JPH1141830A - 電力貯蔵装置 - Google Patents

電力貯蔵装置

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JPH1141830A
JPH1141830A JP9202566A JP20256697A JPH1141830A JP H1141830 A JPH1141830 A JP H1141830A JP 9202566 A JP9202566 A JP 9202566A JP 20256697 A JP20256697 A JP 20256697A JP H1141830 A JPH1141830 A JP H1141830A
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JP
Japan
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power
neural network
gene
value
genes
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JP9202566A
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English (en)
Inventor
Yuji Kawagoe
祐司 川越
Tetsuyoshi Hidaka
鉄義 日▲高▼
Kazumi Nakada
和美 中田
Osamu Suzuki
修 鈴木
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N T T FACILITIES KK
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
NTT Facilities Inc
Original Assignee
N T T FACILITIES KK
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
NTT Facilities Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正確な使用電力予想に基いて電力貯蔵装置を運
転できる技術を提供する。 【解決手段】この電力貯蔵装置1は、負荷15の電力使
用量が少ない時間帯に、二次電池112を充電し、負荷
の電力使用量の予測値に基いて、電力使用量が多い時間
帯に二次電池15を放電させ、商用電源11と二次電池
15によって負荷に電力を供給する。電力使用量の予測
値を求めるニューラルネットワークを形成する際に、先
ず、遺伝的手法を用いて、電力使用量をある程度正確に
予想できる重み付け値を求め、それを初期値として誤差
逆伝播法によって重み付け値を修正しておく。初期値を
乱数によって決めなくても済むので、ニューラルネット
ワークの重みづけ値が局所解に収束していたり、不正確
であったりすることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源と二次電
池によって負荷に電力を供給する電力貯蔵装置、及びそ
の運転方法にかかり、特に、電力使用量を正確に予測し
て、二次電池の放電量を制御する電力貯蔵装置、及びそ
の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大規模ビルや工場等の電力使用量が大き
い設備では、昼間の特定の時刻にピーク的に電力を使用
し、夜間はほとんど使用しない等、電力使用量の変動は
大きいものの、一日を平均すると、ピーク的使用量の数
分の1になる場合が多い。
【0003】しかしながら電力供給設備は、使用ピーク
に応じて規模を必要とするため、ピーク時以外は稼働し
ない電力供給設備が多く設けられており、その設備費と
維持管理の手間は、大きな負担となっている。
【0004】そのため、近年では、使用電力量が少な
く、金額も安価な夜間に二次電池を充電して電力を貯蔵
し、電力使用量が大きい昼間に二次電池から電力を供給
し、商用電源からの電力供給量を平均化しようとする試
みが成されている。そのような電力貯蔵装置を図8の符
号101に示す。
【0005】この電力貯蔵装置101は、ナトリウム硫
黄電池から成る二次電池112と、制御装置113とを
有しており、制御装置113には、商用電源111から
の出力と、二次電池112からの出力が入力され、電力
測定装置114で電力測定しながら負荷115に電力を
供給できるように構成されている。
【0006】制御装置113は、夜間は、商用電源11
1から負荷115に電力を供給させると共に二次電池1
12を充電し、昼間は略一定量の電力を商用電源111
から負荷115に供給させ、それを超える電力を二次電
池112から負荷115に供給させている。負荷が重く
なり、電力使用量が増加する場合には、電力測定装置1
14が負荷変動を検出し、制御装置113に信号を送信
し、制御装置113が二次電池112からの供給電力量
を増加させ、商用電源111からの供給電力量が増加し
ないようにされている。
【0007】このような電力貯蔵装置101では、二次
電池112の容量が大きく、十分な電力を供給できる場
合であれば問題がないが、商用電源111からの供給電
力量が少なく設定されていた場合には、二次電池112
が放電しきってしまう。極端な場合には、午前中に貯蔵
していた電力を使用し尽くしてしまい、午後0時や、午
後2時等の電力使用のピーク時には、使用電力の全量を
商用電源111から供給することになる。
【0008】そのような事態を避けるため、従来技術で
も対策が採られており、一日の使用電力量の推移を予測
し、二次電池112が途中で放電しきらず、少なくとも
負荷がピーク的に電力を使用する時に稼働できるように
しておくため、予め1日の電力使用量を予測して、商用
電源111の負担をできるだけ平均化するように、二次
電池112の放電量を変化させていた。
【0009】一日の電力使用量を予測するためには、従
来技術より、ニューラルネットワークが使用されてお
り、例えば、過去1年間の気温と設備稼働状況とを入力
値とし、使用電力量を出力値として得る技術がある。
【0010】図9の符号202は、ニューラルネットワ
ークであり、入力層211と、隠れ層212と、出力層
213とで構成されている。入力層211内のユニット
1 1、u1 2と、ニ層構造の隠れ層212内のユニットu
2 1、u2 2、u2 3、及びユニットu3 1、u3 2、u3 3と出力
層213内のユニットu4 1は前段の層から後段の層に向
けて、所定の重みづけ値で結合されており、入力層21
1の2個のユニットu1 1、u1 2に、設備稼働状況と気温
とが電力使用条件として入力されると、その重みづけ値
に従って後段の層へ向けて値が伝播され、出力層213
のユニットu4 1から、その電力使用条件に応じた電力使
用量が出力されるように構成されている。
【0011】このように、一般的なニューラルネットワ
ークは、各ユニットu間が、予め所定の重み付け値で互
いに結合されて構成されており、その重み付け値の決定
方法を説明すると、図10(a)を参照し、ニューラルネ
ットワーク内のn層i番(i行)のユニットun iに注目し
た場合、このユニットun iには、前段の層(n−1層)の
J個のユニットが出力する信号Xn-1 1〜Xn-1 Jが全部入
力されており、第n−1層目のユニットun-1とn層目
のユニットunとの間の結合の重み付けの値をWn,n-1
すると、n層i番のユニットun iの値は、次式、
【0012】un i = ΣWn,n-1 i,j・Xn-1 j ……(1) で表される。この式は、ユニットun iの値は、前段の層
のユニットun-1の出力Xn-1と重み付け値Wn,n-1を掛
け合わせた値を合計して求めることを示している。
【0013】次に、このユニットun iの出力値Xn iにつ
いては、fを伝達関数、hn iを閾値とすると、次式、 Xn i = f(un i−hn i) …… (2) で表される。伝達関数fには、次のシグモイド関数がよ
く使用される。 f(x) = 1/{1+exp(x)}……(3)
【0014】上述のように、入力層211のユニットu
1 1、u1 2に、設備稼働状況の予定値と気温の予報値を電
力使用条件として与えると、出力層213のユニットu
4 1から電力使用予測値が出力されるようにするために
は、予め重み付け値Wと閾値hとを適切な値に設定して
おく必要がある。
【0015】その場合、先ず、乱数によって発生させた
値を用い、重み付け値Wと閾値hに適当な初期値を与
え、第一層目(入力層)の各ユニットu1に、気温の測定
値等の過去の電力使用条件を教師信号d1として与え、
第N層目の最終層(出力層)のユニットuNから電力使用
量を出力信号XNとして出力させる。実際の電力使用量
を出力信号XNの教師信号dNとし、出力信号XNと教師
信号dNとの誤差を求め、重み付け値Wを繰り返し修正
する。
【0016】いま、修正をt回くり返した結果、第n−
1層j番目のユニットun-1 jと第n層i番目の各ユニッ
トun iの間の重み付けの値がWn,n-1 i,j(t)となってい
るものとすると、新たな重み付け値Wn,n-1 i,j(t+1)
は次式で求められる。 Wn,n-1 i,j(t+1) = Wn,n-1 i,j(t)+ΔWn,n-1 i,j(t) ……(4)
【0017】ここで、ΔWn,n-1 i,j(t)はt回目の修正
計算で求められた修正量であり、図10(b)に示すよう
に、後段の層のユニットから前段の層のユニットに向け
て、ニューラルネットワーク内を逆向きに伝播する学習
信号δを使用し、次式、 ΔWn,n-1 i,j(t)=η・δn i・Xn-1 j+α・ΔWn,n-1 i,j(t−1) ……(5) によって求められる(誤差逆伝播法)。ΔWn,n-1 i,j(t
−1)はt−1回目の修正の際に求められた修正量であ
る。上式中、ηは学習係数、αは安定化定数であり、
1.0以下であってゼロよりも大きな範囲内で適当な実
数値が選択される。
【0018】学習信号δは、先ず、第n層目の出力層か
ら、その前段のn−1層目のユニットに向けて伝播され
る。上記(3)式を微分した関数をf'とすると、出力層
のi番目のユニットun iからその前段のn−1層の各ユ
ニットには、次式、 δn i = (di−Xn i)・f'(un i) ……(6) で表される学習信号δn i(各ユニットに伝播される学習
信号δn iは同じ値である)が伝播される。
【0019】出力層よりも前段の層では、次式で表され
る学習信号δn iが伝播される。 δn i = f'(un i)・Σkδn+1 k・Wn+1,n k,i ……(7) 上式は、第n層i番のユニットun iから第n−1層目の
各ユニットun-1 jに伝播される学習信号を示している。
【0020】なお、閾値hは、前段の層の出力が1、重
み付けがhの結合と見ることもできるので、その修正
は、次式、 hn i(t+1) = hn i(t)+Δhn i(t) ……(8) で行われる。従って、閾値hは、重み付け値Wに含めて
取り扱うことができる。
【0021】以上のように、学習信号δn iが出力層から
逆向きに伝播され、入力層に到達したところで、重み付
け値W(閾値hを含む)のt+1回目の修正が終了する。
【0022】今度は、修正された重み付け値W(t+1)
(閾値h(t+1)を含む)と、入力層の教師信号d1とを
使用し、出力層から出力信号Xn(t+1)を出力させ
る。
【0023】出力信号Xn(t+1)を求める際の重み付
け値W(t+1)はW(t)に比べて精度が高まっているの
で、修正前の出力信号Xn(t)よりも修正後の出力信号
n(t+1)の方が、教師信号dnに近い値となってい
る。
【0024】出力の教師信号dnと修正された出力信号
n(t+1)との誤差dn−Xn(t+1)と、t+1回目
に求めた修正量ΔW(t+1)から、t+2回目の重み付
け値Wの修正が行われる。
【0025】このように、出力信号Xnの算出と、重み
付け値Wの修正計算を繰り返し行うと、次第に出力信号
nと教師信号dとの誤差が小さくなるので、所定値以
下になったところでニューラルネットワークは完成した
ものとする。以上のように、誤差逆伝播法では、学習信
号δをニューラルネットワーク内を逆向きに伝播させ、
重み付け値Wを修正し、教師信号dnに近い出力信号Xn
が得られるようにしている。
【0026】しかし、誤差逆伝播法を用いる場合には、
各ユニットu間の重み付け値W(閾値hを含む)の初期値
の与え方によっては、最終的に得られる重み付け値Wが
局所解に収束してしまい、重み付け値Wを修正する際に
用いた過去のデータに対する出力精度は高いものの、得
られたニューラルネットワークに未知のデータを与える
と、実際とはかけ離れた値が出力される場合がある。
【0027】また、初期値の与え方によっては誤差が一
定値よりも小さくならず、精度の低いニューラルネット
ワークしか得られない場合がある。そのようなニューラ
ルネットワークを用いて電力貯蔵システム101を構成
しても、得られる電力使用量の予測値に誤差が大きく、
充電を開始する際に二次電池101に残存電力が未だあ
ったり、逆に、負荷の多くの電力を使用している最中に
二次電池の貯蔵電力量がゼロになってしまうという問題
がある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたものであり、その
目的は、正確な使用電力予想に基いて電力貯蔵装置を運
転できる技術を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明装置は、負荷の電力使用量が少
ない時間帯に、商用電源によって充電される二次電池
と、予め、ユニットの配列とユニット同士の結合が設定
されたニューラルネットワークが設けられた制御装置と
を有し、前記ユニット間の重み付け値は、前記ニューラ
ルネットワークに将来の電力使用条件が入力されると、
その電力使用条件に応じた電力使用量の予測値を出力す
るように設定され、前記制御装置は、前記負荷の電力使
用量が多い時間帯には、前記電力使用量の予測値に基い
て前記二次電池を放電させ、前記商用電源の負担を軽減
させるように構成された電力貯蔵装置であって、前記重
み付け値を設定する際には、前記各ユニット間の重み付
け値の組合せを複数用意し、各組合せを遺伝子とみな
し、各遺伝子間の交配と遺伝子の突然変異によって新た
な遺伝子を発生させ、新たな遺伝子と元の遺伝子のそれ
ぞれの遺伝子が示す重み付け値の組合せに応じて、それ
ぞれ仮のニューラルネットワークを形成し、前記仮のニ
ューラルネットワークに過去の電力使用条件に応じた電
力使用量の予測値を出力させ、過去の実際の電力使用量
と比較して求めた誤差の小さい遺伝子を所望個数選別し
て淘汰させ、再び交配と突然変異によって新たな遺伝子
を発生させ、新たな遺伝子が示す重み付け値の組合せに
応じて仮のニューラルネットワークを形成して誤差を求
め、選別した遺伝子を含めて誤差の小さい遺伝子を所望
個数選別し直して淘汰させる作業を繰り返し行い、その
結果、誤差の小さい優秀な遺伝子を採用し、その遺伝子
が示す重み付け値の組合せを初期状態のニューラルネッ
トワークの各ユニット間の重み付け値とし、前記過去の
電力使用条件を入力して電力使用量の予測値を出力さ
せ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた誤差を誤
差逆伝播法によって前記各ユニットに伝播させて重み付
け値を修正し、再び過去の電力使用条件を入力して電力
使用量の予測値を出力させ、過去の実際の電力使用量と
比較して求めた誤差を、前記誤差逆伝播法によって各ユ
ニットに伝播させ、重み付け値を修正する作業を繰り返
し行い、前記将来の電力使用条件が入力されると、将来
の電力使用量を予測するニューラルネットワークの重み
付け値が設定されたことを特徴とする。
【0030】請求項2記載の発明装置は、請求項1記載
の電力貯蔵装置であって、前記新たな遺伝子の発生と遺
伝子の選別を繰り返す際、繰り返しの初期は、交配によ
って発生する遺伝子を多くし、繰り返しの終期では、突
然変異によって発生する遺伝子を多くしたことを特徴と
する。
【0031】請求項3記載の発明装置は、請求項1又は
請求項2のいずれか1項記載の電力貯蔵装置であって、
前記ニューラルネットワークの重み付け値は、前記負荷
の使用電力が多い時間帯の複数時刻に対応させて複数設
定され、各時刻の電力使用量の予測値を出力できるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0032】請求項4記載の発明装置は、請求項1乃至
請求項3のいずれか1項記載の電力貯蔵装置であって、
前記ニューラルネットワークの重み付け値は、前記過去
の電力使用条件と実際の電力使用量のうち、休日の電力
使用条件と休日の実際の電力使用量とから形成された休
日用重み付け値と、平日の電力使用条件と平日の実際の
電力使用量とから構成された平日用重み付け値とを有す
ることを特徴とする。
【0033】請求項5記載の発明装置は、請求項1乃至
請求項4のいずれか1項記載の電力貯蔵装置であって、
前記電力使用条件には、少なくとも季節を示す条件が含
まれていることを特徴とする。
【0034】請求項6記載の発明装置は、請求項1乃至
請求項5のいずれか1項記載の電力貯蔵装置であって、
前記商用電源と前記二次電池とが電力を供給する負荷
が、建築物内の部屋に設けられた電気的設備を含む場合
には、前記電力使用条件には、少なくとも建築物内の複
数の部屋の使用状況が含まれていることを特徴とする。
【0035】他方、請求項7記載の発明方法は、負荷の
電力使用量が少ない時間帯に商用電源によって充電され
る二次電池と、予め決定された重み付け値でユニット間
が結合されたニューラルネットワークが設けられた制御
装置とを有し、予め、ユニットの配列とユニット同士の
結合が設定されたニューラルネットワークが設けられた
制御装置とを有し、前記ユニット間の重み付け値は、前
記ニューラルネットワークに将来の電力使用条件が入力
されると、その電力使用条件に応じた電力使用量の予測
値を出力するように設定され、前記制御装置は、前記負
荷の電力使用量が多い時間帯には、前記電力使用量の予
測に基いて前記二次電池を放電させ、前記商用電源の負
担を軽減させるように構成された電力貯蔵装置を運転す
る電力貯蔵装置の運転方法であって、前記重み付け値を
設定する際には、前記各ユニット間の重み付け値の組合
せを複数用意し、各組合せを遺伝子とみなし、各遺伝子
間の交配と遺伝子の突然変異によって新たな遺伝子を発
生させ、新たな遺伝子と元の遺伝子のそれぞれの遺伝子
が示す重み付け値の組合せに応じて、それぞれ仮のニュ
ーラルネットワークを形成し、前記仮のニューラルネッ
トワークに過去の電力使用条件に応じた電力使用量の予
測値を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求
めた誤差の小さい遺伝子を所望個数選別して淘汰させ、
再び交配と突然変異によって新たな遺伝子を発生させ、
新たな遺伝子が示す重み付け値の組合せに応じて仮のニ
ューラルネットワークを形成して誤差を求め、選別した
遺伝子を含めて誤差の小さい遺伝子を所望個数選別し直
して淘汰させる作業を繰り返し行い、その結果、誤差の
小さい優秀な遺伝子を採用し、その遺伝子が示す重み付
け値の組合せを初期状態のニューラルネットワークの各
ユニット間の重み付け値とし、前記過去の電力使用条件
を入力して電力使用量の予測値を出力させ、過去の実際
の電力使用量と比較して求めた誤差を誤差逆伝播法によ
って前記各ユニットに伝播させて重み付け値を修正し、
再び過去の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値
を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた
誤差を、前記誤差逆伝播法によって各ユニットに伝播さ
せ、重み付け値を修正する作業を繰り返し行い、前記将
来の電力使用条件を入力すると、将来の電力使用量を予
測できるようにニューラルネットワークの重み付け値を
設定したことを特徴とする。
【0036】請求項8記載の発明方法は、請求項7記載
の電力貯蔵装置の運転方法であって、前記新たな遺伝子
の発生と遺伝子の選別を繰り返す際、繰り返しの初期
は、交配によって発生する遺伝子を多くさせ、繰り返し
の終期では、突然変異によって発生する遺伝子を多くさ
せて構成したニューラルネットワークを用いることを特
徴とする。
【0037】上述した構成の本発明の電力貯蔵装置で
は、負荷の電力使用量が少ない時間帯に、商用電源によ
って充電される二次電池と、予めユニットの配列とユニ
ット同士の結合が設定されたニューラルネットワークが
設けられた制御装置とを有しており、ユニット間の重み
付け値は、ニューラルネットワークに将来の電力使用条
件が入力されると、その電力使用条件に応じた電力使用
量の予測値を出力するように設定されいる。従って、制
御装置が、電力使用量の予測値に基いて、負荷の電力使
用量が多い時間帯には二次電池を放電させると、商用電
源の負担を軽減させることが可能となっている。
【0038】そのような重み付け値を設定する際には、
先ず、各ユニット間の重み付け値の組合せを複数用意
し、各組合せを遺伝子とみなし、各遺伝子間の交配と遺
伝子の突然変異によって新たな遺伝子を発生させる。
【0039】新たな遺伝子と元の遺伝子のそれぞれの遺
伝子が示す重み付け値の組合せに応じて、それぞれ仮の
ニューラルネットワークを形成し、それら仮のニューラ
ルネットワークに、過去の電力使用条件を入力して電力
使用量の予測値を出力させ、過去の実際の電力使用量と
比較し、誤差の小さい遺伝子を所望個数選別して淘汰さ
せる。
【0040】再び交配と突然変異によって新たな遺伝子
を発生させ、新たな遺伝子が示す重み付け値の組合せに
応じて仮のニューラルネットワークを形成して誤差を求
め、新たな遺伝子と選別した遺伝子の中から誤差の小さ
い遺伝子を所望個数選別し直し、淘汰させる。
【0041】このような作業を繰り返し行うと、次第に
誤差の少ない優秀な遺伝子が作られてゆくが、特に、突
然変異による新たな遺伝子を発生させているため、適応
度の高い遺伝子を発生させることができる。
【0042】このような新たな遺伝子の発生と淘汰とを
繰り返し行うと、次第に誤差が小さくなってゆくが、一
定の回数を繰り返すと、収束が悪化する。そこで、所定
回数だけ繰り返した後、優秀な遺伝子を選び、その遺伝
子が示す重み付け値の組合せを初期状態のニューラルネ
ットワークの各ユニット間の重み付け値とし、過去の電
力使用条件を入力して電力使用量の予測値を出力させ、
過去の実際の電力使用量と比較して誤差を求め、その誤
差を誤差逆伝播法によって前記各ユニットに伝播させ、
重み付け値を修正する。
【0043】修正後、再び過去の電力使用条件を入力し
て電力使用量の予測値を出力させ、過去の実際の電力使
用量との誤差を、再度誤差逆伝播法によって各ユニット
に伝播させ、重み付け値を修正する。
【0044】このような修正作業を、誤差が所定値以下
になるまで繰り返し行うと、将来の電力使用条件が入力
された場合に、その電力使用条件に対応した電力使用量
の正確な予測値を出力できるニューラルネットワークが
形成される。
【0045】図6のグラフの横軸は、誤差逆伝播法の繰
り返し回数であり、縦軸は収束度である。このグラフの
曲線C1は、乱数によって初期状態のニューラルネット
ワークを形成した後、誤差逆伝播法によって重み付け値
Wを修正した場合であり、収束度がある程度小さくなる
と、それ以上収束しなくなっている。この図6では、収
束度を0.0015に設定すると、700,000回の
繰り返し修正を行っても収束しなかった。
【0046】それに対し、本発明のように、選別した遺
伝子を用いて初期状態のニューラルネットワークを形成
した場合には、曲線G1で示すように、収束度0.00
15では、約15000回で収束しており、誤差逆伝播
法を行う際の収束が速く、精度の高いニューラルネット
ワークを形成できることが分かる。
【0047】図7は、収束度を0.01に設定した場合
であり、乱数を用いて初期状態のニューラルネットワー
クを形成した場合には、曲線C2で示すように、169
30回で収束し、選別した遺伝子を用いて初期状態のニ
ューラルネットワークを形成した場合には、7129回
で収束している。
【0048】このように、初期状態のニューラルネット
ワークを形成するために、新たな遺伝子の発生と遺伝子
の淘汰とを繰り返し行う場合、回数が進むに連れ、交配
によって発生する遺伝子については、誤差の収束率が低
下する。そこで、繰り返しの終期では、突然変異による
遺伝子の数を増加させ、全体の適応度を高めている。
【0049】ところで、電力使用量を精度よく予測でき
るニューラルネットワークを形成するためには、1日を
複数時刻に区分し、各時刻毎に重み付け値を設定してお
くとよい。また、休日用と平日用の重み付け値を別々に
設定してもよい。更に、入力信号となる電力使用条件
に、季節を示す条件を含ませてもよい。
【0050】更に又、商用電源と二次電池が電力供給す
る負荷が、建築物内の部屋に設けられた電気的設備を含
む場合には、電力使用条件に、各部屋の使用状況の予定
を含めると一層精度が向上する。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明を図面を用いて説明する。
図1の符号1は、図8に示した電力貯蔵装置101と同
様の電力貯蔵装置であり、二次電池12と、制御装置1
3とを有している。制御装置13には、商用電源11か
らの出力と二次電池12からの出力が入力され、電力測
定装置14で測定しながら、負荷15に電力を供給でき
るように構成されている。
【0052】二次電池12にはナトリウム硫黄電池が用
いられており、制御装置13は、夜間では、商用電源1
1から負荷15に電力を供給させると共に、二次電池1
2を充電させ、昼間は、図2のニューラルネットワーク
2が出力する負荷15の使用電力量の予測値に基いて二
次電池12を放電させ、商用電源11の昼間の負担が平
均化するように構成されている。
【0053】電力貯蔵装置1は、比較的大きな建築物に
設けられており、その建築物には、温度計と電力計とが
設けられており、その温度計を用い、1日の外気温が一
定時間毎に測定でき、また、電力計を用い、この建築物
の付属設備を負荷と見たときの電力使用量が一定時間毎
に測定できるように構成されている。ここで、過去の1
年分の外気温と使用電力の測定結果が日付と測定時刻に
対応付けて記録されているものとする。
【0054】この建築物内の各部屋は、電力使用能力に
よって、電力極大使用室、電力大使用室、電力中使用
室、電力小使用室の4種類に分類されており、各室の過
去1年分の使用状況が、日付と外気温及び電力使用量の
測定時刻に対応付けて記録されているものとする。
【0055】このニューラルネットワーク2は、入力層
21、隠れ層22、及び出力層23を有しており、入力
層21は第一層目であり、5個のユニットU1 1、U1 2
1 3、U1 4、U1 5で構成されている。
【0056】隠れ層22は二層構造になっており、入力
層21の次段の第二層目と、その次の第三層目は、それ
ぞれ6個のユニットで構成されている(第二層目は、ユ
ニットU2 1、U2 2、U2 3、U2 4、U2 5、U2 6で構成さ
れ、第三層目はユニットU3 1、U3 2、U3 3、U3 4
3 5、U3 6)。第三層目の次段は最終層の出力層23で
あり、これは1個のユニットU4 1で構成されている。
【0057】出力層23のユニットU4 1を除き、各ユニ
ットUnの出力は、次段の層のユニットUn+1の全部に出
力されており、他の層に飛び越して出力されていないも
のとする。各ユニットU間は上記(1)〜(3)式で結合さ
れおり、このニューラルネットワーク2では、閾値hを
含め、重み付け値Wの総個数Mは、 M = 6×5+6×6+6+(5+6+6+1)=90 となっている。
【0058】このニューラルネットワーク2は、平日の
電力使用量を予測するものであり、建築物の電力使用量
が多い8時から22時までの昼間に二次電池12を放電
させ、夜間に充電するものとする。
【0059】電力使用量の予測は1時間刻みに行うもの
とすると、8時、9時、10時、……21時の14個の
時刻に対応させ、ニューラルネットワーク2のM個の重
み付け値Wのファイルを14種類作成する。
【0060】それらのうちの、平日の8時から9時の間
の電力使用量を予測するためのニューラルネットワーク
2の重み付け値Wのファイルを作成する場合を説明す
る。先ず、重み付け値Wを乱数でM個発生させ、一列に
並べる(例えば、{W1,2 1, 1、W1,2 1,2、W1,2 1,3、…
…})。その重み付け値Wの組合せを1個の遺伝子とみ
なし、500個の遺伝子を発生させ、図3の符号30で
示す遺伝子プールに蓄える。
【0061】各遺伝子内の各重み付け値は、ニューラル
ネットワーク2のユニットU間の結合と1対1に対応づ
けられており、遺伝子プール30内に蓄えた各遺伝子の
示す重み付け値Wを用いて仮のニューラルネットワーク
を構成させる。
【0062】次に、過去1年分の外気温、各部屋の使用
状況、及び電力使用量のデータのうち、平日の8時にお
ける外気温の測定値の一年分のデータと、平日8時から
9時の間の各部屋の使用状況の一年分のデータと、その
8時から9時の間の(1時間)の各平日の電力使用量の一
年分のデータとを、それぞれ対応して抽出する。
【0063】抽出したデータのうち、各部屋の使用状況
と外気温は、過去の実際の電力使用条件であり、入力層
21の各ユニットU1 1〜U1 5に、電力極大使用室の使用
状況、電力大使用室の使用状況、電力中使用室の使用状
況、電力小使用室の使用状況、外気温をそれぞれ入力
し、出力層23のユニットU4 1から、入力した電力使用
条件に応じた使用電力の値を出力させる。
【0064】平日8時から9時の間の過去の電力使用量
のデータは、外気温と各部屋の使用状況を電力使用条件
としたときの、それぞれの電力使用条件に応じた実際の
電力使用量であるので、ユニットU4 1の出力値と比較
し、誤差を求める。
【0065】一つの遺伝子が示す重み付け値Wの組合せ
について、過去1年間の全ての平日の電力使用条件を入
力し、その電力使用条件に応じた値を出力させ、実際の
電力使用量との間の誤差を求め、一年間を平均する(例
えば最小二乗誤差)。
【0066】このような一年間の平均誤差を全部の遺伝
子について求め、各遺伝子のうちから誤差が小さかった
遺伝子を所望個数選び、2個ずつ交配させ、新たな遺伝
子を発生させる。この交配は、例えば、図3の符号4
1、42で示す2個の遺伝子の左側と右側複製した後、
つなぎ合わせることにより行い、この場合、交配によっ
て、親とは異なる遺伝子43が発生する(複製する左側
の割合と右側の割合は乱数により決める)。
【0067】また、誤差の小さい遺伝子を複製し、その
一部の重み付け値を乱数を用いて変更し、突然変異によ
る新たな遺伝子44を発生させる。
【0068】このように新たな遺伝子を発生させる際、
例えば、交配で発生させる遺伝子は240個、突然変異
によって発生させる遺伝子は10個とするように、発生
させる遺伝子の合計は一定値にする。
【0069】新たに発生させた遺伝子250個の示す重
み付け値Wを用い、それぞれの遺伝子に対応したニュー
ラルネットワーク2を形成させ、過去の電力使用条件を
入力し、電力使用量の予測値を出力させ、実際の電力使
用量との誤差を求める。元の遺伝子を含めた合計750
個の遺伝子のうちから、誤差の小さい遺伝子を上位50
0個だけ選別し、残りの遺伝子を淘汰させる。
【0070】上位500個の遺伝子は遺伝子プール30
に戻し、再度誤差の少ないもの同士を交配させ、また、
突然変異によって新たな遺伝子を発生させる。
【0071】新たに発生した遺伝子が示す重み付け値W
によって、それぞれニューラルネットワーク2を形成
し、出力値と実際の使用電力との誤差を求める。
【0072】遺伝子プール30内にある遺伝子を取り出
し、新たな遺伝子を含めた全部の遺伝子の中から、誤差
の小さい遺伝子を元の数(500個)だけ選別し、残りの
遺伝子を淘汰させる。
【0073】このような新たな遺伝子の発生と淘汰とを
繰り返し行うが、繰り返しが進むに連れ、交配により発
生させる遺伝子の個数を減らし、その分、突然変異によ
って発生させる遺伝子の個数を増加させる。
【0074】新たな遺伝子の発生と淘汰を、所定回数
(例えば1500回)だけ繰り返し行った後、最後に、最
も誤差の小さい遺伝子が示す重み付け値Wを採用し、初
期状態のニューラルネットワーク2を形成する。
【0075】このときのニューラルネットワーク2は、
対応した時刻(8時から9時)の将来の電力使用量をある
程度正確に予測できるようになっているが、上述した誤
差逆伝播法(バックプロパゲーション)を用い、更に誤差
を小さくする。
【0076】先ず、8時の電力使用条件のうち、1年の
最初の1日のデータを入力層21のユニットU1 1〜U1 4
に入力し、出力層23のユニットU4 1から電力使用量の
予測値を出力させる。その予測値と実際の電力使用量と
の誤差を求め、誤差逆伝播法によって重み付け値の修正
を繰り返し行い、誤差が所望値以下になったところで一
旦誤差逆伝播法を終了させる。
【0077】そのニューラルネットワークに次の日の8
時の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値を出力
させ、その予測値とその日の実際の電力使用量との誤差
を求め、誤差逆伝播法によって重み付け値の修正を繰り
返し行い、誤差が所望値以下になったところで、一旦終
了させる。
【0078】このように、過去1年間の平日について、
順次1日づつ8時から9時の間の電力使用量の予測値を
求め、誤差逆伝播法による重み付け値の修正を行う。最
後の1日の電力使用条件と実際の電力使用量とを用いて
重み付け値Wの修正を行った後、その重み付け値Wによ
るニューラルネットワークに、過去1年間の最初の日か
ら最後の日までの電力使用条件を入力し、電力使用量の
予測値を出力させ、実際の電力使用量との誤差を求め、
誤差の平均値を求める。その誤差の平均値が所定値より
も小さい場合には、そのニューラルネットワークは完成
したものとし、逆に、所定値よりも大きかった場合は、
過去1年の最初の1日目に戻り、最後の日までの誤差逆
伝播法による重み付け値の修正を繰り返し行う。この作
業は、1年間の誤差の平均値が所定値以下になるまで繰
り返し行う。
【0079】このようにして完成された重み付け値W
は、平日の8時から9時の電力使用量を予測するために
用いられるものであり、その重み付け値Wは、平日8時
のニューラルネットワーク2の重み付け値のファイル2
1として保存する。
【0080】次に、平日9時から10時の電力使用量を
予測するための重み付け値Wを求めるために、再度乱数
によって500個の遺伝子を発生させ、各遺伝子によっ
てニューラルネットワークを形成させる。
【0081】8時から9時の間の重み付け値Wの初期値
を求めたのと同様に、平日の9時の過去1年分の外気
温、及び平日9時から10時の間の各部屋の使用状況を
ユニットU1 1〜U1 5に入力し、ユニットU4 1から電力使
用量の予測値を出力させ、実際の電力使用量との誤差を
求める。
【0082】そして、上記と同様に、誤差の少ない遺伝
子の交配と、突然変異とによって新たな遺伝子を発生さ
せ、繰り返し淘汰させる。
【0083】所定回数だけ繰り返した後、最も誤差の少
ない遺伝子が示す重み付け値Wを採用し、ニューラルネ
ットワーク2の初期状態を形成し、上述のように、9時
の電力使用条件と実際の電力使用量とを用い、誤差逆伝
播法によって繰り返し重み付け値Wを修正し、1年間の
誤差の平均値が所定値よりも小さくなったところで、平
日9時の電力使用量の予測に用いるニューラルネットワ
ーク2の重み付け値Wのファイル22が完成する。
【0084】このように、遺伝子の発生と淘汰により、
8時から22時の各時点でのニューラルネットワーク2
の初期状態を形成し、次いで、誤差逆伝播法によって、
各時点のニューラルネットワーク2の重み付け値Wを一
年間に亘って修正すると、制御装置12内には、図4に
示すように、8時から22時の各時刻の電力使用量の予
測に用いるニューラルネットワーク2の重み付け値Wの
ファイル21〜214が蓄積される。
【0085】その制御装置12を有する電力貯蔵装置1
02を運転する場合には、予め、運転開始の8時から運
転終了の22時までの各部屋の使用状況の予定と外気温
の予報値とを1時間刻みで取得し、各時刻に対応する重
み付け値Wのファイル21〜214を適用したニューラル
ネットワーク2のユニットU1 1〜U1 5に、各時刻に対応
する部屋の使用状況の予定と外気温の予報値とを入力
し、8時から9時の間の電力使用量の予測値を1時間刻
みで出力させる。
【0086】すると、8時から22時の間の電力使用量
の合計値が求まるので、二次電池12に蓄積された電力
量を効率よく配分し、商用電源から負荷への電力供給量
が上限値を超えないように、二次電池12の放電特性を
決めることができる。
【0087】図5に示すグラフのヒストグラムLAは、
電力使用量の予測値であり、二次電池12の放電スケジ
ュールをヒストグラムLBのようにすると、商用電源1
1の電力供給負担が平均化される。この場合は、商用電
源11の電力供給量は、LA−LB(=A)である。実際の
電力使用量は、符号Pで示すように、曲線となる。
【0088】実際の負荷が、予測値よりも重くなった場
合には、電力測定装置14が負荷変動を検出し、制御装
置13に信号を送信して商用電源11からの供給電力量
を増加させて対応するが、本発明の電力貯蔵装置1によ
れば電力使用量の予測値が正確なので、実際の負荷は予
測値から大きくかけ離れて変動することがないので、商
用電源11から供給される電力が、上限値を超えること
はない。
【0089】負荷が短時間だけピーク的に増加した場合
には、二次電池12から電力を供給させ、電力貯蔵量が
減った分だけ、それ以後の二次電池12の放電特性を再
配分してもよい。
【0090】以上説明したように、本発明の電力貯蔵装
置1によれば、商用電源11の負担が上限値を超えるこ
となく平均化され、また、二次電池12を効率よく使用
することができる。
【0091】上記実施形態は、平日の場合について説明
したが、休日についても、9時から22時の重み付け値
Wのファイルを14個作成し、電力使用量の予測値を求
め、商用電源11の負担を軽減することができる。
【0092】また、電力使用条件に季節を含めたり、ま
たは、季節毎に異なる重み付け値Wのファイルを作成し
てもよい。
【0093】なお、1日の運転が終了したら、その日の
電力使用条件と電力使用量を、1年前の教師信号に替
え、再度誤差逆伝播法を用いて重み付け値Wの誤差を修
正するようにしてもよい。
【0094】
【発明の効果】電力使用量を正確に予測できるので、商
用電源の負担が上限値を超えずに平均化させることがで
きる。二次電池を効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力貯蔵装置の一実施形態を示すブロ
ック図
【図2】その電力貯蔵装置に設けられたニューラルネッ
トワークを説明するための図
【図3】そのニューラルネットワークの初期状態を決め
るための遺伝子的手法を説明するための図
【図4】完成した重み付け値のファイルが制御装置内に
蓄積された状態を説明するための概念図
【図5】本発明の電力貯蔵装置の運転方法を説明するた
めのグラフ
【図6】遺伝的手法を用いた場合と用いない場合の収束
速度を比較したグラフ(条件を収束度0.0015にし
た場合)
【図7】遺伝的手法を用いた場合と用いない場合の収束
速度を比較したグラフ(条件を収束度0.01にした場
合)
【図8】従来の電力貯蔵装置のブロック図
【図9】ニューラルネットワークの内部状態を説明する
ための図
【図10】(a):入力層から出力層に向けてのニューラ
ルネットワーク内の信号の伝播状態を説明するための図 (b):誤差逆伝播法を用いたときの、出力層から入力層
へ向けて伝播される信号を説明するための図
【符号の説明】
1……電力貯蔵装置 2……ニューラルネットワーク
11……商用電源 12……二次電池 13……制御装置 15……負
荷 W……重み付け値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日▲高▼ 鉄義 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会社 エヌ・ティ・ティファシリティーズ内 (72)発明者 中田 和美 東京都港区芝浦三丁目4番1号 株式会社 エヌ・ティ・ティファシリティーズ内 (72)発明者 鈴木 修 埼玉県飯能市南町10番13号 新電元工業株 式会社飯能工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負荷の電力使用量が少ない時間帯に、商用
    電源によって充電される二次電池と、 予め、ユニットの配列とユニット同士の結合が設定され
    たニューラルネットワークが設けられた制御装置とを有
    し、 前記ユニット間の重み付け値は、前記ニューラルネット
    ワークに将来の電力使用条件が入力されると、その電力
    使用条件に応じた電力使用量の予測値を出力するように
    設定され、 前記制御装置は、前記負荷の電力使用量が多い時間帯に
    は、前記電力使用量の予測値に基いて前記二次電池を放
    電させ、前記商用電源の負担を軽減させるように構成さ
    れた電力貯蔵装置であって、 前記重み付け値を設定する際には、前記各ユニット間の
    重み付け値の組合せを複数用意し、 各組合せを遺伝子とみなし、各遺伝子間の交配と遺伝子
    の突然変異によって新たな遺伝子を発生させ、新たな遺
    伝子と元の遺伝子のそれぞれの遺伝子が示す重み付け値
    の組合せに応じて、それぞれ仮のニューラルネットワー
    クを形成し、 前記仮のニューラルネットワークに過去の電力使用条件
    に応じた電力使用量の予測値を出力させ、過去の実際の
    電力使用量と比較して求めた誤差の小さい遺伝子を所望
    個数選別して淘汰させ、 再び交配と突然変異によって新たな遺伝子を発生させ、
    新たな遺伝子が示す重み付け値の組合せに応じて仮のニ
    ューラルネットワークを形成して誤差を求め、選別した
    遺伝子を含めて誤差の小さい遺伝子を所望個数選別し直
    して淘汰させる作業を繰り返し行い、 その結果、誤差の小さい優秀な遺伝子を採用し、その遺
    伝子が示す重み付け値の組合せを初期状態のニューラル
    ネットワークの各ユニット間の重み付け値とし、 前記過去の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値
    を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた
    誤差を誤差逆伝播法によって前記各ユニットに伝播させ
    て重み付け値を修正し、 再び過去の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値
    を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた
    誤差を、前記誤差逆伝播法によって各ユニットに伝播さ
    せ、重み付け値を修正する作業を繰り返し行い、 前記将来の電力使用条件が入力されると、将来の電力使
    用量を予測するニューラルネットワークの重み付け値が
    設定されたことを特徴とする電力貯蔵装置。
  2. 【請求項2】前記新たな遺伝子の発生と遺伝子の選別を
    繰り返す際、繰り返しの初期は、交配によって発生する
    遺伝子を多くし、繰り返しの終期では、突然変異によっ
    て発生する遺伝子を多くしたことを特徴とする請求項1
    記載の電力貯蔵装置。
  3. 【請求項3】前記ニューラルネットワークの重み付け値
    は、前記負荷の使用電力が多い時間帯の複数時刻に対応
    させて複数設定され、各時刻の電力使用量の予測値を出
    力できるように構成されていることを特徴とする請求項
    1又は請求項2のいずれか1項記載の電力貯蔵装置。
  4. 【請求項4】前記ニューラルネットワークの重み付け値
    は、前記過去の電力使用条件と実際の電力使用量のう
    ち、休日の電力使用条件と休日の実際の電力使用量とか
    ら形成された休日用重み付け値と、平日の電力使用条件
    と平日の実際の電力使用量とから構成された平日用重み
    付け値とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれか1項記載の電力貯蔵装置。
  5. 【請求項5】前記電力使用条件には、少なくとも季節を
    示す条件が含まれていることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれか1項記載の電力貯蔵装置。
  6. 【請求項6】前記商用電源と前記二次電池とが電力を供
    給する負荷が、建築物内の部屋に設けられた電気的設備
    を含む場合には、 前記電力使用条件には、少なくとも建築物内の複数の部
    屋の使用状況が含まれていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいずれか1項記載の電力貯蔵装置。
  7. 【請求項7】負荷の電力使用量が少ない時間帯に商用電
    源によって充電される二次電池と、 予め決定された重み付け値でユニット間が結合されたニ
    ューラルネットワークが設けられた制御装置とを有し、 予め、ユニットの配列とユニット同士の結合が設定され
    たニューラルネットワークが設けられた制御装置とを有
    し、 前記ユニット間の重み付け値は、前記ニューラルネット
    ワークに将来の電力使用条件が入力されると、その電力
    使用条件に応じた電力使用量の予測値を出力するように
    設定され、 前記制御装置は、前記負荷の電力使用量が多い時間帯に
    は、前記電力使用量の予測に基いて前記二次電池を放電
    させ、前記商用電源の負担を軽減させるように構成され
    た電力貯蔵装置を運転する電力貯蔵装置の運転方法であ
    って、 前記重み付け値を設定する際には、前記各ユニット間の
    重み付け値の組合せを複数用意し、 各組合せを遺伝子とみなし、各遺伝子間の交配と遺伝子
    の突然変異によって新たな遺伝子を発生させ、新たな遺
    伝子と元の遺伝子のそれぞれの遺伝子が示す重み付け値
    の組合せに応じて、それぞれ仮のニューラルネットワー
    クを形成し、 前記仮のニューラルネットワークに過去の電力使用条件
    に応じた電力使用量の予測値を出力させ、過去の実際の
    電力使用量と比較して求めた誤差の小さい遺伝子を所望
    個数選別して淘汰させ、 再び交配と突然変異によって新たな遺伝子を発生させ、
    新たな遺伝子が示す重み付け値の組合せに応じて仮のニ
    ューラルネットワークを形成して誤差を求め、選別した
    遺伝子を含めて誤差の小さい遺伝子を所望個数選別し直
    して淘汰させる作業を繰り返し行い、 その結果、誤差の小さい優秀な遺伝子を採用し、その遺
    伝子が示す重み付け値の組合せを初期状態のニューラル
    ネットワークの各ユニット間の重み付け値とし、 前記過去の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値
    を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた
    誤差を誤差逆伝播法によって前記各ユニットに伝播させ
    て重み付け値を修正し、 再び過去の電力使用条件を入力して電力使用量の予測値
    を出力させ、過去の実際の電力使用量と比較して求めた
    誤差を、前記誤差逆伝播法によって各ユニットに伝播さ
    せ、重み付け値を修正する作業を繰り返し行い、 前記将来の電力使用条件を入力すると、将来の電力使用
    量を予測できるようにニューラルネットワークの重み付
    け値を設定したことを特徴とする電力貯蔵装置の運転方
    法。
  8. 【請求項8】前記新たな遺伝子の発生と遺伝子の選別を
    繰り返す際、繰り返しの初期は、交配によって発生する
    遺伝子を多くさせ、繰り返しの終期では、突然変異によ
    って発生する遺伝子を多くさせて構成したニューラルネ
    ットワークを用いることを特徴とする請求項7記載の電
    力貯蔵装置の運転方法。
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