JP4281926B2 - ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 - Google Patents
ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4281926B2 JP4281926B2 JP51109095A JP51109095A JP4281926B2 JP 4281926 B2 JP4281926 B2 JP 4281926B2 JP 51109095 A JP51109095 A JP 51109095A JP 51109095 A JP51109095 A JP 51109095A JP 4281926 B2 JP4281926 B2 JP 4281926B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ngfr
- oligonucleotide
- antisense
- neurons
- neuron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/70—Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
- A61K31/7088—Compounds having three or more nucleosides or nucleotides
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07H—SUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
- C07H21/00—Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/113—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
- C12N15/1138—Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against receptors or cell surface proteins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2310/00—Structure or type of the nucleic acid
- C12N2310/10—Type of nucleic acid
- C12N2310/11—Antisense
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N2310/00—Structure or type of the nucleic acid
- C12N2310/30—Chemical structure
- C12N2310/31—Chemical structure of the backbone
- C12N2310/315—Phosphorothioates
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Neurology (AREA)
- Neurosurgery (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
Description
本発明明細書において数字で引用した刊行物の書誌的な詳細は、本明細書の末尾に集められている。本明細書で引用するヌクレオチド配列についての配列同定番号(配列番号)は該刊行物リストの後に定義されている。
本明細書を通して、特に必要としない限り、「含んでなる」なる語は、述べられた要素もしくは数字、または要素もしくは数字の群を含むが、いかなる他の要素もしくは数字、または要素もしくは数字の群を排除しないことを意味する。
多くの可溶性の栄養性の因子がインビボでニューロン生き残りに影響を及ぼすことが示されている。これらの因子の多くは、例えば背根神経節(DRG)内部で生長するニューロンに直接作用する。特に重要な一つの因子は、神経成長因子(NGF; 1)である。NGFの効果は、trkA、高親和性NGF受容体により少なくとも部分的に媒介される。他の受容体、低親和性NGF受容体p75NGFRは、その機能が十分にキャラタライズされていない受容体である。p75NGFR受容体は、NGFに対するtrkAの親和性を増加させることが示されており(12)、Lee等による研究(2)は、p75NGFRは感覚ニューロンの生長に必要であると示唆されている。NGFの投与はニューロン生き残りを促進することにおいて治療的な可能性を有し得るにもかかわらず、NGFはある範囲の標的細胞に影響を及ぼす多機能性分子である。それ故、神経細胞を特異的に標的にする必要がある。
本発明に導いた研究において、本発明者は、様々な生長段階でDRGからの感覚ニューロン中の受容体を下方調節することにより、p75NGFRの機能をさらにキャラタライズすることを探求した。p75NGFR発現の下方調節が標的神経支配の胚(E)段階で感覚ニューロンのNGF媒介生き残りを阻害するにもかかわらず、感覚ニューロンにおけるp75NGFR発現のレベルを低下させることが外因性NGFの不存在下に生後(P)日2(P2)感覚ニューロンの生き残りを増加させることを本発明者は驚くべきことに発見した。
従って本発明の一要旨は、動物におけるニューロンの生き残りを促進する方法を意図し、該方法はニューロンの神経栄養因子媒介生き残りのできる神経栄養因子についての該ニューロン上の受容体の発現を下方調節することを含んでなる。
本発明を受容体、p75NGFR、およびそのエフェクター分子の一つ、すなわちNGFに関連して例示し記述する。しかし、本発明に従って測定されるニューロン生き残りを促進することにおいて、p75NGFRと機能的に類似の方法で作用するすべての神経栄養性受容体、並びにNGFおよび脳由来神経栄養因子(BDNF)を含むそのエフェクターに本発明が広がるという理解をもってこれはなされる。本発明により意図されるニューロンはp75NGFRを発現するか、または発現する能力を有するものである。「ニューロンの生き残りを促進する」とは、病気および/または外傷に伴う神経変性後、変性中、変性前にニューロンの生き残りを増加させ、もしくは高め、またはニューロンを救助することを含むことを意図する。「ニューロンを救助する」とは、例えばニューロンのコリン作動性分化状態の維持のようなニューロンの分化状態の維持を含む。それ故、本発明の関連した要旨は動物におけるニューロン救助を促進する方法を提供し、その方法は、ニューロンの神経栄養因子媒介救助のできる神経栄養因子についての、ニューロン上での受容体の発現を下方調節することを含んでなる。
従って、本発明の好ましい一態様において、動物における受容体p75NGFRを発現するニューロンの生き残りを促進する方法が提供され、該方法は該ニューロンにおけるp75NGFR発現を下方調節することを含んでなる。
p75NGFRを発現し、または発現する能力を有し、かつ本発明に包含されるニューロンは、感覚ニューロン、交感神経ニューロン、中枢コリン作動性ニューロン(および特にアルツハイマー病で影響を受ける基底(basal)前脳ニューロン)、運動ニューロン、小脳ニューロン、パーキンソン病に関与するニギア(nigia)質およびスチナタム(stinatum)におけるニューロンを含むが、これらに限定されない。
好ましくは動物は、ヒト、家畜(例えば羊、豚、牛、馬または山羊)、コンパニオン動物(例えば犬または猫)、実験室の試験用動物(例えばマウス、ラット、ラビットまたはモルモット)または捕らえた野性動物である。最も好ましい動物はヒトである。
「下方調節する」の語はその最も一般的な意味で用いられ、細胞あたりの受容体の数を減少させること、細胞あたりの機能性の受容体の数を減少させること、および/または細胞上に存在する受容体をブロックすることを含む。各場合において下方調節された発現は感覚ニューロンの生き残りを増加させる結果となる。p75NGFR受容体発現の分析は、ラベルした抗体の使用、および/または遺伝子発現の分析(これらに限定されない)のような便利な手段によりモニターする。
好ましくはニューロン生き残りの促進は標的神経支配の段階で、またはその後である。
最も好ましい態様において、下方調節はアンチセンスの核酸分子の使用により遺伝子レベルで行う。特に例示する態様においては、そのアンチセンス核酸分子はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。一般的に、なその標的に応じ約5〜約50ヌクレオチドを有する短いオリゴヌクレオチドを用いる。好ましくはオリゴヌクレオチドは長さで約10〜約26未満のヌクレオチドである。好ましくはそのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、p75NGFR遺伝子の5’末端部分、またはp75NGFR遺伝子の末端コドンを含む、および/または隣接する領域を標的にする。
しかしながら、本発明は構造的なp75NGFR遺伝子配列のmRNAまたはp75NGFR発現を調節する遺伝子を標的にすることのできるより大きい核酸分子に広がる。
関連した態様は、ニューロン上での低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p75NGFRの発現を下方調節する方法に関し、その方法は、ニューロンを、p75NGFRをコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量と、ある時間、そしてニューロンの生き残りが促進されるようp75NGFRの発現を減少させるに十分な条件下に、接触させることを含んでなる。
特には、ニューロン上で低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p75NGFRの発現を下方調節する方法を提供し、その方法はニューロンを、p75NGFRをコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量と、ある時間、そして外から加えるNGFの不存在下にニューロンの生き残りが増加し、高められ、そうでない場合促進されるようp75NGFRの発現を減少させるに十分な時間接触させることを含んでなる。
オリゴヌクレオチドは、インビトロおよびインビボで安定性(例えばヌクレアーゼの作用に対して)を改良しまたは増加させ、および/または経口的な生物学的利用を可能にし、血液−脳関門を越える移送を可能にし、および/または治療指数を増加させるよう、好ましくは化学的に修飾する。更に、該化学的修飾は、標的動物への投与、および投与後には標的組織へのオリゴヌクレオチドの通過を促進し得る。例えば該オリゴヌクレオチドは、リンカー、タグ、またはトランスフェリン受容体抗体等の他のエフェクター分子を有する。特に好ましいオリゴヌクレオチドはホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであり、それはホスホロチオエートがヌクレアーゼに対する抵抗性を有し、インビトロおよびインビボでの高安定性に寄与するからである(3)。あるいは、オリゴヌクレオチドは親油性基にコンジュゲートされ(13)、メソ−テトラカルボキシポルフィン(14)にコンジュゲートされ、ポリ−L−リシンにコンジュゲートされ(15)、またはポリ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートされ得る(16)。本発明のオリゴヌクレオチドは、静脈、筋肉内、鼻腔、直腸、腹腔内、大脳内、鞘内または皮下ルートにより、またはリポソームもしくは逆行性輸送によることを含むいずれかの適当な手段により標的に、またはゲルフォーム等の徐放性組成物を用いるような末梢神経損傷部位へ局所的に投与し得る。該ヌクレオチドは標的動物に対し、たとえあったとしても小さい毒性しか示さないので、十分なアンチセンス分子が標的部位に到達することを条件にそれらはどんな濃度でも投与し得る。適当な濃度範囲は、インビボ使用の場合、約0.01μM〜>2,000μM、より好ましくは約0.05μM〜約1,500μM、さらに好ましくは約0.1μM〜約1,000μMを含む。局部的使用、皮下的使用、または局所的使用の場合、類似の濃度を使用し得るが、より高い濃度は状態の治療に有害でないであろう。
本発明の他の要旨によれば、ニューロン中のp75NGFRの発現を下方調節することのできるオリゴヌクレオチドを提供する。特には、本発明のオリゴヌクレオチドはニューロンにおけるp75NGFRの発現を下方調節でき、標的神経支配の段階の後、ニューロン生き残りが増加し、高まり、または促進される。
本発明のオリゴヌクレオチドは、p75NGFR mRNAのほとんどいずれの部分をも標的にするために選択され得、好ましいオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの長さは、ニューロンにおけるp75NGFRの発現レベルの、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%の減少をもたらす。
好ましいオリゴヌクレオチドは、p75NGFR遺伝子の5’末端を標的にする5’−ACCTGCCCTCCTCATTGCA−3’(配列番号1)(本明細書で「5’−AS」とも呼ぶ)、およびp75NGFR遺伝子の終止コドンを含む、および/または隣接する領域を標的にする5’−AGTGGACTCGCGCATAG−3’(配列番号4)(本明細書で「3’−AS」とも呼ぶ)であり、p75NGFR mRNAの少なくとも部分とハブリダイズでき、または2本鎖を形成できる、それらのいずれの、またはすべての変異体、誘導体、ホモローグまたはアナログを含む。便利には、好ましいオリゴヌクレオチドはホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、または上に意図したような化学的に修飾されたものである。
従って、本発明の他の要旨は、
(i)ニューロン中でのp75NGFRの発現を下方調節することができ;かつ
(ii)低ストリンジェンシー条件下に配列番号1の逆相補にハイブリダイズできるか、または
(iii)低ストリンジェンシー条件下に配列番号4の逆相補にハイブリダイズできる、
オリゴヌクレオチドを提供する。
ストリンジェンシーのレベルを定義する目的のために、本明細書の一部を構成するManiatis等(17)、387〜389頁が便利に参照され、その開示された洗浄工程は高ストリンジェンシーであると考えられる。低ストリンジェンシーは、4〜6×SSC/0.1〜0.5%(重量/体積)SDS、37〜45℃、2〜3時間であると定義する。ハイブリダイゼーションに関与する核酸の源および濃度によって、別のストリンジェンシー条件、たとえば1〜4×SSC/0.25〜0.5%(重量/体積)SDS、45℃、2〜3時間であると考えられる中ストリンジェンシー条件、0.1〜1×SSC/0.1%(重量/体積)SDS、≧60℃、1〜3時間であると考えられる高ストリンジェンシー条件を使用してもよい。
本発明の好ましい態様によれば、p75NGFRを発現するニューロンの生き残りを増加させ、高め、または促進する方法が意図され、その方法は、ニューロンを、p75NGFR mRNAの少なくとも部分に対し実質的にアンチセンスであるオリゴヌクレオチドの有効量と、該オリゴヌクレオチドが該ニューロンに浸透し、p75NGFRの発現を下方調節するのに十分な条件下に接触させることを含んでなる。p75NGFR発現の下方調節によりニューロンの生き残りが増加し、高まり、または促進される。これは外から供給されるNGFの存在しない場合に特に明白である。好ましくはニューロンの生き残りは標的神経支配の段階において、またはその後においてである。
関連する態様において、本発明は、哺乳類における病気および/または外傷に伴う神経変性状態の発症を更に遅延させる方法を意図し、該方法は哺乳類に、ニューロン上でのp75NGFRの発現を下方調節できるアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量を投与することを含んでなる。
更なる関連した態様において、本発明は哺乳類の病気および/または外傷に伴う神経変性状態の予防および/または治療方法を提供し、その方法は哺乳類に、有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、ある時間、ニューロン上でのp75NGFRの発現を下方調節するに十分な条件下に投与することを含んでなる。ニューロン上でのp75NGFR受容体の下方調節は、神経変性性状態、病気または外傷の発症後にニューロンの救出を促進する。神経変性状態には表現型の喪失、例えばニューロンが分化しなくなったことに伴うコリン作動性表現型の喪失を含む。これは一般に細胞死の前の段階であると考えられる。従って本発明は、ニューロンが表現型を喪失し、および/または前細胞死することを減少させ、抑制し、または救助することにより特徴づけられる、神経変性状態の処置に関する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、標的にすべき動物のp75NGFR受容体mRNA配列から設計されるという点において「ホモロガス」であり、オリゴヌクレオチドが1つの種をベースにし、他の種のmRNAにクロスハイブリダイズする場合には「ヘテロロガス」である。例えば、p75NGFRをコードする遺伝子配列が2つの種の動物で類似の場合、一つの種をベースにしたオリゴヌクレオチドは、他の種においてp75NGFRの発現を下方調節するのに十分な程度までクロスハイブリダイズし得る。
本発明は損傷したニューロン(p75NGFRを発現する)を有し、またはニューロンの更なる損傷可能性のある動物の治療および/または予防方法を提供する。損傷また損傷可能性は外傷または病気からであり得る。それ故本発明は、脳性小児麻ひ、外傷由来の麻ひ、卒中に伴う血管虚血、神経腫瘍、運動ニューロン病、パーキンソン病、ハンチングトン病、アルツハイマー病、多発硬化および糖尿病、重金属、アルコール毒に伴う末梢神経障害、腎不全、および/またはヘルペス、風疹、はしか、水痘、HIVおよび/またはHTLV−1等の感染性の病気等の状態を治療する方法を意図する。
本発明のこの要旨によれば、ヒトまたは他の哺乳類等の動物における治療方法を提供し、その方法は、例えば、p75NGFR mRNAまたは感覚ニューロンにおける機能的に類似のまたは似た受容体に対しアンチセンスである1以上のオリゴヌクレオチドにより、好ましいが排他的ではなく標的神経支配の段階時またはその後にp75NGFRの発現を下方調節することを含んでなる。
本発明のこの要旨によれば、p75NGFRの発現を下方調節できる薬剤を動物に、該受容体の発現を下方調節するのに有効な量投与する。一般的にそして好ましくは該薬剤は、p75NGFR mRNAの少なくとも部分とハイブリダイズしまたは2本鎖を形成し、それによってp75NGFR発現を減少させるよう設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
オリゴヌクレオチドの形のような薬剤の投与はいずれかの便利なルートにより、例えば静脈または大脳内投与により、または外科処置中もしくは後の局所的投与によってよい。宿主動物の酵素の作用を減少させるよう薬剤を処理することが必要かも知れない。例えば該薬剤がオリゴヌクレオチドを含んでなる場合、オリゴヌクレオチドは便利にホスホロチオエートされる。投与の別の形は遺伝子治療および/またはHSVベクター等のウイルスベクターの使用を含む。
本発明は、感覚ニューロンにおいて、p75NGFRが標的神経支配の段階後に細胞自滅(apoptotic)シグナルを伝えることができるが、標的神経支配前には感覚ニューロンのNGF媒介生き残りのためにはtrkAと共に必要であるという驚くべき発見に部分的に基づく。本発明をいずれかの一つの理論または作用様式に限定することを望むものではないが、細胞生長の後期におけるp75NGFRの作用の切り替えは知覚神経節におけるtrkA発現レベルの減少と同時に起こるらしく、p75NGFRはtrkAと組合されてNGFの存在下におけるニューロンの生き残りを媒介するが、trkAと結合しないなら、p75NGFRは有効量のインビボNGFの不存在下に死のシグナルとして作用し得ることを示す。それ故、ニューロン生き残りは、p75NGFRの発現を下方調節すること、trkAの発現を上方調節すること、および/または外因性のNGFまたは他の適当な神経栄養因子を提供することの1以上により、増加し、高められ、または促進されるかも知れない。
従って本発明の更なる要旨は、trkA発現を上方調節し、それによってp75NGFRとのその相互作用を調節することを意図する。一般に、本発明のこの要旨によればtrkA発現は遺伝的手段、またはアゴニストの使用により上方調節される。本発明のこの、および他の要旨は、外因性のNGF、またはBNDF等の適当な神経栄養性因子の添加を更に含んでなり得る。
「上方調節する」の語は、その最も一般的な意味に用いられ、細胞当たりの受容体数を増加させること、細胞当たりの機能性受容体の数を増加させること、および/または細胞当たりの存在する受容体の活性を高めることを含む。
標的神経支配の段階の後にニューロンの生き残りを増加させ、高め、または促進することにおける本発明の効果は、インビトロまたはインビボで容易に示し得る。特に便利なインビボモデルはラットにおける坐骨神経軸索切断を含む。この方法では新生ラットにおける左の坐骨神経を軸索切断し、坐骨神経の基部の断端(stump)をアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはp75NGFR発現を下方調節できる他の薬剤で処理する。
本発明の更なる態様では、p75NGFRを、サイトカイン受容体結合のアゴニストまたはアンタゴニストのようなp75NGFR結合性分子、および好ましくは小さい結合性分子の分析に用い得る。好ましくは組換えp75NGFRを発現する細胞を分析のベースとして用いる。
本発明の更なる態様は、損傷を受けたニューロンを有する哺乳類の治療用薬剤の製造における、ニューロンでのp75NGFRの発現を下方調節できるオリゴヌクレオチドの使用を意図する。
本発明を、次の非限定性の図面および/または実施例を参照して、更に記述する。
図1Aは、35S 5’−ラベルしたアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理されたP2マウスDRG細胞のオートラジオグラフィー後の写真による表示である。
図1Bは、コントロール(センスオリゴヌクレオチドで処理)培養(上のパネル)およびアンチセンス処理培養(下のパネル)からの細胞の位相差および免疫蛍光写真である。
図1Cは、培養2日後のセンスおよびアンチセンス処理P2ラット感覚ニューロンにおけるp75NGFR免疫染色の頻度(frequency)分布を示すグラフ表示である。
図2は、対応するセンスヌクレオチドの存在下に生き残ったニューロン数と比較して表した、NGFおよびp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド存在下での培養の2日後のDRRニューロン損失のグラフ表示である。
図3は、NGF不存在下、5μmのセンスオリゴヌクレオチド(上)、1μg/mlシクロヘキシイミド(中)および5μmのアンチセンスオリゴヌクレオチド(下)存在下における、培養中の2日後のP2マウス細胞の位相差顕微鏡の写真による表示である。センス処理の細胞は、収縮、円鋸歯形成、細胞質顆粒化(granularity)および凝結、並びに膜崩解を含む様々な段階のアポプトシスを示す。シクロヘキシイミドおよびアンチセンス培養の両方では生き残りの増加が生じた。タンパク質合成の阻害によりシクロヘキシイミド処理の細胞は、残存する相の明るさおよび外観上の健康にかかわらず神経突起を発達させることができなかった。アンチセンス培養物は、豊富な神経突起を有する健康な細胞の大個体群を示す。
図4Aは、E19マウスからのDRGニューロンの長期培養に及ぼすアンチセンスおよびセンスオリゴヌクレオチドの影響を示すグラフ表示である。細胞を最初に生き続けさせるために(これはP2細胞の場合不必要である)1ng/mlでのNGFと同様にオリゴヌクレオチドをプレーティング時に加えた。最初の2日の間には細胞生き残りに差はなかったが、長い培養後には、アンチセンスで処理した群での生き残りの増加が明らかになった。各点における値は平均±SEM(n=6)である。
図4Bは、マウスDRG中のtrkA発現の生長調節(developmental modulation)の逆転写酵素(RT)−PCRによる分析のグラフ的表示である。trkA mRNAはE15およびE19に存在するが、P2では検出できなかった。新しく全裂したDRGを液体窒素中でスナップ凍結し、4Mグアニジニウムチオシアネート中でのホモジナイゼーションおよびセシウムクロライドクッション上での超遠心の前に、−70℃で貯蔵した。各試料からのRNA(100ng)を1時間、42℃でAMV逆転写酵素と共にインキュベートし、反応生成物の1/5をPCR(30サイクル、2.5ユニットのTaqポリメラーゼ(Cetus、米国)を有する100μl中、94℃、55℃、および72℃の1分工程)に用いた。プライマーは、
であり、163bpの予想される増幅生成物(ラットのtrkA配列に基づいて、[6])であった。
図5は、p75NGFR受容体アンチセンスオリゴヌクレオチドによる、インビボでの傷ついた感覚ニューロンの死の抑制を示すグラフ表示である。C8、頸部のもの;L5、腰部のもの。
図6は、2つのp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いるインビトロでのDRGニューロン細胞生き残り反応を示すグラフ表示である。比較のために、コントロールは、非オリゴヌクレオチドおよびナンセンスオリゴヌクレオチド(スクランブルされたアンチセンスオリゴヌクレオチド)を含む。
図7は、一つの坐骨神経へのビオチニル化オリゴヌクレオチドの注入後にそれの存在を検出するため、アビジン−パーオキシダーゼで染色した同側の(B)、および対側の背根節のセクションの写真による表示である。
図8Aは、p75NGFRの存在についての免疫組織化学的に染色した背根節のセクションの写真的表示である。そのセクションは、無傷の(軸索切断しない)背根節から(左側)、および軸索切断およびインビボでのp75NGFRアンチセンス処理後の背根節から(右側)採取した。
図8Bは、コントロールと比較した、アンチセンス処理後のインビボでのp75NGFR下方調節のグラフ的表示である。
図9は、異なったレベルのp75NGFR発現を有するPC−12細胞のNGF除去後のインビトロにおける死の速度のグラフ的表示である。
図10は、p75NGFRアンチセンス(配列番号1)(5μM)またはナンセンス(配列番号9)(5μM)で処理したPC−12細胞のNGF除去後のインビトロにおける生き残りのグラフ表示である。
実施例1
オリゴヌクレオチドの調製
標準的合成操作によって、センスおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドを調製した。使用前に、必要であれば、揮発性汚染物を除去するために、オリゴヌクレオチドをHPLCに付してアセトニトリルで溶離し、凍結乾燥し、H2Oに再懸濁して精製し、次いで、さらにセファドックスG25ゲル濾過によって精製した。好ましいオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである。
実施例2
p75NGFR受容体発現の下方調節
DRGの感覚ニューロンにおけるp75NGFR受容体の発現は、p75NGFRアンチセンスホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを用いることによって発達の種々の段階において下方調節を受けた。インビトロおよびインビボの両方において非常に高い安定性を与えるホスホロチオエートは、ヌクレアーゼに対する耐性により選択した(3)。細胞へのオリゴヌクレオチドの浸透を促進するために、単細胞懸濁液の形成後、平板に植える前に、オリゴヌクレオチドの存在下で細胞を粉砕した。オートラジオグラフ分析では、少なくとも65%のニューロンにオリゴヌクレオチドが浸入したことが示された。図1Aは、35S 5’−標識アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理されたP2マウスDRG細胞のオートラジオグラフィーの結果を示す。標識は、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてオリゴヌクレオチドに組み込んだ。培養物を2日間インキュベートし、エマルションに浸し、7日間曝した。大部分のニューロンは、標識オリゴヌクレオチドを取り込んだが、少数のグリア細胞は取り込まなかった。標識された細胞の周囲の“輪(ハロ)”効果は、大きな円いニューロンを覆うエマルションの薄化を反映している。
アンチセンス、センスまたは非特異的オリゴヌクレオチド処理した2日後に、2日齢(P2)ラット由来の感覚ニューロンの培養物を抗p75NGFR抗体で免疫染色することによって、p75NGFRアンチセンスの有効性を評価した。
図1Bに示す結果は、それぞれ対照(センスオリゴヌクレオチド処理)培養物(上のパネル)およびアンチセンス処理培養物(下のパネル)の細胞の対応する位相差および免疫蛍光写真である。対照培養物は細胞本体および突起の両方において強いp75NGFR発現を示したが、アンチセンス処理細胞およびその突起における発現は無視しうる程度であった。アンチセンス培養物中のニューロンを取り囲むムラのある染色は、グリア細胞におけるp75NGFR発現を表し、これはニューロンにおける効果よりも低い下方調節効果を示すものである。大部分の生き残りアッセイをマウス細胞にて行ったが、モノクローナル抗体がマウスp75NGFRを検出しないので、ここではラット細胞(マウス調製物とは異なって、グリア細胞を高比率で含む調製物)を用いた。前述の記載に準じて、P2ラットDRG細胞の単細胞懸濁液を調製し(4)、オリゴヌクレオチドの存在下にギルソンマイクロピペット中で1分間粉砕し、フィブロネクチン塗布プラスチックスライドに植え、NGF1ng/mlの存在下に2日間インキュベートした。次いで洗浄した後に、p75NGFRに対するモノクローナル抗体(MC192,ベーリンガー,ドイツ)およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合ヒツジ抗マウス抗体(シレナス,オーストラリア)とともにインキュベートした。。次いで細胞を洗浄し、4%v/vパラホルムアルデヒドで固定した。バーは25μmを表す。結果は、アンチセンス処理後、多数のニューロンにおいて受容体発現レベルが非常に低かったことを示す(図1B)。
次いで発現レベルの定量分析を行った。各カテゴリーから、それぞれ40個の細胞において分析を行った。パラホルムアルデヒド固定後、MC192モノクローナル抗体およびビオチン化ヒツジ抗マウス抗体(ベクター・ラボラトリーズ,USA)およびペルオキシダーゼ染色キット(Vectastain Elite kit,ベクター・ラボラトリーズ,USA)を用いて染色を行った。コンピューター化したイメージ分析システム(リーディング・エッジ,アーストラリア)を用いて染色強度を定量し、0〜100の任意の直線スケールで表し、このスケールに基づいて細胞を4つのカテゴリーのひとつに分類した。最低のカテゴリー(0〜25)の細胞は、バックグラウンドとほとんど区別がつかない程度にしか染色されず、これらの比率は対照培養物における9%からアンチセンス培養物における48%に増加した。結果を図1Cに示し、センス処理対照と比較した場合、アンチセンス処理ニューロンの部分におけるp75NGFR受容体の発現において有意な減少がみられる。
p75NGFRのバックグラウンドレベルを発現するニューロンの数は、センス処理培養物における<10%からアンチセンス処理培養物における>45%に増加した。図1Cにおける分類よりも細かく分類する、感度のより高い分析を行うことによって、程度のより低い下方調節を検出することができ、その結果、p75NGFRの下方調節を受ける細胞が、より大きなパーセントで得られる。
実施例3
アンチセンス処理後の感覚ニューロンの生き残りにおける効果
アンチセンス処理の有効性を実施例2で確立した。次いでE12からP2までの年齢範囲のマウス由来の感覚ニューロンの生き残りにおける効果を測定した。図2は、対応するセンスオリゴヌクレオチドの存在下に生き残るニューロンの数と比較して表した、NGF(ベーリンガー,ドイツ)およびp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド(表1中に、ラットASで示されるもの)の存在下における培養物中の2日後のDRGニューロン損失を示した。アンチセンス処理によってE12およびE15におけるNGF依存性の生き残りは減少したが、E19またはP2においては有意には減少しなかったと見ることができる。単細胞を調製し、図1Bと同様に適当なオリゴヌクレオチドで処理し、Monomed(CSL,オーストラリア)+10%v/vFBSを入れたテラサキプレートに、低い細胞密度(E15〜P2においてウエル当たり約50細胞、E12において300細胞)で植えた。実験開始時および終了時に細胞数をカウントし、ニューロンの生き残り(ニューロン形態学の位相差顕微鏡的判断基準、位相明度、細胞質の完全性および非顆粒性によって診断した)を決定した。カウント操作の正確性を確立するために、カウントは、最初2人の熟練した細胞カウント者による“盲検”で行ったが、ほとんどすべての場合において、結果に一致性があった。異なる観察者による、このカウントの比較を定期的に繰り返して、正確さが維持されているのを確認した。バーおよび誤差バーは、6回または7回以上の独立したアッセイの平均および標準誤差を表す。オリゴヌクレオチド濃度は、E12において10μMとし、すべての他の段階においては5μMとした(E12における最適濃度は10μMであることがわかった)。
外部から加えた高濃度(たとえば>5ng/ml)のNGFの存在下において、E12およびE15が感覚ニューロンの生き残りは、アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理することによって、センス(または非特異的)18−merオリゴヌクレオチドで処理したニューロンと比べて著しく減少することがわかった(図2)。しかし、DRGニューロンが少なくともP2までNGF依存性が高いままであることがわかったたけれども(4,5)、アンチセンス処理後のE19およびP2の感覚ニューロンの生き残りにおいては有意な減少はない(図2)。この発見から、標的領域の神経支配の段階において、感覚ニューロンがNGF仲介性生き残り効果のためにp75NGFRを要求することが説明される。一方、前述したように、P2においてはアンチセンス処理がp75NGFR発現を有意に減少するけれども、もっと後の発達段階における感覚ニューロンは、影響を受けないようにみえる。これらの結果からはまた、NGF仲介性生存効果にとって、P2ニューロンにおいてp75NGFR分子の相対的多数性は必要ではないこともわかり、この受容体が細胞機能において別の役割を演じることを示唆する。
実施例4
p75NGFRの役割をさらに研究するために、アンチセンス処理したニューロンをNGFを加えずに培養した。予期されるように、この結果として、E12およびE15ニューロンは急速に死亡した。しかし驚いたことには、P2感覚ニューロンは、センス処理対照と比べて、その生き残りにおいて大きな増加(>50%)を示した(図3および表1)。無NGF処理細胞におけるシクロヘキシイミドの死亡予防能力によってP2におけるDRG細胞死の細胞消滅的性質が確認された(図3)。用量−応答分析によって、アンチセンス仲介性生き残り効果のための最適アンチセンス濃度は5μMであることが確立された(アンチセンスなしの生き残りは19±4%、アンチセンス0.5μMで29±3%、2μMで47±5%、5μMで50±5%および10μMで31±6%)。この効果は、オリゴ処理なしの対照よりもむしろ対照としてセンスおよびアンチセンス処理培養物を用いることによって、この分析においては排除された。P2マウスの感覚ニューロンで行った7回のアンチセンス実験のすべてにおいて生き残りの増加が観察され、同様の効果が、匹敵する発達段階において行ったラットおよびチキンの感覚ニューロンにおいて見られた。さらに、ヒヨコのアンチセンスはラット細胞においては効果はないが、ヒヨコ細胞においては劇的な効果があるという、種配列特異性が見られた。ラット配列の方がよりはっきりした効果を示したけれども、ヒヨコおよびラットのアンチセンスオリゴの両方が、マウスにおける生き残りを増加した。したがって、多くの種においてp75NGFRの下方調節によって、細胞の生き残りが増加し、これは、この受容体が発達の特定の段階において細胞の死亡を促進することを意味する。免疫染色によって、アンチセンス培養物における生き残った細胞が、p75NGFRの著しい下方調節を示すことが確認された。この効果が血清中の同定されないリガンドの存在によるものであるという可能性を排除するために、無血清の条件で実験を繰り返した。アンチセンスによる生き残りの増加は無血清条件において減少した。さらに、グリア細胞の汚染は無血清条件においては無視しうるものなので、生き残り効果はグリア細胞の汚染から明らかに独立していた。血清の存在下でさえも、ラット培養物(有意にグリア汚染)およびマウス培養物(グリア汚染10%以下)の両方において生き残り効果は生じた。無血清でよく、グリア汚染の度合を考慮しなくてよいアンチセンスの生存促進能力は、別のリガンドがあるという解釈、またはp75NGFR下方調節は、培養物中の大部分の仮説の痕跡量のNGFをtrkAに結合させることによって生存を促進するという解釈に対抗する。後者の可能性は、抗NGF抗体を添加してもアンチセンス誘発生き残り効果を減少しないことを示すことによって絶対的に排除された(表1)。
実施例5
p75NGFRの機能におけるスイッチの分析
p75NGFR機能においてスイッチが起こるおよその段階を、E19マウスの感覚ニューロンにおいて行われた実験によって明らかにした。この場合は、アンチセンス処理(NGFなし)は、その生き残りを増加しなかった(表1)。しかし、短期間の生き残りを促進するために、最初に低濃度のNGF(1ng/ml)の存在下で培養したならば、その後アンチセンス処理ニューロンはP2ニューロンと同様に作用し、センス対照と比較した場合、生き残りにおいて有意の増加を示し、そのことは培養における時間経過とともにより明確になった(図4)。これらの結果から、E19あたりでp75NGFRの機能に根本的な変化(ニューロン生存の仲介から、細胞死の開始へ)が起こることがわかる。P2における細胞死を促進する能力は、外部から高濃度のNGFの添加がなされない場合にのみ見られた。
実施例6
ニューロン標的選択相中(およそE13からE17)に、NGFの生き残り効果を導入する際にp75NGFR受容体は重要である。trkAはこの期間中に高度に発現される(7)ので、この結果は、高親和性NGF受容体がp75NGFRおよびtrkAの両方を必要とするという仮説と一致する。これらの実験において細胞は高濃度のNGFに浸されたので、この時点でのNGF応答の仲介におけるp75NGFRの役割は、その仮定された局在化(localising)または補充(recruting)という役割によるものではありそうになく、局在化という役割は、不必要であろう。出生後の早期においては、p75NGFRは細胞死の促進という反対の役割をもつことが見られたが、これは高濃度NGFがない場合に限られた。p75NGFRの役割の反転は、PCRでは検出不可能なレベルまでのP2 DRGにおけるtrkA mRNAの下方調節と一致する(図4B)。これらの実験結果を説明するための一仮説は、p75NGFRはtrkAの存在下においてはtrkAと相互作用して、NGF生き残りシグナルを変換しうる能力を有する高親和性複合体を形成するが、trkAが存在しないと構成的死亡シグナルとして作用するというものである。したがって、p75NGFRは、プログラムされた細胞死へのシグナルを仲介することができるが、NGFがない場合かあるいは低濃度である場合に限られる。インビトロ実験においては、“高濃度”NGFとは、>3〜5ng/mlなどの内在性濃度よりも大きい値を意味し、>20ng/mlが好ましい。標準的内在性濃度を“低濃度”と考える。NGFの存在によってp75NGFRが細胞消滅を誘発するのを防ぐことができる。これはまた、trkAが存在しないにもかかわらず、P2 DRGニューロンがNGF依存性をもつことも説明するだろう。p75NGFRが細胞消滅を開始するメカニズムおよびNGFがこの過程を妨げるメカニズムは、明らかではない。
実施例7
インビボモデル
雌雄両性の出生後4日(P4)のウィスターラット子は、本発明のオリゴヌクレオチドを試験するためのインビボモデルに適している。このウィスターラット子を冷凍麻酔して手術を行った。各子の左座骨および上腕神経を露出し、一対の虹彩切除鋏を用いて軸索切断した。座骨神経の近位断端を1mm3ピースのセンス若しくはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはPBSを含有するプルロニックゲル(約20%)浸漬ゲルフォーム(アップジョン)でラッピングした。対側性座骨神経およびDRGを無傷の対照として供した。5〜0エチコン(Ethicon)シルク縫い糸を用いて皮膚切開部を縫合した。次いで完全に意識がもどるまで子を暖め、その後母親と再会させた。座骨神経軸索切開の有効性は、後肢の外科手術後運動失調および死後解剖によって実証された神経横断の完全さによって明らかであった。
5日後に、動物を深く麻酔し、次いで0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)中の4%v/vパラホルムアルデヒドおよび0.5%w/vグルタルアルデヒドで経心臓灌流を行った。灌流後、速やかに、腰椎DRGにかぶさっている椎骨を除去し、全動物を同じ固定液に一夜浸した。翌日、左(軸索切開した方)および右(無傷)L5またはC8のDRGを除去し、さらに24時間、固定後処理(postfixed)した。次いで、これらのDRGを脱水し、パラフィンに埋め込んだ。厚さ8μmの連続した切片を切り出し、ゼラチンを塗布したスライドに載せ、0.1%w/vクレシルバイオレットで染色した。
最大の倍率である400倍にして、ライツ顕微鏡の接眼部分に設置した格子を通して、浮き出た核が現れているニューロンをカウントした。カウントは、5または6切片ごとに行った。カウント数の補正をアベルクロンビーの式を用いて多重核について行い、次いで割れた核について行った。平均の核直径の測定は、軸索切開したニューロンは、しなびた核をもっていないことを示した。減損した核の比率は、下記式を用いて百分率で算出した。
ニューロン減損の正確な評価を確実にするために、2つのステップを加えた。第1に、切片の厚みを、最大の核高さを約4倍ほど上回るものにした。この倍数は、アベルクロンビー補正係数が確かであり、ひどく偏っていないことを確実にするために必要である臨界倍数1.5よりも十分上の値である(10)。第2に、対側性の対照を常に用い、動物間の比較のすべてを絶対値よりもむしろ相対値に基づいて行った。カウントにおいて生じる偏りはどれでも両方の側に共通して起こるものであり、比率を計算するときに相殺されるので、相対値を用いる場合、アベルクロンビーの補正係数は必要ではない。
各グループについて平均および標準誤差(SE)を算出し、スチューデントのtテストを用いてグループ間の統計的差異を決定した。
実施例8
p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチオドの存在下におけるインビトロでのニューロンの生き残り
P2マウスDRGニューロンを調製し、前記方法にしたがって培養し、高濃度(約50ng/ml)NGFの存在下(オリゴヌクレオチドなし)または2つの異なるp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドの存在下(NGFなし)における4日後の生き残りを評価した。該オリゴヌクレオチドは、5’−ACCTGCCCTCCTCATTGCA−3’(配列番号1)(図6に“5−AS”として記す);および5’−AGTGGACTCGCGCATAG−3’(配列番号4)(図6に“3−AS”として記す)であった。
対照ナンセンスオリゴヌクレオチド(スクランブルされたアンチセンスオリゴヌクレオチド)も、配列5’−CTCCCACTCGTCATTCGAC−3’(配列番号9)とともに用いた。NGFまたはp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドのいずれかの適用によって生き残りは増加したが、ランダム配列対照オリゴヌクレオチドの適用しても、“オリゴなし”グループと比較した場合、生き残りを増加しなかった(図6)。
5’領域(5’−CATTGCACGCCTCCGGCGTCAGCGCT−3’:配列番号8)に基づく、ラットp75NGFRに対する26−merアンチセンス配列を別の実験において試行し、効果的ではあるが、その効果は前記18−merよりも低いことを発見した。
使用したオリゴの大部分は実験期間中を通じて1回以上の合成から得たものであり、各ケースにおいて、該オリゴの効果は別の合成で得たオリゴの効果と一致した。使用前に、オリゴを逆相HPLCに付し、アセトニトリルで溶離し、凍結乾燥し、H2O中で2回再懸濁して揮発性汚染物を除去することによって精製し、次いでセファデックスG25ゲル濾過によってさらに精製した。
*p<0.05,スチューデントのTテスト;
**p<0.05、各7回の実験に対して。
実施例9
一定量のp75NGFRを発現するニューロン細胞系の構築
下記の細胞系を創製した。
1)PC12−2CL:この系は、p75NGFRの発現が非常に低く、したがってNGFを取り去っても死亡しない。
2)PC12−2CH:p75NGFRの発現は中レベルであり、NGFを取り去るとかなり急速に死亡する。
3)PC12−4AおよびPC12−4B:p75NGFRの発現は高レベルであり、NGFを取り去ると急速に死亡する。
4)PC124BS:p75NGFRの発現は非常に高レベルであり、NGFを取り去ると、非常に急速に死亡する。
5)PC12−4BRS:p75NGFRの発現は最も高レベルであり、NGFを取り去ると、きわめて非常に急速に死亡する。
1)PC12−4BRS:p75NGFRの発現は非常に高い。
PC12細胞に、p75NGFR発現構築物を電気穿刺によって安定してトランスフェクションさせた。“geo”cDNA(ネオマイシン耐性遺伝子をベータガラクトシダーゼの遺伝子と結合させる)を細胞へ共電気穿刺を行った。ジェネティシンの存在下にコロニーを得、クローニングにより増殖させて、新規の細胞系を得、次いでこれを特徴づけした。最初、固定後に、免疫ペルオキシダーゼを用いてp75NGFRに対して細胞を染色し、これに基づいてさらなる改良のための2つの細胞系を選択した。次いで、これらをFACS選別に付し、増殖させ、最上位15%のp75NGFR発現細胞を維持し、高発現系(PC12−4ASおよびPC12−4BS)を得た。幾つかの細胞を維持し、培養して増殖させ、FACS選別工程を3回繰り返して、p75NGFRを非常に高レベルで発現するPC12変異体(PC12−4BRS)を得た。FACS選別工程の各回において、最高の15%のp75NGFR発現があった細胞のみを保持した。上記工程を通じて、ニューロンの別の表現型が出現するのを防止するために、細胞を高血清かつ無NGFの状態に維持することが必要であった。
各選別後、最上位15%のp75NGFR発現グループをアリコート中で冷凍した。
PC12−4AS、PC12−4BSおよびPC12−4ARS細胞を解凍し、培養して成長させ、免疫ペルオキシダーゼ染色を行うと、高レベルのp75NGFR発現を保有していることがわかった。
高および低レベル発現細胞PC12−2Cを、対照トランスフェクトPC12細胞(すなわち、geo遺伝子をトランスフェクトされているがp75NGFRはトランスフェクトされていない細胞)から得た。それゆえに、それらの細胞は内在性のp75NGFR遺伝子のみを発現した。これらを選別に付し、最上位15%の発現細胞を集め、すぐに実験に用いるかまたはアリコート中で冷凍した。これらの細胞をPC12−2CHと命名した。同様に、最下位15%の発現細胞を集め、すぐに実験に用いるかまたはアリコート中で冷凍した。これらの細胞をPC12−2CLと命名した。ノーザンブロット分析により、各細胞系のp75NGFR発現レベルを確認した。p75NGFR発現レベルが低下する順序で細胞系をならべると、PC12−4BRS、PC12−4B、PC12−2CH、PC12−2CLとなる。
実施例10
p75NGFR誘発性細胞死およびp75NGFRアンチセンス下方調節による救助
血清を除去し、NGFを添加することによって、PC12細胞をニューロンに分化誘導することができる。その後、それらはNGF依存性になり、NGF剥奪後は死亡する。
p75NGFRの役割をさらに分析するために、実施例9で記載したニューロン細胞系を分析した。これらの細胞系を一定量のp75NGFRを発現するように設計した。ただし、他の面においては同一である。
下記の3つの細胞系を用いて、NGF除去実験を行った。
PC12−4BRS(最高レベルのp75NGFR発現)
PC12−2CH(高レベルのp75NGFR発現)
PC12−2CL(低レベルのp75NGFR発現)
NGF除去後、低レベルp75NGFR発現細胞は生き残ったが、高レベル細胞は死亡した。さらに、死亡率はp75NGFR発現の増加とともに増加した(図7)。NGF除去時(細胞死亡開始時)から、抗NGF抗体を添加し、それによってp75NGFRがNGFの“スポンジ”として作用すという解釈を排除した。
これらの結果から、標準的にp75NGFRとtrkAの両方を発現する細胞系においてp75NGFRがニューロン死を誘発することがわかる。さらに、細胞死の誘発において重要なことは、p75NGFRが過剰に存在することである。過剰である場合にp75NGFRは細胞死を誘発し、死亡率はp75NGFRの量に依存性であった。
アンチセンス実験も行った。NGFの不在下において、p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド処理は、PC12ニューロン(p75NGFRを標準レベルで発現する)の生き残りを増加する(図8)。
実施例11
アンチセンスオリゴヌクレオチドを試験するためのインビボモデル
次の神経損傷インビボモデルを用いて、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの試験を行うことができた
1)末梢神経横断損傷および末梢神経挫滅損傷
これらの障害は、感覚および運動ニューロンの死を誘発する。座骨および上腕神経にこれらの障害の両方を施し、L5およびL8レベルの脊椎ニューロンにおいてそれぞれ、前述のように細胞をカウントする。これらの障害モデルが重要性は、障害を受けたニューロンがp75NGFRを発現し、かつNGF感受性であることにある。
2)海馬ふさの傷害
立体配列的剥脱によってこの傷を施すが、それには特別の器具および熟練者が必要である。これは、ラットにおけるアルツハイマー病の研究用の最適動物モデルであると考えられる。海馬ふさの傷害は、脳内の主なp75NGFR発現ニューロンであり、アルツハイマー病の主要な病巣であるコリン作動性前脳ニューロンの死を誘発する。
実施例12
ニューロンにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドの取り込みおよび輸送
軸索切開された感覚ニューロンによって、ビオチン化アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチドが逆行的に輸送されることが示された。腰椎の脊髄神経節の感覚ニューロンは通例、ビオチンに対して着色しない。しかし、座骨神経の近位断端へのビオチン標識アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチドの注入後は、多くのニューロンはビオチン陽性である(図7)。これらの実験においては、新生児ラットの横切断した座骨神経の近位断端にビオチン化オリゴヌクレオチドを注入し、該断端を結索した。注入は、チップの直径が50〜100mmのガラス製マイクロピペットを用いて行い、ピコスプリッツァーを用いる圧縮空気手段によって内容物を発射した。7日後、2%パラホルムアルデヒドで動物を急速に灌流し、同側および対側性L4およびL5脊髄神経節をはずした。該神経節をティッシュー−テク(Tissue−Tek)に置き、窒素冷却したイソペンタン中で冷凍した。厚み10mmの切片を切り出し、AES塗布スライドに載せ、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体(Vecstain Elite Kit,ベクター・ラボラトリーズ)を用いて染色した。
実施例13
インビボにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドによるp75NGFRの下方調節
アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチド処理は、腰椎の脊髄神経節の軸索切開した感覚ニューロンにおいてp75NGFRタンパク質の発現を減少した。無傷の神経節(アンチセンスオリゴヌクレオチド処理なし)においては、p75NGFR陽性ニューロンは多数あったが、p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した軸索切開した神経節では、p75NGFR陽性細胞の数は非常に減少した。パラホルムアルデヒドおよびメタノールで組織を固定した後、モノクローナル抗体MC192(ベーリンガー・マンハイム)を用いて低親和性NGF受容体を視覚化した。
PBS、センスおよびアンチセンス処理後、p75NGFRに対して陽性の神経節細胞をカウントすることによって、p75NGFRの発現におけるp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を定量した。腰椎の脊髄神経節におけるp75NGFR陽性ニューロンのパーセントを図8Bに示す。PBSおよびセンス対照グループでは、約64%の感覚ニューロンがp75NGFR陽性である。しかし、p75NGFR陽性細胞数の劇的減少が、アンチセンスp75NGFRオリゴヌクレオチド処理した動物において見られる。グループ毎にカウントされたニューロンの合計数は、224(PBS)、233(センス)、163(アンチセンス)であった。
実施例14
軸索切開された感覚ニューロンのインビボにおける損失の防止について、p75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチド処理に基づいて論証した(図5)。3日齢マウスの上腕(正中または尺骨神経)または座骨神経を横切断し、少量のゲルフォーム(約1mm3)で処理し、PBSまたは50μMオリゴヌクレオチドを含有する20%プルロニックゲル溶液(BASF)中に浸漬した。
図5は、頸管(C8)および腰椎(L5)脊髄神経節の軸索切開された感覚ニューロンの損失の程度を要約したものである。センスおよびPBS処理された対照動物においては、損失は約40%であった。しかし、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理は、両方の神経節において約15%まで損失を劇的に減少したが、このことは、さもなければ死亡しているであろうニューロンの70%が救助されることを意味している。
使用したオリゴヌクレオチドは、ラット3’AS(配列番号4)およびラット3’センス(配列番号5)である。
実施例7の記載に従って、5日後に2%パラホルムアルデヒドを用いて動物の経心臓灌流を行い、頸管(C8)および腰椎(L5)DRGを解剖し、ニューロンのカウントを行った。グループ間の統計的差異をスチューデントのtテストを用いて評価した。
表1の説明
NGF不在下における48〜60時間後のアンチセンス処理DRGニューロンの生き残りの増加。他に指示がない限り、10%FBSの存在下にて実験を行った。植え付け時および48〜60時間後に、アンチセンス処理および対照培養物における個々のテラサキウエル中の生存可能な細胞をカウントした。ノンオリゴ処理培養物と対照オリゴ処理培養物との生き残り間に見られる付随的変動を排除するために、対照培養物[センスまたはナンセンスオリゴヌクレオチドのいずれかを含む:多数の実験を行った結果、センス(配列番号5)培養物およびナンセンス(配列番号7)(ランダム配列)培養物の間に、生き残りにおいて差異はないことがわかった]と比較した場合のアンチセンス処理による培養物中の生き残りの増加として結果を表現した。血清を用いるP2マウスDRG実験から得られる典型的な絶対的な生き残りの数値は、21.6%(非処理)、28.9%(ナンセンス)、51%(アンチセンス)、48%(NGF5ng/ml,オリゴなし)、64%(NGF50ng/ml)であった。ラットp75NGFRmRNA(ラットAS(配列番号4))に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(5μM)処理によって、P2マウスニューロンの生き残りは、幾つかの実験において約100%が観察されたが、7回の実験の平均では58%増加した。P2実験のうちの4つにおいて抗NGFモノクローナル抗体(ベーリンガー、ドイツ)を加えたが、これによって増加効果が減少されることはなかった。生き残りの増加は、ヒヨコアンチセンス配列(ヒヨコAS(配列番号6))を用いるマウス培養物においても起こったが、ラットASを用いた結果よりも低かった。ヒヨコASは、E11ヒヨコDRGニューロン(ラットのP2段階に発達途上的に近い)において生き残りを増加することができたが、P2ラットニューロンにおいては、ラットASのみが、生き残りの増加を引き起こした。p75NGFRアンチセンス処理の生き残り増加効果は、F12,E15またはE19のマウスDRGにおいては現れなかった。すべてのケースにおいて18−merホスホロチアノエートオリゴヌクレオチドを使用し、選択した配列は、コード領域の3’末端と逆方向に向けた。
当業者であれば、特記されたもの以外に、本発明が変化および修飾可能であることを正しく評価しうるであろう。本発明がすべてのそのような変化および修飾を包含することを理解すべきである。本発明はまた、本明細書中において言及あるいは指摘したすべての段階、特性、組成物および化合物を、個々にあるいは集合的に包含し、2またはそれ以上の該段階または特性のいずれかの組み合わせを、そのいずれかおよびすべてにおいて包含する。
参考文献
1. Levi-Montalcini、R. Ann. Rev. Neurosci 5: 341-362, 1982.
2. Lee, K.F.等、Cell 69: 737-749, 1922.
3. Agrawal, S.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 7595-7599, 1991.
4. Murphy, M.等、Neurosci 117: 1173-1182, 1993.
5. Yip, H.K.等、Neurosci 4: 2989-2992, 1984.
6. Meakin, S.O.等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 2374-2378, 1992.
7. Martin-Zanca, D.等、Genes Dev. 4: 683-694, 1989.
8. Hempstead, B.L.等、Nature. 35: 678-682, 1991.
9. Jing, S.等、Neuron 9: 1067-1079, 1992.
10. Clarke, P.G.H., Trends Neurosci 15: 211-212, 1992.
11. Pollin, M.M.等、Development 112: 83-89, 1991.
12. Klein等、Cell 65: 189, 1991.
13. Svinarchuk等、Biochemie 75: 49-54, 1993.
14. Ortigao等、Biochemie 75: 29-34, 1993.
15. Degols等、Antisense Res Dev 2: 293-301, 1992.
16. Bunnell等、Somat Cell Mol Genet 18: 559-569, 1992.
17. Maniatis等、Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor,ニューヨーク,米国.1982.
配列表
(1)一般的情報:
(i)特許出願人(アメリカ合衆国以外):ザ・ワルター・アンド・エリザ・ホール・インスティテュート・オブ・メディカル・リサーチ
(アメリカ合衆国のみ):バレット,グレアム
(ii)発明の名称: ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤
(iii)配列の数: 9
(iv)連絡先:
(A)住所: デービス・コリソン・ケイブ
(B)通り: 1リトル・コリンズ・ストリート
(C)市: メルボルン
(D)州: ビクトリア
(E)国: オーストラリア
(F)ZIP: 3000
(v)コンピューター解読書式:
(A)媒体型: フロッピーディスク
(B)コンピューター: IBM PC適合
(C)オペレーティングシステム: PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア: PatentIn Release #1.0, Version #1.25
(vi)本出願のデータ:
(A)出願番号: PCT国際出願出願
(B)出願日: 1994年10月18日
(vii)優先権主張出願のデータ:
(A)出願番号: オーストラリア PM/1870
(B)出願日: 1993年10月18日
(viii)弁理士/代理人情報:
(A)氏名: ヒュース,ドクター・イー・ジョン・エル
(B)参照: EJH/EK
(ix)電話連絡先情報:
(A)電話番号: +61 3 254 2777
(B)ファックス番号: +61 3 254 2770
(C)テレックス番号: AA 31787
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 19塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号1:
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 23塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号2:
(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 23塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号3:
(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 17塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号4:
(2)配列番号5の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 18塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号5:
(2)配列番号6の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 18塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号6:
(2)配列番号7の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 18塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号7:
(2)配列番号8の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 26塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号8:
(2)配列番号9の情報:
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ: 19塩基対
(B)配列の型: 核酸
(C)鎖の数: 一本鎖
(D)トポロジー: 直鎖状
(ii)分子型: DNA オリゴヌクレオチド
(iii)ハイポセティカル配列: ノー
(xi)配列: 配列番号9:
Claims (26)
- ニューロン上での低親和性神経成長因子(NGF)受容体、p75NGFRの発現を下方調節するために用いる薬剤であって、活性成分としてp75NGFRをコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1により表される19塩基よりなる薬剤。
- アンチセンス分子が、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、または親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、またはポリ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項1に記載の薬剤。
- 哺乳類の病気および/または外傷に伴う神経変性状態の発症を遅らせるために用いる薬剤であって、有効成分としてp75NGFRをコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1により表される19塩基よりなる薬剤。
- ニューロンが感覚ニューロン、交感神経性ニューロン、中枢コリン作動性ニューロン、運動ニューロン、または小脳ニューロンである請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤。
- ニューロンが感覚ニューロンである請求項4に記載の薬剤。
- 哺乳類が、ヒト、家畜、実験室の試験動物、または捕らえた野性動物である請求項3に記載の薬剤。
- 哺乳類がヒトである請求項6に記載の薬剤。
- 哺乳類のニューロンの生き残りを促進するために用いる薬剤であって、活性成分としてp75NGFRアンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1により表される19塩基よりなる薬剤。
- ニューロンが感覚ニューロン、交感神経ニューロン、中枢コリン作動性ニューロン、運動ニューロン、または小脳ニューロンである請求項8に記載の薬剤。
- ニューロンが感覚ニューロンである請求項9に記載の薬剤。
- 哺乳類がヒト、家畜、実験室の試験動物、および捕らえた野性動物より選択される請求項8に記載の薬剤。
- 哺乳類がヒトである請求項11に記載の薬剤。
- アンチセンス分子が、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、または親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、またはポリ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項8〜12のいずれかに記載の薬剤。
- 哺乳類の病気および/または外傷に伴う神経変性状態の予防および/または治療するために用いる薬剤であって、有効成分としてニューロン上のp75NGFRの発現を下方調節することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1で示される19塩基よりなる薬剤。
- ニューロン上のp75NGFRの発現の下方調節が、神経変性状態、病気または外傷の発症後のニューロンの生き残りを促進する請求項14に記載の薬剤。
- 哺乳類が、ヒト、家畜、実験室用試験動物、または捕らえた野性動物である請求項14または15に記載の薬剤。
- 哺乳類がヒトである請求項16に記載の薬剤。
- 動物のニューロンのp75NGFRの発現を下方調節することのできる、配列番号1で示される19塩基のヌクレオチドよりなるアンチセンスオリゴヌクレオチド。
- 動物が、哺乳類である請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
- 哺乳類が、ヒト、家畜、実験室用試験動物、または捕らえた野性動物である請求項19に記載のオリゴヌクレオチド。
- 哺乳類がヒトである請求項20に記載のオリゴヌクレオチド。
- アンチセンスオリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであるか、または親油性基、メソテトラカルボキシポルフィン、ポリ−L−リシン、またはポリ−L−リシンを介してタンパク質にコンジュゲートしている請求項18〜21のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド。
- ニューロンにおけるp75NGFRの発現を下方調節することができる、配列番号1で示されるオリゴヌクレオチドを含んでなる医薬組成物であって、該組成物は、1以上の薬学的に許容し得る担体および/または希釈剤をさらに含んでなり、アンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1により表される19塩基よりなる医薬組成物。
- オリゴヌクレオチドがホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである請求項23に記載の医薬組成物。
- 損傷したニューロンを有する哺乳類の処置用の医薬の製造における、ニューロンでのp75NGFRの発現を下方調節できる、アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用であって、アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号1により表される19塩基よりなる使用。
- 哺乳類が、脳性小児麻ひ、外傷に由来する麻ひ、卒中に伴う血管の虚血、神経腫瘍、運動ニューロン病、パーキンソン病、ハンチングトン病、アルツハイマー病、多発硬化、および末梢神経障害から選択される状態を患っている請求項25に記載の使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
AU1870 | 1993-10-18 | ||
AUPM187093 | 1993-10-18 | ||
PCT/AU1994/000631 WO1995011253A1 (en) | 1993-10-18 | 1994-10-18 | A method for enhancing neurone survival and agents useful for same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09503512A JPH09503512A (ja) | 1997-04-08 |
JP4281926B2 true JP4281926B2 (ja) | 2009-06-17 |
Family
ID=3777280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP51109095A Expired - Lifetime JP4281926B2 (ja) | 1993-10-18 | 1994-10-18 | ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US5837694A (ja) |
EP (2) | EP0724589B1 (ja) |
JP (1) | JP4281926B2 (ja) |
AT (1) | ATE312175T1 (ja) |
CA (1) | CA2174425A1 (ja) |
DE (1) | DE69434569T2 (ja) |
WO (1) | WO1995011253A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000067777A1 (en) * | 1999-05-07 | 2000-11-16 | Biofan Pty Ltd | A method of prophylaxis and treatment and agents useful therefor |
US8110217B2 (en) * | 2001-08-13 | 2012-02-07 | University Of Pittsburgh | Sphingomyelin liposomes for the treatment of hyperactive bladder disorders |
AU2002323151A1 (en) * | 2001-08-13 | 2003-03-03 | University Of Pittsburgh | Application of lipid vehicles and use for drug delivery |
AUPS230702A0 (en) * | 2002-05-14 | 2002-06-13 | Walter And Eliza Hall Institute Of Medical Research, The | A method of treatment |
US20040176291A1 (en) * | 2002-09-24 | 2004-09-09 | Elly Nedivi | Methods and compositions for soluble CPG15 |
JP2007528202A (ja) * | 2003-03-28 | 2007-10-11 | 株式会社インテレクチャル・プロパティ・コンサルティング | 神経再生のための組成物および方法 |
US7556942B2 (en) * | 2003-07-15 | 2009-07-07 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Tumor suppressor designated Hippo |
PT3342425T (pt) | 2003-09-09 | 2020-03-05 | Geron Corp | Oligonucleótidos modificados por inibição da telomerase |
WO2005032476A2 (en) * | 2003-09-30 | 2005-04-14 | Massachusetts Institute Of Technology | Methods and compositions for cpg15-2 |
WO2007095113A2 (en) * | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Massachusetts Institute Of Technology | Cpg15 and cpg15-2 compounds and inhibitors as insulin receptor and insulin-like growth factor receptor agonists and antagonists |
US8785409B2 (en) * | 2007-01-30 | 2014-07-22 | Geron Corporation | Compounds having anti-adhesive effects on cancer cells |
JOP20200257A1 (ar) | 2014-05-01 | 2017-06-16 | Geron Corp | تركيبات أوليجو نوكليوتيد وطرق لتحضيرها |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2006008C (en) * | 1988-12-20 | 2000-02-15 | Donald J. Kessler | Method for making synthetic oligonucleotides which bind specifically to target sites on duplex dna molecules, by forming a colinear triplex, the synthetic oligonucleotides and methods of use |
US5585479A (en) * | 1992-07-24 | 1996-12-17 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Antisense oligonucleotides directed against human ELAM-I RNA |
AU5102493A (en) * | 1992-09-11 | 1994-04-12 | Cephalon, Inc. | A method for the detection and treatment of prostate disease |
WO1994006945A1 (en) | 1992-09-11 | 1994-03-31 | Nippon Kinzoku Co., Ltd. | Refined magnesium material and process for producing the same |
-
1994
- 1994-10-18 EP EP95914227A patent/EP0724589B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-10-18 JP JP51109095A patent/JP4281926B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1994-10-18 EP EP05026573A patent/EP1683863A3/en not_active Withdrawn
- 1994-10-18 CA CA002174425A patent/CA2174425A1/en not_active Abandoned
- 1994-10-18 US US08/633,792 patent/US5837694A/en not_active Expired - Fee Related
- 1994-10-18 WO PCT/AU1994/000631 patent/WO1995011253A1/en active IP Right Grant
- 1994-10-18 DE DE69434569T patent/DE69434569T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1994-10-18 AT AT95914227T patent/ATE312175T1/de not_active IP Right Cessation
-
1998
- 1998-05-11 US US09/075,717 patent/US6174869B1/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09503512A (ja) | 1997-04-08 |
US5837694A (en) | 1998-11-17 |
EP0724589A4 (en) | 1998-09-16 |
WO1995011253A1 (en) | 1995-04-27 |
EP1683863A3 (en) | 2006-08-02 |
ATE312175T1 (de) | 2005-12-15 |
EP0724589A1 (en) | 1996-08-07 |
EP0724589B1 (en) | 2005-12-07 |
DE69434569T2 (de) | 2006-08-24 |
DE69434569D1 (de) | 2006-01-12 |
US6174869B1 (en) | 2001-01-16 |
CA2174425A1 (en) | 1995-04-27 |
EP1683863A2 (en) | 2006-07-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Ferreira et al. | Suppression of kinesin expression in cultured hippocampal neurons using antisense oligonucleotides. | |
Syroid et al. | Induction of postnatal schwann cell death by the low-affinity neurotrophin receptor in vitro and after axotomy | |
de Rivero Vaccari et al. | A molecular platform in neurons regulates inflammation after spinal cord injury | |
Kanwar et al. | Simultaneous neuroprotection and blockade of inflammation reverses autoimmune encephalomyelitis | |
CA2125974C (en) | Senescent cell derived inhibitors of dna synthesis | |
US6022863A (en) | Regulation of gene expression | |
Ahmed et al. | Schwann cell-derived factor-induced modulation of the NgR/p75NTR/EGFR axis disinhibits axon growth through CNS myelin in vivo and in vitro | |
JPH09505465A (ja) | 神経増殖を調整し、β/A4アミロイド誘発形態を逆転させる為のアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用 | |
US7674464B2 (en) | Intracellular interleukin-1 receptor antagonists | |
JP2019500349A (ja) | 中枢神経系疾患の処置のための組成物および方法 | |
JP4281926B2 (ja) | ニューロンの生き残りを増加させる方法およびそれに有用な薬剤 | |
WO1995009236A9 (en) | USING ANTISENSE OLIGONUCLEOTIDES TO MODULATE NERVE GROWTH AND TO REVERSE β/A4 AMYLOID-INDUCED MORPHOLOGY | |
KR20220077933A (ko) | Sod-1 발현을 조절하기 위한 조성물 | |
DE69829857T2 (de) | Hypoxie-regulierte gene | |
US8828959B2 (en) | Antisense oligonucleotides capable of inhibiting the formation of capillary tubes by endothelial cells | |
RU2663100C2 (ru) | Ми-рнк и их применение в способах и композициях для лечения и/или профилактики глазных состояний | |
US7482323B2 (en) | Intracellular interleukin-1 receptor antagonist and uses thereof | |
AU689145B2 (en) | A method for enhancing neurone survival and agents useful for same | |
US6229006B1 (en) | Use of antisense oligodeoxynucleotides to produce truncated proteins | |
November | Method for enhancing neurone survival and agents useful for same | |
US20150104870A1 (en) | Neuronal differentiation promoter | |
JPH11199507A (ja) | 脳疾患及び神経疾患治療薬 | |
EP1536840B1 (de) | Formulierung zur einschleusung von nukleinsäuren in eukaryotischen zellen | |
WO2001079441A9 (en) | Gene inactivation by targeted dna methylation | |
EP2355840A2 (en) | Chemoattractants inhibitors and the use thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20031208 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20040202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040309 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050301 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050620 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050707 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20051215 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20070904 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20070910 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080701 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080709 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080723 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080801 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20080901 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20080910 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081001 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090116 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090312 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |