JPH09501057A - 新規のオリゴヌクレオチド相互作用による血管細胞接着分子の発現の調節 - Google Patents

新規のオリゴヌクレオチド相互作用による血管細胞接着分子の発現の調節

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JPH09501057A JP7513458A JP51345894A JPH09501057A JP H09501057 A JPH09501057 A JP H09501057A JP 7513458 A JP7513458 A JP 7513458A JP 51345894 A JP51345894 A JP 51345894A JP H09501057 A JPH09501057 A JP H09501057A
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Abstract

(57)【要約】 血管細胞接着分子、特にVCAM−1をコードする遺伝子を、該遺伝子に対して結合する転写調節因子とオリゴヌクレオチドとの相互作用によって調節する。転写調節因子と相互作用してそれらの遺伝子との相互作用を減少させ且つそれらの機能を下方制御する特異的且つ有効なオリゴヌクレオチドを提供する。更に、転写調節因子とも別の態様の遺伝子機能とも相互作用する多様式オリゴヌクレオチドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規のオリゴヌクレオチド相互作用による血管細胞接着分子の発現の調節発明の分野 本発明は、オリゴヌクレオチド治療組成物および方法の分野に関する。疾患状 態に関係した遺伝子または遺伝子部分の調節、特にダウンレギュレーションは、 本発明の独特の目的である。本発明は、ある種の転写調節因子と相互作用して血 管細胞接着分子遺伝子の転写を調節する治療的および研究用組成物を提供する。 更に、スプライシングまたは翻訳並びに転写を妨げることによって多数の遺伝子 機能に影響を及ぼすことができる多様式のキメラ組成物を提供する。炎症性疾患 および血管疾患の治療は、本発明の好ましい実施態様である。発明の背景 ある種の細胞接着分子は、炎症性疾患および血管疾患に関係していると考えら れてきた。一例として、アテローム硬化症経過の主要メディエイタは、血管内皮 細胞表面上の特定の接着分子タンパク質の発現である。これらの接着分子は、白 血球(leukocyte)と称する免疫細胞に対して結合し、そしてアテロー ム硬化症でも血管形成術後再狭窄でも中心的であると考えられる炎症反応を開始 し且つ拡大させる。これらの血管細胞接着分子の一つであるVCAM−1は、単 核白血球と称する特定のクラスの白血球を結合することによってアテローム硬化 症において特に重要な役割を果たしている。多数のシグナルがVCAM−1の発 現を誘導する。ICAM−1およびE−セレクチンは、他の態様の一般的な炎症 反応を媒介する他の誘導性血管細胞接着分子である。 細胞による血管細胞接着分子生産の変調を通して、炎症性疾患、アテローム硬 化症、再狭窄および他の疾患の一時的緩和、診断および治療法を達成することが 大いに望まれる。このような療法の特異性もまた大いに望まれる。 最近になって、オリゴヌクレオチドは、動物およびヒトの疾患状態の治療にお ける治療的成分として認められるようになってきた。例えば、当業者は、現在、 ウイルス性、真菌性および代謝性疾患に関係した遺伝子の発現を調節することが できるアンチセンス、トリプレックスおよび他のオリゴヌクレオチド治療組成物 を同定している。例えば、1990年12月3日出願のPCT特許出願第PCT /US90/07067号明細書;1991年2月25日出願の第US91/0 1327号明細書;および1991年8月14日出願の第PCT/US91/0 5815号明細書は、乳頭腫ウイルス、ヘルペスウイルスおよびサイトメガロウ イルス感染それぞれの治療用の治療的オリゴヌクレオチドを開示している。 1991年8月15日出願のPCT特許出願第PCT/US91/05802 号明細書は、カンジダ属(Candida)感染の治療用のオリゴヌクレオチド を開示している。1991年4月17日出願のPCT特許出願第PCT/US9 1/02628号明細書および1991年7月23日出願の第PCT/US91 /05209号明細書は、治療薬としてオリゴヌクレオチドを用いて脂質代謝お よび細胞接着をそれぞれ調節する遺伝子の調節に関している。1993年1月2 1日出願の米国特許第007,997号明細書、1993年5月17日出願の米 国特許第063,167号明細書およびPCT特許出願第US93/08101 号明細書もまた、細胞接着分子に関係したオリゴヌクレオチド治療法に関する。 ゲヴィルツ(Gewirtz)らの名義の米国特許第5,098,890号明 細書は、ある種の癌症状に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド療法に関し、 1992年11月24日発行の米国特許第5,166,195号明細書は、HI Vのオリゴヌクレオチド阻害剤を提供する。このように、オリゴヌクレオチドは 有用な治療的手段でありうるということおよびそれらは細胞および動物、特にヒ トの治療のための治療法において有用であるように作成することができるという ことが確かめられた。 オリゴヌクレオチド治療法が疾患の治療のために認められた様式であることは 明らかである。治療的に有意の滞留を可能にする薬剤供給法および修飾法は現在 知られている。オリゴヌクレオチド治療法が容認されたにもかかわらず、オリゴ ヌクレオチドを用いる遺伝子調節、特にダウンレギュレーションに対する更に別 の有効なアプローチは大いに望まれる。更に、古典的なアンチセンスおよびトリ プレックス機序とは異なるオリゴヌクレオチド治療法の作用機序もまた大いに望 まれる。 転写調節因子(転写因子)は、細胞外シグナルを核調節シグナルに伝達するD NA結合タンパク質である。通常、転写調節因子は活性化されるかまたは合成さ れ、細胞の核に転移し、そしてエンハンサーまたは調節要素と称する特定のDN A配列に対して結合する。いったん結合したら、転写調節因子は遺伝子転写を調 節する。 ウー(Wu)ら、「特定の二本鎖オリゴデオキシリボヌクレオチドによるイン ビトロ転写の阻害(Inhibition of in Vitro Tran scription by Specific Double−Strande d Oligodeoxy−ribonucleotides)」,Gene 89 203〜209(1990)は、二本鎖デオキシオリゴヌクレオチドを用 いて、特定のプロモーターおよびエンハンサー要素に対する核因子の結合につい て競合させた。著者らは、アデノウイルスのインビトロ転写に対するオリゴヌク レオチド長さ、配列および核因子結合部位の数の効果を調べ、可能な治療法を論 及した。ホルセンバーグ(Holcenberg)およびウー、この文脈中にお いてホスホロチオエート誘導体も開示しているWO91/11535号明細書も 参照されたい。チュー(Chu)ら、「転写因子に対するヘアピンおよびダンベ ルDNAの結合(Binding of Hairpin and Dumbb ell DNA to Transcription Factors)」, ucleic Acids Research 19 6958(1991)は 、転写因子に対して結合するためにヘアピンループおよび連結された円形(ダン ベル)の形の一本鎖DNAの使用を開示している。チューおよびオーゲル(Or gel)、WO92/18522号明細書も参照されたい。 その他の者は、転写調節因子とのオリゴヌクレオチド相互作用による治療法に 着手した。タニグチ(Taniguchi),T.、1992年10月20日発 行の米国特許第5,157,115号明細書は、IL−2またはIL−2a遺伝 子をそれらのそれぞれの転写因子に対して競合的に結合することによって阻害す るまたは制御する核酸組成物を開示している。 ブルーメンフェルド(Blumenfeld)らは、WO92/19732号 明細書およびWO91/15114号明細書において、タンパク質結合配列を有 することができるアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを開示している 。 アンドロフィー(Androphy)らは、欧州特許出願第302,758号 明細書において、乳頭腫ウイルスなどのウイルスのDNAによってコードされた 剌激性タンパク質(このタンパク質は、結合した場合、ウイルス転写を促進する と考えられる)の該ウイルスDNAに対する結合を妨げることによって該ウイル スの増殖を阻害する核酸またはタンパク質を開示している。乳頭腫ウイルスの転 写活性化活性の阻害剤に関するアンドロフィーら、Nature 325:70 〜73(1987)およびアンドロフィーら、WO91/14790号明細書も 参照されたい。クルセル(Clusel)ら、Nucleic Acids R esearch 21:3405〜3411(1993)は、ナノモル濃度の肝 核因子−1結合部位含有二本鎖ダンベルオリゴヌクレオチドによる特定の遺伝子 発現のエクスビボ(ex vivo)調節を開示している。 ビエリンスカ(Bielinska)ら、Science 250:997〜 1000(1990)は、二本鎖ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを用い て遺伝子発現を調節した。八量体またはkB共通配列を含むオリゴヌクレオチド による、八量体転写因子かまたはNF−kBを特異的に結合する配列特異的DN A結合タンパク質の阻害は、HIVエンハンサー活性化またはIL−2分泌を阻 害することが開示された。 エック(Eck)ら、Molecular and Cellular Bi ology 13:6530〜6536(1993)は、NF−kB共通結合配 列の三縦列反復を含む高用量(20μM)の二本鎖38量体ホスホロチオエー トオリゴヌクレオチドを用いて、培養中のヒト内皮細胞におけるICAM−1お よび白血球インテグリン(integrin)CD11b両方の発現を阻害した 。 DNAオリゴヌクレオチドによる転写調節因子との相互作用はこれまでに知ら れているが、そして療法は可能であると予想されているが、血管細胞接着分子、 特にVCAM−1を、およびこのような分子が関係している疾患を有効に且つ特 異的に標的とすることができる転写調節因子と相互作用する、特異的なオリゴヌ クレオチドも、オリゴヌクレオチドを用いる有効な方法も存在していない。この ような材料および方法が大いに望まれる。 本発明の目的は、血管細胞接着分子、特にVCAM−1に関係した疾患状態に 関与する遺伝子の発現を調節するオリゴヌクレオチド、診断用および治療用組成 物および方法を提供することである。 もう一つの目的は、1種類またはそれ以上の転写因子と相互作用してこのよう な調節を行うオリゴヌクレオチドを提供することである。 血管細胞接着分子が関係している炎症性疾患および血管疾患並びに他の疾患状 態の治療用の組成物および方法もまた本発明の目的である。 更にもう一つの目的は、多様式治療法において多数の遺伝子部分に向けられて いるオリゴヌクレオチド治療組成物および治療法を提供することである。 他の目的は、本明細書の論及から明らかになるであろう。発明の概要 本発明は、血管細胞接着分子に関係した遺伝子発現を調節するための組成物お よび方法に関する。選択された遺伝子の発現は、新規のオリゴヌクレオチドと、 該遺伝子に関係した転写調節因子との相互作用によって調節される。本発明は、 更に、予め選択された遺伝子の調節のための多様式オリゴヌクレオチドおよびそ れらの使用方法に関する。このような多様式オリゴヌクレオチドは、該遺伝子を 、pre−mRNAのスプライシングまたはmRNAの翻訳などの、好ましくは 少なくとも一つの転写調節因子との相互作用を含む多数のレベルで下方制御する かまたは他の方法で調節するように作用することができる。 本発明は、更に、血管細胞接着分子をコードしている遺伝子の発現または過発 現が関係している疾患または生体状態を、細胞または哺乳動物、好ましくはヒト に対する本発明のオリゴヌクレオチドの投与によって診断し、一時的に緩和しま たは治療することができるように、これらのオリゴヌクレオチドを用いる診断お よび治療の方法を提供する。 本発明の実施態様により、血管細胞接着分子をコードしている遺伝子の発現を 調節する方法であって、該遺伝子の一部分を選択することを含む上記方法が提供 される。該遺伝子は、転写調節因子のファミリーのメンバーを結合するDNA配 列を有するものである。次に、該遺伝子を含む細胞を、該遺伝子の該結合配列の 少なくとも一部分と配列が実質的に同一のオリゴヌクレオチド部分と接触させる 。 該オリゴヌクレオチド部分は、好ましくは、DNAの二本の相補鎖かまたは自己 相補的である一本鎖のDNAを含む。 オリゴヌクレオチドが細胞中のヌクレアーゼによって速やかに分解されないた め、オリゴヌクレオチドを修飾することが好ましい。例えば、通常はホスホジエ ステルであるヌクレオチド間結合基の少なくともいくつかを修飾することが好ま しい。当該核酸技術分野の当業者にそれ自体知られているホスホロチオエート修 飾が好ましい。当業者に知られている結合に対する他の修飾および糖または塩基 修飾を含むオリゴヌクレオチドに対する他の修飾もまた用いることができる。 理論に拘束されたくはないが、本発明による遺伝子の発現の調節は、遺伝子の 転写の阻害によって行われると考えられる。これは、遺伝子に対する転写調節因 子の正常な作用が妨げられることによって起こると考えられる。 血管細胞接着分子、特に、VCAM−1、ICAM−1およびE−セレクチン をコードする遺伝子を調節することは可能であることが分っている。いくつかの 実施態様において、好ましくは、転写調節因子は、転写調節因子の核因子kB( NF−kB)ファミリーのメンバーである。血管細胞接着分子の遺伝子のプロモ ーター領域の特定のDNA配列を更に結合する他の因子による妨害もまた、本発 明の一つまたはそれ以上の態様の実施において有効であると考えられる。好まし い実施態様において、これらの他の因子としては、GATA、AP−1、Sp− 1、AP−2、AP−3、インターフェロン反応因子、八量体転写因子およびN F−ELAM1がある。具体的なDNA配列としては、ets結合配列、TAT Aボックス、逆方向CCAAT配列、AP−1結合部位、NF−ELAM1結合 部位、KR、KL、CAT配列、Sp−1結合部位、AP−2結合部位、AP− 3結合部位、インターフェロン反応要素、八量体結合配列およびGATA結合部 位がある。 本発明の他の態様により、血管細胞接着分子、特に、VCAM−1、ICAM −1またはE−セレクチンをコードしている遺伝子の転写調節因子結合配列の少 なくとも一部分の配列と実質的に同一であるヌクレオチド配列を含むオリゴヌク レオチド部分が提供される。 遺伝子発現の調節のための多様式オリゴヌクレオチドもまた本発明によって意 図される。これらの実施態様によるオリゴヌクレオチド部分は多数の領域を含み 、すなわち、それらはキメラである。第一領域は、遺伝子の配列の少なくとも一 部分と実質的に同一である配列を有し、その遺伝子配列は転写調節因子を結合す る。オリゴヌクレオチド部分の第二領域は、遺伝子に由来するmRNAまたは遺 伝子に由来するpre−mRNAのスプライシング領域と特異的にハイブリッド 形成しうるように構築される。第一および第二領域は、細胞中に入る際にキメラ オリゴヌクレオチドが第一および第二領域を表すいくつかの独立した有効なサブ ユニットに分離するように、好ましくは細胞性過程において一方と他方とが遊離 されうることが好ましい。これは、第一および第二領域をオリゴヌクレオチド中 の連結領域に隣接(flank)させることによって行うことができ、この連結 領域は細胞代謝過程の基質である。例えば、連結領域がRNAseHの基質であ る場合、細胞内に入る際に、多様式キメラオリゴヌクレオチドが開裂することに より第一および第二領域が遊離する。これを目的として、ホスホロチオエート、 メチルホスホネート、ペプチド−核酸(PNA)または他の修飾された形のヌク レオチドの使用などにより、ヌクレアーゼ分解および他の形の分解に対して第一 および第二領域を安定化させることが好ましい。本発明の文脈中の「ハイブリッ ド形成」とは、通常は対向している核酸鎖のまたは一つの核酸鎖の二つの部分上 の相補的塩基間の、ワトソン・クリック塩基対としても知られる水素結合を意味 する。グアニンおよびシトシンは、それらの間に3個の水素結合を形成すること が知られている相補的塩基の例である。アデニンおよびチミンは、それらの間に 2個の水素結合を形成することが知られている相補的塩基の例である。「特異的 にハイブリッド形成しうる」とは、非標的配列に対するオリゴヌクレオチドの非 特異的結合を避けるのに十分な程度の相補性を示す。オリゴヌクレオチドが、特 異的にハイブリッド形成しうるその標的核酸配列に対して100%相補的である 必要はないことは理解される。 他の好ましい実施態様によれば、本発明のキメラオリゴヌクレオチドは、異な る転写調節因子を結合する遺伝子プロモーター領域配列と実質的に同一のDNA 配列をそれぞれ有する少なくとも第一および第二領域を含み、例えば、第一領域 に対して結合する調節因子は、第二領域に対して結合する因子とは異なる。第一 および第二領域は、ホスホロチオエート結合のような安定化されたヌクレオチド 間結合によって連結することができる。他の実施態様において、第一および第二 領域は、細胞代謝過程の基質である連結領域によって連結されて、細胞中に入る 際に第一および第二領域の遊離を引き起こす。 更に他の好ましい実施態様によれば、本発明のキメラオリゴヌクレオチドは3 つまたはそれ以上の領域を含み、その少なくとも一つは、調節されるべき遺伝子 上の転写調節結合配列の少なくとも一部分と実質的に同一の配列を有することが 好ましい。オリゴヌクレオチドの第二、第三および他の領域は同じであっても異 なっていてもよく、そして更に別の転写因子結合部位を含んでいてもよく、また はpre−mRNA上のスプライシング部位との相互作用若しくはmRNA自体 に向けられることができる。このようなオリゴヌクレオチド領域とpre−mR NAまたはmRNAとの相互作用は、アンチセンス様式で、すなわちmRNAま たはpre−mRNAとの特異的ハイブリッド形成によって生じるらしいことが 理解されるであろう。 したがって、本発明のキメラオリゴヌクレオチドは、好ましい実施態様によれ ば、明らかに異なる機序によって機能しうる。一つの機序は、pre−mRNA またはmRNAに対して向けられたアンチセンス機序でありうるが、もう一方の 機序は、転写調節因子が遺伝子と相互作用してその転写を引き起こすことを妨げ るように該因子を掃去すると考えられる。全体の効果は、選択された遺伝子の発 現を多様式で、すなわち、多数の異なる機序の作用によって調節することである 。本発明の他の実施態様によれば、ある選択された遺伝子の発現が関与する疾患 を有すると疑われる哺乳動物、特にヒトを治療する方法が提供される。本発明に よるオリゴヌクレオチド部分を含む組成物は、該哺乳動物に対して、通常は薬学 的に許容しうる担体または希釈剤中でおよび該疾患の一時的緩和または治療を行 う治療法にしたがって投与される。一つの実施態様によれば、哺乳動物、特にヒ トにおける炎症性疾患、例えばアテローム硬化症、再狭窄および他の炎症性疾患 を治療することができる。このような場合、相互作用が望まれる一つの転写調節 因子は、NF−kBファミリーの調節因子のメンバーである。 炎症は、損傷、感染または組織破壊に対して反応して組織によって引き起こさ れる限局性防御反応であり、感染物質または有害物質の破壊および損傷組織の隔 離を生じる。典型的な炎症反応は以下のように進行する。すなわち、異物として の抗原の認識または組織損傷の認識、可溶性炎症メディエイタの合成および放出 、感染または組織損傷部位への炎症細胞の補充、侵入生物または損傷組織の破壊 および除去、そして侵入生物または損傷がいったん消散した系の失活。炎症性成 分を伴う多数のヒト疾患においては、炎症反応を弱化する正常なホメオスタシス 機序に欠陥があり、正常組織の損傷および破壊を引き起こす。 細胞−細胞相互作用は、上記の段階のそれぞれにおいて免疫応答の活性化に関 与している。正常な炎症反応において最初に認められる現象の一つは、血管内皮 に対する白血球の接着、続いて血管系から感染または損傷部位への白血球の移動 である。血管内皮に対するこれらの白血球(すなわち、white blood cell)の接着は、血管系から外への移動において不可欠の段階である。ハ ーラン(Harlan),J.M.、Blood 1985年,65,513〜 525。概して、炎症部位に現れる最初の炎症性細胞は好中球であり、続いて単 核白血球、そしてリンパ球が現れる。細胞−細胞相互作用は、更に、B−リンパ 球およびT−リンパ球両方の増殖に必須であり、増強された体液性および細胞性 免疫応答をそれぞれ引き起こす。 血管内皮および他のタイプの細胞に対する白血球の接着は、白血球および血管 内皮両方の原形質膜上に存在する「接着分子」と称される特定のタンパク質間の 相互作用によって媒介される。これらの血管細胞接着分子は、白血球と称される 免疫細胞に対して結合し、そしてアテローム硬化症および血管形成術後再狭窄両 方に中心的であると考えられる炎症反応を開始し且つ拡大する。 血管細胞接着分子は、血管内皮に対する白血球の接着および引続きの血管系か らの移動に関与している。これまでに同定された血管細胞接着分子としては、細 胞間接着分子1(ICAM−1)、細胞間接着分子2(ICAM−2)、細胞間 接着分子3(ICAM−3)、E−セレクチン[内皮白血球接着分子−1(EL AM−1)として従来知られている]、血管細胞接着分子−1(VCAM−1) 、L−セレクチン(MEL−14)およびP−セレクチン(顆粒膜タンパク質− 140、GMP−140)並びにそれらのそれぞれの受容体がある。血管内皮に 対 する白血球の接着は、全体としてでない場合は一部分が、ICAM−1、ICA M−2、E−セレクチン、VCAM−1およびP−セレクチンによって媒介され ると考えられる。ダスティン(Dustin)およびスプリンガー(Sprin ger)、J.Cell Biol.1987年,107,321〜331。 P−セレクチンおよびE−セレクチンは、主として、血管内皮細胞に対する好 中球の接着に関与している。VCAM−1は、主としてTおよびBリンパ球を結 合する。VCAM−1は、単核白血球と称される特定のクラスの白血球を結合す ることによってアテローム硬化症において特に重要な役割を果たしている。更に 、VCAM−1は、黒色腫およびおそらくは他の癌の転移においてある役割を果 たすかもしれない。ICAM−1は、血管内皮に対する好中球の接着、並びに血 管内皮、組織繊維芽細胞および表皮ケラチノサイトに対する単核白血球およびリ ンパ球の接着においてある役割を果たす。ICAM−1は、更に、抗原提示細胞 のT細胞認識、ナチュラルキラー細胞による標的細胞の溶解、リンパ球活性化お よび増殖並びに胸腺におけるT細胞の成熟においてある役割を果たす。更に、最 近のデータは、ICAM−1が、50%を越える感冒の原因であるライノウイル スの主血清型の細胞受容体であることを実証した。スタントン(Staunto n)ら、Cell 1989年,56,849〜853;グレーブ(Greve )ら、Cell 1989年,56,839〜847。 ICAM−1、E−セレクチンおよびVCAM−1の発現は、種々の炎症性皮 膚疾患、例えば、アレルギー性接触皮膚炎、固定薬疹、偏平苔癬および乾癬に関 係している。ホー(Ho)ら、J.Am.Acad.Dermatol.199 0年,22,64〜68;グリフィス(Griffiths)およびニコロフ( Nickoloff)、Am.J.Pathology 1989年,135, 1045〜1053;リスビー(Lisby)ら、Br.J.Dermatol 1989年,120,479〜484;シオハラ(Shiohara)ら、 rch.Dermatol. 1989年,125,1371〜1376。更に、 ICAM−1、E−セレクチンおよびVCAM−1発現は、慢性関節リウマチ患 者の滑膜において検出されており;ヘイル(Hale)ら、Arth.Rheu m. 1989年,32,22〜30;ICAM−1発現は、糖尿病の膵臓B細胞 ;カ ンプベル(Campbell)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U .S.A. 1989年,86,4282〜4286;グレーヴズ病患者の甲状腺 小胞細胞;ウィートマン(Weetman)ら、J.Endocrinol.1 989年,122,185〜191において検出されており;そしてICAM− 1およびVCAM−1の発現は、心臓、腎臓および肝臓同種移植片拒絶並びに初 期アテローム硬化症病変に関係していた;フォール(Faull)およびラス( Russ)、Transplantation 1989年,48,226〜2 30;アダムス(Adams)ら、Lancet 1989年,1122〜11 25;オーブリーン(O′brien)ら、J.Clin.Invest.19 93年,92,945〜951;リビー(Libby)ら、J.Clin.In vest. 1993年,92,538〜539。 ICAM−1、VCAM−1およびE−セレクチン発現の阻害剤は、種々の炎 症性疾患または炎症性成分を伴う疾患、例えば、喘息、慢性関節リウマチ、アテ ローム硬化症および再狭窄、移植片拒絶、種々の皮膚症状並びに乾癬に対して活 性を有する新規の治療的クラスの抗炎症薬を提供するであろうと期待されてきた 。更に、ICAM−1、VCAM−1およびE−セレクチンの阻害剤はまた、ラ イノウイルス感染による感冒、エイズ(AIDS)並びにいくつかの癌およびそ れらの転移の治療において有効でありうる。これまでのところ、細胞接着分子E −セレクチン、VCAM−1およびICAM−1の発現を効果的に防止する治療 薬は知られていない。動物モデルにおける接着分子に対する中和単クローン性抗 体の使用は、このような阻害剤が同定された場合、喘息に対して(ウェグナー( Wegner)ら、Science 1990年,247,456〜459)、 並びに腎臓および心臓同種移植片に対して(コシミ(Cosimi)ら、J.I mmunol. 1990年,144,4604〜4612)、治療的に有益であ ると考えられる結果を与える。可溶性型のICAM−1分子の使用もまた、培養 中の細胞のライノウイルス感染を防止するのに有効であった。マーリン(Mar lin)ら、Nature 1990年,344,70〜72。 細胞間接着分子に影響を与える現行の物質としては、合成ペプチド、単クロー ン性抗体および可溶性型接着分子がある。単クローン性抗体は、ICAM−1、 VCAM−1およびE−セレクチンの発現による急性炎症反応の治療に有用であ ると示すことができる。しかしながら、長期にわたる治療によって宿主動物は単 クローン性抗体に対する抗体を生じ、それによってそれらの有用性は制限される 。更に、単クローン性抗体は、炎症部位に接近し難いことがある大型のタンパク 質である。可溶性型の細胞接着分子は、それらの製造費用に加えて、単クローン 性抗体と同様の限界が多数ある。したがって、血管細胞接着分子を効果的に阻害 する分子が長い間要求されている。特に、VCAM−1、E−セレクチンおよび ICAM−1発現を特異的に阻害する分子が長い間要求されている。治療的オリ ゴヌクレオチドは、ICAM−1、VCAM−1およびE−セレクチンの作用を 阻止するのに用いられている現行の物質の多数の落とし穴を避けることができる 。この要求は、上記に論及され且つ本明細書中に援用される本発明の譲受人所有 の特許出願に反映されているように、アンチセンスオリゴヌクレオチドと細胞接 着分子をコードするmRNAとの相互作用の使用によって一部分は満たされた。 しかしながら、細胞接着分子に関係した生体状態および疾患に対する別のオリゴ ヌクレオチド治療法に対する大きな要求がまだ残っている。 ヒトICAM−1は、本明細書にそのまま援用される55,219ダルトンの タンパク質の合成をもたらす3.3−kb mRNAによってコードされている 。ICAM−1は、N結合グリコシル化部位によって重くグリコシル化されてい る。スタントンら、Cell 1988年,52,925〜933。ICAM− 1は、アミノ末端に5個の免疫グロブリン様ドメイン、続いて貫膜ドメインおよ び細胞質ドメインを有する、免疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバ ーである。LFA−1およびライノウイルスの主要結合部位は、最初の免疫グロ ブリン様ドメイン中に見出される。しかしながら、これらの結合部位は別個であ ると考えられる。スタントンら、Cell 1990年,61,243〜354 。ICAM−1は、広範な組織および細胞分布を示し、そして白血球、内皮細胞 、繊維芽細胞、ケラチノサイトおよび他の上皮細胞上で見出されうる。ICAM −1の発現は、血管内皮細胞、繊維芽細胞、ケラチノサイト、星状細胞およびい くつかの細胞系において、細菌リポ多糖並びにサイトカイン、例えばインターロ イキン−1、腫瘍壊死因子、γ−インターフェロンおよびリンホトキシンによる 処理に よって調節されうる。例えば、フローマン(Frohman)ら、J.Neur oimmunol. 1989年,23,117〜124を参照されたい。サイト カイン処理後に増加したICAM−1発現の分子機序は、十分に特性決定されて いない。 E−セレクチンは、セレクチンファミリーの膜糖タンパク質のメンバーである 115−Kda膜糖タンパク質である。本明細書にそのまま援用されるベビラッ カ(Bevilacqua)ら、Science 1989年,243,116 0〜1165。E−セレクチンのアミノ末端部分は、レクチン様タンパク質のメ ンバーに対して相同性を有する配列を有し、その後に表皮成長因子と類似のドメ イン、続いて補体受容体1および2で見出されるものと類似の6縦列60アミノ 酸反復を有する。これらの特徴は、リンパ球ホーミング抗原であるP−セレクチ ンおよびL−セレクチン抗原によっても共有されている。E−セレクチンは3. 9−kb mRNAによってコードされている。E−セレクチンmRNAの3′ 非翻訳領域は、いくつかの配列モチーフATTTAを有し、これはE−セレクチ ン発現の過渡的性状と一致する細胞mRNAの急速代謝回転の原因である。 E−セレクチンは、それが血管内皮細胞上でしか同定されていないという限定 された細胞分布を示す。ICAM−1と同様に、E−セレクチンは、腫瘍壊死因 子、インターロイキン−1およびリンホトキシンを含む多数のサイトカイン並び に細菌リポ多糖によって誘導可能である。ICAM−1とは対照的に、E−セレ クチンはγ−インターフェロンによって誘導されない。ベビラッカら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA 1987年,84,9238〜924 2;ウェリカム(Wellicome)ら、J.Immunol.1990年, 144,2558〜2565。ヒト臍静脈内皮細胞におけるE−セレクチンmR NAの誘導および消失の速度論は、細胞表面上のE−セレクチンの出現および消 失に先行する。 VCAM−1は、3.2−kb mRNAによってコードされた110−Kd a膜糖タンパク質である(図3)。VCAM−1は、単コピー遺伝子によってコ ードされると考えられる。本明細書にそのまま援用されるオズボーン(Osbo rn)ら、Cell 1989年,59,1203〜1211。ICAM−1と 同様に、VCAM−1は、7つのH型免疫グロブリン様ドメインを含む免疫グロ ブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバーである。VCAM−1の受容体は、 VLA4に対する単クローン性抗体がVCAM−1に対するラモス(Ramos )細胞の接着を阻止する能力によって実証されるように、VLA4インテグリン であると提案されている。VCAM−1は、活性化された血管内皮細胞および非 内皮細胞上で発現される。ICAM−1およびE−セレクチンと同様に、血管内 皮でのVCAM−1の発現は、サイトカインによる処理によって調節される。ラ イス(Rice)およびベビラッカ、Science 1989年,246,1 303〜1306;ライスら、J.Exp.Med.1990年,171,13 69〜1374。増加した発現は、mRNAの誘導によると考えられる。 転写因子としても知られる転写調節因子は、細胞外シグナルを核調節シグナル に伝達するタンパク質であり、それ自体知られており且ついくつかの論及の主題 であった。例えば、いずれも本明細書に援用されて、核因子kB(NF−kB) ファミリーである転写調節因子および前者と核酸との相互作用に関する開示を提 供する、パボ(Pabo),C.O.およびサウア(Sauer),R.T.、Transcription factors:Structural Fam ilies and Principles of DNA Recognit ion Annu.Rev.Biochem. 61:1053〜1095(19 92);モリモト(Morimoto),R.I.、Transcriptio n factors:Positive and Negative Regu lators of Cell Growth and Diseae,Cur rent Opinion in Cell Biology 4:480〜4 87(1992);並びにハヤシ(Hayashi),T.、ウエノ(Ueno ),Y.およびオカモト(Okamoto),T.、Oxidoreducti ve Regulation of Nuclear Factor kB,J .Biol.Chem. 268:11380〜11388(1993)を参照さ れたい。 NF−kBは、真核性転写調節因子のファミリーの一例である。NF−kBは 、セン(Sen)およびバルチモア(Baltimore)、Cell 198 6 年,46,705〜716によって発見され、そして免疫グロブリン遺伝子のエ ンハンサー中のシス調節要素を認識するB細胞特異的DNA結合タンパク質であ ることが分った。続いて、NF−kBはB細胞に限定されず、種々の細胞中で誘 導可能であることが分った。潜伏性NF−kBは、IkB(kBの細胞質ゾル阻 害剤)および少なくとも二つの異なるDNA結合タンパク質から成る三量体タン パク質である。潜伏性NF−kBは、二量体NF−kBに対するIkB結合を欠 いた時に活性化されるようになる。IkBは、DNA結合二量体の核転移の阻害 剤である。これまでのところ、ホモ二量体およびヘテロ二量体の両方を生成しう る少なくとも3種類の形のDNA結合タンパク質、p50、p65およびrel が同定されている。他の近縁の遺伝子産物も同様に同定されると考えられる。し たがって、類似の構造または作用を有するNF−kBおよびタンパク質は、一つ のファミリーのタンパク質として記載することができるであろう。転写調節因子 の他の例は、GATA、AP−1、Sp−1、AP−2、AP−3、インターフ ェロン、八量体転写因子およびNF−ELAM1である。 ICAM−1、E−セレクチンおよびVCAM−1遺伝子のプロモーター領域 は記載されており、いずれも多数の調節要素を有する。これらの内のいくつかは 十分に定義されており、その他は、推定上の転写因子結合部位または共通結合配 列である。 ヒトICAM−1遺伝子の5′領域に存在する調節要素は、塩基−70および −352位(すなわち、翻訳開始部位の上流すなわち5′末端方向に70塩基お よび352塩基)に位置した2個のTATAボックス並びに−397位のCAT 様配列を含む。計算機分析は、−246位および−99位に位置した2個のSp −1結合部位並びに−1294位および−324位の共通AP−1/TRE結合 部位に対して相同性の2個の配列を示した。フォラベルガー(Voraberg er)ら、(1991)J.Immunol.147:2777〜2786;デ ジツ(Degitz)ら、(1991)J.Biol.Chem.266:14 024〜14030。更に、−88位にはAP−2結合部位と相同の配列および −414位にはAP−3様共通結合部位がある。潜在的NF−kB結合部位は− 540位に見出され且つ潜在的インターフェロン反応要素(IRE)は−109 位である。ICAM−1遺伝子のサイトカイン応答性に部分的に関与しているシ ス調節要素は、−300位と−1205位との間にある。コルネリウス(Cor nelius)ら、(1993)J.Invest.Dermatol.100 :753〜758。この領域の配列を結合する同定された転写調節因子としては 、NF−kBおよびAP−1がある。更に別のDNA結合タンパク質がこの領域 の配列と相互作用することは可能である。 E−セレクチン遺伝子は、既知のDNA結合タンパク質のいくつかの共通配列 を有する。転写開始部位の97塩基上流に位置するのは、逆方向CCAAT共通 配列である(ATTGG;このプロモーター要素は、どちらの配向でも機能する ことが知られている)。推定上のTATAボックスは、転写開始部位の30塩基 上流にある。コリンズ(Collins)ら、J.Biol.Chem.199 1年,266,2466〜2473。推定上のNF−kB結合要素は−94位に 存在し且つ推定上のAP−1結合部位は−495位に存在する。T細胞エンハン サーと共通のDNA配列を認識するDNA結合因子(NF−ELAM1)は−1 50位に見出され、そしてE−セレクチンと結合したNF−kB配列は、内皮細 胞にトランスフェクトされたリポーター遺伝子構築物に対してサイトカイン誘導 性を与えるのに十分であることが分った。フフト・ヴァン・ヒュイスデュイネン (Hooft van Huijsduijnen)ら、J.Biol.Che m. ,1992年,267,22385〜22391。 多数の調節要素がVCAM−1遺伝子について記載されている。TATAボッ クスは、転写開始部位の29塩基上流で見出される。NF−kBまたはNF−k B様タンパク質の二つの潜在的結合部位は、−63位および−77位で見出され る。イアデマルコ(Iademarco)ら、1992年,J.Biol.Ch em. ,267,16323〜16329。潜在的AP−1結合部位は−495 位に見出され且つ共通ets結合部位は−221位、−981位および−103 3位に存在する。GATA結合配列は−245位および−259位に見出され、 そして3個の潜在的八量体結合部位は−729位、−1180位および−155 4位に見出される。 サイトカインであるTNFα、IL−1bおよびIL−4、細菌リポ多糖(L PS)、並びに合成二本鎖オリゴヌクレオチド[ポリ(I:C)]を含む多数の シグナルがVCAM−1の発現を誘導する。これらは、KLおよびKRと称する 2個の隣接したKB様結合部位を有する、ヒトVCAM−1遺伝子の−75位と −35位との間に位置する36塩基対エンハンサー要素によって少なくとも一部 分は媒介されると考えられる。これらの要素は、両者ともNF−kBファミリー の転写調節因子の一部分である二つの異なる転写調節因子を結合すると考えられ る。 転写因子のGATA、ets、KLおよびKR結合部位を含む多数のVCAM −1遺伝子調節要素がここで同定された。下記の配列においては、KLすなわち 「左」結合部位およびKRすなわち「右」結合部位に下線および標識が施されて いる。 KLおよびKR部位は配列が僅かに異なり、そしてゲルシフト実験は、それらが 、両方ともNF−kBファミリーの転写調節因子のメンバーであると考えられる 別々の転写因子を結合するらしいことを示した。両方の部位が必要であるが、V CAM−1発現のTNF剌激に対してどちらも単独では十分でない。二つの結合 部位はそれぞれ、NF−kBファミリーのメンバーを結合する別個の先に記載さ れた部位と一緒に特性を共有する。理論に拘束されたくはないが、二つの部位の 異なる特徴は、VCAM−1プロモーターの特異性の原因であることが提案され ている。イアデマルコら、J.Biol.Chem.1992年,267,16 323〜16329。NF−kB様およびAP−1様部位は、ICAM−1、V CAM−1およびE−セレクチンによって共有されていることが分かる。これら の配列の一方または両方を包含するオリゴヌクレオチドは、3種類全部の血管細 胞接着分子の転写に影響を与えると考えられる。対照的に、特定の遺伝子に独特 の調節要素を包含するオリゴヌクレオチドは、その遺伝子に対する特異的作用を 有すると考えられる。例えば、GATAおよび八量体結合配列は、VCAM−1 には見出されるが、ICAM−1にもE−セレクチンにも見出されないと考えら れる。これらの要素の一つまたはそれ以上を包含するオリゴヌクレオチドは、V CAM−1を特異的に阻害すると考えられる。他の例として、IRE配列を含む オリゴヌクレオチドは、ICAM−1を示差的に阻害すると考えられ且つNF− ELAM−1配列を含むオリゴヌクレオチドは、E−セレクチンを特異的に阻害 すると考えられる。 遺伝子転写を調節する場合に有用であるためには、オリゴヌクレオチドが遺伝 子の転写調節因子結合部位を完全な長さで含む必要はない。治療的オリゴヌクレ オチドは、転写調節因子の結合に対して効果的に競合するように遺伝子の結合領 域または配列の十分な部分と実質的に同一であるということが唯一必要である。 当業者は、特定の転写因子との相互作用に最適なオリゴヌクレオチド長さを容易 に決定することができる。 一本鎖の核酸を本発明にしたがって用いて遺伝子発現を調節することができる ことも分った。例えば、自己相補的単分子オリゴヌクレオチド配列は二本鎖DN A「のよう」でありうるので、転写調節因子は、遺伝子のダウンレギュレーショ ンを伴ってそれに対して結合することができる。 いくつかの実施態様において、二本鎖オリゴヌクレオチドの二つの鎖は、共有 結合によって互いに架橋している。同様に、自己相補的オリゴヌクレオチドが共 有結合によって架橋して塩基対部分を安定化させるのは望ましいことがある。オ リゴヌクレオチドの架橋は、本明細書中にそのまま援用されるPCT公開WO9 3/18052号明細書に開示されている。 治療法に対しては、ICAM−1、VCAM−1およびE−セレクチンの発現 を低下させることによって治療されうる疾患を有すると疑われる動物を、本発明 によるオリゴヌクレオチドを投与することによって治療する。オリゴヌクレオチ ドは、担体、粘稠化剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、界面活性剤等をオリゴヌクレ オチドの他に含んでいてよい薬剤組成物に処方することができる。薬剤組成物は 、更に、抗微生物薬、抗炎症薬、麻酔薬等のような1種類またはそれ以上の活性 成分をオリゴヌクレオチドの他に含んでいてよい。 薬剤組成物は、局所または全身処置が望まれるかどうかおよび治療される領域 に応じて多数の方法で投与することができる。投与は、局所による(点眼による 、腟による、肛門による、鼻内によるを含む)、経口による、吸入によるまたは 非経口による、例えば静脈内点滴、皮下、腹腔内若しくは筋肉内注射によること ができる。 局所投与用製剤としては、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、滴剤 、坐剤、噴霧剤、液剤および散剤を挙げることができる。慣用的な薬剤担体、水 性、粉末若しくは油性基剤、粘稠化剤等は必要でありうるしまたは望ましいこと がある。コーティングコンドームまたはグローブもまた有用でありうる。 経口投与用組成物としては、散剤若しくは顆粒剤、水若しくは非水性媒質中の 懸濁剤若しくは水剤、カプセル剤、サシェ剤または錠剤がある。粘稠化剤、着香 剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤または結合剤も望ましいことがある。 非経口投与用製剤としては、緩衝剤、希釈剤および他の適当な添加剤を含んで いてもよい滅菌水溶液を挙げることができる。 投薬は、治療される症状の重篤度および応答性によるが、通常、数日〜数か月 持続する治療経過に伴ってまたは治癒するまで若しくは疾患状態の軽減が達成さ れるまで、一日1回またはそれ以上の用量である。当業者は、最適の投与量、投 薬方法論および反復率を容易に決定することができる。 本発明は、炎症性細胞接着を調節することができるタンパク質の発現の阻害に おいて用いるためのオリゴヌクレオチドを用いる。本発明の文脈中において、「 オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸またはデオキシリボ核酸のオリゴ マーまたはポリマーを意味する。この用語は、天然に存在する塩基、糖および糖 間(主鎖)結合から成るオリゴマー並びに同様に機能する天然に存在しない部分 を有するオリゴマーを含む。このような修飾されたまたは置換されたオリゴヌク レオチドは、例えば、増加した細胞取込みおよびヌクレアーゼ存在下の増加した 安定性などの性質ゆえに、しばしば天然型よりも好ましい。 本発明のために考えられた若干の好ましいオリゴヌクレオチドの具体的な例は 、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、短鎖アルキ ル若しくはシクロアルキル糖間結合または短鎖ヘテロ芳香族若しくは複素環式糖 間結合を含むことができる。最も好ましいのは、主鎖CH2−NH−O−CH2、 C H2−N(CH3)−O−CH2、CH2−O−N(CH3)−CH2、CH2−N( CH3)−N(CH3)−CH2およびO−N(CH3)−CH2−CH2(但し、ホ スホジエステルはO−P−O−CH2である)を有するものである。更に好まし いのは、モルホリノ主鎖構造を有するオリゴヌクレオチドである。サマートン( Summerton),J.E.およびウェラー(Weller),D.D.、 米国特許第5,034,506号明細書。ペプチド−核酸(PNA)主鎖のよう な他の好ましい実施態様においては、オリゴヌクレオチドのホスホジエステル主 鎖は、ポリアミド主鎖によって置換えることができ、塩基は、ポリアミド主鎖の アザ窒素原子に対して直接的にまたは間接的に結合する。P.E.ニールセン( Nielsen)、M.エグホルム(Egholm)、R.H.ベルグ(Ber g)、O.ブカルト(Buchardt)、Science 1991年,25 4,1497。他の好ましいオリゴヌクレオチドは、OH、SH、SCH3、F 、OCN、O(CH2nNH2またはO(CH2nCH3(式中、nは1〜約10 である);C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリルまたはアラ ルキル;Cl;Br;CN;CF3;OCF3;O−、S−またはN−アルキル; O−、S−またはN−アルケニル;SOCH3;SO2CH3;ONO2;NO2; N3;NH2;ヘテロシクロアルキル;ヘテロシクロアルカリル;アミノアルキル アミノ;ポリアルキルアミノ;置換シリル;RNA開裂基;コンジュゲート;リ ポーター基;インターカレーター;オリゴヌクレオチドの薬動学的性質を改良す るための基;或いはオリゴヌクレオチドの薬力学的性質を改良するための基、お よび同様の性質を有する他の置換基の内の一つを2′位に含む糖残基を含んでい てもよい。オリゴヌクレオチドはまた、ペントフラノシル基の代わりにシクロブ チルなどの糖模倣物を有していてもよい。修飾された塩基および万能塩基、特に イノシンもまた本発明において用いることができる。 本発明によるオリゴヌクレオチドは、好ましくは、約10〜約80核酸塩基単 位を含む。このようなオリゴヌクレオチドは、約12〜50核酸塩基単位を含む のが更に好ましく、約18〜35核酸塩基単位を有するのがなお一層好ましい。 理解されるように、核酸塩基単位は、隣接する核酸塩基単位に対してホスホジエ ステルまたは他の結合によって適当に結合した塩基−糖の組合せである。 本発明によって用いられるオリゴヌクレオチドは、便利にかつ日常的に、周知 の固相合成技術によって製造することができる。このような合成用の装置は、ア プライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)を含む いくつかの販売者によって販売されている。このような合成のための他の手段は いずれも用いることができるが、オリゴヌクレオチドの実際の合成は、十分に日 常的作業者の技術の範囲内である。同様の技術を用いて、ホスホロチオエートお よびアルキル化誘導体などの他のオリゴヌクレオチドを製造することも周知であ る。 本発明をいくつかのその好ましい実施態様にしたがって具体的に記載してきた が、以下の実施例は本発明を単に例証するのに役立ち且つ本発明を制限するため のものではない。実施例 実施例1 オリゴヌクレオチド合成 : 非修飾DNAオリゴヌクレオチドを、自動DNA合成機(アプライド・バイオ システムズ380B型)において、ヨウ素による酸化を用いる標準的なホスホル アミダイト化学を用いて合成した。β−シアノエチルジイソプロピルホスホルア ミダイトは、アプライド・バイオシステムズ(フォスターシティー、CA)から 購入された。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドに対しては、標準的な酸化 反応ボトルを、亜リン酸結合の段階的チオ化(thiation)のために、3 H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドのアセトニトリ ル中0.2M溶液で置換えた。チオ化サイクル待ち工程を68秒間まで増加させ 、続いてキャッピング工程を行った。 2′−O−メチルホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、2′−O−メチ ルβ−シアノエチルジイソプロピルホスホルアミダイト(ケムジーンズ(Che mgenes)、ニーダム MA)を用い且つテトラゾールおよび塩基のパルス 供給後の待ち工程を360秒間まで増加させた以外は非修飾オリゴヌクレオチド の標準的なサイクルを用いて合成された。合成を開始するのに用いられた3′− 塩基は2′−デオキシリボヌクレオチドであった。 制御細孔ガラスカラム(アプライド・バイオシステムズ)から切断し且つ濃水 酸化アンモニウム中において55℃で18時間脱保護した後、オリゴヌクレオチ ドを2.5容量のエタノールによって0.5M NaClから2回沈澱させるこ とによって精製した。分析ゲル電気泳動は、20%アクリルアミド、8M尿素、 45mMトリス−ホウ酸緩衝液、pH7.0中で行われた。オリゴデオキシヌク レオチドおよびホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、電気泳動により、8 0%以上が完全長さ材料であると判定された。実施例2 VCAM−1およびICAM−1発現についてのVCAM−1 KFおよびKL 結合部位を含む二本鎖オリゴヌクレオチドの評価 : KL結合部位によるか若しくはKR結合部位によるかまたは両方の結合部位に よる妨害は、遺伝子の転写を妨げて、VCAM−1の生産を低下させることが分 った。ホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する下記の二本鎖デオキシオ リゴヌクレオチドは、個々の鎖の固相オリゴヌクレオチド合成によって製造され た。 このオリゴヌクレオチドは、5′および3′末端それぞれの5個のヌクレオチド が切断されていることを除き、VCAM−1プロモーター領域(配列番号1)に 対応する。KLおよびKR部位に下線を施している。実際の「天然」KLおよび KR部位は、共通配列よりも天然調節要素をより近く模擬していると考えられる のでこれらを用いた。 等モル濃度の2本の鎖を混合し且つ65℃まで5分間加熱した。鎖を25℃ま で徐々に冷却することによってアニーリングさせた。得られた二本鎖オリゴヌク レオチドをヒト微小血管内皮細胞(HMEC)と一緒に37℃で15時間インキ ュベートした。VCAM−1発現は、細胞を腫瘍壊疽因子(TNF−α、100 u/ml)と一緒に4時間インキュベートすることによって誘導された。両方と もNF−kBファミリーの転写因子のメンバーの結合部位を有するVCAM−1 およびICAM−1の発現は、ノーザンブロット分析によって確認された。表1 に示された結果は、二本鎖ホスホロチオエートVCAM−1 kB結合部位が、 その遺伝子もまたkB結合部位を有するICAM−1と比較して、VCAM−1 に対する少なくとも100倍の選択性を示すことを実証している。したがって、 VCAM−1遺伝子上の1個または複数のkB結合部位は、ICAM−1遺伝子 上のkB結合部位とは異なると考えられる。 実施例3 VCAM−1およびICAM−1発現についてのVCAM−1 KFおよびKL 結合部位を含む二本鎖および一本鎖(自己相補的)オリゴヌクレオチドの評価 : VCAM−1遺伝子のプロモーター領域の左(KL)または右(KR)転写因 子結合部位のみに対応する下記のホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを合成 した。該左部位のオリゴヌクレオチドは、 を含み、該右部位のオリゴヌクレオチドは、 を含んでいた。 予備データは、配列番号:3および配列番号:4両方が内皮細胞および平滑筋 細胞中でVCAM−1発現を阻害することができ、より長い配列(配列番号:2 )よりも一層高い活性を示したことを示している。したがって、調節因子を結合 する遺伝子配列の完全な長さかまたは有効なより短い部分を本発明の治療的オリ ゴヌクレオチドの配列に用いることができる。 KL結合部位を含み、若干の追加の複雑性を有する更に別のオリゴヌクレオチ ドは、以下の配列を有する。 自己相補的単分子オリゴヌクレオチド配列もまた用いることができる。下記の 一本鎖DNAオリゴヌクレオチドを固相合成によって構築した。それらは、VC AM−1遺伝子のKLおよびKR部位由来の配列を有するように設計された。 複雑性の若干少ないホスホロチオエート主鎖を有する更に別の自己相補的DN A配列を、更に、遺伝子の結合領域の左部位に基いて合成した。 配列番号:5を65℃まで加熱し且つ前記のように徐々に冷却することによっ てアニーリングして二本鎖(自己相補型)にした。オリゴヌクレオチド100n Mを、コンフルエントのヒト初代臍帯内皮細胞(HUVEC)と一緒に96ウェ ルプレート中において37℃で18時間インキュベートした。TNF−α(10 0u/ml)またはLPS(100ng/ml)を細胞に加え且つ更に18時間 インキュベートした。細胞表面VCAM−1およびICAM−1発現を、VCA M−1およびICAM−1抗体(R & Dシステムズ、ミネアポリス MN) を用いてELISAによって判定した。VCAM−1のkB結合部位の部分を含 む自己相補的ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ICAM−1発現と比 べてVCAM−1発現を選択的に下方制御する。これを表2に示す。 配列番号:5を更に、ホスホジエステル主鎖を有するもの、およびヌクレオチ ド糖の2′位にメトキシ(2′−O−メチル)基を有するホスホロチオエートと して合成した。これらを、ホスホロチオエートデオキシ配列と比較した。オリゴ ヌクレオチドを65℃まで加熱し且つ徐々に冷却して鎖をアニーリングさせた。 オリゴヌクレオチド(100nM)を96ウェルプレート中においてDOTMA /DOPE混合物7μg/ml存在下でHMECと一緒に4時間インキュベート した。TNF−α(100u/ml)を細胞に加え且つ更に18時間インキュベ ートした。細胞表面VCAM−1およびICAM−1発現を、VCAM−1およ びICAM−1抗体を用いるELISAによって判定した。結果を表3に示す。 実施例4 VCAM転写のオリゴヌクレオチド妨害転写因子結合に対する競合: TNF−α処理されたHUVEC細胞において、VCAM−1 KL配列に対 して選択的に結合するタンパク質が誘導されることが示されている。配列番号: 5は、ゲルシフト検定により、この転写調節タンパク質の結合に対してVCAM −1遺伝子上の天然KL配列と競合することが分った。 オリゴヌクレオチド処理後のVCAM−1転写活性のCAT検定: クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子に対して インフレームで融合したVCAM−1転写開始部位の上流の288ヌクレオチド を包含するCATリポータープラスミドを、配列番号:5または変更されたKL 結合領域を有するこのオリゴヌクレオチドの突然変異型の存在下または不存在下 において、標準的なリン酸カルシウムトランスフェクション技術を用いてヒトH MEC細胞中にトランスフェクトした。細胞をTNF−α(100u/ml)に よって約48時間処理し、そして細胞質ゾル抽出物を調製した。CAT活性は、 薄層クロマトグラフィーによって判定し且つクロラムフェニコールのそのアセチ ル化型への変換の百分率として表わされた。結果を表4に示す。 これらの結果は、配列番号:5が、TNF−αによるVCAM−1転写の誘導を 阻害することを示唆している。実施例5 VCAM−1、ICAM−1およびE−セレクチン発現に対するキメラ多様式オ リゴヌクレオチドの作用 : 多様式の典型的なキメラオリゴヌクレオチドを更に製造した。キメラオリゴヌ クレオチドの第一領域は、転写調節因子を結合するVCAM−1コーディング遺 伝子の左部位からの配列を有する二本鎖DNAである。オリゴヌクレオチドの第 二領域は、VCAM−1に対する有意の伝統的アンチセンス活性を有することが 発明者らの一人に知られている配列を有するDNAを含む。本明細書中にそのま ま援用される1991年7月23日出願のPCT特許出願第PCT/US91/ 05209号明細書および1993年1月21日出願の米国特許出願第007, 997号明細書を参照されたい。オリゴヌクレオチドの二つの領域を連結領域に よって互いに結合する。下記のオリゴヌクレオチド(配列番号:8)を製造した 。肉太活字は、転写調節因子を結合する二本鎖ホスホロチオエートDNAを示し 、下線部分は、VCAM−1 mRNAとのアンチセンス相互作用のための配列 を有するホスホロチオエートDNAを意味し、そして普通活字は、連結領域かま たは安定性のために含まれた治療的に無効の配列であるDNAかまたはRNAを 示す。 この実施態様において、二本鎖調節因子結合領域(肉太活字)およびアンチセ ンス鎖の領域(下線)は、ホスホロチオエート主鎖を有するように合成された。 連結領域およびアンチセンス領域のセンス鎖を含む残りのヌクレオチドは、野生 型ホスホジエステルヌクレオチド間結合を有した。この多様式オリゴヌクレオチ ドを予備実験において評価して、HUVEC細胞におけるTNF−α誘導VCA M−1発現に対する10nMオリゴヌクレオチドの作用を比較した。 オリゴヌクレオチドを65℃まで加熱し且つ徐々に冷却して鎖をアニーリング させた。オリゴヌクレオチド[多様式(配列番号:8)、自己相補的単分子(配 列番号:5)および突然変異KL部位を有する配列番号:5の突然変異型]10 nMおよびリポフェクチン7μl/mlを、96ウェルプレート中においてOP TIMEAMで洗浄されたコンフルエントの初期継代初代HUVE細胞に対して 加えた。5時間後、ウェルを洗浄し、そして20%FCS/DMEMを2時間加 えた。次に、TNF−α 100u/mlを加えた。更に18時間後、VCAM −1またはICAM−1の細胞表面発現を、商業的に入手可能なICAM−1お よびVCAM−1に対する抗体を用いる生細胞でのELISA検定によって判定 した。表5に示された結果は、それぞれの点についての三重反復検定の平均であ る。 この予備実験は、VCAM−1転写因子KL結合部位を含む自己相補的オリゴヌ クレオチド(配列番号:5)がVCAM−1発現を阻害しなかった極めて低い濃 度において、該KL部位およびVCAM−1を標的としたアンチセンス領域の両 方を含む多様式オリゴヌクレオチド(配列番号:8)は、VCAM−1発現を約 27%阻害したことを実証した。これは、多様式オリゴヌクレオチドが、転写因 子結合部位のみを含むオリゴヌクレオチドよりもなお一層有効でありうることを 示唆している。実施例6 他のVCAM−1調節配列を含むオリゴヌクレオチド : ヒトVCAM−1からのGATA配列要素を含む二本鎖オリゴヌクレオチドを ホスホロチオエートとして合成した。配列は以下の通りである。 同一のGATA配列を含む単分子自己相補的オリゴヌクレオチドを更に合成し た。 更に、ヒトVCAM−1から近いets配列を含む二本鎖オリゴヌクレオチド を合成した。 これらのオリゴヌクレオチドを最適条件下(HUVE細胞が75%コンフルエン トであったこと以外は前の実施例と同様)において調べた。結果をTNF−α誘 導後の発現の阻害の百分率として表6に表わす。 更に、この実験において、配列番号:5が最適条件下においてVCAM−1、 ICAM−1およびE−セレクチン発現を阻害する能力について1nM〜100 nMの濃度で調べた。その結果もまた表6に示す。これらのデータは、100n Mにおいて配列番号:5がVCAM−1およびE−セレクチン誘導の両方を完全 に阻止し、ICAM−1の阻害は僅か37%であることを示している。更に低い 濃度では、VCAM−1はなお50%より大きく阻止されるが、E−セレクチン にもICAM−1にも効果はない。 二分子ets若しくはGATAオリゴヌクレオチドまたは単分子自己相補的G ATAオリゴヌクレオチドのいずれの濃度においても、VCAM−1発現は70 %より大きく阻害され、E−セレクチンまたはICAM−1のどちらの阻害も0 〜40%である。 したがって、「天然」VCAM−1エンハンサー要素を含むオリゴヌクレオチ ドは、共通調節配列を有するオリゴヌクレオチドなどによって予期されなかった 特異性および選択性を伴ってVCAM−1発現を調節することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年6月1日 【補正内容】差し替え用紙第38/1頁の翻訳文 8.血管細胞接着分子がE−セレクチンである請求項1に記載の方法。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年11月17日 【補正内容】差し替え用紙第40頁の翻訳文 18.アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を治療する方法であって、 アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を有する動物に対して、配列番号1 、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の内の一つを有する オリゴヌクレオチド部分の治療的有効量を投与することを含む方法。 19.転写調節因子を結合する遺伝子のDNA配列の少なくとも一部分の配列 と同一の配列を含むオリゴヌクレオチド部分であって、該遺伝子が血管細胞接着 分子をコードすることを特徴とするオリゴヌクレオチド部分。 20.血管細胞接着分子がVCAM−1である請求項19に記載のオリゴヌク レオチド部分。 21.転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびG ATAから成る群より選択される請求項20に記載のオリゴヌクレオチド部分。 22.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、KL、KR、AP−1結合部位、ets結合部位、GATA結合部位および 八量体結合部位から成る群より選択される請求項20に記載のオリゴヌクレオチ ド部分。 23.血管細胞接着分子がICAM−1である請求項19に記載のオリゴヌク レオチド部分。 24.転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1、Sp− 1、AP−2、AP−3およびインターフェロンから成る群より選択される請求 項23に記載のオリゴヌクレオチド部分。 25.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、CAT配列 、kB結合部位、AP−1結合部位、Sp−1結合部位、AP−2結合部位、A P−3結合部位およびインターフェロン反応要素から成る群より選択される請求 項23に記載のオリゴヌクレオチド部分。 【手続補正書】 【提出日】1996年5月7日 【補正内容】 請求の範囲 1. 転写調節因子を結合する遺伝子のDNA配列の少なくとも一部分の配列と 実質的に同一の配列を含むオリゴヌクレオチド部分であって、該遺伝子が血管細 胞接着分子をコードすることを特徴とするオリゴヌクレオチド部分。 2. 血管細胞接着分子がVCAM−1である請求項1に記載のオリゴヌクレオ チド部分。 3. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびGA TAから成る群より選択される請求項2に記載のオリゴヌクレオチド部分。 4. 転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部位 、KL、KR、AP−1結合部位、ets結合部位、GATA結合部位および八 量体結合部位から成る群より選択される請求項2に記載のオリゴヌクレオチド部 分。 5. 血管細胞接着分子がICAM−1である請求項1に記載のオリゴヌクレオ チド部分。 6. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1、Sp−1 、AP−2、AP−3およびインターフェロンから成る群より選択される請求項 5に記載のオリゴヌクレオチド部分。 7. 転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、CAT配列、 kB結合部位、AP−1結合部位、Sp−1結合部位、AP−2結合部位、AP −3結合部位およびインターフェロン反応要素から成る群より選択される請求項 5に記載のオリゴヌクレオチド部分。 8. 血管細胞接着分子がE−セレクチンである請求項1に記載のオリゴヌクレ オチド部分。 9. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびNF −ELAM1から成る群より選択される請求項8に記載のオリゴヌクレオチド部 分。 10. 転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、逆方向CCAAT配列、AP−1結合部位およびNF−ELAM1結合部位 から成る群より選択される請求項8に記載のオリゴヌクレオチド部分。 11. オリゴヌクレオチド部分のヌクレオチド単位間の結合基の少なくとも一 つがホスホロチオエート結合基である請求項1に記載のオリゴヌクレオチド部分 。 12. 配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号 :5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号: 10、配列番号:11および配列番号:12から成る群より選択される請求項1 に記載のオリゴヌクレオチド部分。 13. 遺伝子の発現を調節するためのキメラオリゴヌクレオチドであって、該 遺伝子の配列が転写調節因子を結合する該遺伝子配列の少なくとも一部分と実質 的に同一である配列を有する第一領域、および該遺伝子に由来するpre−mR NAのスプライシング領域または該遺伝子に由来するmRNAと特異的にハイブ リッド形成しうる第二領域を含むことを特徴とするキメラオリゴヌクレオチド。 14. 遺伝子の発現を調節するためのキメラオリゴヌクレオチドであって、該 遺伝子の配列が転写調節因子を結合する該遺伝子配列の少なくとも一部分と実質 的に同一である配列を有する第一領域、および該遺伝子に由来するpre−mR NAのスプライシング領域と特異的にハイブリッド形成しうる第二領域を含むこ とを特徴とするキメラオリゴヌクレオチド。 15. 前記キメラオリゴヌクレオチドの少なくとも一部がヌクレアーゼ分解に 対して安定化されている請求項13または14に記載のキメラオリゴヌクレオチ ド。 16. オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単位間の結合基の少なくとも一つが ホスホロチオエート結合基である請求項15記載のキメラオリゴヌクレオチド。 17. 血管細胞接着分子をコードする遺伝子の発現を調節する方法であって、 転写調節因子を結合する結合配列を有する該遺伝子の一部分を選択し;そして 該遺伝子を含む細胞を、請求項1−16のいずれかに記載のオリゴヌクレオチ ド部分と接触させることを含む方法。 18. ある選択された遺伝子の発現に関与する疾患を有すると疑われる哺乳動 物を治療する方法であって、該哺乳動物に対して薬学的に許容しうる担体または 希釈剤中の、請求項1−16のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド部分を投与 することを含む方法。 19. 細胞中のVCAM−1の発現を調節する方法であって、該細胞を、配列 番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の内の一つを 有するオリゴヌクレオチド部分のVCAM−1阻害量と接触させることを含む方 法。 20. アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を治療する方法であって、 アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を有する動物に対して、配列番号1 、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の内の一つを有する オリゴヌクレオチド部分の治療的有効量を投与することを含む方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 48/00 9051−4C A61K 48/00 C07H 21/04 8615−4C C07H 21/04 B C12N 5/06 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9281−4B C12N 5/00 E //(C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ベネット,クラレンス・フランク アメリカ合衆国カリフォルニア州92008, カールズバッド,ベールウッド・アベニュ ー 2613

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 血管細胞接着分子をコードする遺伝子の発現を調節する方法であって、 転写調節因子を結合する結合配列を有する該遺伝子の一部分を選択し;そして 該遺伝子を含む細胞を、該遺伝子の該結合配列の少なくとも一部分と配列が実 質的に同一であるオリゴヌクレオチド部分と接触させることを含む方法。 2. 血管細胞接着分子がVCAM−1である請求項1に記載の方法。 3. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびG ATAから成る群より選択される請求項2に記載の方法。 4. 転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、KL、KR、AP−1結合部位、ets結合部位、GATA結合部位および 八量体結合部位から成る群より選択される請求項2に記載の方法。 5. 血管細胞接着分子がICAM−1である請求項1に記載の方法。 6. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1、Sp− 1、AP−2、AP−3およびインターフェロンから成る群より選択される請求 項5に記載の方法。 7. 転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、CAT配列 、kB結合部位、AP−1結合部位、Sp−1結合部位、AP−2結合部位、A P−3結合部位およびインターフェロン反応要素から成る群より選択される請求 項5に記載の方法。 9. 転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびN F−ELAM1から成る群より選択される請求項8に記載の方法。 10.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、逆方向CCAAT配列、AP−1結合部位およびNF−ELAM1結合部位 から成る群より選択される請求項8に記載の方法。 11.前記オリゴヌクレオチド部分がDNAの二本の相補鎖を含む請求項1に 記載の方法。 12.DNAの二本の相補鎖が共有結合によって架橋されている請求項11に 記載の方法。 13.前記オリゴヌクレオチド部分が一本鎖の自己相補的核酸を含む請求項1 に記載の方法。 14.自己相補的核酸鎖が共有結合によって架橋されている請求項13に記載 の方法。 15.オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単位間の結合基の少なくとも一つが ホスホロチオエート結合基である請求項1に記載の方法。 16.前記調節を遺伝子の転写の阻害によって行う請求項1に記載の方法。 17.細胞中のVCAM−1の発現を調節する方法であって、該細胞を、配列 番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の内の一つを 有するオリゴヌクレオチド部分のVCAM−1阻害量と接触させることを含む方 法。 18.アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を治療する方法であって、 アテローム硬化症、再狭窄または炎症性疾患を有する動物に対して、配列番号1 、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の内の一つを有する オリゴヌクレオチド部分の治療的有効量を投与することを含む方法。 19.転写調節因子を結合する遺伝子のDNA配列の少なくとも一部分の配列 と実質的に同一の配列を含むオリゴヌクレオチド部分であって、該遺伝子が血管 細胞接着分子をコードすることを特徴とするオリゴヌクレオチド部分。 20.血管細胞接着分子がVCAM−1である請求項19に記載のオリゴヌク レオチド部分。 21.転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびG ATAから成る群より選択される請求項20に記載のオリゴヌクレオチド部分。 22.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、KL、KR、AP−1結合部位、ets結合部位、GATA結合部位および 八量体結合部位から成る群より選択される請求項20に記載のオリゴヌクレオチ ド部分。 23.血管細胞接着分子がICAM−1である請求項19に記載のオリゴヌク レオチド部分。 24.転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1、Sp− 1、AP−2、AP−3およびインターフェロンから成る群より選択される請求 項23に記載のオリゴヌクレオチド部分。 25.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、CAT配列 、kB結合部位、AP−1結合部位、Sp−1結合部位、AP−2結合部位、A P−3結合部位およびインターフェロン反応要素から成る群より選択される請求 項23に記載のオリゴヌクレオチド部分。 26.血管細胞接着分子がE−セレクチンである請求項19に記載のオリゴヌ クレオチド部分。 27.転写調節因子が、NF−kBファミリーのメンバー、AP−1およびN F−ELAM1から成る群より選択される請求項26に記載のオリゴヌクレオチ ド部分。 28.転写調節因子を結合するDNA配列が、TATAボックス、kB結合部 位、逆方向CCAAT配列、AP−1結合部位およびNF−ELAM1結合部位 から成る群より選択される請求項26に記載のオリゴヌクレオチド部分。 29.DNAの二本の相補鎖を含む請求項19に記載のオリゴヌクレオチド部 分。 30.DNAの二本の相補鎖が共有結合によって架橋されている請求項29に 記載のオリゴヌクレオチド部分。 31.一本鎖の自己相補的核酸を含む請求項19に記載のオリゴヌクレオチド 部分。 32.自己相補的核酸鎖が共有結合によって架橋されている請求項31に記載 のオリゴヌクレオチド部分。 33.オリゴヌクレオチド部分のヌクレオチド単位間の結合基の少なくとも一 つがホスホロチオエート結合基である請求項19に記載のオリゴヌクレオチド部 分。 34.配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号 :5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号: 10、配列番号:11および配列番号:12から成る群より選択される請求項1 9に記載のオリゴヌクレオチド部分。 35.遺伝子の発現を調節するためのキメラオリゴヌクレオチドであって、該 遺伝子の配列が転写調節因子を結合する該遺伝子配列の少なくとも一部分と実質 的に同一である配列を有する第一領域、および該遺伝子に由来するpre−mR NAのスプライシング領域または該遺伝子に由来するmRNAと特異的にハイブ リッド形成しうる第二領域を含むことを特徴とするキメラオリゴヌクレオチド。 36.前記第一および第二領域がヌクレアーゼ分解に対して安定化されている 請求項35に記載のキメラオリゴヌクレオチド。 37.前記第一および第二領域が、細胞性ヌクレアーゼの基質である連結領域 に隣接している請求項35に記載のキメラオリゴヌクレオチド。 38.前記細胞性ヌクレアーゼがRNAseHまたはDNAseである請求項 37に記載のキメラオリゴヌクレオチド。 39.前記第一および第二領域が、細胞性ヌクレアーゼの基質である連結領域 に隣接し且つ該第一および第二領域がヌクレアーゼ分解に対して安定化されてい る請求項36に記載のキメラオリゴヌクレオチド。 40.前記細胞性ヌクレアーゼがRNAseHまたはDNAseである請求項 39に記載のキメラオリゴヌクレオチド。 41.前記第一および第二領域が、該領域のヌクレオチド単位間のホスホロチ オエート結合基によって安定化されている請求項39に記載のキメラオリゴヌク レオチド。 42.遺伝子の発現を調節するためのキメラオリゴヌクレオチドであって、該 遺伝子の配列が転写調節因子を結合する該遺伝子配列の少なくとも一部分と実質 的に同一である配列を有する第一領域、該遺伝子に由来するpre−mRNAの スプライシング領域と特異的にハイブリッド形成しうる第二領域、および該遺伝 子に由来するmRNAと特異的にハイブリッド形成しうる第三領域を含むキメラ オリゴヌクレオチド。 43.前記第一、第二および第三領域のそれぞれが、代謝分解に対して安定化 されており且つ代謝分解に対して不安定な連結領域に隣接している請求項42に 記載のキメラオリゴヌクレオチド。 44.ある選択された遺伝子の発現に関与する疾患を有すると疑われる哺乳動 物を治療する方法であって、該哺乳動物に対して薬学的に許容しうる担体または 希釈剤中のオリゴヌクレオチド部分を投与することを含み、該オリゴヌクレオチ ド部分は、転写調節因子を結合する該遺伝子の配列の少なくとも一部分の配列と 実質的に同一のヌクレオチド配列を含むことを特徴とする方法。
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