JPH0948614A - 表面改質生石灰と表面改質法及び製造装置 - Google Patents

表面改質生石灰と表面改質法及び製造装置

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JPH0948614A
JPH0948614A JP19764995A JP19764995A JPH0948614A JP H0948614 A JPH0948614 A JP H0948614A JP 19764995 A JP19764995 A JP 19764995A JP 19764995 A JP19764995 A JP 19764995A JP H0948614 A JPH0948614 A JP H0948614A
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JP19764995A
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Jiro Tamura
二郎 田村
Yutaka Narita
豊 成田
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OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI
OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI KK
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OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI
OKAYAMA PREF GOV KYODO SEKKAI KK
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中において安定である炭酸化皮膜を有す
る炭酸化生石灰又は苦土生石灰を提供する。 【解決手段】 外殻を水酸化物と炭酸化物の2層あるい
は混在層の保護層とした表面改質生石灰又は苦土石灰
と、それを製造するに際し、酸化物焼成後に行う冷却過
程において予め水蒸気と反応させ外殻に該酸化物の水酸
化物を生成させ、その後炭酸ガスと反応させて外側に該
酸化物の炭酸化物を生成させる。また、予め混合率が調
整された水蒸気と炭酸ガスの混合ガスと反応させること
で表面に水酸化物と炭酸化物の層又は混在層を生成させ
る。製造装置は酸化物焼成炉の冷却部あるいは別途設置
された冷却装置に水蒸気及び炭酸ガスの各々独立の吹込
み管又は混合ガス吹込み管を取付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄用副原料、重
化学用原料、土木工事時の地盤改良材等として広い産業
分野で利用されている生石灰(酸化カルシウム)又は苦土
生石灰(酸化カルシウム及び酸化マグネシウム)の欠点で
ある風化特性、すなわち、大気中の水分や炭酸ガスと自
然状態で反応し本来の特性である化学反応性を著しく損
耗し、利用価値を失う現象を抑制し、長期間の保存など
に耐えながら本来の特性を維持した生石灰又は苦土生石
灰を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】生石灰や苦土生石灰の風化防止には、そ
の表面に炭酸カルシウム等の炭酸化皮膜を形成させた
り、その表面をステアリン酸で表面処理する等の界面活
性化処理を行うことが公知の技術として知られている。
表面に炭酸化皮膜を形成させる件に関しては「特公昭54-
10955号」にその基本的な製造技術が開示されており、
「特開昭52-113399号」、「特開昭52-103398号」及び「特開
昭63-95115号」等には具体的な構造を例示した製造技術
が開示されている。
【0003】これらの技術はいずれも焼成炉の製品冷却
部に炭酸ガスを吹込むことで生石灰の表面に炭酸化反応
を起こさせ、炭酸化皮膜を形成させようとする設備とそ
のガス吹込み法に関するものであり、これらの技術によ
って製造された炭酸化皮膜生石灰は次のような欠点を有
している。
【0004】生石灰の炭酸化反応は常温付近では非常に
緩慢であり、温度の上昇とともに反応速度は速くなる
が、500℃を越える付近から急激に反応し難くなり600℃
を越える付近になると更に反応し難くなる。このため内
部温度が不均一な焼成炉の冷却部では一様な炭酸化反応
を得ることは困難である。
【0005】一般に、焼成炉の冷却部にある生石灰又は
苦土生石灰は表面から冷却されるため、表面より内部の
方が温度が高く前記反応特性により炭酸化深さが制御で
きず皮膜状の炭酸化部分を得ることは困難である。
【0006】更に、かなり深い部分まで炭酸化されるこ
とで、生石灰の重要な特性である化学反応性が減殺され
てしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】生石灰又は苦土生石灰
と炭酸ガスとの反応は前述のよう反応部分の温度によっ
てその進行速度が大きく異なるばかりでなく、反応ガス
中の炭酸ガス分圧(炭酸ガス濃度)にも大きく左右される
ことが知られている。本発明の目的はこのような要因に
左右されることなく目的の厚さの炭酸化皮膜を形成させ
る方法、その方法を経済的に実現する装置、及び大気中
において安定である炭酸化皮膜を有する炭酸化生石灰又
は苦土生石灰を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では目的の炭酸化
皮膜を形成させる反応を二段階に行わせる方法を採用し
ている。すなわち、第一段階では生石灰又は苦土生石灰
と水(水蒸気)との反応により水酸化物皮膜を形成させ、
第二段階でこの水酸化物皮膜と炭酸ガスとの反応により
炭酸化物皮膜を形成させる方法である。
【0009】第一段階の水酸化反応は生石灰又は苦土生
石灰の特徴である水和反応により非常に簡単に短時間の
内に終了することが知られている。この水和反応を利用
し、生石灰又は苦土生石灰の全量を化学量論的な水の量
で反応させて得られる白色の粉体は一般に消石灰又は苦
土消石灰と呼ばれ、消石灰の場合は古来より建築物の壁
などに使用する漆喰等として知られている。但し、本発
明の第一段階の反応は制限された水蒸気量と制限された
温度雰囲気下で行わせるため、反応物が粉化することは
無く、反応前の原型を保ったままである。
【0010】第二段階の炭酸化反応は生石灰又は苦土生
石灰と炭酸ガスとの間でも起こり得るが、比較的低い温
度領域では水酸化物と炭酸ガスとの間の方が反応速度が
速いことが知られている。また、後者の反応は前述の漆
喰で施工した壁の表面が空気中の炭酸ガスと反応し時間
を経る毎に硬化していくことでも知られている。但し本
発明は制限された温度雰囲気下で反応を行わせるため、
その反応時間は短い。更に第一段階の反応と第二段階の
反応とは、その反応温度条件が次のような逆特性を有し
ている。第一段階の水酸化反応は低温度下では活発に反
応し温度の上昇とともに緩慢となり、約550℃を越える
と反応は起こらない。また、第二段階の炭酸化反応は低
温度下では緩慢な反応となり温度の上昇とともに活発化
し、約600℃を越えるとほとんど反応は起こらなくな
る。本発明はこれらの特性を利用し効果的に皮膜形成反
応を起こさせようとするものである。
【0011】第1発明は、このようにして得られた生石
灰又は苦土生石灰に関するものである。前述した従来の
発明の生石灰は普通の生石灰表面部に厚さが不定の炭酸
化層を有するものであるが、本発明品は普通の生石灰又
は苦土生石灰表面に薄膜状の水酸化層を有し、更にその
外殻を炭酸化層で覆うか、又は普通の生石灰又は苦土生
石灰表面に水酸化部と炭酸化部の混在層を有し、更にそ
の外殻を炭酸化層で覆ったことを特徴とするものであ
る。
【0012】第2発明及び第3発明は第1発明の表面の
改質された生石灰又は苦土生石灰を得る方法に関するも
のである。本発明は生石灰又は苦土生石灰の外殻に大気
中で安定な炭酸化層を形成させるのに、その反応ガスと
して水蒸気と炭酸ガスの2成分を用いることを特徴とす
るものである。これらの2成分は水蒸気を予め吹込み表
面に水酸化層を形成させ、その後に接触するように炭酸
ガスを吹込んで炭酸化層を形成させることが好ましい
が、予め混合した2成分のガスを同時に吹込んでも目的
の炭酸化皮膜を形成させることもまた可能である。
【0013】第4発明は第2発明及び第3発明の実施を
行う設備に関するものである。一般に焼成炉では焼成さ
れた生石灰(又は苦土生石灰)は1000〜1200℃程度で冷却
部に入り、冷却部の下部から吹込まれる冷却空気と熱交
換することで100〜200℃程度まで冷却された後に製品と
して下部から排出される。本発明では反応ガスとして水
蒸気と炭酸ガス、又はその混合ガスを用いることが特徴
であるが、これらは各々単独で吹込むか又は予め混合し
たガスとして吹込むかのいずれを採用しても良い。いず
れのガスも一定の温度条件下で生石灰又は苦土生石灰と
接触させるほうがより高い効果が期待できるが、好まし
くは生石灰又は苦土生石灰の表面温度が400℃程度にな
っている部分に水蒸気を吹込み、その後表面温度が300
℃程度の部分で炭酸ガスと接触させることが良い。ま
た、混合ガスを吹込む場合は表面温度が300〜400℃の範
囲で吹込むことが好ましいが、吹込みの方法によらず表
面の温度が200〜500℃の範囲で生石灰又は苦土生石灰と
ガスとが接触するように考慮すれば炭酸化皮膜の形成が
可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】生石灰と炭酸ガスとが接触する
と、次の化学反応により炭酸カルシウムを生成し、その
反応界面温度が約600℃になると徐々に逆方向の反応が
始まり約900℃になると逆方向の反応のみが起こり炭酸
カルシウムは生石灰と炭酸ガスとに解離してしまう。
【0015】
【化1】
【0016】また、生石灰と水蒸気(水)とが接触すると
次の化学反応により水酸化カルシウム(消石灰)を生成
し、その反応界面温度が約550℃になると逆方向の反応
が起こり水酸化カルシウムは生石灰と水とに解離してし
まう。
【0017】
【化2】
【0018】また、水酸化カルシウムと炭酸ガスとが接
触すると次の化学反応により水と炭酸カルシウムが生成
するが、雰囲気温度が600℃を越えると生成した炭酸カ
ルシウムは生石灰と炭酸ガスとに解離し始める。
【0019】
【化3】
【0020】以上の反応はいずれもその反応速度は温度
と接触ガス中の反応ガス分圧(濃度)が律速となるが、そ
の状態を実験的に調査した結果を図1、図2に示す。い
ずれも反応率は反応後サンプルの灼熱減量率(反応前と
比較した重量増加率)で表し、反応境界深さは一辺が10m
mの立方体サンプルの皮膜厚さで示した。
【0021】図1は各温度において生石灰に一定時間水
蒸気を接触させた時の反応率と形成された皮膜厚さを示
したもので、低温域に於いては10%を越える反応率を示
し500℃を越える付近ではほとんど反応していないこと
が判る。図2は同様に炭酸ガスを接触させた時の反応率
を示したもので、低温域ではほとんど反応が進行してい
ないが、400℃付近では4〜5%程度が反応することが
判る。
【0022】本発明はこれらの作用を利用して目的厚さ
の皮膜を得ようとするもので、皮膜は次の過程を経て形
成される。比較的高温で表面より内部の方がより温度が
高い生石灰の充填層内を水蒸気と炭酸ガスが通過すると
その反応速度の違いから、まず、生石灰と水蒸気とが前
式(2)の反応を起こす。この時生石灰は表面から順次内
部へ反応が移行すると考えられるが、内部は表面より温
度が高いためその反応率は低いものとなる。好ましくは
生石灰表面温度が400℃程度でこの作用を起こさせれば
内部の温度が約500℃にある付近以上は反応を起こさな
い。従って生石灰(又は苦土生石灰)の表面に形成される
皮膜(水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウム)の厚さ
は制限された薄いものとなる。
【0023】次に形成された皮膜(水酸化カルシウム)は
層内を流れる炭酸ガスと前式(3)の反応を起こす。皮膜
の内側には水蒸気と反応していない高温の生石灰が存在
しているが、反応は表面部より起こると考えられること
と炭酸ガスとの反応速度の差から水酸化カルシウムで形
成された皮膜部から優先的に前式(3)の反応を起こすこ
とになり、このようにして水酸化カルシウムで形成され
ている皮膜は化学的に安定な炭酸カルシウムに変質す
る。図3にこのようにして水蒸気の存在下で生石灰に炭
酸ガスを接触させ反応させた場合の、雰囲気温度に対す
る炭酸化率とその形成皮膜厚さを示す。前式(3)反応時
には水分が発生するが、これは反応ガスとして吹込まれ
る水蒸気と同位に扱うことができ、皮膜形成の妨げには
ならない。また、充填層の内部、あるいは生石灰又は苦
土生石灰の内部ではこれら(2)(3)の反応進行と平行して
前式(1)の反応が起こることも考えられるが、前述した
反応温度と反応速度の差によりその割合は微少なもので
あり、本発明の目的を妨げるものではない。
【0024】
【実施例】以下本発明を適用した実施例について説明す
る。 実施例1 図4に本発明を実施可能とした横型回転焼成炉の冷却部
を示す。図において回転シェル1の中にある原料石灰石
はバーナー2の燃焼熱によって生石灰に焼成される。焼
成された高温の生石灰は冷却装置3に充填され冷却の
後、製品取出装置11により製品として取り出される。冷
却は製品冷却ファン8から送られ調節弁9で必要量に調
整されながら冷却空気ダクト10を経て吹込まれる空気に
より行われている。本発明に係る反応用水蒸気は、水蒸
気調節弁5により必要量に調整され水蒸気吹込み管4に
より吹込み、炭酸ガスは炭酸ガス調節弁7により必要量
に調整し炭酸ガス吹込み管6により吹込まれる。
【0025】冷却装置3の内部では上部が比較的温度が
高い生石灰、下部は比較的低い温度の生石灰が充填され
ているが、吹込まれた水蒸気は比較的温度が高い上部に
吹き出すよう考慮されガス流れ矢印aのように、冷却空
気と混合した状態で充填層内を流れる。炭酸ガスは水蒸
気より低い位置で吹き出すよう考慮されているが、充填
層内では冷却空気と混合した状態でガス流れ矢印bのよ
うに流れている。またガス流れ矢印cは冷却空気のみの
流れを示すが、ガス流a,b,cは充填層内部で合流し、
ガス流れ矢印dのように上昇し、バーナー2が燃焼する
ための燃焼空気となる。
【0026】図4の例は、水蒸気と炭酸ガスとを別々に
吹込む例を示しているが、各ガスを予め混合しておき吹
込み管4,6を1本の管として吹込んでも差し支えな
い。また、生石灰の表面に形成させようとする皮膜厚さ
を厳密に管理する必要がないときは吹込み管4,6ある
いは各々をまとめた1本の吹込み管を、炉外で冷却空気
ダクト10に接続しても可能である。
【0027】更に、本図では吹込み管6より吹込むガス
を炭酸ガスと表現しているが、ここに炭酸ガスを含む他
のガス、例えば石灰焼成炉排ガスなど使用してもその効
果に影響を与えるものではないし、排ガス中に含まれる
水分は本発明に使用する水蒸気の一部として捉えること
が可能である。
【0028】実施例2 実施例1に示す構造の冷却装置と同一構造の縮小装置で
本発明品を製造した例について述べる。但し、図4に示
す水蒸気吹込み管4と炭酸ガス吹込み管6は併せて1本
とし、各ガスは事前に炭酸ガス濃度32%、水蒸気濃度13
%に調整したものを使用した。また、その混合ガス吹込
み位置は生石灰の表面温度が300〜400℃まで冷却されて
いる部分とした。
【0029】図5は製造品の模擬断面図である。内部19
は反応していない純粋な生石灰、外殻20は水酸化カルシ
ウムと炭酸カルシウム及び生石灰の混在部分、最外殻21
は炭酸カルシウムに変質した皮膜部分である。また、表
1は本発明を適用していない一般的な生石灰と、本発明
により製造した表面改質生石灰の品質比較表だが、一般
的な生石灰の品質を大きく損なうこと無く炭酸化皮膜が
形成されていることが分かる。
【0030】
【表1】
【0031】図6は本発明品の耐侯性を生石灰の風化率
(風化による重量増加率)を指標として調査した結果であ
る。風化の原因は大部分が大気中の水分吸収によるもの
であるが、この値の理論的最大値は32%を示す。結果で
は一般の生石灰は1週間の室内放置で15%を越える風化
率すなわち表面の大部分が風化し生石灰としての特性を
有していないが、本表面改質生石灰は同様な条件下でも
2%弱の風化率にとどまり、その耐侯性が優れているこ
とが判る。
【0032】実施例3 次に、実施例2の縮小装置を用いて苦土生石灰に本発明
を適用した例について述べる。処理に掛かる各種条件は
実施例2と同一に実施した結果図5と同様の模擬断面を
有する製造品を得た。但し、この場合図5の内部19は反
応していない苦土生石灰、外殻20は水酸化苦土と苦土生
石灰及び炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの混在部
分、最外殻21は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムに変
質した皮膜部分である。このようにして得られた表面改
質苦土生石灰と一般的な苦土生石灰との品質比較を表2
に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例4 本発明品を竪型石灰焼成炉に適用した例を図7に示す。
竪型石灰焼成炉は一般に、円筒又は矩形の炉筒からな
り、その内部は上方から原石投入装置A、予熱帯B、焼
成帯C、冷却帯D、製品排出装置Eに機能区分されてい
る。この内冷却帯D、と製品排出装置Eは種々の形式が
提案されているものの、焼成帯と冷却帯とが充填された
製品で連続的に接続されている点を除き、概ね実施例1
で述べる図4と同様な機能と構造となっている。ここで
は内部の構造が図4と同一のものを例にして(炉内部の
図面は図4と同一につき省略する)説明する。
【0035】製品冷却空気は炉内部の負圧力による吸
引、又は別に設置された送風機等によって調節弁15を経
て冷却空気吹込み管16から炉内へ導入されている。本発
明に係る反応用水蒸気は、水蒸気調節弁13により必要量
に調整され水蒸気吹込み管17により吹込み、炭酸ガスは
炭酸ガス調節弁14により必要量に調整し炭酸ガス吹込み
管18により吹込まれる。冷却帯Dと製品排出装置Eとに
またがる部分に設置された冷却装置の内部では「実施例
1」と同様な作用で炭酸化皮膜を有する生石灰が製造さ
れる。
【0036】
【発明の効果】本発明による生石灰及び苦土生石灰の特
徴は内部が一般のものと同等な化学反応性を有しなが
ら、外部はその化学反応が抑制された炭酸化物を主体と
する酸化物と水酸化物の混合物で薄く覆われていること
にある。このような生石灰又は苦土生石灰は各種産業界
に適用が可能であるが特筆すべき点は次の通りである。
製鉄業においては銑鉄の精錬過程で生石灰を造さい剤
(銑鉄中の不純物をスラグとして分離させる助剤)として
使用しているが、この時に本発明品を使用すれば溶けた
高温の銑鉄中で皮膜部分の炭酸カルシウム分が熱分解を
起こし多くの炭酸ガスを発生し、このガスによるバブリ
ング効果(炭酸ガスの泡による撹拌効果)が起こり造さい
の初期効果を高めることができる。
【0037】また、地盤改良材としては次の用途に適用
が可能となる。従来深層地盤の改良には生石灰パイル工
法などと呼ばれる工法が採用されている。この時に用い
る生石灰は化学反応性が高い方が良いものの、目的の深
層地盤に到達する前に反応が起こってしまうため硬焼生
石灰と呼ばれる高い温度で長時間掛けて焼成を行うこと
で、生石灰全体の化学反応性を低くしたものなどが用い
られてきた。このような目的に本生石灰を用いれば、表
面の皮膜により初期の化学反応性は低く抑えられている
ため深層地盤に到達するまでは反応を開始せず、到達後
は内部の生石灰が反応を開始するため高い反応性を得る
ことが可能となる。
【0038】更に、どのような分野であれ生石灰を用い
るときは高い反応性による速い風化のため、使用するタ
イミングに合わせ生石灰の入手を必要としていたが、耐
風化性に優れた本発明品を用いれば生石灰の事前入手と
保管が可能となり工程調整の容易さや風化による材料ロ
スが改善される。従って、本発明は産業界のエネルギー
使用合理化と生産性の向上に寄与する。
【0039】本発明の表面改質法と製造装置は上記のよ
うな優れた性質を有する表面改質生石灰を効率よく安価
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生石灰と水蒸気との反応率を各雰囲気温度にお
いて測定したグラフである。
【図2】生石灰と炭酸ガスとの反応率を各雰囲気温度に
おいて測定したグラフである。
【図3】水蒸気の存在下における生石灰と炭酸ガスとの
反応率を各雰囲気温度において測定したグラフである。
【図4】本発明を横型回転石灰焼成炉に適用した場合の
装置断面図である。
【図5】本発明に掛かる生石灰の断面模式図である。
【図6】本発明品と一般生石灰との室内放置風化テスト
結果のグラフである。
【図7】本発明を竪型石灰焼成炉に適用した場合の模式
図である。
【符号の説明】
1 回転シェル 2 バーナー 3 冷却装置 4 水蒸気吹込み管 5 水蒸気調節弁 6 炭酸ガス吹込み管 7 炭酸ガス調節弁 8 製品冷却ファン 9 調節弁 10 冷却空気ダクト 11 製品取出装置 13 水蒸気調節弁 14 炭酸ガス調節弁 15 調節弁 16 冷却空気吹込み管 17 水蒸気吹込み管 18 炭酸ガス吹込み管 19 内部 20 外殻 21 最外殻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 30/00 C23C 30/00 C // C09K 103:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外殻を水酸化物と炭酸化物の2層あるい
    は混在層の保護層とした表面改質生石灰又は苦土生石
    灰。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面改質生石灰又は苦土
    生石灰を製造するに際し、該酸化物焼成後に行う冷却過
    程において予め水蒸気と反応させ外殻に該酸化物の水酸
    化物を生成させ、その後炭酸ガスと反応させて外側に該
    酸化物の炭酸化物を生成させる生石灰又は苦土生石灰表
    面の改質法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の表面改質生石灰又は苦土
    生石灰を製造するに際し、該酸化物焼成後に行う冷却過
    程において予め混合率が調整された水蒸気と炭酸ガスの
    混合ガスと反応させることで表面に水酸化物と炭酸化物
    の層又は混在層を生成させる生石灰又は苦土生石灰表面
    の改質法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の表面改質生石灰又は苦土
    生石灰の製造装置であって、該酸化物焼成炉の冷却部あ
    るいは別途設置された冷却装置に水蒸気及び炭酸ガスの
    各々独立の吹込み管を、又は水蒸気及び炭酸ガスの混合
    ガス吹込み管を取付けてなる表面改質生石灰又は苦土生
    石灰の製造装置。
JP19764995A 1995-08-02 1995-08-02 表面改質生石灰と表面改質法及び製造装置 Pending JPH0948614A (ja)

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