JPH0949624A - ごみ焼却炉の燃焼制御装置及びその方法 - Google Patents

ごみ焼却炉の燃焼制御装置及びその方法

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JPH0949624A
JPH0949624A JP8139293A JP13929396A JPH0949624A JP H0949624 A JPH0949624 A JP H0949624A JP 8139293 A JP8139293 A JP 8139293A JP 13929396 A JP13929396 A JP 13929396A JP H0949624 A JPH0949624 A JP H0949624A
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combustion air
furnace
amount
concentration
control
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Application number
JP8139293A
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English (en)
Inventor
Satoshi Fujii
聡 藤井
Yuichi Nogami
祐一 野上
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却炉の炉内温度を安定にし、且つ、炉
内O2 濃度が一定になるように制御し得るごみ焼却炉の
燃焼制御装置及びその方法を提供することを目的とする
ものである。 【解決手段】 ごみ焼却炉1は、炉出口4にボイラ5を
備え、炉内温度を計測する炉内温度センサ13と排ガス
中のO2 濃度を計測するO2 濃度センサ18を備え、そ
れらの出力がそれぞれ炉内温度計14と炉排出O2 濃度
計19とに入力され、これらの計測値がコンピュータ
(制御装置)21の二次燃焼空気量制御手段20に供給
され、その二次空気量制御値に基づいて流量調節機構1
1を開閉制御して二次燃焼空気量が操作されて炉内温度
及び炉排出O2 濃度が一定となるように制御され、主燃
焼系はボイラ5の蒸気量を蒸気流量計12によって計測
し、一次燃焼空気制御手段16によって流量調節機構9
を開閉制御して発熱量を制御し、炉内O2 濃度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の燃焼
制御装置及びその方法に関し、詳しくは、火格子式焼却
炉に二次燃焼空気供給系及びその制御系を設け、二次燃
焼空気量を操作して炉内温度の安定と炉内の酸素
(O2 )濃度の変動を抑制して、燃焼排ガス中の一酸化
炭素(CO)濃度を基準値以下に設定し得るごみ焼却炉
の燃焼制御装置及びその方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】火格子式ごみ焼却炉は、都市清掃工場に
多く用いられる焼却炉であり、ごみ焼却処理に伴って発
生する膨大な熱エネルギを有効に回収して、省資源,省
エネルギ化を図る観点から蒸気タービン発電設備が設置
されたものが多い。このごみ焼却炉による発電では、安
定した発電を行うために安定した燃焼、即ち、炉内発熱
量を一定に維持する必要である。
【0003】この種の火格子式ごみ焼却炉では、一定時
間に一定量のごみを投入して焼却する一定能率焼却を基
本的な運転方法としている。炉内発熱量を一定に制御す
る方法は、一定時間にごみ焼却炉に投入されるごみ投入
量とその投入されたごみの発熱量、即ち、燃焼負荷に応
じた状態量(例えば、蒸気量)を検出して、それが安定
するようにごみ焼却炉の火格子に送り込まれる燃焼空気
量を操作している。
【0004】図13は、従来の火格子式ごみ焼却炉とそ
の燃焼制御系を示している。同図に於いて、ごみ焼却炉
1は、火格子1a〜1c、ごみ投入口2、灰落下口3、
排ガスを放出する炉出口4、煙突6、二次空気(冷却空
気)の吸入口7が設けられ、排ガスが放出される炉出口
4には熱交換器5aを備えた蒸気発生用のボイラ5が設
置されている。
【0005】ごみ焼却炉1には、火格子1a〜1cに空
気を供給する燃焼空気供給系と炉内に冷却空気を供給す
る冷却空気供給系とがあり、燃焼空気供給系は、ファン
8から燃焼空気がダンパー等の流量調節機構9を介して
火格子1a〜1cに送り込む供給系である。又、冷却空
気供給系は、ファン10からダンパー等の流量調節機構
11を介して直接吸入口7から炉内に送り込む供給系で
ある。これら流量調節機構9,11の開閉制御はコンピ
ュータ(制御装置)17によって制御されている。
【0006】流量調節機構9は、燃焼空気量制御手段1
6からの制御出力値(操作量)に基づいて制御されてい
る。ボイラ5から発生する蒸気量を蒸気流量計12で計
測し、その計測値を燃焼空気制御手段16に入力して演
算処理し、その蒸気流量が目標値を越える場合は、流量
調節機構9の燃焼空気流量を絞って炉内の発熱量を抑え
ようとし、これに伴い炉内温度も低下する。又、蒸気流
量が目標値を下回る場合は、流量調節機構9の燃焼空気
流量を増加させて炉内の発熱量を高めようとし、これに
伴い炉内温度は上昇する。
【0007】又、流量調節機構11は冷却空気制御手段
15からの制御出力値(操作量)に基づいて制御されて
いる。燃焼空気供給系のみによる炉内温度を制御するの
は不十分であり、炉内温度をより安定化させるために
は、炉内温度計14で炉内温度を計測して、その計測値
を冷却空気制御手段15に入力して演算処理し、その出
力(冷却空気制御値)に基づいて流量調節機構11の開
度調節をして炉内温度が一定になるようになされてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の火格子式ごみ焼
却炉では、主に火格子下から供給される燃焼空気量を操
作してボイラから発生する蒸発量を制御する制御手段
と、炉内に直接冷却空気を供給して炉内温度を制御する
制御手段とを備えている。しかしながら、ごみの発熱量
の変動や火格子上のごみ層分布状態等の炉内状況変動で
発生する炉内温度変化を一定に制御することは困難であ
る。
【0009】本発明は、上述のような課題に鑑みなされ
たものであり、ごみ焼却炉の炉内温度を安定にし、且
つ、燃焼排ガスのO2 濃度変動幅を抑えることで炉内O
2 濃度不足によるCO濃度上昇を抑制し得るごみ焼却炉
の燃焼制御装置及びその方法を提供することを目的とす
るものである。
【0010】又、本発明は、炉内O2 濃度不足によるC
O濃度上昇を抑制し得るとともに、炉内O2 濃度過多に
よるNOX 濃度上昇を抑制することができるごみ焼却の
燃焼制御装置及びその方法を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、請求項1の発明は、
ごみ焼却炉が燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給系と
二次燃焼空気供給系と、燃焼負荷に応じた状態量(例え
ば蒸気量)に基づいて前記一次燃焼空気供給系から前記
ごみ焼却炉内に供給される一次燃焼空気量を操作する制
御手段と、前記ごみ焼却炉内の温度と炉内の燃焼排ガス
中のO2 濃度を測定する計測手段と、前記計測手段によ
る計測値に基づく非線形制御によって二次燃焼空気量を
操作する非線形制御手段とを備えることを特徴とするご
み焼却炉の燃焼制御装置である。
【0012】又、請求項2の発明は、請求項1の発明に
於いて、前記非線形制御手段がファジィ制御手段である
ことを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御装置である。
【0013】又、請求項3の発明は、ごみ焼却炉に一定
時間に投入されるごみ量に対する発熱量に応じた状態量
に基づいて、前記ごみ焼却炉の一次燃焼空気量をフィー
ドフォワード乃至フィードバック制御によって操作し、
且つ、前記ごみ焼却炉の炉内温度と燃焼排ガス中のO2
濃度を測定して、これらの計測値に基づく非線形制御手
段により二次燃焼空気量を操作することを特徴とするご
み焼却炉の燃焼制御方法である。
【0014】又、請求項4の発明は、ごみ焼却炉に燃焼
空気を供給する一次燃焼空気供給系と二次燃焼空気供給
系とを備え、前記一次燃焼空気供給系から供給される一
次燃焼空気量を燃焼負荷に応じた状態量に基づく制御手
段により操作し、且つ、前記ごみ焼却炉の炉内温度と燃
焼排ガス中のO2 濃度を測定して、これらの計測値をパ
ラメータとする関数に基づいた非線形制御手段により前
記二次燃焼空気供給系から供給される二次燃焼空気量を
操作することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法で
ある。
【0015】又、請求項5の発明は、請求項3又は4の
発明に於いて、非線形制御手段がファジィ制御によるこ
とを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御方法である。
【0016】本発明の概要を説明すると、ごみ焼却炉の
火格子に一次燃焼空気を供給する一次燃焼空気供給系と
炉内に二次燃焼空気を供給する二次燃焼空気供給系と、
それらの制御系を備え、一次燃焼空気制御系は燃焼負荷
に応じた状態量に基づいて燃焼による発熱量を制御し、
副次的に炉内温度を概ね安定にし、更に、二次燃焼空気
を非線形制御手段で操作して、炉内温度と燃焼排ガスの
2 濃度を所定範囲内に収まるように制御するものであ
る。
【0017】本発明では、二次燃焼空気量に対する炉内
温度の関係が、図4に示すように、炉内温度が二次燃焼
空気量と正の相関特性を持つ領域と、負の相関特性を持
つ領域とに分けられ、これら2つの領域の間(例えば、
二次燃焼空気量が4000〜5000Nm3 /h)で最
大値となる特性となる。正の相関特性を持つ領域では、
一次燃焼により生じた排ガス中の未燃焼分が二次燃焼を
し、二次燃焼空気量が多い程二次燃焼が活発化するため
二次燃焼空気と炉内温度とが正の関係となり、一次燃焼
による排ガス中の未燃焼分が燃え尽くすとそれ以上の二
次燃焼空気は冷却空気として機能するために負の関係と
なる。又、燃焼排ガス中のO2 濃度は、図5に示すよう
に、二次燃焼空気量と正の相関特性がある。
【0018】このような観点から二次燃焼空気量を制御
して、火格子型ごみ焼却炉では、先ず、一次燃焼空気量
をフィードフォワード制御乃至フィードバック制御して
炉内温度を目標値に近づけ、炉内温度及び排ガス中のO
2 濃度を測定し、前述の二次燃焼空気量に対する炉内温
度特性及び排ガス中のO2 濃度特性に応じた非線形制御
(例えば、ファジィ制御)によって、よりきめ細かく燃
焼空気量を操作して炉内温度を安定にし、排ガス中のO
2 濃度を所定の範囲に制御し、O2 不足によるCO濃度
の上昇とO2 過剰によるNOX 濃度の上昇を防ぐもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明に係るごみ焼却炉の燃焼制
御装置及びその方法の一実施形態を示す図である。同図
は、火格子式ごみ焼却炉1であり、火格子1a〜1c、
ごみ投入口2、灰落下口3、燃焼排ガスが放出される炉
出口4、炉出口4近傍には蒸気発生用ボイラ5、燃焼排
ガスを炉外に放出する煙突6、及び二次燃焼空気が供給
される吸入口7が備えられている。
【0021】ごみ投入口2からごみ焼却炉1内に投入さ
れたごみは、火格子1a〜1cの下から吹き上げる一次
燃焼空気により、乾燥、燃焼段階を経て焼却され、灰落
下口3から灰として炉外へ排出される。又、吸入口7か
ら炉内に二次燃焼空気が供給され、炉内温度及び排ガス
中のO2 濃度が制御されている。
【0022】燃焼によって生じた燃焼排ガスは炉出口4
から煙突6に導かれて炉外へ放出される。その際に、そ
の高温の燃焼排ガスは熱交換器5aを加熱してボイラ5
内の水を沸騰させてその蒸気を熱供給,発電等に用いて
いる。
【0023】このごみ焼却炉1は、一次燃焼空気と二次
燃焼空気の2系統の燃焼空気供給系を備え、一次燃焼空
気供給系はファン8からダンパー等の流量調節機構9を
介して火格子1a〜1cに燃焼空気を送り込む系統であ
り、二次燃焼空気供給系はファン10からダンパー等の
流量調節機構11を介して二次燃焼空気を直接吸入口7
から炉内に吹き込む系統である。
【0024】一次及び二次燃焼空気は、コンピュータ
(制御装置)21による一次燃焼空気制御手段16及び
二次燃焼空気制御手段(非線型制御手段)20からの制
御値によって流量調節機構9,11を開閉制御してそれ
らの流量が設定されている。一次燃焼空気制御系は、ボ
イラ5の蒸気流量を蒸気流量計12で計測してその計測
値を一次燃焼空気制御手段16で演算処理し、流量調節
機構9を開閉制御する制御系である。又、二次燃焼空気
制御系は、炉内温度センサ13によって炉内温度を検出
し、且つ、炉出口4内に設けたO2 濃度センサ18によ
って炉内O2 濃度を検知し、それらの出力をそれぞれ炉
内温度計14,O2 濃度計19に入力し、これらの計測
値を二次燃焼空気制御手段20に入力して演算処理し、
流量調節機構11を開閉制御する制御系である。
【0025】次に、一次燃焼空気制御手段16と二次燃
焼空気制御手段20の制御系について、図2及び図3の
制御ブロックで説明する。図2は蒸気量を安定化させる
ための一次燃焼空気制御手段に炉内温度及び炉内O2
度を安定させるための二次燃焼空気制御を条件別増減制
御とした二次空気制御手段を組み合わせた制御系であ
り、図3は同じ目的の二次空気制御手段をファジィ制御
とした場合である。
【0026】図1と図2に基づいて説明する。一次燃焼
空気制御手段16では、蒸気量目標値とごみ焼却炉の燃
焼プロセスA2から得られる蒸気量との蒸気量偏差によ
って、一次燃焼空気量が一次燃焼空気量制御部A1でフ
ィードフォワード乃至フィードバックによる比例・積分
制御され、その一次燃焼空気制御出力値によってごみ焼
却炉の燃焼プロセスA2への一次燃焼空気吹き込み量を
操作して蒸気量を制御している。
【0027】一次燃焼空気の制御は一次燃焼空気量制御
部A1による演算処理によってなされ、その演算処理は
(1)式で行われる。
【0028】 F1=(100 /PB)×(1+1/Tis )×(STMset−STMnow)……(1)
【0029】但し、F1は一次燃焼空気制御出力値、ST
Msetは蒸気量目標値、STMnowは蒸気量計測値であり、PB
は比例ゲイン、Tis は積分ゲインを表す調整パラメータ
であり、sはラプラス演算子を表す。
【0030】又、二次燃焼空気制御手段20では、ごみ
焼却炉の燃焼プロセスA2からの炉内温度と炉内温度目
標値との炉内温度偏差値、及び炉排出O2 濃度に基づい
て二次燃焼空気量制御部A3で条件別に増減制御され、
その二次燃焼空気制御出力値によってごみ焼却炉の燃焼
プロセスA2の炉内温度及び炉排出O2 濃度を制御して
いる。
【0031】次に、二次燃焼空気量制御部A3の制御方
法について、詳細に説明する。図2の実施形態は、条件
別増減制御である。その説明の前に、炉内温度と二次燃
焼空気量との関係について、図4及び図5を参照して説
明する。
【0032】二次燃焼空気は、図4から明らかなよう
に、二次燃焼空気として機能する二次燃焼領域と、冷却
空気として作用する冷却領域とがある。二次燃焼領域
は、4000Nm3 /h未満の領域であり、この燃焼領
域は二次燃焼が活発化して炉内温度が上昇する領域であ
る。更に、二次燃焼空気量の増加に伴って、概ね400
0〜5000Nm3 /hの領域では二次燃焼空気量によ
る炉内温度上昇が最大領域に達する領域である。更に、
二次燃焼空気量が増加して、例えば5000Nm3/h
以上になると、炉内温度が低下する冷却領域がある。
【0033】又、排ガス中のO2 濃度と二次燃焼空気量
との関係は、図5に示すように、二次燃焼空気量が増加
するにつれて排ガス中のO2 濃度が上昇し、二次燃焼空
気量とO2 濃度との間に正の相関関係が存在する。
【0034】このような現象を利用して二次燃焼空気量
制御部A3で二次燃焼空気量を制御する。二次燃焼空気
量制御部A3では、炉内温度偏差が負又と正であるか
を、所定の偏差値で判定し、二次燃焼空気量が燃焼領域
(例えば、閾値を4000Nm 3 /h未満と設定)、境
界領域(例えば、4000〜5000Nm3 /hと設
定)又は冷却領域(例えば、閾値を5000Nm3 /h
以上と設定)にあるかを判断して、それら2つの条件判
断結果から二次燃焼空気量を増すか減ずるという条件別
増減制御する。その具体的な制御手順は表1に示した。
【0035】以下に、表1に基づいて、二次燃焼空気量
制御部A3の二次燃焼空気量の制御方法を説明する。二
次燃焼空気量は、(1) から(8) の条件で順次演算及び検
出して、(1) から(8) 条件を満たす場合は、矢印(─
>)で示した制御を順次実行する。
【0036】
【表1】
【0037】なお、二次燃焼空気量を増減させる一定値
(1周期毎の増分量或いは減量分)は(1) 〜(6) の炉内
温度偏差に対するもの(8) の酸素濃度に対するものを個
別に設定できるものとする。
【0038】二次燃焼空気量制御部A3では、(1) から
(8) まで制御条件を判断し、二次空気増減分の計算を一
定周期毎、例えば5秒毎に繰り返して行う。そして、各
周期毎での(1) から(8) の判断結果の合計値をその周期
における増減量とし、一つの前の周期の二次空気量に対
して今回の判断結果の合計値が増量であればその増量を
加えたものが、又、今回の判断結果の合計値が減量であ
ればその減量を引いたものが今回の二次空気出力値とな
る。
【0039】具体的な二次燃焼空気量の演算方法につい
て、図12(a),(b)に示したフローチャートに基
づいて説明する。図12(a),(b)のフローチャー
トは、start1とstart2から制御を開始して、制御条件を
満足しているか否かを判断して、最終的に二次燃焼空気
調整量z1,z2の値が決定される。二次燃焼空気調整量z
1,z2及び二次燃焼空気量出力値の前回値(F2(k-1))か
ら二次燃焼空気量出力値の今回値(F2(k))が算出され
る。
【0040】 F2(k) = F2(k-1) + z1 + z2 ……………(2)
【0041】但し、Teは炉内温度偏差、F2now は二次
燃焼空気量、O2は酸素濃度を表し、z1,z2は二次燃焼
空気調整量であり、z1は主に炉内温度偏差Teと二次燃
焼空気量F2now による調整量であり、z2は酸素濃度によ
る調整量である。
【0042】二次燃焼空気量の制御について、図12の
フローチャートに基づいて、詳細に説明する。なお、図
12中のC1 とC2 は二次燃焼空気量が燃焼領域、境界
領域、冷却領域を判別する調整パラメータである。Ox1
は酸素濃度が一定以上と一定未満を判別する調整パラメ
ータである。y1〜y8は二次燃焼空気量の増分、減分量を
与える調整パラメータである。
【0043】図12(a)に於いて、先ず、ステップS
1では炉内温度偏差Teが制御条件(Te<0)によっ
て判定され、制御条件(Te<0)を満足する場合は、
ステップS2に進む。ステップS2では二次燃焼空気量
が制御条件(F2now ≧C2 )を満足する場合は調整量z1
を調整パラメータy1とする。ステップS2の制御条件
(F2now ≧C2 )を満足しない場合はステップS3に進
み、制御条件(F2now ≦C1 )が判定される。制御条件
(F2now ≦C1 )を満たす場合は調整量z1を調整パラメ
ータy3とし、制御条件(F2now ≦C1 )を満たさない場
合は調整量z1を調整パラメータy7とする。制御条件(T
e<0)を満足しない場合は、ステップS4に進む。ス
テップS4の制御条件(F2now ≧C2 )を満足する場合
は、調整量z1を調整パラメータy2とし、制御条件(F2no
w ≧C2 )を満足しない場合は、ステップS5に進む。
ステップS5では制御条件(F2now ≦C1 )が判定さ
れ、満足する場合は調整量z1を調整パラメータy4とし、
制御条件(F2now ≦C1 )を満足しない場合はステップ
S6に進む。ステップS6では制御条件(O2≧Ox1)
が判定され、この制御条件を満足する場合は調整量z1を
調整パラメータy5とし、この制御条件を満足しない場合
は調整量z1を調整パラメータy6とする。
【0044】図12(b)は、酸素濃度による二次燃焼
空気量の制御を示すフローチャートである。所定の周期
で計測された酸素濃度O2が酸素濃度の下限設定値Ox2
より低い濃度であるか否かを判定する制御条件(O2<
Ox2)によって判定され、この制御条件を満足する場合
は、調整量z2を調整パラメータy8とし、満足しない場合
は調整量z2は0とする。
【0045】このように図12のフローチャートに従っ
て算出された調整量z1, z2の値が、(2)式に代入され
て、二次燃焼空気量出力値(F2(K)) が算出され、二次燃
焼空気量出力値(F2(K)) に基づいて流量調節機構11の
開度が調整される。
【0046】次に、本発明に係る他の実施形態につい
て、図3の制御ブロックに基づいて説明する。この実施
形態は二次燃焼空気量をファジィ制御によって制御する
実施形態であり、二次燃焼空気量制御部A4にファジィ
制御のルールが書き込まれている。そのルールが表2に
示されている。
【0047】
【表2】
【0048】図6は、表2のルール(1) 〜(8) を図示し
たものであり、これらのルール(1)〜(8) の演算は、図
7に示した前件部メンバーシップ関数に基づいて行われ
る。二次空気量制御手段20によって求まった各ルール
の後件部推論結果を統合して、ルール全体の推論結果
(二次燃焼空気量制御値)が出力される。この制御値に
基づいて流量調節機構11の開閉度が調節されて二次燃
焼空気量が制御されている。各ルールの後件部推論結果
の統合には、ファジィ演算の一般的な手法、例えば、mi
n-max 重心法あるいはproduct-sum 重心法用等が用いら
れる。
【0049】又、表2のルール(1) 〜(8) の各演算結果
は、条件を満たさない場合はその出力を零とし、各ルー
ル(1) 〜(8) の演算結果は、それらの演算結果の和によ
って二次燃焼空気量の変化分を算出して二次燃焼空気量
が調節される。これらのルール(1) 〜(8) までの演算は
連続して求められる。
【0050】無論、ルール(4) と(8) では、互いに相反
する方向の二次空気量の変化分の演算値が計算される。
従って、最終的な出力はその加算値により、二次燃焼空
気量を増加するか、減少させるか、あるいは現状維持に
なるように、二次燃焼空気量が制御されている。
【0051】次に、具体的なファジィ制御を適用した場
合の二次燃焼空気の制御部の演算方法について、図7を
用いて示す。先ず、前件部メンバーシップ関数によって
適合度が算出される。図7(a)は炉内温度偏差の前件
部メンバーシップ関数であり、炉内温度偏差が測定値が
Teであるとき、「炉内温度偏差が負」と言う条件に対
する適合度はa1 である。「炉内温度偏差が零」に対す
る適合度はa2 である。「炉内温度偏差が正」に対する
適合度はa3 (「0」)である。
【0052】又、図7(b)は炉出口O2 濃度の前件部
メンバーシップ関数であり、炉出口O2 濃度の測定値が
O2のとき、「炉出口O2 濃度が高い」に対する適合度
はb 1 (「0」)であり、「炉出口O2 濃度が適」に対
する適合度はb2 (「1」)であり、「炉出口O2 濃度
が低」に対する適合度はb3 (「0」)である。
【0053】又、図7(c)は二次燃焼空気量現在値の
前件部メンバーシップ関数であり、二次燃焼空気量現在
値の測定値がF2now のとき、「二次燃焼空気量が小」
に対する適合度はc1 であり、「二次燃焼空気量が境界
領域」に対する適合度はc2であり、「二次燃焼空気量
が大」に対する適合度はc3 (「0」)である。
【0054】これらから図6の規則に対する適合度X
1 を式(3)により計算する。規則は、「炉内温度偏
差が負、二次燃焼空気量現在値が大」であるから、適合
度a 1 且つc3 である。同様に、規則〜に対する適
合度X2 〜X8 を式 (4) 〜(10)により計算する。
【0055】
【数1】 規則の適合度 X1 =a1 ×c3 …………… (3) 規則の適合度 X2 =a3 ×c3 …………… (4) 規則の適合度 X3 =a1 ×c1 …………… (5) 規則の適合度 X4 =a3 ×c1 …………… (6) 規則の適合度 X5 =a3 ×c2 ×b1 …………… (7) 規則の適合度 X6 =a3 ×c2 ×b2 …………… (8) 規則の適合度 X7 =a1 ×c2 …………… (9) 規則の適合度 X8 = b3 …………… (10)
【0056】次に、後件部において推論を行うために、
二次燃焼空気量変更分Y1 〜Y8 を定める。そして、次
の(11)式により推論を行って、推論結果Zを得る。
【0057】
【数2】
【0058】(11) 式に基づく推論結果から、推論結果
Zと二次燃焼空気量出力値の前回値(F2(k-1))から二次
燃焼空気量出力値の今回値(F2(k))が得られる。
【0059】 F2(k) = F2(k-1) + Z ……………(12)
【0060】図8,図9は、本発明に係るごみ焼却炉の
制御方法による制御試験結果の一例を示すものであり、
図10,図11は従来のごみ焼却炉の比例制御方法によ
る結果を示している。
【0061】これらの図から明らかなように、炉内温度
安定化、O2 濃度変動範囲抑制に関するこの試験では、
従来の制御方法では炉内温度の変動幅が220℃であっ
たのに対して、本発明の制御方法では、その変動幅が1
70℃となり、約25%低減された。又、O2 濃度の変
動幅についても従来の制御方法では7.7%(平均値O
2 濃度8.9%)であったのに対し、本発明の制御方法
では5.5%(平均値O2 濃度6.8%)となり、約3
0%程度低減することができた。又、副次的に、CO濃
度値及びNOX 濃度値も抑制することができる満足すべ
き結果を得ている。
【0062】尚、この実施形態では、二次燃焼空気量の
制御系への入力として炉内温度偏差を用いている。ボイ
ラを有する場合は、炉内温度偏差の代わりに蒸気流量偏
差を用いてよい。
【0063】
【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
二次燃焼空気量を非線形制御、特に、二次燃焼空気量を
条件別増減制御又はファジィ制御することによって炉内
温度を安定化し、且つ、O2 濃度を所定の値に制御し
て、ごみ焼却炉の寿命延長を図ることができる。又、炉
内温度が安定化するので、この排ガスのエネルギー有効
利用を図ることができる利点がある。
【0064】更に、炉内温度が下がり過ぎた場合は、炉
内に酸素濃度が十分に有るにも関わらず二次燃焼が起き
難くなり、排出ガスのCO濃度が増大する現象がある
が、O 2 濃度を計測することで、二次燃焼空気量が冷却
領域にあることが検出できるので、二次燃焼空気量を減
少させることによって炉内温度を上昇させて、排ガス中
のCO濃度の増大を防止することができる利点がある。
【0065】又、排ガス中のO2 濃度を抑制したとして
も、二次燃焼空気量が二次燃焼領域に近づくように制御
すれば、O2 濃度の低下による不完全燃焼が防止できる
ので、排出ガス中のCO濃度の増大を防止することがで
きる利点がある。
【0066】又、ごみ焼却炉では、O2 濃度が高い程、
窒素酸化物(NOX )の濃度が高くなるため、O2 濃度
の増大による排出NOX の増大が防止できる利点があ
る。
【0067】又、ごみ焼却炉に投入されるごみ発熱量の
変動などがあったとしても炉内温度及び排ガス酸素濃度
がともに安定に制御されるので、常に燃焼効率のよい燃
焼が可能となる利点があり、発電ボイラを備える火格子
式ごみ焼却炉では発熱量が安定するので、発電効率を向
上させることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るごみ焼却炉の燃焼制御装置及びそ
の方法の実施形態を示す図である。
【図2】燃焼制御方法の制御ブロック図である。
【図3】ファジィ制御による燃焼制御方法の制御ブロッ
ク図である。
【図4】炉内温度と二次燃焼空気量との関係を示す図で
ある。
【図5】排ガス中のO2 濃度と二次燃焼空気量との関係
を示す図である。
【図6】ファジィ制御の前件部(入力)と後件部(出
力)を示す図である。
【図7】前件部メンバーシップ関数を示す図である。
【図8】本発明による炉内温度の制御試験結果を示す図
である。
【図9】本発明によるO2 濃度の制御試験結果を示す図
である。
【図10】従来のごみ焼却炉の燃焼制御方法における炉
内温度の制御試験結果を示す図である。
【図11】従来のごみ焼却炉の燃焼制御方法におけるO
2 濃度の制御試験結果を示す図である。
【図12】本発明に係るごみ焼却炉の燃焼制御方法を示
すフローチャート図である。
【図13】従来のごみ焼却炉の燃焼制御装置及びその方
法を示す図である。
【符号の説明】
1 ごみ焼却炉 1a〜1c 火格子 2 ごみ投入口 3 灰落下口 4 炉出口 5 ボイラ 6 煙突 7 吸入口 8,10 ファン 9,11 流量調節機構(ダンパー) 12 蒸気流量計 13 炉内温度センサ 14 炉内温度計 16 一次燃焼空気制御手段 18 O2 濃度センサ 19 炉排出O2 濃度計 20 二次燃焼空気制御手段 21 コンピュータ(制御装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/14 ZAB F23G 5/14 ZABF 5/46 ZAB 5/46 ZABA

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉が燃焼空気を供給する一次燃
    焼空気供給系と二次燃焼空気供給系と、燃焼負荷に応じ
    た状態量に基づいて前記一次燃焼空気供給系から前記ご
    み焼却炉内に供給される一次燃焼空気量を操作する制御
    手段と、前記ごみ焼却炉内の温度と炉内の燃焼排ガス中
    のO2 濃度を測定する計測手段と、前記計測手段による
    計測値によって二次燃焼空気量を操作する非線形制御手
    段と、を備えることを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記非線形制御手段がファジィ制御手段
    であることを特徴とする請求項1に記載のごみ焼却炉の
    燃焼制御装置。
  3. 【請求項3】 ごみ焼却炉に一定時間に投入されるごみ
    量に対する発熱量に応じた状態量に基づいて、前記ごみ
    焼却炉の一次燃焼空気量をフィードフォワード制御乃至
    フィードバック制御によって操作し、且つ、前記ごみ焼
    却炉の炉内温度と燃焼排ガス中のO2 濃度を測定して、
    これらの計測値に基づく非線形制御手段により二次燃焼
    空気量を操作することを特徴とするごみ焼却炉の燃焼制
    御方法。
  4. 【請求項4】 ごみ焼却炉に燃焼空気を供給する一次燃
    焼空気供給系と二次燃焼空気供給系とを備え、前記一次
    燃焼空気供給系から供給される一次燃焼空気量を燃焼負
    荷に応じた状態量に基づく制御手段により操作し、且
    つ、前記ごみ焼却炉の炉内温度と燃焼排ガス中のO2
    度を測定して、これらの計測値をパラメータとする関数
    に基づいた非線形制御手段により前記二次燃焼空気供給
    系から供給される二次燃焼空気量を操作することを特徴
    とするごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  5. 【請求項5】 上記非線形制御手段がファジィ制御によ
    ることを特徴とする請求項3又は4に記載のごみ焼却炉
    の燃焼制御方法。
JP8139293A 1995-06-02 1996-05-31 ごみ焼却炉の燃焼制御装置及びその方法 Withdrawn JPH0949624A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013257063A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Jfe Engineering Corp 廃棄物焼却炉及び廃棄物焼却方法

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