JPH09503512A - ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 - Google Patents

ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤

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Abstract

(57)【要約】 神経成長因子受容体、p75NGFR遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは発現を下方調節し、それによってニューロン生き残りを促進する。

Description

【発明の詳細な説明】 ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 本発明は一般的にはニューロンに関し、特にはニューロンの生き残りを増加さ せ、または高める方法に関する。本発明は更にニューロンの生き残りを促進する のに有用な物質の組成物の形の薬剤を意図する。 本発明明細書において数字で引用した刊行物の書誌的な詳細は、本明細書の末 尾に集められている。本明細書で引用するヌクレオチド配列についての配列同定 番号(配列番号)は該刊行物リストの後に定義されている。 本明細書を通して、特に必要としない限り、「含んでなる」なる語は、述べら れた要素もしくは数字、または要素もしくは数字の群を含むが、いかなる他の要 素もしくは数字、または要素もしくは数字の群を排除しないことを意味する。 多くの可溶性の栄養性の因子がインビボでニューロン生き残りに影響を及ぼす ことが示されている。これらの因子の多くは、例えば背根神経節(DRG)内部で 生長するニューロンに直接作用する。特に重要な一つの因子は、神経成長因子( NGF;1)である。NGFの効果は、trkA、高親和性NGF受容体により少な くとも部分的に媒介される。他の受容体、低親和性NGF受容体p75NGFRは、 その機能が十分にキャラタライズされていない受容体である。p75NGFR受容体 は、NGFに対するtrkAの親和性を増加させることが示されており(12)、Le e等による研究(2)は、p75NGFRは感覚ニューロンの生長に必要であると示唆さ れている。NGFの投与はニューロン生き残りを促進することにおいて治療的な 可能性を有し得るにもかかわらず、NGFはある範囲の標的細胞に影響を及ぼす 多機能性分子である。それ故、神経細胞を特異的に標的にする必要がある。 本発明に導いた研究において、本発明者は、様々な生長段階でDRGからの感 覚ニューロン中の受容体を下方調節することにより、p75NGFRの機能をさらに キャラタライズすることを探求した。p75NGFR発現の下方調節が標的神経支配 の胚(E)段階で感覚ニューロンのNGF媒介生き残りを阻害するにもかかわらず 、感覚ニューロンにおけるp75NGFR発現のレベルを低下させることが外因性N G Fの不存在下に生後(P)日2(P2)感覚ニューロンの生き残りを増加させること を本発明者は驚くべきことに発見した。 従って本発明の一要旨は、動物におけるニューロンの生き残りを促進する方法 を意図し、該方法はニューロンの神経栄養因子媒介生き残りのできる神経栄養因 子についての該ニューロン上の受容体の発現を下方調節することを含んでなる。 本発明を受容体、p75NGFR、およびそのエフェクター分子の一つ、すなわち NGFに関連して例示し記述する。しかし、本発明に従って測定されるニューロ ン生き残りを促進することにおいて、p75NGFRと機能的に類似の方法で作用す るすべての神経栄養性受容体、並びにNGFおよび脳由来神経栄養因子(BDN F)を含むそのエフェクターに本発明が広がるという理解をもってこれはなされ る。本発明により意図されるニューロンはp75NGFRを発現するか、または発現 する能力を有するものである。「ニューロンの生き残りを促進する」とは、病気お よび/または外傷に伴う神経変性後、変性中、変性前にニューロンの生き残りを 増加させ、もしくは高め、またはニューロンを救助することを含むことを意図す る。「ニューロンを救助する」とは、例えばニューロンのコリン作動性分化状態の 維持のようなニューロンの分化状態の維持を含む。それ故、本発明の関連した要 旨は動物におけるニューロン救助を促進する方法を提供し、その方法は、ニュー ロンの神経栄養因子媒介救助のできる神経栄養因子についての、ニューロン上で の受容体の発現を下方調節することを含んでなる。 従って、本発明の好ましい一態様において、動物における受容体p75NGFRを 発現するニューロンの生き残りを促進する方法が提供され、該方法は該ニューロ ンにおけるp75NGFR発現を下方調節することを含んでなる。 p75NGFRを発現し、または発現する能力を有し、かつ本発明に包含されるニ ューロンは、感覚ニューロン、交感神経ニューロン、中枢コリン作動性ニューロ ン(および特にアルツハイマー病で影響を受ける基底(basal)前脳ニューロン)、 運動ニューロン、小脳ニューロン、パーキンソン病に関与するニギア(nigia)質 およびスチナタム(stinatum)におけるニューロンを含むが、これらに限定され ない。 好ましくは動物は、ヒト、家畜(例えば羊、豚、牛、馬または山羊)、コンパニ オン動物(例えば犬または猫)、実験室の試験用動物(例えばマウス、ラット、ラ ビットまたはモルモット)または捕らえた野性動物である。最も好ましい動物は ヒトである。 「下方調節する」の語はその最も一般的な意味で用いられ、細胞あたりの受容体 の数を減少させること、細胞あたりの機能性の受容体の数を減少させること、お よび/または細胞上に存在する受容体をブロックすることを含む。各場合におい て下方調節された発現は感覚ニューロンの生き残りを増加させる結果となる。p 75NGFR受容体発現の分析は、ラベルした抗体の使用、および/または遺伝子発 現の分析(これらに限定されない)のような便利な手段によりモニターする。 好ましくはニューロン生き残りの促進は標的神経支配の段階で、またはその後 である。 最も好ましい態様において、下方調節はアンチセンスの核酸分子の使用により 遺伝子レベルで行う。特に例示する態様においては、そのアンチセンス核酸分子 はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。一般的に、なその標的に応じ約5〜 約50ヌクレオチドを有する短いオリゴヌクレオチドを用いる。好ましくはオリ ゴヌクレオチドは長さで約10〜約26未満のヌクレオチドである。好ましくは そのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、p75NGFR遺伝子の5'末端部分、また はp75NGFR遺伝子の末端コドンを含む、および/または隣接する領域を標的に する。 しかしながら、本発明は構造的なp75NGFR遺伝子配列のmRNAまたはp75N GFR 発現を調節する遺伝子を標的にすることのできるより大きい核酸分子に広が る。 関連した態様は、ニューロン上での低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p 75NGFRの発現を下方調節する方法に関し、その方法は、ニューロンを、p75N GFR をコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量と、 ある時間、そしてニューロンの生き残りが促進されるようp75NGFRの発現を減 少させるに十分な条件下に、接触させることを含んでなる。 特には、ニューロン上で低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p75NGFRの 発現を下方調節する方法を提供し、その方法はニューロンを、p75NGFRをコー ドする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量と、ある時間、 そして外から加えるNGFの不存在下にニューロンの生き残りが増加し、高めら れ、そうでない場合促進されるようp75NGFRの発現を減少させるに十分な時間 接触させることを含んでなる。 オリゴヌクレオチドは、インビトロおよびインビボで安定性(例えばヌクレア ーゼの作用に対して)を改良しまたは増加させ、および/または経口的な生物学 的利用を可能にし、血液−脳関門を越える移送を可能にし、および/または治療 指数を増加させるよう、好ましくは化学的に修飾する。更に、該化学的修飾は、 標的動物への投与、および投与後には標的組織へのオリゴヌクレオチドの通過を 促進し得る。例えば該オリゴヌクレオチドは、リンカー、タグ、またはトランス フェリン受容体抗体等の他のエフェクター分子を有する。特に好ましいオリゴヌ クレオチドはホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであり、それはホスホロチ オエートがヌクレアーゼに対する抵抗性を有し、インビトロおよびインビボでの 高安定性に寄与するからである(3)。あるいは、オリゴヌクレオチドは親油性基 にコンジュゲートされ(13)、メソ−テトラカルボキシポルフィン(14)にコン ジュゲートされ、ポリ−L−リシンにコンジュゲートされ(15)、またはポリ− L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートされ得る(16)。本発明のオリ ゴヌクレオチドは、静脈、筋肉内、鼻腔、直腸、腹腔内、大脳内、鞘内または皮 下ルートにより、またはリポソームもしくは逆行性輸送によることを含むいずれ かの適当な手段により標的に、またはゲルフォーム等の徐放性組成物を用いるよ うな末梢神経損傷部位へ局所的に投与し得る。該ヌクレオチドは標的動物に対し 、たとえあったとしても小さい毒性しか示さないので、十分なアンチセンス分子 が標的部位に到達することを条件にそれらはどんな濃度でも投与し得る。適当な 濃度範囲は、インビボ使用の場合、約0.01μM〜>2,000μM、より好ま しくは約0.05μM〜約1,500μM、さらに好ましくは約0.1μM〜約1, 000μMを含む。局部的使用、皮下的使用、または局所的使用の場合、類似の 濃 度を使用し得るが、より高い濃度は状態の治療に有害でないであろう。 本発明の他の要旨によれば、ニューロン中のp75NGFRの発現を下方調節する ことのできるオリゴヌクレオチドを提供する。特には、本発明のオリゴヌクレオ チドはニューロンにおけるp75NGFRの発現を下方調節でき、標的神経支配の段 階の後、ニューロン生き残りが増加し、高まり、または促進される。 本発明のオリゴヌクレオチドは、p75NGFR mRNAのほとんどいずれの部分 をも標的にするために選択され得、好ましいオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌ クレオチドの長さは、ニューロンにおけるp75NGFRの発現レベルの、少なくと も30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%の減 少をもたらす。 好ましいオリゴヌクレオチドは、p75NGFR遺伝子の5'末端を標的にする5' −ACCTGCCCTCCTCATTGCA−3'(配列番号1)(本明細書で「5' −AS」とも呼ぶ)、およびp75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/また は隣接する領域を標的にする5'−AGTGGACTCGCGCATAG−3'( 配列番号4)(本明細書で「3'−AS」とも呼ぶ)であり、p75NGFR mRNAの少 なくとも部分とハブリダイズでき、または2本鎖を形成できる、それらのいずれ の、またはすべての変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログを含む。便利に は、好ましいオリゴヌクレオチドはホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、ま たは上に意図したような化学的に修飾されたものである。 従って、本発明の他の要旨は、 (i)ニューロン中でのp75NGFRの発現を下方調節することができ;かつ (ii)低ストリンジェンシー条件下に配列番号1の逆相補にハイブリダイズでき るか、または (iii)低ストリンジェンシー条件下に配列番号4の逆相補にハイブリダイズで きる、 オリゴヌクレオチドを提供する。 ストリンジェンシーのレベルを定義する目的のために、本明細書の一部を構成 するManiatis等(17)、387〜389頁が便利に参照され、その開示された 洗浄工程は高ストリンジェンシーであると考えられる。低ストリンジェンシーは 、4〜6×SSC/0.1〜0.5%(重量/体積)SDS、37〜45℃、2〜3 時間であると定義する。ハイブリダイゼーションに関与する核酸の源および濃度 によって、別のストリンジェンシー条件、たとえば1〜4×SSC/0.25〜 0.5%(重量/体積)SDS、45℃、2〜3時間であると考えられる中ストリ ンジェンシー条件、0.1〜1×SSC/0.1%(重量/体積)SDS、≧60℃ 、1〜3時間であると考えられる高ストリンジェンシー条件を使用してもよい。 本発明の好ましい態様によれば、p75NGFRを発現するニューロンの生き残り を増加させ、高め、または促進する方法が意図され、その方法は、ニューロンを 、p75NGFR mRNAの少なくとも部分に対し実質的にアンチセンスであるオリ ゴヌクレオチドの有効量と、該オリゴヌクレオチドが該ニューロンに浸透し、p 75NGFRの発現を下方調節するのに十分な条件下に接触させることを含んでなる 。p75NGFR発現の下方調節によりニューロンの生き残りが増加し、高まり、ま たは促進される。これは外から供給されるNGFの存在しない場合に特に明白で ある。好ましくはニューロンの生き残りは標的神経支配の段階において、または その後においてである。 関連する態様において、本発明は、哺乳類における病気および/または外傷に 伴う神経変性状態の発症を更に遅延させる方法を意図し、該方法は哺乳類に、ニ ューロン上でのp75NGFRの発現を下方調節できるアンチセンスオリゴヌクレオ チドの有効量を投与することを含んでなる。 更なる関連した態様において、本発明は哺乳類の病気および/または外傷に伴 う神経変性状態の予防および/または治療方法を提供し、その方法は哺乳類に、 有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ある時間、ニューロン上でのp7 5NGFRの発現を下方調節するに十分な条件下に投与することを含んでなる。ニュ ーロン上でのp75NGFR受容体の下方調節は、神経変性性状態、病気または外傷 の発症後にニューロンの救出を促進する。神経変性状態には表現型の喪失、例え ばニューロンが分化しなくなったことに伴うコリン作動性表現型の喪失を含む。 これは一般に細胞死の前の段階であると考えられる。従って本発明は、ニューロ ンが表現型を喪失し、および/または前細胞死することを減少させ、抑制し、ま たは救助することにより特徴づけられる、神経変性状態の処置に関する。 本発明のオリゴヌクレオチドは、標的にすべき動物のp75NGFR受容体mRN A配列から設計されるという点において「ホモロガス」であり、オリゴヌクレオチ ドが1つの種をベースにし、他の種のmRNAにクロスハイブリダイズする場合 には「ヘテロロガス」である。例えば、p75NGFRをコードする遺伝子配列が2つ の種の動物で類似の場合、一つの種をベースにしたオリゴヌクレオチドは、他の 種においてp75NGFRの発現を下方調節するのに十分な程度までクロスハイブリ ダイズし得る。 本発明は損傷したニューロン(p75NGFRを発現する)を有し、またはニューロ ンの更なる損傷可能性のある動物の治療および/または予防方法を提供する。損 傷また損傷可能性は外傷または病気からであり得る。それ故本発明は、脳性小児 麻ひ、外傷由来の麻ひ、卒中に伴う血管虚血、神経腫瘍、運動ニューロン病、パ ーキンソン病、ハンチングトン病、アルツハイマー病、多発硬化および糖尿病、 重金属、アルコール毒に伴う末梢神経障害、腎不全、および/またはヘルペス、 風疹、はしか、水痘、HIVおよび/またはHTLV−1等の感染性の病気等の 状態を治療する方法を意図する。 本発明のこの要旨によれば、ヒトまたは他の哺乳類等の動物における治療方法 を提供し、その方法は、例えば、p75NGFR mRNAまたは感覚ニューロンにお ける機能的に類似のまたは似た受容体に対しアンチセンスである1以上のオリゴ ヌクレオチドにより、好ましいが排他的ではなく標的神経支配の段階時またはそ の後にp75NGFRの発現を下方調節することを含んでなる。 本発明のこの要旨によれば、p75NGFRの発現を下方調節できる薬剤を動物に 、該受容体の発現を下方調節するのに有効な量投与する。一般的にそして好まし くは該薬剤は、p75NGFR mRNAの少なくとも部分とハイブリダイズしまたは 2本鎖を形成し、それによってp75NGFR発現を減少させるよう設計されたアン チセンスオリゴヌクレオチドである。 オリゴヌクレオチドの形のような薬剤の投与はいずれかの便利なルートにより 、 例えば静脈または大脳内投与により、または外科処置中もしくは後の局所的投与 によってよい。宿主動物の酵素の作用を減少させるよう薬剤を処理することが必 要かも知れない。例えば該薬剤がオリゴヌクレオチドを含んでなる場合、オリゴ ヌクレオチドは便利にホスホロチオエートされる。投与の別の形は遺伝子治療お よび/またはHSVベクター等のウイルスベクターの使用を含む。 本発明は、感覚ニューロンにおいて、p75NGFRが標的神経支配の段階後に細 胞自滅(apoptotic)シグナルを伝えることができるが、標的神経支配前には感覚 ニューロンのNGF媒介生き残りのためにはtrkAと共に必要であるという驚く べき発見に部分的に基づく。本発明をいずれかの一つの理論または作用様式に限 定することを望むものではないが、細胞生長の後期におけるp75NGFRの作用の 切り替えは知覚神経節におけるtrkA発現レベルの減少と同時に起こるらしく、 p75NGFRはtrkAと組合されてNGFの存在下におけるニューロンの生き残り を媒介するが、trkAと結合しないなら、p75NGFRは有効量のインビボNGF の不存在下に死のシグナルとして作用し得ることを示す。それ故、ニューロン生 き残りは、p75NGFRの発現を下方調節すること、trkAの発現を上方調節する こと、および/または外因性のNGFまたは他の適当な神経栄養因子を提供する ことの1以上により、増加し、高められ、または促進されるかも知れない。 従って本発明の更なる要旨は、trkA発現を上方調節し、それによってp75N GFR とのその相互作用を調節することを意図する。一般に、本発明のこの要旨に よればtrkA発現は遺伝的手段、またはアゴニストの使用により上方調節される 。本発明のこの、および他の要旨は、外因性のNGF、またはBNDF等の適当 な神経栄養性因子の添加を更に含んでなり得る。 「上方調節する」の語は、その最も一般的な意味に用いられ、細胞当たりの受容 体数を増加させること、細胞当たりの機能性受容体の数を増加させること、およ び/または細胞当たりの存在する受容体の活性を高めることを含む。 標的神経支配の段階の後にニューロンの生き残りを増加させ、高め、または促 進することにおける本発明の効果は、インビトロまたはインビボで容易に示し得 る。特に便利なインビボモデルはラットにおける坐骨神経軸索切断を含む。この 方法では新生ラットにおける左の坐骨神経を軸索切断し、坐骨神経の基部の断端 (stump)をアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはp75NGFR発現を下方調節で きる他の薬剤で処理する。 本発明の更なる態様では、p75NGFRを、サイトカイン受容体結合のアゴニス トまたはアンタゴニストのようなp75NGFR結合性分子、および好ましくは小さ い結合性分子の分析に用い得る。好ましくは組換えp75NGFRを発現する細胞を 分析のベースとして用いる。 本発明の更なる態様は、損傷を受けたニューロンを有する哺乳類の治療用薬剤 の製造における、ニューロンでのp75NGFRの発現を下方調節できるオリゴヌク レオチドの使用を意図する。 本発明を、次の非限定性の図面および/または実施例を参照して、更に記述す る。 図1Aは、35S 5'−ラベルしたアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理され たP2マウスDRG細胞のオートラジオグラフィー後の写真による表示である。 図1Bは、コントロール(センスオリゴヌクレオチドで処理)培養(上のパネル) およびアンチセンス処理培養(下のパネル)からの細胞の位相差および免疫蛍光写 真である。 図1Cは、培養2日後のセンスおよびアンチセンス処理P2ラット感覚ニュー ロンにおけるp75NGFR免疫染色の頻度(frequency)分布を示すグラフ表示であ る。 図2は、対応するセンスヌクレオチドの存在下に生き残ったニューロン数と比 較して表した、NGFおよびp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド存在下 での培養の2日後のDRRニューロン損失のグラフ表示である。 図3は、NGF不存在下、5μmのセンスオリゴヌクレオチド(上)、1μg/ml シクロヘキシイミド(中)および5μmのアンチセンスオリゴヌクレオチド(下)存 在下における、培養中の2日後のP2マウス細胞の位相差顕微鏡の写真による表 示である。センス処理の細胞は、収縮、円鋸歯形成、細胞質顆粒化(granularity )および凝結、並びに膜崩解を含む様々な段階のアポプトシスを示す。シクロヘ キ シイミドおよびアンチセンス培養の両方では生き残りの増加が生じた。タンパク 質合成の阻害によりシクロヘキシイミド処理の細胞は、残存する相の明るさおよ び外観上の健康にかかわらず神経突起を発達させることができなかった。アンチ センス培養物は、豊富な神経突起を有する健康な細胞の大個体群を示す。 図4Aは、E19マウスからのDRGニューロンの長期培養に及ぼすアンチセ ンスおよびセンスオリゴヌクレオチドの影響を示すグラフ表示である。細胞を最 初に生き続けさせるために(これはP2細胞の場合不必要である)1ng/mlでのN GFと同様にオリゴヌクレオチドをプレーティング時に加えた。最初の2日の間 には細胞生き残りに差はなかったが、長い培養後には、アンチセンスで処理した 群での生き残りの増加が明らかになった。各点における値は平均±SEM(n= 6)である。 図4Bは、マウスDRG中のtrkA発現の生長調節(developmental modulation )の逆転写酵素(RT)−PCRによる分析のグラフ的表示である。trkA mRNA はE15およびE19に存在するが、P2では検出できなかった。新しく全裂し たDRGを液体窒素中でスナップ凍結し、4Mグアニジニウムチオシアネート中 でのホモジナイゼーションおよびセシウムクロライドクッション上での超遠心の 前に、−70℃で貯蔵した。各試料からのRNA(100ng)を1時間、42℃で AMV逆転写酵素と共にインキュベートし、反応生成物の1/5をPCR(30 サイクル、2.5ユニットのTaqポリメラーゼ(Cetus、米国)を有する100μl 中、94℃、55℃、および72℃の1分工程)に用いた。プライマーは、 TAGGCGGTCTGGTGACTTCGTTG(5')(配列番号2)および ACATAGAGCTCCGTCAGGTTCCC(3')(配列番号3) であり、163bpの予想される増幅生成物(ラットのtrkA配列に基づいて、[6] )であった。 図5は、p75NGFR受容体アンチセンスオリゴヌクレオチドによる、インビボ での傷ついた感覚ニューロンの死の抑制を示すグラフ表示である。C8、頸部の もの;L5、腰部のもの。 図6は、2つのp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いるインビト ロでのDRGニューロン細胞生き残り反応を示すグラフ表示である。比較のため に、コントロールは、非オリゴヌクレオチドおよびナンセンスオリゴヌクレオチ ド(スクランブルされたアンチセンスオリゴヌクレオチド)を含む。 図7は、一つの坐骨神経へのビオチニル化オリゴヌクレオチドの注入後にそれ の存在を検出するため、アビジン−パーオキシダーゼで染色した同側の(B)、お よび対側の背根節のセクションの写真による表示である。 図8Aは、p75NGFRの存在についての免疫組織化学的に染色した背根節のセ クションの写真的表示である。そのセクションは、無傷の(軸索切断しない)背根 節から(左側)、および軸索切断およびインビボでのp75NGFRアンチセンス処理 後の背根節から(右側)採取した。 図8Bは、コントロールと比較した、アンチセンス処理後のインビボでのp7 5NGFR下方調節のグラフ的表示である。 図9は、異なったレベルのp75NGFR発現を有するPC−12細胞のNGF除 去後のインビトロにおける死の速度のグラフ的表示である。 図10は、p75NGFRアンチセンス(配列番号1)(5μM)またはナンセンス( 配列番号9)(5μM)で処理したPC−12細胞のNGF除去後のインビトロに おける生き残りのグラフ表示である。 実施例1 オリゴヌクレオチドの調製 標準的合成操作によって、センスおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドを調 製した。使用前に、必要であれば、揮発性汚染物を除去するために、オリゴヌク レオチドをHPLCに付してアセトニトリルで溶離し、凍結乾燥し、H2Oに再 懸濁して精製し、次いで、さらにセファドックスG25ゲル濾過によって精製し た。好ましいオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドで ある。 実施例2 p75NGFR受容体発現の下方調節 DRGの感覚ニューロンにおけるp75NGFR受容体の発現は、p75NGFRアン チセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを用いることによって発達の種 々の段階において下方調節を受けた。インビトロおよびインビボの両方において 非常に高い安定性を与えるホスホロチオエートは、ヌクレアーゼに対する耐性に より選択した(3)。細胞へのオリゴヌクレオチドの浸透を促進するために、単細 胞懸濁液の形成後、平板に植える前に、オリゴヌクレオチドの存在下で細胞を粉 砕した。オートラジオグラフ分析では、少なくとも65%のニューロンにオリゴ ヌクレオチドが浸入したことが示された。図1Aは、35S 5'−標識アンチセ ンスオリゴヌクレオチドで処理されたP2マウスDRG細胞のオートラジオグラ フィーの結果を示す。標識は、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてオリゴヌ クレオチドに組み込んだ。培養物を2日間インキュベートし、エマルションに浸 し、7日間曝した。大部分のニューロンは、標識オリゴヌクレオチドを取り込ん だが、少数のグリア細胞は取り込まなかった。標識された細胞の周囲の“輪(ハ ロ)”効果は、大きな円いニューロンを覆うエマルションの薄化を反映している 。 アンチセンス、センスまたは非特異的オリゴヌクレオチド処理した2日後に、 2日齢(P2)ラット由来の感覚ニューロンの培養物を抗p75NGFR抗体で免疫染 色することによって、p75NGFRアンチセンスの有効性を評価した。 図1Bに示す結果は、それぞれ対照(センスオリゴヌクレオチド処理)培養物( 上のパネル)およびアンチセンス処理培養物(下のパネル)の細胞の対応する位相 差および免疫蛍光写真である。対照培養物は細胞本体および突起の両方において 強いp75NGFR発現を示したが、アンチセンス処理細胞およびその突起における 発現は無視しうる程度であった。アンチセンス培養物中のニューロンを取り囲む ムラのある染色は、グリア細胞におけるp75NGFR発現を表し、これはニューロ ンにおける効果よりも低い下方調節効果を示すものである。大部分の生き残りア ッセイをマウス細胞にて行ったが、モノクローナル抗体がマウスp75NGFRを検 出しないので、ここではラット細胞(マウス調製物とは異なって、グリア細胞を 高比率で含む調製物)を用いた。前述の記載に準じて、P2ラットDRG細胞の 単細胞懸濁液を調製し(4)、オリゴヌクレオチドの存在下にギルソンマイクロピ ペット中で1分間粉砕し、フィブロネクチン塗布プラスチックスライドに植え、 NGF1ng/mlの存在下に2日間インキュベートした。次いで洗浄した後に、p 75NGFRに対するモノクローナル抗体(MC192,ベーリンガー,ドイツ)およ びフルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合ヒツジ抗マウス抗体(シレ ナス,オーストラリア)とともにインキュベートした。。次いで細胞を洗浄し、 4%v/vパラホルムアルデヒドで固定した。バーは25μmを表す。結果は、アン チセンス処理後、多数のニューロンにおいて受容体発現レベルが非常に低かった ことを示す(図1B)。 次いで発現レベルの定量分析を行った。各カテゴリーから、それぞれ40個の 細胞において分析を行った。パラホルムアルデヒド固定後、MC192モノクロ ーナル抗体およびビオチン化ヒツジ抗マウス抗体(ベクター・ラボラトリーズ, USA)およびペルオキシダーゼ染色キット(Vectastain Elite kit,ベクター・ ラボラトリーズ,USA)を用いて染色を行った。コンピューター化したイメー ジ分析システム(リーディング・エッジ,アーストラリア)を用いて染色強度を定 量し、0〜100の任意の直線スケールで表し、このスケールに基づいて細胞を 4つのカテゴリーのひとつに分類した。最低のカテゴリー(0〜25)の細胞は、 バックグラウンドとほとんど区別がつかない程度にしか染色されず、これらの比 率は対照培養物における9%からアンチセンス培養物における48%に増加した 。結果を図1Cに示し、センス処理対照と比較した場合、アンチセンス処理ニュ ーロンの部分におけるp75NGFR受容体の発現において有意な減少がみられる。 p75NGFRのバックグラウンドレベルを発現するニューロンの数は、センス処 理培養物における<10%からアンチセンス処理培養物における>45%に増加 した。図1Cにおける分類よりも細かく分類する、感度のより高い分析を行うこ とによって、程度のより低い下方調節を検出することができ、その結果、p75NGFR の下方調節を受ける細胞が、より大きなパーセントで得られる。 実施例3 アンチセンス処理後の感覚ニューロンの生き残りにおける効果 アンチセンス処理の有効性を実施例2で確立した。次いでE12からP2まで の年齢範囲のマウス由来の感覚ニューロンの生き残りにおける効果を測定した。 図2は、対応するセンスオリゴヌクレオチドの存在下に生き残るニューロンの数 と比較して表した、NGF(ベーリンガー,ドイツ)およびp75NGFRアンチセン スオリゴヌクレオチド(表1中に、ラットASで示されるもの)の存在下における 培養物中の2日後のDRGニューロン損失を示した。アンチセンス処理によって E12およびE15におけるNGF依存性の生き残りは減少したが、E19また はP2においては有意には減少しなかったと見ることができる。単細胞を調製し 、図1Bと同様に適当なオリゴヌクレオチドで処理し、Monomed(CSL,オース トラリア)+10%v/vFBSを入れたテラサキプレートに、低い細胞密度(E1 5〜P2においてウエル当たり約50細胞、E12において300細胞)で植え た。実験開始時および終了時に細胞数をカウントし、ニューロンの生き残り(ニ ューロン形態学の位相差顕微鏡的判断基準、位相明度、細胞質の完全性および非 顆粒性によって診断した)を決定した。カウント操作の正確性を確立するために 、カウントは、最初2人の熟練した細胞カウント者による“盲検”で行ったが、 ほとんどすべての場合において、結果に一致性があった。異なる観察者による、 このカウントの比較を定期的に繰り返して、正確さが維持されているのを確認し た。バーおよび誤差バーは、6回または7回以上の独立したアッセイの平均およ び標 準誤差を表す。オリゴヌクレオチド濃度は、E12において10μMとし、すべ ての他の段階においては5μMとした(E12における最適濃度は10μMであ ることがわかった)。 外部から加えた高濃度(たとえば>5ng/ml)のNGFの存在下において、E1 2およびE15が感覚ニューロンの生き残りは、アンチセンスオリゴヌクレオチ ドで処理することによって、センス(または非特異的)18−merオリゴヌクレオ チドで処理したニューロンと比べて著しく減少することがわかった(図2)。しか し、DRGニューロンが少なくともP2までNGF依存性が高いままであること がわかったたけれども(4,5)、アンチセンス処理後のE19およびP2の感覚 ニューロンの生き残りにおいては有意な減少はない(図2)。この発見から、標的 領域の神経支配の段階において、感覚ニューロンがNGF仲介性生き残り効果の ためにp75NGFRを要求することが説明される。一方、前述したように、P2に おいてはアンチセンス処理がp75NGFR発現を有意に減少するけれども、もっと 後の発達段階における感覚ニューロンは、影響を受けないようにみえる。これら の結果からはまた、NGF仲介性生存効果にとって、P2ニューロンにおいてp 75NGFR分子の相対的多数性は必要ではないこともわかり、この受容体が細胞機 能において別の役割を演じることを示唆する。 実施例4 p75NGFRの役割をさらに研究するために、アンチセンス処理したニューロン をNGFを加えずに培養した。予期されるように、この結果として、E12およ びE15ニューロンは急速に死亡した。しかし驚いたことには、P2感覚ニュー ロンは、センス処理対照と比べて、その生き残りにおいて大きな増加(>50%) を示した(図3および表1)。無NGF処理細胞におけるシクロヘキシイミドの死 亡予防能力によってP2におけるDRG細胞死の細胞消滅的性質が確認された( 図3)。用量−応答分析によって、アンチセンス仲介性生き残り効果のための最 適アンチセンス濃度は5μMであることが確立された(アンチセンスなしの生き 残りは19±4%、アンチセンス0.5μMで29±3%、2μMで47±5% 、5μMで50±5%および10μMで31±6%)。この効果は、オリゴ処理 なしの対 照よりもむしろ対照としてセンスおよびアンチセンス処理培養物を用いることに よって、この分析においては排除された。P2マウスの感覚ニューロンで行った 7回のアンチセンス実験のすべてにおいて生き残りの増加が観察され、同様の効 果が、匹敵する発達段階において行ったラットおよびチキンの感覚ニューロンに おいて見られた。さらに、ヒヨコのアンチセンスはラット細胞においては効果は ないが、ヒヨコ細胞においては劇的な効果があるという、種配列特異性が見られ た。ラット配列の方がよりはっきりした効果を示したけれども、ヒヨコおよびラ ットのアンチセンスオリゴの両方が、マウスにおける生き残りを増加した。した がって、多くの種においてp75NGFRの下方調節によって、細胞の生き残りが増 加し、これは、この受容体が発達の特定の段階において細胞の死亡を促進するこ とを意味する。免疫染色によって、アンチセンス培養物における生き残った細胞 が、p75NGFRの著しい下方調節を示すことが確認された。この効果が血清中の 同定されないリガンドの存在によるものであるという可能性を排除するために、 無血清の条件で実験を繰り返した。アンチセンスによる生き残りの増加は無血清 条件において減少した。さらに、グリア細胞の汚染は無血清条件においては無視 しうるものなので、生き残り効果はグリア細胞の汚染から明らかに独立していた 。血清の存在下でさえも、ラット培養物(有意にグリア汚染)およびマウス培養物 (グリア汚染10%以下)の両方において生き残り効果は生じた。無血清でよく、 グリア汚染の度合を考慮しなくてよいアンチセンスの生存促進能力は、別のリガ ンドがあるという解釈、またはp75NGFR下方調節は、培養物中の大部分の仮説 の痕跡量のNGFをtrkAに結合させることによって生存を促進するという解釈 に対抗する。後者の可能性は、抗NGF抗体を添加してもアンチセンス誘発生き 残り効果を減少しないことを示すことによって絶対的に排除された(表1)。 実施例5 p75NGFRの機能におけるスイッチの分析 p75NGFR機能においてスイッチが起こるおよその段階を、E19マウスの感 覚ニューロンにおいて行われた実験によって明らかにした。この場合は、アンチ センス処理(NGFなし)は、その生き残りを増加しなかった(表1)。しかし、短 期間の生き残りを促進するために、最初に低濃度のNGF(1ng/ml)の存在下で 培養したならば、その後アンチセンス処理ニューロンはP2ニューロンと同様に 作用し、センス対照と比較した場合、生き残りにおいて有意の増加を示し、その ことは培養における時間経過とともにより明確になった(図4)。これらの結果か ら、E19あたりでp75NGFRの機能に根本的な変化(ニューロン生存の仲介か ら、細胞死の開始へ)が起こることがわかる。P2における細胞死を促進する能 力は、外部から高濃度のNGFの添加がなされない場合にのみ見られた。 実施例6 ニューロン標的選択相中(およそE13からE17)に、NGFの生き残り効果 を導入する際にp75NGFR受容体は重要である。trkAはこの期間中に高度に発 現される(7)ので、この結果は、高親和性NGF受容体がp75NGFRおよびtrk Aの両方を必要とするという仮説と一致する。これらの実験において細胞は高濃 度のNGFに浸されたので、この時点でのNGF応答の仲介におけるp75NGFR の役割は、その仮定された局在化(localising)または補充(recruting)という役 割によるものではありそうになく、局在化という役割は、不必要であろう。出生 後の早期においては、p75NGFRは細胞死の促進という反対の役割をもつことが 見られたが、これは高濃度NGFがない場合に限られた。p75NGFRの役割の反 転は、PCRでは検出不可能なレベルまでのP2 DRGにおけるtrkA mRN Aの下方調節と一致する(図4B)。これらの実験結果を説明するための一仮説は 、p75NGFRはtrkAの存在下においてはtrkAと相互作用して、NGF生き残り シグナルを変換しうる能力を有する高親和性複合体を形成するが、trkAが存在 しないと構成的死亡シグナルとして作用するというものである。したがって、p 75NGFRは、プログラムされた細胞死へのシグナルを仲介することができるが、 NGFがない場合かあるいは低濃度である場合に限られる。インビトロ実験にお いては、“高濃度”NGFとは、>3〜5ng/mlなどの内在性濃度よりも大きい 値を意味し、>20ng/mlが好ましい。標準的内在性濃度を“低濃度”と考える 。NGFの存在によってp75NGFRが細胞消滅を誘発するのを防ぐことができる 。これはまた、trkAが存在しないにもかかわらず、P2 DRGニューロンがN G F依存性をもつことも説明するだろう。p75NGFRが細胞消滅を開始するメカニ ズムおよびNGFがこの過程を妨げるメカニズムは、明らかではない。 実施例7 インビボモデル 雌雄両性の出生後4日(P4)のウィスターラット子は、本発明のオリゴヌクレ オチドを試験するためのインビボモデルに適している。このウィスターラット子 を冷凍麻酔して手術を行った。各子の左座骨および上腕神経を露出し、一対の虹 彩切除鋏を用いて軸索切断した。座骨神経の近位断端を1mm3ピースのセンス若 しくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSを含有するプルロニックゲ ル(約20%)浸漬ゲルフォーム(アップジョン)でラッピングした。対側性座骨神 経およびDRGを無傷の対照として供した。5〜0エチコン(Ethicon)シルク縫 い糸を用いて皮膚切開部を縫合した。次いで完全に意識がもどるまで子を暖め、 その後母親と再会させた。座骨神経軸索切開の有効性は、後肢の外科手術後運動 失調および死後解剖によって実証された神経横断の完全さによって明らかであっ た。 5日後に、動物を深く麻酔し、次いで0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.3)中の4%v/vパラホルムアルデヒドおよび0.5%w/vグルタルアルデヒ ドで経心臓灌流を行った。灌流後、速やかに、腰椎DRGにかぶさっている椎骨 を除去し、全動物を同じ固定液に一夜浸した。翌日、左(軸索切開した方)および 右(無傷)L5またはC8のDRGを除去し、さらに24時間、固定後処理(postf ixed)した。次いで、これらのDRGを脱水し、パラフィンに埋め込んだ。厚さ 8μmの連続した切片を切り出し、ゼラチンを塗布したスライドに載せ、0.1 %w/vクレシルバイオレットで染色した。 最大の倍率である400倍にして、ライツ顕微鏡の接眼部分に設置した格子を 通して、浮き出た核が現れているニューロンをカウントした。カウントは、5ま たは6切片ごとに行った。カウント数の補正をアベルクロンビーの式を用いて多 重核について行い、次いで割れた核について行った。平均の核直径の測定は、軸 索切開したニューロンは、しなびた核をもっていないことを示した。減損した核 の比率は、下記式を用いて百分率で算出した。 ニューロン減損の正確な評価を確実にするために、2つのステップを加えた。 第1に、切片の厚みを、最大の核高さを約4倍ほど上回るものにした。この倍数 は、アベルクロンビー補正係数が確かであり、ひどく偏っていないことを確実に するために必要である臨界倍数1.5よりも十分上の値である(10)。第2に、 対側性の対照を常に用い、動物間の比較のすべてを絶対値よりもむしろ相対値に 基づいて行った。カウントにおいて生じる偏りはどれでも両方の側に共通して起 こるものであり、比率を計算するときに相殺されるので、相対値を用いる場合、 アベルクロンビーの補正係数は必要ではない。 各グループについて平均および標準誤差(SE)を算出し、スチューデントのt テストを用いてグループ間の統計的差異を決定した。 実施例8 p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチオドの存在下におけるインビトロで のニューロンの生き残り P2マウスDRGニューロンを調製し、前記方法にしたがって培養し、高濃度 (約50ng/ml)NGFの存在下(オリゴヌクレオチドなし)または2つの異なるp 75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドの存在下(NGFなし)における4日後 の生き残りを評価した。該オリゴヌクレオチドは、5'−ACCTGCCCTC CTCATTGCA−3'(配列番号1)(図6に“5−AS”として記す);およ び5'−AGTGGACTCGCGCATAG−3'(配列番号4)(図6に“3− AS”として記す)であった。 対照ナンセンスオリゴヌクレオチド(スクランブルされたアンチセンスオリゴ ヌクレオチド)も、配列5'−CTCCCACTCGTCATTCGAC−3'(配 列番号9)とともに用いた。NGFまたはp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレ オチドのいずれかの適用によって生き残りは増加したが、ランダム配列対照オリ ゴヌクレオチドの適用しても、“オリゴなし”グループと比較した場合、生き残 りを増加しなかった(図6)。 5'領域(5'−CATTGCACGCCTCCGGCGTCAGCGCT−3 ’:配列番号8)に基づく、ラットp75NGFRに対する26−merアンチセンス配 列を別の実験において試行し、効果的ではあるが、その効果は前記18−merよ りも低いことを発見した。 使用したオリゴの大部分は実験期間中を通じて1回以上の合成から得たもので あり、各ケースにおいて、該オリゴの効果は別の合成で得たオリゴの効果と一致 した。使用前に、オリゴを逆相HPLCに付し、アセトニトリルで溶離し、凍結 乾燥し、H2O中で2回再懸濁して揮発性汚染物を除去することによって精製し 、次いでセファデックスG25ゲル濾過によってさらに精製した。 *p<0.05,スチューデントのTテスト; **p<0.05、各7回の実験に対して。 実施例9 一定量のp75NGFRを発現するニューロン細胞系の構築 下記の細胞系を創製した。 1)PC12−2CL:この系は、p75NGFRの発現が非常に低く、したがっ てNGFを取り去っても死亡しない。 2)PC12−2CH:p75NGFRの発現は中レベルであり、NGFを取り去 るとかなり急速に死亡する。 3)PC12−4AおよびPC12−4B:p75NGFRの発現は高レベルであ り、NGFを取り去ると急速に死亡する。 4)PC124BS:p75NGFRの発現は非常に高レベルであり、NGFを取 り去ると、非常に急速に死亡する。 5)PC12−4BRS:p75NGFRの発現は最も高レベルであり、NGFを 取り去ると、きわめて非常に急速に死亡する。 1)PC12−4BRS:p75NGFRの発現は非常に高い。 PC12細胞に、p75NGFR発現構築物を電気穿刺によって安定してトランス フェクションさせた。“geo”cDNA(ネオマイシン耐性遺伝子をベータガラク トシダーゼの遺伝子と結合させる)を細胞へ共電気穿刺を行った。ジェネティシ ンの存在下にコロニーを得、クローニングにより増殖させて、新規の細胞系を得 、次いでこれを特徴づけした。最初、固定後に、免疫ペルオキシダーゼを用いて p75NGFRに対して細胞を染色し、これに基づいてさらなる改良のための2つの 細胞系を選択した。次いで、これらをFACS選別に付し、増殖させ、最上位1 5%のp75NGFR発現細胞を維持し、高発現系(PC12−4ASおよびPC1 2−4BS)を得た。幾つかの細胞を維持し、培養して増殖させ、FACS選別 工程を3回繰り返して、p75NGFRを非常に高レベルで発現するPC12変異体 (PC12−4BRS)を得た。FACS選別工程の各回において、最高の15% のp75NGFR発現があった細胞のみを保持した。上記工程を通じて、ニューロン の別の表現型が出現するのを防止するために、細胞を高血清かつ無NGFの状態 に維持することが必要であった。 各選別後、最上位15%のp75NGFR発現グループをアリコート中で冷凍した 。 PC12−4AS、PC12−4BSおよびPC12−4ARS細胞を解凍し 、培養して成長させ、免疫ペルオキシダーゼ染色を行うと、高レベルのp75NG FR 発現を保有していることがわかった。 高および低レベル発現細胞PC12−2Cを、対照トランスフェクトPC12 細胞(すなわち、geo遺伝子をトランスフェクトされているがp75NGFRはトラン スフェクトされていない細胞)から得た。それゆえに、それらの細胞は内在性の p75NGFR遺伝子のみを発現した。これらを選別に付し、最上位15%の発現細 胞を集め、すぐに実験に用いるかまたはアリコート中で冷凍した。これらの細胞 をPC12−2CHと命名した。同様に、最下位15%の発現細胞を集め、すぐ に実験に用いるかまたはアリコート中で冷凍した。これらの細胞をPC12−2 CLと命名した。ノーザンブロット分析により、各細胞系のp75NGFR発現レベ ルを確認した。p75NGFR発現レベルが低下する順序で細胞系をならべると、P C12−4BRS、PC12−4B、PC12−2CH、PC12−2CLとな る。 実施例10 p75NGFR誘発性細胞死およびp75NGFRアンチセンス下方調節による救助 血清を除去し、NGFを添加することによって、PC12細胞をニューロンに 分化誘導することができる。その後、それらはNGF依存性になり、NGF剥奪 後は死亡する。 p75NGFRの役割をさらに分析するために、実施例9で記載したニューロン細 胞系を分析した。これらの細胞系を一定量のp75NGFRを発現するように設計し た。ただし、他の面においては同一である。 下記の3つの細胞系を用いて、NGF除去実験を行った。 PC12−4BRS(最高レベルのp75NGFR発現) PC12−2CH(高レベルのp75NGFR発現) PC12−2CL(低レベルのp75NGFR発現) NGF除去後、低レベルp75NGFR発現細胞は生き残ったが、高レベル細胞は 死亡した。さらに、死亡率はp75NGFR発現の増加とともに増加した(図7)。N GF除去時(細胞死亡開始時)から、抗NGF抗体を添加し、それによってp75NGFR がNGFの“スポンジ”として作用すという解釈を排除した。 これらの結果から、標準的にp75NGFRとtrkAの両方を発現する細胞系にお いてp75NGFRがニューロン死を誘発することがわかる。さらに、細胞死の誘発 において重要なことは、p75NGFRが過剰に存在することである。過剰である場 合にp75NGFRは細胞死を誘発し、死亡率はp75NGFRの量に依存性であった。 アンチセンス実験も行った。NGFの不在下において、p75NGFRアンチセン スオリゴヌクレオチド処理は、PC12ニューロン(p75NGFRを標準レベルで 発現する)の生き残りを増加する(図8)。 実施例11 アンチセンスオリゴヌクレオチドを試験するためのインビボモデル 次の神経損傷インビボモデルを用いて、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオ チドの試験を行うことができた 1)末梢神経横断損傷および末梢神経挫滅損傷 これらの障害は、感覚および運動ニューロンの死を誘発する。座骨および上腕 神経にこれらの障害の両方を施し、L5およびL8レベルの脊椎ニューロンにお いてそれぞれ、前述のように細胞をカウントする。これらの障害モデルが重要性 は、障害を受けたニューロンがp75NGFRを発現し、かつNGF感受性であるこ とにある。 2)海馬ふさの傷害 立体配列的剥脱によってこの傷を施すが、それには特別の器具および熟練者が 必要である。これは、ラットにおけるアルツハイマー病の研究用の最適動物モデ ルであると考えられる。海馬ふさの傷害は、脳内の主なp75NGFR発現ニューロ ンであり、アルツハイマー病の主要な病巣であるコリン作動性前脳ニューロンの 死を誘発する。 実施例12 ニューロンにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みおよび輸送 軸索切開された感覚ニューロンによって、ビオチン化アンチセンスp75NGFR オリゴヌクレオチドが逆行的に輸送されることが示された。腰椎の脊髄神経節の 感覚ニューロンは通例、ビオチンに対して着色しない。しかし、座骨神経の近位 断端へのビオチン標識アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチドの注入後は、 多くのニューロンはビオチン陽性である(図7)。これらの実験においては、新生 児ラットの横切断した座骨神経の近位断端にビオチン化オリゴヌクレオチドを注 入し、該断端を結索した。注入は、チップの直径が50〜100mmのガラス製マ イクロピペットを用いて行い、ピコスプリッツァーを用いる圧縮空気手段によっ て内容物を発射した。7日後、2%パラホルムアルデヒドで動物を急速に灌流し 、同側および対側性L4およびL5脊髄神経節をはずした。該神経節をティッシ ュー−テク(Tissue−Tek)に置き、窒素冷却したイソペンタン中で冷凍した。厚 み10mmの切片を切り出し、AES塗布スライドに載せ、アビジン−ビオチン− ペルオキシダーゼ複合体(Vecstain Elite Kit,ベクター・ラボラトリーズ)を用 いて染色した。 実施例13 インビボにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドによるp75NGFRの下方調 節 アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチド処理は、腰椎の脊髄神経節の軸索 切開した感覚ニューロンにおいてp75NGFRタンパク質の発現を減少した。無傷 の神経節(アンチセンスオリゴヌクレオチド処理なし)においては、p75NGFR陽 性ニューロンは多数あったが、p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドで処 理した軸索切開した神経節では、p75NGFR陽性細胞の数は非常に減少した。パ ラホルムアルデヒドおよびメタノールで組織を固定した後、モノクローナル抗体 MC192(ベーリンガー・マンハイム)を用いて低親和性NGF受容体を視覚化 した。 PBS、センスおよびアンチセンス処理後、p75NGFRに対して陽性の神経節 細胞をカウントすることによって、p75NGFRの発現におけるp75NGFRアンチ センスオリゴヌクレオチドの効果を定量した。腰椎の脊髄神経節におけるp75NGFR 陽性ニューロンのパーセントを図8Bに示す。PBSおよびセンス対照グル ープでは、約64%の感覚ニューロンがp75NGFR陽性である。しかし、p75NGFR 陽性細胞数の劇的減少が、アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチド処理 した動物において見られる。グループ毎にカウントされたニューロンの合計数は 、224(PBS)、233(センス)、163(アンチセンス)であった。 実施例14 軸索切開された感覚ニューロンのインビボにおける損失の防止について、p7 5NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド処理に基づいて論証した(図5)。3日齢 マウスの上腕(正中または尺骨神経)または座骨神経を横切断し、少量のゲルフォ ーム(約1mm3)で処理し、PBSまたは50μMオリゴヌクレオチドを含有する 20%プルロニックゲル溶液(BASF)中に浸漬した。 図5は、頸管(C8)および腰椎(L5)脊髄神経節の軸索切開された感覚ニュー ロンの損失の程度を要約したものである。センスおよびPBS処理された対照動 物においては、損失は約40%であった。しかし、アンチセンスオリゴヌクレオ チド処理は、両方の神経節において約15%まで損失を劇的に減少したが、この ことは、さもなければ死亡しているであろうニューロンの70%が救助されるこ とを意味している。 使用したオリゴヌクレオチドは、ラット3'AS(配列番号4)およびラット3' センス(配列番号5)である。 実施例7の記載に従って、5日後に2%パラホルムアルデヒドを用いて動物の 経心臓灌流を行い、頸管(C8)および腰椎(L5)DRGを解剖し、ニューロンの カウントを行った。グループ間の統計的差異をスチューデントのtテストを用い て評価した。 表1の説明 NGF不在下における48〜60時間後のアンチセンス処理DRGニューロン の生き残りの増加。他に指示がない限り、10%FBSの存在下にて実験を行っ た。植え付け時および48〜60時間後に、アンチセンス処理および対照培養物 における個々のテラサキウエル中の生存可能な細胞をカウントした。ノンオリゴ 処理培養物と対照オリゴ処理培養物との生き残り間に見られる付随的変動を排除 するために、対照培養物[センスまたはナンセンスオリゴヌクレオチドのいずれ かを含む:多数の実験を行った結果、センス(配列番号5)培養物およびナンセン ス(配列番号7)(ランダム配列)培養物の間に、生き残りにおいて差異はないこと がわかった]と比較した場合のアンチセンス処理による培養物中の生き残りの増 加として結果を表現した。血清を用いるP2マウスDRG実験から得られる典型 的な絶対的な生き残りの数値は、21.6%(非処理)、28.9%(ナンセンス) 、51%(アンチセンス)、48%(NGF5ng/ml,オリゴなし)、64%(NGF 50ng/ml)であった。ラットp75NGFRmRNA(ラットAS(配列番号4))に対 するアンチセンスオリゴヌクレオチド(5μM)処理によって、P2マウスニュー ロンの生き残りは、幾つかの実験において約100%が観察されたが、7回の実 験の平均では58%増加した。P2実験のうちの4つにおいて抗NGFモノクロ ーナル抗体(ベーリンガー、ドイツ)を加えたが、これによって増加効果が減少さ れることはなかった。生き残りの増加は、ヒヨコアンチセンス配列(ヒヨコAS( 配列番号6))を用いるマウス培養物においても起こったが、ラットASを用いた 結果よりも低かった。ヒヨコASは、E11ヒヨコDRGニューロン(ラットの P2段階に発達途上的に近い)において生き残りを増加することができたが、P 2ラットニューロンにおいては、ラットASのみが、生き残りの増加を引き起こ した。p75NGFRアンチセンス処理の生き残り増加効果は、F12,E15また はE19のマウスDRGにおいては現れなかった。すべてのケースにおいて18 −merホスホロチアノエートオリゴヌクレオチドを使用し、選択した配列は、コ ード領域の3'末端と逆方向に向けた。 当業者であれば、特記されたもの以外に、本発明が変化および修飾可能である ことを正しく評価しうるであろう。本発明がすべてのそのような変化および修飾 を包含することを理解すべきである。本発明はまた、本明細書中において言及あ るいは指摘したすべての段階、特性、組成物および化合物を、個々にあるいは集 合的に包含し、2またはそれ以上の該段階または特性のいずれかの組み合わせを 、そのいずれかおよびすべてにおいて包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ニューロン上での低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p75NGFRの発現を下 方調節する方法であって、該方法はニューロンを、p75NGFRをコードする遺伝 子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量と、ある時間、p75NGFR の発現を減少させ、ニューロンの生き残りが促進されるに十分な条件下に接触さ せることを含んでなる方法。 2.アンチセンス分子が、約10〜約26未満のヌクレオチドを含んでなり、p 75NGFR遺伝子の5'末端部分を標的にする請求項1に記載の方法。 3.アンチセンス分子が、約10〜約26未満のヌクレオチドを含んでなり、p 75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/または隣接する領域を標的にする 請求項1に記載の方法。 4.アンチセンス分子が配列番号1に定義されたものであるか、またはその機能 的な変異体、誘導体、ホモローグ、またはアナログである請求項2に記載の方法 。 5.アンチセンス分子が配列番号4に定義されたものであるか、またはその機能 的な変異体、誘導体、ホモローグ、またはアナログである請求項3に記載の方法 。 6.アンチセンス分子が、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、ま たは親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、またはポ リ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項1〜5のい ずれかに記載の方法。 7.哺乳類の病気および/または外傷に伴う神経変性状態の発症を遅らせる方法 であって、該方法は該哺乳類に、ニューロン上でのp75NGFRの発現を下方調節 することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含 んでなる方法。 8.アンチセンスオリゴヌクレオチドが約10〜約26未満のヌクレオチドを含 んでなり、p75NGFR遺伝子の5'末端部分を標的にする請求項7に記載の方法。 9.アンチセンスオリゴヌクレオチドが約10〜約26未満のヌクレオチドを含 んでなり、p75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/または隣接する領域 を標的にする請求項7に記載の方法。 10.オリゴヌクレオチドが配列番号1で定義されるものであるか、またはその機 能的な変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログである請求項8に記載の方法 。 11.オリゴヌクレオチドが配列番号4に定義されるものであるか、またはその機 能的な変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログである請求項9に記載の方法 。 12.ニューロンが感覚ニューロン、交感神経性ニューロン、中枢コリン作動性ニ ューロン、運動ニューロン、または小脳ニューロンである請求項7に記載の方法 。 13.ニューロンが感覚ニューロンである請求項12に記載の方法。 14.哺乳類が、ヒト、家畜、実験室の試験動物、または捕らえた野性動物である 請求項7に記載の方法。 15.哺乳類がヒトである請求項14に記載の方法。 16.哺乳類のニューロンの生き残りを促進する方法であって、該方法は該ニュー ロン上でのp75NGFRの発現を下方調節することを含んでなる方法。 17.ニューロンが感覚ニューロン、交感神経ニューロン、中枢コリン作動性ニュ ーロン、運動ニューロン、または小脳ニューロンである請求項16に記載の方法 。 18.ニューロンが感覚ニューロンである請求項17に記載の方法。 19.哺乳類がヒト、家畜、実験室の試験動物、および捕らえた野性動物より選択 される請求項16に記載の方法。 20.哺乳類がヒトである請求項19に記載の方法。 21.受容体の下方調節が、p75NGFR遺伝子をコードする遺伝子に対するアンチ センス分子による請求項16に記載の方法。 22.アンチセンス分子が、約10〜約26未満のヌクレオチドを含んでなり、p 75NGFR遺伝子の5'末端部分を標的にする請求項21に記載の方法。 23.アンチセンス分子が約10〜約26未満のヌクレオチドを含んでなり、受容 体遺伝子の終止コドンを含む、および/または隣接する領域を標的にする請求項 21に記載の方法。 24.アンチセンス分子が配列番号1に定義されたものであるか、またはその機能 的な変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログである請求項22に記載の方法 。 25.アンチセンス分子が配列番号4に定義されたものであるか、またはその機能 的な変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログである請求項23に記載の方法 。 26.アンチセンス分子が、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、ま たは親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、またはポ リ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項21〜24 のいずれに記載の方法。 27.哺乳類の病気および/または外傷に伴う神経変性状態の予防および/または 治療方法であって、該方法は該哺乳類に有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチ ドをある時間、ニューロン上のp75NGFRの発現を下方調節するのに十分な条件 下に投与することを含んでなる方法。 28.ニューロン上のp75NGFRの発現の下方調節が、神経変性状態、病気または 外傷の発症後のニューロンの生き残りを促進する請求項27に記載の方法。 29.アンチセンスオリゴヌクレオチドが、約10〜約26のヌクレオチドを含ん でなり、p75NGFR遺伝子の5'末端部分を標的にする請求項28に記載の方法。 30.アンチセンスオリゴヌクレオチドが、約10〜約26のヌクレオチドを含ん でなり、p75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/またはそれに隣接する 領域を標的にする請求項28に記載の方法。 31.オリゴヌクレオチドが、配列番号1に定義されたものであるか、またはその 機能的な変異体、誘導体、ホモローグ、またはアナログである請求項29に記載 の方法。 32.オリゴヌクレオチドが、配列番号4に定義されたものであるか、またはその 機能的な変異体、誘導体、ホモローグ、またはアナログである請求項30に記載 の方法。 33.哺乳類が、ヒト、家畜、実験室用試験動物、または捕らえた野性動物である 請求項28に記載の方法。 34.哺乳類がヒトである請求項33に記載の方法。 35.ニューロンのp75NGFRの発現を下方調節することのできる、約10〜約2 6未満のヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチド。 36.動物が、哺乳類である請求項35に記載のオリゴヌクレオチド。 37.哺乳類が、ヒト、家畜、実験室用試験動物、または捕らえた野性動物である 請求項36に記載の方法。 38.哺乳類がヒトである請求項37に記載の方法。 39.オリゴヌクレオチドがp75NGFR遺伝子の5'末端部分を標的にする請求項3 5に記載の方法。 40.オリゴヌクレオチドが、p75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/ま たは隣接する領域を標的にする請求項35に記載のオリゴヌクレオチド。 41.オリゴヌクレオチドが配列番号1または4に定義されたものであるか、また はその機能的な変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログである請求項35に 記載のオリゴヌクレオチド。 42.アンチセンスが分子が、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、 または親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、または ポリ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項35〜4 1のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。 43.(i)ニューロンにおけるp75NGFRの発現を下方調節することができ;かつ (ii)配列番号1の逆相補に対し、低ストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズ できるか;または (iii)配列番号4の逆相補に対し、低ストリンジェンシイ条件下にハイブリダイ ズできる、 オリゴヌクレオチド。 44.ニューロンにおけるp75NGFRの発現を下方調節することができるオリゴヌ クレオチドを含んでなる医薬組成物であって、該組成物は、1以上の薬学的に許 容し得る担体および/または希釈剤をさらに含んでなる医薬組成物。 45.オリゴヌクレオチドがホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである請求項 44に記載の方法。 46.オリゴヌクレオチドが配列番号1または4に定義されたものであるか、また は低ストリンジェンシイ条件下に配列番号1または4の逆相補にハイブリダイズ できる請求項44または45に記載の医薬組成物。 47.損傷したニューロンを有する哺乳類の処置用の医薬の製造における、ニュー ロンでのp75NGFRの発現を下方調節できるオリゴヌクレオチドの使用。 48.オリゴヌクレオチドが配列番号1または4に定義されたものであるか、また は低ストリンジェンシイ条件下に配列番号1または4の逆相補にハイブリダイズ できる請求項47に記載の使用。 49.哺乳類が、脳性小児麻ひ、外傷に由来する麻ひ、卒中に伴う血管の虚血、神 経腫瘍、運動ニューロン病、パーキンソン病、ハンチングトン病、アルツハイマ ー病、多発硬化、および末梢神経障害から選択される状態を患っている請求項4 7または48に記載の使用。
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