JPH094599A - 遠心圧縮機のケーシング構造 - Google Patents

遠心圧縮機のケーシング構造

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JPH094599A
JPH094599A JP15612195A JP15612195A JPH094599A JP H094599 A JPH094599 A JP H094599A JP 15612195 A JP15612195 A JP 15612195A JP 15612195 A JP15612195 A JP 15612195A JP H094599 A JPH094599 A JP H094599A
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Tatsuto Murakami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特殊な材料を用いることなく、高い使用圧力
・使用温度において、ケーシングの変形を小さく抑える
ことができ、これにより、インペラのチップクリアラン
スを常に小さくし、コストの低減と性能の向上を図るこ
とができるガスタービン用遠心圧縮機のケーシング構造
を提供する。 【構成】 第1及び第2のインペラ5a,5bと、これ
らのインペラを囲むケーシング12とからなる。ケーシ
ングは、第1インペラで圧縮された空気を第2インペラ
に供給するリターン部13と、第2インペラのベーン部
分を囲む第2シュラウド部14と、第2インペラで圧縮
された空気を半径方向外方に流す第2ディフューザ部1
5とを有する。更に、軸方向に延びその両端が第2シュ
ラウド部とリターン部に連結されたインナーサポート1
6と、軸方向に延びその両端が第2ディフューザ部とリ
ターン部に連結されたアウターチャンネル17とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン用の2段
遠心圧縮機に係わり、更に詳しくは、遠心圧縮機のケー
シング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンは、図4に模式的に示すよ
うに、空気圧縮機、燃焼器、及びタービンで構成され、
空気を空気圧縮機で圧縮し、この圧縮空気を用いて燃焼
器で燃料を燃焼させ、この燃焼ガスでタービンを駆動
し、この駆動力の一部で圧縮機を駆動すると共に、外部
負荷(発電機、プロペラ、等)を駆動するようになって
いる。
【0003】かかるガスタービン用空気圧縮機には、図
5に模式的に示す2段遠心圧縮機が従来から用いられて
いる。この2段遠心圧縮機1は、タービンにより回転駆
動されるロータ4に軸方向に直列に取付けられた2つの
インペラ5a,5bと、このインペラを囲むケーシング
6とからなる。インペラは、円板状の主板とこれに取付
けられた複数の羽根からなり、ケーシング6は、羽根部
を囲むシュラウド部6aと、インペラで圧縮された空気
を半径方向外向きに流すディフューザ部6bと、この流
れを半径方向内方の流れに戻すリターン部6cと、から
なる。リターン部6cは、2段遠心圧縮機の場合には、
1段目インペラ5aと2段目インペラ5bの間に設けら
れ、1段目インペラ5aで圧縮した空気を2段目インペ
ラ5bの内側に供給する役割を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービン用の2段
空気圧縮機では、2段目インペラ5bで圧縮された空気
は高温高圧になる。また、図4に示すように、各インペ
ラをケーシング内に組み込むために、ケーシングが複数
の部分に分割されており、特に、1段目と2段目のケー
シング内端は、単に嵌め合いで連結されているにすぎな
い。そのため、2段目圧縮機が圧力,温度共に上述した
厳しい環境に曝されると、ケーシング自体の温度分布と
前後の圧力差により複雑な変形を起こし、2段目インペ
ラのチップクリアランスが大きくなったり、部分的にラ
ビング(擦れ)を起こし、圧縮性能を大幅に低下させる
問題点があった。
【0005】そのため、従来は、2段目ケーシングに熱
膨張係数の小さい材料を使用する等、により、2段目イ
ンペラのチップクリアランスを小さくし、かつ使用圧力
及び温度を低く設定していたが、このため特殊材料の材
料及び加工コストが高く、かつ構造上の制約が大きく、
圧縮機の性能向上が図れない問題点があった。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、特殊
な材料を用いることなく、高い使用圧力・使用温度にお
いて、ケーシングの変形を小さく抑えることができ、こ
れにより、インペラのチップクリアランスを常に小さく
し、コストの低減と性能の向上を図ることができる遠心
圧縮機のケーシング構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、円板状
の主板とこれに取付けられた複数の羽根からなり同軸上
で回転する第1及び第2のインペラと、これらのインペ
ラを囲むケーシングとからなり、該ケーシングは、第1
インペラで圧縮された空気を第2インペラに供給するリ
ターン部と、第2インペラの羽根部を囲むシュラウド部
と、第2インペラで圧縮された空気を半径方向外向きに
流すディフューザ部と、を有するガスタービン用遠心圧
縮機のケーシング構造において、軸方向に延びその両端
が前記シュラウド部とリターン部に連結されたインナー
サポートと、軸方向に延びその両端が前記ディフューザ
部とリターン部に連結されたアウターサポートとを備え
た、ことを特徴とする遠心圧縮機のケーシング構造が提
供される。
【0008】本発明の好ましい実施例によれば、前記イ
ンナーサポートとアウターサポートは、リング状に形成
されている。
【0009】
【作用】上述した本発明の構成によれば、軸方向に延び
たインナーサポートとアウターサポートを備えており、
その両端は、インナーサポートは2段目のシュラウド部
と1段目のリターン部に連結され、アウターサポートは
2段目のディフューザ部と1段目のリターン部に連結さ
れているので、内側のインナーサポートにより、1,2
段間のケーシングの軸方向変位を抑制することができ、
外側のアウターサポートにより、このサポートを弾性範
囲内で撓ませることにより1,2段間の半径方向変位を
吸収して熱応力の発生を防ぎ、併せて、インペラ外周部
のクリアランスを均一に保持することができる。
【0010】すなわち、外側のアウターサポートは、2
段目ケーシングが半径方向に移動する際の案内として機
能し、内側のインナーサポートは1段目ケーシングに対
して2段目ケーシングが圧力,温度により軸方向へ変位
するのを抑制する。従って、2段目インペラを囲むケー
シングは、安定した変位(面の倒れを含まない)を保
ち、適切なクリアランスを保つことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、各図において、共通する部分には
同一の符号を付して使用する。図1は、本発明によるケ
ーシング構造を備えたガスタービン用遠心圧縮機の部分
構成図である。この図において、遠心圧縮機は、2段遠
心圧縮機10であり、第1インペラ5a及び第2インペ
ラ5bと、これらのインペラを囲むケーシング12とか
らなる。インペラ5a,5bは、円板状の主板とこれに
取付けられた複数の羽根からなり、同軸上で回転するよ
うになっている。
【0012】また、ケーシング12は、第1インペラ5
aで圧縮された空気を第2インペラ5bに供給するリタ
ーン部13と、第2インペラ5bの羽根部を囲むシュラ
ウド部(第2シュラウド部14)と、第2インペラ5b
で圧縮された空気を半径方向外向きに流すディフューザ
部(第2ディフューザ部15)と、を有している。な
お、この図で、7,8は、それぞれ第1シュラウド部,
第1ディフューザ部である。
【0013】更に、図1において、本発明のガスタービ
ン用遠心圧縮機のケーシング構造では、軸方向にそれぞ
れ延びたインナーサポート16と、アウターサポート1
7を備えている。インナーサポート16は、その両端が
第2シュラウド部14とリターン部13に連結され、ア
ウターサポート17は、その両端が第2ディフューザ部
15とリターン部13に連結されている。なお、この図
では、インナーサポート16はリターン部13と一体に
形成されているが、本発明はこれに限定されず、別々に
構成してもよい。また、この実施例ではインナーサポー
ト16とアウターサポート17は、リング状に形成さ
れ、十分な剛性と気密性を確保している。このアウター
サポート17により、第2インペラ5bで圧縮され燃焼
器(図示せず)に供給される加圧空気2のリターン部1
3と第2ディフューザ部15の間の隙間への逆流を防止
することができる。
【0014】図2は、図1に示した2段遠心圧縮機の熱
変形の解析結果であり、図3は、従来のケーシング構造
における同様の熱変形解析結果である。図2及び図3
は、同スケールで示されている。また、図2及び図3に
おいて、破線は変形前、実線は変形後を示している。図
3から、従来のケーシング構造(図3)では、2段目の
第2シュラウド部14と、第2ディフューザ部15の軸
方向変位が大きく、2段目インペラのチップクリアラン
スが大きくなったり、部分的にラビング(擦れ)を起こ
す可能性がある。これに対して、本発明のケーシング構
造(図2)では、2段目の第2シュラウド部14と、第
2ディフューザ部15の軸方向変位が小さく、かつ全体
がほぼ均一に軸方向に変位しており、2段目インペラを
囲むケーシングを、安定した変位(面の倒れを含まな
い)に保ち、適切なクリアランスを保つことができるこ
とがわかる。
【0015】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。
【0016】
【発明の効果】上述したように本発明の構成によれば、
内側のインナーサポートにより、1,2段間のケーシン
グの軸方向変位を抑制することができ、外側のアウター
サポートにより、このサポートを弾性範囲内で撓ませる
ことにより1,2段間の半径方向変位を吸収して熱応力
の発生を防ぎ、併せて、インペラ外周部のクリアランス
を均一に保持することができる。すなわち、外側のアウ
ターサポートは、2段目ケーシングが半径方向に移動す
る際の案内として機能し、内側のインナーサポートは1
段目ケーシングに対して2段目ケーシングが圧力,温度
により軸方向へ変位するのを抑制する。従って、2段目
インペラを囲むケーシングは、安定した変位(面の倒れ
を含まない)を保ち、適切なクリアランスを保つことが
できる。
【0017】従って、本発明の遠心圧縮機のケーシング
構造は、特殊な材料を用いることなく、高い使用圧力・
使用温度において、ケーシングの変形を小さく抑えるこ
とができ、これにより、インペラのチップクリアランス
を常に小さくし、コストの低減と性能の向上を図ること
ができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるケーシング構造を備えた遠心圧縮
機の部分構成図である。
【図2】図1に示した2段遠心圧縮機の熱変形の解析結
果である。
【図3】従来のケーシング構造における熱変形解析結果
である。
【図4】ガスタービンの模式図である。
【図5】2段遠心圧縮機の従来のケーシング構造図であ
る。
【符号の説明】
1 空気圧縮機(2段遠心圧縮機) 2 加圧空気 4 ロータ 5a 1段目インペラ(第1インペラ) 5b 2段目インペラ(第2インペラ) 6 ケーシング 6a シュラウド部 6b ディフューザ部 6c リターン部 7 第1シュラウド部 8 第1ディフューザ部 10 2段遠心圧縮機 12 ケーシング 13 リターン部 14 第2シュラウド部 15 第2ディフューザ部 16 インナーサポート 17 アウターサポート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の主板とこれに取付けられた複数
    の羽根からなり同軸上で回転する第1及び第2のインペ
    ラと、これらのインペラを囲むケーシングとからなり、
    該ケーシングは、第1インペラで圧縮された空気を第2
    インペラに供給するリターン部と、第2インペラの羽根
    部を囲むシュラウド部と、第2インペラで圧縮された空
    気を半径方向外向きに流すディフューザ部と、を有する
    ガスタービン用遠心圧縮機のケーシング構造において、 軸方向に延びその両端が前記シュラウド部とリターン部
    に連結されたインナーサポートと、軸方向に延びその両
    端が前記ディフューザ部とリターン部に連結されたアウ
    ターサポートとを備えた、ことを特徴とする遠心圧縮機
    のケーシング構造。
  2. 【請求項2】 前記インナーサポートとアウターサポー
    トは、リング状に形成されている、ことを特徴とする請
    求項1に記載の遠心圧縮機のケーシング構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102691666A (zh) * 2012-06-20 2012-09-26 湖南航翔燃气轮机有限公司 双级离心压气装置
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