JPH0947735A

JPH0947735A - 水槽清浄機

Info

Publication number: JPH0947735A
Application number: JP7222616A
Authority: JP
Inventors: Kakutaro Fukuda; 確太郎福田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-08-07
Filing date: 1995-08-07
Publication date: 1997-02-18
Anticipated expiration: 2015-08-07
Also published as: JP3281516B2; US5706539A

Abstract

(57)【要約】【課題】水槽内に貯溜された貯溜水を排出又は交換せず
に清浄作業を行うことができる水槽清浄機を提供する。【解決手段】機本体に内蔵した回転用モータの駆動力に
より吸引羽根車を回転させ、各吸水室に形成した各吸水
口を介して水槽内の貯溜水を吸入すると共に、回転用モ
ータの回転力をトルクコンバータにより増幅して回転ブ
ラシに伝達し、水槽の壁部及び底部に付着した汚れと、
砂や小石等の堆積物に付着した汚れとを回転ブラシの回
転により清浄除去する。且つ、清浄濾過室に供給される
貯溜水をフィルターにより清浄濾過して、清浄濾過され
た綺麗な貯溜水を機外部に連続排出するので、水槽内に
貯溜された貯溜水を排出又は交換せずに清浄作業を行う
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、水族
館、一般家庭、ディスプレー、或いは、游泳用プール、
浴槽等に用いられるコンクリート製、ガラス製、合成樹
脂製、金属製の水槽を清浄する作業に用いられる水槽清
浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような水槽の内部を清浄
する方法としては、例えば、水槽内に貯溜された水や海
水等の貯溜水を一旦排出した後、水槽の壁部及び底部に
付着した水垢や苔類汚れをブラシにより手作業で洗い落
とす方法がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した水族
館用の水槽は大型の魚介類や哺乳類を飼育するため容積
が大きく、大量の海水を貯溜する必要があるため、海水
を一旦排出してから水槽内を清浄する場合、水槽内に貯
溜された海水を排水及び注水するのに長い時間が掛るだ
けでなく、魚介類や哺乳類等の水中生物を別の水槽に移
し変えなければならず、清浄作業に手間及び時間が掛か
るという問題点を有している。

【０００４】また、水槽内に貯溜された海水を排出せず
に清浄作業を行った場合、洗浄除去される水垢や苔類等
により海水の透明度が低下し、除去状態の確認が困難と
なると共に、洗浄除去される水垢や苔類等により海水が
汚れてしまうため、清浄作業後に於いて、水槽内に貯溜
された海水を、新しい海水とに入れ替えなければならな
い。且つ、洗浄除去された汚れが水槽の壁部及び底部に
再び付着したり、槽底部に敷設された砂や小石等の堆積
物にも付着するため、清浄効率が悪いという問題点も有
している。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、回転用モータ
の回転力を動力伝達手段により増幅して回転ブラシに伝
達することにより、水槽内に貯溜された貯溜水を排出又
は交換する手間及び作業が省け、同水槽の内壁面及び堆
積物を清浄する作業が効率的に行える水槽清浄機の提供
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記中空形状を有する機本体の内部空間を第１吸水室と
第２吸水室とに分割し、上記第１吸水室に形成した吸水
口の前位側に回転ブラシを軸支し、上記第２吸水室に形
成した吸水口の後位側に吸引羽根車を軸支し、該吸引羽
根車と上記機本体に内蔵した回転用モータとを連結する
と共に、上記機本体の内部に上記回転用モータの回転力
を回転ブラシに伝達する動力伝達手段を設けた水槽清浄
機であることを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記動力伝達手段を、上記第１吸水室
に形成した羽根収納室内に一対の各羽根車を軸方向に近
接して軸支すると共に、上記羽根収納室の出力側に軸支
した前部羽根車と上記回転ブラシとを連結し、該羽根収
納室の入力側に軸支した後部羽根車と上記吸引羽根車と
を連結して構成した水槽清浄機であることを特徴とす
る。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記動力伝達手段を、上記第１吸水室
に形成した羽根収納室内に羽根車を軸支し、該羽根収納
室に軸支した羽根車と上記回転ブラシとを連結すると共
に、上記羽根収納室の一側面に上記羽根車に対して回転
が付与される方向に向けて吐出口を設け、上記羽根収納
室の一側面に形成した吐出口と上記第２吸水室に形成し
た排水口とを返還通路で接続し、上記羽根収納室の他側
面に形成した排水口と上記清浄濾過室に形成した吸水口
とを排水通路で接続して構成した水槽清浄機であること
を特徴とする。

【０００９】

【作用】請求項１記載の水槽清浄機は、第２吸水室に軸
支した吸引羽根車を回転用モータにより回転して、第１
吸水室及び第２吸水室に形成した各吸水口を介して水槽
内の貯溜水を吸入すると共に、回転用モータの回転力を
動力伝達手段を介して回転ブラシに伝達することで、回
転用モータと回転ブラシとを直結するよりも大きな回転
力が得られ、水槽の内壁面及び堆積物を清浄する作業が
効率的に行える。

【００１０】請求項２記載の水槽清浄機は、上記請求項
１記載の作用と併せて、第２吸水室に軸支した吸引羽根
車と、羽根収納室に軸支した後部羽根車とを回転用モー
タにより回転すると共に、羽根収納室内に流入した液体
（例えば、貯溜水、海水、オイル等）の流動作用により
後部羽根車の回転力を前部羽根車に伝達して、前部羽根
車に連結した回転ブラシを回転させることで、回転用モ
ータの回転力が各羽根車の回転作用により増幅して回転
ブラシに伝達され、大きな回転力が得られると共に、水
槽の内壁面及び堆積物を清浄する作業が効率的に行え
る。

【００１１】請求項３記載の水槽清浄機は、上記請求項
１記載の作用と併せて、第２吸水室に軸支した吸引羽根
車を回転用モータにより回転して、第１吸水室及び第２
吸水室に形成した各吸水口介して水槽内の貯溜水を吸入
する。同時に、第２吸水室に形成した排水口から貯溜水
を排出し、返還通路を介して、羽根収納室に形成した吐
出口に貯溜水を供給し、吐出口から吐出される貯溜水を
羽根車に吹き付けて回転を付与し、羽根車に連結した回
転ブラシを回転させることで、水槽の内壁面及び堆積物
を清浄する作業が効率的に行えると共に、機本体内に吸
入される貯溜水を有効に活用することができる。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、回転用モータの回転
力を動力伝達手段により増幅して回転ブラシに伝達する
ので、回転用モータと回転ブラシとを互いに直結して回
転するよりも大きな回転力が得られる。且つ、作業者の
手や水中生物等の物体が回転ブラシに接触しても、その
接触時に生じる抵抗により回転ブラシのみが回転停止さ
れるため、物体が損傷するのを防止でき、取り扱いやす
く安全である。しかも、水槽内に貯溜された貯溜水を濾
過しながら清浄するので、清浄作業時に貯溜水が汚れる
のを防止でき、魚介類や哺乳類等の水中生物を飼育する
のに適した水質及び環境を保つことができる。且つ、水
槽内に貯溜水を貯溜した状態のままで清浄するため、従
来例のように貯溜水を排出又は交換するような手間及び
作業が省け、水槽の内壁面及び堆積物を清浄する作業が
容易に行え、作業能率及び清浄効率の向上を図ることが
できる。

【００１３】

【実施例】図面は水槽の内壁面及び堆積物を清浄する作
業に用いられる第１実施例の水槽清浄機を示し、図１に
於いて、この水槽清浄機１は、中空形状を有する機本体
２の内部空間を第１吸水室３と、第２吸水室４と、清浄
濾過室５とに分割し、第１吸水室３の吸水側前位に遮断
板６及び回転ブラシ７を軸支し、第２吸水室４の吸水側
後位に吸引羽根車８を軸支して、第２吸水室４内に固定
した回転用モータ９の駆動力により吸引羽根車８を回転
させ、各吸水室３，４に形成した各吸水口３ａ，４ａを
介して水槽Ａ内の貯溜水Ｗを吸入する。同時に、回転用
モータ９の回転力をトルクコンバータ１０により増幅し
て回転ブラシ７に伝達し、水槽Ａの壁部Ａａ及び底部Ａ
ｂと、同槽底部Ａｂに敷設された砂や小石等の堆積物Ｂ
とを回転ブラシ７の回転により清浄すると共に、清浄濾
過室５内に吸入される貯溜水Ｗを清浄濾過して機外部に
吐出する構成である。

【００１４】上述した第１吸水室３は、同室前部に形成
した隔壁３ｂの中心部に回転軸１１を回転可能に軸支
し、同回転軸１１を中心とする隔壁３ｂの前面側に多数
の各吸水口３ａ…を所定間隔に隔てて形成し、同各吸水
口３ａ…と対向する隔壁３ｂの前位側に遮断板６及び回
転ブラシ７を軸方向に対して所定間隔に近接して配設す
ると共に、同遮断板６及び回転ブラシ７の回転中心に回
転軸１１の突出側端部を直結している。且つ、第１吸水
室３の中央部であって、第２吸水室４の前部壁面に対し
て所定間隔に隔てられた位置に密閉型のトルクコンバー
タ１０を固定し、同トルクコンバータ１０の出力側に回
転ブラシ７の回転軸１１を直結し、同トルクコンバータ
１０の入力側に後述する回転用モータ９の回転軸１６を
直結している。

【００１５】前述した遮断板６は、図２、図３に示すよ
うに、第１吸水室３に形成した隔壁３ｂ前面に円盤型の
板本体６ａを対向して配設し、同板本体６ａの回転中心
に上述した回転軸１１の突出側端部を挿通固定すると共
に、同回転軸１１を中心とする板本体６ａの前面側に多
数の各孔部６ｂ…を所定間隔に隔てて形成し、適宜大き
さを有する砂や小石等の堆積物Ｂよりも若干小径に各孔
部６ｂ…を形成している。且つ、遮断板６の前面側周縁
部に、同板の半径と対応する長さ寸法に形成した除去ブ
ラシ１２を対設して、遮断板６の前面側周縁部に集積さ
れる砂や小石等の堆積物Ｂを除去ブラシ１２により除去
する。

【００１６】前述した回転ブラシ７は、上述した遮断板
６の前面側に円盤型の回転板７ａを対向して配設し、同
回転板７ａの回転中心に上述した回転軸１１の突出側端
部を差込み固定すると共に、同回転板７ａの前面側に、
例えば、合成ゴム等の弾性体で形成した多数本の各毛体
７ｂ…を所定等間隔に隔てて植設している。且つ、第１
吸水室３の前面側周縁部に、回転ブラシ７の周囲全体が
囲繞される大きさに形成したブラシカバー１３を嵌着固
定すると共に、同ブラシカバー１３の周縁部に、例え
ば、合成ゴム等の弾性体で形成した多数本の各毛体１３
ａ…を円周方向に対して所定等間隔に隔てて植設してい
る。

【００１７】前述したトルクコンバータ１０は、水密状
態に密閉された羽根収納室１０ａ内に、例えば、水道
水、海水、オイル等の封入液体を適量封入し、同室内部
に前部羽根車１４と後部羽根車１５とを軸方向に対して
所定間隔に近接して軸支すると共に、同室内部の出力側
に軸支した前部羽根車１４の回転中心に回転ブラシ７の
回転軸１１を直結し、同室後部の入力側に軸支した後部
羽根車１５の回転中心に回転用モータ９の回転軸１６を
直結して、後述する回転用モータ９の回転力をトルクコ
ンバータ１０により増幅して回転ブラシ７に伝達する。
なお、羽根収納室１０ａの一部を開放して、第１吸水室
３内に吸入される貯溜水Ｗを羽根収納室１０ａ内に流入
させても同等の作用及びトルクが得られる。

【００１８】前述した第２吸水室４は、同室の前部壁面
に形成した吸水口４ａの後位側に吸引羽根車８を軸方向
に対して所定間隔に近接して軸支し、同室の中央部に固
定した回転用モータ９の回転軸１６を吸引羽根車８の回
転中心に直結している。且つ、第２吸水室４の後部壁面
に形成した排水口４ｂに排水通路１７を接続し、清浄濾
過室５の後部壁面に形成した吸水口５ａに返還通路１８
を接続すると共に、手動式又は電磁式の切換弁１９を介
して、機本体２の後部壁面に形成した第１排水口２０に
各通路１７，１８を接続している。

【００１９】前述した清浄濾過室５は、同室の内部空間
に、例えば、樹脂繊維、金属繊維、多孔質材、多孔構造
体等で形成したフィルター２１を交換可能に装填し、同
フィルター２１の濾過機能が低下した場合、機本体２の
後部側を分離開放してフィルター２１を取り出し、汚れ
たフィルター２１を洗浄処理又は未使用のフィルター２
１に交換する。同室の上部周面（例えば、２／３）に、
例えば、発泡スチロール等で形成した浮き部材２２を装
着して、同浮き部材２２の浮力により機本体２を浮上さ
せ、浮き部材２２側を上向けた状態に機本体２の姿勢を
保持する。なお、機本体２の両側周面に形成した各水平
翼２ａ，２ａの内部空間に浮き部材２２を装填したり、
清浄濾過室５の上部周面に装着した浮き部材２２の大き
さ及び面積を変えるだけで浮力調節できる。且つ、清浄
濾過室５の後部壁面に形成した２箇所の各排水口５ｂ，
５ｂに各排水通路２４，２４を接続すると共に、手動式
又は電磁式の切換弁２５を介して、機本体２の後部壁面
に形成した第２排水口２３に各通路２４，２４を一つに
集合させて接続している。

【００２０】且つ、図４にも示すように、清浄濾過室５
と連通して、機本体２の両側部外周面に各電磁切換弁２
６，２６を介して横移動用の各噴射口２７，２７と、昇
降用の各噴射口２８，２８と、傾斜用の各噴射口２９，
２９とを軸方向に対して所定間隔に隔てて並列に配設
し、横移動用の各噴射口２７，２７を機本体２に対して
左右方向に向き設定し、昇降用の各噴射口２８，２８を
機本体２に対して上下方向に向き設定し、傾斜用の各噴
射口２９，２９を機本体２に対して斜め後方に向き設定
している。

【００２１】前述した回転用モータ９及び各電磁切換弁
２６，２６は、機本体２の後部内壁面に固定した受信器
３０に回転用モータ９及び各電磁切換弁２６，２６を接
続し、回転用モータ９に接続した電源コード３１を槽外
部の電源供給部３２に接続している。つまり、図５に示
すように、無線式のコントローラ３３から送信される信
号を受信器３０で受信し、同受信器３０から出力される
指令信号に基づいて回転用モータ９の駆動及び停止と、
各電磁切換弁２６，２６の開閉動作とを制御する。

【００２２】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、水槽清浄機１により水槽Ａの内壁面及び堆積
物Ｂを清浄するときの動作を説明する。先ず、水槽Ａ内
に貯溜した水又は海水等の貯溜水Ｗに機本体２を浸漬し
て、浮き部材２２の浮力により機本体２を水面に浮上さ
せた状態に姿勢保持する。作業者の手でコントローラ３
３を操作し、第２吸水室４に軸支した吸引羽根車８を回
転用モータ９の駆動力により回転させ、第１吸水室３及
び第２吸水室４の各吸水口３ａ，４ａを介して水槽Ａ内
の汚い貯溜水Ｗを吸入する。機本体２の第２排水口２３
に介設した切換弁２５を開放し、第１排水口２０に介設
した切換弁１９を切換え操作して、第２吸水室４の排水
口４ｂから排水される貯溜水Ｗを機本体２の第２排水口
２３と清浄濾過室５の吸水口５ａとに夫々供給する。同
時に、清浄濾過室５に供給される貯溜水Ｗをフィルター
１１により清浄濾過し、機本体２の第２排水口２３から
貯溜水Ｗを吐出して、機本体２に推進力を付与する。

【００２３】次に、水槽Ａの上位壁部Ａａを清浄する場
合、図５に示すように、第１吸水室３の各吸水口３ａ…
から貯溜水Ｗを吸入し、機本体２の第２排水口２３から
貯溜水Ｗを吐出して、機本体２に軸支した回転ブラシ７
を水槽Ａの壁部Ａａに押圧する。同時に、機本体２の一
側周面に配設した各噴射口２７，２７のみを開放し、各
噴射口２７，２７から吐出される貯溜水Ｗの吐出力によ
り、水槽Ａの壁部Ａａに押圧した状態のまま機本体２を
左右方向に水平移動させ、同壁部Ａａに付着した汚れを
回転ブラシ７により清浄除去する。

【００２４】次に、水槽Ａの下位壁部Ａａを清浄する場
合、図６に示すように、機本体２の両側周面に配設した
上向き側の各噴射口２８，２８のみを開放し、各噴射口
２８，２８から吐出される貯溜水Ｗの吐出力により、水
槽Ａの壁部Ａａに押圧した状態のまま機本体２を垂直方
向に若干降下させた後、上述と同様にして、水槽Ａの壁
部Ａａに押圧した状態のまま機本体２を左右方向に水平
移動させ、水槽Ａの壁部Ａａに付着した汚れを回転ブラ
シ７により清浄除去する。

【００２５】次に、水槽Ａの底部Ａｂに付着した苔や垢
等の清浄作業、或いは、同槽底部Ａｂに敷設された砂や
小石等の堆積物Ｂの清浄作業を行う場合、図７に示すよ
うに、機本体２の後方側両側部に配設した各噴射口２
９，２９のみを開放し、各噴射口２９，２９から吐出さ
れる貯溜水Ｗの吐出力により、水槽Ａの底部Ａｂと対向
する下向き姿勢に機本体２を方向転換させた後、第１吸
水室３の各吸水口３ａ…から貯溜水Ｗを吸入し、機本体
２の第２排水口２３から貯溜水Ｗを吐出して、機本体２
に軸支した回転ブラシ７を水槽Ａの底部Ａｂに押圧す
る。同時に、機本体２の一側周面に配設した各噴射口２
７，２７のみを開放して、水槽Ａの底部Ａｂに押圧した
状態のまま機本体２を任意方向に横移動させ、底部Ａｂ
に付着した汚れを回転ブラシ７により清浄除去する。

【００２６】且つ、図２に示すように、水槽Ａの底部Ａ
ｂに敷設された砂や小石等の堆積物Ｂを吸引し、同堆積
物Ｂに付着した汚れを回転ブラシ７により清浄除去する
と共に、遮断板６の各孔部６ｂ…を介して貯溜水Ｗのみ
を吸入し、各孔部６ｂ…よりも大きな砂や小石等の堆積
物Ｂを通過阻止し、遮断板６の周縁部に集積される堆積
物Ｂを自重落下又は除去ブラシ１２により払い落とす。

【００２７】他の方法として、図８に示すように、機本
体２の吸入側に突出した回転軸１１の突出側端部から回
転ブラシ７を引き抜いた後、回転軸１１の突出側端部に
螺旋状ブラシ３４の回転中心を差込み固定することで、
吸引羽根車８の回転による吸引力と、螺旋状ブラシ３４
の回転による引上げ力とにより、水槽Ａの底部Ａｂに敷
設された砂や小石等の堆積物Ｂが積極的に吸上げられ、
砂や小石等の堆積物Ｂに付着した汚れを清浄除去する作
業が効率よく行える。

【００２８】次に、水槽清浄機１を槽外部に取り出す場
合、機本体２の前方側両側部に配設した各噴射口２９，
２９のみを開放し、各噴射口２９，２９から吐出される
貯溜水Ｗの吐出力により機本体２を上向き姿勢に方向転
換する。同時に、第１吸水室３の各吸水口３ａ…から貯
溜水Ｗを吸入し、機本体２の第２排水口２３から貯溜水
Ｗを吐出して、機本体２を水面まで浮上させて槽外部に
取り出す。或いは、機本体２の両側周面に配設した下向
き側の各噴射口２８，２８のみを開放し、各噴射口２
８，２８から吐出される貯溜水Ｗの吐出力により機本体
２を水面まで浮上させて槽外部に取り出す。また、機本
体２の全機能を停止させることで、浮き部材２２の浮力
のみにより機本体２が水面まで浮上する。或いは、ワイ
ヤやチェーン等の牽引手段により機本体２を牽引して槽
外部に取り出してもよい。

【００２９】以上のように、回転用モータ９の回転力を
トルクコンバータ１０により増幅して回転ブラシ７に伝
達するので、回転用モータ９と回転ブラシ７とを互いに
直結して回転するよりも大きな回転力が得られる。且
つ、作業者の手や生き物等の物体が回転ブラシ７に接触
しても、その接触時に生じる回転抵抗により回転ブラシ
７のみが回転停止されるため、物体が損傷するのを防止
でき、取り扱いやすく安全である。

【００３０】しかも、水槽Ａ内に貯溜された貯溜水Ｗを
フィルター１１で濾過しながら清浄するので、清浄作業
時に貯溜水Ｗが汚れるのを防止でき、魚介類や哺乳類等
の水中生物を飼育するのに適した水質及び環境を保つこ
とができる。且つ、水槽Ａ内に貯溜水Ｗを貯溜した状態
のままで清浄するため、従来例のように貯溜水Ｗを排出
又は交換するような手間及び作業が省け、水槽Ａの壁部
Ａａ及び底部Ａｂに付着した汚れと、砂や小石等の堆積
物Ｂに付着した汚れとを清浄除去する作業が容易に行
え、作業能率及び清浄効率の向上を図ることができる。

【００３１】必要以上に貯溜水Ｗの水質が低下した場
合、機本体２の第２排水口２３に介設した切換弁２５を
閉塞し、第１排水口２０に介設した切換弁１９を切換え
操作して、第２吸水室４の排水口４ｂと機本体２の第１
排水口２０とを直結し、同第１排水口２０に排水用のゴ
ムホース（図示省略）を接続することで、第２吸水室４
に軸支した吸引羽根車８の回転作用により水槽Ａ内の貯
溜水Ｗが揚水され、貯溜水Ｗを排水するポンプ作業に用
いることができる。

【００３２】図９は第２吸水室４から排出される貯溜水
Ｗにより回転ブラシ７を回転する第２実施例の水槽清浄
機１を示し、第２吸水室４の前部壁面に固定した羽根収
納室３５内に水車型の前部羽根車３６を軸支し、前部羽
根車３６の回転中心に回転ブラシ７の回転軸１１を直結
し、羽根収納室３５の下部周面に接続した３箇所の各吐
出ノズル３７…と、第２吸水室４の側部壁面に形成した
排水口４ｃとを返還通路３８により接続し、羽根収納室
３５の上部周面に形成した排水口３５ａと、清浄濾過室
５の前部壁面に形成した吸水口５ｃとを排水通路３９に
より接続すると共に、各吐出ノズル３７…の吐出方向を
前部羽根車３６に対して一方向に回転が付与される方向
に向き設定している。

【００３３】つまり、回転用モータ９の駆動力により吸
引羽根車８を回転して、各吸水室３，４に形成した各吸
水口３ａ，４ａを介して水槽Ａ内の貯溜水Ｗを吸入する
と共に、第２吸水室４に形成した排水口４ｃから貯溜水
Ｗを排水し、返還通路３８を介して、羽根収納室３５に
接続した各吐出ノズル３７…に貯溜水Ｗを供給する。各
吐出ノズル３７…から噴出される貯溜水Ｗを前部羽根車
３６に吹き付けて回転力を付与し、同前部羽根車３６に
直結した回転ブラシ７を回転させるので、第１実施例と
同様に、水槽Ａ内に貯溜された貯溜水Ｗを排出又は交換
することなく、水槽Ａの壁部Ａａ及び底部Ａｂと、砂や
小石等の堆積物Ｂに付着した汚れとを清浄する作業が容
易に行える。且つ、作業者の手や水中生物等の物体が回
転ブラシ７に接触しても、その接触時に生じる抵抗によ
り回転ブラシ７のみが回転停止されるため、物体が損傷
するのを防止でき、取り扱いやすく安全である。

【００３４】図１０は第１吸水室３内に配設した回転減
速機４０により回転用モータ９の回転力を減速して回転
ブラシ７を回転する第３実施例の水槽清浄機１を示し、
第２吸水室４の前部壁面に固定した回転減速機４０の入
力側に回転用モータ９の回転軸１６を連結し、同回転減
速機４０の出力側に回転ブラシ７の回転軸１１を連結し
て、同機内部に軸支した大小の各ギャ４１，４２，４
３，４４及びクラッチ４５により回転用モータ９の回転
力を減速する。つまり、回転用モータ９の駆動力により
吸引羽根車８を回転して、各吸水室３，４に形成した各
吸水口３ａ，４ａを介して水槽Ａ内の貯溜水Ｗを吸入す
ると共に、回転減速機４０に軸支した各ギャ４１，４
２，４３，４４及びクラッチ４５により回転用モータ９
の回転力を減速して回転ブラシ７を回転させるので、第
１実施例と同様に、水槽Ａ内に貯溜された貯溜水Ｗを排
出又は交換することなく、水槽Ａの壁部Ａａ及び底部Ａ
ｂと、砂や小石等の堆積物Ｂに付着した汚れとを清浄す
る作業が容易に行える。且つ、作業者の手や水中生物等
の物体が回転ブラシ７に接触したとき、その接触時に生
じる回転抵抗によりクラッチ４５が空回転して回転ブラ
シ７のみが回転停止されるため、物体が損傷するのを防
止でき、取り扱いやすく安全である。

【００３５】図１１は連動型ブラシ４６により水槽Ａの
内壁面を清浄する第４実施例の水槽清浄機１を示し、連
動型ブラシ４６を構成する固定リング４７と回転リング
４８とをベアリング４９を介して回転可能に嵌合し、同
固定リング４８の一側周面に軸支したギャ５０と、回転
リング４８の内周面に刻設したラック５１とを互いに歯
合し、固定リング４７の一側周面に軸支した回転軸５２
とギャ５０とを直結している。且つ、回転リング４８に
固定した支持アーム５３の長手側中央面に複数個の各回
転ブラシ５４…を軸支し、各回転ブラシ５４…の外周縁
部に刻設した各ギャ５４ａ…を互いに歯合し、支持アー
ム５３の前面側周縁部に多数本の各毛体５３ａ…を植設
すると共に、支持アーム５３の前面側に突設した各ノズ
ル５３ｂ…と、後面側に配管した吐出ホース５５とを接
続している。

【００３６】つまり、水槽Ａの内壁面を清浄する場合、
回転ブラシ７及びブラシカバー１３を取り外した後、機
本体２の前面側周縁部に固定リング４７を嵌込み固定
し、支持アーム５３の下端部に軸支した回転ブラシ５４
の回転中心に回転軸１１を差込み固定する。固定リング
４７に軸支した回転軸５２と、機本体２に軸支した回転
軸５６とを互いに差込み連結し、支持アーム５３に配管
した吐出ホース５５と、清浄濾過室５の前部壁面に形成
した吐出口５ｄとを互いに接続する。なお、通常の清浄
作業時には吐出口５ｄを閉栓する。

【００３７】次に、機本体２に内蔵した回転用モータ９
の駆動力により回転軸１１を回転して、支持アーム５３
に軸支した各回転ブラシ５４…を相反する方向に連動回
転させ機本体２の左右バランスを保持する。例えば、支
持アーム５３の上端部に軸支した各回転ブラシ５４…を
水槽Ａの貯溜水Ｗよりも上方に突出した壁部Ａａに押圧
し、各ノズル５３ｂ…から吐出される貯溜水Ｗを壁部Ａ
ａ及び各回転ブラシ５４…に吹き付けながら清浄する。
且つ、機本体２の後部側に内蔵した駆動モータ５７の駆
動力によりギャ５０及びラック５１を介して支持アーム
５３を任意角度に回転させ、或いは、機本体２を回転し
て支持アーム５３の向きを変更して、支持アーム５３に
軸支した各回転ブラシ５４…により水槽Ａの壁部Ａａ及
び底部Ａｂを清浄し、同槽底部Ａｂに敷設された砂や小
石等の堆積物Ｂを清浄する。且つ、作業者の手や水中生
物等の物体が回転ブラシ５４に接触しても、その接触時
に生じる回転抵抗により全回転ブラシ５４…が回転停止
され、物体が損傷するのを防止でき、取り扱いやすく安
全である。

【００３８】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の動力伝達手段は、実施例のトルク
コンバータ１０と、回転軸１１，１６と、前部羽根車１
４，３６と、後部羽根車１５と、羽根収納室１０ａ，３
５と、排水口３５ａと、吐出ノズル３７と、返還通路３
８と、排水通路３９と、回転減速機４０と、各ギャ４
１，４２，４３，４４と、クラッチ４５とに対応し、羽
根収納室の吐出口は、羽根収納室３５の吐出ノズル３７
に対応し、羽根収納室の吐出口と第２吸水室の排水口と
を接続する返還通路は、排水通路１７と、返還通路１８
とに対応するも、この発明は、上述の実施例の構成のみ
に限定されるものではない。

【００３９】上述した実施例では、回転用モータ９及び
各電磁切換弁２６，２６とを無線式のコントローラ３３
により駆動制御するが、例えば、機本体２に内蔵した制
御回路（図示省略）或いは有線式のコントローラ（図示
省略）により駆動制御するもよく、且つ、機本体２に内
蔵したバッテリー（図示省略）により回転用モータ９を
駆動してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の水槽清浄機を示す横断平面図。

【図２】回転ブラシによる水槽底部の清浄動作を示す縦
断側面図。

【図３】遮断板による堆積物の集積動作を示す縦断正面
図。

【図４】機本体の両側周面に並列した各噴射口の噴射方
向を示す側面図。

【図５】機本体の左右移動を示す平面図。

【図６】機本体の昇降動作を示す側面図。

【図７】機本体の傾動動作を示す側面図。

【図８】螺旋状ブラシによる水槽底部の清浄動作を示す
縦断側面図。

【図９】第２実施例の水槽清浄機を示す横断平面図。

【図１０】第３実施例の水槽清浄機を示す横断平面図。

【図１１】第４実施例の水槽清浄機を示す側面図。

【符号の説明】

Ａ…水槽Ｂ…堆積物Ｗ…貯溜水１…水槽清浄機２…機本体３…第１吸水室４…第２吸水室５…清浄濾過室３ａ，４ａ，５ａ，５ｃ…吸水口４ｂ，４ｃ，５ｂ，３５ａ…排水口５ｄ…吐出口７…回転ブラシ８…吸引羽根車９…回転用モータ１０…トルクコンバータ１０ａ…羽根収納室１１，１６…回転軸１４…前部羽根車１５…後部羽根車１７，２４，３９…排水通路１８，３８…返還通路２０…第１排水口２１…フィルター２３…第２排水口３４…螺旋状ブラシ３５…羽根収納室３６…前部羽根車３７…吐出ノズル４０…回転減速機４６…連動型ブラシ５３…支持アーム５４…回転ブラシ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】機本体内に軸支した吸引羽根車を回転用モ
ータにより回転して、該機本体の前部側に形成した吸水
口から水槽内の貯溜水を吸入し、該機本体内に形成した
清浄濾過室に貯溜水を供給して濾過すると共に、該機本
体の後部側に形成した排水口から濾過済みの貯溜水を吐
出し、該機本体の前部側に軸支した回転ブラシを回転さ
せて水槽内部を清浄する水槽清浄機であって、上記中空
形状を有する機本体の内部空間を第１吸水室と第２吸水
室とに分割し、上記第１吸水室に形成した吸水口の前位
側に回転ブラシを軸支し、上記第２吸水室に形成した吸
水口の後位側に吸引羽根車を軸支し、該吸引羽根車と上
記機本体に内蔵した回転用モータとを連結すると共に、
上記機本体の内部に上記回転用モータの回転力を回転ブ
ラシに伝達する動力伝達手段を設けた水槽清浄機。
【請求項２】上記動力伝達手段を、上記第１吸水室に形
成した羽根収納室内に一対の各羽根車を軸方向に近接し
て軸支すると共に、上記羽根収納室の出力側に軸支した
前部羽根車と上記回転ブラシとを連結し、該羽根収納室
の入力側に軸支した後部羽根車と上記吸引羽根車とを連
結して構成した請求項１記載の水槽清浄機。
【請求項３】上記動力伝達手段を、上記第１吸水室に形
成した羽根収納室内に羽根車を軸支し、該羽根収納室に
軸支した羽根車と上記回転ブラシとを連結すると共に、
上記羽根収納室の一側面に上記羽根車に対して回転が付
与される方向に向けて吐出口を設け、上記羽根収納室の
一側面に形成した吐出口と上記第２吸水室に形成した排
水口とを返還通路で接続し、上記羽根収納室の他側面に
形成した排水口と上記清浄濾過室に形成した吸水口とを
排水通路で接続して構成した請求項１記載の水槽清浄
機。