JPH0949229A - 無排土杭及びその施工方法 - Google Patents
無排土杭及びその施工方法Info
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- JPH0949229A JPH0949229A JP20213395A JP20213395A JPH0949229A JP H0949229 A JPH0949229 A JP H0949229A JP 20213395 A JP20213395 A JP 20213395A JP 20213395 A JP20213395 A JP 20213395A JP H0949229 A JPH0949229 A JP H0949229A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 孔底の根固めを不要にしながら、掘削土を杭
内部で処理し、残土の発生を解消する。 【解決手段】 杭1を上端から軸方向の中間部までの区
間の中空断面の円筒部2と、中間部から下端までの区間
の先端部3に区分し、先端部3を円筒部2側から先端へ
かけて外径が縮小する立面形状にし、先端部3回りの地
盤を締め固めた状態で先端部3を支持層に貫入させる。
円筒部2を薄肉の鋼管にしてその容積を増加させ、円筒
部2の内部を掘削土の埋め戻し用、あるいは残留用の空
間として利用する。
内部で処理し、残土の発生を解消する。 【解決手段】 杭1を上端から軸方向の中間部までの区
間の中空断面の円筒部2と、中間部から下端までの区間
の先端部3に区分し、先端部3を円筒部2側から先端へ
かけて外径が縮小する立面形状にし、先端部3回りの地
盤を締め固めた状態で先端部3を支持層に貫入させる。
円筒部2を薄肉の鋼管にしてその容積を増加させ、円筒
部2の内部を掘削土の埋め戻し用、あるいは残留用の空
間として利用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は残土を発生させず
に地中に圧入される無排土杭とその施工方法に関するも
のである。
に地中に圧入される無排土杭とその施工方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】都市部
やその近郊部では環境への配慮から、図7〜図9に示す
低騒音,低振動形の杭の施工方法が実施される。図7は
中掘り工法により杭先端の地盤を掘削,排土しながら杭
を支持層に設置する方法、図8は先掘り(プレボーリン
グ)工法により掘削して予め地盤に削孔を形成した後
に、削孔内の杭先端部分に固化材を含む混合液を注入
し、杭を設置する方法、図9は先掘り工法において最終
的に杭を圧入する方法である。
やその近郊部では環境への配慮から、図7〜図9に示す
低騒音,低振動形の杭の施工方法が実施される。図7は
中掘り工法により杭先端の地盤を掘削,排土しながら杭
を支持層に設置する方法、図8は先掘り(プレボーリン
グ)工法により掘削して予め地盤に削孔を形成した後
に、削孔内の杭先端部分に固化材を含む混合液を注入
し、杭を設置する方法、図9は先掘り工法において最終
的に杭を圧入する方法である。
【0003】先掘りと中掘りの違いはあるものの、いず
れも地盤を掘削して形成された削孔内に杭の種類を問わ
ずに杭を設置する方法であり、杭が場所打ち杭,あるい
はPC杭のように中実断面の場合は掘削土の埋め戻しが
行われないため地上に排出された掘削土は廃棄物,また
は建設残土として処理されなければならない。
れも地盤を掘削して形成された削孔内に杭の種類を問わ
ずに杭を設置する方法であり、杭が場所打ち杭,あるい
はPC杭のように中実断面の場合は掘削土の埋め戻しが
行われないため地上に排出された掘削土は廃棄物,また
は建設残土として処理されなければならない。
【0004】杭に中空断面のPC杭を使用すれば、掘削
土を杭の中空部内に埋め戻すことができるが、PC杭は
厚肉であるため中空部内部へ埋め戻しできる量が限られ
ることに加え、掘削土は地中にあるときより地上で体積
が増加し、排土量が膨大になるため残土の問題は残る。
土を杭の中空部内に埋め戻すことができるが、PC杭は
厚肉であるため中空部内部へ埋め戻しできる量が限られ
ることに加え、掘削土は地中にあるときより地上で体積
が増加し、排土量が膨大になるため残土の問題は残る。
【0005】また中掘り工法や先掘り工法では杭の鉛直
支持力確保のために、杭先端部分を拡大掘削し、孔底に
セメントミルク等の固化材を注入して固化させる方法が
併用されるが、固化材の注入量分だけ掘削土の埋め戻し
量が減少するため、残土量が増大する。
支持力確保のために、杭先端部分を拡大掘削し、孔底に
セメントミルク等の固化材を注入して固化させる方法が
併用されるが、固化材の注入量分だけ掘削土の埋め戻し
量が減少するため、残土量が増大する。
【0006】上記残土の問題は特開平5-86791号のよう
に掘削土を地上へ排出することなく、削孔を形成する方
法によって解決される。これは円柱状のケーシングとそ
の先端部に接続し、円錐状の形状をしたオーガヘッドか
らなる装置を回転させながら貫入させることによりオー
ガヘッド回りの地盤を押し退けてその周辺の地盤へ圧密
させ、オーガヘッド直上の圧密シューにより周辺地盤を
締め固めて圧密土壁を形成することによりオーガヘッド
で掘削された土砂を地上へ排出することなく、崩落が生
じない垂直円柱面の壁面を持つ削孔を形成し、削孔内に
既製杭を設置する方法である。
に掘削土を地上へ排出することなく、削孔を形成する方
法によって解決される。これは円柱状のケーシングとそ
の先端部に接続し、円錐状の形状をしたオーガヘッドか
らなる装置を回転させながら貫入させることによりオー
ガヘッド回りの地盤を押し退けてその周辺の地盤へ圧密
させ、オーガヘッド直上の圧密シューにより周辺地盤を
締め固めて圧密土壁を形成することによりオーガヘッド
で掘削された土砂を地上へ排出することなく、崩落が生
じない垂直円柱面の壁面を持つ削孔を形成し、削孔内に
既製杭を設置する方法である。
【0007】この方法では既製杭がオーガヘッドの形状
通りに形成された円錐状の孔底上に落とし込まれ、孔底
部分では削孔内に既製杭を設置する場合と変わらないた
め、杭を安定させる目的から、杭先端部にセメント系材
料の根固め液を注入する必要がある。また掘削土を排出
することなく周辺へ圧密させながら装置を貫入させるた
め、回転時にケーシングの周面に作用する摩擦力が大き
く、ケーシングを回転させる駆動装置には過大な負荷が
かかる。
通りに形成された円錐状の孔底上に落とし込まれ、孔底
部分では削孔内に既製杭を設置する場合と変わらないた
め、杭を安定させる目的から、杭先端部にセメント系材
料の根固め液を注入する必要がある。また掘削土を排出
することなく周辺へ圧密させながら装置を貫入させるた
め、回転時にケーシングの周面に作用する摩擦力が大き
く、ケーシングを回転させる駆動装置には過大な負荷が
かかる。
【0008】この発明は上記背景より残土を発生させず
に、杭先端部における根固めを必要としない無排土杭と
その施工方法を提案するものである。
に、杭先端部における根固めを必要としない無排土杭と
その施工方法を提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の杭は地中に直接
圧入される、または先掘り工法により地盤の掘削後に、
もしくは中掘り工法により掘削と共に圧入されるが、請
求項1乃至請求項3、及び請求項7乃至請求項9記載発
明では杭を上端から軸方向の中間部までの区間の中空断
面の円筒部と、中間部から下端までの区間の先端部に区
分し、先端部を円筒部側から先端へかけて外径が縮小す
る立面形状にすることにより、圧入による杭の貫入に伴
い、先端部の傾斜面によってその周囲の土砂を押し退け
て周辺地盤に圧密させ、最終的に先端部回りの地盤を締
め固めた状態で先端部を支持層に貫入させることにより
孔底の根固めを不要にする。
圧入される、または先掘り工法により地盤の掘削後に、
もしくは中掘り工法により掘削と共に圧入されるが、請
求項1乃至請求項3、及び請求項7乃至請求項9記載発
明では杭を上端から軸方向の中間部までの区間の中空断
面の円筒部と、中間部から下端までの区間の先端部に区
分し、先端部を円筒部側から先端へかけて外径が縮小す
る立面形状にすることにより、圧入による杭の貫入に伴
い、先端部の傾斜面によってその周囲の土砂を押し退け
て周辺地盤に圧密させ、最終的に先端部回りの地盤を締
め固めた状態で先端部を支持層に貫入させることにより
孔底の根固めを不要にする。
【0010】杭の先端部は傾斜することにより、その形
状に沿って圧密された地盤に貫入して支持されるため、
先端部の先端が支持層に到達したところでそのまま設置
が完了し、杭先端の安定性確保のための根固めが不要に
なる。先端部が圧密された地盤に貫入して支持されるこ
とにより杭圧入時の精度や確実性の低下は回避される。
また根固め液の注入が必要なくなることによりセメント
系材料を使用することによる作業現場の汚れも発生しな
い。
状に沿って圧密された地盤に貫入して支持されるため、
先端部の先端が支持層に到達したところでそのまま設置
が完了し、杭先端の安定性確保のための根固めが不要に
なる。先端部が圧密された地盤に貫入して支持されるこ
とにより杭圧入時の精度や確実性の低下は回避される。
また根固め液の注入が必要なくなることによりセメント
系材料を使用することによる作業現場の汚れも発生しな
い。
【0011】また先端部が傾斜することと、その形状に
沿って圧密された地盤に貫入することにより、杭が地盤
に支持された状態では先端部の傾斜した外周面に地盤か
ら鉛直上向きの支持力を受けると同時に、地盤の圧密に
よって地盤から先端部の外周面に半径方向中心側へ反力
を受けるため、杭は先端部が円筒形の場合と同等程度以
上の支持力が得られ、設置状態での安定性が高まる。
沿って圧密された地盤に貫入することにより、杭が地盤
に支持された状態では先端部の傾斜した外周面に地盤か
ら鉛直上向きの支持力を受けると同時に、地盤の圧密に
よって地盤から先端部の外周面に半径方向中心側へ反力
を受けるため、杭は先端部が円筒形の場合と同等程度以
上の支持力が得られ、設置状態での安定性が高まる。
【0012】先端部の長さや外周面の鉛直に対する角度
は必要な鉛直荷重支持力が得られると同時に、周辺地盤
が締め固められるよう設定され、円筒部の外径と長さは
必要な引き抜き抵抗が得られるよう設定される。杭貫入
時の抵抗と引き抜き抵抗の双方を考慮すれば、先端部は
杭全長の半分程度以下に設定され、先端部外周面の鉛直
に対する角度は周辺地盤の破壊を招かない程度に45°以
下で、より厳密には30°以下に設定される。
は必要な鉛直荷重支持力が得られると同時に、周辺地盤
が締め固められるよう設定され、円筒部の外径と長さは
必要な引き抜き抵抗が得られるよう設定される。杭貫入
時の抵抗と引き抜き抵抗の双方を考慮すれば、先端部は
杭全長の半分程度以下に設定され、先端部外周面の鉛直
に対する角度は周辺地盤の破壊を招かない程度に45°以
下で、より厳密には30°以下に設定される。
【0013】残土の問題に対しては、請求項1乃至請求
項3、及び請求項7乃至請求項9に記載の通り、杭の円
筒部を鋼管にして円筒部の容積を増加させ、円筒部の内
部を先掘り工法で地上に排出された掘削土の埋め戻し用
の空間として、あるいは中掘り工法で掘削された掘削土
を残留させる空間として利用することにより掘削土を杭
内部で処理し、残土の発生を解消する。
項3、及び請求項7乃至請求項9に記載の通り、杭の円
筒部を鋼管にして円筒部の容積を増加させ、円筒部の内
部を先掘り工法で地上に排出された掘削土の埋め戻し用
の空間として、あるいは中掘り工法で掘削された掘削土
を残留させる空間として利用することにより掘削土を杭
内部で処理し、残土の発生を解消する。
【0014】杭の先端部が貫入する地盤の土砂は先端部
の貫入に伴って周辺地盤へ圧密されることから、少なく
とも先端部の地盤は掘削される必要はないため、掘削土
は円筒部の区間からのみ発生する。加えて先端部の貫入
と共に円筒部が貫入する区間の土砂も周辺へ圧密される
ことから、円筒部の区間で必要な掘削土の量は円筒部の
体積より少なくて済むため、円筒部が薄肉の鋼管である
ことにより掘削土は円筒部の中空部内へ完全に埋め戻さ
れ、処理される。
の貫入に伴って周辺地盤へ圧密されることから、少なく
とも先端部の地盤は掘削される必要はないため、掘削土
は円筒部の区間からのみ発生する。加えて先端部の貫入
と共に円筒部が貫入する区間の土砂も周辺へ圧密される
ことから、円筒部の区間で必要な掘削土の量は円筒部の
体積より少なくて済むため、円筒部が薄肉の鋼管である
ことにより掘削土は円筒部の中空部内へ完全に埋め戻さ
れ、処理される。
【0015】杭が請求項4及び請求項10記載発明で直接
圧入により、または請求項5及び請求項11記載発明で先
掘り工法により施工される場合、先端部は中実断面と中
空断面のいずれでもよいが、請求項6及び請求項12記載
発明で中掘り工法により施工される場合はオーガヘッド
が挿通可能に、請求項2及び請求項8に記載の通り、中
空断面に形成される。
圧入により、または請求項5及び請求項11記載発明で先
掘り工法により施工される場合、先端部は中実断面と中
空断面のいずれでもよいが、請求項6及び請求項12記載
発明で中掘り工法により施工される場合はオーガヘッド
が挿通可能に、請求項2及び請求項8に記載の通り、中
空断面に形成される。
【0016】また請求項3及び請求項9に記載の通り、
少なくとも先端部の外周に螺旋状の突条を形成すること
により圧入時に回転を加えた場合に、摩擦抵抗が小さく
なるため貫入が容易になり、杭の圧入に必要な載荷重が
軽減される。この場合、杭の回転は圧入に対して補助的
に行われるため駆動装置に過大な負荷がかかることはな
い。
少なくとも先端部の外周に螺旋状の突条を形成すること
により圧入時に回転を加えた場合に、摩擦抵抗が小さく
なるため貫入が容易になり、杭の圧入に必要な載荷重が
軽減される。この場合、杭の回転は圧入に対して補助的
に行われるため駆動装置に過大な負荷がかかることはな
い。
【0017】杭が請求項5及び請求項11記載発明で先掘
り工法により地盤を掘削した後に、もしくは請求項6及
び請求項12記載発明で中掘り工法により掘削と共に圧入
される場合、地盤の掘削は、先端部の先端の外径より大
きく、円筒部の内径より小さい径のオーガヘッドを持つ
オーガによって行われる。先掘り工法の場合はオーガに
よる削孔の形成後に削孔内に杭が圧入され、中掘り工法
の場合は杭の内部に挿通されるオーガの、先端部の先端
から突出するオーガヘッドを掘進させることにより削孔
を形成しながら削孔内に杭が圧入される。
り工法により地盤を掘削した後に、もしくは請求項6及
び請求項12記載発明で中掘り工法により掘削と共に圧入
される場合、地盤の掘削は、先端部の先端の外径より大
きく、円筒部の内径より小さい径のオーガヘッドを持つ
オーガによって行われる。先掘り工法の場合はオーガに
よる削孔の形成後に削孔内に杭が圧入され、中掘り工法
の場合は杭の内部に挿通されるオーガの、先端部の先端
から突出するオーガヘッドを掘進させることにより削孔
を形成しながら削孔内に杭が圧入される。
【0018】上記の通り、オーガヘッドの径が円筒部の
内径より小さいことから、円筒部の外径はオーガヘッド
の径、すなわち削孔の径より大きいため、杭の圧入時に
は円筒部の外周面に摩擦力が働き、この摩擦力によって
設置後に杭の引き抜き抵抗が見込まれる。
内径より小さいことから、円筒部の外径はオーガヘッド
の径、すなわち削孔の径より大きいため、杭の圧入時に
は円筒部の外周面に摩擦力が働き、この摩擦力によって
設置後に杭の引き抜き抵抗が見込まれる。
【0019】請求項1乃至請求項3記載の発明では先端
部がその周辺地盤を圧密させて地盤に支持され、円筒部
が設置後にその周辺地盤から引き抜き抵抗を得、先端部
と円筒部の機能が分離しているため、両者を1本の杭と
して連続、あるいは連結しておく必然性はなく、請求項
7乃至請求項9に記載の通り、先端部と円筒部を分離
し、請求項10乃至請求項12に記載の通り、別個に設置す
ることが可能である。
部がその周辺地盤を圧密させて地盤に支持され、円筒部
が設置後にその周辺地盤から引き抜き抵抗を得、先端部
と円筒部の機能が分離しているため、両者を1本の杭と
して連続、あるいは連結しておく必然性はなく、請求項
7乃至請求項9に記載の通り、先端部と円筒部を分離
し、請求項10乃至請求項12に記載の通り、別個に設置す
ることが可能である。
【0020】別個に設置する場合にはそれぞれの圧入時
に円筒部と先端部の外周面に作用する摩擦力のいずれか
がなくなるため、圧入に要する力が一体の場合より軽減
される。この場合、円筒部の内径を先端部の上端部分の
外径より小さくしておく等により円筒部が先端部上に載
る形の組み合わせにしておけば、円筒部が負担する鉛直
荷重の、先端部への伝達が確保され、杭としての鉛直荷
重支持力が確保される。
に円筒部と先端部の外周面に作用する摩擦力のいずれか
がなくなるため、圧入に要する力が一体の場合より軽減
される。この場合、円筒部の内径を先端部の上端部分の
外径より小さくしておく等により円筒部が先端部上に載
る形の組み合わせにしておけば、円筒部が負担する鉛直
荷重の、先端部への伝達が確保され、杭としての鉛直荷
重支持力が確保される。
【0021】また先端部と円筒部を分離した場合、先端
部は周辺地盤を圧密させる役目を持つことから、中空断
面である必要はなく、中実断面材であっても周辺地盤の
締め固め効果により掘削土量の削減は図られるため、円
筒部が薄肉断面でありさえすれば、掘削土は円筒部内で
処理でき、残土を発生させる事態は回避される。
部は周辺地盤を圧密させる役目を持つことから、中空断
面である必要はなく、中実断面材であっても周辺地盤の
締め固め効果により掘削土量の削減は図られるため、円
筒部が薄肉断面でありさえすれば、掘削土は円筒部内で
処理でき、残土を発生させる事態は回避される。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1乃至請求項3、及び請求
項7乃至請求項9記載の発明は残土を発生させることな
く、地中に直接、または先掘り工法,もしくは中掘り工
法で圧入されて設置される杭1である。
項7乃至請求項9記載の発明は残土を発生させることな
く、地中に直接、または先掘り工法,もしくは中掘り工
法で圧入されて設置される杭1である。
【0023】杭1は図1に示すように上端から軸方向の
中間部までの区間の中空断面の円筒部2と、中間部から
下端までの区間の先端部3に区分される。円筒部2には
薄肉でありながら十分な強度を持つ鋼管杭が使用され、
先端部3は円筒部2側から先端へかけて外径が縮小する
立面形状をする。円筒部2の内部には図1に示す中掘り
工法で掘削された掘削土が残留し、図5に示す先掘り工
法で地上に排出された掘削土9が埋め戻される。
中間部までの区間の中空断面の円筒部2と、中間部から
下端までの区間の先端部3に区分される。円筒部2には
薄肉でありながら十分な強度を持つ鋼管杭が使用され、
先端部3は円筒部2側から先端へかけて外径が縮小する
立面形状をする。円筒部2の内部には図1に示す中掘り
工法で掘削された掘削土が残留し、図5に示す先掘り工
法で地上に排出された掘削土9が埋め戻される。
【0024】円筒部2の長さと内径は先掘り工法,もし
くは中掘り工法により杭1を圧入するのに必要な掘削土
の量を見込んで決まり、また円筒部2の長さと先端部3
の長さの関係、及び先端部3の外周面の鉛直に対する角
度は杭1の設置状態での鉛直荷重支持力と、引き抜き抵
抗力の関係から決まる。
くは中掘り工法により杭1を圧入するのに必要な掘削土
の量を見込んで決まり、また円筒部2の長さと先端部3
の長さの関係、及び先端部3の外周面の鉛直に対する角
度は杭1の設置状態での鉛直荷重支持力と、引き抜き抵
抗力の関係から決まる。
【0025】図1に示すように杭1の内部にオーガ4が
挿入される中掘り工法により杭1が圧入される場合に
は、先端部3は中空断面に形成され、先端部3の下端が
開放し、全長に亘って中空断面となる。先端部3を含め
て全長に亘って一定の肉厚で杭1が製作される場合は鋼
管が使用されるが、杭1が直接、または先掘り工法によ
り圧入される場合の他、後述する請求項7乃至請求項9
記載の発明のように円筒部2と先端部3を分離し、別個
に圧入する場合は先端部3にPC杭を使用する場合もあ
る。
挿入される中掘り工法により杭1が圧入される場合に
は、先端部3は中空断面に形成され、先端部3の下端が
開放し、全長に亘って中空断面となる。先端部3を含め
て全長に亘って一定の肉厚で杭1が製作される場合は鋼
管が使用されるが、杭1が直接、または先掘り工法によ
り圧入される場合の他、後述する請求項7乃至請求項9
記載の発明のように円筒部2と先端部3を分離し、別個
に圧入する場合は先端部3にPC杭を使用する場合もあ
る。
【0026】中掘り工法で圧入される場合、先端部3の
先端の外径d1は拡張したオーガヘッド5の径d3より小さ
いが、図2に示すように内径には収縮したオーガヘッド
5が挿通可能な大きさが与えられる。
先端の外径d1は拡張したオーガヘッド5の径d3より小さ
いが、図2に示すように内径には収縮したオーガヘッド
5が挿通可能な大きさが与えられる。
【0027】先端部3が中空断面に形成された杭1は請
求項2記載発明であり、請求項3記載発明は請求項1,
もしくは請求項2記載発明において、図3に示すように
少なくとも先端部3の外周に螺旋状の突条31を形成した
ものである。
求項2記載発明であり、請求項3記載発明は請求項1,
もしくは請求項2記載発明において、図3に示すように
少なくとも先端部3の外周に螺旋状の突条31を形成した
ものである。
【0028】請求項4記載発明は図示していないが、請
求項1乃至請求項3記載のいずれかの杭1を、先端部3
の周囲の土砂をその周辺地盤に圧密させながら直接地中
に圧入する方法である。
求項1乃至請求項3記載のいずれかの杭1を、先端部3
の周囲の土砂をその周辺地盤に圧密させながら直接地中
に圧入する方法である。
【0029】請求項5記載の発明は請求項2,もしくは
請求項3記載の杭1を先掘り工法により地中に圧入する
方法であり、請求項6記載の発明は中掘り工法により地
中に圧入する方法である。
請求項3記載の杭1を先掘り工法により地中に圧入する
方法であり、請求項6記載の発明は中掘り工法により地
中に圧入する方法である。
【0030】地盤の掘削に使用されるオーガ4のオーガ
ヘッド5は拡張したときに先端部3の先端の外径d1より
大きく、円筒部2の内径d2より小さい径d3を持つ。中掘
り工法の場合はオーガ4が杭1の内部に挿入され、先端
部3の先端から突出して拡張したオーガヘッド5で地盤
を掘進し、削孔8を形成しながら杭1が圧入される。
ヘッド5は拡張したときに先端部3の先端の外径d1より
大きく、円筒部2の内径d2より小さい径d3を持つ。中掘
り工法の場合はオーガ4が杭1の内部に挿入され、先端
部3の先端から突出して拡張したオーガヘッド5で地盤
を掘進し、削孔8を形成しながら杭1が圧入される。
【0031】先掘り工法の場合はオーガヘッド5で地盤
を掘削し、削孔8を形成した後に杭1が圧入される。図
1,図2は請求項2記載の杭1を中掘り工法で設置する
請求項6記載発明の施工要領を示す。
を掘削し、削孔8を形成した後に杭1が圧入される。図
1,図2は請求項2記載の杭1を中掘り工法で設置する
請求項6記載発明の施工要領を示す。
【0032】先掘り工法で杭1を設置する場合、削孔8
は先端部3の先端の外径d1より大きい径d3のオーガヘッ
ド5により掘削されて形成されることから、圧入時、先
端部3の先端は常に削孔8内に位置するため、杭1は圧
入されることにより先端部3から円筒部2まで削孔8を
強制的に押し広げ、削孔8回りの地盤を締め固めながら
貫入する。また円筒部2の外径より削孔8の径が小さい
ため、円筒部2も圧入によって削孔8の周辺の地盤を締
め固めることになる。
は先端部3の先端の外径d1より大きい径d3のオーガヘッ
ド5により掘削されて形成されることから、圧入時、先
端部3の先端は常に削孔8内に位置するため、杭1は圧
入されることにより先端部3から円筒部2まで削孔8を
強制的に押し広げ、削孔8回りの地盤を締め固めながら
貫入する。また円筒部2の外径より削孔8の径が小さい
ため、円筒部2も圧入によって削孔8の周辺の地盤を締
め固めることになる。
【0033】この地盤の締め固め効果により、掘削土の
体積は先端部3の先端から円筒部2の上端までの杭1全
体の容積より少なくて済むため、地上に排出されている
掘削土を杭1の設置完了後には円筒部2内、あるいは杭
1の内部に完全に埋め戻すことができる。図1,図2に
示す中掘り工法で杭1を設置する場合も、掘削土の体積
と杭1の容積の関係は同じであり、掘削土は掘進中杭1
の内部に存在しているため掘削土が残土になることはな
い。
体積は先端部3の先端から円筒部2の上端までの杭1全
体の容積より少なくて済むため、地上に排出されている
掘削土を杭1の設置完了後には円筒部2内、あるいは杭
1の内部に完全に埋め戻すことができる。図1,図2に
示す中掘り工法で杭1を設置する場合も、掘削土の体積
と杭1の容積の関係は同じであり、掘削土は掘進中杭1
の内部に存在しているため掘削土が残土になることはな
い。
【0034】中掘り工法では図1に示すように拡張した
オーガヘッド5が杭1の先端部3の先端より先行して掘
削し、掘進する毎に杭1が圧入される。先端部3が所定
の支持層に到達した時点で図2に示すようにオーガヘッ
ド5を収縮させてオーガ4が引き抜かれ、杭1の最終的
な圧入が行われる。
オーガヘッド5が杭1の先端部3の先端より先行して掘
削し、掘進する毎に杭1が圧入される。先端部3が所定
の支持層に到達した時点で図2に示すようにオーガヘッ
ド5を収縮させてオーガ4が引き抜かれ、杭1の最終的
な圧入が行われる。
【0035】オーガ4のオーガスクリュー6はオーガヘ
ッド5で掘削された杭1内部の掘削土を回転により上方
へ移動させるが、オーガスクリュー6の上方に掘削土の
上昇を阻止するフィン7を設置しておくことにより掘削
土が地上に排出されることを防止でき、埋め戻しの手間
が省かれる。オーガヘッド5が掘削する掘削土の量はそ
の径d3の調整により調整可能で、掘削土を一切地上へ排
出することなく杭1内部で処理することもできる。
ッド5で掘削された杭1内部の掘削土を回転により上方
へ移動させるが、オーガスクリュー6の上方に掘削土の
上昇を阻止するフィン7を設置しておくことにより掘削
土が地上に排出されることを防止でき、埋め戻しの手間
が省かれる。オーガヘッド5が掘削する掘削土の量はそ
の径d3の調整により調整可能で、掘削土を一切地上へ排
出することなく杭1内部で処理することもできる。
【0036】いずれの施工方法によっても杭1の設置状
態では先端部3から円筒部2までの全長に亘り、周辺地
盤を圧密させ、円筒部2の外周面の摩擦力によって引き
抜き抵抗力を得ることに加え、先端部3がその傾斜に沿
って圧密された地盤に貫入することにより、地盤から鉛
直上向きの支持力と、先端部の外周面に垂直な方向の地
盤の圧密による反力を受けるため、杭1は先端部3が円
筒形の場合より高い支持力を得る。
態では先端部3から円筒部2までの全長に亘り、周辺地
盤を圧密させ、円筒部2の外周面の摩擦力によって引き
抜き抵抗力を得ることに加え、先端部3がその傾斜に沿
って圧密された地盤に貫入することにより、地盤から鉛
直上向きの支持力と、先端部の外周面に垂直な方向の地
盤の圧密による反力を受けるため、杭1は先端部3が円
筒形の場合より高い支持力を得る。
【0037】図3,図4は先端部3の外周に螺旋状の突
条31を形成した請求項3記載の杭1を中掘り工法で設置
する請求項6記載発明の施工要領を示す。オーガヘッド
5の径d3と先端部3の外径d1及び円筒部2の内径d2との
関係は図1の場合と同じである。
条31を形成した請求項3記載の杭1を中掘り工法で設置
する請求項6記載発明の施工要領を示す。オーガヘッド
5の径d3と先端部3の外径d1及び円筒部2の内径d2との
関係は図1の場合と同じである。
【0038】この実施例では圧入時に、回転によって突
条31の螺旋が進行する向きに杭1に回転が加えられる。
回転が加えられることによって突条31が地盤中を掘進
し、杭1の圧入が補われるため、施工機械の圧入に要す
る力が軽減される。オーガ4による同一径の削孔8に対
して圧入に要する力が軽減されることから、突条31を形
成しない場合に圧入に要する力と等しい力を、突条31を
形成した場合に圧入時に加えるとすれば、より大きい抵
抗に抗して圧入することができるためオーガ4による削
孔8の径を縮小することができ、掘削土の削減に結びつ
く。
条31の螺旋が進行する向きに杭1に回転が加えられる。
回転が加えられることによって突条31が地盤中を掘進
し、杭1の圧入が補われるため、施工機械の圧入に要す
る力が軽減される。オーガ4による同一径の削孔8に対
して圧入に要する力が軽減されることから、突条31を形
成しない場合に圧入に要する力と等しい力を、突条31を
形成した場合に圧入時に加えるとすれば、より大きい抵
抗に抗して圧入することができるためオーガ4による削
孔8の径を縮小することができ、掘削土の削減に結びつ
く。
【0039】請求項7記載発明の杭1は図5,図6に示
すように請求項1記載発明の杭1を先端部3と円筒部2
に分離したものである。図5,図6は先掘り工法で杭1
を設置する場合を示すが、この場合は先端部3をオーガ
4が貫通しないことから、先端部3は中空断面である必
要はないため、鋼管杭の他、中実断面,あるいは中空断
面のPC杭が使用される。円筒部2の外径は円筒部2か
ら先端部3への鉛直荷重の伝達が図れるよう、円筒部2
が先端部3上に載る大きさを持つ。円筒部2内への掘削
土の埋め戻しを考慮すれば、円筒部2の容積が最大にな
るよう、円筒部2の外径は先端部3の上端の外径に等し
く設定される。
すように請求項1記載発明の杭1を先端部3と円筒部2
に分離したものである。図5,図6は先掘り工法で杭1
を設置する場合を示すが、この場合は先端部3をオーガ
4が貫通しないことから、先端部3は中空断面である必
要はないため、鋼管杭の他、中実断面,あるいは中空断
面のPC杭が使用される。円筒部2の外径は円筒部2か
ら先端部3への鉛直荷重の伝達が図れるよう、円筒部2
が先端部3上に載る大きさを持つ。円筒部2内への掘削
土の埋め戻しを考慮すれば、円筒部2の容積が最大にな
るよう、円筒部2の外径は先端部3の上端の外径に等し
く設定される。
【0040】請求項8記載発明は特に先端部3が中空断
面である場合の杭1であり、請求項9記載発明は先端部
3の外周面に螺旋状の突条31を形成した杭1である。
面である場合の杭1であり、請求項9記載発明は先端部
3の外周面に螺旋状の突条31を形成した杭1である。
【0041】請求項10記載発明は請求項7乃至請求項9
のいずれかに記載の杭1の先端部3を、先端部3の周囲
の土砂をその周辺地盤に圧密させながら直接地中に圧入
した後、先端部3上に円筒部2を圧入して設置する施工
方法である。
のいずれかに記載の杭1の先端部3を、先端部3の周囲
の土砂をその周辺地盤に圧密させながら直接地中に圧入
した後、先端部3上に円筒部2を圧入して設置する施工
方法である。
【0042】請求項11記載発明は請求項8,もしくは請
求項9記載の杭1を先掘り工法により圧入する方法であ
り、請求項12記載発明は中掘り工法により圧入する方法
である。
求項9記載の杭1を先掘り工法により圧入する方法であ
り、請求項12記載発明は中掘り工法により圧入する方法
である。
【0043】図5,図6は請求項7記載発明の杭1を先
掘り工法で設置する請求項11記載発明の施工要領を示す
が、先端部3の設置に先立ち、先端部3の先端の径d4よ
り大きく、上端の径d5より小さい径d3を持つオーガヘッ
ド5により削孔8が形成される。削孔8の径はオーガヘ
ッド5の径d3になる。その後、先端部3を削孔8の周辺
地盤を締め固めながら所定の支持層まで圧入し、円筒部
2を同様に削孔8の周辺地盤を締め固めながら先端部3
上まで圧入し、先端部3上に設置する。図6に示すよう
に円筒部2の先端部3上への設置後、掘削土9を円筒部
2内に埋め戻して施工が完了する。
掘り工法で設置する請求項11記載発明の施工要領を示す
が、先端部3の設置に先立ち、先端部3の先端の径d4よ
り大きく、上端の径d5より小さい径d3を持つオーガヘッ
ド5により削孔8が形成される。削孔8の径はオーガヘ
ッド5の径d3になる。その後、先端部3を削孔8の周辺
地盤を締め固めながら所定の支持層まで圧入し、円筒部
2を同様に削孔8の周辺地盤を締め固めながら先端部3
上まで圧入し、先端部3上に設置する。図6に示すよう
に円筒部2の先端部3上への設置後、掘削土9を円筒部
2内に埋め戻して施工が完了する。
【0044】円筒部2は先端部3に鉛直荷重を伝達でき
ればよいため、先端部3に接合される必要はないが、図
6に示すように円筒部2の下端に予め板10を接合してお
き、円筒部2を面で先端部3に接触させれば荷重の伝達
が確実になる。この場合、円筒部2の下端が閉塞される
ことによる地下水の水圧の問題は板10に水抜き孔を明け
ることにより解消される。
ればよいため、先端部3に接合される必要はないが、図
6に示すように円筒部2の下端に予め板10を接合してお
き、円筒部2を面で先端部3に接触させれば荷重の伝達
が確実になる。この場合、円筒部2の下端が閉塞される
ことによる地下水の水圧の問題は板10に水抜き孔を明け
ることにより解消される。
【0045】請求項10記載発明乃至請求項12記載発明で
は円筒部2と先端部3を分離し、それぞれを独立して圧
入することにより両者が一体化している場合より圧入時
の抵抗が低減されるため、施工機械の負荷が低減される
利点がある。
は円筒部2と先端部3を分離し、それぞれを独立して圧
入することにより両者が一体化している場合より圧入時
の抵抗が低減されるため、施工機械の負荷が低減される
利点がある。
【0046】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3記載発明、及び請
求項7乃至請求項9記載発明では杭を中空断面の円筒部
と、先端部に区分し、先端部を円筒部側から先端へかけ
て外径が縮小する立面形状にしているため、圧入による
杭の貫入に伴い、先端部の傾斜面によってその周囲の土
砂を周辺地盤へ押し退けて周辺地盤に圧密させ、先端部
回りの地盤を締め固めた状態で先端部を支持層に貫入さ
せることができ、最終的には先端部の先端が支持層に到
達したところでそのまま杭の設置を完了させることがで
きるため、杭先端の安定性確保のための根固めが不要に
なる。
求項7乃至請求項9記載発明では杭を中空断面の円筒部
と、先端部に区分し、先端部を円筒部側から先端へかけ
て外径が縮小する立面形状にしているため、圧入による
杭の貫入に伴い、先端部の傾斜面によってその周囲の土
砂を周辺地盤へ押し退けて周辺地盤に圧密させ、先端部
回りの地盤を締め固めた状態で先端部を支持層に貫入さ
せることができ、最終的には先端部の先端が支持層に到
達したところでそのまま杭の設置を完了させることがで
きるため、杭先端の安定性確保のための根固めが不要に
なる。
【0047】また先端部が圧密された地盤に貫入して支
持されるため杭圧入時の精度や確実性の低下が回避され
る他、根固めが不要であるためセメント系材料を使用す
ることによる作業現場の汚れも発生しない。
持されるため杭圧入時の精度や確実性の低下が回避され
る他、根固めが不要であるためセメント系材料を使用す
ることによる作業現場の汚れも発生しない。
【0048】加えて先端部が傾斜することと、その形状
に沿って圧密された地盤に貫入することにより、杭が地
盤に支持された状態では先端部の傾斜した外周面に地盤
から鉛直上向きの支持力を受けると同時に、地盤の圧密
によって地盤から先端部の外周面に半径方向中心側へ反
力を受けるため、杭は先端部が円筒形の場合と同等程度
以上の支持力が得られ、設置状態での安定性が高まる。
に沿って圧密された地盤に貫入することにより、杭が地
盤に支持された状態では先端部の傾斜した外周面に地盤
から鉛直上向きの支持力を受けると同時に、地盤の圧密
によって地盤から先端部の外周面に半径方向中心側へ反
力を受けるため、杭は先端部が円筒形の場合と同等程度
以上の支持力が得られ、設置状態での安定性が高まる。
【0049】また請求項1乃至請求項3記載発明、及び
請求項7乃至請求項9記載発明では杭の円筒部を薄肉の
鋼管にし、円筒部の容積を増加させているため、先掘り
工法で地上に排出された掘削土を円筒部の内部に埋め戻
すことができ、あるいは中掘り工法で掘削された掘削土
を残留させることができ、いずれの場合も掘削土を杭内
部で処理できるため、残土は発生しない。
請求項7乃至請求項9記載発明では杭の円筒部を薄肉の
鋼管にし、円筒部の容積を増加させているため、先掘り
工法で地上に排出された掘削土を円筒部の内部に埋め戻
すことができ、あるいは中掘り工法で掘削された掘削土
を残留させることができ、いずれの場合も掘削土を杭内
部で処理できるため、残土は発生しない。
【0050】特に杭の先端部が貫入する地盤の土砂は先
端部の貫入に伴って周辺地盤へ圧密されるため掘削土は
円筒部の区間からのみ発生し、先端部の貫入と共に円筒
部が貫入する区間の土砂も周辺へ圧密されるため、円筒
部の区間で必要な掘削土の量は円筒部の体積より少なく
て済み、円筒部が薄肉であることにより掘削土を円筒部
の中空部内へ完全に埋め戻し、処理できる。
端部の貫入に伴って周辺地盤へ圧密されるため掘削土は
円筒部の区間からのみ発生し、先端部の貫入と共に円筒
部が貫入する区間の土砂も周辺へ圧密されるため、円筒
部の区間で必要な掘削土の量は円筒部の体積より少なく
て済み、円筒部が薄肉であることにより掘削土を円筒部
の中空部内へ完全に埋め戻し、処理できる。
【0051】請求項3記載発明と請求項9記載発明では
少なくとも先端部の外周に螺旋状の突条を形成している
ため、圧入時に回転を加えた場合に、貫入が容易にな
り、杭の圧入に必要な載荷重が軽減される。この場合、
杭の回転は圧入に対して補助的に行われるため駆動装置
に過大な負荷がかかることはない。
少なくとも先端部の外周に螺旋状の突条を形成している
ため、圧入時に回転を加えた場合に、貫入が容易にな
り、杭の圧入に必要な載荷重が軽減される。この場合、
杭の回転は圧入に対して補助的に行われるため駆動装置
に過大な負荷がかかることはない。
【0052】請求項7乃至請求項9記載発明では先端部
と円筒部を分離しているため、それぞれの圧入時に円筒
部と先端部の外周面に作用する摩擦力のいずれかがなく
なる分、圧入に要する力が一体の場合より軽減される。
この場合、円筒部の内径を先端部の上端部分の外径より
小さくしておく等により円筒部が先端部上に載る形の組
み合わせにしておけば、円筒部が負担する鉛直荷重の、
先端部への伝達が確保され、杭としての鉛直荷重支持力
が確保される。
と円筒部を分離しているため、それぞれの圧入時に円筒
部と先端部の外周面に作用する摩擦力のいずれかがなく
なる分、圧入に要する力が一体の場合より軽減される。
この場合、円筒部の内径を先端部の上端部分の外径より
小さくしておく等により円筒部が先端部上に載る形の組
み合わせにしておけば、円筒部が負担する鉛直荷重の、
先端部への伝達が確保され、杭としての鉛直荷重支持力
が確保される。
【0053】また先端部と円筒部を分離した場合に、先
端部を中実断面にしても周辺地盤の締め固め効果により
掘削土の低減は図られるため、円筒部が薄肉断面であり
さえすれば、掘削土は円筒部内で処理でき、残土を発生
させる事態は回避できる。
端部を中実断面にしても周辺地盤の締め固め効果により
掘削土の低減は図られるため、円筒部が薄肉断面であり
さえすれば、掘削土は円筒部内で処理でき、残土を発生
させる事態は回避できる。
【図1】円筒部と先端部が薄肉の中空断面である杭を中
掘り工法で設置する場合の掘削時の様子を示した断面図
である。
掘り工法で設置する場合の掘削時の様子を示した断面図
である。
【図2】図1の杭の設置状態とオーガ引き抜きの様子を
示した断面図である。
示した断面図である。
【図3】先端部の外周に突条を形成した杭を中掘り工法
で設置する場合の掘削時の様子を示した断面図である。
で設置する場合の掘削時の様子を示した断面図である。
【図4】図3の杭の回転を伴う圧入時の様子を示した断
面図である。
面図である。
【図5】円筒部と先端部を分離した杭の先端部を先掘り
後に圧入するときの様子を示した断面図である。
後に圧入するときの様子を示した断面図である。
【図6】円筒部の圧入と、掘削土の埋め戻しが終了した
ときの様子を示した断面図である。
ときの様子を示した断面図である。
【図7】従来の中掘り工法の手順を示した概要図であ
る。
る。
【図8】従来の先掘り工法の手順を示した概要図であ
る。
る。
【図9】従来の先掘り工法において最終的に杭を圧入す
る方法の手順を示した概要図である。
る方法の手順を示した概要図である。
1……杭、2……円筒部、3……先端部、31……突条、
4……オーガ、5……オーガヘッド、6……オーガスク
リュー、7……フィン、8……削孔、9……掘削土、10
……板。
4……オーガ、5……オーガヘッド、6……オーガスク
リュー、7……フィン、8……削孔、9……掘削土、10
……板。
Claims (12)
- 【請求項1】 地中に直接、または先掘り工法,もしく
は中掘り工法で圧入されて設置される杭であり、上端か
ら軸方向の中間部までの区間の中空断面の円筒部と、中
間部から下端までの区間の先端部に区分され、円筒部は
鋼管であり、先端部は円筒部側から先端へかけて外径が
縮小する立面形状をしている無排土杭。 - 【請求項2】 先端部は中空断面である請求項1記載の
無排土杭。 - 【請求項3】 少なくとも先端部の外周には螺旋状の突
条が形成されている請求項1,もしくは請求項2記載の
無排土杭。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の無排土杭を、先端部の周囲の土砂をその周辺地盤に圧
密させながら地中に圧入する無排土杭の施工方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の無排土杭の先端部の先端の外径より大きく、円筒部の
内径より小さい径のオーガヘッドを持つオーガで地盤を
掘削し、削孔を形成した後に削孔内に無排土杭を圧入す
る無排土杭の施工方法。 - 【請求項6】 請求項2,もしくは請求項3記載の無排
土杭の先端部の先端の外径より大きく、円筒部の内径よ
り小さい径のオーガヘッドを持つオーガを無排土杭の内
部に挿入し、無排土杭の先端部の先端からオーガヘッド
を突出させて掘進させ、削孔を形成しながら削孔内に無
排土杭を圧入する無排土杭の施工方法。 - 【請求項7】 地中に直接、または先掘り工法,もしく
は中掘り工法で圧入されて設置される杭であり、上端か
ら軸方向の中間部までの区間の中空断面の円筒部と、中
間部から下端までの区間の先端部に区分され、円筒部は
鋼管であり、先端部は円筒部側から先端へかけて外径が
縮小する立面形状をし、先端部と円筒部は分離している
無排土杭。 - 【請求項8】 先端部は中空断面である請求項7記載の
無排土杭。 - 【請求項9】 少なくとも先端部の外周には螺旋状の突
条が形成されている請求項7,もしくは請求項8記載の
無排土杭。 - 【請求項10】 請求項7乃至請求項9のいずれかに記
載の無排土杭の先端部を、先端部の周囲の土砂をその周
辺地盤に圧密させながら地中に圧入した後、先端部上に
円筒部を圧入して設置する無排土杭の施工方法。 - 【請求項11】 請求項7乃至請求項9のいずれかに記
載の無排土杭の先端部の先端の外径より大きく、円筒部
の内径より小さい径のオーガヘッドを持つオーガで地盤
を掘削して削孔を形成し、先端部を削孔内に圧入した後
に先端部上に円筒部を圧入して設置する無排土杭の施工
方法。 - 【請求項12】 請求項8,もしくは請求項9記載の無
排土杭の先端部の先の外径より大きく、円筒部の内径よ
り小さい径のオーガヘッドを持つオーガを無排土杭の先
端部の内部に挿入し、先端部の先端からオーガヘッドを
突出させて掘進させ、削孔を形成しながら削孔内に先端
部を圧入した後、先端部上に円筒部を圧入して設置する
無排土杭の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20213395A JPH0949229A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 無排土杭及びその施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20213395A JPH0949229A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 無排土杭及びその施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0949229A true JPH0949229A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16452515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20213395A Pending JPH0949229A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 無排土杭及びその施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0949229A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144728A (ja) * | 1998-09-01 | 2000-05-26 | Nkk Corp | ねじ込み杭の施工方法及びこれに使用するねじ込み杭 |
JP2005248439A (ja) * | 2004-03-01 | 2005-09-15 | Yoshitada Miyake | 杭の埋設方法 |
JP2008075266A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Hokukon Material Kk | 杭の構築方法 |
JP2020014977A (ja) * | 2018-07-23 | 2020-01-30 | 株式会社不動テトラ | 廃棄物埋立圧入処分工法 |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP20213395A patent/JPH0949229A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000144728A (ja) * | 1998-09-01 | 2000-05-26 | Nkk Corp | ねじ込み杭の施工方法及びこれに使用するねじ込み杭 |
JP2005248439A (ja) * | 2004-03-01 | 2005-09-15 | Yoshitada Miyake | 杭の埋設方法 |
JP2008075266A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Hokukon Material Kk | 杭の構築方法 |
JP2020014977A (ja) * | 2018-07-23 | 2020-01-30 | 株式会社不動テトラ | 廃棄物埋立圧入処分工法 |
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