JPH0949863A - 半導体集積回路装置の故障検査方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の故障検査方法

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JPH0949863A
JPH0949863A JP7199773A JP19977395A JPH0949863A JP H0949863 A JPH0949863 A JP H0949863A JP 7199773 A JP7199773 A JP 7199773A JP 19977395 A JP19977395 A JP 19977395A JP H0949863 A JPH0949863 A JP H0949863A
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JP
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functional block
inspection
semiconductor integrated
fault
test
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JP7199773A
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Tamasuke Shimoda
玲祐 下田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electronics Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検査専用端子の追加を最小限に抑え、しか
も、既存の機能ブロックと新規の機能ブロックからなる
半導体集積回路装置の故障検査を効率的に行う。 【解決手段】 既存の機能ブロック2へのすべての入力
および新規の機能ブロック2からのすべての出力の検査
を行う故障検査回路を、スキャンチェーン20を成すよ
うに接続され同一のスキャンテストデータ入力端子18
から内部状態の制御が可能でかつ同一のスキャンテスト
データ出力端子19から内部状態の観測が可能なスキャ
ンフリップフロップ4〜9を用いて設計し、故障検査回
路による機能ブロック2に対応した既存の故障検査系列
を流用し、故障検査回路による機能ブロック3に対応し
た新規の故障検査系列を作成し、既存の故障検査系列と
新規の故障検査系列とを合成して機能ブロック2,3の
検査を同時に行う統合故障検査系列を生成し、この統合
故障検査系列を用いて検査を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
装置の故障検査方法に関するものであり、特に、既存の
論理回路からなる第1の機能ブロックと新規の論理回路
からなる第2の機能ブロックを組み合わせて構成した半
導体集積回路装置の故障検査を行うための故障検査回路
の設計と、この故障検査回路に対応した故障検査系列の
生成に係るものである。故障検査系列とは故障検査を行
うために検査対象の機能ブロックに加える時系列的な故
障検査用のテストパターンのことを意味している。
【0002】
【従来の技術】論理回路内部に故障が存在する場合、論
理回路への故障検査用のテストパターンの印加により、
論理回路の出力端子で観測される値が、故障が存在しな
い場合とは異なる値となるときに、そのテストパターン
で故障が検出されたことになる。出荷検査では、あらか
じめ想定される故障のうち、できるだけ多くの故障を検
出するテストパターンが必要となる。
【0003】一般に、論理回路の故障検査を行うには、
論理回路に付設する故障検査回路を設計することと、こ
の故障検査回路に対応した故障検査系列を生成すること
が必要である。論理回路は論理素子で構成されており、
論理回路の故障は、通常論理素子の入力または出力が論
理値0または1のまま変化しないという縮退故障(それ
ぞれ0縮退故障、1縮退故障という)でモデル化され
る。例えば、ごく簡素な1個の2入力ANDゲート(論
理式:C=A×B)からなる論理回路の場合、想定され
る故障(一方の入力端子aaの0縮退故障、一方の入力
端子aaの1縮退故障、他方の入力端子bbの0縮退故
障、他方の入力端子bbの1縮退故障、出力端子ccの
0縮退故障、出力端子ccの1縮退故障)を検出する故
障検査系列は、(A,B)=(0,1),(1,0),
(1,1)となる。
【0004】一般に、論理回路からなる半導体集積回路
装置の回路設計を迅速に行うために、すでに設計された
論理回路からなる機能ブロックを全体の回路の一部とし
て組み込んで設計することがよくある。従来、このよう
な半導体集積回路装置における故障検査方法としては、
既に設計された論理回路からなる第1の機能ブロックと
それ以外の新規の論理回路からなる第2の機能ブロック
とを分離し、検査時にはマルチプレクサを用いて構成さ
れ第1および第2の機能ブロックを別々にアクセスでき
るような故障検査回路を付加していた。
【0005】既に設計された論理回路からなる第1の機
能ブロックとそれ以外の新規の論理回路からなる第2の
機能ブロックとを分離して検査を行うのは、以下の理由
からである。つまり、半導体集積回路装置は、大規模に
なればなるほど、想定される故障の数も多くなり、故障
検出のためのテストパターンの生成が困難になるが、そ
の半導体集積回路装置の内部をいくつかの機能ブロック
に分割して故障検査を行うようにすれば、一つ一つの機
能ブロックに対するテストパターンは、生成対象となる
回路規模が小さくなるため、比較的容易に生成すること
ができるためである。
【0006】ここで、上記のような既存の論理回路から
なる第1の機能ブロックと新規の論理回路からなる第2
の機能ブロックを組み合わせて構成した半導体集積回路
装置の故障検査を行う半導体集積回路装置の故障検査方
法の従来例について、図面を用いて説明する。図3は従
来の半導体集積回路装置の故障検査方法を説明するため
の半導体集積回路装置のブロック図である。
【0007】図3において、21は半導体集積回路装
置、22は既存の論理回路よりなる第1の機能ブロッ
ク、23は新規の論理回路よりなる第2の機能ブロック
である。24〜27は2つの入力のいずれか一方を選択
的に出力するマルチプレクサ、28は第1の機能ブロッ
ク22へのデータ入力端子、29は第2の機能ブロック
23へのデータ入力端子、30は第1の機能ブロック2
2からのデータ出力端子、31は第2の機能ブロック2
3からのデータ出力端子、32はマルチプレクサ24,
25を制御するマルチプレクサ制御端子、33はマルチ
プレクサ26,27を制御するマルチプレクサ制御端子
である。上記のマルチプレクサ24〜27がそれらの相
互間を結ぶデータ線ならびにデータ入力端子28,29
との間を結ぶデータ線およびマルチプレクサ制御端子3
2,33との間を結ぶ制御線とともに故障検査回路を構
成している。
【0008】ここで、図3の半導体集積回路装置の通常
動作時のデータの流れ、第1の機能ブロック22の故障
検査時のデータの流れ、第2の機能ブロック23の故障
検査時のデータの流れについて説明する。マルチプレク
サ24〜27によるデータの経路の切り替えは、マルチ
プレクサ制御端子32,33へ加える制御信号によって
行う。
【0009】まず、通常動作時には、データ入力端子2
8から入力されたデータは第1の機能ブロック22の入
力端子22aに加えられ、データ入力端子29から入力
されたデータは第2の機能ブロック23の入力端子23
aに加えられる。第1の機能ブロック22の出力端子2
2bから出力されたデータはマルチプレクサ24を通し
て第2の機能ブロック23の入力端子23dに入り、同
じく出力端子22cから出力されたデータはマルチプレ
クサ25を通してデータ出力端子30へ送られる。第2
の機能ブロック23の出力端子23bから出力されたデ
ータはマルチプレクサ26を通して第1の機能ブロック
22の入力端子22dに入り、同じく出力端子23cか
ら出力されたデータはマルチプレクサ27を通してデー
タ出力端子31へ送られる。
【0010】つぎに、第1の機能ブロック22の故障検
査時には、データ入力端子28から入力されたデータは
第1の機能ブロック22の入力端子22aに加えられ、
データ入力端子29から入力されたデータはマルチプレ
クサ26を通して第1の機能ブロック22の入力端子2
2dに加えられる。第1の機能ブロック22の出力端子
22bから出力されたデータはマルチプレクサ24を通
し、さらにマルチプレクサ27を通してデータ出力端子
31へ送られ、同じく出力端子22cから出力されたデ
ータはマルチプレクサ25を通してデータ出力端子30
へ送られる。そして、この状態で所定のテストパターン
を与えて第1の機能ブロック22の故障検査を行う。
【0011】つぎに、第2の機能ブロック23の故障検
査時には、データ入力端子28から入力されたデータは
マルチプレクサ24を通して第2の機能ブロック23の
入力端子23dに加えられ、データ入力端子29から入
力されたデータは第2の機能ブロック23の入力端子2
3aに加えられる。第2の機能ブロック23の出力端子
23bから出力されたデータはマルチプレクサ26を通
し、さらにマルチプレクサ25を通してデータ出力端子
30へ送られ、同じく出力端子23cから出力されたデ
ータはマルチプレクサ27を通してデータ出力端子31
へ送られる。そして、この状態で所定のテストパターン
を与えて第1の機能ブロック22の故障検査を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、従来の半導体集積回路装置の故障検査方法では、上
述の故障検査回路の付加により、第1の機能ブロック2
2の制御および観測が直接行え、また第2の機能ブロッ
ク23の制御および観測が直接行えるが、同一時刻には
第1および第2の機能ブロック22,23のいずれか一
方しか検査できず、検査対象外の機能ブロックの回路状
態は変化せず、検査効率が悪いという問題があった。
【0013】また、第1および第2の機能ブロック2
2,23の入力および出力を直接に制御または観測する
ために多数の検査専用端子の付加が必要になるという問
題があった。ここで、この問題について、図4および図
5を参照しながら説明する。図4は第1の機能ブロック
22および第2の機能ブロック23からなる半導体集積
回路装置21(故障検査回路を設けていない)を示し、
図5は、故障検査回路を付加した半導体集積回路装置2
1を示している。
【0014】図4では、データ入力端子28の個数(言
い換えると、信号線の本数、以下同じ)がi個であり、
データ入力端子29の個数がj個であり、データ出力端
子30の個数がk個であり、データ出力端子31の個数
がl個であることを示している。図5では、データ入力
端子28の個数がm個であり、データ入力端子29の個
数がn個であり、データ出力端子30の個数がn個であ
り、データ出力端子31の個数がm個であることを示し
ている。ただし、各端子の個数i,j,k,l,m,n
の大小関係は、i<m、j<n、l<m、k<nとして
いる。
【0015】図4と図5とを比較すると、図5の回路構
成の場合は、図4の回路構成に比べて、マルチプレクサ
制御端子32,33の他に、データ入力端子28,29
については(m+n−i−j)個の検査専用端子が、デ
ータ出力端子30,31については(m+n−k−l)
個の検査専用端子が、検査のためにそれぞれ追加される
ことになることが明らかである。なお、iとm、jと
n、lとm、kとnのそれぞれの大小関係により追加さ
れるデータ端子の個数が異なるので、これら大小関係に
よっては相当数の検査専用端子の追加が必要になる。
【0016】したがって、この発明の目的は、検査専用
端子の追加を最小限に抑えることができ、しかも、既存
の論理回路からなる第1の機能ブロックと新規の論理回
路からなる第2の機能ブロックで構成される半導体集積
回路装置の故障検査を効率的に行うことができる半導体
集積回路装置の故障検査方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体集積回
路装置の故障検査方法は、既存の論理回路からなる第1
の機能ブロックと新規の論理回路からなる第2の機能ブ
ロックを組み合わせて構成した半導体集積回路装置の故
障検査を行う半導体集積回路装置の故障検査方法であっ
て、第1の機能ブロックへのすべての入力および第1の
機能ブロックからのすべての出力の検査を行う故障検査
回路を、スキャンチェーンを成すように接続され同一の
スキャンテストデータ入力端子から内部状態の制御が可
能でかつ同一のスキャンテストデータ出力端子から内部
状態の観測が可能なスキャンフリップフロップ群を用い
て設計し、故障検査回路による第1の機能ブロックに対
応した既存の故障検査系列を流用し、故障検査回路によ
る第2の機能ブロックに対応した新規の故障検査系列を
作成し、既存の故障検査系列と新規の故障検査系列とを
合成して第1および第2の機能ブロックの検査を同時に
行う統合故障検査系列を生成し、この統合故障検査系列
を用いて第1および第2の機能ブロックの検査を同時に
行うことを特徴とする。
【0018】このように、スキャンチェーンを成すよう
に接続されたスキャンフリップフロップ群を用いて故障
検査回路を設計することにより、検査専用端子の付加を
最小限にとどめることができる。また、第1の機能ブロ
ックに対応した既存の故障検査系列を流用し、故障検査
回路による第2の機能ブロックに対応した新規の故障検
査系列を作成し、既存の故障検査系列と新規の故障検査
系列とを合成して統合故障検査系列を生成し、この統合
故障検査系列を用いて第1および第2の機能ブロックの
検査を同時に行うので、同時刻に半導体集積回路装置全
体を検査する効率的な故障検査を実現することができ
る。
【0019】同時刻に回路全体を検査することができる
のは、第1の機能ブロックと第2の機能ブロックのすべ
ての入力状態をある時点までに半導体集積回路装置の外
部のデータ入力端子からスキャンチェーンを成すように
接続されたスキャンフリップフロップ群で構成されたシ
フトレジスタの動作によって設定することができ、それ
らを全部同時刻に各部分に入力することによって得られ
る出力状態をシフトレジスタの動作によって半導体集積
回路装置の外部のデータ出力端子で観測することができ
るからである。
【0020】ここで、故障検査回路の設計とは、故障検
査のためにスキャンフリップフロップを用いた故障検査
のための回路を作成することであり、このスキャンフリ
ップフロップによる回路設計を行うことにより、値を決
定することが困難なフリップフロップ(∵前状態に依存
する)に対して容易に値を決定すること、および状態を
観測することが可能となる。
【0021】また、故障検査回路の設計と故障検査系列
(テストパターン)の生成との関係について説明する。
上記の両者は互いに密接な関係があり、半導体の出荷検
査で不良品を見つけるためには、検査の際、回路の入力
端子にテストパターンを印加するが、回路が大規模にな
ればなるほど、外部端子から内部状態を設定したり観測
したりするのが困難になるため、テストパターンを生成
するのが困難になるという問題が発生する。その問題点
を解決するため、上記の内部状態の設定/観測が容易に
なるような故障検査回路を付加し、その回路構成に従っ
てテストパターンを生成するのである。
【0022】そして、テストパターンを生成する際に、
全体のテストパターンを一から生成するのではなく、既
存の機能ブロックのテストパターンを流用して、既存の
機能ブロックと新規の機能ブロックを同時に検査するこ
とができるテストパターンを生成することにより、テス
トパターンの生成を効率良く行えるようにしている。な
お、既存の機能ブロックのテストパターンとは、既存の
機能ブロックのみをテストするためのテストパターンで
あり、このテストパターンは、以前に既存の機能ブロッ
クを作成した際に作成済みであるため、このテストパタ
ーンを流用して新規の機能ブロックも同時にテストでき
るようなテストパターンを生成して、そのテストパター
ンを用いて検査をすれば効率良く検査を行うことが可能
となる。この際、既存の機能ブロックおよび新規の機能
ブロックの内部の状態は、すべてスキャンフリップフロ
ップのシフトレジスタの機能で設定したり観測したりで
きるので、既存の機能ブロックおよび新規の機能ブロッ
クの内部の検査は同時に行うことが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図1および図2を用いて説明する。図1はこの発明の半
導体集積回路装置の故障検査方法の実施の形態におい
て、既存の論理回路からなる第1の機能ブロックと新規
の論理回路からなる第2の機能ブロックを組み合わせて
構成した半導体集積回路装置のブロック図を示してい
る。この半導体集積回路は、スキャン設計法を用いた回
路分割例を示したものである。なお、スキャン設計法と
は、論理回路の故障検査を容易にするための設計手法の
一つで、論理回路に含まれるフリップフロップに対し、
テスト専用のパスを通して制御、観測を可能とする設計
手法のことである。
【0024】このスキャン設計法では、既存の論理回路
からなる第1の機能ブロックには、その部分だけについ
ての既存の入力パターンの設定や出力値の観測を機械的
なシフト動作で行うスキャンフリップフロップ群を付加
するが、新規の論理回路からなる第2の機能ブロックに
ついては今回新規にパターンを生成するため、半導体集
積回路装置の外部ピンとの値のやりとりにフリップフロ
ップを介する必要はない。しかし、第1の機能ブロック
との間のデータのやりとりについては、テスト時には外
部からスキャンフリップフロップのシフト動作だけで設
定・観測を行えば、第2の機能ブロックのパターン生成
も容易に行える。
【0025】図1において、1は故障検査の対象となる
半導体集積回路装置、2は既存の論理回路からなる第1
の機能ブロック、3は新規の論理回路からなる第2の機
能ブロックである。4〜9はそれぞれスキャンフリップ
フロップで、1本のスキャンチェーン20を成すように
接続している。10〜13はそれぞれ通常データ入力端
子、14,15は通常データ出力端子、16はクロック
入力端子、17はモードセレクト端子、18は外部入力
端子であるスキャンテストデータ入力端子、19は外部
出力端子であるスキャンテストデータ出力端子である。
【0026】ここで、図1の回路構成について詳しく説
明する。この半導体集積回路装置は、クロック入力端子
16にスキャンフリップフロップ4〜9のクロック入力
端を共通に接続するとともに、モードセレクト端子17
にスキャンフリップフロップ4〜9のモードセレクト端
を共通に接続している。また、スキャンテストデータ入
力端子18にスキャンフリップフロップ4の一方の入力
端子を接続し、スキャンフリップフロップ4の出力端子
にスキャンフリップフロップ5の一方の入力端子を接続
し、スキャンフリップフロップ5の出力端子にスキャン
フリップフロップ6の一方の入力端子を接続し、スキャ
ンフリップフロップ6の出力端子にスキャンフリップフ
ロップ7の一方の入力端子を接続し、スキャンフリップ
フロップ7の出力端子にスキャンフリップフロップ8の
一方の入力端子を接続し、スキャンフリップフロップ8
の出力端子にスキャンフリップフロップ9の一方の入力
端子を接続し、スキャンフリップフロップ9の出力端子
をスキャンテストデータ出力端子19に接続しており、
この接続構成が単一のスキャンテストデータ入力端子1
8から内部状態の制御を行ったり、単一のスキャンテス
トデータ出力端子19から内部状態の観測を行ったりす
ることを可能とする、1本のスキャンチェーン20を構
成している。クロック入力端子16およびモードセレク
ト端子17は、通常動作およびスキャン動作を切り替え
るために設けられている。
【0027】また、通常データ入力端子10,11にス
キャンフリップフロップ4,5の他方の入力端子をそれ
ぞれ接続し、通常データ入力端子12,13に第2の機
能ブロック3の入力端子3a,3bをそれぞれ接続して
いる。スキャンフリップフロップ4,5の出力端子を第
1の機能ブロック2の入力端子2a,2bにそれぞれ接
続している。スキャンフリップフロップ6の他方の入力
端子に第1の機能ブロック2の出力端子2dを接続し、
スキャンフリップフロップ6の出力を第2の機能ブロッ
ク3の入力端子3cに接続し、スキャンフリップフロッ
プ7の他方の入力端子に第2の機能ブロック3の出力端
子3dを接続し、スキャンフリップフロップ7の出力端
子を第1の機能ブロック2の入力端子2cに接続してい
る。スキャンフリップフロップ8の他方の入力端に第1
の機能ブロック2の出力端子2fを接続し、スキャンフ
リップフロップ9の他方の入力端に第1の機能ブロック
2の出力端子2eを接続し、第2の機能ブロック3につ
いては、出力端子3e,3fをそれぞれ通常データ出力
端子14,15に接続している。
【0028】スキャンフリップフロップとは、出荷検査
時にフリップフロップの内部状態の設定や観測が容易に
なるように、通常データ入力ピンの他にテストデータ入
力ピンと、これら二つの入力を切り換えるためのモード
セレクトピンを追加したフリップフロップのことで、内
部状態の設定または観測の際には、シフトレジスタとし
て使用するものである。
【0029】ここで、スキャンフリップフロップ4〜9
の動作について説明する。最初は、モードセレクト端子
17に各スキャンフリップフロップ4〜7がテストデー
タを取り込むモードに設定する値を入れる。クロック入
力端子16から1回のクロック信号(通常はパルス信
号。図1の例では、クロック信号の立ち上がり)毎に一
つのスキャンフリップフロップのデータが入力から出力
へシフトする。シフトが終わり、第1の機能ブロック2
のすべての入力および第2の機能ブロック3のすべての
入力が設定されると、つぎにモードセレクト端子17に
各スキャンフリップフロップ4〜9が通常データを取り
込むモードに切り換える。つぎに入るクロック信号でス
キャンフリップフロップ6,8,9には、第1の機能ブ
ロック2からの出力、フリップフロップ7には第2の機
能ブロック3からの出力が取り込まれる。つづいて、モ
ードセレクト端子17を再び各スキャンフリップフロッ
プがテストデータを取り込むモードに切り換える。そし
て、続々とクロック信号を入れていくと、各スキャンフ
リップフロップで第1の機能ブロック2または第2の機
能ブロック3から取り込んだ通常データをスキャンテス
トデータ出力端子19で観測できる。
【0030】この半導体集積回路装置の故障検査方法
は、既存の論理回路からなる第1の機能ブロック2と新
規の論理回路からなる第2の機能ブロック3を組み合わ
せて構成した半導体集積回路装置の故障検査を行う方法
であり、第1の機能ブロック2へのすべての入力および
第1の機能ブロック2からのすべての出力の検査を行う
故障検査回路を、スキャンチェーン20を成すように接
続され同一のスキャンテストデータ入力端子18から内
部状態の制御が可能でかつ同一のスキャンテストデータ
出力端子19から内部状態の観測が可能なスキャンフリ
ップフロップ4〜9を用いて設計し、故障検査回路によ
る第1の機能ブロック2に対応した既存の故障検査系列
を流用し、故障検査回路による第2の機能ブロック3に
対応した新規の故障検査系列を作成し、既存の故障検査
系列と新規の故障検査系列とを合成して第1および第2
の機能ブロック2,3の検査を同時に行う統合故障検査
系列を生成し、この統合故障検査系列を用いて第1およ
び第2の機能ブロック2,3の検査を同時に行うことを
特徴とする。
【0031】既存の第1の機能ブロック2に対しては、
一般に、既にその機能ブロック2内の論理の故障検査を
するための故障検査系列が存在する。つまり、第1の機
能ブロック2に対しては、その部分だけを一つの集積回
路とみなしたテストパターンが存在している。また、第
1の機能ブロック2を除く新たに設計した第2の機能ブ
ロック3に対しては、第1の機能ブロック2の論理をブ
ラックボックス化し、電子計算機を用いてスキャン設計
法に対応したテストパターン自動生成ツールで容易に故
障検査系列を求めることができる。ここで、テストパタ
ーン自動生成ツールとは、スキャン設計された回路情報
を計算機に入力すると、その回路の故障検査を行うため
のテストパターンを自動的に求めて出力するツールのこ
とである。
【0032】つぎに、テストパターン自動生成ツールで
故障検査系列を求める手順について説明する。つまり、
入力された回路情報を解析して、前述したように、論理
回路に含まれる各論理素子の入力または出力に縮退故障
を仮定し、それを検出するようなテストパターンを、故
障が仮定されたときとそうでないときとでいずれかの出
力値が異なるような入力パターンの組み合わせを求める
ということになる。
【0033】また、上記のテストパターン自動生成ツー
ルで求められた故障検査系列は、以下のようなものとな
る。例えば、新しく設計した第2の機能ブロック3に対
するテストパターンは、半導体集積回路装置1について
生成しているため、スキャンフリップフロップ4〜9の
シフト動作を考慮したものになっている。しかし、既存
の第1の機能ブロック2に対する既存のテストパターン
はあくまでも回路部分2単体に対してのものであるの
で、スキャンフリップフロップ4〜9のシフト動作は含
まれていない。
【0034】既存の機能ブロック2と新規設計の機能ブ
ロック3を同時に検査できるように、故障検査系列を合
成するのは、後述するように比較的容易である。それぞ
れのスキャンフリップフロップ4〜9は、既存の機能ブ
ロック2へのデータ入力と新規設計の機能ブロック3か
らのデータ出力、または、既存の機能ブロック2からの
データ出力と新規設計部分3へのデータ入力の役割を兼
ね備えることができる。既存の第1の機能ブロック2に
ついて作成済みの故障検査系列をスキャンチェーン20
上をクロックの印加によってシフトイン、シフトアウト
する動作を考慮してパターンデータをシリアル化し、第
1の機能ブロック2へのデータ入力および第1の機能ブ
ロック2からのデータ出力のパターンとする。このパタ
ーンと前述のように第2の機能ブロック3に対して生成
したパターンを一回のシフトイン、シフトアウト動作で
並行して行うように合成することにより、半導体集積回
路装置1全体を同時刻に検査するテストパターンつま
り、統合故障検査系列を作成することができる。
【0035】つぎに、故障検査系列の具体例について説
明する。図1に示した半導体集積回路装置の第1および
第2の機能ブロック2,3が図2に示すような回路構成
である場合を例にとって詳しく説明する。既存の論理回
路からなる第1の機能ブロック2は、図2に示すよう
に、入力端子a,b,c,出力端子d,e,f,論理素
子G1 (OR論理演算に対応),論理素子G2 (AND
論理演算に対応),論理素子G3 (反転論理演算に対
応)と、それらを接続する信号線から成り立っているこ
ととする。
【0036】この第1の機能ブロック2の内部に想定さ
れる故障は、論理素子G1 〜G3 の入力および出力のそ
れぞれの0縮退故障および1縮退故障である。つまり、
論理素子の端子pn のk縮退故障をpn (k)と表すと
すると、想定される全故障は、p1 (0),p1
(1),p2 (0),p2 (1),p3 (0),p3
(1),p4 (0),p4 (1),p5 (0),p5
(1),p6 (0),p6 (1),p7 (0),p7
(1),p8 (0),p8 (1)である。これらすべて
の故障を観測できるような入力パターンの組み合わせ
は、例えば以下の〔表1〕のようになる。なお、〔表
1〕中には、各パターンで検出される故障も示す。〔表
1〕のパターンは、第1の機能ブロック2を計算した
際、既に作成されているものである。
【0037】
【表1】
【0038】つぎに、上記の〔表1〕のパターンのシリ
アル化について説明する。〔表1〕のパターンをスキャ
ンテストデータ入力端子18からスキャンテストデータ
出力端子19の間のシフト動作も考慮して、半導体集積
回路装置1の外部端子10〜11,16〜19を使用し
たパターンに置き換え、時系列的に示すと、以下の〔表
2〕のようになる。
【0039】
【表2】
【0040】ここで、モードセレクト端子17の信号値
を1にして、クロック入力端子16からのクロックパル
スを1回入れると、パルスの立ち上がり時にスキャンテ
ストデータ入力端子18から入れたテストデータがスキ
ャンチェーン20上をスキャンフリップフロップ1つ分
シフトする。また、モードセレクト端子17の信号値を
0にして、クロック入力端子16からクロックパルスを
1回入れると、パルスの立ち上がり時の各フリップフロ
ップで通常データを入力から出力に送り出す動作を行
う。T1 ,T2 ,… をクロック入力端子16における
クロックパルスの立ち上がり時刻とし、それ以外の入力
ピンの値はパルスが発生する前にその信号値に設定され
ているものとする。また、出力信号値は、前記入力値の
もとで入力パルスが発生した結果、観測される信号値を
表している。入力信号値の欄の“×”はそれが0または
1のいかなる値であってもよいことを表し、出力信号値
の欄の“×”は0または1のいずれの値か不明であるこ
とを表す。
【0041】〔表2〕において、シフトインはスキャン
テストデータ入力端子18からスキャンフリップフロッ
プ9→8→7→6→5→4の順にデータをシフトインす
ることを言い、シフトアウトはスキャンテストデータ出
力端子19からはフリップフロップ9→8→7→6→5
→4の順にデータをシフトアウトすることを言ってい
る。また、〔表2〕の2行目の数字は図2に示した同一
番号の端子に対応している。以下の〔表4〕および〔表
5〕についても同様である。
【0042】新規の論理回路からなる第2の機能ブロッ
ク3は、図2に示すように、入力端子m,n,o,出力
端子q,r,s,論理素子G4 (AND論理演算に対
応),論理素子G5 (OR論理演算に対応),論理素子
G6 (反転論理演算に対応)とそれらを接続する信号線
から成っているとする。この第2の機能ブロック3の内
部に想定される故障は、論理素子G4 〜G6 の入力およ
び出力のそれぞれの0縮退故障および1縮退故障であ
る。つまり、論理素子の端子pn のk縮退故障をpn
(k)と表すとすると、想定される全故障は、p9
(0),p9 (1),p10(0),p10(1),p11
(0),p11(1),p12(0),p12(1),p13
(0),p13(1),p14(0),p14(1),p15
(0),p15(1),p16(0),p16(1)である。
これらすべての故障を観測できるような入力パターンの
組み合わせは、例えば以下の〔表3〕のようになる。ま
た、各パターンで検出される故障も下表の中に示す。
【0043】
【表3】
【0044】このパターンを第1の機能ブロック2の場
合と同様に半導体集積回路装置1に対してシリアル化す
ると、〔表4〕のようになる。
【0045】
【表4】
【0046】つぎに、〔表2〕と〔表4〕の2つのパタ
ーンの合成方法について述べる。〔表2〕では、時刻T
1 でモードセレクト端子17が信号値1の状態でクロッ
ク入力端子16から立ち上がりのクロック信号が入れば
よいことがわかる。他の入力端子はいかなる値でもよ
い。また、〔表4〕では、時刻T1 でモードセレクト端
子17が信号値1の状態でクロック入力端子16から立
ち上がりのクロック信号が入ればよいことがわかる。他
の入力端子はいかなる値でもよい。
【0047】したがって、時刻T1 では、〔表2〕と
〔表4〕の入力端子に設定する信号値に矛盾はないこと
になる。時刻T2 〜T27についても同様に〔表2〕と
〔表4〕の各入力端子の信号値に矛盾はない。したがっ
て、〔表2〕と〔表4〕を半導体集積回路装置全体に対
して同時並行して行うことが可能である。この実施の形
態のようなテスト回路の構成にする限り、どのような回
路に対しても既存の第1の機能ブロック2とそれ以外の
新規の第2の機能ブロック3のそれぞれについてのパタ
ーンをこのように合成することは可能である。結局、本
例では、合成されたパターンは〔表5〕のようになる。
【0048】
【表5】
【0049】この半導体集積回路装置の故障検査方法に
よれば、スキャンチェーンを成すように接続されたスキ
ャンフリップフロップ4〜7を用いて故障検査回路を設
計することにより、検査専用端子の付加を最小限にとど
めることができる。また、第1の機能ブロック2に対応
した既存の故障検査系列を流用し、故障検査回路による
第2の機能ブロック3に対応した新規の故障検査系列を
作成し、既存の故障検査系列と新規の故障検査系列とを
合成して統合故障検査系列を生成し、この統合故障検査
系列を用いて第1および第2の機能ブロック2,3の検
査を同時に行うので、同時刻に半導体集積回路装置全体
を検査する効率的な故障検査を実現することができる。
【0050】同時刻に回路全体を検査することができる
のは、第1の機能ブロック2と第2の機能ブロック3の
すべての入力状態をある時点までに半導体集積回路装置
1の外部のデータ入力端子からスキャンチェーン20を
成すように接続されたスキャンフリップフロップ4〜9
で構成されたシフトレジスタの動作によって設定するこ
とができ、それらを全部同時刻に各部分に入力すること
によって得られる出力状態をシフトレジスタの動作によ
って半導体集積回路装置1の外部のデータ出力端子で観
測することができるからである。
【0051】
【発明の効果】この発明の半導体集積回路装置の故障検
査方法によれば、スキャンチェーンを成すように接続さ
れたスキャンフリップフロップ群を用いて故障検査回路
を設計することにより、検査専用端子の付加を最小限に
とどめることができる。また、第1の機能ブロックに対
応した既存の故障検査系列を流用し、故障検査回路によ
る第2の機能ブロックに対応した新規の故障検査系列を
作成し、既存の故障検査系列と新規の故障検査系列とを
合成して統合故障検査系列を生成し、この統合故障検査
系列を用いて第1および第2の機能ブロックの検査を同
時に行うので、同時刻に半導体集積回路装置全体を検査
する効率的な故障検査を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体集積回路装置の故障検査方法
の実施の形態における半導体集積回路装置の構成を示す
ブロック図である。
【図2】第1および第2の機能ブロックの具体例を示す
ブロック図である。
【図3】従来の半導体集積回路装置の故障検査方法にお
ける半導体集積回路装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】従来例の欠点を示すための半導体集積回路装置
のブロック図である。
【図5】従来例の欠点を示すための半導体集積回路装置
のブロック図である。
【符号の説明】
1 半導体集積回路装置 2 第1の機能ブロック 3 第2の機能ブロック 4〜9 スキャンフリップフロップ 10〜13 通常データ入力端子 14〜15 通常データ出力端子 16 クロック入力端子 17 モードセレクト端子 18 スキャンテストデータ入力端子 19 スキャンテストデータ出力端子 20 スキャンチェーン 21 半導体集積回路装置 22 第1の機能ブロック 23 第2の機能ブロック 24〜27 マルチプレクサ 28〜29 データ入力端子 30〜31 データ出力端子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存の論理回路からなる第1の機能ブロ
    ックと新規の論理回路からなる第2の機能ブロックを組
    み合わせて構成した半導体集積回路装置の故障検査を行
    う半導体集積回路装置の故障検査方法であって、 前記第1の機能ブロックへのすべての入力および前記第
    1の機能ブロックからのすべての出力の検査を行う故障
    検査回路を、スキャンチェーンを成すように接続され同
    一のスキャンテストデータ入力端子から内部状態の制御
    が可能でかつ同一のスキャンテストデータ出力端子から
    内部状態の観測が可能なスキャンフリップフロップ群を
    用いて設計し、前記故障検査回路による前記第1の機能
    ブロックに対応した既存の故障検査系列を流用し、前記
    故障検査回路による前記第2の機能ブロックに対応した
    新規の故障検査系列を作成し、既存の故障検査系列と前
    記新規の故障検査系列とを合成して前記第1および第2
    の機能ブロックの検査を同時に行う統合故障検査系列を
    生成し、この統合故障検査系列を用いて前記第1および
    第2の機能ブロックの検査を同時に行うことを特徴とす
    る半導体集積回路装置の故障検査方法。
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