JPH09503210A - ブランハメラ・カタラリスに対するワクチン - Google Patents

ブランハメラ・カタラリスに対するワクチン

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JPH09503210A JP7510417A JP51041794A JPH09503210A JP H09503210 A JPH09503210 A JP H09503210A JP 7510417 A JP7510417 A JP 7510417A JP 51041794 A JP51041794 A JP 51041794A JP H09503210 A JPH09503210 A JP H09503210A
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Abstract

(57)【要約】 ブランハメラ・カタラリスの外膜蛋白質“CD”、及びそのペプチド類及びオリゴペプチド類を含む組成物が記載されている。更に、この蛋白質、ペプチド又はオリゴペプチドをコード化するヌクレオチド配列が開示されており、これらの配列を含む組換えベクターも開示されている。蛋白質、ペプチド又はオリゴペプチドは、これらの組換えベクターを含む宿主細胞系から製造することかできる。又、ペプチド類及びオリゴペプチド類は化学的にも合成することができる。この蛋白質、ペプチド類及びオリゴペプチド類の、ワクチン製剤用の抗原としての使用、及び診断イムノアッセイにおける抗原としての使用も開示されている。このヌクレオチド配列は、組換え細菌性ワクチンを構築する際に弱毒化された細菌の中へ挿入するための、及び、組換えウイルスワクチンを構築する際にウイルスベクターの中へ挿入するためのワクチンとして使用するベクターを構築するのに有用である。又、ビー・カタラリスを検出するための分子診断アッセイにおけるプライマー及び/又はプローブとして、CDをコード化する遺伝子に関連したヌクレオチド配列の使用も記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 ブランハメラ・カタラリスに対するワクチン 本発明は、米国国立衛生研究所より与えられた助成金 A128304号の政府援助に よってなされたものである。米国政府は本発明に特定の権利を有している。 本願は、1993年9月29日付けで出願した私の同時係属中の先願である米国特許 願第08/129,719号の一部継続出願である。尚、この出願は本願明細書に援用する ものである。発明の技術分野 本発明は、ブランハメラ・カタラリス(カタル球菌、Branhamella catarrhalis )の外膜に関連する蛋白質及びそのペプチド類とオリゴペプチド類を含有する組 成物に関する。更に詳しくは、本発明は、ビー・カタラリスに見られる見掛け分 子量が約55,000〜60,000ダルトンの外膜蛋白質“CD”に関連する 蛋白質及びそのペプチド類とオリゴペプチド類に関する。又、組換えDNA及び /又は生化学的方法を用いてCD及びCDペプチド類を製造する方法も開示する 。又、これらに関連して、CDをコードするDNA配列、CD及びCDのペプチ ド類とオリゴペプチド類を発現させるのに有用な組換えベクター、並びにこのよ うな組換えベクターによって形質転換された宿主細胞を開示する。 これらの蛋白質類、ペプチド類及びオリゴペプチド類は、能動免疫化に用いる ワクチン製剤の免疫原として用いられ、及び受動免疫化に有用な蛋白質特異的抗 血清とペプチド特異的抗血清を生成させるために用いることができ、並びに診断 アッセイ用試薬として用いることができる。本願明細書に開示するヌクレオチド 配列は、ビー・カタラリス(B.catarrhalis)の遺伝物質の検出を行う診断アッセ イに試薬として用いることが可能で、かつ遺伝ワクチン製剤として用いる発現ベ クター中に組み込むことができる対応するオリゴヌクレオチドの合成に用いられ る。発明の背景 ブランハメラ・カタラリス(モラクセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis )としても知られている)は、ヒトの気道の有力な病原体である。ビー・カタラ リスは、発症因子を確認するため鼓室穿刺術が用いられている研究で立証されて いるように、ストレプトコッカス・ニウモニエ(Streptococcus pneumoniae)と型 別不能のヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)に次いで3番 目に最も普通の、幼児と小児の中耳炎の原因である(Murphy,Pediatr.Infect .Dis.J.,8巻、S75-S77,1989年)。ビー・カタラリスは、小児と成人の両者 の静脈洞炎と結膜炎の普通の原因であり(例えばBluestone,Drugs,31巻、S132 -S141,1986年; Brorson等,Scand.J.Infect.Dis.,8巻、151-155頁、1976 年;及びRomberger等,South.Med.J.,80巻、926-928頁、1987年参照)、そし て、慢性気管支炎と慢性の閉鎖性肺疾患の成人の下気道感染症の有力な原因であ る(Murphy等,Am.Rev.Respir.Dis.,146巻、1067〜1083頁,1992年;Catlin ,Clin.Microbiol.Rev.,3巻、293-320頁、1990年)。その上に、ビー・カタ ラリスは、易感染性宿主に肺炎、心内膜炎、敗血症及び髄膜炎を起こすことがあ る(Cocchi等,Acta Paediatr.Scand.,57巻、451-453頁、1968年;Douer等,A nn.Intern.Med.,86巻、116-119頁、1977年;McNeely等,Am.Rev.Respir.D is.,114巻、399〜402頁,1976年)。 反復性中耳炎はかなりの罹患率であるから、このような感染症を予防する戦略 を明らかにすることに関心がある。その方法の一つはワクチンの開発である。細 菌性中耳炎を予防するのに有効なワクチンは、エス・ニウモニエ、型別不能のエ イチ・インフルエンゼ及びビー・カタラリスによる感染に対して防護する抗原を 含有している必要がある。実際に、肺炎球菌と型別不能のエイチ・インフルエン ゼに対するワクチンの開発が進行中であり、可能性がある防御抗原が確認されて 現在試験中である(例えば、Murphy等の米国特許第 5,173,294号及びVella等,I nfect.Immun.,60巻、4977〜4983頁、1992年参照)。これらのワクチンが開発 されて一層広く使用されると、ビー・カタラリスの中耳炎の原因としての相対的 な重大性が、次の10年間に増大するであろう。ビー・カタラリスが起こす中耳 炎を予防するワクチンから利益を受ける幼児と小児だけでなく、慢性閉鎖性肺疾 患の成人及び易感染性の小児と成人もビー・カタラリスが起こす感染症を予防す るワクチンから利益を受けるであろう。 可能性があるワクチン抗原として研究されている細菌の成分としては、多糖類 、リポ多糖類又はその修飾体及び外膜蛋白質類がある。一般に、エイチ・インフ ルエンゼのb型莢膜多糖によって代表されるように、多糖類の抗原は18箇月未 満の年齢の小児の場合、不充分な免疫原であることが分かっている。リポ多糖類 (LPS)による能動免疫化は、その固有の毒性のため許容できない。LPSの 病態生理学的な作用としては、発熱、白血球減少症、白血球増加症、シュワルツ マン反応、播種性血管内凝固、及び多量投与時のショックと死亡が挙げられる。 一般に蛋白質は、年齢が約3箇月の幼児の場合、免疫原性を有している。従って 、外膜蛋白質は、可能性があるワクチン抗原として研究されている。 ビー・カタラリスの外膜蛋白質を中心にして細菌研究が開始されているが、こ れら蛋白質の抗原構造と分子構造についてはほとんど分かっていない。SDS− PAGEによる精製外膜の試験によって、ビー・カタラリスの菌株中にかなり均 一なパターンで存在することが明らかになっている(Bartos及びMurphy,J.Inf ect.Dis.,158巻、761〜765頁、1988年)。A−Hのアルファベット文字で呼ば れる8種の主外膜蛋白質が同定されている(Murphy等,Microbial Pathogen.,6 巻、159〜174頁、1989年;Bartos等,J.Infect.Dis.,158巻、761〜765頁、19 88年)。外膜蛋白質CとDは見掛けの分子量の差がわずかなので、SDS−PA GE電気泳動法でダブレットとして出現する。ビー・カタラリスに対するモノク ローナル抗体を発生させて2種のモノクローナル抗体7D6と5E8が得られて いるが、これらの抗体は蛋白質CとDの両者を認識した(Sarwar等,Infect.Im mun.,60巻、804〜809頁、1992年)。本発明が開発される前は、このダブレット が二つの安定な立体配座を有する単一の蛋白質(CD)を表すのかどうか、又は CとDが異なる遺伝子によってコードされる2種の密接な類縁関係にある蛋白質 であるのかどうか知られていなかった(Sarwar等の上記文献)。蛋白質CとDは 、無傷のビー・カタラリスの表面上に少なくとも一つの保存エピトープを発現す るので、特にワクチンを開発するのに重要である(Sarwar等の1992年の上記文献 )。 従って、ビー・カタラリスが重大な細菌病原であるという認識が高まって、小 児と成人にとって免疫原性であるワクチンが要望されている。このようなワクチ ンは、無傷の細菌上に表面露出エピトープを有する細菌成分に関連するものでな ければならず、そのエピトープはビー・カタラリスの菌株中に保存されている。発明の要約 本発明は、見掛け分子量が約55,000〜60,000ダルトンであるビー ・カタラリスの外膜蛋白質に関連する蛋白質とペプチド類に関する。なお、この 外膜蛋白質は以前は2種の類縁蛋白質C及びDであると考えられていたが、本明 細書に開示する組換えDNA法によって、現在は1種の蛋白質CDであることが 分かっており、この蛋白質は熱によって一時的に変異し(heat modifiable)、 SDSゲル中の泳動が異なる2種の蛋白質の外観を示す。本発明のCD蛋白質、 及びそのペプチド類(本明細書では“CDペプチド類”と呼ぶ)とオリゴペプチ ド類(本明細書では“CDオリゴペプチド類”と呼ぶ)は、予防及び/又は治療 用のワクチン製剤中の免疫原として、又はビー・カタラリス特異的抗体の血清力 価の増大を測定することによってビー・カタラリス感染症を検出する診断イムノ アッセイにおける抗原として使用できる。又、本発明のCD蛋白質、CDペプチ ド類及びCDオリゴペプチド類は、受動免疫化を行うのに有用なCD特異的抗体 を生成させるのに使用できるし、臨床試料中にビー・カタラリスが存在するのを 検出する診断アッセイ用の試薬としても使用できる。CDペプチド類又はCDオ リゴペプチド類は、化学的に合成するか、ビー・カタラリスから精製するか、又 は本明細書に開示の核酸配列を用いて組換えベクター発現系から産生させること によって得ることができる。 本発明の一つの実施態様は、プラスミドDNA;並びに発現された蛋白質又は ペプチド類を精製できる適当な宿主細胞内でCD蛋白質、CDペプチド類又はC Dオリゴペプチド類を発現させるのに使用できるヒトウイルス、動物ウイルス、 昆虫ウイルス、又はバクテリオファージのようなウイルスのDNAとを含む新規 なDNA配列とベクターの構築に関する。 又、本発明の他の実施態様は、CDをコード化する遺伝子、及びCDペプチド 類又はCDオリゴペプチド類をコード化する遺伝子フラグメントの分子クローン 化を行う方法を提供するものである。本発明の核酸配列は、核酸を増幅し、その 増幅された核酸を検出する際のプライマー及び/又はプローブとして使用するC D配列特異的オリゴヌクレオチドの合成を含めて、核酸のハイブリット形成によ るビー・カタラリス遺伝物質の分子診断アッセイに用いることができる。 その上、CD蛋白質、CDペプチド類及びCDオリゴペプチド類は、免疫原が 、化学的に合成されたもの、ビー・カタラリスから精製したもの、又は組換え発 現ベクター系から精製したものであっても、ビー・カタラリスの病原菌株に対す る予防及び又は治療のワクチンにおける免疫原として使用できる。あるいは、C Dコード化する遺伝子又はCDペプチド類もしくはCDオリゴペプチド類をコー ド化する一つ以上の遺伝子フラグメントは、それ自体で又は他の病原微生物の免 疫原性エピトープと組合わせてCDの免疫原性エピトープを一つ以上産生するよ う製造された組換えの細菌又はウイルスを含有する細菌性又はウイルス性のワク チンに組み込むことができる。さらに、一つ以上の調節要素に有効に連結された 、CDをコード化する遺伝子又はCDペプチド類もしくはCDオリゴペプチド類 をコード化する一つ以上の遺伝子フラグメントは、ヒトに直接導入され、蛋白質 CD、CDペプチド類、又はCDオリゴペプチド類を発現して防御免疫応答を誘 発することができる。図面の簡単な説明 図1は、pET11bと、CDをコード化する遺伝子を含有する2.4kbの フラグメントとから構築したプラスミドpCD−1の地図を示す。陰影をつけた 領域はDNA挿入断片を示し、太くした陰影領域はCD遺伝子を示す。使用され ている略語は次のとおりである。Ap:アンピシリン耐性のコーティング領域; Lac:Lacオペロン;bp:塩基対。 図2は、pGEM7zfと、CDをコード化する遺伝子を含有する1.5kb のフラグメントとから構築したプラスミドpCD−2の地図を示す。陰影をつけ た領域はDNA挿入断片を示し、太くした陰影領域はCDをコード化する遺伝子 を示す。使用されている略語は次のとおりである。Ap:アンピシリン耐性のコ ーティング領域;Lac:Lacオペロン;bp:塩基対。 図3は、以下のものの全細胞溶解物の免疫ブロット検定の結果を示す。すなわ ち、レーンa:pGEM7zfで形質転換されたイー・コリHB101;レーン b:CDをコード化する遺伝子を含有するするpCD−2で形質転換されたイー ・コリHB101;及びレーンcとd:ビー・カタラリス菌株25240。レー ンbとcは類似の量の蛋白質(約20μg)を含有し、一方、レーンdは蛋白質 の含有量が少なく、CDの特徴的なダブレットを示す。諸試料は、0.06Mト リス、1.2%ドデシル硫酸ナトリウム、12%グリセリン及び5.8%β−メ ルカプトエタノールを含有する試料緩衝液中で100℃にて10分間インキュベ ートした。その免疫ブロットを、CD蛋白質上のエピトープを認識する抗体5E 8で展開した。分子量のマーカーを左側にダルトンの千位の数値で示してある。 図4は、ビー・カタラリスの13種の菌株の精製ゲノムDNAをEcoRIで 切断し、CD遺伝子配列に対応する二つの標識オリゴヌクレオチドでプローブし たサザンブロット検定の結果を示す。3.7キロ塩基のバンドを示す矢印はCD をコード化する遺伝子内のEcoRI部位の上流のフラグメントを示し、そして 、325個の塩基対のバンドを示す矢印は上記Ecori部位の下流のフラグメ ントを示す。レーンは、左から右へ、以下の菌株:105、112、135、3 、6、10、20、27、31、40、42、45、56由来のDNAを含有し ている。 図5は、ビー・カタラリスの14種の菌株の精製ゲノムDNAをEcoRIと PstIで切断し、CDをコード化する遺伝子内のEcoRI部位とPstI部 位の間の配列に対応する標識オリゴヌクレオチドでプローブしたサザンブロット 検定の結果を示す。レーンは、左から右へ以下の菌株:555、556、585 、3583、3614、4223、4629、5193、6951、9928、 25240、M3、M3、M9由来のDNAを含有している。 図6は、クーマシーブルーで染色したトリシン−ドデシル硫酸ナトリウムゲル を示す。レーンA:精製CD;臭化シアンによる切断で生成したフラグメントを 示す(これらフラグメントの計算された大きさは表2に示す)。レーンbの大き なフラグメントの下方の二重バンドは、CDについて観察されることが多い蛋白 質の非特異的な蛋白質分解の結果である。分子量のマーカーを右側にダルトンの 千位の数値で示してある。発明の詳細な説明 本発明は、“CD”と呼ばれる、ビー・カタラリスの細菌外膜蛋白質及びその ペプチド類の組成物に関する。SDS−PAGEを用いると、CD蛋白質は、熱 で一時的に変異する蛋白質の特徴である2バンドのダブレットとして泳動し、見 掛けの分子量は55,000〜60,000ダルトンである。本発明の一つのヌ クレオチド配列(配列番号14)で分かるように、CDをコード化する遺伝子は 、成熟CD蛋白質の予想アミノ酸配列は計算分子量が約45,788ダルトンで あることを示している。本発明のCD蛋白質、CDペプチド類、及びCDオリゴ ペプチド類は本明細書に述べる組換えDNA法を用いて製造するか、又は本発明 で開示するアミノ酸配列から化学的に合成することができる。さらに、ペプチド 類は成熟蛋白質を酵素によって切断するか、又は化学的に切断することによって 製造することができる。免疫原性エピトープを有するCD蛋白質、CDペプチド 類、及びCDオリゴペプチド類は、ビー・カタラリスが起こす中耳炎、静脈洞炎 、結膜炎、及び下気道感染症を予防する場合の各種ワクチン性剤の免疫原として 用いることができる。更に、本発明によって製造されるCD蛋白質とCDペプチ ド類は、ビー・カタラリスによって起こる感染症に対する受動免疫化に有用なビ ー・カタラリス特異的抗血清を生成させるのに使用できる。 本発明は更に、CDをコード化する遺伝子のヌクレオチド配列並びに単離され た遺伝子から推定されるアミノ酸配列を提供するものである。本発明の一つの実 地態様によれば、組換えDNA法を用いて、CDをコード化する遺伝子、又は一 つの免疫原性エピトープを有する一つ以上のCDペプチドをコード化する遺伝子 フラグメントを発現ベクター中に組み込み、次いで、その組換えベクターを適当 な宿主細胞中に導入して、その特定の宿主細胞内がこれらの配列を発現させる。 その発現系は、宿主細胞に導入された組換えベクターを含有しているが、(a) 精製してワクチン製剤の免疫原として使用できるCD蛋白質、CDペプチド類、 及びCDオリゴペプチド類を製造するのに使用でき;(b)診断イムノアッセイ 又は治療値及び/又は診断値のビー・カタラリス特異的抗血清の生成に用いる抗 原として使用されるCD蛋白質、CDペプチド類、及びCDオリゴペプチド類を 製造するのに使用でき;又は(c)組換え発現ベクターがワクシニアウイルスの ような生ウイルスである場合、そのベクター自体が、CD又は免疫原性のCDペ プチド類もしくはCDオリゴペプチド類を発現させるため宿主細胞中に導入され る生ワクチン製剤又は不活化ワクチン製剤として使用可能であり;(d)CD蛋 白質、CDペプチド類、もしくはCDオリゴペプチド類を発現させて個体に予防 接種するのに使用される生きている弱毒細菌細胞中に導入するのに用いられ;又 は(e)個体に直接導入して、コード化されて発現されるCD蛋白質、CDペプ チド、又はオリゴペプチドに対して免疫化するのに使用される。 上記目的を達成するため、本発明の方法と化合物を以下の実施態様で説明する 。 実施態様A−CDをコード化する遺伝子及びCDエピトープを発現するベクタ ーの分子クローン化と配列決定。 実施態様B−ビー・カタラリス菌株における、CDをコード化する遺伝子の保 存。 実施態様C−ビー・カタラリスを検出するための分子診断アッセイでCD特異 的ヌクレオチド配列を使用する方法。 実施態様D−CDペプチド類の生成を含むCDの特性決定。 実施態様E−診断イムノアッセイにおけるCD又はCDペプチド類の使用方法 。 実施態様F−CDとのCDペプチド類に関連するワクチン製剤に用いる方法と 化合物。 実施態様A CDをコード化する遺伝子及びCDエピトープを発現するベクターの分子クロー ン化と配列決定。 使用する方法は次のとおりであった。すなわち、ビー・カタラリスからゲノム DNAを単離し、その単離されたDNAを切断してフラグメントとし、そのフラ グメントを発現ベクター中に挿入してゲノムライブラリーを構築し、その組換え ベクターを適当な宿主細胞中に導入し、次いで、CD特異的抗血清を用いて、C D特異的エピトープを発現する宿主細胞クローンを免疫選別する方法である。Am erican Type Culture Collection(ATCC)から入手したグランハメラ・カタラリ ス菌株25240を細菌ゲノムDNAの起源として使用した。ビー・カタラリス は、37℃にて5%CO2雰囲気下チョコレート寒天プレート上、又はプレーン ハートインフュージョン(brain heart infusion)ブロス中で増殖させた。エシ エリキア・コリ(イー・コリ)〔Escherichia coli(E.coli)〕Y1090を、バ クテリオファージλgt11ゲノムライブラリー用の宿主菌株として用いた。環 境によって、イー・コリはLBブロス中又は50μg/mlのアンピシリンを含 有するLB寒天中上で増殖させた。クローンを免疫選別するのに用いたモノクロ ーナル抗体は、ビー・カタラリスのCD外膜蛋白質の異なるエピトープを認識す る5E8と7D6であった(Sarwar等の前記文献)。抗体5E8はIgMであり 、無傷の細菌の表面に露出しているエピトープを認識する。抗体7D6はIgG 2aであり、細菌の表面では近づけないエピトープで捕捉する。 λgt11ライブラリーは、すでに報告されている方法(Nelson等,Infect. Immun.,56巻、128〜134頁、1988年)を利用してビー・カタラリス25240の ゲノムDNAで構築した。大きさが2〜8キロ塩基(kb)のゲノムDNAフラ グメントをアガロースゲルから溶出させ、ファージのアームに連結した。そのラ イブラリーの一部をイー・コリY1090中に導入し、得られたプラークをニト ロセルロースのディスク上に移し、次いでモノクローナル抗体5E8と7D6に よって免疫選別を行った。このモノクローナル抗体と共に一夜インキュベートし た後、そのディスクを、プロテインAペルオキシダーゼと抗マウスIgMペルオ キシダーゼの接合体とともにインキュベートし、次に基質の展開(substrate de velopment)を行って免疫反応性プラークを同定する。合計約554,000の プラークを選別して、抗体7D6と5E8が認識するエピトープを発現する38 7塩基対の挿入断片を含有するクローンを得た。このクローン内に含有されてい る挿入断片のヌクレオチド配列を分析したところ、出発コドンも停止コドンも含 有していない読み取り枠を示した(配列番号1)。このクローンのヌクレオチド 配列は、CDをコード化する全遺伝子配列を含有する配列番号14のヌクレオチ ド775〜1160に相当する。このクローンによって産生されるペプチドは、 配列番号1に示すように、配列番号14に示す成熟蛋白質のアミノ酸203〜3 31に相当する。 上記λgt11ゲノムライブラリーを数回選別して小フラグメントのCD遺伝 子を得た後、挿入断片の大きさが約9〜23kbで、ビー・カタラリス2524 0のゲノムDNAを用いてEMBL3ライブラリーを構築した。このライブラリ ーをモノクローナル抗体5E8と7D6で免疫選別を行った。上記EMBL3ゲ ノムライブラリーは当該技術分野で公知の方法を用い(Ausubel等著,“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sonns社、1989年発行) 、かつメーカーの指示(米国カリフォルニア州ラホーヤ所在のStratagene社)に 従って構築した。要約すると、ビー・カタラリス25240のゲノムDNAをS DS,プロテイナーゼK及びCTABを用いて精製した。その精製ゲノムDNA をSau3Aで部分的に消化して異なる大きさのフラグメントを生成させた。そ のDNAフラグメントを、10〜40%のスクロース勾配液を用いるスクロース 勾配遠心分離に付して分離した。大きさが約9〜23キロ塩基のフラグメントを 含有する画分を仔ウシアルカリ性ホスファターゼを用いて脱リン酸化を行い、次 いでエタノールで沈澱させて、EMBL3のアームへの連結用に調製した。これ らゲノムDNAフラグメント約0.7μgを、T4DNAリガーゼを用いてEM BL3のアーム1μgに連結した。連結されたファージアームと挿入断片をファ ージ中にパッケージし、そのライブラリーの力値を、イー・コリP2392すな わちλEBL3ゲノムライブラリーの宿主菌株上にプレートして測定した。その EMBL3ゲノムライブラリーを、上記のようにしてモノクローナル抗体5E8 と7D6で免疫選別した。 上記EMBLライブラリーから約3500個のプラークを免疫選別して、クロ ーン5と呼称する単一の反応性プラークを得た。その精製クローンは、5E8と 7D6で個々に検定したところ両方の抗体と反応性であった。対照試験は、プロ テインAと抗マウスIgMペルオキシダーゼの接合体はクローン5のプラークに 結合しないことを示した。 クローン5由来のファージDNAを精製し、次にSa11で消化して挿入断片 を切り取った。アガロースゲル電気泳動によって、クローン5が13kbの挿入 断片を含有していることが分かった。その挿入断片をいくつもの制限酵素で消化 し、次にサザンブロット検定を実施した。そのブロットを、λgt11ライブラ リーから回収されたCD遺伝子の387bpのフラグメント由来のDNA配列に 相当するオリゴヌクレオチドでプローブした。CDをコード化する遺伝子は、2 .4KGのNco1−Sal1フラグメントに局在していることが確認された。 この2.4kbのフラグメントを、その両端をクレノウDNAポリメラーゼで平 滑にした後、BamHIリンカーを連結することによってpET11b(米国ウ イスコンシン州マディソン所在のNovagen社)のBamHI部位中にサブクロー ン化した。得られたプラスミドは2.4kbの挿入断片を含有していたが、pC D1と呼称した(図1)。プラスミドpET11と組換えpCD1を、50μg /mlのアンピシリンを含有するLB寒天上でイー・コリHB101中に増殖さ せた。pCD−1を含有する形質転換体の全細胞溶解物をSDS−PAGE及び 抗体7D6と5E8による免疫ブロットアッセイに付した。試験結果は、pCD 1が両方の抗体と反応性の全長のCD蛋白質をコード化していることを示してい る。 pCD1の2.4kbの挿入断片の1727bpの両ストランドのジデオキシ 配列決定を、配列番号2〜13で表されるような挿入断片内に適当な間隔をおい て存在する配列に対応するように合成された追加のオリゴヌクレオチドを利用し て実施した。48,277ダルトンの部分を示す453個のアミノ酸の読み取り 枠(配列番号14)を同定した。極力な転写ターミネーターが存在し、停止コド ンの下流54bpから始まっていた。 成熟蛋白質の計算分子量(45,788ダルトン)は、SDS−PAGEで観 察されたOMPCDのの見掛け分子量(60,000又は55,000ダルトン :それぞれ還元形又は非還元形の見掛け分子量)と著しく異なっていた。従って 、下流の配列なしの読み取り枠を含有するプラスミドを構築して、その読み取り 枠を発現させてフルサイズのCD蛋白質が得られるどうかを確認した。ClaI 部位が読み取り枠の48bp下流に配置されている。推定CD遺伝子を含有する 1558bpのBamHI−ClaIDNAフラグメントをpGEM7zf(米 国ウイスコン州マディソン所在のPromega Corp.社)中にサブクローン化して新 し いプラスミドpCD2(図2)を構築した。図3(レーンb)に示す免疫ブロッ ト検定結果によれば、pCD2を含有するイー・コリ形質転換体はフルサイズの CD蛋白質を発現している。更に、この免疫ブロット検定結果は、CD遺伝子産 物がダブレットとして泳動しているが(レーンb)、このことは、両方のバンド が、それぞれの遺伝子が産生する2種の類縁蛋白質を示すのではなくて、単一の 遺伝子の産物を表していることを示している。 従って、この実施態様は、CD又はその一部分をコード化するヌクレオチド配 列は、ファージベクター及びプラスミドを含む各種ベクター中に挿入して発現さ せることができることを示している。CD蛋白質及びCDペプチド類の発現を成 功させるには、遺伝子もしくは遺伝子フラグメントを含有する挿入断片又はベク ター自体が、発現のために用いられる特定の宿主系と相容性でかつ該宿主が認識 する、転写と翻訳のため必要な要素を含有している必要である。CD蛋白質、C Dペプチド類、又はCDオリゴペプチド類をコード化するDNAは、本明細書の 実施態様A、B、及びDに示すような方法とプライマー配列を用いて、合成する か、又は単離して配列を決定することができる。CD蛋白質、CDペプチド類、 又はCDオリゴペプチド類を発現するのに各種の宿主系を利用できるが、これら 宿主系としては、限定されないが、バクテリオファージベクター、プラスミドベ クター、又はコスミドDNAで形質転換された細菌;酵母ベクターを含有する酵 母;真菌ベクターを含有する真菌;ウイルス(例えばバキュロウイルス)に感染 した昆虫細胞系;及びプラスミドもしくはウイルス発現ベクターでトランスフェ クトされているか、又は組換えウイルス(例えばワクシニアウイルス、アデノウ イルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルスなど)に感染した哺乳類細胞系が ある。 上記の方法を始めとして分子生物学の技術分野で公知の方法を用いて、各種の プロモーター及びエンハンサーを、CDアミノ酸配列すなわち組換え外膜蛋白質 CD、CDペプチド、又はCDオリゴペプチドをコード化するベクター又はDN A配列中に組み込んでCDアミノ酸配列の発現を増大することができる。但し、 CDアミノ酸配列の発現が増大しても使用される特定の宿主細胞系に対して相容 性である(例えば宿主細胞系に対して非毒性である)ことが必要条件である。従 って、DNA配列が、CD蛋白質をコード化する遺伝子、又はCD蛋白質の機能 エピトープをコード化する遺伝子の任意のセグメントで構成されていることが重 要である。更に、そのDNAは、他の抗原類、例えば他の細菌外膜蛋白質又は他 の細菌、真菌、寄生体、もしくはウイルスの抗原をコード化するDNAに融合さ せて、改良ワクチン組成物として用いられる遺伝的に融合された(共通のペプチ ド骨格を共有する)多価抗原を創製することができる。 プロモーターの選択は使用される発現系によって決まる。プロモーター類は強 度すなわち転写を容易にする性能がさまざまである。一般に、クローン化遺伝子 を発現させるには、高レベルの遺伝子転写と遺伝子産物の発現を得るため、強力 なプロモーターを使用することが望ましい。例えば、イー・コリを含む宿主細胞 系に高レベルの転写が観察されている当該技術分野で公知の細菌、ファージ、又 はプラスミドのプロモーターとしては、lacプロモーター、trpプロモータ ー、recAプロモーター、リボソームRNAプロモーター、PRプロモーター 、及びPLプロモーターがあり、lacUV5、ompF、bla、lppなど がCDアミノ酸配列をコード化する挿入DNA配列を転写させるのに使用される 。 さらに、CD蛋白質、CDペプチド類又はCDオリゴペプチド類が宿主細胞に 対して致死的か、又は有害である場合、宿主の細胞菌株/細胞系及び発現ベクタ ーは、プロモーターの作用が特異的に誘発されるまで阻害されるように選択され る。例えば、特定のオペロンの場合、挿入DNAを有効に転写するには特異的な 誘発物質を添加する必要がある(例えばlacオペロンはラクトース又はイソプ ロピルチオ−β−D−ガラクトシドを添加することによって誘発される)。tr pオペロンのような各種のオペロンは異なる制御機構下にある。trpオペロン は、増殖培地中にトリプトファンが存在していないときに誘発される。PLプロ モーターは、温度感受性入りプレッサーを含有する宿主細胞の温度を上げること によって誘発することができる。このようにして、プロモーターは特異的転写の 95%以上が未誘発細胞内で阻害される。従って、組換え体のCD蛋白質、CD ペプチド類又はCDオリゴペプチド類の発現は、CDアミノ酸配列をコード化す る挿入DNAの発現を制御するプロモーターが誘発されないような条件下で形質 転換細胞又はトランスフェクト細胞を培養することによって制御され、そしてこ れら細胞が増殖培地内で適切な密度に到達したとき、プロモーターが誘発されて 挿入DNAが発現される。 有効な遺伝子転写又はメッセージ翻訳を行うのに用いる他の制御要素としては 、エンハンサーと調節シグナルがある。エンハンサー配列は、近傍の遺伝子に対 するその位置と配向とは比較的独立した方式で転写の効率を増大すると考えられ るDNA成分である。従って、使用される宿主細胞発現ベクター系によって、エ ンハンサーは、CDアミノ酸配列をコード化する挿入DNA配列の上流又は下流 に配置して転写効率を増大することができる。この実施態様において先に述べた ように、CDをコード化する遺伝子の発現を行うことができる他の特異的な調節 配列が確認されている。これらの又は他の調節部位、例えば転写、もしくは翻訳 の開始シグナルは、CDをコード化する遺伝子又はその遺伝子フラグメントの発 現を調節するのに使用できる。このような調節要素は、DNA配列の挿入につい て本明細書に記載されている組換えDNAを使用して、CDアミノ酸配列をコー ド化するDNA配列又は近傍のベクターDNA配列中に挿入することができる。 従って、CD蛋白質、CDペプチド類又はCDオリゴペプチド類をコード化す る領域を含有するビー・カタラリスのヌクレオチド配列は、組換えベクターが宿 主細胞中に導入されたとき、ビー・カタラリスCD特異的DNA配列が宿主細胞 内で発現できるように、ベクターのプロモーター、制御要素、及び調節要素に対 して特定の部位で発現ベクターに連結することができる。例えば、それ自体の調 節要素を含有するCD特異的DNA配列は、ベクタープロモーターに配向して発 現ベクターに連結され、CDアミノ酸配列を発現させる要素を制御する。次に、 この組換えベクターを適当な宿主細胞中に導入し、次いでその宿主細胞は選択さ れ、組換えベクターを含有するこれら細胞が選別される。選択と選別は当該技術 分野で公知の方法で達成することができる。これらの方法としては、プラスミド 中に存在するマーカー遺伝子(例えば医薬耐性マーカー)の発現の検出;CD特 異的エピトープに生成した抗血清を用いるCD特異的エピトープの産生の免疫選 別;及び一つ以上のオリゴヌクレオチド及び本明細書の実施態様Cに記載の方法 を用いて行う;CD特異的ヌクレオチド配列に対する宿主細胞のDNAのプロー ビングがある。 又、遺伝子工学の技術を用いて、コード化されているCDペプチド類又はCD 蛋白質の特性を決定し、修飾し、及び/又は適応させることができる。例えば防 御ドメインの外側の領域の外膜蛋白質フラグメントを変異させる部位特異的突然 変異誘発法は、サブフラグメントの溶解性を増大して一層容易に精製できるよう にするのに望ましい方法である。更に、遺伝子工学の技術を用いてCDのアミノ 酸配列の一部分をコード化するDNA配列を生成させることができる。例えば、 配列番号14として開示されている配列から、CDペプチド類又はCDオリゴペ プチド類をコード化する配列を生成させるのに、どの制限酵素又は制限酵素のど の組合せを用いることができるかを決定することができる。制限酵素の選択は、 得られたペプチド又はオリゴペプチドの免疫効力(immunopotency)を破壊しな いように行われる。蛋白質の抗原部位は大きさが様々であるが、約7〜約14個 アミノ酸で構成されている。従って、CDの大きさの蛋白質は多数の分離した抗 原部位を含有しているので、多くの部分遺伝子配列がCDの抗原エピトープをコ ード化するであろう。従って、例えば配列番号:14をガイドとして利用し制限 酵素の組合せを用いて、適当なベクターに挿入すると、一つ以上の抗原エピトー プを含有するCD特異的アミノ酸配列(蛋白質、ペプチド類、又はオリゴペプチ ド類)を産生することができるDNA配列を生成させることができる。 実施態様B CDをコード化する遺伝子のビー・カタラリス菌株中での保存。 免疫検定に有用な本発明のヌクレオチド配列の場合、CDをコード化する遺伝 子はビー・カタラリスの菌株中に高度に保存されていなければならない。更に、 高度に保存されている遺伝子は、その蛋白質配列も高度に保存されていることを 示している。ビー・カタラリスによって起こる感染症に対するサブユニットワク チン製剤中の抗原として有用な細菌の蛋白質又はペプチドの場合、その蛋白質又 はペプチドは、免疫原性でかつビー・カタラリスの菌株中に保存されているエピ トープを含有していなければならい。CD遺伝子のビー・カタラリス菌株中での 保存度を測定するため、多様な臨床起源と地理的起源から回収した30個の分離 菌株からゲノムDNAを精製し分析した(表1)。分析は、DNAを切断してフ ラグメントとし、次に限定されないが、配列番号:2〜13で表される配列が含 まれている配列のオリゴヌクレオチドでプローブして行った。 ビー・カタラリスの30個の菌株(25240を含む)由来のゲノムDNAを 精製した。30ml容積のブレーンハートインフュージョンブロスに単コロニー を接種し、次いで37℃で振盪しながら一夜インキュベートした。2200×g で10分間、4℃にて遠心分離することにより細胞を収穫した。ペレット化した 細胞を7mlのTE緩衝液中(0.01MトリスpH8、0.001M EDT A pH8.0)に懸濁させた。EDTAを0.005Mの濃度まで添加し、次 にSDSを0.5%の濃度まで添加した。得られた懸濁液を60℃で30分間イ ンキュベートした。プロテイナーゼKを200μg/mlの濃度まで添加し、続 いて37℃で約24時間インキュベートした。得られた試料を、等容積の、フェ ノール、続いて1:1比のフェノール/クロロホルム、続いてクロロホルムで逐 次抽出した。10%容積の3M酢酸ナトリウム溶液(pH5.2)を添加し、続 いて80%容積に等しい冷エタノールを添加してDNAを沈澱させた。ゲノムD NAが沈澱し、それをパスツールピペットを用い、“スプーリング(spooling) ” で取り出した。得られたDNAを70%エタノールで洗浄し、0.05Mトリス 、pH8.0に溶解した。RNアーゼを最終濃度40μg/mlまで添加し、そ の試料を37℃で30分間インキュベートした。EDTAを0.001Mの濃度 まで添加した。その試料を、フェノールとクロロホルムで逐次抽出し、次いでエ タノールで沈澱させた。精製したDNAを0.01Mトリス、0.1mM ED TA pH8.0に溶解した。 10μgのDNAに相当する部分を、0.5mlの反応容積を利用しEcoR I又はPstIで消化した。得られたDNAフラグメントをアガロースゲル電気 泳動法で分離し、次いでサザンブロット法で荷電ニトロセルロース膜に移した。 そのサザンブロットを、CDをコード化する遺伝子内のEcoRI部位の上流と 下流の配列に相当する二つのオリゴヌクレオチドプローブでプローブした(この EcoRI部位は図1に示してある)。これらのオリゴヌクレオチドは、プロー ブとして使用する前に、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、末端に〔32P 〕ATPで標識を付けた。ハイブリッド形成を37℃で実施し、次に洗浄を48 ℃で行った。ハイブリッド形成及び洗浄緩衝液については先に述べた(Nelson等 の前記文献)。オートラジオグラフィを−70℃で実施した。 30個の菌株はすべて、CD遺伝子内のEcoRI部位とCD遺伝子のすぐ下 流の部位との間のフラグメントを表わす325bpのバンドを含めて、同一パタ ーンのバンドを生成した。更に、30個の菌株はすべてCD遺伝子の上流のフラ グメントを示す3.7kbのバンドを示した。このパターンは13個の菌株のサ ザンブロット検定の結果を示す図4に例示してある。 CD遺伝子の分子保存を更に分析するために、同じ30個の菌株由来のゲノム DNAをEcoRIとPstIで消化し、次いでオリゴヌクレオチドでプローブ した。図1は、菌株25240から分離したCDをコード化する遺伝子がその中 心の近くにPstI部位を有し、かつEcoRIとPstIで消化すると337 塩基対のDNAフラグメントが得られることを示している。サザンブロット検定 結果は、ビー・カタラリスの30個の菌株のうちの30個由来のゲノムDNAが 、菌株25240から分離したCDをコード化する遺伝中の配列に相当するオリ ゴヌクレオチドとハイブリッドを形成した同一の337bpのフラグメントを生 成 することを示した。このパターンは、13個の菌株のサザンブロット検定の結果 を示す図5に例示してある。これら知見は、CDをコード化する遺伝子がビー・ カタラリスの菌株中に高度に保存されているので、本明細書に記載のヌクレオチ ド配列には診断とワクチンに用いる用途があることを示している。 実施態様C ビー・カタラリスを検出するための分子診断アッセイにCD特異的ヌクレオチド 配列を使用する方法。 CDをコード化する遺伝子は実施態様Bに開示したように保存されているので 、本発明の核酸配列は、ビー・カタラリスの遺伝物質を検出する分子診断アッセ イに用いることができる。とりわけ、CD配列特異的オリゴヌクレオチドは合成 して、ビー・カタラリス由来の核酸を増幅し、及び増幅された該核酸を検出する 際のプライマー及び/又はプローブとして使用できる。分子生物学の細菌の進歩 によって、核酸配列を酵素で増幅する手段がいくつか提供されている。現在最も 普通に用いられている方法であるPCR(商標)(ポリメラーゼ連鎖反応、Cefu s Corporation社)は、プライマーとして公知の配列であるTaq Polymeraseを用 い、複製するデオキシリボ核酸(DNA)ストランドを分離する加熱サイクルを 行って、対象の遺伝子を幾何級数的に増幅する。現開発中の他の増幅法としては 、DNAリガーゼ及び増幅すべきDNAの配列に相補的なDNA2個のハーフ( two half)からなるプローブを用いるLCR(商標)〔リガーゼ連鎖反応(liga se chain reaction)、Biotechnica International社〕;酵素QBレプリカーゼ (Gene-Trak Systems社)及び相補的RNAを幾何級数的に産生させるためのD NA鋳型を作るのに用いられる、コピーすべきDNAに相補的なプローブに連結 されるリボ核酸(RNA)配列鋳型;並びに増幅すべき核酸配列としてRNA又 はDNAに実施できるNASBA(商標)(核酸配列ベースの増幅、Cangene Co poration社)がある。 特異的遺伝子配列とハイブリッドを形成できる核酸プローブは、約103〜1 04生物/試料の感度レベルで、生物学的試料中の特異的病原体を検出するのに 用いて成功している(Macario及びdeMacario編集“Gene Probes for Bacteria” 1990年、Academic Press社)。特異的な標的DNA配列を増幅させることができ る方法と組み合わせると、種特異的核酸プローブは、臨床試料中の生物を検出す る際の感度を大きく高めることができる。これらのプローブを使用すると、事前 の培養及び/又は従来の生化学的同定法に依存することなく、直接検出すること ができる。本発明のこの実施態様は、ビー・カタラリスのCDをコード化する遺 伝子の種特異的配列を増幅するプライマー、及びこれらの増幅されたフラグメン トと特異的にハイブリッドで形成するプローブに関する。本発明の核酸配列を用 い、本発明の方法に従って、一つという少ないビー・カタラリス微生物を、10 μg/mlの外来DNAの存在下で検出することができる。 この実施態様は、中耳液、痰、血液、並びに上咽頭、眼及びアデノイドからの 液体を含む臨床試料から抽出したDNAから、ビー・カタラリスDNAの配列を 、これが存在しているとき増幅させ、続いて増幅が起こったかどうかを確認する のに使用できる種特異的オリゴヌクレオチドに関する。本発明の一実施態様で、 一対のビー・カタラリス特異的DNAオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、 臨床試料から抽出したDNA中に存在しているビー・カタラリスゲノムDNAと ハイブリッドを形成させ、次に両隣りに連結している二つのプライマーの間のゲ ノムDNAの特異的セグメントを、酵素合成法及び温度サイクリング法を用いて 増幅させる。各対のプライマーは、それらが相補的であるように合成されている 本発明のビー・カタラリスのヌクレオチド配列にのみ、二本鎖DNAの各ストラ ンドに対して一つずつハイブリッドを形成するよう設計されている。従って、こ の反応はμg量の異種DNAが存在している場合でも特異的である。このことを 表示するため、DNAの正の(遺伝子)ストランドの配列由来のプライマーを“ 正のプライマー(positive primer)”と呼称し、負の(相補的)ストランドの 配列由来のプライマーを“負のプライマー(negative primer)”と呼称する。 DNAの増幅は市販されている方法のいずれか一つによって達成することがで きる。例えばポリメラーゼ連鎖反応はDNAを増幅するのに使用できる。プライ マーを標的DNAの向かいあったストランドとハイブリッドを形成させたならば 、温度を上げて耐熱性のDNAポリメラーゼによって2種のプライマー間の領域 を横切るDNAの特異的セグメントを複製させる。次いでこの反応は、熱サイク ル され(thermocycle)、各サイクル毎に2種のプライマー間の配列を示すDNA の量が2倍になり、ビー・カタラリスDNA配列が存在している場合その特異的 増幅が起こる。ビー・カタラリスDNAから誘導される場合、増幅されたDNA フラグメントのその後の同定は液中ハイブリッド形成によって実施することがで きる。この試験では、ビー・カタラリスDNAの増幅セグメントと特異的にハイ ブリッドを形成するプローブとして一つ以上の標識オリゴヌクレオチドを使用す る。配列特異的増幅DNAの存在の検出は、当該技術分野で公知のいくつかの方 法のいずれか一つ、例えばオートラジオグラフィーを用いるゲルリターデーショ ンアッセイを用いて達成することができる。従って、本発明のヌクレオチド配列 は、ビー・カタラリスの検出に用いる診断キットに商業的用途があるオリゴヌク レオチドを合成するのに用いる主成分を提供する。関連する実施態様において、 プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは直接に標識を付けるか、又は 合成して標的を組み込んでもよい。使用されるラベルによって、増幅産物はアフ ィニティーマトリックスに結合させた後、同位体又は比色による検出法で検出す ることができる。 DNAは、当該技術分野で公知の方法を用いて、ビー・カタラリスを含有する 臨床試料から抽出することができる。例えば、試料中に含有されている細胞は、 TE緩衝液で洗浄し、次いで遠心分離によってペレット化する。次にその細胞を 、界面活性剤とプロテイナーゼKを含有する増幅反応緩衝液100μl中に再懸 濁させる。ポリメラーゼ連鎖反応を用い、得られた試料は、10mMトリス;p H8.3、50mM KCl、1.5mM MgCl2、0.01%ゼラチン、 0.45%NP40(商標)、0.045%Tween20(商標)、及び60 μg/mlのプロテイナーゼK中の細胞で構成されている。その試料を55℃の 湯浴で1時間インキュベートし、次いで95℃で10分インキュベートしてプロ テイナーゼKを熱で失活させる。次に試料を、以下に述べるポリメラーゼ連鎖反 応のプロトコルに従って増幅させる。 ビー・カタラリスDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応によって核酸を増幅するい くつものプロトコルのいずれか一つを用いて増幅することができる。この実施態 様の一つのモードで、CDをコード化する遺伝子を、以下の条件を用いてビー・ カタラリスの25個の臨床分離菌株から増幅した。増幅すべきDNA(約1μg のゲノムDNA)を0.5mlのマイクロフュージチューブ(microfuge tube) 中に分分配し、次いで次のものを添加して容積を50μlに調節した。すなわち 0.2mM dNTP類(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、0.2 5μgずつの正及び負のオリゴヌクレオチドプライマー、1単位のTaqIポリ メラーゼ、TaqI10×緩衝液(5μl)、1mM MgCl2(最終濃度) を含有する反応混合液を加え、次に減菌蒸留水を加えて上記の合計容積にした。 TaqIポリメーラゼは使用する直前に反応混合物に添加し、渦を生じないよう に緩やかに混合する。約2滴の鉱油の層を各チューブに添加し、次いでこれらの チューブを熱サイクラー(thermal cycler)中に入れる。細菌DNAを増幅させ るには一般に30〜35サイクルで充分である。1サイクルは95℃で1分間、 37℃で1分間、及び72℃で1分間で構成されている。最初のサイクルには、 完全な変性を保証するための95℃で1.5分間のインキュベーションが含まれ ている。 ビー・カタラリスのCDをコード化する遺伝子と特異的にハイブリッドを形成 するプライマー又はプローブとして有用であり、かつDNAの増幅及び/又は検 出に用いられるオリゴヌクレオチドは、当該技術分野で公知の方法を用い、本発 明に開示されているヌクレオチド配列から生化学的に合成することができる。こ れらオリゴヌクレオチド類のビー・カタラリスに対する特異性は、個々の各配列 に対する遺伝子バンクデータベース(Genbank)をサーチして検査することがで きる。一般に、これらオリゴヌクレオチドは低GC含量のものを選択しなければ ならない。CDをコード化する全遺伝子を増幅するためこの実施態様で使用され たプライマーの対としては、配列番号:15(負のプライマー)と配列番号:1 6(正のプライマー)がある。5E8と7D6のエピトープをコード化する遺伝 子の部分を増幅するのに用いるプライマーの対としては、配列番号:17(負の プライマー)及び配列番号:18(正のプライマー)がある。 検出の目的を達成するため、本発明のオリゴヌクレオチドは、放射性同位元素 で末端に標識をつけてもよい。遺伝子配列の増幅に用いられる二つのプライマー に対しインターナルのプローブ配列は、T4ポリヌクレオチドキナーゼとγ32P ATPを用いて末端に標識をつけてもよい。キナーゼ緩衝液(50mMトリスp H7.6、10mM MgCl2、5mMジチオトレイトール、0.1mMスペ ルミジン−HCl、0.1mM EDTA pH8.0)中20pMolのプロ ーブDNAを、120μCiのγ32P ATPと混合し、37℃で1時間インキ ュベートする。室温でTris Borate EDTA(TBE)緩衝液中、 8%アクリルアミド上で200ボルトにて1時間泳動させて、標識をつけたプロ ーブを、取り込まれていない標識から分離した。標識をつけたプローブは、最初 に、上記アクリルアミドゲルをX線フィルムに対し3分間露出することによって 位置を確認した。得られたオートラジオグラムを上記ゲルの下側に置いて、標識 をつけたプローブを含有するバンドをゲルから切り取った。そのゲルスライスを 1mlの滅菌蒸留水中で粉砕し、次いでそのプローブを37℃で一夜、振とう器 によるインキュベーション(shaker incubation)によって溶出させる。溶出した プローブを、クロマトグラフィープレップカラム(prep column)を用いる遠心分 離によってゲルフラグメントから分離する。そのプローブの放射能を、ガラス繊 維フィルター上の標識プローブ1μlを液体シンチレーションで計数することに よって測定する。このようなプローブ配列は、配列番号2〜13として確認され た配列のいずれかから選択できるが、但しそのプローブ配列は本発明に開示され ている望ましいヌクレオチド配列の増幅に用いられる二つのプライマーに対しイ ンターナルのプローブ配列である。 当該技術分野で公知の他の方法も、本発明の組成物と方法に従って増幅された 標的配列の検出を改善するのに使用できる。増幅されたDNA配列の検出感度は その配列を液中ハイブリッド形成法に付すことによって改善することができる。 ゲル電気泳動法並びにサザンハイブリッド形成法とオートラジオグラフィーを組 み合わせたゲル電気泳動法に加えて、本発明の組成物と方法とともに使用できる 当該技術分野で公知の別の検出方法としては、ゲル電気泳動法を用いる制限酵素 消化法;標識オリゴヌクレオチドプローブを用いるスロット−ブロットハイブリ ッド形成法;ゲル電気泳動法を用いる放射能標識プライマーによる増幅法;サザ ンハイブリッド形成法とオートラジオグラフィー;ドットブロットとオートラジ オグラフィーを用いる放射能標識プライマーによる増幅法;親和性標識を有する オリゴヌクレオチド(例えばビオチン、又はビオチンを取り込んでいるプライマ ー及びDNA結合蛋白質に対し特異的な配列を有する他のプライマー)によって 増幅し続いてアフィニティーに基づいた検定法(ELISA法)で検出する方法 ;並びに発螢光団を有するオリゴヌクレオチドによって増幅し次いで螢光を検出 する方法がある。 非同位体検出法の一実施態様では、本発明のオリゴヌクレオチドプライマーへ のビオチンの組み込みが行われる。本発明のプライマー類の5’−アミノ基がス ルホ−NHS−ビオチンによってビオチニル化されるか、又はビオチン標識dN TP類の存在下でプライマーを合成することによってビオチンがプライマー中に 直接組み込まれる。次いでこれらの非同位体標識プライマーを、臨床試料からD NAを増幅する際に使用する。増幅された標的配列を有無の検出は、アビジンが 結合されているアフィニティーマトリックスを用いて、増幅された標的配列を捕 捉し、次にその後の基質展開(substrate development)によって複合体を可視化 するのに使用できる酵素を含有するアビジン接合体とともにインキュベートする ことによって行われる。あるいは、増幅された標的配列は、この配列の対応する プローブがマトリックスに固定されている場合、該プローブとハイブリッドを形 成させることによって固定することができる。検出は、その後の基質展開によっ て複合体を可視化するのに使用できる酵素を含有するアビジン接合体を用いて達 成することができる。 実施態様 D CDペプチドの発生を含むCDの特性化 CDをコード化する遺伝子を確認するため、CD蛋白のアミノ末端を決定した 。CD蛋白のアミノ末端を同定するために、ビー・カタラリス 25240の精製外膜 をSDS−PAGEに付しそして電気泳動ブロッティングでポリビニリデンジフ ルオライド膜へ転移させた。CDバンドを除去し、蛋白のアミノ末端配列をマイ クロシーケンサーで分析したアミノ酸でのエドマンド分解で決定した。G−V− T−V−S−P−L−L−L−Gのアミノ端末配列はpCD1の読みとり枠の2 7から36までのアミノ酸に対応しており、これはCDが26のアミノ酸リーダ ー ペプチドを持つことを示す。疎水性の26アミノ酸リーダーペプチドは、シグナ ルペプチダーゼIで分裂するリーダーペプチドの細菌性OMPに特異的である( Oliver,1985,Ann.Rev.Microbiol.39巻:615-648頁)。 CDをコード化する遺伝子が同定されたことを更に確認するため、遺伝子配列 から導かれたアミノ酸配列を、蛋白のシアノゲンブロマイド分解の結果を予言す るためにメチオニン残基の存在を分析した。成熟蛋白に対応する読みとり枠は4 コのメチオニンを含有し、これはシアノゲンブロマイド分解は5コのフラグメン トを与えるであろうことを示す。CDのシアノゲンブロマイド分解は外膜を精製 し(Murphy等,1989年,Infect.Immun.57巻:2938-2941頁)その外膜生成物を SDS−PAGEに付することによって達成された。ゲルをアミドブラックで染 色してCDバンドを可視化させゲルから除去した。このゲル切片(長さ3−4m m)を0.05M重炭酸アンモニウム、0.1%SDSと共に電気溶出管に入れ た。蛋白を、ゲル切片からアミドブラックが完全になくなるまで(約5時間)1 管あたり10mAで溶出した。溶出蛋白を集め、0.6mlのアリコットに2m lの冷エタノールを加えて沈澱させた。標品を遠心分離しペレットを風乾させた 。ペレットに70%ギ酸中200mg/mlのシアノゲンブロマイド溶液0.4 mlを加え、標品を暗所において室温で一晩培養した。同時作成の対照標品を同 じ条件のもとに70%ギ酸中で培養した。翌日に水1mlを加え標品を凍結乾燥 した。凍結乾燥ペプチドを標品緩衝液に懸濁し、トリシンゲル電気泳動に付した 。 表2は読みとり枠中のメチオニン部位により予測したフラグメント(CDペプ チド)のサイズを示す。図6は Lesse等(1990年,J.Immunol.Methods 126巻: 109-117頁)のトリシンポリアクリルアミドゲル系で決定された精製CDのシア ノゲンブロマイド処理から得られた現実のフラグメントを示す。シアノゲンブロ マイドで切断したフラグメントの予測と現実のサイズは、蛋白のアミノ末端領域 からの大きなフラグメントを除いてよく一致していた(表2)。 すなわちpCD1で同定した読みとり枠はCDをコード化する全遺伝子を表し 、蛋白はSDS−PAGEで異常を示す。予測分子質量とSDS−PAGEで観 察された分子質量との間のこの不一致は、他のプロリンの豊富な蛋白の変種がこ の特性を示すように、蛋白のアミノ末端領域中の大きなシアノブロマイドフラグ メント中のプロリン豊富な領域に起因するものであろう(Postle等,1983年,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 50巻:5235-5239頁;Woods等,1989年,Mol.Microbi ol.3(1):43-48頁;及びThole等,1990年,Infect.Immun.58巻:80-87頁)。 配列データベースの研究は、CD遺伝子の配列はシュドモナス種のOprF遺 伝子との相同性を開示した。CD蛋白は、プロリン、アラニンおよびバリンに富 む領域(アミノ酸240−280)を含む。この配列はE.coli及びSerratia ma rcescensのTonB蛋白との相同性を示す。 実施態様E 診断免疫検定でのCDまたはCDペプチドの使用方法 CD蛋白、CDペプチド及びCDオリゴペプチドはワクチン処方における免疫 原として、並びに治療的および/または診断的価値のあるビー・カタラリス特異 的な抗血清の生成のためや診断検定のための抗原として使用するために精製する ことができる。ビー・カタラリス由来のCD蛋白もしくはそのオリゴペプチドや ペプチドまたは発現ベクター系から生産される組換えCD蛋白、組換えCDペプ チドもしくは組換えCDオリゴペプチドは、洗剤抽出、クロマトグラフィー(た とえばイオン交換、アフィニティー、免疫アフィニティーまたはサイジングカラ ム)、分画遠心分離、分画溶解またはその他の蛋白精製に標準的な技術を含むと ころの当業者に公知の方法で精製することができる。 1)例えば、一次細菌外膜蛋白を含む部分精製品は、次のようにして作成でき る。30のチョコレート寒天平板からのビー・カタラリス培養物をpH7.2の PBS25ml中へ掻き入れ、4℃で20分間12,000xgで遠心分離して 培養した。細菌のペレットを、1M酢酸ソーダ−0.001Mβ−メルカプトエ タノール(pH4.0)10mlに再懸濁した。5%の Zwittergent Z 3-14 (C albiochem-Behring)及び0.5%Mの塩化カルシウムを含有する溶液の90ml 容量を加え、懸濁液を室温で1時間混合した。冷エタノール25mlを加え、次 いで4℃において10分間17,000xgで遠心分離して核酸を沈澱させた。 残った蛋白は冷エタノール375mlを加えて沈澱させ、4℃で20分間17, 000xgで遠心分離して採取した。ペレットを乾燥させ、次いで0.05%の Zwittergent、0.05Mトリス、0.01MのEDTA(pH8.0)を含有 する洗剤緩衝液10mlに懸濁し、室温で1時間混合した。細菌の外膜蛋白は、 4℃で10分間12,000xgで遠心分離後の洗剤緩衝液の可溶性分画中に存 在する。 外膜蛋白製品からのCD蛋白の免疫精製は、免疫アフィニティークロマトグラ フィーにおける公知の方法を用いて達成できる。5E8や7D6のようなCD特 異的モノクローナル抗体は、クロマトグラフィックなマトリックスと結合してア フィニティーマトリックスを形成できる。次いでこの外膜蛋白製品をアフィニテ ィーマトリックスと培養して、抗体をCDと結合させる。次ぎにアフィニティー マトリックスを洗浄して未結合のマトリックスを除去し、さらにCDをアフィニ ティーマトリックスから溶離するとCD蛋白の精製製品が得られる。この精製C Dは診断のためのアッセイ用の抗原として用いることができ、または実施態様D に示したように化学的または酵素的に切断してペプチドとすることができる。ま たはCDペプチドは、参照としてのCDをコード化する遺伝子からの推測アミノ 酸配列を用いて合成することもできる。 2)この実施態様の別の例においては、組換えCDはポリヒスチジン発現プラ スミドから精製された。この方法で組換えCDを精製するために、CDをコード する遺伝子を、例えば発現によりいくつかのヒスチジン残基(ポリヒスチジン尾 部)がCD蛋白のアミノ末端に付加するようなプラスミドpRSETA(Invitr ogen Corporation)のようなポリヒスチジン発現ベクター中へクローンされた。 CDをコード化する遺伝子を含有するBamHIフラグメントは、予めBamH Iで制限され次いでコウシの腸フォスファターゼで処理した発現ベクターの中へ 結合された。この結合混合物は大腸菌のBL21(DE3)株細胞のエレクトロ ポレーションのために用いられ、そして形質転換細胞はプラスミドプロモータに 関して適切な位置にCDをコード化する遺伝子を含む組換えプラスミドの分析の ために用いた。pCDSAと呼ばれる一つのそのようなクローンが単離され、そ して大腸菌宿主株中へ導入したときにCD蛋白を発現することが示された。 組換えCDを次ぎのようにして精製した。pCDSAを含む形質転換体の培養 物の15ml容量を37℃でLBアンピシリンブロス中で一晩成長させた。翌朝 にブロス135mlを、一晩培養したものに接種し37℃で1時間成長させた。 4℃で10分間5,000xgで遠心分離して細胞を回収した。細胞をグアニジ ウム溶解緩衝液(6M水酸化グアニジウム、20mM燐酸ナトリウム、500m M塩化ナトリウム;pH7.8)10mlに再懸濁した。懸濁液を室温で10分 間混合した。次いで細胞を、#4にセットしたソニケータを用いて各5秒ずつ3 回バーストして超音波処理した。混合物を4℃で15分間3,000xgで遠心 分離し、上澄み液を保存した。ついで上澄み液を、樹脂上のニッケルを用い組換 えCD蛋白のポリヒスチジン尾部に結合させた樹脂(たとえばProBond「商標名 」Invitrogen)1.6mlと室温で10分間混合した。ついでこの樹脂を遠心分 離で単離した。 CD蛋白はまず樹脂を変性洗浄緩衝液(8M尿素、20mM燐酸ナトリウム、 500mM塩化ナトリウム、pH7.8)4mlで2回洗浄して溶離した。次い で樹脂をpH6.0で変性洗浄緩衝液の4倍容量で2回洗浄した。これをpH4 .0で変性洗浄緩衝液の4倍容量でカラムを2回洗浄した。フラクションの各1 mlを採取し、洗剤(0.1%トリトンX−100)を含有する燐酸塩緩衝食塩 水(PBS)に対して透析した。ゲル電気泳動とクマシーブルー(Coomassie Blu e)染色でこの溶離CD蛋白を分析したところ単一のバンドであった。この方法は 、95%精製されたCD蛋白の製品を与えることが予想される。得られた精製組 換えCD蛋白は、天然のCD蛋白を認識するモノクローナル抗体と免疫的に活性 である。 3)この実施態様の他の例においては、天然のCD蛋白はビー・カタラリスか ら精製された。ビー・カタラリス単離物O35Eはミューラー−ヒントンブロス 中36℃で24時間成長させた。次いで細菌は20分間4,000xgで遠心分 離して取り出した。細菌ペレットを、0.01M燐酸塩と0.64M塩化ナトリ ウム含有のpH7.0の緩衝液中へ懸濁させた。再懸濁させた細菌は2分間激し く撹拌し、次いで20分間30,000xgで遠心分離した。外膜ベシクルを含 有する上澄み液を保存し、10mMトリス、10mM塩化ナトリウム及び1mM のEDTAを含有する溶液に対して透析した。透析後、洗剤(トリトンX−10 0)を1.0%になるように添加し、透析液を室温で1時間培養して蛋白を溶解 した。不溶物を10分間10,000xgで遠心分離して除去した。上澄み液を イオン交換カラムの上へ置いた。このカラムを10mMトリス、1%トリトンX −100(pH8.0)の緩衝液で洗浄し、蛋白を50mMのNaClまたは1 00mMのNaClを含む緩衝液で溶離した。溶離した蛋白製品を、緩衝液で平 衡化しておいたゲル濾過カラム上を通過させると、クーマシーブリリアントブル ーで検出可能な他の蛋白やSDS−PAGEゲルの銀染色によるリポオリゴサッ カライドを含まない蛋白製品を得た。 4)本明細書を通じて使用されたように、CDオリゴペプチドとは一つのもの として合成されまたは化学的結合され、配列番号14として開示されているCD 蛋白のアミノ酸配列の一部分に対応する一連のペプチドとしてここに定義される 。 そのようなペプチドまたはオリゴペプチドは、ペプスカン合成(Geysen等,1987 年,J.Immunol.Methods 03巻: 259頁; 1974年,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81巻:3998頁)、標準的液相ペプチド合成または組換え発現ベクター系により、 t−ブチルオキシカルボニルアミノ酸(Mitchell等,1978年,J.Org.Chem.43 巻:2845-2852頁)やポリアミドに保持された9−フルオレニルメチルオキシカル ボニルアミノ酸(Dryland 等,1986年,J.Chem.So.Perkin Trans.I,125-13 7 頁)を用いる標準的固相ペプチド合成を含む当業者に公知のペプチド合成法の 一つを用いて合成可能である。例えばアミノ酸の除去や置換(及びアミノ酸の延 長や付加をも含め)そしてその他の方法によるペプチドやオリゴペプチドの修飾 は、ペプチドやオリゴペプチドの免疫的性質を実質的に低下させないように行わ れ得る。特にCD蛋白やそのペプチドもしくはオリゴペプチドのアミノ酸配列は 、一つまたはそれより多いアミノ酸を機能的均等なアミノ酸と置換して変化させ ることができ、蛋白やペプチドやオリゴペプチドの物理化学的性質における相違 の観察という点では無視できる変化を生じる。機能的に均等なアミノ酸は、関連 性があるか及び/または類似の極性または電荷をもつアミノ酸として公知である 。すなわちここにおける配列表に示したアミノ酸配列は、蛋白やペプチドやオリ ゴペプチドの一次的な生物学的機能の変化なしの機能的に均等なアミノ酸による 置換を含むアミノ酸配列に関連する。 5)CDのエピトープを含むCDペプチドの生産の説明において、CD蛋白の 定義された領域は、プラスミド発現ベクター(pGEX2T)がSchistosoma ja ponicum 由来の26キロダルトンの蛋白であるグルタチオン−S−トランスフェ ラーゼ(GST)との融合ペプチドとして大腸菌中の異種ポリペプチドの合成を 行う発現系中に発現された。この場合の実施態様においてそしてpCD2をテン プレートとして使用することにより、CDをコード化する遺伝子の選択された領 域は、表3に示す配列に対応するオリゴヌクレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖 反応によって増幅された。表3はまたペプチド構築物によってコード化されるよ うな配列番号14に示す成熟CD蛋白に関連するペプチドのアミノ酸の位置を示 す。オリゴヌクレオチドは、得られる増幅遺伝子フラグメントがその5’−末端 にBamH1制限部位をまた3’−末端にEcoR1制限部位を含むようにデ ザインされ、そのようにして増幅フラグメントがpGEX2Tの中へ指向的にク ローン化され得る。各組換えプラスミドの配列はジデオキシ配列法によって確認 された。各々の組換えCDペプチドを精製するために、遺伝子フラグメントを含 む対応組換えプラスミドは大腸菌JM109の中へ形質転換された。この形質転 換体は、360mlのブロスに対し40mlの一晩培養したものを添加しそして 振盪しながら37℃で1時間培養して、25μg/mlのアンピシリンを含むL Bブロス400mlの中で成長させた。IPTGを0.01mMになるように添 加し、培養物を更に3時間培養した。細胞を5000xgで遠心分離し、細胞ペ レットを5mlのPBS中へ再懸濁した。細胞を超音波処理し、混合物を10分 間10,000xgで遠心分離した。上澄み液を、予め膨潤させたグルタチオン −アガローズのビーズと混合した。室温で2分間混合後、このビーズ(融合ペプ チドがグルタチオンと結合している)を、1%のトリトンX−100を含有する PBSで2回洗浄した。次いでこのビーズを0.05Mのトリス(pH8.0) で1回洗浄した。グルタチオン−S−トランスフェラーゼからCDビーズを切断 するために、洗浄ビーズを室温で1時間トリス緩衝液中で0.25%(最終濃度 )のヒトトロンビンの中で培養した。プロテアーゼ阻害剤であるPMSFを、1 00μg/ml濃度になるように添加した。ビーズを遠心分離で除去すると上澄 み液は精製CDペプチドを含有していた。イムノブロットアッセイの結果、融合 ペプチドは免疫的に活性であることが確認されたが、その程度はCD特異的ウサ ギポリクローナル抗血清に応じて変化した。 精製したCD蛋白、CDペプチド及びCDオリゴペプチドは、ビー・カタラリ スに起因する感染症の疑いのある個人の体液中に存在するビー・カタラリス特異 的の抗血清の検出のためのイムノアッセイでの抗原として用いることが出来る。 体液としては中耳液、唾液、血液ならびに鼻咽頭、目およびアデノイドからの液 を含むがこれらに限定されるものではない。イムノアッセイにおける抗原として のCDやCDペプチドの検出は、ラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベ ントアッセイ(ELISA)、サンドウィッチアッセイ、沈澱反応、凝固アッセ イ、蛍光イムノアッセイ及び化学発光に基づくイムノアッセイのような公知の如 何なるイムノアッセイをも含むものであるが、但しこれらに限定されるものでは ない。 実施態様F CD及びペプチドに関連するワクチン処方のための方法と化合物 本発明のこの実施態様は、ビー・カタラリスに起因する感染症の予防または治 療に活性な免疫のための予防および/または治療ワクチンの免疫原として用いら れるCD蛋白および/またはそのペプチドもしくはオリゴペプチドを提供するこ とである。ワクチンの目的のためには、細菌蛋白から成るビー・カタラリスの抗 原が免疫原性であるべきで、かつ完全な細菌上の一つまたはそれより多い表面露 出のエピトームに向けられた機能的抗体を誘導すべきであり、ここにエピトーム はビー・カタラリスの株の中で保存される。 ワクチン抗原に望ましい性質をもつCD蛋白の一つの例において、その蛋白は 実施態様E、例3に記載の方法を用いてビー・カタラリスから精製された。マウ スを、4週間間隔で2回アジュバント(20μgのQS21)と精製したCD蛋 白(25μg)で免疫した。免疫マウスからの血液は最後の免疫から32日後に 採取し、免疫血清を保存する。保存した免疫血清は、酵素結合イムノソルベント アッセイ(ELISA)により全細菌(ビー・カタラリスの035E株)に対し てアッセイを行った。全細胞ELISAのために、細菌の一晩の培養物を綿棒で 採取し、600nmで0.1の吸光度となるまでPBS中に懸濁した。細菌懸濁 液のアリコット(100μl)を、96ウェルのマイクロタイタープレートのウ ェルに添加し、室温で一晩中乾燥させた。プレートを、PBS中0.1%(w/ v)のゼラチン100μlでブロックした。これと全ての残りに培養物を、別記 しない限り室温で一時間放置した。ブロックした溶液を除去し、0.1%(w/ v)ゼラチンでPBS中で希釈した免疫血清の100μlをウェルに添加し培養 した。PBSで3回洗浄後、結合抗体をアルカリ性フォスファターゼ複合組換え 蛋白G(0.1%(w/v)ゼラチンでPBS中で1:1500)の100μl での培養によって検出した。プレートを洗浄し、発色を100μl/ウェルのp −ニトロフェニルホスフェート(ジエタノールアミン中2mg/ml)の添加に よって促進した。30分後に3MのNaOHを50μl添加して反応を停止させ た。ELISA測定機を使って492nmでの吸光度を読みとった。最終点力価 は、吸光度がブランクのウェルのそれよりも大である希釈度の逆数として求めた 。表4に示す結果はCD蛋白による免疫化は、完全なビー・カタラリス上の一つ またはそれより多い表面露出エピトームに結合できる抗体を誘出できることを示 す。 CD蛋白の免疫原性を支持する付加的な証拠は、ビー・カタラリスに起因する 病歴の明瞭な感染症13名の患者のうち11名が快復期の血清中にCDへのIg Gを保持していたところのビー・カタラリスの外膜蛋白に対するヒト免疫反応の 研究に由来する(未発表)。これら13名の患者はビー・カタラリスによる気管 支肺感染症の7名の成人と中耳炎の6名の子供を含む。 CD蛋白はワクチン抗原の所望の性質を所有する他の例において、CD蛋白は CD蛋白による免疫から生成する細菌抗体の標的であることが示された。例えば CD蛋白に対するポリクローナル抗血清は、CD蛋白で皮下的に免疫されたウサ ギにおいて増大した。ビー・カタラリスの外膜製剤をSDS−PAGEに付し、 CDに対応するゲル中のバンドを切りとり、そしてCD蛋白をポリアクリルアミ ドゲル切片からの溶離によって精製した。ウサギを第0日に不完全フロインドア ジュバント中CD蛋白40μgで免疫させ、第14日に不完全フロインドアジュ バント中CD蛋白90μgで免疫させ、そして第28日に不完全フロインドアジ ュバント中CD蛋白60μgで免疫させた。得られた抗血清のビー・カタラリス の4223NC株に対する殺菌活性を試験した。細菌は脳−心臓インフュージョ ン(BHI)ブロス中で対数期的に成長した。この細菌培養物のアリコットを、 平衡塩類溶液中で10%コウシ血清アルブミン中mlあたり5x104 コロニー 形成単位(CFU)まで希釈した。殺菌アッセイ反応は細菌、CD蛋白に対する ポリクローナル抗血清、抗体除去のため蛋白Gに吸収させた正常のヒト血清から 成る補体源および平衡塩類溶液を含有していた。すべての試薬を反応に添加して 250μl容量とした。反応の25μlのアリコットを除去し、第0分と第60 分の時間にBHI寒天上に3回塗布した。塗布物を培養し、コロニーを翌日に計 数した。殺菌百分率を2回の時間における3つの3倍値の平均を用いて算出した 。殺菌アッセイで得られたデータの代表例を表5に示す。この結果は、CD蛋白 で得られたポリクローナル抗血清はビー・カタラリスに殺菌的であることを示す 。表5に示すように、対照においては抗血清が補体の不存在下で細菌を死滅させ ないこと及び補体源が抗血清の不存在下で細菌を死滅させないことを示しており 、これは殺菌活性は抗体に指向されそして補体で仲介されていることを表す。 CD蛋白がワクチン抗原の望ましい性質を持っていることを更に説明するため に、O35E株から得た保存免疫血清が異種の株と交差反応性を持っていること が示された。上述のようにCD蛋白に対して作成された保存免疫血清が、いろん な臨床的および地理的の源からの9つのビー・カタラリス株での交差反応性につ いて試験された。これらのものは例えば中耳や上部呼吸管のような臨床的の源や 、例えばニューヨーク州、マサシューセッツ及びテネシーのような地理的の源か ら単離された菌株を包含している。アッセイは、菌株をミューラー−ヒントン寒 天培地で一晩培養することにより行われた。各培養からの細菌は綿棒で採取し、 600nmで1.0の光学的吸収を示すようにPBS中に懸濁した。各懸濁液の 1マイクロリットルをニトロセルローズ膜に塗布し乾燥させた。膜をPBS中5 %の無脂肪の乾燥牛乳溶液の中で室温で1時間培養し、膜の残りの結合部位をブ ロックした。膜をPSBで2回洗浄し、1:1000に希釈した免疫血清を含有 するブロック溶液へ浸した。膜を緩やかに振盪しながら4℃で一晩抗体と一緒に 培養した。膜をPBSで3回洗浄し、アルカリ性フォスファターゼ複合組換え蛋 白G(5%の無脂肪乾燥牛乳と共にPBS内で1:1500)で室温で2時間培 養した。膜をPBSで3回洗浄し、基質(KPI BCIP/NBTフォスファ ターゼ基質系;Kirkegaard and Perry,Inc.)を添加して結合抗体を検出した。 免疫血清はO35E株と同じ程度かまたはそれよりも強力に6つの株と反応した 。一方では免疫血清は3つの株に対してO35E株よりも僅かに弱い反応性を示 した。すなわちO35E株から単離されたCD蛋白の免疫により誘出された抗体 は、テストした全ての異種株と交差反応した。 ワクチンの開発のために、CD特異性のアミノ酸配列はビー・カタラリスから 精製するか、またはCDもしくはCDペプチドを発現する組換えベクターを含有 する宿主から精製することができる。そのような宿主は細菌変異体、酵母変異体 、糸状菌変異体およびCDアミノ酸配列をコード化するベクターで変異されるか 感染された培養細胞を含むが、ただしこれらに限定されるものではない。CD蛋 白の部分に対応するペプチドまたはオリゴペプチドはCD蛋白の化学的または酵 素的切断で製造することが出来る(たとえば実施態様Dを参照のこと)し、また は当業者に公知の方法で参照としてCDをコード化した遺伝子のヌクレオチド配 列から導いたアミノ酸配列で化学的に合成も出来る。CDペプチドはまた組換え ベクターからも製造出来る(たとえば実施態様Aを参照のこと)。蛋白、ペプチ ドまたはオリゴペプチド免疫原は、免疫反応を誘発するために治療的有効量でワ クチン処方において関連する免疫材料として含まれている。ワクチン接種される べきヒトや動物の中へワクチン処方を導入するために多くの方法が知られている 。これらは皮内、筋肉内、腹腔内、血管内、皮下、眼内、経鼻および経口投与を 包含するが但しそれらに限定されるものではない。ワクチンは更に溶液、ポリー マーやリポソームのような生理的担体、アジュバントまたはその組み合わせを含 んでいてもよい。 種々のアジュバントがワクチン処方と共に使用される。アジュバントは免疫反 応を調節することによって、そしてもしワクチン抗原が単独投与された場合より も少量のワクチン抗原またはより少ない用量を用いて更に持続的および高いレベ ルの免疫性を得ることを助ける。アジュバントの例は不完全フロインドアジュバ ント、アジュバント65(落花生油、モノオレイン酸マンナイド及びモノステア リン酸アルミニウムを含有する)、油のエマルジョン、リビ(Ribi)アジュバン ト、プルロニックポリオール、ポリアミン、アブリジン(Avridine)、クイルA (Quil A)、サポニン、MPL、QS−21並びに水酸化アルミニウム及び燐酸 化アルミニウムのようなミネラルゲルを包含する。 本発明のこの様式の別の実施態様は、ハプテンすなわちそれ自体では免疫反応 を誘導できない分子としてのCD特異的アミノ酸配列の生産を包含する。そのよ うな場合にハプテンは、免疫系に露出されたときに結合ハプテンに免疫原性を与 えるであろう他の免疫原的分子や担体に共有的に結合することができる。すなわ ち担体分子と結合したそのようなCD特異的ハプテンは、ワクチン処方において 免疫原であり得る。 この実施態様の他の様式はビー・カタラリスに起因する感染症に用いられる不 活性化された組換えウィルスワクチンまたは生の組換えウイルスワクチン、組換 え細菌ワクチン、組換え弱毒化ワクチンを提供する。ワクチンウイルスは、他の 生体から誘導されるワクチン抗原を発現するのに工夫された感染ウイルスの、当 業者にとって最良の公知例である。それ自体で疾病を生じないように弱毒化する か他の手段で処理した組換え生ワクチンウイルスは、宿主の免疫化に使用される 。次の宿主内での組換えウイルスの複製は、CD蛋白またはCDペプチドのよう なワクチン抗原による免疫系の連続的刺激を提供し、長時間持続の免疫をもたら す。これ以外の生のワクチンベクターはアデノウイルス、サイトメガロウイルス 及び好ましくはポックスウイルス例えばワクシニア(Paoletti及びPanicall:米 国特許第 4,603,112号)及び弱毒化した Salmonella 株(Stocker 等,米国特許 第 5,201,035号、第 4,837,151号並びに 4,735,801号;及び Curtiss等,1988年 ,Vaccine 6 巻:155-160頁)を含む。生のワクチンは特に有利である。何故なら ばそれらは、実質的に長時間持続性の免疫を与え得る免疫系を連続的に刺激する からである。免疫反応が次のビー・カタラリス感染に対して予防的であれば、生 のワクチンそれ自体がビー・カタラリスに対する予防ワクチンに使用できる。 実施態様Aで述べたような分子生物学的技術を用いての本実施態様のこの様式 を説明するために、CDをコード化する遺伝子または一つもしくはそれより多い CDペプチドをコード化する遺伝子フラグメントが、CDエピトームの発現を許 容するが但しワクシニアウイルスベクターの成長や複製に負の影響を与えないよ うな部位でワクシニアウイルスゲノムDNA中へ挿入できる。得られた組換えウ イルスはワクチン処方における免疫原として使用できる。同じ方法は、組換えウ イルスを免疫原として使う前に発現免疫原の免疫原性に実質的に影響せぬように 例えば公知の化学的方法で不活性化する場合を除いて、不活性化組換えウイルス ワクチン処方の構築に用いることができる。異なるエピトームを発現する不活性 化ウイルスの混合物は、多価不活性化ワクチンの処方に用いることができる。い ずれの場合においても不活性化組換えワクチンまたは不活性化ウイルス混合物は 、ワクチン抗原に対する免疫学的反応をたかめるために、適当なアジュバントと 共に処方することができる。 この実施態様の別の変形においては、遺伝子材料は直接にワクチン処方として 使用される。一つまたはそれより多い調節要素と作動的に結合したCD蛋白、C DペプチドまたはCDオリゴペプチドをコード化する配列を含む核酸(DNAま たはRNA)は、ビー・カタラリスの病原株に対して個体をワクチン接種するた めに直接に導入することができる(直接遺伝子転写)。主な臓器組織と同様に血 管内皮細胞のようなワクチン投与された個体の細胞による遺伝子材料の発現をも たらすところのワクチン投与個体への直接遺伝子転写は、たとえば発現プラスミ ド:カチオン性リポソーム複合体(Zhu等,1993年,Science 261巻:209-211頁) の静脈内注射のような当業界での技術によって示されている。これ以外の標的細 胞内へのベクターDNAの効果的な伝達方法は当業界において公知である。一つ の例において、ウイルス遺伝子を含む精製組換えプラスミドDNAは、予防的免 疫反応を誘発するためにワクチンを接種する(非経口、経粘膜または遺伝子銃免 疫化のいずれかによって)のに用いられてきた(Fynan等,1992年,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 90 巻:11478-11482頁)。他の例においては、個体から除去し た細胞は当業界で公知の標準的方法でトランスフェクトするかまたはエレクトロ ポレートすることができ、標的細胞の中への組換えベクターDNAの導入をもた らす。次いで組換えベクターDNAを含む細胞は、ベクター内で発現した選択的 マーカー経由のような当業界で公知の方法を用いて選択することができ、そして 選択された細胞はCD蛋白、CDペプチドまたはCDオリゴペプチドを発現する ために個体へ再導入することができる。 遺伝子材料でワクチン接種する一つの好ましい方法は、CD蛋白、CDペプチ ドまたはCDオリゴペプチドの一つまたはそれ以上をコード化する核酸配列から 成る核酸分子を個体に投与する工程から成り、そこにおいて核酸は発現に必要な 一つまたはそれより多い調節配列に作動的に結合する。核酸分子は直接投与する か、または先ずウイルスベクターに導入しそしてベクター経由で投与することも できる。核酸分子は薬学的に許容される担体または希釈剤で投与することができ 、 ワクチンの効果を高め得る化合物を含有していてもよい。これらの付加的な化合 物は次ぎのものを含むがそれらに限定されるものではない。すなわち免疫反応を 高めるアジュバント並びに免疫反応を調節する化合物、例えば一括して「免疫調 節剤」として参照されるサイトカインまたは「核酸摂取エンハンサー」として参 照される細胞による核酸の摂取を増大するような他の化合物。核酸分子での免疫 化はいかなる非経口的経路(静脈内、腹腔内、皮内、皮下または筋肉内)や鼻咽 頭、気管もしくは胃腸管の粘膜表面との接触でおこなうことができる。 免疫弱体化された個体がビー・カタラリスに起因する潜在的に生命を脅かす感 染症にかかったような場合における活性免疫の別法として、免疫は受動的、すな わちCDエピトームに対する抗体を含有する精製ヒトイムノグロブリンの投与か ら成る免疫であってもよい。 本発明はここに詳細に既述した通りであるが、これらの例は単に説明の目的の ためのみであると理解されるべきである。分子生物学、医療診断学および関連す る分野の当業者に明白な本発明のこれ以外の実施態様の修正は、ここに添付した 請求範囲の範囲内にあると意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 15/09 ZNA 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9453−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 0276−2J G01N 33/53 D G01N 33/53 0276−2J 33/569 F 33/569 9162−4B C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,N O,NZ,PL,RU,UA

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.CDの1以上のエピトープを有した実質的に純粋なペプチド、オリゴペプチ ド、又は蛋白質を免疫学的に有効量含有するワクチン製剤であって、CDが、約 55,000〜約60,000ダルトンの見掛け分子量をもつブランハメラ・カ タラリス(Branhamella catarrhalis)の外膜蛋白質であり、しかも、配列番号1 4において読み取り枠として示されているヌクレオチド配列によってコード化さ れていることを特徴とするワクチン製剤。 2.CDの1以上のエピトープを有する前記蛋白質が、実質的に配列番号14に おいて示されているアミノ酸残基1〜427のアミノ酸配列からなることを特徴 とする請求項1記載のワクチン製剤。 3.CDの1以上のエピトープを有する前記蛋白質が、実質的に配列番号14に おいて示されているアミノ酸残基−26〜427のアミノ酸配列からなることを 特徴とする請求項1記載のワクチン製剤。 4.前記ペプチド、オリゴペプチド、又は蛋白質が、CDエピトープをコード化 しているDNA配列の発現を制御するヌクレオチド配列を含むベクターを含むよ うに遺伝学的に処理された宿主細胞系から培養された細胞より組み換え的に製造 されたものであり、前記宿主細胞が、バクテリア、酵母、糸状カビ、昆虫細胞系 、及び哺乳類細胞系からなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項 1記載のワクチン製剤。 5.前記ペプチド又はオリゴペプチドが、CD蛋白質の化学的又は酵素的開裂に よって製造されることを特徴とする請求項1記載のワクチン製剤。 6.前記ペプチド又はオリゴペプチドが、化学合成によって製造されることを特 徴とする請求項1記載のワクチン製剤。 7.更に製薬学的に受容可能なキャリヤー又は希釈剤を含むこと特徴とする請求 項1記載のワクチン製剤。 8.更に免疫モジュレーターを含むこと特徴とする請求項7記載のワクチン製剤 。 9.1以上のCDエピトープを有する前記ペプチド又はオリゴペプチドが、配列 番号1、配列番号19、配列番号22、配列番号25、配列番号28、配列番号 31、配列番号33、配列番号36、配列番号38、配列番号41、配列番号4 4、配列番号47、及び配列番号50からなる群より選ばれたものであることを 特徴とする請求項1記載のワクチン製剤。 10.CDエピトープをコード化する前記ヌクレオチド配列が、配列番号1及び配 列番号14からなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項4記載の ワクチン製剤。 11.前記培養細胞がバクテリアであることを特徴とする請求項4記載のワクチン 製剤。 12.前記培養細胞が酵母であることを特徴とする請求項4記載のワクチン製剤。 13.前記培養細胞が糸状カビであることを特徴とする請求項4記載のワクチン製 剤。 14.前記培養細胞が昆虫細胞系であることを特徴とする請求項4記載のワクチン 製剤。 15.前記培養細胞が哺乳類細胞系であることを特徴とする請求項4記載のワクチ ン製剤。 16.CDの1以上のエピトープを有した実質的に純粋な抗原ペプチド、オリゴペ プチド、又は蛋白質であって、CDが、約55,000〜約60,000ダルト ンの見掛け分子量をもつブランハメラ・カタラリスの外膜蛋白質で、実質的に配 列番号14において示されているアミノ酸配列を有することを特徴とする、実質 的に純粋な抗原ペプチド、オリゴペプチド、又は蛋白質。 17.CDの1以上のエピトープを有する前記蛋白質が、実質的に配列番号14に おいて示されているアミノ酸残基1〜427のアミノ酸配列からなることを特徴 とする請求項16記載の蛋白質。 18.CDの1以上のエピトープを有する前記蛋白質が、実質的に配列番号14に おいて示されているアミノ酸残基−26〜427のアミノ酸配列からなることを 特徴とする請求項16記載の蛋白質。 19.1以上のCDエピトープを有する前記ペプチド又はオリゴペプチドが、配列 番号1、配列番号19、配列番号22、配列番号25、配列番号28、配列番号 31、配列番号33、配列番号36、配列番号38、配列番号41、配列番号4 4、配列番号47、及び配列番号50からなる群より選ばれたものであることを 特徴とする請求項16記載のペプチド又はオリゴペプチド。 20.前記ペプチド、オリゴペプチド、又は蛋白質が、CDエピトープをコード化 しているDNA配列の発現を制御するヌクレオチド配列を含むベクターを含むよ うに遺伝学的に処理された宿主細胞系から培養された細胞より組み換え的に製造 されたものであり、前記宿主細胞が、バクテリア、酵母、糸状カビ、昆虫細胞系 、及び哺乳類細胞系からなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求項 16記載のペプチド、オリゴペプチド又は蛋白質。 21.前記培養細胞がバクテリアであることを特徴とする請求項20記載のペプチ ド、オリゴペプチド又は蛋白質。 22.前記培養細胞が酵母であることを特徴とする請求項20記載のペプチド、オ リゴペプチド又は蛋白質。 23.前記培養細胞が糸状カビであることを特徴とする請求項20記載のペプチド 、オリゴペプチド又は蛋白質。 24.前記培養細胞が昆虫細胞系であることを特徴とする請求項20記載のペプチ ド、オリゴペプチド又は蛋白質。 25.前記培養細胞が哺乳類細胞系であることを特徴とする請求項20記載のペプ チド、オリゴペプチド又は蛋白質。 26.CDの1以上の抗原決定基又はエピトープをコード化しているDNA配列を 含む組み換えベクターであって、CDが、約55,000〜約60,000ダル トンの見掛け分子量をもつブランハメラ・カタラリスの外膜蛋白質で、実質的に 配列番号14において示されているアミノ酸配列を有することを特徴とする組み 換えベクター。 27.CDが、実質的に配列番号14において示されているアミノ酸残基1〜42 7のアミノ酸配列からなることを特徴とする請求項26記載の組み換えベクター 。 28.CDの1以上のエピトープを有する前記蛋白質が、実質的に配列番号14に おいて示されているアミノ酸残基−26〜427のアミノ酸配列からなることを 特徴とする請求項26記載の組み換えベクター。 29.前記ベクターが、プラスミドベクター、ファージミドベクター、コスミドベ クター、及びウイルスベクターからなる群より選ばれたものであることを特徴と する請求項26記載の組み換えベクター。 30.ブランハメラ・カタラリスによって引き起こされる感染にかかった個体を受 動的に免疫するのに有用な組成物であって、前記組成物が、CDの1以上のエピ トープを認識する精製された抗血清を含み、CDが、約55,000〜約60, 000ダルトンの見掛け分子量をもつブランハメラ・カタラリスの外膜蛋白質で 、実質的に配列番号14において示されているアミノ酸残基1〜427のアミノ 酸配列を有することを特徴とする組成物。 31.約55,000〜約60,000ダルトンの見掛け分子量をもつブランハメ ラ・カタラリスの外膜蛋白質CDのエピトープをコード化する、分離された遺伝 子又はそれらのフラグメントであって、前記遺伝子が、配列番号14の1359 塩基対読み取り枠を含むことを特徴とする、分離された遺伝子又はそれらのフラ グメント。 32.前記CD蛋白質をコード化する核酸分子、又は、1以上のCDペプチド又は CDオリゴペプチドをコード化する1以上の遺伝子フラグメントを含むワクチン 製剤であって、前記核酸分子が、調節配列に有効に結合されていることを特徴と するワクチン製剤。 33.更に製薬学的に受容可能なキャリヤー又は希釈剤を含むこと特徴とする請求 項32記載のワクチン製剤。 34.更に免疫モジュレーターを含むこと特徴とする請求項33記載のワクチン製 剤。 35.更に核酸摂取エンハンサーを含むこと特徴とする請求項33記載のワクチン 製剤。 36.ブランハメラ・カタラリスのCD蛋白質、CDペプチド又はCDオリゴマー を発現することが可能な伝染性組み換え微生物。 37.ワクシニアウイルス、アデノウイルス、又はサイトメガロウイルスであるこ とを特徴とする請求項36記載の微生物。 38.サルモネラ属のバクテリアであることを特徴とする請求項36記載の微生物 。 39.個体の体液中のブランハメラ・カタラリス−特異抗血清の検出するための方 法で、前記体液中のブランハメラ・カタラリス−特異抗血清と相互作用して検出 を行うために、免疫学的検定において抗原として、CDの1以上のエピトープを 有するペプチド又は蛋白質を使用することを含むものにおいて、CDが、約55 ,000〜約60,000ダルトンの見掛け分子量をもつブランハメラ・カタラ リスの外膜蛋白質であることを特徴とする、ブランハメラ・カタラリス−特異抗 血清の検出方法。 40.前記の免疫学的検定が、ラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベント アッセイ、「サンドイッチ」アッセイ、沈澱反応、凝固アッセイ、螢光イムノア ッセイ、及び化学発光に基づくイムノアッセイからなる群より選ばれたアッセイ であることを特徴とする請求項39記載の方法。 41.ブランハメラ・カタラリスの検出において有用なオリゴヌクレオチド類であ って、前記オリゴヌクレオチド類が、配列番号14のヌクレオチド配列又はこれ に対応する相補鎖の範囲内に含まれる遺伝子の保存領域に補足し、かつ特異的に ハイブリッド形成する核酸配列から本質的に成ることを特徴とするオリゴヌクレ オチド類。 42.前記オリゴヌクレオチド類が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列 番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配 列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号15、配列番号16、配列 番号17、又は配列番号18からなる群より選ばれた核酸配列から本質的に成る ことを特徴とする請求項41記載のオリゴヌクレオチド類。 43.臨床検体中のブランハメラ・カタラリスの存在又は不在を検出するための方 法であって、前記方法が下記の工程(a)〜(d): (a)細菌性遺伝物質を放出させるために検体中の細胞を溶解する工程; (b)前記遺伝物質と2つのオリゴヌクレオチドとを、前記遺伝物質に対 して前記オリゴヌクレオチド類のハイブリッド形成を可能とする適切な条件の下 で接触させる工程で、この際、一方のオリゴヌクレオチドが、配列番号14のヌ クレオチド配列の範囲内に含まれる遺伝子の領域にハイブリッド形成し、しかも 、もう一方のオリゴヌクレオチドが、対応する相補鎖における領域にハイブリッ ド形成する; (c)プライマーとして前記工程(b)のオリゴヌクレオチド類を用いて 、前記遺伝子及びこれに対応する鎖を含む前記遺伝物質の配列の特異領域を酵素 的に増幅する工程;及び (d)前記遺伝子及びこれに対応する鎖の増幅された配列の存在を検出す る工程で、この際、これらの増幅された配列の存在が、検体中のブランハメラ・ カタラリスの存在に関連している; を含むことを特徴とするブランハメラ・カタラリスの検出方法。 44.前記の検出が、増幅されるべき配列の特異領域における領域に相当するヌク レオチド配列からなる標識づけされたオリゴヌクレオチドプローブを用いて、増 幅された配列のハイブリッド形成によって更に促進され、前記標識が、オリゴヌ クレオチド類に混合されることが知られている標識で、32P等の放射性標識、及 びビオチン等の酵素性標識の中から特に選ばれたものであることを特徴とする請 求項43記載の方法。 45.前記検体が、中耳液;痰;血液;及び鼻咽頭又は目又はアデノイドからの流 体からなる群より選ばれた体液であることを特徴とする請求項43記載の方法。 46.臨床検体中のブランハメラ・カタラリスを検出するための方法であって、前 記方法が下記の工程(a)〜(d): (a)体液の検体を採得する工程; (b)細菌性遺伝物質を放出させるために検体中の細胞を溶解する工程; (c)前記遺伝物質を、前記遺伝物質に対して前記オリゴヌクレオチドの ハイブリッド形成を可能とする適切な条件の下で、配列番号14のヌクレオチド 配列の範囲内に含まれる遺伝子の領域又はこれに対応する相補鎖における領域に 相当するように合成されたオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程;及び (d)前記検体と前記プローブとの間の相互作用を検出する工程で、前記 相互作用が、ブランハメラ・カタラリスの遺伝物質と前記プローブとの間のもの である; を含むことを特徴とするブランハメラ・カタラリスの検出方法。 47.前記検体が、中耳液;痰;血液;及び鼻咽頭又は目又はアデノイドからの流 体からなる群より選ばれた体液であることを特徴とする請求項46記載の方法。
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