JPH0946813A - 電気自動車の電気システム - Google Patents

電気自動車の電気システム

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JPH0946813A
JPH0946813A JP7214254A JP21425495A JPH0946813A JP H0946813 A JPH0946813 A JP H0946813A JP 7214254 A JP7214254 A JP 7214254A JP 21425495 A JP21425495 A JP 21425495A JP H0946813 A JPH0946813 A JP H0946813A
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Tomoharu Nakayama
智晴 中山
Yoshinobu Sato
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Takeshi Aso
剛 麻生
Toshio Kikuchi
俊雄 菊池
Shinichiro Kitada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 永久磁石形同期電動機を電圧形インバータに
より駆動する電気システムにおいて、高速運転中の異常
検出時の保護動作で交流側開閉スイッチよりも先に直流
側開閉スイッチが開動作すると、インバータ内の平滑コ
ンデンサが電動機誘起電圧の尖頭値にまで充電され、必
要以上の電圧になる。 【解決手段】 主電池1を電源とし、電圧形インバータ
4を介して車両駆動用の永久磁石形同期電動機5を駆動
する電気自動車の電気システムであって、主電池1とイ
ンバータ4との間に直流側開閉スイッチ2が接続され、
かつ、インバータ4と電動機5との間に交流側開閉スイ
ッチ6が接続された電気自動車の電気システムに関す
る。電気システムを構成するインバータ4、電動機5、
制御装置7等の異常を検出した際に、交流側開閉スイッ
チ6を開動作させ、その後、直流側開閉スイッチ2を開
動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池を電源とし、
電圧形インバータを介して駆動される永久磁石形同期電
動機を備えた電気自動車の電気システムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電気システムにおいて、永久磁
石形同期電動機により高速域における弱め界磁制御を可
能にする方法が従来から提案されている。図6は、公知
の制御方法による弱め界磁領域での電圧、電流のフェー
ザ図を示したものである。
【0003】図において、Emはインバータ出力電圧す
なわち永久磁石形同期電動機の端子電圧、E0は永久磁
石の磁束によって発生する電動機誘起電圧であり、その
大きさはEmより大である。Iは電動機電流であり、
d,Iqの成分から構成される。IqはE0と同相のq軸
電流であり、トルクはこの電流に比例する。Idはq軸
と直交する成分のd軸電流であり、永久磁石の磁束を等
価的に減少させる電流である。
【0004】また、Xqはq軸で作用するq軸リアクタ
ンス、Xdはd軸で作用するd軸リアクタンスであり、
これらの合成リアクタンスがXである。ここで、電動機
誘起電圧E0がインバータ出力電圧Emより大であって
も、Idを流すことによってフェーザ図のように電動機
の運転が可能になる。このような弱め界磁制御技術の向
上により、弱め界磁運転の範囲が広くなる傾向にある。
つまり、より大きなE0のもとで永久磁石形同期電動機
を運転するようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図5は永久磁石形同期
電動機駆動装置の構成例を示しており、主電池1、直流
側開閉スイッチ2、直流側開閉スイッチ2のコイル2
1、ヒューズ3、電圧形インバータ4、交流側開閉スイ
ッチ6、交流側開閉スイッチ6のコイル61、制御装置
7’から構成される駆動装置により永久磁石形同期電動
機5が駆動される。電圧形インバータ4は、図7に示す
ごとく、スイッチング素子41及びダイオード42によ
りスイッチングアームを構成し、直流入力側に平滑コン
デンサ43が接続されている。
【0006】いま、E0>Emとなる高速運転中に、イン
バータ4や電動機5、制御装置7’、主電池1等の構成
機器の異常を検出して直流側開閉スイッチ2及び交流側
開閉スイッチ6の開動作指令やインバータ4のパルスオ
フ指令を同時に発した場合、開閉スイッチ2,6の開動
作は接点を機械的に切り離すため、インバータ4のパル
スオフ動作よりも通常、遅れてしまう。また、開閉スイ
ッチ2,6の間にも動作時間に差が生じるため、例え
ば、直流側開閉スイッチ2が先に開状態となり、遅れて
交流側開閉スイッチ6が開状態となる可能性がある。
【0007】主電池1とインバータ4間の直流側開閉ス
イッチ2が閉状態であれば、インバータ4の平滑コンデ
ンサ43の電圧は主電池1の電圧に等しくなる。しか
し、開閉スイッチ2が先に開状態になると、平滑コンデ
ンサ43はインバータ4のダイオード42を介して電動
機誘起電圧E0の尖頭値の大きさに充電され、この充電
電圧が平滑コンデンサ43の許容電圧を超える電圧とな
って平滑コンデンサ43を故障させるおそれがある。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、高速運転時に異常
を検出して開閉スイッチにより保護動作を行った際にイ
ンバータの平滑コンデンサに必要以上の電圧が印加され
るのを防止する、実用的な電気自動車の電気システムを
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した発明は、電池を電源とし、電圧
形インバータを介して車両駆動用の永久磁石形同期電動
機を駆動する電気自動車の電気システムであって、前記
電池とインバータとの間に直流側開閉スイッチが接続さ
れ、かつ、前記インバータと電動機との間に交流側開閉
スイッチが接続された電気自動車の電気システムにおい
て、電気システムを構成するインバータや電動機、制御
装置、電源等の異常を検出した際に、交流側開閉スイッ
チを開動作させた後に直流側開閉スイッチを開動作させ
るものである。本発明では、直流側開閉スイッチが開状
態となる前に交流側開閉スイッチが開状態となるため、
平滑コンデンサの電圧は主電池と同じ値を維持し、必要
以上の電圧になる恐れがない。
【0010】請求項2に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、交流側開閉スイッチの開動作指令と同
時に、インバータに対するパルスオフ指令を出力するも
のである。本発明では、直流側開閉スイッチが開状態と
なる前に交流側開閉スイッチが開状態となり、かつイン
バータの運転が停止されるため、平滑コンデンサの電圧
は主電池と同じ値を維持し、必要以上の電圧になる恐れ
がない。
【0011】請求項3に記載した発明は、請求項1記載
の発明において、インバータの出力交流電流の過電流検
出時に、前記交流電流を減少させる電圧ベクトルに応じ
たスイッチングパターンによりインバータを制御した後
に、交流側開閉スイッチを開動作させるものである。本
発明では、インバータの交流電流の過電流状態を解消し
ながら平滑コンデンサへに必要以上の電圧が印加される
のを防ぐことができる。
【0012】請求項4に記載した発明は、インバータの
直流電圧の過電圧検出時に交流側開閉スイッチを開動作
させ、その後、インバータをパルスオフするものであ
る。この種の電気システムでは、回生制動等の主電池充
電時に主電池電圧が上昇する特性がある。直流側開閉ス
イッチ及び交流側開閉スイッチが閉状態で高速運転時に
インバータをパルスオフすると、インバータがダイオー
ド整流回路として動作し、この整流回路を介してエネル
ギーが電動機から主電池に充電されるため、主電池の電
圧が上昇する。このため、請求項4に記載したごとく、
交流側開閉スイッチ及び直流側開閉スイッチの開動作後
にパルスオフを行うようにすれば、主電池や平滑コンデ
ンサの電圧上昇を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。まず、請求項1の発明の実施形態を述べ
る。図1は、この実施形態の全体的な構成を示すもの
で、図5と同一の構成要素には同一番号を付して詳述を
省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
【0014】図1において、62は交流側開閉スイッチ
6の補助接点、71はインバータ4、電動機5、制御装
置7及び主電池1などの電源(以下、必要に応じてこれ
らを構成機器という)の異常を検出する異常検出器、7
2は異常検出器71からの異常検出信号及び上記補助接
点62の状態に基づき直流側開閉スイッチ2及び交流側
開閉スイッチ6の開閉動作を制御する開閉スイッチ制御
器である。
【0015】次に、この実施形態の動作を説明する。ま
ず、異常検出器71により構成機器の異常を検出する
と、開閉スイッチ制御器72に異常検出信号が送られ
る。開閉スイッチ制御器72では、交流側開閉スイッチ
6を開動作させ、補助接点62の状態から開閉スイッチ
6の開状態を確認した後に、直流側開閉スイッチ2を開
動作させる。これにより、直流側開閉スイッチ2が開状
態の時には常に交流側開閉スイッチ6が開状態であるた
め、インバータ4の平滑コンデンサ43が電動機誘起電
圧により充電される恐れはなく、高速運転中に平滑コン
デンサ43に必要以上の電圧が印加される心配がない。
【0016】なお、この実施形態では、補助接点62の
状態を監視して交流側開閉スイッチ6の開状態を確認し
た後に直流側開閉スイッチ2を開動作させているが、交
流側開閉スイッチ6の開動作指令を出力し、その後、こ
の指令出力から実際に開状態となるまでの遅れ時間以上
を経過してから直流側開閉スイッチ2の開動作指令を出
力しても良い。
【0017】図2は、請求項2に記載した発明の実施形
態を示している。この実施形態は、補助電源の電圧が低
下するような異常発生時を想定したものである。図2に
おいて、8は制御装置7Aの電源として用いられる補助
電源、73はインバータ4のスイッチングパルスを生成
するパルス生成器であり、他の構成要素は図1と同一で
ある。
【0018】この動作を説明すると、異常検出器71は
補助電源8の電圧を常時監視しており、電圧低下異常を
検出すると異常検出信号を開閉スイッチ制御器72及び
パルス生成器73に送る。開閉スイッチ制御器72は交
流側開閉スイッチ6に対して開動作指令を出力し、これ
と同時にパルス生成器73に対してインバータ4のパル
スオフ指令を出力する。更に、開閉スイッチ制御器72
は補助接点62の状態から交流側開閉スイッチ6の開状
態を確認した後に、直流側開閉スイッチ2を開動作させ
る。
【0019】この実施形態において、仮りにインバータ
4のパルスオフ動作より交流側開閉スイッチ6の実際の
開動作が若干遅れたとしても、交流側開閉スイッチ6が
開動作した時点では直流側開閉スイッチ2が常に閉状態
にあるので、平滑コンデンサ43は主電池1の電圧に維
持されており、必要以上の電圧になる心配はない。な
お、図示されている電気システムの電源が切られるよう
な場合にも、同様の手順で開閉スイッチを開動作しても
よい。
【0020】図3は、請求項3記載の発明の実施形態を
示している。図において、9はインバータ4の交流側に
接続された変流器等の交流電流検出器、7Bは制御装置
であり、他の構成要素には図1、図2と同一番号を付し
てある。なお、交流電流検出器9の出力側は異常検出器
71及びパルス生成器73に接続されている。
【0021】この実施形態において、交流電流検出器9
により検出されたインバータ4の交流電流が過電流状態
になると、これが異常検出器71により検出され、異常
検出信号が開閉スイッチ制御器72及びパルス生成器7
3に送られる。するとパルス生成器73では、交流電流
検出器9の検出信号に基づいて交流電流の極性を判断
し、交流電流を減少させるため、交流電流と逆極性の電
圧ベクトルを発生するようなパルスをインバータ4に出
力する。
【0022】こうして所定の電圧ベクトルをインバータ
4により出力させた後に、開閉スイッチ制御器72は交
流側開閉スイッチ6を開動作させると共に、補助接点6
2の状態を検出して開閉スイッチ6が開状態になったこ
とを確認してから、直流側開閉スイッチ2を開動作させ
る。これにより、交流電流の増加を抑制しながら平滑コ
ンデンサ43に必要以上の電圧が印加されるのを防止す
ることができる。また、この実施形態において、請求項
2記載の発明のように交流側開閉スイッチ6の開動作指
令と同時にインバータ4に対するパルスオフ指令を出力
しても良い。
【0023】次いで、図4は請求項4記載の発明の実施
形態を示している。図において、10はインバータ4の
平滑コンデンサ43の両端に接続された直流電圧検出器
であり、その出力は制御装置7C内の異常検出器71に
接続されている。また、開閉スイッチ制御器72にはパ
ルス生成器73が接続されており、開閉スイッチ制御器
72からパルスオフ指令が送られるようになっている。
【0024】その動作を説明すると、直流電圧検出器1
0により検出されるインバータ4の直流電圧が過電圧異
常となった場合、これが異常検出器71により検出さ
れ、異常検出信号が開閉スイッチ制御器72及びパルス
生成器73に送られる。開閉スイッチ制御器72では、
交流側開閉スイッチ6の開動作指令を出力し、補助接点
62の状態から開閉スイッチ6が開状態であることを確
認し、その後、インバータ4のパルスオフ指令を出力す
る。
【0025】この実施形態においては、直流電圧の過電
圧異常時に、交流側開閉スイッチ6を開動作させ、しか
る後にインバータ4をパルスオフすることにより、主電
池1及び平滑コンデンサ43に必要以上の電圧が印加さ
れるのを解消することが可能である。
【0026】上記各実施形態ではインバータ及び同期電
動機が三相の電気システムについて説明したが、本発明
は、これらが単相である電気システムにも適用可能であ
る。
【0027】
【発明の効果】以上のように請求項1〜請求項4記載の
発明によれば、交流側開閉スイッチを開動作させ、その
後、直流側開閉スイッチを開動作させるようにしたた
め、同期電動機の誘起電圧によりインバータの平滑コン
デンサに必要以上の電圧が印加されるのを未然に防止す
ることができる。特に、請求項3記載の発明ではインバ
ータの交流電流の過電流状態を解消しながら平滑コンデ
ンサに必要以上の電圧が印加されるのを防ぎ、また、請
求項4記載の発明では平滑コンデンサ及び主電池を保護
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の実施形態を示す全体構成
図である。
【図2】請求項2記載の発明の実施形態を示す全体構成
図である。
【図3】請求項3記載の発明の実施形態を示す全体構成
図である。
【図4】請求項4記載の発明の実施形態を示す全体構成
図である。
【図5】永久磁石形同期電動機駆動装置の構成図であ
る。
【図6】公知の制御方法による弱め界磁領域での電圧、
電流のフェーザ図である。
【図7】電圧形インバータの主回路構成図である。
【符号の説明】
1 主電池 2 直流側開閉スイッチ 21 コイル 3 ヒューズ 4 電圧形インバータ 43 平滑コンデンサ 5 永久磁石形同期電動機 6 交流側開閉スイッチ 61 コイル 62 補助接点 7,7A,7B,7C 制御装置 71 異常検出器 72 開閉スイッチ制御器 73 パルス生成器 8 補助電源 9 交流電流検出器 10 直流電圧検出器
フロントページの続き (72)発明者 中山 智晴 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 佐藤 芳信 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 麻生 剛 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 菊池 俊雄 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 北田 眞一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池を電源とし、電圧形インバータを介
    して車両駆動用の永久磁石形同期電動機を駆動する電気
    自動車の電気システムであって、前記電池とインバータ
    との間に直流側開閉スイッチが接続され、かつ、前記イ
    ンバータと電動機との間に交流側開閉スイッチが接続さ
    れた電気自動車の電気システムにおいて、 電気システムを構成する機器の異常を検出した時に、ま
    たは該電気システムを構成する機器の電源が切られた時
    に、交流側開閉スイッチを開動作させた後に直流側開閉
    スイッチを開動作させることを特徴とする電気自動車の
    電気システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車の電気システ
    ムにおいて、 交流側開閉スイッチの開動作指令と同時に、インバータ
    に対するパルスオフ指令を出力することを特徴とする電
    気自動車の電気システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電気自動車の電気システ
    ムにおいて、 インバータから出力される交流電流の過電流検出時に前
    記交流電流を減少させる電圧ベクトルをインバータによ
    り出力させた後に、交流側開閉スイッチを開動作させる
    ことを特徴とする電気自動車の電気システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電気自動車の電気システ
    ムにおいて、 インバータの直流電圧の過電圧検出時に交流側開閉スイ
    ッチを開動作させ、その後、インバータをパルスオフす
    ることを特徴とする電気自動車の電気システム。
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