JPH0940750A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH0940750A
JPH0940750A JP14972096A JP14972096A JPH0940750A JP H0940750 A JPH0940750 A JP H0940750A JP 14972096 A JP14972096 A JP 14972096A JP 14972096 A JP14972096 A JP 14972096A JP H0940750 A JPH0940750 A JP H0940750A
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JP
Japan
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imidazole
reaction
acid
compound
epoxy
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Application number
JP14972096A
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English (en)
Inventor
Tatatomi Nishikubo
忠臣 西久保
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Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性及び硬化特性に優れたエポキシ樹
脂系の硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 硬化性組成物は、(A)下記化1の一般
式(1)で表わされ、光照射により遊離のイミダゾール
を生成させるイミダゾール誘導体と、(B)多官能性の
エポキシ化合物を必須成分として含有する。上記イミダ
ゾール誘導体と多官能性のエポキシ化合物の他に、更
に、(C)多官能性のフェノール化合物、多官能性のカ
ルボン酸、酸無水物、及びアミン化合物よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物を含有することもでき
る。上記組成物は、光照射することにより、イミダゾー
ル誘導体からイミダゾールが遊離し、これがエポキシ基
の開環重合触媒、エポキシ基と上記各化合物との付加反
応等の触媒として働き、引き続き行われる加熱により硬
化反応を促進させ、硬化特性に優れた硬化物が得られる
が、光照射しない限り硬化反応は促進されず、従って優
れた保存安定性を示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性組成物に関
し、さらに詳しくは、光照射と加熱によって硬化するエ
ポキシ樹脂系硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、種々の光硬化性組成物が、印
刷版、塗料、印刷インキ、エッチングレジスト、メッキ
レジスト、ソルダーレジスト、表面被覆剤、ワニス、接
着剤、ポッティング剤等の各種用途に広く利用されてい
るが、その多くは、基本的にはラジカル重合性の多官能
性(メタ)アクリル酸エステルと光ラジカル重合開始剤
より成る組成物である。この反応系の特徴は、その優れ
た光硬化性と使用出来る(メタ)アクリル酸エステルの
組み合わせの多様性にある。しかしながら、(メタ)ア
クリル酸エステル系の硬化物は、その光硬化の際の体積
収縮が大きく、そのために一般的には基材に対する接着
性や硬化物の寸法安定性に問題がある。また反応論的に
は、これらの光ラジカル重合系は、酸素により重合が阻
害されるために、硬化物の表面の硬化性が悪いという問
題もある。さらに、多くの多官能性の(メタ)アクリル
酸エステル類は人体の皮膚に対する刺激性が強く、この
点において取扱い性にも問題がある。
【0003】また、ジフェニルヨードニウムヘキサフル
オロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラ
フルオロホスフェート等の光カチオン重合開始剤を使用
した、多官能性のビニルエーテルやエポキシ化合物から
成る光硬化性組成物も知られている。この光硬化性組成
物は、アクリル酸エステル系の光硬化性組成物と比較し
て、相対的に硬化の際の体積収縮は小さく、酸素による
重合阻害作用も受けず、皮膚に対する刺激性が低い等の
特徴を有し、高感度、高解像度を有する化学増幅型のフ
ォトレジストとしても重要である。しかしながら、上記
のようなジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチ
モネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロホ
スフェートを多官能性のビニルエーテルやエポキシ化合
物の光硬化反応に使用した場合、光照射により生成する
カチオン重合開始剤は強酸であるため、硬化物中に強酸
性の化合物が残存することになる。従って、この組成物
を接着剤、ソルダーレジスト、塗料、被覆剤などとして
利用した場合、基板の酸による腐食が大きな問題点とな
る。さらに、光カチオン重合系は、酸素による反応の阻
害は受けないものの、水分や反応系の水酸基等により反
応が大きく阻害される。従って、このような光硬化系で
は、不純物の除去や官能基の選択、純度などが非常に重
要となり、工業的には取扱いが難しいという問題があ
る。
【0004】上記のような光照射により生成する強酸性
化合物による基板の腐食や酸素等による反応阻害を受け
ない熱硬化性の組成物として、エポキシ樹脂系の組成物
が知られている。例えば、種々のアミン系硬化剤を用い
たエポキシ樹脂の硬化反応系は、硬化物の機械的強度、
寸法安定性、接着力、耐薬品性等が良好なことから、接
着剤、ポッティング剤、プリント配線板、複合材料、塗
料、印刷インキなどの様々な分野で工業的に広く利用さ
れている。しかしながら、この硬化系の反応は比較的速
く、取扱中にも反応は進行する。したがって、例えば、
硬化剤のマイクロカプセル化等、反応のコントロールに
様々な技術的検討、改良がなされてきたが、保存安定
化、反応のコントロールなどの面で解決、改良しなけれ
ばならない多くの問題点がある。
【0005】一方、イミダゾール化合物は、分子内に第
二アミノ基と第三アミノ基を有する複素環化合物であ
り、それ自身がエポキシ樹脂の架橋剤としても利用可能
であるが、多くの場合はその優れた触媒作用により、エ
ポキシ基の開環重合触媒、エポキシ基とカルボン酸、フ
ェノール、アルコール、アミン、あるいは活性エステル
などとの付加反応の触媒としても非常に有用であり、工
業的にも広く利用されている。しかしながら、エポキシ
樹脂(あるいはエポキシ化合物)や、エポキシ樹脂と多
官能性のカルボン酸、フェノール、アルコール、アミン
などの架橋・硬化剤との混合物に、触媒としてイミダゾ
ール類を加えた場合には、反応が促進されるために、そ
の保存安定性が悪くなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、イミダゾール化合物を触媒として用いた場合の前記
したような問題を解決し、アミノ基をブロックされたイ
ミダゾール誘導体を用い、光反応によってイミダゾール
を発生させるようにした、保存安定性及び硬化特性に優
れた一液型のエポキシ樹脂系硬化性組成物を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、(A)下記化4の一般式(1)で
表わされ、光照射により遊離のイミダゾールを生成させ
るイミダゾール誘導体と、(B)多官能性のエポキシ化
合物を含有する硬化性組成物が提供される。
【化4】 さらに本発明によれば、(A)上記一般式(1)で表さ
れるイミダゾール誘導体と(B)多官能性のエポキシ化
合物の他に、更に、(C)多官能性のフェノール化合
物、多官能性のカルボン酸、酸無水物、及びアミン化合
物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含
有する硬化性組成物も提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るエポキシ樹脂系の硬
化性組成物は、上記のように、イミダゾールのアミノ基
がブロックされた構造のイミダゾール誘導体を硬化反応
の触媒として用いることを特徴としている。イミダゾー
ルは、活性水素を有する第二アミノ基を有しており、前
記したように、エポキシ基の開環重合触媒、エポキシ基
とカルボン酸等との付加反応などの触媒として作用し、
このような硬化反応系にイミダゾールが共存する場合、
常温においても徐々に反応が進行し、その組成物はゲル
化してしまう。そこで、本発明の硬化性組成物において
は、光を照射しない限り上記のような反応の触媒として
作用せず、安定であるが、光を照射することで始めて光
反応によりイミダゾールを遊離するイミダゾール誘導体
を用い、優れた保存安定性を有するように構成したもの
である。
【0009】以下、本発明において使用されるイミダゾ
ール誘導体としてN−(2−ニトロベンジルオキシ)カ
ルボニルイミダゾールを例に挙げて説明すると、この化
合物はそのアミノ基がブロックされているため安定であ
り、光照射しない限り前記したような反応の触媒として
作用することはない。従って、このようなイミダゾール
誘導体を含有するエポキシ樹脂系の硬化性組成物は、例
えば暗所に保存して光を照射しない限り、優れた保存安
定性を有する。しかし、光照射により、下記化5の反応
式に従って光分解を起こし、イミダゾールを生成する。
従って、その後、本発明の硬化性組成物を加熱すること
により、上記反応によって生成したイミダゾールが優れ
た触媒作用を発揮し、硬化特性に優れた硬化物が得られ
る。
【化5】
【0010】本発明においては、上記N−(2−ニトロ
ベンジルオキシ)カルボニルイミダゾール以外にも、前
記反応式から明らかなように、イミダゾールの第二アミ
ノ基をブロックしているニトロベンジルオキシカルボニ
ル残基のニトロベンジル基のメチレン基とニトロ基の酸
化還元反応及び脱二酸化炭素を生ずるような構造のイミ
ダゾール誘導体は全て使用可能であり、その幾つかを例
示すれば、例えば下記化6に示すようなイミダゾール誘
導体が挙げられる。
【化6】 上記イミダゾール誘導体のうち、ニトロ基がメタ及びパ
ラの位置にある(i)及び(j)のイミダゾール誘導体
は、その光反応性が他のイミダゾール誘導体に比べてや
や劣るが、同様の効果が期待できる。また、共役系の長
いイミダゾール誘導体、例えば(g)及び(h)のよう
に縮合環を有するイミダゾール誘導体は、光反応を起こ
す波長域が可視光側にも広がるため、照射光源の融通性
が増すという利点を有する。
【0011】本発明の硬化性樹脂組成物の主成分として
用いられるエポキシ化合物としては、代表的なものを挙
げると、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えばビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンとをアルカリ存在
下に反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAとホルマリンを縮合反応した樹脂
のエポキシ化物、ビスフェノールAの代わりにブロム化
ビスフェノールAを用いたものや、ノボラック樹脂にエ
ピクロルヒドリンを反応させて、グリシジルエーテル化
したノボラック型エポキシ樹脂、例えばフェノールノボ
ラック型、オルソクレゾールノボラック型、p−t−ブ
チルフェノールノボラック型等のエポキシ樹脂、また、
ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒド
リンを反応させて得られるビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等がある。さら
に、シクロヘキセンオキサイド基、トリシクロデセンオ
キサイド基、シクロペンテンオキサイド基等を有する環
式脂肪族エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキ
サヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸
ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息
香酸、ダイマー酸グリシジルエステル等のグリシジルエ
ステル樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルーpーアミノフェノール、ジグリシ
ジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシ
ジルメタキシリレンジアミン、ジグリシジルトリブロム
アニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘ
キサン等のグリシジルアミン系樹脂;ヒダントイン環を
グリシジル化したヒダントイン型エポキシ樹脂;トリア
ジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート;ビキ
シレノール型又はビフェノール型のエポキシ樹脂;側鎖
にグリシジル基を有する共重合体等があるが、これらに
限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0012】本発明の硬化性組成物は、前述した一般式
(1)で表わされるイミダゾール誘導体と上記エポキシ
化合物を適量配合することで得られる。具体的には、エ
ポキシ化合物中のエポキシ基1モルに対して、0.1〜
30モル%、好ましくは1〜10モル%、さらに好まし
くは3〜5モル%となる割合で配合される。組成物の調
製は、使用するエポキシ化合物の性状(固液)に応じ
て、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物を単に混合す
るだけで行うこともでき、また、必要に応じて、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチルなどの適当な溶媒を用いて混合するこ
ともできる。
【0013】調製された組成物は、これを基材上に塗布
し、光照射および加熱によって硬化せしめる。イミダゾ
ール誘導体からイミダゾールを遊離させるための光照射
の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプなどの工業的に利用し得る
光源や、レーザー光線、電子線、X線などの公知の活性
光線のいずれも用いることができる。また、照射時間
は、光源の光の強さ等により変わり、短くて約5分、長
くて約3時間であるが、一般には約30〜60分間であ
る。このような光照射により、前記反応式のようにイミ
ダゾールがイミダゾール誘導体から遊離し、組成物中に
配合されているエポキシ化合物のエポキシ基の開環重合
触媒として働く。光照射後、硬化性組成物を約80〜2
00℃、好ましくは約100〜160℃に加熱すること
により、短時間でスムーズに加熱硬化が行われ、優れた
硬化特性を有する硬化物が得られる。
【0014】本発明の別の態様によれば、前記イミダゾ
ール誘導体とエポキシ化合物に加え、さらに多官能性の
フェノール化合物、多官能性のカルボン酸、酸無水物、
又はアミン化合物が配合される。このような硬化性組成
物においては、イミダゾール誘導体は前記したように光
照射によってイミダゾールを遊離し、これがエポキシ化
合物と上記のような化合物の付加反応等の触媒として働
き、その後の加熱硬化によって優れた特性の硬化物が得
られる。
【0015】本発明で用いる多官能性のフェノール化合
物としては、4,4´,4´´−メチリデントリスフェ
ノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールS、フェノール樹脂、クレゾール樹脂等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0016】多官能性のカルボン酸としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ムコン
酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキ
サヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、
3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒ
ドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテト
ラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、
3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒ
ドロフタル酸、トリメリット酸などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0017】酸無水物としては、代表的なものとして無
水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フ
タル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメ
チレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸などの二塩基性酸無水物;
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボ
ン酸無水物;その他これに付随する例えば5−(2,5
−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シ
キロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物のような多
価カルボン酸無水物誘導体などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0018】また、アミン化合物としては、4,4´,
4´´−トリアミノトリフェニルメタン、4,4´,4
´´−トリアミノトリフェニルエタン、4,4´−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニル
スルホン、o−,m−,p−フェニレンジアミン、三フ
ッ化ホウ素−アミン・コンプレックス(錯体)、ジシア
ンジアミド及びその誘導体、有機酸ヒドラジッド、ジア
ミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、アミン
イミド、ポリアミンの塩等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0019】前記した多官能性のフェノール化合物、カ
ルボン酸、酸無水物及びアミン化合物は、単独でも、ま
た2種以上を組み合わせて用いることもできる。その配
合量は、同時に配合されているエポキシ化合物のエポキ
シ基1モルに対し、理論的にはそれぞれフェノール基、
カルボキシル基、又はアミノ基が等モル含まれるように
配合されるが、一般に0.1〜1.3モル、好ましくは
0.3〜1.1モルの範囲が適当である。
【0020】イミダゾール誘導体、エポキシ化合物及び
上記多官能性のフェノール化合物、カルボン酸、酸無水
物、又はアミン化合物等からなる硬化性組成物において
も、イミダゾール誘導体の配合量、組成物の調製方法、
光照射の光源並びに時間、更に加熱温度は、イミダゾー
ル誘導体及びエポキシ化合物から成る前記硬化性組成物
に適用される諸条件と同様であり、それによって硬化特
性に優れた硬化物が得られる。また、本発明の硬化性組
成物には、前記した光反応性や熱硬化反応性を損なわな
い範囲で、さらに必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪
素、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどの公知慣用の
充填剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グ
リーン、酸化チタン、カーボンブラックなどの公知慣用
の着色用顔料、消泡剤、密着性付与剤、レベリング剤な
どの各種添加剤類を加えてもよい。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0022】合成例1 N−(2−ニトロベンジルオキシ)カルボニルイミダゾ
ール(以下、2NBCIと略称する)の合成:N,N′
−カルボニルジイミダゾール11.35g(70ミリモ
ル)及び2−ニトロベンジルアルコール10.72g
(70ミリモル)をアセトニトリル150mlに溶か
し、室温下で24時間反応させた。減圧下で反応溶媒を
除去した後、残渣を酢酸エチルで再結晶を行い、融点1
43〜144℃を有する生成物(2NBCI)12.8
6g(収率74%)を得た。この生成物のIRスペクト
ル及び1 H−NMRスペクトルを以下に示す。 IRスペクトル(KBr):1751cm-1(C=
O),1523及び1342cm-1(NO2 ),117
9及び1048cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,溶媒CDCl3
,内部標準TMS): δ(ppm)=5.83(s,2.0H,−CH2 −) 7.10(s,1.0H,cyclic CH) 7.46(s,1.0H,cyclic CH) 7.55〜7.82(m,3.0H,aromatic H) 8.13〜8.25(m,2.0H,aromatic H,N
=CH) 生成物の元素分析: C11934 としての計算値:C;53.45%,
H;3.67%,N;17.00% 分析値:C;53.33%,H;3.50%,N;1
7.16% 上記の分析結果は2NBCIが生成していることを示し
ている。また、示差熱分析の結果から、2NBCIの分
解温度は200℃であった。
【0023】合成例2 N−(3−ニトロベンジルオキシ)カルボニルイミダゾ
ール(以下、3NBCIと略称する)の合成:N,N′
−カルボニルジイミダゾール0.973g(6ミリモ
ル)をアセトニトリル15mlに溶解させた後、これに
3−ニトロベンジルアルコール0.766g(5ミリモ
ル)をアセトニトリル5mlに溶かした溶液を室温で1
時間かけて滴下し、その後室温で4時間攪拌を行った。
反応終了後、溶液を減圧濃縮し、クロロホルム−水で5
回抽出を行った。さらに抽出したクロロホルム層を硫酸
マグネシウムで脱水後、クロロホルムを減圧除去した。
得られた固体を酢酸エチルで再結晶を1回行い、融点1
06.0〜107.3℃を有する生成物(3NBCI)
0.964g(収率78%)を得た。この生成物のIR
スペクトル及び1 H−NMRスペクトルを以下に示す。 IRスペクトル(KBr):1770cm-1(C=
O),1528及び1346cm-1(NO2 ),118
1及び1061cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3
TMS): δ(ppm)=5.5(s,2.0H,−CH2 −) 7.1(s,1.0H,cyclic CH) 7.4〜7.5(m,1.0H,cyclic CH) 7.6(t,1.0H,aromatic H) 7.8(d,1.0H,aromatic H) 8.1(s,1.0H,N=CH) 8.2〜8.4(m,1.9H,aromatic H) 生成物の元素分析: C11934 としての計算値:C;53.45%,
H;3.67%,N;17.00% 分析値:C;53.77%,H;3.74%,N;1
7.06%
【0024】合成例3 N−(4−ニトロベンジルオキシ)カルボニルイミダゾ
ール(以下、4NBCIと略称する)の合成:N,N′
−カルボニルジイミダゾール0.811g(5ミリモ
ル)をアセトニトリル15mlに溶解させた後、これに
4−ニトロベンジルアルコール0.766g(5ミリモ
ル)を加えた。その後室温で24時間攪拌を行った。反
応終了後、溶液を減圧濃縮し、クロロホルム−水で3回
抽出を行った。さらに抽出したクロロホルム層を硫酸マ
グネシウムで脱水後、クロロホルムを減圧除去した。得
られた固体を酢酸エチルで再結晶を1回行い、融点12
7.8〜128.5℃を有する生成物(4NBCI)
0.911g(収率73.7%)を得た。この生成物の
IRスペクトル及び1 H−NMRスペクトルを以下に示
す。 IRスペクトル(KBr):1756cm-1(C=
O),1512及び1350cm-1(NO2 ),118
1及び1056cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3
TMS): δ(ppm)=5.5(s,2.0H,−CH2 −) 7.1(s,1.0H,cyclic CH) 7.4〜7.5(m,1.0H,cyclic CH) 7.6(d,1.0H,aromatic H) 8.1(s,1.0H,N=CH) 8.3(d,2.0H,aromatic H) 生成物の元素分析: C11934 としての計算値:C;53.45%,
H;3.67%,N;17.00% 分析値:C;53.16%,H;3.64%,N;1
7.23%
【0025】合成例4 N−[4−クロロ−(2−ニトロベンジルオキシ)]カ
ルボニルイミダゾール(以下、CNBCIと略称する)
の合成:N,N′−カルボニルジイミダゾール0.81
1g(5ミリモル)をアセトニトリル10mlに溶解さ
せた後、これに4−クロロ−2−ニトロベンジルアルコ
ール0.938g(5ミリモル)を加え、室温で24時
間攪拌を行った。氷冷後、析出物をろ取した。ろ取した
生成物は酢酸エチルで1回再結晶を行い、目的物を得
た。さらにろ液を室温で減圧濃縮し、クロロホルム−水
で3回抽出を行った後、抽出したクロロホルム層を硫酸
マグネシウムを用いて脱水し、溶媒を減圧除去した後、
得られた固体を酢酸エチルで1回再結晶を行い目的物を
得た。このようにして、融点139.5〜141.2℃
を有する生成物(CNBCI)1.117g(収率7
9.3%)を得た。この生成物のIRスペクトル及び1
H−NMRスペクトルを以下に示す。 IRスペクトル(KBr):1762cm-1(C=
O),1525及び1362cm-1(NO2 ),118
1及び1096cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3
TMS): δ(ppm)=5.8(s,2.0H,−CH2 −) 7.1(s,1.0H,cyclic CH) 7.4〜7.5(m,1.0H,cyclic CH) 7.5〜7.8(m,2.0H,aromatic H) 8.1〜8.3(m,2.0H,aromatic H,N=C
H) 生成物の元素分析: C11834 Clとしての計算値:C;46.91
%,H;2.86%,N;14.92% 分析値:C;47.08%,H;2.81%,N;1
4.90%
【0026】合成例5 N−5−メチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル
イミダゾール(以下、5MNBCIと略称する)の合
成:N,N′−カルボニルジイミダゾール0.973g
(6ミリモル)をテトラヒドロフラン15mlに溶解さ
せた後、これに5−メチル−2−ニトロベンジルアルコ
ール0.836g(5ミリモル)をテトラヒドロフラン
10mlに溶かした溶液を室温で30分かけて滴下し、
その後室温で24時間攪拌を行った。反応終了後、溶液
を減圧濃縮し、クロロホルム−水で5回抽出を行った。
さらに抽出したクロロホルム層を硫酸マグネシウムで脱
水後、クロロホルムを減圧除去した。融点80.7〜8
1.6℃を有する生成物(5MNBCI)1.233g
(収率94.4%)を得た。この生成物のIRスペクト
ル及び1 H−NMRスペクトルを以下に示す。 IRスペクトル(KBr):1762cm-1(C=
O),1514及び1336cm-1(NO2 ),117
5及び1059cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3
TMS): δ(ppm)=2.5(s,3.0H,−CH3 ) 5.8(s,2.0H,−CH2 −) 7.1(s,0.9H,cyclic CH) 7.3〜7.6(m,3.1H,cyclic CH,aromat
ic H) 8.1〜8.2(m,1.8H,N=CH,aromatic
H)
【0027】合成例6 N−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルオキシカ
ルボニルイミダゾール(以下、DMNBCIと略称す
る)の合成:N,N′−カルボニルジイミダゾール0.
973g(6ミリモル)をテトラヒドロフラン25ml
に溶解させた後、これに4,5−ジメトキシ−2−ニト
ロベンジルアルコール0.639g(3ミリモル)をテ
トラヒドロフラン15mlに溶かした溶液を0℃で30
分かけて滴下し、その後0℃で6時間攪拌を行った。析
出物をろ取し、ろ取した生成物は酢酸エチルで1回再結
晶を行い、目的物を得た。さらにろ液を室温で減圧濃縮
し、クロロホルム−水で5回抽出を行った後、抽出した
クロロホルム層を硫酸マグネシウムを用いて脱水し、溶
媒を減圧除去した後、得られた固体を酢酸エチルで2回
再結晶を行い目的物を得た。このようにして、融点13
5.0〜137.0℃を有する生成物(DMNBCI)
0.664g(収率72.0%)を得た。この生成物の
IRスペクトル及び1 H−NMRスペクトルを以下に示
す。 IRスペクトル(KBr):1766cm-1(C=
O),1525及び1332cm-1(NO2 ),117
8及び1065cm-1(C−O−C)1 H−NMRスペクトル(200MHz,CDCl3
TMS): δ(ppm)=4.0(s,6.1H,CH3 O) 5.8(s,2.0H,−CH2 −) 7.0(s,1.0H,aromatic H) 7.1(s,1.0H,cyclic CH) 7.5(s,0.9H,cyclic CH) 7.8(s,1.0H,aromatic H) 8.2(s,0.9H,N=CH)
【0028】実施例1 合成例1で得られた2NBCI 4.9g(20ミリモ
ル)をビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製エピコート828、エポキシ当量;190)
3.8g(エポキシ基として20ミリモル)に溶解させ
て硬化性組成物を調製した。これをKBr板に塗布し、
250Wの超高圧水銀灯を用いて70分間の光照射(1
0.80mW/cm2 ,310nm)を行い、2NBC
Iの反応率を赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定
した。その結果、1340cm-1での吸収の減少率か
ら、約70モル%の遊離のイミダゾールが生成したこと
が判明した。さらに、光照射物をそのまま放置すると、
遊離したイミダゾールの触媒作用により、室温下でもエ
ポキシ基の開環反応が進行し、放置後3日で架橋・硬化
した。一方、未照射の組成物は、同様の条件下で硬化反
応は起こらなかった。このことは、上記組成物が、光の
未照射下では優れた保存安定性を有することを示してい
る。
【0029】実施例2 合成例1で得られた2NBCI 0.49g(2ミリモ
ル)をエポキシ樹脂(エピコート828)3.8g(エ
ポキシ基として20ミリモル)に溶解させて硬化性組成
物を調製した。これをKBr板に塗布し、250Wの超
高圧水銀灯を用いて、それぞれ60分間及び90分間の
光照射(10.80mW/cm2 ,310nm)を行っ
た。その後120℃で加熱を行い、エポキシ基の反応率
を赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定した。
【0030】比較例1 エポキシ樹脂(エピコート828)3.8g(エポキシ
基として20ミルモル)にイミダゾール0.14g(2
ミリモル)を分散・溶解させ、120℃で加熱し、実施
例2と同様にエポキシ基の反応率の測定を行った。
【0031】上記実施例2及び比較例1において得られ
た赤外吸収スペクトル分析によるエポキシ基の反応率の
測定結果を図1に示す。この結果から明らかなように、
光照射により2NBCIから生成した遊離のイミダゾー
ルがエポキシ基の開環重合を促進した。さらに、加熱1
20分後のKBr板上の組成物は、いずれも硬化反応が
よく進行し、不溶性の硬化物を生成した。
【0032】実施例3 合成例1で得られた2NBCI 0.25g(1.0ミ
リモル)をフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウ
・ケミカル社製DEN438、エポキシ当量;181)
1.8g(エポキシ基として10ミリモル)に溶解させ
て硬化性組成物を調製した。これをKBr板に塗布し、
250Wの超高圧水銀灯を用いて60分間の光照射(1
0.80mW/cm2 ,310nm)を行い、その後1
20℃で120分間加熱を行い、エポキシ基の反応率を
赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定した。その結
果、65%のエポキシ基が反応していることが確認され
た。このことは、光照射により2NBCIより遊離した
イミダゾールがエポキシ基の開環重合を促進したことを
示している。さらに、加熱120分後のKBr板上の組
成物は、硬化反応がよく進行し、不溶性の硬化物を生成
した。
【0033】実施例4 合成例1で得られた2NBCI 0.30g(1.2ミ
リモル)、エポキシ樹脂(エピコート828)2.3g
(エポキシ基として12ミリモル)及び3官能性フェノ
ール化合物4,4´,4´´−メチリデントリスフェノ
ール1.17g(フェノール基として1.2ミリモル)
から硬化性組成物を調製した。これをKBr板に塗布
し、250Wの超高圧水銀灯を用いて60分間の光照射
(10.80mW/cm2 ,310nm)を行い、その
後120℃で90分間加熱を行い、エポキシ基の反応率
を赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定した。その
結果、99%のエポキシ基が反応していることが確認さ
れた。さらに、赤外吸収スペクトルにおいて3400c
-1に水酸基に起因する強い吸収が現われることも確認
された。このことは、光照射により2NBCIより遊離
したイミダゾールがエポキシ基とフェノール化合物の付
加反応を促進したことを示している。さらに、加熱90
分後の組成物は、硬化反応がよく進行し、不溶性の硬化
物を生成した。
【0034】実施例5 グリシジルメタクリレート(50モル%)−メチルメタ
クリレート(50モル%)共重合体P(GMA50-CO-
MA50、エポキシ当量;222)0.555g(エポキ
シ基として2.5ミリモル)及び合成例1で得られた2
NBCI 0.062g(0.25ミリモル)をテトラ
ヒドロフラン(5ml)に溶解させ硬化性組成物を調製
した。これをKBr板に塗布して乾燥させた後、250
Wの超高圧水銀灯を用いて60分間の光照射(10.8
0mW/cm2 ,310nm)を行い、その後140℃
で60分間加熱を行い、エポキシ基の反応率を赤外吸収
スペクトル分析装置を用いて測定した。その結果、55
%のエポキシ基が反応していることが確認された。この
ことは、光照射により2NBCIより遊離したイミダゾ
ールがエポキシ基の開環重合を促進したことを示してい
る。さらに、加熱90分後の組成物は、架橋反応がよく
進行し、不溶物を生成した。
【0035】実施例6 エポキシ樹脂(エピコート828)3.8g(エポキシ
基として20ミリモル)に2NBCI 0.49g(2
ミリモル)及び無水フタル酸2.96g(20ミリモ
ル)を加えて硬化性組成物を調製した。これをKBr板
に塗布し、250Wの超高圧水銀灯を用いて60分間の
光照射(10.80mW/cm2 ,310nm)を行
い、さらにその後120℃で120分間加熱を行ってエ
ポキシ基の反応率を赤外吸収スペクトル分析装置を用い
て測定した。その結果、99%のエポキシ基が反応して
いることが確認された。また、赤外吸収スペクトルにお
いて1730cm-1にエステル結合に起因する強い吸収
も確認された。このことは、光照射により2NBCIよ
り遊離したイミダゾールがエポキシ基とカルボン酸無水
物との開環共重合を促進したことを示している。また、
光照射及び加熱後の組成物は、硬化反応がよく進行し、
不溶性の硬化物を生成した。
【0036】実施例7 エポキシ樹脂(エピコート828)3.8g(エポキシ
基として20ミリモル)に2NBCI 0.49g(2
ミリモル)及び無水トリメリット酸1.92g(カルボ
キシル基として10ミリモル及び酸無水物基として10
ミリモル)を加えて硬化性組成物を調製した。これをK
Br板に塗布し、250Wの超高圧水銀灯を用いて60
分間の光照射(10.80mW/cm2 ,310nm)
を行い、さらにその後120℃で120分間加熱を行っ
てエポキシ基の反応率を赤外吸収スペクトル分析装置を
用いて測定した。その結果、89%のエポキシ基が反応
していることが確認された。さらに、赤外吸収スペクト
ルにおいて3400cm-1及び1740cm-1に水酸基
及びエステル基に起因する強い吸収も確認された。この
ことは、光照射により2NBCIより遊離したイミダゾ
ールがエポキシ基とカルボン酸との付加反応及びエポキ
シ基と酸無水物基との開環共重合を促進したことを示し
ている。また、光照射及び加熱後の組成物は、硬化反応
がよく進行し、不溶性の硬化物を生成した。
【0037】実施例8 エポキシ樹脂(エピコート828)3.8g(エポキシ
基として20ミリモル)に2NBCI 0.49g(2
ミリモル)及びアジピン酸1.46g(20ミリモル)
を加えて硬化性組成物を調製した。これをKBr板に塗
布し、250Wの超高圧水銀灯を用いて60分間の光照
射(10.80mW/cm2 ,310nm)を行い、さ
らにその後120℃で120分間加熱を行ってエポキシ
基の反応率を赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定
した。その結果、95%のエポキシ基が反応しているこ
とが確認された。さらに、赤外吸収スペクトルにおいて
3400cm-1に水酸基及び1740cm-1にエステル
基に起因する強い吸収も確認された。このことは、光照
射により2NBCIより遊離したイミダゾールがエポキ
シ基とアジピン酸との付加反応を促進したことを示して
いる。また、光照射及び加熱後の組成物は、硬化反応が
よく進行し、不溶性の硬化物を生成した。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るエポキシ樹
脂系の硬化性組成物は、エポキシ基の開環重合触媒ある
いはエポキシ基と多官能性のフェノール化合物、カルボ
ン酸、酸無水物、又はアミン化合物との付加反応等の触
媒として、イミダゾールのアミノ基がブロックされた構
造の前記一般式(1)で表されるイミダゾール誘導体を
用いているので、光照射しない限り硬化反応は促進され
ず、従って暗所に保存することによって優れた保存安定
性を示す。また、使用に際しては、上記組成物を光照射
することにより、イミダゾール誘導体からイミダゾール
が遊離し、これがエポキシ基の開環重合触媒、エポキシ
基と上記各化合物との付加反応等の触媒として働き、引
き続き行われる加熱により硬化反応を促進させ、硬化特
性に優れた硬化物が得られる。さらに、本発明に係る硬
化性組成物は、熱硬化反応によって硬化されるものであ
るため、(メタ)アクリル酸エステル系の光硬化物にお
ける酸素による重合阻害に起因する硬化物表面の硬化性
が悪いといった問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2及び比較例1で得られた組成物の加熱
時間とエポキシ基の反応率の関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記化1の一般式(1)で示さ
    れ、光照射により遊離のイミダゾールを生成させるイミ
    ダゾール誘導体と、(B)多官能性のエポキシ化合物を
    含有することを特徴とする硬化性組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 (A)下記化2の一般式(1)で示さ
    れ、光照射により遊離のイミダゾールを生成させるイミ
    ダゾール誘導体と、(B)多官能性のエポキシ化合物
    と、(C)多官能性のフェノール化合物、多官能性のカ
    ルボン酸、酸無水物及びアミン化合物よりなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
    する硬化性組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記イミダゾール誘導体(A)が、下記
    化3の式(a)〜(m)の化合物よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1又は2に記載の硬化性
    組成物。 【化3】
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