JPH09500288A - 磁石式積み木 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、人道的な事件あるいは空想の建造物および移植民地建造物を縮小して模擬して作るための磁石式積み木要素を持った磁石式積み木に関する。この基礎積み木は次の特性を持った磁石式積み木構成要素である。（ａ）形状はれんが寸法における直方体の形をしている。（ｂ）支持材料は普通の合成樹脂（例えばＡＢＳ樹脂）であり、磁石材料は磁化可能な熱プラスチックである。（ｃ）磁石式結合点は、軸対称に面を覆って配置された内側面と外側面とを持った正方形あるいは円形をしている。（ｄ）磁化は結合点の内側面および外側面が逆極性に磁化されるように行われ、結合すべき二つの面は正に逆に磁化された結合点を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 磁石式積み木 本発明は、主に玩具として利用するが教材としてもおよび又ば家の建造および 立案における設計を実例で示すためにも利用できる磁石式積み木に関する。 その積み木の個々の構成要素は磁力により互いに容易に連結／結合でき、十分 大きな力を与えることによって簡単に分解することもできる。従ってこの積み木 は非常に高い教育的遊戯価値のある建造物分野における単純で柔軟性のある普遍 的な玩具である。 永久磁石および又は磁石フィルムおよび又は金属小板が別個の部品として支持 材料（例えば木材あるいは合成樹脂）に取り付けられている磁石式玩具は既に知 られている。この場合永久磁石は普通は（事情によっては短絡板によって）軸方 向に磁化されているが、磁石フィルムは普通は縞模様（ストライプ状）に磁化さ れ、そのＮ磁極およびＳ磁極は交互に位置されている（第４図参照）。 現在公知の磁石式積み木の構成要素は公知の機械式積み木（例えばFisher Tec hnik社製の商品名：ＬＥＧＯ）に比べて非常に限られた結合柔軟性しか有してい ない。これは（ａ）構成要素の形状、（ｂ）利用された磁石材料、（ｃ）磁石作 用をする結合点の数、幾何学的形状および配置構造、（ｄ）結合点の磁化方式に 起因している。従ってこの磁石式積み木の構成要素は特に、家および建造物並び に機械、植物、動物および人間を本物そっくりに（縮小して）模擬して作ること には適用できない。詳しくは公知の磁石式積み木は多面的な建造物に適用される 形状（例えばＤＩＮ（ドイツ工業規格）・建造寸法）に合わせて形状づけること がほとんどできない。 永久磁石および磁石フィルムは重量、幾何学的形状、製造並びに機械的あるい は熱的な負荷について欠点がある（本件出願の出願人／発明者のドイツ連邦共和 国特許第４３０６５７３．２号明細書およびドイツ連邦共和国実用新案登録第９ ３０４１９８．５号明細書参照）。更に永久磁石を持った公知の積み木構成要素 は普通は表面に一つの磁石式結合点しか有していない。従って表面の大部分は磁 石式結合作用をしないので、全くあるいはほとんど「ずらして」建造することは できない。 表面全体が磁石式に結合作用をするようにするために、普通は縞模様に磁化さ れた磁石フィルムが利用されている（第４図参照）。これによって「ずらした」 建造を行うことができるが、積み木を縦・横結合することはできない。結合の多 様性には結合点（結合面）の幾何学的形状および磁化方式が大きく影響する。 積み木構成要素において一般に利用されている軸方向あるいは縞模様の磁化方 式は後述する本発明に基づく結合点の新規の磁化方式ほど多くの結合可能性を提 供しない。 ドイツ連邦共和国特許第２７０４２０４Ａ１号明細書において、「格子方式で 構成された差込み結合可能な構造物要素から成る建物を建てるための積み木」が 提案されている。そこでは磁石のない差込み方式が対象となっている。即ちそこ ではFisher Technik社製の商品名：ＬＥＧＯ、ＤＵＰＬＯの場合と同様に、結合 は純粋に機械式であり、本発明の場合には磁力が結合作用を生じさせる。これに よって（部分的に）他の積み木特性および遊戯特性が生じている。 ドイツ連邦共和国実用新案登録第８０２３６０９号明細書に、「少なくとも一 つの永久磁石を有し」、永久磁石および又は磁化可能な要素が合成樹脂から成る 積み木本体の表面に（部分的あるいは全面的に）はめ込まれている磁石式積み木 が記載されている。そこでは永久磁石の配置は、永久磁石が「積み木本体の終端 範囲に配置され、キャップの形をした差込み体にはめ込まれている」ことによっ て特徴づけられており、これは図面に明示されている。しかしそこでは、永久磁 石の軸対称的な配置あるいはその磁化方式について言及されていない。特に用語 でも図面でも、「ずらした」建造に対して重要な意味を持つ磁石式結合点の（ｎ ×ｍ）マトリックス配置（そのｎ、ｍは１より大きな自然数）についての言及が ない。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第１９４２３３３号明細書において、特に「少 なくとも積み木の一部が合成樹脂に埋設された永久磁石材料を有している」こと によって特徴づけられている「模型建造用の積み木セット」が提案されている。 更にそこでは「永久磁石は微粒子の形で基礎材料の中に分布され、一様な方向に 磁化されている。」。 しかしドイツ連邦共和国実用新案登録第８０２３６０９号明細書の場合と同様 に、永久磁石ないし永久磁石材料の軸対称的な配置あるいは精確な磁化方式につ いて言及されていない。そこに記載された積み木ではかみ合い結合による「ずら した建造」は同様にほとんどできない。 内輪と外輪との形に磁化する方式に関しては、ドイツ連邦共和国実用新案登録 第１７３７９００号明細書および同第１７８３３０２号明細書に既に非玩具工業 の保持磁石装置に対して記載されている。もっとも、ドイツ連邦共和国実用新案 登録第１７３７９００号明細書の場合に極の範囲が部分的に重なり合い、ドイツ 連邦共和国実用新案登録第１７８３３０２号明細書においてはｒ２＞ｒ１の要件 を含んでいないという点で幾つか相違している。 米国特許第３１９６５７９号明細書において、四つの部品から構成された磁石 式構成要素が提案されている。即ちその磁石式構成要素は、（１）下側面に４× ２の格子構造物を有し上側面が完全に開いている中空の直方体状の合成樹脂本体 、（２）下側面に対して機械式にはめ合わせ作用をする４×２の格子打ち抜き孔 を持った板金、（３）下側面の４×２の合成樹脂格子に接触している磁石小板、 （４）磁石小板の背面に設けられた薄い金属小板から成っている。機械的な４× ２の格子構造物のためにこの磁石式構成要素によってかみ合い結合でずらしても 建造することができる。 しかし本発明に対する主な相違点は、米国特許第３１９６５７９号明細書にお いて磁石材料が積み木・下側面に一様に分布され、４×２のマトリックス構造物 が板金および合成樹脂本体の下側面の機械的な格子構造物によってはじめて達成 されていることである。そこでもこの機械的な固定手段なしにずらしてかみ合い 結合で建造することはできない。これに対して本発明の場合、磁石材料自体は４ ×２のマトリックスとして（集中して）配置され、従って積み木は磁力だけで結 合され、ずらして配置され、従って機械式固定手段は要らない。 別の相違点は、米国特許第３１９６５７９号明細書の場合、磁石と金属との接 着が存在し、これに対して本発明の場合には磁石と磁石との接着が存在している ことである。更に磁化方式および磁極配置が異なっている。 本発明の目的は、上述した欠点を除去し、空想および現実の建造物を簡単に縮 小して建てることができるようにすることにある。 本発明によればこの目的は請求の範囲第１項の特徴部分に記載した手段によっ て達成される。 美しく且つ本物そっくりの印象を与えるようにするために、適当に着色するこ とが重要であり、例えばフェルツ地方、ワイングート産の雑食砂岩色の積み木が 価値がある。 形状に関係しては、信頼のあるＤＩＮ・建造寸法の比率が利用される。基本積 み木は長さＬ、幅Ｂ、高さＨについてＬ：Ｂ：Ｈ＝３：１．５：１の比率の直方 体にする。この基礎積み木の分割および又は数倍増によって簡単に他の積み木が 得られる（第２図）。例えば窓、扉、屋根あるいは建物正面を種々のスタイル（ Stilepochen）（例えばクラシック式、ローマ式、ユーゲント式）で作るために 、それぞれ他の形状も必要とされる。材料については一方では支持材料あるいは 充 填材料と他方では磁石材料とを区別しなければならない。 支持材料として普通の合成樹脂（例えば色付き）が適しており、これに対して 磁石材料としては次の材料から成る磁性／磁化可能な混合物が推奨される。即ち （ａ）合成樹脂、（ｂ）磁性／磁化可能な材料、（ｃ）場合によって他の添加物 （例えば染料）から成る磁性／磁化可能な混合物が推奨される。この例はここで は「合成樹脂磁石材料」あるいは「合成樹脂磁石」と呼ぶいわゆる「磁化可能な 熱プラスチック」である。既にドイツ連邦共和国実用新案登録第９３０４１９８ ．５号明細書に記載されているように、合成樹脂磁石材料の配置に関して多数の 方式が考えられる。「合成樹脂磁石」を採用することによって、造形に関して一 般の磁石材料よりも多くの自由度が得られる。これは磁石式結合点の形成および 積み木構成要素の機械的並びに熱的な堅牢性に対して重要な意味を持つ。つまり 特に結合の多様性に対しては磁石式結合点の数、配置および幾何学形状が重要で ある。縦・縦結合並びに縦・横結合ができるようにするために、正方形あるいは 円形のような軸対称および回転対称の結合点が推奨される。「ずらして」および 「規則正しく」建造するために、表面に一様に分布して軸対称に配置された多数 の結合点が必要とされる（第３図および第５図）。 結合点の数が多くなればなるほど、「細かくずらして」建造することができ、 その場合磁化様式も重要な意味を持つ。同性の極は互いに反発し、相対する極は 互いに吸引するので、Ｎ極・Ｓ極の分布は任意に選択できない。第６図は第５図 における結合点に対して可能なＮ極・Ｓ極の配置を示している。この磁化様式の 場合、結合の多様性は特に縦・横結合ができるので従来公知の磁石玩具の場合よ りも非常に増大する。しかし建造する際に常に積み木を正しく回転させることに 注意しなければならない。更に「次の結合点列」は常に反発し合うので、「その 次の結合点列」でしか結合できない。 これに対して、結合すべき二つの積み木面のすべての点が吸引されるような積 み木が理想的である。その場合、建造する際にＮ極・Ｓ極の分布について注意す る必要はない。このための方式は第１図に互いに入り組んだ正方形あるいは円形 の例で示されている。この場合、内側面および外側面は逆に磁化されている。結 合すべき二つの側面の結合点は正に相対して磁化されている。第１図に基づいて 基礎積み木の上側面および下側面しか磁化されていないとき、機械式のＬＥＧＯ ・積み木の場合と同じ結合能力を有する。追加的に直方体の側面（全部で六つ） が磁化されている場合、結合の多様性はＬＥＧＯ・積み木の場合より大きくなる 。側面の結合点は例えば、基礎積み木に横に特別なスタイルの建物正面積み木を 取り付けるときに有用である。できるだけ大きな保持力を得るために、積み木表 面における磁束密度が最大にされる。 希望される保持力に応じて、第１図におけるパラメータｄ１、ｄ２、ｄ３ない しｒ１、ｒ２、ｒ３およびｈが決められる。なおｒ１は内輪の半径、ｒ２は外輪 の内径、ｒ３は外輪の外径であり、ｄ１、ｄ２、ｄ３は正方形に対する対応した 寸法である。パラメータｈは磁石式結合点の高さである。ｄ３＝ｄ２＝ｄ１＞０ ないしはｒ３＝ｒ２＝ｒ１＞０である特殊な場合、磁気作用をする結合点として 一つの正方形ないし円形しか得られない（第３図および第５図参照）。このため に原理的にはそのような配置および磁化を許す公知のすべての磁石材料が利用で きる。即ち磁化可能な熱プラスチックだけに限定されない。 第１図、第２図、第３図および第５図は本発明の実施例を示している。 第１図は主な幾何学形状のパラメータｄ１、ｄ２、ｄ３ないしｒ１、ｒ２、r ３およびｈが付されている正方形のＮ・Ｓ極組（第１ａ図）および円形のＮ・Ｓ 極組（第１ｂ図）を有する磁石式結合点の軸対称配置を示した説明図、 第２図は基礎積み木（第２ａ図）、分割積み木（第２ｂ図）および数倍積み木 （第２ｃ図）の斜視図、 第３図は磁石式結合点が全側面に設けられている積み木（第３ａ図）および上 側面と下側面だけに設けられている積み木（第３ｂ図）の斜視図、 第４図は横縞模様（第４ａ図）および縦縞模様（第４ｂ図）に磁化する磁化方 式の説明図（Ｎ＝Ｎ極、Ｓ＝Ｓ極）、 第５図は正方形（第５ａ図）および円形（第５ｂ図）の磁石式結合点が設けら れている上側面の平面図、 第６図は第５図における正方形および円形の結合点における二つの有用なＮ極 ・Ｓ極配置の説明図である。 本発明の実施例は互いに結合できる種々の積み木要素を持った磁石積み木であ るので、これによって単純な家を本物そっくりに縮小して模擬して作ることがで きる。単純な一戸建て住宅あるいは集合住宅（庭付き／庭無し）の他に、例えば トリフル城（Burg Trifels）、ハンバッヒェル城（Hambacher Schloss）、ルー ドヴィッヒスホーヘ（Villa Ludwigshohe）、凱旋門（Arc de Triomphe）、アル ハンブラ宮殿（Alhambra）などのような文化史的価値のある私有および公共の建 築物を模擬建造するために特に利用できる。 このための基本積み木はＬ：Ｂ：Ｈ＝３：１．５：１例えば３０×１５×１０ ｍｍの比率の直方体である（第２図参照）。積み木の縁は勿論傾斜したり丸めた り、あるいは特別な作用例えば隠れた接合作用が達成できるように加工すること もできる。支持材料として普通の合成樹脂（例えば色付きのＡＢＳ樹脂）が選択 され、磁石材料として磁化可能な熱プラスチックが選択される。その上側面およ び下側面にそれぞれ、平らに埋設された８個の円形の磁石式結合点が軸対称に配 置され、各磁石式結合点は内輪と外輪とを有している。上側面において内輪はＳ 極として、外輪はＮ極としてそれぞれ磁化され、下側面においてそれと全く逆に 磁化されている（第１図参照）。 建物正面をできるだけ本物そっくりに模擬建造するために、基礎積み木の外側 面がそれに相応して形成される（即ち表面組織および色彩）か、あるいは基礎積 み木の外側面に追加的に、特別に形成された建物表面積み木がそこに（磁石式に ）取り付けられるように磁石式結合点が設けられる。後者の実施例は、同一の「 荒造り建物」において単純に且つ迅速に種々のスタイルの建物正面を遊び半分に 十分に吟味できるという利点を有する。勿論、基礎積み木の分割積み木および数 倍積み木（例えば扉の梁）が必要であり、他の形状（例えば柱としての円筒、窓 および扉セット要素）も必要である。 かかる磁石式積み木は段階的に全部の「磁石式玩具」に拡大できる。これは、 特に建築術および美術史に対して創造性、建築的および芸術的理解力を促進し、 磁石作用のために非常に面白がられる。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年８月２２日 【補正内容】 請求の範囲 １． 互いに反対側に位置する少なくとも両側の物体面が磁石材料を持った結 合範囲を有している成形体を持った磁石式積み木において、 互いに結合される二つの積み木の間を磁力によって整列して結合するために、 両側の物体面がそれぞれ別々に形成され互いに間隔を隔てて軸対称に配置された 少なくとも二つの磁石式結合範囲を有し、両側の物体面にそれぞれ配置された結 合範囲が互いに逆極性の磁化部分を有していることを特徴とする磁石式積み木。 ２． 結合領域が同心的に配置された磁石面を備え、磁石面がそれぞれ逆極性 に磁化された内側面と外側面とを有していることを特徴とする請求の範囲第１項 記載の磁石式積み木。 ３． 成形体の少なくとも一つの側面に別の結合範囲が配置されていることを 特徴とする請求の範囲第１項又は第２項に記載の磁石式積み木。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 長さ（Ｌ）：幅（Ｂ）：高さ（Ｈ）の比率が３：１．５：１あるいは３ ：１：１あるいは４：２：１あるいは４：２：２である直方体の形をした磁石式 積み木であり、普通の合成樹脂（例えばポリアミド、ＡＢＳ樹脂）から成り、積 み木上側面に一つあるいは複数の磁石式結合点が軸対称に例えば２×４のマトリ ックスで埋設され、これらの磁石式結合点が合成樹脂結合形の磁石材料（例えば 磁化可能な熱プラスチック）あるいは永久磁石材料から成り、結合点の磁石作用 をする幾何学的表面が互いに同心的に配置され逆極性に磁化された二つの軸対称 領域あるいは回転対称領域から成り、積み木の下側面に配置された結合点が同様 に形成されているが逆極性に磁化され、積み木の上側面および下側面の他に少な くとももう一つの側面に、積み木から組み立てられる建屋の建物正面を本物そっ くりに形成できるようにするために表面が組織化された建物正面積み木を取り付 けるために他の結合点が配置されていることを特徴とする磁石式積み木。 ２． 結合点の軸対称あるいは回転対称の領域が正方形あるいは円形として形 成され、正方形の場合にｄ３≧ｄ２≧ｄ１＞０にされ、円形の場合にｒ３≧ｒ２ ≧ｒ１＞０にされていることを特徴とする請求の範囲第１項記載の磁石式積み木 。