JPH0948447A - 合成樹脂製オーバーキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】オーバーキャップの摘持部は持ち易く開封、開
栓が容易に出来、かつ、見栄えの良い合成樹脂製オーバ
ーキャップを提供すること。 【構成】栓体の上部に装着される蓋体と、蓋体の下面に
垂設され栓体の胴部に嵌挿されるインナーリングと、イ
ンナーリングの先端部近傍の外面側に栓体胴部に設けら
れた環状凹部と係合する係合突起と、蓋体の周縁部に設
けられる切り裂き自在の環状薄肉部と、環状薄肉部より
下方に向けて設けられ瓶口部外周面に嵌着されるスカー
ト部とから成る合成樹脂製オーバーキャップであって、
スカート部の下端に中空盛り上がり部が設けられ、中空
盛り上がり部を囲むようにスカート部の下端からＬ字状
の開封用空間部を設けて摘持部を形成させ、開封用空間
部の末端からスカート部の上端に向けて斜め上方に延び
る薄肉部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、瓶口部を密封するため
の合成樹脂製のオーバーキャップに関し、特には、開
封、開栓の容易な合成樹脂製オーバーキャップに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一升瓶等のガラス瓶の瓶口部を栓体で閉
栓後、その上から合成樹脂製のオーバーキャップを被せ
て瓶口部を覆う包装形態が清酒業界等で採用されてい
る。このオーバーキャップは図４に示すように、スカー
ト部（５０）の下端にスカート部同士を結ぶ連結部（５
４）を有する切り欠き（５２）が設けられ、その片側は
摘持部（５３）を形成している。この切り欠き（５２）
の端からスカート部の上端に向けて、摘持部（５３）を
延長するように斜め上方に延びる薄肉部（５５）が形成
されている。また、摘持部（５３）の内側で切り欠きの
近傍には小突起（５６）が設けられている。開封する場
合は、切り欠き（５２）から指等で摘持部（５３）を掴
んで薄肉部（５５）方向に引っ張ると、スカート部（５
０）は容易に引き裂くことができる。瓶口部にこのオー
バーキャップを嵌挿してある場合は、小突起（５６）が
瓶口部外面側に当たって、そのため摘持部（５３）の先
端は常時浮き上がった状態にあるので、摘持部を指で掴
むのに都合良くできている。その一方摘持部の先端が浮
き上がっているので、時によっては何かに引っ掛かり、
摘持部（５３）ともう一方のスカート部（５０）を連結
している連結部（５４）が切れやすく、スカート部の見
栄えを損なうという不都合を生じることがあった。また
最悪の場合には、このオーバーキャップが勝手にはずれ
てしまうこともあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成樹脂製
オーバーキャップに関する上記のような問題点を除去す
るためになされたもので、オーバーキャップの摘持部は
持ち易く開封、開栓が容易に出来、かつ、見栄えの良い
合成樹脂製オーバーキャップを提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、まず第１の発明では、瓶口部に嵌挿される
有底筒状の胴部と、この胴部の先端に設けられ瓶口部上
端面に当着される鍔部とから成る栓体の、上部に嵌着さ
れる合成樹脂製オーバーキャップであって、前記栓体の
上部に装着される蓋体と、蓋体の下面に垂設され前記栓
体の胴部に嵌挿されるインナーリングと、インナーリン
グの先端部近傍の外面側に前記栓体胴部に設けられた環
状凹部と係合する係合突起と、前記蓋体の周縁部に設け
られる切り裂き自在の環状薄肉部と、環状薄肉部より下
方に向けて設けられ、前記瓶口部外周面に嵌着されるス
カート部と、から成る合成樹脂製オーバーキャップであ
って、前記スカート部の下端に中空盛り上がり部が設け
られ、この中空盛り上がり部を囲むように、スカート部
の下端からＬ字状の開封用空間部を設けて摘持部を形成
させ、この開封用空間部の末端からスカート部の上端に
向けて斜め上方に延びる薄肉部が設けられていることを
特徴とする合成樹脂製オーバーキャップを提供するもの
である。

【０００５】また、第２の発明では、第１の発明におい
て、前記スカート部の下部で下端から離れた位置に中空
盛り上がり部が設けられ、この中空盛り上がり部を囲む
ように、スカート部の下端からＬ字状の開封用空間部を
設けて摘持部を形成させ、この開封用空間部の末端から
スカート部の上端に向けて斜め上方に延びる薄肉部が設
けられていることを特徴とする合成樹脂製オーバーキャ
ップを提供するものである。

【０００６】さらにまた、第３の発明では、第１および
第２の発明において、前記Ｌ字状の開封用空間部は、中
間部分につなぎ部を形成させていることを特徴とする合
成樹脂製オーバーキャップを提供するものである。

【０００７】

【作用】上記のように本発明によれば、スカート部の下
端に中空盛り上がり部が設けられ、この中空盛り上がり
部を囲むように、スカート部の下端からＬ字状の開封用
空間部を設けて摘持部を形成させ、この開封用空間部の
末端からスカート部の上端に向けて斜め上方に延びる薄
肉部が設けられているので、スカート部の下端の中空盛
り上がり部に指等を掛けて薄肉部の方に摘持部を引っ張
れば、スカート部は引き裂かれ容易に開封できる。また
は、中空盛り上がり部を指等で押すと摘持部の開封用空
間部側が浮き上がるので、そこをきっかけにして摘持部
を薄肉部の方向に引っ張れば、スカート部は引き裂かれ
容易に開封できる。

【０００８】また、第２の発明では、スカート部の下部
に中空盛り上がり部が設けられ、この中空盛り上がり部
を囲むように、スカート部の下端からＬ字状の開封用空
間部を設けて摘持部を形成させ、この開封用空間部の末
端からスカート部の上端に向けて斜め上方に延びる薄肉
部が設けられているので、中空盛り上がり部を押すと開
封用空間部に隣接した摘持部の先端が立ち上がり、容易
に摘持部を掴むことができスカート部を引き裂くことが
できる。

【０００９】さらに、第３の発明では、Ｌ字状の開封用
空間部の中間部分につなぎ部を形成させたので、仮に摘
持部の先端が何かに引っ掛かっても摘持部は切れたり型
崩れすることがない。

【００１０】

【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。 〈実施例１〉図１、２に示すように本発明の合成樹脂製
オーバーキャップ（１）は、瓶口部（１０）に嵌挿さ
れ、内面に環状凹部（２３）を有する有底筒状の胴部
（２１）と、その先端に設けられ、瓶口部（１０）上端
面に当着される鍔部（２２）とから成る栓体（２０）の
上部に嵌着されるものであって、栓体（２０）の上部に
装着される蓋体（３０）と、蓋体の周縁から垂設され、
瓶口部（１０）外周面に嵌着されるスカート部（４０）
等から構成されている。なお、瓶口部（１０）の先端お
よびその近傍には、複数個の外方に向けて肉厚のある環
状膨出部（１１）が設けられている。

【００１１】合成樹脂素材としては、薄肉のむり抜き、
ハーフカット、コスト等の理由からポリエチレン、ポリ
プロピレン等の熱可塑性樹脂が好ましく使用できる。

【００１２】蓋体（３０）には、その下面に栓体の胴部
（２１）に嵌挿されるインナーリング（３１）が垂設さ
れている。インナーリング（３１）の外面側で、先端部
近傍には、上記の胴部（２１）に設けられた環状凹部
（２３）と係合する係合突起（３２）が形成されてい
る。

【００１３】蓋体（３０）の周縁は、切り裂き自在の環
状薄肉部（３３）となっており、この環状薄肉部（３
３）より下方に向かってスカート部（４０）が垂設され
ている。スカート部（４０）の内周面には、後述する薄
肉部（４５）の部分を除いて瓶口部（１０）の外周面に
設けられた複数個の環状膨出部（１１）の間に生じた窪
みに嵌め込まれる突条（４１）が形成されており、この
スカート部（４０）は瓶口部（１０）の外周面に嵌着さ
れている。

【００１４】スカート部（４０）の下端には中空盛り上
がり部（４４）が設けられている。この中空盛り上がり
部（４４）を囲むように、スカート部の下端から途中に
つなぎ部（４６）を有するＬ字状の開封用空間部（４
２）が穿設され、摘持部（４３）を形成している。開封
用空間部（４２）の末端からスカート部（４０）の上端
に向けて、斜め上方に延びる薄肉部（４５）が形成され
ている。この合成樹脂製オーバーキャップ（１）は、射
出成形法等の成形方法により一体的に成形が可能であ
る。

【００１５】この合成樹脂製オーバーキャップ（１）の
閉栓方法はつぎの通りである。すなわち、まず、内容物
を充填したガラス瓶等の瓶口部（１０）に従来通りの方
法でポリエチレン製の栓体（２０）を嵌挿する。つぎ
に、合成樹脂製オーバーキャップ（１）のスカート部
（４０）を瓶口部（１０）に被せるように挿入すると、
スカート部（４０）の内面に形成された突条（４１）が
瓶口部外周面に設けられた複数個の環状膨出部（１１）
の間に生じた窪みに嵌め込まれて、スカート部（４０）
が瓶口部（１０）の外周面に嵌着されると共に、蓋体
（３０）のインナーリング（３１）が栓体（２０）に嵌
挿され、インナーリングの先端部近傍に形成された係合
突起（３２）が、栓体の環状凹部（２３）と係合され
て、蓋体（３０）は栓体（２０）にしっかり嵌着され
る。このようにして合成樹脂製オーバーキャップ（１）
は瓶口部（１０）を密栓する。

【００１６】合成樹脂製オーバーキャップ（１）の開
封、開栓方法はつぎの通りである。すなわち、スカート
部（４０）の下端の中空盛り上がり部（４４）に指等を
掛けて摘持部（４３）を持って、あるいは、中空盛り上
がり部（４４）を押すと開封用空間部（４２）に隣接し
た摘持部の先端が浮き上がった状態になるので、その時
摘持部（４３）を持って、薄肉部（４５）の方向に引っ
張ればスカート部（４０）は引き裂かれ、環状薄肉部
（３３）に沿って蓋体（３０）と分離する。ついで、蓋
体（３０）を瓶口部（１０）から引き抜くと、蓋体（３
０）は栓体（２０）と共に瓶口部（１０）から外れて開
栓する。閉栓するときは蓋体（３０）を栓体（２０）と
共に瓶口部（１０）に嵌挿すれば良い。

【００１７】〈実施例２〉スカート部に形成させる中空
盛り上がり部の位置、形状を変えた例で、構成、開封、
開栓の方法は実施例１と同様であるので、相違部分を中
心に記述する（図３参照）。すなわち、スカート部（４
０）の下部で下端から離れた位置に中空盛り上がり部
（４４ａ）が設けられている。この中空盛り上がり部
（４４ａ）を囲むように、スカート部（４０）の下端か
ら途中につなぎ部（４６）を有するＬ字状の開封用空間
部（４２）が穿設され、開封用空間部（４２）の下側に
摘持部（４３）を形成している。開封用空間部（４２）
の末端からスカート部（４０）の上端に向けて、斜め上
方に延びる薄肉部（４５）が形成されている。

【００１８】この合成樹脂製オーバーキャップ（２）の
開封、開栓方法はつぎの通りである。すなわち、スカー
ト部（４０）の下端の中空盛り上がり部（４４ａ）を押
すと、摘持部（４３）の開封用空間部側が立ち上がり、
指を掛け易くなる。この部分をきっかけに摘持部（４
３）を持って薄肉部（４５）の方向に引っ張れば、スカ
ート部（４０）は引き裂かれ環状薄肉部（３３）に沿っ
て蓋体（３０）と分離する。以下実施例１と同様の方法
で開栓する。

【００１９】

【発明の効果】上記のように本発明によれば、摘持部の
先端部近傍に設けた中空盛り上がり部によって、摘持部
を指等で容易に掴み易くしたので、開封、開栓が容易に
できる合成樹脂製オーバーキャップが作製できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の合成樹脂製オーバーキャップのスカー
ト部分の一実施例を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は下
面図である。

【図２】同実施例の合成樹脂製オーバーキャップを瓶口
部に嵌挿した状態を示す断面図である。

【図３】別の合成樹脂製オーバーキャップのスカート部
分の実施例を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図で
ある。

【図４】従来例の合成樹脂製オーバーキャップを示し、
（ａ）は正面図、（ｂ）は下面図である。

【符号の説明】

１‥‥合成樹脂製オーバーキャップ ２‥‥合成樹脂製オーバーキャップ １０‥‥瓶口部 １１‥‥環状膨出部 ２０‥‥栓体 ２１‥‥胴部 ２２‥‥鍔部 ２３‥‥環状凹部 ３０‥‥蓋体 ３１‥‥インナーリング ３２‥‥係合突起 ３３‥‥環状薄肉部 ４０‥‥スカート部 ４１‥‥突条 ４２‥‥開封用空間部 ４３‥‥摘持部 ４４‥‥中空盛り上がり部 ４４ａ‥中空盛り上がり部 ４５‥‥薄肉部 ４６‥‥つなぎ部 ５０‥‥スカート部 ５２‥‥切り欠き ５３‥‥摘持部 ５４‥‥連結部 ５５‥‥薄肉部 ５６‥‥小突起

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】瓶口部に嵌挿される有底筒状の胴部と、こ
   の胴部の先端に設けられ瓶口部上端面に当着される鍔部
   とから成る栓体の、上部に嵌着される合成樹脂製オーバ
   ーキャップであって、 前記栓体の上部に装着される蓋体と、蓋体の下面に垂設
   され前記栓体の胴部に嵌挿されるインナーリングと、イ
   ンナーリングの先端部近傍の外面側に前記栓体胴部に設
   けられた環状凹部と係合する係合突起と、前記蓋体の周
   縁部に設けられる切り裂き自在の環状薄肉部と、環状薄
   肉部より下方に向けて設けられ、前記瓶口部外周面に嵌
   着されるスカート部と、から成る合成樹脂製オーバーキ
   ャップであって、 前記スカート部の下端に中空盛り上がり部が設けられ、
   この中空盛り上がり部を囲むように、スカート部の下端
   からＬ字状の開封用空間部を設けて摘持部を形成させ、
   この開封用空間部の末端からスカート部の上端に向けて
   斜め上方に延びる薄肉部が設けられていることを特徴と
   する合成樹脂製オーバーキャップ。
2. 【請求項２】前記スカート部の下部で下端から離れた位
   置に中空盛り上がり部が設けられ、この中空盛り上がり
   部を囲むように、スカート部の下端からＬ字状の開封用
   空間部を設けて摘持部を形成させ、この開封用空間部の
   末端からスカート部の上端に向けて斜め上方に延びる薄
   肉部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載
   の合成樹脂製オーバーキャップ。
3. 【請求項３】前記Ｌ字状の開封用空間部は、中間部分に
   つなぎ部を形成させていることを特徴とする請求項１ま
   たは２に記載の合成樹脂製オーバーキャップ。