JPH0944813A - 磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法

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JPH0944813A
JPH0944813A JP21534795A JP21534795A JPH0944813A JP H0944813 A JPH0944813 A JP H0944813A JP 21534795 A JP21534795 A JP 21534795A JP 21534795 A JP21534795 A JP 21534795A JP H0944813 A JPH0944813 A JP H0944813A
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JP
Japan
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magnetic
film
gap
protective film
range
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JP21534795A
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Inventor
Hideo Oura
秀男 大浦
Katsumasa Hosoi
克昌 細井
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度高性能磁気記録再生装置に好適な磁気
ヘッドの製造方法に係り、接合ガラス中に気泡の発生が
無く、耐久性、加工歩留まりに優れ、記録再生特性に優
れたMIG 型の磁気ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の磁気コア半体とそれらの間に磁気
ギャップ層7,8を設け、前記のギャップ層を挟んで窒
化合金磁性膜5,6が磁路の一部を形成するようにした
メタルインギャップ型の磁気ヘッドの製造方法であっ
て、前記の窒化合金磁性膜5,6とギャップ12の界面
と、前記の窒化合金磁性膜と軟磁性フェライト1,2と
の界面に所定の条件(SiO2 保護膜は、スパッタ中の
Arガス圧が略2Paから4Paの範囲で、且つ13.56MHzのRF
基板バイアスが印加されるコンベンショナル・スパッタ
法では、バイアスによる基板電位が略-15vから-50Vの範
囲で、マグネトロン・スパッタ法では、バイアスによる
基板電位が略-60vから-120V の範囲で成膜する。)で、
SiO2 の保護膜3,4,7,8を形成するようにした
磁気ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度高性能磁気記録再
生装置に好適な磁気ヘッドの製造方法に係り、接合ガラ
ス中に気泡の発生が無く、耐久性、加工歩留まりに優
れ、記録再生特性に優れたMIG 型の磁気ヘッドの製造方
法を提供する。
【0002】
【従来の技術】近年HDDやVTR等の磁気記録再生装
置においては、記録信号の高密度化、高品質化が進めら
れている。これに対応するために、磁気テープ等の記録
媒体においては、高保磁力金属磁性材料を真空蒸着して
用いるメタル蒸着媒体や金属磁性粉を用いた、いわゆる
メタル塗布媒体が開発され実用化されている。
【0003】更なる高密度化に対しては、磁気記録媒体
の高保磁力化が進められている。このような高保磁力媒
体の性能を発揮するためには、磁気ヘッドのコア材料と
して、記録特性の向上のために高い飽和磁束密度(Bs
)を有することが必要である。
【0004】従って、従来においてはBsが略1.0 Tの
金属磁性材料であるCo系アモルファスやセンダスト(Fe-
Si-Al 系) 材料を用い軟磁性フェライトと組み合わせて
磁気ヘッドを構成した、いわゆるメタルインギャップ
(MIG )型の磁気ヘッドが実用化されている。
【0005】以下、図8に示す構造図に基ずき、従来の
MIG 型の磁気ヘッドについて説明する。磁性フェライト
基板21,22上にSiO2 やAl2 O3 などの拡散防
止保護膜23,24を形成した後、軟磁性合金膜25,
26を成膜する。
【0006】次に、23,24と同様にSiO2 やAl
2 O3 などのギャップ形成膜27,28を所定の厚さに
形成した後、一対のコア半体を接合ガラス29,30に
よって炉内に入れ、所定の温度で加熱し溶着させ磁気ヘ
ッドを作製する。
【0007】しかし、Hcが1500(Oe)以上の磁気記
録媒体に対して十分な記録性能を得るためには、鉄を主
成分としたターゲットを用いてスパッタ蒸着法で作製す
るBsが1.3 〜1.6 T程度のFe(Ta,Nb,Zr,Hf)-N 系、或
いはBsが略1.8 T以上のFeSi-N系等の窒化鉄系合金磁
性膜を用いた磁気ヘッドが必要とされる。
【0008】窒化鉄系合金膜を用いたMIG 型の磁気ヘッ
ドは、500 〜600 ℃の熱処理による合金膜の軟磁気特性
の改善が必要であり、この時、一対のコア半体のガラス
接合によるギャップ形成を兼ねて行う。上記の窒化鉄系
合金膜を用いたMIG 型の磁気ヘッドでは、一対のコア半
体をガラス接合する。このガラス接合を行なう場合、加
熱により窒化鉄合金中の窒素がSiO2 膜やSiO2 膜
を通して離脱してガラス中に気泡が生じガラスの強度が
低下してしまい、耐久性、加工中の歩留まりが著しく低
下する。さらに、磁性フェライトとの界面で反応が起こ
り、変質層が形成される為、磁気抵抗が増大し、いわゆ
る疑似ギャップ効果が4dBと大きく、記録再生特性が
劣化してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
窒化鉄系合金膜を用いたMIG 型の磁気ヘッドでは、一対
のコア半体をガラス接合した場合、加熱により窒化鉄合
金中の窒素がSiO2 膜やSiO2 膜を通して離脱して
ガラス中に気泡が生じガラスの強度が低下してしまい、
耐久性、加工中の歩留まりが著しく低下する問題があっ
た。
【0010】さらには、フェライトとの界面で反応が起
こり変質層が形成される為、磁気抵抗が増大し、いわゆ
る疑似ギャップ効果が4dBと大きく、記録再生特性が
劣化する問題があった。本発明は、以上のような問題点
に着目し、これを有効に解決すべく提案されたものであ
り、その目的は、接合ガラス中に気泡の発生が無く、耐
久性、加工歩留まりに優れ、記録再生特性に優れたMIG
型の磁気ヘッドを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッドはこ
の目的を達成するために、下記の構成とした。 (1)窒化合金磁性膜とギャップの界面と軟磁性フェラ
イトとの界面に以下の条件でSiO2 またはAl2 O3
保護膜を形成して構成したものである。前記のSiO2
保護膜は、スパッタ中のArガス圧が略2Paから4Paの範
囲で、且つ13.56MHzのRF基板バイアスが印加されるコン
ベンショナル・スパッタ法では、バイアスによる基板電
位が略-15vから-50Vの範囲で、マグネトロン・スパッタ
法では、バイアスによる基板電位が略-60vから-120V の
範囲で成膜する。前記のAl2 O3 保護膜は、マグネト
ロン・スパッタ法により、スパッタ中のArガス圧が略0.
4 Paから2.0 Paの範囲で、且つバイアスによる基板電位
が略-5vから-40Vの範囲で成膜する。 (2)前記の保護膜の厚さを、ギャップ側では略20nm
以上、軟磁性フェライト側では略3nm〜15nmに形成
して構成したものである。
【0012】
【作用】スパッタ中のArガス圧が略2Paから4Paの範囲
で、且つ13.56MHzのRF基板バイアスが印加されるコンベ
ンショナル・スパッタ法では、バイアスによる基板電位
が略-15vから-50Vの範囲で、マグネトロン・スパッタ法
では、バイアスによる基板電位が略-60vから-120V の範
囲で成膜して、窒化合金磁性膜とギャップの界面と軟磁
性フェライトとの界面にSiO2 保護膜を夫々形成し
て、接合ガラス中の気泡を除去し、耐久性、加工歩留ま
り、ならびに記録再生特性の大幅な改善を図る。マグネ
トロン・スパッタ法により、スパッタ中のArガス圧が略
0.4 Paから2.0Paの範囲で、且つバイアスによる基板電
位が略-5v から-40Vの範囲で成膜して、窒化合金磁性膜
とギャップの界面と軟磁性フェライトとの界面にAl2
O3 保護膜を夫々形成して、接合ガラス中の気泡を除去
し、耐久性、加工歩留まり、ならびに記録再生特性の大
幅な改善を図る。特に、ギャップ側保護膜の厚さを20
nm以上とすることで気泡の発生は殆どなくなり、更に
軟磁性フェライト側の厚さを3nm以上とすることで界
面の反応が防止される。
【0013】ギャップ側が20nmより薄い場合は、ガ
ラス接合により気泡を生じる。フェライト側が3nmよ
り薄いと界面の反応が生じ軟磁気特性が劣化し、反対
に、15nmより厚くすると疑似ギャップによる特性劣
化を生じる。
【0014】
【実施例】図1に示す構造図に基ずき、本発明のMIG 型
の磁気ヘッドの一実施例について以下に説明する。磁性
フェライト基板1,2上にSiO2 やAl2 O3 等の拡
散防止保護膜3,4を形成した後、軟磁性合金膜5,6
を成膜する。
【0015】次に、3,4と同様にSiO2 やAl2 O
3 などのギャップ形成膜7,8を所定の厚さに形成した
後、一対のコア半体を接合ガラス9,10によって炉内
に入れ、所定の温度で加熱し溶着させ磁気ヘッドを作製
する。
【0016】しかし、Hcが1500Oe以上の磁気記録媒
体に対して十分な記録性能を得るためには、鉄を主成分
としたターゲットを用いてスパッタ蒸着法で作製するB
sが1.3 〜1.6 T程度のFe(Ta,Nb,Zr,Hf)-N 系、或いは
Bsが略1.8 T以上のFeSi-N系等の窒化鉄系合金磁性膜
を用いた磁気ヘッドが必要とされる。
【0017】窒化鉄系合金膜を用いたMIG 型の磁気ヘッ
ドは、500 〜600 ℃の熱処理による合金膜の軟磁気特性
の改善が必要であり、この時、一対のコア半体のガラス
接合によるギャップ形成を兼ねて行う。
【0018】本発明の磁気ヘッドの製造方法の一実施例
について、図面に基ずいて、以下に説明する。まず、窒
化鉄系合金膜に保護膜を形成した場合の効果について示
す。試料は無アルカリガラス#7059基板上にFe88Ta
10Hf2 合金ターゲットを用い、Ar中にN2を7%導入し
た混合ガス(全圧力0.4Pa )中で反応性スパッタ法によ
り厚さ3μm成膜した。その上に、同一チャンバ内で従
来の条件によるSiO2 保護膜(a) と各種条件を変えた
SiO2 保護膜を成膜した。
【0019】図2は、SiO2 保護膜を従来条件(a) で
厚さ50nmとした時及び本発明の条件(b) で同じ厚さ50
nmとした時の、窒化鉄合金膜の熱処理前のEPMA分析膜
中の窒素量(NAsDep )に対する熱処理後の膜中の窒素
量(NT )の比と熱処理温度(Ann Temp)(保持時間60
分)との関係を示したグラフである。
【0020】図3は、Hcと熱処理温度(Ann Temp)
(保持時間60分)との関係を示した図である。図中(a)
は、Arガス圧0.6Pa,バイアス印加無し( 基板電位VDC=0
V), マグネトロン・スパッタ法を用いる従来条件であ
る。図中(b) は、本発明の一条件であるArガス圧0.65P
a, 基板バイアス印加(周波数13.56MHz, 基板電位VDC=
-15V ), マグネトロン・スパッタ法により成膜した。
【0021】図2より明らかなように、従来のSiO2
保護膜では、熱処理温度が450 ℃を越えると合金膜中か
ら窒素がSiO2 保護膜を通して離脱する。これに対応
して、図3より明らかなように、熱処理温度が450 ℃を
越えると、Hcが増大して、軟磁気特性が劣化すること
が判る。
【0022】まず、マグネトロン・スパッタ法におい
て、スパッタ中のArガス圧を 0.3〜5.5Pa の範囲, 基板
バイアス電位VDC 0(バイアス無し)〜−100 Vの範
囲で、SiO2 保護膜を0〜200 nmの範囲の条件で成
膜し、ガラス接合と同じ550 ℃、60分の熱処理に対して
保護膜としての有効性を調べた。
【0023】図4は、マグネトロン・スパッタ法におい
て、Arガス圧と基板バイアス電位(VDC)を変化させS
iO2 保護膜を20nm成膜し、ガラス接合と同じ550
℃、60分の熱処理を施したときのHcの分布を示した図
である。Hc40A/m 以下の軟磁性の得られる条件の範
囲、すなわち保護膜として優れたSiO2 膜を成膜する
には、図より明らかなように、図中破線で示すArガス圧
2.0 〜4.0Pa,VDC=-60〜-120V の範囲である。
【0024】また、図中に酸化防止を主目的としたアモ
ルファス膜を用いたときの従来条件を示すが、この領域
では窒化鉄系合金膜の軟磁性の確保が出来ないことは明
らかである。次に、コンベンショナル・スパッタ法によ
り同様の実験を行なった。Arガス圧0.4〜5.5Pa,VDC= 0
〜-120V の範囲とし、保護膜の厚さその他の条件は同じ
とした。
【0025】図5は、コンベンショナル・スパッタ法に
おいて、Arガス圧と基板バイアス電位(VDC)を変化さ
せ、SiO2 保護膜を20nm成膜し、ガラス接合と同
じ550 ℃、60分の熱処理を施したときのHcの分布を示
した図である。
【0026】上記軟磁性の得られる成膜条件の範囲で
は、SiO2 膜厚3nm以上で軟磁性が得られ、これよ
り薄い膜厚ではHcは急激に増大した。上記破線内外の
成膜条件(図4,図5中のa1〜e1,a2 〜e2)において、
膜厚の異なる保護膜を用い、550 ℃、60分の条件でガラ
ス接合して気泡の発生を調べた結果を図6に示す。
【0027】いずれのスパッタ法においても、上記軟磁
性の得られるHc40A/m 以下の範囲の成膜条件で、且
つSiO2 膜厚が20nm以上のものでは、ガラス中に
殆ど気泡の無い磁気ヘッドが得られていることが図6よ
り判る。このことによって、本発明の磁気ヘッドは、気
泡に起因する耐久性加工の不良は殆どなくなり、大幅に
特性の改善が出来た。
【0028】図7は、疑似ギャップによる記録再生特性
への影響を調べるため、図1に示したフェライト1,2
との界面の保護膜3,4のSiO2 の厚みを変え、上記
軟磁気特性の得られる破線の成膜条件と従来条件で評価
した結果である。図より明らかなように、疑似ギャップ
による記録再生変動が1dB以下の優れた特性が得られ
る保護膜SiO2 の厚みの範囲は、上記破線内成膜条件
による保護膜で、且つ3〜15nmの膜厚範囲となる。
【0029】ここで、15nmより厚い膜で特性劣化す
る原因は、界面拡散による磁気特性の劣化でなく、保護
膜自体の厚さの増加により磁気的に不連続となることが
主な原因である。一般にスパッタ法で作製した酸化物
は、酸素不足となり易く、Arに酸素を数%添加した混合
ガス中で成膜する場合もある。上記本発明のSiO2 成
膜中にArに加えてO2 ガスを3%添加した混合ガスによ
る保護膜においても同じ効果が得られた。
【0030】次に、本発明の磁気ヘッドの製造方法の他
の実施例について、図面に基ずいて、以下に説明する。
まず、窒化鉄系合金膜に保護膜を形成した場合の効果に
ついて示す。試料は無アルカリガラス#7059基板上にF
e88Ta10Hf2 合金ターゲットを用い、Ar中にN2を7
%導入した混合ガス(全圧力0.4Pa )中で反応性スパッ
タ法により厚さ3μm成膜した。その上に、同一チャン
バ内で従来の条件によるAl2 O3 保護膜(a) と各種条
件を変えたAl2 O3 保護膜を成膜した。
【0031】図2は、Al2 O3 保護膜を従来条件(a)
で厚さ50nmとした時及び本発明の条件(b) で同じ厚さ
50nmとした時の、窒化鉄合金膜の熱処理前のEPMA分析
膜中の窒素量(NAsDep )に対する熱処理後の膜中の窒
素量(NT )の比と熱処理温度(Ann Temp)(保持時間
60分)との関係を示したグラフである。
【0032】図3は、Hcと熱処理温度(Ann Temp)
(保持時間60分)との関係を示した図である。図中(a)
は、Arガス圧0.6Pa,バイアス印加無し( 基板電位VDC=0
V), マグネトロン・スパッタ法を用いる従来条件であ
る。図中(b) は、本発明の一条件であるArガス圧0.65P
a, 基板バイアス印加(周波数13.56MHz, 基板電位VDC=
-15V ), マグネトロン・スパッタ法により成膜した。
【0033】図2より明らかなように、従来のAl2 O
3 保護膜では、熱処理温度が450 ℃を越えると合金膜中
から窒素がAl2 O3 保護膜を通して離脱する。これに
対応して、図3より明らかなように、熱処理温度が450
℃を越えると、Hcが増大して、軟磁気特性が劣化する
ことが判る。まず、マグネトロン・スパッタ法におい
て、スパッタ中のArガス圧を 0.3〜5.5Pa の範囲, 基板
バイアス電位VDC 0(バイアス無し)〜−100 Vの範
囲で、Al2 O3 保護膜を0〜200 nmの範囲の条件で
成膜し、ガラス接合と同じ550℃、60分の熱処理に対し
て保護膜としての有効性を調べた。
【0034】図9は、マグネトロン・スパッタ法におい
て、Arガス圧と基板バイアス電位(VDC)を変化させA
l2 O3 保護膜を20nm成膜し、ガラス接合と同じ55
0℃、60分の熱処理を施したときのHcの分布を示した
図である。ここで、Hc40A/m 以下の軟磁性の得られ
る条件の範囲、すなわち保護膜として優れたAl2 O3
膜を成膜するには、図9より明らかなように、図中破線
で示すArガス圧0.4 〜2.0Pa,VDC=-5 〜-40Vの範囲であ
る。
【0035】また、図中に酸化防止を主目的としたアモ
ルファス膜を用いたときの従来条件を示すが、この領域
では窒化鉄系合金膜の軟磁性の確保が出来ないことは明
らかである。上記軟磁性の得られる成膜条件の範囲で
は、Al2 O3 膜厚3nm以上で軟磁性が得られ、これ
より薄い膜厚ではHcは急激に増大した。上記破線内外
の成膜条件(図9中のa3〜e3)において、膜厚の異なる
保護膜を用い、550 ℃、60分の条件でガラス接合して気
泡の発生を調べた結果を図10に示す。
【0036】上記軟磁性の得られるHc40A/m 以下の
範囲の成膜条件で、且つAl2 O3膜厚が20nm以上
のものでは、ガラス中に殆ど気泡の無い磁気ヘッドが得
られていることが図10より判る。このことによって、
本発明の磁気ヘッドは、気泡に起因する耐久性加工の不
良は殆どなくなり、大幅に特性の改善が出来た。
【0037】図7は、疑似ギャップによる記録再生特性
への影響を調べるため、図1に示したフェライト1,2
との界面の保護膜3,4のAl2 O3 の厚みを変え、上
記軟磁気特性の得られる破線の成膜条件と従来条件で評
価した結果である。図より明らかなように、疑似ギャッ
プによる記録再生変動が1dB以下の優れた特性が得ら
れる保護膜Al2 O3 の厚みの範囲は、上記破線内成膜
条件による保護膜で、且つ3〜15nmの膜厚範囲とな
る。これは、既に説明したSiO2 保護膜の場合の結果
とほとんど差はなく同じ結果となった。
【0038】ここで、15nmより厚い膜で特性劣化す
る原因は、界面拡散による磁気特性の劣化でなく、保護
膜自体の厚さの増加により磁気的に不連続となることが
主な原因である。一般にスパッタ法で作製した酸化物
は、酸素不足となり易く、Arに酸素を数%添加した混合
ガス中で成膜する場合もある。上記本発明のAl2 O3
成膜中にArに加えてO2 ガスを3%添加した混合ガスに
よる保護膜においても同じ効果が得られた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気ヘッ
ド及びその製造方法によれば、接合ガラス中の気泡を除
去することが出来、耐久性、加工歩留まり、ならびに記
録再生特性の大幅な改善も図ることが出来る。更に、本
発明の磁気ヘッド及びその製造方法によれば、ギャップ
側保護膜の厚さを略20nm以上とし、更に軟磁性フェ
ライト側の厚さを略3nm〜15nmとすることによ
り、記録再生特性の一層の改善を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のMIG 型の磁気ヘッドの一実施例の構造
を示した図である。
【図2】従来条件で厚さ50nmとした時及び本発明の条
件で同じ厚さとした時の熱処理前のEPMA分析膜中の窒素
量に対する熱処理後の膜中の窒素量の比と熱処理温度
(Ann Temp)(保持時間60分)との関係を示したグラフ
である。
【図3】従来条件で厚さ50nmとした時及び本発明の条
件で同じ厚さとした時のHcと熱処理温度(Ann Temp)
(保持時間60分)との関係を示したグラフである。
【図4】マグネトロン・スパッタ法において、Arガス圧
と基板バイアス電位(VDC)を変化させSiO2 保護膜
を20nm成膜し、ガラス接合と同じ550 ℃、60分の熱
処理を施したときのHcの分布を示した図である。
【図5】コンベンショナル・スパッタ法において、Arガ
ス圧と基板バイアス電位(VDC)を変化させ、SiO2
保護膜を20nm成膜し、ガラス接合と同じ 550℃、60
分の熱処理を施したときのHcの分布を示した図であ
る。
【図6】図4,図5の破線内外の成膜条件(図4,図5
中のa1〜e1 ,a2〜e2)において、膜厚の異なる保護膜を
成膜し、550 ℃、60分の条件でガラス接合を行ない、気
泡の発生を調べた結果を示したグラフである。
【図7】軟磁性フェライトとの界面の保護膜SiO2 の
厚みを変え、図4,図5の軟磁気特性の得られる破線の
成膜条件と従来条件で成膜し、疑似ギャップ効果を評価
した結果を示したグラフである。
【図8】従来のMIG 型の磁気ヘッドの一般的な構造を示
した図である。
【図9】マグネトロン・スパッタ法において、Arガス圧
と基板バイアス電位(VDC)を変化させAl2 O3 保護
膜を20nm成膜し、ガラス接合と同じ550 ℃、60分の
熱処理を施したときのHcの分布を示した図である。
【図10】図9の破線内外の成膜条件(図9中のa3〜e
3)において、膜厚の異なる保護膜を成膜し、550 ℃、6
0分の条件でガラス接合を行ない、気泡の発生を調べた
結果を示したグラフである。
【符号の説明】
1,2 フェライト基板 3,4 保護膜 5,6 軟磁性合金膜 7,8 保護膜(ギャップ膜) 9,10 接合ガラス 11 巻線窓 12 作動ギャップ Ann Temp 熱処理温度 NAsDep 熱処理前のEPMA分析膜中の窒素量 NT 熱処理後の膜中の窒素量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の磁気コア半体とそれらの間に磁気ギ
    ャップ層を設け、前記のギャップ層を挟んで窒化合金磁
    性膜が磁路の一部を形成するようにしたメタルインギャ
    ップ型の磁気ヘッドの製造方法であって、前記の窒化合
    金磁性膜とギャップの界面と、前記の窒化合金磁性膜と
    軟磁性フェライトとの界面に以下の条件で、SiO2保
    護膜を形成したことを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。前記のSiO2 保護膜は、スパッタ中のArガス圧が
    略2Paから4Paの範囲で、且つ13.56MHzのRF基板バイア
    スが印加されるコンベンショナル・スパッタ法では、バ
    イアスによる基板電位が略-15vから-50Vの範囲で、マグ
    ネトロン・スパッタ法では、バイアスによる基板電位が
    略-60vから-120V の範囲で成膜する。
  2. 【請求項2】一対の磁気コア半体とそれらの間に磁気ギ
    ャップ層を設け、前記のギャップ層を挟んで窒化合金磁
    性膜が磁路の一部を形成するようにしたメタルインギャ
    ップ型の磁気ヘッドの製造方法であって、前記の窒化合
    金磁性膜とギャップの界面と、前記の窒化合金磁性膜と
    軟磁性フェライトとの界面に以下の条件で、Al2 O3
    保護膜を形成したことを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。前記のAl2 O3 保護膜は、マグネトロン・スパッ
    タ法により、スパッタ中のArガス圧が略0.4 Paから2.0
    Paの範囲で、且つバイアスによる基板電位が略-5vから-
    40Vの範囲で成膜する。
  3. 【請求項3】前記の請求項1または請求項2の磁気ヘッ
    ドの製造方法において、前記の保護膜の厚さを、ギャッ
    プ側では略20nm以上、軟磁性フェライト側では略3
    nmから15nmに形成したことを特徴とする磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  4. 【請求項4】一対の磁気コア半体とそれらの間に磁気ギ
    ャップ層を設け、前記のギャップ層を挟んで窒化合金磁
    性膜が磁路の一部を形成するようにしたメタルインギャ
    ップ型の磁気ヘッドであって、前記の窒化合金磁性膜と
    ギャップの界面と、前記の窒化合金磁性膜と軟磁性フェ
    ライトとの界面に以下の条件で、SiO2 保護膜を形成
    したことを特徴とする磁気ヘッド。前記のSiO2 保護
    膜は、スパッタ中のArガス圧が略2Paから4Paの範囲
    で、且つ13.56MHzのRF基板バイアスが印加されるコンベ
    ンショナル・スパッタ法では、バイアスによる基板電位
    が略-15vから-50Vの範囲で、マグネトロン・スパッタ法
    では、バイアスによる基板電位が略-60vから-120V の範
    囲で成膜する。
  5. 【請求項5】一対の磁気コア半体とそれらの間に磁気ギ
    ャップ層を設け、前記のギャップ層を挟んで窒化合金磁
    性膜が磁路の一部を形成するようにしたメタルインギャ
    ップ型の磁気ヘッドであって、前記の窒化合金磁性膜と
    ギャップの界面と、前記の窒化合金磁性膜と軟磁性フェ
    ライトとの界面に以下の条件で、Al2 O3 保護膜を形
    成したことを特徴とする磁気ヘッド。前記のAl2 O3
    保護膜は、マグネトロン・スパッタ法により、スパッタ
    中のArガス圧が略0.4 Paから2.0 Paの範囲で、且つバイ
    アスによる基板電位が略-5vから-40Vの範囲で成膜す
    る。
  6. 【請求項6】前記の請求項4または請求項5の磁気ヘッ
    ドにおいて、前記の保護膜の厚さを、ギャップ側では略
    20nm以上、軟磁性フェライト側では略3nmから1
    5nmに形成したことを特徴とする磁気ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113930733A (zh) * 2021-09-14 2022-01-14 赛创电气(铜陵)有限公司 用于铁氧体加工的磁控溅射方法
CN113930733B (zh) * 2021-09-14 2023-12-15 国瓷赛创电气(铜陵)有限公司 用于铁氧体加工的磁控溅射方法

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