JPH09500805A - 液体塗布用器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 相互に液の流通可能な対向した第一および第二の開口端部（１８、２０）を有する筒状の本体（１０）と、該第一開口端部に取り付けられていて多孔質材料を有する先端チップ部（１２）を有する液塗布用器具。密閉され破砕可能なアンプル（１６）が、塗布用液を内臓し、本体の前記第二開口端部（２０）内に保持されている。前記本体の第二開口端部（２０）には、キャップ（１４）が取り付けられており、該キャップ（２０）は、アンプル（１６）を破砕するために、本体の軸方向に保管状態位置と使用状態位置の間を動き得るようにしてある。ただし、該キャップ（１４）は、本体に保持されていて、保管状態位置からも使用状態位置からも本体の第二開口端部の方向に向けては移動し得ないようにロックされている。

Description

【発明の詳細な説明】 液体塗布用器具 関連する特許出願 この出願は、米国特許出願N0．80/101,581（出願日：１９９３年８月３日）の 一部継続出願である。 発明の技術背景 １．技術分野 この発明は、液体を塗布する器具に関し、更に詳しくは、液体を内臓している アンプルと、塗布に際してアンプルを破砕するアンプル破砕手段を備えている、 使い捨てタイプのアンプル内臓型の液体塗布用器具に関する。 ２．従来の技術 ガラス製のアンプルを内臓し、アンプルに向けて設けられた綿棒または先端チ ップと、アンプル破砕手段とを有していて、アンプルを破砕してアンプル内の液 を先端チップに供給して塗布する構成とした円筒構造の液体塗布器具は知られて いる。 しかし、この種の従来の装置は多くの問題を有している。 例えば、装置が必要以上に多くの可動部品で構成されているために、使い捨て 器具とするには高価なものとなり、また、使用者は、使用時にアンプルを破砕し て液を流出させるのに両手を使用しなければならない。 多くの場合、消毒液や薬液の液体デスペサーの使用に際しては、使用者は、一 方の手で処置すべき身体の部分を露出させたり位置決めしながら、他方の手でデ スペンサーを準備し、液体の塗布をおこなうことが必要となる。 したがって、このような実際的な使用を可能にするためには、使用者が片方の 手のみを使って、塗布器具の準備およびその使用 ができるようにすることが、極めて重要である。 また、従来の液体塗布器具の場合、器具に使用されているパッドは比較的広い 範囲（面）に液体を塗布する場合に利用できるものであり、所定の処置個所に少 量の液を正確に塗布する場合には利用できないという問題がある。 正確な位置に少量の液を塗布しようとする場合、不用意に周囲に液を付けるこ となく正確に塗布するために、折った楊枝が使用されることが知られている。 極めて狭い部分に液を塗布するための特殊な液塗布器具の使用例としては、あ る種のＨＰＶ（乳頭腫ウイルス）によって引き起こされたり、あるいは性器異常 形成や悪性腫瘍に強く関係する、外方に増殖する外性器疾患あるいは肛門周囲炎 等の処置がある。 現状では、ＨＰＶを根絶する治療法は見出されていない。したがって、治療の 目的は、ＨＰＶの根絶というよりは、増殖する乳頭部を取り去って症状を改善す ることである。 一般に、治療法としては液体窒素による寒冷療法がある。冷凍ゾンデ法は、外 性器疾患や外痔に対して使用される治療法である。 他の治療法としては、これらに限らないが、ポドフィロックスやポドフィロト キシン（例：商標名"C0NDYLOX"：Oclassen Pharmaceuticals Inc.の市販品）、 硝酸銀、アルコール、ＴＣＡ（トリクロ酢酸）、ポドフイリン、あるいはフルオ ロウラシル（例：商標名"EFUDEX"）等を含む種々の液体で処理する方法がある。 前記の通りで、これらの治療法を外性器疾患や外痔の治療に施す場合には、薬 液が腫瘍以外の周囲部分に付くのを避けるために折った楊枝や綿棒が使用される ことが知られている。 しかしながら、楊枝に保持させる液の量を調整することは困難であり、また、 綿棒を使用して周りの皮膚に付けないように薬液 を小さな腫瘍（いぼ）に正確に塗布することは困難である。 使用される多くの薬物は、付着すると激しい刺激性を伴うものであるので、大 雑把な塗布方法は望ましいことではない。 発明の開示 この発明は、所定個所に液を塗布する際に、一方の手を自由にした状態で、片 方の手のみで使用することができる、使用が簡単な、使い捨てタイプの液体塗布 用器具を提供することを目的とする。 また、この発明の他の目的は、周囲に液を付着させることなく所定個所に極め て小量で且つ制御された量の液を正確に塗布することを可能にする液塗布用器具 を提供することにある。 この発明の更に他の目的は、簡単に使用でき、且つ、使用者が塗布器具内の液 の量を外部から目視で確認でき、塗布器具からの液の流出をコントロールするこ とができる液塗布用器具を提供することにある。 この発明の上記目的および本発明の好ましい実施例の説明で明らかにされるそ の他の目的にしたがい、液体塗布用器具は、対向して設けられていて液の流通が 可能な第一開口端部と第二開口端部を有する長円筒形の本体と、この本体の第一 開口部に取り付けられた先端チップ部とを有し、該先端チップ部はこれを通して 器具内の液が流出し塗布されるように多孔質部材を有している。 密閉されていて、破砕可能なアンプルが第二開口端部に保持されており、この アンプルには塗布される液が内蔵されている。本体の第二開口端部には、キャッ プが取り付けられていて、このキャップは本体に対して軸方向に器具の保管状態 位置と使用状態位置との間を移動可能にしてある。 本体側に前記キャップを保持し、且つ、使用状態位置から保管 状態位置へのキャップの動きを止めるロッキング手段が設けられている。液塗布 用器具の前記ロッキング手段は、本体の第二開口端部近傍に軸方向に離間して設 けられた一対のロック面と、前記キャップに設けられた係止面と、および該係止 面を前記ロック面に向けて押し付ける押圧手段とを有しており、前記係止面は、 キャップを使用状態位置に向けて移動させるときは前記ロック面に対して移動可 能であり、ロック面と係合して保管状態位置からも使用状態位置からもキャップ が本体の第二開口端部に向けて動かないようにする。 キャップが器具保管状態位置から使用状態位置に動かされると破砕手段により アンプルが破砕され、アンプル内の液が流出し、本体を介して先端チップ部に流 れる。 本発明に従って構成された液塗布用器具は多くの利点を有している。例えば、 本体に内臓したアンプルを、使用時にキャップを器具保管状態位置から使用状態 位置に移動させる際に破砕するという、比較的簡単な構造としているので、簡便 な使用に適し、且つ、片手での操作が可能な液塗布用器具を得ることができる。 更に、器具使用状態位置からのキャップの動きを防止する手段を備えているこ とにより、塗布器具内の液が無くなった後に再使用がなされないよう確認するこ とが可能になる。 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して詳細に説明する 。 図面の簡単な説明 図１は、この発明の好ましい実施例に従って構成された第一の液体塗布用器具 の斜視図である。 図２は、前記第一の液体塗布用器具の断面側面図であり、器具が保管状態位置 にある状態を示す。 図３は、前記第一の液体塗布用器具の断面側面図であり、キャップが器具保管 状態位置から使用状態位置に移動されている状態を示す。 図４は、前記第一の液体塗布用器具の断面側面図であり、キャップが使用状態 位置にある状態を示す。 図５は、前記第一の液体塗布用器具の側面図である。 図６は、本体の平面図である。 図７は、キャップの側面図である。 図８は、キャップの底面図である。 図９は、キャップの図８の９−９線断面図である。 図１０は、前記第一の液塗布用器具の部分断面図であり、先端チップ部の変更 例を示す。 図１１は、本発明の好ましい実施例である第二の液塗布用器具の斜視図である 。 図１２は、前記第二の液体塗布用器具の断面側面図であり、器具が保管状態位 置にある状態を示す。 図１３は、前記第二の液体塗布用器具の断面側面図であり、キャップが器具保 管状態位置から使用状態位置に移動されている状態を示す。 図１４は、前記第二の液体塗布用器具の断面側面図であり、キャップが使用状 態位置にある状態を示す。 図１５は、前記第二の液体塗布器具の正面図である。 図１６は、前記第二の液体塗布器具の側面図である。 図１７は、前記第二の液体塗布器具の平面図である。 図１８は、図１５の１８−１８線断面図である。 図１９は、キャップの正面図である。 図２０は、キャップの平面図である。 図２１は、キャップの側面図である。そして、 図２２は、キャップの底面図である。 発明を実施するための形態 この発明の好ましい実施例に基づき構成された第一の液塗布用器具を図１〜図 ９に示す。 この液塗布用器具は、一般には縦長の本体１０、該本体の一方の端部に取り付 けられた先端チップ部１２、および該本体の他方の端部に支持されているキャッ プ部１４を有している。 図２に示すように、この液塗布用器具は、更に、密閉されており破砕可能なア ンプル１６を有し、該アンプルは使用される液を内蔵して前記キャップの近傍の 本体の端部内に保持されている。 縦長な本体１０は、一般には円筒形をなし、第一開口端部１８と第二開口端部 ２０を有し、これらの開口端部間は本体を介して相互に液の流通が可能にされて いる。 本体は、使用中に本体内の液体の監視ができるよにするために、好ましくは、 透明な材料で作られる。 本体の第一開口端部１８は、好ましくは、先端チップ部１２に向けてテーパ状 に形成して、使用者がこの液塗布器具を取り扱う場合の握り部２２とする。 不要意に周囲に液を付けることなく特定の狭い個所への正確な液塗布をするた めに使用者が液塗布器具を気楽に取扱い得るように、この握り部の形状は、筆記 用ぺンのそれに似た形状とする。 本体の中間部分２４は、好ましくは、第二開口端部に向けて且つ外方に向けて 連続したテーパ状に形成されていて、第二開口端部２０の拡大された端部２８を 作る階段部２６を有している。 図５に示すように、前記拡大された端部に沿った本体の外周部には、軸方向に 離間して一対の段付部３０、３２とその間に延び る傾斜面部３４が設けられている。 図２において、本体の前記拡大端部の内周側には、一対の突起部またはフィン 部３６が形成されていて、これらは該拡大端部２８内でのアンプルの自由な動き と干渉し合う充分な距離を持って本体の第二開口端部に向けて軸方向に延びてい る。 フィン部３６は、後述するように、テーパ状部２６から本体の第二開口端部に 向けて軸方向に延びていて、液塗布器具が保管状態にあるときはアンプルとは軸 方向に離間している。 図６に示すように、フィンは本体の軸方向に関してそれぞれ約９０°ずらされ て設けられている。 キャップ１４は、図９に示すように、円形端壁３８と、該円形端壁に結合され た第一端部と自由端である第二端部を有する筒状側壁４０でなり、該側壁４０の 径は、本体の第二開口端部２０を受け入れる大きさにしてある。また、このキャ ップは、塗布器具の本体内にアンプルを保持するためのアンプル受け手段を有す る。このアンプル受け手段は、好ましくは、端壁３８に結合されて側壁の自由端 に向けて延びる内側管状スリーブ４２でなり、該内側管状スリーブ４２は、図２ に示すように、本体の第二開口端部に受け入れられる大きさをなし、キャップを 本体に取り付けたときに該第二開口端部が前記キャップの側壁と内側管状スリー ブとの間に受け入れられるよう構成されている。 図７に示すように、キャップ１４の管状側壁の自由端部には、切り込み部４６ によって相互に分離された軸方向に延びる多数個の耳部（タブ）４４が設けられ ている。 図８において、４個の耳部には、キャップの内側スリーブに向けてキャップ側 壁から内方に向けられ歯部４８が設けられ、この歯部４８は、図９においては、 平坦な内側端面５０と該端面５０ と自由端部との間の傾斜部５２を備えている。 先端チップ部１２は、好ましくは、図２に示されているように、多孔質でなる 縦長のピースを有し、本体内の液が該先端チップ部を通して塗布されるようにす る。好ましくは、該先端チップ部に用いられる材料としては、従来のフェルトマ ーカー（フェルトペン）などに用いられる材料が用いられ、特別は取付け手段を 用いずに本体の第一開口端部に直接挿入されている。この先端チップ部は、本体 部から延びる傾斜端部５４を有し、使用者においてハサミやナイフ等で所望の形 状に整えることができる。 先端チップ部の他の例を図１０に示す。 この例の先端チップ部は、本体の第一開口端部に保持されたチップサポート５ ６と、該サポートに固定された多孔質材料でなるパッド５８を有している。好ま しくは、前記サポートは本体内部とパッド部との間の液の流通を可能にするため の管路を有する。このパッド５８の形状は、医学的処理のための準備や清浄化の ために広い面積部分に消毒液を塗布する場合に使用できるようにするために、好 ましくは円形状にされる。 保管位置状態にある第一の液塗布用器具を図２に示す。 アンプル１６は、キャップ１４の内側スリーブ４２内に受け入れられ、キャッ プは該スリーブを本体の拡大端部内に位置させ且つその側面部を第二開口端部の 外周側に位置させて、本体１０の第二開口端部２０に被せられた状態で取り付け られている。 このようにして、キャップは本体の第二開口端部をカバーし閉鎖し、一方、先 端チップ部が第一開口端部を閉じている。 この位置にあるとき、前記キャップの歯部４８は本体の外周面に形成されてい る突出部３０に係合し、歯部の端面が前記突出部と係合することで、本体からの キャップの移動が防止されている。 このようにして、一度、組み立てられた塗布用器具は、ロック状態とされ分解さ れることがない。かくして、保管状態にある間、アンプル１６は比較的長期間に 亘り劣化することなく所望の液を貯蔵できる密閉容器となる。使用者は、塗布用 器具を使用する前に、キャップを図２に示す保管状態位置から本体に沿って軸方 向に、図４に示す最終の使用状態位置に向けて押し動かす。この移動の間に、図 ３に示すように、歯部４８を有するタブは突出部間の傾斜部３４により径方向外 方に押される。 キャップの側壁は、このタブの径方向外方への変位を許容し、続いて該タブを 径方向内方に押し付け力を発生させるに充分な弾性を有する材料で作られている 。 キャップが保管状態位置から使用状態位置に動かされると、アンプルの軸方向 内端部がフィン３６に対接し、該フィンとキャップの端面壁３８との間で圧縮さ れる。このようにして、アンプルが軸方向に圧縮される際には、フィンはアンプ ルの軸方向内側の部分に横方向の力を及ぼし、この横方向の力と、アンプル両端 部間の中間部に対接しているスリーブ４２の自由端部により生じる圧縮力とが均 衡し、これによりアンプルが破砕される。 キャップが使用状態位置にまで移動されると、図４に示すように、前記歯部４ ８が本体の突出部３２に係合し、キャップは使用状態位置にロックされ、保管状 態位置へのキャップの逆戻りが防止される。 キャップの前記内側スリーブと側壁との間には、ゴム等でなる弾性Ｏ−リング ６２が装着されていて、キャップが使用状態位置に動かされるときにキャップの 端壁面と本体の第二開口端部の端縁との間で該シール６２が圧縮される。 このＯ−リングが、キャップが使用状態位置にあるときにはキ ャップと本体との間を密閉するので、アンプルから放出される液が第二開口端部 から漏洩することが防止される。 アンプルが破砕されると、アンプル内の液６４が放出されて本体内を流動し得 る状態となる。 塗布用器具を図４に示すように垂直にすると、液は先端部分に流れ先端チップ 部に吸収され、しかる後、該先端チップ部を所定の面に接触させることで、該面 への液塗布がなされる。 もし、正確な点に充分な量の液を付けようとする場合には、本体が、好ましく は、薄壁のプラスチックのような弾性材料で作られているので、本体を単に圧縮 すればよく、そうすることにより先端チップ部を通して付着すべき個所の上に液 を絞り出して付着させることができる。 キャップを使用状態位置に動かし所定個所に液を塗布する全操作は片手だけを 使用しておこなうことができる。使用者は、容器である本体を指の間に挟持した 状態で、単に親指でキャップを動かすだけでよい。 このようにして、この塗布用器具の操作は、使用者が使い慣れている引っ込み 型ペンの操作と同様におこなうことができる。 更に、前記変形例の先端チップ部を使用する場合においても、操作は同様であ り、片手での操作が可能である。 この発明の好ましい実施例に基づく第二の液塗布用器具を図１１に示す。この 第二の液塗布用器具は、一般に、本体７０と、該本体の一端部に取り付けられる 先端チップ部７２と、および本体の反対側に支持されたキャップ７４を有してい る。 図１２に示すように、この塗布器具は、更に、キャップ近傍の本体部分に保持さ れていて、塗布用液を内臓して密閉された破砕可能なアンプルを有している。 この第二の液塗布用器具においても、アンプル破砕から液塗布までの間の操作 は片手でなし得る点、前記第一の液塗布用器具におけると同様であるが、この第 二の液塗布用器具では、より多量の液、例えば、消毒液、を医療手術を準備すべ き面に塗布する場合に利用できる大きな先端チップ部を採用している。 更に、第二の塗布用器具の本体は、塗布器具の一回の使用に要する量の液を含 むに充分な大きさのアンプルを受け入れる大きさをなしている。 本体７０は、一般には中空円筒形をなし、第一開口端部７８と第二開口端部８ ０を有し、これら端部間は本体を介して相互に液の流通が可能にしてある。 本体は、好ましくは、使用中に内部の液を見ることができるように、透明な材 料で作られる。好ましくは、図１１に示すように、本体は第一開口端部の近くに 傾斜部８２と、第一開口端部を取り巻く環状リム８４を有し、このリムは本体の 長手方向軸に対して傾斜して先端チップ部７２が取り付けられる支持面を構成し ている。なお、このリムの傾斜角度は、使用者が塗布器具の本体部を持ってこれ を水平面に対して約４５°傾斜させて、水平面に液を塗布をなし得るように選定 される。 図１６に示すように、本体の直径は、本体の傾斜部８２と第二開口端部８０と の間で階段状に拡張されて、三つの段部８６、８８、９０が形成されている。傾 斜部の近くの第一段部８６は、一般に円筒状をなし、その軸は本体の長手方向軸 から偏心し設けられている。 図１２に示すように、この第一の段部８６は多孔質壁９２を受ける座を構成し ている。 図１６において、第二の段部８８は円筒形をなし、その外周に は塗布器具の取扱を容易にするための若干個数の外周突出部９４が設けられてい る。 図１２に示すように、第二段部の内側には本体内のアンプルの自由な動きと干 渉し得る距離をもって径方向に本体内に突出する突出片またはフィン９６が設け られており、このフィン９６は第一段部９６から本体の第二開口端部に向けて延 び、塗布器具が保管状態にある場合にはアンプルから離間している。 フィンは、図１８に示すように、本体の長手方向軸に関して約９０°だけ相互 にずれた状態で設けられている。 図１５に本体の外側段部９０を示す。 段部９０は、他の段部８６、８８に比べてより大きな径を有している。図１２ に示すように、第二と第三の段部の境界部には本体の第二開口端部に向けて棚部 ９８が形成されていて、キャップ７４が使用状態位置に移動されるときに該キャ ップ７４に当接し、キャップが使用状態位置を越えて押し込まれるのを防止する ストッパーの役をなす。 本体の第二開口端部の内面には、両側に一対のスロット１００１０２が形成さ れ、軸方向に離間したロッキング面を構成している。このスロット１００、１０ ２は、本体の周方向に延び、図示の如く、本体壁を貫通して設けても、あるいは 、本体壁の内周面から本体壁の一部分にまで設けてもよい。 キャップは、図１１に示すように、円形端面１０６と、該端面に結続された第 一の端部と第二の自由端部を有する円筒状の側壁１０８を有している。 キャップは、図２１に示すように、前記側壁の自由端部の近傍に環状フランジ 部１１０を有す。 この環状フランジ部は、図１７に示すように、本体の外側段部 ９０に受け入れられる大きさをなし、図１４に示すように、使用状態位置におい て本体の棚部９８に着座してその間をシールする役をなす。 図１９において、複数個の指部１１２がキャップ７４の自由端から軸方向に延 出し、本体内にアンプルを保持するアンプル受け手段を構成している。 図１２に示されているように、キャップは中空であり、したがって、アンプル はキャップに入れられたときに端部壁１０６から該指部１１２の端部を越えて伸 びている。このようにして、アンプルは本体の長手方向軸に関して横方向への不 要な動きが抑制された状態で本体内に保持されている。 図２２に示すように、キャップの指部と側壁とは、アンプルの外径に実質的に 等しい同一内径をなし、したがって、アンプルはキャップ内に収まっている。 図１９に示されているように、キャップは円筒状側壁の自由端部に軸方向に延 出する一対のタブ１１４を有している。このタブは前記環状フランジ１１０の外 周側端縁に結合され端部壁１０６に向けて延びている。各タブは、自由端を有す る弾性アームを構成していてその自由端には係止面１１６が設けされている。 これらの係止面を図２０に示す。 好ましくは、係止面１１６は平坦かあるいは図１２に示すように、本体の軸に 対して横方向に延びる面に対して僅かに傾斜して設けられ、弾性アームの係止面 １１６がスロット１００、１０２に係合して保管状態位置あるいは使用状態位置 からキャップが本体の第二開口端部に向けて動かないようにしている。ただし、 各アームの外周面には、使用状態位置へのキャップの移動を容易にするために、 フランジ部と自由端部との間に傾斜面が設けられて いる。 好ましい先端チップ部７２を図１２に示す。この先端チップ部７２は、医療処 置（手術）に際して準備や清浄化される広い面積部分に消毒液を塗布する場合に 使用できるような多孔質の円形パッド１１８を有しており、本体のリム部８４に 接着等の適当な手段で取り付けられている。 図１２に、前記第二の液塗布用器具の保管状態を示す。 アンプル７６は、キャップ７４に受け入れられていて、該キャップは本体７０ の第二開口端部に装着されている。 この状態では、キャップのタブ１１４の係止面１１６は本体の内周面の軸方向 外側に設けられたスロット１００に係合し、キャップの本体からの抜け出しが防 止されている。かくして、一度、塗布器具が組立てられると、該器具は分解され ないロック状態とされる。 保管状態にある間は、アンプル７６は比較的長期にわたり任意の液を劣化させ ることなく貯蔵し得る密閉容器となっている。 この塗布用器具を使用する前に、使用者はキャップを本体に沿って軸方向に前 記保管状態位置から図１４に示す最終の使用状態位置に向けて押す。この動きの 間に、図１３に示されているように、タブ１１４はアームの傾斜面によって径方 向内方に押され、本体の内周面に対して摺動する。このタブは、アームを径方向 外方に連続的に押す力を生じさせるこの径方向の動きを許容するに充分な弾性を 有する材料で作られている。 キャップが保管状態位置から使用状態位置に移動すると、アンプルの軸方向内 側端部がフィン９６に当接され、該フィンとキャップ端面１０６との間で圧縮さ れる。 このアンプルの軸方向圧縮と同時に、フィンはアンプルの軸方向 内側端部に横方向の圧力を作用させる。 この横方向圧力は、キャップの指部１１２によって作用する等しく且つ反対向 きの圧力と均衡し、アンプルを破砕する。 キャップが使用状態位置にまで達すると、図１４に示されているように、係止 面１１６は本体の軸方向内側のスロット１０２と係合し、キャップが保管状態位 置に戻されないよう、キャップを使用状態位置に固定保持する。 ゴム等でなる弾性Ｏ−リング１２０をキャップのフランジ部と本体の棚部との 間に設け、キャップが使用状態位置に動くときに該シールが該フランジと棚部と の間で圧縮されて、キャップと本体との間をシールするようにすることもできる 。 アンプルが破砕されると、内蔵されていた液が放出され、本体内を流動し得る 状態になる。 多孔質壁体９２は、破損したアンプルを第二段部８８に保持しながら、液のチ ップ部への流れを可能にする。 もし、広い面積に充分な量の液を塗布する必要がある場合には本体が、好まし くは、弾性を示す薄肉のプラスチック等で作られているので、使用者は単に本体 を圧縮することができ、これにより液がチップ部を通して塗布面上に押しつけら れる。 以上、添付図面に示された好ましい実施例を参照して本発明を説明したが、請 求の範囲に記載の本発明の範囲から外れることなく、種々の置換や均等物の採用 は可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ， ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，Ｓ Ｅ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ブランドメイヤー，エイ．ジョゼフ アメリカ合衆国、カンサス 66208、プレ イリー ビレッジ、ダブリュ．87ティーエ イチ テラス 4606

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．本体を介して互いに液体の流通が可能な対向した第一および第二の開口端部 を有する縦長の中空状の本体と、 前記本体の第一開口端部に取り付けられ、本体内の液体を通過させて塗布さ せる多孔性材料を有する先端チップ部と、 前記本体の第二開口端部に支持され、流出すべき液を収容している密閉され た破砕し得るアンプルと、 本体の第二開口端部に支持されていて、前記本体に対して軸方向に保管状態 位置と使用状態位置の間で移動可能にされていてるキャップと、 前記本体に前記キャップを保持し且つ前記キャップの使用状態位置から保管 状態位置への動きを防止するロッキング手段と、 前記第二開口端部近傍の本体に形成された軸方向に離間した一対のロッキン グ面と、前記キャップに設けられた係止面と、および該係止面をロッキング而に 押圧する押圧手段とを有する前記ロッキング手段と、 前記キャップが使用状態位置に向けて移動されときに前記ロッキング面に対 して動くことができ、該ロッキング面に係合して前記キャップをロックして、そ の保管状態位置からも又その使用状態位置からも本体の第二開口端部に向けてに キャップの動きを防止する前記係止面と、および、 前記キャップが保管状態位置から使用状態位置に動かされるときに前記アン プルを破砕してアンプル内の液を本体を介して先端チップ部に流出させる破砕手 段とを有する液塗布用器具。 ２．前記本体が箇状をなし、且つ前記第一開口端部に向けてテーパ状にされてい て第二開口端部近傍が拡大されている請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ３．前記本体が該本体内の液体の監視を可能にする透明な材料で作られている請 求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ４．前記多孔性材料のチップ部が本体の第一開口端部に直接取り付けられている 請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ５．前記先端チップ部が本体にチップを支持する支持手段を有し該支持手段が第 一開口端部と該チップ部との間の液体の流通を可能にする通路を有している請求 の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ６．前記チップ部が、少量の液を正確に塗布するため尖ったテーパ状に形成して ある請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ７．前記アンプルがガラス製である請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ８．前記キャップが、本体内にアンプルを支持するためのアンプル受け手段を有 している請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 ９．前記本体が前記第二開口端部近傍に第二開口端部に向けて環状棚部を構成す る拡大径部分を有し、前記キャップが円形端部と、 該端部に接続された第一端部と第二自由端部とを有する円筒状側面と、およ び前記側面の両端部間に設けられた環状フランジ部とを有していて、該環状フラ ンジが該本体の前記拡大径部分に受け入れられる大きさである請求の範囲第８項 に記載の液塗布用器具。 10．前記キャップが使用状態位置にあるときに前記キャップと本体との間をシー ルするシール手段を有する請求の範囲第９項に記載の液塗布用器具。 11．前記シール手段が、前記環状棚部近傍の本体の拡大径部分に 保持されたＯ−リングを有し、キャップが使用状態位置に移動されたときに、該 Ｏ−リングが該キャップの環状フランジ部と本体の環状棚部との間で圧縮されて 液体シール部を構成するようにした請求の範囲第１０項に記載の液塗布用器具。 12．多孔質壁手段がアンプルと本体の第一開口端部との間に設けられ、破砕され たアンプルが本体内に保持されて且つ先端チップ部への液の流れが容易になされ るようにした、請求の範囲第１項に記載の液塗布用器具。 13．前記破砕手段が、本体の第二開口端部に向けて延出しアンプルからはキャッ プが保管状態位置から使用状態位置に移動される際ップ移動距離以下の距離を設 けられた突出部を有し、キャップの移動によりアンプルと該突出部とが相互に噛 み合わされてアンプルを破砕するようにした、請求の範囲第１項に記載の液塗布 用器具。 14．前記破砕手段が、本体に形成された突出部を有し、該突出部が本体の第二開 口端部に向けて径方向に延び、アンプルからはキャップが保管状態位置から使用 状態位置に移動される際のキャップ移動距離以下の軸方向距離をもって設けられ ていて、キャップの移動によりアンプルと該突出部とが相互に噛み合わされるよ うにしアンプルを破砕するようにした、請求の範囲第９項に記載の液塗布用器具 。 15．前記破砕手段が、二個の突出部を有し、該各突出部が本体の長手方向軸に関 して約９０°だけ相互にずらされて設けられている請求の範囲第１３項に記載の 液塗布用器具。