JPH09501168A - 生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを充填した小胞の調製方法 - Google Patents

生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを充填した小胞の調製方法

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JPH09501168A
JPH09501168A JP7506168A JP50616894A JPH09501168A JP H09501168 A JPH09501168 A JP H09501168A JP 7506168 A JP7506168 A JP 7506168A JP 50616894 A JP50616894 A JP 50616894A JP H09501168 A JPH09501168 A JP H09501168A
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イェチェスケル バーレンホルツ
イスラエル ヌール
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Abstract

(57)【要約】 生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーが充填された小胞を調製する方法であって、両親媒性物質のフラクションと生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーのフラクションを共乾燥させる工程を含み、前記両親媒性物質のフラクションが水に混和性の有機溶媒中にあり、前記生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーのフラクションが水性媒質中にある方法。

Description

【発明の詳細な説明】 生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを充填した小胞の調製方法 本発明は、生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを充填した小胞の 製造方法;生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを充填した本発明の 方法により得られ得る小胞を含む処方;本発明の処方を含む薬剤;並びに本発明 の薬剤を投与することにより疾病を治療する方法に関する。 有効な物質を投与するために天然又は合成のリン脂質をビヒクルとして形成さ れた脂質小胞を用いる試みが幾つかなされている。 グレイ及びモーガン(Grey,A.and Morgan,J.)は、リポソームがほぼ四半世 紀前に始めて述べられ、脂質二分子層の物理化学及び細胞膜の生物学を研究する ための有用なモデルとされてきたことを報告している。それらは薬物放出のため のビヒクルとして使用できるが臨床的応用かなかなか現れないことも示された。 臨床的用途として提唱されたものにはワクチン用アジュバントとしての使用、遺 伝子転移及び診断用イメージングがあったが、主な努力は悪性腫瘍の治療におい て標的を定めることができる薬物キャリアーとしてのリポソームの開発に注がれ てきた。良好なインビトロデータ及び動物実験に基づいてはいるが、網内系によ る優先的だが不必要な取り込み及び限定された管外遊出範囲のためにこの計略は ほとんど実行できないでいる。同じ特徴が、それにもかかわらず、非経口使用が 認可された最初のリポソーム処方剤に最近なったアンフォテリシンBのケースで は好結果を生んでいる。リポソーム性ドキソルビシンも現在、臨床試験で評価中 である。初期の証拠から、リポソームによる被包形成は有効性を非常に増大させ ることはないかもしれないが、これらの薬剤の毒性が非常に弱められることが示 唆される(グレイ及びモーガン(A.Grey,J.Morgan)、「血液学におけるリポ ソーム」、Blood Reviews、5巻、258-271 頁、1991年)。 リポソームは、網内系等の血漿管外スペースのような生物系において、リポソ ームの細胞取り込みをより多く利用すべく使用されてきた。リポソームに、効果 はあるが毒性もある抗真菌剤であるアンフォテリシンが充填された。アドリアマ イシン等の抗腫瘍剤もリポソーム中に取り込まれた。リンフォカインなどのよう な生体応答修飾物質と共にワクチンやアジュバントも被包形態で研究された。リ ポソームは、遺伝子転移の分野でビヒクルとして検討されている。 サクラガワら(N.Sakuragawa et al.)は Thrombosis Research、38巻、681- 685 頁、1985年;Clinical Hematology、29巻の5、655-661 頁、1988年で、第 8因子を含むリポソームをフォンウィレブラント(Willebrand's)病患者に経口投 与するために調製したことを報告している。被包形成は第8因子蛋白濃縮液をア プロチニン含有溶液中に溶解することによって行われ、レシチン被覆フラスコ中 に移された。減圧下で30分間回転させてフラスコを乾燥させた後、第8因子濃縮 液を封じ込めたリポソームが形成された。このリポソーム溶液を遠心して、40% の第8因子がリポソーム中に封じ込められた。 薬物をリポソーム中に封じ込めるもう一つの方法は脱水−再水和に基づくもの である。これは、カービィ及びグレゴリアディス(C.Kirby and G.Gregoriadis )により Bio/Technology、1984年11月号、979-984 頁に述べられている。この調 製法では、脂質を追加して用いることにより封じ込める量を増加することができ る。薬物の封じ込めにプラスの影響を持つものとしてコレステロールの使用が開 示されている。コレステロールは幾つかの疾患の病理生化学に関係しているため に、コレステロールを含有する小胞の投与は全く無害とは言えない。 本発明の目的は生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマー、特に薬物活 性を持つものを脂質膜小胞中に被包化する方法であって、それぞれの物質をより 高度に被包化させる方法を提供することにある。さらに別の目的は、より高い有 効性を持つ処方、特に薬剤の調製である。 驚くべきことに本発明の目的の一つは、生物構造体、生体ポリマー及び/又は オリゴマーか充填された小胞を調製する方法であって、両親媒性物質のフラクシ ョンと生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーのフラクションを共乾燥 させる工程を含み、前記両親媒性物質のフラクションが水に混和性の有機溶媒中 にあり、前記生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーのフラクションが 水性媒質中にある方法によって解決される。 リポソームは種々のパラメーターによって分類することができる。例えば、ラ メラ(薄層)の大きさ及び数(構造パラメーター)を用いて、3つの主なリポソ ームタイプが挙げられている:すなわち、マルチラメラ小胞(MLV)、小型ユニラ メラ小胞(SUV)及び大型ユニラメラ小胞(LUV)である。MLV は、乾燥リン脂質のそ のゲルから液晶相への転移温度(Tm)より高温での水和により自発的に形成され る種類である。それらの大きさは不均一であり、構造は同一中心の水層及び脂質 層が交互にあるタマネギの外皮に似ている。 SUV は MLVから超音波処理によって作られ、単一層を持つ。これは、表面積対 容量比が高い最も小さな種類であり、従って脂質重量に対する水性スペースの捕 獲容量が最も低い。 第三のタイプのリポソームであるLUV は大きな水性区画を持ち、単一(ユニラ メラ)又は極わずか(オリゴラメラ)の脂質層を持つ。 より詳しくは、リヒテンバーグ及びバレンホールズ(D.Lichtenberg and Y.B arenholz)による「リポソーム:製法、特性決定、及び保存」、Methods of Bioc hemical Analysis、33巻、337-462 頁、に開示されている。 ここで用いる「充填」という用語は、充填される生体高分子物質の何らかの種 類の相互作用、例えば、被包形成、(小胞の内壁又は外壁への)付着又は、生体 高分子物質の押し出し成形を伴うか若しくは伴わない壁内への埋め込みのような 相互作用を意味する。 ここで用いる「リポソーム」という用語は、自発的又は非自発的に小胞を形成 することができる何らかの両親媒性化合物、例えば、少なくとも一個のアシル基 が複合リン酸エステルで置換されているリン脂質による全ての球体又は小胞を含 むことを意図されている。ほとんどのトリアシルグリセロールは適当であり、本 発明において最も一般的なリン脂質は、リン酸のコリンエステルに結合したステ アリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸のジグリセリドの混合物であるレシチン (ホスファチジルコリン(PC)とも言う)である。レシチンは、鶏卵、大豆、及 び動物組織(脳、心臓など)のように全ての動物及び植物に見られ、合成により 製造することもできる。リン脂質の原料又はその合成方法は重要ではなく、いず れの天然又は合成ホスファチドを使用してもよい。 特定のホスファチドの例としては、脳、肝臓、卵黄、心臓、大豆などから調製 されたか又は合成されたL-α-(ジステアロイル)レシチン、L-α-(ジアパルミト イル)レシチン、L-α-ホスファチジン酸、L-α-(ジラウロイル)ホスファチジン 酸、L-α-(ジミリストイル)ホスファチジン酸、L-α-(ジオレオイル)ホスファチ ジン酸、DL-α-(ジパルミトイル)ホスファチジン酸、L-α-(ジステアロイル)ホ スファチジン酸、及び多様なタイプのL-α-ホスファチジルコリン、並びにそれ らの塩が挙げられる。他の適当な修飾には、ホスファチジルコリン(PC)及び、 それ自身で又は PC のアルキルアナログのような PC 類と混合するとミセルを形 成する両性イオン性両親媒性化合物の中の脂肪族アシル残基架橋剤にコントロー ルされた過酸化処理を行うことが含まれる。 リン脂質は多様な純度でよく、完全に又は部分的に水素化されていてもよい。 水素化により、望ましくない過酸化のレベルが低下し、充填及び漏出量に影響を 及ぼすゲルから液晶相への転移温度(Tm)が変化及び制御される。 リポソームは、種々の生体液を含む特定のリザーバーの必要条件に合わせて「 仕立てる(tailored)」ことができ、凝集又はクロマトグラフィー分離することな く安定性を維持し、注入された液体中に良好に分散及び懸濁され続ける。元の場 所(in situ)での流動性は、組成、温度、塩分濃度、二価イオン及び蛋白の存在 によって変化する。リポソームは、他の何らかの溶媒又は界面活性剤と共に、又 はそれらを伴わずに使用することができる。 リン脂質を選択する際のもう一つの重要な考慮点は、そのアシル鎖組成である 。現時点では、少なくとも転移温度(Tm)については鶏卵又は大豆の PC におけ るアシル鎖成分に特有なアシル鎖組成を有すること、すなわち一本は飽和した鎖 で一本は不飽和であるか又は両方とも不飽和であることが好ましい。しかしなが ら、二本の飽和鎖を使用する可能性を排除するものではない。 リポソームは他の脂質成分も、これらが不安定性及び/又は凝集及び/又はク ロマトグラフィー分離をもたらさない限りは、含んでよい。これは通常の実験に より決定することができる。 ユニラメラ型又はマルチラメラ型の改良リポソームを製造する種々の方法が公 知であり、利用できる: 1.リン脂質の薄膜を水性媒質で水和した後、機械的振蓋及び/又は超音波処理 及び/又は適当なフィルターを通しての押し出しを行う; 2.リン脂質を適当な有機溶媒に溶解し、水性媒質と混合した後、溶媒を除去す る; 3.臨界点よりも高い状態にあるガス(すなわち、フレオン;及びCO2 又はCO2 と他の気体状炭化水素の混合物のようなその他の気体)を使用する;又は 4.脂質洗浄剤混合ミセルを調製した後、洗浄剤の濃度をリポソームが形成され る臨界濃度より低いレベルまで低下させる(リヒテンバーグ、バレンホールズ( Lichtenberg,Barenholz)、1988年)。 一般に、リポソームは約0.02から 10 μm 又はそれ以上の不均質な大きさに製 造されている。比較的小さく大きさが良く限定されているリポソームが本発明に 使用する際に好ましいので、「リポソーム小型化処理」と定義される第二の処理 工程は大きさの低下及びリポソーム懸濁液の大きさの不均質性の減少を目的とす る。 リポソーム懸濁液は、小胞の選択的な大きさの分布が約5μm より小さく、好 ましくは≦ 0.4μm の大きさの範囲になるように大きさの調整をしてもよい。こ の範囲のリポソームは適当なフィルターを通すことにより容易に滅菌できる。よ り小さな小胞は貯蔵に際しての凝集傾向も低いことが示され、従ってリポソーム が静脈内注射された場合に重大となりうる閉塞又は栓形成問題が緩和される。最 後に言うならば、ミクロン以下の範囲に小型化されたリポソームはより均一な分 布を示す。 本発明に適当な様式で、リポソームの大きさ及び大きさの不均質性を減少させ るには幾つかの技法が利用できる。リポソーム懸濁液を標準的水浴ソニケーショ ン(sonication)又はプローブソニケーションのいずれかによって超音波処理する ことにより、0.02ないし 0.08 μm の大きさの小型ユニラメラ小胞(SUV)に大き さが漸減される。ホモジナイズはもう一つの方法であり、大きなリポソームをよ り小さなものに切断する剪断エネルギーに依存している。典型的なホモジナイズ 法では、選択された大きさのリポソーム、典型的には 0.1ないし 0.5μm の大き さが観察されるまで、リポソーム懸濁液を標準的エマルジョンホモジナイザーを 通して再循環させる。どちらの方法においても、粒子径分布は通常のレーザービ ーム粒子径測定によって観測することができる。 小さなポアを持つポリカーボネートフィルター又は同等のメンブランを通じて のリポソームの押し出し処理も、メンブランのポアサイズに応じて約0.02ないし 5μm の範囲に平均を持つ比較的良く限定された粒径分布にリポソームの大きさ を低下させる効果的な方法である。典型的には、所望のリポソーム粒径分布が得 られるまで、懸濁液を1又は2枚の積層メンブランを通して数回循環させる。リ ポソームの粒径が徐々に減少するようにリポソームを逐次より小さなポアのメン ブランを通して押し出してもよい。 遠心及び分子ふるいクロマトグラフィーは、1μm 未満の選択された限界値よ り小さな粒子径を持つリポソーム懸濁液を製造するために利用できる別の方法で ある。これらの2つの方法はそれぞれ、大きな粒子を小さなものに転化するので はなく、大きなリポソームの選択的な除去を伴う。相応してリポソームの収率は 低下する。 粒径を調整したリポソーム懸濁液は、通常の 0.45 μm の深さのメンブランフ ィルターのような約 0.4μm の粒子識別サイズを持つ滅菌メンブランを通過させ ることによって容易に滅菌することができる。リポソームは凍結乾燥形態で安定 であり、水中に入れることによって使用前に簡単に元に戻すことができる。 好ましい態様において、本発明の方法は以下の工程を含む: a)水に混和性の極性プロトン性溶媒中に両親媒性物質を可溶化する(フラクシ ョンA); 或いは、乾燥した脂質又は脂質混合物を何らかの形態(粉末、顆粒など)で 直接使用することもできる; b)生理的に相溶性で、場合により最大 1.5重量% の塩化ナトリウム溶液と等価 の塩含有量を有する水性媒質中に生体ポリマー及び/又はオリゴマーを可溶化す る(フラクションB); c)フラクションA及びBを混合する; d)工程 c)で得られたフラクションを前記生物構造体、生体ポリマー及び/又 はオリゴマーの機能性が保持される方法で乾燥させる。 一般に、上記の脂質は脂質膜小胞を形成するための使用に適している。特に、 飽和、不飽和リン脂質及びそれらの組み合わせが本発明の方法に使用するには都 合がよい。ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)及び/又はジミリスト イルホスファチジルグリセロール(DMPG)がより好ましくは脂質小胞の形成に使 用される。好ましくは、脂質 DMPC:DMPGのモル比は1:20 ないし 20:1の範 囲である。 本発明の方法による水に相溶性の有機溶媒は、水性系に混合し、被包化される 生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーの有効性に有害な影響を与えな い限りは、例えば低い炭素原子数の脂肪族アルコールのような可溶化性を持つ極 性プロトン性溶媒である。適当なアルコールは、例えば、メタノール、エタノー ル、プロパノール及び/又は好ましくは t- ブタノールである。 本発明により被包化される生物構造体は、種々の成分及び/又は基礎構造体に よって組み立てられたより高次元の何らかの構造体である。これらの構造体の例 としては、天然又は形質転換 B- 細胞のような全体細胞;リボソーム又はミトコ ンドリアのような細胞小器官;及びビリオン又はB型肝炎表面抗原(HBsAg)粒子 のような粒子がある。本発明により被包化される生体ポリマー及び/又はオリゴ マーは、ヒト又は動物組織において作用を有する何らかの物質である。好ましい 物質としては、酵素、前酵素のような蛋白:血液凝固系におけるそれのような補 助因子;抗原;抗体;補体因子のような免疫系の因子;ホルモンのようなペプチ ド;ヌクレオチド及び/又は、遺伝子治療に使用するゲノミックDNA やmRNA、rR NA、tRNA、アンチセンスRNA などの RNAのような核酸がある。 水と混和性の有機極性プロトン性溶媒の量が、リポソームに被包化される物質 との干渉に強く依存することは当業者には理解される。例えば、(凝固因子であ る)第9因子が充填される場合は、約 30%という tert-ブタノール量が許容でき るが、HBsAg については 50%が許容できる。これは、被包化される物質の性質に よって大きく変動する。例えば、凝固因子である第9因子が被包化される場合は 、約 30%という tert-ブタノール量が許容できるが、第8因子は tert-ブタノー ルの影響に対してはるかに感受性が高い。この場合、tert- ブタノールの量は10 %よりも少ないことが好ましい。これらの例で tert-ブタノールのパーセンテー ジは最終濃度について計算した容量パーセントに基づいている。 本発明の方法では、最大約 5% の塩化ナトリウム濃度に相当するイオン強度を 持ち、ラクトース、スクロース又はトレハロースのような医薬上許容しうる薬剤 である凍結防止剤を含むか又は含まない媒質中に生体ポリマー及び/又はオリゴ マーを保つことが好ましい。 本発明では、選択された乾燥方法が生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリ ゴマーの有効性に有害な影響を与えない限りは、いずれの乾燥方法も適当である 。充填される生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーの機能は穏和な乾 燥条件が選択された場合にはほとんど保持される。例えば、生物構造体、生体ポ リマー及び/又はオリゴマーと脂質の溶液の溶媒除去は、減圧下で僅かに温度を 上げて乾燥することによって最高にうまく行われる。充填される活性物質の耐性 は各生体ポリマー及び/又はオリゴマーの安定性に強く依存する。例えば、核酸 はその構造及び機能への熱の影響に対して蛋白よりも安定である。後者は熱変性 に対する感受性がより高い。本発明のフラクション類を共乾燥する非常に好まし い方法は凍結乾燥法である。この方法は、本発明によってリポソーム充填される ことになる活性生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーのほとんど全て にとって穏和な乾燥操作である。 本発明の方法では、上記のように乾燥形態で得られた生成物を水性媒質中に入 れる。それにより、形成されたリポソームがそれぞれの生物構造体、生体ポリマ ー及び/又はオリゴマーが充填された状態になる。この系は典型的には分散液を 形成する。 本発明の方法により、生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーが充填 された脂質膜小胞を含む新規の処方が提供される。本発明の処方は好ましくは固 体状態にあり、フラクションA及びBの共乾燥の後に得ることができ、場合によ り他の活性薬剤と共に他の医薬上許容しうるビヒクル及び/又はアジュバントを 有する。 本発明の処方のもう一つの好ましい態様には、本発明の方法によって得られ得 るフラクションの水性媒質による溶液が含まれる。好ましくは、この処方の乾燥 フラクションを入れる水性媒質は、できた水性溶液が薬剤として容易に使用でき るように処方の状態を調整するために緩衝塩含有量を含む。典型的には、この処 方は水中に入れられた後に分散液を形成する傾向にある。 このように、本発明の薬剤は基本的には本発明の方法によって得ることができ る処方であるが、それぞれの疾患の治療又は予防に適した投与法に適応される。 例えば、本発明の薬剤は局所、経口、静脈内、肺内、腹腔内、鼻腔内、直腸内、 眼内、バッカル、皮下及び筋肉内への使用法によって投与することができる。 本発明の薬剤を有効量投与することにより疾病を治療及び/又は予防する方法 が提供される。投与量は効力のある物質の有効性と共にその濃度に依存すること が、当業者には理解される。本発明の治療及び/又は予防方法によれば、好まし くは体重1kg当たり最大 2,000 mg 小胞(例:リン脂質リポソーム)の用量が患 者に投与される。正確な用量は大きく変化してよい。しかしながらこの変化は、 例えば、リポソーム中に被包された物質のタイプ及び効力、被包形成反応自体の 効率(本発明の方法では高い)、投与の種類等に依存する。それぞれのパラメー ターは当業者によって容易に最適化され、日常的な実験と見なすことができる。 以下の非限定的な実施例により本発明をさらに説明する。実施例1 抗-HBVリポソーム性ワクチンサンプルの調製 サンプル1、2、3及び4と呼ばれる以下のワクチンサンプルを本発明の方法 を用いて調製した。サンプル1 :DMPC:DMPG の 9:1のモル比となる混合液を tert-ブタノール中に 調製した。0.9% NaCl のような水性 HBsAg溶液を1:1(v/v)に加えた。最終的 な HBsAg:リン脂質(w/w)比は 0.0015 であった。この溶液を凍結乾燥した。乾 燥粉末が得られ、これを使用前に発熱物質を含まない滅菌再蒸留水を加えて元に 戻した。マルチラメラリポソームが形成された; HBsAgの充填効率は 97%であっ た。「空リポソーム」は1volの 0.9% NaCl水溶液を1volの脂質の tert-ブタノ ール溶液と混合することにより同様に調製した。 サンプル1のリポソーム表面上の HBsAgにさらされた範囲及びリポソームの粒 径を測定した。これらのリポソームの粒径は 4.5μm であることが分かり、抗原 へのリポソーム表面露出を試験した。発現した抗体力価は高く、HBV 感染に対し て防御するのに十分であることが見出された(表1参照)。この力価は、水酸化 アルミニウムに基づくワクチンを用いて同じ抗原をワクチン接種したマウスで得 られたものと同様であったが、ただし高用量の抗原(2.5 μg)を注射した場合に はリポソーム性ワクチンのほうが低かった:この用量を対照グループのマウスに 注射したところ最も高い力価の抗体を剌激した。サンプル2 :HBsAg を充填したリポソーム及び「空リポソーム」をサンプル1に ついて述べたように調製した。6週齢の Balb/c マウス7匹から成るグループに 「空リポソーム」及び 0.9% NaClで希釈したリポソーム中に充填した 0.09gのH BsAgをワクチン接種した。最終注射容量は0.5ml/マウスであり、これはPOPC/D OPS(7:3モル比)リポソーム中に1mg/kgマウスの免疫修飾剤 MTP-PEも含んで いた。35日後にマウスにおける抗-HBsレベルを測定した。この抗体力価は、MTP- PE を含まない同じ用量の抗原を注射した後に発現した力価(サンプル1)の2 倍であった。サンプル3 :HBsAgを充填したリポソーム及び同等の「空リポソーム」を、脂質 水和に使用した水溶液も 5% ラクトースを含んでいたことを除けば、サンプル1 について述べたものと同様に調製した。リポソームを凍結させて乾燥した。粉末 が得られ、これを使用前に、発熱物質を含まない滅菌再蒸留水を加えて元に戻し た。このリポソームを、その粒径、抗原充填パーセント及び抗原にさらされたリ ポソーム表面範囲について特性決定した。この調製品の免疫化効力を6週齢のBa lb/c マウスで試験した。マウスを、各グループ5匹ずつの3グループに分け、 3種類の抗原用量:それぞれ、0.09μg、0.27μg、0.81μg を用いてワクチン接 種した。抗-HBsを35日後に測定した(表1参照)。HBV 感染に対して防御するの に十分と考えられる高い抗体力価が観察された。 低用量抗原(0.09μg)のこの調製品をマウスに注射するとその結果として、同 等の HBsAgを有する通常使用される水酸化アルミニウムに基づくワクチンを接種 したマウスグループを含めた他の全ての製品について得られた力価と比較して最 も高い抗体力価が発現した。サンプル4 :HBsAgを充填したリポソームをサンプル3について述べたものと同 様に調製した。5匹の6週齢の Balb/c マウスから成る3グループに、4種類の HBsAg用量:それぞれ、0.09μg、0.27μg、0.81μg のレベルを用いてワクチン 接種した。総注射容量は 0.5 ml/マウスであった。リポソームは PBSのみで希釈 し「空リポソーム」では希釈しなかったので、脂質の量は変動しており蛋白レベ ルの増加と共に増加した。35日後にマウスから採血し、その血清抗体力価を測定 した。その結果から、HBV 感染に対して防御するのに十分と考えられる高い抗体 力価が示される。 実施例2 種々の温度で貯蔵した後のリポソーム性 HBsAgワクチンの安定性 上記のように、当技術分野において公知の肝炎ワクチンはアジュバント及び安 定化剤として水酸化アルミニウムを使用した。水酸化アルミニウムを基本とする ワクチンの不利な点は、それらが凍結させることも8℃以上で貯蔵することもで きないことである。これらのワクチンは従って、その効力を維持するためには2- 8℃で貯蔵しなければならない。 種々の条件下におけるワクチンの安定性を示すには3つのパラメーターがある : 1.有効性(免疫原性の測定) 2.化学的安定性(脂質加水分解の測定;蛋白対脂質比の測定) 3.物理的安定性(粒子径の測定) ワクチンの安定性を3種類の温度(a)-20℃、(b)2-6℃及び(c)室温で貯 蔵した後に試験した。 得られた結果は以下のようであった: (a)-20℃で貯蔵したワクチンは1ヶ月以上の後も有効であり、1.5 年以上の後 も化学的及び物理的に安定であった。 (b)2-6℃で貯蔵したワクチンは1ヶ月以上の後も有効であり、1.5 年以上の後 も化学的及び物理的に安定であった。 (c)室温で貯蔵したワクチンは1.5年以上の後も化学的及び物理的に安定であっ た。 これらの結果は、リポソームの形態の本発明のワクチンが幅広い温度範囲で安 定であることを示す。 現在の肝炎ワクチンは凍結の間にその免疫原性を失うので、本発明のリポソー ム−ワクチンが凍結乾燥処理の凍結工程の間及び0℃以下でのワクチン貯蔵の間 のいずれにおいてもその活性を保持するのは予想外のことである。 従って、本発明の HBVワクチンの利点は明らかである。これは冷蔵庫に貯蔵す る必要もなければ、凍結に敏感でもない。このようなワクチンの流通は、特にB 型肝炎に対するワクチンの必要性が最も高い第三世界の国々において非常に簡単 となり;さらに、凍結してもよいワクチンはロシアや中国のような周囲温度がし ばしば凍結温度以下になる国々における流通を助ける。 出願者らはこのように、0℃以下及び室温の両方で安定な新規のリポソーム性 HBsAgワクチン、すなわち最適条件以外で貯蔵することができるワクチンを製造 した。実施例3 第9因子充填リポソームの調製及び特性決定 2つの異なるリポソーム調製法を、安定性及び第9因子被包化について比較す る。 (a)脱水再水和小胞(DRV's) (b)有機溶媒中での脂質及び薬物の共可溶化(a)脱水再水和小胞(DRV's) DRV 法による第9因子充填マルチラメラ小胞の調製には、以下の工程が必要で ある:再蒸留水中での小型ユニラメラ小胞(SUV's)の調製、それらと予めアミノ 酸に対して透析した第9因子溶液の混合、及びこの混合液のフラッシュ凍結。凍 結乾燥の後、この調製品を再蒸留水で再水和することによって第9因子充填マル チラメラ小胞が得られ、その後、最終リポソーム濃度に達するまで段階的に生理 食塩水を加えた。この時点で、このマルチラメラ小胞を押し出し成形により粒径 調整してオリゴラメラ小胞又は小型ユニラメラ小胞を得てもよい。 凍結乾燥した物質を最小容量で再水和することにより、その因子の全体濃度が 増加する。リポソームが形成された後、充填効率に影響を及ぼすことなく溶液を さらに希釈することもでき、これが実際に充填される物質の濃度に反映する。リ ポソームは浸透性を持つので、水和に続く全ての操作の間に低張性の媒質にさら されることによる物質の損失は、SUV'sと混合する前にその因子を透析して再水 和工程の間のリポソーム内部の浸透度をより低くすることによって最小化された 。(b)有機溶媒中での脂質及び薬物の共可溶化 この調製法では、tert- ブタノール中に可溶化された脂質を因子の水溶液と混 合して均質の溶液を得る。この溶液を凍らせて、凍結乾燥によって溶媒を除去す る。この乾燥混合物を最初に少容量の再蒸留水で、次いで生理食塩水で段階的に 、 最終リポソーム濃度に達するまで水和することによって、第9因子が充填された マルチラメラ小胞が得られる。この時点で、このマルチラメラ小胞を押し出し成 形により粒径調整してオリゴラメラ小胞又は小型ユニラメラ小胞を得てもよい。 第9因子活性の測定 第9因子活性を凝固アッセイによって測定した。このアッセイでは第9因子活 性のパーセントを、試験サンプルの希釈液を第9因子欠損血漿(バクスター・ダ イアグノスティック社より購入)に加えた際に得られる補正の程度によって測定 することができる。測定器はインストルメンテイション・ラボラトリー(イタリ ア)製で ACL- オートメイテッド・コアギュレイション・ラボラトリーと呼ばれ るものである。 第9因子の凝固アッセイ用の検量線を、約 50U/mlの原液の適当な希釈液を用 いて最初に作成した。図2は、線型回帰に良好に適合することを示す(R2=0.989 )。 第9因子を含むリポソームをエッペンドルフ遠心器で 12,000g、10分間遠心 してペレットにし、第9因子活性を上清及びペッレットについて測定した。ペレ ットは分析に先立ってトライトン(Triton)X-100 で可溶化した。第9因子活性に 対してトライトン(Triton)X-100 の濃度依存性が見られた。1% トライトン(Tri ton)X-100(最終濃度)は活性を 50%消失させたか、0.2%では消失は観察されなか った。一般に、この因子の全活性が回収された。すなわち、上清及びペレットの 活性は常にこの調製品の最初の活性と同等又は高いことすらあった。充填効率は 80%よりも高かった。実施例4 tert- ブタノールを使用して調製したヒト同種異系メラノーマワクチンを含むリ ポソーム性ワクチンによるヒト患者におけるメラノーマ治療 ワクチン調製:9:1のモル比の DMPC:DMPGの混合物を tert-ブタノール中に 1:6.7 w/v比で溶解した。この混合液を加熱し、脂質が溶解するまで攪拌した 。滅菌濾過した後、tert-ブタノールと水の比率が1:1(v/v)に達するまでこの 有機混合液に滅菌水を加えた。メラノーマ膜混合物の水溶液を1:750 蛋白:リン 脂質(w/w)比になるように加えた。この最終混合液を1gリン脂質となる一回用 量に分け、それぞれを凍結乾燥した。乾燥粉末が得られ、-70 ℃で貯蔵した。使 用に先立って、0.9% NaCl を含む発熱物質を含まない滅菌再蒸留水溶液中に再水 和することによってリポソームを作り、10% リン脂質濃度のリポソーム分散液を 得た。再作成の後、このリポソームは1μm の平均粒径を持ち、リン脂質:蛋白 の比は平均で765:1であった。 処置: 実施例5 カンジダリボソームを含むリポソーム性ワクチンによるマウスにおけるカンジダ 性敗血症治療 ワクチン調製: 9:1のモル比の DMPC:DMPGを tert-ブタノール中に1:10(wv)比で溶解 し、脂質混合液を予め温めて脂質を完全に溶解した。1.5 mgリボソーム/ml(オル シノール法により測定)を含む水性リボソーム混合液を脂質に1:100 w/wの 最終比率になるように加えた。場合により、この段階で脂質-Aを1:1,000の脂 質-A対リン脂質モル比でアジュバントとして加えた。この懸濁液を凍結して0.5g リン脂質アリコートで凍結乾燥し、乾燥粉末を -20℃で貯蔵した。使用に先立 って、0.9% NaCl を含む発熱物質を含まない滅菌再蒸留水溶液 0.5 ml 容量を2 アリコート加えることによりリポソームを形成した。 処置: 5匹の6週齢の Balb/c マウスから成る4グループを、100 μg リボソームの 1回投与でワクチン接種した。2週間後にブースター注射を行い、最初の免疫化 から28日後に104のカンジダ・アルビカンス細胞を静脈内感染させてマウスを攻 撃(challenge)した。 グループ1:バッファー(TMB)及び IFA(不完全フロインドアジュバント) グループ2:リボソーム混合物及び IFA グループ3:リボソームを含むリポソーム グループ4:脂質-A及びリボソームを含むリポソーム この実験を2回繰り返し、結果を以下の表に要約した。 実施例6 抗血友病第9因子を含むリポソームの調製 リポソーム調製: 精製卵黄ホスファチジルコリンを tert-ブタノールに種々の比率で溶解し、こ の混合液をリン脂質が溶解するまでわずかに温めた。所望の有機溶媒と水の比率 が得られるまで発熱物質を含まない滅菌再蒸留水を加えた。この懸濁液に塩を含 加え、次いで凍結乾燥した。全蛋白対リン脂質の比率は1:400(w/w)であった。 乾燥混合物を4℃で貯蔵した。発熱物質を含まない滅菌再蒸留水のアリコートで 粉末を水和して添加の間によく混和することによって平均粒径が1μm のリポソ ームが調製された。最後に加えたのは、塩濃度を等浸透圧に上げる生理食塩水か ら成るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD),AM,AU, BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,FI,G E,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LT,LV,MD,MG,MN,MW,NO,NZ, PL,RO,RU,SD,SI,SK,TJ,TT,U A,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーが充填された小胞を調製す る方法であって、両親媒性物質のフラクションと生物構造体、生体ポリマー及び /又はオリゴマーのフラクションを共乾燥させる工程を含み、前記両親媒性物質 のフラクションが水に混和性の有機溶媒中にあり、前記生物構造体、生体ポリマ ー及び/又はオリゴマーのフラクションが水性媒質中にある方法。 2.a)水に混和性の極性プロトン性溶媒中に両親媒性物質を可溶化する工程(フ ラクションA); b)生理的に相溶性で、場合により最大5重量% の塩化ナトリウム溶液と等価 の塩含有量を有する水性媒質中に生体ポリマー及び/又はオリゴマーを可溶化す る工程(フラクションB); c)フラクションA及びBを混合する工程; d)工程c) で得られたフラクションを前記生物構造体、生体ポリマー及び/ 又はオリゴマーの機能性が保持される方法で乾燥させる工程; を含む請求項1に記載の方法。 3.好ましくは水素化及び非水素化の大豆由来リン脂質、卵黄リン脂質、ジミリ ストイルホスファチジルコリン(DMPC)及び/又はジミリストイルホスファチジ ルグリセロール(DMPG)のような飽和及び/又は不飽和リン脂質を、場合により コレステロールを追加して、小胞を形成するために使用する、請求項1及び/又 は2に記載の方法。 4.脂質 DMPC:DMPGのモル比が1:20ないし20:1の範囲である、請求項1か ら3のいずれか一つに記載の方法。 5.水に混和性の前記有機溶媒が tert-ブタノール(2-メチルプロパノール)の ような可溶化特性を持つ極性プロトン性溶媒である、請求項1から4のいずれか 一つに記載の方法。 6.充填される生物構造体が、天然又は形質転換 B- 細胞のような全体細胞、リ ボソーム又はミトコンドリアのような細胞小器官のような、種々の成分及び/又 は基礎構造体によって組み立てられたより高次元の何らかの構造体であり、被包 化される生体ポリマー及び/又はオリゴマーが、酵素、前酵素のような蛋白;補 助因子;ビリオン又はB型肝炎表面抗原 (HBsAg)のようなビリオンを表現する粒 子;さらに血液凝固系の物質;抗原;抗体;補体因子のような免疫系の因子;ホ ルモンのようなペプチド;ヌクレオチド及び/又は、遺伝子治療に使用するゲノ ミックDNA やmRNA、rRNA、tRNA、アンチセンスRNA 等の RNAなどの核酸のような ヒト又は動物組織において作用を有する何らかの物質である、請求項1から5の いずれか一つに記載の方法。 7.生物構造体、生体ポリマー及び/又はオリゴマーを可溶化、溶解又は分散す るための水性媒質が約 0.9重量% の塩化ナトリウム及び/又は等浸透圧の凍結防 止剤の溶液である、請求項1から6のいずれか一つに記載の方法。 8.前記凍結防止剤がラクトース、スクロース、トレハロース及び/又は医薬上 許容しうる薬剤である、請求項7に記載の方法。 9.乾燥が液相の蒸発、好ましくは凍結乾燥又は噴霧乾燥によってなされる、請 求項1から8のいずれか一つに記載の方法。 10.請求項1の乾燥生成物を水性媒質中に入れて、生物構造体、生体ポリマー及 び/又はオリゴマーが充填された小胞の分散液を得る、請求項1から9のいずれ か一つに記載の方法。 11.請求項1から10のいずれか一つに記載の方法によって得られ得る生物構造体 、生体ポリマー及び/又はオリゴマーが充填された小胞を含む処方。 12.請求項10によって得られ得る分散液の形態の、請求項11に記載の処方。 13.請求項1から9のいずれか一つに記載の乾燥状態にある中間生成物の形態の 、請求項11に記載の処方。 14.請求項2の工程 c)の処理によって得られ得る中間生成物の形態の、請求項 11に記載の処方。 15.請求項11から14に記載の処方を含む薬剤。 16.他の薬物活性物質並びにビヒクル及び/又はアジュバントをさらに含む、請 求項15に記載の薬剤。 17.請求項15及び/又は16に記載の薬剤を、局所、経口、バッカル(buccal)、腹 腔内、肺内、静脈内、皮下、筋肉内、鼻腔内又は眼内へ有効量投与することによ って疾病を治療する方法。 18.体重 1kg当たりリン脂質で測定して最大 2,000 mg 小胞(リポソーム)の用 量である、請求項17に記載の方法。
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