものであった。
実施例3
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が25ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、95l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。なお、ガラスフィルターチ
ューブの内径は、4cm、全充填高さは、10cmであり、結果として内容量は
、125.6cm3、フィルター温度は80℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、50時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例4
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置
(MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘ
ン、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガ
ス混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が500ppmの混合
ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、95l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは10cmであ
り、結果として内容量は125.6cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。そして、2時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり、
装置精度は0.2ppmであった。
実施例5
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が10ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。
混合ガスの流速は、200l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションXが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは8cmであり
、結果として内容量は、100.5cm3、フィルター温度は22℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、10時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例6
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合ガ
スを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、100l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜1mmのものを充
填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は4cm、全充填高さは21cmであ
り、結果として内容量は、263.8cm3、フィルター温度は25℃であった
。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、15時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例7
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合ガ
スを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、25l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=40,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.02mmのものを充填
したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は2cm、全充填高さは9cmであり
、結果として内容量は、28.3cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、12時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例8
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘ
ン、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガ
ス混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が100ppmの混合
ガスを用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、25l/hであった。
それから混合ガスを、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=40,0
00、Tm=288℃)であって、フラクションxが0.5〜0.8mmのもの
を充填したガラスフィルターチューブ内に、通過させた。
なお、ガラスフィルターチューブの内径は2cm、全充填高さは13cmであ
り、結果として内容量は、40.8cm3、フィルター温度は25℃であった。
そして、フィルターを通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス
社製(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモル
ミネッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、12時間の測定時間において、NO2量は、0.2ppm未満であり
、装置精度は0.2ppmであった。
実施例9
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が50ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、12l/hであった。
それから混合ガスを、パドル型の撹拌機のついた反応容器を通過させたが、当
該容器内には、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,000、T
m=288℃)であって、平均粒子直径が、200×10-6mのもの20gを7
5mlのジクロロメタンに懸濁させたものを充填しておいた。すなわち、混合ガ
スを懸濁液の中を通過させたのであった。また、そのときの反応温度は25℃で
あった。
そして、懸濁液を通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス社製
(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモルミネ
ッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、30分間の測定時間において、NO2量は、4ppm未満であり、装
置精度は0.2ppmであった。
実施例10
流量制御計(MKS装置 タイプ1259 C)とそれに適合する制御装置(
MKS装置 タイプ247 C、MKS装置GmbH、81829、ミュンヘン
、スカッツボーゲン 43、ドイツ連邦共和国)を含むシステムを用いて、ガス
混合をするシステムにおいて、窒素ガス中、NO2濃度が10ppmの混合ガス
を用意した。
初期ガスは、メッサー グリエシュム GmbH、ウーストル、170、47
053、ジュイスバーグから入手された窒素ガス中、NO2濃度が500ppm
であった。
希釈も窒素ガスが使用され、同様にメッサー グリエシュム社から入手された
。混合ガスの流速は、12l/hであった。
それから混合ガスを、パドル型の撹拌機のついた反応容器を通過させたが、当
該容器内には、粉体状のポリフェニレンサルファイド(Mw=30,000、T
m=288℃)であって、平均粒子直径が、200×10-6mのもの20gを7
5mlのジクロロメタンに懸濁させたものを充填しておいた。すなわち、混合ガ
スを懸濁液の中を通過させたのであった。また、そのときの反応温度は25℃で
あった。
そして、懸濁液を通す前と後の混合ガスの組成を、ECO フィジックス社製
(ECOフィジックス社、CH−8635、ダンツェン、スイス)のケモルミネ
ッセンスアナライザー、CLD 700 EL htを用いて分析した。
測定中の装置における測定可能範囲は、NO2で、0〜100ppmであった
。
そして、30分間の測定時間において、NO2量は、1ppm未満であり、装
置精度は0.2ppmであった。
それから、ガス流をNO/NO2アナライザーの、ツェルウェーガー テイキ
ャン システム社製(ミュンヘン、ドイツ連邦共和国)のテイキャン モデル C
DL700を通過させたが、測定可能範囲は0〜10ppmであった。
すなわち、フィルターカートリッジ通過後の混合ガスを、48時間以上測定し
た。その結果、この期間以上においても、残留しているガス中のNOx割合を完
全に吸収することができた。すなわち、分析装置により測定された値は、装置の
測定限界以下であった。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年8月14日
【補正内容】
184条の8の補正
請求の範囲
1. ガスまたは液体物から、ポリマー材料と窒素酸化物の間の化学反応を利用
して窒素酸化物を除去する、ポリマーを用いたフィルター用材料において、次式
の反復ユニットを有すポリアリーレンチオエーテルを含み、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリ
デン、及び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含むことを
特徴とするフィルター用材料。
2. 窒素酸化物を除去する化合物として、次式の反復ユニットを有すポリアリ
ーレンチオエーテルを含むフィルターを使用してガスまたは液体物から窒素酸化
物を除去する方法であって、
前記反復ユニットは、上式において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、W、X、
Y、Zは、それぞれお互いに同一でもあるいは異なっていてもよく、n、m、i
、j、k、l、o、pは、0、1、2、3又は4のそれぞれお互いに等しい又は
異なる整数であって、その総和は、少なくとも2でなければならず、Ar1、A
r2、Ar3、Ar4は6から18までの炭素原子を有する同一の又は異なるアリ
ール系であり、W、X、Y、Zは、−SO2−、−S−、−SO−、−CO−、
−O−、
−CO2−、1から6までの炭素原子を有するアルキレン又はアルキリデン、及
び、W、X、Y、Zの少なくとも1つの連鎖基は、−S−を含んており、プロセ
ス過程において、ガスまたは液体物の流れをフィルター材料と接触させて、化学
反応を起こさせ、窒素酸化物を除去する方法。
3. 請求項1に記載のフィルター用材料において、さらに、電子電位が0.9
6v以上の少なくとも一つの酸化剤を含むことを特徴とするフィルター用材料。
4. 請求項1に記載のフィルター用材料において、ポリフェニレンサルファイ
ドが、反復ユニット、
を含むことを特徴とするフィルター用材料。
5. 請求項1に記載のフィルター用材料において、平均分子量が、4,000
〜200,000g/molであることを特徴とするフィルター用材料。
6. 前記窒素酸化物の除去を、10〜240℃の範囲で行うことを特徴とする
請求項2に記載の窒素酸化物を除去する方法。
7. 前記窒素酸化物の除去を、フィルター材料中の窒素酸化物を含むガスの滞
留時間が0.1〜20分の範囲で行うことを特徴とする請求項2に記載の窒素酸
化物を除去する方法。
8. ガスおよび液状物から窒素酸化物(NOx)を除去するフィルターの製造
方法において、請求項1に記載のフィルター材料を使用する方法。
9. 請求項8に記載の方法において、前記フィルター材料が、パウダー状、繊
維状、フィルム状、あるいは一定形状を有することを特徴とする、前記フィルタ
ー材料を使用する方法。
10. 付加的に、電子電位が0.96v以上の少なくとも一つの酸化剤を加え
ることを特徴とする請求項2に記載の方法。
11. 請求項2に記載の方法において、ポリフェニレンサルファイドが、反復
ユニット、
を含むことを特徴とする前記方法。
12. 請求項2に記載の方法において、平均分子量が、4,000〜200,
000g/molであることを特徴とする前記方法。
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(72)発明者 クルペ,ユルゲン
ドイツ連邦共和国デー―65929 フランク
フルト・アム・マイン,インゼルスベルク
シュトラーセ 9
(72)発明者 フランク,ゲオルク
ドイツ連邦共和国デー―72074 テュービ
ンゲン,シュトイダッハ 164