JPH0948005A - キリ材の変色を防ぐアク抜き方法及び装置 - Google Patents

キリ材の変色を防ぐアク抜き方法及び装置

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JPH0948005A
JPH0948005A JP22272295A JP22272295A JPH0948005A JP H0948005 A JPH0948005 A JP H0948005A JP 22272295 A JP22272295 A JP 22272295A JP 22272295 A JP22272295 A JP 22272295A JP H0948005 A JPH0948005 A JP H0948005A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷清水浴と湿暖気浴の処理の反復により、温
度変化による水の膨張収縮を利用して、材の劣化を防ぎ
つつ、木材人工乾燥につながる、実用的な手段で、高級
家具用材等としての製品評価上支障ない程度まで変色を
低下させた板状キリ乾燥素材を得る。 【構成】 木材人工乾燥室を湿暖気浴室として使い、冷
清水槽叉は散水蛇口を設け、冷清水浴と湿暖気浴を必要
回数反復してアク抜き処理し、その後変色防止処理した
キリの乾燥材を得る人工乾燥処理につなぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキリ材表面の醜い変色を
防止し、同材の高級家具用材等への実用的評価を向上さ
せるための新規な変色防止処理手段を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、古くから最も一般的に利用されて
いるキリ材のアク抜き方法は、屋外暴露であり、これは
キリの板材を屋外で立てかけ叉は野積みして、6ヶ月以
上に亘り雨露、日光に曝し、必要に応じ、流水に浸漬し
たり、更に散水を反復し、日光により天然乾燥させる方
法である(方法1)。この方法1は先人が長い経験から
見いだした優れたアク抜き法ではあるがあまりにも時間
的ロスが多い。
【0003】方法1は現代的でないとして、近年とられ
ている手段が、キリ板材を水に浸漬し、水蒸気を吹き込
んで煮沸し、沸騰水の激しい活動によって材内のアクの
拡散を促進させ、水を交換してアクを煮出すことを繰り
返すアク抜き方法である(方法2)。この方法2は高温
の沸騰水を使うため、キリの機械的性質が犠牲になり、
光沢が失せ、強度が低下し、材質が劣化するので高級家
具材向けには不適である。
【0004】更に、清水含浸とアルカリ溶液中での材の
機械的圧搾法(特公昭57−199609号公報参
照)、温水シャワーと減圧工程の組み合わせ(特公昭6
2−26882号公報参照)など様々なアク抜き法の提
案があるが、これらは何れも以下に詳述するキリ材の望
ましい性質である高機能性と望ましくないアク抜き処理
での困難性という善悪両性を同時に招来させるキリの基
礎的物性、即ち材内空隙の連結性(=通導性)の欠如と
いう肝心な点への考慮が欠けており、材の機械的傷みが
生ずる、処理効果が劣る、目の付けどころに誤りがあ
る、等で実用に供し得ない方法である。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】我々日本人は、昔から
家庭生活の中で、家具を初めとする多くの身の回りの用
品に高貴な木材としてキリ材を愛用している。現在中国
ではキリ材が日本よりも多量に使われてはいるが、日本
のように高貴な木材としての扱われ方はされていないよ
うである。このような日本でのキリ材愛用の風習は、海
外の諸国にはみられない独特の慣習と言えよう。これは
キリが東洋特産の樹種であり、軽軟な材質が海外では一
見安っぽい木材との印象で受けとめられているためと思
われる。
【0006】軽軟のため、一見安っぽく感じられるキリ
材に日本人がなじみを深めたきっかけは、これ叉日本独
特の風習と言える下駄にあったのではないであろうか。
軽く柔らかな肌触り、かつ摩耗の少ないキリ材は、下駄
素材として絶妙であり、つまり我々の祖先は、キリの良
さを下駄を通じて足裏の感触から受け入れたのが始まり
であるように思われる。
【0007】かくの如く、国産有用材中最も軽量にし
て、適度の機械的強度を保有するキリ材は、これ叉国産
有用広葉樹材中最も高い比率に発達した柔組織を保有す
るという特異性があり、これが研磨により木理に気品あ
る輝きを添えている。加えて、軽量なる故材中には空隙
が多く存在するにも拘らず、その導管中にはあらゆる木
材の中で最高度にチロースが発達、充満しているため、
材内空隙の殆どが独立気泡のような互いに連結していな
い構造となっているため、発泡プラスチックのように湿
気や熱の伝達を最もよく抑える木材としては極めて特異
な、最も優れた機能をもつ物性の素材と言えるのであ
る。このような特異的機能は、用材となる木材にとって
は最も重要な物性と言える高い寸度安定性を与えること
から、キリ材は狂いが起こりずらい、収納物を火気や湿
気からよく守る家具等の用材としてこの上ない性能を持
ち合わせている木材として評価出来るのである。
【0008】このようにキリ材は物性的には極めて有用
な特長の多い木材であるが、最大の欠点は変色である。
キリ材は変色防止処理を経ずしてそのまま使用すると、
多くの場合、赤紫〜暗褐〜黒紫系の変色を顕し、変色の
程度に個体差が多く、叉一様ではなく、アバタ状に変色
し、これらが材を極端に醜くする。この変色は、キリ材
中に多く含まれる所謂アク成分のためで、これらのアク
の化学成分としては、糖類のほかにタンニン類、セサミ
ン、パウロニン、ピノレジノール、ロイコアントシアニ
ン、コーヒー酸関連物質などが文献上に報じられてい
る。
【0009】上記従来法の方法1のような常温でのアク
抜きが多くの時間を必要とする理由は、上述のキリ材の
持つ用材としての優れた機能をもたらす基礎的物性と極
めて深く関連する。即ちキリ材は軽量なる故材内空隙率
は極めて高いが、細胞内腔にはチロースが最もよく充満
しているため空隙の多くは独立気泡を形成し、連結性が
劣る故通導性が小さく、このことが優れた寸法安定性、
断熱性、耐朽性、防火性及び防湿性なるキリ材独特の機
能とも言える物性をもたらしているが、この基礎物性が
水の材内への浸透に対する抵抗となって作用し、ようや
く浸透した水にアクが溶解した後、その水溶液が材外へ
排出することをも極めて遅くする原因となっているので
ある。つまりキリ材内では液の流通には抵抗が大きく、
いわば閉ざされたようになっているため、遅々とした拡
散によりアクが抜けていくことを専ら長い時間をかけて
期待する方法が取られざるを得なかったのである。
【0010】従来法の方法2はこの遅々とした拡散を温
度上昇により促進させたものであるが、このように沸騰
する程の高温の熱水でアクを煮出す方法は、キリの機械
的性質を犠牲にし、光沢を失って材の劣化を招くため、
比較的廉価な一般普及製品用のキリ素材処理法としては
許されるものの、高級家具等の用材向けの処理法として
は、絶対に避けたい条件とされている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
溶解したアク成分の材外への排出を、遅々とした拡散に
主体的に頼ったり、材の機械的ダメージを知りながら材
を沸騰水で処理したり機械的に圧搾するような従来の諸
方法とは基本的にそのアク排出の理念を異にする方法で
あり、温度による木材と水の体積熱膨張率の相違を基礎
に置いた方法である。木材も水も数℃から数十℃にかけ
ては温度の上昇と共に体積は膨張するが、水の体積熱膨
張係数は木材のそれの100倍程度と概算でき、しかも
このような水の物理的膨張力は、材の通導性を阻害して
いる木材空隙の機密性に起因する液体流通の阻止力を問
題としない、それを遥かに超える力強いものであり、本
発明発創の原点は正にこの点にあるのである。従って本
発明に於いてはアク成分の材外への排出を従来法が主と
してその拠り所としていた遅々としている拡散に頼るこ
と少なく、材内にキリ材と水との温度による体積膨張の
違いに基因する液の流通を起こし、材を熱的にも機械的
にも傷めず大切に取り扱う純物理的手段で目的を達しよ
うとすることを基本とする方法であり、これを具体的に
表現すれば、キリ材の冷清水浴と材質的にキリ材に許さ
れる温度の湿暖気浴を人為的に必要回数反復して与える
ことにより、湿暖気浴付与中に材からのアク成分水溶液
をその体積膨張を利用して積極的に材外に排出させ、つ
いで加温状態のままの板状素材を浸漬する冷清水浴中で
の処理に於いては材内の水の体積収縮を利用して積極的
に清水の材中への侵入を図り、この冷清水浴中にアク成
分溶解の時間を与えてから湿暖気浴へと移行させ、これ
を反復させることによりキリ板状素材からアク成分を除
去し、変色を確実に防ぎ、かつその処理時間を従来から
の天然を利用した方法に較べ、著しく短縮して効率的か
つ生産性の向上とコストの低廉化を達成したものであ
り、その特徴とするところは、第1の発明として所定の
厚さのキリ板状素材をまず冷清水に浸漬叉は散水により
材の冷却と材内への冷清水の含浸を行い、時間を与えて
アク成分を溶解させた後、これに湿暖気浴を与え、材の
加温による材内アク成分含有水溶液の膨張によりアクの
排出を行い、これを反復することにより、材内アク成分
濃度を次第に低下させ、もってキリ材の変色を製品評価
上支障ない程度にまで低下させる点にある。
【0012】第2及び第3の発明は、上記第1の発明の
応用法と実際に直接使用する装置に関する発明であっ
て、所定の厚さのキリ板状素材を含浸処理する水槽2叉
は該素材のほぼ全表面に均等にふりかかる冷清水散水設
備を人工乾燥装置の下(事情により隣接部でも可)叉は
装置内天井部に設け、冷温両設備を有機的に組み合わせ
て、冷清水の材内への含浸、含浸した水へのアク成分の
溶解、次いで材を人工乾燥装置を作動させた湿暖気浴処
理に付し材内の昇温、水の熱膨張によるアク水溶液の材
外への排出、これらを必要回数反復させ、アクの排出が
所期の目的を達したと見るや、湿暖気浴を次第に人工乾
燥スケジュールに移行させ、もって最終の目的であるア
ク抜きによる変色防止処理済みのキリ人工乾燥材を得る
ものである。
【0013】冷清水浴温度は水道水、地下水もしくは河
川水等で通常得られる程度の清水で十分であり、冷清水
浴の時間、湿暖気浴時間及び反復必要回数等は主に材の
厚さによりまた産地等の要素を含めた個体差等を勘案し
て適宜決めなければならない。叉、アクの抜け方に限っ
て言えば、湿暖気浴温度は材に劣化を招かない範囲内の
可及的高温が良く、従って温度条件は目指す最終製品の
貴重度にも関係し、高くて90〜80℃、高温であれば
短時間のより高湿な温浴にする必要があり、一般に好ま
しい温度は30〜60℃程度と考えて良い。叉、材温度
を上げるのに湿暖気浴を使うのは、アク抜き処理中の材
の乾燥を抑え込むためで、材からの水の蒸発は材面に排
出したアク水溶液の水分の一部分に止めるため、100
%及びそれに近い関係湿度が望ましい。これは冷清水浴
中での材内外の水層の切断を避け、連結を保った方が浸
漬による材内への水の浸透を容易に進めるからである
が、このことは本発明の効果を左右する絶対的条件では
ない。
【0014】ところで、本発明の温冷浴繰り返しによる
材内への冷清水の侵入と、材内アク水溶液の排出を基本
理念とする方法は、温冷両浴共に水浴にてこれを反復し
与えても、アク抜きに関してはほぼ同様の目的は達成し
得るが、ここであえて温浴を湿暖気浴にすることは、ア
ク抜きの後半もしくは最終段階から人工乾燥処理工程に
容易に移行できて工業的に実施し易く実利的である点
と、今一つ重要な点は、湿暖気浴で膨張し材表面に侵出
してきた水溶液の水分の一部がそこで蒸発し、アク成分
を材表面に析出することにより、材面の酸化変色を防止
し、また温水浴ではアク水に染まって処理材が暗色化す
るのが防がれる利点も重視したものである。発明者は温
冷水浴の反復による実験も数多く実施し、変色防止に有
効なることを確かめてはいるが、この方法は爾後の人工
乾燥に手間と費用がかかること、防止処理中に材の暗色
化が起こり易いこと、の2つの欠点があることを認め、
この点を改善して本発明に到達したことを表明する次第
である。しかし、本発明の前半部分にこの冷温浴共に水
浴で行う方法(つまり、温冷水浸漬の反復叉は冷温シャ
ワーの反復)を採り入れることは、本発明により容易に
類推できる範疇のことである。
【0015】
【作用】本発明の主要な一工程である冷清水浴は材を冷
却し、材温を下げるので材内の空気と水の体積を収縮さ
せ、冷清水の含浸を促す推進力を生む。この冷工程は下
の暖工程よりも比較的長い時間にすると良いが、それは
アク成分の溶解に時間がかかるためである。冷清水浴は
叉時間をかけても熱水浴のように材劣化の原因とはなら
ない。今一つの主要工程である湿暖気浴は、材の温度を
上げ、材内の空気と水の体積を膨張させ、材内のアク水
溶液を材外へ排出させる力強い推進力を生む。高い湿度
はこの工程中の材の乾燥を抑え、材に冷暖工程の反復処
理中のアク水溶液排出に必要な含水率を保つために必要
である。以上、これまでは反復を冷工程から開始するよ
うに記載してきたが、これは暖工程から始められること
があっても基本的な理念の違いはないのであって、重要
なことは冷暖両工程の反復にあることを主張しておく。
【0016】
【実施例】図面を参照して実施例により本発明を工程順
に説明すると、先ずキリ丸太を製材して厚さを20mmと
した適当長さの板状素材1を準備する。この素材1は全
乾比重0.25〜0.35程度のものであるが、これを
水槽2の冷清水3内に浸漬し効率よく含水させるため
に、板上素材1が密着しないように適当な桟木4を挟
み、桟組み5とし、このとき板状素材は図1のように水
平状にセットされるが、事情が許せば、枠を設け、板状
素材1をその幅方向が鉛直になるような枠組みにセット
すると、桟4と板状素材1との密着の弊害が防がれ、板
面からの冷清水の浸透ムラがむしろ小さい。何れにして
も、桟組み5や枠組みの上に浸漬の際の板状素材1の浮
上を押さえ込むための重り6叉は押さえを設け、木材人
工乾燥室7に設けた滑車8により板状素材1を水槽2に
浸漬する。浸透水量は十分な程よいが、浸漬時間は材内
水へのアクの溶解時間を含めて、実際には2時間乃至2
4時間程度となる。
【0017】板状素材1への冷清水の含浸は、図2にあ
る散水方式でも可能である。この際桟組み9もしくは枠
組みは、木材人工乾燥室7の天井に設けた散水蛇口10
からの水が板状素材全体を均一に濡らすように、桟組な
ら板をずらして組まれなければならない。浸漬時間は材
内水へのアクの溶解時間を含めて、実際には上と同様2
時間乃至24時間程度となる。
【0018】十分冷清水を含浸させた板状素材1は湿暖
気浴室7(=木材人工乾燥室)にて、水蒸気、暖気叉は
高周波等のエネルギー手段で、板状素材1の過度の乾燥
を避けながら、内部が数十℃に加温されるまで暖められ
る。このため板状素材1の材中でアクを溶解している液
が熱膨張で材外へ排出してくるが、この湿暖気浴処理時
間は、材温が内部まで加温されれば目的が達せられるの
で、通常は冷清水浴よりも短くてよく、その1〜数分の
1程度で、高周波なら更に短くてよい。
【0019】かくして再び冷清水浴、そして湿暖気浴へ
と必要回数反復することになるが、この際特に気をつけ
ねばならぬことは、冷清水浴は板状素材1が加温状態の
まま冷水に浸漬されることが重要である。浸漬される前
に板状素材1が冷やされると冷清水浴での冷水の浸透力
が弱まり、本発明の効果が発揮できなくなる。湿暖気浴
では板状素材1の過度の乾燥を避けつつも、材表面に排
出してきたアク水溶液は適度に蒸発し、そのためアクが
析出し材表面上を覆う。
【0020】必要回数のアク抜き処理を終えた板状素材
1は、キリ材用人工乾燥スケジュールに従って乾燥さ
れ、ここに変色を防ぐためにアク抜き処理を終えたキリ
の人工乾燥材が生産される。この材の表面は析出した黒
いアクに覆われているが、これはアク抜き処理成功の証
であり、鉋がけにより削除し、容易に気品に満ちた淡色
のキリ木目面を現出できる。以上の処理による実施例で
得られた乾燥キリ板を時経的に測色し、明度指数▲エル
スター▼を用いて変色状況の代表的データを、無処理の
コン、トロールと比較して示せば表1の通りである。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0023】キリ材を水に浸漬し、水蒸気を吹き込んで
煮沸し、材の機密性の故もともと極めて小さい拡散係数
を、沸騰温度程度にまで無理に高めてアクを煮出すよう
な高温熱水処理ではないので、材の傷みは小さく、実用
上問題とならない。即ち、本来キリ材が有つ高級家具材
としての性能つまり強度、木理に添えられている気品あ
る輝き、高い寸度安定性などを何一つ失うことのないア
ク抜き乾燥材を提供できる。
【0024】熱水は勿論基本的には温水も使わない。専
ら冷水が使われ、湿暖気浴で加温状態のまま材を冷水に
浸漬、叉は冷水を散水し、この水浴中の材の冷却による
材内空気及び水の体積縮小が材内への清水の浸透の主要
な推進力であって、従来法が拠り所としていた材内での
流体の拡散に頼る方法ではない。
【0025】材内に水が入ると、水溶性のアクは当然溶
解し、材内はアクの水溶液となる。これを湿暖気浴で、
材が傷まない程度の温度数10℃に加温する。アク水溶
液は温まって膨張し、その一部が材外へ排出する。この
ような冷温両浴を反復付与する間は、冷清水の材内への
浸透、アク水溶液の材外への排出が繰り返されるために
は、材内外の水が連続層を形成していることが望まし
く、従って湿暖気浴中の材の乾燥をできるだけ押さえ込
む必要から、100%に近い関係湿度が必要で、材面か
らの乾燥は、表面に排出したアク水溶液の水分蒸発に止
めるようにする。
【0026】アクは材表面に析出し、酸化して不溶性と
なり、湿暖気浴中材を保護し材面の暗色化を押さえる作
用をする。
【0027】湿暖気浴室と木材人工乾燥室が兼用になっ
ているため、アク抜き処理を終えた板状素材1は、その
まま人工乾燥処理に付すことができ、極めて実用、実利
的で、この業界への影響は極めて多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の装置全体を正面からみた縦断面図で
ある。
【図2】請求項3の装置全体を正面からみた縦断面図で
ある。
【符号の説明】 1 板状素材 2 冷清水槽 3 冷清水 4 桟 5 材の桟組み 6 重り 7 湿暖気浴室叉は木材人工乾燥室 8 滑車 9 材の桟組み(板面ずらし) 10 散水蛇口 11 湿暖気浴室叉は木材人工乾燥室での気体の流れ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キリの板状素材(1)を冷清水浸漬処理
    叉は冷清水シャワー処理などの冷清水含浸処理を行い材
    内に清水を含浸させ、アク(キリ材中に多く含まれる水
    溶性抽出成分中の変色関連物質)成分を材中に侵入した
    清水に溶解させてから、材を湿暖気浴叉はマイクロ波等
    の加熱手段により数十℃に加温し、水の熱膨張により材
    内のアク成分が溶解している水溶液の一部を材外に排出
    させ、該素材(1)を加温状態のまま再び冷清水含浸処
    理をさせるというように、冷清水含浸処理と湿暖気浴等
    加温処理の反復を必要回数与えることを特徴とするキリ
    の板状素材(1)の変色を防ぐアク抜き方法。
  2. 【請求項2】 木材人工乾燥装置(7)の下部に冷清水
    槽(2)を設け、キリ板状素材(1)を浸漬し、材内へ
    の冷清水の可及的含浸を達成してから、該素材(1)を
    引き上げて人工乾燥装置(7)の湿暖気浴にて加温し、
    材内部まで昇温させてから再び冷清水槽(2)に浸漬
    し、材内部まで冷却させ清水を含浸させる、ことからな
    る冷温浴もしくは温冷浴を必要回数反復させアク抜きの
    目的を達した後、叉はアク抜き後半の段階から乾燥装置
    (7)の湿度を徐々に下げて該素材(1)の処理を人工
    乾燥スケジュールに移行させることにより、アク抜きに
    より変色防止処理を終えたキリの板状素材(1)の人工
    乾燥材を得る木材人工乾燥装置(7)と冷清水槽(2)
    が一体化したキリ材の変色を防ぐアク抜き装置。
  3. 【請求項3】 木材人工乾燥装置(7)内の上部に叉
    は隣接してシャワー設備(10)を設け、キリ板状素材
    (1)を冷清水シャワー処理に付し、材内への冷清水の
    可及的含浸を達成してから、該素材(1)を人工乾燥装
    置(7)の湿暖気浴にて加温し、材内部まで昇温させ、
    次いで再び冷清水シャワー処理に付し、材内部まで冷却
    させ清水を含浸させる、ことからなる冷温浴もしくは温
    冷浴を必要回数反復させアク抜きの目的を達した後、叉
    はアク抜き後半の段階から乾燥装置(7)の湿度を徐々
    に下げて該素材(1)の処理を人工乾燥スケジュールに
    移行させることにより、アク抜きにより変色防止処理を
    終えたキリの板状素材(1)の人工乾燥材を得る木材人
    工乾燥装置(7)と該装置内の上部叉は隣接したシャワ
    ー設備(10)とが一体化したキリ材の変色を防ぐアク
    抜き装置。
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