JPH0946178A - ディジタルフィルタの係数決定方法 - Google Patents

ディジタルフィルタの係数決定方法

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JPH0946178A
JPH0946178A JP7194390A JP19439095A JPH0946178A JP H0946178 A JPH0946178 A JP H0946178A JP 7194390 A JP7194390 A JP 7194390A JP 19439095 A JP19439095 A JP 19439095A JP H0946178 A JPH0946178 A JP H0946178A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の周波数特性からの変化量(劣化)が小
さくなるように、計算機が算出した各係数値を所定の量
子化法(切捨て、切上げ、丸め)により量子化してディ
ジタルフィルタの係数を決定する。 【構成】 初期集団作成部11により、量子化前のn個
の係数値のそれぞれを任意の量子化手法に従って量子化
したもの(個体)をN組生成して初期集団とし、遺伝的
アルゴリズム実行部12〜18は該初期集団に遺伝的ア
ルゴリズムを繰返し適用し、該遺伝的アルゴリズムによ
り、所望の周波数特性からの劣化が小さくなるように、
n個それぞれの係数値を所定の量子化法により量子化し
て有限語長の係数データを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディジタルフィルタの係
数決定方法に係わり、特に、DSP等により実現される
ディジタルフィルタの係数値を、遺伝的アルゴリズム(G
enetic Algorithm: GA)により決定するディジタルフ
ィルタの係数決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルフィルタは、機器のディジタ
ル化が進むに連れてさまざまな場面で用いられている。
ディジタル信号処理におけるフィルタリングは固定小数
点演算素子であれ、浮動小数点演算素子であれ、有限の
データ長を用いて演算を行っていることに違いはない。
固定小数点法の場合、表現可能な数の範囲は狭くなって
しまうが、すべての範囲内において表現可能な数の最小
変化量(分解能)は一定である。一方、浮動小数点法で
は表現可能な数の範囲を広くできるが、表現可能な数の
最小変化量(分解能)が大きく変化する。
【0003】与えられた周波数特性を満足するディジタ
ルフィルタ(FIR型フィルタ、IIR型フィルタ、A
RMA4線ラティスフィルタなど)の係数設計において
は、計算機により該周波数特性を与えるフィルタの係数
値を決定し、かかる係数値をDSP素子等に設定してデ
ィジタルフィルタを実現する。しかし、1つの数値につ
いてDSP素子が扱うことのできるビット数は有限であ
る(有限語長)。このため、計算機により決定した係数
値はDSP素子で表現可能な数値になるように、切り捨
て、切り上げ、丸め(四捨五入)などの量子化を施され
る。しかし、かかる量子化により量子化誤差が発生し、
実際に実現されるフィルタの特性は所望の特性とは違っ
たものとなる。
【0004】図18はIIR型(直接型)フィルタのブ
ロック図であり、11〜1Mは入力信号x(nT)を順次1サ
ンプリング時間遅延する遅延部、21〜2Nは出力を順次
1サンプリング時間遅延する遅延部、30〜3Mは係数b
0〜bNを入力信号及び遅延部11〜1Mの出力に乗算する
乗算部、41〜4Nは係数a1〜aNを遅延部21〜2Nの出
力に乗算する乗算部、5は各乗算部出力を合成して信号
y(nT)を出力する加算部である。直接型フィルタの出力
信号y(nT)は次式
【数1】 で与えられる。但し n<0の場合はx(nT)=y(nT)
=0である。図19の(a)の参照モデルは、図18の
直接型フィルタにおいてM=N=10とし、所望の周波
数特性が得られるように計算機で係数値b0〜b11,a1
〜a 10を決定したとき、これら係数値により特定される
遮断周波数0.5π(π=ωn:ナイキスト周波数)の特性で
ある。かかる計算機により決定された各係数値b0〜b
11,a1〜a10を、(1)切捨て、(2)切上げ、(3)丸めの3
種類の量子化法により仮数部1ビット、指数部3ビット
の2を底とした浮動小数点数に量子化した場合の周波数
特性は量子化誤差により(b)、(c)で示すようになり、
(a)の参照モデルとは違ったものとなる。尚、丸め量子
化を行ったものは不安定な系となったため図示していな
い。
【0005】以上のように、フィルタ係数の量子化を行
なうことによって周波数特性に変化が生じ、場合によっ
ては不安定な系に至る。又、安定であっても、その特性
の変化の様子は、量子化法や量子化されるフィルタの形
状により異なり、周波数特性の劣化を最小に抑える量子
化法はフィルタ毎に異なる。更に、各係数の量子化誤差
を最小にするように量子化を行っても、フィルタの周波
数特性の変化が最小になるとは限らない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図19の
(b),(c)はそれぞれフィルタ係数を同一の量子化法(切
捨て、切上げ)で量子化したフィルタの周波数特性を示
しているが、各係数個別に量子化法を選択した場合、例
えば係数の内いくつかは切上げ、残りは切捨て量子化を
行った様な場合、特性の変化は図19の各特性(b),(c)
とは異なったものが得られる。このことから、各係数の
量子化法をうまく組み合わせると参照モデルの周波数特
性からの劣化が小さな周波数特性が得られることが予想
される。各係数個別に所定の量子化法により量子化する
場合、周波数特性の変化量が理論式により表現されれば
係数個別の量子化値を容易に得ることができるが、その
導出は困難である。また係数が21個の直接型フィルタ
を符号部1ビット、仮数部1ビット、指数部3ビットの
浮動小数点に量子化する場合、解候補数(各係数の量子
化法の組合せ)は約3.44×1031(≒(21×21×(23
−1))21)個存在する。又、仮に各係数値を切捨て、
切上げの2種類の量子化法のいずれかにより量子化する
と仮定しても、直接形フィルタの場合、221≒2.09
×106ものフィルタが存在し、全探索することは事実
上不可能であり、現実的ではない。またこの範囲以外に
最適なフィルタが存在する可能性もある。
【0007】従って、何らかの探索アルゴリズムを用い
る必要がある。しかし、勾配を用いるような従来の探索
手法を用いることは適さない。なぜならば、フィルタ係
数は量子化されるため不連続な値を取るからである。以
上から、本発明の目的は、所望の周波数特性からの変化
量(劣化)が小さくなるように、量子化されたディジタ
ルフィルタの係数を決定する方法を提供することであ
る。本発明の別の目的は、GA(Genetic Algorithm:
遺伝的アルゴリズム)に基づいて、多数の解候補より所
望の周波数特性により近い特性を示す解を探索してディ
ジタルフィルタの係数を決定する方法を提供することで
ある。尚、遺伝的アルゴリズムGAは探索アルゴリズム
の一つであり、(1)広域探索において有効に作用し、(2)
適応度以外には微分値などの派生的な情報が必要でな
く、(3)しかも、応用の際、容易な実装性を持つ、アル
ゴリズムである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によれ
ば、所定の周波数特性を与えるn個のフィルタ係数値の
それぞれを有限語長データに量子化し、量子化された有
限語長の各係数データをデジタルフィルタ実現素子に設
定するデジタルフィルタの係数決定方法において、前記
量子化前のn個の係数値のそれぞれを任意の量子化手法
に従って量子化したもの(個体)をN組生成して初期集
団とする手段と、該初期集団に遺伝的アルゴリズムを繰
返し適用し、該遺伝的アルゴリズムにより、前記周波数
特性からの劣化が小さくなるように、n個それぞれの係
数値を量子化して有限語長の係数データを求める手段に
より達成される。
【0009】
【作用】所定の周波数特性を与えるn個のフィルタ係数
値のそれぞれを有限語長データに量子化し、量子化され
た有限語長の各係数データをデジタルフィルタ実現素子
に設定するデジタルフィルタの係数決定方法において、
前記量子化前のn個の係数値のそれぞれを任意の量子化
手法に従って量子化したもの(個体)をN組生成して初
期集団とし、該初期集団に遺伝的アルゴリズムを繰返し
適用し、該遺伝的アルゴリズムにより、前記周波数特性
からの劣化が小さくなるように、n個それぞれの係数値
を量子化して有限語長の係数データを求める。前記量子
化法は、遺伝的アルゴリズムにより前記周波数特性から
の劣化が小さくなるように、n個それぞれの係数値に量
子化を施して有限語長の係数データを求める。以上のよ
うにすれば、所望の周波数特性からの変化量(劣化)が
小さくなるように、計算機が算出した各係数値を量子化
してディジタルフィルタの係数を決定することができ
る。・・・請求項1、2
【0010】又、n個の係数値をすべて切り捨て量子化
した個体と、前記n個の係数値をすべて切り上げ量子化
した個体と、前記n個の係数値をすべて丸め量子化した
個体と、各係数に適宜切り捨て量子化、切り上げ量子
化、丸め量子化を施した複数の個体とによりN個の個体
からなる前記初期集団を生成し、この初期集団から初め
て遺伝的アルゴリズムを繰返し適用する。以上のように
することにより、遺伝的アルゴリズムに基づいて、多数
の解候補より所望の周波数特性により近い特性を示す解
を探索してディジタルフィルタの係数を決定することが
できる。・・・請求項3
【0011】遺伝的アルゴリズムは、評価関数を用いて
各個体の適応度を計算するステップ、適応度が大きい全
体の何割かの個体を選択して残りを淘汰するステップ、
選択された個体に交差処理、突然変異処理を施して新た
な個体を生成して総計N個の個体よりなる個体群を生成
するステップ、適応度の改善が見られなくなるまで、あ
るいは、遺伝的アルゴリズムの適用回数が設定回数にな
るまで、前記個体群を構成する各個体に上記処理を施す
ステップを有している。かかる遺伝的アルゴリズムにお
ける適応度を計算するステップにおいて、個体の安定、
不安定に応じて評価関数を切り換えると共に、安定個体
に適用する評価関数に、量子化するフィルタの周波数特
性の劣化を抑えたい領域を指定する周波数重み関数を掛
け合わせる。このように各個体の適応度を安定、不安定
に応じた評価関数を用いて算出するから、不安定な個体
の適応度を0とせずに不安定な度合に応じた値となるよ
うにでき、解候補内に安定な系が得られなかった場合で
も、以後、探索を続けることが可能になる。また探索の
結果、不安定な系しか得られなかった場合、各個体の適
応度を参照することにより安定な系が得られなかったこ
とを知ることができる。更に、安定である場合の適応度
を表す評価式において周波数重みW(ω)を考慮している
から、該周波数重みにより量子化するフィルタの周波数
特性の劣化を抑えたい領域を任意に指定することが可能
となる。・・・請求項4、5
【0012】遺伝的アルゴリズムにおける交差処理ステ
ップおいて、選択淘汰により選択された個体群の中よ
り、それぞれの適応度に応じた発生頻度で2つの親個体
を選択し、これら2つの親個体に対して交差処理を施し
て新たな子個体を生成する。又、突然変異ステップにお
いて、予め設定されている突然変異確率に従って所定の
個体の係数を突然変異すると共に、同一の係数値構造を
備えた個体が既に子個体群に存在する場合には新たな子
個体の係数を突然変異させる。以上のように交差、突然
変異により個体群を次々に生成する遺伝的アルゴリズム
を適用することにより最終的に所望の周波数特性からの
変化が小さなデジタルフィルタ係数を決定することがで
きる。・・・請求項6、7
【0013】更に、量子化前のn個の係数値のそれぞれ
を任意の量子化手法に従って量子化したもの(個体)を
N組生成して初期集団とし、該初期集団に遺伝的アルゴ
リズムを繰返し適用し、該遺伝的アルゴリズムにより、
前記周波数特性からの劣化が小さくなるように、n個そ
れぞれの係数値を量子化し、量子化データをデジタルフ
ィルタ実現素子に設定してデジタルフィルタを構成す
る。これにより、所望の周波数特性からの変化量(劣
化)が小さくなるように、計算機が算出した各係数値を
量子化してディジタルフィルタを作成することができ
る。・・・請求項8
【0014】
【実施例】
(A)遺伝的アルゴリズムの概略 図1は遺伝的アルゴリズムの概略フロー図、図2は遺伝
的アルゴリズムにおける個体表現説明図である。遺伝的
アルゴリズムGAにおいて、各個体(探索点)の形質は
染色体として表わされる(図2参照)。染色体は遺伝子
により構成され、各遺伝子は個体の部分形質を表現す
る。各個体の染色体は後述する各GA操作が有効に行わ
れるように表現する必要がある。更に、問題の解候補を
すべて探索範囲とするために、全ての解候補を表現でき
る必要があり、また染色体で表現可能な個体は冗長な探
索を防ぐため、全て解候補であることが望ましい。
【0015】遺伝的アルゴリズムGAにおいては、個体
の初期集団を乱数を用いて作成する(ステップ10
1)。但し、何らかの予備知識が存在する場合には、適
応度が高いと思われる個体を初期集団として作成する。
初期集団内に存在しない遺伝子は突然変異によってのみ
発生する。このため初期集団の作成法が探索効率に大き
く影響する場合がある。ついで、個体の適応度を評価す
る(ステップ102)。適応度は各個体の染色体が表す
形質の評価である。この適応度の評価関数を任意に決定
できることがGAの特徴の一つである。また、この適応
度を用いて選択を行なうために評価関数の設定が探索の
効率に大きく影響する。各個体について適応度が求まれ
ば、探索点集合(最初は、初期集団)から個々の適応度
や探索の進み具合などに応じて次世代の個体の基となる
個体を選択する(選択淘汰、ステップ103)。尚、選
択法によっては、特定の遺伝子が急速に広がり局所解で
すらない同一の個体で占められてしまう初期収束の問題
が生じる場合がある。
【0016】しかる後、選択操作によって選ばれた複数
の個体からなる個体群から所定の発生頻度で2つの親個
体を選択し染色体を組み変えて、子の染色体を作る(交
差、ステップ104)。交差によって作成された新しい
個体は基となる複数の親の形質を継承していることが重
要である。交差処理後、突然変異操作により遺伝子を一
定の確率で変化させる(突然変異、ステップ105)。
突然変異はあまり頻繁に発生すると、ランダムサーチ化
してしまう。しかし、初期集団の遺伝子の組み合わせ以
外の染色体の作成には、突然変異による遺伝子の変化が
必要である。上記ステップ102〜105を終了条件が
満たされるまで繰返し(ステップ106)、該条件が成
立すると探索処理を終了する。
【0017】以上が一般的な遺伝的アルゴリズムGAの
概略であり、かかる遺伝的アルゴリズムGAをディジタ
ルフィルタの係数決定に適用するには、以下の項目をフ
ィルタ係数決定用に変形あるいは実現する必要がある。 ・個体の形質表現 ・初期集団の作成法 ・適応度の評価関数 ・選択淘汰方法 ・交差方法 ・突然変異方法 ・探索終了条件 ・個体数
【0018】(B)本発明の実施例 図3は例えばM=N=10の直接型ディジタルフィルタ
(図18参照)の係数値を遺伝的アルゴリズムGAに基
づいて決定する本発明の実施例構成図である。11は計
算機により算出された21個の係数値b0〜b10,a1
11を入力され、これら係数値を用いて個体の初期集団
を作成する初期集団作成部、12は各個体の安定/不安
定を判別する安定判別部、13は評価関数に基づいて各
個体の適応度を計算する適応度算出部であり、個体が安
定か、不安定かに応じて異なる評価関数が用意されてい
る。14は探索終了判定部であり、適応度が変化しなく
なったとき、あるいは探索回数が設定回数になったとき
探索終了と判定するもの、15は探索終了により探索さ
れた個体(適応度が最高の個体)の21個の係数値を出
力するフィルタ係数出力部、16は適応度の高い個体を
選択する選択淘汰処理部、17は選択された個体(親)
の係数値を入れ替える交差処理部、18は個体の係数値
を所定の規則に従って変異させる突然変異処理部であ
る。
【0019】(a) 初期集団作成部 1) 個体の形質表現 本発明では、図4に示すように量子化されるフィルタ係
数を遺伝子として用い、その1次元配列を染色体として
扱う。従って、フィルタ形状が変化しても、遺伝子長を
乗算器数に合わせて変更するだけで用いることができ
る。各遺伝子は2を底とした浮動小数点を用いる。ただ
し、符号(sign)に1ビット、指数部(exp)にm(任意)ビ
ット及び、仮数部(frac)にn(任意)ビットを与える。指
数部は最大値がexp_max(指数部を3ビットで表現する実
験では2を、5ビットで表現する実験では10を使用)
になるようにオフセットを用いる。各フィルタ係数は次
式の形式で与えられる。
【数2】 (2)式において、"1.(frac)(2)"は、まず、1を仮定し、
小数点以下を与えられたビット数で表す(2進数の小
数)ものである。例えば、仮数が1ビットの場合、"1.
(frac)(2)"は、2進数で1.0又は1.1、10進数で1.0ま
たは1.5になる。又、仮数が2ビットの場合は、2進数
で1.00, 1.01, 1.10, または1.11となり、10進数で1.
00、 1.25, 1.50,または1.75になる。
【0020】2) 初期集団の作成法 一般に初期値は決められた個体数の染色体をランダムに
生成するが、参照モデルの各フィルタ係数(計算機によ
り求めたフィルタ係数)が既知であるため、この値を利
用して初期集団を作成する。 初期集団は以下の4通り
で作成する。 指数部: x>exp_max の場合は、exp_max xexp_max の場合は、x 但し、xは仮数部のみ量子化後の指数部の値である。 仮数部: x>exp_max の場合は、表現可能な最大値 xexp_max の場合は、切捨て量子化した値 但し、表現可能な最大値というのは、オーバフローしな
い最大の値であり、具体的には
【数3】 となる。exp-maxは別に定めている値、fracは与えられ
たビット数ですべてのビットが立っている値である。
【0021】指数部:の指数部と同様 仮数部: x>exp_max の場合は、表現可能な最大値 xexp_max の場合は、切上げ量子化した値 指数部:の指数部と同様 仮数部: x>exp_max の場合は、表現可能な最大値 xexp_max の場合は、丸め量子化した値 〜の方法で作成した個体の係数を指数分布の乱
数を用いて係数の値を変化させたもの。個体数は多いほ
ど探索点が多くなるため解候補の多様性が高くなり、良
い結果が得られるが、探索時間が長くなる。実験を行っ
た結果、約40以下の個体数では安定した探索が行われ
ないことが確認された。従って、本実験では個体数を6
0に定める。以上より、初期集団作成部11は、上記
により個体を生成すると共に、により多数の個体
(トータルの個体数を60個とすれば57個)を生成
し、の個体と組み合わせて60個の個体からなる
初期集団を作成する。
【0022】(b) 安定判別部 安定判別部12は量子化された各個体(フィルタ)の安
定判別を行う。安定判別は、たとえば個体のインパルス
応答に注目して行う。これは、安定な系においてインパ
ルス応答が収束していることが一般に知られていること
を利用するものである。すなわち、各個体についてイン
パルス応答を所定刻みで1024ステップ求め、その最
終の16ステップにおける出力の絶対値の平均値が1を
越えていた場合は不安定、越えていない場合には安定と
する。図5は安定、不安定の決定処理フローである。各
個体について、インパルス応答を所定刻みで1024ス
テップ分求め(ステップ201)、最終の16ステップ
における出力の絶対値の平均値Aを計算する(ステップ
202)。ついで、平均値Aと1との大小を比較し(ス
テップ203)、A>1の場合には不安定と判定し(ス
テップ204)、A≦1の場合には安定と判定する(ス
テップ205)。以後、同様に全個体について安定/不
安定を判定する。
【0023】(c) 適応度算出部 適応度算出部13は、各個体の適応度を評価関数を用い
て算出する。不安定な個体の適応度を0とせずに不安定
な度合に応じた値となるようにする、これにより、解候
補内に安定な系が得られなかった場合でも、探索を続け
ることが可能になる。また探索の結果、不安定な系しか
得られなかった場合、各個体の適応度を参照することに
より安定な系が得られなかったことを知ることができ
る。適応度算出の評価関数は安定、不安定に応じて以下
の(4),(5)式を用いる。
【0024】i)H(ω)が安定な場合
【数4】 W(ω) :周波数重み関数 Horg(ω) :参照モデルの伝達関数の周波数特性 H(ω) :量子化した系の伝達関数の周波数特性 N :周波数特性のステップ数 a,b :ii)の場合の適応度に対する調整用定数
(実験ではa=10000,b=10を用いた)。
【0025】ii)H(ω)が不安定な場合
【数5】 h(k) :量子化した系のインパルス応答 m :収束状態の判定に用いる幅を示す定数(実
験では16を用いた) ただし、(4)式で用いられている定数a,bは、不安定
な系の適応度が安定な系の適応度に比べ十分小さい値と
なるように定められる。さらに、安定である場合の適応
度を表す(4)式において周波数重みW(ω)を考慮してい
る。このように変化量を計算する際に周波数重みを掛け
ることにより、量子化するフィルタにおいて周波数特性
の劣化を抑えたい領域を任意に指定することが可能とな
る。
【0026】(d) 探索終了判定部 探索終了の条件は、実験では各世代における個体の最大
適応度が50世代連続して改善されないこと、及び、探
索が1000世代まで達したことである。図6は探索終
了判定部14による探索終了判定処理のフローである。
適応度算出部13から各個体の適応度を受信すると(ス
テップ301)、iを歩進し(i+1→i、ステップ3
02)、ついで、現世代における個体の最大適応度が前
回の最大適応度より大きいか、換言すれば、周波数特性
が改善されたかチェックする(ステップ303)。
【0027】改善されていなければ、カウント値c(初
期値は0)を1カウントアップし(ステップ304)、
ついで、c≧50かチェックする(ステップ305)。
c≧50の場合には、所望のモデル特性に最も近い特性
の個体探索が完了したものとして探索処理を終了する
(ステップ306)。c<50の場合には、i=100
0になったか、換言すれば、探索が1000世代まで達
したかチェックする(ステップ307)。i<1000
であれば、ステップ301に戻り以降の処理を繰返し、
i=1000であれば、探索処理を終了する(ステップ
306)。一方、ステップ303において、特性が改善
されていれば、カウント値cをクリアし(ステップ30
8)、ついで、ステップ307以降の処理を実行する。
【0028】(e) 選択淘汰処理部 選択淘汰処理部16は、適応度の高い60%の個体にお
いて、一般的である適応度比例戦略にエリート保存戦略
を組み合わせて選択淘汰処理を実行する。ただし、最大
の適応度が減小した場合、前世代における最大適応度の
個体を新しい個体として加えるのではなく、最も適応度
の低い個体と入れ換えることにより個体数の増加を防
ぐ。60%の値は実験を行なった結果、50%以下では
安定した探索が行なわれない場合があるからである。図
7は選択淘汰処理の説明図である。選択淘汰処理部16
(図3)は個体群を構成するN個の個体を取り込み、そ
れぞれの個体の適応度を高い順に 個体1(I1)、個体2(I2)、・・・、個体N
(IN) と個体の数(=N)だけ並べる。このように配列した個
体の内、適応度が高い順に全体の60%のものだけを選
択し、それ以外の残り40%の個体は淘汰する。
【0029】交差処理部17、突然変異処理部18は、
選択されて残った個体を用いて後述する交差、突然変異
を施して新たな個体を作り、トータルの個体数をN個に
する。ここで、交差に用いられる元の個体の使用頻度は
適応度に比例する確率で選択する。次に、所定の突然変
異が施されてできた新しい個体群の全てのN個の個体に
ついて適応度算出部13で適応度を計算し、適応度の高
い順にそれぞれ 個体1(I′1)、個体2(I′2)、・・・、個体N
(I′N) と個体の数(=N)だけ並べる。ついで、今回の個体群
の中で最も適応度が高い個体1(I′1)と前回の個体
群の中で最も適応度が高い個体1(I1)との間で適応
度の大小を比較する。I1>I′1の場合には、すなわ
ち、今回の最大適応度I′1が前回の最大適応度I1より
小さい場合には、新しい個体群の中で最も適応度の低い
個体60(I′60)を捨て、代わりに前回の個体群の中
で最も適応度が高い個体1(I1)を新しい個体群の中
の個体として入れる処理を行う。これにより、常に、新
しい個体群の最大の適応度が元の個体群の最大の適応度
以上にする。以上により新しい個体群が作り出される。
そして、この操作を繰返し行うことにより、遺伝的アル
ゴリズムが実行される。
【0030】図8は、選択淘汰の処理フローである。選
択淘汰処理部16は個体群を構成するN個の個体を取り
込み(ステップ401)、それぞれの個体の適応度を高
い順に 個体1(I1)、個体2(I2)、・・・、個体N
(IN) と個体の数(=N)だけ並べ替える(ステップ40
2)。ついで、このように配列した個体の内、適応度が
高い順に全体の60%のものだけを選択し、それ以外の
残り40%の個体は淘汰する(ステップ403)。この
様にして選択された個体群は所定の発生頻度に従った次
世代の親個体として使用される。
【0031】(f) 交差処理部 交差の一般的なものとして、一点交差、多点交差、一様
交差などが存在する。交差処理部17はその一つである
一様交差に基づいて交差処理を実行する。一様交差は、
2つの別の個体から新しい個体を作り出すために用いる
もので、親となるそれぞれの個体の性質を引き継ぐため
に染色体に含まれる遺伝子がいずれかの親と全く同じに
なる別の個体を作る。図9は一様交差の説明図である。
図中、P1,P2は一様交差処理の対象となる個体(親
1、親2)、MKは一様交差処理に用いるマスク、CH
は一様交差により得られた新たな個体(子)である。マ
スクMKで1が立っている部分では親個体P2の遺伝子
が、0の部分では親個体P1の遺伝子がそれぞれ受け継
がれて新しい子個体CHが作られる。
【0032】一様交差に使用するマスクMKは常に同じ
ではなく、乱数を用いて変更するようになっている。
又、親個体の決定法は、適応度に応じた発生頻度でラン
ダムに選択する。簡単のため個体数を3としてそれぞれ
の適応度を個体1はa,個体2はb、個体3はcとす
る。このときの各個体が選択される確率(全体の確率は
1となる)は、 個体1:a/(a+b+c) 個体2:b/(a+b+c) 個体3:c/(a+b+c) で表現される。
【0033】図10は一様交差処理の流れ図であり、後
述する突然変異処理と連携しながら交差処理を実行す
る。まず、乱数を用いてマスクMKを作成し(ステップ
501)、ついで、選択淘汰された個体群より適応度に
応じた発生頻度でランダムに親個体P1,P2を選択す
る(ステップ502)。しかる後、親個体P1,P2及
びマスクMKを用いて一様交差処理を実行して子個体C
Hを作成する(ステップ503)。子個体生成後、必要
に応じて該子個体に突然変異処理を施す(ステップ50
4)。ついで必要な数の子個体が生成されたかチェック
し(ステップ505)、生成されていれば、交差処理を
終了し、必要な数の子個体が生成されていなければステ
ップ501に戻り、上記処理を繰り返す。尚、必要な子
個体の数は0.4×N個である。
【0034】(g) 突然変異処理部 突然変異は突然変異確率に応じて行なわれるだけでな
く、同じ世代にすでに全く同じ遺伝子を持つ個体が存在
する場合には該個体に対しても行う。つまり、探索の初
期において、解の多様性が高い間は突然変異は突然変異
確率にほぼ従った割合でしか生じないが、探索の後半に
おいて多様性が低くなると突然変異が多く生じ、解の多
様性が保持されることになる。実験で用いた具体的な突
然変異の方法は、個体内の一つの係数(遺伝子)につい
て、指数部は分散を2とした正規分布の乱数を用いて変
化させ、仮数部については一様乱数を用いて遺伝子を決
定する。正規分布の乱数を用いた理由は、係数の変化量
を−∞〜∞までの範囲において設定でき、変化量の小さ
い突然変異を多く発生するように設定するためである。
突然変異確率は多数実験を行い、3%〜20%の範囲で
探索結果が大きく変化しないことを確認した。そのため
本発明では6%とした。
【0035】図11は突然変異処理の説明図である。探
索を開始した初期の段階では、子個体群のなかに全く同
じ遺伝子構造(染色体)を持つことはあまりない。この
ような時は、予め定めておいた突然変異確率に従って突
然変異を行う。例えば、100回の交差に対して6回の
突然変異を行う。図12は突然変異処理部18による突
然変異処理のフローであり、図10の突然変異処理ステ
ップ(ステップ504)の詳細である。2つの親個体P
1,P2を選択し、該親個体P1,P2及びマスクを用
いて一様交差処理を実行して子個体を作成する(ステッ
プ502、503)。子個体生成後、該子個体と同じ遺
伝子構造の子個体が別に存在するかチェックする(ステ
ップ504a)。存在する場合には、新たな子個体の1
つの係数(遺伝子)を変化して突然変異させる(ステッ
プ504b)。
【0036】一方、ステップ504aにおいて同じ遺伝
子構造の子個体が別に存在しなければ、突然変異確率に
従って突然変異を行う。例えば、前述のように100回
の交差に対して6回の突然変異を行う。従って、ステッ
プ504aにおいて「NO」の場合には、突然変異確率に
基づいて突然変異をさせるべきかチェックし(ステップ
504c)、突然変異させるべきであれば、ステップ5
04bの処理を実行して子個体の1つの係数(遺伝子)
を変化して突然変異させ、突然変異させるべきでなけれ
ば突然変異処理を終了する。以後、新たに生成したN個
の個体からなる個体群に対して、適応度算出処理、探索
終了判定処理、選択淘汰処理、交差処理、突然変異処理
を繰り返す。
【0037】(C)フィルタ係数の量子化実験結果 実験対象としては倍精度浮動小数点(64ビット)で表
現された、直接形フィルタ及びARMA4線ラティスフ
ィルタの二種類とした。実験結果として、遮断周波数0.
nの低域通過形10次バタワースフィルタ特性を持つ
上記2種類のフィルタについて示す。比較のために切捨
てや丸めなどの方式の結果も合わせて示す。 1) 量子化後の周波数特性 直接形フィルタを符号部1ビット、仮数部2ビット、指
数部3ビット、計6ビットに量子化した結果を図13に
示す。図13において、Aは参照フィルタ(所望フィル
タ)、Bは切捨て量子化を行なったフィルタ、Cは切上
げ量子化を行なったフィルタ、Dは丸め量子化を行なっ
たフィルタ、Eは本発明により量子化を行なったフィル
タの周波数特性である。
【0038】又、ARMA4線ラティスフィルタ(信学
論(A),J-74-A,1, pp.9〜18(1991-1)参照)を符号部1ビ
ット、仮数部1ビット、指数部3ビット、計5ビットに
量子化した結果を図14に示す。図14において、Aは
参照フィルタ、Bは切捨て量子化を行なったフィルタ、
Dは丸め量子化を行なったフィルタ、Eは本発明により
量子化を行なったフィルタの周波数特性を示す。ただ
し、ラティスフィルタを計5ビットに切上げ量子化を行
った場合には不安定な系になったため図示していない。
図13、図14より明らかなように、本発明により量子
化を行ったフィルタの周波数特性の変化量が抑えられて
いることが理解される。
【0039】2) 量子化後のフィルタ係数 図15にARMA4線ラティスフィルタの場合におい
て、量子化前の81個のフィルタ係数値(参照フィルタ
の係数値であり、計算機により算出されたもの)と本発
明により量子化した後のフィルタの係数値を示す。量子
化前の係数値は○で示し、量子化後の係数値は×で示
す。また水平方向の点線は本手法において用いた量子化
後表現可能な値を示す。図15より全体81個中34個
(約42%)の係数が切捨て、切上げ以外の値に量子化
されていることが分かる。他の実験においても同様の結
果が得られた。すなわち、係数を量子化するために探索
する範囲が、切捨て、切上げしたものだけでは不十分で
あることが分かる。
【0040】3) 周波数重み関数 通過域及び通過域から減衰域にわたる周波数域について
周波数特性の変化量を抑えたフィルタを得るため、次式
に示す周波数重み関数を使用する。
【数6】 図16はかかる周波数重み関数の特性図である。
【0041】周波数重み関数の効果を確認するために、
ARMA4線ラティスフィルタを仮数部1ビット、指数
部3ビットに量子化した結果を図17に示す。図17に
おいて、Aは参照モデル、Bは図16の周波数重み関数
を用いて遺伝的アルゴリズムGAにより係数を決定した
フィルタ、Cは周波数重み関数を用いずに遺伝的アルゴ
リズムGAにより係数を決定したフィルタの周波数特性
図である。図17より周波数重み関数を用いることによ
り、特性の劣化が抑えられていることが確認される。以
上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の
範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能で
あり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0042】
【発明の効果】以上本発明の遺伝子的アルゴリズムを用
いたフィルタの係数決定法によれば、フィルタの各係数
を切捨てや丸めなどの一様な方式で量子化するよりも、
周波数特性の劣化を抑えることができる。又、本発明に
よれば、、ラティスフィルタ及び直接形フィルタ双方に
おいて有効な量子化が行なわれており、本発明方法をフ
ィルタの形状に依存せず任意のフィルタ係数決定に応用
することができる。更に、本発明によれば、評価関数に
周波数重みを加えることにより、所定の周波数帯域にお
ける量子化による特性の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遺伝子アルゴリズムGAの処理手順である。
【図2】個体表現説明図である。
【図3】本発明の実施例構成図である。
【図4】ディジタルフィルタの染色体、遺伝子の説明図
である。
【図5】安定、不安定決定の処理フローである。
【図6】探索終了の判定処理フローである。
【図7】選択淘汰処理の説明図である。
【図8】選択徒淘汰の処理フローである。
【図9】一様交差の説明図である。
【図10】交差処理フローである。
【図11】突然変異処理説明図である。
【図12】突然変異処理フローである。
【図13】実験結果(直接形)の説明図である。
【図14】実験結果(ラティスフィルタ)の説明図であ
る。
【図15】フィルタ係数値の説明図である。
【図16】周波数重み関数の特性図である。
【図17】周波数重み関数の効果説明図である。
【図18】直接形フィルタの構成図である。
【図19】量子化後の周波数特性図である。
【符号の説明】
11・・初期集団作成部 12・・安定判別部 13・・適応度算出部 14・・探索終了判定部 15・・フィルタ係数出力部 16・・選択淘汰処理部 17・・交差処理部 18・・突然変異処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北島 秀夫 北海道札幌市厚別区上野幌2条1丁目5番 28号 (72)発明者 永井 信夫 北海道札幌市東区北24条東2丁目3−15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数特性を与えるn個のフィル
    タ係数値のそれぞれを所定の量子化手法に従って有限語
    長データに量子化し、量子化された有限語長の各係数デ
    ータをデジタルフィルタ実現素子に設定可能な係数値と
    して設定するデジタルフィルタの係数決定方法におい
    て、 前記量子化前のn個の係数値のそれぞれを任意の量子化
    手法に従って量子化したもの(個体)をN組生成して初
    期集団とし、 該初期集団に遺伝的アルゴリズムを繰返し適用し、該遺
    伝的アルゴリズムにより、前記周波数特性からの劣化が
    小さくなるように、n個それぞれの係数値を設定可能な
    範囲内の係数値として量子化して有限語長の係数データ
    を求めることを特徴とするデジタルフィルタの係数決定
    方法。
  2. 【請求項2】 前記量子化法は、設定可能な係数値を探
    索することで実現され、この探索は、遺伝的アルゴリズ
    ムにより前記周波数特性からの劣化が小さくなるよう
    に、n個それぞれの係数値を実現可能な範囲内で量子化
    を施して有限語長の係数データを求めることを特徴とす
    る請求項1記載のデジタルフィルタの係数決定方法。
  3. 【請求項3】 前記n個の係数値をすべて切り捨て量子
    化した個体と、前記n個の係数値をすべて切り上げ量子
    化した個体と、前記n個の係数値をすべて丸め量子化し
    た個体と、各係数に適宜切り捨て量子化、切り上げ量子
    化、丸め量子化を施した複数の個体とによりN個の個体
    からなる前記初期集団を生成することを特徴とする請求
    項2記載のデジタルフィルタの係数決定方法。
  4. 【請求項4】 遺伝的アルゴリズムは、 評価関数を用いて各個体の適応度を計算するステップ、 適応度が大きい全体の何割かの個体を選択して残りを淘
    汰するステップ、 選択された個体に交差処理、突然変異処理を施して新た
    な個体を生成して総計N個の個体よりなる個体群を生成
    するステップ、 適応度の改善が見られなくなるまで、あるいは、遺伝的
    アルゴリズムの適用回数が設定回数になるまで、前記個
    体群を構成する各個体に上記処理を施すステップを有す
    ることを特徴とする請求項3記載のデジタルフィルタの
    係数決定方法。
  5. 【請求項5】 個体の安定、不安定に応じて前記評価関
    数を切り換えると共に、安定個体に適用する評価関数
    に、量子化するフィルタの周波数特性の劣化を抑えたい
    領域を指定する周波数重み関数を掛け合わせることを特
    徴とする請求項4記載のデジタルフィルタの係数決定方
    法。
  6. 【請求項6】 交差処理は、選択淘汰により選択された
    個体群の中より、それぞれの適応度に応じた発生頻度で
    2つの親個体を選択し、これら2つの親個体に対して交
    差処理を施して新たな子個体を生成することで子個体群
    を生成することを特徴とする請求項4記載のデジタルフ
    ィルタの係数決定方法。
  7. 【請求項7】 予め設定されている突然変異確率に従っ
    て所定の個体の係数を突然変異すると共に、同一の係数
    値構造を備えた個体が子個体群に存在する場合には一方
    の個体の係数を突然変異させることを特徴とする請求項
    4記載のデジタルフィルタの係数決定方法。
  8. 【請求項8】 所定の周波数特性を与えるn個のフィル
    タ係数値のそれぞれを所定の量子化手法に従って有限語
    長データに量子化し、量子化された有限語長の各係数デ
    ータをデジタルフィルタ実現素子に設定してなるデジタ
    ルフィルタにおいて、 量子化前のn個の係数値のそれぞれを任意の量子化手法
    に従って量子化したもの(個体)をN組生成して初期集
    団とし、該初期集団に遺伝的アルゴリズムを繰返し適用
    し、該遺伝的アルゴリズムにより、前記周波数特性から
    の劣化が小さくなるように、n個それぞれの係数値を所
    定の量子化法により量子化し、量子化データをデジタル
    フィルタ実現素子に設定してなることを特徴とするデジ
    タルフィルタ。
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