【発明の詳細な説明】
HIVおよび関連ウイルスを阻害するための化合物および方法
発明の分野
本発明はHIVならびに関連ウイルスの感染症を治療するための化合物ならび
にその医薬的に許容される塩および方法、および/または後天性免疫不全症候群
(エイズ(AIDS))の治療法に関する。また、エイズならびにHIVによる
ウイルス感染の治療ならびに予防を行うための化合物を含有する医薬組成物、お
よび当該治療ならびに予防のために本発明の化合物を単独でか、または他の薬剤
と組み合わせて使用する方法も開示する。
発明の背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と名付けられたレトロウイルスは後天性免疫
不全症候群(エイズ)と呼ばれる複合疾患の起因病原体であると信じられている
レトロウイルスのレンチウイルス科の一員である(M.A.Gonda,F.Wong-Staal NR
.C.Galloの、「Sequence Homology and Morphological Similarity of HTLV III
and Visna Virus,A Pathogenic Lentivirus」、Science,227,173,(1985)、
およびP.SonigoおよびN.Alizonらの、「Nucleotide Sequence of the Visna Len
tivirus:Relationship to the AIDS Virus」,Cell,42,369,(1985))。HI
Vウイルス(エイズウイルスとも呼ばれる)はLAV、HTLV−IIIもしく
はARVとして以前に知られるか、またはその様な呼び名で呼ばれていたもので
あり、現在はHIV−1と呼ばれている。HIV−1と密接な関連のある他の変
種には、HIV−2、SIV(サル免疫不全ウイルス)、およびそれらの突然変
異株が含まれる。複合疾患であるエイズには、進行性の免疫系の破壊、および中
枢神経系ならびに末梢神経系の変性が含まれる。HIVウイルスはヘルパーT細
胞(Tリンパ球またはOKT4保持T細胞)および他のヒト細胞、例えば脳内の
ある種の細胞を選択的に攻撃するようである。ヘルパーT細胞にウイルスが侵入
し、該T細胞がHIVウイルスの産生者となる。ヘルパーT細胞は急速に破壊さ
れ、通常ヘルパーT細胞により刺激を受ける体内の他のT細胞ならびにB細胞が
正常に機能し、侵入するウイルスまたは侵入する他の微生物を破壊するのに十分
なリンフォカインおよび抗体を産生することができない程に、ヒトにおけるその
数が減少する。
HIVウイルスそれ自体は必ずしも死の原因ではないが、重度の免疫系の機能
低下をもたらし、ヒトにヘルペス、ニューモシスチスカリニ、トキソプラズマ症
、サイトメガロウイルス、カポシ肉腫、およびエプスタイン−バーウイルス性リ
ンパ肉腫といった様々な他の疾患を引き起こす。これらの二次感染は従来通り他
の薬物を用いて別個に治療される。感染初期において、HIVウイルスを保有し
ているヒトはほとんど、もしくはまったく症状を示すことなく生き続けるようで
あるが、感染は持続する。本疾患のそれより後の時期になると、ヒトにおいて体
重の減少、不定愁訴、発熱、およびリンパ節の腫脹といった様々な症状を伴う軽
度の免疫系の機能低下が生じる。これらの症候群は持続性全般化リンパ腺障害症
候群(PGL)およびエイズ関連コンプレックス(ARC)と呼ばれ、これが進
行してエイズとなる。
すべての症例において、エイズウイルスに感染している患者は、他のヒトに対
する持続的な感染源となると考えられている。さらにエイズおよびエイズ関連コ
ンプレックスはいずれ致死的となる。
本ウイルスが宿主に感染するメカニズムの説明は、R.YarchoanおよびS.Broder
の文献、「Development of Antiretroviral Therapy for the Acquired Immunod
eficiency Syndrome and Related Disorders」、New England Jounal of Medici
ne,316,557-564(1987年2月26日)に記載されている。
HIVの複製に必要である本ウイルスの逆転写酵素を阻害することによってH
IVを抑制するためにかなりの努力がなされている(V.Merluzziらの、「Inhibi
tion of the HIV-1 Replication by a Nonnucleoside Reverse Transcriptase I
nhibitor」、Science,25,1411(1990))。例えば、現在治療に用いられている
化合物のAZTはウイルスの逆転写酵素阻害剤である(米国特許第4,724,232号
)。残念なことに、現在用いられている化合物の多くが毒性の問題を抱えている
か、
生物学的利用能を欠くか、またはインビボにおける半減期が短いか、ウイルスが
耐性を有するか、あるいはそれらを組み合わせた問題を抱えている。したがって
、新しい化合物が研究されている。例えば、1993年2月18日に公開された
PCT出願(WO93/03022;国際出願番号PCT/SE92/0053
3)は、HIVおよびエイズの治療と予防を約束するチオ尿素化合物を開示して
いる。
本発明の方法の定義の範囲内に入るある化合物は、HIVを治療する以外の役
割について公開されている。これらの化合物は但し書によって特許を請求する化
合物から除外している。これら化合物のケミカルアブストラクトでの登録番号ま
たは出典は以下の通りである:
a) i) 87977−01−3;
ii) 75808−56−9;
iii) 78329−62、112822−56−7、−49−8、
51−2、−48、7、−48−6、−50−1、および
−46−5;
iv) 65094−08−8;
v) 39960−40−2および−10−6、64442−48
−2および−47−3;
vi) 米国特許番号3,705,903;
Vii) 85180−12−7;
viii) 55474−82−3;
ix) 49551−06−6、−08−8、−08−4、−81−
7、−67−9、−65−7、−58−8、−31−7、−
63−3ならびに−60−2および49552−03−6;
x) 米国特許番号4,057,636;
b) 100973−52−2、92852−25−0;
c) 141403−37−4
したがって、本発明の目的はHIVおよびエイズを抑制および/または治療す
るための化合物およびその医薬的に許容される塩を提供することである。
本発明の別の目的は、HIV感染症の抑制ならびに/もしくは治療、および後
天性免疫不全症候群の治療もしくは抑制に有用な治療用製剤を提供することであ
る。
更に別の目的は、HIV感染症ならびにそれによって生じる後天性免疫不全症
候群を抑制および/または治療するための方法を提供することである。
他の目的、特徴および利点については、以下の説明および特許請求の範囲によ
って当業者に明らかにされるであろう。
発明の説明
本発明は、HIVおよびエイズの抑制および/または治療に有用な化合物を、
化合物自体としてか、医薬的に許容されるその塩としてか、または医薬組成物の
成分として、単独であるいは他の抗ウイルス剤、免疫修飾剤、抗生物質もしくは
ワクチンと組み合わせて提供するものである。エイズを治療または予防する方法
、HIVの複製を抑制する方法、およびヒトにおけるHIVを治療および抑制す
る方法も開示する。本発明の方法において使用する化合物は、下記式(IA):
ZiはO、Se、NRaまたはC(Ra)2、および
Ziiは−Oまたは(=O)2であり、ここでRaはH、ORb、CN、NO2、N(
Rb)2、SRb、SO2Rb、SO2N(Rb)2、CORb、CO2Rb、CON(Rb
)2、PO(Rb)2、PO(ORb)2、PO(NRb)2であり、ここでRbは水素
、C1−C6アルキル、C1−C6置換アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6置
換
アルケニル、C2−C8アルキニル、C2−C8置換アルキニル、C1−C6アルコキ
シ、C1−C6置換アルコキシ、C4-10アルアルキル、C1-10アルキルアリール、
C1-10アルキルチオ、C4-10アルアルキルチオ、C1-10アルキルスルフィニル、
C4-10アルアルキルスルフィニル、C1-10アルキルスルホニル、C4-10アルアル
キルスルホニル、カルボキシ、C1-10アルキルチオカルボニル、C4-10アルアル
キルカルボニル、C4-10アルアルキルチオカルボニル、C4-10アルアルコキシカ
ルボニル、C4-10アルアルコキシカルボニル、C1-4アルキル、C4-10アルアル
コキシ、C1-12ジアルキルアミノ−C1-6アルアルカノイルアミノ C4-10アル
アルキルアミノ、またはC1−C4アルカノイルオキシであり;
R1は、S、OおよびNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する安定な飽
和もしくは不飽和の、置換または非置換の3〜8員環の有機単環式環であるか;
またはR1はS、OおよびNから選ばれる0〜5個のヘテロ原子を有する安定な
飽和もしくは不飽和の、置換または非置換の7〜10員環の有機二環式環であり
;
R2は式:
[式中、R5は先に定義したR1であるか、またはR5は式:(R10)y−X−(こ
こで、yは1または2であり、XはN、SまたはOであり、R10は先に定義した
R1であるか、またはR10は水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2
−C6アルキニル、置換C1−C6アルキル、置換C2−C6アルケニル、または置
換C2−C6アルキニルであるか;またはR5は水素、ハロ、シアノ、カルボキシ
、アミノ、チオ、ヒドロキシ、C1−C6アルコキシ、C1−C6置換アルコキシ、
C1−C6アルキル、C2−C8アルケニル、C2−C8アルキニル、またはC2−C8
アルケノキシである)で示される基であり;
R6、R7、R8ならびにR9は独立して、C3−C8シクロアルキル、水素、C1
−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C1−C6アル
キル、置換C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルキニル、C1−C6置換アルコ
キシ、ハロ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ヒドロキシ、カル
ボキシ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、C1−C4アルキ
ルチオ、C1−C4アルカノイルオキシ、カルバモイル、もしくはハロ置換C1−
C6アルキルであるか、またはこれらのうちの2個がそれらが結合している炭素
と一緒になってS、OまたはNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する安定
な飽和もしくは不飽和の、置換または非置換の3〜7員環の有機単環式環を形成
するか;またはR6とR8、またはR7とR9がそれらが結合している炭素と一緒に
なってS、OまたはNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する安定な飽和も
しくは不飽和の、置換または非置換の3〜7員環の有機単環式環を形成していて
もよい]で示される基であり;
R3およびR4は独立して水素、ヒドロキシ、C1−C6アルキル、C2−C6アル
ケニル、C2−C6アルキニル、置換C1−C6アルキル、置換C2−C6アルケニル
、もしくは置換C2−C6アルキニル、置換アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ
、C1−C6アルコキシ、C1−C6置換アルコキシ、カルボキシ、ヒドロキシメチ
ル、アミノメチル、カルボキシメチル、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルカ
ノイルオキシ、ハロ置換(C1−C6)アルキル、もしくはカルバモイルである]
で示される化合物またはその塩である。
また、用語「HIV」は、HIV−1、その成分、突然変異したその変異体、
そのサブタイプならびにその血清型、および関連ウイルス、その成分、突然変異
したその変異体、そのサブタイプならびにその血清型が含まれると理解すべきで
ある。用語「抑制」は、その通常の意味である予防、抑制もしくは阻害を表して
おり、特定の方法、手順もしくは作用機序に限定することを意味するものではな
い。
用語「安定な飽和もしくは不飽和の、置換または非置換の3〜8員環の」また
は「S、OまたはNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する3〜7員環の有
機単環式環」には、窒素および硫黄ヘテロ原子が酸化されていたり、その窒素ヘ
テロ原子が4級化されているものも含まれる。置換されている環は、独立してア
リール、置換アリール、ハロ、C1−C6アルキル、C1−C5アルコキシ、C2−
C6アルケニル、C2−C8アルキニル、C2−C8アルケノキシ、アミノ、ニトロ
、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、
C1−C4アルキルチオ、ヒドロキシ、C1−C4アルカノイルオキシ、カルバモイ
ル、ハロ置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ置換C1−C6アルキル、式
:−SO2Rx[式中、RxはC1−C6アルキル、アリール、置換アリールもしく
はアミノである];もしくは式:
[式中、Rxは前記と同意義である]
で示される基から選ばれる1〜8個の置換基を持っていてもよい。
用語「S、OまたはNから選ばれる0〜5個のヘテロ原子を有する安定な飽和
もしくは不飽和の、置換または非置換の7〜10員環の有機二環式環」には、窒
素および硫黄ヘテロ原子が酸化されているか、または窒素ヘテロ原子が4級化さ
れているものも含まれる。この二環式環は既述の単環式環について列挙した置換
基から独立して選ばれる1〜8個の置換基で置換されていてもよい。
このような単環式環および二環式環の例としては、シクロ(C3−C8)アルキ
ル、シクロ(C3−C8)アルケニル、イソチアゾリル、置換イソチアゾリル、テ
トラゾリル、置換テトラゾリル、トリアゾリル、置換トリアゾリル、ピリジル、
置換ピリジル、イミダゾリル、置換イミダゾリル、フェニル、置換フェニル、ナ
フチル、置換ナフチル、ベンズオキサゾリル、置換ベンズオキサゾリル、ベンズ
イミダゾリル、置換ベンズイミダゾリル、チアゾリル、置換チアゾリル、オキサ
ゾリル、置換オキサゾリル、ベンゾチアゾリル、置換ベンゾチアゾリル、ピラジ
ニル、置換ピラジニル、ピリダジニル、置換ピリダジニル、チアジアゾリル、置
換チアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、置換ベンゾトリアゾリル、ピロリル、
置換ピロリル、インドリル、置換インドリル、ベンゾチエニル、置換ベンゾチエ
ニル、チエニル、置換チエニル、ベンゾフリル、置換ベンゾフリル、フリル、置
換フリル、キノリニル、置換キノリニル、イソキノリニル、置換イソキノリニル
、ピラゾリル、および置換ピラゾリルがある。この様な環系の他の例は、J.Flet
cher,O.Dermer,R.Foxの、Nomenclature of Organic Compounds、20-63頁(197
4)および本明細書の実施例に記載されている。
用語「C1−C6アルキル」にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル
、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、および
3−メチルペンチルなどの基が含まれる。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を表す。
「C1−C6アルコキシ」はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびt−ブト
キシなどの基を表す。
「C2−C6アルケニル」はビニル、1−プロペン−2−イル、1−ブテン−4
−イル、1−ペンテン−5−イル、および1−ブテン−1−イルなどの基を表す
。
「C1−C10アルキルチオ」はメチルチオ、エチルチオ、およびt−ブチルチ
オなどの基を表す。
「C1−C4アルカノイルオキシ」はアセトキシ、プロピオンオキシ、ホルミル
オキシ、およびブチリルオキシなどの基を表す。
用語「C2−C8アルケノキシ」には、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、お
よびイソ−ブトキシエテニルなどの基が含まれる。
用語「C2−C8アルキニル」には、エチニル、プロピニル、ペンチニル、およ
びブチニルなどの基が含まれる。
用語「ハロ置換C1−C6アルキルには、トリフルオロメチル、2−ジクロロエ
チル、および3,3−ジフルオロプロピルなど、ハロゲンによって1、2または
3回置換されているアルキルが含まれる。
用語「アミン」にはハロゲン、アミノ、C1−C7アシルオキシ、C1−C6アル
キル、C1−C6アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、カルバノイル、カルバノイル
オキシ、およびシアノもしくはメチルスルホニルアミノなどで置換されているこ
ともあるNH2、NHCH2およびN(CH)2などの基が含まれる。
用語「カルボキシル」、「カルボキシメチル」および「カルバモイル」には対
応する医薬的に許容されるそれらのC1−C6アルキルおよびアリールエステルも
含まれる。
用語「「アリール」にはS、OおよびNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を
有する3〜8員環の安定な飽和もしくは不飽和の有機単環式環;およびS、Oお
よびNから選ばれる0〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員環の安定な飽和も
しくは不飽和の有機二環式環が含まれ、これらはいずれもハロ、C1−C6アルキ
ル、C1−C6アルコキシ、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C1
−C6アルキル、C1−C6置換アルコキシ、置換C2−C6アルケニル、もしくは
置換C2−C6アルキニル、置換アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、カルボキ
シ、ヒドロキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、C1−C4アルキルチ
オ、ヒドロキシ、C1−C4アルカノイルオキシ、カルバモイル、またはハロ置換
C1−C6アルキルで置換されていてもよい。
置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニルおよび置換アルコキシなる用
語はハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、C1−C7アシルオキシ、ニトロ、カルボキ
シ、カルバノイル、カルバノイルオキシ、シアノ、メチルスルホニルアミノ、ま
たはC1−C6アルコキシで置換されているこれらの置換基を表し、同一のまたは
異なった1または2個の置換基で置換されていてもよい。
好ましい定義は、R3およびR4が水素であり、R1が先にて定義したヘテロ芳
香族単環式環または二環式環であって、ヘテロ原子に対して3位に、より好まし
くは2位にN’−結合を有するものである。
R1の例としては、チアゾリル、(4−メチル)チアゾリル、(4,5−ジメ
チル)チアゾリル、(4−シアノ)チアゾリル、(4−トリフルオロメチル)チ
アゾリル、ベンゾチアゾリル、(6−フルオロ)ベンゾチアゾリル、(6−クロ
ロ)ピラジニル、(4−エチル)チアゾリル、4−(3−ピリジル)チアゾリル
、4−(3−ニトロフェニル)チアゾリル、ピリジル、(6−ブロモ)ピリジル
、(6−クロロ)ピリジル、(6−メチル)ピリジル、(5−メチル)ピリジル
、
(6−トリフルオロメチル)ピリジル、(5−トリフルオロメチル)ピリジル、
(6−エチル)ピリジル、(5−エチル)ピリジル、(6−ブロモ)ピラジニル
、3−(6−ブロモ)ピリダジニル、(6−シアノ)ピリジル、(5−シアノ)
ピリジル、(5−シアノ)ピラジニル、(6−シアノ)ピラジニル、3−(6−
シアノ)ピリダジニル、1,3,4−チアジアゾイル、ベンズイミダゾリル、イ
ミダゾリル、(5−ブロモ)ピリジル、(5−クロロ)ピリジル、(5−クロロ
)ピラジニル、(5−ブロモ)ピラジニル、(6−クロロ)ピリダジニル、2−
(3−[6−ブロモ]ピリダジニル、2−(3−[6−クロロ]ピリダジニル)
、2−(3−[6−シアノ]ピリダジニル)、2−(3−エチル)ピリジル、3
−(6−メトキシ)ピリダジニル、2−(5−ニトロ)ピリジル、2−(5,6
−ジクロロ−4−アザベンズイミダゾリル、4−(6−アミノピリミジニル)、
4−ピリミジニル、2−(3−ピリダジニル)、2−(3−(6−メチル)ピリ
ダジニル、2−ピラジニル、2−(5−メチル)ピラジニル)があり;
R2は(4−メチル)−3−ペンテニル、(±)−シス−N−(3,4−ベンゾ
−シス−ビシクロ−[3.1.0]−ヘキセン−6−イル)、
また、R1の好ましい任意的置換基には、モノハロ、ジハロまたはトリハロ、
好ましくは特にN’−結合に対してパラ位にある臭素もしくは塩素が含まれる。
R5に対する好ましい任意的置換基は、ハロもしくはC1−C6アルコキシ、特
に2,6−ジフルオロおよび2,6−ジハロ−3−C1−C6アルコキシである。
好ましいR5基には、フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニ
ル、4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、2−メチルフェニル、3−
メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2−フ
ルオロ−6−メトキシフェニル、2−フルオロ−6−エトキシフェニル、2,3
,5,6−テトラフルオロフェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル
、1−シクロヘキセニル、2−ナフチル、2,5−ジメトキシフェニル、2−ア
ジドフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2−フルオロ−6−クロロ
フェ
ニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,6
−ジクロロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、3,5−ジクロロフェ
ニル、3−フルオロフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−ピリジル、2
−(6−メトキシ)ピリジル、2−(6−エトキシ)ピリジル、2−(6−フル
オロ)ピリジル、2−(5−フルオロ)ピリジル、2−(4−フルオロ)−ピリ
ジル、2−(3−フルオロ)ピリジル、2−(6−クロロ)ピリジル、2−(5
−クロロ)ピリジル、2−(4−クロロ)ピリジル、2−(3−クロロ)ピリジ
ル、2−(5−メトキシ−6−フルオロ)ピリジル、2−(3−メトキシ−6−
フルオロ)ピリジル、2−(6−メトキシ−3−フルオロ)ピリジル、2−(5
−エトキシ−6−フルオロ)ピリジル、2−(3−エトキシ−6−フルオロ)ピ
リジル、2−(6−エトキシ−3−フルオロ)ピリジル、2−(5,6−ジフル
オロ)ピリジル、2−(3,6−ジフルオロ)ピリジル、2−(5,6−ジクロ
ロ)ピリジル、2−(3,6−ジクロロ)ピリジル、2−(6−メトキシ)ピリ
ジル、2−(6−エトキシ)ピリジル、2−[1,3−ピリミジル]、2−ピラ
ジニル、3−ピリダジニル、2,6−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2,
6−ジフルオロ−3−エトキシフェニル、2,6−ジフルオロ−4−メトキシフ
ェニル、2,6−ジフルオロ−4−エトキシフェニル、2−(3−エトキシ)ピ
リジル、2−(3−メトキシ)ピリジル、2,6−ジフルオロフェニル、2,6
−ジフルオロ−3−N−メチル−カルボキシアミドフェニル、2−フルオロ−6
−クロロフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−エトキシフェニル
、3−ブロモ−6−エトキシフェニル、3−(2−フルオロ)ピリジル、(2−
ビニル)フェニル、(3−ビニル)フェニル、(3−メトキシ−カルボニル)フ
ェニル、5,6−ジメチルベンゾトリアゾリル、2,3−ジフルオロ−6−メト
キシフェニル、2,6−ジフルオロ−3−シアノフェニル、3−エチニルフェニ
ル、および2,5−ジエトキシフェニルが含まれる。
本発明のさらなる態様として、既述の式1A[式中、Aは前記と同意義であり
、R1は、i)4個までのヘテロ原子を有する3〜8員環の単環式環か、または
ii)5個までのヘテロ原子を有する7〜10員環の二環式環(ここで、N’−
結
合環は少なくとも1個のヘテロ原子を有し、該ヘテロ原子はN、OおよびSから
選ばれる)を有する安定な不飽和の置換または非置換のヘテロ環であり;R2は
式:
[式中、R5は安定な飽和または不飽和の置換または非置換の、ヘテロ原子がN
、OおよびSから選ばれるi)0〜4個のヘテロ原子を有する3〜8員環の有機
単環式環か、またはii)0〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員環の有機二
環式環であり;
R6、R7、R8ならびにR9は独立して、C3−C8シクロアルキル、水素、C1−
C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C1−C6アルキ
ル、置換C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルキニル、C1−C6置換アルコキ
シ、ハロ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−C5アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロ
キシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、C1−C4アルキルチオ、C1−
C4アルカノイルオキシ、カルバモイル、もしくはハロ置換C1−C6アルキルで
あるか、またはこれらのうちの2個の基がそれらが結合している炭素と一緒にな
って、S、OまたはNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する安定な飽和も
しくは不飽和の置換または非置換の3〜7員環の有機単環式環を形成するか;ま
たはR6とR8、もしくはR7とR9がそれらが結合している炭素と一緒になってS
、OまたはNから選ばれる0〜4個のヘテロ原子を有する安定な飽和もしくは不
飽和の、置換または非置換の3〜7員環の有機単環式環を形成する]
で表される基である]で示される新規化合物またはその医薬的に許容される塩を
提供するが、但し、
a)R6−R9がすべて水素である場合は、以下の組み合せを除く:
b)R7がメチルであるか、またはR6と一緒になってシクロプロピルを形成し
、R6〜R9の残りのものが水素である場合は、以下の組み合せを除く:
c)R7がアルキルチオであり、R6〜R9の残りのものが水素である場合は、
以下の組み合せが除かれる:
上の定義は、アリールおよび置換アリールをR1基の任意的置換基となりうる
ものとして除外する以外は、本発明のこれらの化合物の態様にも適用される。
さらに、本発明の化合物は、R1およびR6〜R9が前記と同意義であり、R5は
置換または非置換のC2−C6アルケニル、C2−C6アルキニルであるか、または
R5が−OR10もしくは−C(O)R10(ここで、R10は前記のごとく定義され
たR5であるか、または置換または非置換のC2−C6アルケニルもしくはC2−C6
アルキニルである)であることが好ましい。
但し書x)を除く但し書によって除外される化合物にはいずれも治療的役割を
もつことが知られているものはないものと考えられる。したがって、本発明のさ
らなる態様にはこの但し書によって定義される化合物の治療への使用が含まれる
。
既述のごとく、本発明には既述の式(I)によって定義される化合物の医薬的
に許容される塩が含まれる。一般的には中性であるが、本発明の特定の化合物は
十分な酸性基、十分な塩基性基、またはその2つの官能基を有することができ、
したがって、該化合物は多くの無毒の無機塩基、および無毒の無機酸ならびに有
機酸と反応して医薬的に許容される塩を形成することができる。酸付加塩を形成
するのに通常用いられる酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリ
ン酸などの様な無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、蓚
酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、琥珀酸、クエン酸、安息香酸および
酢酸などの様な有機酸である。すなわち、このような医薬的に許容される塩の例
としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、
1水素リン酸塩、2水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、クロリド、ブ
ロミド、ヨード、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカノエート、カプリレート、アク
リレート、ホルメート、イソブチレート、カプロエート、ヘプタノエート、プロ
ピオレート、オキザレート、マロネート、コハク酸塩、スベレート、セバケート
、フマレート、マレエート、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−
ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニト
ロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート
、スルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピ
オネート、フェニルブチレート、クエン酸塩、乳酸塩、g−ヒドロキシブチレー
ト、グルコレート、酒石酸塩、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナ
フタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、およびマンデレ
ートなどが挙げられる。好ましい医薬的に許容される酸付加塩には、塩酸ならび
に臭化水素酸の様な無機酸によって形成されるもの、およびマレイン酸ならびに
メタンスルホン酸の様な有機酸によって形成されるものがある。
塩基付加塩には、水酸化アンモニウム、水酸化アルカリもしくは水酸化アルカ
リ土類金属の様な無機塩基、炭酸塩、および重炭酸塩などから誘導されるものが
含まれる。すなわち、本発明の塩を製造するために有用なそのような塩基には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、重炭酸カリウム、水
酸化カルシウム、および炭酸カルシウムなどが含まれる。
本発明の医薬的に許容される塩は通常、上に定義した化合物を等モルもしくは
過剰量の酸もしくは塩基と反応させて形成する。通常、この反応体は、酸付加塩
の場合はジエチルエーテルもしくはベンゼン、塩基付加塩の場合は水もしくはア
ルコールの様な相互溶媒中で混合すると、塩は通常約1時間〜約10日以内に溶
液から析出するので、濾過もしくは他の常法によって分離することができる。本
発明の化合物の塩は投与後該化合物自体に変換される。すなわち、該塩はプロド
ラッグである。すべてのプロドラッグは、ウイルスと接触し、ウイルスと相互作
用する(例えば、ウイルスの複製を阻害する)のに有効な量の化合物が生じるの
に十分な量が投与される。
また、本発明の化合物にはラセメート、ラセミ混合物、およびそれぞれのエナ
ンチオマーもしくはジアステレオマーも含まれる。すべての不斉体、個々の異性
体およびその混合物は本発明の範囲内にある。
既述した様に、式1の化合物の光学活性ジアステレオマーは本発明の一部であ
り、その様な光学活性異性体はそれらのそれぞれの光学活性前駆体から本明細書
に記載の方法により製造するか、もしくはラセミ混合物を分割することによって
製造することができる。この分割は分割剤の存在下で、クロマトグラフィーによ
るか、結晶化を繰り返すか、または当業者に知られたこれらの技術のいくつかの
組み合わせによって実施することができる。分割に関するさらなる詳細は、Jacq
uesらの、Enantiomers,Racemates,and Resolutions,John Wiley & Sons,198
1に記載されている。
本発明の化合物もしくはその前駆体は、当業者に知られた方法を用いて製造さ
れる。より詳細には、式(1)の化合物は、後述の反応式I〜IVおよびVII
に記載の一般的手順によって製造される。
溶媒中、アミノ基(2)とモル比約1:1で反応させ、約0〜150℃の適切な
温度で1〜72時間撹拌する。要する時間および温度は、個々の試薬の反応性に
依存する。生成物(3)は常法により分離することができる。
反応式IIは反応式Iと同じ一般的反応条件下で実施する。
版、J.March、802頁、1985、J.Wiley & Sonsに記載のものと類似の方法であり、
この文献の記載は本明細書の一部を構成する。
1459,1967;J.Chem.Soc.Chem.Commun.,372,1968;J.Prakt.Chem.,315,155,197
3に記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する
。AがSO2である場合、反応式IおよびIIは、J.Am.Chem.Soc.,94,6135,197
2およびOrg.Prep.Proced.Int.,16,49,1984に記載のものと類似の方法であり、
その中の記載は本明細書の一部を構成する。
反応式IIIにおいて、アミン(7)およびアミン(8)の誘導体をN,N−
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチルまたはベンゼンの様な
不活性溶媒中、L1およびL2が脱離基を表す適切に置換された誘導体(9)に加
える。反応物を約0〜150℃の適切な温度で1〜72時間撹拌する。要する時
間、温度および添加順序は個々の試薬の反応性に依存する。生成物(10)は常
法により分離することができる。
ものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
に記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
g.Chem.,38,155,1973;J.Med.Chem.,20,901,1977;Tetrahedron Lett.,30,73
13,1989;Org.Prep.Proced.Int.,17,256,1985;J.Heterocyclic Chem.,24,275
,1987;Org.Prep.Proced.Int.,23,721,1991に記載のものと類似の方法であり、
その中の記載は本明細書の一部を構成する。
5,1987;Liebigs Ann.Chem.,207,1990;ヨーロッパ特許第58492号,1982;Syn.C
ommun.,19,943,1989;J.Heterocyclic Chem.,26,1335,1989;ベルギー特
許第894093号,1982;Syn.Commun.,21,1213,1991;Synthesis,195,1990;米国
特許第4,968,808号;J.Org.Chem.,32,2661,1967;Synthesis,76,1987に記載の
ものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。AがSO2
である場合、反応式IIIは、Synthesis,192,1983;J.Org.Chem.,45,5371,5
373,1980;Org.Syn.Coll.VI巻,78,1988;J.Prakt.Chem.,29,328,1965;Arch.Pha
rm.,321,375,1988;J.Chem.Soc.,4367,1960;Synthesis,576,1972に記載のも
のと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
反応式IVにおいては、チオ尿素誘導体(11)を対応する誘導体(10)に
変換する。
Lett.,27,3911,1986に記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細
書の一部を構成する。
と類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
20,901,1977;Tetrahedron Lett.,30,7313,1989;Syn.Commun.,13,67,1
983;Curr.Sci.,37,645,1968に記載のものと類似の方法であり、その中の記
載は本明細書の一部を構成する。
反応式Vにおいては、カルボジイミド誘導体(12)を求核原子と反応させ、
対応する生成物(13)を形成する。
oc.C,1429,1970;J.Chem.Soc.P.T.1,1241,1977;J.Med.Chem.,32,228,1989に
記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
Ztq.,112,107,1988に記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書
の一部を構成する。
反応式VIおよびVIIにおいては、Lが脱離基を表す誘導体14および15
を求核原子と反応させ、それそれ対応する誘導体16および17を得る。
載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
6;Syn.Comm.,20,217,1990;Tetrahedron Lett.,1879,1970;Org.Prep.Proced
.Int.,17,256,1985;J.Heterocyclic Chem.,24,275,1987;Org.Prep.Proced.I
nt.,23,721,1991に記載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の
一部を構成する。
載のものと類似の方法であり、その中の記載は本明細書の一部を構成する。
ZiiがS(=O)2である化合物は、式:R2NH2のアミンをジアミノスルホ
ンと反応させることにより製造することができ、例えば1,2−ジメトキシメタ
ン中、還流下で、ジアミノスルホンと反応させることにより式:R2NHS(=
O)2NH2で示される化合物を形成することができる。これを今度は、例えばD
MFもしくは1,2−ジメトキシエタン中、式:H2NR1で示される化合物と反
応させ、R2NHS(=O)2NHR1を形成させる。すなわち、この方法はArya
らの、Ind.J.Chem.B,1976,14B,766 に記載の方法と類似の方法である。
あるいはまた、Ziiがスルホンである化合物は、例えばSbCl5およびアセ
トニトリルと共に還流下で、式:R2NH2のアミンをジハロスルホン、例えばS
O2Cl2と反応させて、式:R2NHS(=O)2ハロで示される化合物を得、こ
れを、適切なR1アミン、例えば2−アミノ,6−クロロピリジルと、アセトニ
トリルおよびトリエチルアミン中で反応させることにより製造することができる
。この方法はLiebigsの、Ann.Chem.729(1969)40の方法と類似している。
ZiiがSOである化合物は、既述の2種類の方法によって製造した化合物を通
常の還元法を用いて還元することによって製造することができる。あるいはまた
、スルフィニル化合物は、SOCl2を数モル当量のピリジルの様なアリール脱
離基と反応させてジピリジン−1−イルスルフィニル中間体を形成させるLiebig
s Ann.Chem.1979,1756に記載の方法によって製造することができる。これを
、今度は、Tetrah.Lett.1985,26,3821に記載の適切なR1およびR2アミンを
用いてアミノ基転位させ、R2NHSONHR1の構造を有する化合物を製造する
ことができる。
前述の式1の化合物を用いる試験において、HIV阻害剤としての活性が示さ
れた。理論づけられてはいないが、これらの化合物は逆転写酵素阻害剤として作
用することによって該ウイルスの複製を阻害する作用があると考えられる。
本発明のHIV阻害活性は、一般にHIV−2株に対してよりHIV−1株に
対して対数で1〜3大きい。これによって、本発明の化合物および組成物を、H
IV−1とHIV−2が複合感染していると思われる細胞培養中のHIV−1の
増殖を選択的に抑制するために使用することが可能となる。それぞれの株に作用
する抗ウイルス剤を適切に選択することを可能にするには、一方の株または他方
の株を抑制する必要がある。実際には、複合感染している細胞培養中のHIV−
1を選択的に抑制するには、本発明の化合物のHIV−1およびHIV−2に対
するそれぞれのIC50もしくはより好ましくはIC90の中間濃度を投与する必要
がある。該細胞培養を、HIV−1ビリオンの感染力を失わせるのに十分な長さ
であるが、耐性突然変異株の発生を促すには不十分な長さであるように選択した
適切なインキュベーション時間、例えば24〜48時間培養する。上清を、好ま
しくは通常の再生緩衝剤中で、残留している如何なる化合物も除去され、統計上
おそらくHIV−2ビリオンの1感染量のみが残っているようになるまで限界希
釈する。次いで、これを再接種し、例えばHIV−1との複合感染による影響を
受けることなくHIV−2株の耐性プロフィールまたは抗ウイルス剤感受性を検
討する。
以下に化合物のHIVに対する有効性を分析するために使用する実験系につい
て記載する。試験A、B、CおよびD
(XTT)
5%FCS、ペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI1640培
地中のMT4細胞を2×105個/mLに調整し、マイクロプレート(96ウェ
ル/プレート)に2×104個/ウェル、細胞浮遊液で100mL/ウェルとな
るように接種する。試験化合物をDMSOで10mg/mLの混合液とし、−2
0℃に保存する。DMSO中の化合物を10%DMSO含有培地で希釈すること
により、1mg/mL、10mg/mLおよび100mg/mL溶液の10倍希
釈系列とする。培地を含むマイクロプレート中でさらに400、40、4および
0.4mg/mLに希釈する。400、40および4mg/mLの50mLをマ
ルチチャンネルピペットを用いて細胞を含むマイクロプレートに移す(最終濃度
:100、10および1mg/mL)。最後に、ウイルス懸濁液50mLを各ウ
ェルに加える(反復「エッペンドルフ」マルチピペットを使用する)。各プレー
トに少なくとも以下の6ウェルを設ける:[試験A:HIVウイルス; 試験B
:HIV(II)ウイルス; 試験C:SIVウイルス; 試験D:ウイルスな
し];薬物なしを含む(ウイルス対照)、およびウイルスを含まない6ウェル(
培地対照)。プレートをビニール袋に入れ、CO2環境中で6日間インキュベー
ションする。このプレートの各ウェルにXTT(水酸化(2,3−ビス[2−メ
トキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル]−5−[(フェニルアミノ)カルボ
ニル]−2H−テトラゾリウム)、0.01〜0.02mM N−メチル−フェ
ナゾニウムメトサルフェイト1mg/mL)50mLを加える。CO2環境中で
6時間
インキュベーションした後、プレートを粘着プレートシーラーで被い、ボルテッ
クスで静かに混合する。波長450nmおよび標準波長650nmで光学濃度を
測定する。ウイルス感染によって生じる細胞毒性の低下パーセントを以下のごと
く計算する:
試験E、F、GおよびH(HIV−IRT、HIV−2RT、SIVRT、ウイ
ルスなし)
MT−4/H9細胞を2×105個/mL培地(RPMI1640、5%FC
S,ペニシリン/ストレプトマイシン)に調整し、マイクロプレート(96ウェ
ル/プレート)に2×104個/ウェル、細胞浮遊液で100mL/ウェルとな
るように接種する。試験化合物をDMSOで10mg/mLの保存溶液とする(
−20∞Cに保存)。DMSOに溶解した化合物を培地で25倍に希釈し、40
0mg/mLとする。マイクロプレート中でさらに40および4mg/mLに希
釈する。
400mg/mL、40mg/mLおよび4mg/mLの希釈液50mLを各
ウェルに加えるマルチチャンネルピペットで「細胞を含む」マイクロプレートに
移す(最終濃度:100、10および1mg/mL)。最後に、ウイルス懸濁液
50mLを各ウェルに加える(反復「エッペンドルフ」マルチピペットを用いる
)。[試験E−HIV−1; 試験F−HIV−2; 試験G−SIV; 試験
H−ウイルスなし]。
各プレートにはウイルスを含むが薬剤を含まないものを少なくとも4ウェル(
ウイルス対照)およびウイルスを含まないものを2ウェル(培地対照)を設ける
。プレートをビニール袋に入れて蒸発を防ぎ、CO2環境中6日間インキュベー
ションする。マルチチャンネルピペットを用いて各ウェルから上清10mLを、
各ウェルにVDB(50mM トリス−HCl(pH7.6)、35mM KC
l、4mM DTT、1mM EDTA、1.3%Triton X−100)4
0mLを
入れた新しいマイクロプレートに移す。RT−反応混合物50mL(培養上清1
0mL、VDB40mL、および反応混合物50mLの最終濃度は100mMト
リス−HCl(pH7.6)、100mM KCl、4mM MgCl2、4mM
DTT、275mg/mL BSA/mL、5mg(rA)n(dT)12-18/m
L、および0.3mM 3H dTTP(比活性18.000cpm/pモル)を
加え最終容量を100mL/ウェルとする。60分間インキュベーション後、全
アッセイ量をセルハーベスターを用いてあらかじめ5%TCAで湿らせたフィル
ターマットに移す。このフィルターを5%TCA中で洗浄し、エタノール中で1
回すすぐ。フィルターマットを60∞Cで30分間乾燥後、各フィルター(96
/マット)を形抜きしてカウント用バイアルに入れ、シンチレーション液2mL
を加えて試料をカウント(1分間)するか、または全フィルターマットをビニー
ル袋に入れてシンチレーション液10mLを加え、フィルターマットをBeck
man Betaplateカウンター中でカウントする。ウイルス対照のRT
活性とそれぞれ希釈した化合物について測定したRT活性を比較することにより
、RT活性の低下パーセントを決定する。試験I
(HIVRT(rAdt))
容量100mL中の組換えHIV−RTに対する化合物の直接阻害活性を試験
した(ウイルス崩壊緩衝剤で希釈して200.000cpmとした)。
100mM Tris−HCl(pH7.6)、100mM KCl、4mM
MgCl2、4mM DTT、BSA275mg/mL、(rA)n(dT)12-1 8
0.5mg、および0.3mM 3H−=dTTP(比活性18.000cpm
/モル)。60分間インキュベーション後、40mLを2回紙ディスク上にスポ
ットし、5%TCA中で洗浄した。紙ディスクをエタノールですすいだ後、乾燥
し、シンチレーション液中でカウントした。
以下に既述の試験における化合物の活性を示す。数字は抑制%を表す。
開示されているもう1つの本発明は、本明細書に記載の化合物、その医薬的に
許容される塩、もしくはそのプロドラッグを、それを必要とするヒトに投与する
ことによって、HIV/エイズを治療もしくは抑制し、感染したヒト細胞におけ
るHIV/エイズウイルスの複製を抑制し、HIV/エイズウイルスに感染する
か、もしくはHIV/エイズウイルスに対する抗体を保有するヒトにエイズが発
生するのを抑制する方法である。
また、本発明は、既述の病的状態を治療するために使用する本発明の化合物な
らびにその塩、およびそのような病的状態を治療するための医薬製剤を製造する
ためのそのような化合物の使用をも開示している。
一般的に、既述の治療において、該化合物もしくはその医薬的に許容される塩
の適切な有効量は投与される者の体重1kgあたり0.5〜250mg/日の範
囲となろう。投与には、経口投与、直腸投与、鼻腔投与、局所投与(バッカルお
よび舌下を含む)、膣投与、または非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内および皮
内投与を含む)を含むどの適切な経路を用いてもよい。例えば投与される者(レ
シピエント)の病的状態、年齢および体重によって好ましい経路が変わることは
理解されよう。
投与する成分は、AZT、ddI、ddC、9−[[2−ヒドロキシ−1−(
ヒドロキシメチル)−エトキシ]メチル]グアニン、9−(2−ヒドロキシエト
キシメチル)−グアニン(アシクロビル(acyclovir))、2−アミノ−9−(
2−ヒドロキシエトキシメチル)−プリン、スラミン、ヒババリン、アンチモニ
オタングステート(HPA−23)、インターフェロン、例えばインターフェロ
ン、インターロイキンII、およびホスホノホルメート(ホスカルネット(Fosc
arnat))の様な他の治療剤(HIV/エイズに伴って二次的もしくは同時に生
じる障害を予防するのに有用な他の抗ウイルス剤、抗菌剤、化合物)と共にか、
あるいは骨髄もしくはリンパ球の移植、またはリンパ球の数ならびに/もしくは
機能を適切に増大させるであろうレバミゾールもしくはチモシンの様な他の治療
剤を含む他の免疫調節物と共に治療に用いることができる。
投与成分は単独で投与することができるが、該成分を医薬製剤の一部として与
えることが好ましい。本発明の製剤は少なくとも1種類の既述の定義の投与成分
を1つもしくはそれ以上のその許容される担体および他の任意的治療成分と共に
含有する。該担体はこの製剤の他の成分と混合しても化学反応を起こさず、その
レシピエントに対して有害でないという意味において「許容される」ものでなけ
ればならない。
これらの製剤には、経口、直腸、鼻腔、局所(バッカルおよび舌下を含む)、
膣、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投与が含まれる。
通常、本製剤は単位剤形、例えば錠剤および持続放出カプセル剤であってよく、
製薬分野でよく知られているいかなる方法によって製造してもよい。
そのような方法には、投与成分と1つまたはそれ以上の補助的成分を構成する
担体を組み合わせる工程が含まれる。一般的に、本製剤は活性成分と液体担体も
しくは細かく粉砕された固形担体またはその両方とを均一および密接に組み合わ
せることによって製造され、次いで、必要に応じて製品に成形する。
経口投与に適する本発明の製剤は、それぞれあらかじめ決定した量の活性成分
を含むカプセル剤、カシェー剤もしくは錠剤の様な分離した単位としてか、粉末
剤もしくは顆粒剤として、あるいは水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしく
は懸濁液として、または油中水型液体エマルジョンもしくは水中油型液体エマル
ジョンとして、およびボーラスなどであってよい。
経口投与用組成物(例えば錠剤およびカプセル剤)に関して、用語「適切なビ
ークル」は結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラ
ガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン(Pobidone))、メチルセルロース
、エチルセルロース、カルボキシ−メチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ショ糖およびデンプンの様な通常の賦形剤;充填剤な
らびに担体、例えばコーンスターチ、ゼラチン、乳糖、ショ糖、微晶性セルロー
ス、カオリン、マンニトール、リン酸2カルシウム、塩化ナトリウムおよびアル
ギン酸;微晶性セルロース、コーンスターチ、ナトリウムグリコレートスターチ
、アルギン酸の様な崩壊剤;およびステアリン酸マグネシウムならびに他の金属
ステアレート、ステアリン酸、ケイ酸樹脂液、タルク、ワックス、油およびコロ
イド
状二酸化ケイ素の様な潤滑剤を意味する。ペパーミント、冬緑油、またはサクラ
ンボの香味料などのような香味料も使用することができる。好ましくは着色料を
加えて外観を審美的により好ましい剤形とするか、または製品の識別を助けるこ
とができる。また、この錠剤を当業者によく知られた方法でコーティングするこ
ともできる。
錠剤は、1つまたはそれ以上の任意的補助成分と共に圧縮するか成形すること
によって製造することができる。圧縮錠剤は、適切な機械中で、粉末もしくは顆
粒の様な非流動形状の活性成分を、任意的に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保
存剤、表面活性剤または分散剤と混合し、圧縮することによって製造することが
できる。成形錠剤は、適切な機械中で、加湿した粉末化合物と不活性液体希釈剤
の混合物を成形することによって製造することができる。本錠剤はコーティング
するか刻み目をつけることがあってもよく、その中の活性成分を徐々にかまたは
調節して放出するように製剤化することができる。
局所投与に適した製剤には、香味料、通常ショ糖およびアカシアもしくはトラ
ガカントの基剤中に該成分を含むトローチ剤;ゼラチンならびにグリセリン、ま
たはショ糖ならびにアカシアの様な不活性基剤中に該活性成分を含む錠剤;およ
び適切な液体担体中に投与される成分を含むうがい薬が含まれる。皮膚に局所投
与するのに適した製剤は、投与する成分と医薬的に許容される担体を含む軟膏、
クリーム剤、ゲル剤およびペースト剤であってもよい。典型的な局所送達系は投
与する成分を含む経皮ばんそう膏である。
直腸投与用製剤は、例えばココアバターもしくはサリチレートを含む適切な基
剤を含有する座剤であってもよい。
担体が固形物である鼻内投与に適した製剤には、粒子サイズが例えば20〜5
00ミクロンの範囲の粗い粉末が含まれ、これを鼻吸入剤を投与する方法、すな
わち、鼻の近くに保持した該粉末の容器から鼻腔を介して急速に吸入することに
よって投与する。担体が液体である、例えば鼻スプレー剤または鼻滴下剤として
投与するのに適した製剤には、該活性成分の水性または油性の溶液が含まれる。
膣内投与に適した製剤は、活性成分に加えて、当該分野で知られている様な適
切な担体を含む膣座剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡沫剤ま
たはスプレー製剤であってよい。
非経口投与に適した製剤には、水溶液および非水溶液の無菌注射用溶液が含ま
れ、これには抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、ならびに製剤を、投与しようとするレ
ジピエントの血液と等張にするための溶質、および水性もしくは非水性の無菌懸
濁剤(これには懸濁化剤および濃化剤を含むことができる)が含まれる。本製剤
は単位用量もしくは多用量容器、例えば封入されたアンプルならびにバイアルに
入れられていてもよく、また使用直前に無菌液体担体、例えば注射用水を加える
だけでよい凍結乾燥の状態で保存することができる。即席の注射用溶液および懸
濁液は、既述したような無菌粉末剤、顆粒剤および錠剤から調製することができ
る。
好ましい単位用量製剤は、投与成分の、既述したような1日用量もしくは1日
単位量、1日の副用量、またはその適切な一部を含有する製剤である。
式Iの抗ウイルス化合物は、表面消毒剤として用いることができる。抗ウイル
ス化合物をわずか0.1重量%含む溶液剤は、消毒目的に有効であると思われる
。好ましくはそのような溶液剤には、界面活性剤または他の洗剤を含むことがで
きる。これらの溶液剤は、ガラス容器、歯科用ならびに外科用器具、および無菌
状態を維持することが重要な場所、例えば病院および食べ物を作る場所などの壁
、床ならびにテーブルの様な表面の様な物を消毒するのに有用と思われる。
HIVおよび/またはエイズを治療もしくは抑制するための方法を実施するに
あたっては、該抗ウイルス剤を1日に単用量または多用量投与することができる
。投与方法としては、長期間、例えば数日または数カ月もしくは数年にわたる投
与が必要であろう。用量あたりの投与量または全投与量は、感染の性質ならびに
重症度、患者の年齢ならびに一般健康状態、および抗ウイルス化合物に対する患
者のトレランスならびに該感染に関与する微生物の耐性といった要因に依存する
であろう。
以下の製剤例では本発明の方法に含まれる化合物を使用する特定の医薬製剤を
示す。これらの製剤は式Iの化合物もしくはその医薬的に許容される塩のいかな
るものも活性化合物として使用することができる。これらの例は単に例示であっ
て、何ら本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
製剤例1
以下の成分を用いて硬ゼラチンカプセル剤を製造する:
量(mg/カプセル)
化合物 1250
乾燥デンプン 200
ステアリン酸マグネシウム 10
上記成分を混合し、460mg量を硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例2
以下の成分を用いて錠剤を製造する:
量(mg/錠)
化合物 250
セルロース、微晶性 400
二酸化ケイ素、加湿 10
ステアリン酸 5
ステアリン酸マグネシウム 10
化合物を混合し、圧縮して重量がそれぞれ675mgの錠剤に形成する。
製剤例3
以下の化合物を用いてエアゾル溶液剤を製造する:
重量
化合物 0.25
エタノール 29.75
プロペラント22 70.00
(クロロジフルオロメタン)
活性成分をエタノールと混合し、この混合液をプロペラント22の一部に加え
、−30℃に冷却し、さらに充填器具に移す。次いで、所要量をステンレススチ
ール容器に入れ、残りのプロペラントで希釈する。次に、容器にバルブユニット
を取り付ける。
製剤例4
活性成分60mgを含む錠剤を以下のごとく製造する:
化合物 60mg
デンプン 45mg
微晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン
(10%水溶液として) 4mg
ナトリウムカルボキシメチルスターチ 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
タルク 1mg
活性成分、デンプンおよびセルロースを45番メッシュU.S.のふるいに通
し、完全に混合する。得られた粉末とポリビニルピロリドン溶液を混合し、次い
で14番メッシュU.S.のふるいを通す。このように作製した顆粒を40°〜
60℃で乾燥し、18番メッシュU.S.のふるいを通す。次いで、この顆粒に
あらかじめ60番メッシュU.S.のふるいを通したカルボキシメチルナトリウ
ムデンプン、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを加え、混合した後、打錠
器で圧縮して重さ各150mgの錠剤を得る。
製剤例5
薬剤80mgを含むカプセル剤を以下のごとく製造する:
化合物 80mg
デンプン 59mg
微晶性セルロース 59mg
シリコーン液 2mg
活性成分、セルロース、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混合し
、45番メッシュU.S.のふるいを通し、200mg量を硬ゼラチンカプセル
に充填する。
製剤例6
薬剤225mgを含む座剤を以下のごとく製造する:
化合物 225mg
飽和脂肪酸グリセリド 2mg
活性成分を60番メッシュU.S.のふるいを通し、必要最小限の熱であらか
じめ溶かした飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、混合物を表示容量2g
の座剤鋳型に注入して冷却する。
製剤例7
静注用製剤を以下のごとく製造する:
化合物 100mg
等張生理食塩水 1000mL
上記成分の溶液を治療を必要とする哺乳動物に1mL/分の速度で静脈内投与
する。
上記の特定の成分に加えて本発明の製剤は、該製剤の種類を考慮した当該分野
の通常の他の薬剤を含むことができる。
また、本発明の化合物は、インビトロにおける逆転写酵素の突然変異をモニタ
ーするための実験手段としても有用である。例えば、式1Aの化合物はインビト
ロにおける逆転写酵素を安定化し、好都合に共結晶する。その天然の状態におい
て、逆転写酵素は、この酵素の空間的構造をX線結晶学的に決定するために必要
な第一段階である結晶化が難しい。本酵素はインビボで急速に突然変異し、AZ
TおよびddIの様な通常の抗HIV剤に対する急速なウイルスの耐性が生じる
ため、本酵素の微細構造を繰り返しモニタリングする必要がある。突然変異した
構造の速やかな決定は、有効な複合療法を実施し、HIV耐性株の発現を遅らせ
る上で重要な工程である。
通常の方法によって逆転写酵素の結晶をうまく成長させるには限界があったた
めそれに代わる方法の研究がなされ、Fab断片およびDNAとHIV逆転写酵
素の3つを組み合わせることにより一定の成功を納めた(A.Jacobo Molinaらの
、Proc.Nat'l.Acad,Sci.USA 90:6320(1993))。しかし、構造決定のための転
写酵素の急速かつ強力な製造法の必要性が契機となって、より簡単で効果的な共
結晶安定剤の研究を刺激した。
したがって、本発明のさらなる態様は、転写酵素の好ましくは純粋な溶液と、
安定化に必要な量の式1Aの化合物を接触させる工程、および得られる複合物を
平衡懸滴法もしくは蒸気拡散法のような通常の技術によって共結晶する工程を含
む結晶化のためにHIV−1逆転写酵素を安定化する方法を提供する。あるいは
また、都合よくシードした転写酵素の出発結晶を通常の浸漬法によって安定化し
、優れた規則正しさと、より長い処理寿命を有する結晶を製造する。
好ましくは、式1Aの化合物は、転写酵素の濃度よりもわずかに過剰なモル、
例えば2倍過剰なモルで存在するが、本発明の化合物の濃度は広い限界内、例え
ば1:10(安定化剤:転写酵素)〜10:1内で変化することができる。
A.J.McPhersonらの、Method Biochem.Anal.23:249-345(1979)に例示されて
いるように、通常の結晶化緩衝液、pH、および湿度調節剤などを母液中で使用
することができる。試験II
HIV逆転写酵素の共結晶化
14%PEG、0.1Mトリス(pH8.5)、0.36mM HIV−1逆
転写酵素(216断片)、および0.4mMの化合物N−(2−イミダゾ−4−
イル)エチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素(実施例36
)を含む結晶化緩衝液について懸滴結晶法(T.Ungeらの、Aids Res.& Human Re
troviruses 6:1297(1990))を実施する。得られる結晶は本発明の化合物を含
まない結晶化した結晶より有意に長く(伸長した柱の長さは2〜4mm)、肉眼
的
により規則的である。予備試験の結果は、有用なばく露寿命が10時間より長く
、X−線結晶学分析では結晶は少なくとも3.5Åであり3倍の改善を示してい
る。
あるいはまた共結晶化は、精製したHIV−1逆転写酵素を例えば25mMビ
ストリスプロパン(pH7)、50mM硫酸アンモニウム、0.1%(w/v)
β−オクチルグルコシド、5%(v/v)ポリエチレングリコール8000、お
よび0.1%アジ化ナトリウムからなる結晶化緩衝剤中で製造する蒸気拡散法に
よって行うことができる。転写酵素濃度より2倍過剰モルの本発明の化合物を加
え、コンプレックスとする。転写酵素以外の全ての成分の濃度が2倍である溶液
に対する蒸気拡散法によって結晶を成長させる。予備試験の結果は、得られる結
晶の寸法を3.0×0.6×0.4mmより大きくすることができ、有効ばく露
寿命を10時間以上とし、X−線結晶学において3.5Åに下げることができる
。この方法は、X−線結晶学の9.4Åの解像度でのみ分析可能な不規則な共結
晶することなく成長する結晶と対比すべきである(T.Ungeらの、Aids Res.& Hu
man Retroviruses 6:1297(1990))。
以下の実施例に本発明の化合物ならびにその合成法を例示する。実施例は何ら
本発明の範囲を制限することを意図するものではなく、そのような制限を意図す
るものと解釈すべきではない。製造例の説明中に示す実施例番号は、本発明の一
部を構成する特許出願WO93/03022(公開日1993年2月13日)の
実施例番号に対応している。
製造例1
(+,−)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピ
ル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−チオ尿素
2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(Aldrichから購入)を出発物質として
標記化合物を得た。すなわち、これを実施例375に記載の方法に従ってシス−
2,6−ジフルオロフェニルシクロプロピルアミンに変換し、次いで実施例37
0に記載の方法に従って実施例393で得られる生成物と縮合させた。1
H−NMR(250MHz)DNSO−D6)。d1.3−1.4(q,1H
)
1.6−1.7(q,1H)2.3−2.4(q,1H)3.8−3.9(m,
1H)7.2−7.3(m,3H)7.4−7.5(m,1H)7.7(d,1
H)7.8−7.9(m,1H)10.7010.8(s,1H)11.0−1
1.1(d,1H)。
製造例2
(+)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニ
ル)−シクロプロピル]−N’−(5−クロロ−2−ピリジル)−チオ尿素
実施例362、375および348と類似の方法に従って2−クロロ−4−フ
ルオロフェニルから出発物質の(±)−シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ
−6−フルオロフェニル)シクロプロピルアミンを製造した。実施例374のご
とく5−クロロピリジン−2−イルイソチオシアネートを製造し、次いで実施例
370と類似の方法に従って(±)−シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−
6−フルオロフェニル)シクロプロピルアミンと縮合させ、標記生成物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3) d 11.25(br s,1H),
9.09(br s,1H),7.72(d,1H),7.49(dd,1H)
,6.94(t,1H),6.84(dd,1H),6.74(d,1H),4
.12(q,2H),3.67−3.57 9(m,1H),2.23(q,1
H),1.78−1.68(m,1H),1.55(t,3H),1.44−1
.36(m,1H)。
13C−NMR(62.9MHz,CDCL3)d 180.6,156.6(
d),114.2(d),112.8,118.8(d),65.0,32.7
,16.5,15.7(d),14.7。
C17H16Cl2FN3OSに対する元素分析
理論値:C,51.01;H,4.03;N,10.5。
実測値:C,50.9;H,3.9;N,10.25。
製造例3
N−(2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェネチル)−N’−(
2−(5−ブロモ)ピリジル)−チオ尿素
実施例151と類似の方法に従って2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロ
ベンズアルデヒドから出発物質の2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ネチルアミンを製造し、実施例362と類似の方法に従って2−クロロ−4−フ
ルオロフェニルから2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロベンズアルデヒド
を製造する。実施例411の手順に従って2−クロロ−3−エトキシ−6−フル
オロベンズアルデヒドを実施例392の生成物と縮合させ、標記生成物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)d 11.30(br s,1H,NH
),9.35(s,1H,NH),8.08(d,1H,ピリジン),7.69
(dd,1H,ピリジン),6.93−6.76(m,3H,フェニル,ピリジ
ン),4.11−4.00(m,4HCH 2−NH,OCH 2CH3),3.24
(t,2H,フェニル−CH 2),1.46(t,3H,OCH 2CH 3)。13
C−NMR(250MHz,CHCl3):179,157,153,151
,150,146,140,125,124,113,112,111,65,
44,25,14。
C16H16BrClFN3OSに対する元素分析
理論値:C,44.4;H,3.7;N,9.7。
実測値:C,44.7;H,3.9;N,9.3。
実施例1
N−(2−メトキシフェネチル)−N’−[2−(4−シアノ)チアゾリル]尿
素
N−(イミダゾリル)−2−アミノ−4−シアノチアゾール(2.0g、9.
12mモル)および2−メトキシフェネチルアミン(1.4g、9.12mモル
、1.3mL)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を90−95
℃で撹拌した。2時間後、この溶液を室温に冷却し、酢酸エチル中に注ぎ入れ、
0.1N塩酸(2×)、水(2×)および塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濾過して濃縮した。固形物を再結晶(50%酢酸エチル/ヘキ
サン)して白色固形の標記生成物1.5g(54%)を得た。
融点174℃。
IR(KBr,cm-1)3379,3177,3110,3049,2960,
2230,1680,1578,1494,1450,1305,1245,1
125。1
H NMR(300MHZ,DMSO−d6)10.82 d(s,1H),8.
11(s,1H),7.19−7.08(m,2H),6.92(d,J=7H
z,1H),6.83(t,J=7Hz,1H),6,52(s,1H),3.
73(s,3H),3.32−3.27(m,2H),2.69(t,J=7.
5Hz,2H)。
MS(FD)m/e 302(M+)。
UV(EtOH)269nm(ε=9170),243nm(ε=9394),
212nm(ε=35263)。
C14H14N4O2Sに対する元素分析
理論値:C,55.62;H,4.67;N,18.53。
実測値:C,55.88;H,4.76;N,18.28。
実施例2
N−(3−メトキシフェネチル)−N’−[2−(4−エチル)チアゾール]尿
素
N−(イミダゾイル)−2−アミノ−4−エチルチアゾール(2.1g、9.
4mモル)および3−メトキシフェネチルアミン(9.4mモル、1.4mL)
のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を90−95℃で撹拌した。
3時間後、この溶液を室温に冷却し、酢酸エチル中に注ぎ入れ、0.1N塩酸(
2×)、水(2×)および塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し
、濾過して濃縮した。固形物を再結晶し(50%酢酸エチル/ヘキサン)、白色
固形の標記生成物1.5g(52%)を得た。
融点88〜89℃。
IR(KBr,cm-1)3236,3011,2974,1673,1563,
1456,1261,1155,1044。1
H NMR(300MHZ,CDCl3)d 10.03(br s,1H),7
.23−7.17(m,1H),6.83−6.29(m,3H),6.77(
s,1H),3.76(s,3H),3.62−3.52(m,2H),2.8
5(t,J=6.9Hz,2H),2.59(q,J=7.4Hz,2H),1
.17(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(FD)m/e 305(M+)。
UV(EtOH)266nm(=11647),202nm(=28250)。
C15H19N3O2Sに対する元素分析
理論値:C,58.99;H,6.27;N,13.76。
実測値:C,58.93;H,6.35;N,13.79。
実施例3
N−[3−メトキシフェネチル]−N’−[2−N−メチル−4−エチル−チア
ゾリル]尿素
CH3CN60mL中の2−N−メチル−4−エチルチアゾール(9.2g、
64.7mモル)の溶液に1,1−カルボニルジイミダゾール(10.5g、6
4.7mモル)およびCH3CN40mLを加えた。この溶液を2日間60〜6
5°Cに加熱した。減圧下でCH3CNを除去して褐色油状物とし、これを放置
して固形物とした。この固形物(2.36g、10mモル)をDMF(40mL
)中に溶解し、3−メトシキフェネチルアミン(1.5g、10mモル、1.4
6mL)で処理し、85℃で一夜撹拌した。室温に冷却した後、反応物をEtO
Ac中に注ぎ入れ、0.1N HCl(1×)、H2O(3×)および塩水(1×
)で洗浄した。有機物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して黄色油状物を得
、これを放置して固形物とした。この固形物をシリカゲルフラッシュクロマトグ
ラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、黄色油状の標記化合
物1.05g(33%)を得た。
IR(KBr,cm-1)3010,2975,1673,1557,1512,
1339,1318,1260,1105。1
H NMR(300MHz、CDCl3)d 9.69(br s,1H),7.
25−7.18(m,1H),6.85−6.73(m,3H),6.36(s
,1H),3.76(s,3H),3.68−3.62(m,2H),3.38
(s,3H),2.87(t,J=7Hz,2H),2.54(q,J−7.4
Hz,2H),1.15(t,J=7.5Hz,3H)。
MS(FD)m/e319(M+)。
UV(EtOH)267nm(ε=11892),202nm(ε=27796
)。
C16H21N3O2Sに対する元素分析
理論値:C,60.16;H,6.65;N,13.16。
実測値:C,60.08;H,6.53;N,12.95。
実施例4
(+,−)−N−(シス−2(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピル
)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピル)−N’
−(d−クロロピリジン−2−イル)−チオ尿素(20mg、0.06mモル)
をジオキサン(3mL)および水(0.5mL)に溶解し、ジオキサン(1mL
)中のN−ブロモスクシンイミド(40mg、0.22mモル)を周囲温度で加
えた。10分後、溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、希水酸化ナトリ
ウム水溶液(5mL、15%)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過し、留去した。残留物を、酢酸エチルとn−ヘキサンの混合物(1:1)で
溶離するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、白色固形の
標記化合物を得た。
N−NMR(250MHz,CHCl3−MeOD4).d 1.2−1.3(
m,1H)1.4−1.5(m,1H)2.1−2.2(q,1H)3.2−3
.3(m,1H)6.9−7.0(m,3H)7.2−7.3(m,1H)7.
5−7.6(m,1H)7.7−7.8(d,1H)。
実施例5
N−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェネチル)−N’−(5−ブ
ロモピリジン−2−イル)−尿素
実施例1の方法に従ってN−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素から標記化合物
を得た。
1H−NMR(250MHz,DMSO−D6).d 1.4−1.5(t,3
H)3.0−3.1(t,2H)3.5−3.6(q,2H)4.1−4.3(
q,2H)7.0−7.3(m,2H)7.5−7.6(d,1H)7.7−7
.8(m,1H)7.9−8.0(d,1H)8.4(s,1H)9.2−9.
3(bs,1H)。
実施例6
(+,−)−N−(シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
実施例1の方法に従ってN−(シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−
フルオロフェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イ
ル)−チオ尿素から標記化合物を得た。
1H−NMR(250MHz,DMSO−D6).d 1.1−1.2(m,1
H)1.4−1.5(t,3H)1.6−1.7(q,1H)2.1−2.2(
q,1H)3.3−3.4(m,1H)4.2−4.4(d,2H)7.2−7
.3(m,2H)7.4−7.5(d,1H)7.7−7.8(m,1H)7.
9(d,1H)8.0−8.1(bs,1H)9.4(bs,1H)。
実施例7
N−(2−(2,6−ジフルオロ)−フェネチル)−N’−(2−(5−クロ
ロ)ピリジニル)尿素
2,6−ジフルオロ桂皮酸2.0g(11mモル)のエタノール(50mL)
溶液に5%パラジウム/炭素約100mgを加えた。反応混合物を、水素250
mLが吸収されるまで大気圧で水素添加した。混合物を濾過し、溶媒を留去した
。注意深く乾燥して粗生成物1.87gを得、精製することなく次の工程に使用
した。
上記の粗生成物1.87g(10mモル)の乾燥トルエン(20mL)溶液に
、トリエチルアミン1.53mL(11mモル)およびジフェニルホスホリルア
ジ
ド2.37mL(11mモル)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次
いで30分間還流した。その後、2−アミノ−5−クロロピリジン1.54g(
12mモル)を加え、反応混合物を+100℃で一夜撹拌した。冷却した後、E
tOAcおよび塩水を加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去し、粗生成物3.75gを得た。この物質1.0gをエーテル1および
ヘキサン1を溶離剤に用いるシリカゲルカラムによって精製した。この手順では
標記化合物の部分精製物しか得られなかったため、アルミナカラムを用いTHF
1、ヘキサン2、次いでMeOHで溶離することにより最終的な精製を行った。
標記化合物129mgを得た。
元素分析
理論値:C 53.95;H 3.9;N 13.5。
実測値:C 53.8;H 3.9;N 13.6。
融点:173.0〜175.0℃。
1H−NMR(CDCl3)d 3.00(t,2H),3.62(q,2H),
6.80−6.90(m,3H),7.10−7.23(m,1H),7.53
(dd,1H),8.01(d,1H),9.17(広幅t,1H),9.39
(広幅s,1H)。
13C−NMR(DMSO−d6)d22.91,38.63,111.35(
d,2C)、112.91,114.56(t,1C),122.79,128
.85(t,1C),138.03,145.10,152.11,154.5
0,161.34(dd,2C)。
実施例8および9
N−(2−フェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素およ
びN−(2−フェネチル)−N’−(3,5−ジブロモピリジン−2−イル)−
尿素
N−(イミダゾイル)−2−アミノ−5−ブロモピリジン10.0g(37.
3mモル)とフェネチルアミン4.3g(35.5mモル)のN,N−ジメチル
ホルムアミド(100mL)溶液を90〜95℃で2.5時間撹拌した。この溶
液を室温に冷却し、酢酸エチルに注ぎ入れ、水(5×)、飽和重炭酸ナトリウム
(3×)および塩水(1×)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾
過し、濃縮した。固形物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2
:1ヘキサン/酢酸エチル)にかけ、2つの化合物を単離した。最初の成分は白
色固形物として単離され、ジブロモピリジル尿素(35mg)であることがわか
った。
融点145〜147℃。
IR(KBr、cm-1)3400,3300,3000,1683,1474,
1364,1285,1230,1035,735,700。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.45(br.m.,1H),
8.40(d,1H),8.25(d,1H),8.00(br.s,1H),
7.20−7.40(m,5H),3.45(q,2H),2.80(t,2H
)。
MS(FD)m/e399(Mt)。
C14H13Br2N3OH2Oに対する元素分析
理論値:C,41.65;H,3.34;N,10.41
実測値:C,41.62;H,3.26;N,10.32。
2番目の化合物は白色固形物として単離され、エチルエーテルの助けによって
濾過し、モノブロモピリジル尿素4.2g(37.5%)であることがわかった
。
融点164〜167℃。
IR(KBr、cm-1)3275,3200,3000,1686,1540,
1363,1302,1230,830,701,513。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.30(br.s.,1H),
8.20(d,1H),7.90(dd,1H),7.70(br.t,1H)
,7.20−7.38(m,5H),3.40(q,2H),2.80(t,2
H)。
MS(FD)m/e319(Mt)。
C14H14BrN3Oに対する元素分析
理論値:C,52.52;H,4.41;N,13.12
実測値:C,52.78;H,4.56;N,13.18。
実施例10
N−(3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル−N’−(5−ブロ
モピリジン−2−イル)−尿素
N−(3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル−N’−(5−ブ
ロモピリジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/03022の実施例920参
照)400mg(1.13mモル)の氷酢酸(11.5mL)溶液を30%過酸
化水素0.8mL(7.83mモル)で処理した。室温で1.5時間撹拌した後
、溶液を濃縮し、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×)に
分配し、有機層を塩水(1×)で逆洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。フラッ
シュシリカゲルクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、
白色固形の標記化合物75mg(19.6%)を得た。
融点151〜154℃。
IR(KBr、cm-1)3200,3100,3000,1685,1557,
1467,1360,1290,1230,839。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.30(br.s.,1H),
8.40(d,1H),8.22(d,1h),7.85(dd,1H),7.
79(br.t,1H),7.70(dt,1H),7.45(d,1H),7
.30−7.40(m,1H),3.58(q,2H),3.00(t,2)。
MS(FD)m/e340(Mt)。
C13H12BrFN4Oに対する元素分析
理論値:C,46.04;H,3.57;N,16.52
実測値:C,46.25;H,3.66;N,16.54。
実施例11
(+,−)−n−(シス−2−フェニルシクロプロピル)−N’−(5−クロロ
ピリジン−2−イル)−尿素
実施例10の手順に従って(+,−)−N−(シス−2−フェニルシクロプロ
ピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/03
022の実施例372参照)から標記化合物を得た。
融点178〜180℃。
IR(KBr、cm-1)3200,3000,1709,1544,1287,
698。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.20(br.s.,1h),
7.93(d,1H),7.80(dd,1H),7.60(br.s.,1H
),7.18−7.38(m,6H),3.00−3.10(m,1H),2.
20−2.30(q,1H9,1.20−1.30(q,1H),1.00−1
.10(q,1H)。
MS(FD)m/e287(Mt)。
C15H14ClN3Oに対する元素分析
理論値:c,62.61;H,4.90;N,14.60
実測値:C,62.35;H,4.98;N,14.56。
実施例12
N−(2−シクロヘキセン−1−イル)エチル−N’−(5−ブロモピリジン−
2−イル)−尿素
実施例10の手順に従ってN−(2−シクロヘキセン−1−イル)エチル−N
’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/03022の実
施例189参照)から標記化合物を得た。
融点128〜130℃。
IR(KBr、cm-1)3200,2930,1682,1550,1364,
1292,1234,836。1
N NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.35(s,1H),8.2
5(d,1H),7.87(dd,1H),7.60(br.t.,1H9,7
.45(d,1H),5.43(br.s.,1H),3.20(q,2H),
2.10(t,2H),1.85−2.00(m,4H),1.45−1.60
(m,4H)。
MS(FD)m/e325(Mt)。
C14H18BrN3Oに対する元素分析
理論値:C,51.86;H,5.60;N,12.96
実測値:C,52.07;H,5.34;N,12.68。
実施例13
N−(2−(2,6−ジフルオロ−3−メトキシフェネチル)−N’−(5−ブ
ロモピリジン−2−イル)−尿素
実施例10の手順に従ってN−(2−(2,6−ジフルオロ−3−メトキシフ
ェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/
03022の実施例411参照)から標記化合物を得た。
融点198〜200℃。
IR(KBr、cm-1)3200,3000,1686,1492,1364,
1223,1077,805。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.30(s,1H),8.2
0(d,1H),7.85(dd,1H),7.75(br.t.,1H),7
.43(d,1H),6.95−7.10(m,2H),3.80(s,3H)
,3.30(q,2H),2.83(t,2H)。
MS(FD)m/e385(Mt)。
C15H14BrF2N3O2に対する元素分析
理論値:C,46.65;H,3.65;N,10.88
実測値:C,46.53;H,3.85;N,10.64。
実施例14
N−(2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェネチル)−N’−(
ピラゾ-3−イル)−尿素
WO93/03022の実施例151のごとく2−クロロ−3−エトキシ−6
−フルオロベンズアルデヒドから出発物質の2−クロロ−3−エトキシ−6−フ
ルオロフェネチルアミンを製造し、WO93/03022の実施例362のごと
く2−クロロ−4−フルオロフェノールから2−クロロ−3−エトキシ−6−フ
ルオロベンズアルデヒドを製造した。実施例8および9の手順に従って2−クロ
ロ−3−エトキシ−6−フルオロ−フェネチルアミンおよびN−(イミダゾイル
)−3−アミノピラゾールから標記化合物を得た。
融点110〜115℃。
IR(KBr、cm-1)3200,3000,1683,1469,1370,
1232,1087,829。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ12.10(br.s,1H)
,8.70(s,1H),7.50(br.s.,1H),7.10−7.20
(m,1H),6.90−7.05(m,2H),6.05(br.s.,1H
),4.07(q,2H),3.30(q,2H),2.93(br.t.,2
H),1.35(t,2H)。
MS(FD)m/e326(Mt)。
C14H16ClFB4O2に対する元素分析
理論値:C,51.46;H,4.94;N,17.15
実測値:C,51.71;H,4.81;N,17.29。
実施例15
N−(2−(2,6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−
2−イル)−尿素
実施例10に従ってN−(2−2,6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5
−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/03022の実施例34
0参照)から標記化合物を得た。
融点185〜187℃。
IR(KBr、cm-1)3094,1680,1468,1237,1000,
830,775。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.30(s,1H),8.2
0(d,1H),7.86(dd,1H),7.73(br.t.,1H),7
.45(d,1H),7.30−7.40(m,1H),7.00−7.10(
t,2H),3.40(q,2H),2.82(t,2H)。
MS(FD)m/e355(Mt)。
C14H12BrF2N3Oに対する元素分析
理論値:C,47.21;H,3.40;N,11.80
実測値:C,46.93;H,3.61;N,11.82。
実施例16
N−(2−フェネチル)−N’−(ピリミジン−4−イル)−尿素
実施例8および9の手順に従ってN−(イミダゾール)−4−アミノピリミジ
ンとフェネチルアミンから標記物質を得た。
融点162〜164℃。
IR(KBr、cm-1)3200,3113,3045,2944,1680,
1589,1306,993,761。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.60(s,1H),8.6
5(s,1H),8.45(d,1H),7.75(t,1H),7.50(d
,1H),7.20−7.40(m,5H),3.40(q,2H),2.78
(
(t,1H)。
MS(FD)m/e242(Mt)。
C13H14N4Oに対する元素分析
理論値:C,64.45;H,5.82;N,23.13
実測値:C,64.67;H,6.06;N,23.24。
実施例17
N−(2−フェネチル)−N’−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−尿素
実施例10の手順に従ってN−(2−フェネチル)−N’−(5−ブロモピリ
ミジン−2−イル)−チオ尿素(WO93/03022の実施例222参照)か
ら標記物質を得た。
融点205〜208℃。
IR(KBr、cm-1)3309,3045,2972,1692,1564,
1504,1415,1285,832。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ10.00(s,1H),8.
70(t,1H),8.65(s,2H),7.20−7.40(m,5H),
3.45(q,2H),2.80((t,2H)。
MS(FD)m/e320(Mt)。
C13H13BrN4O 0.5H2Oに対する元素分析
理論値:C,47.30;H,4.24;N,16.97
実測値:C,47.10;H,3.94;N,16.94。
実施例18
N−(2−フェネチル)−N’−(6−クロロピリダジン−3−イル)−尿素
実施例10に従ってN−(2−フェネチル)−N’−(6−クロロピリダジン−
3−イル)−チオ尿素(WO93/03022の実施例336参照)から標記物
質を得た。
融点222〜225℃。
IR(KBr、cm-1)3341,2980,1709,1554,1420,
1251,1140,696。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.80(s,1H),8.0
5(d,1H),7.75(d,1H),7.10−7.40(m,6H),3
.40(q,2H),2.80((t,2H)。
MS(FD)m/e276(Mt)。
C13H13ClN4O 0.25H2Oに対する元素分析
理論値:C,55.55;H,4.80;N,19.93
実測値:C,55.36;H,4.67;N,19.95。
実施例19
N−(2−フェネチル)−N’−(4−ブロモピラゾ−3−イル)−尿素
実施例8および9に従ってN−(イミダゾイル)−2−フェネチルアミンおよ
び3−アミノ−4−ブロモピラゾールから標記物質を得た。
融点132〜135℃。
IR(KBr、cm-1)3351,3271,1712,1530,1386,
1238,1078,700。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.17(s,1H),7.8
0(t,1H),7.20−7.38(m,5H),5.40(s,2H),3
.45(q,2H),2.83(t,2H)。
MS(FD)m/e308Mt)。
C12H13BrN4Oに対する元素分析
理論値:C,46.62;H,4.24;N,18.12
実測値:C,46.65;H,4.14;N,17.93。
実施例20
N[(4−エトキシ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル]−
N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素
20a)
N−[(3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル]−2,5−ジメ
チルピロール
2−(2−アミノエチル)−3−フルオロピリジン3.6g(25.70mモ
ル)、2,5−ヘキサンジオン3.0g(26.3mモル)、氷酢酸0.4mL
およびトルエン100mLの混合物をDean-Starkトラップで3時間還流した。混
合物を室温に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(1×)および塩水(1×)
で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して固形物とした
。エチルエーテル/ヘキサンから再結晶し、灰白色固形の標記化合物5.0g(
90%)を得た。
融点82〜84℃。
IR(KBr、cm-1)3075,2931,1448,1407,1112,
755。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.40(d,1H),7.6
6(dt,1H),7.38(m,1H),5.60(s,2H),4.05(
t,2H),3.05(dt,2H),2.10(s,6H)。
MS(FD)m/e218(Mt)。
C13H15FN2に対する元素分析
理論値:C,71.53;H,6.93;N,12.83
実測値:C,71.73;H,7.05;N,13.04。
20b)
N−[(3−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−イル)エタン−2−イル]−
2,5−ジメチルピロール
温度計、ゴム隔膜、マグネチックスターラーおよび窒素流入口を取り付けた乾
燥した250mL三首丸底フラスコに、無水テトラヒドロフラン30mLおよび
乾燥ジイソプロピルアミン2.1mL(14.67mモル)を満たした。溶液を
撹拌しながら−78℃に冷却し、次いでヘキサン中の1,6n−ブチルリチウム
9.5mL(15.11mモル)をシリンジで10分間かけて加えた。溶液を3
0分間以上撹拌し、乾燥テトラヒドロフラン30mL中のN−[(3−フルオロ
ピリジン−2−イル)エタン−2−イル]−2,5−ジメチルピロール3.2g
(14.67mモル)を、内部温度を−65℃以下に保ちながらシリンジで30
分間かけて滴下した。30分間以上撹拌した後、乾燥テトラヒドロフラン30m
L中のヨウ素4.0g(15.80mモル)の溶液をカニューレで10分間かけ
て加えた。混合物を室温に温め(−30℃で色調変化、褪色が生じた)、窒素下
で一夜撹拌した。溶液をエチルエーテルで200mLに希釈し、飽和重炭酸ナト
リウム水溶液(IX)および塩水(IX)で抽出した後、硫酸ナトリウムで乾燥
した。濾過および濃縮により暗色固形物を得、これをフラッシュシリカゲルクロ
マトグラフィー(ヘキサン中酢酸エチル20%)で精製して白色固形の標記化合
物3,9g(77%)を得た。
融点156〜158℃。
IR(KBr、cm-1)3000,2950,1574,1408,752。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.05(d,1H),7.8
5(t,1H),5.60(s,2H),4.05(t,2H),3.00(d
t,2H),2.10(s,6H)。
MS(FD)m/e344(Mt)。
C13H14FIN2に対する元素分析
理論値:C,45.37;H,4.10;N,8.14
実測値:C,45.07;H,4.03;N,8.06。
20c)
N−[(4−エトキシ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル]
−2,5−ジメチルピロール
最初に、無水純エタノール300mLに金属ナトリウム2.0g(87mモル
)を溶解させてナトリウムエトキシド溶液を製造した。このように製造した溶液
に、撹拌しながらN−[(3−フルオロ−4−ヨードピリジン−2−イル)エタ
ン−
2−イル]−2,5−ジメチルピロール3.5g(10.2mモル)を加え、混
合物を窒素下で4日間還流した。溶液を冷却し、水で1Lに希釈し、酢酸エチル
(2×)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、樹脂状物が得
られるまで濃縮した。フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中に
30%酢酸エチル)により、最初にN−[(4−ヨード−3−エトキシピリジン
−2−イル)エタン−2−イル]−2,5−ジメチルピロール320mg(8.
5%)を得た。1H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ7.95(d,
1H),7.62(d,1H),5.80(s,2H),4.10(t,2H)
,4.00(q,2H),3.15(t,2H),2.20(s,6H),1.
45(t,3H)。MS(FD)m/e370(Mt)。
さらに溶離することにより標記化合物1.7g(64%)を得た。
IR(KBr、cm-1)2991,1608,1495,1309,1075。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.22(d,1H),7.1
5(t,1H),5.60(s,2H),4.20(q,2H),4.10(t
,2H),2.98(dt,2H),2.10(s,6H),1.38(t,3
H)。
MS(FD)m/e262(Mt)。
C15H19FN2O 0.25H2Oに対する元素分析
理論値:C,67.55;H,7.31;N,10.50
実測値:C,67.56;H,7.35;N,10.46。
20d)
2−(2−アミノエチル)−4−エトキシ−3−フルオロピリジン
N−[(4−エトキシ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル
]−2,5−ジメチルピロール825mg(3.15mモル)、塩酸ヒドロキシ
アミン1.4g(20.1mモル)、水酸化カリウム700mg(12.5mモ
ル)、エタノール20mLおよび水8mLの混合物を窒素下で3日間還流した。
溶液を室温に冷却し、濃縮し、2N塩酸50mLと酢酸エチル(3×)とに分配
した。
水層を5N水酸化ナトリウムで塩基性とし、酢酸エチル(3×)で抽出し、次い
で硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られる赤色油状物は、少量の2,5−
ヘキサンジオンジオキシムも含む標記化合物であることがわかった。この油状物
をさらに精製することなくそのまま反応に用いた。
IR(KBr、cm-1)2989,1609,1495,1306,1075。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.18(d,1H),7.0
5(t,1H),4.20(q,2H),2.60−3.00(m,6H),1
.38(t,3H)。
MS(FD)m/e185(Mt)。
20e)
N−[(4−エトキシ−3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル]
−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素
実施例8および9に従ってN−(イミダゾイル)−2−アミノ−5−ブロモピ
リジンおよび2−(2−アミノエチル)−4−エトキシ−3−フルオロピリジン
から標記化合物を製造した。
融点143〜145℃。
IR(KBr、cm-1)3221,2989,1684,1475,1306。1
H NMR(300MHz、DMSO−d6)δ9.30(s,1H),8.1
0(m,2H),7.90(dd,1H),7.78(br.t.,1H),7
.42(d,1H),7.15(t,1H),4.20(q,2H),3.55
(q,2H),2.92(dt,2H),1.35(t,3H)。
MS(FD)m/e382(Mt)。
C15H16BrFN4O2に対する元素分析
理論値:C,47.01;H,4.21;N,14.62
実測値:C,46.80;H,4.21;N,14.41。
実施例21
(+,−)−N−(シス−2−(3−ニトロフェニル)−シクロプロピル)−N
’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
ヘキサン9および酢酸エチル1で溶離するシリカゲルカラムを用いてエチルエ
ステル段階でシス−異性体の分離を行うこと以外は実施例348(特許出願WO
93/03022)に記載の方法に従って、3−ニトロスチレン(Aldrich)を
シス−2−(3−ニトロフェニル)−シクロプロパンカルボン酸に変換した。次
いでJ.Org.Chem.,3511頁(1961)の記載に従ってこの酸をイソシアネートに変換
した。実施例7の記載に従って上記イソシアネートと2−アミノ−5−クロロピ
リジンを反応させることにより標記化合物を得た。
理論値:C,54.1;H,3.9;N,16.8
実測値:C,53.7;H,3.9;N,16.5。
融点201.0〜202.0℃。1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ1.20−1.29(m,1H),
1.49−1.61(m,1H),2.44(q,1H),3.25−3.33
(m,1H),6.69(d,1H),7.38−7.51(m,2H),7.
61(d,1H),7.77(d,1H),8.03−8.08(m,2H),
8.47(広幅s,1H),8.90(広幅s,1H)。
実施例22
(+,−)−N−(シス−2−(3−エチニルフェニル)−シクロプロピル)−
N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
実施例21の方法と同様の方法に従って3−ブロモスチレン(Aldrich)をシ
ス−2−(3−ブロモフェニル)シクロプロパンカルボン酸のエチルエステルに
変換した。次いでこのエチルエステルを、Tetrahedron Letters,6403-6406頁(1
993)の記載に従ってPb(II)の存在下でTMS−アセチレンと反応させた
。脱保護(LiOH)した後、得られたシス−2−(3−エチニルフェニル)−
シクロプロパンカルボン酸を実施例7の手順に従って標記化合物に変換した。
理論値:C,65.5;H,4.5;N,13.6
実測値:C,65.6;H,4.4;N,12.9。
融点148.5〜149.5℃1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ1.07−1.14(m,1H),
1.38−1.44(m,1H),2.27−2.38(m,1H),3.04
(s,1H),3.23−3.31(m,1H),6.77(d,1H),7.
20−7.50(m,5H),7.75(d,1H),8.90(広幅s,1H
),9.20(広幅s,1H)。
実施例23
(+,−)−N−(シス−2−(3−アセチルフェニル)−シクロプロピル)−
N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
実施例22の(+,−)−N−(シス−2−(3−エチニルフェニル)−シク
ロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素(130mg、
0.42mモル)、H2SO4(10滴)、H2O(10滴)およびHg(OAc
)2100mLの酢酸(4mL)溶液を室温で30分間撹拌した。次いで反応混
合物を酢酸エチルおよび飽和K2CO3溶液に注ぎ入れた。有機層を乾燥し(Mg
SO4)、溶媒を留去して残留物を得、これを1:1のアセトン:ヘキサンを溶
離液としてシリカゲルで精製して標記化合物43mgを得た。
理論値:C,61.9;H,4.9;N,12.75
実測値:C,61.5;H,4.7;N,12.1。
融点144.0〜145.0℃。1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ1.15−1.24(m,1H),
1.40−1.51(m,1H),2.34−2.47(m,1H),2.55
(s,3H),3.23−3.34(m,1H),6.85(d,1H),7.
35−7.52(m,3H),7.62(d,1H),7.77−7.90(m
,2H),8.90(広幅s,1H),9.45(広幅s,1H)。
実施例24
(+,−)−N−(シス−2−(3−アミノフェニル)−シクロプロピル)−N
’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
実施例21に記載のシス−2−(3−ニトロフェニル)シクロプロパンカルボ
ン酸(355mg、1.7mモル)をエタノール50mLに溶解し、PtO22
0mgを加えた。大気圧で1時間水素添加し、次いで濾過し、溶媒を留去してシ
ス−2−(3−アミノフェニル)シクロプロパンカルボン酸288mgを得た。
シス−2−(3−アミノフェニル)シクロプロパンカルボン酸177mg(1m
モル)を水(1mL)、t−BuOH(1mL)および2M NaOH(0.5
mL、1mモル)に溶解した。次いでジ−tert−ブチルジカーボネート25
0μL(1.1mモル)を加え、反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物
を氷水中に注ぎ入れ、希H2SO4で酸性化し、ジクロロメタンで抽出して純粋な
BOC保護シス−2−(3−アミノフェニル)−シクロプロパンカルボン酸26
4mgを得た。この酸を、実施例7の手順に従ってBOCで保護された標記化合
物に変換した。最終的に、THF1および6M HCl1で脱保護して標記化合
物を得た。
理論値:C,59.5;H,5.0;N,18.5
実測値:C,59.5;H,4.9;N,17.2。
融点177.5〜178.2℃。1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ1.00−1.07(m,1H),
1.23−1.37(m,1H),2.24−2.33(m,1H),3.15
−3.25(m,1H),3.65(広幅s,2H),6.59−6.70(m
,4H),6.77(広幅s,1H),7.11(t,1H),7.45(dd
,1H),7.72(s,1H),8.81(広幅s,1H)。
実施例25
N−(3−メトキシフェネチル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−
尿素
実施例2に記載の縮合手順を経た後、N−(イミダゾイル)−2−アミノ−4
−エチルチアゾールの代わりにN−(イミダゾイル)−2−アミノ−5−クロロ
ピリジンを用いて標記化合物を得た。1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ2.89(t,2H),3.65(
q,2H),3.79(s,3H),6.78−6.87(m,4H),7.2
5−7.28(m,1H),7.52(dd,1H),7.99(d,1H),
9.05(広幅s,1H),9.12(広幅t,1H)。
実施例26
(+,−)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピ
ル)−N’−(5−シアノピリジン−2−イル)−尿素
実施例375(特許出願WO93/03022)に従って2,6−ジフルオロ
ベンズアルデヒド(Aldrich)をシス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)シ
クロプロピルアミンに変換し、次いで実施例374(特許出願WO93/030
22)に従ってイソチオシアネートに変換した。このイソチアネートを2−アミ
ノ−5−シアノピリジンのアニオンと反応させ、(+,−)−N−(シス−2−
(2,6−ジフルオロフェニル)シクロプロピル)−N’−(5−シアノピリジ
ン−2−イル)−チオ尿素を得た。この化合物6mgを実施例4の記載に従って
NBSと反応させ、アルミナで最後の精製を行って標記生成物0.7mgを得た
。Rf:0.30シリカゲル溶離液:ジエチルエーテル。
実施例27
(1R,2S)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプ
ロピル)−N’−(5−シアノピリジン−2−イル)−尿素
(1R,2S)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロ
プロピル)−N’−(5−シアノピリジン−2−イル)−チオ尿素を、出発物質
に(+,−)−シス−シクロプロピルアミンの代わりに(+,−)−シス−2−
(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピルアミンを用い、実施例422
、424および427(特許出願WO93/03022)に従って製造した。(
1
R,2S)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピ
ル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素の[α]D22は−4
7.8°(c=0.54,EtOAc)であった。(1R,2S)−N−(シス
−2−(2,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−ブロ
モピリジン−2−イル)−チオ尿素を用い、実施例4に記載の方法に従って標記
化合物を得た。1
H NMR(250MHz、アセトン−d6)δ1.20−1.30(m,1H
),1.40−1.50(m,1H),2.00−2.20(m,溶媒に基づく
信号で一部被われた,1H),3.25−3.35(m,1H),6.95−7
.10(m,2H),7.22(d,1H),7.30−7.50(m,1H)
,7.79(dd,1H),7.95(d,1H),8.28(広幅s,1H)
,8.60(広幅s,1H)。
実施例28
(1R,2S)−N−(シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロ
フェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿
素
銅(I)トリフレートによって触媒される不斉シクロプロパン化反応とJ.Am.C
hem.Soc.1991,113,726-728中のEvansらの記載したキラルリガンドを用いて、2
−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロスチレンから(1R,2S)−シス−2
−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)−シクロプロピルカル
ボン酸を製造した。実施例7に記載の方法に従ってこの酸を標記化合物に変換し
た。
理論値:C,53.1;H,4.2;N,10.9
実測値:C,53.3;H,4.3;N,11.0。
融点168.5〜169.0℃。
[α]D22−80.0°(c=0.50、CHCl3)。1
H NMR(250MHz、CDCl3)δ1.27−1.35(m,1H),
1.53(t,3H),1.55−1.67(m,1H),2.01−2.14
(m,1H),3.25−3.29(m,1H),4.09(q,2H),6.
72−6.94(m,3H),7.45(dd,1H),7.80(d,1H)
,8.86(広幅s,1H),9.25(広幅s,1H)。
実施例29
N−(2−フェネチル)−N’−(チオゾール−2−イル)−尿素
フェニルプロパン酸クロリド3.38g(mw169、20mモル)をトルエ
ン20mLに溶解した。0℃で勢いよく撹拌しながらLiN31.25g(mw
48、25mモル)を含む飽和水溶液を加えた。混合物を20℃に加熱し1時間
撹拌した。水相をシラン化濾紙によって分けた。有機相をNa2SO4で乾燥し、
溶媒を除去した。残留物をトルエン20mLに再溶解し、15分間90℃に加熱
した。溶媒を除去し、未精製のイソシアネートを2−アミノチアゾール2g(m
w100、20mモル)と一緒にDMF10mLに溶解した。この混合物を11
0℃で17時間撹拌した。溶媒を留去し、未精製生成物を酢酸エチル200mL
に溶解し、1M塩酸50mLで2回、水50mLで1回洗浄した。エタノールか
ら結晶し、微細針状晶2.21gを得た。
融点162℃。1
H NMR(250MHz、DMSO−d6)2.86(t,2H),3.00
(t,2H),7.25−7.43(m,6H),7.57(d,1H)。
実施例30
N−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピ
リジン−2−イル)−尿素
3,4−ジフルオロフェノール(Aldrich)32.5gをアセトン600mL
に溶解した。K2CO350gおよびヨードエタン45gを加え、混合物を50℃
で一夜撹拌した。生成物の1−エトキシ−3,4−ジフルオロベンゼンを蒸留に
よって精製し、次いでWO93/03022の実施例362の手順に従って2−
エトキシ−5,6−ジフルオロベンズアルデヒドに変換した。
次いでWO93/03022の実施例151に記載の方法を用いて、本化合物
を2−エトキシ−5,6−ジフルオロ−フェネチルアミンに変換した。次にWO
93/03022の実施例411に記載の方法を用いてN−(2−エトキシ−5
,6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チ
オ尿素を製造した。次いでこの生成物を実施例4に従ってNBSで酸化し、N−
(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピリジ
ン−2−イル)−尿素を得た。1
H NMR(250MHz、CDCl3):1.4(t,3H),3.0(q,
2H),3.95(q,2H),6.5(m,1H),6.8(d,1H),6
.95(dd,1H),7.68(dd,1H),8.90(d,1H),8.
9(s,1H),9.0(s,1H)。
実施例31および32
N−(シス−2−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロ
ピル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素および
N−(トランス−2−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェニル)−シクロ
プロピル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素
実施例30の記載に従って製造した2−エトキシ−5,6−ジフルオロベンズ
アルデヒドをWO93/03022の実施例375および348の方法に従って
2−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロピルアミンの
シス/トランス混合物に変換した。次いで、この生成物をWO93/03022
に実施例411の手順に従って、実施例392から得られる生成物と縮合し、次
いで実施例4のごとくNBSで酸化し、シスおよびトランスN−(2−(2−エ
トキシ−5,6−ジフルオロフィル)−シクロプロピル)−N’−(5−ブロモ
ピリジン−2−イル)−尿素の混合物を得た。2つの生成物をジクロロエタンと
エチルアセテートの混合物で溶離するシリカゲルカラムで分離した。
N−(シス−2−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロフェニル)−シクロプロ
ピル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素:1
H−NMR(250MHz、CDCl3):1.2−1.3(m,1H),1.
35(t,3H),1.5(m,1H),2.0−2.1(m,1H),3.2
−3.3(m,1H),3.95(q,2H),6.5−6.6(m,1H),
6.7−6.8(m,1H),7.0(dd,1H),7.55(dd,1H)
,7.8(s,1H),8.7(s,1H),9.2(s,1H)。
N−(トランス−2−(2−エトキシ−5,6−ジフルオロ−フェニル)−シク
ロプロピル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素:1
H−NMR(250MHz、CDCl3):1.2−1.3(m,1H),1.
4(t,3H),1.6−1.7(m,1H),2.1−2.2(m,1H),
3.2−3.3(m,1H),4.05(q,2H),6.5(m,1H),6
.7−6.8(m,1H),7.6−7.8(m,2H),8.2−8.4(m
,1H),9.0(s,1H),9.3(s,1H)。
実施例33および34
N−(シス−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−シクロプロピル)−
N’−(5−シアノピリジン−2−イル)−尿素および
N−(シス−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−シクロプロピル)−
N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
WO93/03022の実施例377に記載の方法に従って、2−クロロ−6
−フルオロベンズアルデヒド(Aldrich)を2−クロロ−6−フルオロスチレン
に変換し、次いでWO93/03022の実施例348に記載の方法と類似の方
法でシス−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)シクロプロピルイソシア
ネートに変換した。次に、この化合物を実施例7の方法と類似の方法で実施例4
1の2−アミノ−5−シアノピリジンと縮合させてN−(シス−2−(2−クロ
ロ−6−フルオロフェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−シアノピリジン
−2−イル)−尿素を得た。
融点189℃。1
H−NMR(250MHz、DMSO−d6):1.2(m,1H),1.45
−1.55(m,1H),2.2−2.3(m,1H),3.3−3.4(m,
1H),7.35−7.6(m,4H),7.9−8.1(m,2H),9.5
(s,1H)。
実施例7の方法に従って、先に製造した2−(2−クロロ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピルイソシアネートを2−アミノ−5−クロロピリジンと縮合
させてN−(シス−2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−シクロプロピ
ル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3):1.3−1.4(m,1H),1.
5−1.6(m,1H),2.0−2.1(m,1H),3.3−3.4(m,
1H),6.7−6.8(m,1H),6.9−7.0(m,1H),7.15
−7.30(m,2H),7.4−7.5(m,1H),7.7(m,1H),
8.8(s,1H),9.1(s,1H)。
実施例35
(+,−)−N−(シス−2(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニ
ル)シクロプロピル−N’−(5−アセトピリジン−2−イル)−尿素
酢酸(2mL)、H2SO4(5滴)およびH2O(2滴)の混合物に実施例6
2から得られた(+,−)−N−(シス−2(2−クロロ−3−エトキシ−6−
フルオロフェニル)シクロプロピル−N’−(5−エチンピリジン−2−イル)
−尿素(40mg、0.11mモル)を加えた。この混合物をよくはくはんし、
酢酸第2水銀(50mg、0.16mモル)を加えた。1時間後、混合物を水性
KHCO3と酢酸エチルに分配した。有機相を乾燥し、濃縮し、残留物をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(トルエン−アセトン、3:1)で精製して標記化合物
(11.2mg、27%)を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)d1,35(m,1H),1.50(
t,3H),1.64(m,1H),2.13(dd,1H),2.53(s,
3H),3.32(m,1H),4.12(dq,2H),6.81−6.96
(m,3H),8.03(dd,1H),9.41(広幅s,NH),9.62
(広幅s,NH)。13
C−NMR(250MHz、CDCl3)選択信号d1481,15.12,
15.80,26.21,65.57,111.46,126.03,137.
62,147.73,156.88,156.73,195.29。
実施例36
N−(2−(イミダゾ−4−イル)エチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2
−イル)−尿素
ジオキサン(7mL)およびN2O(1mL)中の、WO93/03022の
実施例328と同様に製造したN−(2−(イミダゾール−4−イル)エチル)
−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−チオ尿素(50mg、0.15m
モル)の溶液に撹拌しながらN−ブロモサクシニミド(100mg、0.56m
モル)を加えた。1時間後、混合物を水性NaHCO3とCH2Cl2に分配した
。有機相を乾燥し、濃縮し、エタノールから結晶して標記化合物(22mg、4
6%)を得た。
融点:204℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)d3.05(m,2H),3.60(
m,2H),6.87(d,1H),7.03(dd,1H),7.27(s,
1H),7.71(dd,1H),8.29(d,1H),8.39(d,1H
),10.48(広幅s,1H)。13
C−NMR(250MHz、CDCl3)d20.32,38.82,112
.99,123.18,125.70,134.64,140.44,145.
94,146.59,159.85。
実施例37
N−[2−(2,6−ジフルオロ−3−ジメチルアミノ)フェネチル]−N’−
[2−(5−クロロ)ピリジル]−尿素
2,4−ジフルオロアニリン(5.0g、38.7mモル)およびトリメチル
ホスフェート(3.6g、25.8mモル)の混合物を180℃で2時間還流し
た。混合物を50℃に冷却した後、H2O12mL中のNaOH(3.2g、8
0.6mモル)を加え、再度1時間還流した。混合物を冷却し、H2Oを加え、
ジエチルエーテルで抽出し、次いでNa2SO4で乾燥し、留去した。ジエチルエ
ーテルを溶離液に用いてAl2O3カラムで濾過し、1−ジメチルアミノ−2,4
−ジフルオロベンゼン4.4g(73%)を得た。この化合物をWO93/03
022の実施例362および151の手順に従って2,6−ジフルオロ−3−ジ
メチルアミノ−フェネチルアミンに変換し、実施例411の手順に従って実施例
392から得られる生成物と縮合させてN−[2−(2,6−ジフルオロ−3−
ジメチルアミノ)フェネチル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリジル]−チオ
尿素を得た。本発明の実施例4の方法に従ってこの化合物を標記化合物に変換し
た。
融点:135℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.64(s,1H),9.21(
br s,1H),8.13(d,1H),7.65(dd,1H),6.86
−6.75(m,3H),3.63(q,2H),3.01(t,2H),2.
75(s,6H)。
実施例38
N−(2−フェネチル)−N’−[2−(5−クロロ)ピリダジル]−尿素
NaH、80%(0.12g,3.86mモル)を0℃、窒素下で3−アミノ
−6−クロロピリダジン(0.50g、3.86mモル)のTHF(40mL)
溶液に加えた。混合物を15分間撹拌し、THF40mL中のN,N’−カルボ
ニルジイミダゾール(0.63g、3.86mモル)を加えた。混合物の温度を
室温まで上昇させ、この温度で3時間撹拌し3時間還流し、次いでフェネチルア
ミン(0.51mL、3.86mモル)を加え、1時間還流を続けた。この混合
物にジエチルエーテルおよびNH4Cl(水溶液)を加え、有機相を分け塩水で
洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、留去した。残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、標記化合物を得た。
融点:204℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ11.32(br s,1H),8
.29(d,1H),7.48(d,1H),7.28(m,6H),3.59
(t,2H),2.96(t,2H)。
実施例39
(+,−)−N−[シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリダジル]−尿素
出発物質の4−クロロ−2−フルオロフェノールから標記化合物を得、これを
WO93/03022の実施例362の手順に従って6−クロロ−3−エトキシ
−2−フルオロベンズアルデヒドに変換した。このアルデヒドをWO93/03
022の実施例375の手順に従って6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロ
スチレンに変換した。スチレン(30.7g、153mモル)をジクロロエタン
(400mL)に溶解し、CuJ(50mL)およびPB(OAc)2(50m
g)を加えた。この溶液の温度を還流温度に上昇させ、ジクロロエタン100m
L中のジエチルアゾジカルボキシレート(32.2mL、306mモル)を2時
間滴下した。1時間還流を続けた。反応混合物を留去し、残留物をEtOAc/
ヘキサン2:98〜5:95を溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、純粋な(+,−)−シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−2−
フルオロフェニル)−シクロプロピルカルボン酸エチルエステル4.36g(1
0%)を得、次いでこれを100℃で24時間、KOH(2.56g)−EtO
H/H2O(45mL/5mL)中で加水分解した。反応混合物をヘキサンで2
回抽出し、濃HClで酸性とし、ジエチルエーテルで抽出し、これをNa2SO4
で乾燥し、留去することにより純粋な酸3.87g(98%)を得た。
トルエン25mL中の(+,−)−シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−
2−フルオロフェニル)−シクロプロピルカルボン酸(1.0g、3.87mモ
ル)、ジフェニルホスホリルアジド(0.92mL、4.26mモル)およびト
リエチルアミン(0.59mL、4.26mモル)を40分間還流した。DMF
20mL中の3−アミノ−6−クロロピリダジン(0.55g、4.26mモル
)を加え、3時間還流を続けた。トルエンを留去した。残留物にH2Oを加え、
ジエチルエーテルで抽出した。H2O相中に形成された沈澱物(生成物の一部)
を濾過し、ジエチルエーテル相をNa2SO4で乾燥し、留去した(生成物の他の
一部)。回収した粗物質(1.2g)をアセトニトリルから再結晶し、標記化合
物0.7g(47%)を得た。
融点:210−211℃。1
H−NMR(250MHz、DMSO−d6)δ9.87(s,1H),8.1
0(d,1H),7.81(d,1H),7.33(d,1H),7.17(t
,1H),7.01(br s,1H),4.16(q,2H),3.33(m
,1H),2.13(q,1H),1.58(q,1H),1.41(t,3H
),
1.22(m,1H)。
実施例40
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリダジル]−尿素
2−クロロ−4−フルオロフェノールを出発物質とし実施例39の記載に従っ
て標記化合物を得た。
融点:192℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ10.70(br s,1H),8
.00(m,1H),7.37(d,1H),6.86(t,1H),6.74
(m,1H),4.05(q,2H),3.44(m,1H),2,16(q,
1H),1.64(q,1H),1.43(m,4H)。
実施例41
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−シアノ)ピリジル]−尿素
2−アミノ−5−シアノピリジンの製造:アセトニトリル100mL中のNi
Br2(2.18g、10mモル)、トリフェニルホスフィン(10g、38m
モル)および亜鉛粉末(1g、15.2mモル)の混合物を60℃、窒素下で1
時間撹拌した。この混合物にNaCN(6.3g、102mモル)および2−ア
ミノ−5−ブロモピリジン(17.8g、100mモル)を加え、60℃で一夜
撹拌した。この混合物に酢酸エチル500mLを加え、濾過し、溶媒を留去した
。生成物を酢酸エチルで溶離するシリカゲルカラムにより精製した。
1H−NMR(250MHz、DMSO−d6)δ8.41(d,1H),7.
29(dd,1H),7.12(s,2H),6.58(d,1H)。
2−クロロ−4−フルオロフェノールを出発物質とし実施例39の記載に従っ
て標記物質を製造した。最終工程は2−アミノ−5−クロロピリダジンの代わり
に先に製造した2−アミノ−5−シアノピリジンを用いて行った。
融点:201℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.83(br s,1H),9.
36(br s,1H),8.14(d,1H),7.71(dd,1H),6
.93−6.84(m,3H),4.11(q,2H),3.29(m,1H)
,2,14(q,1H),1,64(m,1H),1.53(t,3H),1.
33(m,1H)。
実施例42
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[5−(4−ブロモ−3−メチル)ピラジル]
−尿素
2−クロロ−4−フルオロフェノールを出発物質として実施例39の記載に従
って標記化合物を製造した。最終工程は2−アミノ−5−クロロピリダジンの代
わりに先に製造した5−アミノ−4−ブロモ−3−メチルピラゾール臭化水素酸
塩を用いて行った。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ7.30(m,1H),7.01(
br s,1H),6.96−6.80(m,2H),5.40(br s,1H
),4.07(q,2H),3.30(m,1H),2.14(m,1H),2
.00(s,3H),1,65(q,1H),1.44(m,4H)。
実施例43
(+,−)−N−[シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−シアノ)ピリジル]−尿素
4−クロロ−2−フルオロフェノールを出発物質として実施例39および41
の記載に従って標記化合物を製造した。
融点211〜212℃。1
H−NMR(250MHz、DMSO−D6)δ9.94(s,1H),8.4
3(s,1H),8.15(d,1H),8.03(br s,1H),7.5
3(d,1H),7.40(d,1H),7.19(t,1H),4.19(q
,2H),3.30(m,1H),2.16(q,1H),1.42(t,3H
),1.19(m,1H)。
実施例44
N−[2−(3−アセチル−6−フルオロ−2−メトキシ)フェネチル]−N’
−[2−(5−クロロ)ピリジル]−尿素
実施例55のN−[2−(3−アセチル−6−フルオロ−2−メトキシ)フェ
ネチル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリジル]−チオ尿素(1.0g、2.
6mモル)をジオキサン/H2O(10:1)20mLに溶解し、この溶液にH2
O5mLに溶解したAgNO3を室温で滴加した。混合物を室温で2時間撹拌し
た。この混合物にEtOAcを加え、これをEtOAcを溶離液としてセライト
カラムで濾過した。濾液をH2Oおよび塩水で洗浄し、NaSO4で乾燥し、留去
した。EtOAc/ヘキサン50:50〜EtOAc100を溶離液とするシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製し、標記化合物を得た。
融点180℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.75(m,1H),8.80(
br s,1H),7.63(d,1H),7.54(t,1H),7.10(
d,1H),6.88(t,1H),3.80(s,3H),3.58(q,2
H),3.01(t,2H),2.57(s,3H)。
実施例45
N−(2−フェネチル)−N’−(2−ベンゾチアゾリル)−尿素
1,1’−カルボニルイミダゾール(1.24g、7.7mモル)のジクロロ
メタン(21mL)溶液に、0℃で2−フェネチルアミン(0.88mL、7m
モル)を滴加した。3時間後に反応混合物を減圧下で留去し、残留物をジメチル
ホルムアミド(20mL)に再溶解した。この溶液に2−アミノベンゾチアゾー
ル(1.05g、7mモル)を加えた。反応物を一夜100℃未満に保った。こ
れを水(100mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタンで2回抽出した。次に有機相
を0.5N塩酸溶液および水で洗浄し、次いで減圧下で乾燥させた。生成物をジ
クロロメタンから結晶した(1.16g)。
融点136℃。1
H−NMU(CDCl3):7.22(m,9H,フェニルおよびベンゾ),3
.60(q,2H,CH2NH),2.75(t,2H,CH2)。
実施例46
N−(2−フェネチル)−N’,N’−メチル−(2−チアゾリル)−尿素
無水酢酸(10mL)およびギ酸(10mL)を0℃で混合し、次いで15分
間50℃に加熱した。これを0℃に冷却した後、2−アミノチアゾール(2g、
20mモル)およびギ酸(20mL)の混合物を加えた。反応物を一夜室温に保
った。留去し、トルエンと共に留去した後、2−ホルムアミドチアゾールを得た
(2.2g)。
2−ホルムアミドチアゾール(1.6g、14mモル)を乾燥テトラヒドロフ
ランに溶解した。この溶液に水素化アルミニウム(0.8g、21mモル)を加
えた。反応混合物を3時間還流し、氷上に注いだ。これをジクロロメタンで3回
抽出し、有機溶液を水洗し、留去した。アルミナカラムクロマトグラフィーによ
って2−メチルアミノチアゾールを分離した。
1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.48g、3mモル)のジクロロメ
タン(15mL)溶液に0℃で2−フェネチルアミン(0.38mL、3mモル
)を滴加した。1時間後、反応混合物を減圧下で留去し、残留物をジメチルホル
ムアルデヒド(10mL)に再溶解した。この溶液に、2−メチルアミノチアゾ
ール(0.25g、2mモル)を加えた。この反応物を2時間100℃未満に保
った。次に、これを水(100mL)に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出した。
次に有機相を0.5N塩酸溶液および水で洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより標記生成物を分離した(203mg)
。1
H−NMR(CDCl3:7.27(m,6H,フェニルおよびチアゾール),
6.86(d,1H,チアゾール),3.63(q,2H,CH2NH),3.
43(s,3H,CH3),2.90(t,2H,CH2)。
実施例47および48
N−(シス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピル−N’−
(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素および
N−(トランス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピル−N
’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
WO93/03022の実施例375および348に記載の方法に従って2,
5−ジメトキシベンズアルデヒド(Aldrich)を2−(2,5−ジメトキシフェ
ニル)−シクロプロピルイソシアネートのシス/トランス混合物に変換した。次
にこの生成物を、実施例7の方法と類似の方法に従って2−アミノ−5−クロロ
ピリジンと縮合させ、N−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピ
ル−N’−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−尿素のシス/トランス混合物
を得た。ヘキサンと酢酸エチルの混合物で溶離するシリカゲルカラムによって2
つの生成物を分離した:
N−(シス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)シクロプロピル−N’−
(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−尿素:
融点155〜157℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.81(br s,1H),8.
85(br s,1H),7.57(s,1H),7.40(dd,1H),6.
92−6.63(m,4H),3.79(s,3H),3.70(s,3H)、
3.29(m,1H),2.41(q,1H),1.39−0.97(m,2H
)。
N−(トランス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピル−
N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素:1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.45(br s,1H),8.2
3(s,1H),7.62(d,1H),6.89−6.62(m,3H),
6.59(m,1H),3.82(s,3H),3.77(s,3H)、3.0
8−2.86(m,1H),2.42−2.29(m,1H),1.39−1.
20(m,2H)。
実施例49
N−(シス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピル−N’−
(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素
上記実施例の記載に従って製造される2−(2,5−ジメトキシフェニル)−
シクロプロピルイソシアネートを、実施例7で用いた方法に従って2−アミノ−
5−ブロモピリジンと縮合させ、シリカゲルクロマトグラフィーを行った後にN
−(シス)−2−(2,5−ジメトキシフェニル)−シクロプロピル−N’−(
5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素を得た。
融点191〜192℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ8.79(br s,1H),7.
70(br s,1H),7.55(dd,1H),6.88−6.62(m,
4H),3.81(s,3H),3.72(s,3H),3.29(m,2H)
、2.40(q,2H),1.41−1.30(m,1H),1.09−0.9
8(m,1H)。
実施例50
N−(シス)−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−シク
ロプロピル−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿素
CHCl3500mL中の2−フルオロ−4−メチルアセトフェノン(10.
0g、0.059モル、mCPBA(26.0g、0.128モル)およびMg
SO4(30.0g)の懸濁液を室温で12時間撹拌した。次いでこの混合物を
濾過し、2M NaOHで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧下で濃縮し
て固形の1−アセチル−2−フルオロ−4−メトキシベンゼン(10.7g、9
8%)を得た。MeOH100mLおよび25%NH3(水溶液)20mL中の
1−アセチル−2−フルオロ−4−メトキシベンゼン(5.3g、0.029モ
ル)の溶液を室温で1時間撹拌した。次にこの混合物を減圧下で濃縮し、水で希
釈し、EtOAcで抽出した後、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して油状の
2−フルオロ−4−メトキシフェノール(3.85g、94%)を得た。WO9
3/03022の実施例362の方法に従って2−エトキシ−1−フルオロ−4
−メトキシベンズアルデヒドを製造し、WO93/03022の実施例375お
よび348に記載の方法に従って2−(2−エトキシ−1−フルオロ−6−メト
キシフェニル)シクロプロピルイソシアネートのシス/トランス混合物に変換し
た。次いでこの生成物を実施例7の方法と同様の方法に従って2−アミノ−5−
ブロモピリジンと縮合させ、N−2−(2−エトキシ−1−フルオロ−6−メト
キシフェニル)シクロプロピル−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−尿
素を得た。ヘキサンと酢酸エチルの混合物で溶離するシリカゲルカラムによって
2つの生成物を分離し、N−(シス)−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メ
トキシフェニル)−シクロプロピル−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)
−尿素を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ7.88(s,1H),7.55(
dd,1H),6.83(t,1H),6.58(dd,1H),4.03(q
,2H),3.79(s,3H),3.32−3.19(m,2H)、1.54
−1.20(m,2H),1.46(t,3H)。
実施例51
N−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシフェネチル)−N’−(5−
クロロピリジン−2−イル)−尿素
WO93/03022の実施例151の記載に従って、2−エトキシ−1−フ
ルオロ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド(上記実施例に従って製造した)から
3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシフェネチルアミンを製造した。WO
93/03022の実施例370の記載に従って3−エトキシ−2−フルオロ−
6−メトキシフェネチルアミンと5−クロロピリジン−2−イルイソチオシアネ
ートと反応させ、N−[2−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシ)フ
ェネチル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリジル]−チオ尿素を得た。実施例
4の手順に従って、N−[2−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシ)
フェネチル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリジン]−チオ尿素を得た。実施
例4の手順に従ってN−[2−(3−エトキシ−2−フルオロ−6−メトキシ)
フェネチル]−N’−[2−(5−クロロ)ピリジン]−チオ尿素から標記化合
物を得た。
融点194〜196℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.20(br s,1H),9.
05(br s,1H),8.05(d,1H),7.50(dd,1H),6
.82(d,1H),6.74(d,1H),4.00(q,2H)、3.73
(s,3H),3.59(dd,2H),2.98(dd,2H),1.41(
t,3H)。
実施例52
N−(シス)−2−(2−クロロ−3−エトシキ−6−フルオロフェニル)−シ
クロプロピル−N’−(6−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン−2−イル)−尿
素
以下の方法に従って、出発物質の3−アセチル−6−アミノ−2−ブロモピリ
ジンおよび2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル−シクロプ
ロピルイソシアネートを製造した:
濃H2SO425mLと発煙HNO325mLの混合物に0℃で2−ブロモ−3−
ピリジノール(Aldrich)5gを加えた。混合物を1時間その温度で撹拌し、次
いで破砕した氷350mLを加え、CH2Cl2で抽出した。この抽出物をNa2
SO4で乾燥し、減圧下で留去して2−ブロモ−6−ニトロ−3−ピリジノール
と2−ブロモ−4,6−ジニトロ−3−ピリジノールの混合物である粗生成物4
.1gを得た。この混合物(0.5g)を室温で24時間過剰の無水酢酸で処理
し、次いでシリカゲルカラムを用いヘキサンと酢酸エチルの混合物で溶離して分
離し、
帯黄色固形の2−ブロモ−6−ニトロ−3−ピリジノール0.28gを得た。次
に、2−ブロモ−6−ニトロ−3−ピリジノールを80℃、窒素環境下で14時
間無水酢酸で処理し、黄色固形の3−アセチル−2−ブロモ−6−ニトロピリジ
ン0.34gを得た。エタノール中、3−アセチル−2−ブロモ−6−ニトロピ
リジンを水素添加し(Pt上C、1気圧)、帯赤色油状の3−アセチル−6−ア
ミノ−2−ブロモピリジンを得た。WO93/03022の実施例362、37
5および348と類似の方法に従って2−クロロ−4−フルオロフェノール(Al
drich)から2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)シクロ
プロピルイソシアネートのシス/トランス混合物を製造した。次に実施例7の方
法と類似の方法に従って、この生成物を3−アセチル−6−アミノ−2−ブロモ
ピリジンと縮合させ、N−2−(2−クロロ−3−エトシキ−6−フルオロフェ
ニル)−シクロプロピル−N’−(6−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン−2−
イル)−尿素のシス/トランス混合物を得た。シリカゲルカラムを用いヘキサン
と酢酸エチルの混合物で溶離することにより2つの生成物を分離し、白色固形の
標記化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ7.85(d,1H),7.55(
br s,1H),6.98−6.72(m,2H),4.04(q,2H),
3.27−3.04(m,1H),2.18(q,1H),1.74−1.65
H(m,1H),1.43(t,3H)、0.92−0.80(m,2H)。
実施例53
N−(シス/トランス)−2−(2−クロロ−3−エチル−6−フルオロフェニ
ル)−シクロプロピル−N’−(6−ブロモ−5−メトキシピリジン−2−イル
)−尿素
以下の方法に従って、出発物質の−2−アミノ−6−ブロモ−5−メトキシブ
ロモピリジンを製造した:
J.Med.Chem.1981,24,39-42の記載に従って2−ブロモピリジン−3−オル(Aldr
ich)を2−ブロモ−3−メトキシ−6−ニトロピリジンに変換した。エタノー
ル中、2−ブロモ−6−ニトロ−5−メトキシピリジンを水素添加し(Pt上C
、1気圧)、帯赤色油状の出発物質を得た。次にこの生成物を、実施例7の方法
と同様の方法で実施例53に記載の2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フル
オロフェニル)シクロプロピルイソシアネートのシス/トランス混合物と縮合さ
せてN−2−(2−クロロ−3−エトシキ−6−フルオロフェニル)−シクロプ
ロピル−N’−(6−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン−2−イル)−尿素のシ
ス/トランス混合物(50:50)を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ7.62−7.43(m,1H),
7.29−7.12(m,1H),6.91−6.67(m,2H),4.10
−3.94(m,2H),3.90および3.84(2s,3H),3.38−
3.02(m,1H)2.18−2.00(m,1H),1.55−1.30H
(m,5H),1.43(t,3H),0.92−0.80(m,2H)。
実施例54
N−(3−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシフェネチル)−N’−(5−
クロロピリジン−2−イル)−尿素
以下の方法に従って出発物質の3−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシフ
ェネチル−アミンを製造した:
トルエン中の2−フルオロ−4−メトキシアセトフェノン(5g)(Fluorochem
)、エチレングリコール(4mL)およびp−トルエンスルホン酸(50mg)
の混合物を10時間還流し、2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2
−メチル−1,3−ジオキソラン5.7gを得た。これをWO93/03022
の実施例362に従って2−フルオロ−6−メトキシ−3−(2−メチル−1,
3−ジオキソール−2−イル)−ベンズアルデヒドに変換した。この化合物をW
O93/03022の実施例353に記載の方法に従って2−フルオロ−6−メ
トキシ−3−(2−メチル−1,3−ジオキソール−2−イル)−桂皮酸エチル
エステルに変換した。次に2−フルオロ−6−メトキシ−3−(2−メチル−1
,3−ジオキソール−2−イル)−桂皮酸エチルエステルをジオキサンおよび水
中、
KOHで処理し、2−フルオロ−6−メトキシ−3−(2−メチル−1,3−ジ
オキソール−2−イル)−桂皮酸を得た。ジオキサン中、HCl水溶液で加水分
解し、3−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシ桂皮酸を得た。次に実施例7
の方法と同様の方法でN−(3−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシフェネ
チル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素を製造した。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ9.18(br s,1H),8.
97(br s,1H),7.85(d,1H),7.83(t,1H),7.
51(dd,1H)6.83(d,1H),6.70(d,1H),3.82(
s,3H),3.57(q,2H)、3.08−2.92(m,2H),2.5
1(d,3H)。
実施例55
(+,−)−N−(シス−2−(2−フルオロ−5−ブトキシビニル−6−メト
キシメトキシフェニル)シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−
イル)−尿素
3−フルオロフェニル(40mL、442mモル)および2,3−ジヒドロピ
ラン(45mL、500mモル)をジクロロメタンに溶解し、エーテル中の塩酸
(20mL、1M)を加えた。この溶液を2時間撹拌した後、水中の水酸化ナト
リウム、次いで水で洗浄した。この溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、留
去した。残留物を85℃、0.5mmHgで蒸留し、無色油状物50gを得た。
この油状物を窒素下でTHFに溶解し、この溶液を−78℃に冷却した。n−ブ
チルリチウム(112mL、2,5M)を加えた。本溶液を−78℃で40分間
撹拌した。トリエチルオルソホルメート(47mL、282mモル)、次いでト
リメチルシリルトリフラート(54mL、280mモル)を加えた。この溶液を
ヘキサンで希釈し、水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、留去
した。残留物を、シリカを用い酢酸エチル−ヘキサン1:10で溶離して精製し
た。純粋な分画を混合し、留去して油状物30gを得た。この油状物を窒素下で
THFに溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、n−BuLi(44mL、2
.
5M)を加えた。本溶液を20秒間−30℃に温めた後、5分間−50℃に冷却
し、次いでさらに30分間−78℃に冷却した。THFに溶解したヨウ素(28
.1g、111mモル)を加えた。この溶液をヘキサンで希釈し、少量のチオ硫
酸ナトリウムを含む水で洗浄した。本溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、
留去した。残留物をn−ヘキサンから再結晶して精製し、固形物23.22gを
得た。この固形物をジオキサンに溶解し、希塩酸を加えた。この溶液を60分間
撹拌し、ヘキサンで希釈し、水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過
し、留去して固形物13.5gを得た。この固形物をジクロロメタンに溶解し、
トリエチルアミン(8mL)およびメトキシメチルクロリド(4.1mL)を加
えた。本溶液を60分間撹拌し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過
し、留去した。窒素下で予め作製したエチレントリフェニル−ホスホラン(56
mモル)のTHF溶液に残留物を加えた。この溶液を60℃で60分間撹拌した
。本溶液をヘキサンで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し
、留去した。残留物をシリカを用い酢酸エチル−ヘキサン1:20で溶離して精
製した。純粋な分画を回収し、留去して油状物13gを得た。この油状物をジク
ロロエタンに溶解し、銅(1)トリフラート(20mg)とパラジウム(2)ア
セテート(20mg)を加えた。この溶液を加熱還流し、エチルジアゾアセテー
ト(50mL)を徐々に加えた。本溶液を水洗し、留去した。残留物をシリカを
用い酢酸エチル−ヘキサン1:9で溶離することによって精製した。シス−異性
体を含む最も純粋な分画を回収して留去した。残留物をメタノールに溶解し、水
中の水酸化ナトリウム(約15%)を加えた。この溶液を40℃で60分間撹拌
した。この処理によって、所望のシス−エステルを除く残りのトランス−異性体
ならびに他のいくつかの不純物を加水分解した。本溶液を水およびエーテルで希
釈し、有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、留去して油状の純粋
なシス−異性体3.3gを得た。この油状物をDMFに溶解し、この溶液を5m
mHgで脱気した。酢酸タリウム(2.5g)、n−ブチルビニルエーテル(5
.6mL)、ビス−ジフェニルホスフィノプロパン(0.2g)および酢酸パラ
ジウム(0.1g)を窒素下で加えた。この溶液を一夜90℃に加熱した。本溶
液をエーテル
で希釈し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、留去した。残留物
をシリカを用い酢酸エチル−ヘキサン1:9で溶離することによって精製した。
純粋な分画を回収し、留去して油状物1.8gを得た。この油状物をメタノール
に溶解し、水酸化カリウム(370mg)を加えた。この溶液を一夜還流した。
本溶液を留去し、THFと共に3回留去し、固形の残留物を一夜凍結乾燥器に入
れた。この固形物0.5gをトルエンに溶解し、ジフェニルホスホリルアジド(
1当量)を加えた。本溶液を20分間還流した。2−アミノ−5−クロロピリジ
ン(1.2当量)を加え、40分間還流を続けた。この溶液を酢酸エチルで希釈
し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、留去した。残留物をシリ
カを用い酢酸エチル−ヘキサン1:2で溶離することによって精製した。純粋な
分画を回収し、留去して、標記生成物127mgを得た。1
H−NMR CDCl3 δ0.9(t,3H),1.3−1.8(m,6H)
,2.1(q,1H),3.3−3.4(bs,1H),3.5(s,3H)3
.8(t,2H),4.3−4.5(m,2H),5.1(s,2H),6.8
(m,2H),7.3−7.5(m,2H),7.8(s,1H),9.1(b
s,1H),9.8(bs,1H)。
実施例56
(+,−)−N−(シス−2−(5−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシメ
トキシフェニル)シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)
−尿素
(+,−)−N−(シス−2−(2−フルオロ−5−ブトキシビニル−6−メ
トキシメトキシ)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル
)−尿素(実施例55)をジオキサンに溶解し、希塩酸数滴を加えた。この溶液
を15分間撹拌し、水で希釈し、留去した。残留物を水と共に留去し、固形の標
記生成物を得た。1
H−NMR CDCl3 1.3(q,1H),1.5(q,1H),2.1(q
,1H),2.5(s,3H),3.4(m,1H),3.5(s,3H),5
.1(m,2H),6.8(m,2H),7.4−7.6(m,2H),7.8
(d,1H),9.1(bs,1H),9.8(bs,1H)。
実施例57
(+,−)−N−(シス−2−(5−アセチル−2−フルオロ−6−ヒドロキシ
フェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿
素
(+,−)−N−(シス−2−(5−アセチル−2−フルオロ−6−メトキシ
メトキシ)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿
素(実施例56)をジオキサンに溶解し、濃塩酸を加えた。この溶液を15分間
撹拌し、水で希釈し、留去した。残留物を水と共に留去して固形の標記生成物を
得た。1
H−NMR DMSO−d6δ1.2(m,1H),1.3−1.5(m,1H
),2.0(q,1H),2.6(s,3H),3.4(m,1H),6.8(
t,1H),7.4(d,1H),7.7(m,1H),7.8−8.0(m,
2H),9.2(s,1H),11.1(bs,1H)。
実施例58
N−2−(5−アセチル−2−フルオロ−6−ジドロキシフェニル)−エチル)
−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
4−フルオロ−2−ヒドロキシアセトフェノン(CA登録番号:1481−2
7−2)(43g、311mモル)を窒素下で乾燥THFに溶解し、ベンジルブ
ロミド(35mL、295mモル)、次いで水素化ナトリウム(油状物中60%
)(13g、311mモル)を加えた。この溶液を50℃で5時間撹拌し、ヘキ
サンで希釈し、水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、留去した
。残留物をエチレングリコール(100mL)、ジオキサン(100mL)およ
びトリエチルオルソホルメート(40mL)の混合物に溶解した。エーテル中の
塩酸(30mL、1M)を加え、この溶液を2時間撹拌した。本溶液をヘキサン
で希釈し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、留去した。残留物
を140℃、5mmHgで蒸留し、油状物49gを得た。この油状物43gを窒
素下で乾燥THFに溶解し、−78℃に冷却し、n−BuLi(43mL、2,
5M)を徐々に加えた。この溶液を40分間撹拌し、DMF(30mL)を加え
た。本溶液を酢酸エチル−水で希釈し、有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、次いで濾過し、留去した。残留物をヘキサンから結晶し、固形物28gを得
た。この固形物をTHFに溶解し、水素化ナトリウム(5g、油状物中60%)
、次いでニトロメタン(20mL)を加えた。この溶液を45℃で2時間撹拌し
た。本溶液をエーテルで希釈し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過
し、留去して油状物37gを得た。この油状物をジクロロメタンに溶解し、この
溶液を0℃に冷却した。トリエチルアミン(30mL、216mモル)およびメ
タンスルホニル−クロリド(9.4mL、96mモル)を加えた。この溶液を0
℃で30分間撹拌し、次いで水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、留去し
て固形物31gを得た。この固形物をTHFに溶解し、LAH(15g)を徐々
に加えた。この溶液を30分間還流した。水(15mL)、次いで15%水酸化
ナトリウム(15mL)および再度水(45mL)を徐々に加え、この溶液を濾
過した。油状の残留物をジエチルエーテルに溶解し、酸−塩基分配(酢酸−水酸
化ナ
トリウム)によって精製した。純粋なアミンをエタノールに溶解し、大気圧でパ
ラジウム/炭素で水素添加した。該アミノ基はこの触媒を不活化するため、触媒
を分割して加えた。1.2ee水素が消費されたら水素添加を止めた。この溶液
をセライトで濾過し、留去した。油状の生成物をアセトニトリルに溶解し、5−
クロロピリジン−2−イル イソチオシアネート(5g)を加えた。この溶液を
20分間還流した。生成物を冷却しながら分け、フィルター上に回収し、固形物
5.6gを得た。この固形物をジオキサンに溶解し、希塩酸を加えた。本溶液を
1時間撹拌し、留去して乾燥し、固形物5.3gを得た。この固形物を水15%
を含むジオキサンに溶解した。水に溶解した硝酸銀(25g)を加えた。本溶液
を40分間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水洗して硫酸ナトリウムで乾燥し、次
いでセライトで濾過し、留去した。この固形物をアセトニトリルから再結晶して
固形の標記生成物を得た。1
H−NMR DMSO−d6δ2.6(s,3H),2.9(t,2H),3.
4(t、2H),6.8(t,1H),7.4(d,1H),7.7(m,1H
),7.9(m,1H),9.2(s,1H),11.3(bs,1H)。
実施例59
(+,−)−N−(シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
WO93/03022の実施例362、375および348と類似の方法に従
って4−クロロ−2−フルオロフェノールから出発物質の(+,−)−シス−2
−(6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロフェニル)シクロプロピルアミン
を製造した。5−クロロピリジン−2−イル−イソチオシアネートをWO93/
03022の実施例374のごとく製造し、次いでWO93/03022の実施
例370と類似の方法によって(+,−)−シス−2−(6−クロロ−3−エト
キシ−2−フルオロフェニル)シクロプロピルアミンと縮合させて(+,−)−
N−(シス−2−(6−クロロ−3−エトキシ−2−フルオロ−フェニル)シク
ロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−チオ尿素を得た。こ
の
化合物を実施例4の手順に従ってNBSと反応させ、標記化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.29−1.38(m,1H),
1.45(t,1H),1.57−1.67(m、1H),2.09(q,1H
),3.27−3.37(m,1H),4.05(q,2H),6.78−6.
85(m,2H),7.14(dd,1H),7.46(dd,1H),7.8
1(d,1H),9.27(br s,1H),9.47(br s,1H)。
実施例60
(+,−)−N−(シス−2−(2,6−ジフルオロ−3−エトキシフェニル)
シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
WO93/03022の実施例362、375および348と類似の方法に従
って2.4−ジフルオロフェノールから出発物質の(+,−)−シス−2−(2
,6−ジフルオロ−3−エトキシフェニル)−シクロプロピルアミンを製造した
。5−クロロピリジン−2−イル−イソチオシアネートをWO93/03022
の実施例374のごとく製造し、次いでWO93/03022の実施例370と
類似の方法によって(+,−)−シス−2−(2,6−ジフルオロ−3−エトキ
シフェニル)−シクロプロピルアミンと縮合させて(+,−)−N−(シス−2
−(2,6−ジフルオロ−3−エトキシフェニル)−シクロプロピル)−N’−
(5−クロロピリジン−2−イル)−チオ尿素を得た。この化合物を実施例4の
方法に従ってNBSと反応させて標記化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.31−1.38(m,1H),
1.45(t,1H),1.49−1.58(m、1H),2.06−2.15
(m,1H),3.26−3.35(m,1H),4.04(q,2H),6.
72−6.85(m,3H),7.48(dd,1H),7.87(d,1H)
,8.89(br s,1H),9.24(br s,1H)。
C17H16ClF2N3O2に対する元素分析
理論値:C,55.52;H,4.38;N,11.43
実測値:C,55.2;H,4.3;N,11.3。
実施例61
(+,−)−N−(シス−2−(3,6−ジメトキシ−2−フルオロフェニル)
シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
乾燥THF300mL中の1,4−ジメトキシベンゼン(15.0g、0.1
09モル)の溶液に、室温、窒素下で、2.5M n−ブチルリチウム(45.
6mL、0.114mモル)を加えた。添加終了後、本溶液を1時間撹拌した。
混合物を−70℃に冷却し、THF150mL中のN−フロオロベンゼンスルホ
ンイミド(36.0g、0.114mモル)を徐々に加え、−60℃以下の温度
に保った。この溶液を夜の間室温に温めた。NH4Cl(飽和)100mLを加
え、この混合物をジエチルエーテル/THFで抽出した。有機相を1M NaO
H(2×60mL)で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥し、留去した。カラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン、次いでn−ヘキサン中の1、5
および10%EtOAc)によって、1,4−ジメトキシ−2−フルオロベンゼ
ンおよび1,4−ジメトキシベンゼンの混合物(4.3:1)11.43gを得
た。この混合物をWO93/03022の実施例362、375および348と
類似の方法で反応させて(+,−)−シス−2−(3,6−ジメトキシ2−フル
オロフェニル)−シクロプロピルアミンを得た。5−クロロピリジン−2−イル
イソチオシアネートをWO93/03022の実施例374のごとく製造し、次
いでWO93/03022の実施例370と類似の方法によって(+,−)−シ
ス−2−(3,6−ジメトキシ−2−フルオロフェニル)シクロプロピルアミン
と縮合させて(+,−)−N−(シス−2−(3,6−ジメトキシ−2−フルオ
ロフェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−
チオ尿素を得た。この化合物を実施例4の手順に従ってNBSと反応させて標記
化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.23−1.30(m,1H),
1.46−1.56(m,1H),1.97−2.07(m、1H),3.21
−3.32(m,1H),3.80(s,3H),3.83(s,3H),6.
59(dd,1H),6.79−6.92(m,2H),7.46(dd,1H
),7.75(br s,1H),8.97(br s,1H),9.20(br
s,1H)。
実施例62
N−(2−(3,6−ジメトキシ−2−フルオロフェニル)エチル−N’−(5
−クロロピリジン−2−イル)−尿素
1,4−ジメトキシ−2−フルオロベンゼンを実施例61のごとく製造し、W
093/03022の実施例362および151と類似の方法で反応させて3,
6−ジメトキシ−2−フルオロフェネチルアミンを得た。5−クロロピリジン−
2−イルイソチオシアネートをWO93/03022の実施例374のごとく製
造し、次いでWO93/03022の実施例370と類似の方法によって3,6
−ジメトキシ−2−フルオロフェネチルアミンと縮合させてN−(2−(3,6
−ジメトキシ−2−フルオロフェニル)エチル)−N’−(5−クロロピリジン
−2−イル)−チオ尿素を得た。この化合物を実施例4の手順に従ってNBSと
反応させて標記化合物を得た。
C16H17ClFN3O3に対する元素分析
理論値:C,54.32;H,4.84;N,11.88
実測値:C,53.8;H,4.55;N,11.65。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ2.97−3.03(m,2H),
3.60(q,2H),3.74(s、3H),3.83(s,3H),6.5
3(dd,1H),6.79(t,1H),6.88(d,1H),7.52(
dd,1H),8.02(d,1H),9.07(br s,1H),9.51
(br s,1H)。
実施例63
(+,−)−N−(シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)−シクロプロピル)−N’−メチル−N’−(5−クロロピリジン−2−
イル)−尿素
J.Chem.Soc.Perkin.Trans.I.1987,799-809中のKatritzkyらの記載に従って5
−クロロ−2−メチルアミノピリジンを製造した。実施例39の手順に従って出
発物質の2−クロロ−4−フルオロフェノールから標記化合物を得た。シス−2
−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)シクロプロピル−カル
ボン酸および5−クロロ−2−メチルアミノピリジンを用いて最終工程を行った
。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.20−1.28(m,1H),
1.55(t,1H),1.57−1.66(m、1H),2.00−2.09
(m,1H),3.21−3.31(m,1H),3.30(s,3H),4.
11(q,2H),6.76−6.93(m,3H),7.53(dd,1H)
,7.86(d,1H),10.0(br s,1H)。
実施例64
(+,−)−N−(シス−2−(2−クロロ−3−ヒドロキシ−6−フルオロフ
ェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素
Org.Synth.,Coll V巻,1973,412の手順を用いて、出発物質の(+,−)−N−(
シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)−シクロプロ
ピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素(実施例6)およびB
Br3から標記化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、DMSO−D6)δ1.10−1.18(m,1H
),1.54−1.62(m,1H),2.10−2.20(m、1H),3.
20−3.30(m,1H),6.99−7.16(m,2H),7.32(d
,1H),7.84(dd,1H),8.00(d,1H),8.15(br.
s,1H),9.56(br s,1H)。
実施例65
(+,−)−N−(シス−2−(2−ヒドロキシ−3−エトキシ−6−フルオロ
フェニル)−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿
素
アセトン(100mL)中の5’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノ
ン(9.38g、61mモル)、ヨードエタン(7.3mL、91mモル)およ
びK2CO3(12.6g、91mモル)を60℃で一夜撹拌した。この混合物を
濾過し、留去し、ヘキサン/酢酸エチルに溶解し、2M NaOH(2×20m
L)および水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、留去して2’−エトキシ−5’
−フロオロアセトフェノンを得た。CH2Cl2(500mL)中のmCPBA(
19.3g、112mモル)の溶液をMgSO4で乾燥した。2’−エトキシ−
5’−フルオロ−アセトフェノン(10.2g、56mモル)を加え、この混合
物を3日間撹拌した。さらにmCPBA(5g、29mモル)およびMgSO4
を加え、2日間撹拌し続けた。この混合物を濾過し、酢酸エチルで希釈し、2M
NaOH(2×70mL)およびNH4Cl(飽和、50mL)で洗浄し、乾燥
し(MgSO4)、留去した。残留物(10.45g)をエタノール(100m
L)に溶解した。KOH(8.9g、160mモル)を水(50mL)に溶解し
た。この溶液を混合し、1時間撹拌した。本混合物をジエチルエーテル/ヘキサ
ン2×(50+25mL)で洗浄し、HCl(濃)で酸性化し、酢酸エチル(3
×100mL)で抽出し、乾燥して(MgSO4)、留去した。残留物(8.2
2g)をCH2Cl2(100mL)に溶解した。トリエチルアミン11.7mL
、84mモル)およびブロモメチルメチルエーテル(6.45mL、79mモル
)を加え、この溶液を2時間還流した。さらにトリエチルアミン11.7mL、
84mモル)およびブロモメチルメチルエーテル(6.45mL、79mモル)
を加え、一夜還流を続けた。この溶液を留去し、CH2Cl2(200mL)を加
え、次いで水、2M NaOHおよびNH4Clで洗浄した。乾燥し(MgSO4
)留去して1−エトキシ−4−フルオロ−2−メトキシメトキシベンゼン4.0
gを得た。この化合物を実施例39と類似の方法で反応させて(+,−)−N−
(シス−2−(3−エトキシ−6−フルオロ−2−メトキシメトキシフェニル)
−シクロプロピル)−N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−尿素を得た。
最後
にジオキサン中の2M HClで脱保護して標記化合物を得た。1
H−NMR(250MHz、DMSO−D6)δ1.04−1.14(m,1H
),1.41−1.56(m+t,4H),1.96−2.06(m,1H),
3.05−3.15(m,1H),4.06−4.19(m,2H),6.64
(t,1H),6.94(dd,1H),7.19(d,1H),7.82(d
d,1H),8.10(d,1H),8.61(br.s,1H),9.08(
br.s,1H),9.57(br.s,1H)。
実施例66
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−エチニル)ピリジル]−尿素
中間体の2−アミノ−5−エチニルピリジンの製造。
2−アミノ−5−ブロモピリジン(8.65g、50.0mモル)およびビス
−トリメチル−シリルアセトアミド(36.76mL、150.0mモル)を1
00℃で一夜撹拌した。混合物を蒸留して精製し、保護アミン10.41g(8
5%)を得た。ピペリジン(2mL)中の2−トリメチルシリルアミノ−5−ブ
ロモピリジン(4.90g、20.0mモル)、ビス(トリフェニルホスフィン
)パラジウム(II)クロリド(0.70g、1.00mモル)およびトリメチ
ルシリルアセチレン(5.65mL、40.0mモル)を80℃、窒素下で一夜
撹拌した。混合物にジエチルエーテルおよびNH4Cl(水溶液)を加え、有機
相を分け、Na2SO4で乾燥し、留去した。テトラブチルアンモニウムクロリド
(50.0mL、100.0mモル)およびTHF(250mL)を加えて保護
基を除去し、この混合物を一夜撹拌した。THFを留去した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、40:60)で精製し、
標記化合物2.36g(61%)を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ3.05(s,1H),4.65(
br s,2H),6.45(d、1H),7.50(dd,1H),8.25
(d,1H)。
実施例39の手順に従って2−クロロ−4−フルオロフェノールから製造した
(+,−)−シス−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)−シ
クロプロピルカルボン酸(0,39g、1.5mモル)をジフェニルホスホリル
アジド(0.36mL、1.7mモル)およびトリエチルアミン(0.23、1
.7mモル)を含むトルエン中で40分間還流した。2−アミノ−5−エチニル
ピリジン(0.20g、1.7mモル)をDMF(10mL)に加え、3時間還
流を続けた。トルエンを留去した。残留物をEtOAcに溶解し、HCl(0.
1M)および水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、留去した。残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、40:60〜6
0:40)で精製して標記化合物0.16g(28%)を得た。
融点197〜198℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.2−1.8(m,5H),2.
1(m,1H),3.1(s、1H),3.3(m,1H),4.1(m,2H
),6.7−7.0(m,3H),7.6(dd,1H),8.0(d,1H)
,9.2(s,1H),9.5(br s,1H)。
実施例67
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−カルボキシ)ピリジル]−尿素
実施例39の手順に従って2−クロロ−4−フルオロフェニルから製造した(+
,−)−シス−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)シクロプ
ロピルカルボン酸(実施例66参照)(0,26g、1.0mモル)をジフェニ
ルホスホリルアジド(0.24mL、1.1mモル)およびトリエチルアミン(
0.15、1.1mモル)を含むトルエン中で40分間還流した。6−アミノニ
コチン酸(0.15g、1.1mモル)をDMF(10mL)に加え、3時間還
流を続けた。トルエンを留去した。NaOH(水溶液)を加え、この混合物を物
をEtOAcで洗浄した。次にこれを水洗し、濃HClで酸性化し、EtOAc
で抽出した。有機相を水洗し、Na2SO4で乾燥し、留去して標記化合物0.0
55
g(14%)を得た。
融点237〜238℃。1
H−NMR(250MHz、DMSO)δ1.20(m,1H),1.50(
m,3H),1.60(m、1H),2.20(m,1H),3.25(m,1
H),3.40(s,1H),4.20(q,2H),7.20(m,3H),
8.15(dd,1H),8.40(s,1H),8.80(br s,1H)
,9.85(s,1H)。
実施例68
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−ビニル)ピリジル]−尿素
中間体の2−アミノ−5−ビニルピリジンの製造。DMF(20mL)中の実
施例66の2−トリメチルシリル−アミノ−5−ブロモピリジン(2.45g、
10.0mモル)、LiCl(1.27g、30.0mモル)およびトリス−(
ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0.18g、0.2mモル)の混合
物にビニルトリブチルチン(3.1mL、10.5mモル)を滴加した。この混
合物を80℃、窒素下で一夜撹拌した。KF(水溶液)およびEtOAcを加え
、有機相を分け、Na2SO4で乾燥し、留去した。残留物をシリカゲルクロマト
グラフィー(EtOAc/ヘキサン、40:60)で精製し、標記化合物0.1
2g(29%)を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ4.70(br s,2H),5.
10(d,1H),5.55(d,1H),6.40−6.65(m、2H),
7.55(dd,1H),8.05(s,1H)。
実施例39の手順に従って2−クロロ−4−フルオロフェノールから製造した
(+,−)−シス−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)シク
ロプロピルカルボン酸(0.39g、1.5mモル)をジフェニルホスホリルア
ジド(0.36mL、1.7mモル)およびトリエチルアミン(0.23mL、
1.7mモル)を含むトルエン中で40分間還流した。DMF(10mL)中の
2−アミノ−5−ビニルピリジン(0.20g、1.7mモル)を加え、3時間
還流を続けた。トルエンを留去した。残留物をEtOAcに溶解し、HCl(0
.1M)および水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、留去した。残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、40:60〜60:40
)で精製し、アセトニトリルから再結晶して標記化合物0.12g(21%)を
得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.40(m,1H),1.50(
t,3H),1.65(m,1H),2.10(m,1H),3.45(m,1
H),4.10(q,2H),5.25(d,1H),5.60(d,1H),
6.50−6.95(m,4H),7.60(dd,1H),7.70(s,1
H),8.90(s,1H),9.50(br s,1H)。
実施例69
(+,−)−N−[シス−2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェ
ニル)シクロプロピル]−N’−[2−(5−ブロモ)ピラジル]−尿素
中間体の2−アミノ−5−ブロモピラジンの製造。ピリジン(10mL)中の
2−アミノピラジン(0.95g、10.0mモル)にBr2(0.61mL、
12.0mモル)を滴加した。この混合物を30℃で1時間、70℃で45分間
撹拌した。CH2Cl2を加え、この混合物を水およびNaOH(1M)で洗浄し
、濾過し、Na2SO4で乾燥し、留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(EtOAc/ヘキサン、30:70〜40:60)で精製し、標記
化合物0.50g(29%)を得た。1
H−NMR(250MHz、DMSO)δ6.80(s,2H),7.80(
s,1H),8.15(s、1H)。
実施例39の手順に従って2−クロロ−4−フルオロフェノールから製造した
(+,−)−シス−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェニル)−シ
クロプロピルカルボン酸(0.52g、2.0mモル)をジフェニルホスホリル
アジド(0.47mL、2.2mモル)およびトリエチルアミン(0.30mL
、
2.2mモル)を含むトルエン中で30分間還流した。2−アミノ−5−ブロモ
ピラジン(0.38g、2.2mモル)をDMF(10mL)に加え、一夜還流
を続けた。次に、この混合物を加熱せずにさらに24時間撹拌した。トルエンを
留去した。残留物をEtOAcに溶解し、この溶液をHCl(0.1M)および
水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、留去した。残留物をEtOAcを溶離液に用
いて濾過した。濾液を留去し、さらに残留物をアセトニトリル中で再結晶して精
製し、標記化合物0.088g(10%)を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ1.30(m,1H),1.55(
m,3H),1.65(m,1H),1.30(m,1H),3.25(m,1
H),4.10(q,2H),6.75−6.95,(m,2H),7.90(
s,1H),8.10(s,1H),9.25(s,1H)。
実施例I
N−(2−(2.6−ジフルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−
2−イル)−グアニジニウム 塩酸塩
室温、窒素下で、無水テトラヒドロフラン25mL中の2,6−ジフルオロフ
ェニルアセトニトリル5.0g(32.65mモル)の溶液に、1.0モルのボ
ラン−テトラヒドロフラン コンプレックス33.0mL(33.0mモル)を
シリンジで加えた。この混合物を4時間撹拌し、氷浴中で冷却し、濃塩酸10.
7mLの水(22mL)溶液を用いて窒素下で反応を止めた。混合物を加熱還流
し、I時間撹拌し、下方蒸留によってテトラヒドロフランを除去した。乳白色の
懸濁液をトルエン22mLで希釈し、5分間以上撹拌した。相を分け、水相を熱
いトルエン20mLで抽出した。水相を0℃に冷却し、メチレンクロリド50m
Lおよび50%水酸化ナトリウム10mLを加え、相を分けた。水相をメチレン
クロリド(2×)で抽出し、混合した有機物を硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮
して明黄色液状の2,6ジフルオロフェネチルアミン2.8g(55%)を得た
。1
H−NMR(300MHz、CDCl3)δ7.10−7.30(m,1H),
6.80−7.00(t,2H),2.80−3.00(m,2H),2.70
−2.80(m,2H),1.35(s,2H)。
上記で製造したアミン(2.6g、16.56mモル)を無水エチルエーテル
50mLに溶解し、氷水浴中で撹拌しながら冷却した。エチルエーテル15mL
中に溶解したシアノゲンブロミド1.1g(10.3mモル)を滴下ロートによ
って加え、混合物を1時間撹拌した。得られた固形物(2,6ジフルオロフェネ
チルアミン ヒドロブロミド)を濾過した。濾液を濃縮して黄色の2,6−ジフ
ルオロフェネチルシアノアセトアミド1.5g(50%)を得た。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ7.20−7.40(m,1H
),6.80−7.00(m,2H),4.00(s,1H),3.26(q,
2H),3.00(t,2H)。
2−アミノ−5−ブロモピリジン5.0g(28.8mモル)をエタノール5
0mLに溶解し、撹拌しながら0℃に冷却した。この溶液が飽和されるまで塩化
水素(ガス状)の泡を通し、エタノールを少量に濃縮し、エチルエーテルを加え
、得られる固形物を濾過し、乾燥して2−アミノ−5−ブロモピリジン 塩酸塩
4.0g(66%)を得た。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6 δ8.20(s,1H),8.0
0(d,1H),7.00(d,1H),3.50−5.50(br,3H)。
クロロベンゼン20mL中の上記で製造した2,6−ジフルオロフェネチルシ
アノアセトアミド750mg(4.12mモル)および2−アミノ−5−ブロモ
ピリジンヒドロクロリド865mg(4.12mモル)を125℃、窒素下で3
.5時間加熱した。この溶液を室温に冷却し、得られる固形物を濾過した。エタ
ノール/エチルエーテルから再結晶し、白色固形の標記化合物540mg(33
.5%)を得た。
融点209〜211℃。
IR(KBr,cm-1)3094,1680,1627,1468,1236,
1000,829,775。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ11.45(br.s.,1H
),9.30(br.s.,1H),8.60(br.s.,1H),8.3
0(d,1H)、8.10(dd,1H),7.30−7.45(m,1H),
7.00−7.20(m,3H),3.60(q,2H),2.95(t,2H
)。
MS(FD)m/e356(Mt、遊離塩基)。
C14H13BrF2N4HClに対する元素分析
理論値:C,42.45;H,3.66;N,14.14。
実測値:C,42.53;H,4.04;N,14.02。
実施例II
N−(3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル−N’−(5−ブロ
モピリジン−2−イル)−グアニジン
N−(3−フルオロピリジン−2−イル)エタン−2−イル−シアナミド(実
施例Iに従ってN−2−(3−フルオロピリジン−2−イル)エチルアミンから
製造した)500mg(3.03mモル)、2−アミノ−5−ブロモピリジン
ヒドロクロリド(実施例Iに従って製造した)635mg(3.03mモル)お
よびクロロベンゼン15mLの混合物を窒素下で4時間125℃に加熱した。こ
の混合物を室温に冷却し、一夜撹拌し、濃縮して乾燥させた。この樹脂をIN塩
酸40mLに溶解し、酢酸エチル(IX)で抽出した。水相を2N水酸化ナトリ
ウムで塩基性化し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮して樹脂とし、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(メチレ
ンクロリド/メタノール/水酸化アンモニウム−46:3:1)で精製し、黄色
の油状物を得た。エチルエーテルから結晶し、淡黄色固形の標記化合物200m
g(19.5%)を得た。
融点134−137℃。
IR(KBr、cm-1)3400,3070,1679,1573,1450,
1127,827,710。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.40(d,1H),8.0
7(d,1H),7.70−7.90(m,2H),7.30−7.50(m,
3H),6.80−7.00(br,1H),6.60(d,1H),3.60
(br.q.,2H),3.00(dt,2H)。
MS(FD)m/e337(Mt)。
C13H13BrFN5に対する元素分析
理論値:C,46.17;H,3.88;N,20.71。
実測値:C,46.13;H,3.68;N,20.92。
実施例III
N−(2−(2−クロロ−3−エトキシ−6−フルオロフェネチル)−N’−(
5−ブロモピリジン−2−イル)−グアニジン
クロロベンゼン15mL中の2−アミノ−5−ブロモピリジンヒドロクロリド
180mg(1.81mモル)およびN−(2−(2−クロロ−3−エトキシ−
6−フルオロフェネチル)シアナミド(実施例Iのごとく製造した)440mg
(1.81mモル)の溶液を窒素下で4時間125℃に加熱した。この混合物を
室温に冷却し、一夜撹拌し、濃縮して乾燥させた。残留物をIN塩酸40mLと
酢酸エチル(IX)に分配した。有機相を2N水酸化ナトリウム(IX)で抽出
し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してオレンジ色の油状物とした。フラッシュ
シリカゲルカラム(メチレンクロリド/メタノール/水酸化アンモニウム−92
:7:1)で精製し、黄色の油状物を得た。エチルエーテルから結晶し、オフホ
ワイト固形の標記化合物100mg(13%)を得た。
融点169−172℃。
IR(KBr、cm-1)3400,3100,1668,1568,1465,
1243,1072,826,805。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ8.10(d,1H),7.6
0(dd,1H),7.35(br,2H),7.10−7.20(m,1H)
,7.00−7.05(m,1H),6.70−6.90(br,1H),6.
60(d,1H),4.05(q,2H),3.40(m,2H),3.00(
t,2H),1.35(t,3H)。
MS(FD)m/e416(Mt)。
C16H17BrClFN4Oに対する元素分析、
理論値:C,46.23;H,4.12;N,13.48。
実測値:C,46.41;H,4.18;N,13.32。
実施例IV
N−(2−フェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)−グアニジ
ニウム塩酸塩
実施例IのごとくN−(2−フェネチル)シアナミドと2−アミノ−5−ブロ
モピリジン ヒドロクロリドから標記化合物を製造した。
融点176−178℃。
IR(KBr、cm-1)3252,3100,1677,1628,1586,
1468,1365,1235,826,705。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ11.5(br,1H),9.
30(br,1H),8.55(br,2H),8.35(d,1H),8.0
6(dd,1H),7.20−7.40(m,5H),7.05(br.d.,
1H),3.60(q,2H),2.90(t,2H)。
MS(FD)m/e320(Mt)。
C14H15BrN4HClに対する元素分析、
理論値:C,47.28;H,4.53;N,15.75。
実測値:C,47.48;H,4.63;N,15.81。
実施例V
N−(2−(2−フルオロフェネチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イ
ル)−グアニジニルリウム 塩酸塩
実施例Iに従ってN−(2−(2−フルオロフェネチル)シアナミドと2−ア
ミノ−5−ブロモピリジン ヒドロクロリドから標記化合物を製造した。
融点175−177℃。
IR(KBr、cm-1)3090,2933,1679,1622,1471,
1227,833,759,635。1
H−NMR(300MHz、DMSO−d6)δ11.48(br,1H),9
.30(br,1H),8.55(br.s.,2H),8.35(d,1H)
,8.10(dd,1H),7.40−7.50(dt,1H),7.25−7
.38(m,1H),7.20(t,2H),7.06(br.d.,1H),
3.62(q,2H),2.86(t,2H)。
MS(FD)m/e336(Mt)。
C14H14BrFN4HClに対する元素分析、
理論値:C,45.00;H,4.05;N,14.99。
実測値:C,45.20;H,4.03;N,15.04。
実施例VI
N−(2−(2−ピリジルエチル)−N’−(5−ブロモピリジン−2−イル)
−グアニジン
実施例IIに従ってN−(2−(2−ピリジルエチル)シアナミドと2−アミ
ノ−5−ブロモピリジン ヒドロクロリドから標記化合物を製造した。
融点139−141℃。
IR(KBr、cm-1)3600,3082,1681,1566。
実施例VII
N−シアノ−{N’−2−フェネチル−N''−[2−(5−クロロ)ピリジル]
}グアニジン
EtOH(5mL)中のNa2NCN(95%、0.25g、2.78mモル
)とEt3N HCl(0.38g、2.78mモル)の混合物を一夜室温で撹拌
した。WO93/03022の実施例374の生成物である2−(5−クロロ)
ピリジル イソチオシアネート(0.48g、2.78mモル)を反応混合物に
加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を留去し、残留物にDMF5mLおよびフェ
ネ
チルアミン(0.42mL、 mL、3.34mモル)を加えた。混合物を室温
で3分間撹拌し、これに1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカル
ボジイミドHCl(0.64g、3.34mモル)を加え、室温で0.5時間撹
拌し続けた。混合物にEtOAc30mLを加え、これを1N HCl 10mL
で1回、H2O 10mLで3回洗浄した。回収した水相を15%NaOH(水溶
液)でアルカリとし、EtOAcで抽出し、次いでNa2SO4で乾燥し、留去し
て標記生成物を得た。
融点189〜190℃。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ10.08(s,1H),9.04
(s,1H),7.93(d,1H),7.60(dd,1H),7.34−7
.21(m,6H),3.69(q,2H),2.92(t,2H)。
実施例VIII
(+,−)−N−(シス−2−フェニルシクロプロピル)−N’−[2−(5−
ブロモ)ピリジル]グアニジン
WO93/03022の実施例373の生成物である(+,−)−N−(シス−
2−フェニルシクロプロピル)−N’−[2−(5−ブロモ)ピリジル]−チオ
尿素(0.2g、0.57mモル)および銀トリフラート(0.22g、0.8
6mモル)を−20℃でCH2Cl2 20mLに溶解した。この溶液に同じ温度
でNH3(g)を導入した。この混合物を撹拌し、温度を室温まで徐々に上昇さ
せた。一夜撹拌を続けた。本混合物を濾過し、濾液を留去した。残留物を4N
HClと共に撹拌して濾過した。濾液をアルカリとし、CH2Cl2で抽出し、こ
れをNa2SO4で乾燥し、留去して標記生成物を得た。1
H−NMR(250MHz、CDCl3)δ7.82(br s,1H),7.
49(dd,1H),7.35−7.22(m,6H),6.66(d,1H)
,2.91(m,1H),2.40(q,1H),1.42(m,1H),1.
18(m,1H)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
A61K 31/495 9454−4C A61K 31/495
31/50 9454−4C 31/50
31/505 9454−4C 31/505
C07D 231/38 7019−4C C07D 231/38 Z
7019−4C B
239/42 8615−4C 239/42 Z
277/46 9283−4C 277/46
277/56 9283−4C 277/56
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV
,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,
RO,RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,V
N
(72)発明者 モリン,ジョン・マイケル
アメリカ合衆国46112インディアナ、ブラ
ウンスバーグ、ロゼローン・アベニュー、
9番
(72)発明者 ターナンスキー,ロバート・ジョン
アメリカ合衆国92009カリフォルニア、カ
ールスバッド、カミノ・バレンシア3469番