JPH0944658A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

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JPH0944658A
JPH0944658A JP19152395A JP19152395A JPH0944658A JP H0944658 A JPH0944658 A JP H0944658A JP 19152395 A JP19152395 A JP 19152395A JP 19152395 A JP19152395 A JP 19152395A JP H0944658 A JPH0944658 A JP H0944658A
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JP
Japan
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image
flow
processing
resolution
frequency band
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JP19152395A
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Wataru Ito
渡 伊藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像に流れ像が含まれている場合に、流れ像
を低減する。 【解決手段】 画像入力手段1から入力された流れ像を
含む画像を表す画像信号Sを多重解像度分解処理手段2
においてラプラシアンピラミッド等の方法により所定の
フィルタにより流れ像が存在する方向に沿ってフィルタ
リング処理して多重解像度の画像に分解する。強調処理
手段3において分解された画像のうち所定の周波数帯域
の画像に強調処理を施す。強調処理が施された画像とそ
れ以外の画像とを復元処理手段4において復元し、処理
済画像信号S′を得る。処理済画像信号S′は画像出力
手段5において可視像として再生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像における所定の
周波数帯域に強調処理などの画像処理を施す画像処理方
法および装置に関し、とくに流れ像を含む画像に対して
強調処理を施す画像処理方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】画像を表す画像信号を得、この画像信号
に適切な画像処理を施した後、画像を再生表示すること
が種々の分野で行われている。例えば放射線画像の診断
性能を向上させるために、画像信号に対してボケマスク
処理等の周波数強調処理を施す方法が本出願人により提
案されている(特開昭55-163772 等)。この周波数処理
は、原画像を表す画像信号からボケマスク信号を減算し
たものに強調度を乗じたものを加える処理を施すもの
で、これにより画像において所定の空間周波数成分を強
調するようにしたものである。
【0003】また、画像信号に対して周波数処理を施す
別の方法として、フーリエ変換、ウェーブレット変換、
サブバンド変換等により画像を多重解像度画像に変換す
ることにより画像を表す画像信号を複数の周波数帯域の
信号に分解し、この分解された信号のうち、所望とする
周波数帯域の信号に対して強調等の所定の画像処理を施
す方法が提案されている。
【0004】また、近年画像処理の分野において、画像
を多重解像度空間に変換する新規な方法としてラプラシ
アンピラミッドなる方法が提案されている(例えば特開
平6-301766号)。このラプラシアンピラミッドは、原画
像に対してガウス関数で近似されたようなマスクにより
マスク処理を施した後、画像をサブサンプリングして画
素数を間引いて半分にすることにより、原画像の1/4
のサイズのボケ画像を得、このボケ画像のサンプリング
された画素に値が0の画素を補間して元の大きさの画像
に戻し、この画像に対してさらに上述したマスクにより
マスク処理を施してボケ画像を得、このボケ画像を原画
像から減算して原画像の所定の周波数帯域を表す細部画
像を得るものである。この処理を得られたボケ画像に対
して繰り返すことにより原画像の1/22Nの大きさのボ
ケ画像をN個作成するものである。ここで、ガウス関数
で近似されたようなマスクによりマスク処理を施した画
像に対してサンプリングを行っているため、実際にはガ
ウシアンフィルタを用いているが、ラプラシアンフィル
タをかけた場合と同様の処理画像が得られる。そしてこ
のように原画像サイズの画像から順に1/22Nの大きさ
の低周波数帯域の画像が得られるため、この処理の結果
得られた画像はラプラシアンピラミッドと呼ばれる。
【0005】なお、このラプラシアンピラミッドについ
ては、Burt P.J.,“Fast Filter Transforms for Image
Processing ”,Computer Graphics and Image Proces
sing16 巻、20〜51頁、1981年;Crowley J.L.,Stern R.
M.,“Fast Computation ofthe Difference of Low・Pass
Transform ”IEEETrans.on Pattern Analysis and Mac
hine Intelligence、6巻、2号、1984年3月、Mallat
S.G.,“A Theory for Multiresolution Signal Decompo
sition ;The Wavelet Representation”IEEE Trans.on
Pattern Analysis and Machine Intelligence 、11
巻、7号、1989年7月;Ebrahimi T.,Kunt M.,“Image
compression by Gabor Expansion”,Optical Engineer
ing,30巻、7号、873 〜880 頁、1991年7月、およびPi
eter Vuylsteke,Emile Schoeters,“Multiscale Image
Contrast Amplification ”SPIEVol.2167 Image Proce
ssing(1994),pp551 〜560 に詳細が記載されている。
【0006】そしてこのようにして得られたラプラシア
ンピラミッドの全ての周波数帯域の画像に対して強調処
理を施し、この強調処理が施された各周波数帯域の画像
を逆変換して処理済画像を得る方法が上記特開平6-3017
66号に記載されている。このように処理が施された画像
は、各周波数帯域において画像が強調されているため、
実質的に上述したボケマスク処理において複数のサイズ
のマスクによりボケマスク処理を施したような画像とな
っている。
【0007】ところで蓄積性蛍光体シートなどの記録シ
ートに被写体の放射線画像を撮影記録する方法が種々提
案されているが、この方法のひとつに、いわゆる断層撮
影法と呼ばれる方法がある(例えば特開昭58-67245
号)。
【0008】断層撮影法とは、例えば被写体を固定して
おいて、被写体内部の目的とする断層に平行な面上に支
点をおいて、放射線源と記録シートとを同時に反対の方
向に移動させ、目的とする断層面上にある部分は記録シ
ートの同じ位置に撮影されるようにすることにより、断
層面の上下にある部分の像をぼかして断層面上の部分を
はっきりとした像として撮影記録する方法である。放射
線源と記録シートの移動方式としては、種々の方式が用
いられており、その主な1つとして断層面の上下にある
部分の像を所定の一方向にのみぼかすように直線的に移
動して断層撮影を行う直線断層撮影法があり、他の方法
として、円、楕円、ハイポサイクロイド、渦巻状に移動
して撮影する方法もある。
【0009】この断層撮影法を用いて得られた放射線画
像(断層撮影画像)中の観察の対象となる中央領域に、
撮影対象とされた断層面以外に存在する放射線透過量の
大きく変化した部分の像が上記移動方向(直線断層撮影
の場合には直線一方向(以下「左右方向」と称する)と
なる)に沿った障害陰影(以下これを「流れ像」と称す
る)として混入してくることがあり、この流れ像のため
に観察しにくい画像となり、あるいはこの流れ像に相当
する被写体が撮影対象とされた断層面に現に存在してい
るかのように誤認識してしまうことがあった。
【0010】従来この流れ像を低減する方法として、以
下に述べる方法が知られている(第41回日本放射線技術
学会総会予稿集 1985 第168 頁〜第169 頁「直線断層
撮影像の障害陰影消去」福井医科大学附属病院放射線部
松田ら)。
【0011】この方法は直線断層撮影像を対象としてお
り、流れ像が左右の一方向に延びているためこの左右方
向について低空間周波数であることを利用して、撮影対
象とされた断層面の画像を表す画像信号を画像の左右方
向について移動平均し、左右方向について該画像の低空
間周波数成分のみを担持する平均化画像信号を生成して
画像信号からこの平均化画像信号を引き算することによ
り左右方向について流れ像に対応する低空間周波数成分
が相対的に低減された画像を生成する方法である。
【0012】また本出願人により、所望とする第1の断
層面の画像を表す第1の画像信号を除く一つもしくは複
数の他の画像信号に基づいて、第1の画像信号が担持す
る画像に現れる流れ像を模擬した画像を表す第2の画像
信号を求める流れ像模擬手段と、第1の画像信号と第2
の画像信号とに基づいて、流れ像が低減もしくは除去さ
れた画像を表す第3の画像信号を求める流れ像除去手段
とを備えた断層撮影画像処理装置が提案されている(特
開平3-276265号)。この装置によれば、断層面の画像を
表す第1の画像信号における流れ像の生じる方向につい
て流れ像の空間周波数成分(低空間周波数成分)を相対
的に減少させるボケマスク処理を行うことにより、有用
な画像情報が流れ像と同程度の空間周波数成分を有する
場合であっても、この画像情報を保持したまま流れ像を
十分に低減させることができるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した特
開平6-301766号に記載されている方法においては、フィ
ルタリング処理を原画像に対して繰り返し施すことによ
り、原画像を多重解像度空間に変換するようにしてい
る。このフィルタリング処理は例えば図8に示す5×5
のフィルタにより行うものである。しかしながら、画像
に流れ像が含まれている場合、このようなフィルタによ
りフィルタリング処理を施すとともに強調処理を施す
と、強調すべき周波数帯域の画像ともに流れ像も強調さ
れてしまうため、画像が観察しにくいものとなってしま
っていた。
【0014】本発明による発明は上記事情に鑑み、画像
に流れ像が含まれている場合に、流れ像を低減すること
ができる画像処理方法および装置を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による画像処理方
法および装置は、流れ像を含む画像を、所定のフィルタ
により該流れ像に沿う方向に繰り返しフィルタリング処
理を施して多重解像度空間に変換することにより、該画
像を複数の周波数帯域ごとの画像に分解し、該複数の周
波数帯域のうち所定の周波数帯域の画像に対して強調処
理を施し、該強調処理が施された周波数帯域の画像およ
び他の周波数帯域の画像を前記所定のフィルタによって
逆変換することにより処理済画像信号を得ることを特徴
とするものである。
【0016】ここで所定のフィルタとは、流れ像の方向
にのみ成分を有するフィルタのことをいう。
【0017】
【発明の効果】流れ像を含む画像は流れ像の方向に沿っ
て画像がボケているものである。本発明による画像処理
方法および装置は、流れ像を含む画像を多重解像度空間
に変換する際に、流れ像の方向にのみ成分を有するフィ
ルタにより画像をフィルタリング処理するようにしたた
め、画像は流れ像の方向についての複数の周波数帯域の
多重解像度画像に変換される。そしてこの複数の周波数
帯域の画像に対して強調処理を施すことにより流れ像の
方向にのみ鮮鋭度の強調処理が施されることとなる。し
たがって、この強調処理が施された複数の周波数帯域の
画像を逆変換することにより得られる処理済画像は、流
れ像の方向について鮮鋭度が強調され、原画像に存在す
る流れ像に基づくボケが目立たないものとなる。これに
より流れ像が見立たない観察がし易い画像を得ることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。
【0019】図1は本発明による画像処理方法を実施す
るための装置の概略を表すブロック図である。図1に示
すように本発明による画像処理方法を実施するための装
置は、装置に流れ像を含む画像を入力するための画像入
力手段1と、入力された画像に対して多重解像度分解処
理を施す多重解像度分解処理手段2と、多重解像度分解
処理手段2において複数の周波数帯域に分解された画像
のうち、所定の周波数帯域の画像に対して後述するよう
な強調処理を施す強調処理手段3と、強調処理手段3に
より強調処理が施された周波数帯域の画像および他の周
波数帯域の画像を復元して処理済画像を得るための復元
処理手段4と、復元処理手段4により復元された処理済
画像を可視像として再生するための画像出力手段5とか
らなるものである。
【0020】ここで、流れ像を含む断層撮影画像を図2
に示す。図2に示す断層撮影画像20は、X線断層撮影
により得られるものであり、画像のほぼ中央に略中央に
被写体の断層面に対応する断層撮影画像23が記録され
ている。この画像20の上下の両隅には、流れ像21が形成
されているが、観察の対象は画像20の中央付近であるた
めこの両隅の流れ像21は特に問題とはならない。ただ
し、画像20の中央付近にも図3に示すように上下に延び
る流れ像22が混入している。この流れ像22は画像20の観
察領域内に現れているため、取り除く必要がある流れ像
である。
【0021】次いで本発明による画像処理方法の作用に
ついて説明する。図3は図1における多重解像度分解処
理手段2において行われる処理を説明するためのブロッ
ク図である。なお、本実施の形態においてはラプラシア
ンピラミッドの手法により画像信号Sを多重解像度画像
に分解するものとする。図3に示すように原画像を表す
デジタルの画像信号Sが多重解像度分解処理手段2に入
力されると、フィルタリング手段10においてローパスフ
ィルタによりフィルタリングされる。このローパスフィ
ルタは例えば図4に示すように5×1のグリッド上の一
次元ガウス分布に略対応している。このローパスフィル
タは後述するように全ての解像度の画像に対して適用さ
れる。
【0022】このようなローパスフィルタによりフィル
タリングされた画像信号Sは、フィルタリング手段10に
より流れ像が存在する方向おいて1画素おきにサンプリ
ングされ、低解像度近似画像g1 が得られる。この低解
像度近似画像g1 は、流れ像が存在する方向において原
画像の1/2の大きさとなっている。次いで補間手段11
において、この低解像度近似画像g1 のサンプリングさ
れた間隔に値が0の画素が補間される。この補間は低解
像度近似画像g1 の一行ごとに値が0の行を挿入するこ
とにより行う。このように値が0の画素が補間された低
解像度近似画像g1 は流れ像が存在する方向にぼけては
いるものの一行おきに値が0の画素が挿入されているた
め、信号値の変化が滑らかではないものとなっている。
【0023】そしてこのようにして補間が行われた後、
さらにこの補間がなされた低解像度近似画像g1 に対し
て図4に示すローパスフィルタによりフィルタリング処
理を施し、低解像度近似画像g1 ′を得る。この低解像
度近似画像g1 ′は上述した補間がなされた低解像度近
似画像g1 と比較して流れ像が存在する方向における信
号値の変化が滑らかなものとなっている。また原画像と
比較して流れ像が存在する方向の周波数帯域的には半分
より高い高周波数が消えたような画像となっている。こ
れは流れ像が存在する方向において画像の大きさを1/
2にして一行おきに値が0の画素を補間し、さらに図4
に示すローパスフィルタによりフィルタリング処理を施
しているため、流れ像が存在する方向における空間周波
数が半分よりも高い周波数帯域の画像が、ガウス関数に
よりぼかされたようになっているからである。
【0024】次いで減算器12において、原画像から低解
像度近似画像g1 ′の減算が行われ、細部画像b0 が得
られる。この減算は原画像と低解像度近似画像g1
との相対応する画素についての信号間で行われる。ここ
で、低解像度近似画像g1 ′は上述したように原画像の
空間周波数のうち流れ像が存在する方向において半分よ
り高い周波数帯域の画像がぼけたようになっているた
め、細部画像b0 は原画像の流れ像が存在する方向にお
いて半分より上の周波数帯域のみを表す画像となってい
る。すなわち、図5に示すように細部画像b0 は流れ像
が存在する方向において原画像のナイキスト周波数Nの
うちN/2〜Nの周波数帯域の画像を表すものとなって
いる。
【0025】次いで、低解像度近似画像g1 はフィルタ
リング手段10に入力され、図4に示すローパスフィルタ
によりフィルタリング処理が施される。そしてフィルタ
リング処理が施された低解像度近似画像g1 は、フィル
タリング手段10において流れ像が存在する方向に1画素
おきにサンプリングされ、低解像度近似画像g2 が得ら
れる。この低解像度近似画像g2 は、流れ像が存在する
方向において低解像度近似画像g1 の1/2すなわち原
画像の1/4の大きさとなっている。次いで補間手段11
において、この低解像度近似画像g2 のサンプリングさ
れた間隔に値が0の画素が補間される。この補間は低解
像度近似画像g2 の一行ごとに値が0の行を挿入するこ
とにより行う。このように値が0の画素が補間された低
解像度近似画像g2 はぼけてはいるものの一行おきに値
が0の画素が挿入されているため、信号値の変化が滑ら
かではないものとなっている。
【0026】そしてこのようにして補間が行われた後、
さらにこの補間がなされた低解像度近似画像g2 に対し
て図4に示すローパスフィルタによりフィルタリング処
理を施し、低解像度近似画像g2 ′を得る。この低解像
度近似画像g2 ′は上述した補間がなされた低解像度近
似画像g2 と比較して流れ像が存在する方向における信
号値の変化が滑らかなものとなっている。また低解像度
近似画像g1 と比較して流れ像が存在する方向において
周波数帯域的には半分より高い周波数帯域の画像が消え
たようになっている。
【0027】次いで減算器12において、低解像度近似画
像g1 から低解像度近似画像g2 ′の減算が行われ、細
部画像b1 が得られる。この減算は低解像度近似画像g
1 と低解像度近似画像g2 ′との相対応する画素につい
ての信号間で行われる。ここで、低解像度近似画像
2 ′は上述したように低解像度近似画像g1 の空間周
波数のうち流れ像が存在する方向において半分より高い
周波数帯域の画像がぼけたようになっているため、細部
画像b1 は低解像度近似画像g1 のうち半分より上の周
波数帯域のみを表す画像となっている。すなわち、図5
に示すように細部画像b1 は低解像度近似画像g1 の流
れ像が存在する方向において半分より上の周波数帯域の
み、すなわち原画像のナイキスト周波数NのうちN/4
〜N/2の周波数帯域の画像を表すものとなっている。
このようにガウス分布のローパスフィルタによりフィル
タリング処理を施して細部画像を得るようにしている
が、フィルタリング処理が施された画像を低解像度近似
画像から減算していることから、実質的にはラプラシア
ンフィルタによりフィルタリング処理を施した場合と同
様の結果となる。
【0028】そして上述した処理をフィルタリング手段
10によりフィルタリングされかつサンプリングされた低
解像度近似画像gk (k=1〜N)に対して順次繰り返
し行い、図5に示すようにn個の細部画像bk (k=1
〜n)および低解像度近似画像の残留画像gL を得る。
ここで、細部画像bk は、b0 から順に流れ像が存在す
る方向において解像度が低くなる、すなわち画像の周波
数帯域が低くなるものであり、原画像のナイキスト周波
数Nに対して、細部画像bk の流れ像が存在する方向に
おいてはN/2k+1 〜N/2k の周波数帯域を表し、画
像の大きさが原画像の1/2k 倍となっている。すなわ
ち、最も解像度が高い細部画像b0 は原画像と同じ大き
さであるが、細部画像b0 の次に高解像度の細部画像b
1 原画像の大きさの1/2となっている。このように、
細部画像bk が原画像と同一の大きさのものから順次小
さくなり、また細部画像bk はラプラシアンフィルタを
施したものと実質的に同一の画像であることから、本実
施の形態による多重解像度変換はラプラシアンピラミッ
ドと呼ばれるものである。また、残留画像gL は原画像
の非常に解像度が低い近似画像であると見なすことがで
き、極端な場合は、残留画像gL は原画像の平均値を表
す1つだけの画像からなるものとなる。そしてこのよう
にして得られた細部画像bk および残留画像gL は図示
しないメモリに記憶される。
【0029】次いでこのようにして得られた細部画像b
k に対して強調処理手段3において強調処理が施され
る。この強調処理は例えば上述した特開平6-301766号に
記載されている方法により行われる。この方法は、各周
波数帯域の画像信号に対して、下記の式(1) y=−m×(−x/m)p (x<0) y=m×(−x/m)p (x≧0) …(1) 但し、x:画像の各画素における画素値 y:強調処理が施された画像の各画素における画素値 m:画素の取り得る値の範囲(例えば、画素の取り得る
値の範囲が10ビットである場合m=1023とな
る。) により画像の強調を行うものである。すなわち、pの値
が1より小さいければ強調度が大きく、pの値が1より
大きいほど強調度が小さくされて画像の強調が行われ
る。そして上記式(1) におけるpの値を0から1の範囲
で選択し、これにより強調処理を施すべき画像内のすべ
ての画素の画素値に対して強調度を1より大きくして強
調処理を施すものである。上記式(1) によるテーブルは
図6に示すようなものとなる。そしてこのように処理が
施された画像は、各周波数帯域において画像が強調され
ているため、実質的に上述したボケマスク処理において
複数のサイズのマスクによりボケマスク処理を施したよ
うな画像となっている。
【0030】次いで、強調処理が施された周波数帯域の
細部画像bk および他の周波数帯域の細部画像bk を逆
変換する。この逆変換の処理は復元処理手段4において
以下のようにして行われる。
【0031】図7は細部画像の逆変換の詳細を表す図で
ある。まず、残留画像gL が補間手段14により各行の画
素の間が補間されて流れ像が存在する方向において元の
大きさの2倍の大きさの画像gL ′とされる。次に加算
器15においてその補間された画像gL ′と最も低解像度
の細部画像bn-1 の相対応する画素同志で加算を行い、
加算画像(gL ′+bn-1 )を得る。次いでこの加算画
像(gL ′+bn-1 )は補間手段14に入力され、この補
間手段14において各行の画素の間が補間されて流れ像が
存在する方向において元の大きさの2倍の大きさの画像
n-1 ′とされる。
【0032】次いでこの画像bn-1 ′は、加算器15にお
いて細部画像bn-1 の一段階高解像度の画像bn-2 と相
対応する画素同志の加算が行われ、加算された加算信号
(bn-1 ′+bn-2 )は補間手段14において各行の画素
の間隔が補間され、流れ像が存在する方向において細部
画像bn-2 の2倍の大きさの画像bn-2 とされる。
【0033】以上の処理を繰り返し、強調画像bkpにつ
いても同様の処理を施す。すなわち、強調画像bkpと上
述した処理が施された一段階低解像度の画像bk-1 ′と
の加算が加算器15において行われ、さらに加算信号(b
kp+bk-1 ′)に対して補間手段14において各行の画素
の間が補間され、補間信号bkp′を得る。そしてこの処
理をより高周波の細部画像bk に対して順次行い、最終
的に加算器15において補間画像b1 ′と最高解像度の細
部画像b0 との加算が行われ、処理済画像信号S′を得
る。
【0034】このようにして得られた処理済画像信号
S′は画像出力手段5に入力され、可視像として表示さ
れる。この画像出力手段5はCRT等のディスプレイ手
段でもよいし、感光フィルムに光走査記録を行う記録装
置であってもよいし、あるいはそのために画像信号を一
旦光ディスク、磁気ディスク等の画像ファイルに記憶さ
せる装置であってもよい。
【0035】上述したように流れ像を含む画像は流れ像
の方向に沿って画像がボケているものであるが、本発明
による画像処理方法は、流れ像を含む画像をラプラシア
ンピラミッドにより多重解像度に変換する際に、図4に
示すような流れ像の方向にのみ成分を有するフィルタに
より画像をフィルタリング処理するようにしたため、画
像は流れ像の方向についての複数の周波数帯域の細部画
像bk に変換される。そしてこの複数の周波数帯域の細
部画像bk に対して強調処理を施すことにより流れ像の
方向にのみ強調処理が施されることとなる。したがっ
て、この強調処理が施された複数の周波数帯域の細部画
像bk を逆変換することにより得られる処理済画像S′
は、流れ像の方向について鮮鋭度が強調され、原画像に
存在する流れ像に基づくボケが目立たないものとなる。
【0036】また、上述した実施の形態においては、細
部画像bk に対して上述した式(1)に基づいて図6に示
すようなテーブルにより強調処理を施すようにしている
がこれに限定されるものではなく、強調を施したくない
ような部分については抑制するような処理を施すもので
あってもよい。
【0037】さらに、上述した実施の形態においては、
画像を多重解像度画像に変換するためにラプラシアンピ
ラミッドの手法を用いているが、これに限定されるもの
ではなく、例えばウェーブレット変換、あるいはサブバ
ンド変換等他の方法により多重解像度画像に変換するよ
うにしてもよいものである。
【0038】ここで、ウェーブレット変換は、周波数解
析の方法として近年開発されたものであり、ステレオの
パターンマッチング、データ圧縮等に応用がなされてい
るものである(OLIVIER RIOUL and MARTIN VETTERLI;Wa
velets and Signal Processing,IEEE SP MAGAZINE,P.14
-38,OCTOBER 1991、Stephane Mallat;Zero-Crossingsof
a Wavelet Transform,IEEE TRANSACTIONS ON INFORM
ATION THEORY,VOL.37,NO.4,P.1019-1033,JULY 1991
)。
【0039】このウェーブレット変換は、
【0040】
【数1】
【0041】なる式(2) において信号を複数の周波数帯
域ごとの周波数信号に変換するものである。すなわち、
関数hの周期および縮率を変化させ、原信号を移動させ
ることによりフィルタリング処理を行えば、細かな周波
数から粗い周波数までの所望とする周波数に適合した周
波数信号を作成することができる。
【0042】一方、サブバンド変換は、ウェーブレット
変換のように1種類のフィルタにより2つの周波数帯域
の画像を得るのみではなく、複数種類のフィルタを用い
て複数の周波数帯域の画像を一度に得ることをも含む変
換方法である。
【0043】そして、このようにウェーブレット変換あ
るいはサブバンド変換によるフィルタリング処理を流れ
像が存在する方向についてのみ行い、上述したラプラシ
アンピラミッドの手法と同様に複数の周波数帯域ごとの
画像を得、得られた複数の周波数帯域ごとの画像に対し
て強調処理を行うことにより、原画像の流れ像が存在す
る方向において画像が強調されて鮮鋭度が向上し、観察
読影に適した良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理方法を実施するための装
置のブロック図
【図2】流れ像を含む画像を表す図
【図3】多重解像度分解処理手段の詳細を表す図
【図4】ローパスフィルタを表す図
【図5】ラプラシアンピラミッドによる処理が施された
複数の周波数帯域ごとの細部画像を表す図
【図6】強調度を表すテーブル
【図7】復元処理手段の詳細を表す図
【図8】従来のローパスフィルタを表す図
【符号の説明】
1 画像入力手段 2 多重解像度分解処理手段 3 強調処理手段 4 復元処理手段 5 画像出力手段 10 フィルタリング手段 11 補間手段 12 減算器 14 補間手段 15 加算器 20 流れ像を含む画像 21,22 流れ像

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流れ像を含む画像を、所定のフィルタに
    より該流れ像に沿う方向に繰り返しフィルタリング処理
    を施して多重解像度空間に変換することにより、該画像
    を複数の周波数帯域ごとの画像に分解し、 該複数の周波数帯域のうち所定の周波数帯域の画像に対
    して強調処理を施し、 該強調処理が施された周波数帯域の画像および他の周波
    数帯域の画像を前記所定のフィルタによって逆変換する
    ことにより処理済画像信号を得ることを特徴とする画像
    処理方法。
  2. 【請求項2】 流れ像を含む画像を、所定のフィルタに
    より該流れ像に沿う方向に繰り返しフィルタリング処理
    を施して多重解像度空間に変換することにより、該画像
    を複数の周波数帯域ごとの画像に分解する多重解像度分
    解手段と、 該複数の周波数帯域のうち所定の周波数帯域の画像に対
    して強調処理を施す強調処理手段と、 該強調処理が施された周波数帯域の画像および他の周波
    数帯域の画像を前記所定のフィルタによって逆変換する
    ことにより処理済画像信号を得る逆変換手段とからなる
    ことを特徴とする画像処理装置。
JP19152395A 1995-07-27 1995-07-27 画像処理方法および装置 Withdrawn JPH0944658A (ja)

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