JPH0948252A - ホイールクレーン - Google Patents

ホイールクレーン

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Publication number
JPH0948252A
JPH0948252A JP21988595A JP21988595A JPH0948252A JP H0948252 A JPH0948252 A JP H0948252A JP 21988595 A JP21988595 A JP 21988595A JP 21988595 A JP21988595 A JP 21988595A JP H0948252 A JPH0948252 A JP H0948252A
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JP
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crane
frame
vehicle body
body frame
axle
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Application number
JP21988595A
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English (en)
Inventor
Hideaki Fukuda
秀明 福田
Hitoshi Jo
仁司 城
Atsushi Yoshioka
厚 吉岡
Masatoshi Arai
雅利 新井
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Kato Works Co Ltd
Kato Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Kato Works Co Ltd
Kato Seisakusho Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】クレーン能力を向上させるために車体総重量を
増大させた場合に、強度フレームの長さを長くすること
なく法定の最遠軸距と軸荷重とを確保でき、なおかつ、
重心位置を極力低くすることができるホイールクレーン
の提供を目的としている。 【解決手段】本発明は、クレーン操縦室と走行用運転室
とを兼用する1つのキャブ2と、ブーム5を有するクレ
ーン装置1bとを備えた上部構造体と、アウトリガ装置
12a,12bを有する車体フレーム4を備え、前記上
部構造体を支持して走行するキャリア1aとから成るホ
イールクレーン1において、車体フレーム4は、上板4
aと、互いに対向する2つの側板4c,4cとを有し、
車体フレーム4の側板4c,4cの下縁部が少なくとも
1つの車軸10の中心線の下側まで延在し、最前部に位
置するアウトリガ装置12aと最後部に位置するアウト
リガ装置12bとの間の車体フレーム4の部位の長手方
向の端部に延出部32を介して車軸33を設けたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン車、特
に、クレーン操縦室と走行用運転室とを兼用する1つの
キャブを備えたホイールクレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、クレーン車は、走行車体である
キャリアと、このキャリア上に搭載されたクレーン装置
とから主に構成される。キャリアは車軸の上側に懸架装
置等の構成要素を介して箱型の車体フレームを配置する
ことにより構成され、この車体フレーム上に伸縮ブーム
を含むクレーン装置や運転室を備えた旋回体などの上部
構造体が搭載されている。
【0003】このようなクレーン車は、クレーン装置を
用いた吊り荷作業時に車体を支持する複数のアウトリガ
装置を車体フレームに備えている。このアウトリガ装置
は、車体フレームの左右両側に伸縮自在なビームを張り
出し、このビームの先端に取着されたシリンダ・ピスト
ン構造のジャッキ部を伸長させることにより、ジャッキ
部の下端に取り付けられた接地板を地面に押し当てて、
クレーン装置を有するキャリアを扛上して支えるように
なっている。
【0004】このようなアウトリガ装置によって車体を
支持する場合、最前部に位置するアウトリガ装置と最後
部に位置するアウトリガ装置との間のフレーム部分(以
下、強度フレームという。)は、支持力を直接に受ける
部分であり、相当な強度、特に、曲げや捩じれに対する
高い剛性が要求される。
【0005】ところで、こうしたクレーン車において、
クレーン能力を向上させて重い重量を吊り上げることが
できるようにすると、クレーン車自体が大型化し、高い
剛性が要求される強度フレームの重量も大きくなる。無
論、それに伴って車体の総重量も大きくなる。
【0006】しかし、クレーン車は、一般道路を自走し
て作業現場間を移動する必要があることから、車両制限
令によって車体の総重量や軸荷重或いは最遠軸距(最前
部車軸と最後部車軸との間の距離)が規制を受ける。こ
の規制によれば、クレーン能力を向上させるためにクレ
ーン車の総重量を大きくすると、それに伴って、最遠軸
距を長くとらなければならなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来から、
様々な種類のクレーン車が存在するが、図6に示すホイ
ールクレーン100は、クレーン操縦室と走行用の運転
室とを兼用するキャブ102を備えたクレーン車であ
り、従来、その総重量の上限が法規制により38tとさ
れていた。したがって、ホイールクレーン100は、図
示するように両端にアウトリガ装置104,104を有
する所定長さの強度フレーム106を備え、この強度フ
レーム106とその上に搭載されるクレーン装置107
とを2つの車軸108,108で支える構造が一般的で
あり、また、この構造で法定の最遠軸距と軸荷重との条
件は十分満足されていた。
【0008】しかしながら、最近の法改正により、ホイ
ールクレーンの総重量の上限が44tに引き上げられた
ことに伴って新たな問題が生じた。
【0009】すなわち、法改正に伴ってホイールクレー
ンの総重量を従来よりも大きくしてクレーン能力を向上
させた場合、軸荷重もそれに伴って大きくなるため、構
造的に2軸で車体を支持できなかったり、あるいは、一
般道路を走行する場合の軸荷重の法規制を満足すること
ができなくなる虞がでてきた。
【0010】こうした問題は、ホイールクレーンの現行
の2軸に加えてもう1軸追加すれば解決されるが、今度
は、総重量の増大に伴う最遠軸距の法規制をクリアする
必要がでてくる。すなわち、ホイールクレーンの総重量
の増大に伴って、最遠軸距を長くとる必要がある。
【0011】そこで、別個に追加して設けられる3つ目
の車軸をどのようにして設けるかが問題となる。例え
ば、図7(特開平4ー64596号公報)に示すよう
に、ブーム110が車体の前方に大きく突出するホイー
ルクレーンの特徴に鑑み、スペースの開いた前方のブー
ム110の下側空間に車体フレーム106を延ばし、車
体フレーム106を長くすることによって最遠軸距を大
きくすることも考えられる。すなわち、3つ目の車軸1
08aを前方に延ばした車体フレーム106の延出部分
に設ける。なお、図から分かるように、この場合の車体
フレーム106は、その両端にアウトリガ装置104
a,104aを有していることから、アウトリガ装置の
ビームを張り出して車体を支持した際にその支持力を直
接に受ける強度フレームである。
【0012】しかし、最遠軸距を確保するためだけに強
度フレーム106の長さを安易に長くすることは好まし
くない。強度フレーム106を長くすると、曲げや捩じ
り、撓みなどの対策をさらに強化する必要があり、強度
フレーム106の剛性をその分さらに高めなくてはなら
なくなる。したがって、最遠軸距を確保するためだけに
強度フレーム106の長さを長くすることは、結局のと
ころ、強度フレーム106の重量を無駄に増大させるこ
ととなる。特に、車長が比較的短く総重量の上限が小さ
いホイールクレーンの場合には、強度フレーム106の
長さを長くすると、かえって不都合が生じる場合さえあ
る。
【0013】すなわち、視界を良好に確保し且つ重心を
下げるという点から、特に、図示のようにブーム110
を前方に傾斜させて格納するホ−イールクレーンでは、
図7に示すように前方に向けて強度フレーム106を延
ばすと、ブーム110をそれ以上下側に下げることがで
きず、十分に重心位置を下げることができなくなる。仮
に、ブーム110を下げるために強度フレーム106に
加工を施すと、強度フレーム106の剛性が低下した
り、重量が重くなったりする。また、仮に、強度フレー
ム106がない場合でも、図7に示すように3つ目の車
軸108aを短くして補助輪109を車体幅の中央に配
置すると、補助輪109(車軸108a)とブーム11
0とが干渉してブーム110を十分に下げることができ
なくなる。
【0014】しかし、その一方で、ブーム110が前方
に突出して前方に重心が偏るホイールクレーン100で
は、走行時に前方に支軸を設けて安定性を高めたいとい
う要求もある。
【0015】また、総重量の上限の小さいホイールクレ
ーンにおいては、総重量の制限された中でクレーン能力
を向上させるために、強度フレーム106の強度を確保
しながらも強度フレーム106の重量をある程度抑え
て、その余った重量分を吊り上げ能力の向上に寄与させ
ることも必要である。最遠軸距を考えて強度フレーム1
06を長くすると、場合によっては、強度フレーム10
6に重量を取られすぎて吊り上げ能力を低下させてしま
う虞もある。
【0016】また、車軸の上側の比較的高い位置にセッ
トされる強度フレーム106を長くしてこれに重量を取
られすぎると、車体が不安定になり、荒地や傾斜面を走
行する場合に転倒し易くなる。この転倒する際の角度
(転倒角)は法規制によってある一定以上に制限されて
いるため、総重量を大きくする場合には、この転倒角の
規制をクリアーするためにその重心位置をできるだけ低
くする必要もある。
【0017】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、クレーン能力を向上
させるために車体総重量を増大させた場合に、強度フレ
ームの長さを長くすることなく法定の最遠軸距と軸荷重
とを確保でき、なおかつ、重心位置を極力低くすること
ができるホイールクレーンを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、クレーン操縦室と走行用運転室とを兼用
する1つのキャブと、ブームを有するクレーン装置とを
備えた上部構造体と、アウトリガ装置を有する車体フレ
ームを備え、前記上部構造体を支持して走行するキャリ
アとから成るホイールクレーンにおいて、前記車体フレ
ームは、上板と、互いに対向する2つの側板とを有し、
前記車体フレームの側板の下縁部が少なくとも1つの車
軸の中心線の下側まで延在し、最前部に位置するアウト
リガ装置と最後部に位置するアウトリガ装置との間の車
体フレームの部位の長手方向の端部に延出部を介して車
軸を設けたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態について説明する。図1および図2は自
走式クレーンの一例を示している。このクレーン車1は
クレーン操縦室と走行用の運転室とを兼用するキャブ2
を備えるホイールクレーン(ラフテレーンクレーン)で
あり、走行車体としてのキャリア1aと、キャリア1a
上に搭載されたクレーン装置1bとからなる。
【0020】図示するように、キャリア1aは車体フレ
ーム4からなり、車体フレーム4には2つの駆動軸1
0,10が組み込まれている。駆動軸10,10は、そ
の両端部が車体フレーム4の側方に突出しており、その
突出した端部に車輪15を有している。
【0021】また、車体フレーム4上には旋回台6が載
置され、旋回台6上にはキャブ2を有する旋回体8が回
転自在に搭載されている。旋回体8には伸縮ブーム5が
起伏可能に取着されている。また、このブーム5は、走
行時には図示のように前方に傾斜された状態で格納され
る。
【0022】車体フレーム4の後部にはエンジン25が
搭載されており、エンジン25の駆動力を駆動軸10,
10に伝達するプロペラシャフト等の伝達軸17、変速
機18、差動装置19などが車体フレーム4に内装され
ている。また、駆動軸10と車体フレーム4とを連結し
て駆動軸10と車体フレーム4との間のトルクの伝達を
行なうトルクロッド28も車体フレーム4に内装されて
いる。
【0023】また、車体フレーム4はその前後にアウト
リガ収納部12a,12bを有している。アウトリガ収
納部12a,12bには、クレーン作業時に車体フレー
ム4の側方に張り出して車体を支える伸縮ビーム14
(図3参照)が収納されている。つまり、本構成では、
ビーム14を収納する収納部12a,12bがフレーム
4内に設けられた構造となっている。なお、この場合の
車体フレーム4は、その両端にアウトリガ収納部12
a,12aを有していることから、アウトリガの伸縮ビ
ーム14を張り出して車体を支持した際にその支持力を
直接に受ける強度フレームである。したがって、以下、
車体フレーム4を強度フレーム4と称することとする。
【0024】図3に示すように、車体フレーム4は、上
板4aと、底板4bと、上板4aと底板4bとを連結し
て互いに対向する2つの側板4c,4cとからなる略箱
状のもので、これらの板4a,4b,4c,4cによっ
て車体フレーム4はその断面形状が閉じられた状態とな
っている。なお、この場合、底板4bを設けなくても良
いが、フレーム4の剛性を高めるためには設けることが
望ましい。
【0025】また、図示のように、車体フレーム4内に
は駆動軸10が貫通している。この場合、駆動軸10は
側板4c,4cに設けられた貫通穴29を通じて車体フ
レーム4内を貫通している。言い換えれば、側板4c,
4cの下縁部が駆動軸10の中心線を越えて駆動軸10
の下側まで延在している。図中38は、車体フレーム4
と駆動軸10との間に架設された油圧シリンダからなる
懸架装置である。
【0026】なお、この構成では、側板4cの略中央部
に駆動軸10を貫通させるための貫通穴29が設けられ
ているが、これに限らず、例えば、図5の(a)に示す
ように、側板4cにその下縁部から上板4aに向けて延
びる切り欠き54を設け、この切り欠き54を通じて駆
動軸10が車体フレーム4内を貫通する構成としても良
い。この場合、切り欠き54に沿って補強部50を設け
ると良い。
【0027】また、エンジン25が搭載された車体フレ
ーム4の後部は、図4に示すような断面形状となってい
る。すなわち、エンジン25を下側から受ける凹部30
を形成するために上板4aの少なくとも一部がフレーム
4の内側に突出している。この突出形状は、図4の
(a)に示すように断面が逆三角形のテーパーを有する
ものであっても良く、また、図4の(b)に示すように
断面が逆台形のテーパーを有するものであっても良い。
また、図示のように、上板4aの一部には、エンジン2
5の一部をフレーム4内に突出させるための開口39が
設けられている。
【0028】図1および図2に示すように、強度フレー
ム4の前端には、強度フレーム4と一体もしくは別体で
形成された延出部32を介して、走行補助体30が装着
されている。この走行補助体30は、ステアリング機構
を備え、車軸33と、車軸33の両端に装着された車輪
34とからなる。つまり、本構成では、ブーム5が車体
の前方に大きく突出するホイールクレーンの特徴に鑑
み、スペースの開いた前方のブーム5の下側空間に延出
部32を介して走行補助体30を配置している。
【0029】この場合、延出部32の幅は、強度フレー
ム4の幅よりも若干小さく形成されている。また、延出
部32は、その断面積が強度フレーム4のそれよりも十
分小さくなっている。なぜなら、延出部32は、走行補
助体30を強度フレーム4の前方空間に設けるためのも
のであり、アウトリガ支持力が作用する強度フレーム4
ほどの強度を要しないからである。
【0030】また、延出部32は、ブーム5を十分に下
側に下げることができるように、その上面が先端側に向
かって下方に傾斜している。また、車軸33もブーム5
の幅よりも長く形成されており、ブーム5を車輪34,
34間の位置まで下げることができるようになってい
る。また、ブーム5を十分に下側に下げる他の手段とし
ては、例えば、図5の(b)に示すように、延出部32
を二股状に形成することも考えられる。この構成によれ
ば、二股に分けられた各延出部位32a,32aの間の
空間までブーム5を下げることができる。図中、52は
ブーム5を起伏させるためのシリンダである。
【0031】なお、本実施形態では、車体フレーム4内
に貫通される車軸が駆動軸10であったが、無論、駆動
軸である必要はない。また、車軸の全てが車体フレーム
4内を貫通している必要はない(本実施形態では、車軸
33は車体フレーム4内を貫通していない)。さらに、
本実施形態において、車体フレーム4はそのほぼ全長に
わたって断面が閉じられた形状に形成されているが、底
板4bがなくても良く、また、あっても底板4bや側板
4cなどにメンテナンス用の開口が一部設けられていて
も良い(図4では、上板4aに開口39が設けられてい
る)。
【0032】以上説明した本実施形態の構成によれば、
以下に示すような作用効果を奏する。すなわち、本実
施形態では、強度フレーム4の先端に、延出部32を介
して走行補助体30を設けるようにしたため、ホイール
クレーン1の能力を向上させるために総重量を増大させ
ても、これを走行補助体30の車軸33を含めた3つの
車軸10,10,33によって分散して十分に支えるこ
とができ、かつ、実質的に最前部車軸33と最後部車軸
10との間の距離を長くとることができることから、法
定の最遠軸距と軸荷重とを満足させることができる。
【0033】特に、本実施形態の有益な作用効果は、強
度フレーム4の長さを長くしなくても、最遠軸距の規制
をクリアーできるとともに、強度フレーム4の剛性を十
分に確保することができ、なおかつ、車体の重心位置を
十分に下げることができることである。
【0034】これについて具体的に説明すると、まず、
本実施形態の構成では、強度フレーム4内に車軸10を
貫通させたことに伴い、強度フレーム4の上面位置を下
げることができる。すなわち、強度フレーム4の地上高
さを従来よりも低くすることができる。そのため、ブー
ム等を備える旋回体8を必然的に低くすることができ、
車体の重心位置を十分に低くすることができる。したが
って、転倒角を大きくすることができ、クレーン作業中
の安定度が大きくなる。
【0035】また、重心位置を十分に低くすることがで
きることから、高さ方向に余裕ができる。したがって、
強度フレーム4それ自体の高さ(強度フレーム4の上面
の地上高さではない)を従来よりも高くすることがで
き、強度フレーム4の断面積を大きくすることができ
る。
【0036】すなわち、本実施形態のように、強度フレ
ーム4内に車軸10を取り込んでしまう構造では、強度
フレーム4を従来の車輪の位置まで下げることができ、
それに伴って、従来において許容されていた強度フレー
ム4の上面高さ位置まで高さ方向に余裕ができる。その
結果、その余裕高さの分だけ強度フレーム4それ自体の
高さを高くすることができることとなる。強度フレーム
4それ自体の高さを高くできると言うことは、すなわ
ち、強度フレーム4の断面係数を幅方向ではなく高さ方
向でかせぐことができるということである。したがっ
て、強度フレーム4の断面係数を大きくすることがで
き、強度フレーム4の曲げ強度を大きくすることができ
る。
【0037】このようなことから、本実施形態では、総
重量を上げても、強度フレーム4の長さを長くすること
なく、かつ、強度フレーム4の剛性を確保することがで
き、法定の最遠軸距を確保することができるため、強度
フレームを長くすることによって最遠軸距を確保した場
合の欠点、すなわち、強度フレーム4に重量を取られす
ぎて吊り上げ能力を低下させてしまうといったことがな
くなる。つまり、総重量の制限された中でクレーン能力
を向上させるために、強度フレーム4の強度を確保しな
がらも強度フレーム4の重量をある程度抑えて、その余
った重量分を吊り上げ能力の向上に寄与させることがで
きる。これは、一般のトラッククレーンよりも車長が比
較的短くかつ総重量の上限が小さいホイールクレーン1
においては有益なことである。
【0038】また、本実施形態では、車軸10の上側の
比較的高い位置にセットされる強度フレーム4を長くし
てこれに重量を取られすぎることがないため、車体が不
安定となって、荒地や傾斜面の走行時に転倒してしまう
ことはない。特に、本実施形態では、強度フレーム4を
下側に下げることによってその重心位置を低くすること
ができるため、強度フレーム4の剛性を上げるためにそ
の重量を増大させても車体が不安定となることはない。
【0039】また、本実施形態では、スペースの開いた
前方のブーム5の下側空間に延出部32を介して走行補
助体30を配置しているため、無駄な空間を有効に利用
することができる。
【0040】また、本実施形態において、延出部32の
上面が先端側に向かって下方に傾斜しており、また、車
軸33もブーム5の幅よりも長く形成されているため、
ブーム5を車輪34,34間の位置まで前方下側に十分
傾斜させて格納することができ、ブーム5の下げだけで
も十分に車体の重心を低くすることができる。
【0041】また、本実施形態では、ブーム5が前方に
突出して車体の重心が前方に偏るホイールクレーン1の
特性に鑑み、車体の前方に支軸33を設けているため、
走行時の安定性を高めることができる。また、車軸33
が長いことから、車輪34を車体の左右に十分離間して
1つずつ配置することができるため、前方の車軸108
aが短く且つ車体幅の中央に1つだけ配置された図4の
構成に比べて、走行時の車体の安定性が良好である。
【0042】なお、本実施形態では、ブーム5を前方に
十分傾斜させて下げることができるように延出部32の
上面がテーパ状に形成されているが、前述した図5の
(b)の構成を採用したり、延出部32の上面に凹部を
設けることによって、ブーム5をより低い位置に配置さ
せるようにしても良い。また、延出部32を強度フレー
ム4の左右両側に設け、各延出部32に車軸の短い補助
輪を設けてもよい。このような構成でもブーム5を十分
下側に下げることが可能である。
【0043】また、走行補助体30は、強度フレーム4
の後側に設けられていても良く、着脱自在あるいは揺動
自在であっても良い。走行補助体30が着脱自在あるい
は揺動自在であれば、クレーン作業時に走行補助体30
を取り外し或いは上方へ持ち上げて格納することがで
き、作業者のフレーム台へのアプローチが容易となる。
【0044】また、本実施形態では、フレーム4を下方
に下げることに伴って、フレーム4内に伝達軸17や変
速機18といった各種の構成要素を配置するようにした
ため、これらの構成要素が路面の障害物によって破損す
ることを防止できる。
【0045】また、本実施形態では、フレーム4を幅方
向に広げなくても高さ方向に高くすることにより十分な
フレーム強度を確保することができるため、強度フレー
ム4の幅を小さくして、ステアリング角を大きくとるこ
ともできる。したがって、クレーンの回転半径を小さく
することができ、狭い路地へも少ない切り返しで容易に
侵入していくことができる。
【0046】また、本実施形態では、エンジン25の搭
載部よりもフレーム4を下方に下げることができるた
め、エンジン25の搭載部のフレーム部分を従来のよう
に分離された断面形状にしないで済む。つまり、エンジ
ン25の搭載部のフレーム部分を図4に示すような1つ
の閉じられた断面形状とすることができ、したがって、
この部位の捩じれ強度を強くすることができる。また、
フレーム4を分離しない断面とすることにより、フレー
ム4の軽量化を図ることができる。
【0047】以上のように、本実施形態によれば、クレ
ーン能力を向上させるために車体総重量を増大させて
も、強度フレームの長さを長くすることなく法定の最遠
軸距と軸荷重とを確保でき、なおかつ、重心位置を極力
低くすることができる。言い換えれば、最遠軸距を大き
くするために重量を大幅に増大させることなく、車軸数
を増やすことができ、また、重量を増大させることなく
強度フレームの強度を維持もしくは高めることができ
る。したがって、車体の軽量化を図ることができ、その
余った重量分を吊り上げ能力の向上に寄与させることも
できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のホイール
クレーンによれば、クレーン能力を向上させるために車
体総重量を増大させても、強度フレームの長さを長くす
ることなく法定の最遠軸距と軸荷重とを確保でき、なお
かつ、重心位置を極力低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るホイールクレーンの
全体図である。
【図2】図1のホイールクレーンの車体フレームの平面
図である。
【図3】(a)は本発明の一実施形態に係る自走式クレ
ーンのフレームと車軸との位置関係を示す概略図、
(b)は(a)の側面図である。
【図4】エンジン搭載部における車体フレームの断面形
状を示す図である。
【図5】(a)はフレーム形状の変形例を示す側面図、
(b)は延出部の形状の変形例を示すクレーンの正面図
である。
【図6】従来のホイールクレーンの全体図である。
【図7】総重量を増大した際に考えられるホイールクレ
ーンの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…ホイールクレーン、2…キャブ、4…強度フレー
ム、5…ブーム、10,33…車軸、30…走行補助
体。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーン操縦室と走行用運転室とを兼用
    する1つのキャブと、ブームを有するクレーン装置とを
    備えた上部構造体と、アウトリガ装置を有する車体フレ
    ームを備え、前記上部構造体を支持して走行するキャリ
    アとから成るホイールクレーンにおいて、 前記車体フレームは、上板と、互いに対向する2つの側
    板とを有し、 前記車体フレームの側板の下縁部が少なくとも1つの車
    軸の中心線の下側まで延在し、 最前部に位置するアウトリガ装置と最後部に位置するア
    ウトリガ装置との間の車体フレームの部位の長手方向の
    端部に、延出部を介して、車軸を設けたことを特徴とす
    るホイールクレーン。
  2. 【請求項2】 最前部に位置するアウトリガ装置と最後
    部に位置するアウトリガ装置との間の車体フレームの部
    位の前端部に延出部を介して車軸を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載のホイールクレーン。
  3. 【請求項3】 前記車軸が車体フレームに対して着脱自
    在もしくは揺動自在であることを特徴とする請求項1に
    記載のホイールクレーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007191315A (ja) * 2000-09-20 2007-08-02 Grove Us Llc 再構成可能なクレーンキャリア

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