JPH0943861A - 対向プレートの位置合わせ方法と位置合わせ装置 - Google Patents

対向プレートの位置合わせ方法と位置合わせ装置

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JPH0943861A
JPH0943861A JP21810595A JP21810595A JPH0943861A JP H0943861 A JPH0943861 A JP H0943861A JP 21810595 A JP21810595 A JP 21810595A JP 21810595 A JP21810595 A JP 21810595A JP H0943861 A JPH0943861 A JP H0943861A
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JP
Japan
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plate
plates
mask plate
suction
support base
Prior art date
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Application number
JP21810595A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Ueno
雅敏 上野
Mitsuo Inoue
光郎 井上
Takashi Ono
隆 大野
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対向プレートの位置合わせ精度の向上を図
る。 【解決手段】 上マスクプレート48と下マスクプレー
ト52とは、それぞれのプレート吸着枠を介して上マス
クプレート支持台56,下マスクプレート支持台60に
支持され、上下に対向する。この上下のマスクプレート
の位置合わせの際には、まず、両マスクプレートを近接
させる。この過程で、これらマスクプレートの回りに
は、これを取り囲むマスクプレート包囲領域Hがシール
体55により形成され、気密とされる。その一方、この
マスクプレート包囲領域Hが気密にされる以前から、マ
スクプレート包囲領域Hのエアーを吸引孔53を経て吸
引する。そして、このプレート近接,吸引を両マスクプ
レートが接合するまで行なうと、マスクプレート包囲領
域Hの負圧化が進行しつつ、上下のマスクプレートは接
合するので、両マスクプレート間にはエアー溜まりを残
すことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対向する第1のプ
レートと第2のプレートとを位置合わせする位置合わせ
方法と位置合わせ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】対向する第1,第2のプレートの位置合
わせは、例えば金属薄板を対向プレートで密着挟持しこ
の金属薄板の主面に所定のパターンを焼き付ける露光装
置で必要とされる。これは、次のような理由による。カ
ラー受像管用のシャドウマスクやアパーチャグリル,半
導体用のリードフレームなどでは、微細な透孔やパター
ンが所定の配列で穿孔される。そして、その製造の過程
において、原材料である金属薄板の表裏の主面へのパタ
ーンの焼き付けが露光装置にて行なわれる。この際、表
裏の主面のパターンが互いに関連付けられていないと、
その後のエッチング工程にて透孔の孔形状や透孔の両開
口の位置ズレなどが生じ、シャドウマスク等の製品品質
を低下させてしまうからである。なお、金属薄板の一方
の主面にのみパターン焼き付けを行なう場合であって
も、金属薄板におけるパターンの焼き付け位置の再現性
の都合から、対向プレートの位置合わせが必要である。
【0003】このため、おのおのが所定の焼き付けパタ
ーンを有する第1,第2のプレートの位置合わせは、従
来から、CCDカメラを利用して次のようにして行なわ
れている。即ち、第1,第2のプレートには焼き付けパ
ターンの他に予め位置合わせ用のマーク(アライメント
マーク)を設けておき、まず、それぞれのプレート支持
台に支持した第1と第2のプレートを一旦接合させ、そ
の場合におけるこの両マークのズレ量をCCDカメラに
より読み取る。そして、この読み取ったズレ量が所定の
許容範囲のものとなるよう、第1,第2のプレートのい
ずれか一方を調整移動するのである。この場合、調整移
動に支障がないように、当該移動に先だって第1,第2
のプレートは離される。なお、上記の一連の動作である
アライメント動作に先立ち、第1,第2のプレートの間
には、予め金属薄板が配置されている。具体的に説明す
ると、第1,第2のプレートが上下に位置する場合に
は、下側に位置する例えば第1のプレートに予め金属薄
板が載置される。また、ロール状に巻き取った長尺状の
金属薄板にパターン焼き付けを行なう場合には、第1,
第2のプレートの接合箇所をパスラインとして長尺状の
金属薄板が連続して送り出される。
【0004】このアライメント動作完了後には、第1と
第2のプレートは再度接合され、両プレートの間に金属
薄板を挟持する。そして、両プレートの再度の接合およ
び金属薄板の挟持の完了後には、両プレートを密着すべ
く、両プレートの間のエアーを吸引することが行なわれ
ている。この吸引は、各プレートの焼き付けパターンを
正確に金属薄板に焼き付けるために不可欠である。この
場合、両プレートを支持するプレート支持台のいずれか
一方にはシール部材が設けられており、このシール部材
を介在させて両プレートの周囲に気密室を形成し、この
気密室内のエアーを吸引して両プレートを真空密着する
ことが一般的である。
【0005】一方、アライメント動作において読み取っ
たズレ量が許容範囲のものである場合には、第1,第2
のプレートの離間および調整移動は行なわれず、エアー
吸引を経た両プレートの真空密着が速やかに行なわれ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにしてアライメント動作を行なって両プレートの位
置合わせをした場合でも、真空吸着後に再度CCDカメ
ラにてアライメントマークのズレ、即ち両プレートのズ
レを確認すると、ズレが起きていることがあった。この
ような事態に至ると、再度、アライメント動作をやり直
す必要があり、煩雑であった。
【0007】このように真空吸着後に第1,第2のプレ
ートにズレが起きるのは、つぎのような理由によると考
えられる。アライメント動作において両プレートを一旦
接合させる際であっても、その後の真空吸着で不可欠な
シール部材により両プレート支持台の間に両プレートを
取り囲む気密室が形成される。この気密室は両プレート
が接合する前に形成されるので、当該気密室にエアーが
残ったまま両プレートは接合される。従って、気密室形
成時点からプレートの接合時点までの間において、気密
室からシール部材のシール箇所を経てエアーが抜けない
と、エアー溜まりが存在したまま両プレートが接合され
る。よって、このエアー溜まりによりプレートが外側に
凸に湾曲した状態や両プレートが不均一に接合した状態
でCCDカメラによるアライメントマークのズレ読取が
行なわれる。このため、読み取ったズレ量は、両プレー
トが隙間なく均一に接合した場合の真のズレ量とは異な
り、この異なったズレ量に基づいてプレートの調整移動
が行なわれてしまうことに基づく。
【0008】また、読み取ったズレ量が許容範囲である
ためにエアー吸引を引き続いて行なって両プレートを真
空密着した場合でも、両プレートのズレを真空密着後に
確認すると、ズレが起きていることがあった。これは、
許容範囲であるとした読み取りズレ量がエアー溜まりに
より真のズレ量ではないので、その後の真空密着により
エアー溜まりが解消されて真のズレ量が表われ、この真
のズレ量が許容範囲外となることが一因である。
【0009】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であり、対向プレートの位置合わせを精度良く行なうこ
とをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するため、第1の発明の対向プレート位置
合わせ方法は、第1のプレートを支持する第1プレート
支持台と、該第1のプレートと対向する第2のプレート
を支持する第2プレート支持台とを有し、前記第1と第
2のプレートとを位置合わせする位置合わせ方法であっ
て、前記第1プレート支持台と第2プレート支持台を相
対的に移動して、前記第1と第2のプレートを一旦接合
させる接合工程と、該接合された前記第1と第2のプレ
ートの位置合わせ状態を検査する検査工程と、該検査完
了後に、前記第1プレート支持台と第2プレート支持台
を相対的に移動して、前記第1と第2のプレートを離間
する離間工程と、該離間された前記第1と第2のプレー
トの少なくともいずれか一方を前記検査した位置合わせ
状態に応じて移動して、前記第1と第2のプレートの位
置合わせを行なう位置合わせ工程と、を備え、前記接合
工程は、前記第1と第2のプレートが近づくと、前記第
1と第2のプレートを取り囲むプレート包囲領域を、前
記第1プレート支持台と第2プレート支持台との間にお
いて気密状態とする気密化工程と、前記プレート包囲領
域におけるエアーを、前記プレート包囲領域が気密とさ
れる以前から継続して吸引する吸引工程とを有し、前記
離間工程は、前記第1プレート支持台と第2プレート支
持台の相対的な移動に先立ち、前記吸引工程による前記
プレート包囲領域の吸引を停止する吸引停止工程を有す
ることをその要旨とする。
【0011】上記した構成の第1の発明の対向プレート
位置合わせ方法では、接合工程により第1と第2のプレ
ートを接合させる過程で第1と第2のプレートが近づく
と、気密化工程により、この第1と第2のプレートを取
り囲む第1プレート支持台と第2プレート支持台との間
のプレート包囲領域を、気密状態とする。そして、この
プレート包囲領域におけるエアーの吸引を、プレート包
囲領域が気密とされる以前から吸引工程により継続す
る。よって、第1と第2のプレートの接合過程でプレー
ト包囲領域が気密とされてからは、両プレートのさらな
る接近とエアー吸引によるプレート包囲領域の負圧化が
平行して行なわれる。
【0012】従って、両プレートが接合過程を経て接合
する際には、プレート包囲領域からはエアーが吸引除去
された状態で、或いは除去されつつ両プレートが接合す
るため、両プレート間にはエアー溜まりを残さない。な
お、第1,第2のプレートが可撓性を有する場合には、
プレートの接合に先立つプレート包囲領域の負圧化によ
り、いずれかのプレートはその中央部にて他方のプレー
トに向けて凸状となる。そして、この凸部にて両プレー
トは最も接近し、この凸部で両プレートは当初接合し、
その後の両プレートの接合領域はこの凸部から放射状に
拡大して行き両プレートはその全面に亘り接合する。よ
って、検査工程による位置合わせ状態の検査は、両プレ
ートが隙間なく均一に接合した状態で行なわれるため、
その検査結果は第1,第2のプレートの位置ズレの状態
を正確に反映したものとなる。
【0013】その後は、吸引停止工程によりプレート包
囲領域の吸引を停止してから離間工程により第1と第2
のプレートを離間させる。そして、この状態で、両プレ
ートの位置ズレを正確に反映した検査結果に応じて、位
置合わせ工程により、第1と第2のプレートの少なくと
もいずれか一方を移動し、第1と第2のプレートの位置
合わせを行なう。
【0014】つまり、第1の発明の対向プレート位置合
わせ方法では、第1と第2のプレート位置合わせ状態の
検査を、第1と第2のプレートの接合時における両プレ
ート周囲のプレート包囲領域の空気吸引を経て両プレー
トが隙間なく均一に接合した状態で行なう。そして、こ
の第1,第2のプレートの位置ズレの状態を正確に反映
した検査結果に応じて、第1と第2のプレートの位置合
わせを行なう。このため、第1の発明の対向プレート位
置合わせ方法によれば、第1,第2のプレートからなる
対向プレートの位置合わせ精度を向上させることができ
る。
【0015】また、上記課題を解決するため、第2の発
明の対向プレート位置合わせ装置は、第1のプレートを
支持する第1プレート支持台と、該第1のプレートと対
向する第2のプレートを支持する第2プレート支持台と
を有し、前記第1と第2のプレートとを位置合わせする
位置合わせ装置であって、前記第1プレート支持台と第
2プレート支持台とを相対的に移動する相対移動手段
と、該相対移動手段を前記第1プレート支持台と第2プ
レート支持台とが近接する側に駆動制御し、前記第1と
第2のプレートを一旦接合させる接合手段と、前記第1
プレート支持台と第2プレート支持台の少なくとも一方
に前記第1と第2のプレートを取り囲んで設けられ、前
記第1と第2のプレートが近づくと、前記第1プレート
支持台と第2プレート支持台との間に前記第1と第2の
プレートを取り囲むプレート包囲領域を形成し、該プレ
ート包囲領域を気密にシールするシール体と、前記プレ
ート包囲領域に連通した連通口を経て、前記プレート包
囲領域のエアーを前記シール体により前記プレート包囲
領域が気密とされる以前から継続して吸引する吸引手段
と、前記接合された前記第1と第2のプレートの位置合
わせ状態を検査する検査手段と、前記吸引手段による前
記プレート包囲領域の吸引を、前記位置合わせ状態の検
査完了後に停止する吸引停止手段と、該吸引停止後に、
前記相対移動手段を前記第1プレート支持台と第2プレ
ート支持台が離間する側に駆動制御し、前記第1と第2
のプレートを離間する離間手段と、該離間された前記第
1と第2のプレートの少なくともいずれか一方を前記検
査した位置合わせ状態に応じて移動して、前記第1と第
2のプレートの位置合わせを行なう位置合わせ手段と、
を備えることをその要旨とする。
【0016】上記した構成の第2の発明の対向プレート
位置合わせ装置では、相対移動手段を接合手段により駆
動制御して第1と第2のプレートを接合させる過程で第
1と第2のプレートが近づくと、シール体により、この
第1と第2のプレートを取り囲む第1プレート支持台と
第2プレート支持台との間のプレート包囲領域を形成
し、そのプレート包囲領域を気密にシールする。そし
て、このプレート包囲領域におけるエアーの吸引を、シ
ール体によりプレート包囲領域が気密とされる以前から
吸引手段により継続する。よって、第1と第2のプレー
トの接合過程でプレート包囲領域が気密にシールされて
からは、両プレートのさらなる接近とエアー吸引による
プレート包囲領域の負圧化が平行して行なわれる。
【0017】従って、両プレートが接合過程を経て接合
する際には、プレート包囲領域からはエアーが吸引除去
された状態で、或いは除去されつつ両プレートが接合す
るため、両プレート間にはエアー溜まりを残さない。な
お、第1,第2のプレートが可撓性を有する場合には、
プレートの接合に先立つプレート包囲領域の負圧化によ
り、いずれかのプレートはその中央部にて他方のプレー
トに向けて凸状となる。そして、この凸部にて両プレー
トは最も接近し、この凸部で両プレートは当初接合し、
その後の両プレートの接合領域はこの凸部から放射状に
拡大して行き両プレートはその全面に亘り接合する。よ
って、検査手段による位置合わせ状態の検査は、両プレ
ートが隙間なく均一に接合した状態で行なわれるため、
その検査結果は第1,第2のプレートの位置ズレの状態
を正確に反映したものとなる。
【0018】その後は、吸引停止手段によりプレート包
囲領域の吸引を停止してから、離間手段により相対移動
手段を駆動制御して第1と第2のプレートを離間させ
る。そして、この状態で、両プレートの位置ズレを正確
に反映した検査結果に応じて、位置合わせ手段により、
第1と第2のプレートの少なくともいずれか一方を移動
し、第1と第2のプレートの位置合わせを行なう。
【0019】この第2の発明の対向プレート位置合わせ
装置であっても、第1と第2のプレート位置合わせ状態
の検査を、第1と第2のプレートの接合時における両プ
レート周囲のプレート包囲領域の空気吸引を経て両プレ
ートが隙間なく均一に接合した状態で行なう。そして、
この第1,第2のプレートの位置ズレの状態を正確に反
映した検査結果に応じて、第1と第2のプレートの位置
合わせを行なう。このため、第2の発明の対向プレート
位置合わせ装置によれば、第1,第2のプレートからな
る対向プレートの位置合わせ精度を向上させることがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を露光
装置を例に採った実施例に基づいて説明する。まず、実
施例の露光装置の全体構成および動作の概況について説
明する。
【0021】この露光装置30は、カラー受像管用のシ
ャドウマスクの原材料である金属薄板の表裏の主面に透
孔の配列パターンを同時に焼き付け・露光するための装
置であり、次のような構成を備える。露光装置30は、
その概略正面図である図1に示すように、その中央に露
光部32を備え、その左右には、露光部32に金属薄板
Kを搬入するための供給部34と、露光部32から搬出
された金属薄板Kを受け取る排出部36を備える。供給
部34は、その上面に外部から搬入・載置された金属薄
板Kを当該上面で予備的に位置合わせし、図示しない搬
送装置により金属薄板Kを露光部32の所定位置に搬入
する。排出部36は、やはり図示しない搬送装置を有
し、露光済みの金属薄板Kを露光部32から搬出し、後
工程である現像,エッチング装置に金属薄板Kを排出す
る。なお、供給部34から或いは排出部36への金属薄
板Kの搬送の際には、シャッター32a,32bが開閉
制御される。
【0022】露光部32は、上下に露光光源38,40
を備え、両光源の間に、金属薄板Kを密着挟持し金属薄
板Kの表裏の主面に焼き付けパターンを密着するための
マスク部42を有する。マスク部42は、上マスク部4
4と下マスク部46とを近接離間可能に対向して有し、
この上下のマスク部を平行に備える。上マスク部44
は、その下面側に上マスクプレート48を上プレート吸
着枠50と一体に支持し、下マスク部46は、その上面
側に下マスクプレート52を下プレート吸着枠54と一
体に支持する。上マスクプレート48,下マスクプレー
ト52は、紫外領域の波長の光の透過効率が高い透光性
を有し、上マスクプレート48の下面および下マスクプ
レート52の上面には、それぞれ所定の焼き付けパター
ンが予め設けられている。また、この上下のマスクプレ
ートは、本実施例ではその板厚が約5mmであり、縦・
横が約600mm×800mmのサイズであることか
ら、その周縁で支持されて水平にされると、僅かではあ
るがプレート中央部が下向きに凸となる。なお、マスク
プレートを樹脂から製造した場合には、マスクプレート
は可撓性を発揮しプレート中央部はより下向きに凸とな
り易い。
【0023】そして、下プレート吸着枠54下方の2台
のCCDカメラ20,22を用いて両マスクプレートの
位置合わせを行ない、その後、両マスクプレートの間に
金属薄板Kを密着挟持する。次いで、この状態で露光光
源38,40を点灯制御して、金属薄板Kの表裏の主面
に、各マスクプレートのパターンを焼き付ける。なお、
マスクプレートの位置合わせや各プレート吸着枠へのマ
スクプレートの吸着については後述する。
【0024】上マスク部44は、上マスクプレート48
を支持する上マスクプレート支持台56と、この上マス
クプレート支持台56をその三方で取り囲んで保持する
上保持枠58とを備える。同様に、下マスク部46は、
下マスクプレート52を支持する下マスクプレート支持
台60と、この下マスクプレート支持台60をその三方
で取り囲んで保持する下保持枠62とを備える。ここ
で、下マスク部46における下マスクプレート支持台6
0,下保持枠62等の構成について説明する。
【0025】図1におけるA方向矢視図である図2と下
マスク部46の概略斜視図である図3に示すように、下
マスク部46は、コの字状の下保持枠62の枠内に下マ
スクプレート支持台60を左右のスライドレール64で
係合して備える。このスライドレール64は、3段に伸
長して、下マスクプレート支持台60を露光部32の前
方(図1における紙面の手前側)にスライド可能に保持
する。
【0026】下保持枠62は、図2に示すように、開口
端部と反対側にリニアレールに係合するガイドブロック
66を左右に備える。このガイドブロック66が係合す
る左右のリニアレール68は、この図2およびマスク部
42の中央概略断面図である図4に示すように、露光部
32の架台の左右に垂直に設置されている。従って、下
保持枠62にスライド可能に保持された下マスクプレー
ト支持台60は、このリニアレール68に沿って下保持
枠62ごと上下動する。下マスクプレート支持台60
は、前方端縁に回転ローラ70,72でシャフトを挟み
込み当該シャフトに沿って案内するガイド機構74を備
える。そして、この回転ローラ70,72で挟み込まれ
るスライドシャフト76が下保持枠62の開口端部側に
垂直に設置されている。よって、下マスクプレート支持
台60は、その前方端縁がガイド機構74により垂直に
案内を受けることから、その姿勢を水平に維持したまま
リニアレール68に沿って下保持枠62ごと上下動す
る。
【0027】なお、ガイド機構74の回転ローラ72
は、当該ガイド機構のハンドル78の操作により、図3
に矢印Bで示すようにほぼ90゜回転してスライドシャ
フト76から離れ、その干渉を解く。よって、下マスク
プレート支持台60は、支障なく露光部32の前方にス
ライドする。
【0028】下マスクプレート支持台60の中央は、露
光光源40からの光を透過させるための開口80とされ
ている。そして、図3,図4に示すように、下マスクプ
レート支持台60は、この開口80の周囲に、ボールキ
ャスター82を点在して備える。従って、下プレート吸
着枠54と一体に下マスクプレート支持台60に載置さ
れた下マスクプレート52は、この複数のボールキャス
ター82で支えられるため、下マスクプレート支持台6
0に対して水平に移動自在に支持される。なお、下プレ
ート吸着枠54は、ボールキャスター82のボールにプ
レート84を接触させる。このため、ボールとの当たり
によるへこみ等は生じることはなく、下マスクプレート
52の水平移動が損なわれることはない。
【0029】下マスク部46と平行な上マスク部44
は、上記した下マスク部46とほぼ同様の構成を備え、
上マスクプレート48,上プレート吸着枠50を下面に
支持する点で異なる。つまり、上マスク部44にあって
も、図4に示すように、コの字状の上保持枠58の枠内
に上マスクプレート支持台56を左右のスライドレール
86で係合して備え、このスライドレール86により上
マスクプレート支持台56を露光部32の前方にスライ
ド可能に保持する。
【0030】上保持枠58は、下保持枠62と同様に、
左右のガイドブロック66およびガイド機構74を備え
る。よって、上保持枠58にスライド可能に保持された
上マスクプレート支持台56は、その姿勢を水平に維持
したままリニアレール68に沿って上保持枠58ごと上
下動する。
【0031】また、上マスクプレート支持台56も、下
マスクプレート支持台60と同様、その中央が開口88
とされており、更に開口周囲には保持金具90に保持さ
れたボールキャスター82を点在して備え、上プレート
吸着枠50を落下させないようこれを保持する。従っ
て、上プレート吸着枠50に吸着された上マスクプレー
ト48は、この保持金具90とボールキャスター82に
より上マスクプレート支持台56に支持される。
【0032】従って、上マスクプレート48と下マスク
プレート52は、それぞれ上マスクプレート支持台5
6,下マスクプレート支持台60に支持されて上下に対
向する。そして、下マスクプレート52は、上マスクプ
レート48に対して平行なまま移動可能に支持されるこ
とになる。一方、上マスクプレート48は、後述するよ
うに下マスクプレート52とは独立して下マスクプレー
ト支持台60に位置決めされる。よって、上下のマスク
プレートの位置合わせは、下マスクプレート支持台60
において下マスクプレート52を移動することで行なわ
れる。なお、下マスクプレート52の移動機構とその移
動の様子については後述する。
【0033】次に、上マスクプレート48,下マスクプ
レート52のそれぞれの吸着枠への吸着機構について、
下プレート吸着枠54を例に採り説明する。下プレート
吸着枠54は、図2に示すように、その中央が露光光源
40からの光を透過させるための開口92とされてお
り、この開口92の周縁に沿って吸着部93a〜93i
を備える。これら吸着部は、下マスクプレート52が載
せられるとその上面が塞がれる位置に設けられている。
吸着部93aは、図2の5−5線断面図である図5に示
すように、下プレート吸着枠54の上面にOリング94
を嵌め込んで形成され、このOリング94で囲まれた領
域には、吸引穴95が空けられている。また、下プレー
ト吸着枠54には、隣合う吸着部の吸引穴同士を導通す
る導通穴96が空けられている。そして、この導通穴9
6は、吸引ポンプ208(図13参照)に接続されてお
り、下プレート吸着枠54に下マスクプレート52を載
置した後に、吸引ポンプ208が駆動される。よって、
導通穴96,吸引穴95から各吸着部のエアーが吸引さ
れるので、下マスクプレート52は、下プレート吸着枠
54上面に複数箇所の吸着部で強固に吸着・保持され、
下プレート吸着枠54と一体となる。上マスクプレート
48の上プレート吸着枠50への吸着も同様である。な
お、この吸引ポンプから上下のプレート吸着枠に至る間
の配管には、逆止弁と真空タンクが設けられており、プ
レート吸着枠へのマスクプレートの吸着・保持が機械的
に確保されている。
【0034】次に、上マスクプレート支持台56,下マ
スクプレート支持台60を上下動するための構成につい
て説明する。図2および図6に示すように、露光部32
には、2本のスプロケットシャフト98,99が上下に
横架されており、スプロケットシャフト98は上保持枠
58の上方に、スプロケットシャフト99は下保持枠6
2の下方に位置する。各シャフトのスプロケット98
a,99aには、チェーン100が掛け渡されており、
このチェーン100は上保持枠58の梁材59と下保持
枠62の梁材63に固定されている。両梁材へのチェー
ンの固定は、シャフトを挟んで左右で行なわれている。
このため、モータ214(図13参照)を駆動してその
正逆回転を駆動側のスプロケットシャフト、例えばスプ
ロケットシャフト99に伝達すれば、上マスクプレート
支持台56と下マスクプレート支持台60は近接・離間
するよう上下動する。
【0035】つまり、図6中に矢印Cで示すようにスプ
ロケットシャフト99が反時計回りに回転すれば、下マ
スクプレート支持台60は下保持枠62と共に上昇し、
上マスクプレート支持台56は上保持枠58と共に下降
する。その後、スプロケットシャフト99が時計回りに
回転すれば、下マスクプレート支持台60は下保持枠6
2と共に下降し、上マスクプレート支持台56は上保持
枠58と共に上昇する。従って、上記した吸着により上
プレート吸着枠50と一体となった上マスクプレート4
8と、下プレート吸着枠54と一体となった下マスクプ
レート52とは、両マスクプレート支持台の上下動によ
り接合したり離間したりする。この様子については、後
述する。
【0036】次に、下マスクプレート支持台60に対す
る上マスクプレート48の位置決め機構について説明す
る。図2に示すように、位置決め対象となる下マスクプ
レート支持台60は、下プレート吸着枠54と干渉しな
い各コーナーに位置決めピン嵌合ブロック102を備え
る。また、上マスクプレート48を吸着・保持する上プ
レート吸着枠50は、位置決めピン嵌合ブロック102
の設置ピッチに併せて、図7に示すような位置決めピン
ブロック104を備える。この位置決めピンブロック1
04は、ばね105にて常時下方に向けて付勢した位置
決めピン106を上下に摺動自在に備える。
【0037】従って、上マスクプレート48は、次のよ
うにして下マスクプレート支持台60に位置決めされ
る。まず、図4,図7に示すように上マスクプレート4
8が下マスクプレート支持台60から所定間隔だけ離れ
ている初期位置から、図8に示す上マスクプレート位置
決め位置まで上マスクプレート支持台56と下マスクプ
レート支持台60とが近接するよう、両支持台を上下動
する。そして、図8に示すように、上マスクプレート4
8が下マスクプレート支持台60に近づくと、上プレー
ト吸着枠50における位置決めピンブロック104の位
置決めピン106は、下マスクプレート支持台60にお
ける位置決めピン嵌合ブロック102の嵌合穴103に
嵌合する。このため、上プレート吸着枠50と一体とな
った上マスクプレート48は、下マスクプレート支持台
60に対して位置決めされる。
【0038】なお、上プレート吸着枠50を上マスクプ
レート支持台56に保持するボールキャスター82は、
両支持台の間に納まっていて、下プレート吸着枠54や
下マスクプレート支持台60と干渉することはない。ま
た、上マスクプレート位置決め位置以上に両支持台が近
接すると、位置決めピン106は、嵌合穴103にその
先端を嵌合させたまま上昇するが、下マスクプレート支
持台60に対する上マスクプレート48の位置決め状態
は保持されたままである。
【0039】つまり、両支持台が近接すると、位置決め
ピン嵌合ブロック102と位置決めピンブロック104
とにより、上マスクプレート48は下マスクプレート支
持台60に対して常に位置決めされる。このため、上プ
レート吸着枠50或いは下プレート吸着枠54をそれぞ
れの支持台ごと露光部32の前方にスライドさせた場合
に、その衝撃により上下の支持台の位置関係に若干ズレ
が生じても、上マスクプレート48は、下マスクプレー
ト支持台60に対してその都度位置決めされる。よっ
て、上マスクプレート支持台56と下マスクプレート支
持台60との特段の位置精度確保やスライドレール6
4,86の高精度化を必要としない。
【0040】図8や図5および図2等に示すように、下
プレート吸着枠54は、その上面に吸着・保持した下マ
スクプレート52を取り囲むシール体55を有する。こ
のシール体55は、例えばシリコンゴム等から形成され
ており、下プレート吸着枠54周縁の段差部に気密に接
着されている。そして、シール体55は、弾性に富み、
上記段差部に装着されるシール基部55aと斜め外側に
延びたシール部55bとを有する。また、シール体55
の形状寸法は、次のように定められている。つまり、図
8に示す上マスクプレート位置決め位置まで上下のマス
クプレート支持台が近接して上マスクプレート48の位
置決めが完了した状態では、そのシール部55bは上プ
レート吸着枠50下面には当接しない寸法であり、上マ
スクプレート位置決め位置以上に両支持台が近接すると
シール部55bは上プレート吸着枠50下面に当接する
寸法とされている。しかも、下マスクプレート52に載
置された金属薄板Kに上マスクプレート48が密着する
以前に、シール部55bは上プレート吸着枠50下面に
当接する寸法とされている。
【0041】従って、下マスクプレート52上の金属薄
板Kと上マスクプレート48との間に隙間を残した状態
で、下マスクプレート52および上マスクプレート48
の取り囲むマスクプレート包囲領域Hは、シール体55
により気密とされる。そして、下プレート吸着枠54に
は、このマスクプレート包囲領域Hと連通し後述の吸引
ポンプ212(図13参照)に接続された吸引孔53が
複数箇所に設けられている。なお、複数の吸引孔53
は、下プレート吸着枠54の中央を中心として対称な位
置(例えば、下プレート吸着枠54の各コーナー)に設
けられている。
【0042】次に、下マスクプレート52の移動機構に
ついて説明する。下マスクプレート支持台60は、図2
および図3に示すX軸とY軸に沿って下マスクプレート
52を移動するプレート移動ユニットを有し、X軸に沿
っては2組の移動ユニット110,112を、Y軸に沿
っては1組の移動ユニット114をそれぞれ内蔵する。
そして、下マスクプレート支持台60は、これらの図面
に示すように、各プレート移動ユニットのプレート押圧
駒116,118,120をその上面から突出して備え
る。なお、Y軸の移動ユニット114におけるプレート
押圧駒120は、下プレート吸着枠54の下面にて突出
しており、図2には示されていない。X軸,Y軸の移動
ユニットの構成は同じなので、Y軸の移動ユニット11
4を例に採りその構成を説明する。
【0043】移動ユニット114は、図9に示すよう
に、下マスクプレート支持台60の上面板の裏面に、固
定プレート122を介して設けられている。そして、移
動ユニット114は、この固定プレート122に、ガイ
ドレール124と、パルスモータ126と、軸受128
とを固定して備える。ガイドレール124は、下プレー
ト吸着枠54と一体となった下マスクプレート52の一
移動方向であるY軸に沿って設けられている。このガイ
ドレール124には、ガイドプレート130に固定され
たガイドブロック132が係合されており、当該ガイド
ブロックには、プレート押圧駒120が下マスクプレー
ト支持台60の上面板の長孔134を貫通して固定され
ている。従って、プレート押圧駒120は、ガイドレー
ル124にガイドブロック132およびガイドプレート
130が案内されるので、ガイドレール124の施設方
向であるY軸に沿って移動自在となる。
【0044】ガイドプレート130の端面には、雌螺子
が形成された回転伝達板134が固定されており、この
回転伝達板134の雌螺子には、軸受128に支持され
た軸136の雄螺子が螺合している。この軸136は、
軸受128を貫通してパルスモータ126の出力軸にカ
ップリング138を介して連結されており、当該モータ
の回転により回転する。従って、後述する制御装置20
0(図13参照)からの制御信号によりパルスモータ1
26が正逆方向に回転すると、その回転は軸136を介
して回転伝達板134に伝達される。そして、モータの
回転は、回転伝達板134と軸136により直線運動に
変換され、ガイドプレート130に伝達される。このた
め、プレート押圧駒120は、モータの正逆回転により
Y軸に沿って前後(図9における左右方向、即ち+Y方
向と−Y方向)に移動する。
【0045】そして、このプレート押圧駒120は、下
マスクプレート52の下面に固定された伝達板140に
当接する。また、下マスクプレート支持台60の上面お
よび下プレート吸着枠54下面には、ばね係合ピン14
2,144が突設されており、両係合ピンにはばね14
6が掛け渡されている。従って、下マスクプレート52
は、図9における右方向に、このばね146のばね力を
受けて付勢されるので、伝達板140とプレート押圧駒
120とは常時当接したままとなる。このため、パルス
モータ126の正逆回転に伴いプレート押圧駒120が
Y軸に沿って前後に移動すると、下マスクプレート52
は、プレート押圧駒120に当接している伝達板140
を介して、+Y方向又は−Y方向に向けて移動する。こ
の際、下マスクプレート52は、上マスクプレート48
に対して平行なまま移動する。
【0046】下マスクプレート52をX軸に沿って移動
させるための2組の移動ユニット110,112も、上
記した移動ユニット114と同様に構成されている。そ
して、移動ユニット110,112は、図2に示すよう
に、下プレート吸着枠54端面に設けた伝達板148,
150にプレート押圧駒116,118を当接させてお
り、その当接箇所において、プレート押圧駒116,1
18を経て下マスクプレート52を+X方向又は−X方
向に向けて個別に移動させる。なお、移動ユニット11
4の場合と同様に、下マスクプレート52は、X軸に沿
っても図示しないばねのばね力を受けて付勢されてお
り、伝達板148,150とプレート押圧駒116,1
18とは常時当接したままである。
【0047】移動ユニット110,112による下マス
クプレート52の移動量は、制御装置200からの制御
信号により個別に定まる。よって、移動ユニット11
0,112による移動量を異なるものとすれば、下マス
クプレート52は、上マスクプレート48に対して平行
なままX−Y平面内で回転する。その一方、両移動ユニ
ットの移動量を等しくすれば、下マスクプレート52
は、上マスクプレート48に対して平行なまま+X方向
又は−X方向に向けて移動する。つまり、移動ユニット
114による移動と併せて、下マスクプレート52は、
上マスクプレート48に対して平行なまま、回転若しく
はX軸,Y軸に沿って移動する。
【0048】次に、各軸の移動ユニットにて直接押圧さ
れる下プレート吸着枠54を下マスクプレート支持台6
0に固定する固定機構について説明する。図3に示すよ
うに、下マスクプレート支持台60は、この開口80の
周囲に、上面を磁力発揮面とする電磁石152を点在し
て備える。それぞれの電磁石152は、図3および図9
に示すように、下マスクプレート支持台60の上面板を
貫通して設けられており、当該上面板裏面に固定された
取り付け金具154により支持されている。一方、下プ
レート吸着枠54は、その下面に電磁石152に吸着さ
れる吸着ブロック156と、この吸着ブロック156を
下プレート吸着枠54に係合する係合プレート158
と、係合プレート158を下プレート吸着枠54下面に
固定する固定体160とを備える。係合プレート158
は、板状のばね鋼から切り出し形成されている。このた
め、その先端に図示しないボルト等により固定された吸
着ブロック156は、係合プレート158の撓みによ
り、下プレート吸着枠54に対して近接・離間のみ可能
に保持される。そして、この吸着ブロック156は、そ
の下面を電磁石152の磁力発揮面に密着・対向させて
いる。
【0049】吸着ブロック156は、図10に示すよう
に、電磁石152より大きく形成されている。よって、
移動ユニットによりこの吸着ブロック156が下プレー
ト吸着枠54と共に移動し、図中二点鎖線で示すように
電磁石152との相対的な位置関係が変化した場合で
も、吸着ブロック156下面はそのほとんどの領域で電
磁石152の磁力発揮面に密着・対向したままである。
つまり、吸着ブロック156は、その下面を移動ユニッ
トによる下プレート吸着枠54,下マスクプレート52
の移動の前後に亘って電磁石152の磁力発揮面と対向
させ、電磁石152への通電を経て生じた磁力によりこ
の電磁石152に吸着される。そして、この吸着によ
り、下マスクプレート52は、下プレート吸着枠54ご
と下マスクプレート支持台60に引き付けられ、下マス
クプレート支持台60に対して位置決めされる。なお、
吸着ブロック156の大きさは、移動ユニットによる下
プレート吸着枠54最大移動量を考慮して定められてい
る。
【0050】次に、上マスクプレート48と下マスクプ
レート52の位置合わせについて説明する。CCDカメ
ラ20,22は、図1,図2に示すように、下プレート
吸着枠54の開口92内で位置するよう下マスクプレー
ト支持台60の下方に設けられており、その撮像レンズ
を下マスクプレート52,上マスクプレート48に向け
ている。図2の11−11線概略断面図である図11に
示すように、下マスクプレート支持台60は、その上面
板の裏面に取り付けプレート162を介在させて、第1
のスライドユニット164と第2のスライドユニット1
66と第3のスライドユニット168とを備える。そし
て、第1のスライドユニット164により第2のスライ
ドユニット166がスライドされ、第2のスライドユニ
ット166により第3のスライドユニット168がスラ
イドされるよう、各スライドユニットは互いに係合され
ている。
【0051】第1のスライドユニット164は、パルス
モータ170の正逆回転によりスライドブロック172
を図中Y軸に沿って移動させる。第2のスライドユニッ
ト166は、パルスモータ174の正逆回転によりスラ
イドブロック176を図中X軸に沿って移動させる。ま
た、第3のスライドユニット168は、パルスモータ1
78の正逆回転によりスライドブロック180を図中Z
軸に沿って移動させ、この第3のスライドユニット16
8には、落射照明系を内蔵したCCDカメラ20が固定
されている。このため、CCDカメラ20は、パルスモ
ータ170,174が制御装置200からの制御信号に
より正逆駆動されると、X−Y平面において移動し、パ
ルスモータ178が制御装置200からの制御信号によ
り正逆駆動されると、ピント調整のためにZ軸に沿って
上下動する。なお、上プレート吸着枠50の上面には、
CCDカメラ20に対向してミラー182が設けられて
いる。また、CCDカメラ22についても同様に構成さ
れている。
【0052】CCDカメラ20,22の撮影対象となる
上マスクプレート48,下マスクプレート52には、両
マスクプレートの位置合わせのためのアライメントマー
クが形成されている。図12に示すように、上マスクプ
レート48下面には十字のアライメントマークM1が
(図12(a))、下マスクプレート52の上面にはい
わゆる井桁状のアライメントマークM2(図12
(b))がそれぞれ形成されている。従って、上マスク
プレート48,下マスクプレート52が接合された状態
でCCDカメラ20,22により上記両マークの重なり
状態を撮像すれば、両マスクプレートの位置合わせ状態
が判明する。つまり、両マスクプレートが位置ズレして
いれば、両マークは図12(c)に示すようにズレてお
り、マスクプレートが位置合わせされていれば、両マー
クは図12(d)に示すようにその中心が一致すること
になる。このため、図12(c)に示す両マークのズレ
を解消するよう下マスクプレート52を移動すれば、上
マスクプレート48と下マスクプレート52は位置合わ
せされる。この両マークのズレ量の演算は、CCDカメ
ラ20,22の画像信号を入力する制御装置200にて
行なわれ、その演算結果に応じてX軸,Y軸の移動ユニ
ット110,112,114が駆動制御される。
【0053】次に、露光装置30の電気的な構成につい
て説明する。図13に示すように、露光装置30は、本
装置の種々の制御を司る制御装置200を備える。制御
装置200は、予め書き込まれたプログラムに基づき各
種の制御対象機器をシーケンス制御するプログラマブル
コントローラ(以下、PCという)202を中心に構成
されている。PC202はCPU,ROM,RAM,タ
イマやI/Oポートを相互に接続して有し、制御装置2
00は、このPC202と相互にデータの授受を行なう
画像処理装置204と、露光光源38,40を点灯制御
する点灯回路206を備える。
【0054】画像処理装置204は、PC202からの
制御信号に応じてCCDカメラ20,22から画像情報
を入力する。そして、この画像処理装置204は、入力
した画像情報に基づいて、上マスクプレート48および
下マスクプレート52のアライメントマークM1,アラ
イメントマークM2のズレ量を画像処理して求め(図1
2参照)、その結果をPC202に出力する。この場
合、両アライメントマークのズレ量の許容範囲、即ち上
マスクプレート48と下マスクプレート52との位置ズ
レの許容範囲は画像処理装置204の記憶素子に予め記
憶されているので、画像処理装置204では上記ズレ量
の算出と共に、その適否が判定される。そして、この画
像処理装置204からは、次のような制御信号が出力さ
れる。
【0055】まず、両アライメントマークのズレ量が許
容範囲である場合には、画像処理装置204からは、両
アライメントマークのズレ量の良否判定の結果(OK信
号)のみが出力される。一方、両アライメントマークの
ズレ量が許容範囲外である場合には、画像処理装置20
4からは、両アライメントマークのズレ量の算出値と良
否判定の結果(NG信号)が出力される。この信号を受
けるPC202は、上記ズレ量が許容範囲内となるよう
下マスクプレート52を移動すべく、X軸,Y軸の移動
ユニット110,112,114を駆動制御する。
【0056】また、PC202には、下マスクプレート
52を下プレート吸着枠54に吸着・保持して両者を一
体とするための吸引ポンプ208と、上マスクプレート
48を上プレート吸着枠50に吸着・保持するして両者
を一体とするための吸引ポンプ210と、下プレート吸
着枠54の吸引孔53から上下のマスクプレート周囲の
マスクプレート包囲領域Hを吸引するための吸引ポンプ
212と、上下のマスクプレート支持台を上下動させて
上マスクプレート48,下マスクプレート52を近接離
間するためのモータ214と、吸着ブロック156の吸
着を通して下マスクプレート52を下プレート吸着枠5
4ごと下マスクプレート支持台60に引き付ける電磁石
152と、下マスクプレート52を下プレート吸着枠5
4の押圧を介して移動させるための移動ユニット11
0,112,114と、CCDカメラ20,22の移動
によりカメラと上マスクプレート48の位置合わせおよ
びピント調整をするためのパルスモータ170,17
4,178と、処理開始スイッチや種々の設定スイッチ
等を有する操作パネル216が接続されている。
【0057】このほか、図13には図示されていない
が、PC202には、露光部32への金属薄板K搬入の
有無等を検出する基板搬入センサや空気圧回路における
圧力センサ等の各種のセンサや上記の種々のモータの回
転駆動量を検出するエンコーダに加え、露光部32,供
給部34,排出部36の各構成部ごとの種々の空気圧シ
リンダや電磁弁等の種々の空気圧駆動機器等が接続され
ている。
【0058】次に、上記した構成を備える本実施例の露
光装置30が行う制御について、説明する。なお、露光
装置30に電源が投入されてから遮断されるまでの間に
亘っては、吸引ポンプ208,210は常時吸引駆動を
継続するよう制御されており、上マスクプレート48は
上プレート吸着枠50に、下マスクプレート52は下プ
レート吸着枠54にそれぞれ吸着・保持されたままであ
る。
【0059】まず、露光装置30への電源投入の当初、
或いは、作業者が所定の操作ボタンを操作した際に実行
されるカメラ位置合わせルーチンについて説明する。図
14に示すように、このカメラ位置合わせルーチンで
は、下マスクプレート支持台60の電磁石152を通電
状態にしてオンさせ(ステップS300)、磁力を発生
させる。これにより、下プレート吸着枠54は下マスク
プレート支持台60に引き付けられ、下マスクプレート
支持台60の上下動に支障はなくなる。その後、モータ
214を所定方向に回転駆動して、図8に示す上マスク
プレート位置決め位置まで上マスクプレート支持台5
6,下マスクプレート支持台60をその上下動を経て近
接させ(ステップS302)、下マスクプレート支持台
60に対して上マスクプレート48を位置決めする。こ
の際の位置決めは、既述したように、位置決めピン嵌合
ブロック102と位置決めピンブロック104とにより
行なわれる。
【0060】次いで、CCDカメラ20,22にて上マ
スクプレート48のアライメントマークM1を撮像する
(ステップS304)。なお、撮像に先立って、CCD
カメラをZ軸に沿って上下動させるピント調整が行なわ
れる(図11参照)。その後、その撮像結果に基づいて
CCDカメラ20,22をX軸,Y軸に沿って移動させ
カメラの位置合わせを行なう(ステップS306)。こ
の際、カメラの撮像領域におけるアライメントマークM
1の撮像位置と所定の位置、例えば中心位置とを比較
し、アライメントマークM1が撮像領域の中心位置に移
動するための移動量が演算され、この移動量だけCCD
カメラ20,22が移動される。このステップS306
により、上マスクプレート48とCCDカメラ20,2
2とは正確に位置合わせされ、CCDカメラ20,22
を新たに移動させない限り上マスクプレート48とCC
Dカメラ20,22の位置関係は維持される。
【0061】この位置合わせの完了後は、モータ214
を逆転駆動して、上マスクプレート位置決め位置から上
下のマスクプレート支持台を上下動させて、上マスクプ
レート48と下マスクプレート52とを初期位置に復帰
させる(ステップS308)。これにより、金属薄板K
への露光処理の準備が完了する。
【0062】次に、上記したカメラ位置合わせルーチン
に引き続いて行なわれる露光処理ルーチンについて説明
する。この露光処理ルーチンは、作業者による処理開始
スイッチ操作を受けて開始され、停止スイッチ操作等が
なされるまで繰り返し実行される。まず、当該ルーチン
が開始されると、図15に示すように、下マスクプレー
ト支持台60の電磁石152を通電状態にしてオンさせ
(ステップS310)、磁力を発生させる。これによ
り、下プレート吸着枠54は下マスクプレート支持台6
0に引き付けられ、下マスクプレート52上面への金属
薄板Kの載置時に、下マスクプレート52を下プレート
吸着枠54と共に不用意に動かすことはない。
【0063】その後は、供給部34から露光部32にお
けるマスク部42に金属薄板Kを搬入する(ステップS
312)。具体的には、搬送装置にて金属薄板Kを露光
部32内に搬送し、この金属薄板Kを下マスクプレート
支持台60における下マスクプレート52の所定位置、
例えばその中央位置に載置する。こうして金属薄板Kが
搬入されると、モータ214の駆動制御を開始し、初期
位置にある上マスクプレート支持台56,下マスクプレ
ート支持台60の近接を開始する(ステップS31
4)。よって、それ以降は、両支持台の近接は継続され
る。
【0064】両支持台の近接開始に続いては、下プレー
ト吸着枠54の吸引孔53(図8参照)に接続された吸
引ポンプ212の吸引駆動を開始し、対向する上マスク
プレート48と下マスクプレート52周囲のマスクプレ
ート包囲領域Hのエアー吸引を開始する(ステップS3
16)。この場合、上下のマスクプレート支持台は近接
を開始した直後であり上下のプレート吸着枠も離れてい
るので、シール体55のシール部55bは上マスクプレ
ート48には当接してはおらず、マスクプレート包囲領
域Hは気密とされていない。つまり、このマスクプレー
ト包囲領域Hにおけるエアーの吸引は、マスクプレート
包囲領域Hが気密とされる以前から開始されてその後継
続される。よって、上下のマスクプレート支持台の近接
が進んでシール体55によりマスクプレート包囲領域H
が気密とされてからは、上マスクプレート48と下マス
クプレート52のさらなる接近とエアー吸引によるマス
クプレート包囲領域Hの負圧化が平行して行なわれる。
【0065】マスクプレート包囲領域Hのエアー吸引の
開始後には、上マスクプレート48と下マスクプレート
52の接合が完了したか否かを判断し(ステップS31
8)、肯定判断するまで待機する。この判断は、ステッ
プS314により上下のマスクプレート支持台の近接を
開始してからの経過時間の計時状態やリミットスイッチ
等のON信号の有無等から下される。このステップS3
18で両マスクプレートの接合が完了したと判断すれ
ば、上マスクプレート48のアライメントマークM1と
下マスクプレート52のアライメントマークM2との重
なり状態をCCDカメラ20,22にて撮像する(ステ
ップS320)。なお、この場合であっても、必要であ
ればピント調整が行なわれる。
【0066】ステップS320に続いては、CCDカメ
ラ20,22にて撮像した上記両マークの重なり状態の
撮像画像に基づいて、両マークのズレ量、即ち上マスク
プレート48と下マスクプレート52の位置ズレ量が許
容範囲のものであるか否かを判定する(ステップS32
2)。この際、既述したように、画像処理装置204で
は撮像画像の画像処理が行なわれ、両マークのズレ量が
演算される(図12参照)。そして、ステップS322
で両マスクプレートの位置ズレ量が許容範囲外であると
判定した場合は、吸引ポンプ212を停止してそれまで
継続されていたマスクプレート包囲領域Hのエアー吸引
を停止すると共に、マスクプレート包囲領域Hに吸引孔
53からエアーを吹き出す(ステップS324)。これ
により、マスクプレート包囲領域Hの負圧化は解消さ
れ、エアー吹き出しにともないその圧力が増加する。な
お、マスクプレート包囲領域Hへのエアー吹き出しは、
吸引孔53への接続を吸引ポンプ212から送風器(図
示省略)に切り換え、この送風器により行なわれる。
【0067】次いで、モータ214をそれまでと逆に駆
動制御し、上マスクプレート支持台56と下マスクプレ
ート支持台60を両者の上下動を経て離間する(ステッ
プS326)。このため、両支持台の離間により上マス
クプレート48は下マスクプレート52から離れると共
に、シール体55のシール部55bは上マスクプレート
48から離れる。よって、マスクプレート包囲領域H
は、その気密化が解かれて開放される。なお、ステップ
S326においては、両マスクプレート支持台は図8に
示す上マスクプレート位置決め位置まで離間される。ま
た、このマスクプレート包囲領域Hの開放と同時に、エ
アーの吹き付けは停止される。
【0068】この両支持台の離間に続いては、下マスク
プレート支持台60の電磁石152への通電を停止して
オフ状態とし磁力を消失させる(ステップS328)。
これにより、電磁石152への吸着ブロック156の吸
着は解かれるので、下プレート吸着枠54はボールキャ
スター82に単に支持されているだけの状態となる。こ
のため、下プレート吸着枠54と一体の下マスクプレー
ト52は、上マスクプレート48に対して平行なまま、
下プレート吸着枠54と一体に回転若しくはX軸,Y軸
に沿って移動可能な状態となる。
【0069】よって、ステップS328に続いては、下
マスクプレート52を下プレート吸着枠54と一体とな
って単独に移動させ、上マスクプレート48と下マスク
プレート52との位置合わせを行なう(ステップS33
0)。つまり、ステップS322での判定に伴い演算し
た上下のマスクプレートの位置ズレ量が許容範囲内とな
るよう、X軸,Y軸の移動ユニット110,112,1
14を駆動制御する。このステップS328により、上
マスクプレート48と下マスクプレート52とは正確に
位置合わせされ、下プレート吸着枠54を新たに移動さ
せない限り両マスクプレートの位置関係は維持される。
【0070】この位置合わせの完了後は、電磁石152
を再度通電状態にしてオンさせ(ステップS332)、
磁力を発生させる。これにより、下プレート吸着枠54
は、下マスクプレート支持台60に引き付けられ、ステ
ップS330での移動完了位置から動くことはない。よ
って、この下プレート吸着枠54と一体の下マスクプレ
ート52も、上マスクプレート48との位置関係を維持
したままとなる。そして、このステップS332に続い
ては、上記のステップS314に移行する。
【0071】つまり、ステップS332までの処理で上
マスクプレート48と下マスクプレート52との位置合
わせが完了したので、それ以降は、両マスクプレートの
間に金属薄板Kを挟持した状態でその表裏の主面にパタ
ーンを焼き付けるべく、ステップS314〜ステップS
322までの処理を行なう。これにより、両マスクプレ
ートの再接合および金属薄板Kの挟持(ステップS31
4),マスクプレート包囲領域Hのエアー吸引(ステッ
プS316),アライメントマークの位置合わせ確認
(ステップS322)が順次行なわれることになる。そ
して、ステップS322での肯定判定の後には、それま
で継続されていた吸引ポンプ212によるマスクプレー
ト包囲領域Hの吸引をその吸引力が増加するよう高める
(ステップS333)。従って、上マスクプレート48
と下マスクプレート52との密着の度合いは高まり、金
属薄板Kは、その周縁部においてもこれら上下のマスク
プレートと確実に真空密着して、上下のマスクプレート
に挟持されることになる。次いで、露光光源38,40
を点灯制御して、金属薄板Kの表裏の主面に上マスクプ
レート48,下マスクプレート52のパターンを焼き付
け露光する(ステップS334)。
【0072】なお、ステップS332を経てステップS
314に移行した後のステップS322で再度否定判定
した場合には、上記したようにステップS324以降の
処理が繰り返され、両マスクプレートの位置合わせが再
度実行される。また、当初のステップS322で肯定判
定した場合は、ステップS324以降の処理は行なわれ
ず、即座にステップS334にて露光処理が行なわれ
る。つまり、当初から両マスクプレートの位置合わせが
良好であれば、パターンの露光が速やかに実行される。
【0073】こうして露光処理が完了すると、ステップ
S324と同様に、マスクプレート包囲領域Hのエアー
吸引の停止とマスクプレート包囲領域Hへのエアー吹き
出しとを行なう(ステップS336)。その後は、モー
タ214の駆動制御を経て、上マスクプレート支持台5
6と下マスクプレート支持台60を図7に示す初期位置
まで離間し(ステップS338)、次回以降の金属薄板
Kの露光に備える。次いで、露光済みの金属薄板Kを搬
送装置にて露光部32における下マスクプレート52か
ら排出部36に搬出し(ステップS340)、既述した
ステップS312に移行する。
【0074】以上説明したように本実施例の露光装置3
0では、上下に対向支持した上マスクプレート48と下
マスクプレート52との位置合わせを行なうに当たり、
図16に示すように、両マスクプレートの近接の過程で
(ステップS314)、これらマスクプレートを取り囲
むマスクプレート包囲領域Hをシール体55により形成
しこれを気密とする。そして、このマスクプレート包囲
領域Hが図示するように気密にされる以前から、具体的
には離間している両マスクプレートの近接が開始された
直後或いはその僅か後から、マスクプレート包囲領域H
のエアーを吸引孔53を経て吸引する(ステップS31
6)。そして、このプレート近接,吸引を両マスクプレ
ートが接合するまで行なう(ステップS318)。
【0075】このため、マスクプレート包囲領域Hの負
圧化が進行しつつ、上マスクプレート48と下マスクプ
レート52はさらに接近してやがて両マスクプレートが
接合するので、両マスクプレート間にはエアー溜まりを
残すことがない。しかも、本実施例では、上マスクプレ
ート48,下マスクプレート52は、その板厚に対する
縦・横の寸法が大きいため、上側に位置する上マスクプ
レート48は、図中に点鎖線で示すようにマスクプレー
ト包囲領域Hの負圧化によりプレート中央部が下向きに
凸となって下マスクプレート52に接近する。従って、
上マスクプレート48は、この凸部で下マスクプレート
52に当初接合し、その後の上下のマスクプレートの接
合領域は、この凸部から放射状に拡大するため、両マス
クプレートは、その全面に亘り隙間なく均一且つ確実に
接合する。
【0076】よって、CCDカメラ20,22で得た上
マスクプレート48,下マスクプレート52のアライメ
ントマークM1およびアライメントマークM2のズレ状
態は、上マスクプレート48と下マスクプレート52の
位置ズレ状態を正確に反映したものとなる。そして、上
マスクプレート48と下マスクプレート52との位置合
わせを、この正確な位置ズレの状態に応じた下マスクプ
レート52の移動により行なうことができる。この結
果、本実施例の露光装置30によれば、上マスクプレー
ト48と下マスクプレート52との位置合わせの精度を
向上させることができる。
【0077】また、上マスクプレート48と下マスクプ
レート52の接合領域の放射状の拡大は、マスクプレー
ト包囲領域Hの負圧化と相まって急速に進行する。この
ため、本実施例の露光装置30によれば、位置合わせの
ための両マスクプレートの近接・接合を短時間のうちに
行なうことができ、工程の短縮化、延いては生産効率の
向上を図ることができる。
【0078】更に、上マスクプレート48と下マスクプ
レート52とをその全面に亘り隙間なく均一且つ確実に
接合した後に、マスクプレート包囲領域Hのエアーを高
い吸引力で吸引し(ステップS333)、両マスクプレ
ートの間に金属薄板Kを真空密着して挟持する(ステッ
プS333)。よって、この真空密着に要する時間も短
縮でき、より一層の工程の短縮化並びに生産効率の向上
を図ることができる。
【0079】また、上記した上下のマスクプレートの位
置合わせ精度の向上に加え、エアー溜まりを解消して金
属薄板Kを上下のマスクプレートに真空密着できる。よ
って、本実施例の露光装置30によれば、露光品質をも
向上させることができる。
【0080】加えて、マスクプレートの位置ズレ量が許
容範囲外である場合や露光完了後に上マスクプレート4
8と下マスクプレート52とを離間させる際に、マスク
プレート包囲領域Hに吸引孔53からエアーを吹き出す
(ステップS324,336)。よって、速やかなマス
クプレート包囲領域Hの負圧化の解消および圧力増加を
通して、両マスクプレートを速やかに且つ円滑に離間さ
せることができる。
【0081】また、上マスクプレート48については、
図8の位置決め位置にて位置決めピンブロック104と
位置決めピン嵌合ブロック102とにより下マスクプレ
ート支持台60に対して位置決めし、両マスクプレート
の位置合わせ時には下マスクプレート支持台60に対し
て下マスクプレート52を移動させるに過ぎない。よっ
て、一方のマスクプレートを移動させる構成でよいの
で、構成の簡略化を図ることができる。
【0082】以上本発明の一実施例について説明した
が、本発明はこの様な実施例になんら限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施
例では、上下のマスクプレートの位置合わせを下マスク
プレート52に金属薄板Kが載置された状態で行なう構
成としたが、上下のマスクプレートの位置合わせは金属
薄板Kの載置前に行ない、位置合わせ完了後に金属薄板
Kを搬入・載置する構成とすることもできる。
【0083】また、本実施例では、吸引ポンプ212に
よるマスクプレート包囲領域Hの気密化以前の吸引(ス
テップS316)を、上下のマスクプレートの近接処理
(ステップS314)に引き続いて行なうよう構成した
が、上下のマスクプレートの近接を開始してから経過時
間経過した後に行なうよう構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の露光装置30の概略正面
図。
【図2】図1におけるA方向矢視図。
【図3】下マスク部46の概略斜視図。
【図4】マスク部42の中央概略断面図。
【図5】図2の5−5線断面図。
【図6】マスク部42の上保持枠58と下保持枠62を
上下に移動させる移動機構を説明する説明図。
【図7】上マスクプレート48を下マスクプレート支持
台60に位置決めする位置決めピン嵌合ブロック102
と位置決めピンブロック104を説明するための説明
図。
【図8】位置決めピン嵌合ブロック102と位置決めピ
ンブロック104による上マスクプレート48の位置決
めの様子を説明する説明図。
【図9】下マスクプレート52を下プレート吸着枠54
と一体に移動させる移動ユニット114を説明する説明
図。
【図10】吸着ブロック156とこれを吸着する電磁石
152との関係を説明する説明図。
【図11】図2の11−11線概略断面図。
【図12】上マスクプレート48,下マスクプレート5
2のアライメントマークM1およびアライメントマーク
M2とこの両マークの位置ズレの状態および位置合わせ
を説明する説明図。
【図13】露光装置30の電気的な構成を示すブロック
図。
【図14】露光装置30にて行なわれるカメラ位置合わ
せルーチンを表わすフローチャート。
【図15】露光装置30にて行なわれる露光処理ルーチ
ンを表わすフローチャート。
【図16】露光装置30における上マスクプレート48
と下マスクプレート52との接合の様子を説明する説明
図。
【符号の説明】
20,22…CCDカメラ 30…露光装置 32…露光部 38,40…露光光源 42…マスク部 44…上マスク部 46…下マスク部 48…上マスクプレート 50…上プレート吸着枠 52…下マスクプレート 53…吸引孔 54…下プレート吸着枠 55…シール体 55a…シール基部 55b…シール部 56…上マスクプレート支持台 60…下マスクプレート支持台 64…スライドレール 68…リニアレール 74…ガイド機構 82…ボールキャスター 93a〜93i…吸着部 98,99…スプロケットシャフト 100…チェーン 102…位置決めピン嵌合ブロック 104…位置決めピンブロック 110,112,114…移動ユニット 116,118,120…プレート押圧駒 142,144…ばね係合ピン 146…ばね 152…電磁石 156…吸着ブロック 158…係合プレート 160…固定体 162…プレート 164…第1のスライドユニット 166…第2のスライドユニット 168…第3のスライドユニット 200…制御装置 202…PC(プログラマブルコントローラ) 204…画像処理装置 206…点灯回路 208,210,212…吸引ポンプ 214…モータ H…マスクプレート包囲領域 K…金属薄板 M1…アライメントマーク M2…アライメントマーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のプレートを支持する第1プレート
    支持台と、該第1のプレートと対向する第2のプレート
    を支持する第2プレート支持台とを有し、前記第1と第
    2のプレートとを位置合わせする位置合わせ方法であっ
    て、 前記第1プレート支持台と第2プレート支持台を相対的
    に移動して、前記第1と第2のプレートを一旦接合させ
    る接合工程と、 該接合された前記第1と第2のプレートの位置合わせ状
    態を検査する検査工程と、 該検査完了後に、前記第1プレート支持台と第2プレー
    ト支持台を相対的に移動して、前記第1と第2のプレー
    トを離間する離間工程と、 該離間された前記第1と第2のプレートの少なくともい
    ずれか一方を前記検査した位置合わせ状態に応じて移動
    して、前記第1と第2のプレートの位置合わせを行なう
    位置合わせ工程と、を備え、 前記接合工程は、 前記第1と第2のプレートが近づくと、前記第1と第2
    のプレートを取り囲むプレート包囲領域を、前記第1プ
    レート支持台と第2プレート支持台との間において気密
    状態とする気密化工程と、 前記プレート包囲領域におけるエアーを、前記プレート
    包囲領域が気密とされる以前から継続して吸引する吸引
    工程とを有し、 前記離間工程は、 前記第1プレート支持台と第2プレート支持台の相対的
    な移動に先立ち、前記吸引工程による前記プレート包囲
    領域の吸引を停止する吸引停止工程を有することを特徴
    とする対向プレート位置合わせ方法。
  2. 【請求項2】 第1のプレートを支持する第1プレート
    支持台と、該第1のプレートと対向する第2のプレート
    を支持する第2プレート支持台とを有し、前記第1と第
    2のプレートとを位置合わせする位置合わせ装置であっ
    て、 前記第1プレート支持台と第2プレート支持台とを相対
    的に移動する相対移動手段と、 該相対移動手段を前記第1プレート支持台と第2プレー
    ト支持台とが近接する側に駆動制御し、前記第1と第2
    のプレートを一旦接合させる接合手段と、 前記第1プレート支持台と第2プレート支持台の少なく
    とも一方に前記第1と第2のプレートを取り囲んで設け
    られ、前記第1と第2のプレートが近づくと、前記第1
    プレート支持台と第2プレート支持台との間に前記第1
    と第2のプレートを取り囲むプレート包囲領域を形成
    し、該プレート包囲領域を気密にシールするシール体
    と、 前記プレート包囲領域に連通した連通口を経て、前記プ
    レート包囲領域のエアーを前記シール体により前記プレ
    ート包囲領域が気密とされる以前から継続して吸引する
    吸引手段と、 前記接合された前記第1と第2のプレートの位置合わせ
    状態を検査する検査手段と、 前記吸引手段による前記プレート包囲領域の吸引を、前
    記位置合わせ状態の検査完了後に停止する吸引停止手段
    と、 該吸引停止後に、前記相対移動手段を前記第1プレート
    支持台と第2プレート支持台が離間する側に駆動制御
    し、前記第1と第2のプレートを離間する離間手段と、 該離間された前記第1と第2のプレートの少なくともい
    ずれか一方を前記検査した位置合わせ状態に応じて移動
    して、前記第1と第2のプレートの位置合わせを行なう
    位置合わせ手段と、を備えることを特徴とする対向プレ
    ート位置合わせ装置。
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