JPH0944811A - フェライト単結晶の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents
フェライト単結晶の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法Info
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- JPH0944811A JPH0944811A JP7190238A JP19023895A JPH0944811A JP H0944811 A JPH0944811 A JP H0944811A JP 7190238 A JP7190238 A JP 7190238A JP 19023895 A JP19023895 A JP 19023895A JP H0944811 A JPH0944811 A JP H0944811A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】フェライト単結晶を、少ないサイドエッチ量で
高精度に加工することが困難である。 【解決手段】フェライト単結晶7の(110)等価面上
にマスクエッジライン12の方向が<110>等価方向
であるマスクパターン10を形成した後、そのフェライ
ト単結晶7を塩酸水溶液からなる電解液9の中にて、
0.6〜1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前
記(110)等価面の非マスク部分を凹状に除去する。
高精度に加工することが困難である。 【解決手段】フェライト単結晶7の(110)等価面上
にマスクエッジライン12の方向が<110>等価方向
であるマスクパターン10を形成した後、そのフェライ
ト単結晶7を塩酸水溶液からなる電解液9の中にて、
0.6〜1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前
記(110)等価面の非マスク部分を凹状に除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライト単結晶
を精密にエッチングする加工方法、及び、その加工方法
を利用した磁気ヘッドの製造方法に関する。
を精密にエッチングする加工方法、及び、その加工方法
を利用した磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録映像や記録音声の質の上昇や
デジタル化、あるいはコンピュータの処理能力の向上と
いった理由により、それらに使用されるデータ量が増大
し、記録されるデータ量も肥大化している。このような
状況を背景に、現在の記録装置の中心である磁気記録装
置についても大容量化の要請がますます強くなってお
り、さらなる記録密度の増大が図られている。
デジタル化、あるいはコンピュータの処理能力の向上と
いった理由により、それらに使用されるデータ量が増大
し、記録されるデータ量も肥大化している。このような
状況を背景に、現在の記録装置の中心である磁気記録装
置についても大容量化の要請がますます強くなってお
り、さらなる記録密度の増大が図られている。
【0003】ところで、磁気記録装置においては、通
常、図4の模式図に示すようなフェライト製の磁気ヘッ
ドコア15が使用されており、上記の記録密度の増大を
実現するためには、この磁気ヘッドコア15のトラック
幅dを減少させる必要がある。しかしながら、従来より
行われている機械加工(ダイシング等)では、フェライ
トの加工を高精度に行うことができず、上記したトラッ
ク幅dの減少に対応できない。また、加工表面に歪み層
(加工変質層)ができ、磁気特性を悪化させてしまうと
いう問題もあった。
常、図4の模式図に示すようなフェライト製の磁気ヘッ
ドコア15が使用されており、上記の記録密度の増大を
実現するためには、この磁気ヘッドコア15のトラック
幅dを減少させる必要がある。しかしながら、従来より
行われている機械加工(ダイシング等)では、フェライ
トの加工を高精度に行うことができず、上記したトラッ
ク幅dの減少に対応できない。また、加工表面に歪み層
(加工変質層)ができ、磁気特性を悪化させてしまうと
いう問題もあった。
【0004】この問題を解決する加工方法として、酸エ
ッチング法,電解エッチング法が知られている。酸エッ
チング法は、フェライトの表面に所定の形状のマスクを
施し、燐酸や塩酸といった酸を用いて、非マスク部分を
凹状に除去するものである。この方法によれば、一度に
多数のフェライトを加工することができ、装置も簡単に
なる。
ッチング法,電解エッチング法が知られている。酸エッ
チング法は、フェライトの表面に所定の形状のマスクを
施し、燐酸や塩酸といった酸を用いて、非マスク部分を
凹状に除去するものである。この方法によれば、一度に
多数のフェライトを加工することができ、装置も簡単に
なる。
【0005】また、電解エッチング法は、燐酸等の電解
液中にフェライトとそれに対峙する対極とを入れ、その
フェライトと対極との間に電流を流すことにより加工を
行う(特開昭54−121998号公報)。この方法で
も、一度に多数のフェライトを加工することができる。
液中にフェライトとそれに対峙する対極とを入れ、その
フェライトと対極との間に電流を流すことにより加工を
行う(特開昭54−121998号公報)。この方法で
も、一度に多数のフェライトを加工することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
酸エッチング法では、マスクの下部のエッチング(いわ
ゆるサイドエッチ)が避けられない。このようなサイド
エッチがあると高精度な加工を実現することができない
ため、問題である。
酸エッチング法では、マスクの下部のエッチング(いわ
ゆるサイドエッチ)が避けられない。このようなサイド
エッチがあると高精度な加工を実現することができない
ため、問題である。
【0007】そこで、酸エッチング法を改良したエッチ
ング方法として、フェライト単結晶の面方位によるエッ
チング異方性を利用した異方性酸エッチング法が知られ
ている(特開平2−183478)。この方法は、フェ
ライト単結晶の面方位によるエッチング速度の差を利用
するものであり、加工容易面(エッチング速度の大きい
面)を加工面とし、加工困難面(エッチング速度の小さ
い面)をエッチングのサイド方向とする。これは単結晶
シリコンの加工の際に用いられている方法であり、単結
晶シリコンでは加工容易面と加工困難面とのエッチング
速度の比が最大400にもなるため、非常にサイドエッ
チ量の少ない高アスペクト比の加工が実現できる。しか
しながら、フェライト単結晶の加工においては、上記の
比が最大4程度であり、サイドエッチの抑制効果が小さ
く、高精度の加工が実現できない。尚、この方法におけ
るフェライト単結晶の加工困難面は(111)等価面で
あり、加工容易面は(110)等価面である。
ング方法として、フェライト単結晶の面方位によるエッ
チング異方性を利用した異方性酸エッチング法が知られ
ている(特開平2−183478)。この方法は、フェ
ライト単結晶の面方位によるエッチング速度の差を利用
するものであり、加工容易面(エッチング速度の大きい
面)を加工面とし、加工困難面(エッチング速度の小さ
い面)をエッチングのサイド方向とする。これは単結晶
シリコンの加工の際に用いられている方法であり、単結
晶シリコンでは加工容易面と加工困難面とのエッチング
速度の比が最大400にもなるため、非常にサイドエッ
チ量の少ない高アスペクト比の加工が実現できる。しか
しながら、フェライト単結晶の加工においては、上記の
比が最大4程度であり、サイドエッチの抑制効果が小さ
く、高精度の加工が実現できない。尚、この方法におけ
るフェライト単結晶の加工困難面は(111)等価面で
あり、加工容易面は(110)等価面である。
【0008】一方、電解エッチング法においても、マス
クの下部のサイドエッチが避けられず、高精度な加工を
実現することができないという問題がある。
クの下部のサイドエッチが避けられず、高精度な加工を
実現することができないという問題がある。
【0009】また、電解エッチング法においては、現在
まで、エッチング速度の異方性を利用したエッチングは
なされていなかった。なぜなら、酸エッチング法では被
エッチング物質とエッチング成分との関係がエッチング
進行を左右するが、電解エッチング法では主に被エッチ
ング物質とエッチング物質と電位との関係がエッチング
進行を左右するため、電解エッチング法において、上記
の異方性酸エッチング法の手法をそのまま適用すること
ができず、エッチング速度の異方性が観測されていなか
ったためである。
まで、エッチング速度の異方性を利用したエッチングは
なされていなかった。なぜなら、酸エッチング法では被
エッチング物質とエッチング成分との関係がエッチング
進行を左右するが、電解エッチング法では主に被エッチ
ング物質とエッチング物質と電位との関係がエッチング
進行を左右するため、電解エッチング法において、上記
の異方性酸エッチング法の手法をそのまま適用すること
ができず、エッチング速度の異方性が観測されていなか
ったためである。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであって、サイドエッチ量が少なく高精度加工を
実現できるフェライト単結晶の加工方法、及び、その加
工方法を利用した磁気ヘッドの製造方法を提供すること
を目的とする。
たものであって、サイドエッチ量が少なく高精度加工を
実現できるフェライト単結晶の加工方法、及び、その加
工方法を利用した磁気ヘッドの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフェラ
イト単結晶の加工方法は、フェライト単結晶の(11
0)等価面上にマスクエッジラインが<110>等価方
向のマスクパターンを形成する第1の工程と、フェライ
ト単結晶を塩酸水溶液からなる電解液中にて0.6〜
1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前記(11
0)等価面の非マスク部分を凹状に除去する第2の工程
と、を含んでなることを特徴とするものである。
イト単結晶の加工方法は、フェライト単結晶の(11
0)等価面上にマスクエッジラインが<110>等価方
向のマスクパターンを形成する第1の工程と、フェライ
ト単結晶を塩酸水溶液からなる電解液中にて0.6〜
1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前記(11
0)等価面の非マスク部分を凹状に除去する第2の工程
と、を含んでなることを特徴とするものである。
【0012】本願発明者は、フェライト単結晶を、塩酸
水溶液からなる電解液中にて0.6〜1.0Vの印加電
圧で電解エッチングした場合において、(100)等価
面と(110)等価面とではエッチング速度が大きく異
なっていることを見い出した。図3は、加工面が(10
0)等価面,(110)等価面,(111)等価面のフ
ェライト単結晶を、4wt%の塩酸濃度の塩酸水溶液中
で2分間電解エッチングしたときの、エッチング量の印
加電圧依存性を示す図である。この図から、印加電圧が
0.6〜1.0Vの範囲において(図示していないが、
印加電圧が1.0Vを越えると、エッチング速度の異方
性は徐々に減少する)、(100)等価面と(110)
等価面との間で、エッチング速度の差が大きいことが分
かる。このため、上記のように、加工面を(110)等
価面、マスクエッジラインを<110>等価方向するこ
とにより、サイドエッチが起こる面は(100)等価面
となり、サイドエッチ量を加工量の数分の1から十数分
の1とすることができる。従って、精密加工が可能とな
る。尚、本願では上記したように加工困難面は(10
0)等価面であり、異方性酸エッチング法における加工
困難面である(111)等価面とは異なっている。
水溶液からなる電解液中にて0.6〜1.0Vの印加電
圧で電解エッチングした場合において、(100)等価
面と(110)等価面とではエッチング速度が大きく異
なっていることを見い出した。図3は、加工面が(10
0)等価面,(110)等価面,(111)等価面のフ
ェライト単結晶を、4wt%の塩酸濃度の塩酸水溶液中
で2分間電解エッチングしたときの、エッチング量の印
加電圧依存性を示す図である。この図から、印加電圧が
0.6〜1.0Vの範囲において(図示していないが、
印加電圧が1.0Vを越えると、エッチング速度の異方
性は徐々に減少する)、(100)等価面と(110)
等価面との間で、エッチング速度の差が大きいことが分
かる。このため、上記のように、加工面を(110)等
価面、マスクエッジラインを<110>等価方向するこ
とにより、サイドエッチが起こる面は(100)等価面
となり、サイドエッチ量を加工量の数分の1から十数分
の1とすることができる。従って、精密加工が可能とな
る。尚、本願では上記したように加工困難面は(10
0)等価面であり、異方性酸エッチング法における加工
困難面である(111)等価面とは異なっている。
【0013】請求項2に記載のフェライト単結晶の加工
方法は、塩酸水溶液の塩酸濃度が10wt%以下である
ことを特徴とするものである。
方法は、塩酸水溶液の塩酸濃度が10wt%以下である
ことを特徴とするものである。
【0014】塩酸はフェライト単結晶に対してのエッチ
ング能力が高いため、塩酸濃度が10wt%以上の塩酸
水溶液を電解液とした場合には、酸エッチングによるエ
ッチング効果が支配的となり、サイドエッチ量が大きく
なってしまう。ここでは、塩酸濃度を10wt%以下と
しているため、主に、電解エッチングによりフェライト
単結晶の加工を進行させることが可能となり、サイドエ
ッチ量を減らすことができる。
ング能力が高いため、塩酸濃度が10wt%以上の塩酸
水溶液を電解液とした場合には、酸エッチングによるエ
ッチング効果が支配的となり、サイドエッチ量が大きく
なってしまう。ここでは、塩酸濃度を10wt%以下と
しているため、主に、電解エッチングによりフェライト
単結晶の加工を進行させることが可能となり、サイドエ
ッチ量を減らすことができる。
【0015】請求項3に記載のフェライトの加工方法
は、電解液中に界面活性剤を添加しておくことを特徴と
するするものである。
は、電解液中に界面活性剤を添加しておくことを特徴と
するするものである。
【0016】界面活性剤は、フェライトの加工時におい
て加工面から発生する気泡を除去する働きをする。この
界面活性剤を電解液中に添加しておくことにより、フェ
ライトの加工面に発生する気泡をいち早く加工面から除
去することが可能となり、加工ムラがなくなる。また、
サイドエッチ量の加工量に対する比を更に低減すること
ができ、精密な微細加工を実現することができる。
て加工面から発生する気泡を除去する働きをする。この
界面活性剤を電解液中に添加しておくことにより、フェ
ライトの加工面に発生する気泡をいち早く加工面から除
去することが可能となり、加工ムラがなくなる。また、
サイドエッチ量の加工量に対する比を更に低減すること
ができ、精密な微細加工を実現することができる。
【0017】請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法
は、フェライト単結晶の(110)等価面上に、間隔が
磁気ヘッドのトラック幅と略同一で、<110>等価方
向に延びる2つのマスクエッジラインを有するマスクパ
ターンを形成する第1の工程と、第1の工程後に、フェ
ライト単結晶を塩酸水溶液からなる電解液中にて0.6
〜1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前記(1
10)等価面の非マスク部分を凹状に除去することによ
り、前記トラック幅を有する磁気ヘッドコアを製造する
第2の工程とを、含んでなることを特徴とするものであ
る。
は、フェライト単結晶の(110)等価面上に、間隔が
磁気ヘッドのトラック幅と略同一で、<110>等価方
向に延びる2つのマスクエッジラインを有するマスクパ
ターンを形成する第1の工程と、第1の工程後に、フェ
ライト単結晶を塩酸水溶液からなる電解液中にて0.6
〜1.0Vの印加電圧で電解エッチングして、前記(1
10)等価面の非マスク部分を凹状に除去することによ
り、前記トラック幅を有する磁気ヘッドコアを製造する
第2の工程とを、含んでなることを特徴とするものであ
る。
【0018】この製造方法では、磁気ヘッドに用いられ
るフェライトの加工を精密に行うことができるため、2
つのマスクエッジラインの間隔で規定される磁気ヘッド
のトラック幅をより小さくすることができる。また、ト
ラック幅を高精度に制御することが可能となる。
るフェライトの加工を精密に行うことができるため、2
つのマスクエッジラインの間隔で規定される磁気ヘッド
のトラック幅をより小さくすることができる。また、ト
ラック幅を高精度に制御することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明におけるフェライ
トの加工を実施する電解エッチング装置の構成図であ
る。まず、この装置について説明する。
トの加工を実施する電解エッチング装置の構成図であ
る。まず、この装置について説明する。
【0020】図1において、1は恒温槽であり、2のエ
ッチング浴を恒温に保つ。エッチング浴2中には、電解
液9、フェライト単結晶7、対極8、スターラー3が備
えられている。スターラー3はエッチング浴2内の電解
液9を撹拌して、エッチング中に温度ムラや濃度ムラを
防止する働きをするものである。
ッチング浴を恒温に保つ。エッチング浴2中には、電解
液9、フェライト単結晶7、対極8、スターラー3が備
えられている。スターラー3はエッチング浴2内の電解
液9を撹拌して、エッチング中に温度ムラや濃度ムラを
防止する働きをするものである。
【0021】フェライト単結晶7及び対極8は直流電源
4と電気的に接続されており、フェライト単結晶7を陰
極、対極8を陽極としている。直流電源4から供給され
る電力は電圧計5及び電流計6により測定されるように
なっている。尚、対極8には、耐食性に優れ、電気伝導
性のよい銅を使用している。
4と電気的に接続されており、フェライト単結晶7を陰
極、対極8を陽極としている。直流電源4から供給され
る電力は電圧計5及び電流計6により測定されるように
なっている。尚、対極8には、耐食性に優れ、電気伝導
性のよい銅を使用している。
【0022】電解液9は、塩酸濃度が4wt%の塩酸水
溶液であり、その温度は30℃である。塩酸はフェライ
トに対してのエッチング能力が高いため、その濃度が高
い場合には酸エッチングによるエッチングが支配的とな
り、サイドエッチング量が大きくなってしまう。このた
め、塩酸濃度は10wt%以下とすることが望ましい。
溶液であり、その温度は30℃である。塩酸はフェライ
トに対してのエッチング能力が高いため、その濃度が高
い場合には酸エッチングによるエッチングが支配的とな
り、サイドエッチング量が大きくなってしまう。このた
め、塩酸濃度は10wt%以下とすることが望ましい。
【0023】次に、フェライトの加工方法について説明
する。図2はその加工工程を説明する図である。
する。図2はその加工工程を説明する図である。
【0024】まず、フェライト単結晶7の(110)等
価面(加工面13)上にレジストにてフォトリソグラフ
ィー法を用いてマスク10を施す(特許請求の範囲にお
ける第1の工程)。ここで、精密加工したい部分のマス
クエッジライン12を<110>等価方向に形成する
(図2(a))。このようにすることにより、サイドエ
ッチ面14は(100)等価面となる。尚、図示してい
ないが、加工面13の側面,裏面等の加工を施さない面
にもレジスト10を塗布して、エッチングの影響を与え
ないようにしている。
価面(加工面13)上にレジストにてフォトリソグラフ
ィー法を用いてマスク10を施す(特許請求の範囲にお
ける第1の工程)。ここで、精密加工したい部分のマス
クエッジライン12を<110>等価方向に形成する
(図2(a))。このようにすることにより、サイドエ
ッチ面14は(100)等価面となる。尚、図示してい
ないが、加工面13の側面,裏面等の加工を施さない面
にもレジスト10を塗布して、エッチングの影響を与え
ないようにしている。
【0025】上記工程においては、非導電性で、耐薬品
性が強く、有機溶剤により簡単に除去できるという理由
から、マスク材としてレジスト10を用いているが、こ
れに限るものではない。
性が強く、有機溶剤により簡単に除去できるという理由
から、マスク材としてレジスト10を用いているが、こ
れに限るものではない。
【0026】次に、このフェライト単結晶7を図1のよ
うに電解液9中に浸漬し、直流電源4から電力を供給し
て電解エッチングを行う(特許請求の範囲における第2
の工程)。印加電圧は0.7Vとした。これにより、フ
ェライト単結晶7は図2(b)のように加工面13にお
いて凹状に加工される。
うに電解液9中に浸漬し、直流電源4から電力を供給し
て電解エッチングを行う(特許請求の範囲における第2
の工程)。印加電圧は0.7Vとした。これにより、フ
ェライト単結晶7は図2(b)のように加工面13にお
いて凹状に加工される。
【0027】続いて、フェライト単結晶7上のレジスト
を有機溶剤にて除去する(図2(c))。
を有機溶剤にて除去する(図2(c))。
【0028】上記の加工工程により加工したフェライト
単結晶7では、サイドエッチ面14におけるサイドエッ
チ量は加工面13における加工量の数分の1〜数十分の
1となり、良好な加工精度が得られた。
単結晶7では、サイドエッチ面14におけるサイドエッ
チ量は加工面13における加工量の数分の1〜数十分の
1となり、良好な加工精度が得られた。
【0029】以上のように、本発明では、フェライト単
結晶7の(110)等価面を加工面13とし、その加工
面13の上に<110>等価面方向のマスクエッジライ
ン12を有するマスク10を形成する。そして、塩酸水
溶液を電解液9として、0.6〜1.0Vの印加電圧で
フェライト単結晶7の電解エッチングを行う。このた
め、図3に示したようなエッチング速度の異方性によ
り、(100)等価面であるサイドエッチ面14におけ
るサイドエッチ量を抑制することができる。
結晶7の(110)等価面を加工面13とし、その加工
面13の上に<110>等価面方向のマスクエッジライ
ン12を有するマスク10を形成する。そして、塩酸水
溶液を電解液9として、0.6〜1.0Vの印加電圧で
フェライト単結晶7の電解エッチングを行う。このた
め、図3に示したようなエッチング速度の異方性によ
り、(100)等価面であるサイドエッチ面14におけ
るサイドエッチ量を抑制することができる。
【0030】尚、サイドエッチ量の抑制効果は、電解液
9中に界面活性剤を添加することで、さらに増大する。
以下に、その説明を行う。
9中に界面活性剤を添加することで、さらに増大する。
以下に、その説明を行う。
【0031】界面活性剤を含まない電解液9を使用した
場合には、加工面13にて発生した気泡はしばらく加工
面に留まり、直径数mmの気泡にまで成長してから剥が
れていく。このため、気泡による加工ムラが生じやす
い。界面活性剤は、フェライト単結晶7の加工面13か
ら発生する気泡を、素早く除去するためのものであり、
発生した気泡は直径1mmにもならぬうちに加工面13
から剥がれていく。この界面活性剤を使用すると、気泡
による加工ムラが抑制されるのみならず、エッチングに
及ぼす気泡の影響が小さくなり、エッチング速度の異方
性を増大させることができる。
場合には、加工面13にて発生した気泡はしばらく加工
面に留まり、直径数mmの気泡にまで成長してから剥が
れていく。このため、気泡による加工ムラが生じやす
い。界面活性剤は、フェライト単結晶7の加工面13か
ら発生する気泡を、素早く除去するためのものであり、
発生した気泡は直径1mmにもならぬうちに加工面13
から剥がれていく。この界面活性剤を使用すると、気泡
による加工ムラが抑制されるのみならず、エッチングに
及ぼす気泡の影響が小さくなり、エッチング速度の異方
性を増大させることができる。
【0032】実際に、電解エッチング装置を図1に示し
たものと同一のものとし、電解液9を、塩酸濃度4wt
%の塩酸水溶液に界面活性剤(フロラード:3M社製)
を0.2g/l添加した溶液として、フェライト単結晶
7の(110)等価面,(100)等価面,(111)
等価面を2分間エッチングしたところ(印加電圧0.7
V)、エッチング量はそれぞれ、6.3μm,0.25
μm,4.0μmとなった。このときの(110)等価
面と(100)等価面のエッチング速度の比は25倍以
上であり、(110)等価面を加工面とし、マスクエッ
ジライン12を<110>等価方向(サイドエッチ面を
(100)等価面)とすれば、サイドエッチ量は加工量
の25分の1程度になる。従って、非常に高精度な加工
を実現することができる。尚、界面活性剤には、フロラ
ード以外のものも使用可能である。
たものと同一のものとし、電解液9を、塩酸濃度4wt
%の塩酸水溶液に界面活性剤(フロラード:3M社製)
を0.2g/l添加した溶液として、フェライト単結晶
7の(110)等価面,(100)等価面,(111)
等価面を2分間エッチングしたところ(印加電圧0.7
V)、エッチング量はそれぞれ、6.3μm,0.25
μm,4.0μmとなった。このときの(110)等価
面と(100)等価面のエッチング速度の比は25倍以
上であり、(110)等価面を加工面とし、マスクエッ
ジライン12を<110>等価方向(サイドエッチ面を
(100)等価面)とすれば、サイドエッチ量は加工量
の25分の1程度になる。従って、非常に高精度な加工
を実現することができる。尚、界面活性剤には、フロラ
ード以外のものも使用可能である。
【0033】以上示してきたフェライトの加工方法を、
図4に示すような磁気ヘッドの製造に利用することがで
きる。この場合には、トラック幅dを精密に制御する必
要があるため、図2(a)の2つのマスクエッジライン
12を<110>等価方向に形成するとともに、それら
の間隔をトラック幅dに略同一にする。これにより、磁
気ヘッドコアを精密に製造することができ、トラック幅
の縮小及びトラック幅の精密制御を実現することができ
る。これにより、高密度記録が可能となる。
図4に示すような磁気ヘッドの製造に利用することがで
きる。この場合には、トラック幅dを精密に制御する必
要があるため、図2(a)の2つのマスクエッジライン
12を<110>等価方向に形成するとともに、それら
の間隔をトラック幅dに略同一にする。これにより、磁
気ヘッドコアを精密に製造することができ、トラック幅
の縮小及びトラック幅の精密制御を実現することができ
る。これにより、高密度記録が可能となる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1または請求項2
に記載のフェライトの加工方法によれば、サイドエッチ
量を加工量の数分の1から数十分の1に抑えることがで
きるため、フェライト単結晶の加工を高精度に行うこと
が可能となる。
に記載のフェライトの加工方法によれば、サイドエッチ
量を加工量の数分の1から数十分の1に抑えることがで
きるため、フェライト単結晶の加工を高精度に行うこと
が可能となる。
【0035】請求項3に記載のフェライトの加工方法に
よれば、加工ムラを防止することができるとともに、サ
イドエッチ量を更に抑制することが可能となる。
よれば、加工ムラを防止することができるとともに、サ
イドエッチ量を更に抑制することが可能となる。
【0036】請求項4に記載の磁気ヘッドの製造方法に
よれば、トラック幅を減少させることができるととも
に、そのトラック幅を精密に制御することができる。こ
のため、記録媒体への高密度記録を実現することが可能
となる。
よれば、トラック幅を減少させることができるととも
に、そのトラック幅を精密に制御することができる。こ
のため、記録媒体への高密度記録を実現することが可能
となる。
【図1】電解エッチング装置の一例を示す構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の加工方法の工程を説明する図である。
【図3】エッチング量の印加電圧依存性を示す図であ
る。
る。
【図4】磁気ヘッドの構成を示す模式図である。
7 フェライト単結晶 9 電解液 10 マスク 12 マスクエッジライン 13 加工面 14 サイドエッチ面 15 磁気ヘッドコア d トラック幅
Claims (4)
- 【請求項1】フェライト単結晶を電解エッチング法によ
り加工する方法であって、 前記フェライト単結晶の(110)等価面上にマスクエ
ッジラインの方向が<110>等価方向であるマスクパ
ターンを形成する第1の工程と、 該第1の工程後に、前記フェライト単結晶を塩酸水溶液
からなる電解液中にて0.6〜1.0Vの印加電圧で電
解エッチングして、前記(110)等価面の非マスク部
分を凹状に除去する第2の工程と、を含んでなることを
特徴とするフェライト単結晶の加工方法。 - 【請求項2】請求項1に記載のフェライト単結晶の加工
方法において、 前記塩酸水溶液の濃度が10wt%以下であることを特
徴とするフェライト単結晶の加工方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のフェライ
ト単結晶の加工方法において、 前記電解液中に界面活性剤を添加しておくことを特徴と
するフェライト単結晶の加工方法。 - 【請求項4】フェライト製の磁気ヘッドコアを有する磁
気ヘッドの製造方法であって、 フェライト単結晶の(110)等価面上に、間隔が前記
磁気ヘッドのトラック幅と略同一で、<110>等価方
向に延びる2つのマスクエッジラインを有するマスクパ
ターンを形成する第1の工程と、 該第1の工程後に、前記フェライト単結晶を塩酸水溶液
からなる電解液中にて0.6〜1.0Vの印加電圧で電
解エッチングして、前記(110)等価面の非マスク部
分を凹状に除去することにより、前記トラック幅を有す
る前記磁気ヘッドコアを製造する第2の工程と、を含ん
でなることを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190238A JPH0944811A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | フェライト単結晶の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7190238A JPH0944811A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | フェライト単結晶の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0944811A true JPH0944811A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16254804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7190238A Pending JPH0944811A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | フェライト単結晶の加工方法及び磁気ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0944811A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114622267A (zh) * | 2022-03-18 | 2022-06-14 | 合肥工业大学 | 一种异形零件电解抛光设备及其抛光方法 |
-
1995
- 1995-07-26 JP JP7190238A patent/JPH0944811A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114622267A (zh) * | 2022-03-18 | 2022-06-14 | 合肥工业大学 | 一种异形零件电解抛光设备及其抛光方法 |
CN114622267B (zh) * | 2022-03-18 | 2024-04-02 | 合肥工业大学 | 一种异形零件电解抛光设备及其抛光方法 |
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