JPH0945015A - ディジタル磁気記録再生装置 - Google Patents

ディジタル磁気記録再生装置

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JPH0945015A
JPH0945015A JP19445395A JP19445395A JPH0945015A JP H0945015 A JPH0945015 A JP H0945015A JP 19445395 A JP19445395 A JP 19445395A JP 19445395 A JP19445395 A JP 19445395A JP H0945015 A JPH0945015 A JP H0945015A
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JP19445395A
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English (en)
Inventor
Naoya Kobayashi
直哉 小林
Takashi Moriyasu
隆 森安
Wataru Sakurai
亘 櫻井
Seiichi Mita
誠一 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】トレリス構造の対称性に着目し、トレリス
線図を上下方向に半分に折り返したものを新たなトレリ
ス線図とする。MLSE部は前記折り返されたトレリス
線図に基づき最尤復号処理を行う。 【効果】最尤復号の回路規模(尤度計算、ACS、パス
メモリ)を従来の半分に削減することができる。このた
め、LSIの低消費電力化も達成できる。特に、d=1
または2符号を用いたEPR4、EEPR4、MEPR
4チャネルにおいては、ACS状態数をそれぞれ4から
2、6から3、6から3に削減できる。また、状態数の
より多い一般のパーシャルレスポンスチャネル(EnP
R4、n>2)についても、従来の半分の回路規模で最
尤復号処理を実現できる。更に本発明は、EPR4チャ
ネルにおいてNRZIプリコーダを用いることにより、
任意の記録符号化方式を適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録に適する磁
気ディスク装置等のディジタル磁気記録再生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置等の高密度記録を実現
する方式として近年、PRML(Partial Re
sponse Maximum Likelihoo
d)に基づく信号処理技術の適用が盛んに検討されてお
り、磁気ディスクでは既に実用化されるに至っている。
PRML方式は周知のようにPR4(Partial
Response Class IV)において生じる
既知の符号間干渉を利用し、その相関関係より2状態ビ
タビ復号による最尤復号を行うものである。
【0003】さらに最近では、PRMLよりも更に高密
度記録が可能な次世代ディジタル磁気記録信号処理方式
として、EPR4(Extended Partial
Response Class IV)、EEPR4
(Extended EPR4)、MEPR4(Mod
ified EPR4)と呼ばれる等化方式(詳細は後
述)が注目され、一部検討が開始されている。これらの
PRチャネルは、PR4チャネルと比べて信号間の最小
ユークリッド距離が大きくなるために、最尤復号に際し
て等化信号系列の雑音に対する余裕度が高くなる半面、
チャネル状態数が増え(EPR4で8、EEPR4及び
MEPR4で16)、復号の処理が急速に複雑になる。
すなわち、最尤復号ではACS(Add、Compar
e、Select:加算、比較、選択)と呼ばれる処理
が大半を占め、これを全状態について演算するために、
状態数が増えると回路規模は膨大になる。
【0004】上記問題を解決するための有効な一手法と
して、ACSにおける状態数を削減することが考えられ
る。例えばEPR4において状態数を減らすための従来
技術に、”A New Digital Signal
Processing Channel for D
ata Storage Products、”IEE
E、Transactions on Magneti
cs、Vol.27、No.6、pp.4579−458
4、November 1991 に記載された方式が
ある。この方式では、EPR4を(1、7)RLL符号
及びNRZI符号と組み合せることで符号変移の特殊性
を利用し、記録波形のレベル変動が連続して起こらない
ようにすることによって状態遷移に制限を与え、状態数
を8から6に縮退させている。また、6状態の中の2状
態については遷移するパスが一本となるため、実質的に
ACSを行う状態数を4とすることが可能である。
【0005】図5に、上記記録符号化によるディジタル
磁気記録再生装置の構成を示す。図において、記録デー
タik(kは時刻)は記録符号化部10で符号化され、
符号化データik'となる。該記録符号化部10は
(1、7)RLL符号である。ik'はプリコーダ11
でプリコードされる。前記プリコーダ出力bkは記録電
流発生部においてbk=1に対してはハイレベル(ak
=1)、bk=0に対してはローレベル(ak=−1)
を対応させ、この時に発生する記録電流値akの向きに
よって磁気ディスク等の磁気記録媒体上の磁化を行う。
前記記録電流発生部の出力は、記録信号として記録アン
プ13に入力され、記録ヘッド14を介し、磁気記録媒
体15に記録される。以上が記録側の処理である。
【0006】一方、再生側では、再生ヘッド16、再生
アンプ17を介し、磁気記録媒体15より記録信号を再
生する。再生信号はA/D(Analog to Di
gital)変換器18によりディジタル信号に変換さ
れた後、波形等化器19に入力され、PR等化がなされ
る。これは、該再生ヘッド16から波形等化器19まで
を1つの伝送チャネルと見做した時のインパルス応答が
図8に示すような波形となるようにするものである。図
8はそれぞれ(a)EPR4、(b)EEPR4、
(c)MEPR4の各チャネルを示す典型的な応答波形
であり、サンプル時刻T毎に黒丸で示した振幅値がイン
パルス列として出力される。該等化器出力はサンプル時
刻T毎にMLSE(Maximum Likeliho
od Sequence Estimaton)部20
aに入力され、最尤復号される。ACSにより得られた
生き残りパスは、該MLSE部20a内データ復号部
(図7参照)でパスメモリの更新に利用され、これを一
定期間(パス打切り長)分遡ることにより符号化データ
ik'を復号する。ik'は記録復号部21で記録復号化
され、再生データikを得る。図7に、記録符号として
(1、7)RLL符号を用いたEPR4チャネルを例と
した場合における最尤復号部の従来構成例を、また図6
に、前記(1、7)RLL符号を用いたEPR4チャネ
ルのトレリス線図を示す。図6において、S0k−1、
S1k−1、S3k−1、S4k−1、S6k−1、S
7k−1は、それぞれ時刻k−1におけるチャネルの状
態を表しており、各々−−−、−−+、−++、+−
−、++−、+++(+、−は記録電位)に対応してい
る。ここでは(1、7)RLL符号の制約条件(1の次
に必ず少なくとも1個の0(最大連続数は7))によ
り、状態S2k−1(−+−)及びS5k−1(+−
+)が縮退されている。ak/ykは、記録電位入力に
対する等化出力値を示す。例えば状態S3k−1におい
て+が入力された場合、等化出力は2となり、状態はS
7kに遷移する。トレリス上の各パスに示されている値
(0または1)は、そのパスにおける復号データik'
を表している。
【0007】さて、図7において波形等化出力ykが尤
度計算部701に入力されると、5つの候補値−4、−
2、0、2、4に対するパス尤度が計算される。パス尤
度は、ykと前記候補値との差を2乗したものでり、こ
の値が小さいほどその候補値の受信確率が高いことにな
る。これらは図に示すように加算器53及び乗算器54
で実現される。前記パス尤度はACS演算部702に入
力され、各状態(EPR4では状態数は6)において、
所定の加算、比較、選択処理がなされる。すなわちよく
知られているように、図6のトレリス線図に基づいて、
1時刻前の状態尤度(メモリ57aに記憶されているS
0k−1、S1k−1及びS6k−1、S7k−1)と
前記パス尤度とが加算器53で加算され、その大小が比
較器56で比較され、小さい(尤度の大きな(より確か
らしい))方のパスが選択される。前記ACSの結果、
選択された方の各状態尤度はそれぞれのメモリ57(S
0k、S1k及びS6k、S7k)に新たに記憶され、
同時に生き残りパス情報(C0、C1、C2、C3)が
データ復号部703に出力され、内部メモリに記憶され
る。前記C0、C1、C2、C3は、図6のトレリス線
図において上側のパスを選択する場合は1、下側のパス
を選択する場合は0となる。S3k−1、S4k−1に
ついては、パスが1本であるために比較器は存在せず、
それぞれ4及びー4に対するパス尤度が加算され、その
結果がS3k、S4kに記憶される。メモリ57からメ
モリ57aへのシフトは、例えば図7の装置内動作クロ
ックの立ち上がりエッジで行われ、ラッチされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の処理はEPR4
チャネルの場合であるが、EEPR4、MEPR4チャ
ネルの場合も同様に構成できる。しかし、チャネル状態
数がEPR4より更に増え((1、7)RLL符号を用
いても10状態)、ACS演算を行う回路構成は複雑化
する。
【0009】このように従来技術では、EPR4、EE
PR4またはMEPR4チャネルに対し(1、7)RL
L符号により状態数を縮退させても、それぞれ4状態、
6状態についてACSを行わなければならず、2状態A
CSで最尤復号処理を実現できる現行のPRMLと比較
すると2倍以上の回路規模となってしまい、消費電力も
高くなるという問題がある。
【0010】本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、よ
り小さなハードウェア規模で最尤復号処理を実現可能な
高密度ディジタル磁気記録再生装置を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、EPR4及びEEPR4チャネルにおける
トレリス構造の対称性に着目し、入力ディジタル信号を
記録符号化する手段と、前記符号をNRZI(Non
Return to Zero Inverted)に
よるプリコードを行う手段と、前記プリコード出力信号
を磁気記録媒体に記録し、記録した信号を再生する磁気
記録再生手段と、前記磁気記録再生手段からの再生アナ
ログ信号をディジタル信号に変換し、パーシャルレスポ
ンス応答波形に等化する手段と、前記等化出力値より最
尤復号を行う手段と、前記最尤復号結果を記録復号化し
てもとのデータを再生する手段とで構成されるディジタ
ル磁気記録再生方式において、前記最尤復号手段を、前
記等化出力の絶対値を取る手段と、これにより前記等化
出力の正の値のみに対応するチャネル構造、すなわち前
記パーシャルレスポンスで規定されるトレリス線図を上
下半分に折り返し、本来の状態数を半分に縮退した等価
的なチャネル構造、に基づいてパス尤度を計算する手
段、加算、比較、選択処理を行う手段、及び前記加算、
比較、選択処理により得られた生き残りパス情報に基づ
いて、一定期間過去に遡ったパスに対応するデータを復
号する手段とを設け、磁気記録再生装置を構成する。
【0012】
【作用】本発明は上記構成において、NRZIによるプ
リコードを行う手段と等化出力の絶対値を取る手段によ
り、等化出力の正の値のみに対応するチャネル構造、す
なわち前記パーシャルレスポンスで規定されるトレリス
線図を上下半分に折り返し、本来の状態数を半分に縮退
した等価的なチャネル構造を形成し、この簡易化された
チャネル構造に基づいてパス尤度を計算し、加算、比
較、選択処理を行う。NRZI符号では、データが1の
時のみ記録電位が変動するため、トレリス上の状態遷移
パスに対応する復号データは上下対称の関係となる。従
って、等化出力値の符号によらずにデータは完全に一致
し、上下半分に折り返した縮退構造のトレリス線図によ
る最尤復号が可能となる。これにより、復号に要する回
路規模は従来の半分に削減される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すディジ
タル磁気記録再生装置の構成である。図において、記録
データik(kは時刻)は記録符号化部10で(1、
7)RLL符号化され、符号化データik'となる。i
k'はプリコーダ11でプリコードされる。該プリコー
ダではNRZI変換を行い、該符号化データik'が1
の時のみbkは0から1または1から0に変化する。プ
リコーダ出力bkは記録電流発生部においてbk=1に
対してはハイレベル(ak=1)、bk=0に対しては
ローレベル(ak=−1)を対応させ、この時に発生す
る記録電流値akの向きによって磁気ディスク等の磁気
記録媒体上の磁化を行う。前記記録電流発生部の出力
は、記録信号として記録アンプ13に入力され、記録ヘ
ッド14を介し、磁気記録媒体15に記録される。以上
が記録側の処理である。
【0014】一方、再生側では、再生ヘッド16、再生
アンプ17を介し、磁気記録媒体15より記録信号を再
生する。再生信号はA/D(Analog to Di
gital)変換器18によりディジタル信号に変換さ
れた後、波形等化器19に入力され、PR等化がなされ
る。該等化器出力はサンプル時刻T毎にFSーMLSE
(Folded StateーMaximum Lik
elihood Sequence Estimato
n)部20に入力され、最尤復号される。ここでFSと
は、”状態を上下半分に折り返した”トレリス線図(F
Sトレリスと呼ぶことにする)を用いて最尤復号を行う
本発明のMLSEを称したものである。本発明では、従
来の尤度計算及びACS演算機能の代わりに、等化出力
値の絶対値を求めた後、FSトレリスに基づく尤度計算
及びACS演算処理を行う(これについては後で詳しく
述べる)。ACSにより得られた生き残りパスは、該M
LSE部20内データ復号部(図3、図4参照)でパス
メモリの更新に利用され、これを一定期間(パス打切り
長)分遡ることにより符号化データik'を復号する
(詳細は後で説明する)。図3に、本発明の前記MLS
E部における処理を詳細に示す。図は、(1、7)RL
L符号化されたEPR4チャネルに対して本発明のFS
ーMLSEを適用した場合のハードウェア構成である。
等化出力ykは絶対値算出部50でその絶対値が取ら
れ、候補値0、2、4に対してパス尤度が計算される。
従来、パス尤度は−4、−2、0、2、4の5値全てに
対して求める必要があったが、本発明ではykの絶対値
を取っているため、パス尤度計算は従来の約半分で行え
る。該尤度計算は図3に示すように、加算器53及び乗
算器54を用いて候補値との差の2乗が容易に計算され
る。前記3つのパス尤度は、ACS演算部202に入力
され、加算、比較、選択処理が行われる。該ACSは図
2に示すFSトレリス線図に基づいて行われる。これは
6状態EPR4チャネルのトレリス(図6参照)を上下
半分に折り返したものである。状態S7、S6、S4は
それぞれ状態S0、S1、S2に融合され、3状態とな
るが、実際にACSを行うのはS0とS1の2状態であ
る。よってこれを実現する回路構成は図3に示すよう
に、従来の構成(図7参照)に比べ、非常に簡易化され
る。実際、図3においてACS演算部202では前記F
Sトレリスの構造に基づいて、1時刻前の状態尤度(メ
モリ57に記憶されているS0k−1及びS1k−1)
と前記パス尤度とが加算器53で加算され、その大小が
比較器56で比較され、小さい(尤度の大きな(より確
からしい))方のパスが選択される。前記ACSの結
果、選択された方の各状態尤度はそれぞれのメモリ57
a(S0k及びS1k)に新たに記憶され、同時に生き
残りパス情報(C0及びC1)がデータ復号部203に
出力される。前記C0、C1は、図6のトレリス線図に
おいて上側のパスを選択する場合は1、下側のパスを選
択する場合は0となる。S3k−1についてはパスが1
本であるために比較器は存在せず、4に対するパス尤度
が加算され、その結果がS3kに記憶される。メモリ5
7からメモリ57aへのシフトは、例えば図7の装置内
動作クロックの立ち上がりエッジで行われ、ラッチされ
る。以上の処理は、次式に示す演算を実行したものであ
る。図2、3を参照して、
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】ここで、minは値の小さい方を選ぶ処
理、Pijは状態Siから状態Sjへの遷移に対するパ
ス尤度、添え字kは時刻である。
【0018】尚、パス選択のみを行う状態(ここではS
3)に対する尤度は次式で表される。
【0019】
【数3】
【0020】上記演算に基づく処理は、全て図3に示す
構成で容易に実現することができる。
【0021】図7の従来構成では、状態S0、S1、S
6、S7についてACSを行い、状態S3、S4につい
てはパス尤度との加算のみが行われるが、本発明の構成
では状態S0、S1についてACSを行い、状態S3に
ついてはパス尤度との加算のみが行われるため、従来の
半分の処理量で最尤復号を実現可能である。
【0022】次に、図4を用いて前記処理におけるデー
タ復号部の具体的な処理を説明する。本実施例では、デ
ータ復号に要するパスメモリは状態数分すなわち3ワー
ドである。図において、生き残りパス情報C0、C1
(図2のトレリス線図において上側のパスを選択する場
合は1、下側のパスを選択する場合は0)はセレクタ回
路46に入力される。セレクタ回路は前記生き残りパス
情報C0、C1に応じて、シフトレジスタ0(44
a)、シフトレジスタ1(44b)とパスメモリ0(4
0)、パスメモリ3(43)との接続状態を切り替え
る。その接続状態は同図の表に示す通りである。例え
ば、C0=0、C1=1の時、セレクタ回路46によ
り、シフトレジスタ0(44a)はパスメモリ3(4
3)、シフトレジスタ1(44b)はパスメモリ0(4
0)と接続し、各々のメモリの内容が対応するシフトレ
ジスタにパラレル転送(すなわち複写)される。同時
に、パスメモリ1(41)はその内容がセレクタ46を
介さずに、直接シフトレジスタ3(44c)にパラレル
転送される。パラレル転送された各データ(ここでは5
ビットで表現)は、そのMSB(Most Signi
ficant Bit:最上位ビット)から0または1
がシフト入力され、同時にLSB(Least Sig
nificant Bit:最下位ビット)から1ビッ
トデータ(復号データの候補)が出力される。前記MS
Bへの入力データは、生き残りパスに対するデータに対
応している。すなわち図2において、各パスに沿って示
されたデータ(0または1)は復号データを表してお
り、これらが図4におけるシフトレジスタに入力され
る。具体的には、シフトレジスタ0、1、3はそれぞれ
図2における状態S0、S1、S3に対応しており、復
号データとして各々0、1、0がシフト入力される。こ
の処理を繰り返すと、該シフトレジスタ0、1、3のL
SBにはパス打ち切り長(ここでは5ビット)分遡った
パスのデータが移動し、これが復号データの候補とな
る。該シフトレジスタ0、1、3の各LSBからシフト
出力されたデータは、多数決回路45によって多数決が
取られ、その結果が最終的に復号データik'となる。
該シフトレジスタ0、1、3の各LSBからシフト出力
されたデータは、原理的には全て同一の値(復号結果)
となる筈であるが、突発的な雑音等により復号を誤る恐
れがある。そこで、最も確からしい結果を得るために多
数決回路を設けている。上記処理により更新されたシフ
トレジスタ0、1、3内部の情報は、それぞれ装置内動
作クロックの立ち上がりエッジでパスメモリ0、1、3
にラッチ、記憶される。以下同様の処理がサンプル時刻
毎に行われる。尚、ここではシフトレジスタの深さ(パ
ス打ち切り長)を5ビットとしたが、任意のビット数に
容易に変更可能である。
【0023】従来構成においても、データ復号は上記の
方式で実行可能であるが、この場合パスメモリ及びシフ
トレジスタはそれぞれ6ワード必要になる。よって本発
明のFSトレリスを用いることにより、状態数は半分と
なり、パスメモリも従来の半分に削減できることがわか
る。
【0024】以上の処理からわかるように、本発明では
FSトレリスにより状態を折り返した構造に基づいて最
尤復号を行うため、尤度計算、ACS、パスメモリとも
半分の回路規模で処理を実現可能である。
【0025】本発明においてFS−トレリスを用いるこ
とができるのは、(1、7)RLL符号とNRZI符号
によるプリコーダとを組み合わせることにより、トレリ
ス上のパスに対する復号データが鏡像の関係になるから
である(図6参照)。NRZI符号では、データが1の
時のみ記録電位が変動するため、トレリス上の状態遷移
パスに対応する復号データは上下対称の関係となる。従
って、等化出力の符号によらずにデータは完全に一致
し、上下半分に折り返した縮退構造のトレリス線図によ
る最尤復号が可能となるのである。
【0026】尚、本実施例では記録符号化手段として
(1、7)RLL符号を用いているが、上記から明らか
なように、d=1(符号出力が1の次に必ず少なくとも
1ビット以上の0が続く)の条件を満たす、任意の記録
符号化手段を適用できる。ただし、再生側におけるタイ
ミング抽出や自動利得制御を適正に動作させるためには
0の連続数を有限に抑える必要がある。(1、7)RL
L符号は、その有効な符号化手段の代表例としてよく用
いられている。
【0027】上記で述べたFS方式は、EEPR4チャ
ネルにも適用可能である。その場合、ACS状態数は3
(全状態数は5)であり回路規模は従来の半分に削減さ
れる。
【0028】図9及び図10に、本発明の第2の実施例
を示すディジタル磁気記録再生装置における、EEPR
4チャネルのトレリス線図及びMLSE部の構成を示
す。図9において、左側はEEPR4のトレリスを、右
側はFS−EEPR4のトレリスを示しており、状態数
はそれぞれ10、5である。これより明らかなように、
本発明のFS方式では全状態数は半分に縮退している。
本実施例においては、記録符号として(2、7)RLL
符号またはd=2(符号出力が1の次に必ず少なくとも
2ビット以上の0が続き、上界は有限とする)の符号を
用いている。その理由は、FS−EEPR4に(1、
7)RLL符号を用いると、カタストロフィ系列が発生
するためである。すなわち、図9右側に示すように、太
線部の状態遷移(S3→S6またはS6→S3)に対応
する等化出力の値は全て4となる。これはデータとして
1010…に対応するが、この系列が記録されると、再
生側ではALL4の等化出力値となるため、FS−ML
SE部においてS3→S6とS6→S3の識別が不可能
となってしまう。従って、復号結果として1010…ま
たは0101…のいずれか不確定となり、復号誤りを生
ずることになる。この不確定性を生ぜしめるデータ系列
がカタストロフィ系列である。図9のトレリスにおける
前記カタストロフィ系列は1010…または0101…
のみである。よって、この問題を解決するためには、前
記カタストロフィ系列の発生を防止する必要があり、そ
のためには(2、7)RLL符号またはd=2の符号を
記録符号に用いればよい。これにより、カタストロフィ
系列は回避される。前記記録符号を用いた場合も(1、
7)RLL符号と同様に、図9において状態S2k−
1、S4k−1、S5k−1、S10k−1、S11k
−1、S13k−1は存在せず、トレリスは(1、7)
RLL符号を用いた場合と同一構成となる。
【0029】図10は図9のFSトレリスに基づいたM
LSE部の構成である。等化出力ykは絶対値算出部5
0でその絶対値が取られ、候補値0、2、4、6に対し
てパス尤度が計算される。従来、パス尤度は−6、−
4、−2、0、2、4、6の7値全てに対して求める必
要があったが、本発明ではykの絶対値を取っているた
め、パス尤度計算は従来の約半分で行える。該尤度計算
は図10に示すように、加算器53及び乗算器54を用
いて候補値との差の2乗が容易に計算される。前記3つ
のパス尤度は、ACS演算部202に入力され、加算、
比較、選択処理が行われる。該ACSは図9に示すFS
トレリス線図に基づいて行われる。これは10状態EP
R4チャネルのトレリス(図9参照)を上下半分に折り
返したものである。状態S15、S14、S12、S
9、S8はそれぞれ状態S0、S1、S3、S6、S7
に融合され、5状態となるが、実際にACSを行うのは
S0、S1、S3の3状態である。よってこれを実現す
る回路構成は図10に示すように非常に簡易化される。
実際、図10においてACS演算部202では前記FS
トレリスの構造に基づいて、1時刻前の状態尤度(メモ
リ57に記憶されているS0k−1、S1k−1、S3
k−1)と前記パス尤度とが加算器53で加算され、そ
の大小が比較器56で比較され、小さい(尤度の大きな
(より確からしい))方のパスが選択される。前記AC
Sの結果、選択された方の各状態尤度はそれぞれのメモ
リ57a(S0k及びS1k)に新たに記憶され、同時
に生き残りパス情報(C0、C1、C2)がデータ復号
部203に出力される。前記C0、C1、C2は、図9
のトレリス線図において上側のパスを選択する場合は
1、下側のパスを選択する場合は0となる。S6k−
1、S7k−1についてはパスが1本であるために比較
器は存在せず、それぞれ4及び6に対するパス尤度が加
算され、その結果が各々S6k、S7kに記憶される。
メモリ57からメモリ57aへのシフトは、例えば図7
の装置内動作クロックの立ち上がりエッジで行われ、ラ
ッチされる。
【0030】以上の処理は、次式に示す演算を実行した
ものである。図9、10を参照して、
【0031】
【数4】
【0032】
【数5】
【0033】
【数6】
【0034】ここで、minは値の小さい方を選ぶ処
理、Pijは状態Siから状態Sjへの遷移に対するパ
ス尤度、添え字kは時刻である。
【0035】尚、パス選択のみを行う状態(ここではS
6、S7)に対する尤度は次式で表される。
【0036】
【数7】
【0037】
【数8】
【0038】上記演算に基づく処理は、全て図10に示
す構成で容易に実現することができる。
【0039】従来構成では、状態S0、S1、S3、S
6、S7、S8、S9、S12、S14、S15につい
てACSを行い、状態S6、S7、S8、S9について
はパス尤度との加算のみが行われるが、本発明の構成で
は状態S0、S1、S3についてACSを行い、状態S
6、S7についてはパス尤度との加算のみが行われるた
め、従来の半分の処理量で最尤復号を実現可能である。
データ復号部203では、前記の生き残りパス情報(C
0、C1、C2)に基づき、第1の実施例で述べたのと
同じ原理で一定期間過去に遡ったデータを復号データi
k’として出力する。その構成は第1の実施例とは異な
り、パスメモリは6ワードとなる。詳細構成について
は、次に述べる第3の実施例と同一の構成であるので、
その後に説明する。
【0040】図11及び図12に、本発明の第3の実施
例を示すディジタル磁気記録再生装置における、MEP
R4(Modified EPR4)チャネルのトレリ
ス線図及びMLSE部の構成を示す。MEPR4チャネ
ルは、文献”(1、7)RLL符号に対するPRML方
式の誤り率特性改善”電子情報通信学会信学技報 MR
94ー62、pp.9〜16”に詳細が記載されてい
る。図8(c)にMEPR4チャネルのインパルス応答
を示す。前記のEEPR4チャネルと構成は類似してい
るが、等化出力は5値(EEPR4では7値)となり、
EPR4チャネルと同じ多値数で記述できるところが異
なっている。このために、雑音に対する識別余裕が増
し、EEPR4チャネルに対し特性が改善される。図8
(c)にMEPR4チャネルのインパルス応答を示す。
ここでも記録符号として(1、7)RLL符号を用いて
いる。このため状態S2k−1、S4k−1、S5k−
1、S10k−1、S11k−1、S13k−1は存在
しない。図11において、左側はMEPR4のトレリス
を、右側はFS−MEPR4のトレリスを示しており、
状態数はそれぞれ10、5である。これより明らかなよ
うに、本発明のFS方式では全状態数は半分に縮退して
いる。本実施例においても、第2の実施例で述べたのと
全く同じ理由で(2、7)RLL符号またはd=2の符
号を記録符号として用いることにより、カタストロフィ
系列(ALL2、図11右側の太線参照)の発生を防止
している。
【0041】図12は図11のFSトレリスに基づいた
MLSE部の構成である。第2の実施例と同様に、等化
出力ykは絶対値算出部50でその絶対値が取られ、候
補値0、2、4に対してパス尤度が計算される。従来、
パス尤度は−4、ー2、0、2、4の5値全てに対して
求める必要があったが、本発明ではykの絶対値を取っ
ているため、パス尤度計算は従来の約半分で行える。該
尤度計算は図12に示すように、加算器53及び乗算器
54を用いて候補値との差の2乗が容易に計算される。
前記3つのパス尤度は、ACS演算部202に入力さ
れ、加算、比較、選択処理が行われる。該ACSは図1
1に示すFSトレリス線図に基づいて行われる。これは
10状態EPR4チャネルのトレリス(図11参照)を
上下半分に折り返したものである。状態S15、S1
4、S12、S9、S8はそれぞれ状態S0、S1、S
3、S6、S7に融合され、5状態となるが、実際にA
CSを行うのはS0、S1、S3の3状態である。よっ
てこれを実現する回路構成は図12に示すように非常に
簡易化される。実際、図12においてACS演算部20
2では前記FSトレリスの構造に基づいて、1時刻前の
状態尤度(メモリ57に記憶されているS0k−1、S
1k−1、S3k−1)と前記パス尤度とが加算器53
で加算され、その大小が比較器56で比較され、小さい
(尤度の大きな(より確からしい))方のパスが選択さ
れる。前記ACSの結果、選択された方の各状態尤度は
それぞれのメモリ57a(S0k及びS1k)に新たに
記憶され、同時に生き残りパス情報(C0、C1、C
2)がデータ復号部203に出力される。前記C0、C
1、C2は、図11のトレリス線図において上側のパス
を選択する場合は1、下側のパスを選択する場合は0と
なる。S6k−1、S7k−1についてはパスが1本で
あるために比較器は存在せず、それぞれ4及び6に対す
るパス尤度が加算され、その結果が各々S6k、S7k
に記憶される。メモリ57からメモリ57aへのシフト
は、例えば図7の装置内動作クロックの立ち上がりエッ
ジで行われ、ラッチされる。
【0042】以上の処理は、次式に示す演算を実行した
ものである。図11、12を参照して、まず、数4、数
5、数6の演算を行う。
【0043】ここで、minは値の小さい方を選ぶ処
理、Pijは状態Siから状態Sjへの遷移に対するパ
ス尤度、添え字kは時刻である。
【0044】尚、パス選択のみを行う状態(ここではS
6、S7)に対する尤度は、数7、数8で表される。
【0045】上記演算に基づく処理は、全て図12に示
す構成で容易に実現することができる。
【0046】従来構成では、状態S0、S1、S3、S
6、S7、S8、S9、S12、S14、S15につい
てACSを行い、状態S6、S7、S8、S9について
はパス尤度との加算のみが行われるが、本発明の構成で
は状態S0、S1、S3についてACSを行い、状態S
6、S7についてはパス尤度との加算のみが行われるた
め、従来の半分の処理量で最尤復号を実現可能である。
【0047】次に、図13を用いて前記第2及び第3の
実施例におけるデータ復号部203の具体的な処理を説
明する。本実施例では、いずれも同一の構成で復号処理
を実現でき、その原理は第1の実施例と同じである。デ
ータ復号に要するパスメモリは状態数分すなわち5ワー
ドである。図において、生き残りパス情報C0、C1
(図9または図11のトレリス線図において上側のパス
を選択する場合は1、下側のパスを選択する場合は0)
はセレクタ回路1(13a)に、生き残りパス情報C2
(図9または図11のトレリス線図において上側のパス
を選択する場合は1、下側のパスを選択する場合は0)
はセレクタ回路2(13b)に入力される。セレクタ回
路1は前記生き残りパス情報C0、C1に応じて、シフ
トレジスタ0(138a)、シフトレジスタ1(138
b)とパスメモリ0(130)、パスメモリ7(13
7)との接続状態を切り替える。セレクタ回路2は前記
生き残りパス情報C2に応じて、シフトレジスタ3(1
38c)とパスメモリ1(131)またはパスメモリ6
(136)との接続状態を切り替える。これらの接続状
態は同図の表に示す通りである。例えば、C0=0、C
1=1、C2=0の時、セレクタ回路1(13a)によ
り、シフトレジスタ0(138a)はパスメモリ7(1
37)、シフトレジスタ1(138b)はパスメモリ0
(130)と接続し、各々のメモリの内容が対応するシ
フトレジスタにパラレル転送(すなわち複写)され、同
時に、セレクタ回路2(13b)により、シフトレジス
タ3(138c)はパスメモリ6(136)と接続し、
そのメモリの内容が対応するシフトレジスタにパラレル
転送(すなわち複写)される。上記パラレル転送と同時
に、パスメモリ3(133)はその内容がセレクタ回路
1、2を介さずに、直接シフトレジスタ6(138d)
及びシフトレジスタ7(138e)にパラレル転送され
る。パラレル転送された各データ(ここでは5ビット以
上とする)は、そのMSB(Most Signifi
cant Bit:最上位ビット)から0または1がシ
フト入力され、同時にLSB(Least Signi
ficantBit:最下位ビット)から1ビットデー
タ(復号データの候補)が出力される。前記MSBへの
入力データは、生き残りパスに対するデータに対応して
いる。すなわち図9または図11において、各パスに沿
って示されたデータ(0または1)は復号データを表し
ており、これらが図4におけるシフトレジスタに入力さ
れる。具体的には、シフトレジスタ0、1、3、6、7
はそれぞれ図2における状態S0、S1、S3、S6、
S7に対応しており、復号データとして各々0、1、
0、1、0がシフト入力される。この処理を繰り返す
と、該シフトレジスタ0、1、3、6、7のLSBには
パス打ち切り長(ここでは5ビット以上)分遡ったパス
のデータが移動し、これが復号データの候補となる。該
シフトレジスタ0、1、3、6、7の各LSBからシフ
ト出力されたデータは、多数決回路139によって多数
決が取られ、その結果が最終的に復号データik'とな
る。該シフトレジスタ0、1、3、6、7の各LSBか
らシフト出力されたデータは、原理的には全て同一の値
(復号結果)となる筈であるが、突発的な雑音等により
復号を誤る恐れがある。そこで、最も確からしい結果を
得るために多数決回路を設けている。上記処理により更
新されたシフトレジスタ0、1、3、6、7内部の情報
は、それぞれ装置内動作クロックの立ち上がりエッジで
パスメモリ0、1、3、6、7にラッチ、記憶される。
以下同様の処理がサンプル時刻毎に行われる。尚、本実
施例においても、シフトレジスタの深さ(パス打ち切り
長)は任意のビット数に変更可能である。
【0048】従来構成においても、データ復号は上記の
方式で実行可能であるが、この場合パスメモリ及びシフ
トレジスタはそれぞれ10ワード必要になる。よって本
発明のFSトレリスを用いることにより、状態数は半分
となり、パスメモリも従来の半分に削減できることがわ
かる。
【0049】以上の処理からわかるように、本発明では
FSトレリスにより状態を折り返した構造に基づいて最
尤復号を行うため、尤度計算、ACS、パスメモリとも
半分の回路規模で処理を実現可能である。
【0050】以上述べた方式は、更に、状態数のより多
い一般のパーシャルレスポンスチャネル(EnPR4、
n>2)に対しても適用可能であり、従来の半分の回路
規模で最尤復号処理を実現できる。この場合、本発明に
よるFS−MLSE部の比較器は、一般に(2n+1ー
(2n−1))個となる。
【0051】尚、本発明は特にEPR4チャネルにおい
て、プリコーダ(図1参照)として常にNRZI符号を
用いる場合に限り、(1、7)RLL符号またはd=1
符号以外の記録符号、例えばよく知られた8ー9変換符
号を用いることが可能である。この場合、1の次に必ず
少なくとも1ビット以上の0が続く制約条件がないの
で、状態数の縮退はなく、トレリス線図は図14左側に
示すように状態数は8である。これに本発明のFS方式
を適用すると、同図右側に示すように状態数が半分に縮
退したFSトレリス線図が得られる。従ってACS状態
数(MLSE部における比較器の個数)は4となる。F
S−ERP4チャネルにおいては、図2、図14のいず
れの場合もカタストロフィ系列は存在しない。但し、図
14においては、状態遷移がS0→S0→…及びS2→
S2→…に対するデータ系列はALL0であり、カタス
トロフィ系列であるが、磁気記録では一般に、0データ
の連続数の上限を有限とする記録符号化(RLL符号、
8ー9変換符号等)を行うため、ALL0系列は発生す
ることがない。従って、EPR4チャネルの場合には、
0データの連続数が有限長に抑えられている限り、記録
符号においてdの下限を設ける必要はない。それゆえ、
8ー9変換符号(d=0)をFS−EPR4チャネルに
適用することが可能となる。一方EEPR4及びMEP
R4チャネルにおいては、トレリス線図はそれぞれ図1
5、16左側に示すようになり、FS方式(各図右側参
照)では状態数が半分になるものの、カタストロフィ系
列(図中の太線部)が存在する。従ってd=0の記録符
号(例えば8−9変換符号)を用いる場合には、EEP
R4及びMEPR4チャネルに本発明のFS方式を適用
することはできない。
【0052】上記の8−9符号化されたFS−EPR4
チャネルは、本発明の第1の実施例で述べた原理に基づ
いて全く同様にFS−MLSE部を構成できることは明
らかである。回路構成は図3とは異なるもの(比較器の
個数は4)となるが、本発明による回路規模は半分に削
減される。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、EP
R4、EEPR4及びMEPR4によるパーシャルレス
ポンスチャネルを用いたディジタル磁気記録再生装置に
おいて、トレリス構造の対称性に着目し、これを上下半
分に折り返したFSトレリスを用いることで、最尤復号
の回路規模(尤度計算、ACS、パスメモリ)を従来の
半分に削減することができる(d=1または2符号及び
NRZIプリコーダを用いた場合、FS−EPR4で2
状態ACS、FS−EEPR4及びFS−MEPR4で
3状態ACSが可能)。このため、現行のPRML並み
の回路規模でEPRMLを実現し、LSIの低消費電力
化も達成できる。本発明はまた、状態数のより多い一般
のパーシャルレスポンスチャネル(EnPR4、n>
2)についても、従来の半分の回路規模で最尤復号処理
を実現できる。更に本発明は特に、EPR4チャネルに
おいてはNRZIプリコーダを用いることにより、任意
の記録符号化方式を適用可能である。この意味で本発明
は、柔軟で汎用性のある高密度ディジタル磁気記録再生
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すディジタル磁気記録
再生装置の構成図である。
【図2】本発明の第1実施例における(1、7)RLL
符号化EPR4チャネルのFSトレリス線図である。
【図3】本発明の第1実施例の最尤復号部(MLSE)
における処理を説明するための回路構成図である。
【図4】本発明の第1実施例の最尤復号部(MLSE)
におけるデータ復号部の処理を説明するための図であ
る。
【図5】従来発明によるディジタル磁気記録再生装置の
構成図である。
【図6】従来発明における(1、7)RLL符号化EP
R4チャネルのトレリス線図である。
【図7】従来発明の最尤復号部(MLSE)における処
理を説明するための回路構成図である。
【図8】EPR4、EEPR4及びMEPR4チャネル
のインパルス応答波形である。
【図9】本発明の第2実施例における(1、7)RLL
符号化EEPR4チャネルのトレリス線図及びFSトレ
リス線図である。
【図10】本発明の第2実施例の最尤復号部(MLS
E)における処理を説明するための回路構成図である。
【図11】本発明の第3実施例における(1、7)RL
L符号化MEPR4チャネルのトレリス線図及びFSト
レリス線図である。
【図12】本発明の第3実施例の最尤復号部(MLS
E)における処理を説明するための回路構成図である。
【図13】本発明の第2及び第3実施例の最尤復号部
(MLSE)におけるデータ復号部の処理を説明するた
めの図である。
【図14】本発明における8−9変換符号化EPR4チ
ャネルのトレリス線図及びFSトレリス線図である。
【図15】本発明における8−9変換符号化EEPR4
チャネルのトレリス線図及びFSトレリス線図である。
【図16】本発明における8−9変換符号化MEPR4
チャネルのトレリス線図及びFSトレリス線図である。
【符号の説明】
10…記録符号化部、11…プリコーダ、12…記録電
流発生部、13…記録アンプ、14…記録ヘッド、15
…磁気記録媒体、16…再生ヘッド、17…再生アン
プ、18…A/D変換器、19…波形等化器、20…M
LSE部、201、701…尤度計算部、202、70
2…ACS演算部、203、703…データ復号部、4
0、41、43、130、131、133、136、1
37…パスメモリ、44a、44b、44c、138
a、138b、138c、138d、138e…シフト
レジスタ、45、139…多数決回路、46、13a、
13b…セレクタ回路、50…絶対値算出部、53…加
算器、54…乗算器、56…比較器、57、57a…メ
モリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03M 13/12 H03M 13/12 H04L 25/497 9199−5K H04L 25/497 (72)発明者 三田 誠一 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力ディジタル信号を記録符号化する手段
    と、前記記録符号化された出力をNRZIによりプリコ
    ードを行う手段と、 前記プリコード出力信号を磁気記録媒体に記録し、記録
    した信号を再生する磁気記録再生手段と、前記磁気記録
    再生手段からの再生アナログ信号をディジタル信号に変
    換し、パーシャルレスポンス応答波形に等化する手段
    と、 前記等化出力の絶対値を取る手段、これにより前記等化
    出力の正の値のみに対応するチャネル構造に基づいてパ
    ス尤度を計算する手段、加算、比較、選択処理を行う手
    段、及び前記加算、比較、選択処理により得られた生き
    残りパス情報に基づいて、一定期間過去に遡ったパスに
    対応するデータを復号する手段とを有する最尤復号を行
    う手段と、 前記最尤復号結果を記録復号化してもとのデータを再生
    する手段とからなることを特徴とするディジタル磁気記
    録再生装置。
  2. 【請求項2】請求項1のディジタル磁気記録再生装置に
    おいて、前記データを復号する手段は前記生き残りパス
    情報を制御信号として複数(=状態数)個のパスメモリ
    の内容をそれぞれ対応する複数(=状態数)個のシフト
    レジスタに切り替えてパラレル転送し、前記パラレル転
    送された各シフトレジスタの最上位ビットに0または1
    をシフト入力すると同時に、前記各シフトレジスタの最
    下位ビットをシフト出力し、前記各シフト出力された結
    果から、多数決回路により最尤復号データを得るように
    構成されていることを特徴とするディジタル磁気記録再
    生装置。
  3. 【請求項3】請求項1のディジタル磁気記録再生装置に
    おいて、前記記録符号化手段は(1、7)RLL符号ま
    たは符号出力1の次に1ビット以上の0が続く記録符号
    に符号化し、前記等化出力値はEPR4(Extend
    ed Partial Response)チャネルの
    特性を有し、該等化出力値を最尤復号手段へにおいて復
    号する際に、2個の比較器を用いて加算、比較、選択処
    理を実現するようにしたことを特徴とするディジタル磁
    気記録再生装置。
  4. 【請求項4】請求項1のディジタル磁気記録再生装置に
    おいて、前記記録符号化手段は(2、7)RLL符号ま
    たは符号出力1の次に2ビット以上の0が続く記録符号
    に符号化し、前記等化出力値はEEPR4(Exten
    ded EPR4)チャネルの特性を有し、該等化出力
    値を最尤復号手段へにおいて復号する際に、3個の比較
    器を用いて加算、比較、選択処理を実現するようにした
    ことを特徴とするディジタル磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】請求項1のディジタル磁気記録再生装置に
    おいて、前記記録符号化手段は(2、7)RLL符号ま
    たは符号出力1の次に2ビット以上の0が続く記録符号
    に符号化し、前記等化出力値はMEPR4(Modif
    ied EPR4)チャネルの特性を有し、該等化出力
    値を最尤復号手段へにおいて復号する際に、3個の比較
    器を用いて加算、比較、選択処理を実現するようにした
    ことを特徴とするディジタル磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載のEPR4チャネル対応の
    ディジタル磁気記録再生装置において、記録符号化手段
    は入力信号を8ー9符号に変換することを特徴とするデ
    ィジタル磁気記録再生方式及び装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜4に記載のディジタル磁気記録
    再生方式において、EnPR4(nは3以上の整数)チ
    ャネルによる等化出力を最尤復号手段への入力信号と
    し、(2n+1−(2n−1))個の比較器を用いて加
    算、比較、選択処理を実現するようにしたことを特徴と
    するディジタル磁気記録再生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007511031A (ja) * 2003-11-11 2007-04-26 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 信号特性決定方法及びその装置
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